JP2000512277A - ペプチド誘導体 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、式(I)P−AA1−AA2−AA3−AA4−AA5−AA6−AA7−AA8−Q(式中、P、AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、AA7、AA8およびQは、本明細書中に定義の様々な意味を有する)を有する薬学的に有用なペプチド誘導体およびそれらの薬学的に許容しうる塩に関する。該新規ペプチド誘導体は、慢性関節リウマチなどのMHCクラスII依存性T細胞に媒介される自己免疫疾患または炎症性疾患を治療する場合に有効である。本発明は、更に、該新規ペプチド誘導体の製造方法および医学的処置における該化合物の使用に関する。
Description
【発明の詳細な説明】
ペプチド誘導体
本発明は、慢性関節リウマチおよび他のMHCクラスII依存性T細胞媒介疾患
などの自己免疫疾患または医学的状態(medical conditions)を治療する場合に
用いるための薬理学的に有用な性質を有する若干の新規ペプチド誘導体に関する
。本発明はまた、それら新規ペプチド誘導体の医薬組成物、それらの製造方法、
並びに前述の疾患または医学的状態の一つまたはそれ以上を治療する場合のおよ
びこのような医学的治療において用いるための新規製剤の製造におけるそれらの
使用を包含する。
ヒト免疫応答の刺激は、T細胞によるタンパク質抗原の認識に依る。しかしな
がら、T細胞は、抗原単独に対して応答することはできず、B細胞、マクロファ
ージまたは樹状細胞などの抗原提示細胞の表面上の主要組織適合性複合体(majo
r histocompatibility complex:MHC)と一緒に複合体を形成した場合の抗原
によって刺激されるだけである。
MHCクラスI分子は、抗原を有する細胞の破壊を引き起こすTキラー細胞応
答をもたらす。MHCクラスII分子は、選択されたB細胞の増殖および成熟(す
なわち、抗原特異的抗体の生産)およびマクロファージの活性化を制御するTヘ
ルパー細胞応答をもたらす。
免疫系の決定的な必要条件(crirical requirement)は、「自己」抗原と「非
自己」(すなわち、異種)抗原とを区別する能力である。この区別は、免疫系が
、自己タンパク質に対する寛容性を維持することによって正常組織に対する損傷
を妨げながら、異種病原体の侵入に対する応答に備えることができるのに必要と
される。自己免疫疾患は、自己寛容性が損なわれて、慢性関節リウマチの場合の
関節などの自己組織に対して免疫系を反応させた場合の結果として起こる。寛容
性の維持およびそれによる自己免疫疾患の回避は、決定的に、MHC分子の機能
に依存すると考えられる。
多数の自己免疫疾患が特定のMHC対立遺伝子の遺伝に関連しているという知
見は、自己免疫疾患の発病におけるMHC分子の重要な役割を示唆する。例えば
、多発性硬化症はHLA−DR2の遺伝に関連し、インスリン依存性糖尿病はH
LA−DR3および/またはHLA−DR4に、そして橋本病はHLA−DR5
に関連している。具体的に、特に強い関連は、慢性炎症性関節疾患である慢性関
節リウマチの発症に対する素因と、HLA−DR4Dw4および/またはHLA
−DR4w14および/またはHLA−DR1の遺伝との間にある。自己免疫疾
患に関連したMHC分子は、ある種の自己抗原に対して結合し、そしてそれらを
T細胞に提示することによって自己免疫応答を刺激すると考えられる。自己免疫
関連MHC分子に対して結合できるおよび/またはその結合を妨げるかまたは既
に結合した自己抗原にとって代わることができる他のペプチド、および/または
T細胞活性化(特に、病原性T細胞(例えば、Th1細胞)の活性)を阻害する
ものおよび/または防御T細胞(例えば、Th2細胞)の活性を増加させるもの
、或いはそれらMHC分子によって媒介される自己免疫応答の刺激を妨げるまた
は調節するように別の作用機序によってMHC分子と相互作用するペプチドは、
自己免疫応答を特異的に抑制することができる。
この種類の物質は、免疫系の一般的な抑制を免れることによって有害な副作用
を制限しながら、自己免疫疾患の療法を与えると考えられる。この種類のプロフ
ィール(profile)は、慢性関節リウマチなどの疾患の現行療法にまさる有意の
利点を有すると考えられる。慢性関節リウマチをNSAIDなどの症状軽減薬で
最初に処置することは現在の慣例であるが、これらは、疾患の進行に対して有益
な効果が全くないし、そしてしばしば、望ましくない副作用に関連している。更
に重症の疾患の処置は、いわゆる第二線薬(second-line agents)の使用に頼る
。しばしば、これらは、効力が限られている且つ重症の毒性問題を引き起こすこ
とがある一般的な細胞障害性化合物である。したがって、非特異的細胞障害性に
関連することなく合理的に基づいた(rationally based)疾患改善薬は、慢性関
節リウマチの処置において有意の利点を与えると考えられる。MHC分子に対し
て結合し且つT細胞活性化を阻害するペプチドは、国際特許出願公開第WO92/0
2543号、第WO93/05011号および第WO95/07707号で開示されている。
HLA−DRに制限されたT細胞活性化を、HLA−DR分子に対して結合す
ることによって阻害する多数のペプチドが発見されてきたが、このような分子に
対して結合するおよび/またはその結合を妨げるかまたは既に結合した自己抗原
にとって代わるおよび/またはT細胞活性化を阻害するおよび/または防御T細
胞の活性を増加させる別の化合物、或いは上で論及された疾患または状態を引き
起こす自己免疫応答の刺激を妨げるまたは調節するように別の作用機序によって
MHC分子と相互作用するものが引続き必要とされている。
本発明者は、本発明のペプチド誘導体(下記で示された)が、驚くべきことに
、このような薬理学的に有用な性質を有することを発見しており、そしてこれが
本発明の根拠である。
本発明の一つの態様により、式I(以下に示された)
[式中、Pは、疎水性残基であり;
AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、AA7およびAA8は、L−アミ
ノ酸残基であり、ここにおいて、AA1、AA4およびAA7の内1個、2個また
は3個は、式II(以下に示された)
(式中、nは、整数1、2、3または4であり;
Xは、−NH−CO−、−CO−(カルボニル)または−O.CO−(オキシ
カルボニル)であり;
R1およびR2は、(A)、(B)および(C)から選択され、ここにおいて、
(A)は、式−(CH2)a−CO−N(R3)(R4)を有する基であり、式中
、aは、整数1または2であり、そしてR3およびR4は、基−[(CH2)bO]m
−Raから独立して選択され、ここにおいて、Raはメチルまたはエチルであり
、そしてmは整数1、2、3、4または5であり;mが1である場合、bは2ま
たは3であり、そしてmが2、3、4または5である場合、それぞれの単位−(
CH2)bO−中のbの値は、2および3から独立して選択され;
(B)は、式−(CH2)cC(CH2)d−CO−N(R5)(R6)を有する基
であり、式中、cは、整数2または3であり、dは、整数1、2または3であり
、そしてR5およびR6は、基−[(CH2)eO]p−Rbから独立して選択され、
ここにおいて、Rbはメチルまたはエチルであり、そしてpは整数1、2、3、
4または5であり;pが1である場合、eは2または3であり、そしてpが2、
3、
4または5である場合、それぞれの単位−(CH2)eO−中のeの値は、2およ
び3から独立して選択され;そして
(C)は、式−[(CH2)fO]g−R7を有する基であり、式中、R7はメチ
ルまたはエチルであり、そしてgは整数1、2、3、4または5であり;gが1
である場合、fは2または3であり、そしてgが2、3、4または5である場合
、それぞれの単位−(CH2)fO−中のfの値は、2および3から独立して選択
される)
を有するL−アミノ酸の残基から選択され;または
AA1、AA2、AA3、AA6、AA7およびAA8は、L−アミノ酸残基であり
、ここにおいて、AA1およびAA7の一方または両方は、上に定義の式IIを有す
るL−アミノ酸の残基から選択され、そしてAA4はAA5と一緒になって、式II
I、IIIa、IV、IVa、VまたはVa(以下に示された)(式中、Ra、Rbおよ
びRzは、水素および(1−4C)アルキルから独立して選択され、そしてAは
酸素またはメチレンである)を有する基を形成し;または
AA1、AA2、AA3、AA4、AA5およびAA8は、L−アミノ酸残基であり
、ここにおいて、AA1およびAA4の一方または両方は、上に定義の式IIを有す
るL−アミノ酸の残基から選択され、そしてAA6はAA7と一緒になって、式II
I、IIIa、IV、IVa、VまたはVa(以下に示された)(式中、Ra、Rbおよ
びRzは、水素および(1−4C)アルキルから独立して選択され、そしてAは
酸素またはメチレンである)を有する基を形成し;そして
Qは、OH、NH2、NRcRdであり、ここにおいて、Rcは、(1−4C
)アルキル、2−カルバモイルシクロペンチル、2−ピリジルメチル、4−カル
バモイルシクロヘキシル、4−カルバモイルシクロヘキシルメチル、3−カルバ
モイルフェニル、4−カルバモイルフェニル、4−(カルバモイルメチル)フェ
ニル、4−(カルボキシメチル)フェニル、2−モルホリノエチルおよび式−A1
−G1
(式中、A1は、(3−7C)アルキレンでありまたはA1は、
(1)A2がp−フェニレン若しくは1,4−シクロヘキシレンであり且つB2
が(1−4C)アルキレンであり、またはA2がメチレンであり且つB2がp−フ
ェ
ニレン若しくは1,4−シクロヘキシレンである式−A2−B2−を有する基;お
よび
(2)A3がメチレンであり、B3がp−フェニレンまたは1,4−シクロヘキ
シレンであり、そしてC3が(1−3C)アルキレンである式−A3−B3−C3−
を有する基から選択され;そして
G1は、式−N=C[N(Rp)2]2を有する基であり、式中、Rpはそれぞ
れ、水素、メチル、エチルおよびプロピルから独立して選択される)
を有する基から選択され;そしてRdは、水素または(1−4C)アルキルであ
り;または
Qは、1−ピペラジニル、4−メチル−1−ピペラジニル、4−(2−(2−
ヒドロキシエトキシ)エチル)−1−ピペラジニル、4−アミジノ−1−ピペラ
ジニル、1−ピペリジルまたは4置換−1−ピペリジルであり、ここにおいて、
4−置換基は、カルボキシ、カルバモイル、N−(2−アミノエチル)カルバモ
イルおよびN−(4−アミノブチル)カルバモイルから選択され;または
Qは、1〜6個のアミノ酸残基を有する配列またはそのアミドである]
を有するペプチド誘導体またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。
本発明の更に別の態様により、式I(以下に示された)
[式中、AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、AA7およびAA8は、L
−アミノ酸残基であり、ここにおいて、AA1、AA4およびAA7の内一つは、
式II(以下に示された)(式中、n、X、R1およびR2は、上に定義された意味
のいずれかを有する)を有するL−アミノ酸の残基から選択され;またはAA1
、AA2、AA3、AA6、AA7およびAA8は、L−アミノ酸残基であり、ここ
において、AA1およびAA7の内一つは、上に定義の式IIを有するL−アミノ酸
の残基から選択され、そしてAA4はAA5と一緒になって、上の定義の式IIIa
を有する基を形成し;またはAA1、AA2、AA3、AA4、AA5およびAA8は
、L−アミノ酸残基であり、ここにおいて、AA1およびAA4の内一つは、上に
定義の式IIを有するL−アミノ酸の残基から選択され、そしてAA6はAA7と一
緒になって、上に定義の式IIIaを有する基を形成し;そしてPおよびQは、上
に定義された意味のいずれかを有する]
を有するペプチド誘導体またはその薬学的に許容しうる塩を提供する。
Qのアミノ酸が、DまたはL立体化学を独立して有していてよいということは
理解されるはずである。更に、Qがヒドロキシ(OH)として定義される場合、
これは、C末端アミノ酸AA8のヒドロキシ基であると理解されるであろう。同
様に、QがNH2、NRcRd、ピペラジニル、ピペリジル等として定義される
場合、これは、C末端アミノ酸AA8のヒドロキシ基がこのような基で置き換え
られることを意味する。アミノ酸が論及される場合、これはα−アミノ酸を意味
するということも理解されるはずである。L−アミノ酸が論及される場合、これ
には、キラル炭素原子を持たないGly、2,2−ジエチルGly、アザアラニ
ンおよびアザグリシンなどのアミノ酸も含まれるということも理解されるはずで
ある。更に、「アルキル」などの総称には、炭素数が許す場合、直鎖状および分
岐状鎖型両方が含まれるということは理解されるはずである。同様の慣例が他の
基に当てはまる。
更に、R1およびR2が両方とも式(A)を有する基である場合、R1中のa、
R3およびR4は、R2中のものと同じであってよいしまたは異なっていてよいと
いうことは理解されるであろう。同様に、R1およびR2が両方とも式(B)を有
する基である場合、R1中のc、d、R5およびR6は、R2中のものと同じであっ
てよいしまたは異なっていてよいし、そしてR1およびR2が両方とも式(C)を
有する基である場合、R1中のf、gおよびR7は、R2中のものと同じであって
よいしまたは異なっていてよい。
キラル中心を有する化合物が、ラセミ化合物(2個以上のキラル中心が存在す
る場合のジアステレオ異性体の混合物)の形でまたは光学活性な鏡像異性体若し
くはジアステレオ異性体として存在しうるということは、当該技術分野において
周知である。ラセミ混合物またはジアステレオマー混合物に関連した特定の生物
活性が、主としてまたは単独で、ただ一つの光学活性な異性体に起因しうるとい
うことも、当該技術分野において周知である。したがって、本発明が、前述の薬
学的に有用な性質を有する式Iのペプチド誘導体のいずれの形にも関するという
ことは理解されるであろう。ただ一つの光学活性な異性体を、例えば、本明細書
中で例示されたように、その異性体を含有するラセミ混合物若しくはジアステレ
オマー混合物からのクロマトグラフィーなどの慣用的な技法を用いる分離によっ
て、または適当な光学活性出発物質若しくは中間体を用いるキラル合成によって
得る方法は、当該技術分野において周知である。このようなラセミ混合物または
ジアステレオマー混合物および個々の光学活性な異性体の薬理学的性質を、例え
ば、本明細書中で記載の検定を用いることによって確認する方法も、当該技術分
野において周知である。したがって、当業者は、本明細書中で論及された有益な
薬理学的性質を有する式Iのペプチド誘導体の特定の異性体を容易に得ることが
できる。本発明が、本明細書中で論及された有益な薬理学的性質を有する式Iの
ペプチド誘導体のいずれかの多形体、いずれかの互変異性体またはいずれかの溶
媒和化合物、またはそれらのいずれかの混合物も包含するということは理解され
るはずである。
α−アミノ酸残基AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、AA7および
AA8が、式IIを有するアミノ酸の残基ではないかまたは式III、IIIa、IV、IV
a、VまたはVaを有する基の一部分を形成する場合、それらの適当な独立した
意味には、例えば、遺伝コードによってコードされる20種類の天然に存在する
アミノ酸、特に、アラニン(Ala)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、
ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、リシン(Lys)、アスパラギン(Asn
)、グルタミン(Gln)、アルギニン(Arg)、トレオニン(Thr)、バリン(Val
)およびプロリン(Pro)が含まれる。サルコシン(Sar)、3,3,3−トリフ
ルオロアラニン、2,2−ジエチルグリシン、2,3−ジアミノプロパン酸(Da
p)、2,4−ジアミノブタン酸(Dab)、2−アミノブタン酸(Abu)、ホモア
ルギニン、ホモフェニルアラニン、トランス−4−ヒドロキシプロリン(Hyp)
、アザアラニン[H2N−N(CH3)−COOH;Azala]、アザグリシン[H2
N−NH−COOH;Azgly]、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−
3−カルボン酸(Tic)、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸(Oic)、デ
カヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(Dic)などのアミノ酸の残基も適当で
ある。(Dicが論及される場合、これは、環接合部が両方ともR立体配置を有
するかまたは両方ともS立体配置を有する形を意味する。)対応するN2−メチ
ル化アミノ酸の残基も、更には、遊離側鎖カルボン酸基がエステル化されていて
(例え
ば、(1−6C)アルキルエステルまたはベンジルエステルとして)且つ遊離側
鎖アミノ基がアルキル化されている(例えば、メチル化されている)、アセチル
化されているまたはカルバメート(例えば、アルキル(メチルまたはエチルなど
)カルバメート、フェニルカルバメートまたはベンジルカルバメート)に変換さ
れている対応するアミノ酸の残基も用いてよい。他の適当な意味には、例えば、
2−置換基が、式−(CH2)sNH2(式中、sは1〜3である)を有する基、
または式−(CH2)pN(Re)3 +.X-[式中、pは2〜4であり、そしてX-
は対イオン(アセテート、トリフルオロアセテート、ヒドロキシドまたはクロリ
ドなど)である]を有する基、または式−(CH2)qN(Re)2(式中、qは
0〜4である)または式−(CH2)rN=C[N(Re)2]2(式中、rは1〜
4である)を有する基であり、そしてここにおいて、最後の3種類の基のReが
それぞれ、水素および(1−4C)アルキル(メチルまたはエチルなど)から独
立して選択される2置換グリシンの残基が含まれる。
疎水性残基P(N末端アミノ酸AA1のアミノ基に対して結合していることは
理解されるであろう)の適当な意味には、例えば、5〜20個の炭素原子(およ
びヘテロアリール含有基については、酸素、硫黄および窒素から選択される1個
、2個または3個のヘテロ原子)を有する疎水性脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族
、または混合脂肪族/芳香族若しくは脂肪族/ヘテロ芳香族の有機基などの有機
疎水性基、例えば、式R−、R.CO−、R.SO2−、R.O.CO−、R.
