JP2002210793A - 射出成形方法 - Google Patents
射出成形方法Info
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- JP2002210793A JP2002210793A JP2001013966A JP2001013966A JP2002210793A JP 2002210793 A JP2002210793 A JP 2002210793A JP 2001013966 A JP2001013966 A JP 2001013966A JP 2001013966 A JP2001013966 A JP 2001013966A JP 2002210793 A JP2002210793 A JP 2002210793A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 射出口17を開閉可能なバルブノズルと、ス
クリュ3の先端部に設けられた逆流防止機構8と、射出
シリンダ1の中間部に設けられたガス注入口2とを備え
たインラインスクリュ式射出成形機を用い、多量の二酸
化炭素を溶解させた溶融樹脂を射出成形する際の射出量
を安定させる。 【解決手段】 射出口17を閉鎖し、スクリュ背圧を加
えた状態でスクリュ3を正回転させて、溶融樹脂を射出
シリンダ1の前部へ移動させながら、ガス注入口2から
射出シリンダ1内の溶融樹脂中に二酸化炭素を注入して
溶解させ、0.2重量%以上の二酸化炭素を溶解させた
溶融樹脂を射出シリンダ1の前部に所定量蓄積し、スク
リュ背圧を維持したまま逆流防止機構8を閉鎖状態とし
てから、射出口17を開放して溶融樹脂を射出する。
クリュ3の先端部に設けられた逆流防止機構8と、射出
シリンダ1の中間部に設けられたガス注入口2とを備え
たインラインスクリュ式射出成形機を用い、多量の二酸
化炭素を溶解させた溶融樹脂を射出成形する際の射出量
を安定させる。 【解決手段】 射出口17を閉鎖し、スクリュ背圧を加
えた状態でスクリュ3を正回転させて、溶融樹脂を射出
シリンダ1の前部へ移動させながら、ガス注入口2から
射出シリンダ1内の溶融樹脂中に二酸化炭素を注入して
溶解させ、0.2重量%以上の二酸化炭素を溶解させた
溶融樹脂を射出シリンダ1の前部に所定量蓄積し、スク
リュ背圧を維持したまま逆流防止機構8を閉鎖状態とし
てから、射出口17を開放して溶融樹脂を射出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂の射
出成形法に係わり、特に二酸化炭素を溶解させて溶融粘
度を低下させた熱可塑性樹脂で成形を行う射出成形方法
に関する。
出成形法に係わり、特に二酸化炭素を溶解させて溶融粘
度を低下させた熱可塑性樹脂で成形を行う射出成形方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハンディパソコン、携帯電話等の
モバイル電子機器の筐体等は、益々薄肉、軽量化が要求
されている。一方、それらの取り扱い時や落下時の強度
も合わせて要求されている。その結果、強度が要求され
ない部分は極力薄肉軽量化することが必要となってい
る。
モバイル電子機器の筐体等は、益々薄肉、軽量化が要求
されている。一方、それらの取り扱い時や落下時の強度
も合わせて要求されている。その結果、強度が要求され
ない部分は極力薄肉軽量化することが必要となってい
る。
【0003】一般的に、成形状態が良好な薄肉成形品を
得るために、射出速度を大きくする、射出直後の保圧を
大きくする、金型温度を高くする等の対策がとられてい
る。しかし、これらの対策だけでは、近年の薄肉軽量化
要請へ十分対応しにくくなってきている。
得るために、射出速度を大きくする、射出直後の保圧を
大きくする、金型温度を高くする等の対策がとられてい
る。しかし、これらの対策だけでは、近年の薄肉軽量化
要請へ十分対応しにくくなってきている。
【0004】ところで、熱可塑性樹脂の射出成形におい
て、溶融樹脂の流動性は、金型キャビティへの充填の容
易さを決めるだけではなく、充填後に十分な圧力がキャ
ビティ内、特に樹脂流動末端の薄肉部の樹脂へ伝わるか
どうかも左右するため、成形品の寸法精度、外観だけで
なく、金型表面の高度な転写にも影響を与え、樹脂の加
工性を決める重要な因子である。
て、溶融樹脂の流動性は、金型キャビティへの充填の容
易さを決めるだけではなく、充填後に十分な圧力がキャ
ビティ内、特に樹脂流動末端の薄肉部の樹脂へ伝わるか
どうかも左右するため、成形品の寸法精度、外観だけで
なく、金型表面の高度な転写にも影響を与え、樹脂の加
工性を決める重要な因子である。
【0005】上記流動性を表す一つの指標として、溶融
樹脂の粘度がある。一般に、熱可塑性樹脂は溶融粘度が
高く、成形材料として流動性に劣る。このため、成形品
の光沢ムラ、ウェルドラインなどの外観不良や、金型表
面の微細形状の転写不良を起こしやすい。また、流動性
に劣る樹脂は、前記一般的な対策だけでは、薄肉の成形
品となるほど、キャビティの隅々にまで樹脂を完全に充
填しにくくなる。
樹脂の粘度がある。一般に、熱可塑性樹脂は溶融粘度が
高く、成形材料として流動性に劣る。このため、成形品
の光沢ムラ、ウェルドラインなどの外観不良や、金型表
面の微細形状の転写不良を起こしやすい。また、流動性
に劣る樹脂は、前記一般的な対策だけでは、薄肉の成形
品となるほど、キャビティの隅々にまで樹脂を完全に充
填しにくくなる。
【0006】従来、熱可塑性樹脂の流動性を高める方法
として、二酸化炭素等のガスを溶解させる方法が知られ
ていると共に、二酸化炭素等のガスを溶解させて流動性
を高めた熱可塑性樹脂を用いた成形法が知られている。
として、二酸化炭素等のガスを溶解させる方法が知られ
ていると共に、二酸化炭素等のガスを溶解させて流動性
を高めた熱可塑性樹脂を用いた成形法が知られている。
【0007】例えば、J.Appl.Polym.Sc
i.,Vol.30,2633(1985)等、多くの
文献に示されるように、二酸化炭素を樹脂に吸収させる
と、樹脂の可塑剤として働き、ガラス転移温度を低下さ
せることが知られている。また、WO98/52734
に示されるように、0.2重量%以上の二酸化炭素を熱
可塑性樹脂中に含ませることで、熱可塑性樹脂の流動性
を大幅に向上させることができることも知られている。
i.,Vol.30,2633(1985)等、多くの
文献に示されるように、二酸化炭素を樹脂に吸収させる
