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JP2002239013A - ステント及びその製造方法 - Google Patents

ステント及びその製造方法

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Publication number
JP2002239013A
JP2002239013A JP2001045038A JP2001045038A JP2002239013A JP 2002239013 A JP2002239013 A JP 2002239013A JP 2001045038 A JP2001045038 A JP 2001045038A JP 2001045038 A JP2001045038 A JP 2001045038A JP 2002239013 A JP2002239013 A JP 2002239013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stent
fiber
shape
shaped
zigzag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001045038A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuichi Urakawa
隆一 浦川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2001045038A priority Critical patent/JP2002239013A/ja
Publication of JP2002239013A publication Critical patent/JP2002239013A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生体内分解吸収性高分子材料からなる繊維から
ステント形状へ、簡便で且つ安価に形状付けを行うバル
ーン拡張型ステント及びその製造法を提供する。 【解決手段】生体の脈管に留置されるステントにおい
て、該ステント本体は波状あるいはジグザグ状に折り曲
げられた繊維が筒状に巻かれて形成されているステント
であって、板状のジグ6及び7で挟み込まれて圧縮され
ることにより波状あるいはジグザグ状の成型物が形成さ
れてなるステントであって、形成工程にて少なくとも2
度以上の熱処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体の狭窄が起こ
るような血管、尿管、尿道、リンパ管等の脈管に留置し
て、十分に内腔を確保するために使用されるステントに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体の脈管、特に冠動脈などの血管に狭
窄部が生じた場合、この狭窄部に対してバルーンカテー
テルを挿入し、バルーンを膨張させることによって血管
を拡張し内腔を確保し血流を良くする経皮的冠動脈形成
術(PTCA)が行われている。しかしながら、術後3
ヶ月以内に約40%の患者に冠動脈の再狭窄が起こると
されている。
【0003】上記問題を解決するためにバルーンに取り
付けられたステントによる治療が行われるようになっ
た。該ステントを狭窄部位に挿入し、バルーンで拡張さ
れることによって目的とする適切な血管径を実現するこ
とが可能である。従来このステントは金属製のものであ
り、コイルステントと呼ばれるものやスロットステント
と呼ばれるものが各種登場してきている。この様なステ
ントは金属製のものであり、一度体内に留置されると体
外へ取り除くことが不可能であり、ステント留置後の再
狭窄に対して不利になることがある。
【0004】そこで生体内分解吸収性高分子材料からな
るステントが考案された。この様なステントであれば、
ステント留置直後十分な血管内腔を確保し、ステント留
置部の血管が血管内皮細胞によって覆われ、新たな血栓
等の狭窄を促進する反応が起こらなくなるような期間
後、生体内に分解吸収され体内にいつまでも残存するこ
とはなくなる。
【0005】一方で、生体内分解吸収性高分子材料の繊
維から形成されるステントを作製するにあたって、適度
な剛性とその形状付けを如何に行うかが問題となる。こ
れまで平網状のものやジグザグ状の繊維が筒状に巻かれ
たものや、自己拡張可能なwallステントのようなも
のが開示されているが、平網状のものやwallステン
