JP2002236156A - 車両用バッテリの劣化度判定方法及び装置 - Google Patents
車両用バッテリの劣化度判定方法及び装置Info
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Abstract
とのできる車両用バッテリの劣化度判定方法及び装置を
提供する。 【解決手段】 純抵抗測定手段23a−1が、車両に搭
載されている負荷に放電電流が流れたとき周期的に測定
して得た車両に搭載されたバッテリの端子電圧と放電電
流とに基づいて、バッテリの純抵抗を測定する。劣化度
算出判定手段23a−2が、測定した純抵抗と純抵抗記
憶手段23b−1に予め記憶した純抵抗を測定したとき
の充電状態に対応する未使用時及び寿命時の純抵抗とに
基づいて、バッテリの劣化度を算出し判定する。
Description
いる負荷に電力を供給するため車両に搭載されたバッテ
リの劣化度を判定する車両用バッテリの劣化度判定方法
及び装置に関するものである。
判定するには、車両用鉛バッテリの場合、エンジンの始
動性が悪くなったこと、また電気車両用バッテリの場
合、走行距離が短くなったことなどにより、人の感覚に
頼って判断することが一般に行われていた。
覚に頼って判断することは信頼性に乏しく、しばしば判
断を誤り、バッテリ上がりを生じてしまうことがあっ
た。
両使用中のバッテリの劣化度を判定することのできる車
両用バッテリの劣化度判定方法及び装置を提供すること
を課題としている。
項1乃至請求項9記載の本発明は、車両用バッテリの劣
化度判定方法に、請求項10乃至請求項18記載の本発
明は、車両用バッテリの劣化度判定装置にそれぞれ関
し、いずれの発明も、バッテリの純抵抗がバッテリの劣
化度に応じて変化することに着目してなされたものであ
る。
記載の発明は、車両に搭載されている負荷に電力を供給
するため車両に搭載されたバッテリの劣化度を判定する
車両用バッテリの劣化度判定方法において、バッテリの
充電状態に対応するバッテリの純抵抗を未使用時と寿命
時についてそれぞれ予め定めておき、前記負荷に放電電
流が流れたとき周期的に測定して得た前記バッテリの端
子電圧と放電電流とに基づいて、バッテリの純抵抗を測
定し、該測定した純抵抗と、該純抵抗を測定したときの
充電状態に対応する前記予め定めた未使用時の純抵抗及
び前記予め定めた寿命時の純抵抗とに基づいて、バッテ
リの劣化度を算出し判定することを特徴とする車両用バ
ッテリの劣化度判定方法に存する。
ず車両に搭載されている負荷に放電電流が流れたとき周
期的に測定して得た車両に搭載されたバッテリの端子電
圧と放電電流とに基づいてバッテリの純抵抗を測定す
る。次に、測定した純抵抗と、該純抵抗を測定したとき
の充電状態に対応する予め定めた未使用時の純抵抗及び
予め定めた寿命時の純抵抗とに基づいて、バッテリの劣
化度を算出し判定しているので、車両使用状態におい
て、バッテリの劣化度を自動的に判定することができ
る。
両用バッテリの劣化度判定方法において、前記劣化度
を、前記測定した純抵抗と前記未使用時の純抵抗との差
を、前記寿命時の純抵抗と前記未使用時の純抵抗との差
で除した値の百分率によって求めることを特徴とする車
両用バッテリの劣化度判定方法に存する。
化度を、百分率によって求めているので、劣化の進行具
合を具体的な数値によって客観的に把握できる。
記載の車両用バッテリの劣化度判定方法において、前記
負荷に所定値を越えて単調増大し最大値から所定値以下
に単調減少する放電電流が流れたときの前記バッテリの
端子電圧と放電電流とを周期的に測定してこれら端子電
圧と放電電流との相関を示す前記増大する放電電流に対
する電圧−電流特性の第1の近似曲線式と前記減少する
放電電流に対する電圧−電流特性の第2の近似曲線式と
を求め、前記第1の近似曲線式によって表される電圧−
電流特性曲線上に第1の点を、前記第2の近似曲線式に
よって表される電圧−電流特性曲線上に第2の点をそれ
ぞれ定め、前記第2の点に対応する第2の放電電流が流
れたとき第2の電圧降下を生じさせる、バッテリの純抵
抗と第2の分極抵抗成分からなる第2の合成抵抗と同一
の抵抗値を有する第1の想定点を前記第1の近似曲線式
によって表される電圧−電流特性曲線上に、前記第1の
点に対応する第1の放電電流が流れたとき第1の電圧降
下を生じさせる、バッテリの純抵抗と第1の分極抵抗成
分からなる第1の合成抵抗と同一の抵抗値を有する第2
の想定点を前記第2の近似曲線式によって表される電圧
−電流特性曲線上にそれぞれ想定し、前記第2の点と前
記第1の想定点とを結ぶ直線の第1の傾斜を、前記第2
の放電電流と前記第1の想定点での放電電流とによって
それぞれ生じる、前記第2の分極抵抗成分による電圧降
下の差分を補正した上で、前記第2の分極抵抗成分によ
る電圧降下分を除いた第1の補正傾斜を求めるととも
に、前記第1の点と前記第2の想定点とを結ぶ直線の第
2の傾斜を、前記第1の放電電流と前記第2の想定点で
の放電電流とによってそれぞれ生じる、前記第1の分極
抵抗成分による電圧降下の差分を補正した上で、第1の
分極抵抗成分による電圧降下分を除いた第2の補正傾斜
を求め、該求めた前記第1及び第2の傾斜を加算平均し
て平均傾斜を求め、該求めた平均傾斜を前記バッテリの
前記純抵抗として測定することを特徴とする車両用バッ
テリの劣化度判定方法に存する。
両用バッテリの劣化度を判定するために使用するバッテ
リの純抵抗の測定方法に特徴を有し、車両の負荷にバッ
テリから電力が供給され、車両の負荷に所定値を越えて
単調増大し最大値から所定値以下に単調減少する放電電
流が流れたときのバッテリの端子電圧と放電電流とを周
期的に測定してこれら端子電圧と放電電流との相関を示
す増大する放電電流に対する電圧−電流特性の第1の近
似曲線式と減少する放電電流に対する電圧−電流特性の
第2の近似曲線式とを求める。
電圧−電流特性曲線上に第1の点を、第2の近似曲線式
によって表される電圧−電流特性曲線上に第2の点をそ
れぞれ定める。そして、第2の点に対応する第2の放電
電流が流れたとき第2の電圧降下を生じさせる、バッテ
リの純抵抗と第2の分極抵抗成分からなる第2の合成抵
抗と同一の抵抗値を有する第1の想定点を前記第1の近
似曲線式によって表される電圧−電流特性曲線上に、第
1の点に対応する第1の放電電流が流れたとき第1の電
圧降下を生じさせる、バッテリの純抵抗と第1の分極抵
抗成分からなる第1の合成抵抗と同一の抵抗値を有する
第2の想定点を前記第2の近似曲線式によって表される
電圧−電流特性曲線上にそれぞれ想定する。
直線の第1の傾斜を、第2の放電電流と第1の想定点で
の放電電流とによってそれぞれ生じる、第2の分極抵抗
成分による電圧降下の差分を補正した上で、第2の分極
抵抗成分による電圧降下分を除いた第1の補正傾斜を求
めるとともに、第1の点と前記第2の想定点とを結ぶ直
線の第2の傾斜を、第1の放電電流と第2の想定点での
放電電流とによってそれぞれ生じる、第1の分極抵抗成
分による電圧降下の差分を補正した上で、第1の分極抵
抗成による電圧降下分を除いた第2の補正傾斜を求め
る。
を加算平均して平均傾斜を求め、該求めた平均傾斜をバ
ッテリの純抵抗として測定している。したがって、車両
の通常の使用状態で負荷に電力を供給したときのバッテ
リの端子電圧と放電電流とを測定し、この測定の結果得
られるデータを処理するだけで、バッテリの純抵抗を測
定することができる。
両用バッテリの劣化度判定方法において、前記第1の点
と前記第2の点とを、前記第1の近似曲線式と前記第2
の近似曲線式を求めるため測定した前記バッテリの端子
電圧と放電電流の存在する範囲内に定めることを特徴と
する車両用バッテリの劣化度判定方法に存する。
1の点と第2の点とを、第1の近似曲線式と第2の近似
曲線式を求めるため測定したバッテリの端子電圧と放電
電流の存在する範囲内に定めているので、傾斜を求める
ための少なくとも一方が実データに基づくものとなり、
実際から大きく外れた点を使用することをなくすること
ができる。
載の車両用バッテリの劣化度判定方法において、前記第
1の近似曲線式と前記第2の近似曲線式とを求めるに当
たって、周期的に測定した前記バッテリの端子電圧と放
電電流とを最新の所定時間分収集して格納、記憶してお
くことを特徴とする車両用バッテリの劣化度判定方法に
存する。
1の近似曲線式と第2の近似曲線式とを求めるに当たっ
て、周期的に測定したバッテリの端子電圧と放電電流と
を最新の所定時間分収集して格納、記憶しているので、
この記憶した実データを用いて、第1の近似曲線式と第
2の近似曲線式とを求めるに必要な放電電流が流れたこ
とを確認してから、記憶してある実データを用いて第1
の近似曲線式と第2の近似曲線式とを求めることができ
る。
記載の車両用バッテリの劣化度判定方法において、前記
負荷に放電電流が流れたときの前記バッテリの端子電圧
と放電電流とを周期的に測定して得、所定期間に所定値
以上に急激に増大する放電電流が流れたときの前記測定
によって得られた端子電圧と放電電流に基づいて、前記
端子電圧と放電電流との単位時間当たりの変化量を求
め、該求めた端子電圧の変化量を放電電流の変化量によ
