JP2000241258A - 温度測定装置および測定方法 - Google Patents
温度測定装置および測定方法Info
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- JP2000241258A JP2000241258A JP11047348A JP4734899A JP2000241258A JP 2000241258 A JP2000241258 A JP 2000241258A JP 11047348 A JP11047348 A JP 11047348A JP 4734899 A JP4734899 A JP 4734899A JP 2000241258 A JP2000241258 A JP 2000241258A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 3線式の測温抵抗体センサを用いた温度測定
装置において、低コストで測定精度の高い測定装置を提
供する。 【解決手段】 複数の基準抵抗体31、32、33およ
び34を用意し、測温抵抗体センサ1の配線3aおよび
3bに加え、これらの基準抵抗体も定電流電源14に順
番に接続し、発生する電圧を測定し、さらに、これらの
電圧を比較することにより温度を求める。1つの定電流
電源で温度測定ができ、さらに基準抵抗体に発生する電
圧と比較することにより定電流電源のドラフトなどをキ
ャンセルできる。したがって、抵抗体以外は精度および
安定度がそれほど必要なくなるので、安価な回路を用い
て精度の高い温度測定装置10を提供できる。
装置において、低コストで測定精度の高い測定装置を提
供する。 【解決手段】 複数の基準抵抗体31、32、33およ
び34を用意し、測温抵抗体センサ1の配線3aおよび
3bに加え、これらの基準抵抗体も定電流電源14に順
番に接続し、発生する電圧を測定し、さらに、これらの
電圧を比較することにより温度を求める。1つの定電流
電源で温度測定ができ、さらに基準抵抗体に発生する電
圧と比較することにより定電流電源のドラフトなどをキ
ャンセルできる。したがって、抵抗体以外は精度および
安定度がそれほど必要なくなるので、安価な回路を用い
て精度の高い温度測定装置10を提供できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3線式の測温抵抗
体を用いて温度を測定する温度測定装置および測定方法
に関するものである。
体を用いて温度を測定する温度測定装置および測定方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属は温度にほぼ比例して電気抵抗が変
化するので、その抵抗値を測定すれば温度が分かる。測
温用の抵抗体として適当な条件を備えたものとしては白
金抵抗体があり、JISにも規定され、標準化されてい
る。このセンサは抵抗値の変化が大きく、電圧変化とし
て捉えると熱電対に比較し1桁程度大きな変化になる。
そして、安定度が高く0.1℃以上の長期安定性があり
測定精度が高い。また、抵抗値の読みからすぐに温度が
分かるなどの利点もある。その反面、一般的な温度セン
サであるサーミスタと比較すると測温抵抗体の抵抗値お
よびその温度による抵抗変化は小さい。したがって、単
に抵抗値を測定し、それをA/D変換したり、発振回路
に接続して温度に換算するといった簡易な回路では測温
抵抗体を取り扱うことができない。
化するので、その抵抗値を測定すれば温度が分かる。測
温用の抵抗体として適当な条件を備えたものとしては白
金抵抗体があり、JISにも規定され、標準化されてい
る。このセンサは抵抗値の変化が大きく、電圧変化とし
て捉えると熱電対に比較し1桁程度大きな変化になる。
そして、安定度が高く0.1℃以上の長期安定性があり
測定精度が高い。また、抵抗値の読みからすぐに温度が
分かるなどの利点もある。その反面、一般的な温度セン
サであるサーミスタと比較すると測温抵抗体の抵抗値お
よびその温度による抵抗変化は小さい。したがって、単
に抵抗値を測定し、それをA/D変換したり、発振回路
に接続して温度に換算するといった簡易な回路では測温
抵抗体を取り扱うことができない。
【0003】図7に、従来の測温抵抗体を用いた温度測
定装置の一例を示してある。3線式の測温抵抗体センサ
1は、測温抵抗体2である白金抵抗体をケーブル3で接
続するようになっている。ケーブル3は、測温抵抗体2
の両端を測定装置に接続するし抵抗値を測定するための
第1の配線3aおよび第2の配線3bと、配線抵抗をキ
ャンセルするために用いられる接地用の配線3cとを備
えており、接地用の配線3cは、第2の配線3bと並列
に接続されている。従来の測定装置90は、2つの定電
流電源91aおよび91bを用意し、これらを第1およ
び第2の配線3aおよび3bにそれぞれ接続している。
そして、第1および第2の配線3aおよび3bで発生し
た電圧差Vtを差動アンプ92で求め、A/D変換機能
93を用いてデジタルデータに変換している。この条件
で、第1、第2および第3の配線抵抗R1、R2および
R3が等しく、定電流電源91および92の出力電流I
1およびI2が等しければ、配線抵抗(R1+R3)お
よび(R2+R3)はキャンセルされ、電圧差Vtとし
て以下のものが得られる。
定装置の一例を示してある。3線式の測温抵抗体センサ
1は、測温抵抗体2である白金抵抗体をケーブル3で接
続するようになっている。ケーブル3は、測温抵抗体2
の両端を測定装置に接続するし抵抗値を測定するための
第1の配線3aおよび第2の配線3bと、配線抵抗をキ
ャンセルするために用いられる接地用の配線3cとを備
えており、接地用の配線3cは、第2の配線3bと並列
に接続されている。従来の測定装置90は、2つの定電
流電源91aおよび91bを用意し、これらを第1およ
び第2の配線3aおよび3bにそれぞれ接続している。
そして、第1および第2の配線3aおよび3bで発生し
た電圧差Vtを差動アンプ92で求め、A/D変換機能
93を用いてデジタルデータに変換している。この条件
で、第1、第2および第3の配線抵抗R1、R2および
R3が等しく、定電流電源91および92の出力電流I
1およびI2が等しければ、配線抵抗(R1+R3)お
よび(R2+R3)はキャンセルされ、電圧差Vtとし
て以下のものが得られる。
【0004】 Vt=I1×Rt ・・・(1) ここで、Rtは、測温抵抗体の抵抗値である。
【0005】したがって、2つの定電流電源91の出力
電流I1が分かれば、測温抵抗体2の抵抗値Rtがすぐ
に分かり、それをプロセッサ95の変換機能97により
温度変換することによりLCD12に表示することがで
きる。
電流I1が分かれば、測温抵抗体2の抵抗値Rtがすぐ
に分かり、それをプロセッサ95の変換機能97により
温度変換することによりLCD12に表示することがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな温度測定装置では、2つの定電流電源装置または定
電流回路が必要であり、消費電力が多くなる。さらに、
それぞれの定電流電源からそれぞれの配線に同一の電流
が流れるようにする必要があり、また、その出力電流が
安定している必要がある。図8に示すように、定電流回
路には負荷抵抗によって出力電流が変動する特性が一般
に現れるので、温度により測温抵抗体の抵抗値が変わる
と電流値も微少に変動しこれが測定誤差の原因になるこ
とがある。したがって、図7に示した測定装置により精
度良く温度を測定するためには、精度が良く、安定度の
高い定電流電源回路が必要であり、測定装置のコストが
高くなる。
うな温度測定装置では、2つの定電流電源装置または定
電流回路が必要であり、消費電力が多くなる。さらに、
それぞれの定電流電源からそれぞれの配線に同一の電流
が流れるようにする必要があり、また、その出力電流が
安定している必要がある。図8に示すように、定電流回
路には負荷抵抗によって出力電流が変動する特性が一般
に現れるので、温度により測温抵抗体の抵抗値が変わる
と電流値も微少に変動しこれが測定誤差の原因になるこ
とがある。したがって、図7に示した測定装置により精
度良く温度を測定するためには、精度が良く、安定度の
高い定電流電源回路が必要であり、測定装置のコストが
高くなる。
【0007】また、図9に示すように、A/D変換回路
にも変換特性があり、測定電圧に対し全領域でリニアな
デジタル値には変換されない。このため、図7に示すよ
うにプロセッサ95にリニア補正機能96を設けている
が、測定精度を上げるには差動アンプおよびA/D変換
回路にも精度および安定度の高いものが必要である。し
たがって、この点でも測定装置のコストは高くなる。
にも変換特性があり、測定電圧に対し全領域でリニアな
デジタル値には変換されない。このため、図7に示すよ
うにプロセッサ95にリニア補正機能96を設けている
が、測定精度を上げるには差動アンプおよびA/D変換
回路にも精度および安定度の高いものが必要である。し
たがって、この点でも測定装置のコストは高くなる。
