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JP2002517472A - レクチンおよび血液凝固因子からなる結合体 - Google Patents

レクチンおよび血液凝固因子からなる結合体

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JP2002517472A
JP2002517472A JP2000553140A JP2000553140A JP2002517472A JP 2002517472 A JP2002517472 A JP 2002517472A JP 2000553140 A JP2000553140 A JP 2000553140A JP 2000553140 A JP2000553140 A JP 2000553140A JP 2002517472 A JP2002517472 A JP 2002517472A
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JP
Japan
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wga
cells
lectin
dox
pharmaceutical preparation
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Withdrawn
Application number
JP2000553140A
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English (en)
Inventor
ペーター トゥレツェック,
フランツ ガボア,
ミカエル ウィルス,
Original Assignee
バクスター アー.ゲー.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by バクスター アー.ゲー. filed Critical バクスター アー.ゲー.
Publication of JP2002517472A publication Critical patent/JP2002517472A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/50Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
    • A61K47/51Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent
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    • A61K47/64Drug-peptide, drug-protein or drug-polyamino acid conjugates, i.e. the modifying agent being a peptide, protein or polyamino acid which is covalently bonded or complexed to a therapeutically active agent
    • A61K47/6415Toxins or lectins, e.g. clostridial toxins or Pseudomonas exotoxins
    • AHUMAN NECESSITIES
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Abstract

(57)【要約】 血液から回収可能なタンパク質に、投与に安定な様式において結合されたレクチンを含む、薬学的調製物が記載される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、レクチンおよび薬学的作用物質を含む、薬学的調製物に関する。
【0002】 薬物標的化(Drug Targeting)の概念は、多くの薬物が取り込
みまたは作用のそれらの細胞部位に関して選択的ではないとい事実に基づく。特
に、癌の化学療法の分野において、非標的細胞において使用される薬物物質の作
用は、首尾良い治療を危うくし得る望ましくない重篤な副作用を生じる(1)。
特定の標的細胞への標的化された薬物物質の送達の実現は、今までは、罹患した
(標的)細胞と特異的に相互作用し得る適切なキャリア分子を発見することが非
常に困難であることにより妨害されている。バイオテクノロジーの進歩により、
特定の部位に特異的に結合し得るモノクローナル抗体(2)および組換えタンパ
ク質(3)は、活性かつ標的化された薬物送達についてかなり有望な候補体とし
て確立された。さらに、コロイド状粒子(例えば、アルブミンまたはポリスチレ
ンミクロスフェア)は、薬物を特定の区画に受動的に輸送するために使用された
(4、5)。
【0003】 細胞/細胞相互作用および細胞/マトリックス相互作用における、生物学的な
シグナル伝達において重要な役割を果たすレクチンは、標的化された薬物投与の
ために使用されることが予測される、1つのさらなる分子のグループである。レ
クチン(もともとは、植物抽出物中のタンパク質として同定された)、特定のオ
リゴサッカリドグループに結合し得ることが公知である(6)。この炭水化物特
異的相互作用を利用して、標的特異的薬物送達(「Drug Delivery
」)系においてレクチンを使用することが提唱された(7)。なぜなら、細胞の
グリコシル化パターンは、悪性の形質転換の後に変更されるからである(8)。
【0004】 コムギ麦芽凝集素(wheat germ agglutinin:WGA)
は、35kDAの分子量を有する2つの同一のサブユニットからなる二量体の無
炭水化物タンパク質である。各々の単量体サブユニットは、N−アセチル−D−
グルコサミンについての2つの同一かつ独立した結合部位を含む(9)。約30
0mg WGA/kgを含む胚芽コムギ(10)は、ヒトの通常の栄養に属する
ことから、経口毒性は、無視し得るはずである。WGAは、N−アセチル−D−
グルコサミン含有構造に特異的に結合する。蛍光標識したレクチンを用いる飽和
分析によって、結腸癌細胞(Caco−2細胞)のWGA結合能力は、ヒト結腸
細胞のその能力の13倍高いことが見出された。(11)。
【0005】 従って、本発明の課題は、標的細胞の認識におけるレクチン系の利点が、標的
細胞における実質的な副作用(特に、毒性の副作用)または非標的細胞に対する
作用によって生じる副作用を生じずに、特定の標的細胞への薬物の標的特異的な
送達に利用され得る薬学的調製物を提供することである。
【0006】 本発明に従って、この課題は、血液から回収可能なタンパク質(特に、血液凝
固因子)またはその組換え等価物が投与に安定な様式で結合されたレクチンを含
む、薬学的調製物によって解決される。
【0007】 レクチンとして、好ましくは、植物起源のレクチンが使用され、ここで主に、
ヒトの通常の栄養源として知られるような植物(例えばまた、コムギ、ダイズ、
コメ、マメ、オオムギ、ライムギなど)のレクチンが使用される。ほとんどの公
知のレクチンについて、レクチンの特異性は、既に十分記載されている(Str
yer,Biochemistry、第2版(1994)、331および359
頁、Roempp,Chemielexikon,第10版(1997)、23
82−2384頁を参照のこと)。しかし、公知の方法によっても分析され得る
(例えば、新たに発見されたレクチンまたは改変レクチンについて)。これは、
特に、選択された標的細胞の特定の炭水化物構造についてのそれぞれの結合特異
性に適用される。
【0008】 本発明の範囲内で、好ましくはまた、長い間公知でありかつ十分に記載されて
