JP2002011455A - 汚染土壌の浄化方法及び装置 - Google Patents
汚染土壌の浄化方法及び装置Info
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- JP2002011455A JP2002011455A JP2000195256A JP2000195256A JP2002011455A JP 2002011455 A JP2002011455 A JP 2002011455A JP 2000195256 A JP2000195256 A JP 2000195256A JP 2000195256 A JP2000195256 A JP 2000195256A JP 2002011455 A JP2002011455 A JP 2002011455A
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- Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】微生物の分解作用による汚染土壌の原位置での
浄化方法及び装置を提供する。 【解決手段】汚染土壌12の浄化域15を地下の難透水層4
から所定地表高hまでの止水壁6で囲み、止水壁6の頂
部高さから難透水層4の頂面に達する井戸7を浄化域15
内に設ける。汚染物質分解菌の栄養物質が含まれる洗浄
水16を、井戸7により浄化域15内の汚染土壌12へ注入
し、汚染土壌12から地表1へ湧出させて湧水層14を形成
し、汚染油5を湧水層14の水面に浮上させて浮上油10と
して分離する。その分離後に浄化域15の洗浄水16を井戸
7により揚水し同時に汚染土壌12内へ空気を吸入し、吸
入した空気と注入された栄養物質との存在下で分解菌に
より汚染物質を分解する。前記注入から回収までの過程
を反復することにより浄化域15内の汚染土壌12を浄化す
る。
浄化方法及び装置を提供する。 【解決手段】汚染土壌12の浄化域15を地下の難透水層4
から所定地表高hまでの止水壁6で囲み、止水壁6の頂
部高さから難透水層4の頂面に達する井戸7を浄化域15
内に設ける。汚染物質分解菌の栄養物質が含まれる洗浄
水16を、井戸7により浄化域15内の汚染土壌12へ注入
し、汚染土壌12から地表1へ湧出させて湧水層14を形成
し、汚染油5を湧水層14の水面に浮上させて浮上油10と
して分離する。その分離後に浄化域15の洗浄水16を井戸
7により揚水し同時に汚染土壌12内へ空気を吸入し、吸
入した空気と注入された栄養物質との存在下で分解菌に
より汚染物質を分解する。前記注入から回収までの過程
を反復することにより浄化域15内の汚染土壌12を浄化す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は汚染土壌の浄化方法
及び装置に関し、とくに好気性微生物により分解可能な
油などの物質に汚染された土壌を原位置に在るままで浄
化する方法及び装置に関する。
及び装置に関し、とくに好気性微生物により分解可能な
油などの物質に汚染された土壌を原位置に在るままで浄
化する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】欧米では1980年代から油などに汚染され
た土壌を好気性微生物により生物処理する技術が開発・
実施されている。この技術は汚染土壌に適度な湿分を保
持させながら微生物の活性化に必要な窒素源・リン源な
どの栄養物質を添加し、酸素源として空気を供給するこ
とにより汚染物質を分解するものである。
た土壌を好気性微生物により生物処理する技術が開発・
実施されている。この技術は汚染土壌に適度な湿分を保
持させながら微生物の活性化に必要な窒素源・リン源な
どの栄養物質を添加し、酸素源として空気を供給するこ
とにより汚染物質を分解するものである。
【0003】汚染物質の分解に微生物を利用する従来の
技術では、汚染土壌を掘削し、地上で浄化するのが一般
的であり、その一例は次のようなものである。 (1)汚染土壌を掘削し、地上で高さ1〜2mの層状に
積み上げる。 (2)栄養物質の供給は、広げた汚染土壌に、窒素源や