り除して求めた値をバッテリの純抵抗として測定するこ
とを特徴とする車両用バッテリの劣化度判定方法に存す
る。
定期間に所定値以上に急激に増大する放電電流が流れた
ときの端子電圧と放電電流に基づいて、端子電圧と放電
電流との単位時間当たりの変化量を求めているので、こ
の単位時間に増大した放電電流によって発生する分極は
非常に小さく、端子電圧の変化量、すなわち、電圧降下
に分極抵抗成分の占める割合が極めて小さく、実質的に
純抵抗によるものとみなすことができ、よって、端子電
圧の変化量を放電電流の変化量により除して求めた値は
バッテリの純抵抗を表すとすることができる。
両用バッテリの劣化度判定方法において、前記端子電圧
と放電電流との単位時間当たりの変化量を求めるに当た
って、前記放電電流が所定期間に所定値以上増大するも
のであることを検出することを特徴とする車両用バッテ
リの劣化度判定方法に存する。
子電圧と放電電流との単位時間当たりの変化量を求める
に当たって、放電電流が所定期間に所定値以上増大する
ものであることを検出していて、放電電流が所定期間に
所定値以上増大するものでないときには、単位時間当た
りの変化量を求めることがないので、測定した純抵抗の
精度を常に所定範囲内のものとすることができる。
両用バッテリの劣化度判定方法において、前記放電電流
が所定期間に所定値以上増大するものであることを検出
するに当たって、周期的に測定した前記バッテリの端子
電圧と放電電流とを少なくとも最新の所定期間分収集し
て格納、記憶しておき、該記憶しておいた最新の所定期
間分の端子電圧と放電電流とに基づいて、前記放電電流
が所定期間に所定値以上の増大があることを検出したと
き、該所定期間内の端子電圧と放電電流とにより、前記
単位時間当たりの変化量を求めることを特徴とする車両
用バッテリの劣化度判定方法に存する。
期的に測定したバッテリの端子電圧と放電電流とを少な
くとも最新の所定期間分収集して格納、記憶していて、
この記憶した最新の所定期間分の端子電圧と放電電流と
に基づいて、放電電流が所定期間に所定値以上の増大が
あることを検出したとき、所定期間内の端子電圧と放電
電流とにより、単位時間当たりの変化量を求めるように
しているので、都合のよい任意の時点で純抵抗を求める
ための処理を行うことができる。
構成図に示す如く、車両に搭載されている負荷に電力を
供給するため車両に搭載されたバッテリの劣化度を判定
する車両用バッテリの劣化度判定装置において、前記負
荷に放電電流が流れたとき周期的に測定して得た前記バ
ッテリの端子電圧と放電電流とに基づいて、バッテリの
純抵抗を測定する純抵抗測定手段23a−1と、当該バ
ッテリの充電状態に対応するバッテリの純抵抗を未使用
時と寿命時についてそれぞれ予め記憶している純抵抗記
憶手段23b−1と、前記純抵抗測定手段により測定し
た純抵抗と、該純抵抗を測定したときの充電状態に対応
する前記純抵抗記憶手段に予め記憶されている当該バッ
テリの未使用時の純抵抗及び寿命時の純抵抗とに基づい
て、バッテリの劣化度を算出し判定する劣化度算出判定
手段23a−2とを備えることを特徴とする車両用バッ
テリの劣化度判定装置に存する。
抵抗測定手段23a−1が、車両に搭載されている負荷
に放電電流が流れたとき周期的に測定して得た車両に搭
載されたバッテリの端子電圧と放電電流とに基づいて、
バッテリの純抵抗を測定する。劣化度算出判定手段23
a−2が、測定した純抵抗と純抵抗記憶手段23b−1
に予め記憶されている未使用時の純抵抗及び寿命時の純
抵抗とに基づいて、バッテリの劣化度を算出し判定して
いるので、車両使用状態において、バッテリの劣化度を
自動的に判定することができる。
車両用バッテリの劣化度判定装置において、劣化度算出
判定手段23a−2は、前記劣化度を、前記測定した純
抵抗と前記未使用時の純抵抗との差を、前記寿命時の純
抵抗と前記未使用時の純抵抗との差で除した値の百分率
によって求めることを特徴とする車両用バッテリの劣化
度判定装置に存する。
劣化度算出判定手段23a−2が劣化度を百分率によっ
て求めているので、劣化の進行具合を具体的な数値によ
って客観的に把握できる。
分構成図に示す如く、請求項9又は10に記載の車両用
バッテリの劣化度判定装置において、前記純抵抗測定手
段23a−1は、前記負荷に所定値を越えて単調増大し
最大値から所定値以下に単調減少する放電電流が流れた
ときの前記バッテリの端子電圧と放電電流とを周期的に
測定する電圧・電流測定手段23a−11と、該電圧・
電流測定手段によって測定した端子電圧と放電電流との
相関を示す前記増大する放電電流に対する電圧−電流特
性の第1の近似曲線式と前記減少する放電電流に対する
電圧−電流特性の第2の近似曲線式とを求める近似曲線
式算出手段23a−12と、前記第2の近似曲線式によ
って表される電圧−電流特性曲線上に定めた第2の点に
対応する第2の放電電流が流れたとき第2の電圧降下を
生じさせる、バッテリの純抵抗と第2の分極抵抗成分か
らなる第2の合成抵抗と同一の抵抗値を有する第1の想
定点を前記第1の近似曲線式によって表される電圧−電
流特性曲線上に、前記第1の近似曲線式によって表され
る電圧−電流特性曲線上に定めた第1の点に対応する第
1の放電電流が流れたとき第1の電圧降下を生じさせる
バッテリの純抵抗と第1の分極抵抗成分からなる第1の
合成抵抗と同一の抵抗値を有する第2の想定点を前記第
2の近似曲線式によって表される電圧−電流特性曲線上
にそれぞれ想定し、前記第2の点と前記第1の想定点と
を結ぶ直線の第1の傾斜を、前記第2の放電電流と前記
第2の想定点での放電電流とによってそれぞれ生じる、
前記第2の分極抵抗成分による電圧降下の差分を補正し
た上で、前記第2の分極抵抗成分による電圧降下分を除
いた第1の補正傾斜を求めるとともに、前記第1の点と
前記第2の想定点とを結ぶ直線の第2の傾斜を、前記第
1の放電電流と前記第2の想定点での放電電流とによっ
てそれぞれ生じる、前記第1の分極抵抗成分による電圧
降下の差分を補正した上で、前記第1の分極抵抗成分に
よる電圧降下分を除いた第2の補正傾斜を求め、該求め
た前記第1の補正傾斜と第2の補正傾斜とを加算平均し
て平均傾斜を求める演算手段23a−13とを備え、該
該演算手段によって求めた前記平均傾斜を前記バッテリ
の前記純抵抗として測定することを特徴とする車両用バ
ッテリの劣化度判定装置に存する。
バッテリから車両の負荷に電力を供給して負荷に所定値
を越えて単調増大し最大値から所定値以下に単調減少す
る放電電流が流れたときのバッテリの端子電圧と放電電
流とを電圧・電流測定手段23a−11が周期的に測定
する。電圧・電流測定手段によって測定した端子電圧と
放電電流との相関を示す増大する放電電流に対する電圧
−電流特性の第1の近似曲線式と減少する放電電流に対
する電圧−電流特性の第2の近似曲線式とを近似曲線式
算出手段23a−12が求める。
て、演算手段23a−13が、まず、第2の近似曲線式
によって表される電圧−電流特性曲線上に定めた第2の
点に対応する第2の放電電流が流れたとき第2の電圧降
下を生じさせる、バッテリの純抵抗と第2の分極抵抗成
分からなる第2の合成抵抗と同一の抵抗値を有する第1
の想定点を前記第1の近似曲線式によって表される電圧
−電流特性曲線上に、前記第1の近似曲線式によって表
される電圧−電流特性曲線上に定めた第1の点に対応す
る第1の放電電流が流れたとき第1の電圧降下を生じさ
せるバッテリの純抵抗と第1の分極抵抗成分からなる第
1の合成抵抗と同一の抵抗値を有する第2の想定点を前
記第2の近似曲線式によって表される電圧−電流特性曲
線上にそれぞれ想定する。
線の第1の傾斜を、第2の放電電流と第2の想定点での
放電電流とによってそれぞれ生じる、第2の分極抵抗成
分による電圧降下の差分を補正した上で、第2の分極抵
抗成分による電圧降下分を除いた第1の補正傾斜を求め
るとともに、第1の点と第2の想定点とを結ぶ直線の第
2の傾斜を、第1の放電電流と第2の想定点での放電電
流とによってそれぞれ生じる、第1の分極抵抗成分によ
る電圧降下の差分を補正した上で、第1の分極抵抗成分
による電圧降下分を除いた第2の補正傾斜を求める。
と第2の補正傾斜とを加算平均して平均傾斜を求め、こ
の求めた平均傾斜をバッテリの純抵抗として測定する。
したがって、車両の通常の使用状態で負荷に電力を供給
したときのバッテリの端子電圧と放電電流とを測定し、
この測定の結果得られるデータを処理するだけで、バッ
テリの純抵抗を測定することができる
の車両用バッテリの劣化度判定装置において、前記演算
手段は、前記第1の点と前記第2の点とを、前記第1の
近似曲線式と前記第2の近似曲線式を求めるため測定し
た前記バッテリの端子電圧と放電電流の存在する範囲内
に定めることを特徴とする車両用バッテリの劣化度判定
装置に存する。
演算手段は、第1の点と第2の点とを、第1の近似曲線
式と第2の近似曲線式を求めるため測定したバッテリの
端子電圧と放電電流の存在する範囲内に定めているの
で、傾斜を求めるための少なくとも一方が実データに基
づくものとなり、実際から大きく外れた点を使用するこ
とをなくすることができる。
12記載の車両用バッテリの劣化度判定装置において、