【0008】さらに、図10に示すように、測温抵抗体
の抵抗値Rtは温度に対しほぼ比例して変化するが、完
全にリニアでなく若干の公差がある。したがって、精度
良く温度を求めるには、ルックアップテーブルなどを用
いた補正が必要となる。
の抵抗値Rtは温度に対しほぼ比例して変化するが、完
全にリニアでなく若干の公差がある。したがって、精度
良く温度を求めるには、ルックアップテーブルなどを用
いた補正が必要となる。
【0009】このように、従来の測温抵抗体を用いた温
度測定装置は、測温抵抗体が規格化されているので汎用
性が高く、また、広い温度範囲がカバーできるが、その
反面、測定精度の高い測定装置は大型で高価格な物にな
っていた。
度測定装置は、測温抵抗体が規格化されているので汎用
性が高く、また、広い温度範囲がカバーできるが、その
反面、測定精度の高い測定装置は大型で高価格な物にな
っていた。
【0010】そこで、本発明においては、測温抵抗体を
用いた温度測定装置であって、小型で、測定精度が高
く、さらに低コストで供給できる測定装置および測定方
法を提供することを目的としている。そして、コンパク
トなサイズで移動や設置が容易にでき、電池でも長時間
測定することができる測定装置を提供することを目的と
している。
用いた温度測定装置であって、小型で、測定精度が高
く、さらに低コストで供給できる測定装置および測定方
法を提供することを目的としている。そして、コンパク
トなサイズで移動や設置が容易にでき、電池でも長時間
測定することができる測定装置を提供することを目的と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、複数の基準抵抗体を用意し、測温抵抗体に接続さ
れた第1および第2の配線と共に、これらの基準抵抗体
も定電流電源に接続し、基準抵抗体により発生する電圧
と測温抵抗体により発生する電圧を比較することにより
温度を求めるようにしている。すなわち、本発明の、測
温抵抗体の両端に接続された第1および第2の配線と、
この第2の配線に並列に接続された接地用の第3の配線
とを備えた3線式の測温抵抗体センサを接続して温度を
測定可能な温度測定装置は、定電流電源と、測温抵抗体
の抵抗値が温度により変化する範囲あるいはその近傍の
抵抗値を備えた複数の基準抵抗体と、第1および第2の
配線および複数の基準抵抗体のそれぞれを順番に定電流
電源に接続し各々に発生した電圧を測定する電圧測定手
段と、測温抵抗体により発生した電圧および複数の基準
抵抗により発生した電圧を、直線補間などにより比較し
温度に換算する手段とを有する。また、本発明の測温抵
抗体の両端に接続された第1および第2の配線と、この
第2の配線に並列に接続された接地用の第3の配線とを
備えた3線式の測温抵抗体センサを用いて温度測定する
方法は、第1および第2の配線に加え、測温抵抗体の抵
抗値が温度により変化する範囲あるいはその近傍の抵抗
値を備えた複数の基準抵抗体のそれぞれを順番に定電流
電源に接続し、各々に発生した電圧を測定する電圧測定
工程と、測温抵抗体により発生した電圧および複数の基
準抵抗により発生した電圧を比較し、温度に換算する工
程とを有する。
ては、複数の基準抵抗体を用意し、測温抵抗体に接続さ
れた第1および第2の配線と共に、これらの基準抵抗体
も定電流電源に接続し、基準抵抗体により発生する電圧
と測温抵抗体により発生する電圧を比較することにより
温度を求めるようにしている。すなわち、本発明の、測
温抵抗体の両端に接続された第1および第2の配線と、
この第2の配線に並列に接続された接地用の第3の配線
とを備えた3線式の測温抵抗体センサを接続して温度を
測定可能な温度測定装置は、定電流電源と、測温抵抗体
の抵抗値が温度により変化する範囲あるいはその近傍の
抵抗値を備えた複数の基準抵抗体と、第1および第2の
配線および複数の基準抵抗体のそれぞれを順番に定電流
電源に接続し各々に発生した電圧を測定する電圧測定手
段と、測温抵抗体により発生した電圧および複数の基準
抵抗により発生した電圧を、直線補間などにより比較し
温度に換算する手段とを有する。また、本発明の測温抵
抗体の両端に接続された第1および第2の配線と、この
第2の配線に並列に接続された接地用の第3の配線とを
備えた3線式の測温抵抗体センサを用いて温度測定する
方法は、第1および第2の配線に加え、測温抵抗体の抵
抗値が温度により変化する範囲あるいはその近傍の抵抗
値を備えた複数の基準抵抗体のそれぞれを順番に定電流
電源に接続し、各々に発生した電圧を測定する電圧測定
工程と、測温抵抗体により発生した電圧および複数の基
準抵抗により発生した電圧を比較し、温度に換算する工
程とを有する。
【0012】測温抵抗体に接続された第1および第2の
配線に定電流電源を順番に接続することにより1つの定
電流電源で測温抵抗体に発生する電圧差を測定すること
ができる。さらに、測温抵抗体の抵抗値が温度により変
化する範囲あるいはその近傍の複数の基準抵抗体を用意
して、それらを順番に同一の定電流電源に接続し、それ
らに発生する電圧を測定することにより、測温抵抗体が
示すであろう抵抗値に相当する電圧を直線補間などの方
法により知ることができる。したがって、基準抵抗体に
発生した電圧と、測温抵抗体に発生した電圧差と比較す
ることにより、定電流電源装置から供給される電流を知
らなくても測温抵抗体の測定対象となる環境または物体
などの温度を知ることができる。したがって、基準抵抗
体の抵抗値が精度良く安定していれば、定電流電源の出
力電流が種々の原因によりドリフトしても、その影響を
キャンセルできる。したがって、それほど精度および安
定性の高くない定電流電源であっても精度の高い温度測
定が可能である。
配線に定電流電源を順番に接続することにより1つの定
電流電源で測温抵抗体に発生する電圧差を測定すること
ができる。さらに、測温抵抗体の抵抗値が温度により変
化する範囲あるいはその近傍の複数の基準抵抗体を用意
して、それらを順番に同一の定電流電源に接続し、それ
らに発生する電圧を測定することにより、測温抵抗体が
示すであろう抵抗値に相当する電圧を直線補間などの方
法により知ることができる。したがって、基準抵抗体に
発生した電圧と、測温抵抗体に発生した電圧差と比較す
ることにより、定電流電源装置から供給される電流を知
らなくても測温抵抗体の測定対象となる環境または物体
などの温度を知ることができる。したがって、基準抵抗
体の抵抗値が精度良く安定していれば、定電流電源の出
力電流が種々の原因によりドリフトしても、その影響を
キャンセルできる。したがって、それほど精度および安
定性の高くない定電流電源であっても精度の高い温度測
定が可能である。
【0013】特に、測温抵抗体が示す抵抗値に近い抵抗
値の基準抵抗体に発生した電圧で温度を判断できるの
で、負荷抵抗により電流特性がドリフトするような定電
流電源でも十分に精度の高い温度が得られる。また、電
圧に対するA/D変換特性が全電圧領域にわたりリニア
でないとしても、基準抵抗体の電圧を測定する際にA/
D変換特性が反映される。したがって、A/D変換装置
のリニア補正処理を行わなくても、測温抵抗体に発生し
た電圧を基準抵抗体に発生した電圧と比較することによ
り精度の高い温度を求めることができる。さらに、基準
抵抗体に発生する電圧の示す温度に白金の温度公差を反
映したり、あるいはそれらを直線補間して測温抵抗体に
発生した電圧と比較する際に白金の温度公差を反映する
ことも可能であり、これによりさらに精度の高い温度を
測定できる。
値の基準抵抗体に発生した電圧で温度を判断できるの
で、負荷抵抗により電流特性がドリフトするような定電
流電源でも十分に精度の高い温度が得られる。また、電
圧に対するA/D変換特性が全電圧領域にわたりリニア
でないとしても、基準抵抗体の電圧を測定する際にA/
D変換特性が反映される。したがって、A/D変換装置
のリニア補正処理を行わなくても、測温抵抗体に発生し
た電圧を基準抵抗体に発生した電圧と比較することによ
り精度の高い温度を求めることができる。さらに、基準
抵抗体に発生する電圧の示す温度に白金の温度公差を反
映したり、あるいはそれらを直線補間して測温抵抗体に
発生した電圧と比較する際に白金の温度公差を反映する
ことも可能であり、これによりさらに精度の高い温度を
測定できる。
【0014】測温抵抗体に接続された第1および第2の
配線と、基準抵抗体とをそれぞれ個別に定電流電源と接
続して、各々に発生する電圧を測定する測定装置および
測定方法は、第1および第2の配線のペア(セットある
いはチャンネル)の数を増加させても回路はそれほど複
雑にならず、定電流電源および基準抵抗体を増やす必要
はない。したがって、チャンネル数を増やしても消費電
力はそれほど増加することはなく、また、回路構成も簡
単で済む。したがって、多数の測温抵抗体センサを同時
に接続して複数の温度を測定する多チャンネル化が容易
な測定装置を提供できる。
配線と、基準抵抗体とをそれぞれ個別に定電流電源と接
続して、各々に発生する電圧を測定する測定装置および
