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JP2001501606A - 細胞表面の活性化と阻害の方法 - Google Patents

細胞表面の活性化と阻害の方法

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JP2001501606A
JP2001501606A JP10514773A JP51477398A JP2001501606A JP 2001501606 A JP2001501606 A JP 2001501606A JP 10514773 A JP10514773 A JP 10514773A JP 51477398 A JP51477398 A JP 51477398A JP 2001501606 A JP2001501606 A JP 2001501606A
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Abstract

(57)【要約】 TIMP−2として知られているマトリックス金属プロテアーゼのインヒビターと酵素ゼラチナーゼ−A(GelA)との相互作用が関与する、細胞表面活性化と阻害の方法が開示される。本発明の方法に決定的に重要なことは、酵素のC末端ドメイン(GelA−CTD)の表面上のユニークなTIMP−2結合部位の発見であり、これはAsp656であることが測定されたが、またGelA−CTDドメインの他の残基(すなわち、Gly651、Phe650、およびTyr636)を含んでもよく、これらと共にAsp656は隣接表面を形成する。この結合部位の同定により、MMPインヒビターのスクリーニングのため、およびMMPが関係する疾患の予後と治療のための、有用な標的が提供される。MMPインヒビターの候補である化合物は、細胞表面活性化を競合的に阻害するように構築することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 細胞表面の活性化と阻害の方法 発明の分野と目的 本発明は、細胞表面活性化と阻害のための方法に関する。さらに詳しくは本発 明は、TIMP−2として知られているマトリックス金属プロテアーゼのインヒ ビターと酵素ゼラチナーゼ−Aとの相互作用が関与する、細胞表面活性化と阻害 の方法に関する。 マトリックス金属プロテアーゼ(MMP)は、ヒトの疾患や成長に遍在してい る。ある量の組織修復や損傷に関係する多くのプロセスは、例えば、慢性関節リ ウマチまたは変形性関節症、および再狭窄における内皮壁のリモデリングで起き るIV型コラーゲンの分解のように、MMPにより影響を受けると考えられている 。MMPはまた、原発性腫瘍形成、転移、および大きな腫瘍の血管新生(脈管形 成)のような癌の種々の側面に関わっている。また、MMPは、不活性な腫瘍壊 死因子(TNF)前駆体の活性なTNFへの変換(次にこれが、慢性関節リウマ チ、クローン病、多発性硬化症、悪液質および敗血症に関わる)にも関与するこ とが知られている。 したがって、潜在的薬剤としてのMMPインヒビターのスクリーニングは、医 学および薬剤学の分野において非常に有用である。 MMPは、チモーゲンとして咄乳動物細胞により分泌され、そして活性化され るとコラーゲンとプロテオグリカンのタンパク質分解による組織リモデリングを 開始する。分泌されたプロ酵素の活性化と、その特異的なインヒビターであるT IMP−1およびTIMP−2との相互作用は、細胞外スペースにおける正味の 酵素活性を決定する。 TIMP−2は、ゼラチナーゼ−A(GelA)のプロフォームとの特異的複 合体を形成するが、ここには、この酵素のC末端ドメイン(GelA−CTD) との相互作用が介在する。72kDa GelAのアミノ酸配列は、ゴールドバー グ(Goldberg)の米国特許第4,923,818号に開示されており、そしてT IMP−2とのその複合体は、ゴールドバーグ(Goldberg)の公開ヨーロッパ特 許出願、EP404,750に開示されている。GelAは、触媒性ドメイン、 3つのII型フィブロネクチン様反復、およびC末端ドメインを含む多ドメインタ ンパク質である。 可溶性GelAプロ酵素は、細胞表面に集められ、そこで膜結合金属プロテア ーゼであるMT1−MMPにより特異的に活性化される。細胞表面へのGelA の結合およびこれに続く活性化にもまた、GelA−CTDが介在する。したが って、細胞表面活性化は、外から加えた過剰のTIMP−2または組換えGel A−CTDの存在下で阻害される。 TIMP−2との複合体により阻害されるMT1−MMPが、どのようにして GelAプロペプチドを切断してプロ酵素の活性化を開始することができるのか 、以前には知られていない。この問題の解明は、GelA−CTDが細胞表面上 でTIMP−2およびMTI−MMPと相互作用する機作を理解するためには決 定的に重要である。 発明の背景 (注:以下の背景情報および当業者には周知の従来試験法や実験操作、および本 明細書で使用される他のそのような最先端技術に関する参照文献は、括弧に示し 、本明細書の最後に添付する。) 分泌された金属プロテアーゼ(MMP)は、細胞外マトリックス(ECM)高 分子の分解により組織リモデリングを開始する(1〜3に総説)。形態形成、組 織修復、および脈管形成のような正常な生理学的プロセスは、これらの酵素の活 性の空間的および時間的調節に依存しているが、悪性細胞は、これらの同じプロ テアーゼを利用して侵襲および転移を促進する(4〜7)。細胞外スペースにお けるMMP活性の調節を決定する機作を明確に理解するという目標は、まだ達成 されていない。MT1−MMP/GelA系(8〜16)は、可溶性MMP、G elA(17)の活性が、その細胞表面(ここでGelAプロ酵素は、その活性 型へと変換される)に集められて空間的に制御される機作を最初に提供するもの である。MT1−MMPによるCosl細胞のトランスフェクションは、充分に 細胞表面へのGelA結合および活性化を引き起こしうる(8、19)。Ge lAの細胞表面活性化は、そのプロペプチドの2工程のタンパク質分解プロセシ ングを伴う。Asn37−Leuペプチド結合の最初の切断は、膜結合金属プロテ アーゼであるMT1−MMP(9)に依存する。C末端ドメインのない端を切っ た型のGelAプロ酵素が、膜結合MT1−MMPによって活性化しえないため 、この切断はまた、完全なC末端ドメインを有するGelAに依存する(13) 。その結果外から加えた組換えGelA−CTDは、Asn37−Leu切断の競 合的インヒビターである(9、10)。最後にこの反応は、過剰のインヒビター TIMP−2の存在下で阻害されるが、TIMP−1は作用がない。結果として のプロペプチドの切断は、自己タンパク質分解性のMT1−MMP非依存性機作 により達成されて(9、10、18、19)、アミノ末端残基Tyr81を有する 62kDaの活性なGelAが生成する。これらのデータは、そのCTDを介する 細胞表面へのGelAの結合が、酵素活性化にとって必要不可欠なものであるこ とを証明する。我々は、2つの密接に関連のあるプロ酵素であるGelAおよび Bが、それぞれTIMP−2およびTIMP−1との特異的な複合体を形成する ことを以前に証明した(20)。これらの複合体はまた、プロ酵素のカルボキシ ル末端ドメインとのインヒビター相互作用によっても形成される(21、22) 。すなわちTIMP−2とGelA−CTDの細胞表面の結合活性は、相互に関 係しているようである。我々は、親和性クロマトグラフィー法を用いてMT1− MMPの活性化型を精製し(9)、そしてこれが、Kd=1.65×10-9Mで 細胞表面TIMP−2受容体として作用することを証明した。次にMT1−MM P−TIMP−2複合体は、GelA−CTDに対する受容体として作用する( Kd=0.42×10-9M)。我々が示したデータは、GelA−CTDの細胞 表面結合が、プロ−GelAの活性化を促進する活性化MT1−MMP/TIM P−2/プロ−GelAの三分子複合体の形成により生じるという仮説を支持す る。しかしこのモデルは、以下の理由によりGelAの活性化機作を充分に解明 するものではない。インヒビターTIMP−2は、2つのドメインからなる。ア ミノ末端である阻害ドメインは、MMPの活性中心と相互作用して、阻害複合体 を形成する(23、24)。C末端ドメインは、GelA−CTDに結合する。 すなわちTIMP−2と活性化MTI−MMPとの阻害複合体は、このインヒビ ターのC末端ドメインを露出させ、GelA−CTDとの相互作用に対して利用 可能にさせる。実際に我々は、GelB、TIMP−1および活性化間質コラゲ ナーゼの間の類似した三分子複合体を報告しており(22)、ここで複合体のコ ラゲナーゼ成分は阻害された。さらにTIMP−2によるMT1−MMPの可溶 化型の特異的な阻害も最近証明されている(25、26)。