JP2004142987A - アンモニアの精製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】粗アンモニア中の不純物の除去能力が高く、粗アンモニアに含まれている微量の不純物を極めて低濃度になるまで除去できるとともに、繰返して精製剤の再生を行なっても不純物の除去能力が低下することなく、高純度アンモニアを連続して容易に供給できるアンモニアの精製方法を提供する。
【解決手段】粗アンモニアを、(1)酸化マンガンと、(2)酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80〜99%である精製剤と接触させ、好ましくはさらに合成ゼオライトと接触させて、粗アンモニアに含まれる不純物を除去する。
【選択図】 図3
【解決手段】粗アンモニアを、(1)酸化マンガンと、(2)酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80〜99%である精製剤と接触させ、好ましくはさらに合成ゼオライトと接触させて、粗アンモニアに含まれる不純物を除去する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンモニアの精製方法に関する。さらに詳細には、粗アンモニア中に不純物として含まれる酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水等を除去する能力が高く、これらの不純物を極めて低濃度まで除去し得るアンモニアの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、窒化ガリウム系化合物半導体が、発光ダイオードやレーザーダイオード等の素子として多用されている。この窒化ガリウム系化合物半導体プロセスは、通常はMOCVD法によってサファイア等の基板に窒化ガリウム系化合物を気相成長させることにより行なわれており、これに用いられる原料ガスとしては、例えばIII族のトリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウムのほか、V族のアンモニアが使用されている。これらの原料ガスは、成膜技術の進歩とともに極めて高純度であることが強く要求されており、特にアンモニアは多量に使用されることから、高純度アンモニアを連続して供給することが可能なアンモニアの精製方法が要求されている。
【0003】
一般的に工業用として市販されているアンモニアには、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水等が含まれている。また、比較的高純度のアンモニアとしては、これをさらに蒸留あるいは精留することにより得られた形態、またはこれを高純度の不活性ガスで希釈した形態で市販されている。しかし、前記のような半導体プロセス等に使用される原料としては極めて高い純度のアンモニアが要求されるため、従来より工業用のアンモニアを蒸留あるいは精留して得られた比較的高純度のアンモニアをさらに精製する方法が開発されている。
【0004】
従来のアンモニアの精製方法としては、例えば、▲1▼粗アンモニアを、固型アルカリの潮解性によって固型アルカリが溶解しない温度以上でかつ固型アルカリの溶解温度以下の温度に保持した固型アルカリ層を通過させることにより、粗アンモニア中の炭酸ガスを吸着除去するアンモニアの精製方法(特開平6−24737号公報)、▲2▼粗アンモニアを、実質的に室温条件下に、BaO単体またはBaOを主とする混合物と接触させて、粗アンモニア中の水分を除去するアンモニアの精製方法(特開平9−142833号公報)がある。
【0005】
また、本願の出願人においても、▲3▼粗アンモニアを、ニッケルを主成分とする精製剤と接触させて、粗アンモニアに含有される酸素を除去するアンモニアの精製方法(特開平5−124813号公報)、▲4▼粗アンモニアを、ニッケルを主成分とする精製剤と接触させて、粗アンモニアに含有される一酸化炭素および二酸化炭素を除去するアンモニアの精製方法(特開平6−107412号公報)、▲5▼粗アンモニアを、酸化マンガンを有効成分とする精製剤と接触させて、粗アンモニアに不純物として含まれる酸素及び/または二酸化炭素を除去するアンモニアの精製方法(特開2002−37623号公報)等を開発している。
【0006】
さらに、その他のアンモニアの精製方法として、▲6▼アンモニア等の水素化物ガス流を、減少した金属活性部を有し表面積が100m2/g以上のバリウム、カルシウム、鉄、リチウム、マンガン、モリブデン、カリウム、レニウム、ナトリウム、ストロンチウム、チタン、タングステン等の金属酸化物基材と接触させて、水素化物ガス流から汚染物を除去する方法(特開2002−526369号公報)が開発されている。
【0007】
