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JP2001278782A - 二層型経皮吸収製剤 - Google Patents

二層型経皮吸収製剤

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JP2001278782A
JP2001278782A JP2001019184A JP2001019184A JP2001278782A JP 2001278782 A JP2001278782 A JP 2001278782A JP 2001019184 A JP2001019184 A JP 2001019184A JP 2001019184 A JP2001019184 A JP 2001019184A JP 2001278782 A JP2001278782 A JP 2001278782A
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純一 須藤
Tsuneji Nagai
恒司 永井
Kozo Takayama
幸三 高山
Katsuhiko Sumino
勝彦 角野
Hiroaki Iwase
博明 岩瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より保存安定性に優れる二層型経皮吸収製剤
を提供する。 【解決手段】 吸収促進剤−基剤含有シートを主剤含有
シートの上に積層してなる二層型経皮吸収製剤。上記主
剤含有シートは、製剤の総重量に対して0.5〜15重
量%の主剤と、主剤を含有させるための紙または布帛か
ら選ばれる基材とからなるものであり、上記吸収促進剤
−基剤含有シートは、製剤の総重量に対して85〜9
9.5重量%の基剤と、紙、布帛、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、アセテートまたは
これらの共重合体、キチン、キトサン、シリコーン薄膜
およびポリビニルピロリドン架橋物からなる群から選ば
れる基材とからなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬物担持層と基剤
−吸収促進剤とを含む二層型経皮吸収製剤に関する。よ
り詳細には、基剤中で変性を起こしやすい薬物を有効成
分とする場合の二層型経皮吸収製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、薬剤は、標的部位、作用部位に
おける薬物濃度、その代謝と生物学的半減期などの諸要
素によって、経口、静脈内、経皮吸収および直腸内など
の各種の投与経路を選択し、それに応じた処方で投与さ
れる。しかし、消化液による薬物の破壊や肝での代謝に
よる速やかな薬物の不活性化などの問題や、一度に大量
の薬物を血中に移行させることによる重篤な副作用の出
現といった問題により、上記のような投与経路では治療
用の薬物を投与できない場合があることが知られてい
る。また、薬物の吸収量の厳密な制御、または徐放化が
必要とされる場合や、基剤に対する薬物の溶解度によっ
て吸収効率が大きく左右される場合などもあり、上記3
つ以外の投与経路として、皮膚から薬物を吸収させ標的
部位に到達させるという、全身作用を期待して、皮膚を
通して薬物を持続的に供給するドラッグデリバリーシス
テムが開発されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このシステムにおいて
は、適用された薬物は皮膚の角質層などを透過して血中
に移行するが、主剤の性質と基剤との組合せによって主
剤の吸収の程度が支配され、水溶性の主剤の場合にはほ
とんど吸収されない。このため、従来は、脂溶性の高い
ニトログリセリン、エストラジオール、硝酸イソソルビ
ドなどを主剤とする経皮吸収製剤が開発されてきたが、
水溶性の薬物(活性成分)を体内で長時間にわたって低
濃度に保つことができる製剤の開発が望まれており、本
発明者らはすでにL−dopaを主剤とする経皮吸収製
剤を開発し、平成10年特許願第207338号で開示
している。この製剤は、主剤である水溶性薬物の経皮吸
収効率がよい一層型ヒドロゲル製剤であるが、流通過程
における保存条件によっては市販された場合に製剤が変
色するおそれがあることが明らかになった。すなわち、
上記の製剤は調製後、遮光し低温保存して比較的短い期
間内に使用する場合には問題はないが、流通過程におけ
る保存条件などを考慮すると、より保存安定性に優れる
経皮吸収製剤の開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、こうした
経皮吸収製剤の保存中に、基剤中における主剤の変性を
防止し、保存安定性をさらに向上させるために鋭意検討
を重ねた結果、主剤(以下、「薬物」または「主薬」と
いうことがある。)を基剤と吸収促進剤とから分離する
ことによって、主剤の皮膚からの吸収性を維持したまま
で、製剤の保存安定性を向上させることができることを
見出し、本発明を完成したものである。すなわち、本発
明は、主剤含有シートと、主剤の吸収を促進する吸収促
進剤と基剤とを含有する吸収促進剤−基剤含有シートと
を含む二層型経皮吸収製剤である。前記主剤含有シート
は、製剤の総重量に対して、0.5〜15重量%の主剤
と、主剤を含有させるための紙または布帛から選ばれる
基材とからなるものであることが好ましい。
【0005】また、前記主剤は、麻薬性の鎮痛作用を有
する薬物;非ステロイド系の抗炎症作用を有する薬物;
利尿作用を有する薬物;抗精神作用を有する薬物;催眠
作用を有する薬物;抗てんかん作用を有する薬物;パ−
キンソン用薬として用いる薬物;鎮吐作用を有する薬
物;ホルモン類;鎮痛作用を有する薬物;狭心症用薬と
して用いる薬物;抗不整脈作用を有する薬物;強心作用
を有する薬物;カルシウムの感受性の調節作用を有する
薬物;抗ヒスタミン作用を有する薬物;抗アレルギー作
用を有する薬物;降圧作用を有する薬物;アミノ酸、ア
ミノ酸誘導体、遊離のアミノ基となるべき基を有するペ
プチドおよびタンパクからなる群から選ばれるものであ
ることが好ましい。
【0006】前記吸収促進剤−基剤含有シートは、吸収
促進剤と油脂性基剤または水溶性基剤と、これらを担持
するための担持基材とを含むものであることが好まし
い。前記油脂性基剤は、炭化水素、高級アルコール、高
級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、グリコール類、植物油
および動物油からなる群から選ばれる少なくとも1種以
上のものであることが好ましく、前記水溶性基剤は、カ
ルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルセルロー
スおよびメチルセルロースからなる群から選ばれる少な
くとも1種以上のものであることが好ましい。
【0007】前記吸収促進剤は、油脂性基剤を使用する
場合には、尿素類、ピロリドン誘導体、脂肪酸エステ
ル、精油類、エイゾン(1−ドデシルアザシクロヘプタ
ン−2−オン、米国ネルソン社製)およびその類縁体な
どからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のもので
あることが好ましい。また、水溶性基剤を使用する場合
には、モノテルペン、ジテルペン、およびセスキテルペ
ンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上のテルペ
ン類と、炭素数2または3のアルコールとからなるもの
であることが好ましい。
【0008】前記吸収促進剤−基剤含有シートは、吸収
促進剤と基剤との合計量に対して90〜99.9重量%
の油脂性基剤と、0.1〜10重量%の吸収促進剤と、
全体を100重量%とするに必要な量の他の助剤を含有
してなるものであることが好ましい。または、前記吸収
促進剤−基剤含有シートは、吸収促進剤と基剤との合計
量に対して0.5〜25重量%の油脂性基剤と、10〜
55重量%の吸収促進剤と、全体を100重量%とする
に必要な量の他の助剤を含有してなるものであることが
好ましい。
【0009】前記他の助剤は、炭素数4〜8のジアルキ
ルエタノールアミンおよび炭素数2〜8のアジピン酸ジ
アルキルの少なくとも一方と、水とからなるものである
ことが好ましく、前記他の助剤は、少なくとも1種以上
の炭素数2〜5の多価アルコールをさらに含むものであ
ることが好ましい。または、前記担持基材は、紙、布
帛、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチエ
