【発明の詳細な説明】
素早く着脱可能なビンディング
発明の分野
本発明は使用者が履いた、少なくとも1足のブーツを雪上滑り装置あるいはウ
ェイクボード装置に取り外し可能に取り付ける技術に係り、特に単一の掛け留め
可能なレバーを用いて雪上滑り装置に装着されたビンディングに対してブーツの
取り付けおよび取り外しを素早く行うようにしたものである。このレバーはブー
ツの上に巻いた固定帯の締め付けを可能とするために機械的な好都合な働きを与
えるように構成されている。この機械的な好都合な働きについて、レバーは手に
手袋が着いていても、片手で締め付けることが可能である。
この出願は1996年1月18日付で出願番号60/010,191として出
願された暫定特許に基づいている。この出願は1996年11月6日付で出願さ
れた米国特許出願−出願番号08/744,290−の一部継続出願であり、原
出願はこの一部継続出願の受理によって放棄されている。
従来技術の説明
雪上滑り装置にブーツを固定する技術は長い歴史と共に、数多くの変化に富ん
だ事例がある。スノーボードに加えて、クロスカントリースキーから滑降スキー
へと発展した雪上滑り装置のように、ビンディングはそれぞれの装置、ブーツ技
術のそれぞれの変化および性能に対する要求、使用上の容易さならびに安全性を
満たすように開発されて今日に及んでいる。機械的な好都合な働きを持つ、回動
する固定バーがここで教示することは、またウェイク滑り装置のビンディングに
も使用することが可能である。
スノーボードに着けた、少なくとも1足のブーツを取り外し、再び取り付ける
にはリフトの助けを必要とする。通常、スノーボードを緩めるには一方の足にス
ノーボードが取り付けられたまま、他方の足からスノーボードを取り外し、チェ
アリフトから降りる。
使用者がブーツをスノーボードに取り付けるのに用いられるビンディングには
、今日、300以上の異なる形態がある。ウェイクボードのためのビンディング
も、また数多くの形態がある。多くのビンディングはスノーボードないしウェイ
クボードに直接取り付けられるフットベッドならびに少なくともこのフットベッ
ド内に使用者のブーツを固定する、つま先固定帯および甲固定帯からなる“標準
ビンディング”と呼ばれる1つのグループにまとめることができる。使用者は、
毎回、ビンディングからブーツを外すことを願い、そのとき全部の固定帯を緩め
なければならない。ボードを再装着することが望まれると、使用者は固定帯を再
び掛けわたし、次にビンディングのフットベッド内にブーツを固定するために張
りを調節しなければならない。
現在の技術はバックルで留める固定帯を教示している。幾つかのバックルはラ
チェットと組み合わせたもので、織られた歯を有する固定帯がラチェットを動か
すことによりバックルを介して固く引き締められる。一定のリフト量を取って固
定した固定帯を解放し、リフト量が戻った後に固定帯を再係合するのは厚い手袋
を着けたとき、ブーツ、固定帯ないしバックルの表面に氷が付着したような場合
、困難を伴う。雪が深いとき、ときどきラチェットを動かして留めることが難し
くなる。
固定帯がバックルから外されたような場合、スノーボードを取り巻く冷気、湿
った通常条件のもとで固定帯とバックルとを再度係合させることは極めて困難に
なる。
固定帯の使用をなくすようにした解決の仕方ではボードに装着する、鋼製のプ
レートを使用し、使用者のブーツの底に設けたコネクタのステップとかみ合わせ
ることが教えられている。この形式のブーツは堅い靴底を必要としており、ブー
ツの柔軟性を損ねることになる。ブーツのコネクタにあるステップおよびボード
表面のプレートは氷が詰まった状態になり、コネクタはプレートと完全にかみ合
わせることができなくなる。
さらに、使用者はボードが柔らかい雪の上に載っているならば、雪に踏み込ん
だ状態でこの装置を固定しなければならないので、装着時の固定するための力が
コネクタをプレートとかみ合わせるのではなく、ボードを雪中に押し込む傾向が
ある。
この問題の解決への提案が米国特許第5143396号に試みられている。こ