また、前記の精製剤は、アンモニアを精製した後、再生して再利用することが、資源の有効利用となるばかりでなく、精製剤の詰替えや前処理の手間を大幅に節減でき高純度アンモニアを連続して容易に供給できる点からも好ましい。本願の出願人においては、▲7▼アンモニアを加熱下でアンモニア分解触媒と接触させて水素を含有する分解ガスを発生させ、前記分解ガスを精製後のニッケルを主成分とする精製剤と接触させて前記精製剤を再生する方法(特開2000−44228号公報)、▲8▼アンモニアを加熱下で精製後のニッケルを主成分とする精製剤と接触させて前記精製剤を再生する方法(特開2000−169138号公報)等を開発している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の▲1▼の精製方法は炭酸ガスのみを、▲2▼の精製方法は水分のみを除去することができるので、半導体プロセスに使用するためには他の精製方法と組合せて精製しなれけばならない場合が多いという不都合があった。また、▲3▼、▲4▼の精製方法は、アンモニアと精製剤の接触温度が高くなるとアンモニアが分解し水素を発生する虞があるため、接触温度を常温付近に維持しながら精製する必要があった。また、▲5▼の精製方法は、不純物として含まれている微量の酸素、二酸化炭素、水等の不純物を極めて低濃度になるまで除去できるが、粗アンモニア中の不純物の除去能力が低く、繰返して精製剤の再生を行なうと精製剤が劣化し、粗アンモニア中の不純物の除去能力(精製剤の単位量当たりの不純物除去量)がさらに低下するという不都合があった。また、▲6▼の精製方法は、高い表面積の金属酸化物、例えば好ましいものとして15〜20wt%の鉄酸化物と80〜85wt%のマンガン酸化物を挙げているが、▲5▼の精製方法と同様に、元々粗アンモニア中の不純物の除去能力が低く、さらに繰返して精製剤の再生を行なうと精製剤が劣化し、除去能力がさらに低下するという不都合があった。
【0009】
従って、本発明が解決しようとする課題は、粗アンモニア中の不純物の除去能力が高く、粗アンモニアに含まれている微量の不純物を極めて低濃度になるまで除去できるとともに、繰返して精製剤の再生を行なっても不純物の除去能力が低下することなく、高純度アンモニアを連続して容易に供給できるアンモニアの精製方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、アンモニアの精製剤の構成を、(1)酸化マンガンと、(2)酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合(Mn/(Mn+V+Cr+Sn+Zr+Bi+Nb+Ta))が80〜99%となるようにすることにより、粗アンモニア中の不純物の除去能力(精製剤の単位量当たりの不純物除去量)が極めて向上するとともに、繰返して精製剤の再生を行なっても精製剤の劣化がなく、精製剤の寿命が著しく延びることを見い出し、本発明のアンモニアの精製方法に到達した。
【0011】
さらに、前記構成の精製剤は、粗アンモニア中に不純物として含まれる酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水等を極めて低濃度まで除去できること、前記構成の精製剤と合成ゼオライトを組合せることにより、1回のアンモニア精製時間が大幅に延び、精製ラインを2ライン配置した場合にアンモニアの精製と剤の再生の切替えを時間的に余裕を持って容易に実施できることを見い出し、本発明のアンモニアの精製方法を完成した。
【0012】
すなわち本発明は、粗アンモニアを、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、該有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80〜99%である精製剤と接触させて、該粗アンモニアに含まれる不純物を除去することを特徴とするアンモニアの精製方法である。
【0013】
また、本発明は、粗アンモニアを、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、該有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80〜99%である精製剤、及び合成ゼオライトと接触させて、該粗アンモニアに含まれる不純物を除去することを特徴とするアンモニアの精製方法でもある。
【0014】
また、本発明は、粗アンモニアを、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、該有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80〜99%である精製剤と接触させて、該粗アンモニアに含まれる不純物を除去し、次に再生ガスを該精製剤と接触させて該精製剤を再生することを特徴とするアンモニアの精製方法でもある。
【0015】
さらに、本発明は、粗アンモニアを、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、該有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80〜99%である精製剤、及び合成ゼオライトと接触させて、該粗アンモニアに含まれる不純物を除去し、次に再生ガスを該精製剤及び該合成ゼオライトと接触させて該精製剤及び該合成ゼオライトを再生することを特徴とするアンモニアの精製方法でもある。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のアンモニアの精製方法は、アンモニア単独、または、水素(水素ガスベース)および窒素、アルゴンなどの不活性ガス(不活性ガスベース)で希釈されたアンモニア(以下総称して粗アンモニアと記す)に含まれる酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水等の不純物の除去に適用される。また、本発明のアンモニアの精製方法は、特にアンモニアの精製に用いられる精製剤の寿命を著しく延長できる点で効果を発揮する。
