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JP2001521619A - レポーターサブユニット相補による分子相互作用の検出 - Google Patents

レポーターサブユニット相補による分子相互作用の検出

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JP2001521619A
JP2001521619A JP54203598A JP54203598A JP2001521619A JP 2001521619 A JP2001521619 A JP 2001521619A JP 54203598 A JP54203598 A JP 54203598A JP 54203598 A JP54203598 A JP 54203598A JP 2001521619 A JP2001521619 A JP 2001521619A
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JP54203598A
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エム. ブラウ,ヘレン
ロッシ,ファビオ
モーラー,ウィリアム
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ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ
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Abstract

(57)【要約】 分子相互作用、特にタンパク質-タンパク質相互作用を検出するための方法および組成物が提供される。本発明は、生存細胞またはインビトロにおけるこのような相互作用の検出を可能にする。生存細胞における分子相互作用の検出は、核区画に制限されないが、細胞質、細胞表面、細胞小器官、またはこれらの実体の間で達成され得る。1つの実施態様では、本方法は、目的の分子と2つ以上の不活性な弱相補性のβ-ガラクトシダーゼ変異体との間の融合タンパク質を含む新規組成物を利用する。目的の分子間の会合は、相補性β-ガラクトシダーゼ変異体を近傍にもたらし、その結果、相補が生じ、そして活性なβ-ガラクトシダーゼが生成される。活性β-ガラクトシダーゼは、当該分野で周知の方法により検出され得る。本発明の使用の中でも、タンパク質-タンパク質相互作用の研究、機能的ゲノム、アゴニスト、およびアンタゴニストのスクリーニング、ならびに薬物発見である。

Description

【発明の詳細な説明】 レポーターサブユニット相補による分子相互作用の検出 関連出願の引用 本願は、1997年4月2日に出願された米国仮特許出願番号第60/042,576号およ び1997年8月4日に出願された米国特許出願番号第60/054,638号;および1998年 4月1日に出願された米国特許出願代理人整理番号28600-20206.00に対する優先 権を主張する。 連邦政府主催研究下でなされた発明に対する権利の声明 (適用なし) 技術分野 本発明は、分子生物学の分野にあり、より詳細には、タンパク質−タンパク質 相互作用の分析のために有用なレポーター系の分野にある。 背景 β-ガラクトシダーゼ酵素(β-gal)(E.coli lacZ遺伝子のタンパク質産物) は、高等生物における遺伝子発現および細胞系譜の研究において広範に用いられ る。β-gal活性のいくつかの生化学アッセイ(生存細胞フローサイトメトリーお よび発色基質5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルβ-D-ガラクトピラノシド(X-gal )での組織化学染色を含む)は、定量的レポーター酵素、選択マーカー、または 組織学的指標として非常に多目的のlacZ遺伝子の産物を作製する。Bronsteinら 、(1989)J.Biolumin.Chemilumin.4:99-111;Nolanら(1988)Proc.Natl.Ac ad.Sci.USA 85:2603-2607;およびLojda(1979)Enzyme Histochemistry:A Labo ratory Manual,Springer,Berlin。細菌遺伝学の研究において十分に特徴づけ られているが真核生物では利用されていないlacZ系の1つの特性は、シストロン 内相補性の現象である。E.collにおける研究は、N末端またはC末端のいず れかの部分を除去するβ-galの欠失が、不活性である酵素を産生することを示し た。しかし、これらの欠失変異体の1つと、第一の変異体において欠損している ドメインを含有する第二の不活性欠失変異体との同時発現は、相補と呼ばれるプ ロセスにおいてβ-gal酵素活性を回復し得る。この相補したβ-gal活性は、野生 型ホモテトラマーの必須ドメインの全てを含む安定なヘテロオクタマー酵素複合 体の濃度依存性アセンブリにより生じる。Ullmanら、(1965)J.Mol.Biol.12 :918-923;Ullmanら、(1967)J.Mol.Biol.24:339-343;およびUllmanら、( 1968)J.Mol.Biol.32:1-13。 酵素アッセイにおいてβ-gal相補を利用する系が記載されている。Henderson 、米国特許第4,708,929号。この系において、相補により活性β-galを形成する ように高親和性で組み合わせ得る酵素的に不活性なβ-galポリペプチドフラグメ ントが、用いられる。フラグメントの1つは、分析物に結合体化され、このこと により、分析物結合タンパク質への結合について分析物と競合される。分析物結 合タンパク質に結合される場合、β-galフラグメントは相補し得ない。したがっ て、サンプルの存在下におけるβ-gal活性を既知の濃度の分析物の存在下で得ら れた活性と比較することにより(等濃度の分析物結合タンパク質で)、サンプル 中の分析物の量が決定され得る。この方法は、β-galの高親和性の相補性サブユ ニットを必要とし、分析物結合タンパク質が既知であることを必要とし、そして 単一細胞分析に適用可能ではない。 2つの融合遺伝子(その産物が転写アクチベーターの機能を再構成する)を利 用するタンパク質−タンパク質相互作用の研究のための以前の系が記載されてい る。Fieldら、(1989)Nature 340:245-247;Baiら、(1996)Meth.Enzymol.2 73:331-347;Luoら、(1997)BioTechniques 22(2):350-352。1つの融合遺伝子で は、第一のタンパク質をコードする配列は、転写調節タンパク質のDNA結合ドメ インをコードする配列に結合体化される。第二の融合遺伝子において、第二のタ ンパク質をコードする配列は、転写調節タンパク質の転写活性化ドメインをコー ドする配列に結合体化される。2つの融合遺伝子は、第一の融合遺伝子によりコ ードされるDNA結合ドメインにより結合されるDNA調節配列によりその発現が制御 されるレポーター遺伝子もまた含む細胞に同時トランスフェクトされる。レポー ター遺伝子の発現は、転写活性化ドメインがDNA調節配列に隣接して置かれるこ とを必要とする。第一のタンパク質の第二のタンパク質への結合は、第二の融合 遺伝子によりコードされる転写活性化ドメインを、第一の融合遺伝子によりコー ドされるDNA結合ドメインと近接させ、それによりレポーター遺伝子の転写を刺 激する。従って、レポーター遺伝子の発現のレベルは、第一のタンパク質と第二 のタンパク質との間の結合の程度を反映する。 上記の系の使用に関連したいくつかの欠点がある。それはレポーター遺伝子の 転写調節発現に依存するので、この系は、核において生じる相互作用のアッセイ に制限される。さらに、このアッセイは、その産物が拡散性であるレポーター遺 伝子の転写活性化に依存して間接的である。従って、それらが生じる部位での、 分子相互作用の直接的でありかつ即座の試験を可能にする方法は望ましい。 核相互作用に制限されない、タンパク質−タンパク質相互作用を検出するため の系が、記載されている。米国特許第5,503,977号および第5,585,245号。この系 において、可能な相互作用ポリペプチドとタンパク質ユビキチンの変異体サブユ ニットとの間の融合が形成される。可能な相互作用性ポリペプチド間の相互作用 によりもたらされる2つのユビキチンサブユニットの並置は、ユビキチン特異的 プロテアーゼのための基質を作出し、そして低分子量ペプチドレポーターフラグ メントが放出される。この系において、可能な相互作用性ポリペプチド間の結合 は、いかなるタイプの酵素活性をも生じさせない。従って、シグナル増幅は起こ り得ない。さらに、ユビキチン系は、インタクトな細胞において活性を測定しな いが、無細胞抽出物におけるタンパク質溶解のアッセイに依存する。必要とされ るものは、関連細胞区画におけるインタクトな細胞中のタンパク質相互作用を試 験するための高感度の方法である。 蛍光イメージングは、生存細胞の細胞間生化学を研究するために用いられてい る。アデノシン3'5'-サイクリック−リン酸(cAMP)シグナル伝達経路のための 蛍光指示薬が記載されている。ここでは、センサーが、cAMPキナーゼであり、触 媒サブユニットおよび調節サブユニットがそれぞれ、ホロ酵素複合体における蛍 光共鳴エネルギー転移をし得る、異なる蛍光色素(例えば、フルオレセイン、ま たはローダミン)で標識化される。蛍光発光スペクトルの形状の変化は、cAMP結 合の際に生じ、従ってキナーゼの活性化は、標識化ホロ酵素を用いてマイクロイ ンジェクションした細胞において可視化され得る。Adamsら、Nature,349:694-6 97(1991)。この系は、それがエネルギー転移が生じるために、マイクロインジェ クションおよび標識化ユニット間の好ましい距離を必要とするという事実によっ て制限される。 β-ラクタマーゼのための基質は、当該分野において記載されている。これは 、蛍光ドナー部分およびクエンチャーを含み、そしてそれらを細胞膜に透過性に する付属基を含み、ここで付属基は、基質が細胞内に侵入した後加水分解除去さ れる。ドナーとクエンチャーとの間の蛍光エネルギー転移は、β-ラクタマーゼ 活性の指示薬としてモニターされる。この系はまた、プロモーターに機能的に連 結されたβ-ラクタマーゼレポーター遺伝子を含む細胞を用いるレポーター遺伝 子アッセイにおいて用いられ得る。PCT WO96/30540、1996年10月3日に公開、こ の内容は本明細書中に参考として援用されている。 発明の開示 本発明は、2つ以上の低親和性レポーター遺伝子サブユニット(例えば、異な るE.coli lacZ変異体)間の相補性による、生存細胞内のおよびインビトロでの 分子相互作用を検出し、アッセイし、そして定量するための方法および組成物を 提供する。好ましい実施態様では、生存細胞内のタンパク質−タンパク質相互作 用が、本発明の方法および組成物を用いて検出および定量される。本発明の実施 は、初めて、レポーター遺伝子構築物の転写活性化に依存することなく、生存哺 乳動物細胞におけるタンパク質−タンパク質相互作用およびそれらの制御の研究 を可能にする。目的のタンパク質の会合は、直接的に酵素活性を生じ、そして他 の細胞機能とは独立している。従って、本発明は、核から抽出された複合体の検 出、およびその形成が転写を阻害する複合体の検出を可能にすることにより、現 在使用されている他の系を上回る利点を提供する。さらに、本発明は、異なる発 達および分化期の細胞内の特異的結合相互作用の検出および局在化、ならびに細 胞における結合相互作用の誘導または阻害の分析を可能にする。 細胞の核内で生じる相互作用、細胞質において、細胞表面上、細胞小器官内も しくはその表面、または細胞質と表面(細胞または細胞小器官の)分子の間で生 じる相互作用は全て、細胞の外側で生じる相互作用と同様に、本発明の実施にお いて検出され得る。従って、本発明は、タンパク質−タンパク質相互作用のため の以前のアッセイと関連した制限を克服する。以前のアッセイは、核において生 じる相互作用に制限されたか、または分子相互作用の正確な局在化を常に可能に するわけではないかのいずれかであり、転写または翻訳の阻害を生じる相互作用 の検出のために十分に適してはいなかった。 従って、1つの実施態様では、本発明は、以下を包含する、レポーター系を提 供する: 第一の推定結合部分に結合された第一の低親和性レポーターサブユニット; ここで、第一の低親和性レポーターサブユニットは、少なくとも第二の低親和 性レポーターサブユニットと会合して、検出可能なシグナルを生成し得、この会 合は、第一の推定結合部分によって媒介される。 別の実施態様では、本発明は、第一の推定結合部分と第二の推定結合部分との 間の結合の発生を決定する方法を提供し、この方法は以下の工程を包含する: a)レポーター系を提供する工程; 第一の推定結合部分に結合された第一の低親和性レポーターサブユニットを 含む第一の成分;および 第二の推定結合部分に結合された第二の低親和性レポーターサブユニットを 含む第二の成分; ここで、第一の低親和性レポーターサブユニットは、少なくとも第二の低親和 性レポーターサブユニットと会合して、検出可能なシグナルを生成し得、この会 合は、第一の推定結合部分と第二の推定結合部分との結合によって媒介される; b)第一の成分と第二の成分とを組み合わせる工程;および c)シグナルの存在または不在を検出する工程。 さらなる実施態様では、本発明は、第一の結合部分と、複数の異なる第二の推 定結合部分のメンバーとの結合をスクリーニングする方法を提供し、この方法は 以下の工程を包含する: a)それぞれ以下を含む複数のレポーター系を提供する工程: 第一の結合部分に結合された第一の低親和性レポーターサブユニットを含む 第一の成分;および 複数の第二の成分の1つであって、各々は、複数の第二の推定結合部分の1 つに結合された第二の低親和性レポーターサブユニットを含み、ここで第二の成 分の各々において、第二の推定結合部分は異なる; ここで、第一の低親和性レポーターサブユニットは、第二の低親和性レポータ ーサブユニットと会合して、第一の結合部分と異なる第二の推定結合部分の1つ との結合の際に検出可能なシグナルを生成し得る; b)第一の成分を複数の第二の成分のそれぞれと個々に組み合わせて、複数の 結合アッセイサンプルを生成する工程であって、それらの各々は、第一の成分、 および第二の成分の異なる1つを含む;および c)結合アッセイサンプルの各々においてシグナルの存在または不在を検出す る工程。 本発明はさらに、低親和性レポーターサブユニットおよび推定結合部分を含む 融合タンパク質をコードする核酸、ならびにこの核酸によってコードされる融合 タンパク質を提供する。本発明は、このような融合タンパク質をコードする核酸 を含むウイルスベクターをさらに提供する。本発明はまた、上記の核酸およびウ イルスベクターにより形質転換された細胞を提供する。 本明細書中で言及した全ての特許、特許出願、および刊行物は、これによって 、参考として援用される。 図面の簡単な説明 図1は、Δα、Δω、およびΔμと命名された3つの欠失変異体lacZ構築物の 模式図である。 図2Aは、ハイグロマイシンまたはネオマイシン耐性遺伝子の上流に、細胞内 FKBP-ラパマイシン(rapamycin)会合(associated)タンパク質(FRAP)または 細胞内ラパマイシン結合(binding)タンパク質であるFK506-結合タンパク質-12 (FKBP12)のいずれかを有する、Δαβ-gal変異体またはΔωβ-gal変異体の融 合タンパク質をコードするウイルス構築物の模式図である。 図2Bは、ハイグロマイシンまたはネオマイシン耐性遺伝子の上流に、FRAPま たはFKBP12のいずれか、ならびにxおよびx’として示した別のタンパク質を有 する、Δαβ-gal変異体またはΔωβ-gal変異体の融合タンパク質をコードする ウイルス構築物の模式図である。 図3Aおよび3Bは、FKBP12-ΔωおよびFRAP-Δαの両方を発現する固定され た細胞のX-gal染色を示す。3bに示される細胞は、10ng/mlラパマイシンに12時 間曝露した。3aに示される細胞は、ラパマイシンに曝露しなかった。 図4Aは、FKBP12-ΔωおよびFRAP-Δαの両方の融合タンパク質を発現するC2 C12細胞の、ラパマイシンありおよびラパマイシンなしの処理での時間に対する β-gal活性のグラフである。 図4Bは、FKBP12-ΔωおよびFRAP-Δαの両方の融合タンパク質を発現するC2 C12細胞におけるβ-gal活性の、ラパマイシンに対する用量応答のグラフである 。 図5は、化学発光によって測定された、FKBP12-ΔωおよびFRAP-Δαの両方の 融合タンパク質を発現する細胞からの溶解産物中のβ-gal活性の、ラパマイシン 依存的な増加を示す。 図6Aは、90分間のラパマイシン処理後の、FKBP12-ΔωおよびFRAP-Δαの両 方を発現するC2C12細胞の蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)による分析を示 す。暗いピークは未処理のサンプルから得られたプロフィールを示し;明るいピ ークは10ng/mlラパマイシンで処理したサンプルからのプロフィールを示す。 図6Bは、未処理細胞のFACSプロフィールを示し、低β-gal活性に基づいて選 択された亜集団を示す。 図6Cは、ラパマイシンの非存在下(暗いピーク)または存在下(明るいピー ク)での一晩培養後の図6Bにおいて選択された細胞の亜集団のFACS分析を示す 。図6A、図6B、および図6Cにおいて、縦軸は細胞数を示し、そして横軸は 、対数スケールで表される、β-galの蛍光強度を示す。 図7は、β-gal相補性を使用してモニターしたEGFレセプターのダイマー化を 示す。 図7Aは、アッセイの原理を模式的に記述する:β-galの2つの弱い相補性欠 失変異体は、EGFレセプターの細胞外および膜貫通ドメインに連結される。EGFに よって安定化されるレセプターのダイマー化により、β-gal相補性に至る。 図7Bは、アッセイにおいて使用されるレトロウイルス構築物の設計を示す。 E.coli lacZ欠失変異体ΔαおよびΔωは、それぞれネオマイシンまたはハイグ ロマイシン耐性を発現する、pWZLベクターにクローニングされる。ヒトEGFレセ プターの細胞外ドメインおよび膜貫通(tm)ドメインは、ΔαおよびΔω変異体 とインフレームにクローニングされた。 図7Cは、形質導入され、選択された細胞の集団のFACS分析を示す。EGF処理 は、実質的な部分の細胞においてβ-gal活性(フルオレセイン蛍光)を増加させ る。EGF処理していない細胞のFACSプロフィールは、明灰色で影をつけられ、白 で輪郭を描かれる。EGF処理した細胞のプロフィールは、暗灰色で影をつけられ る。 図7Dは、ヒトEGFレセプターの細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体 を使用する、キメラレセプター発現のFACS分析を示す。