[go: up one dir, main page]

JP2002124644A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002124644A
JP2002124644A JP2000313509A JP2000313509A JP2002124644A JP 2002124644 A JP2002124644 A JP 2002124644A JP 2000313509 A JP2000313509 A JP 2000313509A JP 2000313509 A JP2000313509 A JP 2000313509A JP 2002124644 A JP2002124644 A JP 2002124644A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
dielectric
lower electrode
conductive plug
diffusion barrier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000313509A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaya Osada
昌也 長田
Takuya Kotabe
拓也 小田部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2000313509A priority Critical patent/JP2002124644A/ja
Publication of JP2002124644A publication Critical patent/JP2002124644A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Non-Volatile Memory (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い集積度と良品率とを容易に実現する。 【解決手段】 導電性プラグ24はポリシリコンによっ
て形成されている。誘電体キャパシタ25は、導電性プ
ラグ24上に、基板側からシリサイド膜31,拡散バリ
ア膜32,下部電極28,誘電体膜29および上部電極3
0を順次積層して形成されている。こうして、高い熱処
理温度による誘電体の結晶化過程においても、導電性プ
ラグ24と下部電極28とに材料拡散が起こらず、誘電
体膜29の強誘電体特性が良好になる。また、下部電極
28をIrあるいはIr/IrO2によって形成した際に、
誘電体膜29としてSBTを用いることによって、例え
ば6インチウェハにおけるIr析出物を100個以下に
抑えて、256kビットの集積化FeRAMの良品率を
90%以上にできる。また、分極反転電荷量を10μC
/cm2以上にして誤りの生じない判定を行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置およ
びその製造方法に関し、詳しくは、選択トランジスタ,
導電性プラグ,金属元素を含むシリサイド膜および拡散
バリア膜を有し、更には上記拡散バリア膜を介して選択
トランジスタに電気的に接続された下部電極,誘電体膜
および上部電極から成るキャパシタを備えた誘電体記憶
素子、及び、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電体は、自発分極,高誘電率,電気光
学効果,圧電効果および焦電効果等の多くの機能を有す
るために、広範なデバイス応用がなされている。例え
ば、その焦電性を利用して赤外線リニアアレイセンサ
に、その圧電性を利用して超音波センサに、その電気光
学効果を利用して導波路型光変調器に、その高誘電特性
を利用してDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・
メモリ)やMMIC(モノリシック・マイクロ波集積回路)
用のキャパシタにと、様々な方面で用いられている。中
でも、近年の薄膜形成技術の進展に伴って、半導体メモ
リ技術との組み合わせによって、高密度で且つ高速に動
作する強誘電体不揮発性メモリ(以下、FeRAMと略称
する)の開発が盛んである。
【0003】上記FeRAMは、その高速書き込み・読み
出し,低電圧動作,書き込み・読み出しの高い繰り返し耐
性等から、従来のEPROM(紫外線消去型リード・オン
リ・メモリ)やEEPROM(電気的消去書き込み可能R
OM)やフラッシュメモリ(一括消去型メモリ)の置き換
えだけではなく、SRAM(スタティックRAM)やDR
AMの置き換えも可能なメモリとして、実用化に向けて
の研究開発が盛んに行われている。
【0004】従来、強誘電体キャパシタに用いる強誘電
体材料として、酸化物強誘電体であるPb(Zr1-x,Tix)
3(PZT)やSrBi2Ta29やBi4Ti312等が検討
されており、その下部電極として、Pt,Pt/Ta,Pt/T
i等の貴金属材料あるいは上記貴金属材料と密着層との
複合電極が強誘電体薄膜の特性検討のために用いられて
きた。特に、3V以下での低電圧動作が可能で、且つ、
強誘電体メモリとして安定に動作するための信頼性特性
(例えば、疲労特性,インプリント特性,温度特性等)に優
れた特性を示すSrBi2Ta29材料はFeRAMに最も
適した材料であると言える。
【0005】しかしながら、上記SrBi2Ta29材料に
良好な強誘電体特性を発現させるためには、酸素雰囲気
中において600℃〜800℃の高い熱処理プロセスが
必須となる。
【0006】ところで、上述した強誘電体キャパシタお
よびそれを形成するプロセスを用いてメガビット以上の
集積化を実現するためには、デバイス構造として、スタ
ック型構造が不可欠である。
【0007】図7は、スタック型構造を有する従来の誘
電体記憶素子の構成を示す。図7において、選択トラン
ジスタ1と誘電体キャパシタ2とが、ポリシリコンで成
る導電性プラグ3によって電気的に接続されている。選
択トランジスタ1は、シリコン基板4上に形成されたゲ
ート電極5およびその両側に位置するソース・ドレイン
領域6で構成される。また、導電性プラグ3は、選択ト
ランジスタ1を覆っている第1層間絶縁膜7を貫通する
ホールに埋め込まれている。そして、誘電体キャパシタ
2は、下部電極8と誘電体薄膜9と上部電極10が積層
されて成り、下部電極8が導電性プラグ3に直接接続さ
れている。
【0008】上記第1層間絶縁膜7および誘電体キャパ
シタ2の上には第2層間絶縁膜11が形成されており、
誘電体キャパシタ2の上部電極10は、第2層間絶縁膜
11上に形成された引き出し電極12にコンタクトホー
ルを介して接続されている。さらに、選択トランジスタ
1のソース領域6aは、第1層間絶縁膜7および第2層
間絶縁膜11に設けられたコンタクトホールを介して引
き出し電極13に接続されている。ロコス膜14は、各
素子間を分離している。
【0009】上記スタック型構造において、ポリシリコ
ンで成る導電性プラグ3上に電気的に接続される下部電