と、樹脂の可塑剤として働き、ガラス転移温度を低下さ
せることが知られている。また、WO98/52734
に示されるように、0.2重量%以上の二酸化炭素を熱
可塑性樹脂中に含ませることで、熱可塑性樹脂の流動性
を大幅に向上させることができることも知られている。
【0008】一方、二酸化炭素を発泡剤とし、これを熱
可塑性樹脂に配合して、押出成形等により、セル径が極
めて小さい発泡体(一般に、マイクロセルラーフォーム
あるいはスーパーマイクロセルラーフォームと称され
る)を得る成形法が、USP5158986、WO89
/00918、USP5334356、WO98/31
521等に紹介されている。一般に、セル径が小さくな
ると、発泡体の性能が向上するといわれている。特開平
10−230526号公報には、二酸化炭素を発泡剤と
した射出成形により、内層が平均セル径0.01〜50
μm、平均セル密度108〜1016個/cm3の発泡部分
と、表層に厚さ10〜1000μmの該発泡部分と一体
化した未発泡部分を有する、マイクロセルラーフォーム
SFの射出成形について述べられている。
可塑性樹脂に配合して、押出成形等により、セル径が極
めて小さい発泡体(一般に、マイクロセルラーフォーム
あるいはスーパーマイクロセルラーフォームと称され
る)を得る成形法が、USP5158986、WO89
/00918、USP5334356、WO98/31
521等に紹介されている。一般に、セル径が小さくな
ると、発泡体の性能が向上するといわれている。特開平
10−230526号公報には、二酸化炭素を発泡剤と
した射出成形により、内層が平均セル径0.01〜50
μm、平均セル密度108〜1016個/cm3の発泡部分
と、表層に厚さ10〜1000μmの該発泡部分と一体
化した未発泡部分を有する、マイクロセルラーフォーム
SFの射出成形について述べられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、二酸化炭素
を発泡剤として用いることは、前記マイクロセルラーフ
ォームに限らず、押出発泡成形では広く行われている。
この押出発泡成形においては、押出機で樹脂を十分に溶
融、混練した後に、押出機先端近くに設けたシリンダの
ガス供給穴から、二酸化炭素を液化した後に定量ポンプ
で計量しながら、溶融樹脂中に20〜30MPaの高圧
で圧入している。
を発泡剤として用いることは、前記マイクロセルラーフ
ォームに限らず、押出発泡成形では広く行われている。
この押出発泡成形においては、押出機で樹脂を十分に溶
融、混練した後に、押出機先端近くに設けたシリンダの
ガス供給穴から、二酸化炭素を液化した後に定量ポンプ
で計量しながら、溶融樹脂中に20〜30MPaの高圧
で圧入している。
【0010】上記のようにして二酸化炭素を溶融樹脂に
溶解させると、多量の二酸化炭素を溶解させることがで
きる。多量の二酸化炭素を溶解させた溶融樹脂で射出成
形を行えば、二酸化炭素により大きく粘度が低下された
流動性に優れた樹脂により、極めて薄肉の成形品を成形
することが可能となる。
溶解させると、多量の二酸化炭素を溶解させることがで
きる。多量の二酸化炭素を溶解させた溶融樹脂で射出成
形を行えば、二酸化炭素により大きく粘度が低下された
流動性に優れた樹脂により、極めて薄肉の成形品を成形
することが可能となる。
【0011】しかしながら、インラインスクリュ式射出
成形機によって、多量の二酸化炭素を溶解させた溶融樹
脂による射出成形を行おうとすると、各ショット毎の射
出量が安定しなくなる問題がある。
成形機によって、多量の二酸化炭素を溶解させた溶融樹
脂による射出成形を行おうとすると、各ショット毎の射
出量が安定しなくなる問題がある。
【0012】また、インラインスクリュ式射出成形機に
おける各ショット毎の計量は、スクリュを正回転させて
溶融樹脂を前進させると共に、射出シリンダ前部への溶
融樹脂の蓄積に伴ってスクリュを後退させることで行わ
れる。この時、多量の二酸化炭素が溶融樹脂に注入され
ていると、二酸化炭素が十分溶融樹脂に溶解せずに気泡
状態で残留し、スクリュの後退がこの気泡の有無によっ
て間欠的なものとなり、計量自体が不安定になって、や
はり射出量が安定しなくなる問題がある。
おける各ショット毎の計量は、スクリュを正回転させて
溶融樹脂を前進させると共に、射出シリンダ前部への溶
融樹脂の蓄積に伴ってスクリュを後退させることで行わ
れる。この時、多量の二酸化炭素が溶融樹脂に注入され
ていると、二酸化炭素が十分溶融樹脂に溶解せずに気泡
状態で残留し、スクリュの後退がこの気泡の有無によっ
て間欠的なものとなり、計量自体が不安定になって、や
はり射出量が安定しなくなる問題がある。
【0013】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、多量の二酸化炭素を溶解させた溶融樹脂を
インラインスクリュ式射出成形機で射出成形する際の射
出量を安定させることを目的とする。
れたもので、多量の二酸化炭素を溶解させた溶融樹脂を
インラインスクリュ式射出成形機で射出成形する際の射
出量を安定させることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、射出口を開閉可能なバルブノズルと、ス
クリュの先端部に設けられた逆流防止機構と、射出シリ
ンダの中間部に設けられたガス注入口とを備えたインラ
インスクリュ式射出成形機を用い、射出口を閉鎖し、ス
クリュ背圧を加えた状態でスクリュを正回転させて、溶
融樹脂を射出シリンダの前部へ移動させながら、ガス注
入口から射出シリンダ内の溶融樹脂中に二酸化炭素を注
入して溶解させ、0.2重量%以上の二酸化炭素を溶解
させた溶融樹脂を射出シリンダの前部に所定量蓄積し、
スクリュ背圧を維持したまま逆流防止機構を閉鎖状態と
してから、射出口を開放して溶融樹脂を射出することを
特徴とする射出成形方法を提供するものである。
成するために、射出口を開閉可能なバルブノズルと、ス
クリュの先端部に設けられた逆流防止機構と、射出シリ
ンダの中間部に設けられたガス注入口とを備えたインラ
インスクリュ式射出成形機を用い、射出口を閉鎖し、ス
クリュ背圧を加えた状態でスクリュを正回転させて、溶
融樹脂を射出シリンダの前部へ移動させながら、ガス注
入口から射出シリンダ内の溶融樹脂中に二酸化炭素を注
入して溶解させ、0.2重量%以上の二酸化炭素を溶解
させた溶融樹脂を射出シリンダの前部に所定量蓄積し、
スクリュ背圧を維持したまま逆流防止機構を閉鎖状態と