形質導入され、選択され た集団のFACSプロフィールは、中程度の灰色で影をつけられ、白で輪郭を描かれ る;形質導入されていない細胞は明灰色で影をつけられ、そして白で輪郭を描か れる。FACSは、EGFの非存在下で低β-gal活性を有した細胞をクローニングする ために使用され、EGFの存在下ではβ-gal活性の増加を示した。集団(暗灰色で 影をつける)に比較して低レベルのキメラレセプターを有した1つのクローンは 、さらなる分析のために使用された。 図7Eは、100ng/ml EGFで2時間の処理による、図7Dで選択されたクローン のすべての細胞におけるEGFレセプターダイマー化(β-gal活性)の誘導を示す 。未処理細胞は明灰色で影をつけられ、白で輪郭を描かれる;EGF処理細胞は暗 灰色で影をつけられる。 図7Fは、ダイマー化がEGFで非常に短時間処理した後に検出され得ることを 示す。細胞は、100ng/ml EGFで0、1、4、8および15分間処理され、その後 細胞はすすがれ、そしてFACS分析のために処理された。細胞サンプルの平均の蛍 光がプロットされる。 図8は、EGF処理後のEGFレセプターのダイマー化および細胞表面におけるレセ プターの発現の時間経過を示す。キメラレセプターを発現する細胞は、100ng/m l EGFで0〜24時間処理された。β-gal活性によって測定されるようなダイマー化 は、FACSによってモニターされ、そして細胞の平均β-gal活性(フルオレセイン 蛍光)がプロットされた(左側軸;−■−)。細胞表面のキメラレセプターレベ ルは、ヒトEGFレセプターの細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体および フィコエリトリン標識二次抗体を使用して、FACSによって測定された。平均フィ コエリトリン蛍光値は、右側軸に示される(−▲−)。各時間の点に対して3連 のサンプルが分析され、そして5000個の細胞が各々のサンプルについて分析され た。エラーバーは複製サンプルの標準偏差を示す。 図9は、EGFレセプターのダイマー化が、チロホスチン(tyrphostin)AG1478 によって増強されることを示す。 図9Aは、左側のパネルにおいて、EGF、チロホスチン、またはその両方での 細胞の処理についての異なるレジメの説明図を示す。種々の処理後、細胞はFACS において分析され、そして、平均の蛍光が右のパネルに示される。各々の処理は 3連で行われた。 図9Bは、EGF+チロホスチン処理細胞と比較した、EGF処理細胞におけるβ-ガ ラクトシダーゼ活性の測定を示す。キメラレセプターを発現する細胞は、100ng/ ml EGF(−■−)またはEGFおよび100nMチロホスチンAG1478で0〜24時間(…▲ …)のいずれかで処理された。3連のサンプルが各時間の点に対して分析され、 そしてエラーバーは複製サンプルの標準偏差を示す。 発明を実施するための形態 定義 本明細書で使用する場合、以下の用語は、以下の定義を有する: 本明細書で使用する場合、「レポーターサブユニット」とは、互いに低結合親 和性で会合して、検出可能なシグナルを生じ得る、または互いにおよび1つ以上 のさらなる物質と会合して、検出可能なシグナルを生じ得、そして個々では検出 可能なシグナルを生じない、2つ以上のサブユニットの複合体のメンバーをいう 。 本明細書で使用する場合、「低親和性」レポーターサブユニットとは、各々が 2つの異なる結合部分に共有結合する場合、2つの結合部分間で結合相互作用が 生じない限りは、それらが実質的に会合しないように、互いに十分に低い結合親 和性を有する分子種をいう。従って「低親和性」は、一般的に、少なくとも、結 合した結合部分の結合親和性よりも低い結合親和性をいう。 本明細書で使用する場合、「結合部分」とは、互いに相互作用して安定な複合 体を形成する、タンパク質またはそのフラグメントのような少なくとも2つの分 子種をいう。 本明細書で使用する場合、「検出可能なシグナル」とは、レポーターサブユニ ットの会合に際して、または会合したサブユニットと別の物質との相互作用を介 して生ずる、任意の検出可能なシグナルをいう。検出可能なシグナルは例えば、 会合したレポーターサブユニットによって触媒される酵素的反応の検出可能な産 物のような、色素形成性、蛍光性、燐光性、または化学発光性のシグナルであり 得る。 用語「タンパク質」「ポリペプチド」および「ペプチド」とは、任意の長さの アミノ酸のポリマーをいうために、本明細書中で相互に交換可能に使用される。 ポリマーは直鎖状または分枝状であり得、改変されたアミノ酸を含み得、そして 非アミノ酸によって中断され得る。それはまた天然にまたは介入によって改変さ れ得る;例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、ミリスチル化、アセチ ル化、アルキル化、リン酸化、または脱リン酸化である。この定義にはまた、1 つ以上のアミノ酸のアナログ(例えば、非天然アミノ酸を含む)および当該分野 で公知の他の改変を含むポリペプチドが含まれる。 他に示さない限り、本発明の実施は、当該分野の技術範囲にある、分子生物学 、生化学、微生物学、組換えDNA、核酸ハイブリダイゼーション、遺伝学、免疫 学、発生学、および腫瘍学の従来技術を用いる。このような技術は文献に十分に 説明されている。例えば、Maniatis、FritschおよびSambrook、MOLECULAR CLONI NG:A LABORATORY MANUAL,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1982);Sambro ok FritschおよびManiatis、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,第2版 ,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989);Ausubelら、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons(1987,1988,1989,1990,1991, 1992,1993,1994,1995,1996)を参照のこと。レポーターサブユニット 本明細書で使用する場合、「レポーターサブユニット」とは、互いに低い結合 親和性で会合して検出可能なシグナルを生じ得るか、または互いにおよび1つ以 上のさらなる物質と会合して検出可能なシグナルを生じ得、そして個々には検出 可能なシグナルを生じない、2つ以上のサブユニットの複合体のメンバーをいう 。 従って、検出可能なシグナルは、サブユニットが会合しているという指標を与 える。一般的に、第1の分子種および少なくとも第2の分子種(「推定結合部分 」)の結合親和性のアッセイにおいて、第1の分子種に結合した1つのレポータ ーサブユニットを含む第1の成分が提供され、そして第2の分子種に結合した同 じまたは異なる別のレポーターサブユニットを含む第2の成分が提供される。そ の分子に対する結合親和性がアッセイされる分子が、2つの成分間の複合体形成 を仲介するに十分な結合親和性を有さない限り、および有するまでは、レポータ ーサブユニットは、好ましくは、それらが溶液中でお互いに実質的に会合しない ように、互いに十分に低い結合親和性を有する。一般的には水素結合または疎水 性相互作用といった非共有結合性の相互作用による、結合部分の結合および生じ るレポーターサブユニットの会合に際して、例えば、レポーターサブユニットは 、互いに十分に近接して配向し、その結果、それらは低親和性で会合して検出可 能なシグナルを生じ得る。この系において、個々のレポーターサブユニットは検 出可能なシグナルを生じ得ない。従って、レポーターサブユニットは、密接に近 接して置かれた場合、強制的な相補をこうむる。 レポーターサブユニットは、特定の適用のため、および結合アッセイが行われ る条件のために好ましい低親和性を有するように設計され得る。分子の結合は、 pH、イオン強度、アッセイの成分の濃度、および温度のような溶液中の因子に依 存する。本明細書に記載のレポーター系を使用する結合アッセイにおいて、レポ ーターサブユニットの結合親和性は、強制的な相補を可能にするために十分に低 いべきである。緩衝系または細胞内部のような、アッセイ溶液におけるレポータ ーサブユニットの解離定数の非限定的な例は、特定のアッセイ系の特性に依存し て、例えば約10-8Mよりも大きく、10-6Mよりも大きく、または必要に応じて約10-2 〜10-5Mの間のオーダーである。 十分に低い結合親和性を有し、そしてレポーターサブユニットに結合した分子 種の結合に際して、まだやはり会合して検出可能なシグナルを生じ得るレポータ ーサブユニットは、本明細書で開示されるように設計され得る。用いられ得るレ ポーターサブユニットは、会合して検出可能なシグナルを生じ得る任意の低結合 親和性サブユニットを含む。1つの好ましい実施態様において、レポーターサブ ユニットは、会合可能で、そして会合した場合、直接的または間接的に検出可能 な産物を産生する反応を触媒し得るタンパク質である。 例えば細胞に基づくスクリーニングアッセイに使用されてきた、直接的または 間接的のいずれかで検出可能な反応産物への基質の転換を触媒し得るタンパク質 酵素は、レポーターサブユニットとして使用され得る。酵素はレポーターサブユ ニットに改変され得、そして低結合親和性および強制的な相補をこうむる能力を 有するように改変され得る。これらは例えば、部位特異的変異誘発もしくはラン ダム変異誘発、または欠失変異によって改変され得、そして低結合親和性で会合 し得る低親和性サブユニットを提供し、そしてそれによって酵素反応を触媒する 相補をこうむり得る。例えば、低結合親和性で相補し得るレポーターサブユニッ トは、β-ガラクトシダーゼ、β-グルクロニダーゼ(GUS)、β-ラクタマーゼ、 アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルト ランスフェラーゼ(CAT)、およびルシフェラーゼのような酵素由来であり得る 。直接的または間接的のいずれかで検出可能産物を産生し得る任意の範囲の酵素 は、そのように改変され得、または天然に生じ得る。さらに、レポーターサブユ ニットは、非酵素分子由来であり得る。例えば、2つのタンパク質の会合は、相 互作用するタンパク質の一方または両方に、抗体または他のリガンドによって認 識され得る独特のコンホメーションを生じ得る。 E.coli lacZ遺伝子によってコードされるβ-ガラクトシダーゼは、当該分野 においてレポーター酵素として開発されてきた酵素である。β-ガラクトシダー ゼ活性は、生細胞フローサイトメトリーおよび色素形成性基質5-ブロモ-4-クロ ロ-3-インドイルβ-D-ガラクトピラノシド(X-gal)を用いる組織化学的染色を 含む、様々な方法によって測定され得る。Nolanら、Proc.Natl.Acad.Sci.,U SA,85:2603-2607(1988);およびLojda,Z.,Enzyme Histochemistry:A Labor atory Manual,Springer,Berlin,(1979)、これらの開示は本明細書中で援用さ れる。 シストロン内で相補可能な酵素変異体は、レポーターサブユニットとして特に 適切である。E.coliにおいて、β-galのN末端またはC末端のいずれかの欠失 は、不活性であるが、第1の変異体において欠けているドメインを含む第2の不 活性欠失変異体との同時発現によってなお相補され得る酵素を産生する。相補性 に関与するN末端ドメインおよびC末端ドメインは、α領域およびω領域として 公知である。Ullmann、J.Mol.Biol.12:918-923(1965);Ullmanら、J.Mol.B iol.24:339-343(1967);およびUllmanら、J.Mol.Biol.32:1-13(1968)、これ らの開示は、本明細書中で援用される。哺乳動物細胞におけるβ-gal相補系は、 MohlerおよびBlau、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:12423-12427(1996)にお いて記載され、この開示は本明細書中で援用される。そこで記載されるように、 β-galの相補性変異体を発現するベクターが構築され得る。本明細書でΔαと呼 ばれる天然に生じるlacZ変異体ΔM15(Beckwith,J.Mol.Biol,8:427-430(196 4);ならびにPrentki、Gene,122:231-232(1992)およびNature,369:761-766( 1994)、これらの開示は、本明細書中で援用される)が構築され得る。本明細書 でΔωと呼ばれる別の欠失変異体は、本明細書中で開示されるように作製され、 そしてその構造は図1に模式的に示される。α領域とω領域との間のペプチド領 域は、最初にMohlerおよびBlau、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:12423-12427 (1996)によって定義されたように、本明細書ではμ領域といわれる。Δα変異 体およびΔω変異体は本明細書中で最適な強制的な相補特性を有することが実証 される。これらの欠失変異体は、α-受容体/ω-供与体(Δα)およびα-供与 体/ω-受容体(Δω)を示すポリペプチドを発現する。 β-gal相補は、活性酵素を会合および再構築する変異体酵素分子の能力に基づ く。従って、ホロ酵素の活性に重要である1つ以上の構造ドメインを各々欠く2 つのβ-gal分子は、会合して、必要とされる構造決定基のすべてを含む単一の機 能単位を形成する。この現象は、野生型β-galの単一ペプチドのドメイン間で通 常生ずる相互作用がまた、2つの別のペプチドに存在するドメイン間に存在し得 、安定なダイマーの形成を導くという事実に依存する。このダイマーは野生型β -g alの単一ペプチドとして機能的にふるまい、そして究極的には酵素の活性型を示 すテトラマーの形成に関与する。従って、酵素の活性型を再作製するβ-gal変異 体の対の能力は、安定なダイマーを形成する能力に強く依存し、そしてそれゆえ にそれらの互いに対する親和性に依存すると予想される。 驚くべきことに、2つの異なる低親和性βgal変異体は互いに比較的低い親和 性を有するにもかかわらず、その2つの異なる低親和性βgal変異体の強制的会 合または相補が、哺乳動物細胞において活性な酵素分子の効率よい形成をもたら すことが見い出された。強制的相補は、2つの変異体サブユニットが、変異体の サブユニットに結合した結合部分の結合親和性に起因して会合される場合に、生 じる。目的のドメインまたはタンパク質がΔαβgal変異体とΔωβgal変異体と の間のダイマー化を駆動する構築物を操作することによって、インタクトな真核 生物細胞におけるこれらの融合タンパク質の同時発現によって得られる相補の効 率を評価することによってこのような相互作用をモニターしそして定量すること が可能である。 Δαβgal変異体とΔωβgal変異体との間の2成分相補に加えて、本発明はま た、各々が単一の機能性α、μ、またはω領域のみを含む変異体の間の3成分相 補も意図する。他の適用の間で、これは、単一のレポーターに基づく3つの異な るタンパク質の間の相互作用の検出を可能にし得る。同様に、4つ以上のレポー ター成分を含むより高い次元の系も、本発明の範囲内である。 融合タンパク質系を用いて、タンパク質-タンパク質相互作用およびそれらの 調節を、レポーター構築物の転写活性化に頼らずに哺乳動物細胞において研究し 得る。目的のタンパク質の会合は、酵素活性を直接もたらし、そして他の細胞機 能から独立している。従って、この系は、核から除かれるか、または転写を阻害 するパートナーを含む複合体の検出を可能にする。さらに、細胞内の特異的結合 相互作用の局在化、ならびにそのような結合相互作用の一時的な分布の検出、定 量、および決定を可能にする。結合相互作用を、発生または分化の異なる段階で の細胞、ならびに正常細胞対病的細胞および感染細胞対感染していない細胞など において比較し得る。従って、結合相互作用は、異なる細胞型の間で性質および 濃度が異なり得る内因性競合成分の背景に対して評価し得る。 本明細書において記載されるレポーター系において強制的相補をし得る他の酵 素は、同定され得るかまたは構築され得る。例えば、酵素活性のシストロン内相 補の現象はトリプトファン合成酵素について記載されている。Jacksonら、J.Bio l.Chem.、244:4539-4546(1969)。チミジレートシンターゼの変異体サブユニ ット間の相補は記載されている。Pookanjanatavipら、Biochemistry 31:10303- 10309(1992)。この開示を、本明細書において援用する。従って、当該分野で 公知の任意の相補性酵素系に由来するレポーターサブユニットを、本発明の実施 において使用し得る。変異体は、タンパク質-タンパク質相互作用のレポーター として作用し得るか、もしくはその活性が上記に記載されるように調節され得る 、他の酵素またはタンパク質に由来し得る。この系は、タンパク質-タンパク質 相互作用の検出のために、低結合親和性酵素変異体の相補能力を利用する。 例えば、βラクタマーゼに由来する相補性低親和性レポーターサブユニットを 構築し得る。相補性βラクタマーゼの活性は、蛍光供与体部分および消光体を含 む当該分野で開発されたβラクタマーゼについての基質(これは、細胞膜を横切 るように透過性にする結合基を含み、ここで結合した基は、基質が細胞に入った あとに加水分解されてなくなる)を用いて検出され得る。次いで、供与体と消光 体との間の蛍光エネルギー転移を、1996年10月3日に公開されたPCT WO 96/3054 0に記載されるように、βラクタマーゼ活性の指標としてモニターし得る。 反応物を触媒して検出可能な産物を生成する酵素に加えて、それ自身が会合時 に検出可能であるタンパク質、タンパク質ドメイン、またはタンパク質フラグメ ントを使用し得る。例示的なタンパク質には、緑色蛍光タンパク質が含まれる。 この緑色蛍光タンパク質は、特徴的な検出可能な発光スペクトルを有し、そして PCT WO 96/23810(この開示を、本明細書において援用する)に記載のようにそ れらの発光スペクトルを変更するように改変された。緑色蛍光タンパク質のほか のタンパク質との融合、および細胞において発現される融合タンパク質をコード するDNA配列は、PCT WO 95/07463に記載されており、この開示を、本明細書に おいて援用する。 他の例示的なサブユニットには、蛍光または発光シグナルのような光化学シグ ナルを生成するように化合し得るサブユニットが含まれ、これには、化学発光ま たは光発光シグナルが含まれる。レポーターサブユニットはまた、例えば、EP公 開第0601889A2およびPCT WO 96/41166(これらの開示は、本明細書において援 用する)に開示されるように、それらが密接に会合する場合、検出可能な共鳴エ ネルギー転移をし得る発蛍光団を含み得る。 