レン、ポリプロピレン、ポリエステル、アセテートまた
はこれらの共重合体、キチン、キトサン、豚皮、シリコ
ーン薄膜およびポリビニルピロリドン架橋物からなる群
から選ばれるものであることが好ましい。
【0010】なお、本発明の二層型経皮吸収製剤は、被
覆用シートをさらに含んでもよく、こうした被覆用シー
トは、紙および布帛を除き、上記の担持基材と同一のも
のを使用することができる。さらに、ゴアテックス(登
録商標、ジャパンゴアテックス(株))、エントラント
(登録商標、東レ(株)、シンパテックス(登録商標、
Sympatex Technologies GmbH)、豚皮、および人工皮膚
からなる群から選ばれるものをも好適に使用することが
できる。本明細書中では、「製剤の総重量」とは、吸収
促進剤および他の助剤を含有する基剤の重量と主剤の重
量との合計をいう。また、「担持基材」とは、主剤およ
び吸収促進剤−基剤を担持する材料をいう。「布帛」と
は、織布、不織布、および編物を意味する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の二層型経皮吸収製剤は、主剤を含有する主
剤含有シートと、主剤の皮膚への移行および皮膚におけ
る吸収を促す吸収促進剤−基剤含有シートとを含むもの
である。通常は、適用部位に主剤含有シートをまず貼付
し、その上に吸収促進剤−基剤含有シートを、吸収促進
剤−基剤が主剤含有シートと接触するように積層して使
用する。
【0012】まず、主剤含有シートについて説明する。
ここで、主剤含有シートは、製剤の総重量に対して約
0.5〜15重量%の主剤を液状または半固体状にし、
紙または布帛からなる基材に含浸または塗布して製造さ
れるものである。主剤の量を製剤の総重量の0.5〜1
5重量%としたのは以下の理由による。0.5重量%未
満では、投与量が少なくなるために投与回数が多くな
り、投薬の管理が難しくなり、逆に、15重量%を超え
ると皮膚から吸収しきれない主剤が無駄になること、ま
た、薬物によっては投与量が多くなり過ぎて副作用が出
るからである。2〜10重量%とすることがさらに好ま
しい。薬物にもよるが、約5重量%とすると、投与回数
を1日1回程度とすることができ、さらに主剤も無駄な
く吸収されるという利点がある。
【0013】主剤としては、下記のような薬物を使用す
ることができる。具体的には、例えば、モルヒネ及びそ
の塩(例えば塩酸モルヒネ)、フェンタニ−ル、ブプレ
ノルフィン、ジヒドロキシエトルフィン等の麻薬性の鎮
痛作用を有する薬物;インドメタシン、イブプロフェ
ン、イブフェナック、アクロフェナック、ジクロフェナ
ック、メフェナム酸、ケトプロフェン、フェニルブタゾ
ン、サリチル酸メチル、ピロキシカム等の非ステロイド
系の抗炎症作用を有する薬物;コルチゾン、ヒドロコル
チゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ジプロピオ
ン酸ベタメサゾン、吉草酸ベタメタゾン、トリアムシノ
ロン、フルオシロアセトニド等のステロイド系の抗炎症
作用を有する薬物;
【0014】ベンドロフルメチアジド、ポリチアジド、
メチクロチアジド、トリクロルメチアジド、ベンチルヒ
ドロクロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ブメタニ
ド等の利尿作用を有する薬物;エモナブリド、ジアゼパ
ム、ニトラゼパム、フルニトラゼパム、ロラゼパム、プ
ラゼパム、フルジアゼパム、クロナゼパム、クロルプロ
マジン、レセルピン、トリフルペリド−ル、ハロペリド
−ル、モペロン等の抗精神作用を有する薬物;バルビタ
−ル、チオペンタ−ル、フェノバルビタ−ル、シクロバ
ルビタ−ル等の催眠作用を有する薬物;エトサクシミ
ド、パルプロ酸ナトリウム、アセタソラミド、メプロバ
メ−ト等の抗てんかん作用を有する薬物;クロルゾキサ
ゾン、塩酸タリペキソール、レボドパ(以下、「L−d
opa」ともいう。)等のパ−キンソン用薬として用い
る薬物;
【0015】トクロプラミド、塩酸メトクロプラミド等
の鎮吐作用を有する薬物;アザセトロン、グラニセトロ
ン、オンダンセトロン、ラモセトロン、トロピセトロン
などの5−HT受容体拮抗制吐薬;インシュリン、テ
ストステロン、メチルテストステロン、プロゲステロ
ン、エストラジオ−ル等のホルモン類;アスピリン、コ
デイン、アセトアニリド、アミノピリン等の鎮痛作用を
有する薬物;スルファミン、スルファモノメトキシン、
スルファメチゾ−ル等のスルファニルアミドの構造をも
つ薬物(抗病原微生物作用、降圧利尿作用、糖尿病用薬
として使用される薬物に大別される);ニトログリセリ
ン、硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリト−ル;
プロバニルニトレ−ト、ジピリダモ−ル、塩酸パパベリ
ン等の狭心症用薬として用いる薬物;アジマリン、ピン
ドロ−ル、プロプラノロ−ル、キニジン、メキシレチン
等の抗不整脈作用を有する薬物; カフェイン、ジゴキ
シン、ジギトキシン、アムリノン、ミルリノン、ピモベ
ンダン等の強心作用を有する薬物;
【0016】塩酸ニカルジピン、塩酸ジルチアゼム、ニ
バジピン、ニフェジピン、ニトレジピン、ニルジピン、
ニモジピン、ニルジピン等のカルシウム拮抗作用を有す
る薬物;塩酸ジフェンヒドラミン、カルビノキサミン、
ジフェニルピラリン、フェンベンズアミン、マレイン酸
クロルフェニラミン、マレイン酸ブロムフェニラミン、
ジフェニルイミダゾ−ル、クレミゾ−ル等の抗ヒスタミ
ン作用を有する薬物;抗アレルギー作用を有する薬物で
あるフマル酸ケトチフェン;降圧作用を有する薬物であ
るクロニジン;その他、タウリン、グリシン、リジン、
システイン等をはじめとする各種アミノ酸、これらアミ
ノ酸の誘導体、遊離のアミノ基となるべき基を有するペ
プチドやタンパク、葉酸およびテトラヒドロ葉酸などの
葉酸誘導体等を挙げることができる。
【0017】本発明の主剤含有シートは、上記のような
薬物を適当な溶媒に溶解して液状または半固体状とし、
基材に含浸または塗布し、溶媒を留去して製造する。こ
のため、液状の主剤を含浸させる場合には、液体の保持
力の大きなものを使用することが好ましい。上述したよ
うに、織布、不織布、および編物からなる布帛は、天然
繊維または化学繊維その他の繊維から作られるものであ
るが、本発明の二層型経皮吸収製剤において使用する布
帛は、ある程度の粗さの繊維構造を有するものであれば
どのようなものも使用することができ、特に限定されな
い。天然繊維としては、例えば、綿や麻などの植物性繊
維を挙げることができ、化学繊維としては、例えば、ビ
スコースレーヨンなどの再生繊維、アセテート−レーヨ
ンなどの半合成繊維、ナイロンなどの合成繊維を挙げる
ことができる。
【0018】具体的には、このような基材としては、ガ
ーゼ、ワイパーシート(日本キンバリークラーク(株)
製)、油漉紙(ザ・ダイソー(株)製)その他の天然繊
維を原料とする不織布などを挙げることができ、これら
を使用することが、主剤の担持性とヒドロゲルの移行性
とのバランスが良いこと、およびコストの面から好まし
い。次に吸収促進剤−基剤含有シートについて説明す
る。本発明の二層型経皮吸収製剤で使用する吸収促進剤
−基剤含有シートは、吸収促進剤と油脂性基剤または水
溶性基剤と、これらを担持するための担持基材とを含む
ものである。
【0019】一般に、基剤は、日本薬局方に規定もある
ように、油脂性基剤、乳剤性基剤、水溶性基剤に分けら
れるが、このうち、軟膏および坐剤の基剤として使用さ
れる疎水性のものを油脂性基剤といい、軟膏剤の基剤と
して用いられ、極めて水に溶け易いものを水溶性基剤と
いう。こうした油脂性基剤としては、豚脂、牛脂、脂肪
油、炭化水素、高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪
酸エステル、グリコール類、植物油、動物油などを使用
することができる。具体的には、炭化水素としては、例
えば、炭素数12〜32の炭化水素が挙げられ、種々の
炭化水素の混合物である流動パラフィン、分枝状パラフ
ィン(商品名アイソパー)、固形パラフィン、白色ワセ
リンなどが挙げられる。これらのうちで、固形パラフィ
ンや白色ワセリンなどを使用することが好ましい。
【0020】高級アルコールとしては、例えば、炭素数
12〜30の一価の脂肪族アルコールが挙げられる。具
体的には、ラウリルアルコール、ドデシルアルコール、
ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチ
ルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシル
アルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコー
ル、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セ
リルコール、メシルアルコールなどがある。これらの中
でも、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘ
プタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイ
ルアルコールなどを使用することが好ましく、セチルア
ルコール、ステアリルアルコール、またはオレイルアル
コールを使用することが好ましい。
【0021】また、高級脂肪酸としては、例えば、炭素
数6〜32の直鎖状または分枝状の飽和または不飽和脂
肪酸が挙げられる。具体的には、例えば、カプロン酸、
エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデシル
酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタ
デシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン
酸、オレイン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、リノール
酸、リノレン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン
酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセ
ル酸、エライジン酸、ブラシジン酸などを挙げることが
でき、ミリスチン酸、オレイン酸などを使用することが
好ましい。
【0022】高級脂肪酸エステルとしては、例えば、炭
素数10〜32の脂肪酸と炭素数14〜32の一価の脂
肪族アルコールとのエステル、炭素数10〜22の飽和
または不飽和の脂肪酸とグリセリンとのエステルおよび
これらのエステルの水素添加物などを挙げることができ
る。具体的には、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン
酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、リグノセリン
酸セリルなどの脂肪酸エステル、ラノリン、後述する各
種のろう、グリセリルラウレート、グリセリルモノミリ
スチレート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモ
ノステアレート、グリセリルジラウレート、グリセリル
ジミリスチレート、グリセリルジステアレート、グリセ
リルトリラウレート、グリセリルトリミリスチレート、
グリセリルトリステアレートなどを挙げることができ
る。グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステア
レート、グリセリルトリステアレートを使用することが
好ましい。
【0023】脂肪油としては、ダイズの種子から得たダ
イズ油、ヤブツバキまたはその近縁植物の種皮を除いた
種子から得たツバキ油、ナタネナの種子から得たナタネ
油、ラッカセイの種子から得たラッカセイ油、ゴマの種
子から得たゴマ油、ベニバナから得られるサフラワー油
などの植物油、ミンク油、卵黄油、スクワラン、ヒツジ
の毛から得た脂肪様物質を精製して得られるラノリン、
魚油、鯨油、および肝油などの動物油を挙げることがで
きる。また、上記のような脂肪油に水素を添加した硬化
油などを含める場合もある。ろうとしては、カルナウバ
ヤシの葉から得たカルナウバロウ、トウヨウミツバチま
たはヨーロッパミツバチなどのミツバチの巣から得たろ
うを精製したミツロウ、ミツロウを漂白したサラシミツ
ロウなどを挙げることができる。また、ミツロウと上記
のような植物油(日本局方収載の植物油の中、通例、食
用に供するもの)とを日本薬局方に従って配合すると、
単軟膏となる。
【0024】ワセリンは、黄色ワセリン、白色ワセリン
および親水ワセリンの3種類に分けることができる。こ
れらのうち、黄色ワセリンは、石油から得た炭化水素類
の混合物を精製したもので、エタノールに溶けにくく、
水にはほとんど溶けず、エーテル、石油ベンジンまたは
テレビン油に透明またはわずかに不溶分を残して溶け
る。白色ワセリンは、石油から得た炭化水素類の混合物
を精製したもので、ほとんどすべての薬物と変化なく配
合し得るので、種々の軟膏基剤、化粧品基剤として広く
用いられる。また、親水ワセリンは、日本薬局方の記載
に従ってサラシミツロウとステアリルアルコールとコレ
ステロールと白色ワセリンとを配合して調製することが
できる。日本薬局方の記載に従ってサラシミツロウとセ
スキオレイン酸ソルビタンと白色ワセリンを配合する
と、白色軟膏となる。
【0025】油脂性基剤を用いた軟膏の硬度を上げるた
めには、石油から得た固形の炭化水素類混合物であるパ
ラフィンや石油から得た液状の炭化水素類の混合物であ
る流動パラフィンなどを添加すればよい。また、水溶性
基剤としては、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシ
プロピルセルロース(以下、「HPC」ともいう)、マ
クロゴール、メチルセルロースなどを挙げることがで
き、使用感がよいことから、カルボキシビニルポリマ
ー、HPC、マクロゴールを好適に使用することができ
る。こうした基剤用化合物は、単独で使用してもよく、
2種以上を適宜選択し組み合わせて使用してもよい。こ
うした基剤は、軟膏の保存性その他の製剤としての性質
を決定付けるものでもある。
【0026】カルボシキビニルポリマーは、カルボキシ
ル基をもった水溶性のビニルポリマーであり、アクリル
酸を主として、これらに少量のショ糖などを配した共重
合体である。Goodrich Co. (Cleveland, Ohio, USA)
によって開発され、濃化、分散および乳化剤として、9
34、940、および941の3つのグレードのものが
市販されている。分子量は、934および940が2,
000〜3,000,000、941が1,000,0
00〜1,500,000である。ハイビスワコー(和
光純薬工業(株)製)の商品名でも市販されている。
【0027】カルボキシビニルポリマーは、高純度、均
一な品質が化粧品や医薬品の製造に良好な再現性を与え
ること、流動性を失わずに、高度の増粘(濃化)を示す
こと、10〜70℃の温度範囲では温度の変化によって
粘度が殆ど変わらないこと、エタノールおよびグリセリ
ンに対して親和性が良いこと、バクテリアなどによる生
物学的分解を受けにくいこと、適当な中和剤が用いられ
た場合には、広いpH範囲でゲル安定性を示すこと、そ
して多くの化粧品および医薬品類に用いられる原材料と
の親和性が高いといった特性を有する。マクロゴール
は、酸化エチレンと水との重合体であり、下記式
【0028】
【化1】
【0029】で表される、ポリエチレングリコールの総
称である。ポリエチエレングリコール400、150
0、4000、6000および20000が日本薬局方
に収載されている。これらはいずれも、水、エタノー
ル、有機溶剤に溶けやすく、400は軟膏、錠剤の基
剤、乳化剤として、1500も医薬品、化粧品の基剤と
して用いられ、4000は固形化化粧品の可塑剤または
医薬品の軟膏基剤として用いられている。マクロゴール
4000と400とを半量ずつ加えて製造したものはマ
クロゴール軟膏と呼ばれ、水溶性の軟膏基剤として用い
られている。
【0030】HPCは、木材パルプまたはリンターパル
プからアルカリセルロースを得て、酸化プロピレンを作
用させて粗製HPCとし、弱残により中和した後、熱湯
でゲル化精製し、乾燥、粉砕して得られる。HPCは構
造中に親水基と親油基とをもち、非イオン性であるた
め、塩類や酸、アルカリにも安定である。水、メタノー
ル、エタノール、またはイソプロパノールを加えると、
粘性の液となる。適度の界面活性があり、プロピレング
リコールなどとの相溶性に優れるため、ローション、ク
リームなどに用いられる。上記の基剤のうち、カルボキ
シビニルポリマーを使用すると、一定の幅の分子量の化
合物が選択できることから、軟膏基剤となる組成物の特
性を一定にしやすいという利点がある。
【0031】また、カルボキシビニルポリマーを基剤と
して多量に使用すると、軟膏が酸性となって皮膚刺激性
が出てくるため、使用量を製剤の総重量に対して約0.