NHCO−、R.O.CS−、R.S.CO−、R.NHCS−、R.S.CS
−およびR.CS−を有する基が含まれ、ここにおいて、Rには、例えば、(5
−10C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(2−10C)アル
キル、ヘテロアリール(2−10C)アルキル、ジアリール(2−8C)アルキ
ル、アリール(2−10C)アルケニル、アリールシクロプロピル、(5−10
C)シクロアルキル、(5−10C)シクロアルキル(2−6C)アルキル、3
−ビフェニル、4−ビフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、2−ナフチルオ
キシメチル、3−ナフチルオキシメチル、フェノキシフェニルおよびテトラヒド
ロナフチルが含まれ、これらRの意味のアリール基またはヘテロアリール基は、
1個またはそれ以上の(1−4C)アルキル、ハロゲノ、シアノまたは(1−4
C)
アルコキシ置換基を有していてよい。本発明の一つの具体的な実施態様は、例え
ば、Pが上に定義のR.CO−である式Iを有する化合物を含む。本発明の更に
具体的な実施態様は、例えば、Pが5〜20個の炭素原子を有する疎水性脂肪族
、芳香族、ヘテロ芳香族または脂肪族/芳香族の有機基である式Iを有するペプ
チド誘導体を含む。
Rの具体的な意味には、例えば、それが(5−10C)アルキルである場合:
ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、2−メチルペンチル、ヘキシル、イソ
ヘキシル、5−メチルヘキシルおよびオクチル;それがアリールである場合:フ
ェニル、ナフチルおよびインデニル;それがヘテロアリールである場合:2−、
3−、5−または6−インドリル、2−、3−、5−または6−インドリニル、
2−、3−、5−または6−ベンゾ[b]チオフェニル、チエニル、2−、4−
または5−ベンゾチアゾリル、2−、4−または5−ベンゾオキサゾリル、2−
、4−または5−ベンズイミダゾリル、2位、3位、6位または7位に結合した
1,4−ベンゾジオキサニル、および2−、3−、5−または6−ベンゾフラニ
ル;それがアリール(2−10C)アルキルである場合:2−フェニルエチル、
3−フェニルプロピル、4−フェニルブチルおよび5−フェニルペンチルなどの
アリール(2−6C)アルキル(アリール部分に、例えば、上で与えられたアリ
ールの具体的な意味のいずれかが含まれ且つ(2−6C)アルキル部分に、例え
ば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレンおよびペンタメチレン
が含まれる場合);それがヘテロアリール(2−10C)アルキルである場合:
2−(2−シアノベンゾ[b]チオフェン−5−イル)エチルの場合などのヘテ
ロアリール(2−6C)アルキル(ヘテロアリール部分に、例えば、上で与えら
れたヘテロアリールの具体的な意味のいずれかが含まれ且つ(2−6C)アルキ
ル部分に、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレンおよび
ペンタメチレンが含まれる場合);それがジアリール(2−8C)アルキルであ
る場合:2,2−ジフェニルエチル、3,3−ジフェニルプロピルおよび4,4
−ジフェニルブチルなどのジアリール(2−6C)アルキル;それがアリール(
2−10C)アルケニルである場合:スチリル、3−フェニルプロペン−2−イ
ルおよび4−フェニルブテン−1−イルなどのアリール(2−6C)アルケニル
;そ
れがアリールシクロプロピルである場合:フェニルシクロプロピル、1−ナフチ
ルシクロプロピルおよび2−ナフチルシクロプロピル;それが(5−10C)シ
クロアルキルである場合:シクロペンチル、シクロヘキシルおよび1−アダマン
チル;およびそれが(5−10C)シクロアルキル(2−6C)アルキルである
場合:2−(シクロヘキシル)エチル、3−(シクロヘキシル)プロピルおよび
4−(シクロヘキシル)ブチルが含まれる。Rのアリール基上の置換基の具体的
な意味には、例えば、メチル、エチル、クロロ、ブロモ、ヨード、メトキシ、エ
トキシおよびシアノが含まれる。
疎水性残基Pには、例えば、フェニルアラニン(Phe)およびシクロヘキシル
アラニン(Cha)などのその水素化類似体、p−クロロPhe、3−(2−チエニル
)アラニン、チロシン(Tyr)、Tyr(Oメチル)、トリプトファン(Trp)、ビ
フェニルアラニン、3−(1−ナフチル)アラニン、3−(2−ナフチル)アラ
ニンおよびその水素化類似体、3−(1−アダマンチル)アラニン(Ada)、Glu
(Oベンジル)、3−(ベンジルオキシ)Ala、3−(ベンジルスルファニル)A
laおよび9−フルオレニルGlyなどの疎水性L−アミノ酸も含まれ、これらはそ
れぞれ、場合により、N末端上に、上で定義されたまたは例示された疎水性脂肪
族、芳香族、ヘテロ芳香族、または混合脂肪族/芳香族若しくは脂肪族/ヘテロ
芳香族の有機基を有していてよい。或いは、疎水性アミノ酸は、場合により、例
えば、上に定義されたAA1〜AA8の適当な独立した意味のいずれかから選択さ
れる1〜3個のアミノ酸の追加の配列を有していてよい。例えば、Pには、具体
的な配列Ala-Cha、Ala-Ala-Cha、Tyr-Ala-Ala-Cha、Tyr-Ala-Ala-Phe、Ala-Phe-
Phe-PheおよびAla-Ala-Ala-Pheが含まれる。このような1〜3個のアミノ酸の追
加の配列の最初のアミノ酸(左から右へ読取られる)は、L−またはD−アミノ
酸であってよいし、そして更に、場合により、上で定義されたまたは例示された
疎水性脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族、または混合脂肪族/芳香族若しくは脂肪
族/ヘテロ芳香族の有機基を有していてよい。
更に具体的なPの意味には、例えば、3−(ベンジルオキシカルボニル)プロ
ピオニル−Phe、3−(ベンジルオキシカルボニル)プロピオニル−Cha、4−(
ベンジルオキシカルボニル)ブチリル−Phe、4−(ベンジルオキシカルボニ
ル)ブチリル−Cha、(5−オキソピロリジン−2−イル)カルボニル−Phe-Tyr
、(5−オキソピロリジン−2−イル)カルボニル−Glu(Oベンジル)−Tyr、
アセチル−Glu(Oベンジル)−Tyr、ジフェニルメチル.CONH.CH2CH2
.CO−Cha、ジフェニルメチル.CONH.CH2CH2.CO−Tyr、ジフェニ
ルメチル.CONH.CH2CH2CH2.CO−Cha、ジフェニルメチル.CON
H.CH2CH2CH2.CO−Tyr、ジフェニルメチル.NHCO.CH2CH2C
H2.CO−Cha、ジフェニルメチル.NHCO.CH2CH2CH2.CO−Tyr、
ベンジル.NHCO.CH2CH2.CO−Cha、ベンジル.NHCO.CH2CH2
.CO−Tyr、N−アセチル−4−クロロ−β−ヒドロキシPhe、4−フェノキ
シフェニル.NHCO−、ベンジル.NHCO.CH2CH2.CO.(N−メチ
ルPhe)、ベンジル.NHCO.CH2CH2.CONH.CH(CHPh2).C
O)ベンジル.NHCO.CH2CH2.CO−Tyr、3,3−ジフェニルプロピ
オニル、トランス−シンナモイル、5−フェニルバレリルおよび3−(2−シア
ノベンゾ[b]チオフェン−5−イル)プロピオニルが含まれる。
特に興味深いPの意味には、例えば、Ph.(CH2)4.CO−(5−フェニ
ルバレリル(Phv))、Ph.(CH2)4.CS−および3−(2−シアノベン
ゾ[b]チオフェン−5−イル)−フロピオニルが含まれる。
疎水性残基Pの好ましい意味には、例えば、3−(2−シアノベンゾ[b]チ
オフェン−5−イル)−フロピオニルおよび5−フェニルバレリル(Phv)、特
に、後者が含まれる。
Rcが式−A1−G1を有する基である場合、A1の具体的な意味には、それが
アルキレンである場合、例えば、メチレン、エチレン、プロピレンおよびブチレ
ンが含まれ;B2の具体的な意味には、それが(1−4C)アルキレンである場
合、例えば、メチレン、エチレンおよびプロピレンが含まれ;そしてC3の具体
的な意味には、それが(1−3C)アルキレンである場合、例えば、メチレン、
エチレンおよびプロピレンが含まれる。
−A1−G1の具体的な意味には、例えば、3−グアニジノプロピル、4−(2
−グアニジノエチル)フェニル、4−(2−モルホリノエチル.NH.CO.C
H2)フェニルおよび4−(4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピ
ペラジン−1−イル.CO.CH2)フェニルが含まれる。
Qが1〜6個のアミノ酸残基を有する配列である場合のその具体的な意味には
、例えば、上に定義されたAA1〜AA8の適当な独立した意味のいずれかから独
立して選択されるL−アミノ酸残基(Ala-Thr-Gly−OHなど)若しくはそれら
のD−類似体の配列、またはD−およびL−アミノ酸両方を含有する配列または
、アンモニア、(1−4C)アルキルアミン(メチルアミンなど)若しくはジ(
1−4C)アルキルアミン(ジメチルアミンなど)から誘導されるアミドのよう
なそのアミドが含まれる。
Qの好ましい意味には、例えば、4−カルバモイル−1−ピペリジル(ピペリ
ジン−4−カルボキサミド(Pip−NH2)の残基)、4−カルボキシ−1−ピペ
リジル(ピペリジン−4−カルボン酸(Pip−OH)の残基)、4−カルバモイ
ルメチル)アニリノ(4−アミノフェニルアセトアミド(Papa−NH2)の残基
)、4−(カルボキシメチル)アニリノ(4−アミノフェニル酢酸(Papa−OH
)の残基)、および4−(2−グアニジノエチル)アニリノ(2−(4−アミノ
フェニル)エチルグアニジン(Pape−NHC(=NH)NH2)の残基)が含ま
れる。Pip−NH2およびPapa−NH2は、Qの特に好ましい意味であり、そして
特に、Papa−NH2である。
本発明の具体的な新規ペプチド誘導体には、例えば、上に定義の式Iを有する
ペプチド化合物であって、ここにおいて、
(1)式II中、n=1およびX=−CO−;
(2)式II中、n=4およびX=−NHCO−;
(3)式II中、R1およびR2は、式(A)(式中、a=1)を有する(同じま
たは異なる)基である;
(4)式II中、R1およびR2は、式(A)を有する(同じまたは異なる)基で
あり、式中、R3およびR4は、式−[(CH2)bO]m−Ra(式中、b=2)を
有する(同じまたは異なる)基である;
(5)式II中、R1およびR2は、式(A)を有する(同じまたは異なる)基で
あり、式中、R3およびR4は、式−[(CH2)bO]m−Ra(式中、m=1、2
または3)を有する(同じまたは異なる)基である;
(6)式II中、R1およびR2は、式(B)(式中、c=2)を有する(同じま
たは異なる)基である;
(7)式II中、R1およびR2は、式(B)(式中、d=2)を有する(同じま
たは異なる)基である;
(8)式II中、R1およびR2は、式(B)を有する(同じまたは異なる)基で
あり、式中、R5およびR6は、式−[(CH2)eO]p−Re(式中、e=2)を
有する(同じまたは異なる)基である;
(9)式II中、R1およびR2は、式(B)を有する(同じまたは異なる)基で
あり、式中、R5およびR6は、式−[(CH2)eO]p−Re(式中、p=1)を
有する(同じまたは異なる)基である;
(10)式II中、R1およびR2は、式(C)(式中、f=2)を有する(同じ
または異なる)基である;および
(11)式II中、R1およびR2は、式(C)(式中、g=3)を有する(同じ
または異なる)基である;そして特に断らない限り、AA1、AA2、AA3、A
A4、AA5、AA6、AA7、AA8、PおよびQは、本明細書中前に定義された
意味のいずれかを有する、上記化合物が含まれる。
R3、R4、R5およびR6並びにR1およびR2が、式−[(CH2)fO]g−R7
を有する基から選択される場合のそれらの具体的な意味には、例えば、−CH2
CH2OCH3、−CH2CH2CH2OCH3、−CH2CH2OCH2CH2OCH3
、−CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、−CH2CH2CH2OCH2CH2O
CH3、−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、−CH2CH2OCH2
CH2CH2OCH2CH2OCH3および−CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2
CH2CH2OCH3が含まれる。
本発明の更に具体的な新規ペプチド誘導体には、例えば、式Iを有する次のペ
プチド誘導体が含まれる。
(i)P−AA1−AA2−AA3−II−AA5−AA6−AA7−AA8−Q;
(ii)P−II−AA2−AA3−AA4−AA5−AA6−AA7−AA8−Q;
(iii)P−AA1−AA2−AA3−IIIa−AA6−II−AA8−Q;
(iv)P−AA1−AA2−AA3−AA4−AA5−AA6−II−AA8−Q;
(v)P−AA1−AA2−AA3−II−AA5−IIIa−AA8−Q;および
(vi)P−II−AA2−AA3−AA4−AA5−IIIa−AA8−Q
式中、IIは、本明細書中前に定義の式IIを有するL−アミノ酸の残基であり、そ
してIIIaは、以下に示される式IIIaを有する基であり、そしてここにおいて、
特に断らない限り、AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、AA7、AA8
、PおよびQは、本明細書中で定義された具体的な且つ好ましい意味を含めた意
味のいずれかを有する。(基(i)〜(vi)において、AA1、AA2、AA3、
AA4、AA5、AA6、AA7またはAA8がある場合、それらはL−アミノ酸残
基であり、そして式IIまたはIIIaを有する基の存在および位置は具体的に示さ
れるということは理解されるであろう。)基(i)〜(vi)は、本発明のもう一
つの独立した態様である。
(i)〜(vi)の範囲内の特に興味深いペプチド誘導体には、例えば、式II中
、n=1または2、X=カルボニル、そしてR1およびR2が、両方とも式(C)
を有する基(特に、f=2、g=3および/またはR7=メチルである−CH2C
H2OCH2CH2OCH2CH2OCH3など)または両方とも式(A)を有する基
(特に、a=1、b=2、m=1または3および/またはRa=メチルである−
CH2CON(CH2CH2OCH3)2など)であるもの、または−CH2CON[
(CH2CH2O)3CH3]2が含まれる。基(i)〜(vi)の内、基(i)およ
び(v)を有するペプチド誘導体は特に興味深い。好ましいペプチド誘導体には
、例えば、式II中、n=1、X=カルボニル、そしてR1およびR2が、両方とも
式(A)を有する基である基(v)の化合物が含まれる。
AA1〜AA8の好ましい意味には(AA1、AA4またはAA7が、式IIを有す
るアミノ酸の残基でない場合、およびAA4がAA5と一緒になってまたはAA6
がAA7と一緒になって、式III、IIIa、IV、IVa、VまたはVaを有する基で
ない場合)、例えば、
Ala、Ile、Tyr、Val、Glu、Lys、Arg、Gly、Gap
、GapMe4および3,3,3−トリフルオロアラニン、特に、Ala、Il
e、Arg、Gap、GapMe4、具体的に、Ala、ArgおよびIle、
そして更に具体的に、AlaおよびArgから選択されるAA1;
Ala、Lys、Glu、Sar、Val、Arg、Gly、Pro、Ile
、Tic、3,3,3−トリフルオロアラニンおよびN6−ジエチルLys、特
に、Ala、Arg、Ile、LysおよびTic、具体的に、Ala、Arg
、IleおよびTic、そして更に具体的に、AlaおよびArgから選択され
るAA2;
Ala、His、Gln、Val、Thr、Glu,Gly、Asp、Asn
およびN3−ジエチルDap、特に、Ala、His、AspおよびAsn、具
体的に、AlaおよびAsn、そして更に具体的に、Alaから選択されるAA3
;
Ala、Lys、Asn、Arg、Thr、Glu、Sar、Gly、Pro
、HisおよびN6−ジエチルLys、特に、Ala、Arg、LysおよびH
is、具体的に、Ala、ArgおよびHis、そして更に具体的に、Alaか
ら選択されるAA4;
Thr、Val、Ala、Gly、Dap,Dab、Pro、Hyp、Asn
、SerおよびN3−ジエチルDap、特に、Thr、ValおよびDap、そ
して具体的に、ThrおよびValから選択されるAA5;
Gly、Leu,Lys、Ala、Pro、Glu、Sar、HisおよびD
ap(特に、AlaおよびPro)から選択されるAA6;
Pro、Ala、Lys、Arg、Glu、Sar、Gly、OicおよびD
ic(特に、AlaおよびArg)から選択されるAA7;および
Ala、Gly、Dap、アザアラニンおよびアザグリシン、特に、Ala、
Glyおよびアザグリシン、そして具体的に、AlaおよびGlyから選択され
るAA8が含まれる。(Gapが論及される場合、これは、残基−NH.CH[
CH2NH.C(=NH).NH2].CO−を意味し、そしてGapMe4が論
及される場合、これは、残基−NH.CH(CH2N=C[N(CH3)2]2).