他の相補性酵素は、当該分野で公知である。例えば、膵臓リボヌクレアーゼお よびStaphylococcusヌクレアーゼ。これらの酵素の相補性サブユニットの変異体 を、部位特異的変異誘発のような当業者に周知の方法を用いて構築して、低親和 性相補性サブユニットを生成し得る。これらの型の相補性タンパク質について1 つの可能性のある使用は、腫瘍治療としてである。ここで、腫瘍特異的タンパク 質は、2つのタンパク質をいっしょにする橋として作用する。これらのタンパク 質の各々は、ヌクレアーゼの低親和性相補性フラグメントへと融合される。得ら れたヌクレアーゼ活性は、いくつかの場合、mRNA、ゲノムDNAなどを破壊するこ とによって細胞を殺傷し得る。 結合部分 それらの互いの結合親和性についてアッセイし得る結合部分は、結合相互作用 をし得る任意の分子を含む。2つ以上の結合部分の間の結合相互作用は、直接ま たは1つ以上のさらなる結合種(例えば、荷電イオンまたは荷電分子、リガンド 、または高分子)との複合体の形態のいずれかであり得る。 レポーターサブユニットに結合した結合部分は、それらがレポーターサブユニ ットに連結し得る限り、炭水化物、脂質、タンパク質、および核酸、ならびにそ れらの部分、ポリマー、およびアナログを含む種々の分子の範囲のいずれかであ り得る。例示的なタンパク質は、シグナル伝達カスケードタンパク質、アポトー シス調節性タンパク質、細胞周期の進行または腫瘍の発達を調節するタンパク質 、転写調節タンパク質、翻訳調節タンパク質、細胞相互作用に影響を与えるタン パク質、細胞接着分子(CAM)、リガンドレセプター対、ほかのタンパク質の 折り畳みに関与するタンパク質、およびゴルジ装置、小胞体、リボソーム、クロ ロプラストおよびミトコンドリアのような特定の細胞内区分を標的化することに 関与するタンパク質のメンバーを含む。 他の例示的なタンパク質は、タンパク質ホルモンおよびサイトカインを含む。 サイトカインは、インターフェロン、ケモカイン、および造血性成長因子のよう なシグナル伝達に関与するタンパク質を含む。他の例示的なタンパク質は、イン ターロイキン、リンホトキシン、トランスフォーミング増殖因子αおよびβ、な らびにマクロファージコロニー形成刺激因子および顆粒球コロニー形成刺激因子 を含む。他のタンパク質は、タンパク質キナーゼ、ホスファターゼおよびシンタ ーゼのような細胞内酵素を含む。 アポトーシスに関与する例示的なタンパク質は、腫瘍壊死因子(TNF)、F asリガンド、インターロイキン1β変換酵素(ICE)プロテアーゼ、および TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)を含む。細胞周期に関与す るタンパク質は、デオキシリボ核酸(DNA)ポリメラーゼ、増殖性細胞核抗原 、テロメラーゼ、サイクリン、サイクリン依存性キナーゼ、腫瘍サプレッサー、 およびホスファターゼを含む。転写および翻訳に関与するタンパク質は、リボ核 酸(RNA)ポリメラーゼ、転写因子、エンハンサー結合タンパク質およびリボ ソームタンパク質を含む。細胞相互作用(例えば、細胞間シグナル伝達)に関与 するタンパク質は、レポータータンパク質、およびペプチドホルモンまたはそれ らの増強性模倣物または阻害性模倣物を含む。 分子の結合は、pH、イオン強度、アッセイの成分の濃度および温度のような 溶液中での因子に依存する。本明細書において記載されるレポーター系を用いる 結合アッセイにおいて、結合部分の結合親和性は、レポーターサブユニット間の 強制的相補を許容するに充分高くあるべきである。アッセイ溶液(例えば、緩衝 系または細胞内部)中の結合部分の解離定数の非限定的な例は、特定のアッセイ 系の特性に依存して、約10-8M未満、例えば、約10-9M未満のオーダー、または 必要に応じて、約10-9Mと約10-12Mとの間のオーダーである。 レポーターサブユニットと結合部分との間の連結 レポーターサブユニットおよび1つ以上の結合部分は、一般に、直接またはリ ンカーを介するかのいずれかで、そして一般に共有結合によって連結される。例 えば、レポーターサブユニットおよび結合部分がタンパク質である場合、それら は、ペプチドの連結のための当該分野で公知の方法によって連結され得る。 1つの好ましい実施態様において、レポーターサブユニットおよび結合部分は 、低結合親和性酵素の相補物であるレポーターサブユニットおよびアッセイされ る結合部分を含む融合タンパク質を含む。従って、融合タンパク質は、コード核 酸から細胞内に発現され得る。この系は、有利である。なぜなら、それは、細胞 (例えば、哺乳動物細胞)内のタンパク質-タンパク質相互作用の検出および定 量を、低親和性レポーターサブユニットの酵素相補に基づいて可能にするからで ある。 例えば、2つの相補性低親和性βgal変異体の1つおよび目的の「試験」タン パク質を含むキメラ融合タンパク質が細胞内で生成される実施態様において、2 つの目的のキメラタンパク質の間の相互作用に起因して検出されるβgal活性は 、非βgalタンパク質成分の相互作用の強度に比例する。従って、相互作用は、 目的の試験タンパク質によって駆動され、相補性変異体ではされない。酵素活性 は、その相互作用の指標として作用する。この系の別の利点は、低レベルの試験 タンパク質の発現しか結合の検出に必要とされないことである。 融合遺伝子構築物は、好ましくは、構築され、そして低レベル発現をもたらす 細胞へと形質転換される。次いで、この系は、内因性競合タンパク質パートナー の存在下での所定の細胞における相互作用のモニターを可能にする。ここで、融 合タンパク質は、結合/会合反応についての「トレーサー」として機能する。こ のような系は、誘導されるタンパク質の過剰発現から生じるアーティファクトを もたらす傾向はない。融合遺伝子産物の発現の減少は、適切なプロモーター、リ ボソーム結合部位、および他の調節エレメントの選択によって達成され得る。例 えば、融合遺伝子構築物は、それらが抗生物質耐性遺伝子(この翻訳は、脳心筋 炎ウイル内部リボソーム侵入配列(IRES)によって調節される)の上流に存在し 、そして融合遺伝子の翻訳開始を担うATG配列の上流のスプライスドナー/ア クセプター配列において変異を含むベクターへと導入され得る。この型の構築物 は、2シストロン性メッセージにおいて第一のコード配列のより低い翻訳効率を もたらすが、第二の(抗生物質耐性)配列の翻訳(これは、IRESのみに依存 する)には影響しない。これらの減少したレベルの発現の結果として、濃度依 存性のレポーターサブユニットの自然な相互作用の頻度は、有意に減少する。 融合タンパク質の発現 本発明は、推定結合部分と低親和性レポーターサブユニットとの間の融合タン パク質を提供する。推定結合部分は、第二の分子に結合する能力が試験される、 任意のタンパク質または他の分子を含み得る。低親和性レポーターサブユニット は、モノマーサブユニットが不活性であるが2つ以上の同一のまたは異なるモノ マーの会合が活性を回復させる任意の分子であり得る。活性は、検出可能なシグ ナルを生成可能でなければならない。好ましい実施態様において、低親和性レポ ーターサブユニットは、互いに相補し得るβガラクトシダーゼの変異体を含む。 融合タンパク質は、2つ以上の異なるタンパク質の全長配列または部分配列を 含むアミノ酸の単一の連続的な線状ポリマーを含む。融合タンパク質の構築は当 該分野で周知である。2つ以上のアミノ酸配列は、例えば、架橋剤の仲介を介し て、化学結合され得る。好ましい実施態様において、融合タンパク質は、融合遺 伝子構築物を細胞内で発現させることによって生成される。融合遺伝子構築物は 、ヌクレオチドの単一の連続的な線状ポリマーを含む。このヌクレオチドは、2 つ以上の異なるタンパク質の完全または部分配列を同一の中断されないリーディ ングフレームにおいてコードする。融合遺伝子構築物はまた、一般に、真核生物 および/または原核生物細胞における活性な複製起点、ならびに1つ以上の、例 えば、薬物耐性をコードする選択マーカーを含む。それらはまた、ウイルスパッ ケージングシグナルならびに転写および/または翻訳調節配列ならびにRNAプ ロセシングシグナルを含み得る。 本発明の融合遺伝子構築物は、融合遺伝子構築物によってコードされる推定結 合部分の間の結合についてアッセイするために細胞へと導入される。融合遺伝子 産物はまた、プロモーター、および通常は推定結合部分をコードする遺伝子と会 合する他の転写および/または翻訳調節配列を含み得る。融合遺伝子構築物は、 当該分野で公知の核酸移入の任意の方法(例えば、ウイルスベクター、形質転換 、共沈、エレクトロポレーション、中性リポソームおよびカチオン性リポソーム 媒介移入、マイクロインジェクション、あるいは遺伝子銃を含むがこれらに限定 さ れない)によって細胞へと導入され得る。ウイルスベクターは、レトロウイルス 、ポックスウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウ イルスを含む。本発明において特に好ましいのは、宿主細胞のゲノムへ安定に組 み込まれ得るレトロウイルスベクターである。例えば、組込みシグナルおよびパ ッケージングシグナル、薬物耐性マーカー、ならびに1つ以上の目的の融合遺伝 子をコードするレトロウイルス構築物は、本発明の実施において有用である。 独特の融合タンパク質をコードする異なる融合遺伝子構築物は、別個の核酸分 子または同一の核酸分子に存在し得る。異なる融合遺伝子構築物の同一の核酸分 子への包含は、細胞による核酸の単一の種のみの取り込みが、両方の推定結合パ ートナーをコードする配列を細胞へと導入するのに充分であるという点で有利で ある。対照的に、異なる融合構築物が、異なる核酸分子に存在する場合、両方の 核酸分子が、アッセイについて機能的であるために、特定の細胞によって取り込 まれなければならない。従って、細胞モザイク現象の問題は、両方の融合遺伝子 構築物が同一の核酸分子に包含される場合に、回避される。 本発明の融合遺伝子構築物または融合タンパク質は、培養細胞、インビボの動 物細胞、エキソビボの動物細胞、またはタンパク質相互作用を研究するのに所望 される任意の他の細胞型へと導入され得る。アッセイ 本明細書において開示されるレポーター系を使用して、検出可能なシグナルを もたらす低親和性レポーターの間の相補を介して低親和性レポーターサブユニッ トに結合した推定結合部分の結合相互作用をアッセイし得る。推定結合部分の間 の直接結合の相互作用についての試験に加えて、1つ以上のさらなる分子または イオンに依存する相互作用が評価され得る。さらに、生存動物細胞における多分 子相互作用、ならびにこれらの相互作用に対する種々の薬物、ペプチドおよび医 薬の影響を評価し得る。 1つの実施態様において、1つ以上の推定結合部分の結合親和性は、低親和性 レポーターサブユニットに結合する分子の1つを有する1つの成分、および第二 の低親和性レポーターサブユニットに結合した他の1つの推定結合部分を含む、 少なくとも1つのほかの成分を含むレポーター系を提供することによって測定さ れ得る。結合部分は、異なっていても同じであってもよい。この系において、レ ポーターサブユニットは、それらが1つ以上の推定結合部分の結合によって近位 へもたらされる場合にのみ結合しそして検出可能なシグナルを生成し得る。シグ ナルは、直接的にまたは間接的に検出および定量され得る。 本発明の1つの実施態様において、タンパク質-タンパク質相互作用が、検出 および定量され得る。相補性レポーターサブユニットによって生成されるシグナ ルは、第三の基質を介して直接的または間接的のいずれかで結合する推定部分の 間の結合の指標として供され得る。検出され得るシグナルは、光放出および吸収 を含む。例示的なシグナルには、色素形成性、蛍光性および発光性シグナルが挙 げられる。これらのシグナルは、可視的に、あるいは分光光度計、蛍光メーター 、顕微鏡、シンチレーションカウンターまたは当該分野で公知の他の装置の使用 を通じて検出および定量され得る。 本明細書中で開示されるレポーター系の成分の結合は、溶液中の因子(例えば 、pH、イオン強度、アッセイの成分の濃度、および温度)に依存する。アッセイ 溶液は特定の系について設計および開発され得る。本明細書中で開示されるレポ ーター系は、溶液中(例えば、緩衝化無細胞溶液、細胞内部(cell interior) 、細胞の溶液、細胞抽出物の溶液、および細胞画分(例えば、核画分、細胞質画 分、ミトコンドリア画分および膜画分)の溶液)においてアッセイを行うために 使用され得る。アッセイ溶液(例えば、酵素アッセイ溶液、細胞抽出物、および 細胞懸濁物)を調製するための当該分野で公知の方法が使用され得る。例えば、 生理的に適合する緩衝液(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水)が、使用され得る 。例えば、一連のMethods in Enzymology,Academic Press,New Yorkを参照のこ と。 1つの実施態様において、低親和性レポーターサブユニットは互いに相補し得 、直接的または間接的のいずれかで検出可能な生成物への基質の変換を触媒し得 る、酵素学的に活性な複合体を形成する。1つの実施態様において、レポーター 系は、2つ以上の成分を含み得、これらの各々は融合タンパク質であり、ここで 融合タンパク質はそれぞれ、低親和性レポーターサブユニットと融合された推定 の結合タンパク質を含む。従って、融合タンパク質をコードする核酸が構築され 得、細 胞中に導入され得、そして細胞内で発現され得る。あるいは、結合されたレポー ターユニットまたは結合された結合部分は、標識された特定の結合部分(例えば 、結合された複合体に対する抗体)の結合を検出することにより検出され得る。 1つの実施態様において、低親和性レポーターサブユニットは、β-galのサブ ユニットを相補し得る。この系は、3個以上のレポーターサブユニットを含み得 、これら全てが検出可能シグナルを生成するために会合することが必要とされる 。当該分野で開発されてきた活性型β-galの反応生成物を検出するための方法が 使用され得る。例えば、β-ガラクトシダーゼ活性は、生存細胞のフローサイト メトリーおよび色素形成性基質である5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルβ-D-ガ ラクトピラノシド(X-Gal)を用いる組織化学的染色を含む方法の範囲により計測 され得る。Nolanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85:2603-2607(1988);およびLojda ,Z.Enzyme Histochemistry:A Laboratory Manual,Springer,Berlin,(1979)(こ れらの開示は本明細書中で援用される)。β-galについての組織化学的染色は、 細胞の固定化、続いてX-galへの曝露により達成され得る。 MohlerおよびBlau、Proc.Natl.Acad.Sci.,93:12423-12427(1996)(この開示は 、本明細書により参照として援用される)に記載されるβ-gal活性についてのア ッセイが使用され得る。1つの実施態様において、細胞内アッセイは、細胞を固 定し、そしてインジゴ生成基質であるX-galを用いる染色により行われ得る。固 定された細胞はまた、アゾ染料をX-galまたは5-ブロモ-6-クロロ-3-インドリル β-D-ガラクトピラノシド(5-6-X-Gal)のいずれかと組み合わせて使用する蛍光 組織化学によるβ-gal活性についてのアッセイにより分析され得る。好ましい組 合せは、アゾ染料である赤紫色のLB(Sigma Chemical,St.Lous,MO)および5-6-X-g al(蛍光X-galと称される)である。この組合せについては、蛍光顕微鏡写真が 、ローダミン/Texas Redフィルターセットを用いて蛍光顕微鏡において得られ得 る。これらの基質の使用は、最初に、β-gal-依存性蛍光を、2つ以上の他の蛍 光シグナルと同時に可視化させる。 β-galについての不可欠な基質(これは、生細胞で使用され得る)もまた、本 発明により包含される。例えば、不可欠な蛍光原生基質であるレソルフィンβ- ガラクトシドビス-アミノプロピルポリエチレングリコール1900(RGPEG)が記載 されている。Minden(1996)BioTechniques 20(1):122-129。この化合物は、マイ クロインジェクション、エレクトロポレーション、または種々の大量負荷(bulk -loading)技術により細胞に送達され得る。一旦、細胞の内側に入ると、基質は 原形質膜を通じてか、またはギャップジャンクションによって逸脱し得ない。本 発明の実施において使用され得る別の不可欠な基質は、フルオレセインジ-β-D- ガラクトピラノシド(FPG)であり、これは蛍光活性化細胞ソーティング(FACS )およびフローサイトメトリーによる分析に特に良好に適する。Nolanら、(1988 )Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2603-2607およびRotmanら、(1963)Proc.Natl.Acad .Sci.USA 50:1-6。 β-galはまた、化学発光アッセイを使用して検出され得る。例えば、β-gal融 合物を含む細胞を、Galactolight Plus assay kit(Tropix,Bedford MA)からのGa lactonおよび基質を含む緩衝液の混合物中に溶解する。Bronstelnら、J.Biolumi n.Chemilumin,4:99-111(1989)(この開示は本明細書中に援用される)。Light Emi ssion Accelerator溶液の添加後、発光をルミノメーターまたはシンチレーショ ンカウンターで測定する。 β-galと異なるレポーター系もまた、本発明の実施において使用され得る。例 えば、酵素であるβ-グルクロニダーゼ(GUS)は、レポーターとして使用され得、 そして色素形成性および蛍光原生のGUS基質が開発されてきた。GUS基質である5- ブロモ-4-クロロ-3-インドリルβ-D-グルクロン酸(X-gluc)が、色素形成性適 用および蛍光原生適用の両方において以下のように使用され得る。色素形成性染 色の1つの方法において、固定した細胞をPBSで洗浄し、そして2mM X-gluc(Mol ecular Probes,Eugene OR)、10mM EDTA、0.5mM K3Fe(CN)6、0.5mM K4Fe(CN)6、0 .1%のTritonX-100、0.1M NaPO4を用いて染色する。蛍光原生染色は、5-ブロモ- 6-クロロ-3-インドリルβ-D-グルクロン酸(5,6X-gluc、Molecular Probes,Eugen e,OR)およびFast Red violet LB(Sigma Chemical,St.Lous,MO)の組合せを使 用することによって達成され得る。