JP2002161856A - シャフトおよびシャフトの製造方法 - Google Patents
シャフトおよびシャフトの製造方法Info
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- JP2002161856A JP2002161856A JP2000361300A JP2000361300A JP2002161856A JP 2002161856 A JP2002161856 A JP 2002161856A JP 2000361300 A JP2000361300 A JP 2000361300A JP 2000361300 A JP2000361300 A JP 2000361300A JP 2002161856 A JP2002161856 A JP 2002161856A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 塩素を含まず耐摩耗特性の乏しいHFCs冷
媒あるいは使用圧力が高いCO2などの自然冷媒を用い
た場合や、高負荷で運転した場合等で生じていたシャフ
トの摩耗を低減する。 【解決手段】 密閉容器と、前記密閉容器内に設けられ
た、固定子と回転子とを有する電動機と、前記電動機か
らの動力により駆動する圧縮機構部と少なくとも備えた
密閉型圧縮機に用いられる、前記電動機から前記圧縮機
溝部へ動力を伝達するためのシャフトであって、前記シ
ャフトの摺動面の表面層は、少なくとも窒素との化合物
層の厚み21以上の部分を含まない、拡散層厚み22か
ら形成されていることを特徴とする。
媒あるいは使用圧力が高いCO2などの自然冷媒を用い
た場合や、高負荷で運転した場合等で生じていたシャフ
トの摩耗を低減する。 【解決手段】 密閉容器と、前記密閉容器内に設けられ
た、固定子と回転子とを有する電動機と、前記電動機か
らの動力により駆動する圧縮機構部と少なくとも備えた
密閉型圧縮機に用いられる、前記電動機から前記圧縮機
溝部へ動力を伝達するためのシャフトであって、前記シ
ャフトの摺動面の表面層は、少なくとも窒素との化合物
層の厚み21以上の部分を含まない、拡散層厚み22か
ら形成されていることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍空調機器等に
用いられる密閉型圧縮機とそのシャフトおよび製造方法
に関するものである。
用いられる密閉型圧縮機とそのシャフトおよび製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷凍空調用の密閉型電動圧縮機として
は、圧縮機構の方式がレシプロ式、ローリングピストン
式およびスクロール式のものがあり、いずれの方法も家
庭用、業務用の冷凍空調分野で使用されている。いずれ
の方式の圧縮機も圧縮機構部を駆動するシャフトと、他
にいくつかの摺動部品で構成されている。ここでは、空
調機用のスクロール圧縮機を例にとり、従来の技術を説
明する。
は、圧縮機構の方式がレシプロ式、ローリングピストン
式およびスクロール式のものがあり、いずれの方法も家
庭用、業務用の冷凍空調分野で使用されている。いずれ
の方式の圧縮機も圧縮機構部を駆動するシャフトと、他
にいくつかの摺動部品で構成されている。ここでは、空
調機用のスクロール圧縮機を例にとり、従来の技術を説
明する。
【0003】図6に従来のスクロール圧縮機の縦断面図
を示す。密閉容器1の内部には、固定スクロール2aと
可動スクロール3とから構成された圧縮機構部2、固定
スクロール2aに対して可動スクロール3をオルダム継
手4を介して旋回運動させるシャフト5と、固定スクロ
ール2aを固定されシャフト5を回転自在に支持する軸
受部材6を設けている。
を示す。密閉容器1の内部には、固定スクロール2aと
可動スクロール3とから構成された圧縮機構部2、固定
スクロール2aに対して可動スクロール3をオルダム継
手4を介して旋回運動させるシャフト5と、固定スクロ
ール2aを固定されシャフト5を回転自在に支持する軸
受部材6を設けている。
【0004】シャフト5には電動機7の回転子7aが取
り付けられており、密閉容器1に焼き嵌め固定された固
定子7bとともに軸受部材6の下部に配設されている。
ジャーナル軸受6aは軸受部材6に環状の主軸側ブッシ
ュ材8aを圧入することにより形成されており、シャフ
ト5に作用する径方向の力を支えている。また、可動ス
クロール3に設けられたジャーナル軸受である偏芯軸受
3aも環状の偏芯軸側ブッシュ材8bを圧入することに
より形成されており、シャフト5の偏芯軸部5aに作用
する径方向の力を支えている。
り付けられており、密閉容器1に焼き嵌め固定された固
定子7bとともに軸受部材6の下部に配設されている。
ジャーナル軸受6aは軸受部材6に環状の主軸側ブッシ
ュ材8aを圧入することにより形成されており、シャフ
ト5に作用する径方向の力を支えている。また、可動ス
クロール3に設けられたジャーナル軸受である偏芯軸受
3aも環状の偏芯軸側ブッシュ材8bを圧入することに
より形成されており、シャフト5の偏芯軸部5aに作用
する径方向の力を支えている。
【0005】密閉容器1の下方底部には潤滑油9を貯溜
する油溜め10が設けられており、シャフト5の貫通穴
13の下端より油溜め10の潤滑油9をシャフト5の回
転に伴いオイルポンプ17で吸い上げ、ジャーナル軸受
6a、偏芯軸受3a、および各摺動面へ供給する。ま
た、密閉容器1の外部には、冷媒ガスの吸入管11と、
吐出管16が設けられている。
する油溜め10が設けられており、シャフト5の貫通穴
13の下端より油溜め10の潤滑油9をシャフト5の回
転に伴いオイルポンプ17で吸い上げ、ジャーナル軸受
6a、偏芯軸受3a、および各摺動面へ供給する。ま
た、密閉容器1の外部には、冷媒ガスの吸入管11と、
吐出管16が設けられている。
【0006】次に、以上のような構成を有する従来のス
クロール圧縮機における、冷媒ガスの圧縮サイクルを説
明する。空調機の熱交換器(図示せず)などを循環して
きた低圧の冷媒ガスは吸入管11より圧縮機構部2に吸
入される。
クロール圧縮機における、冷媒ガスの圧縮サイクルを説
明する。空調機の熱交換器(図示せず)などを循環して
きた低圧の冷媒ガスは吸入管11より圧縮機構部2に吸
入される。
【0007】吸入された冷媒ガスは、固定スクロール2
aと可動スクロール3との間に形成された三日月状の圧
縮空間(図示せず)に入り、可動スクロール3の旋回運
動により三日月状の圧縮空間が外側から中央に向かって
次第に縮小することで、冷媒ガスは圧縮され吐出孔12
より吐出される。
aと可動スクロール3との間に形成された三日月状の圧
縮空間(図示せず)に入り、可動スクロール3の旋回運
動により三日月状の圧縮空間が外側から中央に向かって
次第に縮小することで、冷媒ガスは圧縮され吐出孔12
より吐出される。
【0008】圧縮されたガスは高圧ガスとなり、一旦密
閉容器1内の固定スクロール2aの上方の吐出空間1a
へ吐出され、ガス通路14を通じ、電動機7が収容され
た下部空間1bに流れ、先のガス通路14とは別に設け
られたガス通路15を通じ、上方の空間に流れ、吐出管
16より、外部の図示しない熱交換器などの空調システ
ムへ吐出される。そして、高圧ガスは該空調システムに
おいて空調機の熱交換器などを循環し、再び吸入管11
より圧縮機に戻る周知の圧縮サイクルを構成する。
閉容器1内の固定スクロール2aの上方の吐出空間1a
へ吐出され、ガス通路14を通じ、電動機7が収容され
た下部空間1bに流れ、先のガス通路14とは別に設け
られたガス通路15を通じ、上方の空間に流れ、吐出管
16より、外部の図示しない熱交換器などの空調システ
ムへ吐出される。そして、高圧ガスは該空調システムに
おいて空調機の熱交換器などを循環し、再び吸入管11
