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JP2002085385A - 血糖値の測定方法および測定装置 - Google Patents

血糖値の測定方法および測定装置

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Publication number
JP2002085385A
JP2002085385A JP2000286831A JP2000286831A JP2002085385A JP 2002085385 A JP2002085385 A JP 2002085385A JP 2000286831 A JP2000286831 A JP 2000286831A JP 2000286831 A JP2000286831 A JP 2000286831A JP 2002085385 A JP2002085385 A JP 2002085385A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raman
light
living body
blood
laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000286831A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadako Honda
禎子 本田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
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Publication of JP2002085385A publication Critical patent/JP2002085385A/ja
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/63Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
    • G01N21/65Raman scattering

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 採血を行わなくても、正確な血糖値を測定す
ることのできる血糖値測定方法および装置を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 生体外から皮膚を通して生体内に単一波
長のレーザーを照射するレーザー照射部と、前記レーザ
ー照射工程により照射されたレーザーが生体内を通過し
た通過光の中から、生体の脈波に同期して強さが変動し
ているラマン散乱光のみを選択してラマン分光分析を行
い血中におけるシッフ塩基型の酸化グリコヘモグロビン
量を測定するラマン分析部と、前記ラマン分析部により
測定した前記シッフ塩基型の酸化グリコヘモグロビン量
を、前記生体の脈波に同期して強さが変動している部分
のみを選択した基準に基づいて血糖値量に変換する変換
部と、前記変換部で変換された血糖値を視認可能に表示
する表示部とを備えた構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、採血を行わずに血
糖値を測定することができる血糖値の測定方法および測
定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病の判断は、血液中のグルコース濃
度、すなわち血糖値を測定することにより行われる。従
来、血糖値の測定として、採取した血液をグルコース酸
化酵素によるグルコースの分解を利用したグルコース酸
化酵素法や、呈色試薬を含有する試験紙を用いた簡易比
色法などが一般的に行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法は、
血糖値を測定するために採血を行わなければならない。
このため、採血される者に対して苦痛を伴わせたり、採
血に用いる採血針の消毒が煩わしかったり、採血される
者の安全性に問題があったりするなど採血される者に大
きな負担を強いることとなっていた。以上のことから、