固定した細胞をPBSでリンスし、そして50μg /mlの5,6X-glucおよび100μg/mlのFast Red violet LBで染色し、次いでPBS でリンスする。蛍光をローダミン蛍光の検出について調整された蛍光顕微鏡で検 出する。 本発明の1つの実施態様において、レポーターサブユニットは酵素および酵素 、インヒビターを含む。好ましくは、インヒビターは酵素に低親和性であり得る 。この場合では、推定上の結合部分の間の結合は、酵素活性の阻害により明らか である。例示的な酵素として、β-gal、GUS、β-ラクタマーゼなどが挙げられる 。 ダイマーレポーターサブユニット複合体が本明細書中に一例として議論される 一方で、1つ以上のさらなる分子または原子の存在下でのみ活性であるレポータ ーサブユニットであり得るような多量体のレポーターサブユニットもまた使用さ れ得る。三量体レポーターサブユニット系の一例は、β-galωドナー(例えば、 Δα-Δμ二重変異体)およびβ-galμドナー(例えば、Δα-Δω二重変異体) 、およびβ-galαドナー(例えば、Δμ-Δω二重変異体)からなるものであり 、ここで、それぞれ個々の変異体および2つの変異体の任意の二対の組合せは、 酵素学的に不活性である。活性は、3個全てのサブユニットが相互に結合し得る 場合のみに達成される。酵素反応生成物は、当該分野で利用可能な方法(例えば 、生化学的アッセイ、顕微鏡、フローサイトメトリー、光放射または吸光検出、 および免疫学的方法)を使用して検出され得る。 本明細書中で開示される方法は、細胞溶解物中およびインタクトな細胞中の結 合事象の検出および定量を可能にする。従って、完全に折り畳まれたタンパク質 間の相互作用は検出可能であり、そして結合成分の同時翻訳発現は、検出される 結合について必要ではない。 本発明の実施において、反応生成物は、例えば、免疫学的技術(例えば、免疫 蛍光標識)を通じて間接的に検出され得る。 タンパク質-タンパク質相互作用は、1つ以上の融合タンパク質を含むレポー ター系において測定され得る。融合タンパク質はそれぞれ、低親和性のレポータ ーサブユニットと結合した推定結合タンパク質を含む。融合タンパク質の細胞内 発現については、融合タンパク質をコードする配列を含む1つ以上の融合遺伝子 構築物が調製される。融合遺伝子構築物は、当該分野で利用可能な方法(ウイル スベクター、形質転換、同時沈降、エレクトロポレーション、中性またはカチオ ン性リポソーム媒介移入、マイクロインジェクションまたは遺伝子銃などがある がこれらに限定されない)により細胞中に導入され得る。 種々の、細胞に基づくアッセイが、融合遺伝子構築物を含む細胞を使用して実 行され得る。細胞で発現される融合タンパク質の推定結合部分の結合は、強制的 な相補性を受けるレポーターサブユニットにより生成されるシグナルを検出する ことにより確認され得る。従って、例えば、レポーターサブユニットが相補性β -galサブユニットである場合、β-gal活性を示す細胞は、これらの細胞内の推定 結合部分の間の結合を示す。 融合遺伝子構築物はまた、推定結合部分をコードする遺伝子に通常付随するプ ロモーターならびに他の転写および/または翻訳調節配列を含み得る。これは、 試験タンパク質が過剰発現される系とは対照的に、インビボでの推定結合タンパ ク質の生理的に関連するレベルの研究を可能にする。さらに、これは、経時的な 結合活性レベルの天然に存在する変化の研究を可能にし、そして結合相互作用に 対する内因性または外因性の物質の効果を明らかにし得る。 本発明の方法および組成物はまた、2つの推定結合パートナーの相互作用に影 響する他の分子を研究するために使用され得る。タンパク質、ペプチド、核酸、 炭水化物、脂質、イオン、低分子、合成化合物、または他の物質(細胞に対して 内因性であるか、または外因的に加えられたかのいずれか)が、結合相互作用の アゴニストまたはアンタゴニストのいずれかとして作用し得る。例えば、試験タ ンパク質の特定の対を示す2つ以上の融合物を含む細胞により生成されるβ-gal 活性のこのような分子の効果を測定することにより、このような分子のアゴニス トまたはアンタゴニストの活性が決定され得る。本発明の方法および組成物の使 用は、特定の結合相互作用のアゴニストまたはアンタゴニストについて試験する ために実施される高スループットアッセイを可能にする。このような高スループ ットアッセイは、医学的に関連するタンパク質-タンパク質相互作用に影響する 薬物についてのスクリーニングにおいて特に価値がある。 本発明において使用されるような推定結合パートナーまたは推定結合部分は、 通常は互いに相互作用しないが第3の分子と相互作用する分子を含み得、その結 果、第三の分子の存在下では、推定結合パートナーが一緒になる。従って、推定 結合パートナー間の相互作用に影響する物質は、推定結合パートナー間の弱い相 互作用を刺激するもの、ならびに通常は互いに相互作用しない分子間の相互作用 を媒介する1つ以上の分子を含む。さらに、推定結合パートナーの間の相互作用 に影響する物質は、推定結合パートナー間の会合を生じる上流の事象に直接的に または間接的に影響する物質を含む。例えば、推定結合パートナーの1つのリン 酸化が別の推定結合パートナーと会合する能力を推定結合パートナーの1つに与 える場合、推定結合パートナーの相互作用に影響する物質は、キナーゼ活性に直 接的または間接的に影響する物質を含む。 アッセイを本明細書中に開示されるように開発して、薬物(例えば、解熱剤お よび抗炎症剤、鎮痛剤、抗関節炎薬、鎮痙剤、抗鬱剤、抗精神病剤、トランキラ イザー、抗不安剤、麻薬アンタゴニスト、抗パーキンソン剤、コリン作用性アン タゴニスト、化学療法剤、免疫抑制剤、抗ウイルス剤、殺寄生虫薬、食欲抑制剤 、制吐剤、抗ヒスタミン剤、抗偏頭痛剤、冠状血管拡張剤、大脳血管拡張剤、末 梢血管拡張剤、ホルモン剤、避妊薬、抗血栓剤、利尿剤、抗高血圧剤、心臓血管 剤、オピオイド、およびビタミン)を含む種々の組成物の分子間相互作用の効果 を試験し得る。 第三の分子によって媒介されるタンパク質-タンパク質相互作用は、検出およ び定量化され得る。結合の速度論もまた研究され得る。このような系の1例は、 以下の実施例1および実施例2に記載され、ここで、β−gal融合タンパク質は 、FKBP12およびFRAPタンパク質のラパマイシン媒介性相互作用をモニターするた めに使用される。Belshaw,P.J.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:4604-4607(1996 );Brownら、Nature 369:756-758(1994);Chenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92:49 47-4951(1995);ならびにChoi,Jら、Science,273:239-242(1996)。例えば、結合 の速度論は、2つの相補性低親和性β-gal変異体(例えば、ΔαおよびΔω)へ のFKBP12およびFRAPの融合物を発現する細胞の培養物へのラパマイシンの添加後 の、異なる時間におけるβ-gal活性を計測することにより決定され得る。容量反 応曲線もまた得られ得、ここで、β-galの活性により計測される場合の結合の程 度が、ラパマイシン濃度の関数として決定される。 このアッセイは、その融合パートナーに対するタンパク質成分の可能な効果に ついて制御するように適合され得、それにより、定量的な様式において、タンパ ク質-タンパク質相互作用の研究を可能にする。1つのこのような制御系におい て、レポーターサブユニット、結合タンパク質、および目的のタンパク質を含む 三部からなる融合構築物が提供される。以下の実施例3において記載されるよう に、1つの実施態様において、融合タンパク質は、1)β-gal変異体部分、2) FKBP12またはFRAP部分、および3)試験タンパク質部分を含む。大半のN末端成 分は、試験タンパク質、続いてFKBP12-ΔωまたはFRAP-Δαである。これらの構 築物のFKBP12およびFRAPの存在は、融合タンパク質のラパマイシン媒介性ダイマ ー化を可能にする。目的の試験タンパク質を含む融合物および異なる潜在的な相 互作用パートナーを含む融合物の単純な同時発現により得られるβ-gal活性の絶 対値が決定される。平行試料において、β-gal活性が、固定された量のラパマイ シンとの相補性の誘導により測定される。ラパマイシン非存在下または存在下で 得られるβ-gal活性の比率は、互いに相互作用する異なるタンパク質対の相対的 な能力を示す。 三部からなる融合系のさらなる利点は、FKBP12およびFRAP化合物の存在が、β -gal変異体と試験タンパク質との間の可撓性ヒンジドメインを提供することであ る。これは、β-gal成分と試験タンパク質との間の干渉の可能性を減少させる。 さらに、融合物でのβ-gal成分の機能的統合性の直接的な試験を、より効率良い ウイルス性プロモーターへの再クローニングを必要とせずに可能である。例えば 、テトラサイクリンリプレッサーtetRは、哺乳動物細胞において高効率でホモダ イマーを形成する。Hinrichsら、(1994)Science 264:418-420。tetR-FKBP12- ΔωおよびtetR-FRAP-Δα融合物の同時発現は、β-galポジティブ細胞を生じ、 実施例3で示されるように、機能的な三部からなる融合物の構築が可能であるこ とを示し、ここでN末端のペプチド成分のダイマー化が、C末端変異体のβ-galポ リペプチドの内部標準物および可撓性ヒンジの両方として供するFKBP12およびFR AP成分での相補性を効率的に駆動する。 この系はさらに、MEF2cの各β-gal変異体と完全なコード配列との間の融合物 を構築することにより、試験および比較され得る。MEF2cはインビボでホモダイ マーを形成することが公知であることから、MEF2cと融合された両方のβ-gal変 異体の同時発現は、容易に検出可能な酵素学的活性を生じるはずである。ダイマ ー化能力を損なうMEF2c変異体が利用可能であり、そしてβ-gal変異体の1つへ の変異体の1つの融合物がこの系をさらに確証するためのネガティブコントロー ルとして提供され得る。Molkentinら、Mol.Cell.Biol.,16:2627-2636(1996)。 レポーター系はまた、β-gal融合タンパク質の発現レベルの定量を可能にする コントロールを用いて、設計され得る。このことは、2つ(または2つを超える )融合タンパク質の潜在的差示的発現の制御を可能にする。例えば、十分に特徴 づけられたモノクローナル抗体力拝リ用可能であるペプチドタグは、インフレー ムで、各β-gal変異体のC末端に融合され得る。flagのような異なるタグおよび mycは、ΔαおよびΔωのために使用され得、同一細胞に同時発現される場合で あっても、2つの変異体の差示的検出を可能とする。これらの細胞の溶解液にお けるβ-gal活性の測定と平行して、ELISAアッセイは、同一溶解液における各β- gal融合タンパク質の正確な量を測定し得る。第1に、ポリクローナル抗β-gal 抗血清は、抗原の固定化のために使用され得る。次に、適切なタグに対して指向 されたモノクローナル抗体、続いて酵素の結合した抗マウス2次抗体は、目的の β-gal融合タンパク質量の定量のために使用され得る。十分に特徴づけられた技 術を使用するこのようなアプローチは、各融合タンパク質の発現レベルの測定を 可能とするべきである。この改変は、結合タグがタンパク質の結合、またはレポ ーターサブユニットの相補する能力を損なわない場合に、有用である。 発明の適用 当業者にとって明らかであるように、本発明は、生存細胞における、複数のタ ンパク質および他のタイプの複数分子の相互作用の広範な研究を、定量的および 定性的に行うことを、初めて可能にする。以下において、本発明の異なる適用の 非限定的な例が、提供される。 強制的相補性の存在または非存在における、β-gal活性レベルを区別し得ると いう観察(生化学的観察(図5)およびFACSによる観察(実施例10および図6 )の両方)は、本発明の方法が所定の標的タンパク質に対する新規の結合パート ナーをスクリーニングするために使用され得ることを、示唆する。この実施態様 において、弱く相補するβ-gal変異体と融合した標的タンパク質は、十分に特徴 づけられた細胞株において安定に発現する。弱く相補するβ-gal変異体と融合 したcDNAを含む発現ライブリーは、例えば、レトロウイルスベクター(例えば、 Kitamuraら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:9146-9150(1995))または当該分 野で公知の任意のほかの遺伝子導入手段を用い、これらの細胞に導入される。標 的タンパク質と相互作用する遺伝子産物を発現するベクターは、β-gal陽性クロ ーンを同定することにより単離される。この系の利点は、内因性(および潜在的 に競合する)タンパク質の細胞環境にかかわらず、任意の細胞タイプにおいて、 スクリーニングが行われ得ることである。このタイプの系のさらなる可能性は、 特定の位置に限定された相互作用に関与するタンパク質の同定を目的とする場合 において、標的タンパク質が特定の細胞区画に局在し得ることである。 蛍光活性化細胞分離技術の使用は、本発明のこの実施態様に、特によく適する 。例えば、標的タンパク質と相互作用する遺伝子産物を発現するcDNAを含むβ-g al陽性細胞は、そのような細胞を細胞分離技術によって精製することを可能にす るシグナルを生ずる。このようなcDNAは、例えば、高度な複雑性のcDNAライブラ リーの高度の感染効率での導入を可能とするレトロウイルスベクターを用い、送 達され得る。 本発明のアッセイおよび方法はまた、細胞外シグナリング分子、成長因子また は分化因子、ペプチド、薬物あるいは合成アナログなど(これらの存在または効 果は、特定の細胞タイプにおいて、2つ以上の所定のタンパク質間の相互作用の 潜在能力を変更し得る)の存在下において、行われ得る。 本発明の方法および組成物を用いた分子相互作用の検出は、核において生じる 相互作用に限定されず、また細胞内相互作用に限定されない。例えば、表面レセ プターの関与する相互作用は、本発明の実施により検出され得る。1つの実施態 様において、本発明は、生存細胞における表面レセプターのリガンド誘導ダイマ ー化の検出のための新規の技術を提供する。細胞表面レセプターのダイマー化ま たは、より高い程度のオリゴマー化は、レセプターの活性化そして引き続いて起 こるシグナル伝達にとって、しばしば必須である。例えば、上皮増殖因子(EGF )のそのレセプターへの結合は、レセプターのダイマー化を安定化し、そしてレ セプターチロシンキナーゼ活性の活性化をもたらす。Schlessingerら(1992)Neur on 9:383-391;Ullrichら(1990)Cell 61:203-212;およびWeissら(1997)Curr. Opin.Genet.Dev.7:80-86。下記の実施例11は、生存細胞における膜レセプ ターのダイマー化をモニターするためのβ-gal相補性の使用を、開示する。この 目的のために、弱く相補するβ-galのΔαおよびΔω欠損変異体は、ヒトEGFレ セプターの細胞外領域および膜貫通領域と融合され、キメラレセプター分子(図 7を参照のこと)を形成する。レセプターの細胞質ドメインの欠損は、細胞のEG F刺激に続いて通常観察されるレセプターの内部移行および分解(Livnehら(1986 )J.Biol.Chem.261:12490-12497)を防ぎ、このことは、変化する条件における レセプターダイマー化の経時的分析を、可能にする。実施例11に示す結果は、 本発明の実施態様がEGFレセプターシグナリング調節の以前に認識されていなか った様式(EGFレセプターチロシンキナーゼ活性が、レセプターのダイマー化を 制限するフィードバックインヒビターとして作用する)の検出のために使用され 得ることを、実証する。 本発明の実施は、2つの異なる分子間の相互作用の検出に限定されない。分子 のマルチマー化もまた、本発明の方法および組成物を使用して検出され得る。こ の点について、実施例11は、本発明の実施を通じて、レセプターダイマー化の 検出を開示する。 本発明の方法および組成物を、レトロウイルスの高力価、高複雑性のcDNAライ ブラリー構築のための最新技術の方法(例えば、Pearら(1993)Proc.Natl.Acad .Sci.USA 90:8392-8396)と組み合わせることにより、哺乳動物細胞における 特定の試験タンパク質の相互作用パートナーの同定(すなわち、タンパク質レベ ルでの機能的ゲノム学を行うこと)が、可能である。この適用のために、レトロ ウイルスベクターにおけるcDNAライブラリー(ここで、cDNAコード配列は、低親 和性レポーターサブユニットをコードする配列と融合される)の構築が、使用さ れる。目的の結合タンパク質をコードする配列は、第1のレトロウイルスベクタ ーにおいて低親和性レポーターサブユニットと融合される。レトロウイルスベク ターの第2の系列において、第2の相補性低親和性レポーターサブユニットは、 目的のタンパク質と結合する能力について試験される種々の異なるタンパク質と 、融合される。試験は、第1のレトロウイルスベクターおよび第2レトロウイル スベクターの系列の1つを用い、細胞に同時感染させることにより、行われる。 目 的のタンパク質と結合し得る試験タンパク質は、目的のタンパク質を同時発現す る細胞におけるレポーターシグナルの検出を、可能にする。この適用はまた、医 学的に有意義なタンパク質相互作用のアゴニストおよびアンタゴニストのスクリ ーニングに有用である。 本発明の1つの実施態様において、第2のベクター系列の1つによりコードさ れるタンパク質が第1のベクターにコードされる目的の結合タンパク質と相互作 用し得る細胞は、フローサイトメトリーまたは蛍光活性化細胞ソーティング(FA CS)によって、検出および単離される。フローサイトメトリーおよびFACSの方法 は、当該分野で周知である;例えば、Nolanら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.US A 85:2603-2607;Websterら、Exp.Cell Research,174:252-265(1988);およびPa rksら(1986)The Handbook of Experimental Immunology,(Weir,D.M.,Herzenber g,L.A.,Blackwell,C.C.およびHerzenberg,L.A.編)、Blackwell,Edinburgh,第 4版、29.1〜29.21頁。このようにして、結合の生じる細胞のクローンは、さら なる研究のために、単離され、そして増殖し得る。この局面は、発生メカニズム の研究に特に適しており、ここで発生にとって有意義な特定の相互作用が生じて いる細胞の集団を選択し、そしてその細胞集団のさらなる発生を研究し、これと 同時に、比較のために、相互作用の生じない細胞のさらなる発生を研究すること が可能である。