より圧縮機に戻る周知の圧縮サイクルを構成する。
【0009】次に、従来のスクロール圧縮機における、
各摺動部へ潤滑油9を供給する潤滑油の循環サイクルを
説明する。油溜め10からオイルポンプ17で吸い上げ
られた潤滑油9は、シャフト5の貫通穴13の中を上昇
し、偏心軸受3a、ジャーナル軸受6aおよび各摺動部
を潤滑、冷却して、ジャーナル軸受6aの下部の油排出
口から固定子7b上部へ排出され、固定子7bの通路1
8を通って油だめ10に戻る潤滑油の循環サイクルを形
成している。
各摺動部へ潤滑油9を供給する潤滑油の循環サイクルを
説明する。油溜め10からオイルポンプ17で吸い上げ
られた潤滑油9は、シャフト5の貫通穴13の中を上昇
し、偏心軸受3a、ジャーナル軸受6aおよび各摺動部
を潤滑、冷却して、ジャーナル軸受6aの下部の油排出
口から固定子7b上部へ排出され、固定子7bの通路1
8を通って油だめ10に戻る潤滑油の循環サイクルを形
成している。
【0010】また、図7は、上記従来のシャフト5の製
作工程を示したものである。シャフト5を製作するのに
用いられるシャフト素材700には、内部応力の緩和や
組織調整のため熱処理したネズミ鋳鉄材またはS45C
を用いている。
作工程を示したものである。シャフト5を製作するのに
用いられるシャフト素材700には、内部応力の緩和や
組織調整のため熱処理したネズミ鋳鉄材またはS45C
を用いている。
【0011】前仕上加工工程701では、そのシャフト
素材700を仕上前の形状(表面の研削または研磨代分
を残す)まで加工し、加工油等の付着物を洗浄除去す
る。
素材700を仕上前の形状(表面の研削または研磨代分
を残す)まで加工し、加工油等の付着物を洗浄除去す
る。
【0012】その後、高周波焼入工程702で、シャフ
ト5のジャーナル部(ジャーナル軸受6aと、偏心軸受
3aに対応するシャフト部分)の表面となる部分に高周
波焼入による表面硬化処理を行う。そして、仕上加工工
程703に移し、ジャーナル部の表面となる部分を、研
削や研磨加工より設計どおりの寸法と表面粗さに仕上げ
て完成することにより、シャフト5が得られる。以上の
製作工程により得られたシャフト5のジャーナル部の表
面硬度は約Hv400〜600である。
ト5のジャーナル部(ジャーナル軸受6aと、偏心軸受
3aに対応するシャフト部分)の表面となる部分に高周
波焼入による表面硬化処理を行う。そして、仕上加工工
程703に移し、ジャーナル部の表面となる部分を、研
削や研磨加工より設計どおりの寸法と表面粗さに仕上げ
て完成することにより、シャフト5が得られる。以上の
製作工程により得られたシャフト5のジャーナル部の表
面硬度は約Hv400〜600である。
【0013】一方、軸受部材6にはネズミ鋳鉄材を用
い、ジャーナル軸受6aの環状のブッシュ材8aには、
裏金付き樹脂複合軸受材を用いている。その裏金付き樹
脂複合軸受材は、板厚1.3〜1.8mm程度の鋼板を
裏金に用い、その鋼板上面に樹脂複合層を形成したもの
で、この樹脂複合層には銅合金、アルミニウム合金、鉛
基ホワイトメタルや、カーボンなどの硬質物質が樹脂層
に分散して含有されている。
い、ジャーナル軸受6aの環状のブッシュ材8aには、
裏金付き樹脂複合軸受材を用いている。その裏金付き樹
脂複合軸受材は、板厚1.3〜1.8mm程度の鋼板を
裏金に用い、その鋼板上面に樹脂複合層を形成したもの
で、この樹脂複合層には銅合金、アルミニウム合金、鉛
基ホワイトメタルや、カーボンなどの硬質物質が樹脂層
に分散して含有されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成では、
圧縮室内のガス圧力や慣性力等のため旋回スクロールに
は径方向の荷重が作用する。この荷重は、その作用する
方向がシャフト5の回転とほぼ同じ方向に回転し、偏心
軸受3aから偏芯軸部5aへ、そしてシャフト5を介し
てジャーナル軸受6aで支持される。すなわち、シャフ
ト5は回転時、外周面のほぼ同じ部分を、ガス圧縮等に
より発生する非常に大きな荷重で、ジャーナル軸受6a
の内周面に押し付けられながら摺動される。
圧縮室内のガス圧力や慣性力等のため旋回スクロールに
は径方向の荷重が作用する。この荷重は、その作用する
方向がシャフト5の回転とほぼ同じ方向に回転し、偏心
軸受3aから偏芯軸部5aへ、そしてシャフト5を介し
てジャーナル軸受6aで支持される。すなわち、シャフ
ト5は回転時、外周面のほぼ同じ部分を、ガス圧縮等に
より発生する非常に大きな荷重で、ジャーナル軸受6a
の内周面に押し付けられながら摺動される。
【0015】したがって、過酷な運転条件や従来フロン
HCFCの代替用冷媒ガス(HFC410A、CO
2等)での高差圧の運転条件においては、ガス圧縮によ
り過大な荷重が発生しジャーナル軸受6aとシャフト5
の間で潤滑油膜が非常に薄くなり、部分的に接触する混
合潤滑状態となる。この混合潤滑状態が続いた場合に
は、軸受の樹脂複合層に含まれる硬質物質により、シャ
フト5のジャーナル部表面の焼入されている硬化層に摩
耗が発生する課題が生じていた。
HCFCの代替用冷媒ガス(HFC410A、CO
2等)での高差圧の運転条件においては、ガス圧縮によ
り過大な荷重が発生しジャーナル軸受6aとシャフト5
の間で潤滑油膜が非常に薄くなり、部分的に接触する混
合潤滑状態となる。この混合潤滑状態が続いた場合に
は、軸受の樹脂複合層に含まれる硬質物質により、シャ
フト5のジャーナル部表面の焼入されている硬化層に摩
耗が発生する課題が生じていた。
【0016】また、摺動損失が大きく、効率が低下する
という課題も生じていた。
という課題も生じていた。
【0017】本発明はこのような従来の課題を解決する
ものであり、耐摩耗性が高く、摺動損失が低いシャフト
を安価に実現すると共に、それを用いた信頼性、効率が
高い密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
ものであり、耐摩耗性が高く、摺動損失が低いシャフト
を安価に実現すると共に、それを用いた信頼性、効率が
高い密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の本発明(請求項1に対応)は、密閉容器
と、前記密閉容器内に設けられた、固定子と回転子とを
有する電動機と、前記電動機からの動力により駆動する
圧縮機構部とを少なくとも備えた密閉型圧縮機に用いら
れる、前記電動機から前記圧縮機溝部へ動力を伝達する
ためのシャフトであって、前記シャフトの摺動面の表面
層は、少なくとも窒素との化合物層の厚み以上の部分を
含まない、窒化処理された部分から形成されていること
を特徴とするシャフトである。
めに、第1の本発明(請求項1に対応)は、密閉容器
と、前記密閉容器内に設けられた、固定子と回転子とを
有する電動機と、前記電動機からの動力により駆動する
圧縮機構部とを少なくとも備えた密閉型圧縮機に用いら
れる、前記電動機から前記圧縮機溝部へ動力を伝達する
ためのシャフトであって、前記シャフトの摺動面の表面
層は、少なくとも窒素との化合物層の厚み以上の部分を
含まない、窒化処理された部分から形成されていること
を特徴とするシャフトである。
【0019】また、第2の本発明(請求項2に対応)
は、前記表面層は、前記窒化処理が行われる前に、酸化
皮膜が除去されていることを特徴とする上記本発明であ
る。
は、前記表面層は、前記窒化処理が行われる前に、酸化
皮膜が除去されていることを特徴とする上記本発明であ
る。
【0020】また、第3の本発明(請求項3に対応)
は、前記表面層の硬度はHv1000以上であることを
特徴とする上記本発明である。
は、前記表面層の硬度はHv1000以上であることを
特徴とする上記本発明である。
【0021】また、第4の本発明(請求項4に対応)
は、Al、Cr、V、Mo、Ti、Siの内少なくとも