5〜約2重量%とすることが好ましい。酸性の基剤溶水
溶性高分子を使用した場合には、助剤として後述する中
和剤を添加する。HPCなどの中性のものを使用する場
合には、中和剤は不要である。中性の基剤用水溶性高分
子は、製剤の総重量に対して5〜15重量%の量で使用
することが好ましい。5重量%未満では基剤の硬度が低
くなって柔らかくなりすぎ、15重量%を超えると基剤
が硬すぎて塗布しにくくなるからである。約10重量%
とすると、もっともよい使用感が得られる。
【0032】炭素数2〜5の多価アルコールとしては、
エチレングリコール、プロピレングリコールなどの2価
のアルコール、グリセリンなどの3価のアルコールなど
を例示することができる。これらの多価アルコールは、
単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使
用してもよいが、プロピレングリコールを使用すること
が好ましい。プロピレングリコールは、無色透明なシロ
ップ状の液体で、医薬品に多く用いられる有機薬品、水
溶性ビタミン類、色素、香料などをよく溶かし、湿潤性
があり、かつ殺菌性もある。また、医薬品などに配合す
るとねばっこさを残さずに皮膚を柔らげ、展性や貼着性
を良くするため、軟膏基剤として好適に使用することが
できることによる。
【0033】吸収促進剤は、皮膚からの主剤の吸収を高
めるものをいう。本発明においては、吸収促進剤は、上
述したような脂溶性の主剤と油脂性の基剤との組み合わ
せを用いる場合には、通常、経皮吸収製剤に使用される
ものであればよく、例えば、尿素、チオ尿素などの尿素
類、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、5
−メチル−2−ピロリドン、1,5−ジメチルピロリド
ンなどのピロリドン誘導体、ミリスチン酸メチル、ミリ
スチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチ
ン酸イソプロピル、カプリン酸イソプロピル、カプロン
酸イソプロピルなどの脂肪酸エステル、l−メントー
ル、ローズマリー油、カルダモン油、バジル油、ユーカ
リ油、スペアミント油、ラベンダー油、イランイラン
油、サンダルウッド油などの精油類、エイゾンおよびそ
の類縁体、シクロデキストリン、チオグリコール酸カル
シウムなどが挙げられる。主剤および油脂性基剤の皮膚
透過性を考慮しつつ、これらとの相溶性などを勘案して
適宜選択すればよい。また、水溶性の主剤と水溶性基剤
との組み合わせを使用する場合には、モノテルペンと、
炭素数2または3のアルコールとからなるものを使用す
ることが主剤の経皮吸収を適度に高める点で好ましい。
【0034】脂溶性の主剤と油脂性の基剤とを組み合わ
せた場合には、必要に応じて、例えば、エタノールとl
−メントール、1,3−ブチレングリコールとl−メン
トール、エタノールとl−メントールとローズマリー
油、エタノールとl−メントールとラベンダー油、エタ
ノールとl−メントールとサンダルウッド油などを好適
に使用することができる。なお、油脂性基剤の皮膚透過
性が十分に高い場合には、吸収促進剤を添加する必要は
ない。水溶性の主剤と水溶性基剤との組み合わせにおい
て使用する炭素数2または3のアルコールとしては、エ
タノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどを
挙げることができるが、吸収促進作用の面からエタノー
ルが好ましく、組成物の総重量に対して5〜59重量%
の量で使用することが好ましい。エタノール濃度が5重
量%未満では主剤の吸収が不充分となり、59重量%を
超えると皮膚への大きなダメージが出現するからであ
る。
【0035】モノテルペンは炭素数10のテルペン化合
物の集合をいい、具体的には、ミルセン、リモネン、カ
ンフェンなどの炭化水素類、シトロネロール、ゲラニオ
ール、メントールなどのアルコール類、シトラール、ペ
リアルデヒドなどのアルデヒド類、メントン、ヨノンな
どのケトン類、およびシネオールなどが含まれる。セス
キテルペンは炭素数15のテルペン化合物の集合をい
い、ビサボレン、ジンギベレンなどの炭化水素類、ファ
ルネソール、オイデスモール、セドロールなどのアルコ
ール類、シベロンなどのケトン類、その他ヒノキ酸など
が含まれる。
【0036】ジテルペンは炭素数20のテルペン化合物
の集合をいい、レチノール、フィトール、などのアルコ
ール類、その他アビエチン酸、ピマル酸、マノイルオキ
シドなどが含まれる。これらのテルペンからなる群から
選ばれるものとしては、d−リモネンまたはl−メント
ールが好ましい。これらを使用すると、主剤の吸収増強
効果が高くなること、また、清涼感があるため患者が使
用するに際しても受け入れやすいという利点がある。d
−リモネンおよびl−メントールの含有量は、製剤の総
重量に対して、約1〜約5重量%とすることが好まし
い。約1重量%未満では、主剤の吸収増強効果および清
涼感ともに不充分であり、約5重量%を超えると皮膚に
対して刺激性が出てくることによる。約1〜約3重量%
とすることが好ましく、約2重量%とすることが、主剤
の吸収増強効果と十分な清涼感が得られるという点でさ
らに好ましい。
【0037】使用するエタノール濃度とテルペン濃度と
の組合せは、以下のようにして決定する。ここでは、エ
タノールとl−メントールの組合せを例にとって説明す
る。具体的には、ある濃度のエタノールとl−メントー
ルとの組合せを用いて、分配パラメータであるK’値の
上昇を観察する。まず、ある濃度のエタノールとl−メ
ントールとの組合せを選択して、そのK’値を測定す
る。ついで、エタノールの濃度を高めていくとK’値は
上昇していくが、ある濃度を超えるとK’値は上昇しな
くなる。このことに基づいて、K’値の上昇が見られた
組合せの中から、レボドパのドナー溶液から皮膚への分
配率を考慮して、エタノール濃度とテルペン濃度の組合
せを選択する。
【0038】例えば、20重量%エタノールと1〜5重
量%のl−メントールとの混合液、40重量%エタノー
ルと1〜5重量%のl−メントール、50重量%のエタ
ノールと1〜5重量%のl−メントールの混合液という
組合せを比較したときに、20重量%のエタノールと1
〜5重量%のl−メントールの組合せで得られたK’値
よりも、40重量%のエタノールと1〜5重量%のl−
メントールの組合せで得られたK’値が高くなっていた
が、50重量%のエタノールとの組合せではK’値に上
昇が見られなかったとする。この場合には、約40重量
%以下のエタノールと1〜5重量%のl−メントールと
の組合せが好ましいということになる。
【0039】本発明において使用する助剤は、上述よう
に、酸性の水溶性基剤を用いた場合にはその中和に使用
する中和剤からなる。例えば、上述のカルボキシビニル
ポリマーを使用した場合には、助剤は、炭素数4〜8の
ジアルキルエタノールアミンおよび炭素数2〜8のアジ
ピン酸ジアルキルからなる群から選ばれる、少なくとも
1種以上の化合物と水とを含むことが好ましい。炭素数
4〜8のジアルキルエタノールアミンとしては、ジエチ
ルエタノールアミン、ジプロピルエタノールアミン、ジ
イソプロピルエタノールアミン、ジブチルエタノールア
ミン、ジイソブチルエタノールアミンなどを例示するこ
とができる。
【0040】また、炭素数2〜8のアジピン酸ジアルキ
ルとしては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ
ブチルなどを例示することができる。基剤としてカルボ
キシビニルポリマーのような酸性高分子を使用した場合
には、ジイソプロピルエタノールアミンと、アジピン酸
ジイソプロピルと、水とを助剤として使用する。これら
の化合物は、ジイソプロピルエタノールアミンを約0.