CO−を意味する。)
本発明の更に具体的な独立した群のペプチド誘導体には、例えば、AA1、A
A4およびAA7の1個または2個が、本明細書中前に定義の式IIを有するL−ア
ミノ酸の残基から選択され、そして残りのAA1、AA2、AA3、AA4、AA5
、
AA6、AA7およびAA8がL−アミノ酸の残基(上に定義された適当な、具体
的なおよび好ましい意味を含む)である式Iを有するペプチド誘導体が含まれる
。
式Iを有するペプチド誘導体が、式III、IV、IVaまたはVを有する基を含有
する場合、式III中のRa、および式IVおよびIVa中のRb、および式V中のR
zの具体的な意味は、それらがアルキルである場合、メチル、エチル、プロピル
およびイソプロピルを含む。式III、IIIa、IV、IVa、VまたはVaを有する基
を含有するペプチド誘導体の内、式IIIaの基を含有するものが好ましい。
本発明の更に好ましい態様は、アルギニン残基を含有する式Iのペプチド誘導
体、特に、AA1またはAA2がアルギニンである化合物(部分配列AA1−AA2
−AA3が、Ala-Arg-AlaまたはArg-Ala-Alaである化合物など)を含む。
特に興味深い本発明のペプチド誘導体には、例えば、実施例で以下に示される
具体的な実施態様が含まれる。これらの内で、実施例3および6のペプチド誘導
体が特に重要であり、そしてこれらの化合物およびそれらの薬学的に許容しうる
塩を、本発明のもう一つの特徴として提供する。
(配列番号:3)
実施例3
(配列番号:6)
実施例6
本発明のもう一つの態様は、n、X、R1およびR2が、上に定義された具体的
な且つ好ましい意味を含めた意味のいずれかを有する式IIを有する保護された(
例えば、Fmocで)または保護されていないアミノ酸を含む。
薬学的に許容しうる塩には、例えば、充分に塩基性であるペプチド誘導体、例
えば、遊離アミノ基を有するものに関して、鉱酸、例えば、ハロゲン化水素(塩
化水素および臭化水素など)、スルホン酸およびホスホン酸、および酢酸、シュ
ウ酸、酒石酸、マンデル酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリ
フルオロ酢酸等のような有機酸との塩などの生理学的に許容しうる陰イオンを形
成する酸との塩、並びに充分に酸性であるペプチド誘導体、例えば、遊離カルボ
ン酸基を有するものに関して、アルカリ金属(ナトリウムおよびカリウムなど)
、アルカリ土類金属(マグネシウムおよびカルシウムなど)との塩、アルミニウ
ム塩およびアンモニウム塩などの生理学的に許容しうる陽イオンを形成する塩基
との塩、更には、エタノールアミン、メチルアミン、ジエチルアミン、イソプロ
ピルアミン、トリメチルアミン等のような適当な有機塩基との塩が含まれる。
上述のように、式Iを有するペプチド誘導体またはそれらの薬学的に許容しう
る塩は、一定範囲の自己免疫疾患または医学的状態にある(ヒトを含めた)温血
動物において、症状を治療するためのまたは疾患改善薬として若しくは予防処置
としての有益な薬理学的作用を有するであろう。このような疾患には、例えば、
慢性関節リウマチ、多発性硬化症、グッドパスチャー症候群、特発性血小板減少
性紫斑病、若年性関節リウマチ、小児脂肪便症(coeliac disease)、全身性エ
リテマトーデス、強直性脊椎炎、シェーグレン症候群、重症筋無力症、I型(イ
ンスリン依存性)糖尿病、橋本病、グレーヴズ病、アディソン病、強皮症、多発
性筋炎、皮膚筋炎、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、自己免疫性溶血性貧血、悪
性貧血、糸球体腎炎、移植片拒絶等、特に、慢性関節リウマチおよび多発性硬化
症が含まれうる。
式Iを有するペプチド誘導体またはそれらの薬学的に許容しうる塩の有用性は
、国際特許出願公開第WO92/02543号、第WO93/05011号および第WO95/07707
号で記載されたもの(またはそれらの変法)並びに以下に記載されたものを含め
た種々の標準試験および臨床研究を用いて評価することができる。式Iを有する
ペプチド誘導体は、このような試験または研究の一つまたはそれ以上で有意の活
性を示す。試験A
:精製HLA−DRペプチドin vitro結合検定(binding assay)。
(この検定は、疾患関連MHCクラスII分子に対する式Iのペプチド誘導体の結
合を実証するのに用いることができる。)ビオチン−FHA307-320(長鎖ビオ
チンを用いてN末端に誘導体化されたFHA(307−320)ペプチド、リン
酸緩衝塩類溶液(PBS)中800nMのビオチン-Ahx-Pro-Lys-Tyr-Val-Lys-G
In-Asn-Thr-Leu-Lys-Leu-Ala-Thr-Gly-OH)30μlを、0.5〜5μg/m
lの濃度で30μLの精製されたHLA−DR4Dw4と一緒に、V字形ウェル
微量滴定プレート(ヌンク(Nunc))中において阻害剤ペプチドを用いてまたは
用いることなく48時間インキュベートする。そのインキュベーション時間の最
後に、そのインキュベート(incubate)100μlを、抗MHC抗体(L243
−ランプソン(Lampson)およびリービ(Levy)(1980)J.Immunol.125,293-299
で記載のアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Cultu
re Collection)(ATCC)HB55)を10μg/mlの濃度で用いて室温に
おいて1時間予め被覆した酵素結合イムノソルベント検定(ELISA)プレー
ト(ヌンク)に移した後、PBSおよび0.05%トゥイーン(Tween)20中
1%ウシ血清アルブミン(BSA)で1時間遮断する。更に1時間後、非結合ペ
プチドを洗浄除去し、そしてNP−40(シグマ(Sigma))などの適当なデ
タージェントを0.01%含むPBS中において1/4,000希釈のストレプ
トアビジンペルオキシダーゼ(シグマ)を室温で2時間加える。更に洗浄後、テ
トラメチルベンジデン(TMB)基質溶液(36μlの尿素過酸化水素(UHP
O)(フルカ(Fluka))を含む10mlの0.1Mクエン酸/酢酸緩衝液,p
H6.0中にTMB錠剤(シグマ)1個)を、それぞれのプレートに対して加え
る。2M硫酸(10μl/ウェル)を加えることによって反応を停止させ、そし
て450nmで吸光度を読取って、結合したペプチドの量を定量する。ペプチド
の阻害活性は、濃度に対して吸光度をプロットすることによって得られる。
精製HLA−DR4Dw4は、次のように得ることができる。
(i)バキュロウイルス系におけるHLA−DRの発現
バキュロウイルスベクターからの昆虫細胞中の組換えタンパク質の発現は、高
収量の組換えタンパク質を得るための確立された方法である[ラッコウ(Luckow
),VAおよびサマーズ(Summers),MD(1988)Biotechnology,6,47-551]
。単一組換えバキュロウイルスベクターから(αおよびβ鎖について別個の組換
えウイルスを与えられた後、同時感染を行ったことに対立するものとして)ヘテ
ロ二量体HLA−DR、例えば、HLA−DR4Dw4を発現させるために、α
およびβ鎖両方を有する二重組換えバキュロウイルスを構築する。
αポリペプチドの配列をコードしているcDNAを、転移ベクターpacYM
1[マツウラ(Matsuura),Y;ポスィー(Possee),RD;オーバートン(Ov
erton),HAおよびビショップ(Bishop),DHL(1987)J.Gen.Virol.,68,1
233-1250]中にクローン化して、タンパク質の発現をポリヘドリンプロモーター
の制御下に置く。その単位を、Sf21昆虫細胞中での相同的組換えによってバ
キュロウイルスゲノム中に挿入して、単一組換えバキュロウイルスをα鎖につい
て生産する。昆虫細胞の培養および感染、相同的組換え、および組換えウイルス
の検出/単離の技法はいずれも、サマーズ,MDDおよびスミス(Smith)GE
(1987)[A Manual of Methods for Baculovirus Vectors and Insect Cell Cu
lture Procedures;Texas Agricultural Experiment Station,会報1555号]によ
って充分に記載されている。組換えベクターを構築するのに用いられる分子遺伝
学技術は、同様に、参考文献で容易に入手可能であり、そしてサムブルック(Sa
mbrook),J;フリッチュ(Fritsch),EFおよびマニアティス(Maniatis)
T,(1989)[Molecular Cloning.A Laboratory Manual.第2版.コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laborator
y Press)]によって最も充分に記載されている。
二重組換えバキュロウイルスを生産するために、β鎖をコードしているcDN
Aを、転移ベクターpAcUW1[ワイア(Weyer),U;ナイト(Knight),
Sおよびポスィー,RD(1990)J.Gen.Virol.,71,1525-1534]中にクローン化
して、タンパク質の発現をP10プロモーターの制御下に置く。次に、その単位
を、α鎖を有する単一組換えバキュロウイルスのゲノム中に挿入する。二重組換
えウイルスは、トランスフェクションから無作為に採取されたウイルスに感染し
た昆虫細胞を膜上にスポットし、そしてそれらを、HLA−DRヘテロ二量体を
特異的に認識する単クローン性抗体、例えば、L243と反応させることによっ
て検出される。Sf21昆虫細胞に対する抗体の結合は、参考文献で容易に利用
可能な標準フローサイトメトリー技術を用いて検出される。適当な二重組換えバ
キュロウイルス発現性HLA−DRをプラーク精製する(plaque-purify)。
(ii)昆虫細胞からのHLA−DRの精製
用いられる方法は、ゴーガ(Gorga)ら,1987年によって記載された方法の変
法である。(ゴーガら,1987.J.Biol.Chem.262,16087-16094)。HLA−DR
発現性バキュロウイルス/Sf21細胞(細胞2x1010個とほぼ等しい10L
)を、5mM EDTA(ナトリウム塩)、50mMトリス−HCL pH8.
5,2%NP40,150nM NaCl,1mMヨードアセトアミド,1mM
PMSFの100ml中に、テフロングラスホモジナイザーの10ストローク
を用いる均一化によって溶解させる。そのホモジネートを100,000gで1
時間回転させ、そして上澄みを集める。プロテインA−セファロースファストフ
ロー(ファルマシア(Pharmacia))10mlに対して50mgのL243の比
率で共有結合し且つ10mMトリス−HCl,pH8.0,0.1%NP40と
一緒に予めインキュベートされた抗HLA−DR単クローン性抗体LB3.1(
ゴーガら,1986,Cell.Immunol.103,160-172)を、上澄みと一緒に一晩中インキ
ュベートする。次に、樹脂をカラム中に入れ、そして10mMトリス−HCl,
pH
8.0,0.1%NP−40(20カラム容量)で、続いて0.15M NaC
l,50nM Na2HPO4,pH7.0,1%オクチルグルコシド(20カラ
ム容量)で洗浄する。HLA−DRは、50mMジエチルアミンpH11.0,
0.15M NaCl,1%オクチルグルコシドで溶離される。カラム画分を、
1Mトリス−HCl pH8.0で直ちに中和し、そしてセントリコン(centri
con)−10膜を介する超遠心分離によって濃縮する。タンパク質含有量は、B
CAタンパク質検定(ピアス(Pierce))によって、そして純度はSDA−PA
GE電気泳動によって測定される。
概して、試験Aで試験された上に定義の式Iを有するペプチド誘導体は、約1
0μMまたはそれよりはるかに小さい濃度で有意の阻害を示した。
本発明の更に好ましい態様は、HLA−DR3に対して結合しないが、HLA
−DR1および/またはHLA−DR4Dw4および/またはHLA−DR4D
w14に対して結合する式Iのペプチド誘導体またはその薬学的に許容しうる塩
を含む。HLA−DR3は、慢性関節リウマチに関連しない共通のHLA−DR
対立遺伝子である。したがって、HLA−DR3をそれらの対立遺伝子の一つと
して有する慢性関節リウマチ患者(慢性関節リウマチ患者全体の約3分の1であ
る)においては、式Iを有するこのようなぺプチト誘導体が、宿主防御機能にお
いてHLA−DR3の正常な役割を妨げることはないであろう。したがって、こ
のようなペプチド誘導体の使用は、非選択的DR結合剤で起こるより少ない免疫
抑制しか引き起こさないので、それは慢性関節リウマチ患者を治療するのに特に
好都合である。
試験Aの変法として、1種類またはそれ以上のHLA−DR分子に対して結合
する本発明のペプチドの能力を、次のように評価した。
(i)細胞からのHLA−DR種の精製
用いられた方法は、ゴーガら,1987.J.Biol.Chem.262,16087-16094で記載さ
れた方法の変法であった。ヒトHLA−DR抗原を、イムノアフィニティークロ
マトグラフィーによって種々の細胞系から精製した。簡単にいうと、Hom2(
DR1源)、BBF(DR2源)、AVL−B(DR3源)、JAH(DR4D
w4源)、JHAF(DR4Dw13源)またはPE117(DR4Dw14
源)から選択される適当な細胞系のペレット化細胞1x109〜5x109個を、
5mM EDTA(ナトリウム塩)、50mMトリス−HCl pH7.4,2
%NP40,150mM NaCl,1mMヨードアセトアミド,1mM PM
SFの50ml中に約4℃で、テフロングラスホモジナイザーの10ストローク
を用いる均一化によって溶解させた。そのホモジネートを100,000gで1
時間回転させ、そして上澄みを集めた。CNBr−セファロース4BB(ファー
マシア)に対して共有結合した抗HLA−DR単クローン性抗体LB3.1(ゴ
ーガら,1986,Cell.Immunol.103,160-172)を、150mM NaCl,50m
Mトリス−HCL,pH7.4,0.1%NP−40で予め平衡させ、そして上
澄みと一緒に一晩中インキュベートした。次に、樹脂をカラム中に充填し、そし
て0.15M NaCl,50mMトリス−HCL,pH7.4,1%オクチル
グルコシド(20カラム容量)で洗浄した。HLA−DRは、50mMジエチル
アミンpH11.0,0.15M NaCl,1%オクチルグルコシドで溶離さ
れた。カラム画分を、0.5M HEPES NaOH pH7.4で直ちに中
和した。タンパク質含有量は、バイラド(Biorad)タンパク質検定によって、そ
して純度はSDA−PAGE電気泳動によって測定された。
(ii)ペプチド選択性結合検定
リン酸緩衝塩類溶液(phosphate buffered saline:PBS)中200nMビ
オチン−FHA307-320を、精製されたHLA−DR1、DR2、DR4Dw4
、DR4Dw13かまたはDR4Dw14(2〜20μg/ml)と一緒に、V
字形ウェル微量滴定プレート(ヌンク)中において検定用緩衝液(PBS,0.