リン源その他の栄養物質をバックホウなどの重機で混合
するか、又は栄養物質を水溶液にして散水して行う。 (3)空気の供給は、重機で定期的に土を切り返すか、
又は底部に通気パイプを設置して行う。 (4)湿分の保持は、定期的な散水によって行う。
技術では、汚染土壌を掘削し、地上で浄化するのが一般
的であり、その一例は次のようなものである。 (1)汚染土壌を掘削し、地上で高さ1〜2mの層状に
積み上げる。 (2)栄養物質の供給は、広げた汚染土壌に、窒素源や
リン源その他の栄養物質をバックホウなどの重機で混合
するか、又は栄養物質を水溶液にして散水して行う。 (3)空気の供給は、重機で定期的に土を切り返すか、
又は底部に通気パイプを設置して行う。 (4)湿分の保持は、定期的な散水によって行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来技術には、以下のような問題点がある。
来技術には、以下のような問題点がある。
【0005】(a)汚染土壌の掘削・埋め戻しに多大な
費用を要する。
費用を要する。
【0006】(b)掘削した汚染土を地上で1〜2m程
度の高さの層状に積み上げて上記の浄化作業を実施する
には、広い敷地が必要である。近くに利用可能な空地ス
ペースがない場合は、土壌を適当な他の場所へ運搬しな
ければならず、更にコストがかかる。また、敷地が狭い
場合には、浄化作業を数回に分けて実施しなければなら
ず、浄化に要する期間が長くなる。
度の高さの層状に積み上げて上記の浄化作業を実施する
には、広い敷地が必要である。近くに利用可能な空地ス
ペースがない場合は、土壌を適当な他の場所へ運搬しな
ければならず、更にコストがかかる。また、敷地が狭い
場合には、浄化作業を数回に分けて実施しなければなら
ず、浄化に要する期間が長くなる。
【0007】(c)積み上げた土壌に窒素源やリン源な
どの薬剤をバックホウなどの重機で混合する方法では、
どうしても均一な割合での分布が実現し難く、浄化でき
ない汚染物質が残ってしまいがちになる。また、薬剤を
水溶液にして散水しても、水みちができて均一に行きわ
たらせるのは困難である。
どの薬剤をバックホウなどの重機で混合する方法では、
どうしても均一な割合での分布が実現し難く、浄化でき
ない汚染物質が残ってしまいがちになる。また、薬剤を
水溶液にして散水しても、水みちができて均一に行きわ
たらせるのは困難である。
【0008】(d)重機で定期的に土を切り返して空気
を供給する方法では、重機に特有の機能上、土壌の積み
上げ高さに限界があり、広い敷地が必要であると共に、
空気供給が不足する部分が生じることも避け難い。底部
に通気パイプを設置することも試みられているが、この
場合にも、どうしても空気の通り易いところ(ショ−ト
パス)ができ、浄化できない部分が残ってしまう。
を供給する方法では、重機に特有の機能上、土壌の積み
上げ高さに限界があり、広い敷地が必要であると共に、
空気供給が不足する部分が生じることも避け難い。底部
に通気パイプを設置することも試みられているが、この
場合にも、どうしても空気の通り易いところ(ショ−ト
パス)ができ、浄化できない部分が残ってしまう。
【0009】(e)湿分保持のために定期的に散水する
と、底部から水が流出し、添加すべき窒素源やリン源が
洗い流されてしまったり、油を含んだ水が流出して周辺
に汚染を拡げてしまうおそれがある。
と、底部から水が流出し、添加すべき窒素源やリン源が
洗い流されてしまったり、油を含んだ水が流出して周辺
に汚染を拡げてしまうおそれがある。
【0010】これらの問題点を解決するため、汚染土壌
を原位置で微生物処理することも提案されているが、実
用性のある方法はいまだ実現されていないのが現状であ
る。そこで本発明の目的は、汚染土壌の原位置での浄化
を微生物の汚染物質分解の反復により行う方法及び装置
を提供するにある。
を原位置で微生物処理することも提案されているが、実
用性のある方法はいまだ実現されていないのが現状であ
る。そこで本発明の目的は、汚染土壌の原位置での浄化
を微生物の汚染物質分解の反復により行う方法及び装置