採血を行わずに血糖値を測定する方法や装置が提案され
ているが、従来の採血を行わない血糖値の測定方法で
は、正確な血糖値を求めることができなかった。
【0004】そこで、本発明は、このような事情に鑑み
て、採血を行わなくても、正確な血糖値を測定すること
のできる血糖値測定方法および装置を提供することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる血糖値測
定方法は、このような目的を達成するために、本発明に
かかる請求項1の血糖値測定方法(以下、「請求項1の
測定方法」とのみ記す。)は、生体外から皮膚を通して
生体内に単一波長のレーザーを照射するレーザー照射工
程と、前記レーザー照射工程により照射されたレーザー
が生体内を通過した通過光の中から、少なくともラマン
散乱光を含む光を受光する受光工程と、前記受光工程で
受光したラマン散乱光の中から、生体の脈波に同期して
強さが変動している部分のみを選択するとともに、この
選択したラマン散乱光をラマン分光分析して血中におけ
るシッフ塩基型の酸化グリコヘモグロビン量を測定する
ラマン分析工程とを備えた構成とした。
【0006】上記構成において、レーザー照射工程で照
射するレーザーの波長は、血中における酸化ヘモグロビ
ンを特定することができるのであれば、特に限定されな
いが、本発明にかかる請求項2の血糖値測定方法(以
下、「請求項2の測定方法」とのみ記す。)のように、
レーザー照射工程で照射するレーザーが、酸化ヘモグロ
ビン分子における波長の吸収を励起させる励起光(酸化
ヘモグロビンの吸収光)であることが好ましい。すなわ
ち、レーザー照射工程であるレーザーが、酸化ヘモグロ
ビンの吸収光であると、レーザーを照射することで、血
中成分の中から選択的に酸化ヘモグロビンまたは酸化ヘ
モグロビンの反応物における共鳴ラマンスペクトルを励
起させることとなる。したがって、ラマン分光分析を行
う際に、生体内の他の物質によるノイズを取り除き、シ
ッフ塩基型の酸化グリコヘモグロビン量のみを選択的に
測定することができるようになる。
【0007】ここで、シッフ塩基型の酸化グリコヘモグ
ロビンを励起させる励起光とは、ヘモグロビンの酸化鉄
の吸収波長の光をいい、具体的には570nm〜580
nmの波長をいう。このとき、レーザーの光源として
は、特に限定されないが、たとえば、半導体レーザーや
発光ダイオード(LED)などを用いることが好まし
い。すなわち、半導体レーザーや発光ダイオード(LE
D)などを光源としたときは、血糖値の測定において、
使用エネルギー効率の向上、装置の小型軽量化、携帯
化、S/N比向上等を図ることができる。
【0008】また、上記構成におけるラマン散乱光と
は、レーザーを生体内に照射したとき、生体内を通過し
た通過光の中で、前記レーザーの波長よりも長波側にシ
フトして出てくる散乱光のことをいう。このラマン散乱
光は、レーザーを対象物に照射したとき、この対象物ご
とに固有の特徴が表れるという性質を有する。また、ラ
マン分光分析とは、上記ラマン散乱光の特徴を分光分析
することにより、その対象物を特定していく分析手法を
いう。
【0009】次に、シッフ塩基型の酸化グリコヘモグロ
ビンについて説明する。まず、血中には、「ヘモグロビ
ン」と呼ばれている血液の赤血球に含まれる血色素が含
まれている。ヘモグロビンは、体内の全身に酸素を運搬
する役割を有しており、血中において、以下の化学式に
示すようにグルコースと反応してシッフ塩基型グリコヘ
モグロビン(I)、アマドリ型グリコヘモグロビン(I
I)という形態をしているグリコヘモグロビンとなる。
【0010】
【化1】
【0011】上記式において、ヘモグロビンとグルコー
スとが反応すると、まず不安定な反応物であるシッフ塩
基型グリコヘモグロビン(I)が生成され、その後、シ
ッフ塩基型グリコヘモグロビン(I)は、アマドリ転移
を経て安定した反応物であるアマドリ型グリコヘモグロ
ビン(II)となる。このとき、ヘモグロビンとグルコー
スとからシッフ塩基型グリコヘモグロビン(I)が生成
される生成反応は可逆反応であり、シッフ塩基型グリコ
ヘモグロビン(I)からアマドリ型グリコヘモグロビン
(II)が生成される生成反応は非可逆反応である。