01%NP40(シグマ))中の阻害剤ペプチドを用いてまたは用いることなく
インキュベートした。DR3阻害については、400nMビオチン-Ahx-(D)Ala-
Ala-Ala-Che-Ile-Ala-Ala-Ala-Thr-Leu-Lys-Ala-Ala-(D)Ala-OHを、精製され
たDR3(20μg/ml)と一緒にインキュベートし、そして上のようにイン
キュベートした。48時間後、それら培養物を処理し、そして試験Aで記載のよ
うに吸光度を読取った。IC50値として表わされるペプチドの阻害活性は、PC
についてミクロカル・オリジン(Microcal Origin)ソフトウェアを用いて計算
された。試験B
:in vitroのT細胞活性化の阻害。(この検定は、MHCクラスII分子に
よってまたはそれ介して媒介されるT細胞免疫応答を阻害する式Iのペプチド誘
導体の能力を実証するのに用いることができる。)
阻害剤ペプチドを、HLA−DR4Dw4分子によって提示されたFHA307- 320
ペプチド(H-Pro-Lys-Tyr-Val-Lys-Gln-Asn-Thr-Leu-Lys-Leu-Ala-Thr-Gly-
OH)に対して応答するB52.25ネズミT細胞ハイブリドーマ系の刺激を阻止す
る能力について調べた。B52.25は、ウッズ(Woods)ら(1994)J.Exp.Med.180,
173-181で概説されたように、およびCurrent Protocols in Immunology,2巻,
7.21で与えられたT細胞ハイブリドーマの発生の一般的な方法にしたがって、F
HA307-320で免疫感作されたHLA−DR4Dw4トランスジェニックマウス
から得られたリンパ節T細胞(国際特許出願公開第WO95/03331号)と、BW51
47ネズミT細胞リンパ腫系(ホワイト(White)ら(1989)J.Immunol.143,1822
)との融合によって生産された。
100〜0.1μM(またはそれ未満)の濃度の阻害剤ペプチドを、RPMI
-1640培地(ギブコ(Gibco))中の希釈によって100〜0.1μMに変化する
濃度かまたは10μMの一定濃度の抗原性ペプチドFHA307-320と、96ウェ
ル微量滴定プレート(ヌンク)中において100μlの最終容量中で混合した。
JAH EBVで形質転換されたリンパ芽球様細胞系(ヨロピアン・カルチャー
・コレクション(European Culture Collection)ECACC85102909)、また
はCurrent Protocols in Immunology 7.22.1で記載された方法にしたがって、H
LA−DR4Dw4ホモ接合個体から得られ且つエプスタイン・バールウイルス
で形質転換されたB細胞などのHLA−DR4Dw4発現性B細胞を、グルタル
アルデヒドを用いて、1%グルタルアルデヒド(シグマ)中に細胞4x105個
/mlで30秒間の懸濁によって固定した後、等量の200mMリシン(シグマ
)を3分間加えた。それら細胞を、300gでの遠心分離によって回収し、RP
MI-1640中で洗浄し、そして抗原および阻害剤化合物が入っている微量滴定プ
レートに対して細胞2x105個/ウェルの濃度で加えた。それら微量滴定プレ
−トを37℃および5%CO2で2時間インキュベートした。
次に、それら微量滴定プレートを、RPMI-1640中において300gでの遠
心分離によって洗浄し且つ吸引を2回行った後、B52.25T細胞ハイブリドーマ
系を培地(RPMI-1640,10%ウシ胎児血清(ギブコ)および2mMグルタ
ミン(ギブコ))中において細胞105個/ウェルの濃度で加えた。次に、それ
ら微量滴定プレートを37℃および5%CO2で更に2日間インキュベートした
。次に、それらプレートを300gで10分間遠心分離し、そして全ウェルから
上澄み150μlを取出して、IL−2含有量の生物検定の前に、−20℃で凍
結させた。
検定される上澄みが入っている培養プレートを室温で放置して融解させ、そし
て上澄み100mlを新たな丸底96ウェルプレートに移した。IL−2の1:
1連続希釈を、培地(RPMI-1640(ギブコ),10%ウシ胎児血清(アドバ
ンスド・プロテイン・プロダクツ(Advanced Protein Products)),100μ
g/mlストレプトマイシンおよび100U/mlペニシリン(ギブコ),2m
M L−グルタミン(ギブコ)および50μM 2−メルカプトエタノール(シ
グマ))を用いて行って、250単位/ml〜最終0.04単位/mlのIL−
2の標準曲線を作成した。CTLL−2細胞(Nature(1977)268 154-156)また
はHT−2細胞(J.Immunol.Methods(1987)94-104)などのIL−2依存性細胞
系を採収し、そして培地を用いて2回洗浄した後、細胞5x104個/mlで再
懸濁させた。IL−2依存性細胞懸濁液100μlを、標準曲線および試験試料
の各ウェルに対して加えた。それら培養プレートを37℃および5%CO2で7
2時間インキュベートした。この後、3H−チミジン(アマーシャム・インター
ナショナル(Amersham International))20μl(1mCi)を各ウェルに対
して加え、そしてプレートを更に16時間インキュベーターに戻した。各プレー
トの含有物をガラス繊維フィルターマット上に採収し、そしてベータプレートシ
ンチレーションカウンターを用いて放射能を測定した。
概して、試験Bで調べられた上に定義の式Iのペプチド誘導体は、約10μM
またはそれよりはるかに少ない濃度で有意の阻害を示した。試験C
:BALB/Cマウスにおけるペプチドで刺激されたDTH(遅延型過敏
症)。(検定は、動物モデルにおいて式Iのペプチド誘導体のin vivo活性を実
証するのに用いることができる)。1群につき5匹のBalb/c雌マウス
(18〜20g)の側腹部の皮下に、完全フロイントアジュバント(シグマ)と
1:1(v/v)で混合されたオボアルブミン(シグマ)のエマルジョン(食塩
水中2mg/ml)0.1mlで免疫感作した。7日後、デュアルカリパスマイ
クロメーターを用いてフットパッド厚みを測定した後、食塩水中1%熱凝集オボ
アルブミンタンパク質30μlの足底下注射で一方の後部フットパッドに試験投
与した。抗原試験投与から24時間後に、フットパッドを測定し、そして注射さ
れたフットパッドのフットパッド厚みの反対側の対照と比較した増加百分率とし
てDTH応答を計算した。阻害剤は、抗原試験投与の24時間前に植込まれた3
日浸透性ミニポンプ(アルツェット(Alzet))によって10mg/kg/日〜
0.1μg/kg/日の用量で投与された。阻害の程度は、阻害剤で処置された
フットパッドの腫脹の値を、ビヒクルを投与された対照の値から差引き、対照値
で割り、そして100%を掛けることによって計算された。
概して、試験Cで調べられた上に定義の式Iのペプチド誘導体は、明白な毒物
学的または他の不都合な薬理学的作用を全く伴うことなく、約1mg/kg/日
またはそれよりはるかに少ない用量で有意の阻害を示した。試験D
:(この検定は、関節炎の動物モデルにおいて式Iのペプチド誘導体のin
vivo活性を実証するのに用いることができる)。
Balb/c雌マウス(19〜21g,5〜10匹/群)に、ヒト型結核菌(
Mycobacterium tudercolosis)(MTB,菌株C,DTおよびPN,MAFF,
ウェイブリッジ,サリー)2.5mg/mlを補足した食塩水および完全フロイ
ントアジュバント(シグマ)中2mg/mlのメチル化ウシ血清アルブミン(m
et−BSA,シグマ)を等量ずつ含有することによって3.5mg/mlの最
終MTB濃度を与えるエマルジョン0.1mの皮下注射で0日に免疫感作し、そ
して7日目にブースター投与する。食塩水中109個の百日咳菌(Bordetella pe
rtussis)微生物(ウェルカム・ペルツシス(Wellcome Pertussis)ワクチン)
の追加の0.1ml腹腔内注射を同時に与える。14日後、被験動物の一つの膝
関節中に、食塩水中に100ugのmet−BSAを含有する10μl関節内注
射で、30G針およびハミルトンシリンジを用いて試験投与する。反対側の膝に
、同量の食塩水を注射し且つ対照とする。両膝に関連した炎症/腫脹の程度は、
デ
ュアルカリパスマイクロメーターを用いて測定することによって13日後に確認
される。これは、鋭利でない鋏および鉗子を用いて膝の上下約5cmの皮膚の切
開を行い且つ膝の側面に沿って続けて皮弁を形成した後、これを注意深く切取っ
て、下にある関節を露出させる。測定は、固定された位置で保持された曲げられ
た脚の膝の最大幅部分にわたって水平面で行われる。抗原を注射された膝の炎症
の対照と比較した増加百分率は、式:[抗原を注射された膝厚み−食塩水を注射
された膝厚み/食塩水を注射された膝厚み]x100にしたがって計算される。
阻害剤は、抗原試験投与の24時間前に植込まれた14日浸透性ミニポンプ(ア
ルツェット)を用いて10mg/kg/日〜0.1μg/kg/日の用量で投与
される。炎症/腫脹の阻害百分率は、阻害剤で処置された群の腫脹の値をビヒク
ルを投与された対照の値から差引き、対照値で割り、そして100を掛けること
によって厚み測定値から計算される。疾患についての追加の評価は、(1)ヘマ
トキシリンおよびエオシンで染色された固定された膝切片で行われた炎症、滑膜
炎および軟骨/骨組織侵食の組織学的評価、および(2)血清中の急性期反応物
質、血清アミロイドPおよび/またはハプトグロビンのレベルの測定を行う。
上に定義の式Iのペプチド誘導体は、試験Dにおいて、約10mg/kg/日
またはそれよりはるかに少ない用量で有意の阻害を示すことができる。
式Iを有する具体的なペプチド誘導体の薬理学的活性の例示として、実施例3
および6の化合物は、試験A(または本明細書中前に記載された試験Aの変法)
において0.1マイクロモルまたはそれ未満の濃度でHLA−DR4Dw4に対
する有意の結合を示し、そして試験Cにおいて<0.1mg/kg/日で活性で
あった。実施例3の化合物はまた、HLA−DR4Dw14に対する有意の結合
を示したが、HLA−DR1、HLA−DR2またはHLA−DR3に対する有
意の結合(IC50>100マイクロモル)は、実施例または実施例6の化合物で
は見られなかった。両方の化合物は、pH3およびpH7.6で充分な水性安定
性を示し、そして抽出されたポリマーデポ製剤(polymer depot formulation)
の形では、押出時の分解による最小限の減損およびこのようなデポ製剤からの放
出時の最小限の分解しか示さなかった。
式Iを有するペプチド誘導体は、類似のペプチドの合成に応用できる当ペプチ
ド化学技術分野において周知のいずれの方法によっても製造することができる。
式Iを有するペプチド誘導体は、例えば、アサトン(Atherton)およびシェパ
ード(Sheppard)による“Solid Phase Peptide Synthesis:A practical approa
ch”(オックスフォード大学出版部のIRLプレスによって1989年に発行された
)で開示されたのと同様の手順によって得ることができる。スチュワート(Stew
art)およびヤング(Young)による“Solid Phase Peptide Synthesis”(ピア
ス・ケミカル・カンパニー(Pierce Chemical Company),イリノイによって198
4年に発行された)、“Principles of Peptide Synthesis”(スプリンガー・フ
ェアラーク(Springer-Verlag),ベルリンによって1984年に発行された)、お
よび一連の書物“Amino Acids,Peptides and Proteins”(1〜25巻;25巻は199
4年に発行された)(英国王立化学協会(the Royal Society of Chemistry),
ケンブリッジ,UKによって発行された)。
好ましくは、式Iを有するペプチド誘導体は、固相逐次合成によって製造され
る。この技法を用いて、ペプチドのC末端アミノ酸になるべきアミノ酸を、α−
アミノ基でおよび必要ならば側鎖中で保護し、そして固体支持体、例えば、2−
クロロトリチルクロリド樹脂、または切断後に遊離カルボン酸が必要とされる場
合はメリフィールド樹脂(クロロメチルポリスチレン−ジビニルベンゼン)、ま
たは切断後にカルボキサミドが必要とされる場合はリンクアミド(Rink Amide)
樹脂(4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノ
キシ樹脂)若しくはリンクアミドMBHA樹脂(N−(4−[2’,4’−ジメ
トキシフェニル−Fmoc−アミノメチル)−フェノキシアセトアミドノルロイシル
)−4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂(いずれも、カルビオケム・ノババイ
オケム(Calbiochem-Novabiochem)から入手可能)などの樹脂に対して結合させ
、その後、α−アミノ基上の保護基を除去する。C末端アミノ酸に対して結合す
べきアミノ酸は、α−アミノ基でおよび必要ならば側鎖中で保護され、そして固
体支持体に対して結合したままのC末端アミノ酸に対して結合する。α−アミノ
基の脱保護および次のアミノ酸に対する結合の段階的処理を繰返して、固体支持
体に対して結合した保護されたまたは保護されていないポリペプチドを与える。
式IIを有する保護されたアミノ酸は、例えば、実施例で記載のように若しくは以
下
のスキーム1で図示されたようにまたはそれの類推により、式R1R2NHを有す
る対称または非対称アミンを用いて得ることができる。式R1R2NHを有するア
ミンは、当該技術分野において周知の方法によって、例えば、実施例で記載のよ
うに若しくは以下のスキーム2で図示されたようにまたはそれの類推によって得
ることができる。スキーム1および2の反応工程を行うのに用いられる、アルコ
ールおよびアミンのアルキル化、アミンおよびカルボン酸を結合させてアミドを
形成すること、尿素およびカルバメートの形成並びに保護基の保護および脱保護
などの試薬および条件は、当該技術分野において周知であり且つ標準的な教本で
記載されている。式IIIまたはIVを有する基は、保護されたアミノ酸の代わりに
、(A=メチレンであるIIIを含有するペプチド化合物については)適当に保護
された(3−アミノ−2−オキソピロリジン−1−イル)アルカン酸または(A
が酸素であるIIIを含有するペプチド化合物については)J.Med.Chem.,1993,36,2
56-263で記載のようにまたはそれの類推によって得られた対応するオキサ類似体
、または(IVを含有するペプチド化合物については)(6−オキソ−1,7−ジ
アザスピロ[4.4]ノン−7−イル)アルカン酸を用いることによって配列中
に包含される。式Vを有する基は、J.Med.Chem.,1993,36,256-263で記載のよう
に(またはそれの類推によって)または以下の実施例で記載のように(またはそ
れの類推によって)得られた適当に保護された3−アミノ−2−オキソペルヒド
ロアゼピン−1−アルカン酸を用いて配列中に包含されうる。保護されたまたは
保護されていないポリペプチドは、標準法によって、例えば、トリフルオロ酢酸
、トリエチルシランおよび水の混合物を用いて固体支持体から放出される。
側鎖保護基が、固体支持体からペプチドを放出するのに用いられる条件下にお
いて切断されうるし、または固体支持体から引続きペプチドを放出する前に別の
工程として切断されうるということは理解されるであろう。更に、ポリペプチド
を増成する手順が、特に結合工程において2種類またはそれ以上の適当に保護さ
れたアミノ酸の配列を用いることによって変更されうるということは理解される
であろう。合成は、手動技術を用いることができるしまたは自動的に、例えば、
アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)431A若しくは430Aペプ
チド合成機、アドバンスド・ケムテク(Advanced Chemtech)ACT357ペプ
チド合成機または同様の自動ペプチド合成機を用いて行うことができるし、或い
は、両方の組合わせを用いることができる。
ペプチドの組立ての際に、反応に加わらないアミノ酸官能基は、種々の官能基
によって保護される。例えば、N末端および側鎖のアミノ基は、9−フルオレニ
ルメトキシカルボニル(Fmoc)基、t−ブトキシカルボニル(Boc)基、ビフェ
ニルイソプロポキシカルボニル(Bpoc)基、2−[3,5−ジメトキシフェニル
]プロピル−2−オキシカルボニル(Ddz)基、アダマンチルオキシカルボニル
(Adoc)基、アリルオキシカルボニル(Aloc)基、2,2,2−トリクロロエト
キシカルボニル(Troc)基、ベンジルオキシカルボニル基および種々の置換ベン
ジルオキシカルボニル基を用いることによって保護されうる。これら保護基は、
必要な場合に標準的な技法(例えば、酸または塩基処理、接触水素添加およびP
d(0)処理または亜鉛/酢酸処理)によって切断されうる。
アルギニン残基を含有するペプチド中の側鎖グアニジノ基の保護に用いられる
適当な保護基には、ニトロ基、アダマンチルオキシカルボニル基、4−メトキシ
−2,3,6−トリチメルベンゼンスルホニル(Mtr)基、2,2,5,7,8
−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(Pmc)基および(特に)2,2,4
,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル(Pbf)基が含
まれる。
側鎖ヒドロキシ基の保護に用いられる適当な保護基には、t−ブチル、ベンジ
ルおよびトリチル(Trt)が含まれる。ヒスチジン残基を含有するペプチド中の
側鎖イミダゾール基に用いられる適当な保護基には、トリチル基、ベンジル基、
トシル基、ジニトロフェニル基、Adoc基、Boc基またはFmoc基が含ま
れる。
側鎖カルボキシル基の保護に用いられる適当な保護基には、種々のエステル(
例えば、メチル、エチル、t−ブチル、ベンジル、ニトロベンジル、アリルおよ
び9−フルオレニルメチル)が含まれる。
保護基切断反応は、4℃〜40℃の範囲の温度で(好ましくは、周囲温度また
はその付近で)および10分間〜24時間の範囲の時間にわたって行うことがで
きる。
個々のアミノ酸の結合に用いられる適当な結合法には、一般的に用いられるア
ジド、対称無水物、混合無水物および種々の活性エステル並びにカルボジイミド
が含まれる。種々のカルボジイミド(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド
またはジイソプロピルカルボジイミド)の場合、多数の添加剤(例えば、1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)およびN−ヒドロキシスクシンイミド)を
加えてもよい。更に、アミノ酸結合は、多数の他の試薬、例えば、1H−ベンゾ
トリアゾール−1−イルオキシ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオ
ロリン酸塩(PyBOP)、(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,
1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩(TBTU)および(
2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル
ウロニウムテトラフルオロホウ酸塩(HBTU)を用いることによって行うこともで
きる。それら結合反応は、−20℃〜40℃の範囲の温度でおよび10分間〜2
4時間の範囲の時間にわたって行うことができる。結合反応を行うのに適当な基
材には、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)が含まれる。特に適当
な方法には、DMF中でのHBTU、HOBTおよびジイソプロピルアミンの使
用が含まれる。
これらおよび他のペプチド合成法は、本明細書中で論及された国際特許出願で
例示されている。式R−、R.CO−、R.SO2−、R.O.CO−、R.N
HCO−、R.O.CS−、R.S.CO−、R.NHCS−、R.S.CS−
およびR.CS−を有する基である疎水性残基P(またはPが、疎水性アミノ酸
または更に別のアミノ酸を含有する疎水性アミノ酸である場合、Pの末端アミノ
基上に置換基として存在するこのような基)は、例えば、末端アミノ基のアルキ
ル化、アシル化または他の標準的な官能基修飾による最終工程として包含されう