トのようなものでは、例えば外径3mm程の筒状に編ま
れ繊維同士が重なり合う部分が生じ内径方向に厚みが増
加してしまうこと、ジグザグ状の繊維が筒状に巻かれた
ものでは、その形状を作るために、例えば小さな金型等
が必要であり、金型が小型となるために、その使用頻度
が上がると耐久性がなくなったり、また金型自体が高価
であったりする。
【0006】従って、適度な剛性を有する繊維を簡便で
且つ安価にステント形状に形状付けできることが望まれ
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を改善し、高分子材料、特に生体内分解吸収性高分子材
料からなる繊維からステント形状へ、簡便で且つ安価に
形状付けを行う製造法から得られるバルーン拡張型ステ
ントを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この目的に
対し鋭意研究の結果、以下によって所望のステント形状
への形状付け、及びその製造法からステントが得られる
ことを発見し、本発明に到達した。 (1)生体の脈管に留置されるステントにおいて、該ス
テント本体は波状あるいはジグザグ状に折り曲げられた
繊維が筒状に巻かれ、板状のジグで挟み込まれて圧縮さ
れることにより波状あるいはジグザグ状の成型物が形成
されてなるステントであって、該ステント形成工程にお
いて少なくとも2度の熱処理を行い、熱処理条件は、該
繊維のガラス転移以上、融点以下であり、更に1回目の
熱処理よりもその後の熱処理温度をそれ以上に設定する
ことを特徴とするステント及びその製造方法。 (2)前記波状あるいはジグザグ状に折り曲げられた繊
維は、コイル状に巻かれた繊維が板状のジグで挟み込ま
れて圧縮されて形成されることを特徴とする(1)に記
載のステント及びその製造方法。 (3)前記コイル状の繊維の断面形状が真円あるいは楕
円の金型に巻き付けられて形成されることを特徴とする
(2)に記載のステント及びその製造方法。 (4)前記コイル状の繊維の断面形状が真円あるいは楕
円の金型に密に巻き付けられて、その後引き延ばされて
形成されることを特徴とする(2)に記載のステント及
びその製造方法。 (5)前記繊維が生体内分解吸収性高分子材料であるこ
とを特徴とする(1)に記載のステント及びその製造方
法。 (6)前記生体内分解吸収性高分子材料がポリ乳酸、ポ
リグリコール酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ(ε−カプ
ロラクトン)あるいはそれらの共重合体から選択される
ことを特徴とする(5)に記載のステント及びその製造
方法。 (7)前記ステントの少なくとも一部に薬剤がコーティ
ングまたは含有されていることを特徴とする(1)乃至
(6)のいずれか1つに記載のステント及びその製造方
法。 (8)前記ステントの拡張方法は、バルーン拡張型であ
ることを特徴とする(1)乃至(7)のいずれか1つに
記載のステント及びその製造方法。により達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を挙げ、
さらに詳細について説明する。
【0010】本発明のステント1は、生体の脈管に留置
されるステントであって、図1に示されるように、該ス
テント本体は波状あるいはジグザグ状に折り曲げられた
繊維が筒状に巻かれて形成されているステントである。
このステントは図7に示す板状のジグ6及び7で挟み込
まれて圧縮されることにより図9に示す波状2あるいは
ジグザグ状の成型物が形成されてなることを特徴とす
る。この様にして簡便に波状2あるいはジグザグ状に折
り曲げられた繊維を製造することが可能であり、この製
造法により平らな状態で前記形状を作製できる。
【0011】またこの波状2あるいはジグザグ状に折り
曲げられた繊維が筒状に巻かれることによりステント1
の形状となる。
【0012】前記波状あるいはジグザグ状の成型物を作
製するための板状のジグ6及び7は、金属あるいはガラ
スといったものが使用可能であり、後述する形状付けの
温度を十分に伝達でき、該高分子材料からなる繊維を挟
み込む際に変形しないものであればよい。
【0013】本発明のステントの繊維は、図4から図6
に示すようにコイル状に巻かれた繊維3が板状のジグ6
及び7で挟み込まれて圧縮されて形成され、波状2ある
いはジグザグ状に折り曲げられた繊維が形成されてな
る。該コイル状に巻かれた繊維は所望のピッチ9、径1
0を有しており、所望の形状にすることが可能である。
