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JP2003225895A - ダイオード型ナノピンセット及びこれを用いたナノマニピュレータ装置 - Google Patents

ダイオード型ナノピンセット及びこれを用いたナノマニピュレータ装置

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Publication number
JP2003225895A
JP2003225895A JP2002023969A JP2002023969A JP2003225895A JP 2003225895 A JP2003225895 A JP 2003225895A JP 2002023969 A JP2002023969 A JP 2002023969A JP 2002023969 A JP2002023969 A JP 2002023969A JP 2003225895 A JP2003225895 A JP 2003225895A
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JP
Japan
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diode
nanotube
type
nanomaterial
voltage
Prior art date
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JP2002023969A
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Yoshikazu Nakayama
喜萬 中山
Akio Harada
昭雄 原田
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Daiken Kagaku Kogyo KK
Original Assignee
Daiken Kagaku Kogyo KK
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Publication date
Application filed by Daiken Kagaku Kogyo KK filed Critical Daiken Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナノ物質を把持する握力を検出制御できるナ
ノピンセットを開発し、同時にこのナノピンセットを使
用したナノマニピュレータ装置を開発する。 【解決手段】 本発明に係るダイオード型ナノピンセッ
ト1は、少なくとも第1アームと第2アームを静電気的
に開閉自在にしてナノ物質を把持する構造を有し、第1
アームは基端部8bをホルダー6に固定して先端部8a
を突出させたゲート用ナノチューブ8で形成され、第2
アームは2本のナノチューブ基端部9b・10bをホル
ダー6に固定し先端部にダイオード特性部DPを形成し
たナノチューブダイオードNDで構成される。基端部間
に印加されたダイオード電圧VDと流れるダイオード電
流IDは、バリスタ性や整流性などの非線形ダイオード
特性を示し、ゲート用ナノチューブ8とナノチューブダ
イオードND間にゲート電圧VGを印加したとき、ゲー
ト電圧VG又はダイオード電流IDの変化でアーム間隔S
を制御して、アーム間に把持するナノ物質に対する握力
を検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はナノサイズの物質
(以後、ナノ物質という)を把持したり放出したりでき
るナノピンセットに関し、更に詳細には、ナノ物質を把
持するナノチューブからなる少なくとも二つのアーム間
の離間距離を電圧又は電流として検出してナノ物質の把
持・放出の最適制御を可能にし、またこのナノピンセッ
トを利用してナノ物質を搬送制御してナノサイズ部品、
ナノ分子デバイス等のナノ構造物を組み立てることがで
きるダイオード型ナノピンセット及びこれを用いたナノ
マニピュレータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の技術開発はますます極小領域を指
向している。例えば、光・電子情報関連の新素材やナノ
サイズ部品の創製、細胞やタンパク質の集積による新し
いバイオ関連機能物質の創製のように、ナノ領域におけ
る革新的な製造技術の開発が要望されている。
【0003】このようなナノ構造物を構築するには、ナ
ノ物質を把持したりそれを放出したりできるナノピンセ
ットの開発が必要になり、更にナノ物質を把持・移動・
放出させるためにナノマニピュレータ装置の開発が要請
される。
【0004】まず、ナノピンセットの第1原型は、Phil
ip KimとCharles M. Lieber により1999年12月1
0日に発行されたサイエンス誌上に発表された。このナ
ノピンセットは、ガラスチューブを先端直径が100n
mになるまで引張って延伸させ、この先端にカーボンナ
ノチューブを固定して構成されている。このナノピンセ
ットは、二つのカーボンナノチューブに直流電圧を印加
してカーボンナノチューブの先端に正負の静電気を発生
させ、この静電引力によってカーボンナノチューブの先
端を開閉させる方式を採用している。
【0005】しかし、このナノピンセットの基体は延伸
加工して先端を先鋭にしたガラスチューブであるから極
めて脆く、しかもカーボンナノチューブをその先端に強
固に固定する技術が確立されていなかったために、カー
ボンナノチューブがガラスチューブから脱落する危険性
があった。また、ガラスチューブを自在に搬送制御する
技術も確立されていなかったので、ナノピンセットとし
ての利用が制限されていた。
【0006】これらの欠点を改善するために、本発明者
等は原子間力顕微鏡(AFM)に用いられるカンチレバ
ーとそのカンチレバーの駆動制御装置に着目した。そし
て、特開2001−252900により、AFM用のカ
ンチレバーの突出部に2本のカーボンナノチューブを強
固に固定する技術を開発し、このカーボンナノチューブ
に静電圧を印加して静電引力によりカーボンナノチュー
ブの先端間を開閉できるナノピンセットを開発した。同
時に、カンチレバーの駆動制御装置を用いてナノピンセ
ットをナノスケールで自在に搬送制御できるナノマニピ
ュレータ装置を開発したのである。
【0007】更に、本発明者等は、特願2000−40
4006により、前記カンチレバーの突出部に3本以上
のカーボンナノチューブを固定し、3本以上のカーボン
ナノチューブの先端間を静電引力により開閉することに