同様の様式において、本発明の実施は、タンパク質(例えば、転 写調節タンパク質、翻訳調節タンパク質、DNA複製タンパク質、mRNAスプライシ ングタンパク質、シグナル伝達に関与するタンパク質、細胞間および細胞−基質 接着に関与するタンパク質(例えば、細胞移動、軸索誘導、新脈管形成)、ガン 遺伝子産物、腫瘍サプレッサー、細胞周期制御に関与するタンパク質ならびにウ イルスタンパク質(例えば、ウイルス複製、ウイルス-宿主相互作用およびウイ ルスアセンブリの調節に関与するタンパク質))、ならびにサブユニットである タンパク質、架橋剤、修飾剤、または細胞の細胞骨格内の分子モーターの関与す る相互作用を示す細胞の単離および/またはその細胞のさらなる発生の研究を可 能にする。 遺伝子が低親和性相補性レポーターサブユニットと融合し得る所定の標的タン パク質について、本発明の組成物および方法を用いて、公知のまたは以前は未知 の、タンパク質またはタンパク質が相互作用する他の内因性物質もしくは外因性 物質を、同定することが可能である。同様に、核酸配列データベースより得られ 得るような、未知の機能のタンパク質をコードする配列(またはcDNAライブラリ ーのような複数の配列)について、本発明の実施は、コードされるタンパク質が 相互作用する分子の同定を可能とする。相互作用する分子の同一性は、未知のタ ンパク質の構造および/または機能に関する情報を提供するようである。従って 、本発明の実施は、新規に発見されたタンパク質およびタンパク質をコードする 核酸配列の同定および特徴づけを助けるようである。 本発明の別の局面において、タンパク質-タンパク質相互作用を同定するため のショットガンアプローチは、第1の低親和性相補性サブユニットと融合した1 つのcDNAライブラリーにコードされる産物を発現する構築物の第1のセット、お よび第2の低親和性相補性サブユニットと融合する第2の(または同一の)cDNA ライブラリーにコードされる産物を発現する構築物の第2のセットを生成するこ とにより、採用される。構築物の2つのセットの同時発現および相補が生じる細 胞の選択は、クローンの単離および相互作用するパートナーをコードするcDNAの 同定を可能にする。相互作用するパートナーの1つまたは両方は、公知であり得 る;あるいは、相互作用するパートナーの両方は、以前は未同定のタンパク質を 代表し得る。両方のパートナーが公知の場合、パートナーの結合特異性について の新規の情報が得られ得る。1つのパートナーが公知の場合、未知の結合パート ナーの機能の情報を提供し得る。両方とも未知の場合、その両方の相互作用の観 察は、相互作用対の1つまたは両方の最終的な同定を援助し得る。 本発明は、特定の分子のホモダイマー化またはヘテロダイマー化あるいはマル チマー化を調節する機構の研究(このようなダイマー化に影響し得る合成または 天然に存在する化合物を同定する高効率スクリーニングを含む)に適用され得る 。 本発明は、インタクトな細胞またはインタクトな動物内における特定の複合体 の局在位置に関する研究のために、使用され得る。使用され得る細胞のタイプは 、初代細胞株または樹立細胞株および他のタイプの胚細胞、新生児の細胞、また は成人の細胞、あるいは形質転換細胞(例えば、自発的形質転換またはウイルス 性形質転換)である。これらの細胞としては、線維芽細胞、マクロファージ、筋 芽 細胞、破骨細胞、造血細胞、ニューロン、グリア細胞、初代B細胞、初代T細胞 、B細胞株、T細胞株、軟骨細胞、ケラチノサイト、脂肪細胞および肝細胞が挙 げられるが、これらに限定されない。 本発明の実施を通じて、相補性変異体の会合の調節による酵素活性の調節のた めの系を考案することがまた、可能である。本発明のこの局面は、プロドラッグ からその活性形態への酵素駆動性転換を調節する方法としての、ヒト治療の潜在 的適用を有する。 本発明の実施において研究され得る、分子相互作用(特にタンパク質-タンパ ク質相互作用)に関与するプロセスとしては、転写、翻訳、複製、有糸分裂、増 殖制御、細胞周期の進行および制御、アポトーシス、細胞-細胞、細胞-基層およ び細胞-リガンド相互作用、細胞内シグナル伝達カスケード、腫瘍形成、細胞系 統、ならびに胚発生が挙げられるが、こられに限定されない。細胞リガンドの例 としては、レプチン(leptin)および増殖因子(例えば、上皮増殖因子(EGF) 、神経成長因子(NGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、およびインスリン様増 殖因子IおよびII(IGF-IおよびIGF-II))、トランスホーミング増殖因子α およびβ(TGF-αおよびTGF-β)、エンドルフィン類およびエンドルフィンレセ プター、プロスタグランジンおよびそのレセプター、サイトカインおよびそのレ セプター、神経伝達物質およびそのレセプター、アドレナリン作動性レセプター 、ならびにコリン作動性レセプターが挙げられる。リガンドと相互作用し得るレ セプターとしては、EGF、NGF、およびPDGFレセプターならびにレプチンレセプタ ーが挙げられる。本発明の方法および組成物を用いるEGFレセプターのダイマー 化の分析は、実施例11(下記)に提供される。 本発明の実施により研究され得るさらなる相互作用としては、細胞代謝および 細胞構造に関与する相互作用が挙げられる。これらの相互作用としては、エネル ギー代謝に関与する相互作用、あるいは細胞の膜の、細胞質、細胞骨格、オルガ ネラ、核、核マトリックスまたは染色体の構造を確立または改変する相互作用が 挙げられるが、これらに限定されない。細胞外マトリックス成分間の相互作用、 または細胞外マトリックス成分と細胞間の相互作用はまた、本発明の方法および 組成物を用いて研究され得る。 本発明は、下記の非限定的な例により、さらに理解される。 実施例 実施例1:βガラクトシダーゼレポーター系をコードするレトロウイルス構築 物の調製およびトランスフェクション タンパク質-タンパク質相互作用を評価するためのβガラクトシダーゼ(「β- gal」)相補を用いるレポーター系を、構築した。Schreiberにより開発された十 分に特徴づけられたタンパク質複合体を、試験系として用い、タンパク質結合部 分を提供した。Belshaw,P.J.らProc.Natl.Acad.Sci.USA,93:4604-4607(199 6);BrownらNature 369:756-758(1994);ChenらProc.Natl.Acad.Sci.USA 92:4 947-4951(1995);およびChoi,J.らScience,273:239-242(1996)、これらの開示を 本明細書において援用する。このタンパク質複合体において、細胞内ラパマイシ ン結合タンパク質であるFK506-結合タンパク質-12(FKBP12)は、ラパマイシン が培養培地に存在する場合にのみ、細胞内FKBP-ラパマイシン会合タンパク質(F RAP)と相互作用し、この相互作用は、ラパマイシンの用量とともに増大する。 ラパマイシンは、低分子の細胞透過性分子であり、独立の決定基を介して2つの 細胞内タンパク質と結合する。ラパマイシンは、同時に2分子のFKBP12と結合し 得ず、そしてFARPは、FKBP-12ラパマイシン複合体内のラパマイシンにのみ結合 するので、ラパマイシン処理においてヘテロダイマーのみが形成される。Ho,S.N .らNature,382:822-826(1996)の開示を、本明細書において援用する。 β-gal系を、以下のように、FKBP12/FRAP/ラパマイシン系と組み合わせた。2 つの異なるレトロウイルス構築物を生成し、各構築物は、ΔωまたはΔαβ-gal 変異体の融合タンパク質、およびFRAPのFKBP12-またはFKBP-ラパマイシン結合部 位のいずれかを、それぞれコードする(FKBP12-ΔωおよびFRAP-Δα)。 ΔαまたはΔωβ-gal変異体は、MohlerおよびBlau、Proc.Natl.Acad.Sci .93:12423-12427(1996)の記載のように取得され、この開示を本明細書において 援用する。 FKBP12-およびFKBP12-ラパマイシン結合ドメインのコード配列をインフレーム でβ-galと融合するために、XhoI部位を含むアダプターオリゴヌクレオチド(CA TGGAGCTCGAGAG)を、MohlerおよびBlau(上記)により記載されたΔαおよびΔ ωβ-gal変異体のATGにおけるNcoI部位に、挿入した。ヒトFRAPのアミノ酸2025 〜2114およびヒトFKBP12の完全長コード配列に対応する2つのXhoI-SalI DNAフ ラグメントは、改変ΔαおよびΔω変異体のXhoI部位にクローン化され、FRAP- ΔαおよびFKBP12-Δωを生成した。適切な読み枠の維持を、両構築物の配列決 定により確認した。 pWZL-NeoおよびpWZL-HygroレトロウイルスへのFRAP-ΔαおよびFKBP12-Δωコ ード配列の挿入のために、NcoIおよびBamHI部位を含むアダプターオリゴヌクレ オチド(GATCACCATGGACGCGTGGATCCC)を、pWZLベクターのBamHIおよびXhoI部位 へ挿入した。初めに存在した両方の部位は、この挿入により破壊された。次に、 FRAP-ΔαおよびFKBP12-Δωコード配列を、改変pWZLベクターにNcoI-BamHIフラ グメントとして挿入した。 FKBP12-ΔωおよびFRAP-ΔαをコードするcDNAを、上記のように、マウス自己 向性レトロウイルスベクターのハイグロマイシン耐性またはネオマイシン耐性遺 伝子の上流にそれぞれ挿入した。脳心筋炎ウイルスのIRESを用いることにより、 単一のレトロウイルスベクターの導入は、2つのシストロンを有するmRNAの産生 、ならびにΔα-β-gal-FRAPタンパク質および薬物選択的ハイグロマイシンタン パク質の両方の翻訳を確実にする。第2のレトロウイルスベクターは、Δω-β- gal-FKBP12タンパク質およびネオマイシン耐性タンパク質を産生する。 ウイルス産生および感染のために、リン酸カルシウムトランスフェクションに よって、プロウイルス構築物をパッケージング細胞中に導入した。パッケージン グ細胞からのレトロウイルスを含有する上清培地を、トランスフェクションの24 〜72時間後に回収し、そしてC2C12細胞を8μg/mlのポリブレンの存在下で感染 させるために使用した。1重および2重に感染させた細胞を、適切な薬物で選択 した。ジェネティシンおよびハイグロマイシンの両方を、最終濃度1mg/mlで使 用した。選択された細胞を、引き続く実験のための集団として拡大した。 以前に記載されたMFGレトロウイルスベクター(Dhawanら、Science,254:1509 -1512(1991))から発現されたΔαおよびΔω変異体を用いて検出したバックグ ラウンドのβ-galは比較的低かったが(Mohler,W.A.およびBlau,H.M.,Proc. Natl.Acad.Sci.USA,93:12423-12427(1996)、この開示は本明細書中で参考と して援用される)、β-gal ATG(pWZL)の上流のスプライスドナー/アクセプター 配列を欠失した点変異を有するレトロウイルスベクターを使用することによって さらに低減された。これらの変異は、ベクターに含まれる第一のコード配列の翻 訳効率の低下を生じるが、IRESにのみ依存する選択マーカーの発現に影響を与え ない。このベクターを使用して、同じLTR(長末端反復配列)および野生型スプ ライスドナー/アクセプター配列を含むベクターに比較して、2分の1の量の上 流タンパク質が発現された。翻訳におけるこのような減少は、融合タンパク質の 濃度、およびそれらが融合された試験タンパク質に関係なく、その結果としての β-gal変異体の自発的な相互作用を低減させる。その結果、予備的な実験におい て、ルミノメーターによって測定されるΔαおよびΔωβ-gal変異体単独につい てのバックグラウンド酵素活性が、低い値から本質的に検出不可能な値まで低減 された。 感染ウイルス粒子を、図2aに示される各構築物の、Pearら(1993)Proc.Natl .Acad.Sci.USA 90:8392-8396によって記載されるものを改変したパッケージ ング細胞株中への、リン酸カルシウムトランスフェクションによる一過性のトラ ンスフェクションによって産生した。パッケージング細胞からのレトロウイルス を含有する上清培地を、トランスフェクションの24〜72時間後に回収し、そして C2C12細胞を8μg/mlポリブレンの存在下で感染させるために使用した。C2C12筋 芽細胞を、各レトロウイルス単独で1重にか、または両方で同時にのいずれかで 感染させた。全ての実験を、ハイグロマイシンおよびG418を使用する選択後に行 い、100%の細胞が両方の構築物を含むことを確実にした。ジェネティシンおよ びハイグロマイシンの両方を最終濃度1mg/mlで使用した。選択された細胞を引 き続く実験のための集団として拡大した。 実施例2:β-ガラクトシダーゼレポーター系の結合および活性のアッセイ ラパマイシンを培地へ添加した後、実施例1に記載したようにして得た形質転 換した細胞を、β-gal活性についてアッセイした。図3に示すように、FKBP12- ΔωおよびFRAP-Δαの両方を発現するC2C12細胞を、10ng/mlのラパマイシン( 図 3b)に12時間、または薬物を全く含まないもの(図3a)に曝露することによ って試験した。両方の構築物を発現する細胞のみが、β-gal活性を示し、固定さ れた細胞のX-gal染色によって容易に可視化された(図3b)。核の相互作用の みを報告する酵母2ハイブリッド系のような先行技術の方法とは対照的に、細胞 質染色がこの方法によって検出されることは有利である。X-gal染色は、以下の ように行われる:細胞をPBSプラス4%パラホルムアルデヒド中で5分間固定し 、そして染色の前にPBS中でリンスした。インジゴ生成X-gal染色を37℃でPBSプ ラス1mg/mlのX-gal、1mM MgCl2、5mM K3Fe(CN)6、5mM K4Fe(CN)6中で一晩行っ た。 ラパマイシン処理の際のβ-galの活性化の反応速度を決定した。両方の融合タ ンパク質を発現するC2C12細胞を、96ウェルプレートに2連でプレートした。ラ パマイシンを培養培地に添加し、そしてβ-gal活性を異なる時点で測定した。各 時点について、6連のサンプルを、Mohler,W.A.およびBlau,H.M.,Proc.Natl .Acad.Sci.USA,93:12423-12427(1996)(この開示は本明細書中で参考として 援用される)に記載される感度の高い化学発光アッセイを使用してアッセイした 。このアッセイにおいて、マイクロタイタープレートにおいて培養された細胞を 、溶解物、およびGalactolight Plusアッセイキット(Tropix,Bedford,MA)か らのGalacton Plus基質を含有するアッセイ緩衝液の1:3混合物50μl中でインサ イチュで溶解した。反応を1時間室温で進行させた。Light Emission Accelerat or溶液の添加の後、発光をシンチレーションカウンター中で測定した。 図4に示す結果は、融合タンパク質についての相互作用アッセイが特異的であ り、そしてFKBP12/FRAP/ラパマイシンタンパク質複合体単独のアッセイと類似の 反応速度および匹敵する用量応答曲線を示す。Ho,S.N.ら、Nature,382:822-82 6(1996)。ラパマイシンは、5時間以内にβ-gal活性における30倍の増加を誘導 した。コントロールとして、ラパマイシンを添加せず、そしてバックグラウンド を超えるβ-gal活性を検出しなかった。第二のコントロールとして、2つの構築 物の1つのみを発現する細胞集団において、β-gal活性は、ラパマイシンを添加 した場合、バックグラウンドを超えて増大しなかった。 図4bに、用量応答曲線を示す。β-galの活性化は、ラパマイシンの用量に依 存した。これは、0〜10ng/mlの薬物の範囲にわたって直線であるようであった 。 この直線性は、β-galの酵素活性が、タンパク質-タンパク質相互作用を定量化 するためのレポーターとして作用し得ることの支持を提供する。用量応答および 反応速度の両方が、他者によって観察されたもの(Ho,S.N.ら、Nature,382:82 2-826(1996))に密接と近似することから、β-galペプチドへの融合は、FKBP12 およびFRAPタンパク質の相互作用を妨害しないことが示唆される。さらに、内因 性のFKBP12およびFRAPタンパク質は、ラパマイシンの存在下で、β-gal活性を生 成することなく、偏在的に発現され、互いにまたは融合タンパク質と相互作用し 得る。上記のように、β-gal活性の検出は、生産的なFRAP-ΔαおよびFKBP12-Δ ωダイマーが、競合する内因性タンパク質を含む細胞内環境において形成される こと、および得られるβ-gal活性が、FRAPおよびFKBP-12ラパマイシンの相互作 用を反映することを示す。従って、β-gal融合タンパク質は、FKBP12/FRAP/ラパ マイシン複合体および他のタイプの多タンパク質複合体におけるタンパク質の相 互作用をモニターするために使用され得る。 細胞溶解物中において結合活性を検出および定量することもまた可能である。 図5に示すように、FKBP12-ΔωおよびFRAP-Δα融合タンパク質の両方を発現す る細胞を、ラパマイシンの非存在下で拡大し、そして溶解した。100ng/mlのラパ マイシンを、サンプルの半分に添加し、そして処理および未処理の溶解物におけ るβ-gal活性を、即座に(白棒)、1時間後(黒棒)、または3時間後(灰色棒 )に測定した。β-gal活性における2倍を超える増大が、薬物の投与後1時間で ラパマイシン処理溶解物において観察された。ラパマイシンに曝露されなかたコ ントロール溶解物において、β-gal活性の統計学的に有意な増大は検出しなかっ た。本発明の方法および組成物を使用して、細胞溶解物においてタンパク質-タ ンパク質相互作用を検出および定量するための能力は、成熟した完全に折り畳ま れたタンパク質の間の相互作用が、検出および定量され得ることを示す;複合体 の同時翻訳アセンブリは、β-gal活性によってモニターされ得る複合体の形成に 必要とされない。実施例3:タンパク質-タンパク質相互作用の定量のための3連の融合 タンパク質相互作用が、上記の実施例に記載する系で定量的な様式で研究され ることを可能にするため、そして結合部分の結合能力または単一の融合タンパク 質に存在する両方の活動から生じるレポーターサブユニットの相補能力のいずれ かに対する効果を制御するために、系の構成要素の発現をモニターするためにさ らに改変した。上記の系において、β-gal融合タンパク質は、同じウイルスプロ モーターから発現されるが、いくつかのタンパク質については、その発現レベル が、特定の融合パートナーによって影響を受けることが可能である。特に、いく つかのタンパク質またはドメインは、β-galドメインの安定性またはコンホメー ションに影響を与え得る。