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JP2000281589A - 経粘膜吸収助剤 - Google Patents

経粘膜吸収助剤

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Publication number
JP2000281589A
JP2000281589A JP11084599A JP8459999A JP2000281589A JP 2000281589 A JP2000281589 A JP 2000281589A JP 11084599 A JP11084599 A JP 11084599A JP 8459999 A JP8459999 A JP 8459999A JP 2000281589 A JP2000281589 A JP 2000281589A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
present
arginine
poly
blood concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11084599A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutoshi Morimoto
雍憲 森本
Hideshi Natsume
秀視 夏目
Masahisa Ono
雅久 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T T S GIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
T T S GIJUTSU KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by T T S GIJUTSU KENKYUSHO KK filed Critical T T S GIJUTSU KENKYUSHO KK
Priority to JP11084599A priority Critical patent/JP2000281589A/ja
Publication of JP2000281589A publication Critical patent/JP2000281589A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘膜を通して難粘膜吸収性の薬物を効果的に
吸収させる。 【解決手段】 粘膜を通して難粘膜吸収性の薬物を投与
するに当たって、アルギニンおよびアルギニンの誘導体
のうちから選ばれる1種または2種以上を経粘膜吸収助
剤として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘膜吸収性に乏し
い薬物の粘膜吸収性を促進させるための助剤に関する。
【0002】
【従来の技術】大部分の薬物は現在、主として注射剤ま
たは経口剤の形で投与されており、この注射剤は薬効の
速効性を期待したり、あるいは他の剤形では体内に効果
的に吸収され難い薬物について用いられている。一方、
経口剤は消化管環境や肝臓における代謝の影響を比較的
受け難い薬物や、製剤学的な工夫を施してその代謝の影
響を受け難くした薬物について用いられている。
【0003】しかし、注射のような侵襲的な投与は痛み
を伴い、熟練も要する。また、種々のホルモン、高分子
量のペプチドまたは蛋白質のような生理活性物質に係わ
る医薬品を消化管粘膜を経て吸収させるには、一部のも
のを除いて、その吸収性が乏しく、かつ酵素安定性が悪
いため、このような医薬品の投与には注射剤が繁用され
ている。そこで、近年では目、鼻、肺または直腸等の粘
膜を介して薬物を投与する粘膜吸収が注目されるように
なってきた。このような粘膜吸収では肝臓における初回
通過代謝が回避され、また低代謝環境がもたらされると
いう大きな利点があり、全身作用性の医薬品でも成功例
が見られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、生理活性物質
を包含する難吸収性の薬物またはその塩、またはその誘
導体のほとんどは、消化管粘膜からの吸収にはよらない
投与、すなわち前記粘膜吸収を利用する投与によって肝
臓におけるその初回通過代謝が回避されたとしても、そ
のような薬物において、それの血中濃度が治療に有効な
治療域の濃度に達するのに十分な吸収性を得るのは困難
であって、特に高分子量の薬物では分子量が大きくなる
ほど、益々吸収性が低下するという問題がある。一方、
薬物の有効な吸収に対して様々な妨害を受けるにして
も、経口製剤によって薬物を消化管粘膜から吸収させる
ことは、その便宜性等から、一般に受入れ易いものとな
っている。したがって、これらの薬物において経粘膜的
に治療効果を挙げるためには、薬物の粘膜透過性を促進
させたり、あるいはその粘膜透過性を制御する必要があ
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の状況
に鑑みて種々研究を重ねた結果、アルギニン、アルギニ
ンのポリ体、アルギニンの塩、アルギニンポリ体の塩、
およびアルギニンそのものの誘導体のうちから選ばれる
1種または2種以上を前記難粘膜吸収性の薬物と併用す
ると、その薬物について高い粘膜透過速度が得られるこ
とを見出した。
【0006】本発明は、上記知見に基づいて発明された
もので、粘膜を通して前記難粘膜吸収性の薬物、特に生
理活性物質を包含する難吸収性の薬物を効果的に吸収さ
せることを目的とし、この目的は、アルギニン、アルギ
ニンのポリ体、アルギニンの塩、アルギニンポリ体の
塩、およびアルギニンそのものの誘導体のうちから選ば
れる1種または2種以上を、その薬物を粘膜を通じて吸
収させるための、経粘膜吸収助剤とすることによって達
成される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる生理活性物質
を含む難吸収性の薬物またはその塩、またはその誘導体
としては、抗生物質、例えば、バンコマイシン、セファ
ロジン、セファロチンNa、カルペニシリンNa、ピペ
ラシリンNa、ベンジルペニシリンK;あるいはペプチ
ドおよび蛋白質ような生理活性物質、例えば、卵胞刺激
ホルモンまたはその塩、またはその誘導体、卵胞ホルモ
ンまたはその塩、またはその誘導体、例えば、エストラ
ジオ−ル、エストリオ−ル、またはこれらの塩、または
これらの誘導体、黄体ホルモンまたはその塩、またはそ
の誘導体、例えば、プロゲステロン、クロルマジノン、
ノルエチステロン、ジドロゲステロンまたはこれらの