測定方法は、第1および第2の配線のペア(セットある
いはチャンネル)の数を増加させても回路はそれほど複
雑にならず、定電流電源および基準抵抗体を増やす必要
はない。したがって、チャンネル数を増やしても消費電
力はそれほど増加することはなく、また、回路構成も簡
単で済む。したがって、多数の測温抵抗体センサを同時
に接続して複数の温度を測定する多チャンネル化が容易
な測定装置を提供できる。
【0015】第2の配線の電圧を測定するときは、接地
される第3の配線と繋がった第2の配線の配線抵抗は非
常に小さいので電圧を測定することが難しくなる。この
ため、第3の配線に対し適当な抵抗値のある接地抵抗を
接続することにより測温抵抗体に発生する電圧をいっそ
う精度良く、また、簡単に測定することができる。
される第3の配線と繋がった第2の配線の配線抵抗は非
常に小さいので電圧を測定することが難しくなる。この
ため、第3の配線に対し適当な抵抗値のある接地抵抗を
接続することにより測温抵抗体に発生する電圧をいっそ
う精度良く、また、簡単に測定することができる。
【0016】これに対し、第2の配線に複数の基準抵抗
をそれぞれ直列に接続し、測温抵抗体と第1および第3
の配線を含めた抵抗値により発生する電圧と、基準抵抗
体と第2および第3の配線を含めた抵抗値により発生す
る電圧とを比較して温度を求めるようにすることも可能
である。この方式では、多チャンネル化するときに基準
抵抗体が多く必要になるが、配線抵抗のみによる電圧を
測定することはない。したがって、接地抵抗を設けなく
ても精度の高い測定ができる。
をそれぞれ直列に接続し、測温抵抗体と第1および第3
の配線を含めた抵抗値により発生する電圧と、基準抵抗
体と第2および第3の配線を含めた抵抗値により発生す
る電圧とを比較して温度を求めるようにすることも可能
である。この方式では、多チャンネル化するときに基準
抵抗体が多く必要になるが、配線抵抗のみによる電圧を
測定することはない。したがって、接地抵抗を設けなく
ても精度の高い測定ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明をさ
らに説明する。図1に本発明にかかる温度測定装置、お
よびこの温度測定装置を用いてデータを取得するシステ
ムの概要を示してある。本例の温度測定装置10は図7
に示した3線式の測温抵抗体センサ1を接続し、その測
温抵抗体2の位置する環境あるいは物体などの測定対象
の温度を測定する測定装置である。そして、測定された
温度はいったん測定装置に記憶され、適当なタイミング
で通信ケーブル5を介してパーソナルコンピュータ6に
送信され解析できるようになっている。このように、本
例の測定装置10を用いることにより、測定された温度
データをパーソナルコンピュータ上で表示および解析な
どの処理を行うことができる温度用のデータロガーシス
テムを構築できる。
らに説明する。図1に本発明にかかる温度測定装置、お
よびこの温度測定装置を用いてデータを取得するシステ
ムの概要を示してある。本例の温度測定装置10は図7
に示した3線式の測温抵抗体センサ1を接続し、その測
温抵抗体2の位置する環境あるいは物体などの測定対象
の温度を測定する測定装置である。そして、測定された
温度はいったん測定装置に記憶され、適当なタイミング
で通信ケーブル5を介してパーソナルコンピュータ6に
送信され解析できるようになっている。このように、本
例の測定装置10を用いることにより、測定された温度
データをパーソナルコンピュータ上で表示および解析な
どの処理を行うことができる温度用のデータロガーシス
テムを構築できる。
【0018】本例の測定装置10は、測温抵抗体センサ
1を接続できるコネクタ11が2つ用意されており、後
述する測定および記録機能においても、それぞれのセン
サ1から得られたデータを独自に処理できるようになっ
ている。したがって、本例の温度測定装置10は1台で
2チャンネル分の測定および記録が可能であり、1台で
異なった測定対象の温度を測定し、監視あるいは記録な
どすることができる。
1を接続できるコネクタ11が2つ用意されており、後
述する測定および記録機能においても、それぞれのセン
サ1から得られたデータを独自に処理できるようになっ
ている。したがって、本例の温度測定装置10は1台で
2チャンネル分の測定および記録が可能であり、1台で
異なった測定対象の温度を測定し、監視あるいは記録な
どすることができる。
【0019】本例の測定装置10は、測定データ、測定
状況などをモニターできるLCDパネル12が中央に設
けられている。また、バッテリーを内蔵しており、装置
全体がハンディーなサイズに纏められている。このた
め、ユーザが巡回点検などに携帯して適当な個所の温度
をモニタすることも可能である。そして、測定したデー
タを通信ケーブルなどによりパーソナルコンピュータに
纏めて転送し、データ解析可能である。一方、所定の場
所にセンサ1をセットして長期間にわたり温度を監視す
ることも可能であり、そのような長期間にわたり測定す
る場合は、ACアダプタ7を用いて家庭用電源などで稼
動させることもできる。また、通信ケーブルに代わり、
電話回線あるいは無線などの他の伝送手段により測定デ
ータを送信することももちろん可能である。
状況などをモニターできるLCDパネル12が中央に設
けられている。また、バッテリーを内蔵しており、装置
全体がハンディーなサイズに纏められている。このた
め、ユーザが巡回点検などに携帯して適当な個所の温度
をモニタすることも可能である。そして、測定したデー
タを通信ケーブルなどによりパーソナルコンピュータに
纏めて転送し、データ解析可能である。一方、所定の場
所にセンサ1をセットして長期間にわたり温度を監視す
ることも可能であり、そのような長期間にわたり測定す
る場合は、ACアダプタ7を用いて家庭用電源などで稼
動させることもできる。また、通信ケーブルに代わり、
電話回線あるいは無線などの他の伝送手段により測定デ
ータを送信することももちろん可能である。
【0020】図2に、本例の温度測定装置1の概略機能
をブロック図により示してある。本例の測定装置1は、
測温抵抗体センサ1を接続するための2つのコネクタ1
1と、これらのコネクタ11に接続された測温抵抗体セ
ンサ1の配線(第1および第2の配線3aおよび3b)
を順番に定電流電源14に接続し、それぞれに発生した
電圧を測定する電圧測定部20を備えている。さらに、
本例の測定装置1は、4つの基準抵抗体31、32、3
3および34を備えており、電圧測定部20はセンサ1
の各配線に加え、これらの基準抵抗体31、32、33
および34も順番に定電流電源14に接続し、それによ
り発生した電圧を測定するようになっている。
をブロック図により示してある。本例の測定装置1は、
測温抵抗体センサ1を接続するための2つのコネクタ1
1と、これらのコネクタ11に接続された測温抵抗体セ
ンサ1の配線(第1および第2の配線3aおよび3b)
を順番に定電流電源14に接続し、それぞれに発生した
電圧を測定する電圧測定部20を備えている。さらに、
本例の測定装置1は、4つの基準抵抗体31、32、3
3および34を備えており、電圧測定部20はセンサ1
の各配線に加え、これらの基準抵抗体31、32、33
および34も順番に定電流電源14に接続し、それによ
り発生した電圧を測定するようになっている。
【0021】さらに、測定装置10は、電圧測定部20
により測定された電圧を比較し、温度に換算する機能5
1を備えた制御部50と、算出された温度を記憶するR
AM55と、パーソナルコンピュータなどのホスト機と
の通信を行い、RAM55に蓄積されたデータを送信可
能な通信部56とを備えている。換算された温度などは
さらに制御部50からモニタ12に表示できるようにな
っている。さらに、各々のコネクタ11においては、セ
ンサ1の接地線(第3の配線)3cが接地回路60に接
続されるようになっており、適当な抵抗値を持った接地
抵抗61が接地線3cと直列に接続される。
により測定された電圧を比較し、温度に換算する機能5
1を備えた制御部50と、算出された温度を記憶するR
AM55と、パーソナルコンピュータなどのホスト機と
の通信を行い、RAM55に蓄積されたデータを送信可
能な通信部56とを備えている。換算された温度などは
さらに制御部50からモニタ12に表示できるようにな
っている。さらに、各々のコネクタ11においては、セ
ンサ1の接地線(第3の配線)3cが接地回路60に接
続されるようになっており、適当な抵抗値を持った接地
抵抗61が接地線3cと直列に接続される。
【0022】本例の電圧測定部20を更に詳しく説明す
る。電圧測定部20は、コネクタ11に接続される各々
のセンサ1および1’の第1および第2の配線3a、3
b、3a’および3b’、および基準抵抗体31、3
2、33および34をそれぞれ順番に定電流電源装置1
4に接続する第1のスイッチ群21と、それぞれの配線
3a、3b、3a’および3b’に発生する電圧V1、
V2、V3およびV4、および各基準抵抗体31、3