の解決の仕方では足に合わせて作られた大きく、重い特別な台を使用することを
教える。さらに、米国特許第514396号は特別に製作した2個の固定帯を使
用することを教える。この固定帯は締め付けバーが遠く離れて係合する固定帯の
端部を動かし、締め付けバーを締め上げるとき、望ましくは経験によりブーツを
巻いてぴったり合うところまで、孔の組み合わせ位置にその特別な固定帯を係合
させる方法により、もっぱら調節するものである。
米国特許第514396号はラッチ装置の使用を教示することを試みている(
第5頁、第40行、これがどのように生じるかは記述される)。残念なことに米
国特許第514396号はハンドル86および締め付け手段36がどのように働
くのかを記述していない。もっぱら教示することはハンドル86を押し下げると
、締め付けバーを解放するということである。この教示するところに従うと、使
用者によりときどき望まないときにこの解放が起こることになる。
さらに、この教示するところに従うと、締め付けバーのヒンジ部が一端にあり
、ハンドル86はその他端にあり、固定帯がヒンジ端とハンドル86との間に装
着されることになる。
機械的な好都合な働きは教示されないか、あるいは締め付け手段36を用いて
ハンドル86の係合を助けることは米国特許第514396号によれば、示唆さ
えもされない。氷、雪および湿分で伸びる可能性のある、ブーツに巻く固定帯に
力を加えるために直接圧力を加えることのみが米国特許第514396号によっ
て利用されている。
米国特許第514396号はビンディングと共に機能するブーツの種類に関し
ては固有の制限と共に、それ自身特別に作られたビンディング以外の別のビンデ
ィングに特許が適用し得ることは教示しないか、あるいは示唆しない。
それ故、使用者がブーツをスノーボードないしウェイクボード装置に容易に取
り付けおよび取り外せるようにした装置に対する要望がある。
この装置は使用者のブーツを収容するために固定帯の張りを広い範囲で調節で
きるようにするのが望ましい。
さらに、固定帯の張りの調節は最初のみ必要で、取り外し後およびブーツのボ
ードへの再係合では特別に張りを再調節する必要がないことが望ましい。
さらに、使用者が厚い手袋を着けて寒い環境で扱うときも活用に支障がなく、
また片付けられるようにするのが望ましい。取り付けないし取り外しに大きな力
を必要としないことは好ましい。これは不用意に外れないために移動のような負
担の少ない1度のストロークで固く係合されるのが望ましい。
さらに、この装置の係合はブーツ、ビンディング、固定帯ないしボードに付着
する氷によって悪影響を受けないことが望ましい。
さらに、この係合はボードを柔らかい雪に押し込むような強い圧力を必要とし
ないことが望ましい。
さらに、簡単な掛け留めおよび掛け外し動作によりブーツをビンディングに保
持する装置を固定しあるいは外すようにすることが望ましい。
この動作は使用者がたとえ厚い手袋を着けていたとしても、係合可能な簡素な
バーの配置で達成することが望ましい。
さらに、締め付けは捕捉装置内でラッチをかみ合わせるのに必要とする力を少
なくするように機械的な好都合な働きと組み合わせることが望ましい。
さらに、この装置はブーツに装着する特別なコネクタを必要としない、使用者
の柔らかいあるいは固いブーツに適応できることが望ましい。
発明の要約
したがって、本発明の目的はスノーボードに装着したビンディングから使用者
のブーツを素早く、直接解き放つ装置を提供する。
本発明の目的はビンディングにブーツを保持する固定帯の張りを最初に使用者
が調節するだけで、ビンディングからブーツを解放した後に調節する必要のない
改良された装置を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は使用者が寒い環境で厚い手袋を着けているときも
、使用者が動かすことのできる、レバーの移動のような単一のストロークでビン
ディングにブーツを取り付け、さらにブーツを取り外す方法を提供することにあ