前記近似曲線式算出手段は、前記第1の近似曲線式と前
記第2の近似曲線式を求めるために、前記電圧・電流測
定手段により周期的に測定した前記バッテリの端子電圧
と放電電流とを、最新の所定時間分収集して格納、記憶
する記憶手段23b−2を有することを特徴とする車両
用バッテリの劣化度判定装置に存する。
記憶手段23b−2が、第1の近似曲線式と第2の近似
曲線式を求めるために、電圧・電流測定手段により周期
的に測定したバッテリの端子電圧と放電電流とを、最新
の所定時間分収集して格納、記憶しているので、この記
憶した実データを用いて、第1の近似曲線式と第2の近
似曲線式とを求めるに必要な放電電流が流れたことを確
認してから、記憶してある実データを用いて第1の近似
曲線式と前記第2の近似曲線式とを求めることができ
る。
分構成図に示す如く、請求項9又は10に記載の車両用
バッテリの劣化度判定装置において、前記純抵抗測定手
段23a−1は、前記負荷に放電電流が流れたときの前
記バッテリの端子電圧と放電電流とを周期的に測定して
得る電圧・電流測定手段23a−15と、所定期間に所
定値以上に急激に増大する放電電流が流れたときの前記
電圧・電流測定手段によって得られた端子電圧と放電電
流に基づいて、前記端子電圧と放電電流との単位時間当
たりの変化量を求める変化量算出手段23a−16と、
該変化量算出手段によって求めた端子電圧の変化量を放
電電流の変化量により除算する除算手段23a−17と
を備え、該除算手段によって求めた値をバッテリの純抵
抗として測定することを特徴とする車両用バッテリの劣
化度判定装置に存する。
電圧・電流測定手段23a−15が、車両に搭載されて
いる負荷に放電電流が流れたときの車両に搭載されたバ
ッテリの端子電圧と放電電流とを周期的に測定して得
る。変化量算出手段23a−16が、所定期間に所定値
以上に急激に増大する放電電流が流れたときの電圧・電
流測定手段によって得られた端子電圧と放電電流に基づ
いて、端子電圧と放電電流との単位時間当たりの変化量
を求める。除算手段23a−17が、変化量算出手段に
よって求めた端子電圧の変化量を放電電流の変化量によ
り除算する。そして、除算手段によって求めた値をバッ
テリの純抵抗として測定する。
電電流が流れたときの端子電圧と放電電流に基づいて、
変化量算出手段23a−2が、端子電圧と放電電流との
単位時間当たりの変化量を求めているので、この単位時
間に増大した放電電流によって発生する分極は非常に小
さく、端子電圧の変化量、すなわち、電圧降下に分極抵
抗成分の占める割合が極めて小さく、実質的に純抵抗に
よるものとみなすことができ、よって、除算手段23a
−17が、端子電圧の変化量を放電電流の変化量により
除して求めた値はバッテリの純抵抗を表すとすることが
できる。
の車両用バッテリの劣化度判定装置において、前記変化
量算出手段は、前記端子電圧と放電電流との単位時間当
たりの変化量を求めるに当たって、前記放電電流が所定
期間に所定値以上増大するものであることを検出する電
流増加検出手段23a−161を有することを特徴とす
る車両用バッテリの劣化度判定装置に存する。
変化量算出手段23a−16が端子電圧と放電電流との
単位時間当たりの変化量を求めるに当たって、電流増加
検出手段23a−161が放電電流が所定期間に所定値
以上増大するものであることを検出していて、放電電流
が所定期間に所定値以上増大するものでないときには、
単位時間当たりの変化量を求めることがないので、測定
した純抵抗の精度を常に所定範囲内のものとすることが
できる。
の車両用バッテリの劣化度判定装置において、前記変化
量算出手段は、前記放電電流が所定期間に所定値以上の
増大があることを検出するに当たって、周期的に測定し
た前記バッテリの端子電圧と放電電流とを少なくとも最
新の所定期間分収集して格納、記憶しておく記憶手段2
3b−3を更に有し、前記記憶手段に記憶しておいた最
新の所定期間分の端子電圧と放電電流とに基づいて、前
記電流増加検出手段が前記放電電流が所定期間に所定値
以上の増大があることを検出したとき、前記所定期間内
の端子電圧と放電電流とにより、前記単位時間当たりの
変化量を求めることを特徴とする車両用バッテリの劣化
度判定装置に存する。
記憶手段23b−3が、周期的に測定したバッテリの端
子電圧と放電電流とを少なくとも最新の所定期間分収集
して格納、記憶していて、この記憶した最新の所定期間
分の端子電圧と放電電流とに基づいて、電流増加検出手
段23a−161が放電電流が所定期間に所定値以上の
増大があることを検出したとき、変化量算出手段23a
−2が所定期間内の端子電圧と放電電流とにより、単位
時間当たりの変化量を求めるようにしているので、都合
のよい任意の時点で純抵抗を求めるための処理を行うこ
とができる。
リの劣化度判定方法を、本発明による車両用バッテリの
劣化度判定装置の一実施形態と共に、図2を参照して説
明する。
定方法を適用した本発明の一実施形態に係る車両用バッ
テリの劣化度判定装置の概略構成を一部ブロックにて示
す説明図であり、図中符号1で示す本実施形態の車両用
バッテリ純抵抗測定装置は、エンジン3に加えてモータ
ジェネレータ5を有するハイブリッド車両に搭載されて
いる。
はエンジン3の出力のみをドライブシャフト7からディ
ファレンシャルケース9を介して車輪11に伝達して走
行させ、高負荷時には、バッテリ13からの電力により
モータジェネレータ5をモータとして機能させて、エン
ジン3の出力に加えてモータジェネレータ5の出力をド
ライブシャフト7から車輪11に伝達し、アシスト走行
を行わせるように構成されている。
制動時にモータジェネレータ5をジェネレータ(発電
機)として機能させ、運動エネルギを電気エネルギに変
換してバッテリ13を充電させるように構成されてい
る。
示しないスタータスイッチのオンに伴うエンジン3の始
動時に、エンジン3のフライホイールを強制的に回転さ
せるセルモータとして用いられるが、その場合にモータ
ジェネレータ5には、短時間に大きな電流が流される。
スタータスイッチのオンによりモータジェネレータ5に
よってエンジン3が始動されると、イグニッションキー
(図示せず。)の操作解除に伴って、スタータスイッチ
がオフになってイグニッションスイッチやアクセサリス
イッチのオン状態に移行し、これに伴ってバッテリ13
から流れる放電電流は、定常電流に移行する。
装置1は、アシスト走行用のモータやセルモータとして
機能するモータジェネレータ5等、電装品に対するバッ
テリ13の放電電流Iや、ジェネレータとして機能する
モータジェネレータ5からのバッテリ13に対する充電
電流を検出する電流センサ15と、バッテリ13に並列
接続した1Mオーム程度の抵抗を有し、バッテリ13の
端子電圧Vを検出する電圧センサ17とを備えている。
度判定装置1は、上述した電流センサ15及び電圧セン
サ17の出力がインタフェース回路(以下、「I/F」
と略記する。)21におけるA/D変換後に取り込まれ
るマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記す
る。)23をさらに備えている。
a、RAM23b、及び、ROM23cを有しており、
このうち、CPU23aには、RAM23b及びROM
23cの他、前記I/F21が接続されており、また、
上述した図示しないスタータスイッチ、イグニッション
スイッチやアクセサリスイッチ、モータジェネレータ5
以外の電装品(負荷)のスイッチ等が、さらに接続され
ている。
データエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを
有しており、前記ROM23cには、CPU23aに各
種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納され
ている。
ンサ17の出力である電流値及び電圧値は、短い周期で
高速にサンプリングされてI/F21を介して、マイコ
ン23のCPU23aに取り込まれ、取り込まれた電流
値及び電圧値は前記RAM23bのデータエリア(記憶
手段に相当する)に所定期間前のものから最新のものま
での分、格納、記憶される。この記憶された実データ
は、バッテリの純抵抗を測定し、測定した純抵抗により
バッテリの劣化度を判定するために利用される。
プログラムに従いCPU23aが行うバッテリ劣化度判
定処理を、図3を参照して説明する。
23が起動しプログラムがスタートすると、CPU23
aは、まず初期設定を実行する(ステップS1)。
次に、CPU23aは、電流センサ15の検出したバッ
テリ13の放電電流Iと電圧センサ17の検出したバッ
テリ13の端子電圧VとのA/D変換値を対にしてI/
F21を介して読み込み、読み込んだ実データの最新の
ものを、所定時間分、RAM23bのデータエリアに格
納、記憶して収集する実データ収集処理を実行する(ス
テップS2)。このステップS2における実データ収集
処理は常に継続的に行われる。
放電電流Iと端子電圧Vとの最新の所定時間分の実デー
タに基づいて、バッテリの純抵抗を測定する純抵抗測定
処理が行われ(ステップS3)、測定された純抵抗は劣
化度を算出し判定する(ステップS4)ために利用され