すなわち、MT1− MMP/TIMP−2/プロ−GelA複合体の組立を必要とする細胞表面Ge lA活性化のモデルは、TIMP−2により阻害されるMT1−MMPが、どの ようにAsn37−Leuペプチド結合を切断してプロ酵素の活性化を開始するこ とができるのかという質問には答えないままである。この質問への答えには、G elA−CTDが細胞表面上のTIMP−2およびMT1−MMPと相互作用す る機作の一層の理解が必要である。我々は最近GelA−CTDの高解像度結晶 構造を報告した(27)。ここで我々は、溶媒暴露GelA−CTDアミノ酸残 基の広範な大量アラニン走査突然変異誘発の結果を報告し、そしてGelA−C TD構造の座標を用いてこのドメインの表面上のTIMP−2結合部位を定義す る。関連するMMP構造における同じ領域に対するTIMP−2結合部位の比較 により、我々は、一般的TIMP結合およびTIMP−2−GelA−CTD相 互作用の特異性に必要な構造的特徴を解析する。我々はまた、野生型のものに対 する、GelA−CTD変異体のGelA活性化阻害活性の分析を報告する。 発明の簡単な説明 本発明により、組織修復と損傷を伴う疾患、およびMMPが関わる他の疾患の 治療に有用な可能性のあるMMPインヒビターのスクリーニングに有用な、細胞 表面活性化および阻害の方法が提供される。 本発明の方法に決定的に重要なものは、GelA−CTDドメイン表面上のT IMP−2結合部位のユニークな部分の発見であり、これは、非常に強力に結合 する残基Asp656であることが本明細書において決定された。この決定的に重 要なTIMP−2結合部位はまた、Asp656が共に隣接表面を形成するGel A−CTDドメイン中の他の残基、すなわちあまり強力でなく結合する残基Gl y651、Phe650、およびTyr636を含んでもよい。 本発明の別の実施態様では、TIMP−2結合部位は、前記の4つの残基と、 これに加えて非常に強力に結合する残基Asp615、Lys646、Lys576、T rp574、およびArg590、およびあまり強力でなく結合する残基Lys579、 Lys604、およびAsn611を含む。GelA−CTDのTIMP−2結合に及 ぼすこれらの残基の作用は、突然変異誘発により確認されている。 点突然変異は、TIMP−2結合部位におけるこれらの残基で作成して、Ge lA−CADへのTIMP−2結合に強い影響を与える(例えば、結合を阻害す るかまたは遅延させる)ことが可能であり、その結果ユニークなスクリーニング 法を提供する。 このTIMP−2結合部位の同定は、MMPインヒビターのスクリーニングの ための、およびMMPが関わる疾患の予知と治療のための有用な標的を提供する 。細胞表面活性化を競合的に阻害するように構築される化合物は、MMPインヒ ビターの候補になりうる。 発明の詳細な説明 添付の図面と本発明の以下の説明は、本発明および好ましい実施態様をより詳 細にさらに説明するために提供される。 図面の簡単な説明 図の凡例 図1.TIMP−2と相互作用する残基を示すGelA−Ctdの空間充填モ デル(A、34)およびリボン図(B、35)。A)TIMP−2と直接相互作 用すると考えられる残基は、着色して名前を記載してある。突然変異してアラニ ンにした時TIMP−2結合が2〜100倍の消失を示した残基はシアン色に着 色され、一方突然変異してアラニンにした時TIMP−2結合が100倍以上の 消失を示した残基は暗青色に着色されている。TBS−1およびTBS−2領域 は、それらの各領域を覆うマゼンタ色の点線の四角形により示される。B)Ge lA−Ctdのリボン図は、標準的β−プロペラ折り畳みを示す。GelA−C tdの各ブレードは、ローマ数字で示してある。Ca2+イオンは、対称の中心 軸に沿って赤色で示される。ブレードIとIVをつなぐジスルフィド結合は、N− およびC−末端として示される。TIMP−2と直接相互作用すると考えられる 残基は、マゼンタ色で示されかつ名前を記載してある。全ての残基は、ブレー ドIII、ブレードIVまたはこの2つのブレードをつなぐループ上に位置する。 図2.TIMP−2へのGelA−Ctd結合の競合測定法。1.7×10-9 Mの125I−標識WT GelA−Ctd(108cpm/μg)および記載の濃度の 未標識精製組換えWTまたは変異体のGelA−Ctdを含有する100μLの 溶液を、マイクロタイタープレートのTIMP−2(50ng)でコーティングし たウェル中でインキュベートして、方法に記載したように洗浄した。結合放射活 性は、ガンマカウンターで個々のウェルを計数することにより求めた。バックグ ラウンドを差し引いた後、ウェルに保持されたCPMを1.00に標準化して、 図に示されるように、野生型(◇、Ki/Kd=1)または変異体Gly651( ×、Ki/Kd=3);Lys579(□、Ki/Kd=6);Lys604(△、K i/Kd=25);およびAsp615(○、Ki/Kd=300)について未標 識の競合するGelA−Ctdの濃度に対してプロットした。野生型自己競合の 値は、8回の別々の実験の平均であり、エラーバーは、標準誤差を表す。変異体 の値は、2回の測定の平均である。コンピュータで作成した理論曲線をデータに 当てはめて、WTについての見かけのKdおよび変異体についてのKiを、各実 線の曲線により図に示されるように当てはめから求めた。 図3.TIMP−2結合部位を示すGelA−Ctdの分子表面。GelA− Ctdの分子表面は、GRASPを使用して計算し表示した。TIMP−2結合 部位は、マゼンタ色に着色されている。黄色の記載は、いくつかのTIMP−2 結合残基、および表面に対するその位置を意味する。本明細書に記載される境界 の残基は、緑色で示されており、TIMP−2結合部位を取り囲むように見える 。 図4.GelA−CtdとClI−Ctdの分子表面および表面の静電位の比 較。(4A)GelA−Ctdと(4B)ClI−Ctd両方の分子表面を示す 。それぞれの静電位を計算して、正電位は青色で、そして負電位は赤色で示して 表示する。マゼンタ色の点線は、本文に記載される近似のTIMP−2結合部位 に一致する。TBS−1とTBS−2が示され、図1に記載された同じ領域に一 致する。GelA−CtdのTBS−1領域は、多くの正の電位を表示している が、一方ClI−Ctdははるかに正の電位が少なく、TBS−1結合界面にわ たって相当量の負の電位を有する。両方の分子のTBS−2領域は、同様に異な る電 位を示す。両方の分子の分子表面は、これらが有意に差のあるファンデルワール ス接触表面を与えるであろうことを示唆する。 図5.MMPファミリーのメンバーのC末端ドメインからのβ−プロペラブレ ードIIIおよびIVの配列の整列。TIMP−2結合部位を規定する全ての残基を 含有するGelAのアミノ酸配列を、他のMMPと共に整列させた。ブレードII IまたはブレードIVに見い出される配列は、下線を付した領域の下にある。TI MP−2結合部位の一部であるGelA残基および他の酵素からの対応する残基 は、太字で示してある。TBS−1領域を構成する残基(説明文を参照のこと) は、太字で下線を付したが、一方残りの残基は、TBS−2の一部であり、単に 太字で示してある。(*)は、GelA−CTDのTIMP−2結合に及ぼすそ の作用が突然変異誘発により確認された残基を示す。 図6.GelA−CTD変異体によるGelAの膜依存性活性化の阻害。15 ngの精製GelAを、HT1080細胞からの20μgの原形質膜タンパク質と 共に、0.1mM CaCl2を含有する25mM HEPES−KOH緩衝液(p H7.5)中で、各パネルに示されるように、増大する濃度(1〜6)の組換え GelA−CTD WTまたは変異体#28(Asp569)、#31(Lys579 )、#39(Lys604)、#41(Asp615)、#229(Asp576)、# 234(Arg590)、#247(Lys646)、#250(Trp574)、#2 52(Tyr636)、#255(Phe650)、#257(Gly651)、#25 8(Asp656)、#259(Asn611)の存在下で37℃で2時間インキュベ ートした。活性化反応の結果は、すでに記載されたように酵素図(zymogram)で 分析した(9、10)。生じる酵素図のイメージは、フラットベッドスキャナー を用いて得て、ネガに変換した。 図1Aおよび図3の着色した領域は、白黒コピーでは以下のように示される: 図1A−暗青色で示される残基は、Asp656、Asp615、Lys646、Ly s576、Trp574およびArg590である。シアン色で示される残基は、Gly6 51 、Phe650、Tyr636、Asn611、Lys579およびLys604である。 図3−緑色の着色した領域に示される境界残基は、Lys649、Gln641、 Lys578、Lys633、Asp608およびAsp618である。赤色のTIMP−2 結合部位は、残基Asp656、Phe650、Tyr636、Asp615、Asn611、 Lys646、Lys576、Trp574およびLys604を示す。 本発明をさらに例示するために、以下の詳細な例を実施したが、本発明が、こ れらの例または例に記載される細部に限定されると理解してはならない。 