よって、球状ナノ物質や棒状ナノ物質のような異形のナ
ノ物質でも確実に把持・搬送できるナノピンセットを開
発することに成功した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ナノピンセットはナノ
物質を自在に操作できるナノロボットとも呼ぶことがで
きる。人間と同程度の大きさを有するマクロのロボット
で考えると、例えばコップを把持する場合において、単
にコップを把持できるだけでなく、コップを割らない程
度に制御された握力でコップを把持することが必要とさ
れる。この握力制御の要請は当然にナノロボットにおい
ても要請される。
【0009】ナノピンセットでナノ物質を搬送制御する
ためには、まずナノピンセットによりナノ物質を把持し
たかどうかを検出し、次にどの程度の握力でナノ物質を
把持しているかを検出することが必要となる。その理由
は、握力が過剰に大きくなると、ナノ物質が構造的に変
形する可能性があるからである。このような握力の制御
技術は従来の技術では未だに開発されていない。
【0010】従って、本発明は、ナノ物質を把持する際
に、把持したかどうかを検出でき、またナノ物質を把持
する握力を検出することができるナノピンセットを開発
し、同時にこのナノピンセットを使用してナノ物質を操
作できるナノマニピュレータ装置を開発することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、ホルダー
から突出状に形成された少なくとも第1アームと第2ア
ームを静電気により開閉自在にしてナノ物質を把持する
ナノピンセットにおいて、前記第1アームは基端部をホ
ルダーに固定して先端部を突出させたゲート用ナノチュ
ーブで形成され、前記第2アームは2本の基端部をホル
ダーに固定し先端部にダイオード特性部を形成したナノ
チューブダイオードで構成されることを特徴とするダイ
オード型ナノピンセットである。ゲート用ナノチューブ
とナノチューブダイオードの間の静電引力とダイオード
特性との相互作用を利用して、ナノ物質を把持したかど
うかを検出し、またナノ物質を把持する握力の大きさを
検出できる静電ナノピンセットを実現するものである。
【0012】第2の発明は、ナノチューブダイオード
が、1本のナノチューブを2本に折り畳んで構成され、
その両端が基端部として前記ホルダーに固定され、先端
折畳部はダイオード特性を発現するダイオード特性部と
なるダイオード型ナノピンセットである。1本のナノチ
ューブを折り畳むだけでダイオード特性を発現できる極
めて独創的なナノチューブダイオードの構成を提供した
ものである。
【0013】第3の発明は、ナノチューブダイオード
が、2本のナノチューブの基端部がホルダーに固定さ
れ、2本のナノチューブの先端部は相互に接触してその
接触部がダイオード特性を発現するダイオード特性部と
なるダイオード型ナノピンセットである。2本のナノチ
ューブの先端を軽く接触させるだけで、その接触部がダ
イオード特性を発現するという新規な知見に基づいてな
された発明であり、ダイオード特性の発現様式の多様性
を示すものである。
【0014】第4の発明は、ナノチューブダイオード
が、2本のナノチューブの基端部がホルダーに固定さ
れ、2本のナノチューブの先端部間に独立した中間ナノ
チューブを相互に接触させて介装し、この接触部がダイ
オード特性を発現するダイオード特性部となるダイオー
ド型ナノピンセットである。2本のナノチューブの先端
間に中間ナノチューブを接触介在させるだけでダイオー
ド特性の強化を実現したものであり、ナノ物質の把持と
握力の計測を簡単に行えるダイオード型ナノピンセット
を提供できる。
【0015】第5の発明は、ナノチューブダイオード
が、2本のナノチューブの基端部がホルダーに固定さ
れ、2本のナノチューブの先端部間には独立した中間ナ
ノチューブがカーボン堆積物の充填により相互に電気的
に絶縁状態になるように介装され、この電気絶縁部がダ
イオード特性を発現するダイオード特性部となるダイオ
ード型ナノピンセットである。カーボン堆積物により2
本のナノチューブの先端と中間ナノチューブを相互に絶
縁状態に保持すると、ダイオード特性の更なる強化が実
現でき、ナノ物質の把持と握力の計測を確実にして、ナ
ノピンセットの操作性や制御性の高度化を図ることがで
きる。
【0016】第6の発明は、ゲート用ナノチューブとナ
ノチューブダイオード間に静電引力用のゲート電圧を印
加し、このゲート電圧を制御してナノ物質を握力状態で
把持するときに、このゲート電圧を通してナノ物質に対
する握力を検出するダイオード型ナノピンセットであ
る。ゲート電圧の測定により握力計測を可能にしたもの
で、ナノ物質を脱落寸前状態で把持する限界ゲート電圧
と比較すれば、そのゲート電圧の超過分により握力を正
確に検出でき、ダイオード電流との組み合わせにより更
に正確な握力制御を実現する事ができる。
【0017】第7の発明は、ナノチューブダイオードの
基端部間にダイオード電圧を印加しながらゲート用ナノ
チューブとナノチューブダイオード間に静電引力用のゲ
ート電圧を印加してナノチューブダイオードに流れるダ
イオード電流を制御し、このダイオード電流を通して両
アームによるナノ物質を把持する握力を検出するダイオ
ード型ナノピンセットである。ナノ物質を把持した瞬間
にダイオード電流が急上昇する現象や、ナノ物質を把持
する前後でダイオード電流の増加直線が折れ曲る現象を
用いることにより、ダイオード電流の計測を通してナノ
物質の把持や握力の自在制御を実現したものである。
【0018】第8の発明は、ダイオード型ナノピンセッ
トと、このダイオード型ナノピンセットに印加するゲー
ト電圧とダイオード電圧とダイオード電流を可変制御す
るピンセット制御回路と、ダイオード型ナノピンセット
をXYZ方向に搬送制御する搬送制御回路から構成され
るナノマニピュレータ装置である。ナノ物質に対する握
力制御が可能なダイオード型ナノピンセットを制御回路
と組み合わせてナノロボット機能を有したナノマニピュ
レータ装置を具現したものであり、このナノロボットを
活用することにより自在にナノ構造物の構築を可能にす
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るダイオード
型ナノピンセット及びこれを用いたナノマニピュレータ
装置の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
【0020】図1は本発明に係るダイオード型ナノピン
セットの実施形態の斜視図である。このダイオード型ナ
ノピンセット1はホルダーの先端にナノチューブからな
る二つのアームを取り付けて構成される。この実施形態
では、ホルダーの一例としてAFM用のカンチレバー2
