JP2002238885A - X線焦点位置制御方法及びそのプログラム並びにx線ct装置及びx線管 - Google Patents
X線焦点位置制御方法及びそのプログラム並びにx線ct装置及びx線管Info
- Publication number
- JP2002238885A JP2002238885A JP2001027069A JP2001027069A JP2002238885A JP 2002238885 A JP2002238885 A JP 2002238885A JP 2001027069 A JP2001027069 A JP 2001027069A JP 2001027069 A JP2001027069 A JP 2001027069A JP 2002238885 A JP2002238885 A JP 2002238885A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ray
- electron beam
- detector
- rotating anode
- collimator
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 21
- 238000001514 detection method Methods 0.000 claims abstract description 19
- 238000010894 electron beam technology Methods 0.000 claims description 61
- 230000001678 irradiating effect Effects 0.000 claims description 7
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 abstract description 9
- 238000002601 radiography Methods 0.000 abstract 4
- 238000003384 imaging method Methods 0.000 description 19
- 238000013480 data collection Methods 0.000 description 10
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 8
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 5
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 5
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 4
- 238000012937 correction Methods 0.000 description 3
- 230000004907 flux Effects 0.000 description 3
- 239000013598 vector Substances 0.000 description 3
- 230000008602 contraction Effects 0.000 description 2
- 230000001186 cumulative effect Effects 0.000 description 2
- 230000005684 electric field Effects 0.000 description 2
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 2
- 230000006870 function Effects 0.000 description 2
- 230000008569 process Effects 0.000 description 2
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 2
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 2
- 238000004088 simulation Methods 0.000 description 2
- 102100033041 Carbonic anhydrase 13 Human genes 0.000 description 1
- 101000867860 Homo sapiens Carbonic anhydrase 13 Proteins 0.000 description 1
- 230000009471 action Effects 0.000 description 1
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 1
- 230000003993 interaction Effects 0.000 description 1
- 238000010606 normalization Methods 0.000 description 1
- 230000004044 response Effects 0.000 description 1
- 238000009751 slip forming Methods 0.000 description 1
- WFKWXMTUELFFGS-UHFFFAOYSA-N tungsten Chemical compound [W] WFKWXMTUELFFGS-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052721 tungsten Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010937 tungsten Substances 0.000 description 1
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61B—DIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
- A61B6/00—Apparatus or devices for radiation diagnosis; Apparatus or devices for radiation diagnosis combined with radiation therapy equipment
- A61B6/54—Control of apparatus or devices for radiation diagnosis
- A61B6/548—Remote control of the apparatus or devices
Landscapes
- Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単な構成により、X線撮影系を構成する要
素(特にX線管の回転陽極)の変位によらず、撮影系に
常に最適のX線ファンビームが得られることを課題とす
る。 【解決手段】 X線を発生するための電子ビームを偏向
可能に構成されたX線管40と、発生されたX線につき
被検体100の体軸方向の線幅wを制限するコリメータ
と、コリメータを通過したX線ファンビームXLFBの
線量を検出可能なX線検出器70であって、体軸方向に
少なくとも2列の検出器列A,Bを有するもの、とを備
えるX線撮影系のX線焦点位置制御方法において、X線
検出器70の少なくとも2列の各所定の検出信号a,b
に基づき、両信号振幅が同一となる方向に電子ビームを
偏向制御する。
素(特にX線管の回転陽極)の変位によらず、撮影系に
常に最適のX線ファンビームが得られることを課題とす
る。 【解決手段】 X線を発生するための電子ビームを偏向
可能に構成されたX線管40と、発生されたX線につき
被検体100の体軸方向の線幅wを制限するコリメータ
と、コリメータを通過したX線ファンビームXLFBの
線量を検出可能なX線検出器70であって、体軸方向に
少なくとも2列の検出器列A,Bを有するもの、とを備
えるX線撮影系のX線焦点位置制御方法において、X線
検出器70の少なくとも2列の各所定の検出信号a,b
に基づき、両信号振幅が同一となる方向に電子ビームを
偏向制御する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線焦点位置制御方
法及びそのプログラム並びにX線CT装置及びX線管に
関し、更に詳しくは、X線を発生するための電子ビーム
を偏向可能に構成されたX線管と、発生されたX線につ
き被検体の体軸方向の線幅を制限するコリメータと、コ
リメータを通過したX線ファンビームの線量を検出可能
なX線検出器であって、体軸方向に少なくとも2列の検
出器列を有するもの、とを備えるX線撮影系のX線焦点
位置制御方法及びそのプログラム並びにX線CT装置及
びX線管に関する。
法及びそのプログラム並びにX線CT装置及びX線管に
関し、更に詳しくは、X線を発生するための電子ビーム
を偏向可能に構成されたX線管と、発生されたX線につ
き被検体の体軸方向の線幅を制限するコリメータと、コ
リメータを通過したX線ファンビームの線量を検出可能
なX線検出器であって、体軸方向に少なくとも2列の検
出器列を有するもの、とを備えるX線撮影系のX線焦点
位置制御方法及びそのプログラム並びにX線CT装置及
びX線管に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は従来技術を説明する図で、従来の
X線CT装置における走査ガントリ(X線撮影系)の要
部側面図を示している。図において、40’は回転陽極
型のX線管であり、電子ビームを発生する電子銃42
と、電子ビームの照射によりX線を発生するタングステ
ン等からなる凸面状の回転陽極41と、回転陽極41を
一体化支持するモータ回転子47と、モータ回転子47
をベアリングで回転自在に軸支する陽極軸48とを備
え、このモータ回転子47に対して外部のモータ固定子