る。測定したバッテリの純抵抗を利用してバッテリの劣
化度を算出し判定するため、前記RAM23bのバック
アップされたデータエリア或いは不揮発性メモリ(図示
せず)には、当該バッテリの充電状態に対応するバッテ
リの純抵抗を未使用時と寿命時についてそれぞれ測定さ
れて予め記憶されている。
Rnと、寿命時の使い古したバッテリの純抵抗Raは、
充電状態によって変化し、充電状態に対して図4に示す
ような相関関係を有し、RAM23bのバックアップさ
れたデータエリア或いは不揮発性メモリ(図示せず)に
記憶するに当たって、データテーブル化される。車載さ
れたバッテリの充電状態X%は適宜の方法によって測定
されることができるので、この測定した充電状態を利用
することで、純抵抗の測定が行われたときのバッテリの
充電状態X%に対応する未使用時の純抵抗Rnと寿命時
の純抵抗Raのデータを読み出すことができる。
では、具体的には、ステップS3で測定した純抵抗R
と、充電状態X%に対応する予め記憶した劣化のない新
品の純抵抗Rnとの差を、寿命が近くなった純抵抗Ra
と新品の当該バッテリの純抵抗Rnとの差で除して求め
た値の百分率を求めることが行われる。すなわち、(R
−Rn)/(Ra−Rn)×100%なる計算が行われ
る。
電電流が流れたとき周期的に測定して得たバッテリの端
子電圧と放電電流とに基づいて、純抵抗を測定して得る
ことによって、簡単な計算によってバッテリの劣化度を
百分率による具体的な数値として算出することができ、
バッテリを使用しているときに、劣化の進行具合を客観
的に把握できるようになる。
する方法の一例であって、測定した純抵抗と純抵抗を測
定したときの充電状態に対応する未使用時の純抵抗及び
寿命時の純抵抗とがあれば、これらに基づいて、バッテ
リの劣化度を算出し判定することができ、車両使用状態
において、バッテリの劣化度を自動的に判定することが
できる。
使用するバッテリの純抵抗の測定の仕方の2例を以下説
明する。
車、EV車、HEV車には、スタータモータ、モータジ
ェネレータ、走行用モータなどの大電流を必要とする負
荷を搭載されており、これらの負荷に電力を供給するバ
ッテリの電圧−電流(V−I)特性の例は、図5及び図
6に示すようになる。
=aI+bで近似する方式も考えられるが、図7に示す
分極抵抗成分の非直線形の特性の影響により、1次式で
は高い相関を有する式を得ることは難しいので、本実施
形態では、図6に示すように、V=aI2 +bI+cな
る2次式の近似曲線式を最小二乗法によって得ることに
よって、高い相関を有する近似曲線式を用いることを必
須とする。
駆動したとき、1回の放電によって、所定値を越えて単
調増大し最大値から所定値以下に単調減少する放電電流
が流れる。このときのバッテリの端子電圧と放電電流と
を周期的に測定してこれら端子電圧と放電電流との相関
を示す実データに基づいて、図8のグラフ中に示すよう
に、放電が開始され増加方向に向かう増大する放電電流
に対するV−I特性の第1の近似曲線式M1と、電流が
最大に達しその後減少方向に向かう減少する放電電流に
対するV−I特性の第2の近似曲線式M2の2つの式が
得られる。なお、図8中に記載の式は実データによって
得られた具体的な近似曲線式の一例である。これらの2
つの近似曲線式M1と近似曲線式M2との違いを以下分
析する。
点での分極抵抗成分を基準にすると、放電が開始し電流
が増加すると、分極抵抗成分は徐々に増加していく。そ
の後、電流が最大値になったところで、分極抵抗成分が
ピークに達し、電流の減少に伴って分極が解消していく
はずである。しかし、実際には、電流の減少に比例して
分極抵抗成分は解消するのではなく反応が遅れて現れる
ため、近似曲線式M2の場合、増加方向と同じV−I特
性を示さず、増加方向よりも大きな電圧降下を発生させ
ることになり、電流の増加と減少時にそれぞれ対応する
2つの近似曲線式M1及びM2が得られることになる。
1及びM2で表される近似曲線を用いて、バッテリの純
抵抗Rを測定する方法を、図9乃至図11を参照して、
以下具体的に説明する。
の一方M1で表される近似曲線上の実データの範囲内に
任意の点Aを選択し、式M1の近似曲線の縦軸に対する
切片C1から近似曲線上の点Aまでの電圧降下ΔV1を
求める。このΔV1を点Aでの電流I1で除算した値
は、純抵抗Rに純抵抗を除くその他の抵抗成分である分
極抵抗成分のその時点での値Rpol1を加算した合成
抵抗である。すなわち、 R+Rpol1=ΔV1/I1 である。
式の他方M2で表される近似曲線上の実データの範囲内
に任意の点Bを選択し、式M2の近似曲線の縦軸に対す
る切片C2から近似曲線上の点Bまでの電圧降下ΔV2
を求める。このΔV2を点Bでの電流I2で除算した値
は、純抵抗Rに純抵抗を除くその他の抵抗成分である分
極抵抗成分のその時点での値Rpol2を加算した合成
抵抗である。すなわち、 R+Rpol2=ΔV2/I2 である。
は ΔR=R+Rpol1−(R+Rpol2)=Rpol
1−Rpol2 となり、点A及びBにおける分極抵抗成分の差となる。
これは、1回の放電中の純抵抗Rは変化しないことから
明らかである。
図10に示すように、式M2の近似曲線上に選択した任
意の点Bにおける合成抵抗(R+Rpol2)に等しい
値(R+Rpol1′)をもった点A′が存在する。ま
た、式M2で表される近似曲線上にも、図9に示すよう
に、式M1の近似曲線上に選択した任意の点Aにおける
合成抵抗(R+Rpol1)に等しい値(R+Rpol
2′)をもった点B′が存在する。すなわち、R+Rp
ol1′=R+Rpol2となる点A′が式M1で表さ
れる近似曲線上に、R+Rpol1=R+Rpol2′
となる点B′が式M2で表される近似曲線上にそれぞれ
存在する。
それぞれI1′及びV1′とし、点B′における電流及
び電圧をそれぞれI2′及びV2′とすると、点A′の
座標(I1′、V1′)と点Bの座標(I2、V2)の
分極抵抗成分の値が互いに等しく、また点Aの座標(I
1、V1)と点B′(I2′、V2′)の分極抵抗成分
の値も互いに等しいことがわかる。
抗の値(R+Rpol2)と等しい値を持つ点A′の電
流I1′と電圧V1′の算出の仕方を以下説明する。
する切片C1からこの点A′までの電圧降下をΔV1′
とすると、これは ΔV1′=C1−(a1I1′2 +b1I1′+C1)
=(R+Rpol2)I1′ となり、この式を整理すると、 −(a1I1′ +b1)=R+Rpol2 となり、点A′の電流I1′は I1′=−(b1+R+Rpol2)/a1 となる。なお、R+Rpol2(=R+Rpol1′)
=ΔV2/I2(=ΔV1′/I1′)であるので、 I1′=−〔b1+(ΔV2/I2)〕/a1 =−〔b1+(ΔV1′/I1′)〕/a1 となる。また、点A′の電圧V1′は、上記式から明ら
かなように、 V1′=a1I1′2 +b1I1′+C1 であるので、点A′の座標(I1′、V1′)は既知の
値から定められる。
抵抗値(R+Rpol1)と等しい値を持つ点B′の電
流I2′と電圧V2′も、 I2′=−〔b2+(ΔV1/I1)〕/a2 =−〔b2+(ΔV2′/I2′)〕/a2 V2′=a2I2′2 +b2I2′+C2 により既知の値から算出できる。なお、ΔV2′は、式
2で表される近似曲線の縦軸に対する切片C2からこの
点B′までの電圧降下である。
1′、V1′)が定まったら、図10に示すように、点
A′の座標(I1′、V1′)と点Bの座標(I2、V
2)とを結ぶ直線L1の傾斜を求めることによって合成
抵抗の値R1が求められる。この合成抵抗の値R1は、
純抵抗と分極抵抗成分Rpol2とからなる合成抵抗に
よって生じる電圧降下の差(V1′−V2)を各点にお
いて流れる電流の差(I1′−I2)によって除算する
ことによって求められる。すなわち、 R1=(V1′−V2)/(I1′−I2) となる。
2′)が定まったら、、図11に示すように、点B′の
座標(I2′、V2′)と点Aの座標(I1、V1)と
を結ぶ直線L2の傾斜を求めることによって合成抵抗の
値R2が求められる。この合成抵抗の値R2は、純抵抗
と分極抵抗成分Rpol1とからなる合成抵抗によって
生じる電圧降下の差(V1−V2′)を各点において流
れる電流の差(I1−I2′)によって除算することに
よって求められる。すなわち、 R2=(V1−V2′)/(I1−I2′) となる。
る合成抵抗の値R1及びR2は、純抵抗と分極抵抗成分
とからなる合成抵抗によって生じる電圧降下の差を各点
において流れる電流の差によって除算して求めたもの
で、純抵抗とは一致しない。2点間の傾きを純抵抗と一
致させるには、分極抵抗成分によって生じる電圧降下分
を除いた電圧降下の差を電流差によって除算してやれば
よい。
すると、今、合成抵抗の値R1を R1=R1′+Rpol2=R1′+Rpol1′ とすると、抵抗R1′に点A′の電流I1′と点Bの電
流I2との差に相当する電流が流れることによって生じ
る電圧降下は、分極抵抗成分Rpol1′(又はRpo
l2)に点A′の電流I1′と点Bの電流I2の差に相
当する電流が流れることによって生じる電圧降下分だ
け、点A′の電圧を持ち上げて補正してやればよく、次