【0017】
本発明のアンモニアの精製方法は、粗アンモニアを、(1)酸化マンガンと、(2)酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合(Mn/(Mn+V+Cr+Sn+Zr+Bi+Nb+Ta))が80〜99%である精製剤と接触させ、好ましくはさらに合成ゼオライトと接触させて、粗アンモニアに含まれる不純物を除去する精製方法である。
【0018】
また、本発明のアンモニアの精製方法は、粗アンモニアを、(1)酸化マンガンと、(2)酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合(Mn/(Mn+V+Cr+Sn+Zr+Bi+Nb+Ta))が80〜99%である精製剤と接触させ、好ましくはさらに合成ゼオライトと接触させて、粗アンモニアに含まれる不純物を除去し、次に再生ガスを精製剤(及び合成ゼオライト)と接触させて精製剤(及び合成ゼオライト)を再生する精製方法でもある。
【0019】
本発明のアンモニアの精製方法において、精製剤の1有効成分として使用される酸化マンガンは、MnO、Mn3O4、Mn2O3、MnO2等である。本発明においては、製造方法等により酸化マンガンが制限されることはないが、BET比表面積が10〜500m2/gであるものが好ましい。BET比表面積が10m2/g未満の酸化マンガンを使用した場合は、精製剤の単位量当たりの不純物除去量が少なくなる虞がある。また、BET比表面積が500m2/gを越える酸化マンガンを使用する場合は不純物を効率よく除去できるが、このような高いBET比表面積の酸化マンガンは工業的に製造することが困難である。
【0020】
これらの酸化マンガンは、市販品をそのまま用いてもよく、また公知の方法で製造したものを用いてもよい。酸化マンガンを製造する方法としては、例えばMnOは、MnCO3、Mn(OH)2を無酸素下で約500℃で加熱するか、あるいは高級マンガン酸化物をH2またはCO気流中で還元する方法がある。Mn3O4は、マンガンを含む化合物(酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩等)を空気中あるいは酸素気流中で約1000℃に強熱することにより容易に得られる。また、Mn2O3は、例えばマンガン塩(硫酸塩を除く)を空気中で600〜800℃で加熱することにより得られる。さらにMnO2は、希薄な過マンガン酸カリウム水溶液と希薄な硫酸マンガン水溶液と濃硫酸を加熱しながら攪拌、混合し、得られた沈殿を洗浄後、乾燥することにより調製することができる。
【0021】
また、本発明のアンモニアの精製方法において、酸化マンガン以外の精製剤の有効成分として使用される酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、酸化タンタルは、各々VO、V2O3、VO2、V2O5、CrO、Cr2O3、CrO2、Cr2O5、CrO3、SnO、SnO2、ZrO2、BiO、Bi2O3、Bi2O4、Bi2O5、NbO、Nb2O3、NbO2、Nb2O5、TaO、Ta2O3、TaO2、Ta2O5等である。これらの金属酸化物の中では、粗アンモニア中の不純物の除去能力が高い点で、特に酸化バナジウム、酸化クロム、または酸化錫を用いることが好ましい。本発明においては、酸化マンガンと同様にこれらの金属酸化物が製造方法等により制限されることはないが、BET比表面積が10〜500m2/gであるものが好ましい。また、これらの金属酸化物は市販品をそのまま用いてもよく、また公知の方法で調製したものを用いてもよい。
【0022】
本発明のアンモニアの精製方法における精製剤は、前記有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合(Mn/(Mn+V+Cr+Sn+Zr+Bi+Nb+Ta))が、通常は80〜99%、好ましくは86〜99%、より好ましく90〜98%となるように調製される。有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80%未満の場合、及び99%を超える場合は、粗アンモニア中の不純物の除去能力が低くなるだけでなく、繰返して精製剤の再生を行なうたびに精製剤が劣化して粗アンモニア中の不純物の除去能力が低下する。尚、前記有効成分の重量組成については、有効成分全量に対する酸化マンガンの含有率が86〜99wt%であることが好ましい。
本発明における精製剤は、通常はMnを含む水溶液と、V、Cr、Sn、Zr、Bi、Nb、及びTaから選ばれる1種以上を含む硫酸水溶液を予め混合しておき、酸化マンガンと他の前記金属の酸化物を共沈させ、得られた沈殿物をろ過、乾燥して調製されるが、各有効成分を混合し造粒することにより調製することもできる。