いる、例えば、コンカナバリンA、アブリン、リシン、フェイシン(Phasi
n)またはWGAのようなレクチンが使用される。なぜなら、これらの系におい
てまた、改変は、多大な出費を伴わずに行われ得るからである。このような改変
(例えば、血液から回収可能なタンパク質への結合部位に関して、または標的細
胞の炭水化物構造についての認識領域において)はまた、あまり十分に記載され
ていないかまたは完全に新規なレクチンにおいて、当業者に公知の方法によって
行い得るが、これは、ほとんどの場合において、公知のレクチンをにおけるより
骨が折れる。
【0009】 本発明に従って、WGAの利用が、特に実証された。なぜなら、これは、特に
、少しの経口毒性もなく、そして悪性細胞に対して高度な特異性を有するからで
ある。特に、結腸癌細胞に対するその高度な特異性のために、WGAは、これら
の細胞への標的特異的薬物送達において特に適切である。本発明に従って、WG
Aとは、(ネイティブの)WGAの本質的な特性を有するかまたは結合特性が標
的化されかつ制御的に変更されている、化学的に改変されたWGA分子またはW
GA誘導体と理解される。
【0010】 本発明に従って、投与に安定な化合物とは、その保存、その投与、および患者
における標的部位へのその経路において本発明に従う調製物の十分な安定性が保
証される化合物であると理解される。この化合物が標的区画においてレクチンと
血液から回収可能なタンパク質との間を切断され得ること、またはその薬物が別
の様式におけるその効果を発揮することもまた、必須である。従って、例えば、
酸または塩基に対して不安定である(pH感受性)化合物、または標的区画特異
的酵素(例えば、プロテアーゼまたはヌクレアーゼ)によって切断され得る化合
物が使用される。本発明の範囲内で、標的区画とは、例えば、細胞、組織、また
は組織の部分(特に、血液または組織液)であると理解される。
【0011】 本発明に従って調製物は、標的細胞に対して高度な抗増殖効果を示す。なぜな
ら、血液から回収可能な結合体化タンパク質は、容易かつ効果的に、標的細胞ま
たは標的区画にそれぞれ取り込まれる。従って、本発明に従う調製物の細胞内蓄
積が生じる。WGA系において、酸に不安定なシス−アコニチル(aconit
yl)化合物は、標的細胞のリボソーム領域においてはじめて、血液から回収可
能なタンパク質の放出を可能にする。
【0012】 血液から回収可能であり、かつ本発明において使用されるタンパク質として、
基本的に、レクチンとの結合を形成し得るどの血液タンパク質またはその組換え
等価物も適切である。この結合はまた、ネイティブなレクチンとの結合が可能で
ない場合、特定の結合部位またはアミノ酸側鎖の改変によって可能になり得る。
血液から回収可能な公知のタンパク質から逸脱して、本発明に特に適切な誘導体
化された血液タンパク質はまた、レクチンに結合し得るように「設計(desi
gn)」され得る。糖衣(Glycocalyx)(全ての真核生物を取り囲み
、そして膜に局在する糖タンパク質および糖脂質からなる組織特異的多糖層)の
異常な変化(これはしばしば、悪性の形質転換と関連する)により、本発明に従
うレクチン−薬物標的(drug targeting)は、細胞増殖抑制性剤
または癌処置剤の投与に素晴らしく適している。
【0013】 本発明に従って使用される血液タンパク質の例としては、凝固因子(例えば、
プロトロンビンまたは第V因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、
第X因子、第XI因子、第XII因子、もしくは第XIII因子、zWF)、イ
ンヒビター(例えば、ATIII)、またはヘパリン、プロテインC、プロテイ
ンS、α1酸糖タンパク質、あるいは組織因子、ならびに必要に応じてこれらの
タンパク質の前駆体が挙げられる。
【0014】 これらの物質(例えば、ドキソルビシン(DOX))は、好ましくは、酸に不
安定な結合(例えば、WGAに対するシス−アコニチル架橋)を介して結合され
得る、そしてまた、本発明を例示するためのモデル例として使用され得る。WG
AへのDOXの2工程カップリング反応(実施例を参照のこと)は、24mol
DOX/mol WGAの置換度を有する水溶性プロドラッグ(DOX−WG
A)を生じることが示される。このプロドラッグは、中性環境において安定であ
り、pH4.0では、WGAに結合したDOXの46±7%が、24時間以内に
放出される。従って、この細胞増殖抑制剤は、リボソーム内の酸性環境において
始めて利用可能となる。結腸癌細胞のDX−WGA結合能力は、ヒト結腸細胞お
よびリンパ芽球MOLT−4細胞のその能力よりも少なくとも4.5倍高く、赤
血球への結合は測定不可能である。
【0015】 この結合体からの薬物の放出速度を考慮して、癌細胞に置ける結合体形態のこ
の薬物の細胞増殖抑制作用は、遊離の細胞増殖抑制剤のその作用よりも少なくと
も1.5倍高い。しかし、リンパ芽球に対するDOX−WGAの抗増殖効果は、
遊離の活性剤のその効果より65%低い。しかし、遊離の活性剤とは対照的に、
副作用の割合の莫大な減少は、本発明の標的特異的送達によって可能であり、非
標的細胞に対するよりわずかな有害作用によるか、または細胞増殖抑制剤の使用
の減少による(用量減少による)。この様式において、腫瘍の治療(例えば、結
腸癌の治療)は、DOX−WGAによってはるかにより快適となる。
【0016】 タンパク質ベースの薬物は、標的特異的投与に加えて、部分的、また実質的に
、レクチン(これは、脆弱なタンパク質薬物に非常に有用であり得る)への連結
によって安定化されるので、本発明に従う系は、首尾良くかつ標的された高分子
量タンパク質薬物(例えば、血液凝固因子)、血液から回収可能な他のタンパク
質(例えば、インヒビターまたは補因子)またはそれらの組換え等価物を投与す
ることを、レクチンへの連結によって可能にし得る。
【0017】 ほとんどのレクチン、特に、WGAのような植物由来のレクチンは、胃腸で安
定であるので、本発明に従う調製物は、経口投与され得、ここで単に必要に応じ
て、さらに治療を容易にする一般的な胃液耐性被覆層が提供され得る。
【0018】 本発明に従う系はまた、例えば、遺伝子療法またはアンチセンス療法のための
核酸の投与に素晴らしく適している。そのような場合、核酸(例えば、cDNA
、アンチセンスRNAなど)は、正常な血液タンパク質のように、レクチンに結
合され得る。WGAを用いると、これはまた、当然のことながら、酸に不安定な
結合部位を介してもたらされ得る。
【0019】 本発明に従う調製物は、好ましくは、血液から回収可能なそれぞれのタンパク
質を支持する投与の通常の形態で提供される。その投薬量は、タンパク質につい
ての一般的な投薬量に配向され得、特に、より効率的な投与によって、投与量の
減少が考慮され得る。また、その薬物のための一般的に首尾良い補助物質が使用
され得るが、しばしば、本発明に従う処方物は改善された水溶性(レクチンによ
り生じる)を含む、それにより、例えば、溶解補助剤を減少し得るか、または省
略さえし得る。本発明に従う調製物の増加した安定性により、また、大量の安定
化剤の使用が回避され得る。
【0020】 本発明は、ここで、上記の実施例および図面により、より詳細に説明されるが
、限定はされるべきではない。
【0021】 (実施例) (材料および方法) (化学薬品) Triticum vulgareからのコムギ胚アグルチニン、およびその
フルオレセイン標識アナログ(フルオレセイン/タンパク質モル比=3.2)を
Vektor Laboratories(Burlingame、U.S.A
.)から得た。ドキソルビシン、cis−アコニット酸無水物、N,N’−ジシ
クロヘキシル−カルボジイミド、ε−アミノ−n−カプロン酸およびN−ヒドロ
キシ−スクシンイミドは、Sigma(St.Louis、MO、U.S.A.