式が成立する。 R1′(I1′−I2)=〔V1′+Rpol1′(I
1′−I2)〕−V2
1′(I1′−I2) となる。ここで、Rpol1′=ΔV1′/I1′−R
1′であるので、 R1′(I1′−I2)=(V1′−V2)+(ΔV
1′/I1′−R1′)(I1′−I2) 2R1′(I1′−I2)=(V1′−V2)+ΔV
1′/I1′(I1′−I2) となり、結果として、 R1′=〔(V1′−V2)+(ΔV1′/I1′)
(I1′−I2)〕/2(I1′−I2) が求められる。なお、(ΔV1′/I1′)は(ΔV2
/I2)と置き換えることができる。
て R2=R2′+Rpol1=R2′+Rpol2′ とすると、この抵抗R2′に点Aの電流I1と点B′の
電流I2′の差に相当する電流が流れることによって生
じる電圧降下は、分極抵抗成分Rpol12′(又はR
pol1)に点Aの電流I1と点B′の電流I2′との
差に相当する電流が流れることによって生じる電圧降下
分、点B′の電圧を引き下げて補正してやればよく、次
式が成立する。 R2′(I1−I2′)=V1−〔V2′−Rpol
2′(I1−I2′)〕
2′(I1−I2′) となる。ここで、Rpol2′=ΔV2′/I2′−R
2′であるので、 R2′(I1−I2′)=(V1−V2′)+(ΔV
2′/I2′−R2′)(I1−I2′) 2R2′(I1−I2′)=(V1−V2′)+ΔV
2′/I2′(I1−I2′) となり、結果として、 R2′=〔(V1−V2′)+(ΔV2′/I2′)
(I1−I2′)〕/2(I1−I2′) が求められる。なお、(ΔV2′/I2′)は(ΔV1
/I1)と置き換えることができる。
及びR2′は、2つの点A及びBを基準にし、異なる分
極抵抗成分(Rpol1′=Rpol2)と(Rpol
1=Rpol2′)を用い、しかも異なる切片C1から
の電圧降下Δ1′(ΔV1)と切片C2からの電圧降下
Δ2′(ΔV2)を用いて求めたものであるので、真の
純抵抗Rとなり得ない。したがって、両者の加算平均 R=(R1′+R2′)/2 をとることによって、真の純抵抗Rが求められる。
1を参照して先ず説明する。車両の負荷に電力を供給す
るため車両に搭載された、例えばスタータモータ、モー
タジェネレータ、走行用モータなどの大電流を必要とす
る負荷が動作されると、バッテリからは所定値を越えて
単調増大し最大値から所定値以下に単調減少する放電電
流が流れる。このときのバッテリの端子電圧と放電電流
とを、例えば1msの周期にてサンプリングすること
で、バッテリの端子電圧と放電電流との組が多数得られ
る。
圧と放電電流との組の最新のものを、所定時間分、例え
ばRAMなどの書換可能な記憶手段としてのメモリに格
納、記憶して収集する。メモリに格納、記憶して収集し
た端子電圧と放電電流との組を用いて、最小二乗法によ
り、端子電圧と放電電流との相関を示す増大する放電電
流に対する電圧−電流特性の例えばV1(I)=a1I
2 +b1+C1なる2次式で表される第1の近似曲線式
M1と、減少する放電電流に対する電圧−電流特性の例
えばV2(I)=a2I2 +b2I+C2なる2次式で
表される第2の近似曲線式M2とを求める。
れる電圧−電流特性曲線上に第1の点Aを、第2の近似
曲線式M2によって表される電圧−電流特性曲線上に第
2の点Bをそれぞれ定める。このとき、第1の近似曲線
式M1によって表される電圧−電流特性曲線上に定めら
れる第1の点Aと、第2の近似曲線式M2によって表さ
れる電圧−電流特性曲線上に定められる第2の点Bと
は、各近似曲線式を求める際に使用された端子電圧と放
電電流の実データの存在する範囲内に好ましく定められ
る。このように定めることによって、その後、各点に対
応する想定点を想定する際に、想定点が大きく外れた位
置に想定されることがなくなる。また、好ましくは、第
1の点Aと第2の点Bは、分極抵抗成分が最大となる点
の両側に定められるのがよい。このように定めることに
よって、最大点の両側に想定点が定められるようになる
ようになり、その後、純抵抗を求める際の精度が高まる
ようになる。
電流I2が流れたとき第2の電圧降下ΔV2を生じさせ
る、バッテリの純抵抗と第2の分極抵抗成分Rpol2
からなる第2の合成抵抗R2と同一の抵抗値を有する第
1の想定点A′を第1の近似曲線式M1上に、第1の点
Aに対応する第1の放電電流I1が流れたとき第1の電
圧降下ΔV1を生じさせる、バッテリの純抵抗と第1の
分極抵抗成分Rpol1からなる第1の合成抵抗R1と
同一の抵抗値を有する第2の想定点B′を第2の近似曲
線式M2上にそれぞれ想定する。
ら、第2の点Bと第1の想定点A′とを結ぶ直線L1の
第1の傾斜R1を、第2の放電電流I2と第1の想定点
A′での放電電流I1′とによってそれぞれ生じる、第
2の分極抵抗成分Rpol2による電圧降下の差分Rp
ol2(I1′−I2)を補正した上で、第2の分極抵
抗成分Rpol2による電圧降下分を除いた第1の補正
傾斜R1′を求めるとともに、前記第1の点と前記第2
の想定点B′とを結ぶ直線L2の第2の傾斜R2を、第
1の放電電流I1と第2の想定点B′での放電電流I
2′とによってそれぞれ生じる、第1の分極抵抗成分R
pol1による電圧降下の差分Rpol1(I1−I
2′)を補正した上で、第1の分極抵抗成分Rpol1
による電圧降下分を除いた第2の補正傾斜R2′を求め
る。
1′と第2の補正傾斜R2′とを加算平均して平均傾斜
を求め、この求めた平均傾斜をバッテリの純抵抗Rとし
て測定する。
プログラムに従いCPU23aが行う図3のフローチャ
ート中のステップS3の純抵抗測定処理の具体的な内容
を、図12を参照して説明する。
おいて収集された放電電流Iと端子電圧Vとの最新の所
定時間分の実データは分析され、最小二乗法を適用し
て、電圧−電流特性の2次の近似曲線式を求めるのに適
当なものであるかどうかが判定される。すなわち、バッ
テリから所定値を越えて単調増大し最大値から所定値以
下に単調減少する放電電流が流れているかどうかを分析
する分析処理を行う(ステップS21)。
−電流特性の2次の近似曲線式を求めるのに適当なもの
が収集されているとき(ステップS22のY)、増大す
る放電電流に対する電圧−電流特性のV1(I)=a1
I2 +b1+C1なる2次式で表される第1の近似曲線
式M1と、減少する放電電流に対する電圧−電流特性の
例えばV2(I)=a2I2 +b2I+C2なる2次式
で表される第2の近似曲線式M2とを求める近似曲線式
算出処理を実行する(ステップS23)。
って、2つの近似曲線式M1及びM2が求まった後、次
に、バッテリの純抵抗を求めるための演算処理を実行す
る(ステップS24)。ステップS24における演算処
理では、近似曲線式M2によって表される電圧−電流特
性曲線上に定めた点に対応する放電電流が流れたとき電
圧降下を生じさせる、バッテリの純抵抗と第2の分極抵
抗成分からなる合成抵抗と同一の抵抗値を有する第1の
想定点を第1の近似曲線式M1によって表される電圧−
電流特性曲線上に想定する。また、第1の近似曲線式M
1によって表される電圧−電流特性曲線上に定めた点に
対応する放電電流が流れたとき電圧降下を生じさせるバ
ッテリの純抵抗と第1の分極抵抗成分からな合成抵抗と
同一の抵抗値を有する第2の想定点を第2の近似曲線式
M2によって表される電圧−電流特性曲線上に想定す
る。
た、近似曲線式M2によって表される電圧−電流特性曲
線上に定めた点と第1の想定点とを結ぶ直線の第1の傾
斜を、第2の近似曲線式によって表される電圧−電流特
性曲線上に定めた点に対応する放電電流と第2の想定点
での放電電流とによってそれぞれ生じる、2の分極抵抗
成分による電圧降下の差分を補正した上で、第2の分極
抵抗成分による電圧降下分を除いた第1の補正傾斜を求
める。
らに、近似曲線式M1によって表される電圧−電流特性
曲線上に定めた点と第2の想定点とを結ぶ直線の第2の
傾斜を、第1の近似曲線式によって表される電圧−電流
特性曲線上に定めた点に対応する放電電流と第2の想定
点での放電電流とによってそれぞれ生じる、1の分極抵
抗成分による電圧降下の差分を補正した上で、第1の分
極抵抗成分による電圧降下分を除いた第2の補正傾斜を
求める。そして、ステップS24において求めた第1の
補正傾斜と第2の補正傾斜とを加算平均して平均傾斜を
求め、平均傾斜をバッテリの純抵抗として測定し、この
測定した純抵抗は種々の目的で使用するため、RAM2
3bのデータエリアに格納されて記憶される(ステップ
S25)。ステップS25の測定処理が終了したら、次
にステップS22の判定がYとなって、ステップS23
の近似曲線式算出処理、ステップS24の演算処理を実
行する機会がくるまで、図3のフローチャート中のステ
ップS2の収集処理とステップS21の分析処理とを繰
り返し実行する。
測定装置1では図3のフローチャートにおけるステップ
S2が請求項中の電圧・電流測定手段に対する処理とな
っており、図12のフローチャートにおけるステップS
23が請求項中の近似曲線算出手段に対応する処理とな
っており、ステップS24が請求項中の演算手段に対応
する処理となっている。
用)について説明する。
ータ5以外の電装品(負荷)が作動したり、モータジェ