5〜約2重量%、アジピン酸ジイソプロピルを約1〜約
4重量%として使用することが、カルボキシビニルポリ
マーの酸性を中和すること、および使用感が良く、肌に
なめらかなヒドロゲルが得られることから好ましい。ジ
イソプロピルエタノールアミンを約1重量%、アジピン
酸ジイソプロピルを約2重量%で使用することがさらに
好ましい。
【0041】本発明の製剤は、主剤含有シート中に製剤
の総重量に対して約0.5〜15重量%の主剤を含み、
吸収促進剤−基剤含有シート中に0.5〜25重量%の
水溶性基剤、10〜55重量%の吸収促進剤、および他
の助剤を全体を100重量%とするに足る量含有してな
る。ここで、水溶性基剤、吸収促進剤、主剤、および他
の助剤は上述した通りである。ヒドロゲル含有シートの
作製を、基剤用水溶性高分子としてカルボキシビニルポ
リマーを、吸収増強剤としてl−メントールとエタノー
ルとを使用して行う場合を例にとって説明する。
【0042】所定量のカルボキシビニルポリマーを所定
量の精製水と混和し、一昼夜放置する。水分を吸収して
ゲル状となったら、適量のプロピレングリコールとジイ
ソプロピルエタノールアミンとアジピン酸ジイソプロピ
ルとを混和する。吸収促進剤として、所定量のl−メン
トールを含むエタノールをここに加えて混和し、ついで
水を加えて再度混和して表示量となるようにする。こう
した得られた基剤を上述した基剤上に塗布して、ヒドロ
ゲル含有シートとする。なお、ヒドロゲル含有シートの
基材は、主剤の吸収を効率よく行うために、主剤含有シ
ートよりも一回り大きくしておくことが好ましい。
【0043】主剤含有シートを、L−dopa主剤とし
て使用して作製する場合を例にとって説明する。所定量
のL−dopaを塩酸に溶解し、この溶解液の一定量を
他の容器に移し、上記の主剤含有シート用の基材に含浸
させる。この主剤を−25℃のフリーザー中にて凍結さ
せた後に、1〜2時間減圧にして乾燥し、レボドパ含有
シートとする。上記のヒドロゲル含有シートとレボドパ
含有シートとは、使用まで別々に遮光して保存する。な
お、油脂性基剤を使用する場合には、脂溶性の高い主剤
を用いると皮膚からの吸収性を高く保つことができる。
また、ステアリルアルコールなどを配合して基剤の硬度
を調節することもできる。
【0044】また、編物を吸収促進剤−基剤含有シート
の基材として使用すると、追従性が高いことから製剤の
適用部位が広くなるという利点がある。また、上述した
吸収促進剤と基剤とを含有する組成物を後述する被覆用
シートの上に展延してもよい。水溶性基剤を用いた二層
型経皮吸収製剤とした場合には、上記の被覆用シートを
吸収促進剤−基剤含有シート用の基材として使用する
か、またはこれらのフィルムを被覆層として使用するこ
とが、吸収促進剤を含有する基剤の乾燥を防止する上で
好ましい。被覆用シートは、シートの周囲を皮膚に直接
貼着させるものであるため、皮膚に対する刺激性の少な
い粘着剤を皮膚との接触面に塗布したものであることが
好ましい。また、空気は通すが水分は通さない素材で作
られたものであることがさらに好ましい。
【0045】被覆用シートは、このような性質を有する
素材で形成されたものであれば特に限定されず、具体的
には、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエステル、アセテート、もしくはこれらの共
重合体から製造されたフィルム、シリコーン薄膜、キチ
ン、キトサン、ウレタン、ゴアテックス(登録商標、ジ
ャパン・ゴアテックス社)、エントラント(登録商標、
東レ(株))、シンパテックス(登録商標、Sympatex T
echnologies GmbH)などで作られたフィルムやファブリ
ックなどを使用することができる。
【0046】したがって、こうしたフィルムやファブリ
ックを被覆層として使用する場合には、主剤含有シート
と吸収促進剤−基剤含有シートとを完全にカバーする大
きさとするとよい。また、上記のようなフィルムやファ
ブリックを被覆用シートとする場合には、皮膚との接触
面に皮膚刺戟性が小さく、光や酸素にも安定な粘着剤が
塗布されているものを好適に使用することができる。こ
うした粘着剤としてはアクリル系のものを挙げることが
できる。被覆用シートの厚みは特に限定されないが、臨
床で使用する場合には、薄く、伸縮性のよいものである
ことが、適用部位の動きに対する追従性がよく、また、
適用部位が広くなる点で好ましい。
【0047】吸収促進剤−基剤含有シートは、例えば、
所定量のHPCを適量の水を加えてしばらく置き、ゲル
状となったところに、上記のようにして割合を決定した
リモネンとエタノールとを吸収促進剤として加え、必要
によりさらに水を加えてヒドロゲルを調製する。こうし
て得られた組成物を、上述した紙もしくは布帛、または
フィルムもしくはファブリックという基材上に一定量で
展延して作製する。
【0048】以上のようにして作製した本発明の二層型
経皮吸収製剤のうち、最初に主剤含有シートを図1に示
すように患者の適用部位に貼付する。その上にヒドロゲ
ル含有シートを、ヒドロゲルが主剤含有シートの基材と
直接接触するように重ねる。この場合に、ヒドロゲル含
有シートの基材として被覆用シートの基材を使用した場
合には、上記の二つの層を重ねればよい。ヒドロゲル含
有シートの基材として紙や布帛を用いた場合には、ヒド
ロゲル含有シートを完全に覆うことのできる大きさの被
覆シートをさらに重ねて使用することにより、主剤の経
皮吸収効果を一層高めることができる。なお、本発明の
二層型経皮吸収製剤は、基材の大きさを適宜変更するこ
とができるとともに、主剤の含有量も適宜調節すること
ができるので、適用部位は特に限定されない。例えば、
腕、掌、脚、足、背中、首および粘膜など、任意の部位
に貼付することができる。
【0049】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが本発明は,これらの実施例に何ら限定され
るものではない。 (実施例1)実験動物および試薬 (1)実験動物 体重300±10gのウィスター系雄性ラット(埼玉実
験動物(株))を普通ケージで馴化飼育し、試験前は、
水および標準固形飼料(CE−2、日本クレア(株))
を自由摂取させた。薬物投与群および対象群ともに1群
7匹で使用した。
【0050】(2)試薬 HPC−H(ヒドロキシプロピルセルロース)、ハイビ
スワコー105、還元型グルタチオン(以下、GSHと
略す。)、プロピレングリコール、エーテル、ジイソプ
ロピルエタノールアミン、アジピン酸ジイソプロピル、
d−リモネンおよびl−メントール、エタノール、アセ
トニトリル、酢酸エチル、塩酸、過塩素酸、オクタンス
ルホン酸、塩化ナトリウム、水酸化アンモニウム、エチ
レンジアミン四酢酸2ナトリウム(EDTA−2N
a)、EGTA、リン酸二水素ナトリウム、トリスヒド
ロキシアンモニアアミノメタン(以下、「Tris」と
略す。)は、いずれも和光純薬工業(株)より購入し
た。
【0051】レボドパ(L−3,4−ジヒドロキシフェ
ニルアラニン)、ドパミン、ノルエピネフリン、エピネ