塩、またはこれらの誘導体、ブセレリンまたはその塩、
またはその誘導体、男性ホルモンまたはその塩、または
その誘導体、例えば、テストステロン、フルオキシメス
テロン、エピチオスタノ−ルまたはこれらの塩、または
これらの誘導体、蛋白同化ステロイド、例えば、メスタ
ノロン、スタノロゾ−ル、ナンドロロン、オキシメトロ
ン、メテノロンまたはこれらの塩、またはこれらの誘導
体、視床下部ホルモンまたはその塩、またはその誘導
体、例えば、ゴナドレリン、プロチレリン、ソマトレリ
ン、コルチコレリンまたはこれらの塩、またはこれらの
誘導体、下垂体前葉ホルモンまたはその塩、またはその
誘導体、例えば、ヒト成長ホルモン、ソマトロピンまた
はこれらの塩、またはこれらの誘導体、カルシウム代謝
薬またはその塩、またはその誘導体、副腎皮質ホルモン
またはその塩、またはその誘導体、性腺刺激ホルモンま
たはその誘導体、例えば、胎盤性性腺刺激ホルモン、下
垂体性腺刺激ホルモン、血清性性腺刺激ホルモンまたは
これらの塩、またはこれらの誘導体、排卵誘発薬または
その塩、またはその誘導体、下垂体後葉ホルモンまたは
その塩、またはその誘導体、例えば、オキシトシン、バ
ソプレシン、デスモプレシンまたはこれらの塩、または
これらの誘導体、甲状腺ホルモンまたはその塩、または
その誘導体、例えば、乾燥甲状腺、カルシトニン、サケ
カルシトニン、エルカトニンまたはこれらの塩、または
これらの誘導体、唾液腺ホルモン、膵臓ホルモンまたは
その塩、またはその誘導体、例えば、グルカゴン、イン
スリンまたはこれらの塩、またはこれらの誘導体、抗甲
状腺薬、ナトリウム利尿ペプチドまたはその関連物質、
またはその誘導体、リュ−プロレリンまたはその塩、ま
たはその誘導体、メラニン細胞刺激ホルモンまたはその
塩、またはその誘導体;あるいはニュ−ロペプチド、例
えばエンドルフィンまたはその関連物質、またはその誘
導体、エンケファリンまたはその関連物質、またはその
誘導体、ネオエンドルフィンまたはその関連物質、また
はその誘導体、サブスタンスPまたはその関連物質、ま
たはその誘導体、ニュ−ロキニンまたはその関連物質、
またはその誘導体、ニュ−ロジンまたはその関連物質、
またはその誘導体、ボンベジン、ソマトスタチンまたは
これらの塩、またはこれらの誘導体、コレストキニン−
8、ガストリン、VIP、モチリン、セクレチン、アン
ギオテンシンまたはその関連物質、またはその誘導体、
ブラジキニン、キュ−トルフィン、ニュ−ロテンシン、
カルシトニン遺伝子関連ペプチド、デルタ睡眠誘発ペプ
チド、ニュ−ロペプチドY;あるいは高分子量物質、例
えば、イヌリン、デキストランまたはその塩、またはそ
の誘導体、ヘパリンまたはその塩、またはその誘導体、
免疫抑制薬またはその塩、またはその誘導体、例えば、
シクロスポリン、FK506、グスベリムスまたはこれ
らの塩、またはこれらの誘導体、免疫賦活(強化)薬ま
たはその塩、またはその誘導体、例えば、インタ−フェ
ロンまたはその塩、またはその誘導体、糖類、繊維質、
ヒアルロン酸、アルブミン、グロブリン、ポリアミノ
酸;あるいは代謝酵素、分解酵素またはこれらの塩、ま
たはこれらの誘導体;あるいはサイトカイン、例えば、
インタ−ロイキン類、腫瘍壊死因子、コロニ−刺激因
子、例えば、顆粒球・マクロファ−ジ刺激因子、顆粒球
刺激因子、エリスロポエチン、増殖因子、例えば、上皮
増殖因子、線維芽細胞増殖因子、神経増殖因子、血小板
由来増殖因子、インスリン様増殖因子;あるいはエイコ
サノイド、例えば、プロスタグランジン、トロンボキサ
ン、ロイコトリエンまたはこれらの関連物質および誘導
体;あるいはビタミン薬、例えば、脂溶性ビタミンまた
はその塩、またはその誘導体、水溶性ビタミンまたはそ
の塩、またはその誘導体が挙げられる。
【0008】本発明で用いられるアルギニンとしては、
好ましくはL- アルギニンが挙げられ、それの配合量、
すなわち経粘膜吸収薬物とともに用いられる場合の処方
物全体に対する配合量(以下、配合量とは、このような
配合量を意味している。)は一般に、0.5〜20.0
w/v%、好ましくは1.0〜10.0w/v%、特に
3.0〜7.0w/v%である。
【0009】本発明で用いられるアルギニンのポリ体、
すなわちポリアルギニンとしては、ポリ- L- アルギニ
ンが挙げられ、それの分子量は一般に1,000〜1,
000,000、好ましくは5,000〜150,00
0であり、また、それの配合量は一般に0.01〜10
w/v%、好ましくは0.1〜5.0w/v%、特に
0.5〜2.0w/v%である。
【0010】本発明で用いられるアルギニンの塩として
は、塩酸塩および硫酸塩が挙げられ、それの配合量は一
般に0.01〜10.0w/v%、好ましくは0.1〜
5.0w/v%である。
【0011】本発明で用いられるアルギニンポリ体の塩
としては、塩酸塩および硫酸塩が挙げられ、そのうちポ
リ- L- アルギニンの塩酸塩または硫酸塩が好ましく、
それの分子量は一般に1,000〜1,000,00
0、好ましくは5,000〜150,000であり、ま
た、それの配合量は一般に0.01〜10.0w/v
%、好ましくは0.1〜5.0w/v%、特に0.5〜
2.0w/v%である。
【0012】本発明で用いられるアルギニンそのものの
誘導体としては、例えば、それのアミノ基がカルボン酸
または糖類の残基で置換されたものが挙げられ、それの
分子量は一般に100〜500であり、また、それの配
合量は一般に0.01〜10.0w/v%、好ましくは
0.1〜5.0w/v%である。
【0013】本発明で用いられるポリアルギニンの誘導
体としては、それのC末端またはN末端、またはこの両
末端に官能基が導入されたものが挙げられ、それの分子
量は一般に1,000〜1,000,000、好ましく
は5,000〜150,000であり、また、それの配
合量は一般に0.01〜10.0w/v%、好ましくは
0.1〜5.0w/v%である。
【0014】本発明に係わるアルギニンおよび上述のよ
うな種々のアルギニン誘導体は単独で、あるいは2種以
上組み合わせて用いることができる。
【0015】本発明による経粘膜吸収助剤は鼻粘膜、眼
粘膜、口腔粘膜、肺粘膜、膣粘膜、消化管粘膜、例え
ば、胃粘膜、小腸粘膜、大腸粘膜、直腸粘膜からの難吸
収性薬物の吸収の促進に好都合に用いることができる。
【0016】本発明による経粘膜吸収助剤は粉末のま
ま、あるいは生理食塩液、緩衝液または他の溶媒に溶解
または分散させて用いることができる。
【0017】本発明による経粘膜吸収助剤は、薬物以外
に、賦形剤、例えば、多糖類、セルロ−スまたはその誘
導体;結合剤、例えば、セルロ−スまたはその誘導体;
崩壊剤、例えば、乳糖、セルロ−スまたはその誘導体の