極8として、Ptを用いる場合を考える。Ptを直接ポリ
シリコン上に形成した場合、強誘電体キャパシタプロセ
スにおいて、Ptとポリシリコンがシリサイド化反応を
起こすために強誘電体特性の悪化の原因となる。そこ
で、Ptとポリシリコンとの間にTiNなどの拡散バリア
膜が必要とされている。
【0010】上記TiNを拡散バリアとして用いた場
合、上記強誘電体膜の結晶化熱処理中において、Pt膜
粒界を透過してきた酸素ガスによってTiNが酸化され
ることが「1996年春季第43回応用物理学関係連合
講演会予稿集28p‐V‐6(pp.500)」に報告されてい
る。さらに、上記「1996年春季第43回応用物理学
関係連合講演会予稿集28p‐V‐7(pp.500)」に報告
されているように、TiNの酸化に伴う体積膨張によっ
て発生するストレス変化を緩和するために、Pt/TiN
界面で剥離あるいはPtヒロックが上方に向かって生じ
るという問題がある。
【0011】このように、上記下部電極8の構造とし
て、Ptを用いた場合におけるPtのシリサイド化やPt/
TiNを用いた場合におけるTiNの酸化によるヒロック
の発生等によってコンタクト不良が起こり、上記スタッ
ク型構造の実現は難しい状況にある。
【0012】一方において、上記強誘電体膜の下部電極
8として、Ir,PtRh,Ruあるいはそれらの酸化物(Ir
2,PtRhOx,RuO2)等がその優れたバリア性や上部
に形成される酸化物誘電体との整合性等の点から検討さ
れ始めている。特に、IrあるいはIrO2に関しては、
文献「App1.Phys.Lett.vo1.65(1994)pp.1522‐1524」や
「Jpn.J.Appl.Phys.vol.33(1994)pp.5207‐5210」にお
いて、Ir/IrO2/ポリシリコンまたはPt/IrO2/ポリ
シリコン電極上に形成したPZTの疲労特性が著しく改
善されると報告されている。そして、その理由として
は、Pb等の強誘電体構成元素に対するIrO2膜のバリ
ア性によるものと記載されている。
【0013】しかしながら、上記Ir/IrO2/ポリシリ
コンやPt/IrO2/ポリシリコンの構造では、IrO2
形成時および強誘電体膜形成時のプロセスにおいて、I
rO2とポリシリコンとの界面でのポリシリコンの酸化に
よるコンタクト不良問題が発生する。
【0014】上述したIr,IrO2とポリシリコンとの反
応の問題を解決する方法として、酸化物電極IrO2にバ
リアメタルとしてTiNを適用したIrO2/Ir/TiN/T
i下部電極が「1996年春季第43回応用物理学関係
連合講演会予稿集28p‐V‐4(pp.499)」に報告され
ている。この場合、イオン注入を行って低抵抗化したシ
リコン基板上に高誘電体であるSrTiO3膜を形成して
コンタクトを調べた結果、オーミックコンタクトが取ら
れていることが確認され、高誘電体特性もPtと同等な
ものが得られたとしている。
【0015】このような上記IrO2/Ir/TiN/Ti構造
は、高誘電体材料であるSrTiO3膜に用いられる20
0℃〜450℃と比較的低温のプロセスにおいてはヒロ
ックや平坦性の劣化に伴うキャパシタの電気的特性の劣
化がないため、高誘電体キャパシタを用いたスタック型
構造に有望であるといえる。
【0016】しかしながら、強誘電体結晶化プロセスに
おいては、PZTを形成する場合でも600℃以上の酸
素雰囲気が必要であり、SrBi2Ta29においては60
0℃〜800℃という酸素雰囲気中での高い熱処理温度
が必要とされる。そして、このような高温度では、Ir/
TiN構造ではTiNの酸化に起因する膜応力のためにヒ
ロックが発生する。
【0017】上述の問題を解決するために、上記導電性
プラグ上にシリサイド層を設け、そのシリサイド上に、
拡散バリア膜としてTaxSi1-xyまたはHfxSi1-xy
を設け、さらに、その拡散バリア膜上にIr,IrO2下部
電極を順次形成した構造が提案されている。この構造の
場合には、誘電体の結晶化過程においても、導電性プラ
グと下部電極との材料拡散が起こらず、また、下部電極
上に形成された強誘電体特性も良好なものが得られてい
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の導電性プラグ上にシリサイド層を設け、そのシリサ
イド上に拡散バリア膜としてTaxSi1-xyあるいはHf
xSi1-xyを設け、さらに、その拡散バリア膜上にIr,
IrO2下部電極を順次形成した構造においては、以下の
ような問題がある。すなわち、IrあるいはIrO2/Ir
下部電極上に誘電体を形成する際に、誘電体の結晶化条
件によってはIrの酸化物で成る析出物が生ずる。そし
て、この析出物が、キャパシタの下部電極と上部電極と
を短絡させてキャパシタのリーク電流を大きくし、その
結果容量の低下や動作電流の増大を引き起こすのであ
る。
【0019】また、このIr析出物による段差が、後の
配線工程において配線不良の要因を引き起こす場合があ
る。したがって、Ir析出物の発生を抑えてメガビット
クラスの誘電体記憶素子の歩留まりを向上させるために
は、厳密な結晶化条件の同定が必須となるのである。
【0020】そこで、この発明の目的は、高い集積度と
良品率とを容易に実現できる半導体装置、および、その
製造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明は、上部電極・誘電体膜および下部電極
を有するキャパシタにおける上記下部電極の下に位置し
て上記下部電極を選択トランジスタに電気的に接続する
導電性プラグと,上記導電性プラグと下部電極との間に
在って上記導電性プラグと下部電極との間の拡散反応を
防ぐ拡散バリア膜と,上記導電性プラグと拡散バリア膜
との間に在って金属元素を含むシリサイド膜を備えた半
導体装置であって、上記シリサイド膜の金属元素は、IV
‐A族(Ti,Zr,Hf)、V‐A族(V,Nb,Ta)、VI‐A
族(Cr,Mo,W)、及び、VIII族(Ru,Os,Co,Rh,Ir,
Ni,Pd,Pt)の少なくとも一つのグループから選択され
た少なくとも一つの元素であり、上記拡散バリア膜は、
AをTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ru,Os,Co,
Rh,Ir,Ni,Pd及びPtから選択された何れか一つの
元素とし、BをZr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ru,O
s,Co,Rh,Ir,Ni,Pd及びPtから選択された何れか一
つの元素として、AxSi1-xy,AxAl1-xyおよびB
z(0.2≦x≦1,0≦y≦1,0≦z<1)の少なくと
も一つによって表わされる組成物で構成され、上記下部
電極はIr膜またはIr膜とIrO2膜とを含む多層膜で構
成され、上記導電性プラグはポリシリコンによって構成
され、上記誘電体膜は、Bi4Ti312,SrBi2(Tax,
Nb1-x)29(0≦x<1),BaBi2Nb29,BaBi2Ta
29,PbBi2Ta29,PbBi2Nb29,PbBi4Ti