)から得た;すべての他の化学薬品は、分析的に純粋(「分析グレード」)とし
てMerck(Darmstadt、DE)から購入した。組織培養試薬は、B
iowhittaker(Workingham、UK)から入手し、XTT試
験セット(EZ4U)およびBrdU試験セットは、それぞれ、Biomedi
ca(Wien、Oesterreich)およびBoehringer Ma
nnheim(Wien、Oesterreich)から得た。
【0022】 (ドキソルビシンのWGAとの結合体化) N−cis−アコニチル−ドキソルビシンは、YangおよびReisfel
d(12)に従い、改変して調製した。すべての反応は、光からの保護下で実施
し、そして移動相としてクロロホルム/メタノール/水 9+9+1.8または
8+10+2.5(v/v/v)を用いてKGF254に対するTLCによりモニ
ターした。DOX(1.79μmol)を、1.5mlのメタノールに溶解し、
そしてcis−アコニット酸無水物(5.2μmol)のエーテル溶液とともに
室温で1時間攪拌した。500μlまでエバポレートした後、ドキソルビシン−
cis−アコニテートを、7.2μmolのN,N’−ジシクロヘキシル−カル
ボジイミドおよび7.2μmolのN−ヒドロキシスクシンイミドとの反応によ
り活性化した。この反応混合物を、室温で2時間そして4℃で一晩攪拌した。ジ
シクロヘキシル尿素を、1mlの3%重炭酸ナトリウム水溶液を添加することに
より沈殿させ、そして7500rpmで5分間の遠心分離により集めた。残存す
るメタノールをエバポレーションにより上清液から除去した。
【0023】 ドキソルビシン−cis−アコニテート−N−ヒドロキシスクシンイミド−エ
ステルを、500μlの3%重炭酸ナトリウム、pH8.0水溶液中の0.03
3μmolのWGAを含む溶液の滴下様式の添加によりWGAと結合させた。4
℃で一晩インキュベートした後、この結合体(DOX−WGA)を、4℃で、2
0mMのHEPES/NaOH緩衝液、pH7.4に対して、468nmにおけ
る透析媒体の分光光度法アッセイによってもはや遊離の薬物が検出されなくなる
まで(検出限界:2μg/ml DOX)透析した。TLCによると、DOX−
WGAのみが観察された蛍光化合物であり、検出可能な遊離のDOXが存在しな
かったことを示した。
【0024】 (結合速度の測定) WGA分子あたりに結合したDOX分子の数は、DOXを較正に用いて、20
mM HEPES緩衝液、pH7.4中のWGAに関して468nmにおける吸
光度から計算された(U−3000 UV−VIS分光光度計、Hitachi
)。
【0025】 (WGA上のアミノ残基の決定) 誘導体化に接近可能なWGAアミノ基の総数は、改変されたトリニトロベンゼ
ンスルホン酸(TNBS)/アジピン酸−ジヒドラジド(ADH)試験(13)
により測定した。要するに、200μlの、20mM HEPES、pH7.4
中にWGAの125〜175μgを含む溶液を、200μlの、飽和四ホウ酸ナ
トリウム/蒸留水(1+1、v/v)中0.02%のTNBSと混合し、そして
70℃で10分間インキュベートした。100μlの0.5M ADH水溶液の
添加および穏やかにボルテックスした後、トリニトロベンゼン−アジピン酸−ジ
ヒドラゾンの吸光度を、520nmで読みとった。アミノ残基の数は、ε−カプ
ロン酸を用いた較正曲線から計算した。この試験は、80〜680nmolのア
ミノ残基/mlの定量を可能にする。
【0026】 (結合体化ドキソルビシンのインビトロ放出) この結合体からのDOXのインビトロ放出に関する試験を、光から保護して3
7℃で実施した。7.5μgのDOXに相当する、250μlのDOX−WGA
を含む小透析チューブ(MWカットオフ12kDa)を、1.5mlの0.1M
リン酸/クエン酸緩衝液、pH4.0で満たしたスクリュー管中に置いた。放出
されたDOXの妨害を受けない拡散を確実にするために、気泡を膜の表面から注
意深く除去した。透析媒体を攪拌しながら、500μlのアリコートを、規則的
な間隔で採り、そして468nmにおける吸光度を読み取った後、直ちに容器中
に戻した。結合体から放出されたDOXの量は、DOX較正曲線から計算した。
【0027】 (細胞および培養条件) ヒト結腸癌細胞株Caco−2およびヒトリンパ芽球細胞株MOLT−4を、
American Type Culture Collection(Roc
kville、ML、U.S.A.)から得た。これら細胞は、10%ウシ胎児
血清、4mM L−グルタミンおよび75μg/mlゲンタマイシンを含むRP
MI−1640からなる培養培地中、37℃で加湿5%CO2/95%空気雰囲
気中で増殖させ、そしてトリプシン処理により継代培養した。
【0028】 ヒト結腸細胞を、切除した結腸癌標本に隣接する正常組織から得た。この組織
を、コラゲナーゼ溶液(1000U/ml培地)中37℃で約1時間のインキュ
ベーションにより、光学顕微鏡により示されるように、単細胞が放出されるまで
、解離させた。細胞は、4℃における1300rpm、5分間の遠心分離により
PBSを用いて繰り返し洗浄した。ペレットを、PBS中に再懸濁し、そして調
製物を、Casyl DT細胞カウンターおよびアナライザーシステム(Sch
aerfe、DE)を用いて分析した。従って、この細胞調製物は、光学顕微鏡
で観察したとき、主に赤血球細胞である、1×106結腸細胞/ml(直径7〜
10μm)、および7μmより小さい直径を示す17×106細胞/mlから構
成された。
【0029】 (ヒト結腸細胞、Caco−2およびMOLT−4細胞へのDOX−WGAの
結合) 96ウェルのマイクロタイタープレートを用いて、50μlのPBS中の細胞
懸濁液(5×104結腸細胞またはリンパ芽球)、100μlの20mM HE
PES、pH7.4、および50μlの、HEPES中に3.6μg、1.8μ
gまたは0.9μgのDOX−WGAを含む溶液を、4℃で1時間、2時間また
は12時間インキュベートした。細胞を遠心分離し(1000rpm、5分、4
℃)、そして120μlの上清液を捨てた。120μlのHEPESの添加の後
、この洗浄工程を同様に繰り返した。細胞を、1.8mlのCell Pack