うちのいずれか1種または2種以上と併用することがで
きる。
【0018】本発明による経粘膜吸収助剤は医療用の液
剤、スプレ−剤、クリ−ム剤、軟膏剤、ゲル剤または坐
薬に加えることができる。
【0019】本発明による経粘膜吸収助剤は医療用の散
剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、マイクロスフィア、マ
イクロカプセル、ナノスフィアおよびナノカプセルの基
剤組成物または内封組成物として用いることができる。
【0020】
【実施例】ついで、実施例を挙げて本発明を詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0021】実施例1 難吸収性薬物としてフルオロセインイソチオシアネ−ト
デキストラン(FITC−dextran,分子量:
4,400,FD−4)を用い、これを本発明による経
粘膜吸収助剤であるアルギニンポリ体の塩酸塩を溶解さ
せた生理食塩液に加えることによって、表1、表4、表
7および表10に示される処方の組成物をそれぞれ調製
した。
【0022】 表1 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 組成物1 組成物2 組成物3 組成物1 組成物1 塩酸ポリ- L- 0.05 0.25 0.5 0 0 アルギニン(分 子量:45,500) FD−4 20 20 20 20 0.25 生理食塩液 79.95 79.75 79.5 80 99.75 ウイスタ−系ラットを麻酔し、本発明組成物1〜3また
は比較組成物1が結腸部内に貯留されるように外科的処
置を施してル−プを作製した後、これらの組成物のいず
れか1mlをル−プ内に投与した。結腸粘膜から吸収さ
れたFD−4の血中濃度を経時的に測定した。また、生
物学的利用率を求めるため、20分の3.3量のFD−
4を含む生理食塩液400μlを静脈より投与した。こ
れらの結果は表2に示され、また、この結果に基づいて
算出された薬動学的パラメ−タは表3に示される。
【0023】 表2 血中濃度(μg/ml) 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 時間(分) 組成物1 組成物2 組成物3 組成物1 組成物1 1 ─── ─── ─── ─── 42.128 5 ─── ─── ─── ─── 15.562 10 0.823 0.534 0.603 0.065 ── 20 1.023 2.353 2.175 ─── 4.497 30 0.958 3.454 4.180 0.091 3.259 45 0.634 2.814 3.368 ─── 2.121 60 0.436 1.851 2.640 0.150 1.465 90 0.283 1.069 1.838 ─── 0.796 120 0.229 0.785 1.552 0.214 0.453 180 0.187 0.544 1.016 0.157 0.166 240 0.153 0.411 0.671 0.142 0.097 表3 Cmax * max ** AUC*** **** (μg/ml) (分) (μg/ml・分) (%) 本発明組成物1 1.31 23.3 84.7 3.1 本発明組成物2 3.45 30.0 268.2 9.7 本発明組成物3 4.35 33.0 353.0 12.8 比較組成物1 0.23 ── 37.0 1.3 静脈内投与組成物1 ─── ─── 455.3 ── *:最高血中濃度 **:最高血中濃度到達時間 ***:血中濃度−時間曲線下面積・・・0分から240分までの時間に ついて計算で求めた。
【0024】****:生物学的利用率・・・下記の式
に従って求めた。
【0025】生物学的利用率(F,%)=本発明組成物
または比較組成物のAUC÷(静脈内投与組成物のAU
C×20/3.3)×100 表2および表3に示される結果から明らかなように、塩
酸ポリ- L- アルギニンを含む本発明組成物1〜3は、
塩酸ポリ- L- アルギニンを含まない比較組成物1より
もFD−4の血中濃度が高くなって、その血中濃度は2
40分の試験時間に至るまで持続し、優れた経粘膜吸収
促進作用を有することが分かる。それに加えて、本発明
組成物3によるFD−4の血中濃度−時間曲線下面積
(AUC)および生物学的利用率(F)は、それぞれ比
較組成物1によるFD−4のAUCおよびFの約10倍
まで増加し、それによって様々な薬物の薬理効果が高め
られることが予測される。
【0026】 実施例2 表4 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 組成物4 組成物5 組成物6 組成物1 組成物1 塩酸ポリ- L- 0.05 0.25 0.5 0 0 アルギニン(分 子量:45,500) FD−4 20 20 20 20 0.25 生理食塩液 79.95 79.75 79.5 80 99.75 ウイスタ−系ラットを麻酔し、本発明組成物4〜6また
は比較組成物1が十二指腸部内に貯留されるように外科
的処置を施してル−プを作製した後、これらの組成物の
いずれか1mlをル−プ内に投与した。十二指腸粘膜か
ら吸収されたFD−4の血中濃度を経時的に測定した。
また、生物学的利用率を求めるため、20分の3.3量
のFD−4を含む生理食塩液400μl を静脈より投与
した。これらの結果は表5に示され、また、この結果に
基づいて算出された薬動学的パラメ−タは表6に示され
る。
【0027】 表5 血中濃度(μg/ml) 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 時間(分) 組成物4 組成物5 組成物6 組成物1 組成物1 1 ─── ─── ─── ─── 42.128 5 ─── ─── ─── ─── 15.562 10 1.647 2.652 2.580 0.073 ── 20 1.602 3.574 3.909 0.438 4.497 30 1.485 3.810 4.548 0.757 3.259 45 1.486 3.897 4.950 0.929 2.121 60 1.454 4.180 5.011 0.878 1.465 90 1.423 4.220 4.768 0.707 0.796 120 1.489 3.799 3.924 0.633 0.453 180 1.579 2.293 2.218 0.489 0.166 240 1.699 1.619 1.729 0.430 0.097 表6 Cmax * max ** AUC*** **** (μg/ml) (分) (μg/ml・分) (%) 本発明組成物4 1.68 15.0 361 13.1 本発明組成物5 4.49 53.8 746 27.0 本発明組成物6 5.14 63.8 889 32.2 比較組成物1 0.855 ── 139 5.0 静脈内投与組成物1 ─── ─── 455.3 ── *:最高血中濃度 **:最高血中濃度到達時間 ***:血中濃度−時間曲線下面積・・・0分から240分までの時間に ついて計算で求めた。