フリン、およびプロピレングリコールは、いずれもSigm
a社より購入した。また、カルボキシビニルポリマー
(934、B. F. Goodrich Chemical Co., Cleveland,
Ohio, USA)、ワイパーシート(タイプCR−4、日本
キンバリークラーク(株)製)は以上のものを使用し
た。また、α−クロラロース、ウレタン、およびDHB
A(ジヒドロキシベンジルアミン)はSigmaより購
入した。重水素化メタノール、重水素化クロロホルムは
関東化学(株)より購入した。精製水は大塚製薬(株)
より、アルミナ粒子は和光純薬工業(株)より購入し
た。
【0052】(実施例2)吸収促進剤の検討 (1)吸収促進剤の組成の検討 皮膚吸収促進剤として最適なアルコール濃度を選択する
ために、主剤をL−dopaとした一層型の経皮吸収型
ヒドロゲルを下記のように調製し、基材上に1gずつ展
延した。L−dopa、カルボキシビニルポリマー、プ
ロピレングリコール、ジイソプロピルエタノールアミ
ン、アジピン酸ジイソプロピル、d−リモネンおよびl
−メントール、エタノール、精製水は上述したものを使
用した。1gのカルボキシビニルポリマーを約30mL
の精製水と混和し、一昼夜放置し、水分を吸収してゲル
状となったところで、10gのプロピレングリコールと
1gのジイソプロピルエタノールアミン、2gのアジピ
ン酸ジイソプロピルとをここに混和した。
【0053】以下の〜のいずれかの組成の吸収促進
剤をこれらに添加して混和した。なお、〜に示す濃
度はいずれも終濃度である。 2重量%のl−メントールを含む10重量%のエタノ
ール溶液 2重量%のl−メントールを含む20重量%のエタノ
ール溶液 2重量%のl−メントールを含む30重量%のエタノ
ール溶液 2重量%のl−メントールを含む40重量%のエタノ
ール溶液 2重量%のd−リモネンを含む10重量%のエタノー
ル溶液 2重量%のd−リモネンを含む20重量%のエタノー
ル溶液 2重量%のd−リモネンを含む30重量%のエタノー
ル溶液 2重量%のd−リモネンを含む40重量%のエタノー
ル溶液
【0054】(2)in vitroにおける吸収促進剤の効果
の検討 上記実施例2(1)で調製した吸収促進剤を使用した場
合の効果を、in vitroにおけるL−dopaの透過量を
指標として以下のように測定した。ラットの腹部の毛を
電気バリカンで刈り、毛を刈った部分の皮膚全厚を摘出
し、透過膜として使用した。ウォータージャケットを備
えた2−チャンバー拡散セル(有効拡散面積0.785
cm、各半セル体積3.0mL)を使用した。水、
、にL−dopaを過剰量で懸濁し、ドナーセル中
に上記3種類の液を入れ、リン酸緩衝生理食塩水(pH
7.4)でレシーバーセルを満たした。いずれのセルも
40℃に暖め、マグネチックスターラーでセル中の懸濁
液を攪拌した。
【0055】L−dopa懸濁液をドナーセルに入れた
後、0分、30分、60分、180分の時点で、レシー
バーセルから0.5mLずつ分析用試料を抜き取り、抜
き出す度に等容のリン酸緩衝生理食塩水をレシーバーセ
ルに加えた。抜き取った各試料を、検出器としてECD
を使用するHPLCで分析し、レシーバーセル中のL−
dopa濃度を定量した。また、このデータを下記式
(1)〜(3)に従って処理し、パラメータ解析を行っ
た。
【0056】<HPLC条件> カラム:Mightysil RP−18(粒子径5μ
m、内径4mm×250mm、関東化学(株)製) 移動相:12%アセトニトリル−10mMリン酸二水素
ナトリウム/0.01mM EDTA(pH 3.1) 流速:1.0mL/分 カラム温度:40℃ 検出器:ECD、+0.7V
【0057】
【数1】
【0058】
【数2】
【0059】式(1)〜(3)中、Dは拡散定数、Lは
膜の有効拡散長、Kは膜とドナー相との間の透過物の分
配係数、Qは時刻tにおいてレシーバー液中に存在す
る透過物の蓄積量、Aは適量範囲、Cはドナー相中の
L−dopaの溶解度をそれぞれ表す。得られたL−d
opaの有効拡散係数D’と有効分配係数K’に対する
ドナー液の影響を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】経時変化を調べたところ、図2に示すよう
に、40%のエタノールを含有する場合に、L−dop
aの皮膚透過量が大幅に高くなっていることが明らかに
なった。また、エタノール濃度が上がるにつれてレシー
バーセル中に蓄積されたL−dopa濃度は高くなるこ
とが判明した。また、一方、表1に示すK’値を比較す
ると、20%エタノールとl−メントールを組み合わせ
た場合()には、後者のK’値が大きく向上してい
た。これに対し、40%エタノールと+2%l−メント
ールとを組み合わせた場合()には、上記20%エタ
ノールの場合と比べて、K’の値はわずかに上昇したに
すぎなかった。以上より、吸収促進剤中のエタノール濃
度の上限は40%とすることが好ましいと考えられた。
このため、以下の実験で使用するエタノール濃度は40
重量%に設定した。
【0062】(実施例3)二層型製剤の作製 (1)L−dopa含有シートの作製 L−dopa含有シートは、以下のようにして作製し
た。レボドパを100mg/mLの濃度で、秤量皿中に
て、5mol/Lの塩酸に溶解した。この塩酸溶液を2
mLとり、約1×3cmの長方形に切断したワイパーシ
ート(タイプCR−4、日本キンバリークラーク(株)
製)をこの中に含浸させ、−25℃のフリーザー内にお
いて凍結させた後にデシケーター中に移し、デシケータ
ー内の空気をアスピレーターで吸引して約2時間凍結乾
燥させ、L−dopa含有シートを作製した。L−do
pa含有量は、185.1±3.4mg/シートのもの
を作製した。
【0063】(3)ヒドロゲル含有シートの作製 カルボキシビニルポリマー、プロピレングリコール、ジ
イソプロピルエタノールアミン、アジピン酸ジイソプロ
ピル、d−リモネンおよびl−メントール、エタノー
ル、精製水は上述したものを使用し、総量100gのヒ
ドロゲルを調製した。まず、カルボキシビニルポリマー
1gを約30mLの精製水と混和し、一昼夜放置し、水
分を吸収してゲル状となったところで、10gのプロピ
レングリコールと1gのジイソプロピルエタノールアミ
ン、2mLのアジピン酸ジイソプロピルとをここに混和
した。
【0064】ついで、水を加えて再度混和して、2gの
l−メントールまたは2gのd−リモネンを加え、エタ
ノールをその濃度が上記の終濃度(40重量%)となる
ように加えてヒドロゲルを得た。クリアテープ上に1g
のヒドロゲルを展延してヒドロゲル含有シートを作製し
た。 (4)比較用試料の調製 上記(3)と同じヒドロゲルの組成を有し、主剤である
レボドパも一緒に加えた一層型経皮吸収製剤を調製し
た。
【0065】(実施例4)L−dopa含有シートの安
定性試験 (1)L−dopa含有シート中のL−dopa含量の
検討 上記の各サンプリング時間に、実施例3で調製したL−
dopa含有シートを10枚ずつ遮光箱から取り出して
分析に供した。シート1枚を0.2mol/L濃度の過
塩素酸100mL中に入れて、分析用の10試料とし、