材料と方法 細胞培養 HT1080線維肉腫細胞を、4%ウシ胎児血清と2mMグルタミンを補足した RPMI1640培地中で、5%CO2の存在下で単層培養で増殖させて、12 −O−テトラデカノイル−ホルボールアセテート(TPA)で処理した(50ng /ml、16時間)。HT1080細胞からの原形質膜の単離は、記載(9、10 )されるように不連続ショ糖勾配を用いて行った。 酵素精製 GelA発現プラスミドp6R72hygを、ElA発現p2AHT2a細胞 中にトランスフェクションして、記載(9、10)されるように安定にトランス フェクションした細胞株p2AHT7212Aの調整培地からGelAを精製し た。 TIMP−2の発現と精製。組換えTIMP−2を、p6Rhyg発現ベクター 中のTIMP−2 cDNAでトランスフェクションしたp2AHT2a細胞で 発現させて、リアクティブレッド(Reactive Red)−120−アガロース(シグ マ(Sigma)、R−05303)、Q−セファロース(ファルマシア(Pharmacia )#17−0510−01)、CM−セファロースCL−6B(シグマ(Sigma )#CCL−6B−100)およびRP−HPLCカラムクロマトグラフィーを 用いて、すでに記載(9、10)されたようにp2AHT2aT2細胞の無血清 調整培地から精製した。 FLAG GelA−CTD融合タンパク質の発現と精製。発現ベクターpFL AG72CTを、Leu444−Cys660をコードするGelA cDNA(17 )からの断片を大腸菌(E.coli)分泌ベクターpFlag1(アイビーアイ 社(IBI Inc.))中にクローニングすることにより作成した。融合タンパク質F LAG−CTをコードする生じるベクターは、大腸菌(E.coli)TOPP5宿 主(ストラタジェン(Stratagene))中にトランスフェクションした。すでに記 載(9、10、27)したようにリアクティブレッド−120−アガロース(シ グマ(Sigma)、R−0503)およびM1抗flag抗体親和性カラムでのク ロマトグラフィーにより、タンパク質をペリプラズム画分から精製した。この方 法を用いて50種の変異体および野生型GelA CTのそれぞれを精製した。 FLAG GelA−CTD融合タンパク質の突然変異誘発。発現ベクターpF LAG72CTは、PCR介在性部位特異的突然変異誘発法を用いて直接突然変 異を起こした。1対の逆平行の33塩基対長プライマーを各変異体について合成 した。所望の突然変異を含有するこれらのプライマーを、コード配列の両側に位 置する2つのプライマーのいずれかとの1対のPCR反応において使用した。生 じるPCR産物の両方とも突然変異を含んでいた。これらを混合し、融解してア ニーリングして、全コード配列を包含する部分的ヘテロ二本鎖を生成した。両側 に位置する両方のプライマーによりプライムされる第3のPCR反応において、 これを鋳型とした。生じるPCR産物のそれぞれは、pFLAG72CT発現ベ クターにクローニングして戻して、配列解析に付して突然変異の存在を確認した 。生じる全ての変異体タンパク質を精製して、以下に記載するようにTIMP− 2結合について測定した。TIMP−2結合に負の作用を及ぼした変異体の配列 は、二次的なPCRが起こした突然変異の出現を排除するために全コード領域の 配列決定により証明した。二次的突然変異が存在すれば、第2ラウンドのPCR か、または制限酵素介在性サブクローニングを用いるかのいずれかにより、目的 の変異体から分離した。 FLAG−GelA−CTD融合タンパク質のTIMP−2結合 TIMP−2結合および競合測定法は、96ウェルのモジュールプレート(mo dular plates)(コスター(Costar))で行った。50ngの精製TIMP−2を 含有する100μlの充填緩衝液(20mMトリスHCl、pH9)を各ウェルへ 添加して、TIMP−2をコーティングしたプレートを調製して、室温で1時間 インキュベートした。この溶液を200μlのブロッキング緩衝液(PBS 中0.5%BSAおよび0.02%ブリジ(Brij)、pH7.2)で置換して、 4℃でONインキュベートした。結合実験には、100μlの結合緩衝液(PB S中1mg/mlBSAおよび0.01%ブリジ)中の増大する濃度の競合コールド リガンドを、TIMP−2またはBSA(対照)でコーティングしたウェルに加 えて、30分間インキュベートし、次に10−6Mの125I−GelA−CTD (6.5×107〜1×108dpm/μg)を加えた。1時間インキュベーションを 続けて、次に結合緩衝液でプレートを5回洗浄し、各ウェルを計数して保持され た放射活性を求めた。 GelAプロ酵素の活性化 15〜50ngのGelAプロ酵素を、0.1mM CaCl2を含有する最終容 量10μlの25mM HEPES−KOH緩衝液(pH7.5)中で、原形質膜 (1〜4μgの原形質膜タンパク質)による活性化のために使用した。反応物は 、37℃で120分間インキュベートして、試料緩衝液を添加して反応を終わら せて、記載(9、10)されるようにゼラチン酵素図分析に付した。 タンパク質構造解析 アラニンへ突然変異させるとTIMP−2結合を消失させた残基は、TIMP −2と直接相互作用する可能性の高いものと、TIMP−2結合に及ぼすその作 用がそれぞれの変異体の環境の詳細な検討に基づく間接的な構造の変動の結果で ある可能性の高いものに分類した。TIMP−2と相互作用する残基のセットは 、GelA−CTDの単一の隣接表面に限定されており、そしてこれは、2つの 近接する領域、TBS1とTBS2に分類される。TIMP−2結合残基の近く にあるがアラニンへのその突然変異がTIMP−2結合に作用を及ぼさない境界 残基を使用して、我々は、解析すると突然変異していない残基を含む分子表面と して、TIMP−2結合部位を規定することができた。 GelA−CTDと間質コラゲナーゼのC末端ドメイン(ClI−Ctd)を 、その各Cα原子に沿って整列させた。2つの構造は、3.7ÅのCα位におけ る平均平方根二乗の差で整列させ、グラフィックスプログラムO(28)を用い て視覚化した。モデル作成ソフトウェアのシビル(Sybyl)(バージョン6.2 、トリポスアソシエーツ(Tripos Associates)、セントルイス、ミズーリ州) を 用いて、GelB−CTDのモデルを作成した。GelA−CTD構造は、構造 の基本的鋳型を与え、Cα原子の座標は、配列同一性の領域で保存されていた。 これらの領域では、さらに側鎖のコンホメーションも保存されていた。配列同一 性のない領域では、Cα位は不変であったが、側鎖のコンホメーションは、回転 異性体ライブラリーセットから選択された。GelB残基の挿入による立体的衝 突は、いずれかの隣接する原子(側鎖原子であろうと基本骨格原子であろうと) を移動するか、または置換残基のCα位を移動することにより軽減させた。配列 中の残基の挿入または欠失を必要とする領域は、ループや湾曲部に沿ってのみ発 生したため、類似の配列を持ち、かつ近くの原子とファンデルワールス接触が最 も少ない湾曲部またはループを、ブルックヘブン(Brookhaven)タンパク質デー タバンクから選択することによりモデル化した。最後に、このモデルは、全構造 にわたってファンデルワールス接触を最少にすることにより完成した。最終的な GelB−CTDモデルは、各Cα原子に沿ってGelA−CTDと整列させた 。 結果 GelA−CTD構造の説明 GelA−CTD座標は、低いR因子(18.8%)および低い平均座標誤差 (<0.25Å)の高解像度結晶構造(解像度=2.15Å)に由来し(27) 、そして基本骨格および側鎖原子の位置は充分に決定される。構造は、Leu46 1 〜Cys660の間の全ての残基を含み、ここで位置があまり規定されない残基は Glu529とGlu530だけである。GelA−CTDの全体構造は、4つのブレ ードのβ−プロペラとして説明することが最適である(図1)。4つの「ブレー ド」は、それぞれ逆平行β−シートの4つの鎖からなる。β−シートドメインは 、ねじれており、4つ目の最も外側の鎖は、最も内側の鎖と80°近い角度を形 成している。各ブレードは、中央の偽の4重の軸に配置しており、軸の周りの9 0°回転が、1つのブレードを別のブレードの上に位置づける。4つのブレード により形成される回転軸に平行なチャネルは、Ca2+イオン、Na+Cl-イオン 対および多くの安定に結合した水分子を含有する。各ブレードの最も内側の鎖は 、全て平行であり、Ca2+イオンがチャネルのN末端から突き出している。4つ のブレードの間の領域は、このような広い界面にわたって相互に接触するの に充分大きい疎水性残基(主にPhe、TyrおよびTrp)からなる。連結ル ープが疎水性界面を横切っており、近接するブレードをつなぐ。ブレードIVは、 Cys469とCys660の間のジスルフィド結合によりブレードIに共有結合して いる。 