2、33および34に発生する電圧Vc1、Vc2、V
c3およびVc4を順番に測定する第2のスイッチ22
とを備えている。第1および第2のスイッチ21および
22は、制御部50により同期して制御され、第1のス
イッチ21により第1の配線3aが定電流電源14に接
続されると、第2のスイッチ22の配線3aに接続され
たスイッチが閉じて、第1の配線3aに発生した電圧を
測定できるようになっている。他の配線および基準抵抗
体においても同様に電圧を測定できる。
る。電圧測定部20は、コネクタ11に接続される各々
のセンサ1および1’の第1および第2の配線3a、3
b、3a’および3b’、および基準抵抗体31、3
2、33および34をそれぞれ順番に定電流電源装置1
4に接続する第1のスイッチ群21と、それぞれの配線
3a、3b、3a’および3b’に発生する電圧V1、
V2、V3およびV4、および各基準抵抗体31、3
2、33および34に発生する電圧Vc1、Vc2、V
c3およびVc4を順番に測定する第2のスイッチ22
とを備えている。第1および第2のスイッチ21および
22は、制御部50により同期して制御され、第1のス
イッチ21により第1の配線3aが定電流電源14に接
続されると、第2のスイッチ22の配線3aに接続され
たスイッチが閉じて、第1の配線3aに発生した電圧を
測定できるようになっている。他の配線および基準抵抗
体においても同様に電圧を測定できる。
【0023】このようにして第2のスイッチ22により
順番にサンプリングされた各々の電圧は、アンプ23を
通ってA/D変換器24に導かれデジタルデータ化され
る。そして、デジタル化された電圧値は、CPUなどの
プロセッサにより実現される制御部50に送られ、各々
の配線および基準抵抗体により発生した電圧値を比較す
ることにより温度に換算することができる。
順番にサンプリングされた各々の電圧は、アンプ23を
通ってA/D変換器24に導かれデジタルデータ化され
る。そして、デジタル化された電圧値は、CPUなどの
プロセッサにより実現される制御部50に送られ、各々
の配線および基準抵抗体により発生した電圧値を比較す
ることにより温度に換算することができる。
【0024】図3に本例の測定装置10における処理手
順をフローチャートにより示してある。以下では、この
フローチャートを参照しながら、さらに説明する。本例
の測定装置10は、まず、ステップ71において所定の
サンプリング間隔が経過すると、ステップ72で電圧測
定部20の第1および第2のスイッチ21および22を
順番に切り換え、ステップ73でそれぞれの電圧値を測
定する。そして、ステップ74で、全ての電圧値V1か
らV4およびVc1からVc4の値が得られると、ステ
ップ75では温度換算機能51において、それらの測定
された電圧を用いて温度へ換算する処理を行う。
順をフローチャートにより示してある。以下では、この
フローチャートを参照しながら、さらに説明する。本例
の測定装置10は、まず、ステップ71において所定の
サンプリング間隔が経過すると、ステップ72で電圧測
定部20の第1および第2のスイッチ21および22を
順番に切り換え、ステップ73でそれぞれの電圧値を測
定する。そして、ステップ74で、全ての電圧値V1か
らV4およびVc1からVc4の値が得られると、ステ
ップ75では温度換算機能51において、それらの測定
された電圧を用いて温度へ換算する処理を行う。
【0025】本例の測定装置10においては、基準抵抗
体群30として収納されている各基準抵抗体31、3
2、33および34の抵抗値Rc1、Rc2、Rc3お
よびRc4のうち、抵抗値Rc2、Rc3およびRc4
は、白金測温抵抗体2の抵抗値Rtが通常測定する温度
により変化するであろう範囲で選択されている。例え
ば、各々の抵抗値は、図4に示すように、白金測温抵抗
体2が100℃、300℃および500℃のときに示す
抵抗値に設定されている。一方、抵抗値Rc1は、接地
抵抗61を用いてアンプ23のオフセットもキャンセル
するために0Ωに設定されている。
体群30として収納されている各基準抵抗体31、3
2、33および34の抵抗値Rc1、Rc2、Rc3お
よびRc4のうち、抵抗値Rc2、Rc3およびRc4
は、白金測温抵抗体2の抵抗値Rtが通常測定する温度
により変化するであろう範囲で選択されている。例え
ば、各々の抵抗値は、図4に示すように、白金測温抵抗
体2が100℃、300℃および500℃のときに示す
抵抗値に設定されている。一方、抵抗値Rc1は、接地
抵抗61を用いてアンプ23のオフセットもキャンセル
するために0Ωに設定されている。
【0026】したがって、それぞれの抵抗体を定電流電
源14に接続して得られた電圧Vc1、Vc2、Vc3
およびVc4から、電圧Vc1を引くことにより、0V
と、基準抵抗32、33および34の抵抗値Rc2、R
c3およびRc4による電圧Vc2’、Vc3’および
Vc4’を求めることができる。このため、図5に示す
ように、それぞれの抵抗体を定電流電源14に接続して
得られた電圧Vc2’、Vc3’およびVc4’が、測
温抵抗体2が100℃、300℃および500℃の環境
に設置された状態で定電流電源14に接続したときに発
生する電圧となる。また、電圧0Vは仮想的に測温抵抗
体2が0Vのときの値、例えば−273℃として利用す
ることができる。
源14に接続して得られた電圧Vc1、Vc2、Vc3
およびVc4から、電圧Vc1を引くことにより、0V
と、基準抵抗32、33および34の抵抗値Rc2、R
c3およびRc4による電圧Vc2’、Vc3’および
Vc4’を求めることができる。このため、図5に示す
ように、それぞれの抵抗体を定電流電源14に接続して
得られた電圧Vc2’、Vc3’およびVc4’が、測
温抵抗体2が100℃、300℃および500℃の環境
に設置された状態で定電流電源14に接続したときに発
生する電圧となる。また、電圧0Vは仮想的に測温抵抗
体2が0Vのときの値、例えば−273℃として利用す
ることができる。
【0027】このように、基準抵抗31を0Ωに設定し
て基準抵抗32、33および34に共通する接地抵抗6
1の電圧を測定することにより、アンプ23のオフセッ
トによる電圧変動も排除することが可能となる。このた
め、さらにアンプの精度や周囲温度などの環境条件など
の影響を受けずに、精度の高い温度を測定することがで
きる。
て基準抵抗32、33および34に共通する接地抵抗6
1の電圧を測定することにより、アンプ23のオフセッ
トによる電圧変動も排除することが可能となる。このた
め、さらにアンプの精度や周囲温度などの環境条件など
の影響を受けずに、精度の高い温度を測定することがで
きる。
【0028】一方、センサにおいては、センサ1の配線
3aの電圧V1から配線3bの電圧V2を引いた電圧差
Vr1が測温抵抗体2で発生した電圧になる。したがっ
て、各抵抗体で発生した電圧Vc2’、Vc3’および
Vc4’のうち、電圧差Vr1の前後の電圧を示す基準
抵抗体(図5の例では、抵抗体32および33)の電圧
Vc2’およびVc3’を選択して直線補間し比較する
ことにより、電圧差Vr1から測温抵抗体2の測定対象
の温度T1を求めることができる。
3aの電圧V1から配線3bの電圧V2を引いた電圧差
Vr1が測温抵抗体2で発生した電圧になる。したがっ
て、各抵抗体で発生した電圧Vc2’、Vc3’および
Vc4’のうち、電圧差Vr1の前後の電圧を示す基準
抵抗体(図5の例では、抵抗体32および33)の電圧
Vc2’およびVc3’を選択して直線補間し比較する
ことにより、電圧差Vr1から測温抵抗体2の測定対象
の温度T1を求めることができる。
【0029】他方のセンサ1’の測温抵抗体2’の測定
対象の温度T2も同様に求めることが可能であり、電圧
V3およびV4の電圧差Vr2を、その前後の基準抵抗
体が示す電圧Vc1’、すなわち0Vと、電圧Vc2’
と比較することにより温度T2を求めることができる。
もちろん、基準抵抗群30の各抵抗値の設定は適当に選
択することが可能である。測温抵抗体2に発生する電圧
が基準抵抗体により発生する電圧の近傍あるいは間にな
るように基準抵抗体の抵抗値を選択することにより、い
っそう精度の高い温度測定を行うことができる。
対象の温度T2も同様に求めることが可能であり、電圧
V3およびV4の電圧差Vr2を、その前後の基準抵抗
体が示す電圧Vc1’、すなわち0Vと、電圧Vc2’
と比較することにより温度T2を求めることができる。
もちろん、基準抵抗群30の各抵抗値の設定は適当に選
択することが可能である。測温抵抗体2に発生する電圧
が基準抵抗体により発生する電圧の近傍あるいは間にな
るように基準抵抗体の抵抗値を選択することにより、い
っそう精度の高い温度測定を行うことができる。
【0030】このようにして求められた温度は、ステッ
プ76において、各チャンネル毎に順番にRAM55に
記録される。本例の測定装置10においては、それぞれ
のチャンネル毎に予め設定されたサンプリング間隔で測
定された温度が順番に記録される。そして、予め設定さ
れたタイミング、あるいはホスト側からの要求により、