してから、射出口を開放して溶融樹脂を射出することを
特徴とする射出成形方法を提供するものである。
【0015】上記本発明は、スクリュを、後端側から第
一フィード部、第一コンプレッション部、第一メタリン
グ部を有するスクリュ第一ステージと、同様に第二フィ
ード部、第二コンプレッション部、第二メタリング部を
有するスクリュ第二ステージ6とが直列に連なった2ス
テージタイプとし、第二フィード部にガス注入口を位置
させると共に、第二フィード部における溶融樹脂の移送
を飢餓状態とすること、スクリュ背圧を、ガス注入口か
ら注入する二酸化炭素の圧力以上で、第二フィード部に
おける溶融樹脂の圧力が上記二酸化炭素の圧力未満とな
る圧力とすること、をその好ましい態様として含むもの
である。
一フィード部、第一コンプレッション部、第一メタリン
グ部を有するスクリュ第一ステージと、同様に第二フィ
ード部、第二コンプレッション部、第二メタリング部を
有するスクリュ第二ステージ6とが直列に連なった2ス
テージタイプとし、第二フィード部にガス注入口を位置
させると共に、第二フィード部における溶融樹脂の移送
を飢餓状態とすること、スクリュ背圧を、ガス注入口か
ら注入する二酸化炭素の圧力以上で、第二フィード部に
おける溶融樹脂の圧力が上記二酸化炭素の圧力未満とな
る圧力とすること、をその好ましい態様として含むもの
である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明で使用される熱可塑性樹脂
としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リアリレート、ポリフェニレンエーテル、変成ポリフェ
ニレンエーテル樹脂、全芳香族ポリエステル、ポリアセ
タール、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリ
エーテルサルフォン、ポリアミド系樹脂、ポリサルフォ
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン
等を挙げることができる。これらは、単独若しくは二種
以上を混合したブレンド物として用いることができる。
また、各種充填材や添加材を配合して用いることもでき
る。
としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リアリレート、ポリフェニレンエーテル、変成ポリフェ
ニレンエーテル樹脂、全芳香族ポリエステル、ポリアセ
タール、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリ
エーテルサルフォン、ポリアミド系樹脂、ポリサルフォ
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン
等を挙げることができる。これらは、単独若しくは二種
以上を混合したブレンド物として用いることができる。
また、各種充填材や添加材を配合して用いることもでき
る。
【0017】上記熱可塑性樹脂のうちのスチレン系樹脂
とは、スチレンを必須原料とするホモポリマー、コポリ
マー及びこれらのポリマーと他の樹脂より得られるポリ
マーブレンドであり、ポリスチレン又はABS樹脂であ
ることが好ましい。また、ポリスチレンとは、スチレン
ホモポリマー、又は樹脂相中にゴムが分布したゴム強化
ポリスチレンである。
とは、スチレンを必須原料とするホモポリマー、コポリ
マー及びこれらのポリマーと他の樹脂より得られるポリ
マーブレンドであり、ポリスチレン又はABS樹脂であ
ることが好ましい。また、ポリスチレンとは、スチレン
ホモポリマー、又は樹脂相中にゴムが分布したゴム強化
ポリスチレンである。
【0018】特に二酸化炭素との親和性が高く、二酸化
炭素の溶解度が高い熱可塑性樹脂が好ましく、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、スチレン系樹脂、ポリア
セタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテ
ル、変成ポリフェニレンエーテル樹脂等が特に好まし
い。また、リエチレンテレフタレート、ボリブチレンテ
レフタレート等も良好に使用できる。
炭素の溶解度が高い熱可塑性樹脂が好ましく、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、スチレン系樹脂、ポリア
セタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテ
ル、変成ポリフェニレンエーテル樹脂等が特に好まし
い。また、リエチレンテレフタレート、ボリブチレンテ
レフタレート等も良好に使用できる。
【0019】本発明では、樹脂に0.2重量%以上の二
酸化炭素を配合しており、この二酸化炭素は良好な可塑
剤として働くため、各種の難加工性樹脂、例えば樹脂分
子量が射出成形するには大きすぎる熱可塑性樹脂、熱安
定性が悪くて熱分解を起こし易い樹脂、軟化温度が高く
て著しく高温度にして成形する必要がある樹脂、熱分解
し易い難燃剤等の添加物を配合した樹脂等であっても使
用できる。
酸化炭素を配合しており、この二酸化炭素は良好な可塑
剤として働くため、各種の難加工性樹脂、例えば樹脂分
子量が射出成形するには大きすぎる熱可塑性樹脂、熱安
定性が悪くて熱分解を起こし易い樹脂、軟化温度が高く
て著しく高温度にして成形する必要がある樹脂、熱分解
し易い難燃剤等の添加物を配合した樹脂等であっても使
用できる。
【0020】本発明では一般の押出成形には使用される
が、射出成形するには流動性が悪い熱可塑性樹脂、射出
成形するには分子量が大きすぎる熱可塑性樹脂等につい
ても、上記と同様に良好に使用できる。
が、射出成形するには流動性が悪い熱可塑性樹脂、射出
成形するには分子量が大きすぎる熱可塑性樹脂等につい
ても、上記と同様に良好に使用できる。
【0021】本発明で用いる二酸化炭素としては、溶融
樹脂に対する溶解度が大きい物質、例えば炭素数1〜5
の飽和炭化水素およびその一部水素をフッ素で置換した
フロン、水、アルコールなどの液体を混合したものも含
まれる。また、微少の空気や窒素ガスが混入した二酸化
炭素も含まれる。
樹脂に対する溶解度が大きい物質、例えば炭素数1〜5
の飽和炭化水素およびその一部水素をフッ素で置換した
フロン、水、アルコールなどの液体を混合したものも含
まれる。また、微少の空気や窒素ガスが混入した二酸化