アラニン走査突然変異誘発法によるGelA−CTDにおけるTIMP−2結合 部位の同定 GelA−CTDの溶媒暴露アミノ酸残基のアラニン走査突然変異誘発法を使 用して、TIMP−2と相互作用する分子表面を規定した。結果は、GelA− CTDの結晶構造における各点突然変異の位置と環境を調べて解釈(図1、27 )され、その結果TIMP−2と直接相互作用することができるGelA−CT Dの残基だけが同定された。発現ベクターpFLAG72CTを、方法欄に記載 されるようにPCR介在性部位特異的突然変異誘発法を用いて、直接突然変異さ せた。得られる50種全ての変異体タンパク質は、すでに記載(9、19)され たように精製して、方法欄に記載されるようにTIMP−2結合について測定し た。TIMP−2結合に負の作用を及ぼした変異体の配列は、二次的なPCRが 起こす突然変異の出現を排除するために全コード領域の配列決定により証明した 。野生型(WT)GelA−CTDに対する異なるGelA−CTD変異体のT IMP−2結合親和性を定量するために、我々は96ウェルモジュールプレート 中でのTIMP−2結合および競合測定法を開発した。結合実験のために、増大 する濃度の競合コールドリガンドを含有する10-9Mの125I−GelA−CT Dを、TIMP−2またはBSA(対照)でコーティングしたウェルに加えて、 方法欄に記載のように個々のウェルを計数して、保持された放射活性を求めた。 各変異体の見かけのKiは、競合測定法からのデータをコンピュータで作成した 一連の曲線に当てはめて求めた。こうして求めた見かけKiの25%変動から、 明らかにデータをあまりよく表さない曲線が生成した。WT GelA−CTD および4つの変異体についてのこの解析結果の例を、図2に示す。図2に示す変 異体は、観察された変動範囲を例示するように選択した。TIMP−2結合に作 用した(Ki/Kd>1)全ての変異体を表1に要約する。以下のアミノ酸残基 Lys470、Arg482、Arg491、Arg495、Asp501、Glu515、 Glu518、Lys519、Glu529、Lys531、Glu539、Glu549、Arg550 、Asp564、Arg567、Lys578、Asp586、Lys596、Asp608、 Asp618、Hys628、Lys633、Lys639、Glu641、Lys649、Leu638 、Gln643、およびLeu548の1つを、Alaで置換すると、この測定法 においてTIMP−2へのGelA−CTDの結合親和性(Kd=Ki)に影響 しなかった。ArgによるLys519の、ThrによるAla479の、またはAr gによるLeu548の単一置換も影響がなかった。 GelA−CTDへのTIMP−2結合残基の局在化 結合の消失を示す全てのGelA−CTDの点変異体の中で、Asp569のみ はTIMP−2結合表面の一部であるとは考えられない。残りの変異体は全て、 図1のTIMP−2結合表面−1(TIMP-2 Binding Surface-1)(TBS−1) およびTIMP−2結合表面−2(TBS−2)として示されるGelA−CT Dの2つの近接する領域内にある。GelA−CTDのTIMP−2結合部位は 、この広い結合部位に見られる異なる特徴の考察を進めるために、かつ関連タン パク質上のこれらの領域の比較を平易にするために、2つの領域に分類される。 結合部位を2つの領域に分類する物理的根拠はないが、我々はTIMP−2結合 部位に見られる異なる特徴を考察するために分類する。TBS−1は、ブレード IIIとIVの間に形成され、2つの近接するブレードの間に納まって、小さな疎水 性の空洞を形成する、大きな芳香族残基からなる非極性界面(Trp574に接触 する)を含む。TBS−1のこの非極性部分を囲むのは、多くの正に荷電した残 基であり、これらには主に、ブレードIIIの第2(Lys576、Lys579)、第 3(Arg590)、および第4(Lys604)鎖、さらにはブレードIVの第3と第 4鎖の間にできた大きな湾曲部にあるLys646が寄与する。非極性の空洞は、 空洞を横切りブレードIIIとIVをつないでいるループする鎖に結合している。A sn611を含むこのループ領域は、TBS−1の一部と考えられるが、TBS− 2と近接しており、GelA−CTDの推定TIMP−2結合表面の一部を形成 する。TBS−2は、大部分がブレードIVに局在するTIMP−2結合に必要な 残基を含有する。Phe650とGly651は、ブレードIVの第4鎖に局在する。T yr636は、ブレードIVの第3鎖に由来するが、Phe650およびGly651 と共に近接する表面を形成する。Asp656は、ブレードIVの末端の単一α−ら せん湾曲部に局在する。Asp615は、ブレードIIIとIVをつなぐループ部分の一 部であるが、Tyr636に近接して位置する。TBS−1とTBS−2は一緒に なって、GelA−CTDの全推定TIMP−2結合表面を作り上げる。図1か ら、その突然変異がTIMP−2結合に少なくとも100倍の消失を引き起こし た残基は、主として空洞の内と周囲のTBS−1に見い出される。Asp615は 、アラニンに突然変異されると、TIMP−2結合の100倍以上の消失を示し た、TBS−2由来の唯一の残基である。 GelA−CTDのTIMP−2結合表面のモデル作成においてもまた、TI MP−2結合に作用を及ぼさなかった点突然変異を利用することができる。推定 結合領域の近くかまたは近接するGel−CTD上のいくつかの残基は、アラニ ンに突然変異されてもTIMP−2結合に影響を及ぼさなかった。 これらの変異体は、TIMP−2結合表面の外側の限界を規定する助けとなる ため、境界残基と考えられる。これらは、Lys578、Asp586、Asp608、 Asp618、Lys633、Lys639、Glu641、Gln643、およびLys649を 含む。このリストは網羅的なものではなく、かつ完全にはその部位を囲まないが 、これは相当な数であり、そして図1に見られるように、これらはGelA−C TDのTIMP−2結合表面の形状を決めるのに大きく貢献している。 TIMP−2のGelA−CTD結合に及ぼす点突然変異の作用は、「直接」 または「間接」として特徴づけることができる。直接作用を有する点突然変異は 、結晶構造中でこれらの残基がほぼ全体に溶媒に暴露していて、近くの側鎖また は基本骨格原子と顕著なファンデルワールス接触、塩橋または水素結合を作らな いため、TIMP−2との直接相互作用により恐らく結合の消失を示す。「間接 」として分類されるものは、隣接する原子とのこのような相互作用に関係する残 基の点変異体である。TIMP−2結合に及ぼすこれらの変異体の作用は、TI MP−2との直接相互作用の消失の結果であるか、またはTIMP−2結合の消 失を「間接」的に引き起こす点突然変異の結果としての局所構造の変動のためで あろう。TIMP−2結合に作用を及ぼす多くの点変異体は、「直接」として分 類 され、Lys576、Lys579、Arg590、Lys604、Asn611、Asp615、 Lys646、およびPhe650の変異体を含む(表1を参照のこと)。Tyr636 もまた、ヒドロキシル基を含む環のほとんどが溶媒に暴露されており、かつCδ 1とCε1原子のファンデルワールス相互作用が局所の構造に顕著に変動を与え ないようであるため、直接と考えられる。「間接」として分類される残基は、A sp569、Trp574、Gly651、およびAsp656である。「間接」として分類 される残基は、Asp569、Trp574、Gly651、およびAsp656である。 図3に示す全TIMP−2結合部位は、表面積1027Å2である。表面の内 側は、その点変異体がTIMP−2結合の消失を示す残基により規定される。表 面の境界は、TIMP−2結合に作用を及ぼす最も外側の残基と、上述の境界残 基により規定される。全表面を作成するために、突然変異を起こさなかった他の 残基を結合表面の一部として含める必要があった。これらの残基は、結合表面の 境界の外側には原子がなくてよく、かつ表面の内側に表面に接近可能な原子を持 つ必要があるという基準により選択した。TIMP−2結合表面の一部として含 まれる非突然変異残基は、残基Asn577、Tyr581、Phe588、Ala609、 Trp610、Ala612、Ile613、Pro614、Leu645、およびVal648、 さらにPhe602のCζおよびCε1環炭素である。この群の全ての芳香族残基 さらにはLeu645は、TBS−1中の非極性空洞を形成するのに貢献する。A la612、Ile613、およびPro614は、ブレードIIIとIVをつなぐループ上に ある。Ile613は、その基本骨格原子だけが表面に接近可能であるためユニー クである。Val648は、TBS−2のファンデルワールス接触表面の一部を作 る。Leu638(Phe650とTyr636の間の小さなくぼみにある)は、アラニ ンに突然変異されてもTIMP−2結合の消失を示さなかったため、結合表面に は穴が存在する。すなわち、Leu638のCγ、Cδ1およびCδ2原子は、T IMP−2結合表面の一部と考えられない。