415,SrBi4Ti415,BaBi4Ti415,Sr2Bi4Ti
518,Ba2Bi4Ta518,Pb2Bi4Ti518,Na0.5
i4.5Ti415,K0.5Bi4.5Ti415,(SrBi2(Tax,
Nb1-x)29)y・(Bi3TiTaO9)1-y(0≦x<1,0.6
≦y<1)を含むBi系層状ぺロブスカイト型強誘電体材
料、(Pb1-x,Lax)(Zr1-y,Tiy)O3(0≦x<0.2,
0.48≦y<1)を含むPb系ペロブスカイト型強誘電
体材料、SrTiO3,(Ba,Sr)TiO3を含むペロブスカ
イト型高誘電体材料の何れか一つの誘電体材料を用いて
構成されていることを特徴としている。
【0022】上記構成によれば、キャパシタの下部電極
としてIr膜あるいはIrO2/Ir膜が用いられて、誘電
体膜の結晶化の際における高温によって酸素が拡散バリ
ア膜にまで拡散することが防止され、酸化による上記拡
散バリア膜の体積膨張やコンタクト不良の発生が防止さ
れる。また、上記拡散バリア膜としてTaxSi1-xy
等が用いられて、シリサイド膜および導電性プラグから
上記下部電極へのシリコンやTi等の拡散が防止され
る。また、上記拡散バリア膜と導電性プラグとの間に上
記シリサイド膜が設けられて、上記拡散バリア膜を導電
性プラグ上に直接形成した際に起こる反応層の生成が防
止されると共に、密着強度が増加されてヒロックが低減
される。
【0023】さらに、上記誘電体膜として、SBT等の
ペロブスカイト型強誘電体材料やペロブスカイト型高誘
電体材料等が用いられている。したがって、上記下部電
極としてIr膜またはIr/IrO2膜が用いられる場合
に、上記誘電体膜の結晶化温度を625℃以上且つ67
5℃以下にすれば、例えば6インチウェハにおけるIr
の酸化物で成る析出物の発生が100個以下に抑えられ
る。したがって、256,000個のFeRAMを集積化
した20mm2のチップの良品率が90%以上になる。ま
た、分極反転電荷量が10μC/cm2以上になるので、上
記256kビットの集積化FeRAMにおいて、センス
アンプでの読み取りマージンが十分となり誤判定が防止
される。
【0024】また、第2の発明は、上記第1の発明の半
導体装置の製造方法であって、上記誘電体膜を、625
℃以上且つ675℃以下の結晶化温度で形成することを
特徴としている。
【0025】上記構成によれば、キャパシタを構成する
誘電体膜が、SBT等のペロブスカイト型強誘電体材料
やペロブスカイト型高誘電体材料等を用いて、625℃
以上且つ675℃以下の結晶化温度で形成される。した
がって、上記下部電極としてIr膜あるいはIr/IrO2
膜が用いられた場合に、例えば6インチウェハおけるI
r析出物の発生が100個以下に抑えられる。したがっ
て、256,000個のFeRAMを集積化した20mm2
のチップの良品率が90%以上になる。また、分極反転
電荷量が10μC/cm2以上になるので、上記256kビ
ットの集積化FeRAMにおいて、センスアンプでの読
み取りマージンが十分となり誤判定が防止される。
【0026】また、上記第2の発明の半導体装置の製造
方法は、上記誘電体膜形成時における結晶化時間を30
分以上且つ900分以下にすることが望ましい。
【0027】上記構成によれば、上記誘電体膜が625
℃以上且つ675℃以下の結晶化温度で形成される際
に、例えば6インチウェハにおけるIr析出物の発生が
確実に100個以下に抑えられ、分極反転電荷量が確実
に10μC/cm2以上になる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態の半導
体装置としての誘電体記憶素子における基本的な構成を
示す要部断面を示す。この誘電体記憶素子は、基板21
上に形成された選択トランジスタ22と、この選択トラ
ンジスタ22上に形成された第1層間絶縁膜23と、こ
の第1層間絶縁膜23を貫通するコンタクトホールに埋
め込まれた導電性プラグ24を有している。導電性プラ
グ24は、ポリシリコンによって形成されており、選択
トランジスタ22のドレイン領域26bと誘電体キャパ
シタ25とを電気的に接続するものである。尚、26a
は選択トランジスタ22のソース領域であり、27は選
択トランジスタ22のゲート電極である。
【0029】上記第1層間絶縁膜23および誘電体キャ
パシタ25の上には第2層間絶縁膜33が形成されてお
り、誘電体キャパシタ25の上部電極30は、第2層間
絶縁膜33上に形成された引き出し電極34にコンタク
トホールを介して接続されている。さらに、選択トラン
ジスタ22のソース領域26aは、第1層間絶縁膜23
および第2層間絶縁膜33に設けられたコンタクトホー
ルを介して引き出し電極35に接続されている。ロコス
膜36は、各素子間を分離している。
【0030】上記誘電体キャパシタ25は、順次積層さ
れた下部電極28,誘電体膜29および上部電極30を
有している。本実施の形態による誘電体キャパシタ25
の下部電極28は、IrあるいはIrO2によって形成さ
れている。更に、誘電体キャパシタ25は、下部電極2
8と導電性プラグ24との間に下側から順次積層されて
設けられた、シリサイド膜31と拡散バリア膜32とを
含んでいる。
【0031】上記拡散バリア膜32は、上記導電性プラ
グ24と下部電極28との拡散を防ぐためのものであ
り、AxSi1-xy,AxAl1-xyあるいはBNz(0.2
≦x≦1,0≦y≦1,0≦z<1)によって形成され
る。尚、上記「A」は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,M
o,W,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,PdおよびPtのグルー
プから選択される何れか一つの元素である。また、「B」
は、Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ru,Os,Co,Rh,
Ir,Ni,PdおよびPtのグループから選択される何れか
一つの元素である。
【0032】上記シリサイド膜31を構成する金属は、
IV‐A族(Ti,Zr,Hf),V‐A族(V,Nb,Ta),VI‐
A族(Cr,Mo,W)およびVIII族(Ru,Os,Co,Rh,Ir,
Ni,Pd,Pt)の少なくとも一つのグループから選択され
る少なくとも一つの元素である。
【0033】以下、上記構成を有する誘電体記憶素子に
ついて説明する。上記下部電極28を構成するIr膜ま
たはIrO2/Ir膜は、その上に形成される誘電体膜29
の結晶化工程の際における高温によって、酸素が拡散バ
リア膜(例えば、TaxSi1-xy膜)32にまで拡散する
ことを防止する。したがって、酸化によるTaxSi1-x
y膜の体積膨張やコンタクト不良の発生を防止すること
ができる。尚、IrあるいはIrO2による下部電極2
8、および、上記構成を有する拡散バリア膜32の使用
は、上記従来の誘電体記憶素子にも部分的に記載されて
いる。
【0034】上記拡散バリア膜(例えばTaxSI1-x