【0014】前記コイル状に巻かれた繊維を作製するに
あたっては、棒状の金型14に所望のピッチ、径で巻か
れるか、あるいは所望の径の棒状の金型に密に巻き付け
られた後、所望のピッチ9になるように引き延ばすこと
によっても得られる。
【0015】本発明のステントを得るためのコイル状に
巻かれた繊維を得るために用いられる金型14の断面形
状としては、図2に示されるように真円あるいは、図3
に示されるように楕円形状(15)のものを用いることが
可能である。真円のものからは均一な円形の、楕円のも
のからは均一な楕円のコイル状に巻かれた繊維が得られ
る。また本発明の棒状の金型14の断面形状としては、
前記真円あるいは楕円のみに留まらず、正方形、長方形
など他のものも使用可能である。この場合は、繊維を傷
つけないために適度な丸みを有することが好ましい。
【0016】また本発明のステントを製造するにあたっ
て使用される生体内分解吸収性高分子材料から得られる
繊維の繊維径は、50μm〜1000μmが望ましい。
50μm以下の繊維でステントを製造すると、適切な血
管径を維持するためのラジアルフォースが小さすぎ、1
000μm以上であると、例えば狭窄した冠動脈には太
すぎ、またバルーンでの拡張性が落ちる恐れがある。さ
らに好ましい繊維径は100〜500μmである。
【0017】前記繊維径の繊維を用いて得られるステン
トの適切なラジアルフォースを実現するために、本発明
のステントを形成する繊維の37℃での貯蔵弾性率は1
〜50GPaであることが望ましい。振動を与えた動的
環境下で弾性率を測定することにより、血管等での脈動
によって影響される剛性を評価することが可能である。
さらに好ましくは3〜30GPaである。この範囲であ
れば血管に対して適度な剛性、すなわち曲げ剛性を実現
することが可能である。曲げ剛性とは、繊維の断面二次
モーメントとヤング率の積で表されるものであるが、こ
こではヤング率の代わりに貯蔵弾性率を用いるものとす
る。前記範囲外では曲げ剛性が弱すぎたり、あるいは強
すぎることとなり、適切な血管内腔を維持するための曲
げ剛性を実現できない、即ち適切な血管径を維持するた
めのラジアルフォースを実現するのが困難となる。また
この様な貯蔵弾性率を実現するために、前記紡糸によっ
て得られた繊維を適度な延伸倍率で延伸配向させる、適
度な温度で熱処理をするなどの処理を施すと良い。
【0018】この操作により該生体内分解吸収性高分子
材料が配向結晶化し、高い結晶化度のものを作製するこ
とが可能である。その為該生体内分解吸収性高分子材料
が短期で分解吸収されず、長期にわたってステントの性
能を維持することができる。
【0019】本発明のステントは、高分子材料の繊維か
ら形成されている。前記高分子材料は生体内で分解吸収
され、代謝されるような生体内分解吸収性高分子材料の
使用が望ましい。この様な生体内分解吸収性高分子材料
を用いることにより、金属製のステントのように体内に
いつまでも残存することがなく、体内に吸収されること
が可能である。また仮に再狭窄が発生したとしても、ス
テント自体が分解吸収されているので、同じ狭窄部位に
再度ステントを挿入し留置することも可能である。従っ
て、金属製のステントで生じるstent−in−st
entという問題が起こらない。前記生体内分解吸収性
高分子材料としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポ
リヒドロキシ酪酸、ポリ(ε−カプロラクトン)あるい
はそれらの共重合体から選択される。さらに好ましく
は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸−グリコール酸
共重合体から選択される。
【0020】生体内分解吸収性高分子材料から得られる
繊維は、溶融紡糸、乾式紡糸、湿式紡糸等の方法により
得られる。適度な成形を実現するために、該生体内分解
吸収性高分子材料のGPC法によって求めた重量平均分
子量は1万〜100万である。さらに好ましくは、10
万〜50万である。前記GPC法は、移動相をクロロホ
ルム、カラム温度40℃、流速1ml/min、ポリス
チレン換算にて行った。
【0021】本発明のステントを構成する図9に示す波
状2あるいはジグザグ状の繊維を形成するための第一段
階として得られるコイル状の繊維への形状付けは、該繊
維が図4または図5に示されるような金型に巻かれた状
態で、該生体内分解吸収性高分子材料のガラス転移点以
上、融点以下の温度で行われる。好ましい温度条件とし
ては、ガラス転移点より5℃以上、さらに好ましくは1