る。この係合は不用意に外れないようにしなければならない。
さらに、本発明の別の目的はラッチ、ブーツ、固定帯、ビンディングないしボ
ードに付着する氷によって悪影響を受けず、かつボードを柔らかい雪に押し込む
ような強い圧力を与えないで取り付けできるラッチ装置を提供することにある。
このラッチは締め付け圧力を許容可能な範囲内におくために予め選定される機械
的な好都合な働きと組み合わせるようにする。
さらに、本発明の別の目的はどのような“標準ビンディング”にも容易に装着
することができ、しかも現在使用者が所有しているどのようなブーツも受け入れ
可能にすることである。
本発明の上記した目的および他の目的は好ましい実施例に従う使用者のビンデ
ィングに装着可能な改良された前部留め具および後部留め具によって達成される
。わたりバーは固定帯と係合しており、固定帯が入口ラッチを簡単に閉じて所定
の
位置に固定する締め付けレバーによってぴんと張られる。
この締め付けレバーは機械的な好都合な働きを与えるためにわたりバー上の予
め選定された位置に取り付けられ、後部留め具の内部に固定される。着脱時、後
部留め具は締め付けレバーを素早く外せるように設計される。解放状態にあると
き、締め付けレバーは前部および後部留め具に素早く再係合が可能な位置におか
れる。
好ましい実施例において、固定帯を張るわたりバーの適用およびわたりバーを
各固定帯の端部に取り付ける方法により固定帯の下に使用者のブーツを素早く固
定し、わたりバーが取り外されたとき、ブーツを素早く解き放つことができる。
既存のビンディングに取り付け可能な留め具により本発明はブーツないしボード
に取り付けるどのような特別な留め具も必要としないで使用者の所有する柔らか
いブーツまたは堅いブーツ、ボードおよびビンディングに適用することが可能で
ある。
図面の簡単な説明
本発明の上記した実施例および他の実施例は添付の図面と共に以下の詳細な説
明からより完全に理解することができる。ここに、同じ参照符号は全図面を通じ
て同じ要素を指示する。図面において、
図1は本発明に従う標準ビンディングに装着したブーツの側面図であり、
図2はビンディングに装着する前の掛け留め位置にある、わたりバーおよび締
め付けレバーの平面図であり、
図3はビンディングに装着する前の掛け留め位置にある、わたりバーおよび締
め付けレバーの側面図であり、
図4はビンディングに装着した前部留め具の端面図であり、
図5はビンディングに装着した前部留め具の側面図であり、
図6はビンディングに装着した前部留め具の平面図であり、
図7は後部留め具の端面図であり、
図8はビンディングに装着した後部留め具の底面図であり、
図9は他の実施例に係る後部留め具の側面図であり、
図10は他の実施例に係る後部留め具の背面図であり、
図11は他の実施例に係る後部留め具の平面底面図である。
好ましい実施例の説明
図面を参照すると、図1は本発明に従う係合可能で、解放可能な装置を用いて
標準ビンディングに装着した使用者のブーツを示している。ここに、本発明の全
体機能は図1から最もよく理解される。
使用者のブーツは一組みの固定帯によってビンディング装置内に保持されてい
る。この固定帯は締め付けレバー10が前部留め具30および後部留め具20の
内部で係合した後、履きごこちのよいレベルとするために初期的に調節される。
この動作はわたりバー11を所定の位置へ下げる。ビンディング1からブーツを
解き放つには使用者は締め付けレバー10を外すように後部留め具20に圧力を
加える。この加圧により締め付けレバー10が前部留め具30から外れ、わたり
バー11も同様に動く。一組みの固定帯の一方の端部はわたりバー11に取り付
けられているので、ビンディング1内にあるブーツを保持する固定帯の張りが緩
み、これによりビンディング1からブーツを抜くことができる。
大部分の固定帯はそれを固く締め上げるラチェット調節機構を有するバックル
を備えるか、そうでなければ取り付けている。この固定帯はそれの一端がビンデ
ィング1に取り付けられ、他端がわたりバー11に取り付けられており、双方の