y膜)32は、シリサイド膜(例えば、チタンシリサイド
膜)31および導電性プラグ(ポリシリコン)24と下部
電極(Ir膜またはIrO2/Ir膜)28との間の拡散バリ
アとして機能する。つまり、TaxSi1-xy膜によっ
て、シリコンやTi等の元素が下部電極28内に拡散す
ることを防止するのである。
【0035】また、上記拡散バリア膜32であるTax
i1-xy膜を直接ポリシリコン上に形成した場合、Tax
Si1-xy膜とポリシリコンとの界面に極僅かな反応層
が生じることがあるという事実が、詳細な界面分析によ
って分かった。このような反応層が形成されると、下部
電極28と導電性プラグ24とのコンタクト抵抗が誘電
体結晶化プロセス後に増加すると共に、その電流電圧特
性が非オーミック性になる恐れがある。電流電圧特性の
非オーミック性は、誘電体のメモリ動作において、高速
動作の際の遅延や、信号のS/N比が取り難くなる等の
問題を引き起こすことが多い。ところが、拡散バリア膜
32と導電性プラグ24との間にシリサイド膜31を設
けることによって、上述のような反応層の生成が防止さ
れる。さらには、シリサイド膜31の存在によって、導
電性プラグ(ポリシリコン)24と拡散バリア膜(TaxSi
1-xy)膜32との密着強度が増し、それがヒロックの
低減化に寄与するのである。
【0036】一方、上記誘電体キャパシタ25の下部電
極28に、Ir膜またはIrO2/Ir膜を用いた場合に
は、以下のような問題がある。すなわち、下部電極28
形成後に、誘電体膜を形成する熱処理プロセスを行なっ
た際に、誘電体膜にIrの酸化物で成る析出物が生じ
る。そして、このIr析出物は、誘電体キャパシタ25
の下部電極28と上部電極30とを短絡して、誘電体キ
ャパシタ25のリーク電流を大きくし、その結果、容量
の低下や動作電流の増大を引き起こすのである。また、
このIr析出物による段差が、後の配線工程において配
線不良の原因となるのである。
【0037】例えば、256kビットの集積化強誘電体
メモリ(以下、集積化FeRAMと略称する)を考えてみ
る。256,000個のセルが集積化されているチップ
面積を20mm2とした場合、良品率を90%以上にする
ためには、200mm2に1個以下の析出物に抑える必要
がある。6インチウェハとすると、その面積は約17,
600mm2となり、17,600mm2/200mm2=88
個、つまりウェハ面内においてIr析出物を100個以
下に抑えることが必須となる。
【0038】このIr析出物は、誘電体材料の結晶化条
件に密接な関係がある。図2は、本実施の形態において
用いられる誘電体材料の一つであるSrBi2Ta29(以
下SBTと略称する)の結晶化温度とIr/TaSiN/Ti
シリサイド上に発生するIr析出物との関係、および、
その結晶化温度での上記SBTの分極反転電荷量との関
係を示す図である。上記SBTの作製方法は後に詳細に
述べるが、スピンコート法によって形成を行ない、1層
当たりの焼成時間は30分である。そして、上記成膜と
焼成とを4層繰り返し行なっている。したがって、合計
結晶化時間は120分であり、結晶化雰囲気は酸素であ
る。
【0039】上記分極反転電荷量は、上記FeRAMを
駆動する際における重要なパラメターの一つであり、も
しこの値があまり低いと、「0」および「1」を判定する際
におけるセンスアンプでの読み取りマージンが取れない
ために判定に誤りが生じてしまう。上述の例のごとく2
56kビットの集積化FeRAMを考えた場合に、誤り
の生じない判定を行うためには10μC/cm2以上の分極
反転電荷量が必要となる。そして、図2から分かるよう
に、6インチウェハにおけるIr析出物の発生を100
個以下に抑えるには結晶化温度を675℃以下に抑える
必要があり、分極反転電荷量を10μC/cm2以上にする
ためには結晶化温度を625℃以上にする必要がある。
【0040】また、図3は、上記SBTの結晶化時間と
Ir/TaSiN/Tiシリサイド上に発生するIr析出物と
の関係、および、その結晶化時間での上記SBTの分極
反転電荷量との関係を示す図である。上記SBTの焼成
温度は625℃であり、上述の場合と同様に4層繰り返
して行なっており、結晶化雰囲気は酸素である。
【0041】図3から分かるように、上記SBTの焼成
温度が625℃の場合には、6インチウェハにおけるI
r析出物の発生を100個以下に抑えるためには合計結
晶化時間を900分(1層あたり225分)以下にする必
要があり、分極反転電荷量を10μC/cm2以上にするた
めには合計結晶化時間を120分(1層あたり30分)以
上にする必要がある。
【0042】図4は、図3の場合と同様に、上記SBT
の結晶化時間とIr/TaSiN/Tiシリサイド上に発生す
るIr析出物との関係、および、その結晶化時間での上
記SBTの分極反転電荷量との関係を示す図である。但
し、上記SBTの焼成温度は675℃であり、上述の場
合と同様に4層繰り返して行なっている。また、結晶化
雰囲気は酸素である。
【0043】図4から分かるように、上記SBTの焼成
温度が675℃の場合には、6インチウェハにおけるI
r析出物の発生を100個以下に抑えるためには合計結
晶化時間を120分(1層あたり30分)以下にする必要
があり、分極反転電荷量を10μC/cm2以上にするため
には30分(1層あたり7.5分)以上にする必要があ
る。
【0044】尚、上記SBTの作製方法においては、ス
ピンコート法による成膜と焼成とを4層の繰り返して行
なっているが、この繰り返し回数は4回に限定されるも
のではない。要は、繰り返し焼成回数×結晶化時間=合
計結晶化時間が、上述のようなIr析出物の発生を抑制
することができる範囲内であればよいのである。
【0045】また、本実施の形態においては、上記下部
電極28上に形成された誘電体膜29としてSBTを用
いたが、Bi4Ti312,SrBi2(Tax,Nb1-x)29(0≦
x<1),BaBi2Nb29,BaBi2Ta29,PbBi2Ta2
9,PbBi2Nb29,PbBi4Ti415,SrBi4Ti415,
BaBi4Ti415,Sr2Bi4Ti518,Ba2Bi4Ta
518,Pb2Bi4Ti518,Na0.5Bi4.5Ti415,K0.5
Bi4.5Ti415,(SrBi2(Tax,Nb1-x)29)y・(Bi3
iTaO9)1-y(0≦x<1,0.6≦y<1)等のBi系層状
ぺロブスカイト型強誘電体材料、(Pb1-xLax)(Zr1-y,
Tiy)O3(0≦x<0.2,0.48≦y<1)等のPb系ペ
ロブスカイト型強誘電体材料、SrTiO3,(Ba,Sr)Ti
3等のペロブスカイト型高誘電体材料等を用いても本
実施の形態の場合と同様の傾向が得られる。
【0046】これらの誘電体膜は、公知の方法、例えば
本実施の形態で用いるスピンコート法や、反応性蒸着
法,EB(電子ビーム)蒸着法,スパッタ法,レーザーアブ
レーション法あるいは化学気相成長法(MOCVD法)等
の方法を選択して形成することができる。また、誘電体
膜形成時における雰囲気は酸素雰囲気に限定されるもの
ではなく、窒素雰囲気や、アルゴン雰囲気や、酸素,窒