RAM55のデータが通信ケーブル3を介してホストで
あるパーソナルコンピュータ4に送信される。本例の測
定装置10は、換算された温度測定値を順番にRAM5
5に記憶しており、測定時刻は記録していない。もちろ
ん、測定時刻を記録するようにしても良いが、予め設定
されたサンプリング時間間隔毎に温度測定が行われ、そ
の値が記憶されるので、測定時刻を記録しなくてもパー
ソナルコンピュータ等で解析するときに測定時刻を個々
に求めることが可能である。したがって、測定された温
度データのみを記録することによりRAM55の容量を
十分に活かし、長時間の温度測定ができるようにしてい
る。
プ76において、各チャンネル毎に順番にRAM55に
記録される。本例の測定装置10においては、それぞれ
のチャンネル毎に予め設定されたサンプリング間隔で測
定された温度が順番に記録される。そして、予め設定さ
れたタイミング、あるいはホスト側からの要求により、
RAM55のデータが通信ケーブル3を介してホストで
あるパーソナルコンピュータ4に送信される。本例の測
定装置10は、換算された温度測定値を順番にRAM5
5に記憶しており、測定時刻は記録していない。もちろ
ん、測定時刻を記録するようにしても良いが、予め設定
されたサンプリング時間間隔毎に温度測定が行われ、そ
の値が記憶されるので、測定時刻を記録しなくてもパー
ソナルコンピュータ等で解析するときに測定時刻を個々
に求めることが可能である。したがって、測定された温
度データのみを記録することによりRAM55の容量を
十分に活かし、長時間の温度測定ができるようにしてい
る。
【0031】本例の測定装置10は、通常の測定には十
分なメモリ容量を持っているが、測定状況によってはメ
モリ容量が不足する場合がある。このため、測定装置1
0は2つのワンタイムおよびエンドレスの2つの測定モ
ードを持っている。ワンタイムモードでは、メモリ容量
がいっぱいになるとそのときに測定温度の記録を停止し
てメモリの内容を保持する。一方、エンドレスモードで
は、メモリ容量がいっぱいになると、メモリアドレスの
最初に戻って測定された温度を上書きしながら記録す
る。いずれのモードで測定するかは、ユーザが選択でき
るようになっている。
分なメモリ容量を持っているが、測定状況によってはメ
モリ容量が不足する場合がある。このため、測定装置1
0は2つのワンタイムおよびエンドレスの2つの測定モ
ードを持っている。ワンタイムモードでは、メモリ容量
がいっぱいになるとそのときに測定温度の記録を停止し
てメモリの内容を保持する。一方、エンドレスモードで
は、メモリ容量がいっぱいになると、メモリアドレスの
最初に戻って測定された温度を上書きしながら記録す
る。いずれのモードで測定するかは、ユーザが選択でき
るようになっている。
【0032】このように、本例の温度測定装置10は、
測温抵抗体2に接続された第1および第2の配線3aお
よび3b、さらに、基準抵抗体31、32、33および
34に定電流電源14を電圧測定部20のスイッチ21
により順番に接続している。したがって、1つの定電流
電源14で測温抵抗体2に発生する電圧差を測定するこ
とができるので、測定中の消費電力を少なくすることが
できる。
測温抵抗体2に接続された第1および第2の配線3aお
よび3b、さらに、基準抵抗体31、32、33および
34に定電流電源14を電圧測定部20のスイッチ21
により順番に接続している。したがって、1つの定電流
電源14で測温抵抗体2に発生する電圧差を測定するこ
とができるので、測定中の消費電力を少なくすることが
できる。
【0033】さらに、測温抵抗体2および各規準抵抗体
31、32、33および34に対し、そのときに定電流
電源14が安定している一定の電流を流すことができ、
測温抵抗体2および各基準抵抗体31、32、33およ
び34に発生する電圧を比較することにより測温抵抗体
2の測定対象の温度を求めている。したがって、定電流
電源14から測温抵抗体2および各基準抵抗体に流れた
電流値自体を知る必要はない。さらに、定電流電源14
から供給される電流は、各電圧をサンプリングする間、
すなわちスイッチを切り換えている間だけ安定していれ
ば良い。したがって電流値自体はサンプリング周期より
長い時間間隔で変動しても測定温度の精度に影響を及ぼ
さない。このため、本例の温度測定装置10において
は、簡易な測定回路で温度測定が可能であり、さらに、
定電流電源回路にはそれほどの精度および安定性は要求
されない。したがって、オペアンプと抵抗などを用いた
簡易な構成の定電流電源で精度の高い温度測定を行うこ
とができる。
31、32、33および34に対し、そのときに定電流
電源14が安定している一定の電流を流すことができ、
測温抵抗体2および各基準抵抗体31、32、33およ
び34に発生する電圧を比較することにより測温抵抗体
2の測定対象の温度を求めている。したがって、定電流
電源14から測温抵抗体2および各基準抵抗体に流れた
電流値自体を知る必要はない。さらに、定電流電源14
から供給される電流は、各電圧をサンプリングする間、
すなわちスイッチを切り換えている間だけ安定していれ
ば良い。したがって電流値自体はサンプリング周期より
長い時間間隔で変動しても測定温度の精度に影響を及ぼ
さない。このため、本例の温度測定装置10において
は、簡易な測定回路で温度測定が可能であり、さらに、
定電流電源回路にはそれほどの精度および安定性は要求
されない。したがって、オペアンプと抵抗などを用いた
簡易な構成の定電流電源で精度の高い温度測定を行うこ
とができる。
【0034】また、図8に示すように、接続される抵抗
などの負荷によって供給可能な電流値が微少に変動する
特性を示す定電流電源であっても、基準抵抗体31、3
2、33および34を接続して得られた電圧値Vc1、
Vc2、Vc3およびVc4にその特性が反映される。
このため、測温抵抗体2の示す抵抗値によって定電流電
源14から供給される電流が微少に変化しても、測温抵
抗体2の示す抵抗値に近い抵抗値の基準抵抗体で発生し
た電圧と比較することにより、定電流電源14の負荷特
性はキャンセルされる。したがって、図8に示すような
特性の定電流電源を採用しても高精度で温度を測定する
ことができる。
などの負荷によって供給可能な電流値が微少に変動する
特性を示す定電流電源であっても、基準抵抗体31、3
2、33および34を接続して得られた電圧値Vc1、
Vc2、Vc3およびVc4にその特性が反映される。
このため、測温抵抗体2の示す抵抗値によって定電流電
源14から供給される電流が微少に変化しても、測温抵
抗体2の示す抵抗値に近い抵抗値の基準抵抗体で発生し
た電圧と比較することにより、定電流電源14の負荷特
性はキャンセルされる。したがって、図8に示すような
特性の定電流電源を採用しても高精度で温度を測定する
ことができる。
【0035】また、図9に示したように、A/D変換器
24も入力された電圧値をデジタル値に変換するときに
非線形な特性を示すものがある。しかしながら、本例の
測定装置10においては、基準抵抗体31、32、33
および34に発生した電圧を測定するときに、そのよう
なA/D特性も加味された電圧値がデジタル値として得
られる。したがって、温度換算機能51において、A/
D変換された測温抵抗体2の示す電圧値と、A/D変換
された各基準抵抗体31、32、33および34の電圧
値とを比較することにより、A/D変換特性もキャンセ
ルされる。さらに、アンプ23のオフセットも、上述し
たように抵抗Rc1を0Ωに設定して接地抵抗61の電
圧を測ることによりキャンセルすることができる。した
がって、A/D変換器24およびそれに付随するアンプ
23も精度および安定度のそれほど高くないものを使用
して、精度の高い温度を求めることができる。
24も入力された電圧値をデジタル値に変換するときに
非線形な特性を示すものがある。しかしながら、本例の
測定装置10においては、基準抵抗体31、32、33
および34に発生した電圧を測定するときに、そのよう
なA/D特性も加味された電圧値がデジタル値として得
られる。したがって、温度換算機能51において、A/
D変換された測温抵抗体2の示す電圧値と、A/D変換
された各基準抵抗体31、32、33および34の電圧
値とを比較することにより、A/D変換特性もキャンセ
ルされる。さらに、アンプ23のオフセットも、上述し
たように抵抗Rc1を0Ωに設定して接地抵抗61の電
圧を測ることによりキャンセルすることができる。した
がって、A/D変換器24およびそれに付随するアンプ
23も精度および安定度のそれほど高くないものを使用
して、精度の高い温度を求めることができる。
【0036】このように、本例の温度測定装置10にお
いては、基準抵抗群30は抵抗値の精度の高いものが必
要であるが、それ以外の定電流電源、アンプおよびA/
D変換器は精度および安定度はそれほど要求されない。
その一方で、定電流電源の電流ドリフトやA/D変換器
の非線形な特性などはすべてキャンセルされるので精度
の高い温度を求めることができる。したがって、低コス