TIMP−2結合に及ぼすこれらの 突然変異の作用を合理的に解釈するには、これらの残基の構造的環境のさらに広 い説明が必要である。 「間接」変異体の構造解析 上述のように、GelA−CTDのTIMP−2結合部位に含まれるいくつか の残基は、「間接」変異体として分類され、Asp569、Trp574、Gly651 、およびAsp656を含む。ここで我々は、これらの残基がまたGelA−CT D分子の他の部分とも相互作用するという事実から、TIMP−2結合に及ぼす アラニンへのこれらの突然変異の作用を合理的に解釈できる。 Asp569のOδ1は、Gly585の基本骨格アミドプロトンと水素結合を形成し 、そしてこれは、ブレードIIIの第2と第3鎖の間に形成されるきつい湾曲部に 局在している。Asp569→Alaの突然変異は、TIMP−2結合のわずかな 減少を引き起こすだけである。ブレードIIIの第3鎖は、残基Arg590を含有し ており、これのアラニンへの突然変異は結合の大きな消失(>100倍)を示し 、TIMP−2と直接相互作用する。また、Asp569は、TIMP−2結合に 影響する他の点変異体により形成される隣接結合表面からは遠い。TIMP−2 がAsp569と直接相互作用することはありうるが、Asp569→Ala突然変異 の作用は、湾曲部のコンホメーションを強制するGly585との重要な構造的H 結合の消失の結果としてArg590の位置の変更が介在している可能性が高い。 Trp574は、ブレードIIIとIVの間のポケットを形成する多くの疎水性残基の 1つである。これは、Tyr581およびTrp610を含む隣接する側鎖からの多く の原子とファンデルワールス接触をする。Trp574のCζ3とCη2原子のみ が表面に接近可能であるため、Trp574→Ala変異体の結合の大きな消失は 、これらの原子とTIMP−2との相互作用の消失のせいではなく、突然変異の 結果としての隣接する残基の再配列のせいである可能性が高い。突然変異作用の 最も合理的な解釈は、TIMP−2がGelA−CTDと結合するとこのポケッ トとのファンデルワールス接触をし、そしてTrp574→Alaが、GelA− CTDにより与えられるファンデルワールス表面を変化させることによりTIM P−2結合を崩壊させることである。従Trp574→Ala突然変異の作用は「 間接」ではあるが、ポケット中の表面原子へのTIMP−2の直接結合を示唆し ている。 Gly651→Ala突然変異は、TIMP−2結合に穏やかな作用を及ぼす。 アラニンはそのCβのおかげで許容しうるφ、ψ角が立体的に制限されているた め、Gly651→Ala突然変異のTIMP−2結合に及ぼす作用は、タンパク 質基本骨格における変化の結果でありうる。アラニンは、とりうるφ、ψコンホ メーションにおいてグリシンよりもエネルギー的に制限される。しかし、Gly651 はブレードIVの最も外側のβ鎖の充分に形成されたβ−シートに存在し、か つ逆平行β鎖と釣り合ったファイ、プサイ角(φ=−157.9、ψ=174. 8)をとるため、アラニンはこの部位で同じコンホメーションをとるようである 。すなわち、アラニン変異体のTIMP−2結合の消失は、残基651上のCβ 原子の付加のためであり、これが、接近によりTIMP−2と651のCαとの 相互作用をブロックする。二重変異体Glu641→Ala/Gly651→Argは 、TIMP−2結合の>100倍の消失を示す。Glu641は、全体に溶媒に暴 露されており、隣接する原子と相互作用せず、そして単一変異体のGlu641→ Alaは、TIMP−2結合に作用を及ぼさない。Glu641は、全体に溶媒に 暴露されており、隣接する原子と相互作用しないようであるため、二重変異体の 作用は、協同の結果とは考えられない。すなわち、二重変異体の作用は、専らG ly651→Arg突然変異のせいである。恐らく、Gly651→Arg変異体は、 TIMP−2が通常結合するGelA−CTD上の近くの表面をカバーする。ア ルギニンはアラニンよりもはるかに大きく、また荷電しているため、アラニンよ りもTIMP−2結合にはるかに劇的な作用を及ぼしても驚くにあたらない。G ly651→AlaとGly651→Arg両方がTIMP−2結合を減少させるとい う事実は、TIMP−2が、Gly651のCαおよびGly651近くの表面残基で GelA−CTDと接触することを示唆している。 Asp656は、溶媒に暴露されており、Tyr637のヒドロキシル基とのH結合 を形成する。Asp656→Ala突然変異のTIMP−2結合に及ぼす作用は、 このH結合の消失によるTyr637の配向の変動の結果であろう。TIMP−2 はTyr637とのみ相互作用することもありうるが、この突然変異の作用の最も 単純な解釈は、Asp656がTIMP−2と直接相互作用することである。この 結論は、Asp656付近に正の電荷を与えるGly651→Arg突然変異のTIM P−2結合の大きな消失を部分的に説明するであろう。また、Asp656は、 Gly651、Phe650、およびTyr636(他のTIMP−2結合残基)と隣接 表面を形成する。TIMP−2は、Tyr637と相互作用するかもしれないが、 この残基は本試験では突然変異させなかったため、これがGelA−CTDのT IMP−2結合表面の一部であると明確に考えることはできない。 GelA−CTDと間質コラゲナーゼの比較 GelA−CTDの表面上のTIMP−2結合部位を規定したため、TIMP −2結合部位のどの構造的特徴が共有されるかおよびどれが相互に異なるかを同 定するために、TIMP−2と結合しない間質コラゲナーゼのC末端ドメイン( ClI−Ctd)(29)の既知の構造と比較することは有益である。驚くべき ことに、正に荷電した残基の多くが、配列と構造の両方が保存されていることを 見いだされた。GelA−CTDのLys579、Arg590、およびLys604は ClI−Ctdで保存されており、そして構造中で同様なコンホメーションをと っている(図3と4)。さらに、GelA−CTD中のLys646をClI−C td中のArg453と整列させると、そのCα原子を整列させた時、配列は同一 ではないが電荷は保存されており残基はよく重なる。Arg590とLys64 6の点突然変異は全て、GelA−CTD中のTIMP−2結合の少なくとも1 00倍の消失を示す。また、アラニンに突然変異させるとTIMP−2結合の1 00倍以上の消失を示すLys576は、ClI−Ctdでは保存されておらず 、ここでは負に荷電したAsp残基になっている。TIMP−2結合に大きく貢 献すると考えられるArg590やLys646のようないくつかの荷電した残 基もまた、TIMP−2に結合しないClI−Ctdにおいて保存されているこ とに注目すると興味深い。明らかに、ClI−Ctdには見い出されないGel A−Ctdの他の特徴は、そのTIMP−2結合性を説明するために同定する必 要がある。 整列した構造をさらに検討すると、GelA−CTD中の非極性空洞が、Cl I−Ctdでは多くの負に荷電した残基により覆われていることが判る。Gel A−CTDのTrp574、Lys576、およびAla609は、ClI−Ctdの負 に荷電した残基と整列する。ClI−Ctdでは、Asp385はポケットの周辺 部にある;Glu383はポケットから突き出しており、そしてGlu418はポ ケット上に伸びている。TIMP−2結合に及ぼすこれら負の電荷の作用は未だ 不明であるが、その負の電位は、TIMP−2からの近くの正の電荷を遮蔽しう る。あるいは、TIMP−2がGelA−CTDの非極性空洞とファンデルワー ルス接触しないならば、空洞中の全ての荷電した基の作用は、この相互作用をブ ロックしそして実際にTIMP−2/GelA−CTD結合界面の内側の負の電 荷を埋めるはずである。ClI−Ctdの空洞中の負の電位は、GelA−CT DではLeu645であるLys452の存在により部分的に減少する。Leu645は 、TBS−1の疎水性空洞の中に向いている非極性残基である。図3は、GRA SPにより計算および表示したGelA−CTDとClI−Ctd両方の電荷電 位を示す。GelA−CTDとClI−CtdのTBS−1領域の比較は、形成 されるポケットが、異なる接近可能な表面を与えることを定性的に示唆する。ポ ケット中のいくつかの残基は保存されており、注目すべき例外は、GelA−C TDのTrp610とPhe588である。他の差は、ブレードIIIとIVをつなぐルー プに見られる。ここで、Asp615は、ClI−Ctdでは等配電子であるが荷 電していないAsn424になり、一方GelA−CTDのAsn611、Ala612 、Pro614は、ClI−Ctdでは他の残基に変化する。 Ile623のみが保存されているが、この残基は、構造中に表面に接近可能な基 本骨格原子のみを有する。明らかに、GelA−CTDとClI−Ctdは、非 常に異なる電荷分布および連結ループに沿った接触表面を与える。 整列した分子のTBS−2を比較すると、さらに微妙な作用が明らかになる。 