ネレータ5がモータとして機能するように作動してい
て、それに伴いバッテリ13が放電を行っている状態で
は、負荷に所定値を越えて単調増大し最大値から所定値
以下に単調減少する放電電流が流れたときのバッテリの
端子電圧と放電電流とが周期的に測定される。
所定時間分、RAM23bのデータエリアに格納、記憶
して収集され、収集された放電電流Iと端子電圧Vとの
最新の所定時間分の実データは分析され、最小二乗法を
適用して、電圧−電流特性の2次の近似曲線式を求める
のに適当なものであるかどうかが判定される。すなわ
ち、バッテリから所定値を越えて単調増大し最大値から
所定値以下に単調減少する放電電流が流れているかどう
かが分析される。
線式を求めるのに適当なものが収集されるまで、近似曲
線式算出処理が行われることがなく、近似曲線式算出処
理も、過去に収集した所定時間分の実データを用いて行
わればよいので、端子電圧と放電電流との周期的な測定
に同期して処理を行わなくてもよく、早い処理速度が求
められない。
線式を求めるため測定したバッテリの端子電圧と放電電
流の存在する範囲内に定めた2つの点を用いているが、
必要とされる精度との関係において支障がない限り、こ
れに制限されるものでない。しかし、精度を保つために
は、第1の近似曲線式の単調増加あるいは第2の近似曲
線式の単調減少の範囲内に定めることが好ましい。
性の2つの近似曲線式M1及びM2で表される近似曲線
上の実データの存在する範囲内に任意の点A及びBを選
択しているが、これらの点を2つの近似曲線式M1及び
M2上の、これらの式を求めるため測定したバッテリの
放電電流の最大値に相当する点Pに選択し、両方の点を
共通のデータを使用して特定することで、誤差の入るこ
とを少なくすることができる。
車、EV車、HEV車には、スタータモータ、モータジ
ェネレータ、走行用モータなどの大電流を必要とする負
荷を搭載されており、これらの負荷は、スイッチのオン
によってバッテリから電力を供給すると、図13に示す
ように、その電流の流れはじめにラッシュ電流と称され
る急激に増大する大電流が流れた後、急速に定常電流に
減少する電流特性を有する。
駆動したとき、1回の放電によって、所定値を越えて単
調増大し最大値から所定値以下に単調減少する放電電流
が流れる。このときのバッテリの端子電圧と放電電流と
を周期的に測定してこれら端子電圧と放電電流との相関
を示す実データに基づいてグラフに示すと、図14に示
すように、放電が開始され増加方向に向かう所定期間に
所定値以上に急激に増大する放電電流に対する電流増大
V−I特性と、電流が最大に達しその後減少方向に向か
う減少する放電電流に対する電流減少V−I特性の2つ
が得られる。これらの2つの特性の違いを以下分析す
る。
ば200A乃至250Aの所定値以上に急激に増大する
放電電流に対する電流増大V−I特性の場合、放電開始
時点での分極抵抗成分を基準にすると、放電が開始し電
流が増加しても、電流の増加速度が分極抵抗成分の発生
速度に比べて非常に早いため、放電電流がピークに達し
ても、電流の大きさに対応した分極抵抗成分は発生せ
ず、電流が流れることによって発生する端子電圧の電圧
降下中に占める分極抵抗成分による電圧降下の割合が極
めて少なく、その大部分は純抵抗成分によるものであ
る。
分析することによってより明らかになる。すなわち、電
流が最大値に達した後、電流の減少に伴って分極抵抗成
分が解消していくはずであるが、実際には、電流の減少
に比例して分極抵抗成分は解消するのではなく、むしろ
増大していく。これは分極抵抗成分がその発生速度が遅
いため、電流が減少してもなお増大しているためであ
り、電流減少V−I特性上のある電流に対応する分極抵
抗成分が発生したとき、電圧降下中に占める分極抵抗成
分による電圧降下分が最大の割合になる。最終的には定
常電流に応じた分極抵抗成分となったところから電流の
減少に伴って遅れて解消するようになり、分極抵抗成分
が完全に解消するまで、電流が0になっても分極抵抗成
分によるバッテリの端子電圧の電圧降下は残る。
急激に増大する放電電流が流れたときのバッテリの端子
電圧は、バッテリによる純抵抗に放電電流が流れること
によって生じる電圧降下を反映した電圧がほとんどを占
め、分極抵抗成分による電圧はほとんど現れないことに
着目して、上述した2つのV−I特性のうちの電流増大
V−I特性を用いて、バッテリの純抵抗Rを測定する方
法を、図15乃至図17を参照して、以下具体的に説明
する。
ジェネレータ、走行用モータなどの大電流を必要とする
負荷に放電電流が流れたときのバッテリの端子電圧と放
電電流とを、例えば1ミリ秒の比較的早い周期でサンプ
リングすることによって周期的に測定して得、この測定
により得た端子電圧と放電電流に基づいて、端子電圧V
と放電電流Iとの単位時間ΔT当たりの変化量ΔV、Δ
Iを求める。つづいて、この求めた端子電圧Vの変化量
ΔVを放電電流Iの変化量ΔIにより除して求めた値を
純抵抗Rとして測定する。
たりの変化量を求めるに当たって、放電電流が所定期間
に所定値以上の増大するものであることを検出すること
により、端子電圧Vの変化量ΔVを放電電流Iの変化量
ΔIにより除して求めた値により測定した純抵抗Rの精
度を所定範囲内に入ることを保証する。すなわち、所定
期間に所定値以上の増大する放電電流の場合には、分極
の発生が極めて少なくその抵抗成分による電圧降下が純
抵抗によるものに比べて無視することができるくらいに
極めて小さいことによって、精度が所定範囲内に入るよ
うになる。また、事前に、放電電流が所定期間に所定値
以上の増大するものであることを検出することにより、
この条件に当てはまらない場合に、端子電圧と放電電流
との単位時間当たりの変化量を求めることを行わなくて
済み、無駄な処理をなくすることができる。
増大があることを検出するに当たって、周期的に測定し
たバッテリの端子電圧と放電電流とを少なくとも最新の
所定期間分収集して格納、記憶しておく。そして、この
記憶しておいた最新の所定期間分の端子電圧と放電電流
とに基づいて、放電電流が所定期間に所定値以上の増大
があることを検出したとき、記憶しておいた最新の所定
期間分の端子電圧と放電電流とに基づいて、この所定期
間内の端子電圧と放電電流とにより、端子電圧と放電電
流との単位時間当たりの変化量を求めることにより、都
合のよい任意の時点で処理を行うことができる。
タジェネレータ、走行用モータなどの大電流を必要とす
る負荷が動作されると、バッテリからは所定値を越えて
単調増大し最大値から所定値以下に単調減少する放電電
流が流れる。このときのバッテリの端子電圧と放電電流
とを、例えば1msの周期にてサンプリングすること
で、周期的に測定することによって、バッテリの端子電
圧と放電電流との組が多数得られる。
圧と放電電流との組の最新のものを、所定期間分、例え
ばRAMなどの書換可能な記憶手段としてのメモリに格
納、記憶して収集する。メモリに格納、記憶して収集し
た端子電圧と放電電流との組を用いて、放電電流が所定
期間に所定値以上増大するものであることを検出し、放
電電流が所定期間に所定値以上増大するものであること
が検出されたとき、端子電圧と放電電流との単位時間当
たりの変化量を、メモリに格納、記憶して収集した端子
電圧と放電電流との組を用いて求める。そして、この求
めた端子電圧の変化量を放電電流の変化量により除算す
ることによって求めた値をバッテリの純抵抗として測定
する。
プログラムに従いCPU23aが行う図3のフローチャ
ート中のステップS3の純抵抗測定処理の具体的な内容
を、図17のフローチャートを参照して説明する。
おいて収集された放電電流Iと端子電圧Vとの最新の所
定時間分の実データについて、バッテリから所定値を越
えて単調増大する放電電流が流れているかどうかを分析
する分析処理を行う(ステップS31)。
−電流特性を求めるのに適当なものが収集され、放電電
流が所定期間に所定値以上増大したものであるか否かを
判定する(ステップS332)。放電電流が所定期間に
所定値以上増大したものであるとき(ステップS32の
Y)、すなわち、放電電流が所定期間に所定値以上増大
するものであることをことを検出したときには、上記所
定期間内に収集された放電電流Iと端子電圧Vとの単位
時間当たりの変化量ΔI、ΔVを求める(ステップS3
3)。
電圧Vとの単位時間当たりの変化量ΔI、ΔVが求まっ
たら、次に端子電圧の変化量ΔVを放電電流の変化量Δ
Iにより除して求めた値をバッテリの純抵抗Rとして測
定し(ステップS34)、この測定した純抵抗は種々の
目的で使用するため、RAM23bのデータエリアに格
納されて記憶される(ステップS35)。なお、ステッ
プS32の判定がNのときには、図3のステップS2に
戻って放電電流Iと端子電圧Vとの最新の所定時間分の
実データが収集され、ステップS31の分析の結果、ス
テップS32の判定がYとなるまで、上述したステップ
S2乃至S32が繰り返される。
ップS2が請求項中の電圧・電流測定手段23a−15
に対する処理となっており、ステップS32が請求項中
の電流増加検出手段23a−161に対応する処理とな
っており、ステップS33が請求項中の変化量算出手段
23a−16に対応する処理となっており、ステップS