マグネチックスターラーを用いてこれらの溶液を1時間
攪拌してシートからL−dopaを浸出させた。10,
000×gで、10分間、4℃にて遠心した。このよう
にして得た試料を、検出器としてECDを用いて、以下
のHPLC条件で定量した。
【0066】<L−dopa分析用HPLC条件> カラム:Wakosil II 5C18HG(粒径5
μm、4.6mm×25cm、和光純薬工業(株)製) 移動相:100mmol/Lのリン酸二水素ナトリウム
(NaHPO)/0.01mmol/LのEDTA
−2Na/100mg/Lの1−オクタンスルホン酸
(pH3.5) 流速:1.0mL/分 カラム温度:40℃ ECD電圧:+0.7V サンプル注入量:100μL
【0067】図3に示すように、製造当日におけるL−
dopa含有シート中のL−dopaの含量は、平均1
85.1±3.4mg/シートであり、L−dopa含
有シート調製後12週目のシート中のL−dopa含量
は調製当日(0週)の95.3%であった。このことか
ら、L−dopa含有シート中のL−dopaの含量は
調製後12週までほぼ一定であることが示された。
【0068】(2)シートの色調の変化 実施例3で製造したL−dopa含有シートおよび比較
用シートを各24枚ずつ、遮光箱に入れて、室温で保持
し、0週、2週、6週および12週間後におけるシート
の変色を肉眼で観察した。また、肉眼観察と同時に、上
記のように調製したL−dopa含有シートを各サンプ
リング時間に10枚ずつとり、シート中のL−dopa
の含量の変化を検討した。またシートの色も、全観察期
間を通して白色のままであった(表2)。このことか
ら、シート中のL−dopaまたはL−dopaブチル
エステルは、遮光し室温にて保存した場合には、少なく
とも12週間は安定であることが示された。
【0069】
【表2】
【0070】実施例4で製造した一層型製剤について
は、調製当日、1日目、2日目、5日目、7日目および
14日目の正常の変化を肉眼で観察した。結果を表3お
よび図6に示す。一層型のL−dopa含有ヒドロゲル
製剤も二層型の製剤と同様に遮光箱中に入れ、色の変化
を観察した。表3に示すように、室温で保存すると7日
目でL−dopaを含有するヒドロゲルは濃い褐色に変
わり、14日目にはほぼ黒くなった。以上により、一層
型の経皮吸収製剤に比べて、二層型の経皮吸収製剤の方
がより保存安定性が高いことが示された。
【0071】
【表3】
【0072】(実施例6)L−dopa静脈内投与後の
血中プロファイルの検討 (1)L−dopaの静脈内投与 8匹のラットを1群4匹の2群に分けてエーテル麻酔
し、左頚静脈に0.2mol/LのEGTAを溶解した
生理食塩水を満たしたポリエチレンチューブ(PE−5
0)をカニューレーションした。この経路を介して、生
理食塩水を0.1mg/kg体重/分で注入し、深麻酔
と固定のためにウレタン(500mg/kg体重)とα
−クロラロース(70mg/kg体重)とを投与した。
2.5mg/mLのL−dopaの生理食塩水溶液を、
このカニューレから投与した。その後、自由呼吸の確保
のために挿管した。
【0073】採血の30分前に、ラットの左大腿部動脈
に、0.2mol/LのEGTAを含むリン酸緩衝生理
食塩水を満たしたポリエチレンチューブ(PE−50)
をカニューレーションした。L−dopaを単回静脈内
投与し、投与後、0分(投与前)、5分、15分、25
分、37.5分、52.5分に、0.2mol/LのE
GTAと0.2mol/Lの還元型グルタチオンとを含
む40μLの溶液を入れたチューブを氷中におき、ここ
の採取した血液を集めた(Eriksson and Persson, 198
2)。失血によって誘導されるアミンの生理学的な濃度
変化を避けるために、採血量は2mL以内とした。
【0074】(2)L−dopaの血中濃度測定 上記のように採血した試料を、1,700×gで10分
間、4℃にて遠心し、L−dopaを静脈内投与したラ
ットの血漿を得た。エリクソンらの方法(Eriksson and
Persson, J. Chromatogr., 228:143-154(1982))に従
って、精製アルミナを用いて前処理を行った。アルミナ
は以下のようにして精製した。100gのアルミナを2
mol/Lの過塩素酸500mLを含むビーカーに加
え、95℃で加熱しながら45分間、羽根付きスターラ
ーで激しく攪拌し、微細分を含む上清を捨てた。沈殿物
を、95℃の2mol/Lの過塩素酸500mLで再度
15分間処理し、微細物を含む上清を捨て、500×2
50mmのガラスカラムに沈殿物を移し代えた。溶出液
のpHが3.5になるまでカラムを水洗し、アルミナを
ビーカーに移し、120℃で1時間、ついで200℃で
2時間加熱し、デシケーター中に乾燥状態で保存した。
【0075】次いで、エリクソンらの方法に基づいて、
血液サンプルを以下のように処理した。20μLのEG
TA(抗凝固剤)と0.2mol/LのGSH(抗酸化
剤)とを含む冷却した試験管中に血液を採取した。この
試験管を4℃にて、1,000×gで5分間遠心し、血
漿を分離して分析まで−70℃で保存した。容量4mL
の遠心管中に2mLの血漿サンプルを移し、ここに50
μLのGSH(0.05mol/L)、50μLのED
TA(0.3mol/L、pH7)および20mgの上
記のように処理したアルミナを加えた。この遠心管をボ
ルテックスしながら、0.2mLのトリスバッファー
(1mol/L、pH8.6)を加え、ロータリーミキ
サーにかけて10〜30分間攪拌した。0.1mol/
Lのカテコールアミンの過塩素酸溶液をストック溶液と
して、これを希釈して、2pmol/Lおよび20pm
ol/Lのカテコールアミンとし、対照として使用し
た。いずれのサンプルにも内部標準としてDHBAを添
加した。
【0076】遠心管の内壁に付着しているアルミナ粒子
を振盪によって管の底に落とし、上清を捨てた。EDT
A溶液(3mol/L、pH7)とともに数秒間混合
し、アルミナを洗浄した。この操作を3回繰り返した。
次いで、1,700×gで10分間、4℃にて遠心し、
余分な液を捨てた。150μLの過塩素酸(0.2mo
l/L)で1分間ボルテックスしてアルミナから、レボ
ドパを溶出させた。以上のようにアルミナから遊離させ
た化合物を、Sudoらの方法(Biol. Pharm. Bull. 1
8(4)610‐614(1995))に従って、実施例5に記載した条
件で逆相HPLCを行い、電気化学的に定量した。
【0077】(3)測定結果 L−dopaの血漿中濃度(単位:ng/mL)の経時
的変化(単位:分)を図4に示した。L−dopaは、
最初の測定点である投与5分後が最高濃度(664.0
±59.7ng/mL)であり、時間の経過と共に次第
に低下した。
【0078】(実施例7)L−dopa経皮吸収後の血
中プロファイルの検討 (1)L−dopaの経皮吸収 上記実施例2に記載したと同様に、ラットを麻酔し、深
麻酔および固定のためにウレタン等を注入し、自由呼吸
の確保のために気管に挿管した。その後、ラットの腹部
の毛を電気バリカンで刈り、ガラス製のセル(内径1.