る。C末端修飾が(Qの具体的な意味を得るために)必要とされる場合、それら
は、ペプチドが合成された後に、慣用的な官能基修飾を用いて行うことができる
。或いは、Qの具体的な意味は、最初の出発樹脂および/または樹脂に対して最
初に結合した保護されたものの適切な選択によって(例えば、式H−Qを有する
適当に保護された基を用いることによって)得ることができる。式Iを有するペ
プチド化合物の製造の典型的な例を、以下の実施例で提供する。
本発明のペプチド誘導体の安定性を測定する典型的な方法は、次の通りであり
、ここにおいて、微生物の混入および分解を最小限にするために、ペプチド溶液
を製造するのに用いられる装置は全てオートクレーブで滅菌され、そして材料移
動は全てクラスII層流キャビネット中で行われる。0.02%アジ化ナトリウム
を含有するpH3または7.6のマクイルベイン(McIlvaine's)クエン酸−リ
ン酸緩衝液約20mlを、滅菌した0.22μm濾過装置および20mlシリン
ジを用いて50mlビン中に濾過する。ペプチド約1.2mgを、蓋付バイアル
中で正確に秤量する。滅菌ピペットチップを用いて、充分な緩衝液をバイアル中
のペプチドに対して加えて、0.1mg/mlのペプチド濃度を与える。バイア
ルに蓋をし且つ振とうしてペプチドを溶解させる。滅菌ピペットチップを用いて
、そのペプチド溶液の約1mlアリコートを10個のHPLC用バイアルに移し
た後、これらに蓋をする。5個のバイアルを−18〜37℃で貯蔵する。その溶
液のペプチドピークの面積は、適当な基準を用いるHPLCにより、最初におよ
び−18〜37℃で1週間、2週間、3週間および4週間貯蔵後に、それぞれの
時点の二重反復試験試料注入に新しいバイアルを用いて測定する。37℃で貯蔵
後の各時点で残留するペプチドの百分率は、各時点のペプチドピークの面積対初
期面積の比率から決定される。本発明の好ましいペプチド誘導体は、37℃で貯
蔵後に、pH3およびpH7.6両方で90%を越えて、好ましくは、95%を
越えて残留するペプチドを有する。
式Iを有するペプチド誘導体は、概して、当薬学技術分野において周知である
通り、治療または予防目的のために、このような処置を必要とする(ヒトを含め
た)温血動物に対して医薬組成物の形で投与されるでああろう。
本発明のもう一つの特徴により、式Iを有するペプチド誘導体またはその薬学
的に許容しうる塩を薬学的に許容しうる希釈剤または担体と一緒に含む医薬組成
物を提供する。
その組成物は、経口使用に適した、例えば、錠剤、カプセル剤、水性または油
状の溶液、懸濁液またはエマルジョン;鼻使用に、例えば、吹入剤、鼻用噴霧剤
または点鼻剤;腟または肛門使用に、例えば、坐剤;吸入による投与に、例えば
、微粉剤または液状エアゾル剤として;舌下または口腔使用に、例えば、錠剤ま
た
はカプセル剤;または(静脈内、皮下、筋肉内、脈管内または注入を含めた)非
経口使用に、例えば、滅菌した水性または油状の溶液または懸濁液の形であって
よい。その組成物は、例えば、クリーム剤、軟膏剤およびゲル剤などの局所投与
に適した形であってよい。皮膚パッチも考えられる。一般の製剤は、Comprehens
ive Medicinal Chemistry,5巻,ハンシュ(Hansch)ら監修,ペルガモン・プ
レス(Pergamon Press),1990年の25.2章で記載されている。
概して、上の組成物は、慣用的な賦形剤を用いて慣用法で製造することができ
る。しかしながら、経口投与用組成物の場合、組成物が、胃中の酵素の作用から
ポリペプチド活性成分を保護するコーティングを含むことが好都合でありうる。
本発明の好ましい組成物は、単位剤形の経口投与に適したもの、例えば、各単
位用量中に2.5〜500mg、好ましくは、10〜100mgのポリペプチド
を含有する錠剤またはカプセル剤、または溶液1mlにつき0.5〜100mg
のポリペプチド、好ましくは、1〜10mgのポリペプチドを含有する非経口投
与に適したものである。
非経口組成物は、好ましくは、必要ならば5〜9のpHに緩衝された等張食塩
水または等張デキスロース中の溶液である。或いは、非経口組成物は、徐放性に
設計されたものであってよく、この場合、単位用量当りのポリペプチドの量は、
概して、慣用的な注射用製剤を用いる場合に必要とされるよりも多い。好ましい
徐放性製剤は、連続放出製剤、例えば、欧州特許明細書第58481号で記載された
種類の製剤、または少なくとも1個の塩基性基を含有する式Iのペプチド誘導体
のための国際特許出願公開第WO93/24150号で記載の製剤である。本発明の若干
のペプチド誘導体は、徐放性非経口製剤、特に、ポリラクチドなどの生分解性ポ
リエステルを含有する製剤の製造および加工に、並びに有益な放出プロフィール
を有する徐放性製剤を提供するのにそれらを特に適当にさせる溶解性を有する。
更に、1個またはそれ以上の塩基性基、特に、アルギニンを含有する本発明のペ
プチド誘導体は、ポリラクチドなどの酸末端付きポリエステルと一緒にペプチド
−ポリマー塩を形成することもでき、そしてこのようなペプチドおよびペプチド
−ポリマー塩は、本発明のもう一つの態様を構成している。若干のこのような塩
は、例えば、WO93/24150号で記載のような徐放性非経口製剤の製造および加工
に、並びに有益な放出プロフィールおよび貯蔵安定性を有する徐放性製剤を提供
するのにそれらを特に適当にさせる溶解性を有する。好ましい徐放性非経口製剤
は、単位用量につき1〜100mg(5〜50mgなど)のポリペプチドを含有
する。好ましい徐放性非経口製剤はまた、少なくとも5日間にわたる徐放に設計
されたものである。
本発明の好ましいペプチド誘導体には、押出ポリマーデポ製剤の形である場合
に、押出時の分解による最小限の減損しか示さないもの、またはこのようなデポ
製剤からの放出時に最小限の分解しか示さないものが含まれる。本発明のペプチ
ドの分解のレベルを測定する典型的な手順は、次の通りである。ペプチドの押出ポリマーデポ製剤の製造
ペプチド約20mgを正確に秤量し、そして充分なポリマー(近似重量平均分
子量20kDおよびポリスチレン標準に相対してサイズ排除クロマトグラフィー
によって測定される1.7の近似多分散性を有する50/50%モルのポリ(D
,L−乳酸/グリコール酸)コポリマー)を加えて、約20%w/w混合物を製
造する。これを無水物不含氷酢酸中に溶解させて、約10%w/w溶液を製造す
る。その溶液を凍結乾燥させ、そして得られた凍結乾燥生成物を、使用前に真空
下で貯蔵する。
その凍結乾燥材料約100mgを、小型実験室用押出機のバレル中に充填し、
そしてプランジャーを押し下げて試料を固める。押出機を90〜95℃まで加熱
し且つこの温度で10分間保持した後、凍結乾燥材料を加圧下で押出して、約1
mm直径の円筒形押出物を与える。ペプチドの押出ポリマーデポ製剤のペプチド含有量の分析
約5mm長さのペプチド含有押出ポリマーデポ2個を正確に秤量し、そしてそ
れぞれを別々の25mlメスフラスコ中の無水物不含氷酢酸1ml中に溶解させ
る。1.5時間後、それぞれの容量を蒸留水で最大25mlとして、ポリマーを
沈澱させる。0.5μmミレクス(Millex)PTFEフィルターを用いて固体を
濾去し、そして溶液Aを集める。
一連の標準溶液を、ペプチド0.5mg/mlの蒸留水中原液およびポリマー
2.5mg/mlの無水物不含氷酢酸中原液から次のように調製し、それぞれ蒸
留水で最大10mlとする。
各標準を、5μmミレクスPTFEフィルターを介して濾去し、そして溶液Aの
アリコートと一緒にした濾液のアリコートを、二重反復試験試料注入を用いるH
PLCによって分析した。ペプチドの押出ポリマーデポ製剤のペプチド含有量は
、溶液A中のペプチドの濃度から計算され、溶液A中のペプチドピーク面積と標
準溶液からのペプチドピーク面積とを比較することによって決定される。本発明
の好ましいぺプチド誘導体は、押出時の分解による最小限の減損しか示さないの
で、押出ポリマーデポ製剤のペプチド含有量は、20%w/wの近似理論値に近
い。押出ポリマーデポからのin vitro放出時のペプチドの分解
0.02%アジ化ナトリウムを含有するpH7.6のマクイルベインのクエン
酸−リン酸緩衝液の溶液を、0.22μフィルターを介して濾過し、そして4℃
で貯蔵する。ペプチド含有押出ポリマーデポ約10mgを2個の小型バイアル中
に入れ、そして緩衝液2mlを加える。次に、それらバイアルに蓋をし且つ水浴
中において37℃で1か月間貯蔵する。1か月を過ぎた適当な時点で、放出用基
材の3個の0.6mlアリコートを各バイアルから取出し、そしてHPLCによ
って分析するかまたは、HPLCによる分析の前にHPLC用バイアル中におい
て−18℃で凍結貯蔵する。緩衝液1.8mlを、デポが入っている各バイアル
に対して加えて、各時点で取出された放出用基材を補充する。
各時点での放出用基材中のそのままのペプチドの平均量は、二重反復試験試料
注入を用いるHPLCにより、放出用基材中のペプチドピーク面積と既知の濃度
のペプチドの標準緩衝液からのペプチドピーク面積とを比較することによって決
定される。各時点での放出用基材中のペプチド分解産物の近似平均量は、HPL
Cにより、放出用基材中の追加の新しいピーク面積と既知の濃度のペプチドの標
準緩衝液からのぺプチドピーク面積とを比較し、そして吸光係数は変化しなかっ
たと仮定することによって決定される。そのままのペプチドおよび全ペプチド(
そのままのペプチドおよびペプチド分解産物)の平均累積in vitro放出プロフィ
ールは、各時点での放出用基材中のそのままのペプチドおよびペプチド分解産物
の量から決定される。本発明の好ましいぺプチド誘導体は、in vitro放出時に最
小限の分解しか示さないので、37℃でpH7.6のマクイルベイン緩衝液中へ
のin vitro放出の1か月後に、10%未満の全ペプチド分解産物、そして好まし
くは5%未満の全ペプチドを示す。
本発明の組成物は、概して、ヒトに対して、例えば、70kgの患者について
必要に応じて分割量で与えられる1日用量が10マイクログラム〜5000mg
、好ましくは、0.1〜100mgであるように投与されるであろう。投与され
る組成物の正確な量並びに投与の経路および形態は、当医学技術分野において周
知の原則にしたがって、処置されるヒトの体格、年齢および性別、並びに処置さ
れる具体的な疾患または医学的状態およびその重症度に依ることがありうる。
式Iを有するペプチド誘導体またはその薬学的に許容しうる塩はまた、治療ま
たは予防目的のために、NSAID(イブプロフェンまたはピロキシカムなど)
、鎮痛薬(パラセタモールなど)、コルチコステロイド、筋弛緩薬、リポキシゲ
ナーゼ阻害薬、メトトレキサート、アザチオプリン、D−ペニシラミン、シクロ
スポリンAまたは単クローン性抗体療法(抗CD4または抗TNFなど)などの
、本明細書中上で論及された疾患または医学的状態の1種類またはそれ以上の症
状を治療するまたは軽減する場合に価値がある(または疾患改善薬である)と一
般的な技術分野において知られている1種類またはそれ以上の薬剤と一緒に好都
合に投与されうる。糖尿病の場合、そのペプチド化合物は、インスリンまたは、
糖尿病若しくは糖尿病合併症のための他の療法(アルドースレダクターゼ阻害薬
など)と同時投与されうる。このような併用療法が、本発明のもう一つの態様を
構成するということは理解されるはずである。
本発明のもう一つの態様により、MHCクラスII依存性T細胞に媒介される自
己免疫疾患または炎症性疾患、例えば、本明細書中で論及された疾患または医学
的状態の1種類またはそれ以上を治療する方法であって、このような治療を必要
とする(ヒトを含めた)温血動物に対して、有効量の式Iを有するペプチド誘導
体またはその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む上記方法を提供する。
本発明はまた、MHCクラスII依存性T細胞に媒介された自己免疫疾患または炎
症性疾患の治療で用いるための新規薬剤の製造における式Iを有するペプチド誘
導体またはその薬学的に許容しうる塩の使用を提供する。
ヒトの治療薬での前述の使用に加えて、式Iを有するペプチド誘導体は、イヌ
、ネコ、ウマおよびウシなどの商業的に価値のある温血動物に影響を与える同様
の状態の獣医学的処置においても有用である。概して、このような処置のために
、式Iを有するペプチド誘導体は、ヒトに対する投与について上で記載されたの
と同様の量および方式で投与されるであろう。式Iを有するペプチド誘導体は、
ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラットおよびマウスなどの実験動物でのMHCクラ
スII分子の作用の評価のための試験システムの開発および標準化における薬理学
的手段として、新規のおよび改良された治療薬の継続した探求の一部分として、
または診断用試薬としても価値がある。
本発明を、ここで、次の非制限実施例によって更に詳しく説明するが、ここに
おいて、特に断らない限り、
(i)濃縮および蒸発は、ロータリーエバポレーションによって真空中で行わ
れた;
(ii)操作は、室温で、すなわち、18〜26℃の範囲で行われた;
(iii)収量は、与えられた場合、読者の助けとなるだけのものであり、必ず
しも、高度な処理開発によって達成しうる最大値ではない;
(iv)次の略語:Phv=5−フェニルバレリル;Boc=t−ブトキシカル
ボニル;tBu=t−ブチル;DMF=N,N−ジメチルホルムアミド;HOB
T=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;Met=メチオニン;Fmoc=9−
フルオレニルメチルオキシカルボニル;Fmoc-Pip-OH=N−(9−フルオレニ
ルメトキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸;Fmoc-Papa-OH=4−
[N−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)アミノ]フェニル酢酸;Zまた
はCbZ=ベンジルオキシカルボニル;Pmc=2,2,5,7,8−ペンタメ
チルクロマン−6−スルホニル;Pbf=2,2,4,6,7−ペンタメチルジ
ヒドロベンゾフラン−5−スルホニル;Trt=トリチル;THF=テトラヒド
ロフラン;DMSO=ジメチルスルホキシド;HBTU=2−(1H−ベンゾト
リアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフル
オロリン酸塩;DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン;TFA=トリフルオ
ロ酢酸;HPLC=高性能液体クロマトグラフィー;およびRP−HPLC=逆
相高圧液体クロマトグラフィー(特に断らない限り、ビダク(Vydac)C18カラ
ム218TP54,4.6x250mmで行われた)を(スキーム1および2におい
て)用いる;
(v)シリカ上のフラッシュクロマトグラフィーおよびクロマトグラフィーは
、Eメルク,ダルムシュタット,ドイツから入手されたメルク・キーゼルゲル(
Merck Kieselgel)60(製品番号9385)で行われた;
(vi)1H NMRスペクトルは、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準
として用いてCDCL3またはd6−ジメチルスルホキシド(d6−DMSO)中
において200Mhzで測定されており、そして主要ピークの表示の慣用略語:
s,一重線;m,多重線;t,三重線;br,幅広;d,二重線を用いてTMS
に相対するppmでの化学シフト(δ)値として表わされている;
(vii)次のFmocで保護されたアミノ酸は、Lys、Thr、Argまた
はHis残基の導入のために用いられ、Lysには:Fmoc-Lys(Boc)-OH;Th
rには:Fmoc-Thr(OtBu)-OH;Argには:Fmoc-Arg(Pmc)-OHまたはFmoc-Ar
g(Pbf)-OH;およびHisには:Fmoc-His(Trt)-OHが用いられた;
(viii)式中に-II-がある場合、これは、以下に示される式IIを有するL−ア
ミノ酸の残基を意味し、n、X、R1およびR2の具体的な意味が与えられている
;そして
(ix)式中に-IIIa-がある場合、これは、以下に示される式IIIaを有する基
を意味する。実施例1
Phv-Ala-Ala-Ala-II-Val-Ala-Ala-Ala-Pip-NH2の製造(配列番号:1)
(式II:n=1;X=カルボニル;R1=R2=−CH2CH2OCH2CH2OCH2
CH2OCH3)
1.1 N2−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−N4,N4−ビ
ス(2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル)−L−アスパラギ
ンの製造
(a)1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン(30g)を、N−
ベンジルジエタノールアミン(10g)のテトラヒドロフラン(100ml)中
窒素下撹拌溶液に対して加えた。次に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液
5.3g)を、水浴中で冷却しながら少量ずつ加えた。添加を完了した後、その
混合物を2時間撹拌し、そして追加の水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液4
.4g)を少量ずつ加えた。次に、その混合物を周囲温度で16時間撹拌した。
水(50ml)をその反応混合物に対して注意深く加えて過剰の水素化ナトリウ
ムを破壊し、そしてその混合物を蒸発させて有機溶媒を除去した。水(100m
l)をその残留物に対して加え、そしてその混合物を濃塩酸で約pH2まで酸性
にした後、ジエチルエーテル(2x100ml)で抽出した。抽出物を廃棄した
。次に、水性層を濃水酸化ナトリウム溶液の添加によって約pH12に調整し、
そしてジエチルエーテル(2x150ml)で抽出した。エーテル抽出物を一緒
にし、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして蒸発乾固させた。そ
の残留物を、シリカ上のクロマトグラフィーにより、クロロホルム〜濃アンモニ
ア水で飽和した5%メタノール/クロロホルムまで増加する勾配を用いて精製し
た。適当な画分を集め且つ蒸発乾固させてガム(12g)を与えた。メタノール
ル(1
00ml)に続いて炭素上10%パラジウム(2.5g)およびギ酸アンモニウ
ム(7.2g)を加え、そしてその混合物を窒素下において60℃で1時間撹拌
した。次に、その混合物を冷却し、濾過し、そして蒸発乾固させた。その残留物
を、シリカ上のクロマトグラフィーにより、クロロホルム〜濃アンモニア水で飽
和した10%メタノール/クロロホルムまで増加する勾配を用いて精製した。適
当な画分を集め、一緒にし、そして蒸発乾固させて、N,N−ビス(2−[2−
(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル)アミンをガム(7.1g)として
与えた。
NMR(CDCl3):2.8(m,4H),3.3(s,6H),3.45(
m,4H),3.6(m,16H)。
(b)N−メチルモルホリン(1.6g)、N−t−ブチルオキシカルボニル
−L−アスパラギン酸α−ベンジルエステル(2.6g)、ヒドロキシベンズト
リアゾール(2.16g)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エ
チルカルボキジイミド塩酸塩(1.68g)を、ジメチルホルムアミド(12m
l)中のN,N−ビス(2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル
)アミン(2.5g)に対して撹拌しながら加えた。その混合物を16時間撹拌
した後、水中2%酢酸(50ml)に対して加えた。その混合物を、ジエチルエ
ーテル(2x50ml)で抽出し、そして合わせた有機抽出物を重炭酸ナトリウ
ム溶液で洗浄し且つ乾燥させた(MgSO4)。揮発性物質を蒸発によって除去
して、N2−t−ブチルオキシカルボニル−N4,N4−ビス(2−[2−(2−
メトキシエトキシ)エトキシ]エチル)−L−アスパラギンα−ベンジルエステ
ルをガム(2.8g)として与えた。
NMR(CDCl3):1.4(s,9H),2.9(m,1H),3.2(m