【0012】このように、グリコヘモグロビンとして
は、2種類の反応物があるが、シッフ塩基(−HC=N
−)を含有しているのは、シッフ塩基型のグリコヘモグ
ロビン(I)である。また、ヘモグロビンは、生体の動
脈中において、大部分が酸化ヘモグロビンとして存在し
ている。したがって、シッフ塩基型の(非酸化)グリコ
ヘモグロビンよりも、シッフ塩基型の酸化グリコヘモグ
ロビンのほうが、より容易にラマン分光分析を行うこと
が出来るのである。
【0013】また、本発明にかかる請求項3の血糖値の
測定装置(以下、「請求項3の装置」とのみ記す。)
は、生体外から皮膚を通して生体内に単一波長のレーザ
ーを照射するレーザー照射部と、前記レーザー照射工程
により照射されたレーザーが生体内を通過した通過光の
中から、少なくともラマン散乱光を含む光を受光する受
光部と、前記受光工程で受光したラマン散乱光の中か
ら、生体の脈波に同期して強さが変動している部分のみ
を選択するとともに、この選択したラマン散乱光をラマ
ン分光分析して血中におけるシッフ塩基型の酸化グリコ
ヘモグロビン量を測定するラマン分析部と、前記ラマン
分析部により測定した前記シッフ塩基型の酸化グリコヘ
モグロビン量を、前記生体の脈波に同期して強さが変動
している部分のみを選択した基準に基づいて血糖値量に
変換する変換部と、前記変換部で変換された血糖値を視
認可能に表示する表示部とを備えた構成とした。
【0014】上記構成において、レーザー照射部からレ
ーザーを照射する生体部分としては、内部に血管が通っ
ている個所であれば特に限定されないが、たとえば、指
先や耳朶などを対象とすることが好ましい。すなわち、
このようにすると、測定装置を小型化できるとともに、
測定を行う際に大げさになることもない。また、受光部
としては、特に限定されないが、たとえば、電化結合デ
バイス(CCD)を利用したものや赤外線受光素子を利
用したものなどが挙げられる。
【0015】また、ラマン分析部は、ラマン分光分析を
行うことができるのであれば特に限定されないが、たと
えば、プリズム型、回折分光型、フーリエ分光型などの
ラマン分析器が挙げられる。
【0016】また、変換部の処理手段としては、特に限
定されないが、たとえば、ビート処理、デジタル化処
理、CPUを用いた処理などが挙げられる。また、表示
部は、血糖値を認識することが可能であれば、発光ダイ
オード(LED)や液晶(LCD)などを利用したデジ
タル表示であっても、アナログ表示であっても、その他
の手段を用いても良く特に限定されない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面とともに詳しく説明する。図1は、本発明にかかる血
糖値の測定装置(以下、「測定装置」とのみ記す。)の
一実施形態を示した斜視図である。また、図2は、図1
に示した測定装置1の仕組みを説明するための模式図で
ある。
【0018】図1(a)、(b)に示したように、測定
装置1は、円筒形状をしており、指先Fを挿入させる指
挿入部11と、血糖値を表示する表示部12とを備えて
いる。指挿入部11は、円筒形状をした測定装置1の中
空部分からなり、表示部12は、血糖値の値をmg/d
Lの単位でデジタル表示するようになっている。
【0019】次に、指先Fを指挿入部11に挿入させる
だけで、血糖値を測定することができる測定装置1の仕
組みについて説明する。測定装置1は、図2に示したよ
うに、レーザー照射部2と、受光部3と、ラマン分析部
4と、変換部5と、指挿入部11と、表示部12とを備
えている。
【0020】レーザー照射部2は、図示していないが、
レーザーを発射する光源と、レーザー光線から単一波長
のレーザーを取り出すためのフィルターとを備えてお
り、図2に示したように、指挿入部11に挿入した指先
F外から皮膚を通して指先F内に単一波長のレーザーL
を照射するようになっている。
【0021】上述した指先F内に照射されたレーザーL
は、指先F内を通過して通過光Oとなる。通過光Oは、
前記指先F内に照射したレーザーLと全く同じ波長をし
たレイリー散乱光R2と、レーザーLの波長よりも長波
側にシフトした波長のラマン散乱光R1とを備えてい
る。
【0022】受光部3は、上述した通過光Oをすべて受