炭素も含まれる。
【0022】二酸化炭素は、熱可塑性樹脂に良く溶解し
て良好な発泡剤となると共に、可塑剤になって熱可塑性
樹脂の流動性を向上させる。本発明において、二酸化炭
素が溶解した溶融樹脂の発泡を押さえられるカウンタプ
レッシャを加えて射出成形すれば、非発泡成形品を得る
ことができ、このカウンタプレッシャを加えずに射出成
形すれば、発泡成形品を得ることができる。カウンタプ
レッシャは、二酸化炭素で加えるのが最適である。
て良好な発泡剤となると共に、可塑剤になって熱可塑性
樹脂の流動性を向上させる。本発明において、二酸化炭
素が溶解した溶融樹脂の発泡を押さえられるカウンタプ
レッシャを加えて射出成形すれば、非発泡成形品を得る
ことができ、このカウンタプレッシャを加えずに射出成
形すれば、発泡成形品を得ることができる。カウンタプ
レッシャは、二酸化炭素で加えるのが最適である。
【0023】本発明で溶融状態の熱可塑性樹脂に溶解さ
せる二酸化炭素量は0.2重量%以上である。流動性を
顕著に向上させ、また良好な発泡成形を可能にするには
0.2重量%以上が必要であり、好ましくは0.5重量
%以上である。また、二酸化炭素の溶解量の最大量は1
0重量%程度である。
せる二酸化炭素量は0.2重量%以上である。流動性を
顕著に向上させ、また良好な発泡成形を可能にするには
0.2重量%以上が必要であり、好ましくは0.5重量
%以上である。また、二酸化炭素の溶解量の最大量は1
0重量%程度である。
【0024】上記溶融樹脂への二酸化炭素の溶解量を射
出シリンダ中で直接測定することは難しいため、本発明
では、金型キャビティに発泡を押さえるに十分な圧力の
カウンターガス圧力をかけた状態で、二酸化炭素を含む
樹脂を用いて射出成形した成形直後における成形品の重
量と、成形品を、非晶性樹脂にあってはガラス転移温
度、結晶性樹脂にあっては融点よりも約30℃低い熱風
乾燥機中に24時間以上放置し、成形品中に含まれてい
た二酸化炭素量が放散して重量が一定になった成形品の
重量との差を、金型キャビティに射出する溶融樹脂中の
二酸化炭素溶解量とする。
出シリンダ中で直接測定することは難しいため、本発明
では、金型キャビティに発泡を押さえるに十分な圧力の
カウンターガス圧力をかけた状態で、二酸化炭素を含む
樹脂を用いて射出成形した成形直後における成形品の重
量と、成形品を、非晶性樹脂にあってはガラス転移温
度、結晶性樹脂にあっては融点よりも約30℃低い熱風
乾燥機中に24時間以上放置し、成形品中に含まれてい
た二酸化炭素量が放散して重量が一定になった成形品の
重量との差を、金型キャビティに射出する溶融樹脂中の
二酸化炭素溶解量とする。
【0025】本発明における溶融樹脂への二酸化炭素の
溶解は、多量の二酸化炭素を注入しやすいことから、射
出シリンダの中間部に設けられたガス注入口から溶融樹
脂中に二酸化炭素を注入することで行われる。この二酸
化炭素の注入は、注入部及びその付近のスクリュ深さを
深くしておき、当該部分の溶融樹脂の圧力を低くしてお
くと行いやすい。また、二酸化炭素を注入後、溶融樹脂
中に均一に溶解、分散させるため、注入部付近のスクリ
ュにミキシング機構を設けることも好ましい上記二酸化
炭素の溶融樹脂への注入による溶解と併用して、あらか
じめ粒状や粉状の樹脂を二酸化炭素雰囲気中に置いて二
酸化炭素を吸収させてから成形機に供給することもでき
る。二酸化炭素雰囲気下へ置いた場合の吸収量は、二酸
化炭素の圧力や雰囲気温度、吸収させる時間により決ま
る。このようにして予め二酸化炭素を吸収させた粒状又
は紛状の樹脂を用いる場合、可塑化時に樹脂が加熱され
るに従って樹脂中の二酸化炭素の一部が揮散するため、
溶融樹脂中の二酸化炭素量は予め吸収させた量よりも少
なくなる。このため、射出成形機のホッパ等の樹脂の供
給経路も二酸化炭素雰囲気にすることが望ましい。
溶解は、多量の二酸化炭素を注入しやすいことから、射
出シリンダの中間部に設けられたガス注入口から溶融樹
脂中に二酸化炭素を注入することで行われる。この二酸
化炭素の注入は、注入部及びその付近のスクリュ深さを
深くしておき、当該部分の溶融樹脂の圧力を低くしてお
くと行いやすい。また、二酸化炭素を注入後、溶融樹脂
中に均一に溶解、分散させるため、注入部付近のスクリ
ュにミキシング機構を設けることも好ましい上記二酸化
炭素の溶融樹脂への注入による溶解と併用して、あらか
じめ粒状や粉状の樹脂を二酸化炭素雰囲気中に置いて二
酸化炭素を吸収させてから成形機に供給することもでき
る。二酸化炭素雰囲気下へ置いた場合の吸収量は、二酸
化炭素の圧力や雰囲気温度、吸収させる時間により決ま
る。このようにして予め二酸化炭素を吸収させた粒状又
は紛状の樹脂を用いる場合、可塑化時に樹脂が加熱され
るに従って樹脂中の二酸化炭素の一部が揮散するため、
溶融樹脂中の二酸化炭素量は予め吸収させた量よりも少
なくなる。このため、射出成形機のホッパ等の樹脂の供
給経路も二酸化炭素雰囲気にすることが望ましい。
【0026】更に本発明を図を用いて説明する。
【0027】図1は、ベント付インラインスクリュ式射
出成形機で、射出シリンダ1のほぼ中央部に設けられた
ベント部をガス注入口2とし、このガス注入口2から二
酸化炭素を注入できるようにしたである。
出成形機で、射出シリンダ1のほぼ中央部に設けられた
ベント部をガス注入口2とし、このガス注入口2から二
酸化炭素を注入できるようにしたである。
【0028】スクリュ3は、後端側(ホッパ4側)から
第一フィード部5a、第一コンプレッション部5b、第
一メタリング部5cを有するスクリュ第一ステージ5
と、同様に第二フィード部6a、第二コンプレッション
部6b、第二メタリング部6cを有するスクリュ第二ス
テージ6とが直列に連なった2ステージタイプのものと
なっている。前記ガス注入口2は、第二フィード部6a
部分に位置している。
第一フィード部5a、第一コンプレッション部5b、第
一メタリング部5cを有するスクリュ第一ステージ5
と、同様に第二フィード部6a、第二コンプレッション
部6b、第二メタリング部6cを有するスクリュ第二ス
テージ6とが直列に連なった2ステージタイプのものと
なっている。前記ガス注入口2は、第二フィード部6a
部分に位置している。
【0029】スクリュ第一ステージ5からスクリュ第二
ステージ6に移送される溶融樹脂量は、スクリュ第二ス
テージ6で前方へ移送される溶融樹脂量より少ないこと
が好ましい。このようにすることによって、第二フィー