を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】図1に例示すように、一
般に地盤13は、不飽和層2、帯水層3及び難透水層4を
有し、多くの汚染土壌12は、不飽和層2及び帯水層3に
油などの汚染物質5が混入して残存したものである。
般に地盤13は、不飽和層2、帯水層3及び難透水層4を
有し、多くの汚染土壌12は、不飽和層2及び帯水層3に
油などの汚染物質5が混入して残存したものである。
【0012】本発明者は、上記目的達成のため、図1の
汚染土壌12の浄化域15を地下の難透水層4から地表上の
所定高hまでの止水壁6で囲み、地表に貯水空間を設け
ることに注目した。このように取り囲めば、洗浄水16を
汚染土壌12へ多量に注入して湧出させ、地表1より上方
の止水壁6で囲まれた部分に、汚染土壌12から湧出させ
た洗浄水16を貯水して湧水層14を形成することができ
る。止水壁6の一例は矢板である。この貯水により、汚
染土壌12を原位置に置いたままその汚染土壌12に洗浄水
16を通過させることが可能になる。本発明は、この観点
にたって汚染土壌12の浄化の実験・研究を重ねた結果、
完成に至ったものである。
汚染土壌12の浄化域15を地下の難透水層4から地表上の
所定高hまでの止水壁6で囲み、地表に貯水空間を設け
ることに注目した。このように取り囲めば、洗浄水16を
汚染土壌12へ多量に注入して湧出させ、地表1より上方
の止水壁6で囲まれた部分に、汚染土壌12から湧出させ
た洗浄水16を貯水して湧水層14を形成することができ
る。止水壁6の一例は矢板である。この貯水により、汚
染土壌12を原位置に置いたままその汚染土壌12に洗浄水
16を通過させることが可能になる。本発明は、この観点
にたって汚染土壌12の浄化の実験・研究を重ねた結果、
完成に至ったものである。
【0013】図1を参照するに、本発明の汚染土壌の浄
化方法は、汚染土壌12が在る地盤13の浄化域15を地下の
難透水層4から地表1上の所定高さhまでの止水壁6で
囲み、前記地表高さhから難透水層4に達する井戸7を
浄化域15内に設け、汚染物質分解菌の栄養物質が含まれ
る洗浄水16を井戸7により浄化域15内の汚染土壌12へ注
入し、洗浄水16を浄化域15内の汚染土壌12から地表1へ
湧出させて湧水層14を形成し、比重が洗浄水より小さい
油10などの汚染物質を湧水層14の表面から分離し、前記
汚染物質の分離後に浄化域15の洗浄水16を井戸7により
揚水すると共に浄化域15内の汚染土壌12内へ空気を吸入
し、吸入した空気と注入された栄養物質との存在下で分
解菌により汚染物質を分解し、吸入した空気又は注入さ
れた栄養物質の減少に応じ前記注入から揚水までの過程
を反復することにより浄化域15内の汚染土壌12を浄化し
てなるものである。
化方法は、汚染土壌12が在る地盤13の浄化域15を地下の
難透水層4から地表1上の所定高さhまでの止水壁6で
囲み、前記地表高さhから難透水層4に達する井戸7を
浄化域15内に設け、汚染物質分解菌の栄養物質が含まれ
る洗浄水16を井戸7により浄化域15内の汚染土壌12へ注
入し、洗浄水16を浄化域15内の汚染土壌12から地表1へ
湧出させて湧水層14を形成し、比重が洗浄水より小さい
油10などの汚染物質を湧水層14の表面から分離し、前記
汚染物質の分離後に浄化域15の洗浄水16を井戸7により
揚水すると共に浄化域15内の汚染土壌12内へ空気を吸入
し、吸入した空気と注入された栄養物質との存在下で分
解菌により汚染物質を分解し、吸入した空気又は注入さ
れた栄養物質の減少に応じ前記注入から揚水までの過程
を反復することにより浄化域15内の汚染土壌12を浄化し
てなるものである。
【0014】好ましくは、洗浄水16のタンク9を浄化域
15の外に設け、そのタンク9から洗浄水16を汚染土壌12
へ注入し、汚染土壌12から洗浄水16を揚水してタンク9
へ回収する。
15の外に設け、そのタンク9から洗浄水16を汚染土壌12
へ注入し、汚染土壌12から洗浄水16を揚水してタンク9
へ回収する。
【0015】本発明による汚染土壌の浄化装置は、汚染
土壌12が在る地盤13の所定浄化域15の周囲に設けた地下
の難透水層4から地表1上の所定高さhまでの止水壁