(不図示)から回転磁界を加えることで、モータ回転子
47(回転陽極41)を高速で回転させる。
X線CT装置における走査ガントリ(X線撮影系)の要
部側面図を示している。図において、40’は回転陽極
型のX線管であり、電子ビームを発生する電子銃42
と、電子ビームの照射によりX線を発生するタングステ
ン等からなる凸面状の回転陽極41と、回転陽極41を
一体化支持するモータ回転子47と、モータ回転子47
をベアリングで回転自在に軸支する陽極軸48とを備
え、このモータ回転子47に対して外部のモータ固定子
(不図示)から回転磁界を加えることで、モータ回転子
47(回転陽極41)を高速で回転させる。
【0003】更に、50はX線の曝射範囲(主に体軸C
Lb方向)を制限するコリメータ、100は被検体、2
0は被検体100を載せて体軸方向に移動させる撮影テ
ーブル、70はチャネル方向に並ぶ多数(n=1000
程度)のX線検出素子が円弧状の例えば2列A,Bに配
列されているX線検出器(ツインディテクタ)、80は
X線検出器70の検出信号に基づき被検体100の投影
データg(X,θ)を生成・収集するデータ収集部(D
AS)である。ここで、XはX線検出器70の検出チャ
ネル、θはビュー角を表す。
Lb方向)を制限するコリメータ、100は被検体、2
0は被検体100を載せて体軸方向に移動させる撮影テ
ーブル、70はチャネル方向に並ぶ多数(n=1000
程度)のX線検出素子が円弧状の例えば2列A,Bに配
列されているX線検出器(ツインディテクタ)、80は
X線検出器70の検出信号に基づき被検体100の投影
データg(X,θ)を生成・収集するデータ収集部(D
AS)である。ここで、XはX線検出器70の検出チャ
ネル、θはビュー角を表す。
【0004】ツインディテクタ70を備えるX線CT装
置では、コリメータ50を通過したX線ファンビームX
LFBが検出器列A,Bに均等(等分)に照射されるこ
とで、走査ガントリの1回転当たりに2列分の投影デー
タgA(X,θ),gB(X,θ)が同時に得られるた
め、スキャン効率が良い。
置では、コリメータ50を通過したX線ファンビームX
LFBが検出器列A,Bに均等(等分)に照射されるこ
とで、走査ガントリの1回転当たりに2列分の投影デー
タgA(X,θ),gB(X,θ)が同時に得られるた
め、スキャン効率が良い。
【0005】しかし、スキャン時におけるX線管40’
の焦点Fは、一般にX線管40’の動作温度(即ち、機
構部の熱膨張/収縮)、その他のスキャン条件{走査ガ
ントリのチルト角,走査ガントリの回転速度,焦点サイ
ズの大/小等}によってz軸(体軸)方向に変位するこ
とが知られており、もし焦点Fがz軸方向に移動する
と、もはやX線ファンビームXLFBは検出器列A,B
に均等(等分)には照射されなくなるため、得られたC
T断層像にはアーチファクトやS/N比の低下が生じ
る。
の焦点Fは、一般にX線管40’の動作温度(即ち、機
構部の熱膨張/収縮)、その他のスキャン条件{走査ガ
ントリのチルト角,走査ガントリの回転速度,焦点サイ
ズの大/小等}によってz軸(体軸)方向に変位するこ
とが知られており、もし焦点Fがz軸方向に移動する
と、もはやX線ファンビームXLFBは検出器列A,B
に均等(等分)には照射されなくなるため、得られたC
T断層像にはアーチファクトやS/N比の低下が生じ
る。
【0006】この点、従来は、コリメータ50を機械的
な直動機構によりX線焦点Fの移動に応じてz軸方向に
スライドさせることにより、焦点Fの移動分をカバーし
ていた。即ち、コリメータ50は、z軸方向に並ぶ2枚
の平行板50a,50bを含み、これらを支持する共通
の支持部材54と、該支持部材54に固定されたナット
部材53とを介して、ネジ溝を有する回転シャフト52
に連結している。
な直動機構によりX線焦点Fの移動に応じてz軸方向に
スライドさせることにより、焦点Fの移動分をカバーし
ていた。即ち、コリメータ50は、z軸方向に並ぶ2枚
の平行板50a,50bを含み、これらを支持する共通
の支持部材54と、該支持部材54に固定されたナット
部材53とを介して、ネジ溝を有する回転シャフト52
に連結している。
【0007】一方、コリメータ制御部50Aは、データ
収集部80より抽出した検出器列A,Bの各所定(レフ
ァレンスチャネルn)の投影データgA(Xn,θ),
gB(Xn,θ)を比較してこれらの差信号(誤差信
号)を検出すると共に、該差信号を0とするようなコリ
メータ50のスライド制御信号を生成して、これをモー
タ駆動部50Bに加える。モータ駆動部50Bは入力の
制御信号を増幅してパルスモ−タPMに加え、これを受
けたパルスモータ51は制御信号に応じて回転シャフト
52を回転させることで、コリメータ50を焦点Fの移
動方向に変位させている。
収集部80より抽出した検出器列A,Bの各所定(レフ
ァレンスチャネルn)の投影データgA(Xn,θ),
gB(Xn,θ)を比較してこれらの差信号(誤差信
号)を検出すると共に、該差信号を0とするようなコリ
メータ50のスライド制御信号を生成して、これをモー
タ駆動部50Bに加える。モータ駆動部50Bは入力の
制御信号を増幅してパルスモ−タPMに加え、これを受
けたパルスモータ51は制御信号に応じて回転シャフト
52を回転させることで、コリメータ50を焦点Fの移
動方向に変位させている。
【0008】即ち、今、回転陽極41(X線焦点F)が
その基準位置z0から−z1(点線)の側に移動したと
すると、これに応じてコリメータ50をその基準位置Z
0から−Z1の側に移動させることで、X線ファンビー
ムXLFBを検出器列A,Bに均等に照射させる。ま
た、回転陽極41が基準位置z0から+z2(破線)の
側に移動したとすると、これに応じてコリメータ50を
その基準位置Z0から+Z2の側に移動させることで、
X線ファンビームXLFBを検出器列A,Bに均等に照
射させる。
その基準位置z0から−z1(点線)の側に移動したと
すると、これに応じてコリメータ50をその基準位置Z
0から−Z1の側に移動させることで、X線ファンビー
ムXLFBを検出器列A,Bに均等に照射させる。ま
た、回転陽極41が基準位置z0から+z2(破線)の
側に移動したとすると、これに応じてコリメータ50を
その基準位置Z0から+Z2の側に移動させることで、
X線ファンビームXLFBを検出器列A,Bに均等に照
射させる。
【0009】なお、上記コリメータ50を移動させるの
に代えて、X線検出器70をz軸方向に移動させること
で、X線ファンビームXLFBを検出器列A,Bに均等
に照射させる方法も知られている。
に代えて、X線検出器70をz軸方向に移動させること
で、X線ファンビームXLFBを検出器列A,Bに均等
に照射させる方法も知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記機械的な
直動機構を使用する法式であると、回転シャフト52と
ナット部材53との螺合部における遊び(ガタ)等によ
ってコリメータ50のスライド動作及びその位置決め動
作が不安定なものとなる。また、コリメータ50を移動
制御するための電気回路部やモータ機構部を必要とし、
これらの構成が大型であると共に、高価なものとなる。
また、直動機構部が走査ガントリ部の構成を複雑化させ
ると共に、その分重量が増し、走査ガントリ部の回転動
作の負担ともなっていた。この問題点は、X線検出器7
0を移動させる場合も同様である。
直動機構を使用する法式であると、回転シャフト52と
ナット部材53との螺合部における遊び(ガタ)等によ
ってコリメータ50のスライド動作及びその位置決め動
作が不安定なものとなる。また、コリメータ50を移動
制御するための電気回路部やモータ機構部を必要とし、
これらの構成が大型であると共に、高価なものとなる。
また、直動機構部が走査ガントリ部の構成を複雑化させ
ると共に、その分重量が増し、走査ガントリ部の回転動
作の負担ともなっていた。この問題点は、X線検出器7
0を移動させる場合も同様である。
【0011】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなさ
れたもので、その目的とする所は、簡単な構成により、
X線撮影系を構成する要素(特にX線管の回転陽極)の
変位によらず、撮影系に常に最適のX線ファンビームが
得られるX線焦点位置制御方法及びそのプログラム並び
にX線CT装置及びX線管を提供することにある。
れたもので、その目的とする所は、簡単な構成により、
X線撮影系を構成する要素(特にX線管の回転陽極)の
変位によらず、撮影系に常に最適のX線ファンビームが
得られるX線焦点位置制御方法及びそのプログラム並び
にX線CT装置及びX線管を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題は例えば図1
の構成により解決される。即ち、本発明(1)のX線焦
点位置制御方法は、X線を発生するための電子ビームを
偏向可能に構成されたX線管40と、発生されたX線に
つき被検体100の体軸方向の線幅wを制限するコリメ
ータと、コリメータを通過したX線ファンビームXLF
Bの線量を検出可能なX線検出器70であって、体軸方
向に少なくとも2列の検出器列A,Bを有するもの、と
を備えるX線撮影系のX線焦点位置制御方法において、
X線検出器70の少なくとも2列の各所定の検出信号
a,bに基づき、両信号振幅が同一となる方向に電子ビ
ームを偏向制御するものである。
の構成により解決される。即ち、本発明(1)のX線焦
点位置制御方法は、X線を発生するための電子ビームを
偏向可能に構成されたX線管40と、発生されたX線に
つき被検体100の体軸方向の線幅wを制限するコリメ
ータと、コリメータを通過したX線ファンビームXLF
Bの線量を検出可能なX線検出器70であって、体軸方
向に少なくとも2列の検出器列A,Bを有するもの、と
を備えるX線撮影系のX線焦点位置制御方法において、
X線検出器70の少なくとも2列の各所定の検出信号
a,bに基づき、両信号振幅が同一となる方向に電子ビ
ームを偏向制御するものである。
【0013】本発明(1)によれば、X線検出器70の