その結果、試験タンパク質(推定結合部分)の互いを 相補する能力における、生理学的な機構に基づいていない差異が、観察され得る 。 これらの問題を回避するために、3つの成分(β-gal変異体、FKBP12またはFR AP、および試験タンパク質)を含有する融合物を構築した。最もN末端の成分は 、試験タンパク質であり、続いてFKBP12-ΔωまたはFRAP-Δα(融合物の試験タ ンパク質部分がXおよびX'によって示されている図2bの例示的な系を参照のこ と)である。FKBP12およびFRAP部分の存在により、これらの融合物のラパ マイシン媒介ダイマー化が可能になり、そしてラパマイシンの存在下でのβ-gal 相補の効率は、FKBP12/FRAP/ラパマイシン相互作用に依存するようである。目的 の固定された融合タンパク質および異なる相互作用パートナーを含有する融合物 の簡単な同時発現(ラパマイシンの非存在下)によって得られるβ-gal活性の絶 対値を決定した。平行サンプルにおいて、β-gal活性を固定量のラパマイシンと の相補を誘導する際に測定した。ラパマイシンの非存在下と存在下との間で得ら れるβ-gal活性の比率は、互いで相互作用する異なるタンパク質対の相対的な能 力を示した。このアプローチのさらなる利点は、FKBP12およびFRAPドメインの存 在が、β-gal変異体と分析されている推定の結合部分との間に可撓性のヒンジを 提供することである。これにより、β-galと目的のタンパク質との間の障害の可 能性が減少する。さらに、より効率的なウイルスベクター中へ再クローニングす る必要なしに、融合物中のβ-gal成分の機能的な完全性の直接的な試験を可能に する。 結果を、tetR-FKBP12-ΔωまたはtetR-FRAP-Δαの3部融合物で得た(図2b における例を参照のこと)。これらの構築物の同時発現(ここで、ダイマー化は 、 テトラサイクリンレセプター(tetR)タンパク質によって駆動される(Hinrichs ,W.ら、Science,264:418-420(1994)、この開示は本明細書中で援用される)) は、容易にβ-galポジティブ細胞を生成した。これは、機能的な3部融合物(こ こで、最もN末端のペプチド成分のダイマー化が、C末端のβ-gal欠失変異体ポ リペプチドの相補を効率的に駆動する)が構築され得ることを示す。 実施例4:相補性β-gal融合タンパク質を使用する筋原性の調節因子のダイマ ー化 β-gal相補系を使用して、筋肉特異的タンパク質のアクチベーター(myoD、ミ オゲニン、myf5、MRF-4)、筋形成のインヒビター(同書、Mtwist、I-mf)、お よび遍在的なE2A型タンパク質(E47、E12、HEB)を含むHLHタンパク質(ヘリッ クス-ループ-ヘリックスタンパク質、Murreら(1989)Cell 56:777-783)のダイ マー化および核転移についてアッセイする。 第一の工程において、myoD-Δα-β-gal(myoD-Δα)融合構築物および、E12- Δω-β-gal(E12-Δω)融合構築物を、FRAP-ΔαおよびFKBP12-Δωについて上 記のように、選択可能なレトロウイルスベクターにおいて操作する。2つの構築 物をC2C12筋芽細胞中に導入する。両方の構築物を発現する細胞についての適切 な薬物で選択した後、β-gal活性を上記の化学発光アッセイを使用して定量する 。β-gal活性は、融合タンパク質のヘテロダイマー化が、この細胞型において起 こっていることを示す。β-gal活性を検出した場合、個々の細胞を蛍光X-gal染 色を使用して分析し、ヘテロダイマーが核に存在するか否かを決定する。野生型 β-galが、特異的に核に指向し、そして核局在配列(nls)(HughesおよびBlau ,Nature,345:350-352(1990))を含むことによって核で検出され得るので、β- galハイブリッドタンパク質に由来する活性が、核において検出され得る。細胞 質または核における局在の部位を知ることは、タンパク質相互作用の機能(例え ば、隔離および阻害活性、または促進活性)の評価を助ける。この方法は、上記 の感度の高いFluor-X-Gal基質(Mohler,W.A.およびBlau,H.M.,Proc.Natl.A cad.Sci.,USA,93:12423-12427(1996))を使用する、筋形成の蛍光マーカー( 例えば、デスミン、およびβ-galの局在化に関連してクレアチンキナーゼ)の可 視 化を可能にする。 筋形成調節因子と以下の節で記載される相補性β-gal変異体との間の全ての融 合構築物は、内因性の筋形成調節因子のヘテロダイマー化が生じることが知られ ている筋肉細胞において試験され得る。さらに、以下のコントロールがまた行わ れ得る。myoD-Δα構築物は、FKBP12-Δωとともに細胞に同時導入され得、そし てE12-Δω構築物はFRAP-Δαと同時導入され得る。構築物のこの組み合わせは 、分子の非β-gal部分のヘテロダイマー化の独立した相補性の弱いβ-galペプチ ドの相補を増強するなんらかの異常な機構が試験されている特定の細胞型に存在 するのでない限り、β-gal活性を生じるべきではない。FRAP-ΔαおよびFKBP12- Δωはまた同時導入され得、細胞は、各細胞型における相補のためのポジティブ コントロールであるラパマイシンで処理される。高血清培地(増殖培地)におけ る細胞および低血清培地(分化培地)における細胞は、異なる結果を生じる。 実施例5:ヘテロダイマー化およびホモダイマー化に対する増殖因子および基 質の効果についてのインビトロアッセイ 上記の実施例4に記載の構築物を使用して、C2C12筋芽細胞を、筋形成HLH融合 構築物の1つおよびE12-Δω構築物で形質導入する。C2C12細胞は、内因性の筋 形成HLHタンパク質およびE12をすでに含有し、キメラ構築物は、ダイマー化の程 度を測定するための「トレーサー」として作用する。次いで、形質導入された細 胞を刺激して、血清レベルの変化によって、またはフィブロネクチンもしくはラ ミニンのような基質の存在下または非存在下で増殖因子(TGF-β、bFGF、IGF-I 、およびIGF-II)を添加することによって、分化または増殖させ得る。次いで、 β-gal活性を、時間の関数として測定する。増殖因子刺激の後のβ-gal活性にお ける迅速な変化は、特定のヘテロダイマーの形成に関する所与の細胞外シグナル のより直接的な作用機構を示唆し得る。より遅い変化は、細胞外シグナルが、間 接的に、例えば、融合タンパク質の1つまたは両方を隔絶し得る競合する因子の 発現をアップレギュレートすることによって、作用することを示し得る。β-gal 活性の変化は、平行サンプルにおいてノーザンブロットによって測定される、分 化の公知のインヒビター(例えば、Idタンパク質)の発現レベルと相関され得る 。 平行実験における試験タンパク質の各対で得られるβ-gal活性における変化の反 応速度の比較は、特定のMRF(筋肉調節因子、Yunら(1996)Curr.Opin.Cell Bio l.8:877-879;およびCossuら(1996)Trends Genet.,12:218-223)またはインヒ ビターが細胞外シグナルに応答するその能力において異なるか否かを示す。ヘテ ロダイマーの形成(または核転移)に影響を与え得る増殖因子または基質が同定 される場合、実験は、他の非筋形成性細胞型において反復される。異なる細胞型 における特定の増殖因子の効果の分析は、対応するシグナル伝達経路の細胞内成 分が組織特異的か否かを示す。 組織培養細胞におけるこれらの実験は、増殖および分化条件において、ならび にこれに続く公知のシグナルトランスデューサーに対する応答において、特異的 タンパク質パートナーの相対的な親和性および区画化を評価することを可能とす る。これらの因子の相互作用は、その時細胞内に存在する有力な内因性成分と競 合させて、関連する生理学的バックグラウンドにおいて試験し得る。従って、実 施された筋原性因子(myogenic factor)の相互作用に関する多数の分析は、こ れまではインビトロ、精製系、または酵母において実行されてきた(Benezraら 、Cell、61:1213-1230(1990);Lassarら、Cell、66:305-315(1991);Huら、Mo l.Cell.Biol.、12:1031-1042(1992);Chenら、Cell、86:731-741(1996);およ びSpicerら、Science、272:1476-1480(1996)。哺乳動物細胞における相互作用 を直接的に検出するために使用する、生化学的方法(例えば、免疫沈降またはレ ポーター遺伝子構築物の活性化)の相対的に低い感受性は、高レベルのタンパク 質および構築物の過剰発現を必要とし、通常は一過性トランスフェクションによ り得られ、そのレベルは濃度の増加により、潜在的に相互作用を余儀なくし得る レベルである。本明細書中に開示される方法は、筋原性分化経路の異なる時点に おいて機能的に関連する、タンパク質-タンパク質相互作用を研究を可能にする 。明らかに、細胞外および細胞内環境は、異なる時点におけるこれらのタンパク 質の化学量論および存在比を決定する。結果として、同じダイマー化パートナー 、補因子、およびシグナル伝達経路におけるキナーゼまたはホスファターゼに対 する異なるタンパク質の競合は、インタクトな細胞において実際に形成する複合 体に対して有意な効果を有し得た。そのような内因性相互作用の性質を評価 するために、細胞に固有のレベルおよび所定の時点における「競合的」環境の性 質を変化させないために、低い発現レベルを必要とする。有利なことには、本明 細書中に記載される系においては、目的のタンパク質-タンパク質相互作用を評 価するために、導入タンパク質の高レベル発現を必要としない。実際に、一過性 トランスフェクションアッセイ、または強力なプロモーターおよび高い翻訳効率 を有するさらにほとんどのレトロウイルスベクターと対比してみると、本明細書 中に開示される系は、細胞内において提唱される試験タンパク質の天然の内在生 理学的レベルを混乱させないレベルを提供する。 実施例6マウスにおける抑制性および筋原性HLHタンパク質の分析 マウスにおける抑制性および筋原性HLHタンパク質のヘテロダイマー化をマッ ピングし得る。MtwistおよびI-mfが、哺乳動物組織培養系において筋形成を抑制 することを示されている。さらに、これらは筋原性HLHタンパク質との直接的な 物理的会合を介して作動することが提唱されている(Hebrokら、Dev.Biol.、165 :537-544(1994);Rohwedelら、Exp.Cell Res.、220:92-100(1995);Chenら 、Cell、86:731-741(1996);Spicerら、Science、272:1476-1480(1996))。胚 形成期に、Mtwistは、上皮性体節のいたる所で発現され、後に筋節から排除され る(Fuchtbauer、Dev.Dyn.、204:316-322(1995);およびStoetzelら、Mech.De v.51:251-263(1995))。体節形成の初期においてはI-mf発現は分析されていな いが、交尾後(post-cotium)11.5日目において、I-mfは硬節内に高発現するが 、筋節からは排除される(Chenら、Cell、86:731-741(1996))。従って、胚にお けるその発現ドメインに基づき、これらの要素は、初期発生において筋原性プロ グラムの空間的および時間的制限のために重要であると考えられる。 この仮説のためのさらなる支持は、myf5コード領域が標的化され、lacZにより 置換されているmyf5/lacZ胚の分析による。β-galをmyf5発現パターンのマーカ ーとして使用することにより、myf5を発現する細胞が、Mtwistをまた発現する( Fuchtbauer、Dev.Dyn.、204:316-322(1995);およびStoetzelら、Mech.Dev.51 :251-263(1995))、体節前(presomitic)中胚葉において、筋形成開始のずっ と以前に(Cossuら、Trends Genet.、12:218-223(1996))検出される。 発生後期において、myf5およびmyoDは、明瞭な筋節形成前に体節においてMtwist とともに同時発現される(Ottら、Development、111:1097-1107(1991);Fuchtba uer、Dev.Dyn.、204:316-322(1995);Stoetzelら、Mech.Dev.51:251-263(1 995);およびCossuら、Trends Genet.、12:218-223(1996))。これらの細胞は 、他の検出可能な筋原性マーカーを発現しない(Ottら、1991)。従って、本明 細書中において開示されるレポーター系は、これらの細胞においてmyf5およびMy oDタンパク質が、ヘテロダイマーにおけるMtwistおよび/またはI-mfとの相互作 用により不活性状態に維持されているかを決定するために使用し得る。発生の後 の時期において、MtwistおよびI-mfは、筋原性因子の発現が排除される非筋原性 中胚葉のほとんどにおいて発現する。Smithら、J.Cell Biol.、127:95-105(1 994);Fuchtbauer、Dev.Dyn.204:316-322(1995);Stoetzelら、Mech.Dev.5 1 :251-263(1995);およびChenら、Cell、86:731-741(1996)。おそらく、Mtwis tおよびI-mfは、この時期において筋節とそれに隣接する組織との間に鮮明な境 界を作成するのに関連する。 本明細書中に開示されるレポーター系は、インビボにおいて、胚発生期の筋原 性インヒビターおよびアクチベーター間の相互作用の詳細な研究を可能にする、 体節形成期のパターン形成の複雑な過程に新規な洞察を提供し得る。そのような 研究は、マウスに限定されずに、C.elegans、Drosophila、Xenopus、ゼブラフ ィッシュおよび他の実験生物において容易に実施し得る。現在に至るまで、胚内 におけるインサイチュでのタンパク質複合体の可視化を可能とする方法論は利用 可能ではない。その結果、胚発生期の何時何処でそのようなHLHヘテロダイマー の相互作用が生じ得るのかに関する明確な証拠は利用可能でない。 実施例7マウス胚におけるHLHヘテロダイマーの検出法 β-gal相補性アッセイは、インビボにおけるタンパク質-タンパク質相互作用 の検出によく適している。Myf5-Δα、MyoD-ΔαおよびMtwist-Δω融合タンパ ク質を構築する。これらの融合タンパク質を用いるβ-gal相補性の媒介を、上記 の実験の実施中に試験し得る。十分に確立されているトランスジェニック技術を 使用して(ThomasおよびCapecchi、Nature、324:34-38(1986);およびCapecch i、Science、244:1288-1292(1989))、myf5、MyoDまたはMtwist対立遺伝子の1 つが対応する融合タンパク質で置換されているようなマウス系を作製し得る。従 って、myf5-Δα、MyoD-ΔαおよびMtwist-Δω融合タンパク質は、それらの内 因性プロモーターの制御下において発現する。試験タンパク質の発現を、これら のマウスにおいて立証し得る。次いで、Mtwist-Δωトランスジェニックマウス をmyf5-ΔαとMyoD-Δαトランスジェニックマウス系を交雑し得、それぞれの場 合において、融合タンパク質の両方を有するマウスを同定するために子孫を分析 し得る。β-gal活性は、Mtwist-Δωが物理的にmyf5-ΔαまたはMyoD-Δα融合 タンパク質と会合するそれらの胚の細胞においてのみ発生すべきである。この分 析は、胚発生期の何時何処でMtwistが実際にmyf5およびMyoDと相互作用をして筋 原性表現型を抑制するかのマッピングを可能とする。 実施例8標的化ストラテジーおよび必要な構築物の操作 myf5-Δα融合タンパク質コード配列を、myf5遺伝子座に挿入することにより 、内因性myf5調節エレメントの制御下において発現し得る。myf5のATGとの融合 を生じるmyf5遺伝子座における、野生型β-galの同様の挿入は、内因性遺伝子の 発現パターンを正確に再現することを示している。標的化構築物は、公表されて いるmyf5/lacZ標的化構築物に基づくが(TajbakhshとBuckingham、Proc.Natl.A cad.Sci.USA、91:747-751(1994);Tajbakhshら、Neuron、13:813-821(1994) ;およびTajbakhshら、Nature、384:266-270(1996))、以下の差異を有する:(1 )融合タンパク質が、Δα β-galと融合する完全myf5コード配列を含む。(2)融 合タンパク質コード配列が、FRT部位(FLP組換え酵素標的)に隣接するネオマイシ ン耐性遺伝子を伴う。これは、標的化構築物を組込み、一体化したES細胞のG418 選択を可能とする。(3)ジフテリア毒素発現カセットが、myf5マウスゲノムDNAと の相同性領域の5末端に位置する。相同的組換え中に、相同領域内において鎖交 換を生じ、その結果ジフテリア毒素発現カセットは組み込みの後に排除される(C apecchi、Science、244:1288-1292(1989))。相同的組換えよりも、むしろ比較 してランダムな組込みにより生じるクローンはジフテリア毒素発現を保持し、そ のクローンが死滅するために培養中に選択される。生き残ったクローン をPCRにより特徴付けして、myf5ゲノム遺伝子座における構築物の適切な組み込 みをサザンブロット法により確認する。 続いて、ネオマイシン選択カセットを、以前に記載した技術の改変バージョン を使用して除去する(Fieringら、Genes Dev.、:2203-2213(1995))。簡潔に は、FLP組換え酵素、Internal Ribosomal Entry Site(IRES)、およびGFPを含む 2シストロン性の(bicistronic)メッセージを発現するプラズミドを一過的にE S細胞クローン中にトランスフェクションする。GFP陽性細胞を蛍光活性化セルソ ーター(FACS)を使用してクローン分類する。これらの細胞内で、FLPは2つのFRT 部位の間の配列を欠失し、そしてβ-galコード配列のみがES細胞ゲノム内に残存 する。分類したクローンのアリコートをG418感受性試験し、PCRおよびサザンブ ロット法により感受性クローンにおけるネオマイシンカセットの正確な欠失を確 認する。選択マーカーを排除するこのアプローチは、記載のように、選択マーカ ーを駆動する外因性プロモーターと内因性制御配列との間の干渉を回避する(Ols onら、Cell、85:1-4(1996))。 MyoDおよびMtwistについての標的化構築物はまた(Rudnickiら、Cell、71:383 -390(1992);ChenとBehringer、Genes Devel.、:686-699(1995))に記載され ており、関連構築物を各々について作製し得る。