中に再懸濁し、そしてフローサイトメトリーによりアッセイした。
【0030】 各実験において、非標識細胞からなるネガティブコントロールを、自己蛍光を
測定するために含めた。各濃度を4重に試験し、そして少なくとも2回繰り返し
た。
【0031】 (フローサイトメトリー) フローサイトメトリー測定を、Epics XL−MLC分析フローサイトメ
ーター(Coulter、FL、U.S.A.)上で実施した.標識細胞を、個
々の細胞集団の登録のために、ならびに細胞残渣および細胞凝集体を排除するた
めに「前方向、対、側面散乱ゲート(Forward versus side
scatter gate)」を用い、分析した。蛍光を、575nm(10
nmバンド幅)で検出し、そして個々のピークの対数蛍光強度のチャンネル数の
平均値をさらなる計算に用いた。蛍光シグナルの増幅は、非標識細胞の自己蛍光
を、4ディケイド(decade)からなる対数範囲の最初のディケイド中に置
くように調節した。5000細胞を、各測定について蓄積した。
【0032】 (共焦点顕微鏡法) 細胞を、100μlの細胞懸濁液(2×106/ml HEPES)を、10
0μlのDOX−WGA(69μg/ml HEPES)またはフルオレセイン
標識WGA(100μg/ml HEPES)との37℃における1時間のイン
キュベーションにより染色した。細胞を遠心分離し(5分、1000rpm)、
なお150μlのHEPESを用いて、上記のように2回洗浄し、そして顕微鏡
法のためのキャリアに付与した。蛍光標識細胞の共焦点画像を、共焦点Zeis
s Axiovert顕微鏡を用いることにより得た。透過光および蛍光画像は
、40倍の倍率で得、そして細胞内DOXおよびフルオレセインは、488nm
における励起および>515nmの発光により検出した。
【0033】 (細胞増殖試験) 細胞増殖は、細胞培養用の無色の補填したRPMI 1640培地を用いるこ
とにより、製造業者の指示書に従って実施した、XTTおよびBrdU試験によ
り測定した。
【0034】 Caco−2の細胞増殖に対するWGAおよびF−WGAの影響を計算するた
めに、100μlの細胞懸濁液(2×104細胞)および75μlのWGAおよ
びF−WGAの各々の1つの希釈系列(0、0.06、0.15、0.2、0.
3、0.4、0.6、1.5、3、6および30μg)を、組織培養条件下で3
日間インキュベートし、次いで20μlのXTT試薬溶液を添加した。形成され
たホルマザンの吸収を、培地およびXTT試薬溶液からなるネガティブコントロ
ールに対して450nmで測定した(Anthos ELISA Reader
2001)。
【0035】 DOX−WGAの細胞障害性活性は、上記のようにXTT試験により測定し、
しかし、ここで、104 MOLT−4またはCaco−2細胞/100μlの
RPMI 1640培地、および75μlのDOX(0.15または0.10μ
g)、WGA(0.45または0.32μg)またはDOX−WGA(0.57
または0.41μg)を含む溶液をそれぞれ用いた。
【0036】 さらに、DOX−WGAで前処理したCaco−2細胞の細胞増殖を試験し、
ここでは、比色免疫試験であるBrdU試験を用いた。75mlの、HEPES
中にWGA(0.6、0.43、0.30μg)、DOX(0.15、0.11
、0.075μg)またはDOX−WGA(0.57、0.41、0.285μ
g)を含む各溶液を、100μlの細胞懸濁液(5×103Caco−2細胞)
を含むマイクロタイタープレートのウェル中に添加した。細胞培養条件下96時
間のインキュベーションの後、20μlのBrdU標識溶液を添加し、次いでさ
らに14時間インキュベートした。上清液を捨て、そして200μlのFixD
enat溶液の添加の後、細胞を固定し、そしてDNAを変性した。上清液を3
0分後に取り出し、そして100μlのBrdU抗体ペルオキシダーゼを添加し
た。90分のインキュベーションの後、細胞を、200μlの洗浄緩衝液で3回
洗浄し、そして100μlの基質を添加した。10分後、酵素活性を、25μl
の1M硫酸を添加することにより停止し、そして450nmで、吸光度を、上記
のように調製が細胞を含まないブランク値に対して測定した。
【0037】 すべての試験を4重で行い、そして少なくとも2回繰り返した。さらに、ポジ
ティブコントロールを、試験された基質を省くことにより各実験に含めた。
【0038】 (結果) cis−アコニチル−結合ドキソルビシン−WGA(DOX−WGA)の調製
および特徴付け DOXの標的されたプロドラッグ送達のためのキャリアタンパク質としてWG
Aを用いるために、細胞増殖抑制試薬を、2工程の方法で、このタンパク質に共
有結合させた。最初に、この薬物を、ダウノス−アミンの遊離のアミノ残基のc
is−アコニット酸無水物との反応により、対応するカルボン酸誘導体に定量的
に変換した(Rfprodukt=0.21、RfDOX=0.14;クロロホルム/メタ
ノール/水、9+9+1.8(v/v/v))。文献(12)に記載される以外
に、この変換は、無水媒体中にN−cis−アコチニル−DOXのみを生じた。
α−およびβ−モノアミド異性体の両方の形成にもかかわらず、唯一の染色がT
LCの後に観察された. タンパク質の予備活性化によるWGAの架橋を避けるために、このN−cis
−アコニテート−DOXを、ジシクロヘキシルカルボジイミド/N−ヒドロキシ
スクシンイミドと、カップリングの前に活性中間体エステル産物を形成する(1
4)ように反応させた。TLC(クロロホルム/メタノール/水 8+10+2
.5(v/v/v))により示されるように、このN−cis−アコニチル誘導
体(Rf=0.24)は、約75%の程度まで,対応するN−ヒドロキシ−スク
シンイミドエステル(Rf=0.88)に変換された。cis−アコニテート−
ドキソルビシンのβ−またはγ−カルボキシル残基のいずれかの活性エステルの
関与の下、この薬物は、WGAの接近可能なアミノ残基と、アミド結合を形成し
て結合した。精製された結合体のUV差異分光光度測定は、キャリアタンパク質
上のDOXの共有結合を確認し、これにより、約24molのWGAのDOX/
モルの結合数が得られた。WGAは、TNBS/ADH試験により測定されると