GelA−CTDでは溶媒中に突き出しているPhe650、ならびにTyr636、 Gly651およびAsp656は、ClI−Ctdでは保存されていない。一方これ らの電荷は、この領域でTIMP−2を結合するClI−Ctdの可能性を低下 させる、異なる接触表面と異なる表面電位の両方を作成する。 関連配列の比較 他のMMPのC末端ドメインの配列を整列させて(図5)、ClI−Ctdと GelA−CTDの比較で注目された特徴が、他のMMPファミリーメンバー( 特にTIMP−2に結合することが知られていないもの)についても当てはまる かどうかを調べた。この整列の最も著しい特徴の1つは、充分なTIMP−2 結合に必要ないくつかの残基が、MMPファミリーの多くのメンバー中でよく保 存されていることである。ClI−Ctdとの比較とまさに同様に、Lys579 、Arg590、Lys604およびLys645は、ファミリーの多くのメンバーでよ く保存されている。GelB−CTDは、正に荷電した残基のこの群の間で相同 性が最も小さい。また、ClI−Ctd中の負の電荷(GelA−CTDではT rp574、Lys576、およびAla609に存在した)もまた、MMPファミリー の多くのメンバーで見られる。GelA、GelBおよびMTI−MMPだけが 、空洞中に負の電荷を配置しない。配列の整列をさらに検討すると、GelA− CTDが、Ala609〜Pro614の間の領域において他のメンバーとほとんど相 同でないことが示される。これらの残基は、ブレードIIIとIVをつなぐループ領 域を作る。他のメンバーは、この領域にわたって多くの相同製を示しており、D FPGIX(ここでXはG、D、EまたはPのいずれかである)コンセンサス配 列によく適合する。GelAが、この領域ではその側鎖が構造に埋め込まれてい るIle613でのみ相同であり、結合したTIMP−2と直接相互作用できない ことに注目すると興味深い。 TBS−2領域からの残基の整列は、GelAとGelBがこの範囲にわたっ て最も類似しているが、同一ではないことを示している。これらの残基の多くは 、Leu645とLys646を除いて、GelA−CTD中のTBS−2と考えられ るもののほとんどを作り上げる。Asp615もまたTBS−2の一部と考えられ ており、かつGelBにおいて相同である。MT1−MMPとストロムライシン (stromelysin)−3は、Asp615とAsp656の保存的置換と同一であるかま たはこれを構成する、次に最もよく類似している残基である。 GelA−CTDとGelB−CTDの比較 GelA−CTDとGelB−CTDのモデルの間で整列した構造の比較は、 これらが、TIMP−2結合表面にわたってClI−Ctdよりも多くの相同性 を有することを示している。配列の整列から見られるように、TBS−2の残基 は非常に相同的であった。GelA−CTDからのTyr636、Val648、Gl y651、Asp615およびAsp656は、GelB−CTDにおいて構造的に保存 されている。1つの残基のみが顕著に異なっており、Phe650がGel B−CTDではVal694になる。ブレードIVの第3と第4鎖をつなぐ湾曲部は 、残基の挿入のためGelB−CTDにおける再構築を要した。しかし大体、こ れらの残基は両方の構造において同様に配置された。ブレードIVの第3と第4鎖 をつなぐループは、2つの残基の挿入を適応させるために再構築する必要があっ た。これによりループのサイズが増大したが、なおGelB−CTDのLeu68 8 とAsn689は、GelA−CTDのLeu645とLys646の近くに配置された 。そのため新しい電荷は導入されないが、この領域の接触表面はGelB−CT Dでは幾分異なるであろう。 TBS−2とは対照的に、GelB−CTDのモデルのTBS−1は、Gel A−CTDとは劇的に異なる。非極性空洞の残基には多数の変化があった。 Trp574、Tyr581、Phe588、Phe602、およびTrp610は、Gel−CT Dでは保存されていない。配列の変化により、GelB−CTDでは空洞がはる かに深くなり、空洞の底は、Leu688とMet653からの非極性原子の寄与によ り規定される。TBS−1においてこの2つの間で保存される他の残基は、空洞 の周辺にある正に荷電したいくつかの残基である。GelA−CTDのLys57 9 とArg590は、GelB−CTDにおいて保存されている。GelB−CTD は、Lys576で保存的に置換されて、ここで正の電荷が保存される。GelA −CTDのLys604とLys646のような他の正の電荷は、GelB−CTDで は極性であるが荷電していない残基になる。全体的にみて、GelA−CTDや ClI−Ctdで見られるよりもGelB−CTDのTBS−1領域では正に荷 電した残基が少ない。GelB−CTDでブレードIIIとIVをつなぐループ領域 は、GelA−CTDへの中程度の相同性を示すが、GelB−CTDへのLe u659の挿入のためにわずかな再構築を必要とした。挿入は、ループ残基のCα 位を同様にモデル作成することを不可能にするため、GelA−CTDやClI −Ctdとは異なる構造を有するようにモデル作成される。GelA−CTDの Pro614はGelB−CTDにおいて保存されているが、ループの再構築のた めに重なる。Asn611とAla612は、GelB−CTDでは異なるが、ClI −Ctd構造で見られる残基と同一である。 GelAの膜依存性活性化を阻害しないGelA−Ctdの変異体はTIMP− 2結合部位内に集中する GelA−CTDと細胞表面との相互作用は、プロ酵素の活性化に必須である 。その結果GelAの膜依存性活性化は、組換えGelA−CTDの存在下で競 合的に阻害される(緒言と考察を参照のこと)。我々が以前報告した結果は、M MP/TIMP−2/GelA−CTD複合体の組立が、GelAの活性化を促 進し、そして過剰のGelA−CTDの存在下でのGelA活性化の阻害が、複 合体中のインヒビターTIMP−2へのGelAの結合との直接競合のためであ るという仮説を支持する。この複合体の組立が、本当にGelA活性化のために 前もって必要なことであるかどうかという問題に対する直接のアプローチは、活 性化阻害とGelA−CTDのTIMP−2結合性を分離することができるかど うかを決定することである。したがって我々は、GelAの膜依存性活性化をイ ンビトロで阻害する、上述の50種のGelA−CTD変異体の能力を調査した 。増大する量の精製WTまたは変異体GelA−CTDタンパク質を膜GelA 活性化反応に加えて、活性化阻害の尺度である残りのプロ酵素種の量を酵素図で 解析した。結果は図6に示す。最も注目に値するのは、TIMP−2結合部位の 外側の点突然変異が、WT GelA−CTD(T2+Ai+表現型)同様にGe lA活性化を阻害したという事実である。さらに、活性化阻害の消失を示した唯 一の点突然変異は、上述のTIMP−2結合部位で見い出されるものであった。 しかし、TIMP−2結合活性の劇的な消失(Ki/Kd>100)を示した変 異体は、2つの群に分類される。Lys576、Arg590、およびTrp574の変 異体は、完全にGelA活性化(T2-Ai-表現型)をしなかった。Asp615 、およびLys646の変異体はWTと見分けがつかないが、変異体Glu641+G ly651→Argは活性化阻害活性のごくわずかな消失を示した。変異体Asp6 56 とTyr636は、TIMP−2結合の顕著な消失(Ki/Kd=10)および 活性化阻害活性の同等な消失を示した。変異体Lys604は、TIMP−2結合 のかなりの消失(Ki/Kd=25)を示したが、活性化阻害には、ほとんどま たは全く影響しなかった。他の全ての変異体(表1と図6を参照のこと)は、T IMP−2結合の非常に穏やかな消失(Ki/Kd<10)を特徴とし、活性化 阻害測定法ではWTと区別がつかなかった。すなわちTIMP− 2結合部位にある残基の点変異体は、TIMP−2結合の消失の程度とこれらの 各活性化阻害活性の消失との間に、完全な相関を常に示すわけではない。このよ うな相関を示す変異体は、TBS1と2の間に分布する。両方の機能が激しく消 失するもの(Trp574、Lys576、およびArg590)は、TIMP−2結 合部位のTBS−1領域に集中している(図1を参照のこと)。両方の機能に穏 やかに影響する2つの変異体(Asp656とTyr636)はTBS2に見い出され る。TIMP−2結合と活性化阻害に及ぼす影響に最も大きな不一致のある2つ の変異体(Asp615とLys646)は、TBS1と2の境界に見い出される。最 後にT2b+i-表現型の変異体は存在しないことに注目することは重要である。 考察。 GelA−CTDは偽の4重対称を示すため、どんな構造的特徴が、ブレード IIIとIVの間の界面にほぼ位置するTIMP−2結合部位を、他の3つのブレー ドの間の界面に見い出される同様な部位から区別するかを考えることは興味深い 。 