0℃以上で行うと良好な形状付けを実現できる。第二段
階としては、上記板状のジグ6及び7で挟み込まれて圧
縮されることにより波状2あるいはジグザグ状の成型物
が形成される。この形状付けにおいても前記ガラス転移
点より5℃以上、さらに好ましくは10℃以上で行うと
良好な形状付けを実現できる。この温度は前記第一段階
の温度と同一でも良い。好ましくは同一以上である。次
いで第三段階として行われる、図11に示すように波状
2あるいはジグザグ状の繊維を管状に巻き付けて、ステ
ント形状への形状付けにおける温度条件としても上記範
囲、即ち該生体内分解吸収性高分子材料のガラス転移点
以上、融点以下の温度が適当である。この温度は前記第
一および第二段階の温度と同一でも良い。好ましくは同
一以上である。
【0022】熱処理の回数は、本願の好ましい形状で
は、2度の熱処理でも可能であるが、3度の熱処理を行
うほうがより好ましい。
【0023】前記形状付けにおいて、各工程でのセット
時間は任意で良く、1分以上、好ましくは5分以上の時
間であればよい。
【0024】本発明のステントは、上記作製法におい
て、波状2あるいはジグザク状の湾曲部あるいは頂点部
の変形部8に、変形によって生じた内部歪み及び非晶領
域が生成され、体内留置時に分解されやすくなったり、
脆性を示したりする可能性がある。またこのようなもの
は必要以上に塑性変形しやすくなり、留置時に血管を十
分に拡張するのに必要な弾性を示さなくなる恐れがあ
る。
【0025】従って、これら変形部においても前記温度
条件で形状付けを行うことにより、十分に結晶化され弾
性を高めることが可能である。
【0026】温度条件を該繊維のガラス転移以上、融点
以下に設定し、さらに1回目の熱処理よりもその後の熱
処理温度をそれ以上にすることにより、最終形状へ形状
付けが容易にかつより確実に行うことができ、1度目の
形状付けによる変形部の内部歪を解消でき、従って留置
操作においてバルーンによる拡張が行われるまでその形
状を保つことが可能である。
【0027】また該変形部である湾曲部あるいは頂点部
はバルーンの拡張によって塑性変形し、所望の直径に至
るまでのステントの拡張が可能である。
【0028】一方、形状付け操作において変形していな
い部分については、前記延伸操作によって配向結晶化さ
れたままの状態で残っており、十分な剛性を発揮する。
また該塑性変形部分は数回の小径化や拡張等の変形に対
しては疲労し強度が低下するなど劣化することはない。
このステント形状への形状付けにおいて、熱処理温度に
よっては筒状に巻き付けられた波状2あるいはジグザグ
状の繊維が、熱によって柔軟化し変形して所望の形状に
形状付けが行えない場合がある。この様な場合には、筒
状に巻き付けられた波状2あるいはジグザグ状の繊維の
外側より、熱変形しないようなシール材、シート、紙等
のもので巻き付けて形状を保持し熱処理を行い形状付け
をすることも可能である。また図12、図13に示すよ
うに本発明の波状あるいはジグザグ状の繊維を管状に巻
き付けてなるステントは、折り曲げられている部分の頂
点同士が接触し接合されていても良い。
【0029】また本発明のステントはバルーンにマウン
トされ挿入され、狭窄部位にて拡張することによって治
療を行うものである。バルーンにマウントされる際は、
ステントは小径化されている。また本発明のステントは
バルーンにマウントされる際、シース等によってステン
ト自体が覆われていて小径化されていても良い。
【0030】また本発明のステントには、挿入操作をよ
り行いやすくするために、X線造影剤がステント表面に
コーティングされていたり、あるいは繊維の内部に混練
されていても良い。このようにすることにより、金属ス
テント同様、X線造影下での挿入及び留置操作が容易と
なる。
【0031】また本発明のステントには、ステント留置
後の肥厚や炎症を抑制するために、薬剤がステント表面
にコーティングされていたり、あるいは繊維の内部に含
有されていても良い。前記薬剤としては、抗癌剤、抗炎
症剤、抗血栓剤、抗酸化剤等が使用可能である。抗癌剤
としては、アドレアマイシン、マイトマイシンC、シス
プラチン、タキソール、タキソテール等、あるいはそれ
らの誘導体が選ばれ、抗炎症剤としては、デキサメタゾ
ン等のステロイド系の薬剤が選ばれ、抗血栓剤としては
ウロキナーゼ、ヘパリン、アスピリン、IIb/IIIa等
が選ばれ、抗酸化剤としては、ポリフェノール類、カテ
キン類、ビタミンE等の抗酸化作用を示すものが選ばれ
る。
【0032】本発明における貯蔵弾性率、及びガラス転