留め具に締め付けレバー10が係合した後、使用者のブーツのつま先を巻くよう
に固定帯の一端がその位置を固定され、ラチェットを操作することにより固定帯
が調節され、このとき、固定帯はビンディング1内に使用者のブーツに倣い履き
ごこちをよくするようにバックル内に送られ、さらにそれを通して外に引き出さ
れる。
固定帯がブーツを取り外せるように十分に解き放されるとき、固定帯はブーツ
を再び挿入できるように十分に緩められる。このため、わたりバー11は前部留
め具30および後部留め具20内で締め付けレバー10を係合させた状態でビン
ディング1内にブーツを保持するために固定帯に予め与えた張りを再現する。さ
らなる調節は必要としない。
従来の技術では使用者がビンディングからブーツを外すために固定帯に付けた
バックルを解き放していた。ビンディングにブーツを再度固定するのに使用者は
バックルに固定帯を再び送り込み、望ましいレベルに張りを調節し直していた。
この方法は2つの手が必要となり、これを成し遂げるためには手袋を外さなけれ
ばならない。
図1は固定帯間の予め選定された位置にある締め付けレバー10にわたりバー
11を取り付けたところを示している。この締め付けレバー10はわたりバー1
1を締め付けレバー10に取り付ける点を定めているウィング部19を備えて構
成されている。これらの位置は固定帯内のブーツの係合に合わせて、少なくとも
5対1の比率で機械的な好都合な働きを与えるように選定される。前部留め具3
0は前部留め具30から遠く離れた締め付けレバー10の端部の移動量が5イン
チにわたるとき、わたりバー11が下方に1インチ動くように支点として機能す
る。
本発明によれば、機械的な好都合な働きから、挿入、固定、最初の調節、解放
、再挿入および再固定を片手だけをもって成し遂げることができ、その片手は手
袋で覆っていてもよい。
この装置は予め選定される、重さが軽く、しかも強さが備わり、かつ寒い、湿
分を含む環境において機能を果たす材料から製作される。締め付けレバー10お
よび後部クリップ20の好ましい実施例では軽いウレタンが用いられる。これら
の双方の部材は金属の補強バーないし炭素繊維を含ませることにより強度を高め
ている。わたりバー11は軽量および強度上の特性のためにアルミニウムから製
作される。わたりバー11の重さはスノーボードの予想される応力のもとで固定
帯を所定の位置に保持するように構造的な一体性を弱めないで重さを減少させる
。大きさ、数および位置を決めて穿つ孔によって重さをさらに減少させることが
できる。使用時の通常の範囲内の応力のもとでわたりバー11は曲がりを生じな
いようにする。
第4の要素が追加される。締め付けレバー10およびわたりバー11の解放動
作はボードの上面にあるこれらの部材の接触を伴うので、その接触点が摩耗し、
くぼみを生じ、あるいは損傷する。ボード上の予め選定され、限定された区域が
これらの部材と接触するのを避けるためにボードに保護パッドが装着される。
締め付けレバー10が後部留め具20から離れたとき、締め付けレバー10お
よびわたりバー11と接続している緩衝用コート18により締め付けレバー10
の垂直方向の位置を具合よく扱えるように、さらに使用者による前部および後部
留め具30、20への再装着に支障のない位置におくようにする。
本発明を成立させる3つの主要な部材がある。この部材は標準ビンディングの
棚状の場所に取り付け、かつそこから外すように設計され、ビンディングに取り
付けた使用者の靴の動きを抑えるためにその装置の張りの調節が可能である。特
別なビンディングないし靴は必要としない。300を超える数の異なるビンディ
ングがあり、同様な数の柔らかい靴および堅いブーツがあるので、使用者が現在
所有する器材のどれにでも万能的に適合し得るように本発明の意図がそれに応え
る。
3つの部材はビンディングの右側面あるいは左側面のどちらにも使用し得るよ
うに設計される。右、左、内側および外側の位置は使用者の好み次第である。
使用者が所有する標準ビンディングは使用者のボードに装着することを想定し