少なくとも2列の各所定の検出信号a,bに基づき、両
信号振幅が同一となる方向に電子ビームを偏向制御する
構成により、電子ビームを偏向制御すると言う簡単な方
法で、X線撮影系を構成する要素(特にX線管40の回
転陽極41)の体軸(z軸)方向の変位によらず、系に
は検出器列A,Bに均等に照射(分配)されるような常
に最適のX線ファンビームが得られる。
少なくとも2列の各所定の検出信号a,bに基づき、両
信号振幅が同一となる方向に電子ビームを偏向制御する
構成により、電子ビームを偏向制御すると言う簡単な方
法で、X線撮影系を構成する要素(特にX線管40の回
転陽極41)の体軸(z軸)方向の変位によらず、系に
は検出器列A,Bに均等に照射(分配)されるような常
に最適のX線ファンビームが得られる。
【0014】また本発明(2)のプログラムは、コンピ
ュータに本発明(1)に記載のX線焦点位置制御方法を
実行させるためのプログラムである。即ち、X線検出器
70の少なくとも2列の各所定の検出信号a,bを入力
として、両信号振幅が同一となる方向に電子ビームを偏
向制御するための制御信号を生成するものである。この
ようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録
して、又は有線/無線による通信回線を介したオンライ
ンにより提供される。
ュータに本発明(1)に記載のX線焦点位置制御方法を
実行させるためのプログラムである。即ち、X線検出器
70の少なくとも2列の各所定の検出信号a,bを入力
として、両信号振幅が同一となる方向に電子ビームを偏
向制御するための制御信号を生成するものである。この
ようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録
して、又は有線/無線による通信回線を介したオンライ
ンにより提供される。
【0015】また本発明(3)のX線CT装置は、被検
体100を挟んでX線管40とX線検出器70とが相対
向し、X線検出器70の検出信号に基づき被検体100
のCT断層像を再構成するX線CT装置において、電子
銃42と、該電子銃からの電子ビーム照射によりX線を
発生する回転陽極41であって、その回転軸方向に斜面
を有するもの、とを備え、これらの間に介在して、電子
銃42から回転陽極41に向かう電子ビームを偏向可能
に構成された電子ビーム偏向部43を備えるX線管40
と、発生されたX線につき被検体100の体軸方向の線
幅wを制限するコリメータ50と、コリメータ50を通
過したX線ファンビームXLFBの線量を検出可能な体
軸方向に少なくとも2列の検出器列A,Bを有するX線
検出器70と、X線検出器70の少なくとも2列の各所
定の検出信号a,bに基づき、両信号振幅が同一となる
方向に電子ビーム偏向部43の偏向を制御する偏向制御
部60Aとを備えるものである。
体100を挟んでX線管40とX線検出器70とが相対
向し、X線検出器70の検出信号に基づき被検体100
のCT断層像を再構成するX線CT装置において、電子
銃42と、該電子銃からの電子ビーム照射によりX線を
発生する回転陽極41であって、その回転軸方向に斜面
を有するもの、とを備え、これらの間に介在して、電子
銃42から回転陽極41に向かう電子ビームを偏向可能
に構成された電子ビーム偏向部43を備えるX線管40
と、発生されたX線につき被検体100の体軸方向の線
幅wを制限するコリメータ50と、コリメータ50を通
過したX線ファンビームXLFBの線量を検出可能な体
軸方向に少なくとも2列の検出器列A,Bを有するX線
検出器70と、X線検出器70の少なくとも2列の各所
定の検出信号a,bに基づき、両信号振幅が同一となる
方向に電子ビーム偏向部43の偏向を制御する偏向制御
部60Aとを備えるものである。
【0016】本発明(3)によれば、体軸方向に斜面を
有する回転陽極と、斜面に照射する電子ビームを該斜面
の方向に変更制御する簡単で信頼性の高い構成により、
X線撮影系を構成する要素(特にX線管40の回転陽極
41)の変位による影響を有効に補正(回避)できるた
め、X線撮影系には常に最適のX線ファンビームが得ら
れる。
有する回転陽極と、斜面に照射する電子ビームを該斜面
の方向に変更制御する簡単で信頼性の高い構成により、
X線撮影系を構成する要素(特にX線管40の回転陽極
41)の変位による影響を有効に補正(回避)できるた
め、X線撮影系には常に最適のX線ファンビームが得ら
れる。
【0017】また本発明(4)のX線管40は、電子銃
42と、該電子銃からの電子ビーム照射によりX線を発
生する回転陽極41であって、その回転軸方向に斜面を
有するもの、とを備えるX線管において、電子銃42と
回転陽極41との間に介在して、電子銃42から回転陽
極41に向かう電子ビームを偏向可能に構成された電子
ビーム偏向部43を備えるものである。
42と、該電子銃からの電子ビーム照射によりX線を発
生する回転陽極41であって、その回転軸方向に斜面を
有するもの、とを備えるX線管において、電子銃42と
回転陽極41との間に介在して、電子銃42から回転陽
極41に向かう電子ビームを偏向可能に構成された電子
ビーム偏向部43を備えるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
好適なる複数の実施の形態を詳細に説明する。なお、全
図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとす
る。
好適なる複数の実施の形態を詳細に説明する。なお、全
図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとす
る。
【0019】図2は実施の形態によるX線CT装置の要
部構成図で、図において、30はX線ファンビームXL
FBにより被検体100のアキシャル/ヘリカルスキャ
ン・読取等を行う走査ガントリ部、20は被検体100
を載せて体軸CLbの方向に移動させる撮影テーブル、
10は技師等が操作するための遠隔の操作コンソール部
である。
部構成図で、図において、30はX線ファンビームXL
FBにより被検体100のアキシャル/ヘリカルスキャ
ン・読取等を行う走査ガントリ部、20は被検体100
を載せて体軸CLbの方向に移動させる撮影テーブル、
10は技師等が操作するための遠隔の操作コンソール部
である。
【0020】走査ガントリ部30において、40は回転
陽極型のX線管、40AはX線管40の線量(管電圧k
V,管電流mA等)を制御するX線制御部、41はX線
管40の回転陽極、42は回転陽極41に電子ビームを
照射する電子銃、43は電子銃42と回転陽極41との
間に介在して電子ビームの偏向を行う電子ビーム偏向
部、60Aはその偏向制御部である。
陽極型のX線管、40AはX線管40の線量(管電圧k
V,管電流mA等)を制御するX線制御部、41はX線
管40の回転陽極、42は回転陽極41に電子ビームを
照射する電子銃、43は電子銃42と回転陽極41との
間に介在して電子ビームの偏向を行う電子ビーム偏向
部、60Aはその偏向制御部である。
【0021】更に、50はX線の曝射範囲(主に体軸C
Lb方向)の制限を行うコリメータ、70はチャネルC
H方向に並ぶ多数(n=1000程度)のX線検出素子
が体軸CLb方向の例えば2列A,Bに配列されている
X線検出器(ツインディテクタ)、80はX線検出器7
0の検出信号に基づき被検体100の投影データg
A(X,θ),gB(X,θ)を生成し、収集するデータ
収集部(DAS)、30Aは走査ガントリ(X線撮影
系)を体軸CLbの周り回転させる回転制御部である。
Lb方向)の制限を行うコリメータ、70はチャネルC
H方向に並ぶ多数(n=1000程度)のX線検出素子
が体軸CLb方向の例えば2列A,Bに配列されている
X線検出器(ツインディテクタ)、80はX線検出器7
0の検出信号に基づき被検体100の投影データg
A(X,θ),gB(X,θ)を生成し、収集するデータ
収集部(DAS)、30Aは走査ガントリ(X線撮影
系)を体軸CLbの周り回転させる回転制御部である。
【0022】操作コンソール部10において、11はX
線CT装置の主制御・処理(スキャン制御,CT断層像
の再構成処理等)を行う中央処理装置、11aはそのC
PU、11bはCPU11aが使用するRAM,ROM
等からなる主メモリ(MM)、12はキーボードやマウ
ス等を含む指令やデータの入力装置、13はスキャン計
画情報や画像再構成されたCT断層像等を表示するため
の表示装置(CRT)、14はCPU11aと走査ガン
トリ部30及び撮影テーブル20との間で各種制御信号
CSやモニタ信号MS等のやり取りを行う制御インタフ
ェース、15はデータ収集部80からの投影データを一
時的に記憶するデータ収集バッファ、16はデータ収集
バッファ15からの投影データを最終的に蓄積・格納す
ると共に、X線CT装置の運用に必要な各種アプリケー
ションプログラムや各種演算/補正用のデータファイル
等を格納しているハードディスク装置(HDD)であ
る。
線CT装置の主制御・処理(スキャン制御,CT断層像
の再構成処理等)を行う中央処理装置、11aはそのC
PU、11bはCPU11aが使用するRAM,ROM
等からなる主メモリ(MM)、12はキーボードやマウ
ス等を含む指令やデータの入力装置、13はスキャン計
画情報や画像再構成されたCT断層像等を表示するため
の表示装置(CRT)、14はCPU11aと走査ガン
トリ部30及び撮影テーブル20との間で各種制御信号
CSやモニタ信号MS等のやり取りを行う制御インタフ
ェース、15はデータ収集部80からの投影データを一
時的に記憶するデータ収集バッファ、16はデータ収集
バッファ15からの投影データを最終的に蓄積・格納す
ると共に、X線CT装置の運用に必要な各種アプリケー
ションプログラムや各種演算/補正用のデータファイル
等を格納しているハードディスク装置(HDD)であ
る。
【0023】なお、このコリメータ50は、必要なら体
軸CLb方向の開口スリット幅wのみが可変となってお
り、コリメータ50の全体のスライド動作に関しては固
定されているものとする。