6、前記浄化域15内に設けた地表上所定高さhから難透
水層4に達する井戸7、及び汚染物質分解菌の栄養物質
が含まれる洗浄水16を井戸7により選択的に汚染土壌12
中へ注入又は汚染土壌12から揚水するポンプ8を備えて
なるものである。洗浄水16の注入時に、汚染土壌12を介
する洗浄水16の地表1への湧出により地表湧水層14を形
成すると共に比重が洗浄水より小さい汚染物質5を湧水
層14の表面から分離し、洗浄水16の揚水時に汚染土壌12
内へ空気を吸入してその空気と注入された栄養物質との
存在下で分解菌による汚染物質分解を行う。
土壌12が在る地盤13の所定浄化域15の周囲に設けた地下
の難透水層4から地表1上の所定高さhまでの止水壁
6、前記浄化域15内に設けた地表上所定高さhから難透
水層4に達する井戸7、及び汚染物質分解菌の栄養物質
が含まれる洗浄水16を井戸7により選択的に汚染土壌12
中へ注入又は汚染土壌12から揚水するポンプ8を備えて
なるものである。洗浄水16の注入時に、汚染土壌12を介
する洗浄水16の地表1への湧出により地表湧水層14を形
成すると共に比重が洗浄水より小さい汚染物質5を湧水
層14の表面から分離し、洗浄水16の揚水時に汚染土壌12
内へ空気を吸入してその空気と注入された栄養物質との
存在下で分解菌による汚染物質分解を行う。
【0016】
【発明の実施の形態】再び図1の実施例を参照するに、
本発明の方法は、汚染土壌12の浄化域15を、底部の難透
水層4及び周囲の止水壁6により地表1の上方の所定高
さhまで囲む。地表面1上に水を貯めるためである。次
いで、洗浄水16をポンプ8などの送入手段により井戸7
を介し難透水層4の上方で汚染土壌12へ注入することに
より、洗浄水16を浄化域15の帯水層3及び不飽和層2に
飽和させさらに上方に湧出させ、水位17を地表1より高
い湧水層14の頂部のレベル17bまで上昇させる。汚染油
5などの水より比重が小さい汚染物質は、水中で汚染土
壌12から離れ浮き上がって上方へ移行し、レベル17b上
の浮上油10となり、例えば溢流路18を介して回収タンク
11へ流入する。こうして汚染油5などの軽い汚染物質
は、分離回収される。
本発明の方法は、汚染土壌12の浄化域15を、底部の難透
水層4及び周囲の止水壁6により地表1の上方の所定高
さhまで囲む。地表面1上に水を貯めるためである。次
いで、洗浄水16をポンプ8などの送入手段により井戸7
を介し難透水層4の上方で汚染土壌12へ注入することに
より、洗浄水16を浄化域15の帯水層3及び不飽和層2に
飽和させさらに上方に湧出させ、水位17を地表1より高
い湧水層14の頂部のレベル17bまで上昇させる。汚染油
5などの水より比重が小さい汚染物質は、水中で汚染土
壌12から離れ浮き上がって上方へ移行し、レベル17b上
の浮上油10となり、例えば溢流路18を介して回収タンク
11へ流入する。こうして汚染油5などの軽い汚染物質
は、分離回収される。
【0017】その後、汚染土壌12からの洗浄水16の揚水
又は引き抜きを井戸7とポンプ8によって行うと、水位
17が例えば汚染土壌12の底部のレベル17aまで下がる
が、その際に空気が汚染土壌12へ進入する。土壌中の分
解菌が、こうして進入した空気中の酸素及び浄化液16が
運び込んだ栄養物質により活性化し、汚染土壌12中に残
った汚染物質の分解を始める。
又は引き抜きを井戸7とポンプ8によって行うと、水位
17が例えば汚染土壌12の底部のレベル17aまで下がる
が、その際に空気が汚染土壌12へ進入する。土壌中の分
解菌が、こうして進入した空気中の酸素及び浄化液16が
運び込んだ栄養物質により活性化し、汚染土壌12中に残
った汚染物質の分解を始める。
【0018】この分解の進行に伴う汚染土壌12中の酸素
濃度又は栄養物質濃度の所定値以下への低下を検出し、
その検出に応じて前記注水過程及び揚水過程を始動させ
る。
濃度又は栄養物質濃度の所定値以下への低下を検出し、
その検出に応じて前記注水過程及び揚水過程を始動させ
る。
【0019】このような注水過程及び揚水過程を反復す
ることにより、汚染土壌12中の汚染物質を分解菌により
分解してその濃度を低減することができる。本発明は、