ている。ここに述べた個々の装置は使用者のビンディングに直接装着される。ビ
ンディングに予め穿つ多くの下孔と可能な限り適合する取り付け用孔ないしスロ
ットを形成するために最大限の努力が傾けられる。しかしながら、幾つかのビン
ディング装置については装置を取り付けるために新しい取り付け用孔を穿ち、あ
るいは既存の孔を拡げることを要求される。
前部留め具30は締め付けレバー10の一端を所定の位置に案内する形状に形
成され、後部留め具20は係合した締め付けレバー10を保持し、直ちに解放で
きる。締め付けれバー10の移動はわたりバー11を下方に動かし、固定帯が固
く締まる。上記の説明のように、わたりバー11および締め付けレバー10の配
置は締め付けを果たすのに機械的な好都合な働きを与える。
図2ないし図8に個々の装置およびその機能が示され、図9、図10および図
11に後部留め具の他の実施例が示されている。
図2および図3はわたりバー11および符号10で示される締め付けレバーか
らなる装置を示している。締め付けレバー10は管状の本体部8とウィング部1
9とからなる単体の要素として製作される。この管状の本体部8は前部留め具3
0と係合可能な直径を保っている。管状の本体部8は全体にわたり真っ直ぐであ
るが、ビンディングの丸められた形状に合わせるように僅かに曲線形状に作られ
る。
わたりバー11および締め付けレバー10はボルト12およびロックナット1
4によって予め選定された位置で機械的な好都合な働きを与えるように回動可能
に連結される。双方の部材はボルト12の軸を中心として自由に回転が可能なよ
うにワッシャ13で離して配置されている。
緩衝用コード18の一端はわたりバー11に取り付けている前部固定帯支持部
16によって保持されている。ウィング部19は結び目によって緩衝用コード1
8の他端を受け入れている。解放されたとき、緩衝用コード18は締め付けバ
ー10を垂直方向の所定の位置まで引き、締め付けレバー10を使用者にとって
具合よく扱える位置におく。
わたりバー11の遠く離れた両端には標準ビンディングからわたりバー11の
両端が外された状態で標準ビンディングの少なくとも2個の固定帯を片側で支持
する前部固定帯支持部16および後部固定帯支持部17が備えられる。固定帯の
もう一方の側は標準ビンディングに固定されたままである。
締め付けレバー10が所定の位置におかれると、締め付けレバー10はわたり
バー11をビンディングにかけて下方に引く。このとき、機械的な好都合な働き
が生じ、この結果、使用者のブーツを巻いてわたりバー11に取り付けた固定帯
が固く締まる。
管状の本体部8の一端は前部留め具30と係合する、くぼみ9を備えて形成さ
れる。このくぼみ9はわたりバー11に圧力を加える支点として働き、くぼみ9
から遠く離れた締め付けレバー10の他端を後部留め具20に掛け、これにより
ブーツをビンディングに固定する。締め付けレバー10は前部留め具30および
後部留め具20の双方と係合させるために標準ビンディングの前後方向の湾曲を
受け入れる、ある曲線を保って曲げるかあるいは製作する必要がある。
わたりバー11は材料を取り除いてわたりバー11をより軽くする、複数個の
孔7を有する。孔の位置および数はわたりバー11の構造的な一体性を弱めない
ように予め選定される。
図4および図5は符号30で示される前部留め具の詳細を示している。この前
部留め具30は固定バー32が装着される、箱形に形成した固定バー支持体35
として製作される。この固定バー32は固定バー支持体35の内部の決められた
位置に挿入される、管状の本体部8の位置を定め、これによりくぼみ9が固定バ
ー32と係合する。
前部留め具30の側面にはボルトおよびロックナット33ならびに固定バー
32によってビンディングに前部留め具30を装着する、調整スロット31が形
成される。この調整スロット31の長さおよび設定は標準ビンディングに穿たれ
た大部分の孔と適合するように選定される。この調整スロット31は標準ビンデ
ィングと比べて短いかあるいは長いものを受け入れるように前部ブラケットの位