一つの成分を0.2%以上含み、縦弾性係数が190G
Pa以上の材料で製作されたことを特徴とする上記本発
明である。
は、Al、Cr、V、Mo、Ti、Siの内少なくとも
一つの成分を0.2%以上含み、縦弾性係数が190G
Pa以上の材料で製作されたことを特徴とする上記本発
明である。
【0022】また、第5の本発明(請求項5に対応)
は、Alを0.70%〜1.30%、Crを1.00%
〜1.80%、Moを0.10%〜0.5を含む窒化用
鋼で製作されたことを特徴とする上記本発明である。
は、Alを0.70%〜1.30%、Crを1.00%
〜1.80%、Moを0.10%〜0.5を含む窒化用
鋼で製作されたことを特徴とする上記本発明である。
【0023】また、第6の本発明(請求項6に対応)
は、Crを11.50%〜18.00%含むマルテンサ
イト系ステンレス鋼で製作されたことを特徴とする上記
本発明である。
は、Crを11.50%〜18.00%含むマルテンサ
イト系ステンレス鋼で製作されたことを特徴とする上記
本発明である。
【0024】また、第7の本発明(請求項7に対応)
は、Crを15.00%〜18.00%含む析出硬化系
ステンレス鋼で製作されたことを特徴とする上記本発明
である。
は、Crを15.00%〜18.00%含む析出硬化系
ステンレス鋼で製作されたことを特徴とする上記本発明
である。
【0025】また、第8の本発明(請求項8に対応)
は、Crを2.00%〜15.00%含む金型用合金工
具鋼で製作されたことを特徴とする上記本発明である。
は、Crを2.00%〜15.00%含む金型用合金工
具鋼で製作されたことを特徴とする上記本発明である。
【0026】また、第9の本発明(請求項9に対応)
は、密閉容器と、前記密閉容器内に設けられた、固定子
と回転子とを有する電動機と、前記電動機からの動力に
より駆動する圧縮機構部とを少なくとも備えた密閉型圧
縮機が有する、前記電動機から前記圧縮機溝部へ動力を
伝達するためのシャフトの製造方法であって、前記シャ
フトの摺動面の表面層を窒化する窒化処理工程と、前記
窒化処理工程後の表面から、少なくとも窒素との化合物
層の厚み以上の部分を除去して窒化層表面を得る仕上加
工工程とを備えたことを特徴とするシャフトの製造方法
である。
は、密閉容器と、前記密閉容器内に設けられた、固定子
と回転子とを有する電動機と、前記電動機からの動力に
より駆動する圧縮機構部とを少なくとも備えた密閉型圧
縮機が有する、前記電動機から前記圧縮機溝部へ動力を
伝達するためのシャフトの製造方法であって、前記シャ
フトの摺動面の表面層を窒化する窒化処理工程と、前記
窒化処理工程後の表面から、少なくとも窒素との化合物
層の厚み以上の部分を除去して窒化層表面を得る仕上加
工工程とを備えたことを特徴とするシャフトの製造方法
である。
【0027】また、第10の本発明(請求項10に対
応)は、前記窒化処理工程の前に、前記シャフトの摺動
面の表面層の酸化皮膜を除去する酸化皮膜除去工程を更
に備えたことを特徴とする上記本発明である。
応)は、前記窒化処理工程の前に、前記シャフトの摺動
面の表面層の酸化皮膜を除去する酸化皮膜除去工程を更
に備えたことを特徴とする上記本発明である。
【0028】また、第11の本発明(請求項11に対
応)は、前記窒化層表面の硬度がHv1000以上であ
ることを特徴とする上記本発明である。
応)は、前記窒化層表面の硬度がHv1000以上であ
ることを特徴とする上記本発明である。
【0029】また、第12の本発明(請求項12に対
応)は、前記シャフトの材料として、Al、Cr、V、
Mo、Ti、Siの内少なくとも一つの成分を0.2%
以上含み、縦弾性係数が190GPa以上の材料を用い
たことを特徴とする上記本発明である。
応)は、前記シャフトの材料として、Al、Cr、V、
Mo、Ti、Siの内少なくとも一つの成分を0.2%
以上含み、縦弾性係数が190GPa以上の材料を用い
たことを特徴とする上記本発明である。
【0030】また、第12の本発明(請求項12に対
応)は、前記シャフトの材料として、Alを0.70%
〜1.30%、Crを1.00%〜1.80%、Moを
0.10%〜0.5を含む窒化用鋼を用いたことを特徴
とする上記本発明である。
応)は、前記シャフトの材料として、Alを0.70%
〜1.30%、Crを1.00%〜1.80%、Moを
0.10%〜0.5を含む窒化用鋼を用いたことを特徴
とする上記本発明である。
【0031】また、第13の本発明(請求項13に対
応)は、前記シャフトの材料として、Crを11.50
%〜18.00%含むマルテンサイト系ステンレス鋼を
用いたことを特徴とする上記本発明である。
応)は、前記シャフトの材料として、Crを11.50
%〜18.00%含むマルテンサイト系ステンレス鋼を
用いたことを特徴とする上記本発明である。
【0032】また、第14の本発明(請求項14に対
応)は、前記シャフトの材料として、Crを15.00
%〜18.00%含む析出硬化系ステンレス鋼を用いた
ことを特徴とする上記本発明である。
応)は、前記シャフトの材料として、Crを15.00
%〜18.00%含む析出硬化系ステンレス鋼を用いた
ことを特徴とする上記本発明である。
【0033】また、第15の本発明(請求項15に対
応)は、前記シャフトの材料として、Crを2.00%
〜15.00%含む金型用合金工具鋼を用いたことを特
徴とする上記本発明である。
応)は、前記シャフトの材料として、Crを2.00%
〜15.00%含む金型用合金工具鋼を用いたことを特
徴とする上記本発明である。
【0034】また、第16の本発明(請求項16に対
応)は、第1から第7のいずれかの本発明のシャフト
と、密閉容器と、前記密閉容器内に設けられた、電動機
と、前記電動機により駆動される圧縮機構部とを少なく
とも備え、前記シャフトは前記電動機の動力を前記圧縮
機構部へ伝達することを特徴とする密閉型圧縮機であ
る。
応)は、第1から第7のいずれかの本発明のシャフト
と、密閉容器と、前記密閉容器内に設けられた、電動機
と、前記電動機により駆動される圧縮機構部とを少なく
とも備え、前記シャフトは前記電動機の動力を前記圧縮
機構部へ伝達することを特徴とする密閉型圧縮機であ
る。
【0035】また、第17の本発明(請求項17に対
応)は、前記圧縮機構部は、スクロール型であることを
特徴とする上記本発明である。
応)は、前記圧縮機構部は、スクロール型であることを
特徴とする上記本発明である。
【0036】また、第18の本発明(請求項18に対
応)は、HFC、HC、二酸化炭素のいずれかを主成分
とする冷媒を用いたことを特徴とする上記本発明であ
る。
応)は、HFC、HC、二酸化炭素のいずれかを主成分
とする冷媒を用いたことを特徴とする上記本発明であ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。尚、本発明の一実施
の形態で用いたスクロール圧縮機の構成において、図6
で説明した従来の技術の例と同一機能部品については同
一番号を使用し、同一の構成および作用の説明は省く。
いて図面を参照しながら説明する。尚、本発明の一実施
の形態で用いたスクロール圧縮機の構成において、図6
で説明した従来の技術の例と同一機能部品については同
一番号を使用し、同一の構成および作用の説明は省く。
【0038】(実施の形態1)本発明の実施の形態1に
ついて、図1〜図4を用いて説明する。図1は本発明の
密閉型圧縮機用シャフトの表面近傍の断面図、図2はシ
ャフト製作工程図、図3は窒化処理工程後のシャフト断
面の硬度分布、および図4はシャフト材料の説明に用い
た図である。
ついて、図1〜図4を用いて説明する。図1は本発明の
密閉型圧縮機用シャフトの表面近傍の断面図、図2はシ
ャフト製作工程図、図3は窒化処理工程後のシャフト断
面の硬度分布、および図4はシャフト材料の説明に用い