軸CLb方向の開口スリット幅wのみが可変となってお
り、コリメータ50の全体のスライド動作に関しては固
定されているものとする。
【0024】係る構成により、X線管40からコリメー
タ50を通過したX線ファンビームXLFBは被検体1
00を透過してX線検出器70の検出器列A,Bに一斉
に入射する。データ収集部80はX線検出器70の各検
出出力に対応する投影データgA(X,θ),gB(X,
θ)を生成し、これらをデータ収集バッファ15に格納
する。更に、走査ガントリが僅かに回転した各ビュー角
θで上記同様のX線撮影を行い、こうして走査ガントリ
1回転分の投影データを収集・蓄積する。
タ50を通過したX線ファンビームXLFBは被検体1
00を透過してX線検出器70の検出器列A,Bに一斉
に入射する。データ収集部80はX線検出器70の各検
出出力に対応する投影データgA(X,θ),gB(X,
θ)を生成し、これらをデータ収集バッファ15に格納
する。更に、走査ガントリが僅かに回転した各ビュー角
θで上記同様のX線撮影を行い、こうして走査ガントリ
1回転分の投影データを収集・蓄積する。
【0025】また同時に、アキシャル/ヘリカルスキャ
ン方式に従って撮影テーブル20を体軸CLbの方向に
間欠的/連続的に移動させ、こうして被検体100の所
要撮影領域についての全投影データを収集・蓄積し、こ
れらを最終的にハードディスク装置16に格納する。そ
して、CPU11aは、上記全スキャンの終了後、又は
スキャン実行に追従(並行)して、得られた投影データ
に基づき被検体100のCT断層像を再構成し、これを
表示装置13に表示する。以下、本発明によるX線焦点
位置制御を詳細に説明する。
ン方式に従って撮影テーブル20を体軸CLbの方向に
間欠的/連続的に移動させ、こうして被検体100の所
要撮影領域についての全投影データを収集・蓄積し、こ
れらを最終的にハードディスク装置16に格納する。そ
して、CPU11aは、上記全スキャンの終了後、又は
スキャン実行に追従(並行)して、得られた投影データ
に基づき被検体100のCT断層像を再構成し、これを
表示装置13に表示する。以下、本発明によるX線焦点
位置制御を詳細に説明する。
【0026】図3は第1の実施の形態によるX線焦点位
置制御方式を説明する図で、X線制御部40Aにより制
御される静電型の電子銃42Eと、偏向制御部60Aに
より制御される静電型の電子ビーム偏向部43Eとを備
える場合を示している。なお、以下の説明では、記号<
>はベクトルを表す。また図中のベクトルは太文字で
表す。またX線検出器70にける検出器列A,Bの各所
定(レファレンスチャネルn)の投影データgA(X
n,θ),gB(Xn,θ)の各信号振幅をレファレン
ス信号a,bと呼ぶ。
置制御方式を説明する図で、X線制御部40Aにより制
御される静電型の電子銃42Eと、偏向制御部60Aに
より制御される静電型の電子ビーム偏向部43Eとを備
える場合を示している。なお、以下の説明では、記号<
>はベクトルを表す。また図中のベクトルは太文字で
表す。またX線検出器70にける検出器列A,Bの各所
定(レファレンスチャネルn)の投影データgA(X
n,θ),gB(Xn,θ)の各信号振幅をレファレン
ス信号a,bと呼ぶ。
【0027】電子銃42Eは、管電流mAにより駆動さ
れるヒータHと、各円筒形の陰極(カソード)C,格子
(グリッド)G及び第1の陽極A1とを含み、管電圧k
Vによりバイアスされる回転陽極41(第2の陽極A
2)と共に、回転陽極41の表面で集束するような電子
ビームを形成する。
れるヒータHと、各円筒形の陰極(カソード)C,格子
(グリッド)G及び第1の陽極A1とを含み、管電圧k
Vによりバイアスされる回転陽極41(第2の陽極A
2)と共に、回転陽極41の表面で集束するような電子
ビームを形成する。
【0028】即ち、ヒータHにより加熱され、陰極Cか
ら放出された電子束は、陰極Cの表面,格子Gの制限孔
及び第1の陽極A1の制限孔とからなる第1のレンズ系
によって加速・集束され、陰極表面における軸上の小さ
な点(第1のクロスオーバ点)に集中される。更に、こ
のクロスオーバ点(電子源とみなせる)を通過する電子
束は、第1,第2の陽極A1,A2の電圧比(等電位面
の作用)により形成される第2のレンズ系によって加速
・集束され、最終的に回転陽極41の表面(第2のクロ
スオーバ点)に集束(結像)される。
ら放出された電子束は、陰極Cの表面,格子Gの制限孔
及び第1の陽極A1の制限孔とからなる第1のレンズ系
によって加速・集束され、陰極表面における軸上の小さ
な点(第1のクロスオーバ点)に集中される。更に、こ
のクロスオーバ点(電子源とみなせる)を通過する電子
束は、第1,第2の陽極A1,A2の電圧比(等電位面
の作用)により形成される第2のレンズ系によって加速
・集束され、最終的に回転陽極41の表面(第2のクロ
スオーバ点)に集束(結像)される。
【0029】電子ビーム偏向部43Eは、系の軸(z
軸)方向に進む電子ビームを挟むようにして設けられた
上下2枚の平板電極43a,43bを含み、これらに電
圧±Vを加えることで、両平板電極43a,43bの間
の空間には均一な電界±<E>が形成される。そして、こ
の空間をz軸方向に進む電子(ビーム)は、この電界<
E>によりy軸方向に働く力<f>、<f>=q<E>但し、
q:電子の電荷を受ける結果、第2のクロスオーバ点
(X線焦点F)はy軸方向に変位する。
軸)方向に進む電子ビームを挟むようにして設けられた
上下2枚の平板電極43a,43bを含み、これらに電
圧±Vを加えることで、両平板電極43a,43bの間
の空間には均一な電界±<E>が形成される。そして、こ
の空間をz軸方向に進む電子(ビーム)は、この電界<
E>によりy軸方向に働く力<f>、<f>=q<E>但し、
q:電子の電荷を受ける結果、第2のクロスオーバ点
(X線焦点F)はy軸方向に変位する。
【0030】一方、偏向制御部60Aは、検出器列A,
Bのレファレンス信号a,bを比較してこれらの差信号
(誤差信号)veを検出する演算部61と、誤差信号v
eを累積加算(積分)して電子ビームを偏向制御するた
めの制御信号vcを生成する累積加算部(ADD)62
と、制御信号vcに対応する制御電圧Vを生成する差動
増幅器(DVA)63とを含んでいる。
Bのレファレンス信号a,bを比較してこれらの差信号
(誤差信号)veを検出する演算部61と、誤差信号v
eを累積加算(積分)して電子ビームを偏向制御するた
めの制御信号vcを生成する累積加算部(ADD)62
と、制御信号vcに対応する制御電圧Vを生成する差動
増幅器(DVA)63とを含んでいる。
【0031】演算部61は、各ビューのレファレンス信
号a,bに基づき誤差信号veを例えば、 ve=k・(a−b)/(a+b) により求める。但し、kは誤差信号veの検出感度を決
定する係数である。
号a,bに基づき誤差信号veを例えば、 ve=k・(a−b)/(a+b) により求める。但し、kは誤差信号veの検出感度を決
定する係数である。
【0032】挿入図(a)に誤差信号veの検出特性を
示す。この誤差信号veは、上式に含まれる正規化項
{×1/(a+b)}の作用により、コリメータ50の
スリット幅w(即ち、検出器列A,Bが受けるトータル
の線エネルギー)によらず、−k≦ve≦kの範囲で直
線的に変化する。
示す。この誤差信号veは、上式に含まれる正規化項
{×1/(a+b)}の作用により、コリメータ50の
スリット幅w(即ち、検出器列A,Bが受けるトータル
の線エネルギー)によらず、−k≦ve≦kの範囲で直
線的に変化する。
【0033】更に、累積加算部62は演算部61から時
系列(ビュー毎)に発生する誤差信号veを累積加算
(積分)して各時点における制御信号vcを生成する。
そして、差動増幅器63は入力の制御信号vcを増幅し
て制御電圧Vを生成し、これを電子ビーム偏向部43E
の平板電極43a,43bに印加する。
系列(ビュー毎)に発生する誤差信号veを累積加算
(積分)して各時点における制御信号vcを生成する。
そして、差動増幅器63は入力の制御信号vcを増幅し
て制御電圧Vを生成し、これを電子ビーム偏向部43E
の平板電極43a,43bに印加する。
【0034】係る構成を使用してX線焦点位置制御のフ
ィードバックループを構成することにより、回転陽極4
1の熱膨張/収縮等によるz軸方向の移動によらず、X
線焦点Fを常に検出器列A,Bの境界線CLdの真上に
位置させることが可能となる。以下、これを具体的に説
明する。
ィードバックループを構成することにより、回転陽極4
1の熱膨張/収縮等によるz軸方向の移動によらず、X
線焦点Fを常に検出器列A,Bの境界線CLdの真上に
位置させることが可能となる。以下、これを具体的に説
明する。
【0035】今、回転陽極41がその基準位置(実線)
z0にあるとすると、この時の焦点F0はX線検出器列
A,Bの境界線CLdの真上に位置するため、コリメー
タ50を通過したX線ファンビームXLFBは各検出器
列A,Bに均等(等分)に入射し、よってこの場合のレ
ファレンス信号a,bは、a=bの関係にある。従っ
て、この状態では、毎回発生する誤差信号ve=0によ
り、その制御信号vc=0、かつその制御電圧V=0と
なり、この場合の電子ビームは偏向を受けずに系の軸上
を直進し、引き続き焦点F0上に結像する。
z0にあるとすると、この時の焦点F0はX線検出器列
A,Bの境界線CLdの真上に位置するため、コリメー
タ50を通過したX線ファンビームXLFBは各検出器
列A,Bに均等(等分)に入射し、よってこの場合のレ
ファレンス信号a,bは、a=bの関係にある。従っ
て、この状態では、毎回発生する誤差信号ve=0によ
り、その制御信号vc=0、かつその制御電圧V=0と
なり、この場合の電子ビームは偏向を受けずに系の軸上
を直進し、引き続き焦点F0上に結像する。
【0036】次に回転陽極41が−z1の側に僅かに変
位したとすると、コリメータ50は固定されているた
め、このままではレファレンス信号a,bは、a<bの
関係となる。その結果、誤差信号ve<0、その制御信
号vc<0、その制御電圧V<0となり、この場合の電