き、24±1.53アミノ基(平均値±SD、n=6)を含むイソレクチンの混
合物を構成するので、カップリング反応は、密にコートされるが、しかしなお自
由に水に溶けるレクチンを生じた。
【0039】 cis−アコニチルスペーサーは、結合薬物のリソソーム内放出のためのpH
感受性結合であったと報告されているので(15)、pH4.0における結合D
OXのインビトロ放出プロフィールは、結合体の排除について透析チューブを用
いて分光光度法により測定した。4.0のpHにおける24時間以内のインキュ
ベーションで、46±7%の結合DOXがWGAから放出された;しかし、より
長いインキュベーションの後、放出速度は、顕著に増加しなかった。なぜなら、
DOX−WGAに対する、酸性環境への168時間の曝露は、51±6%の結合
DOXの放出に至ったからである。放出プロフィールにより示されるように、利
用可能な薬物の半分が65分後に放出された(図1)。
【0040】 (Caco−2細胞、ヒト結腸細胞およびリンパ芽球へのDOX−WGAの結
合) 標的細胞および非標的細胞の結合体結合能力を測定するために、漸増量のDO
X−WGAを、特定数の異なる起源の細胞と相互作用させ、そしてそれらを、フ
ローサイトメトリーによりアッセイした。この技法は、細胞結合蛍光強度のみの
定量を可能にする(16)。Caco−2細胞を、悪性に形質転換された細胞の
代表として用い、その一方、ヒト結腸細胞およびヒトリンパ芽球MOLT−4細
胞を、非影響細胞または親細胞のモデルとしてそれぞれ含めた。細胞の自己蛍光
(0.6±0.1)と比較したとき、Caco−2細胞の細胞結合蛍光強度の平
均値は、DOX−WGAの添加の後に、明らかに増加し、そして結合体の濃度の
増加と同時に、11.8±0.7〜37.9±0.1の相対蛍光強度を与えた。
その一方、非標的細胞に対するDOX−WGAの漸増量の結合は、それぞれ、2
.4±0.05〜8.5±1.0(ヒト結腸細胞)および2.5±0.07〜9
.3±0.1(MOLT−4)の範囲の、かなりわずかでそして小さい増加の細
胞結合蛍光強度をもたらした。細胞結合蛍光強度の平均値は、漸増量のDOX−
WGAの添加の後に増加したので、アッセイされた細胞株への結合は、特異的な
相互作用に起因し得た(図2)。
【0041】 ヒト結腸細胞の調製物は、異なる型の細胞の94%が、主に赤血球である細胞
を含み、結合体結合は、<7μmの細胞集団排他的に記録するように、「前方向
、対、側面散乱ゲート(Forward versus Side Scatt
er gate)」を調節することによりアッセイされた。0.3の平均相対蛍
光強度は、これら細胞の自己蛍光範囲をカバーしたので、赤血球へのDOX−W
GA結合は無視され得る。
【0042】 一般に、Caco−2細胞のDOX−WGA結合能力は、ヒト結腸細胞のそれ
より4.6±0.3倍高い。MOLT−4細胞に結合したDOX−WGAの量は
、ヒト結腸細胞のそれと同じオーダーであり、わずかに10±3%より高かった
。Caco−2膜への結合のみならず、DOX−WGAの取り込みもまた、この
結合体と予備インキュベートされた生存Caco−2細胞の共焦点レーザー走査
顕微鏡により観察された(図3)。37℃における1時間のインキュベーション
後、蛍光DOX−WGA結合体は、分裂するCaco−2細胞の核膜の近傍に集
まった。その一方、蛍光標識されたWGAを有するCaco−2細胞が、同じ条
件下で染色された場合、レクチンは、存在する顆粒領域がいくらか強く染色され
て、細胞質に亘って分布し、これは、小胞蓄積を示した。従って、結合体の細胞
結合には、プロドラッグの取り込みが続き、しかし、細胞内分布パターンは、結
合体化に用いた物質に依存する。
【0043】 (腫瘍細胞およびリンパ芽球に対するDOX−WGAの抗増殖効果) WGA、F−WGA、DOXおよびDOX−WGAの腫瘍細胞の増殖に対する
効果を、XTT試験により調べた。この試験では、テトラゾール−塩XTTが、
生存細胞により代謝的に減少し、細胞増殖の指標である、可溶性の高度に染色さ
れたホルマザンを生じる。WGAは、用量依存様式でCaco−2細胞の増殖を
阻害し、そしてBoltzmanによるS字形曲線から計算したとき、530±
40ngのWGA/2×104Caco−2細胞の細胞増殖の50%阻害(IC5 0 )を示したが、<60ng/ウェルのWGA濃度は、細胞増殖に対して本質的
な影響を有さなかった(図4)。その一方、フルオロセイン−イソチオシアネー
トを用いることによるWGAの標識は、レクチンの阻害活性を変化させ、そして
IC50=623±84ngF−WGA/2×104Caco−2細胞に至った。
さらに、F−WGAの54ngより少ない量の添加の後に、標識レクチンは、C
aco−2細胞の増殖を刺激した。
【0044】 DOX−WGAの阻害活性に対する非改変キャリアタンパク質の影響を考慮し
て、XTT試験に用いたWGAおよびDOXの濃度は、得られたデータの比較性
を提供するために結合体と同一とした。WGAは、Caco−2細胞増殖を、4
0.3±14.6%(450ng WGA/104細胞において)および6.7
±3.3%(320ng/104細胞において)の程度まで阻害したが、Cac
o−2細胞に対するDOX−WGAの細胞増殖抑制活性は、それぞれ、14.3
±8.3%および34.0±6.1%だけ、WGA濃度の同時の減少をともなっ
て増加した(図5A)。その一方、相当量のDOX−WGAは、63%または4
6%のDOXの抗増殖効果を生じた。
【0045】 Caco−2細胞に比較して、同じ量の試験された物質は、リンパ芽球MOL
T−4細胞の生存率に対し、より少ない影響を奏した(図5B)。DOXは、細
胞増殖を、約13±5.2%の程度まで阻害したが、DOX−WGAのMOLT
−4細胞に対する阻害活性は、9.4±3.2%(450ng/104細胞にお
いて)および5.0±2.6%(320ng104細胞において)であった。
【0046】 XTT試験とは対照的に、Caco−2細胞の増殖に対するキャリアタンパク
質単独の影響は、BrdU試験でDNA含量の定量により測定したとき、極めて
異なるものであった。キャリアタンパク質の濃度は、600から300ngWG
A/5000細胞に減少したが、最初は、本質的な阻害活性は観察されず(4.