た図である。
【0039】本実施の形態と従来例との大きな違いは、
シャフトの表面硬度、実現する材料および製作工程の三
点である。まず、本発明の実施の形態によるシャフトの
製作方法について、図2に示す製作工程1に従い説明す
る。
シャフトの表面硬度、実現する材料および製作工程の三
点である。まず、本発明の実施の形態によるシャフトの
製作方法について、図2に示す製作工程1に従い説明す
る。
【0040】シャフト素材200としては、内部応力の
緩和や組織調整のため、熱処理した窒化用鋼SACM6
45(JIS規格に基づく)を用いた。
緩和や組織調整のため、熱処理した窒化用鋼SACM6
45(JIS規格に基づく)を用いた。
【0041】前仕上加工工程201では、そのシャフト
素材200を仕上前の形状(表面の研削または研磨代分
を残す)に加工し、加工油等の付着物を洗浄除去する。
その後、シャフト素材200を窒化処理工程に移す。
素材200を仕上前の形状(表面の研削または研磨代分
を残す)に加工し、加工油等の付着物を洗浄除去する。
その後、シャフト素材200を窒化処理工程に移す。
【0042】窒化処理工程202は、雰囲気ガスの温度
と圧力を制御できる窒化処理炉に、シャフト素材200
を入れて行う。雰囲気ガスは、窒素に所定濃度のアンモ
ニア等の窒化用ガス(または、炭化水素ガスを加えた浸
炭窒化用ガス等)を加えた混合ガスを用いて、雰囲気ガ
スを所定温度(300℃〜550℃の間で、例えば50
0℃)に加熱し、シャフトを所定時間(例えば60時
間)加熱保持する。
と圧力を制御できる窒化処理炉に、シャフト素材200
を入れて行う。雰囲気ガスは、窒素に所定濃度のアンモ
ニア等の窒化用ガス(または、炭化水素ガスを加えた浸
炭窒化用ガス等)を加えた混合ガスを用いて、雰囲気ガ
スを所定温度(300℃〜550℃の間で、例えば50
0℃)に加熱し、シャフトを所定時間(例えば60時
間)加熱保持する。
【0043】加熱されたシャフト素材200の表面のF
e、Crなどとと、アンモニアガスから解離した窒素原
子が反応し、シャフト素材200の表面には、それらの
窒素化合物からなる化合物層(例えば約10〜100μ
m)が形成されるとともに、シャフト素材200の深部
までに窒素が拡散し、化合物層の下に深い拡散層(例え
ば約10〜500μm)が形成される。
e、Crなどとと、アンモニアガスから解離した窒素原
子が反応し、シャフト素材200の表面には、それらの
窒素化合物からなる化合物層(例えば約10〜100μ
m)が形成されるとともに、シャフト素材200の深部
までに窒素が拡散し、化合物層の下に深い拡散層(例え
ば約10〜500μm)が形成される。
【0044】図1は、窒化処理工程後のシャフト素材2
00のジャーナル部となる部分の表面近傍の断面図であ
る。表面層は厚みδ1の窒素との化合物層(顕微鏡でみ
ると白っぽくみえるので白層と呼ばれる)21に覆わ
れ、その下層に厚みδ2の窒素の拡散層22が形成され
ている。
00のジャーナル部となる部分の表面近傍の断面図であ
る。表面層は厚みδ1の窒素との化合物層(顕微鏡でみ
ると白っぽくみえるので白層と呼ばれる)21に覆わ
れ、その下層に厚みδ2の窒素の拡散層22が形成され
ている。
【0045】また、図3は図1に示すシャフト素材20
0の断面の硬度分布の一例を示したものである。図に示
すように、化合物層21の硬度はHv1000を越えて
いるが極表層部分で一旦減少している。これは、化合物
層21が、硬い部分ともろい部分が混在したポーラスな
組織となっているためで、窒化時の温度が高温域(例え
ば450℃以上)の場合に見られるものである。
0の断面の硬度分布の一例を示したものである。図に示
すように、化合物層21の硬度はHv1000を越えて
いるが極表層部分で一旦減少している。これは、化合物
層21が、硬い部分ともろい部分が混在したポーラスな
組織となっているためで、窒化時の温度が高温域(例え
ば450℃以上)の場合に見られるものである。
【0046】このような化合物層21は、硬度が不安定
である。また、窒化処理後のシャフト素材200には、
窒化処理工程202において、窒化処理時の温度や窒化
の影響で歪や曲がりが若干生じている。
である。また、窒化処理後のシャフト素材200には、
窒化処理工程202において、窒化処理時の温度や窒化
の影響で歪や曲がりが若干生じている。
【0047】次に、シャフト素材200を仕上加工工程
203に移す。仕上加工工程203では、シャフト5の
表層の硬度が不安定な化合物層21の除去と、曲がり等
を除去するため、窒化後の表面から図1に示すX−Xの
線まで厚みδ3の除去厚み23を、研削や研磨などで除
去加工するともに、ジャーナル部となる部分の表面を、
設計どおりの寸法と表面粗さに仕上げ、シャフト素材2
00からシャフト5を完成する。ここで重要なことは、
完成後のシャフトの表面の硬度である。
203に移す。仕上加工工程203では、シャフト5の
表層の硬度が不安定な化合物層21の除去と、曲がり等
を除去するため、窒化後の表面から図1に示すX−Xの
線まで厚みδ3の除去厚み23を、研削や研磨などで除
去加工するともに、ジャーナル部となる部分の表面を、
設計どおりの寸法と表面粗さに仕上げ、シャフト素材2
00からシャフト5を完成する。ここで重要なことは、
完成後のシャフトの表面の硬度である。
【0048】表1に、上記方法と従来の方法で、異なる
材料にて製作したシャフト5の表面硬度と、各々を圧縮
機の苛酷試験条件で運転した後のシャフトの摩耗量とを
示す。
材料にて製作したシャフト5の表面硬度と、各々を圧縮
機の苛酷試験条件で運転した後のシャフトの摩耗量とを
示す。
【0049】
【表1】 表1中の、従来の方法で製作した、No.1の高周波焼
入したS45C材のシャフトおよび、No.2の浸炭高
周波焼入したSCM415材のシャフトの表面硬度、摩
耗量をそれぞれ参照すると、各々の表面硬度はHv61
3、Hv824であり、摩耗量が大きい。
入したS45C材のシャフトおよび、No.2の浸炭高
周波焼入したSCM415材のシャフトの表面硬度、摩
耗量をそれぞれ参照すると、各々の表面硬度はHv61
3、Hv824であり、摩耗量が大きい。
【0050】次に、実施の形態1によるシャフトの製造
方法により製作したNo.3のS45C材のシャフトの
場合は、表面硬度はHv804であり、従来の方法によ
るものより硬度は向上しているが、摩耗量は大きい。
方法により製作したNo.3のS45C材のシャフトの
場合は、表面硬度はHv804であり、従来の方法によ
るものより硬度は向上しているが、摩耗量は大きい。
【0051】これに対し、実施の形態1によるシャフト
の製造方法により製作したNo.4のSACM645材
のシャフトの場合、表面硬度がHv1000以上のHv
1077を得ているとともに、摩耗量は、なじみ程度に
小さく、耐摩耗性が向上している。
の製造方法により製作したNo.4のSACM645材
のシャフトの場合、表面硬度がHv1000以上のHv
1077を得ているとともに、摩耗量は、なじみ程度に
小さく、耐摩耗性が向上している。
【0052】このように、密閉型圧縮機に用いるシャフ
トの表面部の摩耗の抑制には、表面硬度をHv1000
以上にすることが有効である。
トの表面部の摩耗の抑制には、表面硬度をHv1000
以上にすることが有効である。
【0053】図1と図3で、シャフト5の表面硬度をH
v1000以上とする加工例を説明する。図3に示す断
面硬度分布の場合、窒素の化合物層21の厚みδ1は約
30μm、窒素の拡散層22の厚みδ2は約400μm
となっており、除去厚み23の厚み分δ3を約100μ
として除去する。仕上加工工程203後のシャフト5の
表面は図1及び図3に示すX−Xの部分が表面となり、
その表面硬度はHv1000(図3のX−X部の硬度参
照)を越えるシャフト5が実現できる。