【0028】****:生物学的利用率・・・下記の式
に従って求めた。
【0029】生物学的利用率(F,%)=本発明組成物
または比較組成物のAUC÷(静脈内投与組成物のAU
C×20/3.3)×100 表5および表6に示される結果から明らかなように、塩
酸ポリ- L- アルギニンを含む本発明組成物4〜6は、
塩酸ポリ- L- アルギニンを含まない比較組成物1より
もFD−4の血中濃度が高くなって、その血中濃度は2
40分の試験時間に至るまで持続し、優れた経粘膜吸収
促進作用を有することが分かる。それに加えて、本発明
組成物6によるFD−4の血中濃度−時間曲線下面積
(AUC)および生物学的利用率(F)は、それぞれ比
較組成物1によるFD−4のAUCおよびFの約6倍ま
で増加し、それによって様々な薬物の薬理効果が高めら
れることが予測される。
【0030】 実施例3 表7 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 組成物7 組成物8 組成物9 組成物1 組成物1 塩酸ポリ- L- 0.05 0.25 0.5 0 0 アルギニン(分 子量:45,500) FD−4 20 20 20 20 0.25 生理食塩液 79.95 79.75 79.5 80 99.75 ウイスタ−系ラットを麻酔し、本発明組成物7〜9また
は比較組成物1が空腸部内に貯留されるように外科的処
置を施してル−プを作製した後、これらの組成物のいず
れか1mlをル−プ内に投与した。空腸粘膜から吸収さ
れたFD−4の血中濃度を経時的に測定した。また、生
物学的利用率を求めるため、20分の3.3量のFD−
4を含む生理食塩液400μlを静脈より投与した。こ
れらの結果は表8に示され、また、この結果に基づいて
算出された薬動学的パラメ−タは表9に示される。
【0031】 表8 血中濃度(μg/ml) 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 時間(分) 組成物7 組成物8 組成物9 組成物1 組成物1 1 ─── ─── ─── ─── 42.128 5 ─── ─── ─── ─── 15.562 10 3.423 2.676 1.975 0.295 ── 20 3.318 4.027 4.074 ─── 4.497 30 2.737 5.039 5.038 0.495 3.259 45 2.058 5.616 5.815 ─── 2.121 60 1.655 5.618 6.230 0.548 1.465 90 0.990 4.543 6.163 ─── 0.796 120 0.744 2.947 5.106 0.490 0.453 180 0.489 1.140 2.374 0.442 0.166 240 0.290 0.634 1.069 0.355 0.097 表9 Cmax * max ** AUC*** **** (μg/ml) (分) (μg/ml・分) (%) 本発明組成物7 3.52 15.0 271 9.8 本発明組成物8 5.83 52.5 697 25.2 本発明組成物9 6.55 80.0 941 34.0 比較組成物1 0.584 ── 99.9 3.6 静脈内投与組成物1 ─── ─── 455.3 ── *:最高血中濃度 **:最高血中濃度到達時間 ***:血中濃度−時間曲線下面積・・・0分から240分までの時間に ついて計算で求めた。
【0032】****:生物学的利用率・・・下記の式
に従って求めた。
【0033】生物学的利用率(F,%)=本発明組成物
または比較組成物のAUC÷(静脈内投与組成物のAU
C×20/3.3)×100 表8および表9に示される結果から明らかなように、塩
酸ポリ- L- アルギニンを含む本発明組成物7〜9は、
塩酸ポリ- L- アルギニンを含まない比較組成物1より
もFD−4の血中濃度が高くなって、その血中濃度は2
40分の試験時間に至るまで持続し、優れた経粘膜吸収
促進作用を有することが分かる。それに加えて、本発明
組成物9によるFD−4の血中濃度−時間曲線下面積
(AUC)および生物学的利用率(F)は、それぞれ比
較組成物1によるFD−4のAUCおよびFの約10倍
まで増加し、それによって様々な薬物の薬理効果が高め
られることが予測される。
【0034】 実施例4 表10 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 組成物10 組成物11 組成物12 組成物1 組成物1 塩酸ポリ- L- 0.05 0.25 0.5 0 0 アルギニン(分 子量:45,500) FD−4 20 20 20 20 0.25 生理食塩液 79.95 79.75 79.5 80 99.75 ウイスタ−系ラットを麻酔し、本発明組成物10〜12
または比較組成物1が回腸部内に貯留されるように外科
的処置を施してル−プを作製した後、これらの組成物の
いずれか1mlをル−プ内に投与した。回腸粘膜から吸
収されたFD−4の血中濃度を経時的に測定した。ま
た、生物学的利用率を求めるため、20分の3.3量の
FD−4を含む生理食塩液400μlを静脈より投与し
た。これらの結果は表11に示され、また、この結果に
基づいて算出された薬動学的パラメ−タは表12に示さ
れる。
【0035】 表11 血中濃度(μg/ml) 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 時間(分) 組成物10 組成物11 組成物12 組成物1 組成物1 1 ─── ─── ─── ─── 42.128 5 ─── ─── ─── ─── 15.562 10 4.666 2.613 2.336 0.163 ── 20 5.014 6.435 6.897 ─── 4.497 30 4.536 9.967 9.755 0.157 3.259 45 3.586 9.843 10.278 ─── 2.121 60 2.999 8.698 9.510 0.153 1.465 90 2.139 5.317 7.992 ─── 0.796 120 1.492 2.745 5.533 0.105 0.453 180 0.884 0.866 2.452 0.097 0.166 240 0.725 0.296 1.328 0.084 0.097 表12 Cmax * max ** AUC*** **** (μg/ml) (分) (μg/ml・分) (%) 本発明組成物10 5.45 20.0 553 20.0 本発明組成物11 10.3 33.8 902 32.6 本発明組成物12 10.3 40.0 1258 45.5 比較組成物1 0.206 ── 26.6 1.3 静脈内投与組成物1 ─── ─── 455.3 ── *:最高血中濃度 **:最高血中濃度到達時間 ***:血中濃度−時間曲線下面積・・・0分から240分までの時間に ついて計算で求めた。