例えば脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水
素、多環芳香族炭化水素などの石油系炭化水素化合物、
ハロゲン化炭化水素化合物その他の、好気的に生物分解
可能な汚染物質で汚染された汚染土壌12の浄化処理に広
く適用可能である。具体的には、原油、重油、軽油、灯
油、ガソリン、機械油、ベンゼン・トルエン・キシレン
等の石油由来の化学製品、植物油等で汚染された汚染土
壌12の浄化に適用できる。
ることにより、汚染土壌12中の汚染物質を分解菌により
分解してその濃度を低減することができる。本発明は、
例えば脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水
素、多環芳香族炭化水素などの石油系炭化水素化合物、
ハロゲン化炭化水素化合物その他の、好気的に生物分解
可能な汚染物質で汚染された汚染土壌12の浄化処理に広
く適用可能である。具体的には、原油、重油、軽油、灯
油、ガソリン、機械油、ベンゼン・トルエン・キシレン
等の石油由来の化学製品、植物油等で汚染された汚染土
壌12の浄化に適用できる。
【0020】こうして、本発明の目的、すなわち「汚染
土壌を現位置のまま微生物利用により浄化する方法及び
装置」の提供を達成することができる。
土壌を現位置のまま微生物利用により浄化する方法及び
装置」の提供を達成することができる。
【0021】
【実施例】例えば矢板からなる止水壁6は、地盤13にお
ける浄化域15の囲りに漏水のない周囲壁を形成すると共
に、地盤の難透水層4へ密に結合し、井戸7を介して注
入する洗浄水16を地表面1へのみ向かわせる。
ける浄化域15の囲りに漏水のない周囲壁を形成すると共
に、地盤の難透水層4へ密に結合し、井戸7を介して注
入する洗浄水16を地表面1へのみ向かわせる。
【0022】汚染土壌12に対する洗浄水16は、地上のタ
ンク9内で、好ましくは地下水である水に栄養物質を所
定濃度に添加して調製される。洗浄水の一例は、汚染物
質中の炭素100に対して窒素が10、リンが1の重量比と
なるように、窒素源薬剤及びリン源薬剤を水に添加した
ものである。栄養物質を、例えばアンモニア塩、硝酸
塩、亜硝酸塩、尿素、リン酸塩、ポリリン酸塩、カリウ
ム化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、鉄
化合物からなる群から選択した1以上の物質とすること
ができる。ポンプ8が、タンク9内の洗浄水16を井戸7
を介して浄化域15へ注入する。井戸7は、難透水層4の
上方の不飽和層2及び帯水層3へいわば一様に洗浄水16
を注入するものであり、土壌中の微生物・分解菌への栄
養物質の供給と、土壌内の汚染油5の洗浄水16への流出
との両者を一様に生起させるものである。また井戸7
は、土壌中の洗浄水16をポンプ8によりタンク9へ揚水
すると共に、土壌中へ空気を吸入する機能をも果たす。
ンク9内で、好ましくは地下水である水に栄養物質を所
定濃度に添加して調製される。洗浄水の一例は、汚染物
質中の炭素100に対して窒素が10、リンが1の重量比と
なるように、窒素源薬剤及びリン源薬剤を水に添加した
ものである。栄養物質を、例えばアンモニア塩、硝酸
塩、亜硝酸塩、尿素、リン酸塩、ポリリン酸塩、カリウ
ム化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、鉄
化合物からなる群から選択した1以上の物質とすること
ができる。ポンプ8が、タンク9内の洗浄水16を井戸7
を介して浄化域15へ注入する。井戸7は、難透水層4の
上方の不飽和層2及び帯水層3へいわば一様に洗浄水16
を注入するものであり、土壌中の微生物・分解菌への栄
養物質の供給と、土壌内の汚染油5の洗浄水16への流出
との両者を一様に生起させるものである。また井戸7
は、土壌中の洗浄水16をポンプ8によりタンク9へ揚水
すると共に、土壌中へ空気を吸入する機能をも果たす。
【0023】好ましくは、井戸7の側壁を、汚染土壌12
の異なる深さ部位に対して洗浄水16の注入及び揚水を行
える構造とする。さらに好ましくは、井戸7の側壁の所