,1H),3.4(s,6H),3.6(m,24H),4.6(m,1H),
5.2(q,2H),5.8(d,1H),7.4(s,5H)。
(c)炭素上10%パラジウム(0.8g)およびシクロヘキサン(1.6g
)を、N2−t−ブチルオキシカルボニル−N4,N4−ビス(2−[2−(2
−メトキシエトキシ)エトキシ]−エチル)−L−アスパラギンα−ベンジルエ
ステル(2.6g)のメタノール(20ml)中溶液に対して加え、そしてその
混合
物を55℃で2時間加熱した。次に、その混合物を冷却し、濾過し、そして蒸発
させた。アセトン(20ml)および水(8ml)をその残留物に対して加え、
そして濃塩酸(2ml)を加えた。その混合物を55℃で1時間加熱し、冷却し
、そして過剰の固体重炭酸ナトリウムで約pH7に調整した。9−フルオレニル
メチルスクシンイミジル炭酸塩(1.36g)を加え、そしてその混合物を16
時間撹拌した。揮発性物質を蒸発によって除去し、そして残留物を水(25ml
)とジエチルエーテル(50ml)とに分配した。水性層を分離し、そして濃塩
酸で約pH3まで酸性にした。次に、その混合物をジクロロメタン(50ml)
で抽出した。有機抽出物を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして蒸発さ
せて、N2−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−N4,N4−ビス(
2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル)−L−アスパラギン[
以下、Fmoc-Asp(PE)-OHと称する](2g)をガムとして与えた。
NMR(CDCl3):2.8(q,1H),3.4(q,1H),3.4(s
,6H),3.6(m,24H),4.2−4.6(m,4H),6.3(d,
1H),7.4(m,4H),7.6(m,2H),7.8(d,2H)。
1.2 Phv-Ala-Ala-Ala-II-Val-Ala-Ala-Ala-Pip-NH2の製造
(式II:n=1;X=カルボニル;R1=R2=−CH2CH2OCH2CH2OCH2
CH2OCH3)
ぺプチドは、FmocリンクアミドMBHA樹脂(ノババイオケム,0.50
g;0.25モル)から出発するFmoc固相合成により、ボンド・エルート(
Bond Elut)チューブ(バリアン(Varian),15ml,下部のフィルターと適
合した)を用いる自動合成および手動合成の混合によって製造された。
Fmoc-Val-Ala-Ala-Ala-Pip-NH−樹脂は、最初に、ABI431自動ペプチド合
成機を用いて、次のようにHBTU/HOBT化学を包含する単アシル化につい
て製造者の提示した条件にしたがって、樹脂を脱保護し、そして逐次的に、Fmoc
-Pip-OH(353mg,1ミリモル)、Fmoc-Ala-OH(311mg,1ミリモ
ル)、Fmoc-Ala-OH(311mg,1ミリモル)、Fmoc-Ala-OH(311mg
,1ミリモル)およびFmoc-Val-OH(339mg,1ミリモル)を用いて結合
し且つ脱保護することによって得られた。脱保護後、樹脂をDMF(10x1
0〜20ml)で洗浄した。カルボン酸(1ミリモル)をDMF中のHBTU(
1当量)、HOBT(1当量)およびDIPEA(2当量)で約11分間活性化
した後、樹脂に移した。アシル化を約60分間行った後、樹脂をDMF(10x
10〜20ml)で洗浄した。各段階でのFomc脱保護は、ピペリジンのDM
F中20%溶液(5mlで各10分間2回の処理)を用いて行われた。それぞれ
の脱保護後、樹脂をDMF(5x10ml)で充分に洗浄した。
配列中に残留する残基を、手動によって逐次的に結合し且つ脱保護した。結合
は、適当なN−Fmocで保護されたアミノ酸(1ミリモル)、DMF(1.5ml
)、HOBT(165mg,1ミリモル)およびジイソプロピルカルボジイミド
(155マイクロリットル,1ミリモル)の溶液の樹脂に対する添加によって行
われた。結合を約30分間放置し、DMF(5x10ml)で洗浄し、そして樹
脂の少量部分を、カイザー(Kaiser)試験(E.カイザーら(1970),Anal.Bio
chem.34,595)を用いて結合の完了について調べた。脱保護は、上記のように行
われた。この方法において、Fmoc-Asp(PE)-OH(323mg,0.5ミリモル
)、Fmoc-Ala-OH(311mg,1ミリモル)、Fmoc-Ala-OH(311mg,
1ミリモル)、Fmoc-Ala-OH(311mg,1ミリモル)および5−フェニル
吉草酸(178mg,1ミリモル)を樹脂に対して逐次的に結合させた。フェニ
ル吉草酸は、カイザー試験による正の結果を得るために二重の偶力を必要とした
。
トリフルオロ酢酸(7.9ml)およびトリエチルシラン(0.395ml)
の混合物を用いてペプチドを樹脂から切断した。2時間後、樹脂をジクロロメタ
ン(約150ml)で洗浄し、そして得られた溶液を蒸発乾固させた。得られた
固体をエーテル(25ml)と水(25ml)とに分配した後、そのエーテルを
追加部分の水(2x25ml)で抽出した。水性相を一緒にし、そして凍結乾燥
させた。
粗生成物は、分離用RP−HPLC(ビダク218TP1022カラム,250mm
x22mm)を用い、20%アセトニトリル/水10ml中の粗製材料を充填し
て精製された。溶離は、0.1%TFAを含有するアセトニトリル−水の勾配を
12ml/分の流量で用いた。生成物含有画分を一緒にし、そして凍結乾燥させ
て、Phv-Ala-Ala-Ala-II-Val-Ala-Ala-Ala-Pip-NH2(但し、IIは、n=1;X
=カルボニルおよびR1=R2=−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3
である式IIを有するL−アミノ酸の残基である)を白色固体(83mg)として
与えた。
その生成物を、HPLC、質量分析およびアミノ酸分析によって次のように特
性決定した。
RP−HPLC(ビダクC18カラム,218TP54,4.6x250mm,0.1
%TFAを含有するアセトニトリルおよび水で溶離し、10〜50%アセトニト
リル勾配を流量1.0ml/分で30分間にわたって用いる)は、純度94%、
保持時間23.29分を示した。
質量分析,m/e(ES+)1220.7(MH+)。
アミノ酸分析(1%フェノールを含有する6N HClの溶液を130℃で用い
る24時間にわたる酸加水分解)は、Ala 5.82,Val 0.98,A
sp 1.19を与えた。
Fmoc-Pip-OHは、N−Fmoc−L−メチオニンについてE.アサトンおよびR
.C.シェパード(“Solid phase peptide synthesis:a practical approach”
,IRLプレス,1989年,51頁)で記載されたのと同様の方法によって得られた
。
Fmoc-Pip-OH:NMR(DMSO−d6)1.3(m,2H),1.7(m,2
H),2.5(m,2H),2.9(t,2H),3.7(m,1H),4.2
(t,1H),4.4(d,2H),7.4(m,4H),7.7(d,2H)
,7.9(d,2H);質量分析m/e(ES+)352.2(MH+)実施例2
Phv-II-Ala-Ala-Lys-Val-Ala-Ala-Ala-Pip-NH2の製造(配列番号:2)
(式II:n=1;X=カルボニル;R1=R2=−CH2CH2OCH2CH2OCH2
CH2OCH3)
合成は、実施例1.2について記載されたのと同様の方法を用いて、逐次的に
(手動によって)Fmoc-Lys(Boc)-OH(468mg,1ミリモル)、Fmoc-Ala-
OH(311mg,1ミリモル)、Fmoc-Ala-OH(311mg,1ミリモル)
、Fmoc-Asp(PE)-OH(323mg,0.5ミリモル)および5−フェニル吉草
酸(178mg,1ミリモル)を、Fmoc-Val-Ala-Ala-Ala-Pip-NH−樹脂(手
動
結合を用いて得られた)に対して結合することによって行われた。ペプチドを樹
脂から切断し、そして粗生成物を、実施例1で記載されたのと同様の条件を用い
て精製した。その生成物を、HPLC、質量分析およびアミノ酸分析によって次
のように特性決定した。
RP−HPLC(30分間にわたる20〜50%アセトニトリル勾配,流量1.
0ml/分)保持時間=16.4分。
質量分析,m/e(ES+)1277.8(MH+)。
アミノ酸分析は、Asp 1.07,Lys 1.05,Ala 4.9,Va
l 0.92を与えた。実施例3
Phv-Ala-Arg-Ala-II-Thr-IIIa-Ala-Papa-NH2の製造(配列番号:3)
(式II:n=1;X=カルボニル;R1=R2=−CH2CON(CH2CH2OC
H3)2)
3.1 N2−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−N4,N4−ビ
ス[N,N−ビス(2−メトキシエチル)カルバモイルメチル]−L−アスパラ
ギンの製造
(a)N−メチルモルホリン(2g)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(4g
)、ビス(2−メトキシエチル)アミン(3.5g)および1−(3−ジメチル
アミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(3.8g)を、ジメチル
ホルムアミド(15ml)中のN−(ベンジルオキシカルボニル)イミノ二酢酸
(2.7g)に対して加え、そしてその混合物を16時間撹拌した。揮発性物質
を蒸発によって除去し、そして残留物を水とジクロロメタンとに分配した。有機
抽出物を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして蒸発させた。その残留物
を、シリカ上のクロマトグラフィーにより、クロロホルム〜10%メタノール/
クロロホルムまで増加する勾配を用いて精製して、N−(ベンジルオキシカルボ
ニル)イミノジ−[N,N−ビス(2−メトキシエチル)]アセトアミドをガム
(2.3g)として与えた。
NMR(d6−DMSO):3.1−3.4(回転異性体による4−重線,12
H),3.5(m,16H),4.2(s,4H),5.05(s,2H),7
.3(m,5H)。
(b)炭素上10%パラジウム(0.2g)およびシクロヘキサン(2ml)
を、エタノール(20ml)中のN−(ベンジルオキシカルボニル)イミノジ−
[N,N−ビス(2−メトキシエチル)]アセトアミド(3.5g)に対して加
え、そしてその混合物を窒素下において55℃で4時間撹拌した。次に、その反
応混合物を冷却し、濾過し、そして蒸発させた。N−メチルモルホリン(1.4
g)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.85g)、N−t−ブチルオキシカ
ルボニル−L−アスパラギン酸α−ベンジルエステル(2.4g)および1−(
3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.6g)
を、残留物のジメチルホルムアミド(15ml)中溶液に対して撹拌しながら加
えた。その混合物を16時間撹拌した後、水中2%酢酸(50ml)に対して加
え、そしてジエチルエーテル(2x50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物
を重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして蒸発させて
、N2−t−ブチルオキシカルボニル−N4,N4−ビス[N,N−ビス(2−メ
トキシエチル)カルバモイルメチル]−L−アスパラギンα−ベンジルエステル
(4.1g)をガムとして与えた。
NMR(d6−DMSO):1.4(s,9H),2.6(m,2H),3.2
(回転異性体による重複一重線,12H),3.4(m,16H),4.0−4
.4(m,5H),5.1(s,2H),6.8(d,1H),7.4(s,5
H)。
(c)実施例1の項目(c)で記載されたのと同様の手順を用いるが、N2−
t−ブチルオキシカルボニル−N4,N4−ビス[N,N−ビス(2−メトキシエ
チル)カルバモイルメチル]−L−アスパラギンα−ベンジルエステル(4g)
を出発物質として用いることによって、N2−(9−フルオレニルメチルオキシ
カルボニル)−N4,N4−ビス[N,N−ビス(2−メトキシエチル)カルバモ
イルメチル]−L−アスパラギン(以下、FMoc-Asp(TE)-OHと称する)(3g
)をガムとして得た。
NMR(CDCl3):2.8(m,1H),3.1(m,1H),3.3(回転
異性体による重複−重線,12H),3.6(m,16H),4.2−4.8(
m,8H),6.4(d,1H),7.4(m,4H),7.6(d,2H),
7.8(d,2H)。
3.2 Phv-Ala-Arg-Ala-II-Thr-IIIa-Ala-Papa-NH2の製造
(式II:n=1;X=カルボニル;R1=R2=−CH2CON(CH2CH2OC
H3)2)
合成は、実施例1.2について記載されたのと同様の方法を用いて、樹脂を脱
保護し、そして逐次的に、Fmoc-Papa-OH、Fmoc-Ala-OH、(2S)−[(3
R)−3−(N−9−フルオレニルメチルオキシカルボニルアミノ)−2−オキ
ソピロリジン−1−イル]プロピオン酸(Fmoc-IIIa-OH)、Fmoc-Thr(OtBu)-
OH、Fmoc-Asp(TE)-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-Ala-O
Hおよび5−フェニル吉草酸を用いて適当な結合工程において結合し且つ脱保護
することによって行われ、これら工程は全て手動によって行われた。その生成物
を、HPLC、質量分析およびアミノ酸分析によって次のように特性決定した。
RP−HPLC(30分間にわたる10〜50%アセトニトリル勾配,流量1.
0ml/分)保持時間=21.88分。
質量分析,m/e(ES+)1395.8(MH+)。
アミノ酸分析は、Asp 1.04,Thr 0.93,Ala 3.12,A
rg 0.92を与えた。
Fmoc-Papa-OHは、N−Fmoc−L−メチオニンについてE.アサトンおよびR
.C.シェパード(“Solid phase peptide synthesis:a practical approach”
,
IRLプレス,1989年,51頁)で記載されたのと同様の方法によって得られた。
Fmoc-Papa-OH:NMR(DMSO−d6)3.5(s,2H),4.25(t
,1H),4.5(d,2H),7.1(d,2H),7.4(m,6H),7
.75(d,2H),7.9(d,2H),9.6(s,1H):質量分析m/
e(ES-)372.1(M−H)-
(2S)−2−[(3R)−3−(N−[9−フルオレニルメチルオキシカル
ボニル]アミノ)−2−オキソピロリジン−1−イル]プロピオン酸(Fmoc-III
a-OH)は、次にように得られた。
(i)Boc-(D)-Met-(L)-Ala-OMeの合成
N−メチルモルホリン(5.6g)、L−アラニンメチルエステル塩酸塩(3
.9g)、HOBt(4.6g)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−
3−エチルカルボジイミド(5.3g)を、Boc-(D)−メチオニン(7g,0
.028モル)の乾燥DMF(50ml)中溶液に対して加えた。その混合物を
一晩中撹拌した。溶媒を蒸発によって除去し、そしてその残留物をジクロロメタ
ン(100ml)と5%水性酢酸(50ml)とに分配した。放置してHOBt
を晶出させ且つ濾過によって除去し、そして有機層を分離し且つ水性重炭酸ナト
リウムで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして蒸発させた。その残留物(8
.5g)を、焼結漏斗中においてジクロロメタンおよびエーテルの混合物(0%
〜100%エーテル)で溶離するフラッシュクロマトグラフィーによって精製し
た。生成物含有画分を一緒にし、そして蒸発させて、Boc-(D)-Met-(L)-Ala-OM
e(7.2g)をガムとして与え、これを放置して結晶化させた。
NMR(CDCl3):1.4(d.3H),1.45(s,9H),1.95
(m,1H),2.1(s,3H),2.1(m,1H),2.6(m,2H)
,3.75(s,3H),4.3(bs,1H),4.6(m,1H),5.3
(m,1H),6.9(bs,1H)。
(ii)(2S)−2−[(3R)−3−(N−[t−ブチルオキシカルボニル
]アミノ)−2−オキソピロリジン−1−イル]プロピオン酸メチルの合成 注記:この配列は、乾燥条件下において乾燥溶媒を用いて行われるべきであり
、さもなければ、エピマー化が起こるであろう。ヨウ化メチル(10ml)を、
DMF(20ml)およびジクロロメタン(20ml)の混合物中のBoc-(D)-Me
t-(L)-Ala-OMe(8g)に対して加え、そしてその混合物を16時間放置した
後、蒸発乾固させた。追加のジクロロメタン(2x50ml)を加え且つ蒸発さ
せて、残留するヨウ化メチルを除去し、そしてその残留物を、DMF(300m
l)およびジクロロメタン(300ml)の混合物中に溶解させた。その混合物
を約5℃まで冷却し、そして水素化ナトリウム(鉱油中80%分散液0.76g
)を一度に加え、そしてその混合物をこの温度で2時間撹拌した。飽和水性塩化
アンモニウム(50ml)を加え、そしてその混合物を蒸発乾固させた後、水と
エーテルとに分配した。エーテル抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ、そして
蒸発させてガムを与え、これを、焼結漏斗上のフラッシュクロマトグラフィー(
25%酢酸エチル:ヘキサン〜100%酢酸エチル)によって精製して、(2S
)−2−[(3R)−3−(N−[t−ブチルオキシカルボニル]アミノ)−2
−オキソピロリジン−1−イル]プロピオン酸メチルをガム(4.2g)として
与え、これを放置して結晶化させた。
NMR(CDCl3):1.4(s,9H),1.4(d,3H),1.8(m
,1H),2.6(m,1H),3.4(m,2H),3.7(m,3H),4
.2(m,1H),4.9(q,1H),5.2(bs,1H)。
(iii)(2S)−2−[(3R)−3−(N−[9−フルオレニルメチルオ
キシカルボニル]アミノ)−2−オキソピロリジン−1−イル]プロピオン酸(
Fmoc-IIIa-OH) (2S)−2−[(3R)−3−(N−[t−ブチルオキシカルボニル]アミ
ノ)−2−オキソピロリジン−1−イル]プロピオン酸メチル(4g)を、アセ
トン(60ml)、水(40ml)および濃塩酸(24ml)の混合物中で3時
間還流した後、その混合物を蒸発乾固させた。水を加え、そして蒸発を繰返した
。その残留物を水(15ml)中に溶解させ、そして過剰の固体重炭酸ナトリウ
ムを加えた。アセトン(30ml)中の9−フルオレニルメチルスクシンイミジ
ル炭酸塩(5.2g)を加えた。その混合物を16時間撹拌した後、溶媒を蒸発
によって除去し、そしてその残留物を水とエーテルとに分配した。水性層を分離
し、そのpHを塩酸で約3に調整し、そしてジクロロメタンで抽出した。有機層
を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして蒸発させて白色泡状物を与え、
これをエーテルでの研和で結晶化させて、(2S)−2−[(3R)−3−(N
−[9−フルオレニルメチルオキシカルボニル]アミノ)−2−オキソピロリジ
ン−1−イル]プロピオン酸(4.2g)を白色固体,mp.191〜3℃(分
解)として与えた。
NMR(CDCl3):1.4(d,3H),2.0(m,1H),2.6(m
,1H),3.4(m,2H),4.2(t,1H),4.4(m,3H),4
.9(m,1H),5.8(bs,1H),7.4(m,4H),7.6(d,
2H),7.7(d,2H)。実施例4
Phv-Ala-Ala-Ala-II-Val-Ala-Ala-Ala-Pip-NH2の製造(配列番号:4)
(式II:n=1;X=カルボニル;R1=R2=−CH2CON(CH2CH2OC
H3)2)
合成は、実施例1.2について記載されたのと同様の方法を用い、適当な結合
工程においてFmoc-Asp(PE)-OHの代わりにFmoc-Asp(TE)-OHを用いて行われた
。その生成物を、HPLC、質量分析およびアミノ酸分析によって次のように
特性決定した。
RP−HPLC(30分間にわたる10〜50%アセトニトリル勾配,流量1.