子ビームはy軸と反対方向に僅かに偏向を受けて直進
し、焦点F0の僅かに下側で結像する。そして、このと
きの回転陽極41は−z1の側に僅かに変位しているた
め、このとき生成されるX線焦点Fは境界線CLdの真
上に位置し、よってこの場合のX線ファンビームXLF
Bも各検出器列A,B上に均等(等分)に分配される。
位したとすると、コリメータ50は固定されているた
め、このままではレファレンス信号a,bは、a<bの
関係となる。その結果、誤差信号ve<0、その制御信
号vc<0、その制御電圧V<0となり、この場合の電
子ビームはy軸と反対方向に僅かに偏向を受けて直進
し、焦点F0の僅かに下側で結像する。そして、このと
きの回転陽極41は−z1の側に僅かに変位しているた
め、このとき生成されるX線焦点Fは境界線CLdの真
上に位置し、よってこの場合のX線ファンビームXLF
Bも各検出器列A,B上に均等(等分)に分配される。
【0037】次に回転陽極41が更に−z1の側に僅か
に変位すると、このとき生成された誤差信号ve<0が
直前(それまで)の制御信号vc<0に累積加算される
ため、その制御電圧Vは更に負となり、この場合の電子
ビームはy軸と反対方向に更に強い偏向を受けて直進
し、焦点F0の更に下側で結像する。そして、このとき
の回転陽極41は更に−z1の側に僅かに変位している
ため、このとき生成されるX線焦点Fも境界線CLdの
真上に位置し、よってこの場合のX線ファンビームXL
FBも各検出器列A,B上に均等に分配される。
に変位すると、このとき生成された誤差信号ve<0が
直前(それまで)の制御信号vc<0に累積加算される
ため、その制御電圧Vは更に負となり、この場合の電子
ビームはy軸と反対方向に更に強い偏向を受けて直進
し、焦点F0の更に下側で結像する。そして、このとき
の回転陽極41は更に−z1の側に僅かに変位している
ため、このとき生成されるX線焦点Fも境界線CLdの
真上に位置し、よってこの場合のX線ファンビームXL
FBも各検出器列A,B上に均等に分配される。
【0038】以下、同様にして進み,やがて回転陽極4
1が丁度−z1(点線)の位置に変位すると、このとき
生成された誤差信号ve<0が直前(それまで)の制御
信号vc<0に累積加算されるため、その制御電圧Vは
更に負となり、この場合の電子ビームはy軸と反対方向
に更に強い偏向を受けて直進し、丁度F1の位置で結像
する。そして、このときの回転陽極41は丁度−z1
(点線)の位置に変位しているため、このとき生成され
るX線焦点F1も境界線CLdの真上に位置しており、
よってこの場合のX線ファンビームXLFBも各検出器
列A,B上に均等に分配される。また、回転陽極41が
+z2(破線)の側に変位したときは、上記の逆の動作
となる。
1が丁度−z1(点線)の位置に変位すると、このとき
生成された誤差信号ve<0が直前(それまで)の制御
信号vc<0に累積加算されるため、その制御電圧Vは
更に負となり、この場合の電子ビームはy軸と反対方向
に更に強い偏向を受けて直進し、丁度F1の位置で結像
する。そして、このときの回転陽極41は丁度−z1
(点線)の位置に変位しているため、このとき生成され
るX線焦点F1も境界線CLdの真上に位置しており、
よってこの場合のX線ファンビームXLFBも各検出器
列A,B上に均等に分配される。また、回転陽極41が
+z2(破線)の側に変位したときは、上記の逆の動作
となる。
【0039】なお、上記動作を厳密に言えば、電子ビー
ムは電子ビーム偏向部43Eにおける偏向の実質中心か
ら半径rの円弧R上で結像するため、図の焦点F0の位
置では良いが、焦点F1又はF2に至る各位置ではその
結像にボケが生じ得る。但し、このボケ分は基準位置F
0からのビーム偏向量(制御信号vc)の関数として扱
えるから、図示しないが、例えば各時点における制御信
号vcに基づき上記第1及び又は第2のレンズ系の集束
制御に対して補正をかけることが可能であり、こうすれ
ば結像のボケを有効に回避(修正)できる。好ましく
は、その際に使用する補正値については、これを予め実
験又はシミュレーション等により求めておいてROM等
に記憶しておく。
ムは電子ビーム偏向部43Eにおける偏向の実質中心か
ら半径rの円弧R上で結像するため、図の焦点F0の位
置では良いが、焦点F1又はF2に至る各位置ではその
結像にボケが生じ得る。但し、このボケ分は基準位置F
0からのビーム偏向量(制御信号vc)の関数として扱
えるから、図示しないが、例えば各時点における制御信
号vcに基づき上記第1及び又は第2のレンズ系の集束
制御に対して補正をかけることが可能であり、こうすれ
ば結像のボケを有効に回避(修正)できる。好ましく
は、その際に使用する補正値については、これを予め実
験又はシミュレーション等により求めておいてROM等
に記憶しておく。
【0040】かくして、本第1の実施の形態によれば、
回転陽極41のz軸方向の移動によらず、X線焦点Fを
常に検出器列A,Bの境界線CLdの真上に位置させる
ことが可能となる。
回転陽極41のz軸方向の移動によらず、X線焦点Fを
常に検出器列A,Bの境界線CLdの真上に位置させる
ことが可能となる。
【0041】図4,図5は第2の実施の形態によるX線
焦点位置制御方式を説明する図(1),(2)で、X線
制御部40Aにより制御される電磁型の電子銃42M
と、偏向制御部60Aにより制御される電磁型の電子ビ
ーム偏向部43Mとを備える場合を示している。
焦点位置制御方式を説明する図(1),(2)で、X線
制御部40Aにより制御される電磁型の電子銃42M
と、偏向制御部60Aにより制御される電磁型の電子ビ
ーム偏向部43Mとを備える場合を示している。
【0042】図4はX線焦点位置制御方式の構成を示し
ており、このX線管40における回転陽極41の斜面の
傾斜角θは、上記図3に示した回転陽極41の傾斜角θ
よりも大きくなっている。従って、X線焦点Fのy軸方
向への変位量を小さくでき、よって電子ビームの偏向に
よらず、各時点におけるX線焦点FからX線検出器70
までの距離を、より一定なものに近づけることが可能と
なる。
ており、このX線管40における回転陽極41の斜面の
傾斜角θは、上記図3に示した回転陽極41の傾斜角θ
よりも大きくなっている。従って、X線焦点Fのy軸方
向への変位量を小さくでき、よって電子ビームの偏向に
よらず、各時点におけるX線焦点FからX線検出器70
までの距離を、より一定なものに近づけることが可能と
なる。
【0043】また、この電子銃42Mは、管電流mAに
より駆動されるヒータHと、円筒形の陰極(カソード)
Cと、円筒内部に系の軸(z軸)方向と平行となるよう
な均一な磁場<B>(=μ0<H>)を生成する集束用コイ
ルFOC(又は永久磁石でも良い)とを含み、管電圧k
Vによりバイアスされる回転陽極41と共に、回転陽極
41の表面で集束するような電子ビームを形成する。
より駆動されるヒータHと、円筒形の陰極(カソード)
Cと、円筒内部に系の軸(z軸)方向と平行となるよう
な均一な磁場<B>(=μ0<H>)を生成する集束用コイ
ルFOC(又は永久磁石でも良い)とを含み、管電圧k
Vによりバイアスされる回転陽極41と共に、回転陽極
41の表面で集束するような電子ビームを形成する。
【0044】即ち、ヒータHにより加熱され、陰極Cか
ら放出された電子束のうち、系の軸(z軸)方向と平行
に進む成分は磁場<B>の作用を受けずに管電圧kVのみ
よって加速されて直進し、回転陽極41に至る。一方、
系の軸{磁場<B>}とある角度をなして進むような近軸
電子は、磁場<B>との相互作用により軸と直角の方向に
力を受ける結果、該軸に沿って螺旋運動を起こし、丁度
軸上に戻る時に回転陽極41に至るように磁場<B>が調
整される。こうして、最終的に回転陽極41の表面で集
束するような電子ビームが形成される。
ら放出された電子束のうち、系の軸(z軸)方向と平行
に進む成分は磁場<B>の作用を受けずに管電圧kVのみ
よって加速されて直進し、回転陽極41に至る。一方、
系の軸{磁場<B>}とある角度をなして進むような近軸
電子は、磁場<B>との相互作用により軸と直角の方向に
力を受ける結果、該軸に沿って螺旋運動を起こし、丁度
軸上に戻る時に回転陽極41に至るように磁場<B>が調
整される。こうして、最終的に回転陽極41の表面で集
束するような電子ビームが形成される。
【0045】また、この電子ビーム偏向部43Mは、系
の軸方向に進む電子ビームを挟むようにして設けられた
左右2つの偏向コイルDFCa,DFCbを含み、これ
らに制御電流Iを流すことで、両偏向コイルDFCa,
DFCbの間には均一な磁場<B>(=μ0<H>)が形成
される。そして、この空間をz軸方向に進む電子(ビー
ム)は、この磁場<B>によりy軸方向に働く力<f>、 <f>=q<v>×<B> 但し、q:電子の電荷 <v>:電子の速度 ×:ベクトル積 <B>:磁束密度 を受ける結果、この場合の電子ビームの集束点(X線焦
点F)はy軸方向に変位する。なお、図5にそのイメー
ジ(斜視図)を示す。
の軸方向に進む電子ビームを挟むようにして設けられた
左右2つの偏向コイルDFCa,DFCbを含み、これ
らに制御電流Iを流すことで、両偏向コイルDFCa,
DFCbの間には均一な磁場<B>(=μ0<H>)が形成
される。そして、この空間をz軸方向に進む電子(ビー
ム)は、この磁場<B>によりy軸方向に働く力<f>、 <f>=q<v>×<B> 但し、q:電子の電荷 <v>:電子の速度 ×:ベクトル積 <B>:磁束密度 を受ける結果、この場合の電子ビームの集束点(X線焦
点F)はy軸方向に変位する。なお、図5にそのイメー
ジ(斜視図)を示す。
【0046】図4に戻り、一方、この偏向制御部60A
は、検出器列A,Bのレファレンス信号a,bを比較し
てこれらの間の差信号(誤差信号)veを検出する演算
部61と、誤差信号veを累積加算(積分)して電子ビ
ームを偏向制御するための制御信号vcを生成する累積
加算部(ADD)62と、制御信号vcに対応する制御
電流Iを生成する電流増幅器(FET)Qとを含んでい
る。
は、検出器列A,Bのレファレンス信号a,bを比較し