【0036】****:生物学的利用率・・・下記の式
に従って求めた。
【0037】生物学的利用率(F,%)=本発明組成物
または比較組成物のAUC÷(静脈内投与組成物のAU
C×20/3.3)×100 表11および表12に示される結果から明らかなよう
に、塩酸ポリ- L- アルギニンを含む本発明組成物10
〜12は、塩酸ポリ- L- アルギニンを含まない比較組
成物1よりもFD−4の血中濃度が高くなって、その血
中濃度は240分の試験時間に至るまで持続され、優れ
た経粘膜吸収促進作用を有することが分かる。それに加
えて、本発明組成物12によるFD−4の血中濃度−時
間曲線下面積(AUC)および生物学的利用率(F)
は、それぞれ比較組成物1によるFD−4のAUCおよ
びFの約40倍まで増加し、それによって様々な薬物の
薬理効果が高められることが予測される。
【0038】実施例5 下記の表13に示される処方に従って、アルギニンのポ
リ体を溶解させた生理食塩液からなる本発明組成物13
を調製するとともに、表13に示される濃度のインスリ
ン水溶液をそれぞれ調製した。
【0039】 表13 本発明 比較 静脈内投与 組成物13 組成物2 組成物2 塩酸ポリ- L- 0.5 0 0 アルギニン(分 子量:45,500) 生理食塩液 99.5 0 0 インスリン水溶液 0.0346 0.0346 0.00436 (mg/ml) ウイスタ−系ラットを麻酔し、本発明組成物13または
比較組成物2が回腸部内に貯留されるように外科的処置
を施してル−プを作製した後、1mlの本発明組成物1
3をル−プ内に投与し、その1時間後にル−プ内の本発
明組成物13を1mlのインスリン水溶液に置き換え
た。比較組成物2の場合は、最初から最後まで1mlの
インスリン水溶液のみをル−プ内に投与した。血液中の
グルコ−ス濃度を経時的に測定した結果は添付図面の図
1および図2示される通りであり、そしてグルコ−ス濃
度−時間曲線下面積(AUC)に基づいて、インスリン
の吸収に伴うグルコ−ス濃度の減少率(F)を算出し
た。また、薬理学的利用率(PA)を求めるため、8分
の1量のインスリン水溶液400μlを静脈から投与し
た。
【0040】図1においては、ラットに上記の静脈内投
与組成物2である濃度0.00436mg/mlのイン
スリン水溶液200μlを静脈内投与した時の血中グル
コ−ス濃度(mg/dl)の経時変化がグラフで示され
ており、一方、図2においては、ラット回腸に比較組成
物2として表されている濃度0.0346mg/mlの
インスリン水溶液1mlを投与した時の血中グルコ−ス
濃度(mg/dl)の経時変化がグラフで示されてい
て、この図2のグラフには、1mlの本発明組成物13
をル−プ内に投与し、その1時間後にル−プ内の本発明
組成物13をこのインスリン水溶液に置換した場合が●
を結んだ線で示され、そしてこのインスリン水溶液1m
lのみを最初から最後までル−プ内に投与した場合が○
を結んだ線で示されている。
【0041】 表14 AUC* ** PA*** (mg/ml ・時間) (%) (%) 本発明組成物13 71.0 32.3 9.9 比較組成物2 105 0 0 静脈内投与組成物2 56.9 41.0 100 *:グルコ−ス血中濃度−時間曲線下面積・・・0分から240分 までの時間について計算で求めた。
【0042】**:グルコ−ス減少率・・・下記の式に
従って求めた。
【0043】グルコ−ス減少率(F,%)=100−本
発明組成物または比較 組成物のAUC÷(静脈内投与組成物2のAUC×8)
×100 ***:薬理学的利用率・・・下記の式に従って求め
た。
【0044】薬理学的利用率(PA,%)=本発明組成
物13または比較組成物2のF÷静脈内投与組成物2のF
×静脈内投与組成物2の投与量÷本発明組成物13または
比較組成物2の投与量×100 図1と2および表14に示される結果から明らかなよう
に、塩酸ポリ- L- アルギニンを含む本発明組成物13
を適用した場合には、このような組成物を適用しないで
専ら比較組成物2のみを適用した場合よりもグルコ−ス
の血中濃度が低下して、その減少率は240分の試験時
間に至るまで持続し、この本発明組成物13、したがっ
て塩酸ポリ- L- アルギニンが優れた経粘膜吸収促進作
用を有することが分かる。それに加えて、インスリン水
溶液の粘膜吸収による薬理学的利用率(PA)が0であ
るのに対して、本発明組成物13の粘膜吸収によるイン
スリンの薬理学的利用率(PA)は、静脈内投与組成物
2の薬理学的利用率(PA)の約10%に及び、薬理効
果の著しい改善が見られた。
【0045】実施例6 難吸収性薬物として、互いに分子量の異なるフルオロセ
インイソチオシアネ−トデキストラン(FITC−de
xtran,分子量(mw):12,400,FD−1
0,mw:38,260,FD−40,mw:50,7
00,FD−70,mw:167,000,FD−15
0)を用い、これを本発明による経粘膜吸収助剤である
様々な分子量を有するアルギニンポリ体の塩酸塩を溶解
させた生理食塩液に加えることによって、また、この塩
酸塩を加えないことによって、表15、表18、表21
および表24に示される処方の本発明組成物14〜1
6、比較組成物3および静脈内投与組成物3をそれぞれ
調製した。
【0046】 表15 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 組成物14 組成物15 組成物16 組成物3 組成物3 塩酸ポリ- L- 0.5 1.0 0 0 0 アルギニン(分 子量:42,400) 塩酸ポリ- L- 0 0 1.0 0 0 アルギニン(分 子量:92,200) FD−10 20 20 20 20 0.015 生理食塩液 79.5 79.0 79.0 80 99.985 ウイスタ−系ラットを麻酔し、本発明組成物14〜16
または比較組成物3が鼻腔粘膜内に貯留されるように外
科的処置を施した後、チュ−ブ付きのマイクロシリンジ
を用いて50μlの本発明組成物14〜16または比較
組成物3を鼻腔粘膜内に投与した。鼻腔粘膜から吸収さ
れたFD−10の血中濃度を経時的に測定した。また、
生物学的利用率を求めるため、165分の1量のFD−