の突出部6が利用されているが、その他の構造でも構わ
ない。ここでAFMとは原子間力顕微鏡(Atomic Force
Microscope)の略称である。
【0021】カンチレバー2は、カンチレバー部4とそ
の先端に突設された突出部6から構成されている。この
突出部6の形状には種々あるが、ここでは先端面6a、
側面6b・6c、後端面6d及び突出端6eからその外
形が形成されている。カンチレバー部4と先端面6aに
はリード電極12が形成され、カンチレバー部4の両側
面から側面6b・6cにはリード電極13・14が形成
されている。
【0022】突出部6には、ダイオード型ナノピンセッ
ト1の第1アームとなるゲート用ナノチューブ8と、第
2アームとなるナノチューブダイオードNDが下方に突
設されている。まず、カーボンナノチューブであるゲー
ト用ナノチューブ8の基端部8bは前記リード電極12
に導通するように先端面6aに接触して配置され、コー
ティング膜16で固定されている。
【0023】この実施形態では、ナノチューブダイオー
ドNDは一本のカーボンナノチューブを折り畳んで形成
され、Aタイプのナノチューブダイオードと呼ぶ。ダイ
オード用ナノチューブ9・10はこの折畳によって形成
された両足で、その基端部9b・10bはリード電極1
3・14に導通するように側面6b・6cに接触して配
置され、コーティング膜17・18により固定されてい
る。
【0024】前述のように、カーボンナノチューブは真
中で折り畳まれ、その先端折畳部は下方に突出するよう
に配置される。この先端折畳部では通常のカーボンナノ
チューブの性質が変性して電気的な絶縁性が高まる傾向
があり、この先端折畳部がダイオード特性を発現するダ
イオード特性部DPとなる。このダイオード特性部DP
では、ダイオード電圧VDを印加したときにダイオード
電流IDが流れ、このI D−VD特性が電子素子のダイオ
ードと類似した構造を示す。詳細は図5で説明される。
【0025】第1アームとなるゲート用ナノチューブ8
と第2アームとなるナノチューブダイオードNDがナノ
ピンセットの操作部を構成し、先端8cとダイオード特
性部DPの間隔がアーム間隔Sとなり、このアーム間隔
Sを拡大・縮小することによりナノ物質の把持・放出を
行なう。
【0026】ダイオード型ナノピンセット1の後方には
ナノピンセット制御回路26が形成されている。このナ
ノピンセット制御回路26はゲート電源EG、ダイオー
ド電源ED、ゲートスイッチSG、ダイオードスイッチ
SD、ダイオード電流計DAから構成されている。この
回路は接点12a・13a・14aを介してリード電極
12・13・14に接続されている。
【0027】図2は、図1に示されるダイオード型ナノ
ピンセットの回路構成図である。ダイオードスイッチS
Dを閉鎖するとナノチューブダイオードNDにダイオー
ド電圧VDが印加され、ダイオード電流IDが矢印のよう
に流れる。このとき、ダイオード用ナノチューブ10が
アースとなり、ダイオード用ナノチューブ9の電位がV
Dに設定される。
【0028】また、ゲートスイッチSGを閉鎖すると、
ゲート電源EGにより点PEの電位がアースになり、ゲ
ート用ナノチューブ8の電位がゲート電圧VGに設定さ
れる。このゲート電圧VGによりゲート用ナノチューブ
8の先端部8aには正電荷(+)が、同時にダイオード
特性部DP近傍には負電荷(−)が静電誘導される。
【0029】点PEがアースとなっているから、ダイオ
ード用ナノチューブ10の電位はゼロ、ダイオード用ナ
ノチューブ9の電位はVD、ゲート用ナノチューブ8の
電位はVG−VDなる。従って、ナノチューブ間の電位差
は、ナノチューブ9・10間ではVD、ナノチューブ8
・10間ではVG、ナノチューブ8・9間ではVG−VD
となる。
【0030】ダイオード特性部DPには矢印方向にダイ
オード電流IDを流しながら、同時にダイオード特性部
DPに負電荷を静電誘導させる必要があるから、ゲート
電圧VGはダイオード電圧VDより大きく設定される必要
がある。即ち、VG>VDが必要な条件となる。
【0031】詳しく述べると、ゲート電圧VGにより静
電誘導された正電荷と負電荷の静電引力によりアーム間
隔Sは開閉調整され、この開閉調整はダイオード電圧V
Dにより影響されないことが好ましい。この条件を満足
させるためには、ゲート電圧VGがダイオード電圧VD
り十分大きいことが要請され、VG≫VDが満足される事
が望ましい。
【0032】前述したように、ダイオード特性部DPで
はその電流電圧関係ID−VDにダイオード特性が成立し
ている。図5に示されるように、その関係はダイオード
電圧VDを増加させてゆくと、ダイオード電流IDが急激
に増加する非線形曲線を示す。この関係は電気抵抗が変
化する意味からバリスタ特性といってもよい。また、ダ
イオード電圧VDがある臨界値VDCに達すると電流がゼ
ロから急に流れ出す場合には、整流特性と呼んでも構わ
ない。本発明ではこれらの非線形特性を纏めてダイオー
ド特性と呼んでいる。
【0033】ゲート電圧VGを印加すると、ゲート用ナ
ノチューブ8の先端8cがダイオード特性部DPに接近
するから、ダイオード特性部DPに作用する電界が変化
し、ダイオード電流IDも変化する。言い換えると、ゲ
ート電圧VGを変化すると、I D−VD特性が変化するこ
とが分かる。つまり、ゲート電圧VGが決まれば、ID
D特性も一意的に決まる。
【0034】このダイオード電流IDがゲート電圧VG
変化することは、量子論的にはクーロンブロッケードで
説明できる。ゲート電圧VGを増加すると、ダイオード
特性部DPに電子が静電的に誘導され、それはダイオー
ド電流IDが増加することを意味する。電子を1個誘導
するにはそれだけのエネルギーが必要であるから、ゲー
ト電圧のステップ的な増加の度に電子が一個ずつ量子的
に誘導されることになる。従って、1ステップに満たな
い電圧増加では電子は誘導されないから、その意味でク
ーロンブロッケードが成立している。
【0035】図3はダイオード電圧VDの非印加時にお
けるゲート電圧VGとアーム間隔Sの関係曲線図であ
る。この関係曲線はダイオード型ピンセットの具体的構
成ごとに変化するから、一般的傾向を示すものとして説
明する。
【0036】このダイオード型ナノピンセット1では、
ゲート用ナノチューブ8の断面直径DNは15nmであ
り、ゲート用ナノチューブ8とナノチューブダイオード
NDの突出部6からの長さLは2.5μmである。VG
=0Vのときにアーム間隔Sは最大になり、その最大間
隔SM=0.82μmである。
【0037】ゲート電圧VGを増加してゆくと、静電引
力により主としてゲート用ナノチューブ8がナノチュー
ブダイオードNDに対し接近するように傾斜してゆく。
1本のカーボンナノチューブから構成されるゲート用ナ