6±12.3%)、なおこの活性は、Caco−2細胞増殖の漸増刺激に変換さ
れた(図6)。その一方、DOX−WGAに比較したとき、等量の遊離の薬物は
、平均して95.2±2.1%の増殖阻害に至った高い細胞増殖抑制性活性を示
した。DOX−WGAとのCaco−2細胞の予備インキュベーション後、等量
のDOXの抗増殖活性は、20±5.6%だけ増加した。
【0047】 (考察) インビトロにおける結腸癌細胞への薬物の標的特異的送達のためにCaco−
2細胞およびヒト結腸細胞の非常に異なるWGA結合能を利用するために(11
)、酸感受性cis−アコニット酸結合を介して、2段階機構によって、DOX
をWGAに共有結合させた(12)。WGAは、4つのイソレクチンの混合物で
ある(17)ので、結合効率の評価についてADHとTNBS試験とを組み合わ
せることにより、WGAに対するアミノ残基の数が、24±1.4であることが
見出された。結合は、UV/VIS示差分光光度計によって質および量において
確認され、これは、WGA1モル当たり24モルのDOXを含む、検出可能な非
共有結合薬物を含まない結合体を与えた。接近可能なWGAのアミノ残基のほぼ
全ての誘導体化にもかかわらず、DOX−WGAの水溶性は保持された。文献(
15)によれば、薬物とWGAとの間のcis−アコニチル結合は、pH感受性
であり、この結合はpH7.0で安定であり、そしてpH4.0では1時間の半
減期を有した。しかし、168時間内では、抗体結合体化ダウノマイシンが3.
0のpH値でほぼ100%放出される(14)のに対して、薬物含量の50%し
か、DOX−WGAから放出されなかった。本発明者らの研究では、非プロトン
性環境では、N−cisアコニチル−ドキソルビシンが活性化された。これは、
β−カルボキシルおよびγ−カルボキシルの両方のN−ヒドロキシ−スクシンイ
ミドエステルをおそらく等量で生じた。遊離cis−カルボン酸官能基は、結合
のpH感受性にとって必要である(15)ので、結合体化DOXの半分のみの放
出は、WGAと、N−cis−アコチニル−ドキソルビシンのα−モノアミドエ
ステル異性体のβ−カルボキシルとの間のアミド結合に起因し得る。
【0048】 F−WGAおよびDOX−WGAの共焦点レーザ走査顕微鏡によって確認され
るように、細胞増殖抑制性薬剤との結合体化後も、N−アセチルグルコサミン特
異的レクチンは、その生体接着性および細胞侵襲性の特性を保持した。
【0049】 DOX−WGAがリソソーム区画の酸性環境に達する場合、結合の酸感受性に
起因して、結合体化DOXのリソソーム内放出が予想される。誘導体化の結果と
して、WGAの細胞内分布パターンは変化し、これにより、Caco−2細胞の
核膜近辺のDOA−WGAの蓄積に至った。
【0050】 DOX−WGA由来の細胞結合蛍光強度のフローサイトメトリーによる決定に
よって、結合体の結合特異性を評価した。曝露時間にかかわらず、DOX−WG
Aは、標的細胞および非標的細胞への用量依存結合を示した。しかし、その程度
は、非常に異なった。平均して、結腸癌細胞Caco−2の結合能は、ヒト結腸
細胞およびリンパ芽球MOLT−4細胞の結合能より4.5倍高かった。さらに
、DOX−WGAのヒト赤血球への結合は検出されなかった。これらの結果は、
結合体の高い標的特異性を示す。高い程度の結合を考慮に入れると、ヒト結腸細
胞に対するCaco−2細胞への結合の13:1(F−WGA、11)から4:
1(DOX−WGA)への比の減少は、免疫結合体について観察された(18)
ような、疎水性の抗癌薬によるレクチンの高密度の誘導体化に関連し得る。
【0051】 ミトコンドリアデヒドロゲナーゼ活性を決定することにより有糸分裂に対する
WGAおよびF−WGAの効果を研究した場合、Ryderら(19)によれば
Caco−2の細胞増殖に対する逆の活性が観察された:匹敵する濃度では、ネ
イティブなレクチンは、フルオレセインの結合体化後でさえも、Caco−2細
胞増殖の用量依存性阻害を示した。この阻害効果は、2×104細胞当たり54
ng未満のF−WGAの濃度で刺激を逆転した。Kawamotoら(20)に
より観察されるように、上皮増殖因子(EGF)は、nM範囲で上皮A431癌
細胞の増殖を阻害したが、それでも、EGFは、このpH範囲で、有糸分裂効果
を有した。WGAによって、EGFレセプターのチロシンキナーゼ活性は、上皮
増殖因子により誘導された改善(21)と類似の程度にまで活性化された。この
効果は、おそらく、WGAのEGFレセプター結合に起因し得る。
【0052】 しかし、Caco−2細胞に対する結合体の抗増殖効果に対する、DOX−W
GAのキャリアタンパク質の寄与は、等量のWGAおよびDOX−WGAの阻害
活性がそれぞれ6.7±3.3%および39±6.1%であったので、むしろか
なりわずかであった。従って、DOX−WGAの細胞増殖抑制活性は、主として
結合体化薬物に由来した。DOX−WGAは、遊離DOXの細胞増殖抑制活性の
約60%を生じる。非標的細胞についてのモデルとしてリンパ芽細胞MOLT−
4細胞を用いるXTT試験を実施するとき、DOX−WGAによって、細胞増殖
は、遊離DOX(100%)と比較してせいぜい35%の程度で、用量依存様式
で阻害された。非標的細胞に対する等量のDOXのこの抗増殖活性の減少は、W
GAとの結合後の抗癌剤の標的特異的送達に起因し得る。
【0053】 等量のキャリアタンパク質とプレインキュベートしたCaco−2細胞の妨げ
られない増殖がDOX−WGAの抗増殖活性の明白な算定に必要であるので、分
裂細胞数に従って、DNA合成の際のBrdU取り込みを決定した。DOX−W
GAに比較して等濃度のWGAおよびDOXでは、キャリアタンパク質単独が、
Caco−2細胞増殖をわずかにのみ阻害したか、またはこれを刺激した。そし
て遊離薬物が、平均して、95%増殖阻害を示した。結合DOXの抗増殖活性は
、78%の平均値を有した。結合されたDOXはインビトロで単に50%のみを
放出すると仮定すると、結合体化DOXの部位特異的効率に起因するDOX−W
GAの細胞増殖抑制活性は、遊離薬物の細胞増殖抑制活性に等しいか、または幾
分高いものであり得る。
【0054】 (WGA−プロトロンビン結合体の調製) プロトロンビン(血液凝固因子II)は、72,000ダルトンの分子量を有
するビタミンK依存性タンパク質の群に由来する血漿タンパク質である。プロト
ロンビンは、治療的に利用され、そしてプロトロンビン複合体因子の先天性また
は後天性不全によって引き起こされる出血の予防および治療のために使用される
プロトロンビン複合体濃縮物の必須成分である。
【0055】 Brummelhuis(23)に従って、リン酸カルシウム上で吸着させ、