10を含む生理食塩液400μlを静脈から投与した。
これらの結果は表16に示され、また、この結果に基づ
いて算出された薬動学的パラメ−タは表17に示され
る。
【0047】 表16 血中濃度(μg/ml) 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 時間(分) 組成物14 組成物15 組成物16 組成物3 組成物3 1 ─── ─── ─── ─── 7.092 5 0.105 0.113 0.175 ─── 3.832 10 ─── ─── 2.007 0.186 2.401 15 0.774 0.696 5.220 ─── ── 20 ─── ─── ─── ─── 1.244 30 4.586 3.824 11.470 ─── 0.826 45 ─── ─── ─── ─── 0.375 60 9.656 11.059 12.914 0.287 0.240 120 12.466 17.445 9.695 0.320 0.173 180 8.700 14.999 6.821 ─── 0.134 240 6.113 12.097 5.275 ─── 0.103 300 4.315 9.004 4.593 0.206 0.071 360 3.149 6.594 3.737 ─── 0.043 420 2.398 4.646 2.655 ─── ─── 480 1.724 3.688 2.259 ─── ─── 540 1.529 2.662 0.673 0.203 ─── 表17 Cmax * max ** AUC*** **** (μg/ml) (分) (μg/ml・分) (%) 本発明組成物14 12.47 120 2925.9 14.7 本発明組成物15 17.45 120 4781.5 24.1 本発明組成物16 12.92 120 3469.4 17.5 比較組成物3 0.32 120 194.4 0.98 静脈内投与組成物1 ─── ─── 120.4 ── *:最高血中濃度 **:最高血中濃度到達時間 ***:血中濃度−時間曲線下面積・・・0分から540分までの時間に ついて計算で求めた。ただし、静脈内投与組成物3は540分まで 外挿して求めた。
【0048】****:生物学的利用率・・・下記の式
に従って求めた。
【0049】生物学的利用率(F,%)=本発明組成物
または比較組成物のAUC÷(静脈内投与組成物3のA
UC×165)×100 表16および表17に示される結果から明らかなよう
に、分子量の異なる塩酸ポリ- L- アルギニンを含む本
発明組成物14〜16は、塩酸ポリ- L- アルギニンを
含まない比較組成物3よりもFD−10の血中濃度が非
常に高くなって、優れた経粘膜吸収促進作用を有するこ
とが分かる。それに加えて、本発明組成物14〜16に
よるFD−10の血中濃度−時間曲線下面積(AUC)
および生物学的利用率(F)は、それぞれ比較組成物3
によるFD−10のAUCおよびFの15倍〜25倍に
増加し、それによって様々な薬物の薬理効果が高められ
ることが予測される。
【0050】 実施例7 表18 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 組成物17 組成物18 組成物19 組成物4 組成物4 塩酸ポリ- L- 0.5 1.0 0 0 0 アルギニン(分 子量:42,400) 塩酸ポリ- L- 0 0 1.0 0 0 アルギニン(分 子量:92,200) FD−40 20 20 20 20 0.015 生理食塩液 79.5 79.0 79.0 80 99.985 ウイスタ−系ラットを麻酔し、本発明組成物17〜19
または比較組成物4が鼻腔粘膜内に貯留されるように外
科的処置を施した後、チュ−ブ付きのマイクロシリンジ
を用いて鼻腔粘膜内に投与した。鼻腔粘膜から吸収され
たFD−40の血中濃度を経時的に測定した。また、生
物学的利用率を求めるため、165分の1量のFD−4
0を含む生理食塩液400μlを静脈から投与した。こ
れらの結果は表19に示され、また、この結果に基づい
て算出された薬動学的パラメ−タは表20に示される。
【0051】 表19 血中濃度(μg/ml) 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 時間(分) 組成物17 組成物18 組成物19 組成物4 組成物4 1 ─── ─── ─── ─── 4.320 5 0.098 0.081 0.058 ─── 3.776 10 ─── ─── 0.049 0.180 3.503 15 0.213 0.226 0.189 ─── ─── 20 ─── ─── ─── ─── 2.771 30 0.328 0.459 0.312 ─── 2.062 45 ─── ─── ─── ─── 1.670 60 0.863 1.141 0.909 0.222 1.328 90 ─── ─── ─── ─── 1.194 120 2.108 3.387 2.568 0.132 1.060 180 4.285 3.785 2.956 ─── 0.828 240 3.663 3.291 2.750 ─── 0.697 300 3.032 2.514 2.681 0.054 0.619 360 2.504 1.595 1.924 ─── 0.453 420 1.665 0.941 1.424 ─── ─── 480 1.227 0.628 0.871 ─── ─── 540 1.018 0.406 0.673 0.050 ─── 表20 Cmax * max ** AUC*** **** (μg/ml) (分) (μg/ml・分) (%) 本発明組成物17 4.29 180 1189.3 1.86 本発明組成物18 3.78 180 784.3 1.22 本発明組成物19 2.96 180 979.6 1.53 比較組成物4 0.22 60 50.4 0.08 静脈内投与組成物4 ─── ─── 388.2 ── *:最高血中濃度 **:最高血中濃度到達時間 ***:血中濃度−時間曲線下面積・・・0分から540分までの時間に ついて計算で求めた。ただし、静脈内投与組成物4は540分まで 外挿して求めた。
【0052】****:生物学的利用率・・・下記の式
に従って求めた。
【0053】生物学的利用率(F,%)=本発明組成物
または比較組成物のAUC÷(静脈内投与組成物のAU
C×165)×100 表19および表20に示される結果から明らかなよう
に、分子量の異なる塩酸ポリ- L- アルギニンを含む本
発明組成物17〜19は、塩酸ポリ- L- アルギニンを
含まない比較組成物4よりもFD−40の血中濃度が高
くなって、優れた経粘膜吸収促進作用を有することが分