置に調整できる長さを保って延びる。
図7および図8は符号101で示される後部留め具の詳細を示している。この
後部留め具101は留め具取り付け用ボルト109およびロックナット108に
よって後部ラッチ104が回動可能に装着される、後部ラッチ支持体102とし
て組み立てられる。また、後部ラッチスプリング103は後部ラッチ104の内
部に組み込まれ、締め付けレバー10を拘束する位置に後部ラッチ104を押す
ように後部ラッチ取り付け用ボルト109に装着される。後部ラッチ支持用ブラ
ケットは後部ラッチ支持体取り付け用ボルト106を用いてビンディングに装着
される。
ねじりを防止するためにロックナット112でビンディングに固定されるボル
ト106にロックワッシャー107が組み込まれる。さらに、ねじりを防止する
のを助けるのに後部ラッチ支持体102を囲い込む後部ラッチ支持体用ブラケッ
ト105を使用している。このブラケット105はロックワッシャー107とよ
り効果的にかみ合うようにプラスチック材料から製作される。
この後部留め具101の装着はビンディング方向に向く後部ラッチ104のフ
ックを用いて行われる。この後部ラッチ104のフックはスプリング103に逆
らい後部ラッチ104を戻す方向に押す、傾斜面110を備えて形成される。一
方、スプリング103が締め付けレバー10を拘束する位置に後部ラッチ104
を押す場合、締め付けレバー10は後部留め具101内で締め付けレバー10を
係合させるように傾斜面110を下に押す。
符号20で示す後部ラッチの他の実施例が図9、図10および図11に示され
ている。この後部ラッチ20は箱形のラッチ支持体24として製作される。ラッ
チ23はスプリング取り付け用ボルト27を用いてラッチ支持体24内に設けら
れたスプリング25と組み合わせて構成される。このスプリング支持によりラッ
チ23は締め付けレバー10がラッチ23と係合するまで、傾斜面26が下方に
押されるとき、後部ブラケット21の方向に動くことができる。使用者により傾
斜面26が押されると、ラッチ23が締め付けレバー10をラッチ23から解き
離すように後方に動く。
また、スプリング取り付け用ボルト27はラッチ23の垂直方向の位置を定め
るためにロックナットを用いて後部ブラケット21にラッチ支持体24を支持し
ている。この後部ブラケット21はビンディングに形成されたどのような孔でも
ビンディングに対して後部ブラケット21を取り付けられるように調整スロット
22を備えている。
本発明の有用性が明らかになったことから、ビンディング製造者は後部ブラケ
ット21を用いることなく、本発明により教示されたように前部留め具30およ
び後部留め具20を受け入れるためにビンディング上に前部および後部を形成す
る可能性がある。
ラッチ23には取り付け用止めねじ29を用いて安全ロック28を装着するこ
とができる。一度、ラッチ23の内部で締め付けレバー10が係合すると、ラッ
チ23から締め付けレバー1を解放させる決められた位置に安全ロック28が回
転するときまで、安全ロック28はラッチ23内に締め付けレバー10を確実に
保持するために垂直方向を向く位置に回される。この安全ロック28の配置によ
り傾斜面26が予期できない方法で、あるいは偶然にラッチ23から締め付けレ
バー10が外れる程、後方に押されるようなときも、使用者のブーツがビンディ
ングから外れるのを回避することが可能になる。
図1の実施例と組み合わせることのできる他の実施例において、ハンドル
111を有するケーブルリリース34をハンドル111から遠く離れたケーブル
の一端をラッチの傾斜面26に取り付けて組み込むことが可能である。このハン
ドル111は使用者が近づきやすいように装着し、これによりラッチから締め付
けレバー10を外すためにラッチの傾斜面26を決められた位置に動かすことが
できる。
本発明の範囲から離れることなく、上述した装置は変更することが可能である
ので、添付図面に示されたような上記の説明に含まれるすべての事柄は例として
示したものに過ぎず、限定した意味に当たらないと理解される。