移点の測定法を以下に述べる。 (貯蔵弾性率)本発明における繊維の貯蔵弾性率は、動
的粘弾性測定装置としてアイティー計測制御社製 DV
A−225を用い、昇温法により、空気中、測定周波数
10Hz、昇温速度5℃/minの条件で行った。 (ガラス転移点)DSC測定は(株)島津製作所社製示
差走査熱量計DSC−50を用いて、窒素雰囲気下(流
速20ml/min)、昇温速度10℃/min、測定
温度範囲:室温〜240℃で測定を行った。リファレン
スサンプルとしては空パンを用いた。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げ、さらに詳細に
ついて説明する。
【0034】(実施例1)重量平均分子量28万のポリ
L−乳酸を200℃の成形温度で溶融紡糸を行い、φ4
00μmの繊維を得た。得られた繊維を90℃で6倍に
延伸し、φ160μm、貯蔵弾性率8.6GPaの繊維
を得た。この繊維のTgは約60℃であった。この繊維
をφ0.5mmの真円状の芯金にコイル状にきつく巻き
付けた。このコイル状の繊維を2枚のガラス板で挟み込
み100℃で波状への形状付けを行った。次いで、得ら
れた波状の繊維をφ1.85mmの真円状の芯金に波状
の形を崩さないように巻き付け、110℃でステント形
状に形状付けを行い、ステントを得た。このステントは
外周からの圧縮によっても容易に小径化が行え、またバ
ルーンカテーテルによって容易に径拡大が行えた。
【0035】(実施例2)重量平均分子量28万のポリ
L−乳酸を210℃の成形温度で溶融紡糸を行い、φ4
00μmの繊維を得た。得られた繊維を90℃で5倍に
延伸し、φ180μm、貯蔵弾性率7.5GPaの繊維
を得た。この繊維のTgは約60℃であった。この繊維
をφ0.9mmの真円状の芯金にコイル状に巻き付け7
0℃で第一段階の形状付けを行った。このコイル状の繊
維を2枚のガラス板で挟み込み90℃で波状への形状付
けを行った。次いで、得られた波状の繊維をφ1.65
mmの真円状の芯金に波状の形を崩さないように巻き付
け、90℃でステント形状に形状付けを行い、ステント
を得た。このステントは外周からの圧縮によっても容易
に小径化が行え、またバルーンカテーテルによって容易
に径拡大が行えた。
【0036】このように芯金にコイル状に巻き付ける
際、熱処理を加えることによってコイル状の繊維の径と
ピッチがより安定化し、次の段階での形状付けが行い易
くなった。
【0037】(実施例3)重量平均分子量28万のポリ
L−乳酸を210℃の成形温度で溶融紡糸を行い、φ4
00μmの繊維を得た。得られた繊維を80℃で4倍に
延伸し、φ200μm、貯蔵弾性率6.4GPaの繊維
を得た。この繊維のTgは約60℃であった。この繊維
をφ0.7mmの真円状の芯金にコイル状に巻き付け7
0℃で第一段階の形状付けを行った。このコイル状の繊
維を2枚のガラス板で挟み込み110℃で波状への形状
付けを行った。次いで、得られた波状の繊維をφ1.6
5mmの真円状の芯金に波状の形を崩さないように巻き
付け、110℃でステント形状に形状付けを行い、ステ
ントを得た。このステントは外周からの圧縮によっても
容易に小径化が行え、またバルーンカテーテルによって
容易に径拡大が行えた。
【0038】(実施例4)重量平均分子量28万のポリ
L−乳酸を200℃の成形温度で溶融紡糸を行い、φ4
00μmの繊維を得た。得られた繊維を90℃で6倍に
延伸し、φ160μm、貯蔵弾性率8.6GPaの繊維
を得た。この繊維のTgは約60℃であった。この繊維
をφ0.7mmの真円状の芯金にコイル状に巻き付け8
0℃で第一段階の形状付けを行った。このコイル状の繊
維を2枚のガラス板で挟み込み100℃で波状への形状
付けを行った。次いで、得られた波状の繊維をφ1.8
5mmの真円状の芯金に波状の形を崩さないように巻き
付け、110℃でステント形状に形状付けを行い、ステ
ントを得た。このステントは外周からの圧縮によっても
容易に小径化が行え、またバルーンカテーテルによって
容易に径拡大が行えた。
【0039】(実施例5)実施例1〜4に挙げるステン
トをバルーンにマウントし、ウサギ外頸動脈に挿入し、
バルーンを膨らませステントを血管径まで拡張させた。
その後バルーンを縮ませて抜去し、ステントを留置し
た。2週、4週後、剖検を行った。ヘパリン加生食によ
る全身灌流を実施した後、10%中性緩衝ホルマリン液
にて血管を固定した。十分に固定した後、標的血管を摘
出した。所定の方法でステントが留置された血管をパラ
フィン包埋し、病理標本を作製した。病理標本はH・E