かる。それに加えて、本発明組成物17〜19によるF
D−40の血中濃度−時間曲線下面積(AUC)および
生物学的利用率(F)は、それぞれ比較組成物4による
FD−40のAUCおよびFの15倍〜23倍増加し、
それによって様々な薬物の薬理効果が高められることが
予測される。
【0054】 実施例7 表21 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 組成物20 組成物21 組成物22 組成物5 組成物5 塩酸ポリ- L- 0.5 1.0 0 0 0 アルギニン(分 子量:42,400) 塩酸ポリ- L- 0 0 1.0 0 0 アルギニン(分 子量:92,200) FD−70 20 20 20 20 0.015 生理食塩液 79.5 79.0 79.0 80 99.985 ウイスタ−系ラットを麻酔し、本発明組成物20〜22
または比較組成物5が鼻腔粘膜内に貯留されるように外
科的処置を施した後、チュ−ブ付きのマイクロシリンジ
を用いてこれらの組成物のいずれか50μlを鼻腔粘膜
内に投与した。鼻腔粘膜から吸収されたFD−70の血
中濃度を経時的に測定した。また、生物学的利用率を求
めるため、165分の1量のFD−70を含む生理食塩
液400μl を静脈から投与した。これらの結果は表2
2に示され、また、この結果に基づいて算出された薬動
学的パラメ−タは表23に示される。
【0055】 表22 血中濃度(μg/ml) 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 時間(分) 組成物20 組成物21 組成物22 組成物5 組成物5 1 ─── ─── ─── ─── 3.215 5 0.045 0.041 0.044 ─── 2.924 10 ─── ─── 0.111 0.071 2.466 15 0.106 0.143 0.103 ─── ─── 20 ─── ─── ─── ─── 2.631 30 0.168 0.270 0.132 ─── 1.957 45 ─── ─── ─── ─── 1.995 60 0.464 0.292 0.450 0.077 1.805 90 ─── ─── ─── ─── 1.489 120 1.573 1.182 1.381 0.072 1.183 180 2.268 2.076 1.929 ─── 0.748 240 2.768 2.438 1.720 ─── 0.562 300 3.039 2.292 1.494 0.056 0.355 360 2.918 1.679 1.213 ─── 0.292 420 2.773 1.313 0.938 ─── ─── 480 2.541 0.977 0.715 ─── ─── 540 2.200 0.740 0.457 0.033 ─── 表23 Cmax * max ** AUC*** **** (μg/ml) (分) (μg/ml・分) (%) 本発明組成物20 3.04 300 1165.1 1.92 本発明組成物21 2.44 240 760.2 1.25 本発明組成物22 1.93 180 605.2 1.00 比較組成物5 0.08 60 23.0 0.04 静脈内投与組成物5 ─── ─── 367.5 ── *:最高血中濃度 **:最高血中濃度到達時間 ***:血中濃度−時間曲線下面積・・・0分から540分までの時間に ついて計算で求めた。ただし、静脈内投与組成物5は540分まで 外挿して求めた。
【0056】****:生物学的利用率・・・下記の式
に従って求めた。
【0057】生物学的利用率(F,%)=本発明組成物
または比較組成物のAUC÷(静脈内投与組成物5のA
UC×165)×100 表22および表23に示される結果から明らかなよう
に、分子量の異なる塩酸ポリ- L- アルギニンを含む本
発明組成物20〜22は、塩酸ポリ- L- アルギニンを
含まない比較組成物5よりもFD−70の血中濃度が非
常に高くなり、優れた経粘膜吸収促進作用を有すること
が分かる。それに加えて、本発明組成物20〜22によ
るFD−70の血中濃度−時間曲線下面積(AUC)お
よび生物学的利用率(F)は、それぞれ比較組成物5に
よるFD−70のAUCおよびFの25倍〜48倍増加
し、それによって様々な薬物の薬理効果が高められるこ
とが予測される。
【0058】 実施例8 表24 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 組成物23 組成物24 組成物25 組成物6 組成物6 塩酸ポリ- L- 0.5 1.0 0 0 0 アルギニン(分 子量:42,400) 塩酸ポリ- L- 0 0 1.0 0 0 アルギニン(分 子量:92,200) FD−150 20 20 20 20 0.015 生理食塩液 79.5 79.0 79.0 80 99.985 ウイスタ−系ラットを麻酔し、本発明組成物23〜25
または比較組成物6が鼻腔粘膜内に貯留されるように外
科的処置を施した後、チュ−ブ付きのマイクロシリンジ
を用いてこれらの組成物のいずれか50μlを鼻腔粘膜
内に投与した。鼻腔粘膜から吸収されたFD−150の
血中濃度を経時的に測定した。また、生物学的利用率を
求めるため、165分の1量のFD−150を含む生理
食塩液400μlを静脈より投与した。これらの結果は
表25に示され、また、この結果に基づいて算出された
薬動学的パラメ−タは表26に示される。
【0059】 表25 血中濃度(μg/ml) 本発明 本発明 本発明 比較 静脈内投与 時間(分) 組成物23 組成物24 組成物25 組成物6 組成物6 1 ─── ─── ─── ─── 6.865 5 0.064 0.023 0.013 ─── 5.648 10 ─── ─── 0.030 n.d. * 5.120 15 0.064 0.055 0.112 ─── ─── 20 ─── ─── ─── ─── 4.363 30 0.135 0.178 0.315 ─── 3.793 45 ─── ─── ─── ─── 3.074 60 0.346 0.710 0.923 n.d. * 2.787 90 ─── ─── ─── ─── 2.368 120 0.806 1.253 1.223 n.d. * 1.739 180 0.820 1.536 1.467 ─── 1.467 240 0.844 1.541 1.216 ─── 1.111 300 0.775 1.303 1.031 n.d. * 0.889 360 0.653 1.205 1.213 ─── 0.770 420 0.606 1.021 0.839 ─── ─── 480 0.547 0.760 0.648 ─── ─── 540 0.572 0.555 0.522 n.d. * ─── *:検出できず 表26 Cmax **max *** AUC********* (μg/ml) (分) (μg/ml・分) (%) 本発明組成物23 0.84 240 340.1 0.31 本発明組成物24 1.54 240 570.7 0.52 本発明組成物25 1.47 240 463.3 0.43 比較組成物6 n.d. * n.d. * n.d. * n.d. * 静脈内投与組成物6 ─── ─── 660.6 ── *:検出できず **:最高血中濃度 ***:最高血中濃度到達時間 ****:血中濃度−時間曲線下面積・・・0分から540分までの時間に ついて計算で求めた。ただし、静脈内投与組成物5は540分ま で外挿して求めた。