0ml/分)保持時間=23.9分。
質量分析,m/e(ES+)1274.7(MH+)。
アミノ酸分析は、Asp 1.03,Ala 5.94,Val 0.98を与
えた。実施例5
Phv-Arg-Ala-Ala-IIIa-Ala-II-Ala-Papa-NH2の製造(配列番号:5)
(式II:n=1;X=カルボニル;R1=R2=−CH2CH2OCH2CH2OCH2
CH2OCH3)
合成は、実施例1.2について記載されたのと同様の方法を用いて、逐次的に
、(手動によって)Fmoc-Papa-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Asp(PE)-OH、Fmoc
-AIa-OH、Fmoc-IIIa-OH、Fmoc-Ala-OH(2回)、Fmoc-Arg(Pbf)-OHおよ
び5−フェニル吉草酸を結合し且つ脱保護した後、樹脂からの切断および分離用
RP−HPLCよる精製を行うことによって実施された。その生成物を、HPL
C、質量分析およびアミノ酸分析によって次のように特性決定した。
RP−HPLC(30分間にわたる10〜50%アセトニトリル勾配,流量1.
0ml/分)保持時間=20.45分。
質量分析,m/e(ES+)656.4(M+2H++)。
アミノ酸分析は、Arg 1.06,(Ala+IIIa)4.85,Asp 1
.09を与えた。実施例6
Phv-Arg-Ala-Ala-II-Thr-IIIa-Ala-Papa-NH2の製造(配列番号:6)
(式II:n=1;X=カルボニル;R1=R2=−CH2CON[(CH2CH2O
)3CH3]2
6.1 N2−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−N4,N4−ビ
ス[N,N−ビス(2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル)カ
ルバモイルメチル]−L−アスパラギンの製造 FMoc-Asp(TE)-OHの製造について実施例3.1で記載されたのと同様の手順
を用いるが、項目(a)においてビス(2−メトキシエチル)アミンの代わりに
、比例した量のビス(2−2[−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル)
アミンを用いることによって、N2−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニ
ル)−N4,N4−ビス[N,N−ビス(2−[2−(2−メトキシエトキシ)エ
トキシ]エチル)カルバモイルメチル]−L−アスパラギン(以下、FMoc-Asp(T
PE)-OHと称する)を油状物として得た。
NMR(CDCl3):2.9(m,1H),3.1(m,1H),3.4(m
,12H),3.6(m,48H),4.2−4.6(m,8H),7.4(m
,4H),7.6(m,2H),7.8(d,2H)。
次の中間体は、工程(a)および(b)をそれぞれ行うことで得られた。
N−(ベンジルオキシカルボニル)イミノジ−[N,N−ビス(2[2−(2−
−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル)]−アセトアミド;
NMR(CDCl3):3.4(m,12H),3.6(m,48H),4.3
(s.2H),4.4(s,2H),5.05(s,2H),7.3(s,5H
)。
N2−t−ブチルオキシカルボニル−N4,N4−ビス[N,N−ビス(2−[2
−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチル)カルバモイルメチル]−L−ア
スパラギンα−ベンジルエステル;
NMR(CDCl3):1.9(s,9H),2.7(m,1H),3.05(
m,1H),3.4(m,12H),3.6(m,48H),4.4(m,5
H),5.2(s,2H),5.9(bd,1H),7.4(m,5H)。
6.2 Phv-Arg-Ala-Ala-II-Thr-IIIa-Ala-Papa-NH2の製造
(式II:n=1;X=カルボニル;R1=R2=−CH2CH2OCH2CH2OCH2
CH2OCH3)
合成は、実施例1.2について記載されたのと同様の方法を用いて、逐次的に
、(手動によって)Fmoc-Papa-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-IIIa-OH、Fmoc-Th
r(OtBu)-OH、Fmoc-Asp(TPE)-OH、Fmoc-Ala-OH(2回)、Fmoc-Arg(Pbf)-
OHおよび5−フェニル吉草酸を結合し且つ脱保護した後、樹脂からの切断およ
び分離用RP−HPLCによる精製を行うことによって実施された。その生成物
を、HPLC、質量分析およびアミノ酸分析によって次のように特性決定した。
RP−HPLC(30分間にわたる10〜50%アセトニトリル勾配,流量1.
0ml/分)保持時間=23.61分。
質量分析,m/e(ES+)1748.0(MH+)。
アミノ酸分析は、Arg 1.01,Ala 3.18,IIIa 1.05,A
sp 0.97,Thr 0.78を与えた。実施例7
Phv-Ala-Ala-Ala-II-Thr-Pro-Arg-Gly-Papa-NH2の製造(配列番号:7)
(式II:n=1;X=カルボニル;R1=R2=−CH2CON(CH2CH2OC
H3)2)
合成は、実施例1.2について記載されたのと同様の方法を用いて、逐次的に
、(手動によって)Fmoc-Papa-OH、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-Arg(Pbf)−OH、Fm
oc-Pro-OH、Fmoc-Thr(OtBu)-OH、Fmoc-Asp(TE)-OH、Fmoc-Ala-OH(3回
)および5−フェニル吉草酸を結合し且つ脱保護した後、樹脂からの切断および
分離用RP−HPLCによる精製を行うことによって実施された。その生成物を
、HPLC、質量分析およびアミノ酸分析によって次のように特性決定した。
RP−HPLC(30分間にわたる20〜50%アセトニトリル勾配,流量1.
0ml/分)保持時間=16.07分。
質量分析,m/e(ES+)1395.7(MH+)。
アミノ酸分析は、Arg 1.01,Ala 3.06,Asp 1.02,T
hr 0.92,Pro 0.92,Gly 1.05を与えた。実施例8
Phv-II-Arg-Ala-His-Val-IIIa-Ala-Papa-NH2の製造(配列番号:8)
(式II:n=2;X=カルボニル;R1=R2=−CH2CON(CH2CH2OC
H3)2)
8.1 N2−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−N4,N4−ビ
ス[N,N−ビス(2−メトキシエチル)カルバモイルメチル]−L−グルタミ
ンの製造
FMoc-Asp(TE)-OHの製造について実施例3.1で記載されたのと同様の手順
を用いるが、項目(b)においてN−t−ブチルオキシカルボニル−L−アスパ
ラギン酸α−ベンジルエステルの代わりに、比例した量のN−t−ブチルオキシ
カルボニル−L−グルタミン酸α−ベンジルエステルを用いることにより、N2
−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−N4,N4−ビス[N,N−ビ
ス(2−メトキシエチル)カルバモイルメチル]−L−グルタミン(以下、FMoc
-Glu(TE)-OHと称する)を油状物として得た。
NMR(CDCl3):2.0−2.4(m,4H),3.3(m,12H),
3.5(m,16H),4.2−4.6(m,8h),7.4(m,4H),7
.6(m,2H),7.8(d,2H)。
次の中間体は、工程(b)を行うことで得られた。
ガムとして、N2−t−ブチルオキシカルボニル−N4,N4−ビス[N,N−ビ
ス(2−メトキシエチル)カルバモイルメチル]−L−グルタミンα−ベンジル
エステル;
NMR(CDCl3):1.4(s,9H),2.0(m,1H),2.2(m
,1H),2.4(m,2H),3.3(s,12H),3.5(m,16H)
,4.1−4.5(m,5H),5.2(s,2H),7.3(s,5H)。
8.2 Phv-II-Arg-Ala-His-Val-IIIa-Ala-Papa-NH2の製造
(式II:n=2;X=カルボニル;R1=R2=−CH2CON(CH2CH2OC
H3)2)
合成は、実施例1.2について記載されたのと同様の方法を用いて、逐次的に
、(手動によって)Fmoc-Papa-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-IIIa−OH、Fmoc-V
al-OH、Fmoc-His(Trt)-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-Glu
(TE)-OHおよび5−フェニル吉草酸を結合し且つ脱保護した後、樹脂からの切
断および分離用RP−HPLCによる精製を行うことによって実施された。その
生成物を、HPLC、質量分析およびアミノ酸分析によって次のように特性決定
した。
RP−HPLC(30分間にわたる10〜50%アセトニトリル勾配,流量1.
0ml/分)保持時間=22.23分。
質量分析,m/e(ES+)1472.2(MH+)。
アミノ酸分析は、Arg 0.95,Ala 2.17,His 0.98,G
lu 0.99,Val 0.92,IIIa 0.96を与えた。実施例9
本発明の化合物は、治療的または予防的使用のために、ヒトなどの温血動物に
対して慣用的な医薬組成物の形で投与することができ、その典型的な例には、次
のものが含まれる。注射用溶液
活性成分0.01〜100gを、最大2mlまでの水性注射用ビヒクル中に溶
解させて、活性成分0.01〜100mg/mlの濃度を与える。水性注射用ビ
ヒクルは、薬学的に許容しうる緩衝剤(例えば、リン酸塩または酢酸塩)を用い
てpH5〜8に緩衝され、そして等張に達するまで加えられる薬学的に許容し
うる張度調整剤(tonicity adjustment agent)(例えば、塩化ナトリウムまた
はデキストロース)を含有する。そのビヒクルは、場合により、可溶化剤(例え
ば、DMSO、エタノール、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコー
ル)、保存剤および抗酸化剤などの他の薬学的に許容しうる賦形剤も含有しうる
。活性成分は、典型的に、本明細書中前に記載された実施例であってよいし且つ
薬学的に許容しうる塩として好都合に存在しうる。
注記:
(1) 式IVを有する基を含有するペプチドには、(S)−2−[1−(9−フ
ルオレニルメチルオキシカルボニル)−6−オキソ−1,7−ジアザスピロ[4
.4]ノン−7−イル]プロピオン酸(Fmoc-IV-OH)を次のように得ることが
できる。
(i)(RS)−2−アリル−N−(ベンジルオキシカルボニル)プロリンの
合成
THF(20ml)中のN−べンジルオキシカルボニルプロリンメチルエステ
ル(13g)を、THF(100ml)中のリチウムジイソプロピルアミド(2
7.5ml,ヘキサン/THF中2M)に対して窒素下において−78℃で滴加
した。その混合物を30分間撹拌した後、ヨウ化アリル(5.5ml)を滴加し
、そしてその混合物を更に30分間撹拌した後、周囲温度まで暖めた。次に、そ
の混合物を水性塩化アンモニウム(200ml)に対して加え、そしてエーテル
(2x200ml)で抽出した。エーテル層を蒸発させ、そして残留物をシリカ
上のクロマトグラフィーによって、ヘキンサン〜20%酢酸エチル:ヘキサンま
で増加する勾配を用いて精製した。蒸発乾固した適当な画分は、(RS)−2−
アリル−N−(ベンジルオキシカルボニル)プロリン酸(prolinate)メチル
(9g)を油状物として与えた。
この材料8.5gをメタノール(40ml)中に溶解させ、そして水酸化ナト
リウム(4.5g)を水(20ml)中で加え、そしてその混合物を60分間還
流した。次に、その混合物のpHを濃塩酸で7に調整し、そしてメタノールを蒸
発によって除去した。その混合物のpHを3に調整し、そして混合物をエーテル
(2x50ml)で抽出した。合わせたエーテル抽出物を蒸発させて、(RS)
−2−アリル−N−(ベンジルオキシカルボニル)プロリンをガムとして与えた
。
NMR(d6−DMSO(373K)):1.9(m,2H),2.1(m,2
H),2.6(q,1H),2.9(q,1H),3.4(m,1H),3.6
(m,1H),5.0(m,4H),5.75(m,1H),7.3(m,5H
)。
(ii)[(RS)−2−アリル−N−(ベンジルオキシカルボニル)]プロリ
ル−(S)−アラニンメチルエステルの合成
HOBt(7.7g)、N−メチルモルホリン(6.6g)、L−アラニンメ
チルエステル塩酸塩(4.5g)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−
3−エチルカルボジイミド(5.7g)を、DMF(30ml)中の(RS)−
2−アリル−N−(ベンジルオキシカルボニル)プロリン(6.5g)に対して
加え、そしてその混合物を18時間撹拌した後、蒸発させた。その残留物をエー
テルと水とに分配し、濾過してHOBtを除去し、そして有機層を分離した。有
機層を蒸発させ、そして残留物をシリカ上のクロマトグラフィーによって、ヘキ
サン中20%酢酸エチル〜ヘキサン中50%酢酸エチルまで増加する勾配を用い
て精製した。適当な画分を一緒にし、そして蒸発乾固させて、[(RS)−2−
アリル−N−(ベンジルオキシカルボニル)]プロリル−(S)−アラニンメチ
ルエステル(7g)を与えた。
NMR(d6−DMSO(373K)):ジアステレオ異性体の混合物によるピ
ークの若干の倍増,1.25および1.3(2d,3H),1.75(m,2H
),2.2(m,2H),2.65(m,1H),2.9(m,1H),3.4
(m,1H),3.65(2s,3H),3.7(m,1H),4.3(2q,
1H),5.0(m,4H),5.7(m,1H),7.3(m,5H),7.
4および7.5(bs,1H)。
(iii)(S)−2−(1−ベンジルオキシカルボニル−6−オキサ−1,7
−ジアザスピロ[4.4]ノン−7−イル)プロピオン酸メチルの合成
(CbZ-IV-OMe)
オスミウムテトロキシド(4%水溶液1.5ml)を、メタノール(30ml
)および水(20ml)の混合物中の[(RS)−2−アリル−N−(ベンジル
オキシカルボニル)]プロリル−(S)−アラニンメチルエステル(1.45g
)に対して加えた。その混合物をアルゴン下において10分間撹拌した後、過ヨ
ウ素酸ナトリウム(2.45g)を少量ずつ加えた。その混合物を2時間撹拌し
た後、水(100ml)を加え、そしてその混合物を酢酸エチル(2x70ml
)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ且つ蒸発させて、ガム1.4gを与え
た。そのガムをジクロロメタン(30ml)およびトリエチルシラン(0.65
g)中に溶解させた後、トリフルオロ酢酸(4g)を滴加した。その混合物を3
時間撹拌し、蒸発させ、そしてその残留物を水性重炭酸ナトリウムとエーテルと
に分配した。エーテル抽出物を分離し、そして蒸発乾固させた。その残留物をシ
リカ上のクロマトグラフィーによって、へキサン中25%酢酸エチル〜100%
酢酸エチルまで増加する勾配を用いて精製した。適当な画分を一緒にし、そして
蒸発
乾固させて、(S)−2−(1−ベンジルオキシカルボニル−6−オキソ−1,
7−ジアザスピロ[4.4]ノン−7−イル)プロピオン酸メチル(0.8g)
を与えた。
NMR(d6−DMSO(373K)):ジアステレオ異性体の混合物によるピ
ークの若干の倍増,1.25および1.35(2d,3H),1.95(m,6
H),3.1−3.5(m,4H),3.6および3.65(2s,3H),4
.5および4.65(2q,1H),5.05(m,2H),7.25(m,5
H)。
(iv)(S)−2−(6−オキソ−1,7−ジアザスピロ−[4.4]ノン−
7−イル)プロピオン酸(H−IV−OH)の合成
炭酸カリウム(2.5g)を、メタノール(40ml)および水(40m1)
の混合物中の(S)−2−(1−ベンジルオキシカルボニル−6−オキソ−1,
7−ジアザスピロ[4.4]ノン−7−イル)プロピオン酸メチル(3.3g)
に対して加え、そしてその混合物を周囲温度で10時間撹拌した。そのpHを濃
塩酸で約5に調整し、そしてその混合物を蒸発乾固させた。その残留物を水(4
0ml)中に溶解させ、そしてそのpHを濃塩酸で3に調整した。次に、その混
合物をジクロロメタン(2x50ml)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ
(MgSO4)且つ蒸発させて、泡状物(2.8g)を生じた。その泡状物をメ
タノール(20ml)中に溶解させ、そしてシクロヘキセン(0.7g)に続い
て10%Pd/C(0.5g)を加えた。その混合物を2時間還流し、冷却し、
濾過し、そして濾液を蒸発させて、(S)−2−(6−オキソ−1,7−ジアザ
スピロ[4.4]ノン−7−イル)プロピオン酸を泡状物(1.9g)として与
えた。
NMR(d6−DMSO):ジアステレオ異性体の混合物によるピークの若干の
倍増,1.25および1.35(2s,3H),1.8(m,4H),2.0(
m,2H),3.0(m,2H),3.3(m,2H),4.5(m,1H)。
(v)(S)−2−[1−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−6
−オキソ−1,7−ジアザスピロ−[4.4]ノン−7−イル]プロピオン酸(
Fmoc-IV-OH)の合成
過剰の固体重炭酸ナトリウムを、水(2ml)中の(S)−2−(6−オキソ
−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノン−7−イル)プロピオン酸(0.42g
)に対して加えた後、アセトン(3ml)中の9−フルオレニルメチルスクシン
イミジル炭酸塩(0.7g)を加えた。その混合物を18時間撹拌した。次に、
その混合物を水(10ml)に対して加え、エーテル(10ml)で抽出し、そ
して水性層を分離した。(エーテル抽出物は廃棄された)。その水性層のpHを
濃塩酸で約3に調整した後、それをジクロロメタン(2x10ml)で抽出した
。合わせた抽出物を分離し、乾燥させ(MgSO4)、そして蒸発させて、(S
)−2−[1−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)−6−オキソ−1
,7−ジアザスピロ[4.4]ノン−7−イル]プロピオン酸(0.62)を白
色泡状物として与えた。
NMR(d6−DMSO(373K)):ジアステレオ異性体の混合物によるピ
ークの若干の倍増,1.3(2d,3H),1.6−2.0(m,6H),3.