ノチューブ8の方が1本を二つに折り畳んだナノチュー
ブダイオードNDより撓み易いことは容易に理解でき
る。
【0038】VG=0V、2V、4V、5Vのように、
Gを増加するに従って、アーム間隔Sは次第に小さく
なってゆく。例えば、VG=0VでSM=0.82μmで
あったものが、VG=4VではS=0.65μmと小さ
くなる。しかし、限界ゲート電圧VGL=5.6Vに達し
た瞬間に、ゲート用ナノチューブ8の先端8cはダイオ
ード特性部DPに接触してしまう。
【0039】中間領域では静電引力とカーボンナノチュ
ーブの撓み弾性力とは適切にバランスしているが、VGL
=5.6Vになると静電引力と撓み弾性力とのバランス
が突然崩れ、静電引力がちょっとでも大きくなる瞬間に
ゲート用ナノチューブ8の先端8cがダイオード特性部
DPに吸引されてしまうのである。つまり、限界ゲート
電圧VGL=5.6Vのとき限界アーム間隔SL=0.3
8μmであり、5.6V以上のゲート電圧VGではアー
ム間隔S=0となる。
【0040】図4はゲート電圧を利用してナノ物質に対
する握力を検出しながらダイオード型ナノピンセットを
制御する簡易フロー図である。このフローの考え方は、
ダイオード型ナノピンセットによりナノ物質をAFM操
作してそのサイズdを計測し、そのサイズに応じてナノ
ピンセットを制御するものである。
【0041】図3の数値を用いて説明すると、ナノ物質
のサイズdが最大間隔SM=0.82μmを超える場合
には把持不能と判断し、0.82μm(SM)≧d≧
0.38μm(SL)の場合にはそのサイズdに等しい
アーム間隔Sを与えるゲート電圧VGdを図3の曲線から
算出する。ゲート電圧VGを印加しないでナノ物質を把
持した後、VGをVGdまで増加すると、握力がゼロの状
態で把持したことになる。VGをVGdより大きくする
と、アーム間隔は狭まらないが、電圧差VG−VGdに相
当する握力で把持されたことになる。従って、握力Fg
をVG−VGdの関数として検出する。
【0042】更に、d<0.38μm(SL)の場合に
は、ゲート電圧VGを限界電圧VGLに設定し、ゲート用
ナノチューブ8が自発的に閉じてナノ物質を把持する。
もしナノ物質が無ければアームは相互に完全に閉じるこ
とになるが、この簡易フローではそのような事態は考慮
しない事にする。握力を増大させるために、ゲート電圧
Gを限界ゲート電圧VGLより大きくすると、ナノ物質
が存在するためにアーム間隔Sはdより狭まらないが、
握力は増加する。この簡易フローでは、この握力Fg
電圧差VG−VGLの関数として検出する。
【0043】次に、上述で数値的に説明した流れを簡易
フローを用いて説明をする。ステップm1によりこのダ
イオード型ナノピンセットの最大間隔SM、限界間隔
L、限界ゲート電圧VGLを初期設定する。次に、この
ナノピンセットのゲート用ナノチューブ8の先端8cを
探針としてAFM操作し、試料上のナノ物質のサイズd
を測定(m2)する。
【0044】図3の曲線データから、このサイズdに相
当する対応電圧VGdを算出(m3)する。例えば、d=
0.65μm(=650nm)ではVGd=4Vとなる。
このサイズdが最大間隔SMより大きい場合(m4)に
は、このダイオード型ナノピンセットでは把持すること
ができないから操作不能と判断(m5)し、m2に戻っ
て次のナノ物質のサイズ測定を行なう。
【0045】サイズdが最大間隔SM以下であるが限界
間隔SL以上の場合(m6)には、V G=0Vの状態でナ
ノ物質を把持した後、VGを対応電圧VGd以上に設定
(m7)してナノ物質を握力付加状態で把持する。この
握力Fgはゲート電圧の超過量VG−VGdの関数として計
測(m9)される。ゲート電圧VGを可変することによ
って握力を調整できる。
【0046】サイズdが限界間隔SLより小さい場合に
は、ゲート電圧VGを限界電圧VGL以上に設定(m8)
しなければナノ物質を把持できない。このときゲート用
ナノチューブ8は自発的且つ瞬間的にナノ物質のサイズ
dにまで閉じ、その握力Fgは電圧差VG−VGLによって
検出(m10)できる。このように、ナノ物質をある大
きさの握力で把持すると、ナノ物質がダイオード型ナノ
ピンセットから脱落することはない。
【0047】ダイオード型ナノピンセットによってナノ
物質を把持すると、後は通常のナノマニピュレーション
(m11)に移行する。即ち、ナノ物質を把持したま
ま、ナノピンセットを上昇させ、所定の目的位置まで搬
送する。その後、ナノピンセットを下降し、ゲート電圧
Gをゼロにしてアームを完全に開放し、ナノ物質を試
料上に放出する。この操作を繰り返すことによって、原
料位置からナノ物質を選択し、目的位置にナノ物質を配
置して目的とするナノ構造物を設計図に従って構築する
ことができる。
【0048】次に、ナノピンセットがナノ物質を把持し
た瞬間を自動計測したり、ナノ物質に対する握力を自動
計測するために、ダイオード電流の活用を検討する。こ
のダイオード電流の活用は、前述したゲート電圧の計測
を併用することによって、その操作性と制御性を向上す
ることができる。
【0049】図5はゲート電圧に対するダイオード電流
とダイオード電圧の関係を示したダイオード特性図であ
る。この特性曲線もダイオード型ピンセットの具体的構
成ごとに変化するから、一般的傾向を示すものとして説
明する。
【0050】ゲート電圧VGがゼロのとき、ナノチュー
ブから構成されるアームには全く静電気は誘導されな
い。このVG=0におけるダイオード電流IDとダイオー
ド電圧VDの関係は実線で描かれている。0≦VD≦0.
8の範囲ではIDはゼロであり、VD=0.8Vからダイ
オード電流が流れ出し、つまりVD≧0.8でID≧0と
なっている。VDが負の領域においては原点に関して対
称となっている。このような非線形関係は一般に整流特
性と云われるが、本発明ではダイオード特性と呼んでい
る。
【0051】ゲート電圧VGが印加されると、ゲート用
ナノチューブ8の先端部8aには正電荷が誘導され、ダ
イオード特性部DPには負電荷が誘導される。負電荷の
誘導はダイオード電流IDの増加を意味する。例えば、
G=+2Vを印加するとIDが増加するため、ID−VD
特性は鎖線で示すように実線より上方に移動する。VG
=+4Vの場合には長破線の関係となり、更にVG=+
5Vの場合には短破線の関係が成立する。
【0052】この特性において、ダイオード電圧VD
一定に保持した状態で、ゲート電圧VGを増加させたと
きのダイオード電流IDの変化を見てみよう。VD=1.
1Vでは、VG=0V→2V→4Vの変化で、ダイオー
ド電流IDはP0→P2→P4と増加してゆく。ゲート電圧
Gを印加しない点P0においてさえ、ID=0.05n
Aのダイオード電流が流れている。つまり、VD=1.