v1000以上とする加工例を説明する。図3に示す断
面硬度分布の場合、窒素の化合物層21の厚みδ1は約
30μm、窒素の拡散層22の厚みδ2は約400μm
となっており、除去厚み23の厚み分δ3を約100μ
として除去する。仕上加工工程203後のシャフト5の
表面は図1及び図3に示すX−Xの部分が表面となり、
その表面硬度はHv1000(図3のX−X部の硬度参
照)を越えるシャフト5が実現できる。
【0054】したがって、本実施の形態により製作した
シャフトは、その材料によって表面硬度をHv1000
以上にできるため、密閉型圧縮機を運転する際に生ずる
磨耗を抑制することができる。
シャフトは、その材料によって表面硬度をHv1000
以上にできるため、密閉型圧縮機を運転する際に生ずる
磨耗を抑制することができる。
【0055】また、窒化処理工程により生じた化合物層
を含む表面を除去加工することで、表面での硬度分布が
少なく、曲がりのないシャフト5が作成される。このシ
ャフト5を密閉型のスクロール圧縮機に用いることで、
シャフト5の磨耗を抑制できるため、圧縮機の信頼性を
向上でき、また、ジャーナル軸受での損失を減少できる
ため、圧縮機の効率の向上も実現できる。
を含む表面を除去加工することで、表面での硬度分布が
少なく、曲がりのないシャフト5が作成される。このシ
ャフト5を密閉型のスクロール圧縮機に用いることで、
シャフト5の磨耗を抑制できるため、圧縮機の信頼性を
向上でき、また、ジャーナル軸受での損失を減少できる
ため、圧縮機の効率の向上も実現できる。
【0056】次に、本実施の形態のシャフト5(シャフ
ト素材200)の材料について説明する。
ト素材200)の材料について説明する。
【0057】上述した表1の実施例No.3であるSA
CM645のような窒化鋼が窒化されやすいのは、SA
CM645材に含まれるAl、Cr,Moが、硬度の高
い窒素化合物を形成し易いためである。
CM645のような窒化鋼が窒化されやすいのは、SA
CM645材に含まれるAl、Cr,Moが、硬度の高
い窒素化合物を形成し易いためである。
【0058】ここで図4は窒化化合物を形成しやすい元
素の量と硬さの関係(潤滑ハンドブック、P546、1
987、養賢堂)を示すものである。Al,Crの影響
は非常に大きく、Mo、V,Mn,Siも表面硬度向上
へ比較的大きい影響を与えるがことがわかる。また、図
4には示されていないが、Tiも同様の影響を与える
(例えば「鋼の熱処理 改訂5版」 P97 昭和45
年10月1日発行、昭和49年6月25日第2版発行
編者 社団法人日本鉄鋼協会 発行所 丸善株式会社、
を参照)。
素の量と硬さの関係(潤滑ハンドブック、P546、1
987、養賢堂)を示すものである。Al,Crの影響
は非常に大きく、Mo、V,Mn,Siも表面硬度向上
へ比較的大きい影響を与えるがことがわかる。また、図
4には示されていないが、Tiも同様の影響を与える
(例えば「鋼の熱処理 改訂5版」 P97 昭和45
年10月1日発行、昭和49年6月25日第2版発行
編者 社団法人日本鉄鋼協会 発行所 丸善株式会社、
を参照)。
【0059】しかし、これらの元素をほとんど含まない
S45C等の炭素鋼のシャフトを窒化処理しても、その
表面硬度は、表1のNo.3のように、Hv1000以
上にできなかった。
S45C等の炭素鋼のシャフトを窒化処理しても、その
表面硬度は、表1のNo.3のように、Hv1000以
上にできなかった。
【0060】これに対し、先のAl、Cr,Mo、V,
Mn,Si、Tiなどの元素を含む合金では、窒化処理
することによりHv1000以上が可能である。
Mn,Si、Tiなどの元素を含む合金では、窒化処理
することによりHv1000以上が可能である。
【0061】窒化の容易性や、生産性などから、ドイ
ツ、イギリスなどの海外でも表2、表3に示すような組
成の窒化用鋼が生産されており、これらの窒化用鋼を用
い最適な窒化条件を選定することで、表面硬度Hv10
00以上のシャフトを製作することができる。尚、上記
実施例No.3に用いたSACM645の元素組成は、
表3の中のNo.1に含まれている。
ツ、イギリスなどの海外でも表2、表3に示すような組
成の窒化用鋼が生産されており、これらの窒化用鋼を用
い最適な窒化条件を選定することで、表面硬度Hv10
00以上のシャフトを製作することができる。尚、上記
実施例No.3に用いたSACM645の元素組成は、
表3の中のNo.1に含まれている。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】 また、上記専用の窒化用鋼でなくても、図4の観点から
Crが多く含まれる合金鋼、例えば、Crを2.00%
〜15.00%含む金型用合金工具鋼、Crを11.5
0%〜18.00%含むマルテンサイト系及び15.0
0%〜18.00%含む析出硬化ステンレス鋼などで
も、窒化条件により硬い化合物層を形成でき、表面硬度
Hv1000以上のシャフトを製作することができる。
これらの材料は比較的入手のしやすいという利点がある
が、コストと窒化の容易性については、先の窒化用鋼の
方が有利である。
Crが多く含まれる合金鋼、例えば、Crを2.00%
〜15.00%含む金型用合金工具鋼、Crを11.5
0%〜18.00%含むマルテンサイト系及び15.0
0%〜18.00%含む析出硬化ステンレス鋼などで
も、窒化条件により硬い化合物層を形成でき、表面硬度
Hv1000以上のシャフトを製作することができる。
これらの材料は比較的入手のしやすいという利点がある
が、コストと窒化の容易性については、先の窒化用鋼の
方が有利である。
【0064】尚、以上に示したシャフト5の材料は、窒
素と化合物を形成しやすいAl、Cr、V、Mo、T
i、Siの内少なくとも一つの成分を0.2%以上含む
もので、さらに、Cを0.1〜0.45%含む縦弾性係
数が190GPa以上を有する合金鋼である。
素と化合物を形成しやすいAl、Cr、V、Mo、T
i、Siの内少なくとも一つの成分を0.2%以上含む
もので、さらに、Cを0.1〜0.45%含む縦弾性係
数が190GPa以上を有する合金鋼である。
【0065】このように縦弾性係数が鋳鉄材などより高
い190GPa以上の材料で表面硬度がHv1000以
上のシャフト5を製作して、密閉型圧縮機に用いること
で、過酷な運転条件等でもシャフト5に生じるたわみを
小さくでき、偏心軸受3aおよびジャーナル軸受け6a
での片当たりなどによる摺動条件の劣化を防止でき摩耗
をより防止できるため、信頼性を向上するとともに、そ
れら軸受けでの損失を低減する事ができる。
い190GPa以上の材料で表面硬度がHv1000以
上のシャフト5を製作して、密閉型圧縮機に用いること
で、過酷な運転条件等でもシャフト5に生じるたわみを
小さくでき、偏心軸受3aおよびジャーナル軸受け6a
での片当たりなどによる摺動条件の劣化を防止でき摩耗
をより防止できるため、信頼性を向上するとともに、そ
れら軸受けでの損失を低減する事ができる。
【0066】本実施の形態により、過酷な運転条件等で
従来生じていたシャフト5の表面の磨耗を防止でき、摺
動損失を低減できることが可能となり、そのシャフトを
用いることで信頼性と効率の高いスクロール圧縮機を実
現できる。
従来生じていたシャフト5の表面の磨耗を防止でき、摺
動損失を低減できることが可能となり、そのシャフトを
用いることで信頼性と効率の高いスクロール圧縮機を実
現できる。
【0067】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2を、図3及び5を用いて説明する。図3は本発明の
実施の形態2におけるシャフトの断面硬度分布、図5は
本実施の形態のシャフトの製作工程図である。
態2を、図3及び5を用いて説明する。図3は本発明の
実施の形態2におけるシャフトの断面硬度分布、図5は