トで測定精度が高く、環境温度などに影響されない信頼
性の高い温度測定装置を提供できる。
いては、基準抵抗群30は抵抗値の精度の高いものが必
要であるが、それ以外の定電流電源、アンプおよびA/
D変換器は精度および安定度はそれほど要求されない。
その一方で、定電流電源の電流ドリフトやA/D変換器
の非線形な特性などはすべてキャンセルされるので精度
の高い温度を求めることができる。したがって、低コス
トで測定精度が高く、環境温度などに影響されない信頼
性の高い温度測定装置を提供できる。
【0037】さらに、図10に示すように、白金測温抵
抗体2は、温度と抵抗値の関係が略比例しているが完全
ではない。本例では、基準抵抗体31、32、33およ
び34で得られる電圧値Vc2’、Vc3’およびVc
4’に対応する温度設定に白金測温抵抗体の公差を含め
ておくことにより、いっそう正確な温度に換算して記録
あるいは表示することができる。また、基準抵抗体によ
り得られる電圧値Vc2’、Vc3’およびVc4’の
間を補間するときも、直線補間する代わりに白金測温抵
抗体の公差を加味した関数あるいはルックアップテーブ
ルにより補間することが可能であり、これによりさらに
精度の高い温度を求めることができる。
抗体2は、温度と抵抗値の関係が略比例しているが完全
ではない。本例では、基準抵抗体31、32、33およ
び34で得られる電圧値Vc2’、Vc3’およびVc
4’に対応する温度設定に白金測温抵抗体の公差を含め
ておくことにより、いっそう正確な温度に換算して記録
あるいは表示することができる。また、基準抵抗体によ
り得られる電圧値Vc2’、Vc3’およびVc4’の
間を補間するときも、直線補間する代わりに白金測温抵
抗体の公差を加味した関数あるいはルックアップテーブ
ルにより補間することが可能であり、これによりさらに
精度の高い温度を求めることができる。
【0038】また、本例では、測温抵抗体センサ1の第
3の配線3cに接地抵抗61を接続するようにしてい
る。したがって、第2の配線3bを定電流電源14に接
続して電圧V2を測定するときに配線抵抗に加えて接地
抵抗61による電圧も測定することができる。接地抵抗
61がない場合は、配線抵抗のみとなるので、ほとんど
0Vに近い電圧を測定する必要がある。このため、アン
プ23およびA/D変換器24として作動レンジが広
く、安定しているものが要求される。また、精度の良い
アンプおよびA/D変換器を採用しても0V近傍の測定
は測定精度を上げることが難しい。これに対し、接地抵
抗61を接続することにより0V近傍の電圧を測定しな
くて良いので、アンプ23およびA/D変換器24は測
定レンジがそれほど広くなく、精度の低いものでも十分
である。したがって、この点でも測定装置10のコスト
を下げることができる。さらに、精度の低いA/D変換
器などを採用した場合でも、0V近傍の測定がないので
電圧の測定精度を上げられ、結果として精度の高い温度
を得ることができる。
3の配線3cに接地抵抗61を接続するようにしてい
る。したがって、第2の配線3bを定電流電源14に接
続して電圧V2を測定するときに配線抵抗に加えて接地
抵抗61による電圧も測定することができる。接地抵抗
61がない場合は、配線抵抗のみとなるので、ほとんど
0Vに近い電圧を測定する必要がある。このため、アン
プ23およびA/D変換器24として作動レンジが広
く、安定しているものが要求される。また、精度の良い
アンプおよびA/D変換器を採用しても0V近傍の測定
は測定精度を上げることが難しい。これに対し、接地抵
抗61を接続することにより0V近傍の電圧を測定しな
くて良いので、アンプ23およびA/D変換器24は測
定レンジがそれほど広くなく、精度の低いものでも十分
である。したがって、この点でも測定装置10のコスト
を下げることができる。さらに、精度の低いA/D変換
器などを採用した場合でも、0V近傍の測定がないので
電圧の測定精度を上げられ、結果として精度の高い温度
を得ることができる。
【0039】図6に示した温度測定装置19は、本発明
にかかる温度測定装置の異なった例である。本例の温度
測定装置19は、コネクタ11が1つ用意された測定装
置であり、3線式の測温抵抗体センサ1が単体で取付け
られ1チャンネル分の温度測定ができるようになったも
のである。本例の温度測定装置19においては、基準抵
抗群30の各々の基準抵抗体31、32、33および3
4がセンサ1の第2の配線3bに対しそれぞれ直列に接
続されるようになっている。そして、電圧測定部20の
第1のスイッチ21および第2のスイッチ22を順番に
同期して切り換えることにより、センサ1の第1の配線
3aの電圧と、第2の配線3bに直列に接続された各々
の基準抵抗体31、32、33および34により発生す
る電圧とが測定できるようになっている。
にかかる温度測定装置の異なった例である。本例の温度
測定装置19は、コネクタ11が1つ用意された測定装
置であり、3線式の測温抵抗体センサ1が単体で取付け
られ1チャンネル分の温度測定ができるようになったも
のである。本例の温度測定装置19においては、基準抵
抗群30の各々の基準抵抗体31、32、33および3
4がセンサ1の第2の配線3bに対しそれぞれ直列に接
続されるようになっている。そして、電圧測定部20の
第1のスイッチ21および第2のスイッチ22を順番に
同期して切り換えることにより、センサ1の第1の配線
3aの電圧と、第2の配線3bに直列に接続された各々
の基準抵抗体31、32、33および34により発生す
る電圧とが測定できるようになっている。
【0040】このようにして測定された各々の電圧は、
アンプ23およびA/D変換器24を介してデジタル変
換され、上記にて説明した測定装置10と同様の方法に
より測温抵抗体2の測定対象の温度が求められる。ただ
し、本例の測定装置10においては、第1の配線3aを
含めた(第3の配線3cも含まれるが)測温抵抗体2に
より発生した電圧V1と、第2の配線3bを含めた(第
3の配線3cも含まれるが)各基準抵抗体31、32、
33および34により発生した電圧Vc1、Vc2、V
c3およびVc4が比較され、温度に換算される。この
ようにしても、第1の配線3aの配線抵抗R1と、第2
の配線3bの配線抵抗R2は同一であり、キャンセルさ
れるので、上記と同様の方法で精度良く温度を求めるこ
とができる。そして、測温抵抗体および基準抵抗体を同
一の定電流電源14に接続したときに発生した電圧を比
較することにより温度を求めるようにしているので、上
記と同様に基準抵抗体以外は高精度のものが不要であ
り、低コストで測定精度の高い温度測定装置を実現でき
る。
アンプ23およびA/D変換器24を介してデジタル変
換され、上記にて説明した測定装置10と同様の方法に
より測温抵抗体2の測定対象の温度が求められる。ただ
し、本例の測定装置10においては、第1の配線3aを
含めた(第3の配線3cも含まれるが)測温抵抗体2に
より発生した電圧V1と、第2の配線3bを含めた(第
3の配線3cも含まれるが)各基準抵抗体31、32、
33および34により発生した電圧Vc1、Vc2、V
c3およびVc4が比較され、温度に換算される。この
ようにしても、第1の配線3aの配線抵抗R1と、第2
の配線3bの配線抵抗R2は同一であり、キャンセルさ
れるので、上記と同様の方法で精度良く温度を求めるこ
とができる。そして、測温抵抗体および基準抵抗体を同
一の定電流電源14に接続したときに発生した電圧を比
較することにより温度を求めるようにしているので、上
記と同様に基準抵抗体以外は高精度のものが不要であ
り、低コストで測定精度の高い温度測定装置を実現でき
る。
【0041】さらに、本例の温度測定装置19において
は、第2の配線3bに基準抵抗体31、32、33およ
び34をそれぞれ接続しているので、配線抵抗だけによ
る電圧降下を測定する必要がない。特に、基準抵抗体3
1の抵抗値を例えば、−100℃に相当する60.3Ω
に設定することにより、基準抵抗体31の電圧も温度換
算するときの基準にできる。一方、上記と同様にアンプ
23のオフセットを求めるためには、基準抵抗群30の
共通する配線に適当な抵抗を接続し、基準抵抗体31の
抵抗値を0Ωにすれば良い。これにより、上記と同様に
アンプ23の影響も排除することができる。
は、第2の配線3bに基準抵抗体31、32、33およ
び34をそれぞれ接続しているので、配線抵抗だけによ
る電圧降下を測定する必要がない。特に、基準抵抗体3
1の抵抗値を例えば、−100℃に相当する60.3Ω
に設定することにより、基準抵抗体31の電圧も温度換
算するときの基準にできる。一方、上記と同様にアンプ
23のオフセットを求めるためには、基準抵抗群30の
共通する配線に適当な抵抗を接続し、基準抵抗体31の
抵抗値を0Ωにすれば良い。これにより、上記と同様に
アンプ23の影響も排除することができる。
【0042】このように本例の温度測定装置19におい
ては、接地線3cに接地抵抗を接続しなくても0V近傍
の電圧値を測定することにはならず、簡易な回路で測定