光するように、すなわちラマン散乱光R1とレイリー散
乱光R2との両方を受光するようになっている。この受
光部3は、図示していないが、集光手段(レンズ)と光
学的フィルターとを備えている。したがって、受光部3
は、光学的フィルターによりラマン散乱光R1とレイリ
ー散乱光R2とを分離して、ラマン散乱光R1をラマン
分析部4に送り、レイリー散乱光R2をレイリー分析部
6に送るようになっている。
【0023】ラマン分析部4は、図4に示したフィルタ
ー41を備えており、受光部3から送られてきたラマン
散乱光R1の中から、生体の脈波に同期してその強さが
変動している部分であるラマン散乱光R11を選択して
ラマン分光分析を行い、グリコヘモグロビンの量を測定
し、その測定データD1を変換部5に送るようになって
いる。
【0024】変換部5は、ラマン分析部4で測定された
グリコヘモグロビンの測定データD1を、レイリー分析
部6から送られてきた規格化データD3に基づいて、表
示部12で表示させる血糖値量(単位:mg/dL)変
換データD2に変換させ、この変換データD2を表示部
に送るようになっている。レイリー分析部6は、ラマン
分析部4と同様に、受光部3で分離されたレイリー散乱
光R2から脈波に同期して強さが変動している部分の割
合を求め、この割合を基に規格化データD3を作成し
て、変換部5に送るようになっている。
【0025】このように、測定装置1は、単にラマン散
乱光R1を分光分析するのではなく、ラマン分析部4で
分析した測定データD1を、レイリー分析部6により求
めた規格化データD3に基づいて規格化されるように変
換した上で表示するため、指先Fの径や血管の太さなど
の個人差があるにもかかわらず、規格化された状態で血
糖値を測定することが出来るのである。
【0026】なお、上述した測定装置1の説明におい
て、レーザー照射部2やラマン分析部4、変換部5、レ
イリー分析部6や表示部12は、動力源として電源を用
いるが、この電源についての説明は省略する。もちろ
ん、電源としては、交流(AC)電源であっても、直流
(DC)電源であっても良く、また、電池などの携帯性
を重視した電源の供給源を用いても、コンセントなどを
通じて取り込んだ商用電源を用いても構わない。
【0027】次に、本発明にかかる血糖値測定装置1を
用いた血糖値の測定方法について説明する。 まず、図1(a)、(b)に示したように、血糖値
を測定しようとする被験者は、測定装置1の指挿入部1
1に指先Fを挿入させる。 測定装置1の電源スイッチ(図示せず)を入れ、図
2に示したように、レーザー照射部2から単一波長のレ
ーザーとして、酸化ヘモグロビンを励起させる波長であ
る580nmの波長をしたレーザーLを指先Fに照射す
る。
【0028】 指先Fに照射したレーザーLは、指先
Fを通過あるいは反射することにより指先Fから出射す
る通過光Oとなる。 通過光Oは、受光部3で受光されるとともに、ラマ
ン散乱光R1と、レイリー散乱光R2とに分光され、ラ
マン散乱光R1がラマン分析部4に送られ、レイリー散
乱光R2がレイリー分析部6へと送られる。
【0029】 ラマン分析部4に送られたラマン散乱
光R1は、ラマン分析部4で、生体の脈波に同期してそ
の強さが変動しているラマン散乱光R11のみが選択さ
れ、そのラマン分光分析が行われる。このラマン分光分
析により、表1に示したシッフ塩基型の酸化ヘモグロビ
ン(I)の量が測定される。 ラマン分析部4で測定されたシッフ塩基型の酸化ヘ
モグロビン(I)の測定データD1は、変換部5へと送
られる。
【0030】 一方、レイリー分析部6に送られたレ
イリー散乱光R2は、生体の脈波に同期してその強さが
変動しているレイリー散乱光(図示せず)の割合が求め
られ、この割合を基に規格化データD3が作成される。
規格化データD3は、変換部5へと送られる。 変換部5は、測定データD1および規格化データD
3とから規格化された血糖値のデータである変換データ
D2を変換し、この変換データD2を表示部12に送
る。
【0031】 表示部12は、変換部5で変換された
変換データD2を基に、被験者の血糖値を単位:mg/
dLで表示する。以上のようにすることで、測定装置1
の指挿入部11に指先Fを挿入した被験者は、採血を行
わなくても、表示部12に表示された数値を見るだけ