ド部6a部分の溶融樹脂の移送を飢餓状態とすることが
できる。この飢餓状態とは、後端側から送られてくる溶
融樹脂量に比して先端側へ送り出す溶融樹脂量が多いこ
とで、前後の溶融樹脂圧に比して溶融樹脂圧が低下した
り、射出シリンダ1内に溶融樹脂が充満せずに隙間を生
じる状態をいう。
ステージ6に移送される溶融樹脂量は、スクリュ第二ス
テージ6で前方へ移送される溶融樹脂量より少ないこと
が好ましい。このようにすることによって、第二フィー
ド部6a部分の溶融樹脂の移送を飢餓状態とすることが
できる。この飢餓状態とは、後端側から送られてくる溶
融樹脂量に比して先端側へ送り出す溶融樹脂量が多いこ
とで、前後の溶融樹脂圧に比して溶融樹脂圧が低下した
り、射出シリンダ1内に溶融樹脂が充満せずに隙間を生
じる状態をいう。
【0030】上記のようにすると、二酸化炭素を供給す
る第二フィード部6aの溶融樹脂の移送が飢餓状態とな
っていることから、高圧の二酸化炭素を使用しなくて
も、溶融樹脂中へ必要量の二酸化炭素を注入することが
できる。具体的には、5〜15MPaの圧力で容易に多
量の二酸化炭素を注入することができる。従って、高圧
の二酸化炭素を使用することによる設備的負担を軽減す
ることができる。また、この二酸化炭素の注入量は、二
酸化炭素の圧力が一定だとすると、どの程度の飢餓状態
であるかによってほぼ定まることから、定量化を図りや
すい。
る第二フィード部6aの溶融樹脂の移送が飢餓状態とな
っていることから、高圧の二酸化炭素を使用しなくて
も、溶融樹脂中へ必要量の二酸化炭素を注入することが
できる。具体的には、5〜15MPaの圧力で容易に多
量の二酸化炭素を注入することができる。従って、高圧
の二酸化炭素を使用することによる設備的負担を軽減す
ることができる。また、この二酸化炭素の注入量は、二
酸化炭素の圧力が一定だとすると、どの程度の飢餓状態
であるかによってほぼ定まることから、定量化を図りや
すい。
【0031】第二フィード部6aにおける飢餓状態は、
スクリュ第一ステージ5から第二フィード部6aへ供給
される溶融樹脂量と、第二フィード部6aから先に送ら
れる溶融樹脂量とのバランスにより発生させることがで
きる。すなわち、スクリュ第一ステージ5より第二フィ
ード部6aへ供給される溶融樹脂量に比して、第二フィ
ード部6aから先に送られる溶融樹脂量を多くすること
で発生させることができる。具体的には、第二フィード
部6aのスクリュフライト深さを第一フィード部5aに
比して大きくしたり、第二フィード部6aを移送力の大
きなダブルフライトとすること等、第二フィード部6a
の溶融樹脂輸送量を十分に大きくしたスクリュデザイン
とすることで、第二フィード部6aにおける飢餓状態を
発生させることができる。
スクリュ第一ステージ5から第二フィード部6aへ供給
される溶融樹脂量と、第二フィード部6aから先に送ら
れる溶融樹脂量とのバランスにより発生させることがで
きる。すなわち、スクリュ第一ステージ5より第二フィ
ード部6aへ供給される溶融樹脂量に比して、第二フィ
ード部6aから先に送られる溶融樹脂量を多くすること
で発生させることができる。具体的には、第二フィード
部6aのスクリュフライト深さを第一フィード部5aに
比して大きくしたり、第二フィード部6aを移送力の大
きなダブルフライトとすること等、第二フィード部6a
の溶融樹脂輸送量を十分に大きくしたスクリュデザイン
とすることで、第二フィード部6aにおける飢餓状態を
発生させることができる。
【0032】また、第一メタリング部5cと、第二フィ
ード部6aとの間に樹脂流量制御部7を設けることが好
ましい。この樹脂流量制御部7は、溶融樹脂が前進する
隙間を小さくして、その流れを抑制する部分で、これを
設けておくと、第二フィード部6aにおける飢餓状態を
発生させやすくなると共に、第二フィード部6aに供給
される二酸化炭素が第一メタリング部5cへ逆流するの
を防止しやすくなる。
ード部6aとの間に樹脂流量制御部7を設けることが好
ましい。この樹脂流量制御部7は、溶融樹脂が前進する
隙間を小さくして、その流れを抑制する部分で、これを
設けておくと、第二フィード部6aにおける飢餓状態を
発生させやすくなると共に、第二フィード部6aに供給
される二酸化炭素が第一メタリング部5cへ逆流するの
を防止しやすくなる。
【0033】スクリュ3の先端部には、逆流防止機構8
が設けられている。この逆流防止機構8は、図2に示さ
れるようなもので、スクリュ3の先端部に形成された小
径部9に、小径部9の外周面との間に樹脂流路10を残
し、スクリュ3の中心軸方向に移動可能に環状の逆止リ
ング11を挿設し、この逆止リング11を後端側(ホッ
パ4側)へ押圧するスプリング12を有するものとなっ
ている。この逆流防止機構8は、スクリュ3の停止時に
はスプリング12の押圧力で逆止リング11が後端側へ
押圧移動されて樹脂流路10を閉鎖し、溶融樹脂の存在
下でスクリュ3が正回転されると、溶融樹脂の前進力に
より、スプリング12に抗して逆止リング11が先端側
へ押圧移動されて、樹脂流路10を開放するものであ
る。
が設けられている。この逆流防止機構8は、図2に示さ
れるようなもので、スクリュ3の先端部に形成された小
径部9に、小径部9の外周面との間に樹脂流路10を残
し、スクリュ3の中心軸方向に移動可能に環状の逆止リ
ング11を挿設し、この逆止リング11を後端側(ホッ
パ4側)へ押圧するスプリング12を有するものとなっ
ている。この逆流防止機構8は、スクリュ3の停止時に
はスプリング12の押圧力で逆止リング11が後端側へ
押圧移動されて樹脂流路10を閉鎖し、溶融樹脂の存在
下でスクリュ3が正回転されると、溶融樹脂の前進力に
より、スプリング12に抗して逆止リング11が先端側
へ押圧移動されて、樹脂流路10を開放するものであ
る。
【0034】本発明においては、スクリュ背圧をかけた
状態で樹脂の可塑化計量が行われる。このため、図1に
示されるように、射出シリンダ1の先端に設けられた射
出ノズル13は、スクリュ背圧をかけてスクリュ3を正
回転させても、樹脂のドュルーリングが生じないよう
に、開閉弁14を有するバルブノズルとなっている。図
1に示される開閉弁14は、駆動シリンダ15によって
レバー16を傾動させることで、スクリュ3の中心軸方
向にスライド移動され、射出口17を開閉するものとな
っている。
状態で樹脂の可塑化計量が行われる。このため、図1に
示されるように、射出シリンダ1の先端に設けられた射
出ノズル13は、スクリュ背圧をかけてスクリュ3を正