34が請求項中の除算手段23a−17なっている。
明する。
ータ5以外の電装品(負荷)が作動したり、モータジェ
ネレータ5がモータとして機能するように作動した場
合、それに伴いバッテリ13が放電を開始した状態で
は、負荷に所定期間に所定値以上に単調増大し最大値か
ら単調減少し、定常状態に至る放電電流が流れ、少なく
ともこのときのバッテリの端子電圧と放電電流とが周期
的に測定される。勿論、常時バッテリの端子電圧と放電
電流とが周期的に測定されてもよい。
所定期間分、RAM23bのデータエリアに格納、記憶
して収集され、収集された放電電流Iと端子電圧Vとの
最新の所定期間分の実データにういて、バッテリから所
定期間に所定値以上増大した放電電流が流れたかどうか
が分析される。
純抵抗測定処理が行われることがなく、純抵抗測定処理
も、過去に収集した所定期間分の実データを用いて行わ
ればよいので、端子電圧と放電電流との周期的な測定に
同期して処理を行わなくてもよく、早い処理速度が求め
られない。
電電流の存在は、必要とされる精度との関係において支
障がない限り、所定期間と所定値は任意に定めることが
好ましい。
ェネレータ5以外の電装品(負荷)が作動した場合も挙
げているが、定常状態において一定の放電電流が流れて
いる状態において、任意の負荷の動作によってその動作
開始時にラッシュ電流のように、所定期間内に所定値を
超えるような放電電流が流れたとき、この放電電流の増
大に伴って生じる端子電圧の電圧降下は純抵抗によって
生じたものとみなせることに着目し、この短時間に生じ
た端子電圧の変化量を放電電流の変化量によって除すこ
とで純抵抗を測定している。
る放電電流の内の単調増大している放電電流の区間を純
抵抗を測定するために用いているが、所定期間内に所定
値以上の電流変化が生じるのであれば、単調減少してい
る放電電流を純抵抗を測定するために用いるようにして
もよい。
る放電電流を利用してバッテリの純抵抗を測定するよう
にしているが、バッテリを充電する充電電流が、所定期
間内に所定値以上変化する場合には、この充電電流を純
抵抗測定のために利用することもできる。
力を供給するため車両に搭載されたバッテリの純抵抗を
測定するに当たって、バッテリに充電電流が流れ込んだ
ときのバッテリの端子電圧と充電電流とを周期的に測定
して得、所定期間に所定値以上に急激に増大する充電電
流が流れたときの、測定によって得られた端子電圧と充
電電流に基づいて、端子電圧と充電電流との単位時間当
たりの変化量を求め、この求めた端子電圧の変化量を充
電電流の変化量により除して求めた値をバッテリの純抵
抗として測定することもできる。
「純抵抗」なる用語は、真のオーミック抵抗を意味する
ものでなく、オーミック抵抗以外の抵抗成分は含むが殆
ど無視できる程度にしか含まれておらず、真のオーミッ
ク抵抗に非常に近似したものであることを意味する。
載の発明によれば、測定したバッテリの純抵抗と、純抵
抗を測定したときの充電状態に対応する予め定めた未使
用時の純抵抗及び予め定めた寿命時の純抵抗とに基づい
て、バッテリの劣化度を算出し判定し、車両使用状態に
おいて、バッテリの劣化度を自動的に判定することがで
きるので、車両使用中のバッテリの劣化度を判定するこ
とのできる車両用バッテリの劣化度判定方法及び装置を
提供することができる。
れば、劣化度を、百分率によって求め、劣化の進行具合
を具体的な数値によって客観的に把握できるようにして
いるので、人の感覚に頼って判断することの必要をなく
し、判断誤りが少なく信頼性の高い車両用バッテリの劣
化度判定方法及び装置を提供することができる。
れば、車両の通常の使用状態で負荷に電力を供給したと
きのバッテリの端子電圧と放電電流との測定の結果得ら
れるデータを処理して2つの近似曲線を得、この2つの
近似曲線上の分極抵抗成分の等しくなる2点を結ぶ直線
の傾斜を利用して求めたバッテリの純抵抗によりバッテ
リの劣化度を判定しているので、車両使用中のバッテリ
の劣化度を判定することのできる車両用バッテリの劣化
度判定方法及び装置を提供することができる。
れば、2つの近似曲線を利用してバッテリの純抵抗を求
めるに当たって、近似曲線式を求めるため測定したバッ
テリの端子電圧と放電電流の存在する範囲内に2点のう
ちの1点を選定し、実際から大きく外れた点を使用する
ことをなくすることで、純抵抗の測定精度を安定したも
に保つことのでき、これを利用して行うバッテリの劣化
度の判定が精度よく行える車両用バッテリの劣化度判定
方法及び装置を提供することができる。
れば、記憶した実データを用いて、近似曲線式を求める
に必要な放電電流が流れたことを確認してから、記憶し
てある実データを用いて近似曲線式を求め、無駄な処理
を省くとともに、リアルタイムな高速処理を行うことな
くしているので、これを利用して行うバッテリの劣化度
の判定を安価に行える車両用バッテリの劣化度判定方法
及び装置を提供することができる。
れば、単位時間に増大した放電電流によって発生する分
極は非常に小さく、端子電圧の変化量、すなわち、電圧
降下に分極抵抗成分の占める割合が極めて小さく、実質
的に純抵抗によるものとみなし、端子電圧の変化量を放
電電流の変化量により除して求めた値をバッテリの純抵
抗として測定し、車両使用中でも測定できるバッテリの
純抵抗を利用して劣化度の判定を行っているので、車両
使用中でもバッテリの劣化度を判定することのできる車
両用バッテリの劣化度判定方法及び装置を提供すること
ができる。
れば、測定した純抵抗の精度を常に所定範囲内のものと
することができるので、これを利用した劣化度の判定も
安定したもに保つことのできる車両用バッテリの劣化度
判定方法及び装置を提供することができる。
れば、都合のよい任意の時点で純抵抗を求めるための処
理を行うことができ、無駄な処理を省くとともに、リア
ルタイムな高速処理を行うことなく測定できる純抵抗を
利用しているので、劣化度の判定を融通性をもって行え
る車両用バッテリの劣化度判定方法及び装置を提供する
ことができる。
本構成を示すブロック図である。
用した本発明の一実施形態に係る車両用バッテリの劣化
度判定装置の概略構成を一部ブロックにて示す説明図で
ある。
め予め定めたプログラムに従って行う処理を示すフロー
チャートである。
使用時と寿命時について示すグラフである。
ラフである。
すグラフである。
グラフである。
曲線式で表される近似特性曲線の一例を示すグラフであ
る。
め方を説明するためのグラフである。
点の定め方と2点間の傾斜の補正の仕方とを説明するた
めのグラフである。
点の定め方と2点間の傾斜の補正の仕方とを説明するた
めのグラフである。
めたプログラムに従って行う処理を示すフローチャート
である。
示すグラフである。
フである。
を示すグラフである。
めたプログラムに従って行う処理を示すフローチャート
である。
Claims (16)
- 【請求項1】 車両に搭載されている負荷に電力を供給
するため車両に搭載されたバッテリの劣化度を判定する
車両用バッテリの劣化度判定方法において、 バッテリの充電状態に対応するバッテリの純抵抗を未使
用時と寿命時についてそれぞれ予め定めておき、 前記負荷に放電電流が流れたとき周期的に測定して得た
前記バッテリの端子電圧と放電電流とに基づいて、バッ
テリの純抵抗を測定し、 該測定した純抵抗と、該純抵抗を測定したときの充電状
態に対応する前記予め定めた未使用時の純抵抗及び前記
予め定めた寿命時の純抵抗とに基づいて、バッテリの劣
化度を算出し判定することを特徴とする車両用バッテリ
の劣化度判定方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の車両用バッテリの劣化度
判定方法において、 前記劣化度を、前記測定した純抵抗と前記未使用時の純
抵抗との差を、前記寿命時の純抵抗と前記未使用時の純
抵抗との差で除した値の百分率によって求めることを特
徴とする車両用バッテリの劣化度判定方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の車両用バッテリ
の劣化度判定方法において、 前記負荷に所定値を越えて単調増大し最大値から所定値
以下に単調減少する放電電流が流れたときの前記バッテ
リの端子電圧と放電電流とを周期的に測定してこれら端
子電圧と放電電流との相関を示す前記増大する放電電流
に対する電圧−電流特性の第1の近似曲線式と前記減少
する放電電流に対する電圧−電流特性の第2の近似曲線
式とを求め、 前記第1の近似曲線式によって表される電圧−電流特性
曲線上に第1の点を、前記第2の近似曲線式によって表
される電圧−電流特性曲線上に第2の点をそれぞれ定
め、 前記第2の点に対応する第2の放電電流が流れたとき第
2の電圧降下を生じさせる、バッテリの純抵抗と第2の
分極抵抗成分からなる第2の合成抵抗と同一の抵抗値を
有する第1の想定点を前記第1の近似曲線式によって表
される電圧−電流特性曲線上に、前記第1の点に対応す
る第1の放電電流が流れたとき第1の電圧降下を生じさ
せる、バッテリの純抵抗と第1の分極抵抗成分からなる
第1の合成抵抗と同一の抵抗値を有する第2の想定点を
前記第2の近似曲線式によって表される電圧−電流特性