素およびアルゴンの少なくとも1種類を含む混合雰囲気
等を用いても同様の結果が得られる。
【0047】尚、上記誘電体膜29上に設けられる上部
電極30は、Pt膜等の1層構造にする他に、下部電極
28と同様の材料で、同様の方法により形成することが
できる。また、本実施の形態における誘電体記憶素子に
用いられる基板は、通常の半導体装置や集積回路等の基
板として使用できる基板であれば特に限定されるもので
はないが、シリコン基板が望ましい。
【0048】本実施の形態における誘電体記憶素子は、
誘電体材料を、誘電体デバイスまたは半導体装置の構成
の一部として集積回路用のウェハに搭載することによっ
て、集積回路を構成することができる。例えば、誘電体
材料を不揮発性メモリの容量部にまたはFET(電界効
果トランジスタ)のゲート電極に適用し、ゲート絶縁膜
やソース/ドレイン領域等を組み合わせて形成すること
により、MFMIS‐FET(Metal Ferroelectric Met
al Insulator Semiconductor FET)、MFS‐FET
(Metal Ferroelectric Semiconductor FET)、MI
S‐FET(MetalInsulator Semiconductor FET)等
として利用することもできる。
【0049】図5は、図1に示す誘電体記憶素子の製造
方法を示す断面図である。以下、図5にしたがって、本
実施の形態における誘電体記憶素子の製造方法について
説明する。
【0050】先ず、図5(a)に示すように、シリコン基
板21の表面に膜厚が約500nmのロコス膜36を形成
して、素子間分離を行う。次に、既知の方法を用いて、
ゲート電極27及びソース・ドレイン領域26から成る
選択トランジスタ22を形成する。その後、CVD(化
学気相成長法)によって、第1層間絶縁膜23としての
第1のシリコン酸化膜を500nm程度の膜厚で成膜し、
続いて、第1層間絶縁膜23に、選択トランジスタ22
のドレイン領域26bに連通する直径約0.6μmのコン
タクトホール37を形成する。
【0051】次に、図5(b)に示すように、上記コンタ
クトホール37内に、CVD法によってポリシリコンを
埋め込んだ後、CMP(化学機械研磨)法によって表面を
平坦化して導電性プラグ24を形成する。次に、この導
電性プラグ24を成すポリシリコン上に自然酸化膜が形
成されるのを抑えるために、導電性プラグ24の表面を
フッ酸でウエット処理を行う。
【0052】その後に、DC(直流)マグネトロンスパッ
タ法によって、導電性プラグ24および第1層間絶縁膜
(シリコン酸化膜)23上にTi膜31aを1nm〜30nm
(好ましくは5nm〜25nm)の厚さで形成する。ここで、
Ti膜31aの厚さが1nm以下の場合は良好なコンタクト
を得ることが難しく、30nm以上になると誘電体結晶化
アニール後にTi膜31a表面に荒れが生じるのである。
【0053】その後、上記Ti膜31a上に、DCリアク
ティブマグネトロンスパッタ法によって、拡散バリア膜
32としてのTaxSi1-xy(0.2≦x≦1,0≦y≦
1)膜を50nm〜150nm(好ましくは80nm〜120n
m)の厚さで形成する。ここで、上記TaxSi1-xyの膜
厚が50nm以下の場合は、拡散バリア層としての機能を
果たすことが困難である。また、150nm以上の場合
は、キャパシタ全体の膜厚を増加させることになって微
細加工精度に支障を生じるのである。尚、本実施の形態
における上記TaxSi1-xy膜の成膜条件は、Ta/Si=
10/3の合金ターゲットを用い、基板温度を500℃
とし、スパッタパワーを2kWとし、スパッタガス圧を
0.7Paとし、Ar/N2流量比を3/2とした。
【0054】上記拡散バリア膜(TaxSi1-xy膜)32
の形成後、純窒素の雰囲気中において500℃〜800
℃(好ましくは600℃)で1時間の熱処理を施す。この
熱処理によって、拡散バリア膜32の下部に形成されて
いるTi膜31aは導電性プラグ24のポリシリコンと反
応して、シリサイド膜31(厚さ約2nm〜60nm)と成
る。ここで、上記熱処理の温度が500℃以下の場合に
は、十分なシリサイドを形成することができない。ま
た、上記熱処理の温度が800℃以上の場合には、熱工
程の時間が1時間になるとポリシリコンとの反応が進み
すぎ、シリサイドの表面荒れの原因となる。さらには、
拡散バリア膜32のTaxSi1-xy膜にも悪彫響を及ぼ
す恐れがある。尚、上記熱処理は純窒素雰囲気中におい
て行ったが、不活性ガスであれば、例えば、アルゴン,
クリプトンあるいはヘリウム等の他のガスを用いても同
様の効果が得られる。
【0055】また、上述のようにTaxSi1-xy膜で形
成された拡散バリア膜32は、X線回折分析結果によっ
てアモルファス構造であることが確認された。さらに、
オージェ電子分光分析によって、組成比はTa0.85Si
0.150.41であることが確認された。また、純窒素雰囲
気中での熱処理後における拡散バリア膜(TaxSi1-xy
膜)32の抵抗率を測定した結果、100μΩcm〜20
00μΩcmの範囲内であることが分かった。ここで、上
記拡散バリア膜32の組成TaxSi1-xyにおける「x」
がx<0.2である場合には、Si成分が多過ぎるために
抵抗率が極端に高くなり、デバイスとしては適さない。
したがって、0.2≦x≦1の範囲内が適している。
【0056】続いて、上記拡散バリア膜32上に、DC
マグネトロンスパッタ法によって、下部電極28として
のIr膜を約50nm〜300nm(好ましくは100nm〜2
00nm)の厚さで形成する。ここで、Irの膜厚が50nm
以下の場合は、強誘電体結晶化アニールの際に雰囲気中
の酸素がIr膜を透過してしまい、拡散バリア膜32で
あるTaxSi1-xy膜の体積膨張によってヒロックが生
じる。また、300nm以上の場合には、最終的に誘電体
キャパシタ部全体の膜厚を増加させることになり、微細
加工精度に支障を生じたり、既存のレジスト膜厚では加
工できない等の問題が生じる。尚、本実施の形態におい
て用いたIr膜の成膜条件は、DCパワーを0.5kWと
し、基板温度を500℃とし、ガス圧を0.6Paとし
た。
【0057】次に、上記下部電極(Ir膜)28上に、ス
ピンオン法を用いて、誘電体膜29としてのSrBi2Ta
29(SBT)を形成する。上記SBT膜の成膜方法は、
以下のようにして行う。まず、上記SBTを構成する元
素を溶媒に分散させた前駆体溶液を形成し、その前駆体
溶液を、スピナーを用いて回転数3000rpmで塗布す
る。そして、大気中において150℃で10分間乾燥し
た後、大気中において400℃で30分間の仮焼成を行
なう。その後、650℃で60分間の結晶化を行い形成
する。これらの工程を4回繰り返すことによって、SB
T膜を120nmの膜厚で形成して誘電体膜29と成す。
このようにしてSBT膜で形成された誘電体膜29に
は、ヒロックや剥離は認められず、SEM(走査型電子
顕微鏡)による断面観察においても、各層での反応は見
られなかった。
【0058】次に、上記誘電体膜(SBT膜)29上に、