精度の高い温度測定が行える。さらに、第2の配線3b
に発生する電圧値を測定する必要がないので、この点で
も回路は簡略化でき、測定時間も短くて済む。
ては、接地線3cに接地抵抗を接続しなくても0V近傍
の電圧値を測定することにはならず、簡易な回路で測定
精度の高い温度測定が行える。さらに、第2の配線3b
に発生する電圧値を測定する必要がないので、この点で
も回路は簡略化でき、測定時間も短くて済む。
【0043】このように図6に示した温度測定装置19
は、1チャンネルの温度測定を行う温度測定装置として
は、図2に示した温度測定装置10よりも回路を簡略
化、でき、さらに低コストで提供することができる。し
かしながら、第2の配線3bに各々の基準抵抗体を接続
するようにしているので、多チャンネル化が難しい。こ
れに対し、図2に示した温度測定装置10においては、
複数のセンサを接続したときに各センサの第1および第
2の配線3aおよび3bに発生する電圧を順番に測定す
れば良い。このため、多チャンネル化が極めて容易であ
る。チャンネル数も2チャンネルに限定されることはな
く3チャンネル以上にすることも可能である。そして、
チャンネル数を増加しても、基準抵抗体の数は増やす必
要がなく、回路が肥大したり、測定時間が大幅に増加す
ることもない。また、消費電力もそれほど増加しないの
で、低消費電力で多数の測定ポイントの温度測定ができ
る測定装置を実現できる。
は、1チャンネルの温度測定を行う温度測定装置として
は、図2に示した温度測定装置10よりも回路を簡略
化、でき、さらに低コストで提供することができる。し
かしながら、第2の配線3bに各々の基準抵抗体を接続
するようにしているので、多チャンネル化が難しい。こ
れに対し、図2に示した温度測定装置10においては、
複数のセンサを接続したときに各センサの第1および第
2の配線3aおよび3bに発生する電圧を順番に測定す
れば良い。このため、多チャンネル化が極めて容易であ
る。チャンネル数も2チャンネルに限定されることはな
く3チャンネル以上にすることも可能である。そして、
チャンネル数を増加しても、基準抵抗体の数は増やす必
要がなく、回路が肥大したり、測定時間が大幅に増加す
ることもない。また、消費電力もそれほど増加しないの
で、低消費電力で多数の測定ポイントの温度測定ができ
る測定装置を実現できる。
【0044】なお、上記では、基準抵抗体を4つ用意し
た例で説明しているが、基準抵抗体は3つ以下であって
も良く、あるいは5つ以上であってももちろん良い。基
準抵抗体の数を多くすることにより、測定精度は向上す
るが抵抗体を切り換えて電圧を測定するのに時間がかか
ることになる。また、上記では、温度測定を行うたびに
基準抵抗体により発生する電圧を測定するようにしてい
るが、測定対象の温度変化が少ないとき、定電流電源の
ドリフトがそれほど大きくないときなどでは、温度測定
を複数回行ったときに定期的に基準抵抗体を定電流電源
に接続して電圧測定を行い、その値を記憶するようにし
ても良い。基準抵抗体で発生する電圧を測定する頻度を
下げることにより、1回の測定間隔を短くできると共に
消費電力を下げることができる。したがって、電池を用
いて長時間温度測定を行うようなケースでは非常に有効
である。
た例で説明しているが、基準抵抗体は3つ以下であって
も良く、あるいは5つ以上であってももちろん良い。基
準抵抗体の数を多くすることにより、測定精度は向上す
るが抵抗体を切り換えて電圧を測定するのに時間がかか
ることになる。また、上記では、温度測定を行うたびに
基準抵抗体により発生する電圧を測定するようにしてい
るが、測定対象の温度変化が少ないとき、定電流電源の
ドリフトがそれほど大きくないときなどでは、温度測定
を複数回行ったときに定期的に基準抵抗体を定電流電源
に接続して電圧測定を行い、その値を記憶するようにし
ても良い。基準抵抗体で発生する電圧を測定する頻度を
下げることにより、1回の測定間隔を短くできると共に
消費電力を下げることができる。したがって、電池を用
いて長時間温度測定を行うようなケースでは非常に有効
である。
【0045】また、配線および基準抵抗体の接続を切り
換えるスイッチは、アナログスイッチなどの安価なもの
で十分であり、制御部50となるCPUの制御により同
期して切り換えられるようにすれば良い。もちろん、同
期の精度はそれほど要らず、定電流電源に接続されてい
る間に、その配線あるいは基準抵抗体の電圧を測定でき
るようなタイミングで制御するだけで良い。
換えるスイッチは、アナログスイッチなどの安価なもの
で十分であり、制御部50となるCPUの制御により同
期して切り換えられるようにすれば良い。もちろん、同
期の精度はそれほど要らず、定電流電源に接続されてい
る間に、その配線あるいは基準抵抗体の電圧を測定でき
るようなタイミングで制御するだけで良い。
【0046】また、本例の測定装置においては、基準抵
抗体としては安定度が高く、高精度のものが必要とな
る。このため、所望の温度の抵抗値に合致する値の抵抗
体を選択しても良いが、逆に、適当な抵抗値の抵抗体を
採用し、その抵抗体の抵抗値に相当する温度をCPUに
記憶して換算される温度の測定精度を上げるようにする
ことも可能である。
抗体としては安定度が高く、高精度のものが必要とな
る。このため、所望の温度の抵抗値に合致する値の抵抗
体を選択しても良いが、逆に、適当な抵抗値の抵抗体を
採用し、その抵抗体の抵抗値に相当する温度をCPUに
記憶して換算される温度の測定精度を上げるようにする
ことも可能である。
【0047】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の温度測
定装置においては、測温抵抗体センサの配線を順番に定
電流電源に接続すると共に、複数の基準抵抗体を用意
し、それらも同一の定電流電源に順番に接続して発生す
る電圧を比較し温度を求めるようにしている。したがっ
て、定電流電源は1つで良く、さらに、その精度および
安定度はそれほど要求されない。さらに、電圧をデジタ
ル化するA/D変換器やそれに付随するアンプなどの精
度および安定度もそれほど要求されない。すなわち、本
発明の測定装置においては、基準抵抗以外には高精度の
電気素子あるいは電気回路を用いずに測温抵抗体の測定
対象となる温度を精度良く求めることができる。したが
って、測定精度が高く、信頼性も高い温度測定装置を低
コストで供給することができる。また、定電流電源は1
つで良いので、測定にかかる消費電力を下げることがで
き、電池で駆動するのに適した温度測定装置を提供でき
る。
定装置においては、測温抵抗体センサの配線を順番に定
電流電源に接続すると共に、複数の基準抵抗体を用意
し、それらも同一の定電流電源に順番に接続して発生す
る電圧を比較し温度を求めるようにしている。したがっ
て、定電流電源は1つで良く、さらに、その精度および
安定度はそれほど要求されない。さらに、電圧をデジタ
ル化するA/D変換器やそれに付随するアンプなどの精
度および安定度もそれほど要求されない。すなわち、本
発明の測定装置においては、基準抵抗以外には高精度の
電気素子あるいは電気回路を用いずに測温抵抗体の測定
対象となる温度を精度良く求めることができる。したが
って、測定精度が高く、信頼性も高い温度測定装置を低
コストで供給することができる。また、定電流電源は1
つで良いので、測定にかかる消費電力を下げることがで
き、電池で駆動するのに適した温度測定装置を提供でき
る。
【0048】このため、本発明の温度測定装置は、汎用
性の高い3線式の測温抵抗体センサを用いて低コストで
高精度の温度測定ができるものであり、工業、食品業、
農業、研究開発などの幅広い分野における温度データ収
集ツールとして好適なものである。
性の高い3線式の測温抵抗体センサを用いて低コストで
高精度の温度測定ができるものであり、工業、食品業、
農業、研究開発などの幅広い分野における温度データ収
集ツールとして好適なものである。
【図1】本発明にかかる温度測定装置およびそれを用い
て温度を測定するシステムの一例を示す図である。
て温度を測定するシステムの一例を示す図である。
【図2】図1に示す温度測定装置の概略構成を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図3】図1に示す温度測定装置において測定するプロ
セスを示すフローチャートである。
セスを示すフローチャートである。
【図4】温度測定装置に採用されている基準抵抗体の抵
抗値の一例を示す図である。
抗値の一例を示す図である。
【図5】温度測定装置において、得られた電圧値から温
度を換算する過程を示すグラフである。
度を換算する過程を示すグラフである。
【図6】本発明にかかる温度測定装置の異なる例を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
【図7】従来の温度測定装置の一例を示すブロック図で
ある。
ある。
【図8】定電流電源の特性の一例を示すグラフである。
【図9】A/D変換器の特性の一例を示すグラフであ
る。