本実施の形態のシャフトの製作工程図である。
【0068】実施の形態1との違いは、図5に示す工程
仕様2のように、シャフト5の製作工程で窒化処理工程
202の前に、酸化皮膜除去工程501を追加した点で
ある。この工程を追加した目的は、実施の形態1での窒
化処理工程202をふくめた製作工程に要する時間の短
縮と、コストの低減である。
仕様2のように、シャフト5の製作工程で窒化処理工程
202の前に、酸化皮膜除去工程501を追加した点で
ある。この工程を追加した目的は、実施の形態1での窒
化処理工程202をふくめた製作工程に要する時間の短
縮と、コストの低減である。
【0069】そのシャフトの製作方法について、図5に
示す製作工程に従い説明する。ただし、酸化皮膜除去工
程501の追加を除き、他の工程は実施の形態1と同様
である。
示す製作工程に従い説明する。ただし、酸化皮膜除去工
程501の追加を除き、他の工程は実施の形態1と同様
である。
【0070】実施の形態1同様に、シャフト素材200
としては熱処理した窒化鋼SACM645を用い、同様
に前仕上加工工程201では、シャフト素材200を加
工し洗浄除去する。その後、シャフト素材200を酸化
皮膜除去工程501に移す。
としては熱処理した窒化鋼SACM645を用い、同様
に前仕上加工工程201では、シャフト素材200を加
工し洗浄除去する。その後、シャフト素材200を酸化
皮膜除去工程501に移す。
【0071】酸化皮膜除去工程501は、シャフト素材
200を雰囲気の温度と圧力を制御できる雰囲気炉内に
入れて行う。雰囲気ガスは、窒素ガスにNF3、または
CF4、HF、SF6、F2のうち1つ以上の活性ガスを
所定濃度(例えば20000〜80000ppmの間
で、例えば40000ppm)混合したガスを用い、所
定温度(約250℃〜約450℃間で、例えば400
度)のガス雰囲気中でシャフト素材200を所定時間
(数十分程度、例えば15分)加熱保持する。
200を雰囲気の温度と圧力を制御できる雰囲気炉内に
入れて行う。雰囲気ガスは、窒素ガスにNF3、または
CF4、HF、SF6、F2のうち1つ以上の活性ガスを
所定濃度(例えば20000〜80000ppmの間
で、例えば40000ppm)混合したガスを用い、所
定温度(約250℃〜約450℃間で、例えば400
度)のガス雰囲気中でシャフト素材200を所定時間
(数十分程度、例えば15分)加熱保持する。
【0072】加熱された状態で、雰囲気ガス中の活性な
NF3が、シャフト素材200の表面近傍に形成されて
いる酸化鉄や、酸化クロムなどの酸化皮膜と反応し、シ
ャフト素材200の表面の酸化皮膜をFeF2、FeF3
やCrF2、CrF4などのフッ化皮膜に置換して除去し
する。その後、シャフト素材200を加熱保持したま
ま、つづけて窒化処理工程202に移す。
NF3が、シャフト素材200の表面近傍に形成されて
いる酸化鉄や、酸化クロムなどの酸化皮膜と反応し、シ
ャフト素材200の表面の酸化皮膜をFeF2、FeF3
やCrF2、CrF4などのフッ化皮膜に置換して除去し
する。その後、シャフト素材200を加熱保持したま
ま、つづけて窒化処理工程202に移す。
【0073】窒化処理工程202は、酸化皮膜除去工程
と同じ雰囲気炉中で、連続的に行う。シャフト素材20
0を引き続き所定の温度(約300℃〜約600℃の間
で、例えば500℃)に加熱保持したまま、酸化皮膜除
去工程での雰囲気ガスから窒化処理用のアンモニア等を
含む雰囲気ガス(実施の形態1同様)に切り換える。こ
の際、窒化処理工程202での始めの段階には、雰囲気
ガスにH2やH2Oなどを微量に加え、シャフト素材20
0の表面に形成されたフッ化皮膜を水素により還元し除
去し、シャフト素材200の表面に活性な金属素地の表
面を露呈させる。
と同じ雰囲気炉中で、連続的に行う。シャフト素材20
0を引き続き所定の温度(約300℃〜約600℃の間
で、例えば500℃)に加熱保持したまま、酸化皮膜除
去工程での雰囲気ガスから窒化処理用のアンモニア等を
含む雰囲気ガス(実施の形態1同様)に切り換える。こ
の際、窒化処理工程202での始めの段階には、雰囲気
ガスにH2やH2Oなどを微量に加え、シャフト素材20
0の表面に形成されたフッ化皮膜を水素により還元し除
去し、シャフト素材200の表面に活性な金属素地の表
面を露呈させる。
【0074】この加熱保持された活性な金属素地表面に
は、窒化を邪魔する酸化膜などがないため、金属表面の
Fe、Crなどが、アンモニアガスから解離した窒素原
子と反応しやすい。したがって、実施の形態1の場合
(例えば60時間)より短い時間(例えば約20時間)
で、シャフト素材200の表面にそれらの窒素化合物か
らなる化合物層(約10〜100μm)を形成するとと
もに、深部までに窒素が拡散し化合物層の下に深い拡散
層(約10〜500μm)を形成することができる。ま
た、図3中の曲線(製作工程2)に示すように、実施の
形態1と同様の断面硬度分布を実現できる。
は、窒化を邪魔する酸化膜などがないため、金属表面の
Fe、Crなどが、アンモニアガスから解離した窒素原
子と反応しやすい。したがって、実施の形態1の場合
(例えば60時間)より短い時間(例えば約20時間)
で、シャフト素材200の表面にそれらの窒素化合物か
らなる化合物層(約10〜100μm)を形成するとと
もに、深部までに窒素が拡散し化合物層の下に深い拡散
層(約10〜500μm)を形成することができる。ま
た、図3中の曲線(製作工程2)に示すように、実施の
形態1と同様の断面硬度分布を実現できる。
【0075】その後、実施の形態1同様に、仕上加工工
程203を経て、シャフト素材200よりシャフト5を
完成する。
程203を経て、シャフト素材200よりシャフト5を
完成する。
【0076】上記方法で作成したシャフトは、表面硬度
が、実施の形態1同様にHv1000以上となり、過酷
試験でも、なじみ程度の摩耗しか生じず、良好な耐磨耗
性結果が得られた。
が、実施の形態1同様にHv1000以上となり、過酷
試験でも、なじみ程度の摩耗しか生じず、良好な耐磨耗
性結果が得られた。
【0077】このように、実施の形態1で、例えば約7
0時間(昇温時間なども含めた窒化処理工程に要する時
間)を、上記第2の実施例では、半分以下の例えば約3
0時間(酸化皮膜除去工程から窒化処理工程までに要す
る時間)にすることができる。また、酸化皮膜除去工程
501と窒化処理工程202は炉を共有でき、連続的に
行うことができるため、酸化皮膜除去工程501の追加
による設備変更は少なくてすむ。この処理工程の時間短
縮などにより、生産性を向上でき、シャフトの低コスト
化を実現できる。
0時間(昇温時間なども含めた窒化処理工程に要する時
間)を、上記第2の実施例では、半分以下の例えば約3
0時間(酸化皮膜除去工程から窒化処理工程までに要す
る時間)にすることができる。また、酸化皮膜除去工程
501と窒化処理工程202は炉を共有でき、連続的に
行うことができるため、酸化皮膜除去工程501の追加
による設備変更は少なくてすむ。この処理工程の時間短
縮などにより、生産性を向上でき、シャフトの低コスト
化を実現できる。
【0078】したがって、実施の形態2によれば、実施
の形態1同様に表面硬度Hv1000以上で耐磨耗性が
高く、表面の硬度分布が均一で、曲がりのないシャフト
5が、実施の形態1より安価に実現できる。このシャフ
ト5を密閉型のスクロール圧縮機に用いることで、その
圧縮機においては、シャフトの磨耗を抑制できるため信
頼性向上を安価に実現できるとともに、ジャーナル軸受
での損失を減少できるため効率向上も安価に実現でき
る。
の形態1同様に表面硬度Hv1000以上で耐磨耗性が
高く、表面の硬度分布が均一で、曲がりのないシャフト
5が、実施の形態1より安価に実現できる。このシャフ
ト5を密閉型のスクロール圧縮機に用いることで、その