13cm、上記ヒドロゲルの接触面積1cm、高さ1
cm)を、毛を刈った腹部皮膚上に乗せて接着剤(シア
ノアクリルタイプ、アロンアルファ A;三共(株)
製)、生理食塩水(対照群)または上記のL−dopa
を含有するヒドロゲル(投与群)で満たし、パラフィル
ムで覆った。この後、0分、30分、60分、および1
80分の4点において、上記実施例2と同様に採血して
各化合物の定量を行い、L−dopaおよびその代謝物
の血中プロファイルを検討した。
【0079】(2)測定結果 測定結果を図5に示す。対照群の血漿中L−dopa濃
度は実験期間中、変化は見られなかった。一方、L−d
opa含有ヒドロゲル投与群は投与後、血漿中L−do
pa濃度は30分でプラトーとなり(50ng/m
L)、180分まで持続した(図5参照)。以上より、
L−dopaを経皮吸収させると、急激な血中濃度の上
昇もなく、L−dopaは一定範囲の血中レベルで推移
することが示された。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、保存安定性に優れた二
層型の経皮吸収製剤が提供される。本発明の二層型経皮
吸収製剤では、主剤とヒドロゲルとが保存中に接触しな
いため、製剤の調製後長期間を経過しても、製剤の変色
という好ましくない状態の発生を防止することができ
る。また、本発明の二層型の経皮吸収製剤は、患者の体
表面における所望の部位に適用することができ、特に追
従性のよい基材を使用するとさらに適用可能な部位を広
げることができる。
【0081】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の二層式経皮吸収製剤を皮膚表面に適
用した状態を示す図である。
【図2】 皮膚吸収促進剤中のアルコール濃度とL−d
opaのin vitroにおける皮膚透過量との関係を示す図
である。
【図3】 L−dopa含有シート中のL−dopaの
安定性を示す図である。
【図4】 L−dopaを静脈内投与したときの血漿中
のL−dopa濃度の経時変化を示す図である。
【図5】 L−dopaを経皮吸収させたときの血漿中
のL−dopa濃度の経時変化を示す図である。
【図6】 一層型の経皮吸収製剤の変色を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/16 A61K 47/16 47/18 47/18 47/32 47/32 47/34 47/34 47/36 47/36 47/38 47/38 47/44 47/44 A61P 1/08 A61P 1/08 3/14 3/14 5/00 5/00 7/00 7/00 9/06 9/06 9/10 9/10 9/12 9/12 25/04 25/04 25/08 25/08 25/16 25/16 25/18 25/18 25/20 25/20 29/00 29/00 37/08 37/08 43/00 113 43/00 113 (72)発明者 角野 勝彦 神奈川県横浜市都筑区仲町台5−7−4 プロムナード410 (72)発明者 岩瀬 博明 神奈川県相模原市大野台6−4−6−617 Fターム(参考) 4C076 AA74 AA77 BB31 CC01 CC13 CC18 CC30 DD34A DD37A DD41A DD43A DD45A DD45N DD47 DD50 DD54N DD60N EE02A EE07A EE24A EE27A EE30A EE31A EE32A EE53A EE53N EE54A EE57A FF63

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主剤を含有する主剤含有シートと、少な
    くとも主剤の吸収を促進する吸収促進剤と基剤とを含有
    する吸収促進剤−基剤含有シートとを含む二層型経皮吸
    収製剤。
  2. 【請求項2】 前記主剤含有シートは、製剤の総重量に
    対して0.5〜15重量%の主剤と、主剤を含有させる
    ための紙または布帛から選ばれる基材とからなるもので
    ある請求項1に記載の二層型経皮吸収製剤。
  3. 【請求項3】 前記主剤は、麻薬性の鎮痛作用を有する
    薬物;非ステロイド系の抗炎症作用を有する薬物;利尿
    作用を有する薬物;抗精神作用を有する薬物;催眠作用
    を有する薬物;抗てんかん作用を有する薬物;パ−キン
    ソン用薬として用いる薬物;鎮吐作用を有する薬物;ホ
    ルモン類;鎮痛作用を有する薬物;狭心症用薬として用
    いる薬物;抗不整脈作用を有する薬物;強心作用を有す
    る薬物;カルシウムの感受性の調節作用を有する薬物;
    抗ヒスタミン作用を有する薬物;抗アレルギー作用を有
    する薬物;降圧作用を有する薬物;アミノ酸、アミノ酸
    誘導体、遊離のアミノ基となるべき基を有するペプチド
    およびタンパクからなる群から選ばれるものである請求
    項1または2に記載の二層型経皮吸収製剤。
  4. 【請求項4】 吸収促進剤−基剤含有シートは、吸収促
    進剤と油脂性基剤または水溶性基剤と、これらを担持す
    るための担持基材とを含むものである請求項1〜3のい
    ずれかに記載の二層型経皮吸収製剤。
  5. 【請求項5】 前記油脂性基剤は、炭化水素、高級アル
    コール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、グリコール
    類、植物油および動物油からなる群から選ばれる少なく
    とも1種以上のものである請求項4に記載の二層型経皮
    吸収製剤。
  6. 【請求項6】 前記水溶性基剤は、カルボキシビニルポ
    リマー、ヒドロキシプロピルセルロースおよびメチルセ
    ルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の
    ものである請求項4に記載の二層型経皮吸収製剤。
  7. 【請求項7】 前記吸収促進剤は、尿素類、ピロリドン
    誘導体、脂肪酸エステル、精油類、アザシクロアルキレ
    ンおよびその類縁体からなる群から選ばれる少なくとも
    1種以上のものである請求項5に記載の二層型経皮吸収
    製剤。
  8. 【請求項8】 前記吸収促進剤は、モノテルペン、ジテ
    ルペン、およびセスキテルペンからなる群から選ばれる
    少なくとも1種以上のものである請求項6に記載の二層
    型経皮吸収製剤。
  9. 【請求項9】 前記吸収促進剤−基剤含有シートは、吸
    収促進剤と基剤との合計量に対して90〜99.9重量
    %の油脂性基剤と、0.1〜10重量%の吸収促進剤
    と、全体を100重量%とするに必要な量の他の助剤を
    含有してなる請求項4に記載の二層型経皮吸収製剤。
  10. 【請求項10】 前記吸収促進剤−基剤含有シートは、
    吸収促進剤と基剤との合計量に対して0.5〜25重量
    %の水溶性基剤と、10〜55重量%の吸収促進剤と、
    全体を100重量%とするに必要な量の他の助剤を含有
    してなる請求項5に記載の二層型経皮吸収製剤。
  11. 【請求項11】 前記他の助剤は、炭素数4〜8のジア
    ルキルエタノールアミンおよび炭素数2〜8のアジピン
    酸ジアルキルの少なくとも一方と、水とからなる請求項
    10に記載の二層型経皮吸収製剤。
  12. 【請求項12】 前記他の助剤は、少なくとも1種以上
    の炭素数2〜5の多価アルコールをさらに含む請求項1
    1に記載の二層型経皮吸収製剤。
  13. 【請求項13】 前記担持基材は、紙、布帛、ポリ塩化
    ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチエレン、ポリプ
    ロピレン、ポリエステル、アセテートまたはこれらの共
    重合体、キチン、キトサン、豚皮、シリコーン薄膜およ
    びポリビニルピロリドン架橋物からなる群から選ばれる
    ものである請求項4に記載の二層型経皮吸収製剤。
  14. 【請求項14】 被覆用シートをさらに含む請求項1〜
    13のいずれかに記載の二層型経皮吸収製剤。
  15. 【請求項15】 前記被覆用シートは、ポリ塩化ビニ
    ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチエレン、ポリプロピ
    レン、ポリエステル、アセテートまたはこれらの共重合
    体、キチン、キトサン、豚皮、シリコーン薄膜およびポ
    リビニルピロリドン架橋物からなる群から選ばれるもの
    である請求項14に記載の二層型経皮吸収製剤。
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