回転させても、樹脂のドュルーリングが生じないよう
に、開閉弁14を有するバルブノズルとなっている。図
1に示される開閉弁14は、駆動シリンダ15によって
レバー16を傾動させることで、スクリュ3の中心軸方
向にスライド移動され、射出口17を開閉するものとな
っている。
【0035】上記スクリュ背圧は、スクリュ3の正回転
と共に射出シリンダ1の前部へと移送される溶融樹脂の
圧力を高め、二酸化炭素の溶解を促すと共に、射出シリ
ンダ1前部で溶融樹脂から二酸化炭素が放出されるのを
防止するためのもので、スクリュ3を前進方向に押圧す
る圧力をいう。
と共に射出シリンダ1の前部へと移送される溶融樹脂の
圧力を高め、二酸化炭素の溶解を促すと共に、射出シリ
ンダ1前部で溶融樹脂から二酸化炭素が放出されるのを
防止するためのもので、スクリュ3を前進方向に押圧す
る圧力をいう。
【0036】上記可塑化計量時のスクリュ背圧は、ガス
注入口2から注入される二酸化炭素の圧力以上で、第二
フィード部6aにおける溶融樹脂の圧力が上記二酸化炭
素の圧力未満となる圧力であることが好ましい。即ち、
スクリュ背圧が低すぎると、第二フィード部6aの溶融
樹脂中に注入した二酸化炭素が溶融樹脂に十分溶け込ま
ず、溶融樹脂中に気泡として残存し、溶融樹脂が発泡状
態となる。二酸化炭素が溶融樹脂中に気泡として残存し
ていると、この気泡の影響で、可塑化計量時のスクリュ
3の後退が不安定になる。具体的には、スクリュ3の後
退が断続的なものとなり、計量が不安定になって、射出
量が安定しなくなる。一方、スクリュ背圧が大きすぎる
と、第二フィード部6aにおける溶融樹脂の圧力が、ガ
ス供給口2から注入される二酸化炭素の圧力以上とな
り、二酸化炭素の注入を安定して行いにくくなる。二酸
化炭素の注入を容易にする上では、第二フィード部6a
における溶融樹脂の圧力を、大気圧あるいは大気圧以下
にすることが好ましい。スクリュ背圧を加えつつ、第二
フィード部6aの溶融樹脂圧力を低下させる上で、前記
飢餓状態とすることが好ましい。
注入口2から注入される二酸化炭素の圧力以上で、第二
フィード部6aにおける溶融樹脂の圧力が上記二酸化炭
素の圧力未満となる圧力であることが好ましい。即ち、
スクリュ背圧が低すぎると、第二フィード部6aの溶融
樹脂中に注入した二酸化炭素が溶融樹脂に十分溶け込ま
ず、溶融樹脂中に気泡として残存し、溶融樹脂が発泡状
態となる。二酸化炭素が溶融樹脂中に気泡として残存し
ていると、この気泡の影響で、可塑化計量時のスクリュ
3の後退が不安定になる。具体的には、スクリュ3の後
退が断続的なものとなり、計量が不安定になって、射出
量が安定しなくなる。一方、スクリュ背圧が大きすぎる
と、第二フィード部6aにおける溶融樹脂の圧力が、ガ
ス供給口2から注入される二酸化炭素の圧力以上とな
り、二酸化炭素の注入を安定して行いにくくなる。二酸
化炭素の注入を容易にする上では、第二フィード部6a
における溶融樹脂の圧力を、大気圧あるいは大気圧以下
にすることが好ましい。スクリュ背圧を加えつつ、第二
フィード部6aの溶融樹脂圧力を低下させる上で、前記
飢餓状態とすることが好ましい。
【0037】ホッパ4より供給された樹脂ペレットは、
射出口17を閉鎖し、スクリュ背圧をかけた状態で、ス
クリュ3を正回転させることで、可塑化混練りされつつ
前進し、第二フィード部6aにおいて移送状態が飢餓状
態となったところでガス供給口2から二酸化炭素が注入
され、これを溶解させつつ逆流防止機構8へと進む。
射出口17を閉鎖し、スクリュ背圧をかけた状態で、ス
クリュ3を正回転させることで、可塑化混練りされつつ
前進し、第二フィード部6aにおいて移送状態が飢餓状
態となったところでガス供給口2から二酸化炭素が注入
され、これを溶解させつつ逆流防止機構8へと進む。
【0038】この逆流防止機構8部分で、溶融樹脂は、
その前進力でスプリング12に抗して逆止リング11を
先端側へ押圧移動させ、樹脂流路10を開放して、射出
シリンダ1の前部へと入り込んで蓄積される。この射出
シリンダ1の前部に蓄積された溶融樹脂は、前記スクリ
ュ背圧によって加圧された状態にあることから、上記樹
脂流路10の開放は、この射出シリンダ1前部内の溶融
樹脂圧力とスプリング12の押圧力に抗して行われるこ
とになり、溶融樹脂は逆流防止機構の手前で圧縮され、
注入された二酸化炭素の溶解が促進されることになる。
また、射出シリンダ1の前部に蓄積された溶融樹脂は、
スクリュ背圧によって加圧状態にあることから、更なる
二酸化炭素の溶解促進と、一旦溶解した二酸化炭素の放
出防止が図られる。
その前進力でスプリング12に抗して逆止リング11を
先端側へ押圧移動させ、樹脂流路10を開放して、射出
シリンダ1の前部へと入り込んで蓄積される。この射出
シリンダ1の前部に蓄積された溶融樹脂は、前記スクリ
ュ背圧によって加圧された状態にあることから、上記樹
脂流路10の開放は、この射出シリンダ1前部内の溶融
樹脂圧力とスプリング12の押圧力に抗して行われるこ
とになり、溶融樹脂は逆流防止機構の手前で圧縮され、
注入された二酸化炭素の溶解が促進されることになる。
また、射出シリンダ1の前部に蓄積された溶融樹脂は、
スクリュ背圧によって加圧状態にあることから、更なる
二酸化炭素の溶解促進と、一旦溶解した二酸化炭素の放
出防止が図られる。
【0039】本発明における可塑化計量は、上記のよう
にして行われることから、注入された二酸化炭素が気泡
状態で残留したまま射出シリンダ2の前部に入り込むこ
とが無く、計量を安定させることができる。
にして行われることから、注入された二酸化炭素が気泡
状態で残留したまま射出シリンダ2の前部に入り込むこ
とが無く、計量を安定させることができる。
【0040】射出シリンダ2の前部に所定量の溶融樹脂
が蓄積された後、スクリュ3の回転を止め、射出口17
を開放すると共にスクリュ3を前進させることで射出が
行われることになる。本発明においては、スクリュ3の
回転を止めると、溶融樹脂の前進力が無くなるので、ス
プリング12の押圧力で逆止リング11が自動的に後端
側へ移動され、樹脂流路10が閉鎖され、逆流防止機構
8が閉鎖状態となる。即ち、射出は、逆流防止機構8を
閉鎖状態とした後、射出口17を開放すると共にスクリ
ュ3を前進させることで行われ、逆流防止機構8の閉鎖
が不十分な状態で行われることがない。特に本発明にお
いては、射出シリンダ1の前部に蓄積された溶融樹脂
が、多量の二酸化炭素の溶解により粘度が低下してお