DCマグネトロンスパッタ法によって、Ptによって膜
厚100nmの上部電極30を形成する。
【0059】次に、図5(c)に示すように、上記上部電
極(Pt)30を、Cl2を用いたドライエッチング法によ
って1μm〜3μm角の大きさにパターニングする。ま
た、上部電極30の下の誘電体膜(SBT膜)29を、C
26およびArを用いたドライエッチング法によって所
望の形状にパターニングする。続いて、誘電体膜29の
下の下部電極(Ir)28,拡散バリア膜(TaxSi1-x
y膜)32およびシリサイド膜31を、Cl2およびC26
を用いたドライエッチング法によって所望の形状に加工
する。こうして、基板側からシリサイド膜31,拡散バ
リア膜32,下部電極28,誘電体膜29および上部電極
30が順次積層されて成る誘電体キャパシタ25が形成
される。
【0060】その後、図5(d)に示すように、上記第1
層間絶縁膜23および誘電体キャパシタ25上に、CV
D法を用いて、第2層間絶縁膜33としての第2のシリ
コン酸化膜を形成する。その後、上部電極30上におけ
る第2層間絶縁膜33にコンタクトホールを形成し、上
部電極30に接続する引き出し電極34を、DCマグネ
トロンスパッタ法を用いてアルミニウムで形成する。次
に、選択トランジスタ22のソース領域26a上におけ
る第1層間絶縁膜23および第2層間絶縁膜33にコン
タクトホールを形成し、ソース領域26aに接続する引
き出し電極35をアルミニウムで形成する。こうして、
図1に示すような誘電体記憶素子が形成される。
【0061】上述のようにして形成された誘電体キャパ
シタ25の上部電極(Pt)30からの引き出し電極34
とソース領域26aからの引き出し電極35との間に三
角波形の電圧を印加することによって、図6に示すよう
なヒステリシス曲線が得られた。尚、この印加した三角
波の電界強度は150kV/cmであり、その周波数は75
Hzである。図6により、誘電体キャパシタ25の強誘
電体特性は、分極反転電荷量ΔQ=12μC/cm2、抗電
界Ec=35kV/cmであった。また、+3V印加時のリ
ーク電流密度は8×10-8A/cm2であり、絶縁耐圧は1
0V以上であった。これらの結果から、強誘電体キャパ
シタとして用いるのに十分な大きさの強誘電体特性が得
られており、上記ヒステリシス曲線の対称性が崩れてい
ないことからシリコン基板21と下部電極(Ir)28と
のコンタクトが十分に取れていることが分かる。
【0062】尚、本実施の形態においては、256kビ
ットの集積化FeRAMを例に挙げて説明したが、メガ
ビットクラス(1メガビットから256メガビット)の集
積化FeRAMやDRAMにも同様に適用できる。
【0063】上述したように、本実施の形態において
は、誘電体記憶素子を構成する導電性プラグ24をポリ
シリコンによって形成している。さらに、選択トランジ
スタ22のドレイン領域26bと導電性プラグ24を介
して電気的に接続される誘電体キャパシタ25を、基板
側から順にシリサイド膜31,拡散バリア膜32,下部電
極28,誘電体膜29および上部電極30を順次積層し
て形成している。このように、導電性プラグ24上にシ
リサイド膜31を設け、そのシリサイド膜31上に拡散
バリア膜32を設けている。したがって、500℃〜8
00℃という酸素雰囲気中での高い熱処理温度による誘
電体の結晶化過程においても、導電性プラグ24と下部
電極28との材料拡散が起こらず、また、下部電極上2
8に形成された強誘電体特性は良好なものが得られる。
【0064】その際に、上記下部電極28は、優れたバ
リア性や上部に形成される酸化物誘電体との整合性等の
点からIrまたはIr/IrO2によって形成するのである
が、本実施の形態においては、誘電体膜29としてSB
Tを用いるようにしている。このSBTは、図2に示す
ように、結晶化温度を625℃以上且つ675℃以下に
することによって、例えば6インチウェハにおけるIr
析出物の発生を100個以下に抑え、分極反転電荷量を
10μC/cm2以上にできるのである。ここで、上記SB
Tの結晶化温度が625℃の場合には、図3に示すよう
に、合計結晶化時間を120分以上且つ900分以下に
すればよい。また、上記SBTの結晶化温度が675℃
の場合には、図4に示すように、合計結晶化時間を30
分以上且つ120分以下にすればよい。
【0065】すなわち、本実施の形態によれば、例えば
6インチウェハにおけるIr析出物の発生を100個以
下に抑えることができるので、256kビットの集積化
FeRAMにおいて256,000個のセルが集積化され
たチップの面積を20mm2とした場合の良品率を90%
以上にすることができるのである。また、上記分極反転
電荷量を10μC/cm2以上にできるので、上記256k
ビットの集積化FeRAMにおいて、センスアンプでの
読み取りマージンを十分に取ることができる。したがっ
て、誤りの生じない判定を行うことができるのである。
【0066】尚、上記シリサイド膜31を構成する金属
は、IV‐A族(Ti,Zr,Hf),V‐A族(V,Nb,Ta),V
I‐A族(Cr,Mo,W)およびVIII族(Ru,Os,Co,Rh,I
r,Ni,Pd,Pt)の少なくとも一つのグループから選択さ
れる少なくとも一つの元素である。
【0067】また、上記拡散バリア膜32は、AxSi
1-xy,AxAl1-xy及びBNz(0.2≦x≦1,0≦y
≦1,0≦z<1)の少なくとも一つによって形成され、
そのうちの「A」は、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,
W,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,PdおよびPtのグループ
から選択される何れか一つの元素であり、「B」は、Zr,
Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,
PdおよびPtのグループから選択される何れか一つの元
素である。
【0068】また、上記誘電体膜29としては、上記S
BTの他に、上述したBi系層状ぺロブスカイト型強誘
電体材料,Pb系ペロブスカイト型強誘電体材料およびペ
ロブスカイト型高誘電体材料の何れか一つの誘電体材料
を用いても同様の効果が得られる。
【0069】
【発明の効果】以上より明らかなように、第1の発明の
半導体装置は、キャパシタの下部電極としてIr膜ある
いはIrO2/Ir膜を用いるので、誘電体膜の結晶化の際
に高温によって酸素が上記下部電極の直下に隣接する拡
散バリア膜まで拡散することを防止し、酸化による上記
拡散バリア膜の体積膨張やコンタクト不良の発生を防止
できる。また、上記拡散バリア膜としてTaxSi1-xy
膜等を用いるので、上記拡散バリア膜の直下に隣接する
シリサイド膜および導電性プラグから上記下部電極への
シリコンやTi等の拡散を防止できる。また、上記拡散
バリア膜と導電性プラグとの間に上記シリサイド膜を設
けたので、上記拡散バリア膜を導電性プラグ上に直接形
成した際に起こる反応層の生成を防止できると共に、密
着強度を増加してヒロックを低減できる。