【0023】
尚、精製剤を製造する場合は、精製剤の成型性や成型強度を高めるために精製剤の調製の際にはバインダーを添加してもよい。このようなバインダーとしては、アルミナゾル、シリカゾル等を例示することができる。バインダーを加える場合は、通常は精製剤の全重量に対して10wt%以下であり、好ましくは5wt%以下である。また、有効成分以外の不純物成分として前記以外の金属、及び金属酸化物等が少量含まれているものであってもよいが、精製剤全体に対する有効成分の含有率は、通常は70wt%以上、好ましくは90wt%以上である。
【0024】
精製剤の形状及び大きさは特に限定されないが、例えば形状としては、球状、円柱状、円筒状及び粒状などが挙げられ、その大きさとしては、球状であれば直径0.5〜10mm程度のもの、ペレットやタブレット等の円柱状であれば直径0.5〜10mm、高さ2〜20mm程度のもの、粒状等不定形のものであれば、ふるいの目の開きで0.84〜5.66mm程度のものが好ましい。精製剤を浄化筒に充填したときの充填密度は、精製剤の形状及び調製方法により異なるが、通常は0.4〜2.0g/ml程度である。
【0025】
本発明のアンモニアの精製方法において、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含む精製剤は、通常は使用する前にこれを活性化するために水素還元またはアンモニア還元が行なわれる。還元の際は、例えば350℃以下程度で水素と窒素の混合ガス、あるいはアンモニアと窒素の混合ガスを空筒線速度(LV)5cm/sec程度で通すことによって行なうことができる。
【0026】
本発明のアンモニアの精製方法において使用される合成ゼオライトとは、化学的には合成結晶アルミノシリケート含水ナトリウム塩のナトリウムの一部をカリウムで置換した合成ゼオライトである。この合成ゼオライト結晶は内部に多数の細孔を有し、その細孔径がほぼ揃っていることが特徴である。これらの合成ゼオライトは効率よく使用できるように、通常は4〜20meshの球状物、直径1.5〜4mm、高さ5〜20mmの柱状物などに成形されて用いられる。本発明のアンモニアの精製方法においては、3〜10Å相当の細孔径を有する合成ゼオライトを使用することが好ましく、これに適合する市販の合成ゼオライトとしては、モレキュラーシーブス3A、4A、5A、13X(米、ユニオンカーバイト社またはユニオン昭和(株))等が挙げられる。これらの合成ゼオライトは、通常は使用する前に160〜350℃程度の温度で不活性ガスを通気しながら活性化される。
【0027】
アンモニアの精製は、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含む精製剤のみを使用する場合は、通常は図1に示すような精製筒に前記の精製剤を充填し、還元処理した後、精製筒に粗アンモニアを通すことによって行われる。また、精製剤及び合成ゼオライトを使用する場合は、通常は図2(A)に示すように精製筒に精製剤を充填し、吸着筒に合成ゼオライトを充填して、これらを還元処理した後、粗アンモニアを通すか、または図2(B)に示すような処理筒に精製剤及び合成ゼオライトを積層して充填し、これらを還元処理した後、粗アンモニアを通すことによって行われる。
本発明のアンモニアの精製方法においては、精製剤により主に酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水が除去され、合成ゼオライトにより主に二酸化炭素、水が除去される。本発明に適用される粗アンモニアに含まれるこれらの不純物の濃度は、通常は各々100ppm以下である。
【0028】
精製剤筒に充填される精製剤の充填長、吸着筒に充填される合成ゼオライトの充填長、または処理筒に積層して充填される精製剤と合成ゼオライトの充填長は、実用上通常は50〜1500mmとされる。充填長が50mmよりも短くなると不純物の除去率が低下する虞があり、また、1500mmよりも長くなると圧力損失が大きくなり過ぎる虞が生ずる。精製時の粗アンモニアの空筒線速度(LV)は供給されるアンモニア中の不純物の濃度および操作条件などによって異なり一概に特定できないが、通常は100cm/sec以下、好ましくは30cm/sec以下である。
【0029】
アンモニアと精製剤の接触温度は、精製剤筒の入口に供給されるガスの温度で150℃以下であり、通常は常温でよく、特に加熱や冷却を必要としない。また、アンモニアと合成ゼオライトの接触温度も通常は常温である。また、アンモニアと精製剤または合成ゼオライトの接触時の圧力にも特に制限はなく常圧、1KPaのような減圧あるいは0.5MPa(絶対圧力)のような加圧下のいずれでも処理が可能であるが通常は常圧ないし0.3MPa(絶対圧力)の加圧下で行なわれる。
【0030】