り、しかもスクリュ背圧を加えているので、逆流防止機
構8を越えて後方に逃げやすい状態にある。このため、
逆流防止機構8の閉鎖が不十分なまま射出口17を開放
すると共にスクリュ3を前進させると、この溶融樹脂の
後方への逃げを生じ、射出量が不安定になるのに対し、
本発明では、上記のように逆流防止機構8を閉鎖状態と
してから射出動作が行われるので、射出時の溶融樹脂の
逆流による射出量の不安定化を防止することができる。
が蓄積された後、スクリュ3の回転を止め、射出口17
を開放すると共にスクリュ3を前進させることで射出が
行われることになる。本発明においては、スクリュ3の
回転を止めると、溶融樹脂の前進力が無くなるので、ス
プリング12の押圧力で逆止リング11が自動的に後端
側へ移動され、樹脂流路10が閉鎖され、逆流防止機構
8が閉鎖状態となる。即ち、射出は、逆流防止機構8を
閉鎖状態とした後、射出口17を開放すると共にスクリ
ュ3を前進させることで行われ、逆流防止機構8の閉鎖
が不十分な状態で行われることがない。特に本発明にお
いては、射出シリンダ1の前部に蓄積された溶融樹脂
が、多量の二酸化炭素の溶解により粘度が低下してお
り、しかもスクリュ背圧を加えているので、逆流防止機
構8を越えて後方に逃げやすい状態にある。このため、
逆流防止機構8の閉鎖が不十分なまま射出口17を開放
すると共にスクリュ3を前進させると、この溶融樹脂の
後方への逃げを生じ、射出量が不安定になるのに対し、
本発明では、上記のように逆流防止機構8を閉鎖状態と
してから射出動作が行われるので、射出時の溶融樹脂の
逆流による射出量の不安定化を防止することができる。
【0041】本発明で用いる逆流防止機構としては、前
述したスプリング12で逆止リング11を閉鎖方向に付
勢したものの他、例えば磁力で逆止リング12に同様の
付勢を加えたものを用いることもできる。また、スクリ
ュ3の軸部分を貫通して設けた樹脂流路の途中に、スプ
リングで弁座に押し付けられて樹脂流路を閉鎖し、溶融
樹脂の前進力で押し開き可能なボール弁を設けたもの、
更には、スクリュ3を正回転させているときには樹脂流
路が開放され、スクリュを若干(例えば90°)逆回転
させることで樹脂流路を閉鎖することができる逆流防止
機構を用いることもできる。但し、ボール弁によるもの
は広い樹脂流路を設けにくく、スクリュを逆回転させる
ものは逆回転時にスクリュの後退を生じることから、前
記閉鎖方向に付勢した逆止リング12によるものが好ま
しい。
述したスプリング12で逆止リング11を閉鎖方向に付
勢したものの他、例えば磁力で逆止リング12に同様の
付勢を加えたものを用いることもできる。また、スクリ
ュ3の軸部分を貫通して設けた樹脂流路の途中に、スプ
リングで弁座に押し付けられて樹脂流路を閉鎖し、溶融
樹脂の前進力で押し開き可能なボール弁を設けたもの、
更には、スクリュ3を正回転させているときには樹脂流
路が開放され、スクリュを若干(例えば90°)逆回転
させることで樹脂流路を閉鎖することができる逆流防止
機構を用いることもできる。但し、ボール弁によるもの
は広い樹脂流路を設けにくく、スクリュを逆回転させる
ものは逆回転時にスクリュの後退を生じることから、前
記閉鎖方向に付勢した逆止リング12によるものが好ま
しい。
【0042】
【実施例】以下に実施例及び比較例を用いて本発明の効
果を更に具体的に説明する。
果を更に具体的に説明する。
【0043】(樹脂)ポリカーボネート樹脂(帝人化成
製「パンライトL1225」)を使用した。
製「パンライトL1225」)を使用した。
【0044】(二酸化炭素)純度99%以上のものを使
用した。
用した。
【0045】(射出成形機)住友重機械工業製「SG2
60M−S」で、図1で説明した2ステージタイプのス
クリュを有するものを用いた。射出リンダはL/D29
のベントタイプとし、ベント部分を二酸化炭素を供給す
るため逃す供給口とし、供給する二酸化炭素の圧力を減
圧弁で一定(10MPa)に保つことで、溶融樹脂に溶
解する二酸化炭素量を制御した。また、逆流防止機構と
しては、図2に示されるスプリングを有するものと、ス
プリングを有さない一般的なものとを使用した。
60M−S」で、図1で説明した2ステージタイプのス
クリュを有するものを用いた。射出リンダはL/D29
のベントタイプとし、ベント部分を二酸化炭素を供給す
るため逃す供給口とし、供給する二酸化炭素の圧力を減
圧弁で一定(10MPa)に保つことで、溶融樹脂に溶
解する二酸化炭素量を制御した。また、逆流防止機構と
しては、図2に示されるスプリングを有するものと、ス
プリングを有さない一般的なものとを使用した。
【0046】実施例1、比較例1 射出シリンダ温度を300℃、スクリュ回転数150r
pm、スクリュ背圧11MPaとし、ガス注入口から1
0MPaの二酸化炭素を供給して、約2.5重量%の二
酸化炭素を溶解しつつ、幅150mm、長さ220m
m、厚み2.5mmの平板を40秒サイクルで射出成形
した。樹脂可塑化後もスクリュ背圧は保持した。
pm、スクリュ背圧11MPaとし、ガス注入口から1
0MPaの二酸化炭素を供給して、約2.5重量%の二
酸化炭素を溶解しつつ、幅150mm、長さ220m
m、厚み2.5mmの平板を40秒サイクルで射出成形
した。樹脂可塑化後もスクリュ背圧は保持した。
【0047】図2に示すスプリングを有する逆流防止機
構を装着したスクリュを用いて射出成形すると、溶融樹
脂の後方への逆流がほとんど見られず、射出開始時のス
クリュ位置のばらつきは0.1mm以下で安定した射出
成形ができた。
構を装着したスクリュを用いて射出成形すると、溶融樹
脂の後方への逆流がほとんど見られず、射出開始時のス
クリュ位置のばらつきは0.1mm以下で安定した射出
成形ができた。
【0048】一方、スプリングの無い逆流防止機構を装
着したスクリュを用いて射出成形すると、溶融樹脂の後
方への逆流があり、ショット毎に射出開始時のスクリュ
位置がばらつき、ばらつきの幅は約1mmであった。
着したスクリュを用いて射出成形すると、溶融樹脂の後
方への逆流があり、ショット毎に射出開始時のスクリュ
位置がばらつき、ばらつきの幅は約1mmであった。
【0049】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
インラインスクリュ式射出成形機を用い、溶融樹脂に多
量の二酸化炭素を溶解させて射出成形する場合におい
て、射出時の溶融樹脂の逆流や、未溶解二酸化炭素によ
る計量の不安定化を防止することができ、射出量を安定