てこれらの間の差信号(誤差信号)veを検出する演算
部61と、誤差信号veを累積加算(積分)して電子ビ
ームを偏向制御するための制御信号vcを生成する累積
加算部(ADD)62と、制御信号vcに対応する制御
電流Iを生成する電流増幅器(FET)Qとを含んでい
る。
【0047】演算部61は上記図3で述べたものと同様
でよい。また累積加算部62には制御電流Iに一定のバ
イアスを加えるための定数βが加算されている。また電
流増幅器Qは、例えばFETを使用した定電流源回路か
らなり、ゲート端子Gの制御電圧vc(=Σve+β)
に対応する制御電流IがソースSとドレインD間に流れ
る。
でよい。また累積加算部62には制御電流Iに一定のバ
イアスを加えるための定数βが加算されている。また電
流増幅器Qは、例えばFETを使用した定電流源回路か
らなり、ゲート端子Gの制御電圧vc(=Σve+β)
に対応する制御電流IがソースSとドレインD間に流れ
る。
【0048】挿入図(a)に制御電流Iの出力特性を示
す。制御電流Iには一定のバイアス電流Iβが加算され
ている。今、制御電流がIβの時に焦点F0の位置に偏
向するものとすると、回転陽極41がその基準位置z0
から+z2又は−z1の範囲で変位するときに、制御電
流IはIβの上/下の範囲で変化する。
す。制御電流Iには一定のバイアス電流Iβが加算され
ている。今、制御電流がIβの時に焦点F0の位置に偏
向するものとすると、回転陽極41がその基準位置z0
から+z2又は−z1の範囲で変位するときに、制御電
流IはIβの上/下の範囲で変化する。
【0049】係る構成を使用してX線焦点位置制御のフ
ィードバックループを構成することにより、回転陽極4
1の移動によらず、X線焦点Fを常に検出器列A,Bの
境界線CLdの真上に位置させることが可能となる。以
下、これを具体的に説明する。
ィードバックループを構成することにより、回転陽極4
1の移動によらず、X線焦点Fを常に検出器列A,Bの
境界線CLdの真上に位置させることが可能となる。以
下、これを具体的に説明する。
【0050】今、回転陽極41がその基準位置(実線)
z0にあるとすると、この時の焦点F0はX線検出器列
A,Bの境界線CLdの真上に位置するため、コリメー
タ50を通過したX線ファンビームXLFBは各検出器
列A,B上に均等(等分)に入射し、よってレファレン
ス信号a,bは、a=bの関係にある。従って、この状
態では、毎回発生する誤差信号ve=0により、その制
御信号vc=β、その制御電流I=Iβとなり、この場
合の電子ビームは引き続き焦点F0上に結像する。
z0にあるとすると、この時の焦点F0はX線検出器列
A,Bの境界線CLdの真上に位置するため、コリメー
タ50を通過したX線ファンビームXLFBは各検出器
列A,B上に均等(等分)に入射し、よってレファレン
ス信号a,bは、a=bの関係にある。従って、この状
態では、毎回発生する誤差信号ve=0により、その制
御信号vc=β、その制御電流I=Iβとなり、この場
合の電子ビームは引き続き焦点F0上に結像する。
【0051】次に回転陽極41が−z1の側に僅かに変
位したとすると、コリメータ50は固定されているた
め、このままではレファレンス信号a,bはa<bの関
係となる。その結果、この時点の誤差信号ve<0によ
り、その制御信号vc=β−ve、その制御電流I<I
βとなり、この場合の電子ビームは焦点F0の僅か下側
で結像する。そして、このときの回転陽極41は−z1
の側に僅かに変位しているため、このとき生成されるX
線焦点Fは検出器列A,Bを分ける境界線CLdの真上
に位置しており、よってこの場合のX線ファンビームX
LFBも各検出器列A,B上に均等(等分)に分配され
る。
位したとすると、コリメータ50は固定されているた
め、このままではレファレンス信号a,bはa<bの関
係となる。その結果、この時点の誤差信号ve<0によ
り、その制御信号vc=β−ve、その制御電流I<I
βとなり、この場合の電子ビームは焦点F0の僅か下側
で結像する。そして、このときの回転陽極41は−z1
の側に僅かに変位しているため、このとき生成されるX
線焦点Fは検出器列A,Bを分ける境界線CLdの真上
に位置しており、よってこの場合のX線ファンビームX
LFBも各検出器列A,B上に均等(等分)に分配され
る。
【0052】以下、同様にして進み,やがて回転陽極4
1が丁度−z1(点線)の位置に変位すると、このとき
生成された誤差信号ve<0が直前(それまで)の制御
信号vcに累積加算されるため、その制御電流Iは更に
小さくなり、この場合の電子ビームは丁度F1の位置で
結像する。そして、このときの回転陽極41は丁度−z
1(点線)の位置に変位しているため、このとき生成さ
れるX線焦点F1も境界線CLdの真上に位置し、よっ
てこの場合のX線ファンビームXLFBも各検出器列
A,B上に均等に分配される。なお、回転陽極41が+
z2(破線)の側に変位したときは上記の逆の動作とな
る。
1が丁度−z1(点線)の位置に変位すると、このとき
生成された誤差信号ve<0が直前(それまで)の制御
信号vcに累積加算されるため、その制御電流Iは更に
小さくなり、この場合の電子ビームは丁度F1の位置で
結像する。そして、このときの回転陽極41は丁度−z
1(点線)の位置に変位しているため、このとき生成さ
れるX線焦点F1も境界線CLdの真上に位置し、よっ
てこの場合のX線ファンビームXLFBも各検出器列
A,B上に均等に分配される。なお、回転陽極41が+
z2(破線)の側に変位したときは上記の逆の動作とな
る。
【0053】かくして、本第2の実施の形態によれば、
回転陽極41のz軸方向の移動によらず、X線焦点Fを
常に検出器列A,Bの境界線CLdの真上に位置させる
ことが可能となる。
回転陽極41のz軸方向の移動によらず、X線焦点Fを
常に検出器列A,Bの境界線CLdの真上に位置させる
ことが可能となる。
【0054】なお、上記動作を厳密に言えば、電子ビー
ムは電子ビーム偏向部43Mにおける偏向の実質中心か
ら半径rの円弧R上で結像するため、図の焦点F0の位
置では良いが、焦点F1又はF2に至る各位置ではその
結像にボケが生じ得る。但し、このボケ分は基準位置F
0からのビーム偏向量(制御信号vc)の関数として扱
えるから、図示しないが、例えば各時点の制御信号vc
に基づき上記集束用コイルFOCに加える電流を補正す
ることにより、結像のボケを有効に回避(修正)でき
る。好ましくは、その際に使用する補正値については、
これを予め実験又はシミュレーション等により求めてお
いてROM等に記憶しておく。
ムは電子ビーム偏向部43Mにおける偏向の実質中心か
ら半径rの円弧R上で結像するため、図の焦点F0の位
置では良いが、焦点F1又はF2に至る各位置ではその
結像にボケが生じ得る。但し、このボケ分は基準位置F
0からのビーム偏向量(制御信号vc)の関数として扱
えるから、図示しないが、例えば各時点の制御信号vc
に基づき上記集束用コイルFOCに加える電流を補正す
ることにより、結像のボケを有効に回避(修正)でき
る。好ましくは、その際に使用する補正値については、
これを予め実験又はシミュレーション等により求めてお
いてROM等に記憶しておく。
【0055】図6は他の実施の形態によるX線焦点制御
方式を説明する図で、検出器列が3列以上のX線検出器
(マルチディテクタ)70への適用例を示している。図
において、このX線検出器70は体軸方向に並ぶ例えば
4列の検出器列A1,A2,B1,B2を備えており、
中央の検出器列A2,B1間を分けるような境界線CL
dの真上の位置にX線焦点Fを一定制御可能とするもの
である。
方式を説明する図で、検出器列が3列以上のX線検出器
(マルチディテクタ)70への適用例を示している。図
において、このX線検出器70は体軸方向に並ぶ例えば
4列の検出器列A1,A2,B1,B2を備えており、
中央の検出器列A2,B1間を分けるような境界線CL
dの真上の位置にX線焦点Fを一定制御可能とするもの
である。
【0056】即ち、このデータ収集部80は、X線検出
器70の検出信号に基づき被検体100の投影データg
A1(X,θ),gA2(X,θ),gB1(X,θ),gB2
(X,θ)を一斉に生成すると共に、今、その内の各列
のレファレンス信号をa1,a2,b1,b2とする
と、この演算部61は、各ビューのレファレンス信号a
1,a2,b1,b2に基づき毎回の誤差信号veを、
例えば、 ve=k・{(a1+a2)−(b1+b2)}/(a
1+a2+b1+b2) により求める。ここで、kは誤差信号veの検出感度を
決定する係数である。この場合のX線焦点Fは、両側の
レファレンス信号(a1+a2)=(b1+b2)とな
る位置に一定制御されることになる。
器70の検出信号に基づき被検体100の投影データg
A1(X,θ),gA2(X,θ),gB1(X,θ),gB2
(X,θ)を一斉に生成すると共に、今、その内の各列
のレファレンス信号をa1,a2,b1,b2とする
と、この演算部61は、各ビューのレファレンス信号a
1,a2,b1,b2に基づき毎回の誤差信号veを、
例えば、 ve=k・{(a1+a2)−(b1+b2)}/(a
1+a2+b1+b2) により求める。ここで、kは誤差信号veの検出感度を
決定する係数である。この場合のX線焦点Fは、両側の
レファレンス信号(a1+a2)=(b1+b2)とな
る位置に一定制御されることになる。
【0057】又は、図示しないが、この演算部61は、
両端列のレファレンス信号a1,b2に基づき毎回の誤
差信号veを、例えば、 ve=k・(a1−b2)/(a1+b2) により求める。この場合のX線焦点Fは、少なくとも両
端列のレファレンス信号a1=b2となる位置に一定制
御されることになる。
両端列のレファレンス信号a1,b2に基づき毎回の誤
差信号veを、例えば、 ve=k・(a1−b2)/(a1+b2) により求める。この場合のX線焦点Fは、少なくとも両
端列のレファレンス信号a1=b2となる位置に一定制
御されることになる。
【0058】ところで、上記各実施の形態では電子ビー
ムの偏向制御が回転陽極41の変位をカバーする場合を