る。
【図10】白金測温体の特性の一例を示すグラフであ
る。
る。
【符号の説明】 1 測温抵抗体センサ 2 測温抵抗体 3 配線 10 温度測定装置 11 コネクタ 12 表示部(LCDパネル) 14 定電流電源 20 電圧測定部 21、22 切り換えスイッチ 24 A/D変換器 30 基準抵抗群 31、32、33、34 基準抵抗体 50 制御部 51 温度換算機能 55 RAM 56 通信部 60 接地回路 61 接地抵抗
Claims (5)
- 【請求項1】 測温抵抗体の両端に接続された第1およ
び第2の配線と、この第2の配線に並列に接続された接
地用の第3の配線とを備えた3線式の測温抵抗体センサ
を接続して温度を測定可能な温度測定装置であって、 定電流電源と、前記測温抵抗体の抵抗値が温度により変
化する範囲あるいはその近傍の抵抗値を備えた複数の基
準抵抗体と、 前記第1および第2の配線、および前記複数の基準抵抗
体のそれぞれを順番に前記定電流電源に接続し、各々に
発生した電圧を測定する電圧測定手段と、 前記測温抵抗体により発生した電圧および複数の基準抵
抗により発生した電圧を比較し、温度に換算する手段と
を有する温度測定装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記第3の配線に接
続される接地抵抗を有する温度測定装置。 - 【請求項3】 請求項1において、前記第2の配線に前
記複数の基準抵抗がそれぞれ直列に接続されており、前
記電圧測定手段では、前記第2の配線および基準抵抗に
より発生した電圧が測定されることを特徴とする温度測
定装置。 - 【請求項4】 測温抵抗体の両端に接続された第1およ
び第2の配線と、この第2の配線に並列に接続された接
地用の第3の配線とを備えた3線式の測温抵抗体センサ
を用いて温度測定する方法であって、 前記第1および第2の配線に加え、前記測温抵抗体の抵
抗値が温度により変化する範囲あるいはその近傍の抵抗
値を備えた複数の基準抵抗体のそれぞれを順番に定電流
電源に接続し、各々に発生した電圧を測定する電圧測定
工程と、 前記測温抵抗体により発生した電圧および複数の基準抵
抗により発生した電圧を比較し、温度に換算する工程と
を有する温度測定方法。 - 【請求項5】 請求項4において、前記第2の配線に前
記複数の基準抵抗がそれぞれ直列に接続されており、前
記電圧測定工程では、前記第2の配線および基準抵抗に
より発生した電圧が測定されることを特徴とする温度測
定方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11047348A JP2000241258A (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | 温度測定装置および測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11047348A JP2000241258A (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | 温度測定装置および測定方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000241258A true JP2000241258A (ja) | 2000-09-08 |
Family
ID=12772656
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11047348A Pending JP2000241258A (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | 温度測定装置および測定方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000241258A (ja) |
Cited By (12)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008209121A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Mitsubishi Electric Corp | 温度測定装置 |
| JP2010181228A (ja) * | 2009-02-04 | 2010-08-19 | Sekisui Jushi Co Ltd | 温度測定装置 |
| JP2010243354A (ja) * | 2009-04-07 | 2010-10-28 | Canon Inc | 温度計測装置、温度計測方法、露光装置、及びデバイス製造方法 |
| JP2011257395A (ja) * | 2010-06-04 | 2011-12-22 | Tyco Electronics Corp | 発光ダイオード(led)組立体のための温度計測システム |
| JP2012132865A (ja) * | 2010-12-24 | 2012-07-12 | Tokyo Electron Ltd | 物理量計測装置及び物理量計測方法 |
| CN102944323A (zh) * | 2012-11-18 | 2013-02-27 | 中国人民解放军63655部队 | 一种基于真均方根转换器的温度脉动仪 |
| CN103185645A (zh) * | 2011-12-29 | 2013-07-03 | 中国科学院沈阳自动化研究所 | 应用于风机控制系统的高精度温度检测装置及检测方法 |
| KR20140044573A (ko) * | 2012-10-05 | 2014-04-15 | 엘에스산전 주식회사 | 정전류원을 이용하는 다채널 저항 계측 장치 |
| CN104792431A (zh) * | 2014-01-16 | 2015-07-22 | 阿自倍尔株式会社 | 温度计测系统及温度计测器 |
| CN106404207A (zh) * | 2016-11-08 | 2017-02-15 | 辽宁师范大学 | 一种基于铂电阻的宽量程高精度温度测量仪及其测量方法 |
| CN110108380A (zh) * | 2019-05-30 | 2019-08-09 | 无锡市百川科技股份有限公司 | 一种应用于纺织加弹机中联苯加热箱的精密测温系统 |
| CN110260997A (zh) * | 2019-06-18 | 2019-09-20 | 西安交通大学 | 一种热电阻测温装置 |
-
1999
- 1999-02-25 JP JP11047348A patent/JP2000241258A/ja active Pending
Cited By (15)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| KR101332511B1 (ko) | 2010-12-24 | 2013-11-22 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 물리량 계측 장치 및 물리량 계측 방법 |
| CN103185645A (zh) * | 2011-12-29 | 2013-07-03 | 中国科学院沈阳自动化研究所 | 应用于风机控制系统的高精度温度检测装置及检测方法 |
| KR20140044573A (ko) * | 2012-10-05 | 2014-04-15 | 엘에스산전 주식회사 | 정전류원을 이용하는 다채널 저항 계측 장치 |
| KR101662354B1 (ko) | 2012-10-05 | 2016-10-04 | 엘에스산전 주식회사 | 정전류원을 이용하는 다채널 저항 계측 장치 |
| CN102944323A (zh) * | 2012-11-18 | 2013-02-27 | 中国人民解放军63655部队 | 一种基于真均方根转换器的温度脉动仪 |
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| US9683900B2 (en) | 2014-01-16 | 2017-06-20 | Azbil Corporation | Temperature measuring system and temperature measuring instrument |
| CN106404207A (zh) * | 2016-11-08 | 2017-02-15 | 辽宁师范大学 | 一种基于铂电阻的宽量程高精度温度测量仪及其测量方法 |
| CN110108380A (zh) * | 2019-05-30 | 2019-08-09 | 无锡市百川科技股份有限公司 | 一种应用于纺织加弹机中联苯加热箱的精密测温系统 |
| CN110260997A (zh) * | 2019-06-18 | 2019-09-20 | 西安交通大学 | 一种热电阻测温装置 |
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