圧縮機においては、シャフトの磨耗を抑制できるため信
頼性向上を安価に実現できるとともに、ジャーナル軸受
での損失を減少できるため効率向上も安価に実現でき
る。
【0079】尚、酸化皮膜除去工程及び、窒化処理工程
に要する時間や温度等の条件は、表面硬度Hv1000
以上のシャフトを得るためには、シャフトの材料と形状
などによって適時かえる必要があり、上記実施の形態に
記載の条件に制約されるものではない。
に要する時間や温度等の条件は、表面硬度Hv1000
以上のシャフトを得るためには、シャフトの材料と形状
などによって適時かえる必要があり、上記実施の形態に
記載の条件に制約されるものではない。
【0080】また、上記のシャフト5の材料には、実施
の形態1と同様の材料を用いることができることは、言
うまでもない。
の形態1と同様の材料を用いることができることは、言
うまでもない。
【0081】また、上記すべての実施の形態において、
スクロール圧縮機の場合で説明したが、本発明は、密閉
容器と、前記密閉容器内に設けられた、固定子と回転子
とを有する電動機と、前記電動機からの動力により駆動
する圧縮機構部とを少なくとも備えたものであれば、レ
シプロ圧縮機およびロータリー圧縮機など、他の密閉型
圧縮機のシャフトとして用いた場合でも、同様な効果が
得られる。
スクロール圧縮機の場合で説明したが、本発明は、密閉
容器と、前記密閉容器内に設けられた、固定子と回転子
とを有する電動機と、前記電動機からの動力により駆動
する圧縮機構部とを少なくとも備えたものであれば、レ
シプロ圧縮機およびロータリー圧縮機など、他の密閉型
圧縮機のシャフトとして用いた場合でも、同様な効果が
得られる。
【0082】また、上記すべての実施の形態において、
窒化方法は雰囲気ガスにより行うものとして説明を行っ
たが、本発明における材料の窒化処理は、実施の形態に
限らず、他のガス窒化法、ガス軟窒化法、塩浴窒化法、
酸窒化法、浸硫窒化法等でも、表面硬度Hv1000以
上の窒化化合物層を形成することで、上記のの実施の形
態と同様に信頼性や効率を向上できることは言うまでも
ない。
窒化方法は雰囲気ガスにより行うものとして説明を行っ
たが、本発明における材料の窒化処理は、実施の形態に
限らず、他のガス窒化法、ガス軟窒化法、塩浴窒化法、
酸窒化法、浸硫窒化法等でも、表面硬度Hv1000以
上の窒化化合物層を形成することで、上記のの実施の形
態と同様に信頼性や効率を向上できることは言うまでも
ない。
【0083】尚、上記すべての実施の形態において、密
閉型圧縮機に用いられる冷媒は、その種類によらず用い
ることができ、本発明のシャフトは、HFC134aや
HFC410A、ハイドロカーボン(HC)等の塩素を
含まない冷媒や、二酸化炭素、従来のHCFC22などの
冷媒を、冷凍及び空調サイクル装置などに用いた場合に
も、信頼性や効率を向上できることは言うまでもない。
閉型圧縮機に用いられる冷媒は、その種類によらず用い
ることができ、本発明のシャフトは、HFC134aや
HFC410A、ハイドロカーボン(HC)等の塩素を
含まない冷媒や、二酸化炭素、従来のHCFC22などの
冷媒を、冷凍及び空調サイクル装置などに用いた場合に
も、信頼性や効率を向上できることは言うまでもない。
【0084】尚、上記すべての実施の形態において、密
閉型圧縮機に用いられる冷凍機油はその種類によらず用
いることができ、冷凍機油としてHFCs冷媒に対して
相溶するエステル油もしくはエーテル油を用いた場合で
も、上記の実施の形態の場合と同様に信頼性や効率を向
上できることは言うまでもない。
閉型圧縮機に用いられる冷凍機油はその種類によらず用
いることができ、冷凍機油としてHFCs冷媒に対して
相溶するエステル油もしくはエーテル油を用いた場合で
も、上記の実施の形態の場合と同様に信頼性や効率を向
上できることは言うまでもない。
【0085】尚、上記すべての実施の形態において、冷
媒としてHC冷媒を、冷凍機油にはHC冷媒に対して溶
解性の高い鉱油もしくはアルキルベンゼン油を用いた場
合、冷凍機油の粘度低下が著しく、ジャーナル軸受の摺
動条件が一層過酷となるが、本実施の形態のシャフト
は、上記の条件下でも、耐摩耗性を向上させることが可
能であり、高い信頼性を得ることができる。特に冷媒と
して二酸化炭素冷媒を用いた場合には、軸受に作用する
荷重が非常に大きくなるためジャーナル軸受の摺動条件
が一層過酷となるが、本実施の形態のシャフトによれ
ば、信頼性や効率を向上できる。
媒としてHC冷媒を、冷凍機油にはHC冷媒に対して溶
解性の高い鉱油もしくはアルキルベンゼン油を用いた場
合、冷凍機油の粘度低下が著しく、ジャーナル軸受の摺
動条件が一層過酷となるが、本実施の形態のシャフト
は、上記の条件下でも、耐摩耗性を向上させることが可
能であり、高い信頼性を得ることができる。特に冷媒と
して二酸化炭素冷媒を用いた場合には、軸受に作用する
荷重が非常に大きくなるためジャーナル軸受の摺動条件
が一層過酷となるが、本実施の形態のシャフトによれ
ば、信頼性や効率を向上できる。
【0086】尚、上記すべての実施の形態において、シ
ャフトと摺動する軸受として、例えば、ブッシュ材にカ
ーボンを用いた場合や、裏金を有する裏金付きメタル軸
受材、あるいは鋳鉄軸受材を用いた場合でも、本発明の
シャフトは、上記実施の形態と同様に信頼性や効率を向
上できる。さらに、裏金付き樹脂複合軸受材が、裏金上
に形成した多孔質焼結層中に樹脂層を含浸した層を形成
したものであっても勿論良い。
ャフトと摺動する軸受として、例えば、ブッシュ材にカ
ーボンを用いた場合や、裏金を有する裏金付きメタル軸
受材、あるいは鋳鉄軸受材を用いた場合でも、本発明の
シャフトは、上記実施の形態と同様に信頼性や効率を向
上できる。さらに、裏金付き樹脂複合軸受材が、裏金上
に形成した多孔質焼結層中に樹脂層を含浸した層を形成
したものであっても勿論良い。
【0087】以上のように、上記実施の形態によれば、
シャフトのジャーナル部の表面層が、窒化処理工程後、
その表面から少なくとも窒素との化合物層(白層)の厚
み以上除去することにより、表面硬度Hv1000以上
を有するとともに曲がりをなくすことできるため、耐摩
耗性が高く、摺動損失の少ないシャフトが実現できる。
さらに、そのシャフトを用いることで密閉型圧縮機の信
頼性と効率の向上を実現する事ができる。
シャフトのジャーナル部の表面層が、窒化処理工程後、
その表面から少なくとも窒素との化合物層(白層)の厚
み以上除去することにより、表面硬度Hv1000以上
を有するとともに曲がりをなくすことできるため、耐摩
耗性が高く、摺動損失の少ないシャフトが実現できる。
さらに、そのシャフトを用いることで密閉型圧縮機の信
頼性と効率の向上を実現する事ができる。
【0088】また、上記実施の形態によれば、酸化皮膜
除去工程を追加したことにより、窒化処理工程での処理
時間を短縮できるため、信頼性及び効率の高い密閉型圧
縮機およびそのシャフトを安価に実現できる。
除去工程を追加したことにより、窒化処理工程での処理
時間を短縮できるため、信頼性及び効率の高い密閉型圧
縮機およびそのシャフトを安価に実現できる。
【0089】また、上記実施の形態によれば、少なくと
も窒素との化合物層(白層)を除去され、表面硬度Hv
1000以上を有し、曲がりがなく、耐摩耗性が高く、
摺動損失の少ないシャフトを用いることで密閉型圧縮機
の信頼性と効率を向上する事ができる。
も窒素との化合物層(白層)を除去され、表面硬度Hv
1000以上を有し、曲がりがなく、耐摩耗性が高く、
摺動損失の少ないシャフトを用いることで密閉型圧縮機
の信頼性と効率を向上する事ができる。
【0090】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、本発明
によれば、耐摩耗性が高く、摺動損失の少ないシャフト