1VではIDのスイッチング的変化は生じない。
【0053】他方、VD=0.5Vの場合では、VG=0
V→2V→4V→5Vの変化で、ダイオード電流ID
0(P2)→P4→P5と増加してゆく。点P0と点P2
おけるダイオード電流IDはゼロである。つまり、VG
0V、2VではIDは流れず、VG=4V、5Vになって
Dは流れることが分る。即ち、VD=0.5Vでは、V
G<2Vでは電流が流れず、それ以上で電流が流れると
いうスイッチング特性が利用できる。
【0054】以上はダイオード電流の第1利用方法を示
し、ダイオード電流IDが急に流れ出すスイッチング作
用を利用してナノ物質を把持したことを検出し、後はダ
イオード電流IDの大きさからナノ物質に対するピンセ
ットの握力を検出することが可能となる。
【0055】例えば、ナノピンセットによりナノ物質を
AFM操作して、そのサイズd=0.65μm(=65
0nm)であったとする。図3に示されるS−VG特性
から、対応ゲート電圧VGd=4Vであることが算出され
る。つまり、ゲート電圧VGとして4Vを印加すれば握
力がゼロの状態で把持できることを意味する。
【0056】次に、図5に示されるID−VD特性から、
G=4VでIDがゼロから流れ出すVDを算出する。つ
まり、VG<4VではIDはほとんどゼロで、VG=4V
でIDが急に流れ出す臨界条件を満たすVDを算出する。
このVDを臨界ダイオード電圧と名づけると、図5から
D=0.5Vが算出される。
【0057】従って、d=0.65μmのナノ物質に対
しては、ダイオード電圧VD=0.5Vに固定した状態
で、ゲート電圧VGを増加させ、後はダイオード電流ID
を計測する。IDが急に流れ出したときにダイオード型
ナノピンセットがナノ物質を把持したことを示し、更に
ゲート電圧VGを増加させるとIDが増加し、このID
関数として握力の大きさが導出される。に相当してい
る。このIDの大きさは電圧差VG−VGdに相当してお
り、この電圧差VG−VGdから握力を検出してもよい
が、ダイオード電流IDから検出することもできるので
ある。
【0058】同じサイズのナノ物質を操作する場合に
は、そのサイズdは同一であるから、臨界ダイオード電
圧も同一になり、同一条件のままダイオード電流ID
けを検出して握力の検出が可能となる。
【0059】図6及び図7はダイオード電流を用いた他
の握力計測方法を示している。両図において、ナノチュ
ーブダイオードNDには所定のダイオード電圧VGが印
加されており、その結果ダイオード電流IDが流れると
考える。
【0060】図6は限界間隔SLより大きなナノ物質を
把持する場合のダイオード電流とゲート電圧の関係曲線
図である。ゲート電圧VGをゼロから次第に増加する
と、ゲート用ナノチューブ8がナノチューブダイオード
NDに接近するから、ダイオード電流IDは次第に増加
する。
【0061】対応ゲート電圧VGdに達すると、ゲート用
ナノチューブ8はナノ物質に当接するから、ゲート用ナ
ノチューブ8がそれ以上接近する事はない。しかし、そ
の状態で更にゲート電圧VGを増加してゆくと静電誘導
は強くなるため、ダイオード電流IDも増加する。但
し、ゲート用ナノチューブ8の接近が無いから、増加勾
配は小さい。従って、対応ゲート電圧VGdの左右でダイ
オード電流IDに折れ曲りが生じる。
【0062】従って、ダイオード電流IDの折れ曲りに
よりナノ物質を把持したことを計測できる。更に、対応
ゲート電圧VGdよりゲート電圧をΔVGだけ増加させる
と、ナノ物質に対し握力が生じ、この握力Fgは電流差
D−IDd又は超過ゲート電圧ΔVGdの関数として検出
する事ができる。
【0063】図7は限界間隔SLより小さなナノ物質を
把持する場合のダイオード電流とゲート電圧の関係曲線
図である。勿論、ナノチューブダイオードNDには所定
のダイオード電圧VGが印加されているから、その結果
ダイオード電流IDが流れている。
【0064】ゲート電圧VGヲ次第に増加させてゆくと、
ダイオード電流IDも増加してゆく。この関係は、図5
におけるVD=1.1VのP0→P2→P4に対応してい
る。従って、図7においてもダイオード電流IDはP0
2→P4の如く増加してゆくと考えられる。
【0065】今、ナノ物質のサイズdは限界間隔SL
り小さいから、ゲート電圧VGが限界ゲート電圧VGL
達すると、その瞬間にゲート用ナノチューブ8は閉じて
ナノ物質を把持し、アーム間隔Sはサイズdに等しくな
る。
【0066】限界ゲート電圧VGLを印加した状態で、ゲ
ート用ナノチューブ8は瞬間的に閉じるから、静電誘導
の急上昇によりダイオード電圧IDも急上昇し、増加分
ΔIDの急上昇が検出される。従って、ダイオード電流
Dの増加分ΔIDを計測することによりナノ物質の把持
が検出される事になる。把持力である握力FgはΔID
の関数、即ちf(ΔID)で導出できる。
【0067】もし、ナノ物質を把持できなかった場合に
は、ゲート用ナノチューブ8はナノチューブダイオード
NDと接触して短絡するから、ダイオード電流IDの増
加は更に大きな短絡増加分ΔIDMにまで達する。従っ
て、電流増加分ΔIDがΔIDMに達しない程度の増加量
()である場合にはナノ物質を把持したと判断でき、ま
たΔIDがΔIDMの大きさにまで急上昇した場合にはナ
ノ物質を把持できずに短絡したと判断できる。
【0068】図8はダイオード電流を利用してナノ物質
に対する握力を検出しながらダイオード型ナノピンセッ
トを制御する簡易フロー図である。このフローの考え方
は、ダイオード型ナノピンセットによりナノ物質をAF
M操作してそのサイズdを計測し、そのサイズに応じて
ナノピンセットを制御するものである。
【0069】ステップn1において、ダイオード型ナノ
ピンセットの特性値である最大間隔SMを初期設定す
る。次に、ゲート用ナノチューブ8を探針として使用
し、ナノ物質をAFM操作してそのサイズdを検出(n
2)する。
【0070】ナノ物質のサイズdがアームの最大間隔S
Mより大きければ(n3)、このナノピンセットではそ
のナノ物質を把持することはできず、操作不能(n4)
となる。この場合には、そのナノ物質の操作を諦め、再
びステップn2に戻って新しいナノ物質のサイズ測定に
入る。
【0071】サイズdがd≦SMを満足していれば、サ
イズdとナノピンセットの限界間隔SLとの比較(n