これらの利用可能な試薬に基づ き、そしてmyf5-Δαストラテジーについて上記の提唱したスキームに従って、M yoD-ΔαおよびMtwist-Δω融合体をES細胞の内因性MyoDおよびMtwistの遺伝子 座中に標的化するためのベクター(ChenおよびBehringer、Genes Devel.:68 6-699(1995))を作製し得る。いずれの場合においても、株の差異が相同的組換え 頻度を減少することが知られているために、標的化構築物内の利用可能なゲノム DNA相同領域と同系であるES細胞株を使用する。上記のmyf5「ノック-イン」法に 使用したのと同一のFLP媒介性の切除方法論を、標的化されたMyoDおよびMtwist 遺伝子座からのネオマイシン耐性マーカーの欠失に適用する。この「イン-アウ ト」ストラテジーは、融合タンパク質コード領域が内因性調節エレメントの制御 下にあり、最小の外因性の隣接DNA配列と会合されることを保証する。 実施例9myf5- Δα/Mtwist-ΔωおよびMyoD-Δα/Mtwist-Δωトランスジ ェニック系の分析 各々の構築物について、複数のES細胞クローンを胚盤胞内に注入する。偽妊娠 メスへの移植において得られるキメラ子孫を生殖系列の伝達について試験して、 ヘテロ接合体マウスを得る。この実験の一つの重要なコントロールは、「ノック −イン」された融合タンパク質の発現パターンが、それに対応する内因性因子に ついて報告された発現パターンを正確に模倣していることを確認することである 。この目的のために、融合タンパク質の迅速な検出を可能とする系を供給する。 ΔαまたはΔωのいずれかと強い相補性が可能であるβ-gal変異体(Δμ)を発 現するトランスジェニックマウス株を作製する。Δμは、強力なニワトリβ-ア クチンプロモーターから広範囲に発現される。MyoD-Δα、myf5-ΔαおよびMtwi st-Δωトランスジェニックマウス系を各々Δμトランスジェニックマウスと交 雑する。これらの融合タンパク質のいずれかの、強力な相補性Δμ変異体との同 時発現は容易に検出可能であるβ-gal活性を生じるので、従って、発明者らの融 合タンパク質の発現パターンを、胚のX-gal染色により追跡することが可能であ る。 Mtwist-Δωマウス系を、MyoD-Δα、およびmyf5-Δαトランスジェニックマ ウス株と交雑する。ヘテロ接合体マウスをこれらの交雑のために使用するために 、胚の平均1/4が二重ヘテロ接合体となる。X-galを用いて、封入(mount)調製 物および組織学的切片の全体の染色により、これらの胚を、発生期の異なる時点 において分析する。Mtwist-MyoDまたはMtwist-myf5相互作用が稀な事象であり、 その結果β-galシグナルのより低い細胞を検出するために、切片をまたより感受 性の高いフルオロ(fluor)-X-Gal蛍光基質で染色する。(Mohler,W.A.およびBl au,H.M.、Proc.Natl.Acad.Sci.、USA、93:12423-12427(1996))。 このアプローチの長所は、上記の相互作用がインビボで起こる細胞内において のみβ-gal活性が現れることである。このアプローチは、発生期の筋形成のイン ヒビターとアクチベーターの間の相互作用の徹底的な分析を可能にする。特に、 この方法は、インビボセッティング(発生マウス胚)におけるヘテロダイマーの ような2つのタンパク質の同時発現および物理的相互作用との間の相関分析を可 能とする。これは、Mtwistのように複数の制御過程に関連することが公知である 因子の場合において特に重要であり(ChenおよびBehringer、Genes Devel. :686-699(1995))、異なる決定因子との相互作用を介してその機能を達成する と考えられる。 β-gal相補性変異体の使用はまた、I-mf分析にまで伸展し得る。I-mfはまた胚 内の筋形成のネガティブレギュレーターとして関係する(Chenら、Cell、86:731 -741(1996))。しかし、興味深いことには、I-mfおよびMtwistは、ほとんどの体 節にわたって同時発現する。同一細胞中におけるこれらの存在が、単に筋原性HL Hレギュレーターの活性抑制のための重複性(redundant)メカニズムの存在の指 標かどうか、または2つの因子が明確な機能を有するのか否かは明らかではない 。第一の場合は、I-mfとMtwistいずれもが同一因子と会合することが予測される 。第二の場合は、差異および異なる因子との相互作用は発明者らの実験的アプロ ーチを使用して検出可能であるべきである。 実施例10蛍光-活性化セルソーティング(FACS)によるタンパク質相互作用の 分析 FRAP-ΔαおよびFKBP12-Δω(実施例1および2に記載)で同時感染したC2C1 2細胞集団のβ-gal活性をFACSにより、10ng/mlのラパマイシンの存在および非存 在においてアッセイした。FACSは、当該分野において周知である方法、例えば、 Nolanら、(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2603-2607、に従って実施 した。このアッセイを使用して、β-gal活性の増加をラパマイシン処理の90分後 に大多数の細胞において検出した(図6A)。薬剤の存在および非存在における 発光ピークの幅により実証されるように、発現レベルの範囲を観測した(図6A における明(light)および暗(dark)プロフィールを比較する)。この幅は、 おそらくは標的細胞内への取り込みに後のレトロウイルスベクターの各々の発現 効率の変化に依存する。この干渉(interference)は、ラパマイシン非存在下に おいて最低のβ-gal活性を発現する細胞の25%を収集して(図6B)ラパマイシ ンの存在および非存在下に再アッセイした場合、処理および未処理細胞集団はFA CS分析により非重複ピークを生じ、これは処理(明ピーク)と未処理(暗ピーク )集団間の明確な差異を示す(図6C)という知見によって支持される。従って 、相補性融合タンパク質の発現(または非発現)により区別される細胞の非 重複集団をFACSにより同定および単離し得る。 実施例11生存細胞内におけるEGFレセプターのダイマー化のモニタリング レセプターのダイマー化を介して作用する上皮増殖因子(EGF)レセプターシグ ナル経路の調節の、以前に認識されていない様式が、生存細胞膜におけるタンパ ク質−タンパク質相互作用をモニターするための本発明による方法を使用して明 らかにされた。弱相補性β-ガラクトシダーゼ(β-gal)欠失変異体と融合され る、EGFレセプターの細胞外および膜貫通ドメインを含むキメラタンパク質を筋 芽細胞中に発現した。細胞のEGFによる処理は、β-gal酵素活性における迅速な 増加により評価されるようなキメラレセプターのダイマー化を生じた。EGFによ るさらなる処理は、EGFレセプターチロシンキナーゼのインヒビターが添加され ない場合、ダイマー化を再刺激しなかった。これらの結果は、ダイマーレセプタ ーのチロシンキナーゼ活性がレセプターのさらなるダイマー化を阻害するフィー ドバック機構が存在することを明らかにする。 方法 キメラレセプターの構築。β-galの弱相補性ΔαおよびΔω欠失変異体を、キ メラレセプター分子の形成のために、各々ヒトEGFレセプターの細胞外および膜 貫通ドメインを含むポリペプチド配列に連結した。キメラレセプターは、天然レ セプターの細胞質ドメイン、および付随するチロシンキナーゼ活性を欠失した。 方法は以下のとおりであった。ヒトEGFレセプター(アミノ酸1-655)の細胞外 および膜貫通ドメインをコードする配列を、PCR産物の5'末端においてNcoI部位 、および3'末端にXhoI部位を取り込むプライマーを使用して、ポリメラーゼ連鎖 反応(PCR)により増幅した。このフラグメントは、プロテインキナーゼC(PKC)リ ン酸化部位である、スレオニン654を保持するにも関わらず、アルギニン656およ び657が除去され、コンセンサスPKC認識配列を破壊する。スレオニン654により 開始するアミノ酸配列は、thr-leu-glu-ser-metであり、β-gal配列が開始され るmet残基を有する。gluおよびserコドンは、結合配列により生成され、EGFまた はβ-galのいずれに対しても天然ではない。 キメラレセプターをコードするDNAを、選択マーカーもまたコードするレトロ ウイルスベクター中に挿入した。EGFレセプター-Δα融合体を含む構築物では、 選択マーカーは、neo遺伝子であり、G418耐性をコードした;その一方、EGFレセ プター-Δω融合体はハイグロマイシン耐性を特定する(図1B)。従って、EGFレ セプターPCR産物を消化して、pWZL-ΔαおよびpWZL-ΔωベクターのNcoIおよびX hoI部位中にクローニングした。pWZL-Δα-neoおよびpWZL-Δω-hygroプラスミ ドを、lacZΔαおよびΔω欠失変異体を、それぞれpWZL-neoおよびpWZL-hygro中 にクローニングすることにより構築した。Mohlerら、前出:およびRossiら(1997 )Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:8405-8410。プラズミドを、リポフェクトア ミン(Life Technologies)を使用して、φNX細胞中にトランスフェクトし、48- 72時間後にウイルス含有上清を収集した。10%CO2内で20%胎児ウシ血清(FBS)を添 加したDME中に維持したC2F3マウス筋芽細胞(Rastinejadら(1993)Cell 72:9 03-917)をウイルス上清中で一晩インキュベートすることにより感染した。両構 築物を含む細胞を、1mg/ml G418および1mg/mlハイグロマイシン中で選択して、 各抗生物質400μg/ml中に維持した。 EGF処理およびFACS分析 細胞をマウス唾液腺EGF(Sigma)100ng/mlで処理し 、いくつかの実験ではチロホスチン AG1478(Calbiochem)100nMで処理した。 全ての処理後、細胞をリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)ですすぎ、トリプシン処理 後、PBS+5%FBS中に再懸濁した。フルオレセインジ-β-D-ガラクトピラノシド(F DG;Molecular Probes)を説明のように低張性ショックにより細胞中に負荷した 。Fieringら(1991)Cytometry 12:291-301およびNolanら(1988)Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 85:2603-2607。トリプシン処理後1-2時間で実施された、セルソ ーターによる分析まで細胞を氷上に保持した。 キメラレセプターは、1:100希釈によるモノクローナルマウス抗-ヒトEGFレ セプター抗体(クローンEGFR1、Dako)および1:100希釈によるフィコエリトリ ン-標識ウマ抗マウスIgG(Vector)またはフルオレセイン-標識ヤギ抗マウスIgG(C appel)のいずれかを使用して、免疫蛍光により検出した。細胞をトリプシン処理 してPBS+5%FBS中で染色した。各々の試料に関しては、FACS分析データを50 00細胞について収集した。細胞をBecton-Dickinson FACS Vantage上でクロー ニングして、Stanford Shared FACS施設でBecton-Dickinson FACScanにおいて分 析した。データ分析はFlowJoソフトウェア(Tree Star,Inc.)により簡易化され た。FACSプロフィールとしてここに表示するデータは、自己蛍光補正を使用して 、自己蛍光について調整した。Albertiら(1987)Cytometry 8:114-119。 平均蛍光データは、FDG基質を負荷した非形質導入細胞の平均蛍光を差し引くこ とにより、自己蛍光および内因性の哺乳類β-gal活性について調整した。 結果 レセプターダイマー化アッセイ 選択マーカー(図7B)をコードするレトロ ウイルスベクター内に2つのキメラDNAを各々クローニングして、C2F3マウス筋 芽細胞株中に形質導入した。C418およびハイグロマイシンによる選択後、蛍光活 性化セルソーター(FACS)を使用して、蛍光原性基質の切断産物を測定するために 、β-gal酵素活性をモニターした。EGFの非存在下では、形質導入された細胞の 集団は、高レベルおよび低レベルのβ-gal活性を有する細胞の混合物からなって いた(図7C、淡灰色曲線)。これは、EGFレセプターが、EGFの非存在下でダイマー 化し得ると仮定すれば、予期されないことではない。Gadellaら(1995)J.Cell B iol.129:1543-1558。EGFによる細胞集団の刺激後、多数の細胞はβ-gal活性の 増加を示した(図7C、濃灰色曲線)。ヒトEGFレセプターに特異的である抗体を用 いたFACS分析は、細胞が広範囲のレベルのキメラレセプターを発現することを示 した(図7D、灰色曲線)。本集団からのクローンを単離して、EGFの非存在下でβ- gal活性の低バックグラウンドレベルおよびEGFの存在下におけるβ-gal活性レベ ルの増加をスクリーニングした。そのようなクローンの一つは、集団と比較して 低レベルのキメラレセプター発現を有し(図7D、濃灰色曲線)、EGFの存在下でβ- gal活性の数倍の増加を示した(図7E)。これは、キメラレセプターのダイマー化 を示す。ダイマー化は、TGF-α、ヘパリン結合EGF様成長因子、およびβセルリ ンのようなEGFレセプターに結合し活性化する、他のEGF様成長因子による刺激後 にも観察された;しかしEGFレセプターではなく関連レセプターを介して作用す る、ヒレグリンαのようなEGF様因子では観察されなかった。Beerliら(1996)J. Biol.Chem.271:6071-6076。細胞の平均蛍光またはβ-gal活性として発現され るダイマー化は、1分程の短時間のEGF処理により検出が可能であり、EGFへのよ り長時間の曝露によりダイマー化は迅速に増加した(図7F)。 EGFレセプターダイマー化の時間経過 時間経過に伴うレセプターダイマー の最終結末を追跡するために、上記と同じクローンからの細胞をEGFを含む培地 中で0〜24時間にわたって培養した後にFACSにより分析した。ダイマー化はEGF 中で2〜4時間後にピークとなり、その後低下した(図8)。ダイマー化の増加率 とダイマー化における後続する低下率は実験毎に異なったが、全体的なパターン は一貫しており、そしてクローン化していない細胞の元来の集団においても観察 された。対照してみると、FACSを使用する免疫蛍光による細胞表面上のキメラレ セプターレベルの測定は、ダイマー化が顕著に低下する期間にわたって、細胞表 面上のキメラレセプター量が本質的に一定のままであることを表示した(図8、 破線)。ダイマー化の低下は培地からのEGFの欠失、またはレセプターダイマー 化の阻害のいずれかに起因すると結論された。 EGFレセプターダイマー化のフィードバック調節 ダイマー化の低下の期間 において、第二のEGF処理に対する応答は最小であり、それは細胞表面上にキメ ラレセプターが継続して存在するにもかかわらず、細胞がさらなるEGF媒介ダイ マー化に耐性であることを示唆した。対照してみると、EGF処理後に、細胞をEGF を欠如する培地中で数時間インキュベートすると、第二のEGF処理によりダイマ ー化が再刺激され得た。これは、培地中にEGFが継続して存在することが、レセ プターのダイマー化が継続して阻害されることの基礎であることを示した。これ らの結果については、細胞内の内因性野生型EGFレセプターを介するシグナリン グがキメラレセプターのダイマー化を阻害するという説明が可能である。この仮 説についての試験は、EGFレセプターチロシンキナーゼの非常に特異的なインヒ ビターである、AG1478を使用して可能であった。Levitzkiら(1995)Science 267 :1782-1788。 従って、キメラレセプターを発現する細胞を一晩EGFで処理した後に、EGFまた はチロホスチン(tyrphostin)で再処理した。図9A(左パネル)に表示するように 、試料Iは100ng/ml EGFによる一回の一晩処理を受けた。試料IIおよびIIIはま た、EGFで一晩処理した後に、100ng/ml EGFで2時間(試料II)、または100nMチ ロホスチンAG1478で2時間(試料III)再処理した。試料IVは100ng/ml EGFで一回 の2時間処理を受け、試料Vは処理を受けなかった。結果(図9A、右パネル)は、 チロホスチンによる細胞の処理によってダイマー化の増加が導かれ、EGFによる 一回の2時間処理後に観測されるピークレベルに匹敵するダイマー化レベルを生 じることを示し、EGFレセプターチロシンキナーゼ活性がレセプターダイマー化 阻害に関与することを示す。チロホスチン処理はまた、前刺激を受けなかった細 胞をEGFで処理する場合に観測されるβ-gal活性量の増加を引き起こした。細胞 をEGFおよびチロホスチン、またはEGFのみで、0〜24時間の範囲の期間にわたっ て処理した。チロホスチンおよびEGF両方を受容した細胞は、6時間までの処理 時間にわたって、EGFのみを受容した細胞より大きなβ-gal活性を示した(図9B) 。処理8時間までには、EGF処理細胞とEGF+チロホスチン処理細胞との間にEGF レセプターダイマー化における差異がなかった。4時間毎のチロホスチンの反復 投与は、β-gal活性の増加をさらには延長しなかった。 これらの結果は、レセプターチロシンキナーゼの阻害がレセプターダイマー化 のフィードバック阻害を緩和し得ることを示す。プロテインキナーゼCリン酸化 は、細胞質ドメイン内の部位においてレセプターをリン酸化することによりEGF についてのレセプター結合親和性を低減し得る。しかしながら、本明細書中に説 明する実験において使用されるキメラレセプターは、PKCリン酸化の既知部位を 欠失するために、このレセプターにおいて観測されるダイマー化の阻害は、レセ プターの細胞外または膜貫通領域を介して媒介されなければならない。 これらの結果はまた、本発明の方法および組成物を使用して、生存細胞内でEG Fレセプターダイマー化をモニターすることが可能であることを証明する。さら に結果は、レセプターキナーゼ活性がダイマー化の調節、すなわちEGFシグナル 伝達におけるリガンド結合後の第一過程に関与することを示す。1分程の短時間 後、EGFを用いた細胞の処理に続くダイマー化は測定可能であり、これは、β-ga l相補性が新たに形成されたタンパク質ダイマーの迅速な生産をモニターするこ とが可能であることを示す。EGF結合、レセプターインターナリゼーション、お よび基質リン酸化についての以前のデータはまた、レセプターがリガンドに数分 以内に応答することを示す。Felderら(1992)J.Cell.Biol.117:203-212;お よびKiyokawaら(1997)J.Biol.Chem.272:18656-18665。