で、自分の血糖値量がどの程度かを確認することができ
るのである。
【0032】次に、上記方法の原理について説明する。
まず、上記測定方法のにおいて、レーザー照射部2か
ら照射するレーザーLの波長を580nmとしたのは、
この580nm付近が酸化ヘモグロビンの励起波長であ
るからである。
【0033】酸化ヘモグロビンは、ヘモグロビンと酸素
とが結びついたもので、全身に酸素を供給する動脈血に
高比率で含まれているものである。本発明の測定方法
は、生体の脈波に同期して強さが変動している部分、す
なわち動脈におけるシッフ塩基型の酸化グリコヘモグロ
ビンをラマン分光分析により測定するため、酸化ヘモグ
ロビンを励起させる580nmの波長レーザーを指先F
に照射すると、生体内の動脈血における酸化ヘモグロビ
ン以外の物質の影響を少なく抑え、より精度の高い分析
を行うことができるようになるのである。
【0034】また、上記測定方法のにおいて、ラマン
分析部4が、受光部3から送られてきたラマン散乱光R
1の中から、生体内の成分から動脈血部分のみを選択し
て、すなわち、ラマン散乱光R11のみを選択してラマ
ン分光分析を行うのは、他の成分による分析ノイズをで
きるだけ取り除くためである。
【0035】つまり、ラマン散乱光Rは、図3(a)に
示したような状態にある。すなわち、ラマン散乱光R
は、ある一定成分dの上に脈波Hが乗った形になってい
る。ここでいう一定成分dとは、指先Fを形成する各種
細胞の成分とか、静脈血成分などの成分をいう。なお、
図3の縦軸に示した受光部の出力とは、受光部3で受光
した通過光Oを受光部3で電気的に変換したものであ
り、その単位は、電流や電圧をデジタル処理あるいはア
ナログ処理して表されたものである。すなわち、ラマン
分析部4は、フィルター41により、一定成分dに対応
するラマン散乱光R2を除去して、脈波Hに対応するラ
マン散乱光R11のみを分析することにより、動脈血の
みのラマン分光分析を行うのである。
【0036】また、レイリー分析部6で、レイリー散乱
光R2の中から脈波に同期して強さが変動する部分の割
合を基に、規格化データD3を作成するのは、指先Fの
径や血管の太さなど人それぞれ異なる生体要素に係わら
ず、規格化された血糖値を導き出すことを可能とするた
めである。なお、規格化データD3を作成するとき、す
なわち被測定者の生体要素の個人差を補正して規格化す
るには、上記レイリー分析部6に代えて、または、上記
レイリー分析部6に加えて、以下のような処理を行って
もよい。励起光であるレーザーLとは異なる波長の光
(比較的吸収されない帯域の光)を単数あるいは複数、
指先FにレーザーLと同じ光路となるよう照射して、上
記レイリー分析部6でレイリー散乱光R2を処理したの
と同様の処理を含む演算処理を行うことにより規格化デ
ータD3を定める。
【0037】上記した規格化データD3は、ラマン散乱
が生じている生体内の空間部位が一定であれば作成する
必要がない。しかし、生体内の空間部位は、人により異
なるため、規格化する必要がある。そこで、ラマン散乱
光R1だけでなくレイリー散乱光R2においても脈波に
同期して強さが変動する部分の割合を求め、脈波成分を
算出して、ラマン分析部4で分析した測定データD1の
規格化を行うのである。
【0038】また、ラマン分析部4は、酸化ヘモグロビ
ンとグルコースとが反応することにより生成したシッフ
塩基型の酸化グリコヘモグロビン(I)(下式参照)を
測定するようになっている。これは、ラマン分光分析に
よる、シッフ塩基型の酸化グリコヘモグロビン(I)の
主な波長シフトが、この励起光下においては、数十nm
〜100nm前後であり、他の生体成分における分子の
影響が少なくなるためである。
【0039】
【化2】 これは、上記化学式に示したように、酸化ヘモグロビン
とグルコースとからシッフ塩基型の酸化グリコヘモグロ
ビン(I)が生成される生成反応は可逆反応であり、し
かも反応速度が速いため、上記式における平衡状態が変
化する。この平衡状態の移動は、血中のグルコース量に
よって左右されることとなる、したがって、シッフ塩基
型の酸化グリコヘモグロビン(I)の量は、血中のグル
コース量と比例関係にあるともいえ、シッフ塩基型の酸
化グリコヘモグロビン(I)の量を測定することで血糖