【0070】さらに、上記キャパシタの誘電体膜とし
て、SBT等のペロブスカイト型強誘電体材料やペロブ
スカイト型高誘電体材料等を用いるので、上記下部電極
としてIr膜あるいはIr/IrO2膜を用いる際に、上記
誘電体膜の結晶化温度を625℃以上且つ675℃以下
にすれば、例えば6インチウェハにおけるIr析出物の
発生を100個以下に抑えると共に、分極反転電荷量を
10μC/cm2以上にできる。したがって、256,00
0個のFeRAMを20mm2のチップに集積化する場合の
良品率を90%以上にできる。また、上記256kビッ
トの集積化FeRAMにおいて、センスアンプでの読み
取りマージンを十分にして誤判定を防止できる。
【0071】すなわち、この発明によれば、メガビット
クラスに高集積化された誘電体記憶装置の良品率を容易
に向上することができるのである。
【0072】また、第2の発明の半導体装置の製造方法
は、上記第1の発明の半導体装置における上記SBT等
のペロブスカイト型強誘電体材料やペロブスカイト型高
誘電体材料等を用いた誘電体膜を、625℃以上且つ6
75℃以下の結晶化温度で形成するので、上記下部電極
としてIr膜あるいはIr/IrO2膜を用いる際に、例え
ば6インチウェハにおけるIr析出物の発生を100個
以下に抑えると共に、分極反転電荷量を10μC/cm2
上にできる。したがって、256,000個のFeRAM
を20mm2のチップに集積化する場合の良品率を90%
以上にできる。また、上記256kビットの集積化Fe
RAMにおいて、センスアンプでの読み取りマージンを
十分にして誤判定を防止できる。
【0073】また、上記第2の発明の半導体装置の製造
方法は、上記誘電体膜形成時における結晶化時間を30
分以上且つ900分以下にすれば、上記誘電体膜を62
5℃以上且つ675℃以下の結晶化温度で形成する場合
に、例えば6インチウェハにおけるIr析出物の発生を
確実に100個以下に抑えると共に、分極反転電荷量を
確実に10μC/cm2以上にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の半導体装置としての誘電体記憶素
子における要部断面図である。
【図2】 SBTの結晶化温度とIr析出物および分極
反転電荷量との関係を示す図である。
【図3】 焼成温度が625℃のSBTにおける結晶化
時間とIr析出物および分極反転電荷量との関係を示す
図である。
【図4】 焼成温度が675℃のSBTにおける結晶化
時間とIr析出物および分極反転電荷量との関係を示す
図である。
【図5】 図1に示す誘電体記憶素子の製造方法を示す
断面図である。
【図6】 図1に示す誘電体記憶素子における印加電圧
・分極特性を示す図である。
【図7】 スタック型構造を有する従来の誘電体記憶素
子の断面図である。
【符号の説明】
21…基板、 22…選択トランジスタ、 23…第1層間絶縁膜、 24…導電性プラグ、 25…誘電体キャパシタ、 26a…ソース領域、 26b…ドレイン領域、 27…ゲート電極、 28…下部電極、 29…誘電体膜、 30…上部電極、 31…シリサイド膜、 32…拡散バリア膜、 33…第2層間絶縁膜、 34,35…引き出し電極、 36…ロコス膜、 37…コンタクトホール。
フロントページの続き Fターム(参考) 5F001 AA17 AD12 5F083 AD21 FR02 FR05 FR07 GA09 GA25 JA15 JA17 JA35 JA38 JA39 JA40 JA43 MA05 MA06 MA17 NA02 PR22 PR23 PR33 5F101 BA62 BD02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部電極,誘電体膜および下部電極を有
    するキャパシタにおける上記下部電極の下に位置して上
    記下部電極を選択トランジスタに電気的に接続する導電
    性プラグと、上記導電性プラグと下部電極との間に在っ
    て上記導電性プラグと下部電極との間の拡散反応を防ぐ
    拡散バリア膜と、上記導電性プラグと拡散バリア膜との
    間に在って金属元素を含むシリサイド膜を備えた半導体
    装置であって、 上記シリサイド膜の金属元素は、IV‐A族(Ti,Zr,H
    f)、V‐A族(V,Nb,Ta)、VI‐A族(Cr,Mo,W)、お
    よび、VIII族(Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt)の少
    なくとも一つのグループから選択された少なくとも一つ
    の元素であり、 上記拡散バリア膜は、AをTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,C
    r,Mo,W,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,PdおよびPtから
    選択された何れか一つの元素とし、BをZr,Hf,V,N
    b,Ta,Cr,Mo,W,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pdおよび
    Ptから選択された何れか一つの元素として、AxSi1-x
    y,AxAl1-xyおよびBNz(0.2≦x≦1,0≦y
    ≦1,0≦z<1)の少なくとも一つによって表わされ
    る組成物で構成され、 上記下部電極は、Ir膜あるいはIr膜とIrO2膜とを含
    む多層膜で構成され、 上記導電性プラグは、ポリシリコンによって構成され、 上記誘電体膜は、Bi4Ti312,SrBi2(Tax,Nb1-x)
    29(0≦x<1),BaBi2Nb29,BaBi2Ta29,Pb
    Bi2Ta29,PbBi2Nb29,PbBi4Ti415,SrBi4
    Ti415,BaBi4Ti415,Sr2Bi4Ti518,Ba2Bi4
    Ta518,Pb2Bi4Ti518,Na0.5Bi4.5Ti415,K
    0.5Bi4.5Ti415,(SrBi2(Tax,Nb 1-x)29)y・(Bi
    3TiTaO9)1-y(0≦x<1,0.6≦y<1)を含むBi
    系層状ぺロブスカイト型強誘電体材料、(Pb1-x,Lax)
    (Zr1-y,Tiy)O3(0≦x<0.2,0.48≦y<1)を
    含むPb系ペロブスカイト型強誘電体材料、SrTiO3
    (Ba,Sr)TiO3を含むペロブスカイト型高誘電体材料
    の何れか一つの誘電体材料を用いて構成されていること
    を特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置の製造方法
    であって、 上記誘電体膜を、625℃以上且つ675℃以下の結晶
    化温度で形成することを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記誘電体膜形成時における結晶化時間は、30分以上