分子の表面に表示される静電位を有するGelA−CTD構造のGRASP表示 は、ブレードIIIとIVの間の界面が、界面近くに高濃度の正電荷を有する(図3 )ことでユニークであることを示している。さらに、ブレードIVの最も外側の鎖 は、ブレードIIとIIIに見られるようなβ−バルジ(bulges)のない規則的な逆 平行β鎖を形成するため、GelA−CTD構造においてユニークである。ブレ ードIの第4の鎖は、β−バルジを含まないが、第3の鎖とのその基本骨格のH 結合パターンは、cisプロリン、Pro506の存在により顕著に歪められる。 cisプロリンは、IVを除く全てのブレードの第4の鎖で同定される。すなわち 、高度に局在化した正の電荷と近接するブレードの標準的なβ鎖コンホメーショ ンとが、この高度に対称性の分子の関連位置に見い出されないユニークな結合表 面を部分的に作成するであろう。 GelA−CTD上のTIMP−2結合部位が規定されたため、関連MMPの 既知の構造と配列を見て、どのように結合と特異正が達成されるかというアイデ アを考えることが可能である。このような解析における2つの基本的な仮定は、 1)全ての関連MMP配列が、GelA−CTDおよびClI−Ctdについて 記載されたものと同じ折り畳みをとること、および2)TIMP−1が、Gel A−CTDのTIMP−2結合に匹敵して、GelB−Ctdに結合することで ある。これら2つの仮定が事実であれば、MMP類へのTIMP類の結合の性質 に関するいくつかの興味深い観察を確かに行うことができ、以下に考察する。 1)GelA−CTDのTBS−1にある正に荷電した残基は、TIMP−2に 結合するのに必要であるが充分ではない。突然変異試験は、充分なTIMP−2 結合活性にはこれらの残基が明らかに必要であることを示すが、これらの荷電し た残基の多くが、TIMP−2に結合することが知られていないMMPにおいて 保存されているという事実は、これらの残基の存在がTIMP−2結合を引き起 こすのに充分ではないことを示唆している。TIMP−2は、負に荷電したC末 端テール配列EFLDIEDPを有しており、これは除去されると、TIMP− 1と類似の減少した結合反応速度プロフィールを示す(30)。TIMP−1は 、そのC末端に負に荷電した配列を持たない。静電力は、分子間の広範囲の相互 作用にしばしば影響するため、正の電荷はドッキングの前にGelA−CTDの 結合部位の近くにTIMP−2分子を引き寄せる働きをしうる。一旦結合すると 、静電相互作用は維持されるが、完全な特異的結合をするのにファンデルワール ス力が優勢になる。他の非TIMP結合MMPのTBS−1領域において記載さ れる負の電荷は、広範囲の相互作用を低下させ、また負に荷電したTIMP−2 配列とこれらのMMPの保存される正に荷電した残基との間の静電相互作用を最 小にすることが可能である。また、TIMP−1に特異的に結合するGelBが 、TIMP−2結合表面でGelAよりも2つ少ない正に荷電した残基を有する ことに注目することも興味深い。恐らくこれら2つの残基Lys604とLys646 は、TIMP−2の負に荷電したテールへの結合において役割を演じている。ま た、Lys595とLys597は、本試験では突然変異しなかったが、結合部位の近 くにあり、TIMP−2テールと相互作用しうる。Lys597は、他のMMPの いずれでも保存されていないため、特に興味深い。 2)TBS−1との相互作用は、GelA−CTDへのTIMP−2結合の特異 性に対して、TBS−2よりも大きく寄与する可能性がある。GelA−CTD とGelB−CTDは、TBS−2領域においてかなりの相同性を共有するため 、 この領域では特異性は測定できそうにない。おそらくTIMP−1とTIMP− 2は、両方の分子で同様にTBS−2領域に結合するであろう。GelAとBの 間で最も異なるTIMP−2結合部位の領域は、TBS−1に見い出される。こ こで、GelBは、2つの正に荷電した残基を失っている。また、配列解析とモ デル比較により、この2つが異なる非極性の空洞を有するであろうことが示され る。GelB空洞は、GelAのものよりも深く広い。さらに、GelA−CT DのブレードIIIとIVをつなぐループAla609〜Asp615は、GelB−Ct dのものとは異なる。ループは、GelB配列へのLeu残基の挿入によって、 配列と基本骨格構造の両方で異なっている。 3)ファンデルワールス力は、TIMP−2結合および特異性において主要な役 割を演じる。GelA−CTDのTIMP−2結合部位は、内輸に見積もって1 000Å2を超えてカバーする広い表面であり、主に荷電していない残基からな る。結合部位の荷電した残基の中で、多くは非TIMP結合MMPのC末端ドメ インに見い出され、このことは荷電した残基の存在だけでは結合を説明するのに 充分ではないことを示唆している。同様に、GelA−CTDが、GelB−C tdと共通の非常に多くの荷電した残基を有するという事実は、TIMP−2の 特異的な結合が、単純な静電相互作用の結果でないことを示唆する。恐らく、結 合の強度と特異性は、静電引力と同様にファンデルワールス相互作用に由来する 。生化学試験により、GelA−CTDへのTIMP−2の結合は、低いpHと イオン性界面活性剤に感受性であるが、高い塩濃度には抵抗性であることを示し た(20、30)。これらの結果は、GelA−CTDのTIMP−2結合には 、顕著なイオン性要素とファンデルワールス要素の両方が存在することを示唆す る。本明細書に記載されるGelA−CTDのTIMP−2結合部位は、疎水性 空洞近くに集中した高く正に荷電した領域と延長したほぼ荷電されていないファ ンデルワールス接触界面活性剤をと含む、約1000Å2の広い表面である。こ の部位の荷電した領域は、結合のpHおよびイオン強度依存性を説明し、一方こ の部位の空洞と広いファンデルワールス表面は、複合体を完全に解離させるため に界面活性剤が必要であることを説明する。 非TIMP結合MMPの最も顕著な配列の特徴の1つは、TBS−1の空洞の 中または近くの負に荷電した残基を持ちやすい傾向である。これらの電荷は、潜 在的にTIMP−2結合に有害な影響を及ぼすと考えられた。前述のように、G elAとBを除いて、MT1−MMPだけが、空洞の中または近くにある残基に 負の電荷を持たないことが確認されている。さらに、図4に示されるように、G elAとBに共有される多くの配列の特徴がMT1−MMPにおいても見い出さ れる。GelAのPro614、Asp615、およびAsp656残基は同様にMT1− MMPで保存されている。 GelAとMT1−MMPに共有されないTIMP−2結合部位の残基には、 なお多くの配列の特徴があるが、MT1−MMPは、非ゼラチナーゼMMPの中 で最も相同的である。まとめると、これらの観察結果は、MT1−MMPがTI MP−2に結合することができるかも知れないことを示唆している。実際に最近 の観察結果はこの結論を支持する(25、26)。 プローゼラチナーゼとのインヒビターの相互作用は、そのC末端ドメインによ り媒介される(20〜22)。TIMP−2のC末端ドメインは、Cys128〜 Pro194の67残基長である。ここには、6個のシステインがあり、これらは TIMP−1との類似により3つのジスルフィド結合を形成すると仮定される( 31)。すなわち、TIMP−2のC末端ドメインは、小型で球状になりそうで ある。C末端部分は、わずか1つの残基Glu127によりN末端ドメインから分 離されているため、TIMP−2のN−およびC末端ドメインは空間的に相互に 非常に近づいて位置する必要がある。GelA−CTDのTIMP−2結合部位 の大きな表面積を仮定すれば、TIMP−2のN末端ドメインの部分も結合に関 与することが可能である。TIMP−1とTIMP−2のN末端ドメインは、そ の各C末端ドメイン(27%同一)よりも大きな相同性(44%同一)を示し、 そしてGelAとBのTBS−2セクションはそのTBS−1領域よりもはるか に類似しているため、TIMP−2のN末端ドメインの部分が、Gel−Ctd のブレードIV残基に結合することは可能である。これは、GelA−CTDのT BS−1がTIMP−2のC末端部分により結合させることを意味するであろう 。上述のように、TIMP−2のC末端ドメインは、完全な結合活性に必要な負 に荷電した配列を含有する。TBS−1は、特にGelAでは、多くの正に荷電 し た残基を持ち、そしてGelAとBの配列とモデルの比較に基づくと、TBS− 2よりもはるかに配列と構造の相同性が少ない。この理由のため、GelAのT BS−1は、TIMP−1とは対照的にTIMP−2に対するその特異性を決定 するようである。さらに、TIMP−2のC末端ドメインが延長されないことを 仮定すると、TBS−2の部分は、実際にTIMP−2のN末端ドメインの一部 に結合するかも知れない。 GelAは、触媒性ドメイン、3つのII型フィブロネクチン様反復を有するド メイン、およびC末端ドメインを含有する多ドメインタンパク質である。これら のドメインの4要素配置は未だ知られていない。