曲線上にそれぞれ想定し、 前記第2の点と前記第1の想定点とを結ぶ直線の第1の
傾斜を、前記第2の放電電流と前記第1の想定点での放
電電流とによってそれぞれ生じる、前記第2の分極抵抗
成分による電圧降下の差分を補正した上で、前記第2の
分極抵抗成分による電圧降下分を除いた第1の補正傾斜
を求めるとともに、前記第1の点と前記第2の想定点と
を結ぶ直線の第2の傾斜を、前記第1の放電電流と前記
第2の想定点での放電電流とによってそれぞれ生じる、
前記第1の分極抵抗成分による電圧降下の差分を補正し
た上で、第1の分極抵抗成分による電圧降下分を除いた
第2の補正傾斜を求め、 該求めた前記第1及び第2の傾斜を加算平均して平均傾
斜を求め、該求めた平均傾斜を前記バッテリの前記純抵
抗として測定することを特徴とする車両用バッテリの劣
化度判定方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の車両用バッテリの劣化度
判定方法において、 前記第1の点と前記第2の点とを、前記第1の近似曲線
式と前記第2の近似曲線式を求めるため測定した前記バ
ッテリの端子電圧と放電電流の存在する範囲内に定める
ことを特徴とする車両用バッテリの劣化度判定方法。 - 【請求項5】 請求項3又は4記載の車両用バッテリの
劣化度判定方法において、 前記第1の近似曲線式と前記第2の近似曲線式とを求め
るに当たって、周期的に測定した前記バッテリの端子電
圧と放電電流とを最新の所定時間分収集して格納、記憶
しておくことを特徴とする車両用バッテリの劣化度判定
方法。 - 【請求項6】 請求項1又は2に記載の車両用バッテリ
の劣化度判定方法において、 前記負荷に放電電流が流れたときの前記バッテリの端子
電圧と放電電流とを周期的に測定して得、 所定期間に所定値以上に急激に増大する放電電流が流れ
たときの前記測定によって得られた端子電圧と放電電流
に基づいて、前記端子電圧と放電電流との単位時間当た
りの変化量を求め、 該求めた端子電圧の変化量を放電電流の変化量により除
して求めた値をバッテリの純抵抗として測定することを
特徴とする車両用バッテリの劣化度判定方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の車両用バッテリの劣化度
判定方法において、 前記端子電圧と放電電流との単位時間当たりの変化量を
求めるに当たって、前記放電電流が所定期間に所定値以
上増大するものであることを検出することを特徴とする
車両用バッテリの劣化度判定方法。 - 【請求項8】 請求項7記載の車両用バッテリの劣化度
判定方法において、 前記放電電流が所定期間に所定値以上増大するものであ
ることを検出するに当たって、周期的に測定した前記バ
ッテリの端子電圧と放電電流とを少なくとも最新の所定
期間分収集して格納、記憶しておき、 該記憶しておいた最新の所定期間分の端子電圧と放電電
流とに基づいて、前記放電電流が所定期間に所定値以上
の増大があることを検出したとき、該所定期間内の端子
電圧と放電電流とにより、前記単位時間当たりの変化量
を求めることを特徴とする車両用バッテリの劣化度判定
方法。 - 【請求項9】 車両に搭載されている負荷に電力を供給
するため車両に搭載されたバッテリの劣化度を判定する
車両用バッテリの劣化度判定装置において、 前記負荷に放電電流が流れたとき周期的に測定して得た
前記バッテリの端子電圧と放電電流とに基づいて、バッ
テリの純抵抗を測定する純抵抗測定手段と、 当該バッテリの充電状態に対応するバッテリの純抵抗を
未使用時と寿命時についてそれぞれ予め記憶している純
抵抗記憶手段と、 前記純抵抗測定手段により測定した純抵抗と、該純抵抗
を測定したときの充電状態に対応する前記純抵抗記憶手
段に予め記憶されている当該バッテリの未使用時の純抵
抗及び寿命時の純抵抗とに基づいて、バッテリの劣化度
を算出し判定する劣化度算出判定手段とを備えることを
特徴とする車両用バッテリの劣化度判定装置。 - 【請求項10】 請求項9記載の車両用バッテリの劣化
度判定装置において、 前記劣化度算出判定手段は、前記劣化度を、前記測定し
た純抵抗と前記未使用時の純抵抗との差を、前記寿命時
の純抵抗と前記未使用時の純抵抗との差で除した値の百
分率によって求めることを特徴とする車両用バッテリの
劣化度判定装置。 - 【請求項11】 請求項9又は10に記載の車両用バッ
テリの劣化度判定装置において、 前記純抵抗測定手段は、 前記負荷に所定値を越えて単調増大し最大値から所定値
以下に単調減少する放電電流が流れたときの前記バッテ
リの端子電圧と放電電流とを周期的に測定する電圧・電
流測定手段と、 該電圧・電流測定手段によって測定した端子電圧と放電
電流との相関を示す前記増大する放電電流に対する電圧
−電流特性の第1の近似曲線式と前記減少する放電電流
に対する電圧−電流特性の第2の近似曲線式とを求める
近似曲線式算出手段と、 前記第2の近似曲線式によって表される電圧−電流特性
曲線上に定めた第2の点に対応する第2の放電電流が流
れたとき第2の電圧降下を生じさせる、バッテリの純抵
抗と第2の分極抵抗成分からなる第2の合成抵抗と同一
の抵抗値を有する第1の想定点を前記第1の近似曲線式
によって表される電圧−電流特性曲線上に、前記第1の
近似曲線式によって表される電圧−電流特性曲線上に定
めた第1の点に対応する第1の放電電流が流れたとき第
1の電圧降下を生じさせるバッテリの純抵抗と第1の分
極抵抗成分からなる第1の合成抵抗と同一の抵抗値を有
する第2の想定点を前記第2の近似曲線式によって表さ
れる電圧−電流特性曲線上にそれぞれ想定し、前記第2
の点と前記第1の想定点とを結ぶ直線の第1の傾斜を、
前記第2の放電電流と前記第1の想定点での放電電流と
によってそれぞれ生じる、前記第2の分極抵抗成分によ
る電圧降下の差分を補正した上で、前記第2の分極抵抗
成分による電圧降下分を除いた第1の補正傾斜を求める
とともに、前記第1の点と前記第2の想定点とを結ぶ直
線の第2の傾斜を、前記第1の放電電流と前記第2の想
定点での放電電流とによってそれぞれ生じる、前記第1
の分極抵抗成分による電圧降下の差分を補正した上で、
前記第1の分極抵抗成分による電圧降下分を除いた第2
の補正傾斜を求め、該求めた前記第1の補正傾斜と第2
の補正傾斜とを加算平均して平均傾斜を求める演算手段
とを備え、 該演算手段によって求めた前記平均傾斜を前記バッテリ
の前記純抵抗として測定することを特徴とする車両用バ
ッテリの劣化度判定装置。 - 【請求項12】 請求項11記載の車両用バッテリの劣
化度判定装置において、 前記演算手段は、前記第1の点と前記第2の点とを、前
記第1の近似曲線式と前記第2の近似曲線式を求めるた
め測定した前記バッテリの端子電圧と放電電流の存在す
る範囲内に定めることを特徴とする車両用バッテリの劣
化度判定装置。 - 【請求項13】 請求項11又は12記載の車両用バッ
テリの劣化度判定装置において、 前記近似曲線式算出手段は、前記第1の近似曲線式と前
記第2の近似曲線式を求めるために、前記電圧・電流測
定手段により周期的に測定した前記バッテリの端子電圧
と放電電流とを、最新の所定時間分収集して格納、記憶
する記憶手段を有することを特徴とする車両用バッテリ
の劣化度判定装置。 - 【請求項14】 請求項9又は10に記載の車両用バッ
テリの劣化度判定装置において、 前記純抵抗測定手段は、 前記負荷に放電電流が流れたときの前記バッテリの端子
電圧と放電電流とを周期的に測定して得る電圧・電流測
定手段と、 所定期間に所定値以上に急激に増大する放電電流が流れ
たときの前記電圧・電流測定手段によって得られた端子
電圧と放電電流に基づいて、前記端子電圧と放電電流と
の単位時間当たりの変化量を求める変化量算出手段と、 該変化量算出手段によって求めた端子電圧の変化量を放
電電流の変化量により除算する除算手段とを備え、 該除算手段によって求めた値をバッテリの純抵抗として
測定することを特徴とする車両用バッテリの劣化度判定
装置。 - 【請求項15】 請求項14記載の車両用バッテリの劣
化度判定装置において、 前記変化量算出手段は、前記端子電圧と放電電流との単
位時間当たりの変化量を求めるに当たって、前記放電電
流が所定期間に所定値以上増大するものであることを検
出する電流増加検出手段を有することを特徴とする車両
用バッテリの劣化度判定装置。 - 【請求項16】 請求項15記載の車両用バッテリの劣
化度判定装置において、 前記変化量算出手段は、前記放電電流が所定期間に所定
値以上の増大があることを検出するに当たって、周期的
に測定した前記バッテリの端子電圧と放電電流とを少な
くとも最新の所定期間分収集して格納、記憶しておく記
憶手段を更に有し、前記記憶手段に記憶しておいた最新
の所定期間分の端子電圧と放電電流とに基づいて、前記
電流増加検出手段が前記放電電流が所定期間に所定値以
上の増大があることを検出したとき、前記所定期間内の
端子電圧と放電電流とにより、前記単位時間当たりの変
化量を求めることを特徴とする車両用バッテリの劣化度
判定装置。
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