およびその製造方法が実現できる。
によれば、耐摩耗性が高く、摺動損失の少ないシャフト
およびその製造方法が実現できる。
【0091】さらに、そのシャフトを用いることで密閉
型圧縮機の信頼性と効率の向上を実現する事ができる。
型圧縮機の信頼性と効率の向上を実現する事ができる。
【0092】また、本発明によれば、窒化処理に要する
時間を短縮して、信頼性及び効率の向上したシャフトの
製造方法を実現できる。
時間を短縮して、信頼性及び効率の向上したシャフトの
製造方法を実現できる。
【図1】本発明の実施の形態1によるシャフトの表面近
傍の断面図
傍の断面図
【図2】本発明の実施の形態1によるシャフト製作工程
図
図
【図3】本発明の実施の形態1における窒化処理工程後
のシャフト素材の断面の硬さ分布を示す図
のシャフト素材の断面の硬さ分布を示す図
【図4】シャフト材料の説明図
【図5】本発明の実施の形態2によるシャフト製作工程
図
図
【図6】従来例のスクロール圧縮機の縦断面図
【図7】従来例のシャフト製作工程図
5 シャフト 21 化合物層 22 拡散層 23 除去厚み 200 シャフト素材
フロントページの続き (72)発明者 松尾 光晴 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 福原 弘之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岡 秀人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3H003 AA05 AB03 AC03 AD01 CA01 3H029 AA02 AA14 AB03 BB31 BB44 CC08 CC16 CC38 3H039 AA03 AA06 AA12 BB04 BB05 BB07 CC10 CC12 CC36
Claims (19)
- 【請求項1】 密閉容器と、前記密閉容器内に設けられ
た、固定子と回転子とを有する電動機と、前記電動機か
らの動力により駆動する圧縮機構部とを少なくとも備え
た密閉型圧縮機に用いられる、前記電動機から前記圧縮
機溝部へ動力を伝達するためのシャフトであって、 前記シャフトの摺動面の表面層は、少なくとも窒素との
化合物層の厚み以上の部分を含まない、窒化処理された
部分から形成されていることを特徴とするシャフト。 - 【請求項2】 前記表面層は、前記窒化処理が行われる
前に、酸化皮膜が除去されていることを特徴とする請求
項1に記載のシャフト。 - 【請求項3】 前記表面層の硬度はHv1000以上で
あることを特徴とする請求項1または2に記載のシャフ
ト。 - 【請求項4】 Al、Cr、V、Mo、Ti、Siの内
少なくとも一つの成分を0.2%以上含み、縦弾性係数
が190GPa以上の材料で製作されたことを特徴とす
る請求項3に記載のシャフト。 - 【請求項5】 Alを0.70%〜1.30%、Crを
1.00%〜1.80%、Moを0.10%〜0.5を
含む窒化用鋼で製作されたことを特徴とする請求項4に
記載のシャフト。 - 【請求項6】 Crを11.50%〜18.00%含む
マルテンサイト系ステンレス鋼で製作されたことを特徴
とする請求項4に記載のシャフト。 - 【請求項7】 Crを15.00%〜18.00%含む
析出硬化系ステンレス鋼で製作されたことを特徴とする
請求項4に記載のシャフト。 - 【請求項8】 Crを2.00%〜15.00%含む金
型用合金工具鋼で製作されたことを特徴とする請求項4
に記載のシャフト。 - 【請求項9】 密閉容器と、前記密閉容器内に設けられ
た、固定子と回転子とを有する電動機と、前記電動機か
らの動力により駆動する圧縮機構部とを少なくとも備え
た密閉型圧縮機が有する、前記電動機から前記圧縮機溝
部へ動力を伝達するためのシャフトの製造方法であっ
て、 前記シャフトの摺動面の表面層を窒化する窒化処理工程
と、 前記窒化処理工程後の表面から、少なくとも窒素との化
合物層の厚み以上の部分を除去して窒化層表面を得る仕
上加工工程とを備えたことを特徴とするシャフトの製造
方法。 - 【請求項10】 前記窒化処理工程の前に、 前記シャフトの摺動面の表面層の酸化皮膜を除去する酸
化皮膜除去工程を更に備えたことを特徴とする請求項9
に記載のシャフトの製造方法。 - 【請求項11】 前記窒化層表面の硬度がHv1000
以上であることを特徴とする請求項9または10に記載
のシャフトの製造方法。 - 【請求項12】 前記シャフトの材料として、Al、C
r、V、Mo、Ti、Siの内少なくとも一つの成分を
0.2%以上含み、縦弾性係数が190GPa以上の材
料を用いたことを特徴とする請求項11に記載のシャフ
トの製造方法。 - 【請求項13】 前記シャフトの材料として、Alを
0.70%〜1.30%、Crを1.00%〜1.80
%、Moを0.10%〜0.5を含む窒化用鋼を用いた
ことを特徴とする請求項12に記載のシャフトの製造方
法。 - 【請求項14】 前記シャフトの材料として、Crを1
1.50%〜18.00%含むマルテンサイト系ステン
レス鋼を用いたことを特徴とする請求項12に記載のシ
ャフトの製造方法。 - 【請求項15】 前記シャフトの材料として、Crを1
5.00%〜18.00%含む析出硬化系ステンレス鋼
を用いたことを特徴とする請求項12に記載のシャフト
の製造方法。 - 【請求項16】 前記シャフトの材料として、Crを
2.00%〜15.00%含む金型用合金工具鋼を用い
たことを特徴とする請求項12に記載のシャフトの製造
方法。 - 【請求項17】 請求項1から8のいずれかに記載のシ
ャフトと、 密閉容器と、 前記密閉容器内に設けられた、電動機と、前記電動機に
より駆動される圧縮機構部とを少なくとも備え、 前記シャフトは前記電動機の動力を前記圧縮機構部へ伝
達することを特徴とする密閉型圧縮機。 - 【請求項18】 前記圧縮機構部は、スクロール型であ
ることを特徴とする請求項17に記載の密閉型圧縮機。 - 【請求項19】 HFC、HC、二酸化炭素のいずれか
を主成分とする冷媒を用いたことを特徴とする請求項1
8に記載の密閉型圧縮機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000361300A JP2002161856A (ja) | 2000-11-28 | 2000-11-28 | シャフトおよびシャフトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000361300A JP2002161856A (ja) | 2000-11-28 | 2000-11-28 | シャフトおよびシャフトの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002161856A true JP2002161856A (ja) | 2002-06-07 |
Family
ID=18832753
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000361300A Withdrawn JP2002161856A (ja) | 2000-11-28 | 2000-11-28 | シャフトおよびシャフトの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002161856A (ja) |
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-
2000
- 2000-11-28 JP JP2000361300A patent/JP2002161856A/ja not_active Withdrawn
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