5)を行なう。サイズdが限界間隔SLより小さい場合
には、所定のダイオード電圧VDを印加(n6)する。
この状態でゲート電圧VGを印加して増加(n7)させ
てゆき、ダイオード電流IDが急上昇するかどうかをチ
ェック(n8)する。
【0072】ダイオード電流IDが急上昇しなければ、
更にゲート電圧VGを増加させてダイオード電流IDの急
上昇をチェックし、IDの急上昇を検出するまでこの操
作を反復する。IDの急上昇を検出すると、ダイオード
電流IDの増加分ΔIDを測定(n9)する。
【0073】ダイオード電流の増加分ΔIDが短絡増加
分ΔIDMより小さい場合(n10)には、ナノピンセッ
トがナノ物質を把持したことを意味する。従って、ナノ
物質に対する握力FgをFg=f(ΔID)により計算
(n11)して、そのナノ物質を所定の目的場所まで移
動(n12)させる。もし、ΔIDがΔIDM以上の場合
にはナノピンセットがナノ物質を把持せずに短絡した事
を意味するので、元に戻って別のナノ物質のサイズ測定
(n2)に入る。
【0074】ナノ物質のサイズが限界間隔SL以上の場
合(n5)には、所定のダイオード電圧VDを印加(n
13)する。この状態で、ゲート電圧VGを増加(n1
4)させながらダイオード電流IDを測定(n15)す
る。そして、ダイオード電流IDに折れ曲りが生じたか
どうかを判断(n16)し、折れ曲りが無い場合には再
びステップn14に戻って上記のフローを繰り返す。
【0075】もし、ダイオード電流IDに折れ曲りが確
認された場合には、ナノピンセットがナノ物質を把持し
たことを意味する。このときのダイオード電流を対応ダ
イオード電流IDdと呼んで内部設定(n17)を行な
う。対応ダイオード電流IDdでは、ナノ物質は脱落寸前
の状態で把持されている。
【0076】更に、ゲート電圧VGを増加すると、ゲー
ト用ナノチューブ8はナノ物質を把持しているから、そ
れ以上には閉じない。しかし、ダイオード電流IDは増
加するから、ID−IDdに依存した握力Fgでナノ物質
を把持する事になる。この握力FgはFg=f(ID
Dd)の形式で関数計算(n18)される。その後、こ
のナノ物質を目的場所まで移動(n12)させ、ステッ
プn2に戻って新たなナノ物質に対し上記操作を繰り返
す。
【0077】図9はBタイプのナノチューブダイオード
を組み込んだダイオード型ナノピンセットの要部斜視図
である。ダイオード型ナノピンセット1の突出部6の一
方側には、第1アームとなるゲート用ナノチューブ8が
突設されている。突出部6の他方側には第2アームとな
るナノチューブダイオードNDが突設されている。
【0078】このナノチューブダイオードNDは2本の
ダイオード用ナノチューブ9、10から構成されてい
る。ダイオード用ナノチューブ9、10の基端部9b、
10bは突出部6の側面にコーティング膜により固定さ
れ、先端9c、10cは相互に接触させている。この接
触状態は周囲を堆積物CFで囲繞することにより固定さ
れている。この接触部がダイオード特性部DPとなって
いる。
【0079】このナノチューブダイオードNDのダイオ
ード特性部DPに関して、ダイオード電流IDとダイオ
ード電圧VDの関係を測定すると、図12の実線で表さ
れる非線形関係を示した。ナノチューブを単に接触させ
るだけでもこのような非線形特性を出現させることがで
きる。非線形関係は原点に関して中心対称性があり、非
線形性からバリスタ特性を有していることが分る。本発
明のダイオード特性はこのようなバリスタ特性も包含し
た概念である。
【0080】図10はCタイプのナノチューブダイオー
ドを組み込んだダイオード型ナノピンセットの要部斜視
図である。Bタイプと同様に、ダイオード型ナノピンセ
ット1の突出部6の一方側には、第1アームとなるゲー
ト用ナノチューブ8が突設されている。突出部6の他方
側には第2アームとなるナノチューブダイオードNDが
突設されている。
【0081】ナノチューブダイオードNDは2本のダイ
オード用ナノチューブ9、10から構成され、その基端
部9b、10bは突出部6の側面にコーティング膜によ
り固定されている。その先端9c、10cの間には独立
した短い中間ナノチューブ7が介装され、二つの接点を
有して相互に接触した状態にある。この接触状態は周囲
を堆積物CFで囲繞することにより固定されている。こ
の2接点を有した接触部が本発明のダイオード特性部D
Pを構成する。中間ナノチューブ7の先端7cを突出さ
せておくと、この先端7cが第2アームの先端になった
り、AFM探針として利用できるので都合がよい。
【0082】このダイオード特性部DPに関して、ダイ
オード電流IDとダイオード電圧VDの関係を測定する
と、図12の長破線で表される非線形関係を示すことが
分かった。二つの接点を有することから非線形性が強く
なっていることが分かる。ダイオード電圧VDのマイナ
ス側の測定が十分ではないが、原点に関してほぼ中心対
称をなすことが推定される。強い非線形性から電気抵抗
も非線形に変化し、強いバリスタ特性を有していること
も分る。
【0083】図11はDタイプのナノチューブダイオー
ドを組み込んだダイオード型ナノピンセットの要部斜視
図である。このDタイプは前述したCタイプとほとんど
同様の構成を有し、異なる点は、二つの接点の代わりに
二つの非接触部NCがあることである。つまり、ダイオ
ード用ナノチューブ9、10の先端9c、10cと中間
ナノチューブ7とは接近しているものの相互に非接触で
あるように保持されている。
【0084】つまり、Dタイプでは2接点の代わりに2
非接触部NCがある。この非接触部NCは、絶縁性の堆
積物CFを周囲だけでなくその非接触部にも充填するこ
とによって形成されている。堆積物CFとしては、Bタ
イプ・Cタイプ・Dタイプに共通してカーボン堆積物が
簡易に利用される。所要部位に電子ビームを照射する
と、電子顕微鏡内に存在する有機物質が電子ビームによ
り分解されて照射部位に堆積してゆくことを利用する。
【0085】Dタイプでは、この二つの非接触部NCの
領域がダイオード特性部DPを構成する。このダイオー
ド特性部DPに関して、ダイオード電流IDとダイオー
ド電圧VDの関係を測定すると、図12の短破線で表さ
れる非線形関係を示すことが分かった。二つの非接触部
NCを有することから更に非線形性が強くなり、±1.