染色し、光学顕微鏡にて観察した。その結果、炎症反
応、肥厚化は軽微であり、本発明のステントは生体適合
性に優れていることが確かめられた。
【0040】
【発明の効果】上述したような製造法により、生体内分
解吸収性高分子材料の繊維からなるステントを簡便で且
つ安価に製造することが可能であり、該ステントはバル
ーンでの拡張により形状を維持し血管内での狭窄を防止
し、さらには血管内にて吸収され留置物を残さないとい
う治療効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステントの横方向からの投影図の一例
を示す図である。
【図2】コイル状の繊維を作製するための棒状の金型の
真円状の断面の一例を示す図である。
【図3】コイル状の繊維を作製するための棒状の金型の
楕円状の断面の一例を示す図である。
【図4】本発明のステントを作製する繊維が棒状の金型
に密に巻かれている様子を示す図である。
【図5】本発明のステントを作製する繊維が棒状の金型
に適度なピッチをもって巻かれている様子を示す図であ
る。
【図6】コイル状に巻かれた繊維、または密に巻かれた
繊維が引き延ばされた状態の繊維を表す図である。
【図7】コイル状の繊維を圧縮する行程を表す概念図で
ある。
【図8】コイル状の繊維が圧縮された後の状態を表す概
念図である。
【図9】圧縮されて形成された波状の繊維を表す図であ
る。
【図10】ステント形状へ形状付けるための金型の一例
を表す図である。
【図11】波状に形付けられた繊維が図10の金型に巻
かれてステント形状に形付けられる様子を表す概念図で
ある。
【図12】波状の繊維の頂点同士が接地する部分を表す
図である。
【図13】波状の繊維が交互に並んで接地する部分を表
す図である。
【符号の説明】
1.ステント本体 2.波状に形付けられた繊維 3.コイル状の繊維 4.波状に形付けられた繊維の側面 5.波状の繊維同士が接地する部分 6.圧縮ジグ 7.圧縮ジグ 8. 変形部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体の脈管に留置されるステントにおい
    て、該ステント本体は波状あるいはジグザグ状に折り曲
    げられた繊維が筒状に巻かれ、板状のジグで挟み込まれ
    て圧縮されることにより波状あるいはジグザグ状の成型
    物が形成されてなるステントであって、該ステント形成
    工程において少なくとも2度の熱処理を行い、熱処理条
    件は、該繊維のガラス転移以上、融点以下であり、更に
    1回目の熱処理よりもその後の熱処理温度をそれ以上に
    設定することを特徴とするステント及びその製造方法。
  2. 【請求項2】前記波状あるいはジグザグ状に折り曲げら
    れた繊維は、コイル状に巻かれた繊維が板状のジグで挟
    み込まれて圧縮されて形成されることを特徴とする請求
    項1に記載のステント及びその製造方法。
  3. 【請求項3】前記コイル状の繊維の断面形状が真円ある
    いは楕円の金型に巻き付けられて形成されることを特徴
    とする請求項2に記載のステント及びその製造方法。
  4. 【請求項4】前記コイル状の繊維の断面形状が真円ある
    いは楕円の金型に密に巻き付けられて、その後引き延ば
    されて形成されることを特徴とする請求項2に記載のス
    テント及びその製造方法。
  5. 【請求項5】前記繊維が生体内分解吸収性高分子材料で
    あることを特徴とする請求項1に記載のステント及びそ
    の製造方法。
  6. 【請求項6】前記生体内分解吸収性高分子材料がポリ乳
    酸、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ(ε
    −カプロラクトン)あるいはそれらの共重合体から選択
    されることを特徴とする請求項5に記載のステント及び
    その製造方法。
  7. 【請求項7】前記ステントの少なくとも一部に薬剤がコ
    ーティングまたは含有されていることを特徴とする請求
    項1乃至6のいずれか1つに記載のステント及びその製
    造方法。
  8. 【請求項8】前記ステントの拡張方法は、バルーン拡張
    型であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1
    つに記載のステント及びその製造方法。
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