中心に述べたが、これに限らない。例えば、上記図3の
構成において、今、X線焦点Fがその基準位置F0の位
置にあるときに、コリメータ50が何らかの理由により
図の右側(z軸方向)に僅かに移動したとすると、この
場合の各レファレンス信号a,bは、a<bの関係とな
り、そのときの誤差信号ve<0、制御信号vc<0,
かつ制御電圧V<0となる。その結果、この場合の電子
ビームは元の位置F0より僅かに下側に偏向される。こ
のとき、上記仮定により回転陽極41は基準位置z0に
あるから、これにより新たなX線焦点Fは回転陽極41
の斜面に沿って元の焦点F0の位置よりも僅かに右下に
移動し、これによってその後のX線ファンビームXLF
Bは、上記位置ずれしたコリメータ50を介して、X線
検出器70の検出器列A,B上に均等に分配される。
ムの偏向制御が回転陽極41の変位をカバーする場合を
中心に述べたが、これに限らない。例えば、上記図3の
構成において、今、X線焦点Fがその基準位置F0の位
置にあるときに、コリメータ50が何らかの理由により
図の右側(z軸方向)に僅かに移動したとすると、この
場合の各レファレンス信号a,bは、a<bの関係とな
り、そのときの誤差信号ve<0、制御信号vc<0,
かつ制御電圧V<0となる。その結果、この場合の電子
ビームは元の位置F0より僅かに下側に偏向される。こ
のとき、上記仮定により回転陽極41は基準位置z0に
あるから、これにより新たなX線焦点Fは回転陽極41
の斜面に沿って元の焦点F0の位置よりも僅かに右下に
移動し、これによってその後のX線ファンビームXLF
Bは、上記位置ずれしたコリメータ50を介して、X線
検出器70の検出器列A,B上に均等に分配される。
【0059】又は、X線焦点Fがその基準位置F0の位
置にあるときに、X線検出器70が何らかの理由により
図の左側(z軸と反対方向)に僅かに移動したとする
と、この場合の各レファレンス信号a,bは、a<bの
関係となり、そのときの誤差信号ve<0、制御信号v
c<0,制御電圧V<0となる。その結果、この場合の
電子ビームは元の位置F0よりも僅かに下側に偏向され
る。このとき、上記仮定により回転陽極41は基準位置
z0にあるから、これにより新たなX線焦点Fは回転陽
極41の斜面に沿って元の焦点F0の位置よりも僅かに
右下に移動し、これによってその後のX線ファンビーム
XLFBは、上記位置ずれしたX線検出器70の検出器
列A,B上に、均等に分配される。なお、以上のこと
は、上記図4の構成についても同様である。
置にあるときに、X線検出器70が何らかの理由により
図の左側(z軸と反対方向)に僅かに移動したとする
と、この場合の各レファレンス信号a,bは、a<bの
関係となり、そのときの誤差信号ve<0、制御信号v
c<0,制御電圧V<0となる。その結果、この場合の
電子ビームは元の位置F0よりも僅かに下側に偏向され
る。このとき、上記仮定により回転陽極41は基準位置
z0にあるから、これにより新たなX線焦点Fは回転陽
極41の斜面に沿って元の焦点F0の位置よりも僅かに
右下に移動し、これによってその後のX線ファンビーム
XLFBは、上記位置ずれしたX線検出器70の検出器
列A,B上に、均等に分配される。なお、以上のこと
は、上記図4の構成についても同様である。
【0060】以上の場合に、実際上の装置では、上記回
転陽極41のz軸方向における移動に重ねて、コリメー
タ50及び又はX線検出器70のz軸方向における僅か
な移動(ガタや歪み等による影響)が生じることが、少
なからず考えられるが、上記本実施の形態によれば、X
線撮影系における各要素の複雑な変位の組み合わせにも
関わらず、常に各レファレンス信号a,bが同一となる
方向に電子ビームを偏向制御するだけの単純な制御によ
り、常に撮影系のX線ファンビームXLFBを常に検出
器列A,B上に均等に分配可能である。
転陽極41のz軸方向における移動に重ねて、コリメー
タ50及び又はX線検出器70のz軸方向における僅か
な移動(ガタや歪み等による影響)が生じることが、少
なからず考えられるが、上記本実施の形態によれば、X
線撮影系における各要素の複雑な変位の組み合わせにも
関わらず、常に各レファレンス信号a,bが同一となる
方向に電子ビームを偏向制御するだけの単純な制御によ
り、常に撮影系のX線ファンビームXLFBを常に検出
器列A,B上に均等に分配可能である。
【0061】なお、電子銃42と電子ビーム偏向部43
との組み合わせについては、上記以外にも、静電型と電
磁型の任意組み合わせが可能である。また、電子銃42
としては、他にも様々な構造のものを用い得る。例えば
ヒータ(フィラメント)Hが陽極に対して剥き出しにな
っている構造のものを用い得る。
との組み合わせについては、上記以外にも、静電型と電
磁型の任意組み合わせが可能である。また、電子銃42
としては、他にも様々な構造のものを用い得る。例えば
ヒータ(フィラメント)Hが陽極に対して剥き出しにな
っている構造のものを用い得る。
【0062】また、上記各実施の形態では2列以上の検
出器列を有するX線検出器70への適用例を述べたが、
これに限らない。本発明は、単一の検出器列を有するよ
うなX線検出器(シングルディテクタ)70にも適用で
きる。但し、この場合の偏向制御部60Aは、図示しな
いが、例えば毎回発生する単一のレファレンス信号aに
つき、前回の信号振幅(又は所定の基準値)と、今回の
その偏向量を僅かに変えた時の信号振幅とを比較して、
信号振幅が一定(又は差が0)となる方向に電子ビーム
の偏向制御を行うこととなる。
出器列を有するX線検出器70への適用例を述べたが、
これに限らない。本発明は、単一の検出器列を有するよ
うなX線検出器(シングルディテクタ)70にも適用で
きる。但し、この場合の偏向制御部60Aは、図示しな
いが、例えば毎回発生する単一のレファレンス信号aに
つき、前回の信号振幅(又は所定の基準値)と、今回の
その偏向量を僅かに変えた時の信号振幅とを比較して、
信号振幅が一定(又は差が0)となる方向に電子ビーム
の偏向制御を行うこととなる。
【0063】また、上記本発明に好適なる複数の実施の
形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部
の構成、制御、処理及びこれらの組合せの様々な変更が
行えることは言うまでも無い。
形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部
の構成、制御、処理及びこれらの組合せの様々な変更が
行えることは言うまでも無い。
【0064】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、簡単な
構成により、X線撮影系を構成する要素(特にX線管の
回転陽極)の変位によらず、撮影系に常に最適のX線フ
ァンビームが得られるため、X線撮影系の小型化、低価
格化、信頼性向上に寄与するところが極めて大きい。
構成により、X線撮影系を構成する要素(特にX線管の
回転陽極)の変位によらず、撮影系に常に最適のX線フ
ァンビームが得られるため、X線撮影系の小型化、低価
格化、信頼性向上に寄与するところが極めて大きい。
【図1】本発明の原理を説明する図である。
【図2】実施の形態によるX線CT装置の要部構成図で
ある。
ある。
【図3】第1の実施の形態によるX線焦点位置制御方式
を説明する図である。
を説明する図である。
【図4】第2の実施の形態によるX線焦点位置制御方式
を説明する図(1)である。
を説明する図(1)である。
【図5】第2の実施の形態によるX線焦点位置制御方式
を説明する図(2)である。
を説明する図(2)である。
【図6】他の実施の形態によるX線焦点制御方式を説明
する図である。
する図である。
【図7】従来技術を説明する図である。
【符号の説明】 10 操作コンソール部 11 中央処理装置 11a CPU 11b 主メモリ(MM) 12 入力装置 13 表示装置(CRT) 14 制御インタフェース 15 データ収集バッファ 16 ハードディスク装置(HDD) 20 撮影テーブル 30 走査ガントリ部 30A 回転制御部 40 X線管 40A X線制御部 41 回転陽極 42 電子銃 43 電子ビーム偏向部 50 コリメータ 60A 偏向制御部 70 X線検出器 80 データ収集部(DAS)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 理 東京都日野市旭が丘4丁目7番地の127 ジーイー横河メディカルシステム株式会社 内 (72)発明者 泉原 彰 東京都日野市旭が丘4丁目7番地の127 ジーイー横河メディカルシステム株式会社 内 Fターム(参考) 4C093 AA22 CA13 CA32 EA13 EA20 FA15 FA45 FA60
Claims (4)
- 【請求項1】 X線を発生するための電子ビームを偏向
可能に構成されたX線管と、発生されたX線につき被検
体の体軸方向の線幅を制限するコリメータと、コリメー
タを通過したX線ファンビームの線量を検出可能なX線
検出器であって、体軸方向に少なくとも2列の検出器列
を有するもの、とを備えるX線撮影系のX線焦点位置制
御方法において、 X線検出器の少なくとも2列の各所定の検出信号に基づ
き、両信号振幅が同一となる方向に電子ビームを偏向制
御することを特徴とするX線焦点位置制御方法。 - 【請求項2】 コンピュータに請求項1に記載のX線焦
点位置制御方法を実行させるためのプログラム。 - 【請求項3】 被検体を挟んでX線管とX線検出器とが
相対向し、X線検出器の検出信号に基づき被検体のCT
断層像を再構成するX線CT装置において、 電子銃と、該電子銃からの電子ビーム照射によりX線を
発生する回転陽極であって、その回転軸方向に斜面を有
するもの、とを備え、これらの間に介在して、電子銃か
ら回転陽極に向かう電子ビームを偏向可能に構成された
電子ビーム偏向部を備えるX線管と、 発生されたX線につき被検体の体軸方向の線幅を制限す
るコリメータと、 コリメータを通過したX線ファンビームの線量を検出可
能な体軸方向に少なくとも2列の検出器列を有するX線