9Vの臨界電圧を有していることが分かった。この特性
は一番明瞭なダイオード特性である。
【0086】臨界特性とは、ダイオード電圧VDが臨界
電圧以上になるとダイオード電流IDが急激に大きくな
る特性であり、スイッチング特性又は整流特性と言って
もよいう。従って、臨界電圧の左右ではダイオード電流
Dがオン・オフに変化し、また出力側に負荷抵抗を接
続すると臨界電圧以下は遮断されるので、整流作用を有
する。Dタイプではこのように明瞭な半導体特性が発現
する。
【0087】図12は、図9・10・11に示される3
種類のナノチューブダイオード(B、C、D)のID
D特性図である。実線がBタイプのダイオード特性、
長破線がCタイプのダイオード特性、短破線がDタイプ
のダイオード特性を示す。
【0088】本発明では、ナノチューブダイオードの実
施形態としてAタイプ、Bタイプ、Cタイプ及びDタイ
プの4種類が例示されているが、ダイオード特性はこれ
らの形態に限定されるものではない。ダイオード電流I
Dとダイオード電圧VDの関係が非線形なダイオード特性
を発現するナノチューブの組み合わせは全て本発明のナ
ノチューブダイオードに包含される。
【0089】図13は本発明に係るダイオード型ナノピ
ンセットを用いたナノマニピュレータの説明図である。
試料32の表面には、球状ナノ物質28や棒状ナノ物質
30等を積載した原料位置PRと、これらの原料物質を
利用してナノ構造物34を構築する目的位置PSが存在
する。
【0090】原料位置から目的位置までナノ物質を搬送
するために、ダイオード型ナノピンセット1を制御する
制御回路20が設けられている。この制御回路20は、
ナノピンセット1をXYZ方向に搬送する搬送制御回路
23と、ナノ物質を把持・放出するためのナノピンセッ
ト1の開閉制御を行なうナノピンセット制御回路26か
ら構成されている。また、搬送制御回路23はX方向と
Y方向の駆動制御を行なうXY制御回路22と、Z方向
の駆動制御を行うZ制御回路24からなる。搬送制御や
ナノピンセット制御の状態はディスプレイ27に表示さ
れる。
【0091】次に、このダイオード型ナノピンセット1
を用いたナノマニピュレータの動作を簡単に説明する。
まず、ナノピンセット1をZ方向に上昇させて原料位置
PRに移動させ、ゲート用ナノチューブ8(第1アー
ム)とナノチューブダイオードND(第2アーム)を閉
じてAFM探針とする。Z方向に下降させた後、搬送制
御回路23により原料位置付近のAFM走査を行なう。
今、把持すべき物質が棒状ナノ物質30とすると、その
物質の位置とサイズを測定する。
【0092】計測されたサイズをナノピンセット制御回
路26に格納し、アームを開いてターゲットとなる棒状
ナノ物質30を挟み、アームを閉じて急激に流れるダイ
オード電流を計測して両アームが棒状ナノ物質を把持し
たことを検出し、更にダイオード電流を検出しながらア
ームが閉じる事により所定の握力で棒状ナノ物質を把持
する。
【0093】その状態でナノピンセット1をZ方向に上
昇させ、搬送制御回路23によりナノピンセット1を目
的位置PSまで移動させる。そして、ナノピンセット1
をZ方向に下降させ、ナノ構造物34の特定場所に到達
すると、アームを開いて棒状ナノ物質30を放出する。
その後、アームを閉じてナノ構造物34をAFM走査し
て棒状ナノ物質30が正しく配置されたかどうかを確認
する。
【0094】確認した後、ナノピンセット1を上昇さ
せ、搬送制御回路23により原料位置PRに帰還し、再
び次のナノ物質を選択して上記の動作を繰り返す。この
繰返しにより、多数のナノ物質を設計図に従って配設し
てナノ構造物34を構築してゆく。ナノ構造物34とし
ては、光・電子情報関連の新素材やナノサイズ部品、細
胞やタンパク質の集積による新しいバイオ関連機能物質
など種々のものがある。
【0095】本発明は上記実施形態に限定されるもので
はなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における
種々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含
することは云うまでもない。
【0096】
【発明の効果】第1の発明によれば、ゲート用ナノチュ
ーブを第1アームとし、ナノチューブダイオードを第2
アームとして、この両アーム間にナノ物質を把持したと
きに、ナノチューブダイオードに形成されたダイオード
特性部の反応によってナノ物質を把持したことや、ナノ
物質を把持する握力を検出することができ、ナノ物質に
対する握力を可変調整しながらナノピンセット操作を実
現できる。
【0097】第2の発明によれば、1本のナノチューブ
を2本に折り畳み、その両端を基端部としてホルダーに
固定するだけでナノチューブダイオードを構成でき、し
かも先端折畳部がダイオード特性部となるから、組立が
簡単でダイオード特性部を確実に構成できるダイオード
型ナノピンセットを提供できる。
【0098】第3の発明によれば、2本のナノチューブ
の基端部をホルダーに固定し、その先端部は相互に接触
させるだけでダイオード特性部を構成できるから、その
接触部を堆積物などで周囲から保護すれば、耐久性があ
るダイオード型ナノピンセットを実現できる。
【0099】第4の発明によれば、2本のナノチューブ
の基端部をホルダーに固定し、先端部間に独立した中間
ナノチューブを相互に接触させて介装するだけでダイオ
ード特性部を構成でき、しかも周囲を堆積物などで周囲
から保護すれば、ダイオード特性部の反応性を高くしな
がら耐久性を有せしめることができ、しかも中間ナノチ
ューブの先端を突出させることによりナノチューブダイ
オードの先端を先鋭化でき、ピンセット操作以外にAF
M操作に用いる場合でも分解能を高めることができる。
【0100】第5の発明によれば、2本のナノチューブ
の基端部をホルダーに固定し、先端部間に独立した中間
ナノチューブを相互に非接触状態で介装するから、ダイ
オード特性を格段に向上でき、しかも周囲を堆積物など
で保護すれば耐久性を向上でき、しかも中間ナノチュー
ブの先端を突出させることによりナノピンセット操作の
みならずAFM操作において分解能を一層向上させるこ
とができる。
【0101】第6の発明によれば、ゲート用ナノチュー
ブとナノチューブダイオード間に静電引力用のゲート電
圧を印加し、このゲート電圧を制御してナノ物質を握力
状態で把持するときに、このゲート電圧を通してナノ物
質に対する握力を検出するダイオード型ナノピンセット
提供できる。ゲート電圧の測定により握力計測を可能に
したもので、ナノ物質を脱落寸前状態で把持する限界ゲ
ート電圧と比較すれば、そのゲート電圧の超過分により
握力を正確に検出でき、ダイオード電流との組み合わせ
により更に正確な握力制御を実現する事ができる。ナノ
物質に対し過剰な握力を加えることを防止でき、ナノ物
質を構造的に変形させないようにナノピンセット操作を
制御することが可能になる。
【0102】第7の発明によれば、ナノチューブダイオ
ードの基端部間にダイオード電圧を印加しながらゲート
用ナノチューブとナノチューブダイオード間に静電引力
用のゲート電圧を印加してナノチューブダイオードに流
れるダイオード電流を制御し、このダイオード電流を通
して両アームによるナノ物質を把持する握力を検出する
ダイオード型ナノピンセットを提供できる。ナノ物質を
把持した瞬間にダイオード電流が急上昇する現象や、ナ