    且つ900分以下であることを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2あるいは請求項3に記載の半導
    体装置の製造方法において、 上記誘電体膜形成時における結晶化雰囲気は、酸素雰囲
    気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、あるいは、酸素,窒
    素およびアルゴンのうち少なくとも1種類を含む混合雰
    囲気であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
JP2000313509A 2000-10-13 2000-10-13 半導体装置およびその製造方法 Pending JP2002124644A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000313509A JP2002124644A (ja) 2000-10-13 2000-10-13 半導体装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000313509A JP2002124644A (ja) 2000-10-13 2000-10-13 半導体装置およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002124644A true JP2002124644A (ja) 2002-04-26

Family

ID=18792915

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000313509A Pending JP2002124644A (ja) 2000-10-13 2000-10-13 半導体装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002124644A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007201242A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Seiko Epson Corp 半導体装置およびその製造方法
JP2007221156A (ja) * 2003-10-22 2007-08-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体装置及びその製造方法
JP2008141117A (ja) * 2006-12-05 2008-06-19 Oki Electric Ind Co Ltd 強誘電体メモリの製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007221156A (ja) * 2003-10-22 2007-08-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体装置及びその製造方法
JP2007201242A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Seiko Epson Corp 半導体装置およびその製造方法
JP2008141117A (ja) * 2006-12-05 2008-06-19 Oki Electric Ind Co Ltd 強誘電体メモリの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3319994B2 (ja) 半導体記憶素子
JP3383188B2 (ja) 強誘電体キャパシタデバイスおよびその製造方法
JP3249496B2 (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法
US6180974B1 (en) Semiconductor storage device having a capacitor electrode formed of at least a platinum-rhodium oxide
JP3570472B2 (ja) 高温電極バリアを備えるキャパシタおよびその製造方法並びにFeRAMおよびDRAM
US5965942A (en) Semiconductor memory device with amorphous diffusion barrier between capacitor and plug
JP2000040800A (ja) 強誘電体記憶素子及びその製造方法
JP2002530862A (ja) 水素ダメージを受けた強誘電体膜の不活性ガス回復アニーリング
KR100740964B1 (ko) 반도체 장치 및 그 제조 방법
JP4539844B2 (ja) 誘電体キャパシタおよびその製造方法ならびに半導体装置
US6872995B2 (en) Ferroelectric capacitor, method of manufacturing same, and semiconductor memory device
US6297085B1 (en) Method for manufacturing ferroelectric capacitor and method for manufacturing ferroelectric memory
US7531408B2 (en) Method of manufacturing a semiconductor device containing a PbxSr(1-x)[Zr,Ti]xRu(1-x)O3 film in a capacitor
JP2001237402A (ja) 構造化された金属酸化物含有層および半導体構造素子の製造方法
JPH10173140A (ja) 強誘電体キャパシタの製造方法及び強誘電体メモリ装置の製造方法
JP3353833B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2002203948A (ja) 半導体装置
JPH1056140A (ja) 強誘電体メモリ素子及びその製造方法
JP2002124644A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JPH11233734A (ja) 半導体メモリ素子及びその製造方法
JP2006278550A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2001338834A (ja) 誘電体キャパシタの製造方法
JPH10189886A (ja) 誘電体キャパシタおよび強誘電体メモリ
JPH113976A (ja) 誘電体素子、強誘電体メモリおよびその動作方法
JP2003197772A (ja) キャパシタ、半導体記憶装置およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041217

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050125