本発明のアンモニアの精製方法において、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含む精製剤の再生は、通常は水素還元またはアンモニア還元により行なわれる。還元の際は、160〜400℃の温度で水素と窒素等の不活性ガスの混合ガス、あるいはアンモニアと窒素等の不活性ガスの混合ガスを通すことによって行なうことができるが、精製剤の寿命をさらに延長できる点で、精製剤に不活性ガスを供給した後、前記の条件で水素またはアンモニアを供給することにより行なうことが好ましい。
また、合成ゼオライトの再生は、通常は160〜350℃程度の温度で不活性ガスを通すことによって行なうことができる。
【0031】
本発明のアンモニアの精製方法においては、高純度アンモニアを連続して容易に供給するために、図3に示すような精製剤及び合成ゼオライトが備えられた精製ライン、あるいは前記精製ラインの代わりに精製剤のみが備えられた精製ラインを少なくとも2ライン配置してアンモニアの精製を行なうことが好ましい。このような精製装置により、精製ラインを順次切替えながら、粗アンモニアを供給して精製すると同時に、再生ガスを精製後の精製ラインに供給して、精製剤、合成ゼオライトを再生することが可能となり、高純度アンモニアを連続して容易に供給することが可能となる。
【0032】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【0033】
実施例1
(精製剤の調製)
395gの過マンガン酸カリウム、及び22.0gのメタバナジン酸カリウムを水12.5kgに溶解した液に、3wt%の硫酸マンガン水溶液8.45kgと濃硫酸144gとの混合液を温度70℃にて速やかに注加し反応させた。生成した沈殿物を90℃で3時間攪拌した後、濾過し、イオン交換水25kgで3回洗浄した後、再度濾過し、1250gのケーキ状の酸化マンガン(MnO2)及び酸化バナジウム(V2O5)を得た。このケーキ状混合物を90℃で12時間乾燥し、粉末状混合物380gを得た。この粉末状混合物のBET比表面積をガス吸着量測定装置(ユアサアイオニクス(株)製、オートソーブ3B)で測定したところ225m2/gであった。
【0034】
得られた粉末状混合物100g当たりに対して、アルミナゾル2g、水40gを加えて混練し、得られたケーキを押し出し成型機で押し出して直径1.6mmの成型物を得た。これを長さ10mm程度に切断してペレットとし、120℃で12時間乾燥させることによって精製剤を得た。この精製剤中の有効成分(酸化マンガン及び酸化バナジウム)全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合は94%であり、精製剤中の水分は、0.8wt%であった。
【0035】
(アンモニアの精製試験)
内径45.2mm、長さ200mmのステンレス製の精製筒に前記の精製剤を充填長150mmとなるように充填した。次に精製剤の温度を250℃に昇温し、水素と窒素の混合ガス(水素5vol%、窒素95vol%)を常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で5時間流通して精製剤の還元処理を行ない精製剤を常温に冷却した。
【0036】
引き続き、精製筒に不純物として50ppmの酸素を含有する粗アンモニアを、常温(20℃)において9622ml/min(LV:10cm/sec)の流量で流してアンモニアの精製を行なった。その間約20分間隔で熱伝導度検出器(GC−TCD)(検出下限濃度0.2ppm)を用いて出口ガス中の酸素の分析を行ない、酸素が検出されるまでの時間を測定して、精製剤1g当たりに対する酸素除去量(ml)を求めた。その結果を表1に示す。
【0037】
酸素が検出された後、粗アンモニアの供給を中止し、精製剤の温度を250℃に昇温して、窒素を常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で1時間流通し、さらに水素と窒素の混合ガス(水素5vol%、窒素95vol%)を常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で5時間流通して精製剤の再生を行なった。その後、精製剤を常温に冷却し、アンモニアの精製を再開した。以上のような操作を繰返して行ない、精製剤1g当たりに対する酸素除去量(ml)を求めた結果を表1に示す。
【0038】
実施例2、実施例3
実施例1の精製剤の調製において、精製剤中の有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合を、各々97%、88%に替えたほかは実施例1と同様にして精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。結果を表1に示す。
【0039】
実施例4
実施例1のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの二酸化炭素を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表1に示す。但し、二酸化炭素の分析は、水素炎イオン化検出器(メタナイザー付)(GC−FID)(検出下限濃度0.5ppm)を用いた。以後の実施例あるいは比較例における二酸化炭素の分析についても同様である。
【0040】
実施例5、実施例6