【0060】*****:生物学的利用率・・・下記の
式に従って求めた。
【0061】生物学的利用率(F,%)=本発明組成物
または比較組成物のAUC÷(静脈内投与組成物6のA
UC×165)×100 表25および表26に示される結果から明らかなよう
に、分子量の異なる塩酸ポリ- L- アルギニンを含む本
発明組成物23〜25は、塩酸ポリ- L- アルギニンを
含まない比較組成物6よりもFD−150の血中濃度が
高くなり、優れた経粘膜吸収促進作用を有することが分
かる。それに加えて、本発明組成物23〜25によるF
D−150の血中濃度−時間曲線下面積(AUC)およ
び生物学的利用率(F)は、それぞれ比較組成物6によ
るFD−150のAUCおよびFの25倍〜48倍増加
し、それによって様々な薬物の薬理効果が高められるこ
とが予測される。
【0062】実施例9 下記の表27に示される処方に従って、塩酸添加リン酸
緩衝液(pH:5)にタンパク性医薬品としてのヒト顆
粒球コロニ−刺激因子(G−CSF)を加えて比較組成
物7を調製するとともに、その塩酸添加リン酸緩衝液に
更にアルギニンポリ体の塩酸塩を予め溶解させて本発明
組成物26を調製した。
【0063】 表27 本発明 比較 組成物26 組成物7 塩酸ポリ- L- アルギニン 1.0 0 (分子量:45,500) G−CSF 0.04 0.04 塩酸添加リン酸緩衝液 98.96 99.96 (pH:5) ウイスタ−系ラットを麻酔し、本発明組成物26または
比較組成物7が鼻腔粘膜内に貯留されるように外科的処
置を施した後、チュ−ブ付きのマイクロシリンジを用い
て、これらの組成物50μlをそれぞれ鼻腔粘膜内に投
与した。鼻腔粘膜から吸収されたG−CSFの血中濃度
を経時的に測定した。この結果は表28に示され、ま
た、この結果に基づいて算出された薬動学的パラメ−タ
は表29に示される。
【0064】 表28 血中濃度(ng/ml) 本発明 比較 時間(分) 組成物26 組成物7 30 10.390 0.560 60 28.944 0.934 120 53.934 1.456 240 43.456 3.382 360 22.246 3.126 480 5.770 1.880 表29 Cmax * max ** AUC*** (ng/ml) (分) (ng/ml・分) 本発明組成物26 53.9 120 14698.9 比較組成物7 3.4 240 1146.6 *:最高血中濃度 **:最高血中濃度到達時間 ***:血中濃度−時間曲線下面積・・・0分から540分までの時間 について計算で求めた。
【0065】表28と表29に示される結果から明らか
なように、塩酸ポリ- L- アルギニンを含む本発明組成
物26を適用した場合には、このような組成物を適用し
なかった比較組成物7を適用した場合よりもG−CSF
の血中濃度を著しく増加させて、その血中濃度は480
分の試験時間に至るまで持続し、この本発明組成物2
6、したがって塩酸ポリ- L- アルギニンが優れた経粘
膜吸収促進作用を有することが分かる。それに加えて、
本発明組成物26によるG−CSFの血中濃度−時間曲
線下面積(AUC)は、比較組成物7によるG−CSF
のAUCの13倍増加し、それによって様々な薬物の薬
理効果が高められることが予測される。
【0066】
【発明の効果】以上述べた説明から明らかなように、本
発明によれば、種々の難吸収性薬物、特にペプチドおよ
びタンパク性薬物のような従来開発、利用が困難であっ
た難吸収性薬物ついて高い粘膜吸収性を得ることがで
き、したがって難吸収性薬物について高い薬理効果を発
揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラットに濃度0.00436mg/mlのイン
スリン水溶液200μlを静脈内投与した時の血中グル
コ−ス濃度の経時変化を示すグラフである。
【図2】ラット回腸内に濃度0.0346mg/mlの
インスリン水溶液を投与した時の血中グルコ−ス濃度の
経時変化を示すグラフであって、そのうちの●を結んで
得られた線は1mlの本発明組成物13をル−プ内に投
与し、その1時間後にル−プ内の本発明組成物13をこ
のインスリン水溶液に置換した場合に得られたものであ
り、そして○を結んで得られた線は、このインスリン水
溶液1mlのみを最初から最後までル−プ内に投与した
場合に得られたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA12 BB21 CC11 CC44 CC50 DD23 DD51 EE41 FF34 4C084 AA02 AA03 AA17 BA44 MA05 MA17 MA56 NA10 NA11 ZA362 ZC332

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経粘膜吸収させる薬物とともに用いられ
    る経粘膜吸収助剤であって、この助剤がアルギニン、ア
    ルギニンのポリ体、アルギニンの塩、アルギニンポリ体
    の塩、およびアルギニンそのものの誘導体のうちから選
    ばれる1種または2種以上からなることを特徴とする、
    前記経粘膜吸収助剤。
  2. 【請求項2】 前記アルギニンポリ体の塩が塩酸ポリ-
    L- アルギニンである、請求項1記載の経粘膜吸収助
    剤。
  3. 【請求項3】 前記誘導体が、アルギニンのアミノ基が
    カルボン酸または糖類の残基で置換されているアルギニ
    ン誘導体である請求項1記載の経粘膜吸収助剤。
  4. 【請求項4】 前記薬物が生理活性物質に係わる薬物で
    ある請求項1ないし3記載の経粘膜吸収助剤。
  5. 【請求項5】 前記生理活性物質に係わる薬物がペプチ
    ドまたは蛋白質である請求項4記載の経粘膜吸収助剤。
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