検出器と、 X線検出器の少なくとも2列の各所定の検出信号に基づ
き、両信号振幅が同一となる方向に電子ビーム偏向部の
偏向を制御する偏向制御部とを備えることを特徴とする
X線CT装置。 - 【請求項4】 電子銃と、該電子銃からの電子ビーム照
射によりX線を発生する回転陽極であって、その回転軸
方向に斜面を有するもの、とを備えるX線管において、 電子銃と回転陽極との間に介在して、電子銃から回転陽
極に向かう電子ビームを偏向可能に構成された電子ビー
ム偏向部を備えることを特徴とするX線管。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001027069A JP2002238885A (ja) | 2001-02-02 | 2001-02-02 | X線焦点位置制御方法及びそのプログラム並びにx線ct装置及びx線管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001027069A JP2002238885A (ja) | 2001-02-02 | 2001-02-02 | X線焦点位置制御方法及びそのプログラム並びにx線ct装置及びx線管 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002238885A true JP2002238885A (ja) | 2002-08-27 |
Family
ID=18891782
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001027069A Pending JP2002238885A (ja) | 2001-02-02 | 2001-02-02 | X線焦点位置制御方法及びそのプログラム並びにx線ct装置及びx線管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002238885A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002320607A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-05 | Hitachi Medical Corp | X線ct装置 |
| GB2381432A (en) * | 2001-09-03 | 2003-04-30 | Ge Med Sys Global Tech Co Llc | Position controller for the focal spot of an electron beam |
| JP2005056843A (ja) * | 2003-08-04 | 2005-03-03 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | イメージング管のための焦点位置調整システム |
| JP2011019802A (ja) * | 2009-07-17 | 2011-02-03 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | X線ct装置 |
| CN105769231A (zh) * | 2016-02-18 | 2016-07-20 | 赛诺威盛科技(北京)有限公司 | 一种限束器在z轴上的射线跟踪方法 |
| JP2017510052A (ja) * | 2014-02-10 | 2017-04-06 | ルクスブライト・アーベー | X線管用の電子エミッタ |
-
2001
- 2001-02-02 JP JP2001027069A patent/JP2002238885A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002320607A (ja) * | 2001-04-26 | 2002-11-05 | Hitachi Medical Corp | X線ct装置 |
| GB2381432A (en) * | 2001-09-03 | 2003-04-30 | Ge Med Sys Global Tech Co Llc | Position controller for the focal spot of an electron beam |
| GB2381432B (en) * | 2001-09-03 | 2006-04-05 | Ge Med Sys Global Tech Co Llc | Radiation emission device and method |
| JP2005056843A (ja) * | 2003-08-04 | 2005-03-03 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | イメージング管のための焦点位置調整システム |
| JP2011019802A (ja) * | 2009-07-17 | 2011-02-03 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | X線ct装置 |
| JP2017510052A (ja) * | 2014-02-10 | 2017-04-06 | ルクスブライト・アーベー | X線管用の電子エミッタ |
| US10825635B2 (en) | 2014-02-10 | 2020-11-03 | Luxbright Ab | Electron emitter for an x-ray tube |
| CN105769231A (zh) * | 2016-02-18 | 2016-07-20 | 赛诺威盛科技(北京)有限公司 | 一种限束器在z轴上的射线跟踪方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3553851B2 (ja) | 縦方向フライング・フォーカルスポットを備えたコンピューター断層撮影スキャナー | |
| US7003077B2 (en) | Method and apparatus for x-ray anode with increased coverage | |
| CN102088909B (zh) | 具有有效阳极散热的x射线系统 | |
| US6483890B1 (en) | Digital x-ray imaging apparatus with a multiple position irradiation source and improved spatial resolution | |
| US5550889A (en) | Alignment of an x-ray tube focal spot using a deflection coil | |
| JP3168824B2 (ja) | X線ct装置 | |
| CN100375583C (zh) | 切换焦点的x射线球管的高速调制的系统及方法 | |
| US8938050B2 (en) | Low bias mA modulation for X-ray tubes | |
| CN102770077B (zh) | X射线摄像装置 | |
| US10082473B2 (en) | X-ray filtration | |
| JP2009536432A (ja) | 発振アノードを備えたx線管 | |
| CN102473574B (zh) | 具有独立的x和z动态焦斑偏转的X射线管 | |
| EP3578104B1 (en) | Computed tomography system and method configured to image at different energy levels and focal spot positions | |
| US7194061B2 (en) | X-ray computer tomography apparatus | |
| JPH09276260A (ja) | X線ビーム位置検出システム | |
| JP6877975B2 (ja) | X線ct装置 | |
| JP4585195B2 (ja) | X線ct装置 | |
| JP2002238885A (ja) | X線焦点位置制御方法及びそのプログラム並びにx線ct装置及びx線管 | |
| JP2008142236A (ja) | X線診断装置 | |
| US7027559B2 (en) | Method and apparatus for generating x-ray beams | |
| US11864932B2 (en) | X-ray imaging systems for reducing artefacts associated with anti-scatter grids and methods of operating the same | |
| JP4701038B2 (ja) | X線ct装置 | |
| JP5839812B2 (ja) | X線コンピュータ断層撮影装置 | |
| US20040096027A1 (en) | Method and apparatus for connecting temporally separated sinograms in an EBT scanner | |
| CN221650244U (zh) | 一种基于透射靶动态扫描的电子束微焦点射线源成像系统 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A625 | Written request for application examination (by other person) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625 Effective date: 20070723 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090915 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100302 |