レセプターダイマー 化は数時間後には低下するにも関わらず、キメラレセプターは細胞表面上に残存 してEGFに対する応答においてさらなるダイマー化に不応である。しかし、内因 性レセプターチロシンキナーゼの阻害は、さらなるダイマー化を可能とする。レ セプターダイマー化の阻害は、最初のEGF処理でのチロホスチンによって、EGF単 独で観察されたレベルを超えてダイマー化が増加することを含む観察に示される ように、レセプター活性化の直後に始まる。 相補性の動態は結合パートナーの会合動態を反映する EGFレセプターダイ マー化の低下は、FRAPおよびFKBP12の相互作用をモニターするためにβ-gal相補 性を使用する観測とは対照的である。実施例1、2および10、前出を参照、;ま たRossiら(1997)、前出も参照。FRAPとFKBP12との間のラパマイシン(rapamycin) 媒介相互作用を検出するためにβ-gal相補性を使用すると、ラパマイシンの添加 後の最も初期時点においてβ-gal活性の最も遅延した増加が見られたが、β-gal 活性は少なくとも20時間は増加を継続した。これは、活性β-gal複合体の形成に よるキメラタンパク質相互作用の安定化に起因し得た。しかし、EGFレセプター ダイマー化において、β-gal活性の最も迅速な増加は、培地へのEGFの添加後の 最も初期時点において観測される;ところが一方、2〜4時間後にはβ-gal活性 は低下した。これらの結果の間の差異は、β-gal相補性について観測されるダイ マー化動態は単にβ-gal相補性動態または安定化の反映ではないが、少なくとも ある程度はキメラタンパク質の非β-gal部分の相互作用動態を反映することを示 す。この結果はまた、β-gal相補性がその他のタンパク質によるダイマー化の調 節をモニターし得ることを示す。 従来の方法との比較 レセプターダイマー化は典型的には、化学的架橋およ び免疫精製、これに続くゲル電気泳動のようなインビトロ方法により研究されて きた。Yardenら(1987)Biochemistry 26:1443-1451。今や、EGFレセプターダ イマー化はまた蛍光共鳴エネルギー転移(fluorescence resonance energy trans fer)(FRET)により分析されている。Gadellaら(1995)前出。フルオレセインお よびローダミン標識EGFを細胞に添加して、レセプターのダイマー化を顕微鏡で 測定した。低温でのインキュベートおよび細胞の固定が、分析前にレセプターの インターナリゼーションを防ぐために必要であり、インターナリゼーションしな い変異体レセプターを使用することにより本実験では問題が回避された。FRETは また、細胞または細胞膜内における蛍光標識分子の相互作用の研究のために使用 し得る;しかし、十分に高濃度でのこれらの分子の標識および導入は扱いにくい 可能性がある。遺伝的に発現されるタンパク質におけるFRET分析のために、緑色 蛍光タンパク質を改変して使用し得ることが最近示されている。Miyawakiら(19 97)Nature 388:882-887。GFPシグナルは、しかしながら、β-galを用いた場合 のように酵素的に増幅し得ない。 従って、β-gal相補性は、生存細胞内のレセプターダイマー化のモニタリング のための迅速な方法を提供する。本方法は、多数のレセプターと結合し、アゴニ ストまたはアンタゴニストのいずれかとして作用し得る薬理学的薬剤のための高 処理能力スクリーニングのために使用することが可能である。結合データのみで は、薬剤が応答を誘導するか否かを指摘し得ず;リン酸化のような下流効果の分 析によって、応答の同定は、細胞の破壊後のインビトロ分析を含む。β-gal相補 性はまた、膜レセプターの場合においては、シグナル伝達経路の調節に新しい知 見を提供し得る、哺乳類の「ツーハイブリッド」アッセイにおける新規のダイマ ー化パートナーのスクリーニングを可能とする。 前述の発明は、理解を明瞭にする目的で説明および例示によっていくらか詳細 に記載されるが、ある程度の変化および改変を実施し得ることは、当業者には明 白である。従って前述の説明および実施例は、本発明の範囲を制限するものと解 釈されるべきではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,JP (72)発明者 ロッシ,ファビオ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94025, メンロ パーク,ローブル アベニュー ナンバー3 743 (72)発明者 モーラー,ウィリアム アメリカ合衆国 ウィスコンシン 53705, マディソン,スティーブンズ ストリート 2653

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.レポーター系成分であって、 第1の推定結合部分にカップリングした第1の低親和性レポーターサブユニッ トを含み; ここで、該第1の低親和性レポーターサブユニットが、少なくとも第2の低親 和性レポーターサブユニットと会合して検出可能なシグナルを生じ得、該会合は 、該第1の推定結合部分により媒介される、レポーター系成分。 2.前記第1の推定結合部分がタンパク質である、請求項1に記載のレポーター 系成分。 3.前記タンパク質が、シグナル伝達カスケードのメンバー、細胞表面レセプタ ー、アポトーシスを調節するタンパク質、細胞周期の進行を調節するタンパク質 、腫瘍の発達に関与するタンパク質、転写調節タンパク質、翻訳調節タンパク質 、細胞相互作用に影響を与えるタンパク質、細胞接着分子、リガンド-レセプタ ー対のメンバーであるタンパク質、他のタンパク質の折り畳みに関与するタンパ ク質、および細胞内区画への標的化に関与するタンパク質からなる群より選択さ れる、請求項2に記載のレポーター系成分。 4.レポーター系であって、請求項1に記載のレポーター系成分を含み、そして 前記第1の推定結合部分の第2の推定結合パートナーにカップリングした少なく とも第2の低親和性レポーターサブユニットをさらに含む、レポーター系。 5.前記推定結合部分の互いの結合親和性が、前記第1のレポーターサブユニッ トおよび前記第2のレポーターサブユニットの互いの結合親和性よりも大きい、 請求項4に記載のレポーター系。 6.前記シグナルの生成が、前記推定結合部分の結合に依存する、請求項5に記 載のレポーター系。 7.前記第1の推定結合部分および第2の推定結合部分がタンパク質である、請 求項4に記載のレポーター系。 8.前記タンパク質が、シグナル伝達カスケードのメンバー、細胞表面レセプタ ー、アポトーシスを調節するタンパク質、細胞周期の進行を調節するタンパク質 、腫瘍の発達に関与するタンパク質、転写調節タンパク質、翻訳調節タンパク質 、細胞相互作用に影響を与えるタンパク質、細胞接着分子、リガンド-レセプタ ー対のメンバーであるタンパク質、他のタンパク質の折り畳みに関与するタンパ ク質、および細胞内区画への標的化に関与するタンパク質からなる群より選択さ れる、請求項7に記載のレポーター系。 9.前記第1のレポーターサブユニットおよび第2のレポーターサブユニットが 、各々、タンパク質を含み、そして該タンパク質が、会合して反応を触媒し、検 出可能なシグナルを生じ得る、請求項7に記載のレポーター系。 10.前記会合したレポーターサブユニットが、反応を触媒して、前記検出可能 なシグナルとして直接検出され得る産物を生成する、請求項9に記載のレポータ ー系。 11.前記第1のサブユニットおよび第2のサブユニットが、加水分解酵素の低 親和性結合変異体サブユニットである、請求項7に記載のレポーター系。 12.前記第1および第2のサブユニットが、β-ガラクトシダーゼの低親和性 結合変異体サブユニットである、請求項11に記載のレポーター系。 13.前記成分が、前記低親和性レポーターサブユニットおよび前記第1の推定 結合部分を含む融合タンパク質を含む、請求項1に記載のレポーター系成分。 14.前記低親和性レポーターサブユニットが、β-ガラクトシダーゼの低親和 性結合変異体サブユニットを含む、請求項13に記載のレポーター系成分。 15.請求項13に記載の融合タンパク質をコードする、核酸。 16.前記推定結合タンパク質の発現をもたらす調節配列をさらに含む、請求項 15に記載の核酸。 17.請求項15に記載の核酸を含む、ウイルス性ベクター。 18.請求項15に記載の核酸で形質転換した、細胞。 19.請求項13に記載のレポーター系成分をコードする核酸、および少なくと も第2の前記レポーター系成分をコードする核酸で形質転換した、細胞。 20.前記融合タンパク質が、前記レポーターサブユニットと前記推定結合部分 との間にさらなるタンパク質配列をさらに含む、請求項14に記載のレポーター 系成分。 21.第1の推定結合部分と第2の推定結合部分との間の結合の出現を決定する 方法であって、該方法は以下の工程: a)以下を含むレポーター系を提供する工程: 該第1の推定結合部分にカップリングした、第1の低親和性レポーターサブ ユニットを含む第1の成分、および 該第2の推定結合部分にカップリングした、第2の低親和性レポーターサブ ユニットを含む第2の成分; ここで、該第1の低親和性レポーターサブユニットは、少なくとも該第2の低 親和性レポーターサブユニットと会合して検出可能なシグナルを生じ得、該会合 は、該第1の推定結合部分と該第2の推定結合部分との結合により媒介される、 工程; b)該第1の成分と該第2の成分とを合わせる工程;ならびに c)該シグナルの存在または非存在を検出する工程 を包含する、方法。 22.前記推定結合部分の互いの結合親和性が、前記第1のレポーターサブユニ ットおよび前記第2のレポーターサブユニットの互いの結合親和性よりも大きい 、請求項21に記載の方法。 23.前記第1の推定結合部分および第2の推定結合部分がタンパク質である、 請求項21に記載の方法。 24.前記タンパク質が、シグナル伝達カスケードのメンバー、細胞表面レセプ ター、アポトーシスを調節するタンパク質、細胞周期の進行を調節するタンパク 質、腫瘍の発達に関与するタンパク質、転写調節タンパク質、翻訳調節タンパク 質、細胞相互作用に影響を与えるタンパク質、細胞接着分子、リガンド-レセプ ター対のメンバーであるタンパク質、他のタンパク質の折り畳みに関与するタン パク質、および細胞内区画への標的化に関与するタンパク質からなる群より選択 される、請求項23に記載の方法。 25.前記第1のレポーターサブユニットおよび第2のレポーターサブユニット が、各々、タンパク質を含み、そして該タンパク質が、会合して反応を触媒し、 検出可能なシグナルを生じ得る、請求項21に記載の方法。 26.前記会合したレポーターサブユニットが、反応を触媒して、前記検出可能 なシグナルとして直接検出され得る産物を生成する、請求項25に記載の方法。 27.前記第1のサブユニットおよび第2のサブユニットが、β-ガラクトシダ ーゼの低親和性結合変異体サブユニットである、請求項26に記載の方法。 28.前記第1の成分および前記第2の成分の各々が、融合タンパク質を含む、 請求項21に記載の方法。 29.前記低親和性レポーターサブユニットが、β-ガラクトシダーゼの低親和 性結合変異体サブユニットを含む、請求項28に記載の方法。 30.工程(a)が、前記融合タンパク質をコードする1つ以上の核酸で細胞を形 質転換することを含む、請求項28に記載の方法。 31.工程(c)が、前記細胞内の前記シグナルを検出することを含む、請求項3 0に記載の方法。 32.前記融合タンパク質をコードする前記1つ以上の核酸が、前記推定結合タ ンパク質の発現を調節する配列をさらに含む、請求項30に記載の方法。 33.前記融合タンパク質が、ウイルス性ベクターによりコードされる、請求項 30に記載の方法。 34.前記融合タンパク質が、前記レポーターサブユニットと前記推定結合部分 との間にタンパク質配列をさらに含む、請求項28に記載の方法。 35.前記結合の程度が、定量される、請求項21に記載の方法。 36.前記方法が、前記第1の結合部分と前記第2の結合部分との結合に対する 第3の部分の効果を検出する工程をさらに包含し、該方法がさらに、工程(a)の 後でかつ工程(b)の前に、前記レポーター系と該第3の部分とを合わせる工程を さらに包含する、請求項21に記載の方法。 37.前記方法が、前記第3の部分の潜在的なアゴニスト活性またはアンタゴニ スト活性を決定する工程をさらに包含する、請求項36に記載の方法。 38.前記シグナルの細胞内局在が決定される、請求項31に記載の方法。 39.工程(b)が、前記第1の成分と前記第2の成分とを物質の存在下で合わせ て、前記第1の結合部分と前記第2の結合部分との結合に対する該物質の効果を 決定することを含む、請求項21に記載の方法。 40.前記物質が、所定の結合親和性を有する結合部分の推定結合インヒビター であり、ここで工程(c)において前記シグナルが存在しないことは、該物質が結 合インヒビターであることの指標を提供する、請求項39に記載の方法。 41.前記物質が、互いに低い結合親和性を有するかまたは実質的に結合親和性 を有さない結合部分の間の結合の推定プロモーターであり、ここで、工程(c)に おいて前記シグナルが存在することは、該物質が、該結合部分の結合のプロモー ターであることの指標を提供する、請求項39に記載の方法。 42.前記第1のレポーターサブユニットおよび前記第2のレポーターサブユニ ット、ならびに前記第1の結合部分および第2の結合部分が、各々、タンパク質 であり; ここで工程(a)において提供される前記成分が、各々、該レポーターサブユニ ットおよび該結合部分を含む融合タンパク質を含み; ここで工程(b)が、該第1の成分および該第2の成分をコードする核酸配列を 、該結合部分の結合を阻害または促進する前記物質を含むと考えられる細胞内で 発現させることを含み;そして ここで工程(c)が、該細胞または該細胞の溶解物における前記シグナルの存在 または非存在を検出し、それにより、該結合部分の間の結合のインヒビターまた はプロモーターとして作用する該物質の該細胞における存在または非存在を決定 することを含む、請求項39に記載の方法。 43.前記物質が、タンパク質、脂質、炭水化物、核酸、および低分子薬からな る群より選択される、請求項39に記載の方法。 44.第1の結合部分と複数の異なる第2の推定結合部分のメンバーとの結合を スクリーニングする方法であって、該方法は以下の工程: a)複数のレポーター系を提供する工程であって、該レポーター系の各々は、以 下: 該第1の結合部分にカップリングした第1の低親和性レポーターサブユニッ トを含む第1の成分、および 複数のうちの1つの第2の成分であって、該第2の成分の各々は、該複数の 第2の推定結合部分のうちの1つにカップリングした第2の低親和性レポーター サブユニットを含み、ここで、該第2の成分の各々において該第2の推定結合部 分は異なる、成分; を含み、ここで、該第1の低親和性レポーターサブユニットは、該第2の低親和 性レポーターサブユニットと会合して、該第1の結合部位と該異なる第2の推定 結合部分のうちの1つとの結合により検出可能なシグナルを生じ得る、工程; b)該第1の成分を、該複数の第2の成分の各々と個々に合わせて複数の結合ア ッセイサンプルを生成する工程であって、該複数の結合アッセイサンプルの各々 は、該第1の成分および異なる1つの該第2の成分を含む、工程;ならびに c)該結合アッセイサンプルの各々における該シグナルの存在または非存在を検 出する工程 を包含する、方法。 45.前記第1の成分および前記第2の成分が、各々、前記結合部分および前記 レポーターサブユニットを含む融合タンパク質を含む、請求項44に記載の方法 。 46.工程(b)において、前記成分が、細胞に導入された核酸配列から発現され る、請求項45に記載の方法。 47.前記複数の第2の推定結合部分が、cDNAライブラリーのメンバーによりコ ードされる、請求項46に記載の方法。 48.前記細胞が、真核生物細胞である、請求項47に記載の方法。 49.前記細胞が、哺乳動物細胞である、請求項48に記載の方法。 50.前記細胞が、ヒト細胞である、請求項49に記載の方法。 51.工程(c)において、前記シグナルが定量される、請求項44に記載の方法 。 52.前記第1の結合部分と複数のうちの1つの第2の推定結合部分との間の結 合が生じた細胞が、該結合が生じなかった細胞から分離される、請求項44に記 載の方法。 53.分離が、蛍光活性化細胞ソーティングによる、請求項52に記載の方法。 54.前記第1の結合部分が、細胞表面レセプター、転写調節タンパク質、翻訳 調節タンパク質、複製タンパク質、スプライシングタンパク質、シグナル伝達タ ンパク質、細胞-細胞接着分子、細胞-基層接着分子、細胞周期タンパク質、ガン 遺伝子産物、腫瘍抑制タンパク質、膜レセプター、アポトーシスを調節するタン パク質、発生調節タンパク質、細胞相互作用に影響を与えるタンパク質、他のタ ンパク質の折り畳みに関与するタンパク質、細胞内区画への標的化に関与するタ ンパク質、ウイルス性タンパク質、および細胞骨格タンパク質からなる群より選 択される、請求項44に記載の方法。 55.前記物質が、ペプチド、薬物、または合成アナログである、請求項39に 記載の方法。 56.前記第1の推定結合部分および前記第2の推定結合パートナーが、同じ分 子を含む、請求項4に記載のレポーター系。 57.第1の部分と第2の部分との会合の出現を決定する方法であって、該方法 は以下の工程: a)レポーター系を提供する工程であって、該レポーター系が以下: 該第1の部分にカップリングされた、第1の低親和性レポーターサブユニッ トを含む第1の成分、および 該第2の部分にカップリングされた第2の低親和性レポーターサブユニット を含む第2の成分 を含み; ここで、該第1の低親和性レポーターサブユニットが、少なくとも該第2の低 親和性レポーターサブユニットと会合して検出可能なシグナルを生じ得、該会合 は、該第1の部分と該第2の部分との間の会合により媒介され、 ここで、該第1の部分と該第2の部分との間の会合は、第3の部分により媒介 される、工程; b)該第1の成分、該第2の成分、および該第3の成分を合わせる工程;ならび に c)該シグナルの存在または非存在を検出する工程 を包含する、方法。 58.前記第1の部分と前記第2の部分との間の前記会合が、複数のさらなる部 分により媒介される、請求項57に記載の方法。 59.前記低親和性レポーターサブユニットが、酵素および該酵素のインヒビタ ーを含む、請求項1に記載のレポーター系。 60.前記物質が、前記第1の結合部分と前記第2の結合部分との結合に影響を もたらす上流の事象に直接的または間接的に影響を与える、請求項39に記載の 方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012500023A (ja) * 2008-08-18 2012-01-05 ディスカヴァーエックス コーポレイション 受容体チロシンキナーゼアッセイ

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