値を求めることができるからである。
【0040】また、シッフ塩基型の酸化グリコヘモグロ
ビン(I)は、シッフ塩基(この場合、HC=N−)を
含有しているという特徴も有している。すなわち、シッ
フ塩基そのものに注目してみると、ラマン分光分析を行
ったときに、シフト波数1600〜1700cm-1(励
起波長+54nm〜+57nm)のところに固有の特徴
が表れることが知られている。したがって、ラマン分光
分析に表れるシッフ塩基固有の特徴からも、シッフ塩基
型の酸化グリコヘモグロビン(I)の量を測定すること
で、容易に血糖値を導き出すことが出来るのである。
【0041】以上のことから、本発明にかかる血糖値測
定方法は、採血を行わなくても容易に血糖値を測定する
ことができるのである。なお、本発明にかかる血糖値の
測定方法及び測定装置は、上記実施の形態に限定されな
い。たとえば、上記実施の形態における測定装置1は、
指先Fの部分を指挿入部11に挿入して測定を行うよう
にしていたが、たとえば、図5に示したように手首の部
分を挿入して血糖値を測定する測定装置10のような形
態をしていても構わない。
【0042】
【発明の効果】本発明にかかる血糖値の測定方法および
測定装置は、以上のように構成されているので、本測定
方法を行うことで、採血を行わなくても、正確な血糖値
を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる血糖値の測定装置の一実施形態
を示した斜視図である。
【図2】図1の装置の動きを説明するための説明図であ
る。
【図3】脈波に同期したラマン散乱光を示すグラフであ
る。
【図4】ラマン分析部のフィルターを示した説明図であ
る。
【図5】本発明にかかる血糖値の測定装置の他実施形態
を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 (血糖値)測定装置 10 (血糖値)測定装置 12 表示部 2 レーザー照射部 3 受光部 4 ラマン分析部 5 変換部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体外から皮膚を通して生体内に単一波長
    のレーザーを照射するレーザー照射工程と、前記レーザ
    ー照射工程により照射されたレーザーが生体内を通過し
    た通過光の中から、少なくともラマン散乱光を含む光を
    受光する受光工程と、前記受光工程で受光したラマン散
    乱光の中から、生体の脈波に同期して強さが変動してい
    る部分のみを選択するとともに、この選択したラマン散
    乱光をラマン分光分析して血中におけるシッフ塩基型の
    酸化グリコヘモグロビン量を測定するラマン分析工程と
    を備えた血糖値の測定方法。
  2. 【請求項2】レーザー照射工程で照射するレーザーが、
    酸化ヘモグロビン分子における波長の吸収を励起させる
    励起光である請求項1に記載の血糖値の測定方法。
  3. 【請求項3】生体外から皮膚を通して生体内に単一波長
    のレーザーを照射するレーザー照射部と、前記レーザー
    照射工程により照射されたレーザーが生体内を通過した
    通過光の中から、少なくともラマン散乱光を含む光を受
    光する受光部と、前記受光工程で受光したラマン散乱光
    の中から、生体の脈波に同期して強さが変動している部
    分のみを選択するとともに、この選択したラマン散乱光
    をラマン分光分析して血中におけるシッフ塩基型の酸化
    グリコヘモグロビン量を測定するラマン分析部と、前記
    ラマン分析部により測定した前記シッフ塩基型の酸化グ
    リコヘモグロビン量を、前記生体の脈波に同期して強さ
    が変動している部分のみを選択した基準に基づいて血糖
    値量に変換する変換部と、前記変換部で変換された血糖
    値を視認可能に表示する表示部とを備えた血糖値の測定
    装置。
JP2000286831A 2000-09-21 2000-09-21 血糖値の測定方法および測定装置 Pending JP2002085385A (ja)

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