05(m,1H),3.2−3.45(m,3H),4.2−4.4(m,1H
),4.5(m,1H),6.2(s,2H),7.35(m,4H),7.8
(m,4H)。
(2) 式Vaを有する基を含有する化合物には、(3S)−3−(9−フルオ
レニルメトキシカルボニルアミノ)−2−オキソペルヒドロアゼピン−1−酢酸
(Fmoc−Va−OH)を次のように得ることができる。
(i)(3S)−3−アミノ−ε−カプロラクタム(25g)およびトリエチ
ルアミン(19.7g)を、THF(200ml)中に溶解させ且つ5℃まで冷
却した。THF(50ml)中のクロロギ酸ベンジル(33g)を30分間にわ
たって滴加した。その反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した後、水(500
ml)中に注いだ。その反応混合物を酢酸エチル(3x100ml)で抽出した
。合わせた抽出物を乾燥させ(MgSO4)且つ蒸発させた。その残留物をエー
テル(40ml)で研和し、そして濾過して、(S)−3−ベンジルオキシカル
ボニルアミノ−ε−カプロラクタム20gを白色固体として与えた。
NMR(d6−DMSO):1.1−2(m,6H),2.9−3.2(m,2
H),4.1−4.25(m,1H),5.0(s,2H),7.25−7.4
(m,5H),7.75(t,1H)。
(ii)水素化ナトリウム(2g)のDMF(100ml)中混合物を、アルゴ
ン流下において0℃まで冷却した。(S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミ
ノ−ε−カプロラクタム(10g)を、反応温度を5℃未満に保持するような速
度で少量ずつ20分間にわたって加えた。撹拌を0℃で40分間続けた後、ブロ
モ酢酸t−ブチル(8.2g)を10分間にわたって滴加した。その反応混合物
を0℃で1時間および周囲温度で更に18時間撹拌した。その反応混合物を水(
600ml)中に注ぎ、そして酢酸エチル(6x75ml)で抽出した。合わせ
た抽出物を水(3x100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして蒸
発させた。その残留物をシリカ上のMPLCによって20%酢酸エチル/ジクロ
ロメタンで溶離して精製して、(3S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−2−オキソペルヒドロアゼピン−1−酢酸t−ブチル(15g)を透明油状物
として与えた。
NMR(d6−DMSO):1.4(s,9H),1.5−1.9(m,6H)
,3.5−3.65(m,1H),3.9−4.15(m,2H),4.4(m
,1H),5.0(s,2H),7.1(d,1H),7.35(m,5H);
質量分析,m/e(ES+)377(MH+)。
(iii) (3S)−3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−オキソペル
ヒドロアゼピン−1−酢酸t−ブチル(15g)をエタノール(150ml)中
に
溶解させ、そしてアルゴンでパージした。炭素上10%パラジウム(1.5g)
を加え、そしてそのフラスコを減圧にし且つバルーンからの水素で満たした。そ
の反応混合物を周囲温度で4時間撹拌した。次に、その反応混合物をアルゴンで
パージし、そして珪藻土を介して濾過した。その濾液を蒸発させて、(3S)−
3−アミノ−2−オキソペルヒドロアゼピン−1−酢酸t−ブチル(7.7g)
を粘性油状物として与えた。
NMR(CDCl3):1.45(s,9H),1.55−2.05(m,6H
),3.2−3.3(d,1H),3.35−3.75(2個の重複する二重線
,2H),3.95−4.25(q,2H);
質量分析,m/e(ES+)243.2(MH+)。
(iv)(3S)−3−アミノ−2−オキソペルヒドロアゼピン−1−酢酸t−
ブチル(7g)のTHF(50me)中溶液を、炭酸ナトリウム(3g)の水(
30ml)中溶液に対して加えた。次に、N−(9−フルオレニルメトキシカル
ボニルオキシ)スクシンイミド(9.7g)のTHF(100ml)中溶液を、
撹拌しながら30分間にわたって滴加した。その反応混合物を周囲温度で更に3
0分間撹拌した。水(200ml)を加え、そしてその反応混合物を酢酸エチル
(3x100ml)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(100ml)で洗
浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして蒸発させた。その残留物をシリカ上のM
PLCによって、最初にジクロロメタンで溶離し、そして徐々に15%酢酸エチ
ル/ジクロロメタンまで増加させて精製して、(3S)−3−(9−フルオレニ
ルメトキシカルボニルアミノ)−2−オキソペルヒドロアゼピン−1−酢酸t−
ブチル(10.9g)を透明油状物として与えた。
NMR(d6−DMSO):1.45(s,9H),1.5−2.15(m,6
H),3.1−3.25(m,1H),3.6−3.75(m,1H),4.0
−4.5(m,5H),6.25(d,1H),7.25−7.45(m,4H
),7.6(d,2H),7.75(d,2H);
質量分析,m/e(ES+)465.2(MH+)。
(v)(3S)−3−(9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ)−2−
オキソペルヒドロアゼピン−1−酢酸t−ブチル(10.5g)を、ジクロロメ
タン(30ml)中に溶解させ、そしてトリフルオロ酢酸(20ml)を加えた
。その反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。ジクロロメタン(100ml
)を加え、そしてその反応混合物を水(4x100ml)で洗浄し、乾燥させ(
MgSO4)、そして蒸発させた。その残留物をシリカ上のMPLCによって、
25%酢酸エチル/ジクロロメタンに続いて酢酸エチルで溶離して精製して油状
物を与えた。イソヘキサンでの研和は白色固体を与え、これを濾過し、そして真
空下において60℃で乾燥させて、(3S)−3−(9−フルオレニルメトキシ
カルボニルアミノ)−2−オキソペルヒドロアゼピン−1−酢酸(5.5g)を
与えた。
NMR(d6−DMSO):1.4−1.95(m,1H),3.15−3.4
(m,1H),3.55−3.7(m,1H),3.9−4.2(m,2H),
4.25−4.45(m,2H),7.15(d,1H),7.25−7.45
(m,4H),7.75(m,2H),7.85(d,2H);
質量分析,m/e(ES−)407.1(M−H-)。
化学式スキーム1スキーム2
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C07K 1/06 C07K 7/06 ZNA
7/06 ZNA A61K 37/02
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU
,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,
CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G
B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG
,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,
LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG
,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,
US,UZ,VN,YU
(72)発明者 ルーク,リチャード・ウィリアム・アーサ
ー
イギリス国チェシャー エスケイ10 4テ
ィージー,マックレスフィールド,オルダ
リー・パーク,ミアサイド(番地なし)
(72)発明者 オールダム,キース
イギリス国チェシャー エスケイ10 4テ
ィージー,マックレスフィールド,オルダ
リー・パーク,ミアサイド(番地なし)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 式I P−AA1−AA2−AA3−AA4−AA5−AA6−AA7−AA8−Q [式中、Pは、疎水性残基であり; AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、AA7およびAA8は、L−アミ ノ酸残基であり、ここにおいて、AA1、AA4およびAA7の内1個、2個また は3個は、式II (式中、nは、整数1、2、3または4であり: Xは、−NH−CO−、−CO−または−O.CO−であり; R1およびR2は、(A)、(B)および(C)から選択され、ここにおいて、 (A)は、式−(CH2)a−CO−N(R3)(R4)を有する基であり、式中 、aは、整数1または2であり、そしてR3およびR4は、基−[(CH2)bO]m −Raから独立して選択され、ここにおいて、Raはメチルまたはエチルであり 、そしてmは整数1、2、3、4または5であり;mが1である場合、bは2ま たは3であり、そしてmが2、3、4または5である場合、それぞれの単位−( CH2)bO−中のbの値は、2および3から独立して選択され; (B)は、式−(CH2)cC(CH2)d−CO−N(R5)(R6)を有する基 であり、式中、cは、整数2または3であり、dは、整数1、2または3であり 、そしてR5およびR6は、基−[(CH2)eO]p−Rbから独立して選択され、 ここにおいて、Rbはメチルまたはエチルであり、そしてpは整数1、2、3、 4または5であり;pが1である場合、eは2または3であり、そしてpが2、 3、4または5である場合、それぞれの単位−(CH2)eO−中のeの値は、2 およ び3から独立して選択され;そして (C)は、式−[(CH2)fO]g−R7を有する基であり、式中、R7はメチ ルまたはエチルであり、そしてgは整数1、2、3、4または5であり;gが1 である場合、fは2または3であり、そしてgが2、3、4または5である場合 、それぞれの単位−(CH2)fO−中のfの値は、2および3から独立して選択 される) を有するL−アミノ酸の残基から選択され;または AA1、AA2、AA3、AA6、AA7およびAA8は、L−アミノ酸残基であり 、ここにおいて、AA1およびAA7の一方または両方は、上に定義の式IIを有す るL−アミノ酸の残基から選択され、そしてAA4はAA5と一緒になって、式II I、IIIa、IV、IVa、VまたはVa (式中、Ra、RbおよびRzは、水素および(1−4C)アルキルから独立し て選択され、そしてAは酸素またはメチレンである) を有する基を形成し;または AA1、AA2、AA3、AA4、AA5およびAA8は、L−アミノ酸残基であり 、ここにおいて、AA1およびAA4の一方または両方は、上に定義の式IIを有す るL−アミノ酸の残基から選択され、そしてAA6はAA7と一緒になって、上に 定義の式III、IIIa、IV、IVa、VまたはVaを有する基を形成し;そして Qは、OH、NH2、NRcRdであり、ここにおいて、Rcは、(1−4C )アルキル、2−カルバモイルシクロペンチル、2−ピリジルメチル、4−カル バモイルシクロヘキシル、4−カルバモイルシクロヘキシルメチル、3−カルバ モイルフェニル、4−カルバモイルフェニル、4−(カルバモイルメチル)フェ ニル、4−(カルボキシメチル)フェニル、2−モルホリノエチルおよび式−A1 −G1 (式中、A1は、(3−7C)アルキレンでありまたはA1は、 (1)A2がp−フェニレン若しくは1,4−シクロヘキシレンであり且つB2 が(1−4C)アルキレンであり、またはA2がメチレンであり且つB2がp−フ ェニレン若しくは1,4−シクロヘキシレンである式−A2−B2−を有する基; および (2)A3がメチレンであり、B3がp−フェニレンまたは1,4−シクロヘキ シレンであり、そしてC3が(1−3C)アルキレンである式−A3−B3−C3− を有する基から選択され;そして G1は、式−N=C[N(Rp)2]2を有する基であり、式中、Rpはそれぞ れ、水素、メチル、エチルおよびプロピルから独立して選択される) を有する基から選択され;そしてRdは、水素または(1−4C)アルキルであ り;または Qは、1−ピペラジニル、4−メチル−1−ピペラジニル、4−(2−(2− ヒドロキシエトキシ)エチル)−1−ピペラジニル、4−アミジノ−1−ピペラ ジニル、1−ピペリジルまたは4置換−1−ピペリジルであり、ここにおいて、 4−置換基は、カルボキシ、カルバモイル、N−(2−アミノエチル)カルバモ イルおよびN−(4−アミノブチル)カルバモイルから選択され;または Qは、1〜6個のアミノ酸残基を有する配列またはそのアミドである] を有するペプチド誘導体またはその薬学的に許容しうる塩。 2. AA1、AA2、AA3、AA5、AA6、AA7およびAA8がL−アミノ 酸残基であり、PおよびQが、請求項1で定義の意味のいずれかを有し、そして IIが、請求項1で定義の式IIを有するL−アミノ酸の残基である式P−AA1− AA2−AA3−II−AA5−AA6−AA7−AA8−Qを有するペプチド誘導体で ある請求項1に記載のペプチド誘導体またはその薬学的に許容しうる塩。 3. AA1、AA2、AA3、AA5およびAA8がL−アミノ酸残基であり、 PおよびQが、請求項1で定義の意味のいずれかを有し、IIが、請求項1で定義 の式IIを有するL−アミノ酸の残基であり、そしてIIIaが、請求項1で定義の 式IIIaを有する基である式P−AA1−AA2−AA3−IIIa−AA5−II−AA8 −Qを有するペプチド誘導体である請求項1に記載のペプチド誘導体またはそ の薬学的に許容しうる塩。 4. AA1、AA2、AA3、AA5およびAA8がL−アミノ酸残基であり、 PおよびQが、請求項1で定義の意味のいずれかを有し、IIが、請求項1で定義 の式IIを有するL−アミノ酸の残基であり、そしてIIIaが、請求項1で定義の 式IIIaを有する基である式P−AA1−AA2−AA3−II−AA5−IIIa−AA8 −Qを有するペプチド誘導体である請求項1に記載のペプチド誘導体またはそ の薬学的に許容しうる塩。 5. AA2、AA3、AA4、AA5およびAA8がL−アミノ酸残基であり、 PおよびQが、請求項1で定義の意味のいずれかを有し、IIが、請求項1で定義 の式IIを有するL−アミノ酸の残基であり、そしてIIIaが、請求項1で定義の 式IIIaを有する基である式P−II−AA2−AA3−AA4−AA5−IIIa−AA8 −Qを有するペプチド誘導体である請求項1に記載のペプチド誘導体またはそ の薬学的に許容しうる塩。 6. Pが、5〜20個の炭素原子を有する脂肪族、芳香族若しくは混合脂肪 族/芳香族の有機基、または5〜20個の炭素原子並びに酸素、硫黄および窒素 から選択される1個、2個若しくは3個のヘテロ原子を有するヘテロ芳香族若し くは混合脂肪族/ヘテロ芳香族の有機基である請求項1〜5のいずれかに記載の ペプチド誘導体またはその薬学的に許容しうる塩。 7. 式IIを有するL−アミノ酸の残基において、n=1または2、X=カル ボニル、そしてR1およびR2が、両方とも請求項1で定義の式(A)を有する同 一の基であるまたは両方とも式(C)を有する同一の基である請求項1〜6のい ずれかに記載のペプチド誘導体またはその薬学的に許容しうる塩。 8. R1およびR2が、両方とも−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OC H3であるまたは両方とも−CH2CON(CH2CH2OCH3)2であるまたは両 方とも−CH2CON[(CH2CH2O)3CH3]2である請求項7に記載のペプ チド誘導体またはその薬学的に許容しうる塩。 9. 存在する場合のAA1〜AA8が、次のアミノ酸の残基、 Ala、Ile、Tyr、Val、GlU、Lys、Arg、Gly、GaP 、GapMe4および3,3,3−トリフルオロアラニンから選択されるAA1; Ala、Lys、Glu、Sar、Val、Arg、Gly、Pro、Ile 、Tic、3,3,3−トリフルオロアラニンおよびN6−ジエチルLysから 選択されるAA2; Ala、His、Gln、Val、Thr、Glu,Gly、Asp、Asn およびN3−ジエチルDapから選択されるAA3; Ala、Lys、Asn、Arg、Thr、Glu、Sar、Gly、Pro 、HisおよびN6−ジエチルLysから選択されるAA4; Thr、Val、Ala、Gly、Dap,Dab、Pro、Hyp、Asn 、SerおよびN3−ジエチルDapから選択されるAA5; Gly、Leu,Lys、Ala、Pro、Glu、Sar、HisおよびD apから選択されるAA6; Pro、Ala、Lys、Arg、Glu、Sar、Gly、OicおよびD icから選択されるAA7;および Ala、Gly、Dap、アザアラニンおよびアザグリシンから選択されるA A8 から選択される請求項1〜8のいずれかに記載のペプチド誘導体またはその薬学 的に許容しうる塩。 10.Qが、4−カルバモイル−1−ピペリジルおよび4−(カルバモイルメ チル)アニリノから選択される請求項1〜9のいずれかに記載のペプチド誘導体 またはその薬学的に許容しうる塩。 11.疎水性基Pが5−フェニルバレリルである請求項1〜10のいずれかに 記載のペプチド誘導体またはその薬学的に許容しうる塩。 12.Phvが5−フェニルバレリル基である化合物 またはその薬学的に許容しうる塩である請求項1に記載のペプチド誘導体または その薬学的に許容しうる塩。 13.Phvが5−フェニルバレリル基である化合物 またはその薬学的に許容しうる塩である請求項1に記載のペプチド誘導体または その薬学的に許容しうる塩。 14.請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iを有するペプチド誘導体ま たはその薬学的に許容しうる塩を薬学的に許容しうる希釈剤または担体と一緒に 含む医薬組成物。 15.請求項1に記載のペプチド誘導体またはその薬学的に許容しうる塩の製 造方法であって、適当に保護されたアミノ酸または適当に保護されたアミノ酸の 2個若しくはそれ以上の配列、式H−II−OH、H−III−OH、H−IIIa−O H、H−IV−OH、H−IVa−OH、H−V−OHまたはH−Va−OHを有す る適当に保護された基、および場合により、式H−Qを有する適当に保護された 基を適当な順序で逐次的に結合した後、そのN末端アミノ基の任意の官能基修飾 を行って疎水性基Pを導入し、そして残留する保護基および固体支持体をいずれ も除去することを含む上記方法。 16.MHCクラスII依存性T細胞に媒介される自己免疫疾患または炎症性疾 患を治療する方法であって、このような治療を必要とする温血動物に対して、有 効量の請求項1に記載の式Iを有するペプチド誘導体またはその薬学的に許容し うる塩を投与することを含む上記方法。 17.慢性関節リウマチまたは嚢胞性線維症を治療するための請求項16に記 載の方法。 18.MHCクラスII依存性T細胞に媒介される自己免疫疾患または炎症性疾 患の治療で用いるための新規薬剤の製造における請求項1に記載の式Iを有する ペプチド誘導体またはその薬学的に許容しうる塩の使用。 19.n、X、R1およびR2が、請求項1で定義の意味のいずれかを有する式 IIを有する保護されたまたは保護されていないアミノ酸またはその塩。
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