欠失試験と架橋実験からの生化 学的証拠は、活性GelAが、TIMP−2のN末端とC末端ドメインにより、 その触媒性ドメインとC末端ドメインで同時に結合することを示唆する。TIM P−2は、比較的小さく球状のタンパク質(MW=21kDa)であり、そのN末 端部分は小型で、OB折り畳みをとり(32)、そしてMMPの触媒性ドメイン に結合することにより基質切断を競合的に阻害する。本明細書に記載されるTI MP−2結合部位を仮定すれば、触媒性ドメインの活性部位は、TIMP−2に 結合するとC末端ドメインのブレードIIIとIVの間の界面の比較的近くに位置す ると仮定することができる。GelAが固定したコンホメーションをとるか、ま たは自由に溶液中にあるかは、未だ決定されておらず、今後の研究課題である。 細胞表面GelA活性化の機作 可溶性MMPであるGelAは、細胞表面に集められて、そこでMT1−MM P依存性に活性化される(33に総説)。最初のMT1−MMP依存性Asn37 −Leuプロ−ペプチド切断は過剰のTIMP−2により阻害され、GelA− CTDにより競合的に阻害される。したがって、そのC末端ドメインのない端を 切ったGelAは、この機作では活性化しえない(13)。すなわち説得力のあ る証拠は、その活性化に前もって必要な、細胞表面へプロ酵素を集合させること におけるGelA−CTDの役割を支持する。この機作におけるTIMP−2の 役割は、さらに議論のあるところである。組換えGelA−CTDが、活性化M T1−MMP/TIMP−2複合体への結合により細胞表面と相互作用して、活 性化MT1−MMP/TIMP−2/GelA−CTDの三分子複合体 を形成することができることは明らかである。また、慎重に力価測定した量のT IMP−2は、細胞膜依存性にTIMP−2枯渇系における活性化の効率を増大 させうることを証明することも可能である。これらの結果は、MT1−MMP/ TIMP−2/GelA−CTD複合体の組立が、細胞表面GelAの活性化を 促進するという仮説を支持する。逆にその膜貫通ドメインのない可溶性MT1− MMPは、GelAプロペプチドをAsn37−Leuで忠実に切断しうることが 明らかになった(26)。この可溶性の精製した系において、TIMP−2は専 ら特異的なMT1−MMPインヒビターとして機能する。GelAプロペプチド の切断は、そのC末端ドメインの存在に依存せず、そして膜依存性GelA活性 化とは反対に、端を切ったGelAは、可溶性活性化MT1−MMPの基質であ る。すなわち、細胞膜上のMT1−MMP/TIMP−2/GelA複合体の組 立が、本当にGelΛ活性化に前もって必要であるかどうかを他のアプローチに より確認することが必須である。 過剰のGelA−CTDの存在下でのGelA活性化の阻害は、GelAの細 胞表面結合との直接競合のせいであるため、上記問題に対する協力なアプローチ は、活性化阻害とGelA−CTDのTIMP−2結合性を分離しうるかどうか を決定することである。GelA−CTDの化学修飾とタンパク質分解修飾を利 用した我々の以前の実験は、このような効果を達成できなかった(9、10)。 GelA−CTDの全ての操作で、膜活性化測定法におけるTIMP−2結合と 阻害活性の両方が失われた。突然変異誘発は、この問題に取り組むのに大いに良 好なアプローチを提供する。活性化阻害機能の消失とTIMP−2に結合する能 力の間の完全な相関は、充分な数のTIMP−2結合部位変異体が解析されるな らば、TIMP−2がGelA活性化のメディエーターとして働くことの決定的 な証拠となりうる。ここで我々は、GelAの膜依存性活性化をインビトロで阻 害する上述の全50種のGelA−CTD変異体の能力を調査している。TIM P−2結合部位の外側の全ての変異体は、WT GelA−CTD(T2b+A i+表現型)と同様にGelA活性化を阻害する。TIMP−2結合活性の劇的 な消失(Ki/Kd>100)を示した変異体は、分類された。Lys576、A rg590、およびTrp574のアラニン置換を有する変異体は、GelA活性 化を阻害しなかった(T2b-Ai-表現型)。Asp615、およびLys646変異 体は、WTと区別がつかなかったが、Glu641のアラニン置換およびGly651 のArg置換を有する二重変異体は、活性化阻害活性のわずかな消失を示しただ けであった。TIMP−2結合部位の他の変異体は、活性化阻害に中程度の作用 〜無作用を示す。 重要なことに、T2b+Ai-表現型の変異体は見い出されなかった。すなわち 、全てのAi--変異体をTIMP−2結合部位で濃縮して、T2b+Ai-変異体 は単離されなかったが、TIMP−2結合の消失とGelA−CTD変異体の活 性化阻害性との間の相関は絶対ではない。この不一致は、点突然変異の作用を測 定するために使用した測定法における差によって説明することができる。例えば 、本明細書で記載されるGelA−CTDのTIMP−2結合部位の一部だけが 、実際にMT1−MMPに結合したTIMP−2と相互作用する。これは、全G elA−CTD結合部位を保証するために必要なTIMP−2のC末端ドメイン の一部のみを暴露するMT1−MMPとのTIMP−2の相互作用の性質による ものであろう。すなわちGelA−CTD TIMP−2結合部位の変異体の一 部のみが、活性化を競合的に阻害する能力を消失する(T2b-Ai--)。この 場合に、MT1−MMP/TIMP−2/GelA複合体の組立はなおGelA 活性化のために前もって必要であり、そしてTIMP−2により占有され阻害さ れるMT1−MMPが、どのようにGelAプロペプチドを切断することができ るかという問題は残される。この反応の機作のために、いくつかの説明を引き合 いに出すことができる。MT1−MMP/TIMP−2複合体が可溶性GelA の受容体として作用し、三分子提示複合体を形成する、活性化モデルを提案する ことができる。次にTIMP−2を含まないMT1−MMPの別の分子が、As n37−Leuプロ−ペプチドの切断を実行する。その結果GelAの活性化は、 未占有活性化MT1−MMP対MT1−MMP/TIMP−2複合体の比に感受 性であり、そして飽和量のTIMP−2が活性化を阻害する。 T2b-Ai--およびT2b-Ai+変異体の存在が、GelA−CTDが別の 未だ同定されていない細胞表面受容体に結合することを意味し、そして生じる複 合体が、TIMP−2を含まないMT1−MMPにより活性化されると解釈 するならば、本明細書に与えられたデータに基づく第2セットのGelA活性化 モデルを提案することができる。例えば、GelA−CTDの結合は、最近報告 されたようにαVβ5インテグリンとの相互作用により起こりうる(34)。突 然変異誘発の結果は、TIMP−2結合部位の外側にAi-変異体は見い出され なかったため、TIMP−2とGelA−CTD上の推定受容体結合部位が重な っていることを示す。この重複は、なぜTIMP−2が、MT1−MMP/TI MP−2複合体以外の受容体により媒介される場合でさえ、細胞表面へのGel Aの結合を阻害しうるかを潜在的に説明しうる。すでに我々は、ClIとGel B−CTDのTIMP−1結合部位が重なるGelB/Cllの類似してはいる が可溶性の複合体を報告した(22)。 表1.TIMP−2結合活性に影響するGelA−CTD変異体(Ki/Kd> 1)。野生型のKdと変異体のKiは図7のように測定した。DとIDは、それ ぞれ直接および間接にTIMP−2結合に影響する変異体を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07K 14/81 C07K 14/81 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

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  1. 【特許請求の範囲】 1. GelA−CTDドメインの表面上のTIMP−2結合部位の以下の残 基:Asp656、Gly651、Phe650およびTyr636を含んでなる、MMPイ ンヒビターのスクリーニングのための標的領域。 2. GelA−CTDドメインの表面上のTIMP−2結合部位の以下の残 基:Asp656、Gly651、Phe650、Tyr636、Asp615、Lys646、L ys576、Trp574、Arg590、Lys579、Lys604およびAsn611を含ん でなる、MMPインヒビターのスクリーニングのための標的領域。 3. 請求の範囲第1項に記載のTIMP−2結合部位での反応による、細胞 表面活性化および阻害に及ぼす試験化合物の作用を測定することを含んでなる、 MMPインヒビターのスクリーニング方法。 4. 請求の範囲第2項に記載のTIMP−2結合部位での反応による、細胞 表面活性化および阻害に及ぼす試験化合物の作用を測定することを含んでなる、 MMPインヒビターのスクリーニング方法。
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