ノ物質を把持する前後でダイオード電流の増加関数が折
れ曲る現象を用いることにより、ダイオード電流の計測
を通してナノ物質の把持や握力の自在制御を実現でき
る。
【0103】第8の発明によれば、ダイオード型ナノピ
ンセットと、このダイオード型ナノピンセットに印加す
るゲート電圧とダイオード電圧とダイオード電流を可変
制御するピンセット制御回路と、ダイオード型ナノピン
セットをXYZ方向に搬送制御する搬送制御回路から構
成されるナノマニピュレータ装置を提供できる。ナノ物
質に対する握力制御が可能なダイオード型ナノピンセッ
トを制御回路と組み合わせてナノロボット機能を有した
ナノマニピュレータ装置を具現したものであり、このナ
ノロボットを活用することにより自在にナノ構造物の構
築を可能にし、ナノテクノロジーの発展に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイオード型ナノピンセットの実
施形態の斜視図である。
【図2】図1に示されるダイオード型ナノピンセットの
回路構成図である。
【図3】ダイオード電圧VDの非印加時におけるゲート
電圧VGとアーム間隔Sの関係曲線図である。
【図4】ゲート電圧を利用してナノ物質に対する握力を
検出しながらダイオード型ナノピンセットを制御する簡
易フロー図である。
【図5】ゲート電圧に対するダイオード電流とダイオー
ド電圧の関係を示したダイオード特性図である。
【図6】限界間隔SLより大きなナノ物質を把持する場
合のダイオード電流とゲート電圧の関係曲線図である。
【図7】限界間隔SLより小さなナノ物質を把持する場
合のダイオード電流とゲート電圧の関係曲線図である。
【図8】ダイオード電流を利用してナノ物質に対する握
力を検出しながらダイオード型ナノピンセットを制御す
る簡易フロー図である。
【図9】Bタイプのナノチューブダイオードを組み込ん
だダイオード型ナノピンセットの要部斜視図である。
【図10】Cタイプのナノチューブダイオードを組み込
んだダイオード型ナノピンセットの要部斜視図である。
【図11】Dタイプのナノチューブダイオードを組み込
んだダイオード型ナノピンセットの要部斜視図である。
【図12】図9・10・11に示される3種類のナノチ
ューブダイオード(B、C、D)のID−VD特性図であ
る。
【図13】本発明に係るダイオード型ナノピンセットを
用いたナノマニピュレータの説明図である。
【符号の説明】
1はダイオード型ナノピンセット、2はカンチレバー、
4はカンチレバー部、6は突出部、6aは先端面、6b
は側面、6cは側面、6dは後端面、6eは突出端、7
は中間ナノチューブ、7cは先端、8はゲート用ナノチ
ューブ(第1アーム)、9・10はダイオード用ナノチ
ューブ、8a・9a・10aは先端部、8b・9b・1
0bは基端部、8c・9c・10cは先端、12・13
・14はリード電極、12a・13a・14aは接点、
16・17・18はコーティング膜、20は制御回路、
22はXY制御回路、23は搬送制御回路、24はZ制
御回路、26はナノピンセット制御回路、27はディス
プレイ、28は球状ナノ物質、30は棒状ナノ物質、3
2は試料、34はナノ構造物、CFは堆積物、DAはダ
イオード電流計、dはサイズ、DNはナノチューブ直
径、DPはダイオード特性部、EDはダイオード電源、
EGはゲート電源、Fgは握力、NDはナノチューブダ
イオード(第2アーム)、PEはアース点、Sはアーム
間隔、SDはダイオードスイッチ、SGはゲートスイッ
チ、SLは限界間隔、SMは最大間隔、V Dはダイオード
電圧、VGはゲート電圧、VGdは対応ゲート電圧、VGL
は限界ゲート電圧。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 昭雄 大阪府大阪市城東区放出西2丁目7番19号 大研化学工業株式会社内 Fターム(参考) 3C007 AS09 BS30 KS33 LV10 XG01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホルダーから突出状に形成された少なく
    とも第1アームと第2アームを静電気により開閉自在に
    してナノ物質を把持するナノピンセットにおいて、前記
    第1アームは基端部をホルダーに固定して先端部を突出
    させたゲート用ナノチューブで形成され、前記第2アー
    ムは2本の基端部をホルダーに固定し先端部にダイオー
    ド特性部を形成したナノチューブダイオードで構成され
    ることを特徴とするダイオード型ナノピンセット。
  2. 【請求項2】 前記ナノチューブダイオードは、1本の
    ナノチューブを2本に折り畳んで構成され、その両端が
    基端部として前記ホルダーに固定され、先端折畳部はダ
    イオード特性を発現するダイオード特性部となる請求項
    1に記載のダイオード型ナノピンセット。
  3. 【請求項3】 前記ナノチューブダイオードは、2本の
    ナノチューブの基端部が前記ホルダーに固定され、2本
    のナノチューブの先端部は相互に接触してその接触部が
    ダイオード特性を発現するダイオード特性部となる請求
    項1に記載のダイオード型ナノピンセット。
  4. 【請求項4】 前記ナノチューブダイオードは、2本の
    ナノチューブの基端部が前記ホルダーに固定され、2本
    のナノチューブの先端部間に独立した中間ナノチューブ
    を相互に接触させて介装し、この接触部がダイオード特
    性を発現するダイオード特性部となる請求項1に記載の
    ダイオード型ナノピンセット。
  5. 【請求項5】 前記ナノチューブダイオードは、2本の
    ナノチューブの基端部が前記ホルダーに固定され、2本
    のナノチューブの先端部間には独立した中間ナノチュー
    ブがカーボン堆積物の充填により相互に非接触状態にな
    るように介装され、この非接触部がダイオード特性を発
    現するダイオード特性部となる請求項1に記載のダイオ
    ード型ナノピンセット。
  6. 【請求項6】 前記ゲート用ナノチューブとナノチュー
    ブダイオード間に静電引力用のゲート電圧を印加し、こ
    のゲート電圧を制御してナノ物質を握力状態で把持する
    ときに、このゲート電圧を通してナノ物質に対する握力
    を検出する請求項1のダイオード型ナノピンセット。
  7. 【請求項7】 前記ナノチューブダイオードの基端部間
    にダイオード電圧を印加しながらゲート用ナノチューブ
    とナノチューブダイオード間に静電引力用のゲート電圧
    を印加してナノチューブダイオードに流れるダイオード
    電流を制御し、このダイオード電流を通して両アームに
    よるナノ物質を把持する握力を検出する請求項1に記載
    のダイオード型ナノピンセット。
  8. 【請求項8】 請求項1、6又は7に記載のダイオード
    型ナノピンセットと、このダイオード型ナノピンセット
    に印加するゲート電圧とダイオード電圧とダイオード電
    流を制御するピンセット制御回路と、ダイオード型ナノ
    ピンセットをXYZ方向に搬送制御する搬送制御回路か
    ら構成されることを特徴とするナノマニピュレータ装
    置。
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