定深度より深い部分へ開口(図示せず)を穿ち、その開
口により洗浄水16を選択的に汚染土壌12中へ注入又は汚
染土壌12から揚水する。
の異なる深さ部位に対して洗浄水16の注入及び揚水を行
える構造とする。さらに好ましくは、井戸7の側壁の所
定深度より深い部分へ開口(図示せず)を穿ち、その開
口により洗浄水16を選択的に汚染土壌12中へ注入又は汚
染土壌12から揚水する。
【0024】回収タンク11を、地表面1上の予想される
湧水層14の表面レベル17bへ溢流路18によって連接し、
湧水層14の表面の浮上油10を回収タンク11へ溢流させて
回収してもよい。
湧水層14の表面レベル17bへ溢流路18によって連接し、
湧水層14の表面の浮上油10を回収タンク11へ溢流させて
回収してもよい。
【0025】図1は、一つの浄化域15のみからなる例を
示すが、水平方向に並べた二つ又はそれ以上の数の浄化
域16を設けることもできる。その場合、汚染土壌12を地
下の難透水層4まで複数の止水壁6又は同等の遮水構造
物で仕切って二つ以上の浄化域15を形成し、一つの浄化
域15で揚水した洗浄水16を他の洗浄域15へ注入し、一つ
の浄化域15での水位17の下降と他の浄化域15での水位17
の上昇とを同時に発生させてもよい。
示すが、水平方向に並べた二つ又はそれ以上の数の浄化
域16を設けることもできる。その場合、汚染土壌12を地
下の難透水層4まで複数の止水壁6又は同等の遮水構造
物で仕切って二つ以上の浄化域15を形成し、一つの浄化
域15で揚水した洗浄水16を他の洗浄域15へ注入し、一つ
の浄化域15での水位17の下降と他の浄化域15での水位17
の上昇とを同時に発生させてもよい。
【0026】図2は、既設タンク20が原油貯蔵用であっ
て地下部分での油の漏洩を防止するため、タンク底面を
囲んで遮水構造物21が設けられ、その外に難透水層4が
存在する場合を示す。この場合は、必要とする水の量が
少なく、本発明が最も効果的に利用できる。即ち、既設
タンク20を撤去するか又はジャッキアップにより浮かせ
た後、地表部の僅かな部分を止水壁6により囲んだ上
で、洗浄水16の注入による浮上油10の形成と回収過程
と、洗浄水16の揚水による汚染土壌12への空気・酸素の
供給過程との反復により汚染土壌12を浄化することがで
きる。
て地下部分での油の漏洩を防止するため、タンク底面を
囲んで遮水構造物21が設けられ、その外に難透水層4が
存在する場合を示す。この場合は、必要とする水の量が
少なく、本発明が最も効果的に利用できる。即ち、既設
タンク20を撤去するか又はジャッキアップにより浮かせ
た後、地表部の僅かな部分を止水壁6により囲んだ上
で、洗浄水16の注入による浮上油10の形成と回収過程
と、洗浄水16の揚水による汚染土壌12への空気・酸素の
供給過程との反復により汚染土壌12を浄化することがで
きる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明の汚染土壌の
浄化方法及び装置は、難透水層に達する止水壁で囲んだ
浄化域を洗浄水で水没させる注水と、浄化域に酸素供給
する揚水とを反復するので、次の顕著な効果を奏する。
浄化方法及び装置は、難透水層に達する止水壁で囲んだ
浄化域を洗浄水で水没させる注水と、浄化域に酸素供給
する揚水とを反復するので、次の顕著な効果を奏する。
【0028】(イ)窒素源やリン源を含む洗浄水で水没
させるので、これらの栄養源を均一に土壌中に行き渡ら
せることができる。 (ロ)汚染油を浮上油として分離・除去するので、生物
処理の対象油分を減らすことができる。 (ハ)一般に油汚染土の浄化過程の終了の判定は、その
油汚染土を水中投入した時の油膜発生の有無による。従
来は水中投入の機会を逃し過剰浄化に陥る例があった
が、本発明の水没式浄化ではその機会を逃すおそれが無
く浄化進行度を常時監視し的確な判断ができる。 (ニ)揚水による酸素供給を用い、汚染土壌への均一な
酸素供給を行える。
させるので、これらの栄養源を均一に土壌中に行き渡ら
せることができる。 (ロ)汚染油を浮上油として分離・除去するので、生物
処理の対象油分を減らすことができる。 (ハ)一般に油汚染土の浄化過程の終了の判定は、その