させることができるものである。
インラインスクリュ式射出成形機を用い、溶融樹脂に多
量の二酸化炭素を溶解させて射出成形する場合におい
て、射出時の溶融樹脂の逆流や、未溶解二酸化炭素によ
る計量の不安定化を防止することができ、射出量を安定
させることができるものである。
【図1】本発明で用いるインラインスクリュ射出成形一
例を示す図である。
例を示す図である。
【図2】本発明で用いる逆流防止機構の一例を示す図で
ある。
ある。
1 射出シリンダ 2 ガス注入口 3 スクリュ 4 ホッパ 5 スクリュ第一ステージ 5a 第一フィード部 5b 第一コンプレッション部 5c 第一メタリング部 6 スクリュ第二ステージ 6a 第二フィード部 6b 第二コンプレッション部 6c 第二メタリング部 7 樹脂流量制御部 8 逆流防止機構 9 小径部 10 樹脂流路 11 逆止リング 12 スプリング 13 射出ノズル 14 開閉弁 15 駆動シリンダ 16 レバー 17 射出口
Claims (3)
- 【請求項1】 射出口を開閉可能なバルブノズルと、ス
クリュの先端部に設けられた逆流防止機構と、射出シリ
ンダの中間部に設けられたガス注入口とを備えたインラ
インスクリュ式射出成形機を用い、 射出口を閉鎖し、スクリュ背圧を加えた状態でスクリュ
を正回転させて、溶融樹脂を射出シリンダの前部へ移動
させながら、ガス注入口から射出シリンダ内の溶融樹脂
中に二酸化炭素を注入して溶解させ、0.2重量%以上
の二酸化炭素を溶解させた溶融樹脂を射出シリンダの前
部に所定量蓄積し、スクリュ背圧を維持したまま逆流防
止機構を閉鎖状態としてから、射出口を開放して溶融樹
脂を射出することを特徴とする射出成形方法。 - 【請求項2】 スクリュを、後端側から第一フィード
部、第一コンプレッション部、第一メタリング部を有す
るスクリュ第一ステージと、同様に第二フィード部、第
二コンプレッション部、第二メタリング部を有するスク
リュ第二ステージ6とが直列に連なった2ステージタイ
プとし、第二フィード部にガス注入口を位置させると共
に、第二フィード部における溶融樹脂の移送を飢餓状態
とすることを特徴とする請求項1に記載の射出成形方
法。 - 【請求項3】 スクリュ背圧を、ガス注入口から注入す
る二酸化炭素の圧力以上で、第二フィード部における溶
融樹脂の圧力が上記二酸化炭素の圧力未満となる圧力と
することを特徴とする請求項2に記載の射出成形方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001013966A JP2002210793A (ja) | 2001-01-23 | 2001-01-23 | 射出成形方法 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001013966A JP2002210793A (ja) | 2001-01-23 | 2001-01-23 | 射出成形方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002210793A true JP2002210793A (ja) | 2002-07-30 |
Family
ID=18880716
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001013966A Pending JP2002210793A (ja) | 2001-01-23 | 2001-01-23 | 射出成形方法 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002210793A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007054995A (ja) * | 2005-08-23 | 2007-03-08 | Ube Machinery Corporation Ltd | 射出装置 |
| JP2018111251A (ja) * | 2017-01-11 | 2018-07-19 | マクセル株式会社 | 発泡成形体の製造方法及び製造装置 |
| JP2019177696A (ja) * | 2016-03-15 | 2019-10-17 | マクセル株式会社 | 射出成形装置のスクリュ及び射出成形装置 |
| AT523204A1 (de) * | 2017-07-21 | 2021-06-15 | Japan Steel Works Ltd | Formmaschine zum Schaumformen |
-
2001
- 2001-01-23 JP JP2001013966A patent/JP2002210793A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007054995A (ja) * | 2005-08-23 | 2007-03-08 | Ube Machinery Corporation Ltd | 射出装置 |
| JP2019177696A (ja) * | 2016-03-15 | 2019-10-17 | マクセル株式会社 | 射出成形装置のスクリュ及び射出成形装置 |
| JP2018111251A (ja) * | 2017-01-11 | 2018-07-19 | マクセル株式会社 | 発泡成形体の製造方法及び製造装置 |
| WO2018131372A1 (ja) * | 2017-01-11 | 2018-07-19 | マクセル株式会社 | 発泡成形体の製造方法及び製造装置 |
| US11318646B2 (en) | 2017-01-11 | 2022-05-03 | Maxell, Ltd. | Method and apparatus for manufacturing foamed product |
| AT523204A1 (de) * | 2017-07-21 | 2021-06-15 | Japan Steel Works Ltd | Formmaschine zum Schaumformen |
| AT523204B1 (de) * | 2017-07-21 | 2021-07-15 | Japan Steel Works Ltd | Formmaschine zum Schaumformen |
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