そしてリン酸ナトリウムを用いて溶出することにより、プロトロンビン複合体濃
縮物からプロトロンビン(第II因子)を調製し、そしてDEAE Sepha
rose FF(Pharmacia、Uppsala Schweden)に
おけるアニオン交換クロマトグラフィー、ならびにフェニル−セファロースにお
ける疎水性クロマトグラフィーによって精製した。続く合成のために、1mlの
クエン酸緩衝液(13.6mM クエン酸ナトリウム、137mM NaCl、
pH7.0)当たり12.3mg FIIの第II因子含量を有する調製物を使
用した。
【0056】 以下の原理に従って、精製プロトロンビンをWGAと結合体化させた。
【0057】 ジスクシンイミジルスクシネート溶液(プレ活性化スペーサー)を、N−ヒロ
ドキシスクシンイミドおよび無水コハク酸をカルボジイミドとインキュベートす
ることによって調製し、そしてフルオレセイン(FITC)標識プロトロンビン
の活性化のために用いた。WGAへの結合のために、このように調製された、活
性N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル基を有する誘導体化プロトロンビン
を引き続き用いた。このようにして、2つの異なるサンプルを調製した(それぞ
れ、混合物1および2による合成)。
【0058】 (フルオレセインイソチオシアネート(FITC)での第II因子の標識) フルオレセインで第II因子を標識するために、第II因子溶液と反応緩衝液
(25mM Hepes、150mM NaCl、pH8.0)との混合物中に
FITCを溶解し、そして穏やかに攪拌しながら室温で5時間(混合物1)およ
び一晩(混合物2)インキュベートした。与えられたモル比を、プロトロンビン
の29の遊離アミノ基(N末端およびリジン残基)に基づいて計算した。
【0059】 (混合物1(1molのNH2当たり2molのFITC)) 2.9mgのFITC(7.5μmol) 750μlのFII溶液(0.13μmol当たり9.2mgのFII) 750μlの緩衝液 (混合物2(1molのNH2当たり0.3molのFITC)) 0.45mgのFITC(1.16μmol) 750μlのFII溶液(0.13μmol当たり9.2mgのFII) 750μlの緩衝液。
【0060】 標識された第II因子からこれら試薬を分離するために、DMSO/Hepe
s緩衝液(pH8.0;1:1混合)中のSephadex G−25(Pha
rmacia、Uppsala Schweden)でクロマトグラフィーを行
った。溶出容積(約2.0ml)中の画分を採取し、そしてさらなる合成のため
に使用した。
【0061】 (プレ活性化スペーサーの合成) プレ活性化スペーサーを、3mlのジメチルスルホキシド(DMSO)中で1
4mg(125μmol)のN−ヒドロキシスクシンイミド、5mg(50μm
ol)の無水コハク酸、および96mg(500μmol)の1−エチル−3−
ジメチルアミノプロピル−カルボジイミド(EDAC)を、穏やかに振盪しなが
ら、20分間、インキュベートすることによって調製した。
【0062】 (FITC標識プロトロンビンの活性化) 以下の2つの反応混合物を用いて、FITC標識プロトロンビンの活性化を行
った。混合物をそれぞれ、穏やかに攪拌しながら、室温で1時間インキュベート
した。
【0063】 (混合物1) 300μlの可変スペーサー 2.7mlのDMSO 2.0mlのFITC標識プロトロンビン (混合物2) 75μlの可変スペーサー 2.925mlのDMSO 2.0mlのFITC標識プロトロンビン。
【0064】 反応後、それぞれSephadex G−25(Pharmacia、Upp
sala Schweden)(DMSO/Hepes緩衝液=1:1中);緩
衝系:25mM Hepes、150mM NaCl、pH8.0によって二連
でクロマトグラフィーを行った。この目的のために、各2.5mlを、カラムに
付与した。溶出容積中の画分を合わせ、そしてWGAとの結合のために使用した
【0065】 (活性化プロトロンビン誘導体とWGAとの反応) WGA(企業Vectorより)との結合を、室温で、一晩穏やかに振盪させ
ながら、固体レクチンを活性化プロトロンビンの溶液に添加することにより行っ
た。
【0066】 (混合物1) 1.25mgのWGA 1.8ml活性化プロトロンビン溶液 (混合物2) 1.7mgのWGA 3.7ml活性化プロトロンビン溶液。
【0067】 最後に、5mgのグリシンを各混合物に添加し、そしてそれぞれ0.9%Na
Cl溶液(混合物1)および25mM Hepes、150mM NaCl、p
H7.2(混合物2)中のSephadex G−25カラムでクロマトグラフ
ィーを行った。クロマトグラフィーは、混合物2について、2回カラム実行を行
った。
【0068】 (HPLC分析) 合成の全ての中間産物を、HPLCゲル濾過カラムを用いたHPLC分析にお
いて調べた。 HPLCシステム:Bio−Rad Model 8441 AT(Model1790UV/VISモニターを備えた) カラム:Bio−Rad Bio−Sil SEC125、300×7.8mm (分離範囲:約5,000〜150,000Da) 溶出:PBS緩衝液、pH7.2 流速:0.5ml/分 280nmでのUV吸光度の測定。
【0069】 タンパク質濃度を概算するため、および反応の間のタンパク質サイズの変動を
検出するために、本方法を用いた。
【0070】 (最終産物の特徴付け) 両最終産物についてのHPLC分析は、ゲル濾過カラムの溶出容積中に1つの
みのシグナルを示した。このことは、150,000Da以上の分子量を示唆す
る。WGAおよびプロトロンビンは検出されなかった。
【0071】 12.5%非還元ゲルを用いるSDSゲル電気泳動、および続く銀染は、両サ
ンプルについて以下のバンドを示す: (サンプル1) WGAは検出されず 弱い第II因子バンド(約70,000Da) 別の二重バンド(弱い)(約250,000Da) 最大部分のタンパク質は付与部位に存在する(1×106Daより大きい) (サンプル2) 弱いWGAバンド(約30,000Da)が検出可能 明確な第II因子バンド(約70,000Da)が認識可能 約15,000Daから1×106Daより大きい結合体(非常に強いバンド
)が認識可能。
【0072】 従って、両方の合成混合物を介して、プロトロンビンとWGAとの結合が達成
され得た。ここで、誘導体化の程度は、反応条件の選択および結合パートナーの
活性化の程度によって制御され得た。
【0073】 (フルオレセイン標識プロトロンビン−WGA結合体の細胞接着特性の特徴付
け) 結合体(混合物1)の細胞接着特性の決定を、フローサイトメトリーによって