油汚染土を水中投入した時の油膜発生の有無による。従
来は水中投入の機会を逃し過剰浄化に陥る例があった
が、本発明の水没式浄化ではその機会を逃すおそれが無
く浄化進行度を常時監視し的確な判断ができる。 (ニ)揚水による酸素供給を用い、汚染土壌への均一な
酸素供給を行える。
【0029】(ホ)止水壁で遮断した浄化域内で注水・
揚水を行って浄化するので、周辺への水や薬品の飛散な
しに汚染土壌浄化を行える。 (ヘ)注水・揚水過程で循環させる水量が少ないので、
周辺の地下水を使える。 (ト)水と分解菌栄養物資の循環利用、地下水利用など
による低コストでの浄化処理が可能である。 (チ)浮上油の溢流除去による分解菌の負荷の低減、及
び前記ハ項の浄化終了に対応の油膜発生の連続的監視等
による浄化期間の短縮が可能である。 (リ)止水壁による遮水・封鎖構造が不可欠であり汚染
拡散の恐れがない。 (ヌ)窒素源、リン源、酸素等の均一供給による均質な
土壌浄化が達成できる。
揚水を行って浄化するので、周辺への水や薬品の飛散な
しに汚染土壌浄化を行える。 (ヘ)注水・揚水過程で循環させる水量が少ないので、
周辺の地下水を使える。 (ト)水と分解菌栄養物資の循環利用、地下水利用など
による低コストでの浄化処理が可能である。 (チ)浮上油の溢流除去による分解菌の負荷の低減、及
び前記ハ項の浄化終了に対応の油膜発生の連続的監視等
による浄化期間の短縮が可能である。 (リ)止水壁による遮水・封鎖構造が不可欠であり汚染
拡散の恐れがない。 (ヌ)窒素源、リン源、酸素等の均一供給による均質な
土壌浄化が達成できる。
【図1】は、本発明の一実施例の図式的断面図である。
【図2】は、本発明の他の実施例の図式的断面図であ
る。
る。
1…地表面 2…不飽和層 3…帯水層 4…難透水層 5…汚染油 6…止水壁 7…井戸 8…ポンプ 9…タンク 10…浮上油 11…回収タンク 12…汚染土壌 13…地盤 14…湧水層 15…浄化域 16…洗浄水 17…水位 18…溢流路 20…既設油タンク 21…遮水構造物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D040 AA00 AB01 AC00 BA00 CA10 CB03 DB01 4D004 AA41 AB02 AB05 AC07 CA19 CA40 CC07 DA01 DA10
Claims (7)
- 【請求項1】汚染土壌が在る地盤の浄化域を地下の難透
水層から地表の所定高さまでの止水壁で囲み、前記地表
高さから難透水層に達する井戸を浄化域内に設け、汚染
物質分解菌の栄養物質が含まれる洗浄水を前記井戸によ
り汚染土壌へ注入し、前記洗浄水を汚染土壌から地表へ
湧出させて湧水層を形成し、比重が洗浄水より小さい汚
染物質を湧水層表面から分離し、前記汚染物質の分離後
に浄化域の洗浄水を井戸により揚水すると共に汚染土壌
内へ空気を吸入し、吸入した空気と注入された栄養物質
との存在下で分解菌により汚染物質を分解し、吸入した
空気又は注入された栄養物質の減少に応じ前記注入から
揚水までの過程を反復することにより汚染土壌を浄化し
てなる汚染土壌の浄化方法。 - 【請求項2】請求項1の浄化方法において、前記洗浄水
のタンクを浄化域の外に設け、そのタンクから洗浄水を
汚染土壌へ注入し、汚染土壌からタンクへ洗浄水を揚水
してなる汚染土壌の浄化方法。 - 【請求項3】請求項1又は2の浄化方法において、前記
井戸の側壁を介し汚染土壌の異なる深さ部位に対する洗
浄水の注入及び揚水を行ってなる汚染土壌の浄化方法。 - 【請求項4】請求項3の浄化方法において、前記洗浄水
を前記井戸の側壁の所定深度より深い部分へ穿った開口
により汚染土壌中へ注入し又は汚染土壌から揚水してな
る汚染土壌の浄化方法。 - 【請求項5】請求項1から4の何れかの浄化方法におい
て、前記比重が洗浄水より小さい汚染物質を溢流路によ
り浄化域外に設けた回収タンクへ導いてなる汚染土壌の
浄化方法。 - 【請求項6】汚染土壌を浄化する装置において、汚染土
壌が在る地盤の所定浄化域の周囲に設けた地下の難透水
層から地表上の所定高さまでの止水壁、前記浄化域内に
設けた地表上所定高さから難透水層に達する井戸、及び
汚染物質分解菌の栄養物質が含まれる洗浄水を前記井戸
により選択的に汚染土壌中へ注入又は汚染土壌から揚水
するポンプを備え、洗浄水注入時に汚染土壌を介する洗
浄水の地表への湧出により地表湧水層を形成すると共に
比重が洗浄水より小さい汚染物質を湧水層表面から分離
し、洗浄水揚水時に汚染土壌内へ空気を吸入してその空
気と注入された栄養物質との存在下で分解菌による汚染
物質分解を行ってなる汚染土壌の浄化装置。 - 【請求項7】請求項6の浄化装置において、前記汚染物
質分解菌の栄養物質をアンモニア塩、硝酸塩、亜硝酸
塩、尿素、リン酸塩、ポリリン酸塩、カリウム化合物、
カルシウム化合物、マグネシウム化合物、鉄化合物から
なる群から選択した1以上の物質としてなる汚染土壌の
浄化装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000195256A JP2002011455A (ja) | 2000-06-28 | 2000-06-28 | 汚染土壌の浄化方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000195256A JP2002011455A (ja) | 2000-06-28 | 2000-06-28 | 汚染土壌の浄化方法及び装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002011455A true JP2002011455A (ja) | 2002-01-15 |
Family
ID=18693941
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000195256A Pending JP2002011455A (ja) | 2000-06-28 | 2000-06-28 | 汚染土壌の浄化方法及び装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002011455A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002192142A (ja) * | 2000-12-27 | 2002-07-10 | Fudo Constr Co Ltd | 汚染地盤の浄化方法 |
| JP2004057953A (ja) * | 2002-07-30 | 2004-02-26 | Okumura Corp | 汚染土壌の原位置による浄化方法 |
| JP2007301491A (ja) * | 2006-05-12 | 2007-11-22 | Taiheiyo Cement Corp | 重金属含有水田土壌の浄化方法 |
| WO2007132561A1 (ja) * | 2006-05-12 | 2007-11-22 | Taiheiyo Cement Corporation | 重金属含有水田土壌の浄化方法 |
-
2000
- 2000-06-28 JP JP2000195256A patent/JP2002011455A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002192142A (ja) * | 2000-12-27 | 2002-07-10 | Fudo Constr Co Ltd | 汚染地盤の浄化方法 |
| JP2004057953A (ja) * | 2002-07-30 | 2004-02-26 | Okumura Corp | 汚染土壌の原位置による浄化方法 |
| JP2007301491A (ja) * | 2006-05-12 | 2007-11-22 | Taiheiyo Cement Corp | 重金属含有水田土壌の浄化方法 |
| WO2007132561A1 (ja) * | 2006-05-12 | 2007-11-22 | Taiheiyo Cement Corporation | 重金属含有水田土壌の浄化方法 |
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