実施した。ここでは、もっぱら、細胞結合型の蛍光物質が検出される。結合研究
は、コムギレクチンによって引き起こされる考えられるインターナリゼーション
プロセスを排除するために、4℃で実施した。この温度範囲では、全てのエネル
ギー依存転移プロセスは、結腸癌細胞の細胞表面への結合速度のみが検出される
ように、大いに排除される。
【0074】 腸細胞についてのモデルとして、Caco−2単細胞を使用した。その分化パ
ターンは、ヒト腸細胞に対応し、そして、これは、ヒト小腸についてのインビト
ロモデルとして確立されており、そして上述されている。
【0075】 (手順) 50μlのCaco−2細胞懸濁液(1ml当たり6,000,000細胞)
を50μlの結合体溶液(未希釈、1+4希釈)および100μlのPBS緩衝
液(CaおよびMgを含有する)と、4℃で30分間インキュベートした。続い
て、細胞懸濁液を遠心分離し(1000rpm)、そして130μl上清を取り
出し、そしてPBSに替えた。2回洗浄した後、1000μlのPBS(粒子非
含有)を添加し、そしてこれをフローサイトメーターにおいて分析した。
【0076】 PBS中の対応する細胞懸濁液をブランク値として供し、比較として、同様に
調製した、蛍光標識プロトロンビンを有する調製物を使用した。
【0077】 (結果) 細胞懸濁液は、細胞結合蛍光のシグナルを全く示さなかった。蛍光標識第II
因子は、Caco−2細胞に対して極わずかな結合率を示した(未希釈:1.6
2、1+4、希釈2.57、平均細胞結合蛍光強度)が、蛍光標識第II因子お
よびコムギレクチンの結合体は、Caco−2細胞に対して極度に強く結合した
。平均細胞結合蛍光強度はそれぞれ、311(未希釈)および103.4(希釈
1+4)に達した。
【0078】 従って、蛍光標識プロトロンビンは、コムギレクチンに結合された後になって
初めて、Caco−2細胞の表面に結合した(図7を参照のこと)。示された結
果は、選択的薬物標的化によって、血液凝固因子プロトロンビンが標的区画(示
した実験の場合、小腸の上皮についてのモデル細胞)に送達され得ることを示す
。従って、コムギレクチンは、細胞接着特性を付与し、これは、第II因子の可
能な再吸収能にとって必要であるものである。一方では、非特異的エンドサイト
ーシスによって、および他方では、単に細胞外空間と細胞内空間との間の濃度勾
配を局所的に増大することにより、細胞表面への接着を介して、拡散、および従
って経口適用後の再吸収能の増大が可能である。
【0079】 (参考文献)
【0080】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、DOX−WGAからのDOXのインビトロ放出プロフィールを示す。
【図2】 図2は、DOX−WGAの細胞に結合した蛍光強度を示す。
【図3】 図3は、DOX−WGAとともにインキュベートした、Caco−2細胞を示
す。
【図4】 図4は、Caco−2細胞増殖に対するF−WGAおよびWGAの効果を示す
【図5】 図5は、WGA、DOX−WGAおよびDOXの抗増殖作用を示す。
【図6】 図6は、Caco−2細胞増殖に対するWGA、DOX−WGAおよびDOX
の作用を示す。
【図7】 図7は、標識したプロトロンビンおよびプロトロンビン−WGAとともにイン
キュベートした後の、Caco−2細胞の蛍光強度を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ウィルス, ミカエル オーストリア国 アー−1160 ウィーン, フベルガッセ 11 Fターム(参考) 4C076 AA45 BB01 EE59 FF25 4C084 AA02 BA41 DC10 DC50 MA34 MA52 NA14 NA15 ZA531

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬学的調製物であって、該薬学的調製物は経口的に非毒性の
    レクチンを含有し、該レクチンに対して、血液から回収可能なタンパク質、特に
    、血液凝固因子またはその組換え等価物が投与に安定な様式において結合されて
    いる、薬学的調製物。
  2. 【請求項2】 前記レクチンが植物レクチンであることを特徴とする、請求
    項1に記載の薬学的調製物。
  3. 【請求項3】 前記レクチンがWGAであることを特徴とする、請求項1ま
    たは2に記載の薬学的調製物。
  4. 【請求項4】 レクチンと前記タンパク質との間の前記投与に安定な結合が
    、酸に不安定な共有結合であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の薬学的調製物。
  5. 【請求項5】 レクチンと前記タンパク質との間の前記投与に安定な結合が
    、標的区画に特異的なプロテアーゼによって切断されることを特徴とする、請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の薬学的調製物。
  6. 【請求項6】 前記レクチンが改変レクチンであることを特徴とする、請求
    項1〜5のいずれか1項に記載の薬学的調製物。
  7. 【請求項7】 前記レクチンが、前記薬物に対するその標的区画において改
    変されたレクチンであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載
    の薬学的調製物。
  8. 【請求項8】 前記レクチンが、標的区画に対するその結合部位で改変され
    たレクチンであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の薬学
    的調製物。
  9. 【請求項9】 経口投与のために糖剤化されており、そして必要に応じて胃
    液耐性コーティングを有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に
    記載の薬学的調製物。
  10. 【請求項10】 前記レクチンがWGAであり、そして前記タンパク質が、
    前記酸に不安定なシスアコニチル結合を介してWGAに結合されることを特徴と
    する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の薬学的調製物。
  11. 【請求項11】 プロドラッグ処方物として提供されることを特徴とする、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の薬学的調製物。
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