実施例1の精製剤の調製において、精製剤中の有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合を、各々97%、88%に替えたほかは実施例1と同様にして精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例4と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表1に示す。
【0041】
実施例7
実施例1のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの水を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表1に示す。但し、水の分析は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)(検出下限濃度0.05ppm)を用いた。以後の実施例あるいは比較例における水の分析についても同様である。
【0042】
実施例8、実施例9
実施例1の精製剤の調製において、精製剤中の有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合を、各々97%、88%に替えたほかは実施例1と同様にして精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例7と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表1に示す。
【0043】
実施例10
(精製剤の調製)
395gの過マンガン酸カリウム、及び31.0gのクロム酸カリウムを水12.5kgに溶解した液に、3wt%の硫酸マンガン水溶液8.45kgと濃硫酸144gとの混合液を温度70℃にて速やかに注加し反応させた。生成した沈殿物を90℃で3時間攪拌した後、濾過し、イオン交換水25kgで3回洗浄した後、再度濾過し、1240gのケーキ状の酸化マンガン(MnO2)及び酸化クロム(CrO3)を得た。このケーキ状混合物を90℃で12時間乾燥し、粉末状混合物370gを得た。この粉末状混合物のBET比表面積をガス吸着量測定装置(ユアサアイオニクス(株)製、オートソーブ3B)で測定したところ220m2/gであった。
【0044】
得られた粉末状混合物100g当たりに対して、アルミナゾル2g、水40gを加えて混練し、得られたケーキを押し出し成型機で押し出して直径1.6mmの成型物を得た。これを長さ10mm程度に切断してペレットとし、120℃で12時間乾燥させることによって精製剤を得た。この精製剤中の有効成分(酸化マンガン及び酸化クロム)全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合は94%であり、精製剤中の水分は、0.7wt%であった。
【0045】
(アンモニアの精製試験)
前記の酸化マンガン及び酸化クロムを有効成分として含む精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0046】
実施例11、実施例12
実施例10の精製剤の調製において、精製剤中の有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合を、各々97%、88%に替えたほかは実施例10と同様にして精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例10と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。結果を表2に示す。
【0047】
実施例13
実施例10のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの二酸化炭素を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例10と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0048】
実施例14、実施例15
実施例10の精製剤の調製において、精製剤中の有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合を、各々97%、88%に替えたほかは実施例10と同様にして精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例13と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0049】
実施例16
実施例10のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの水を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例10と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0050】
実施例17、実施例18
実施例10の精製剤の調製において、精製剤中の有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合を、各々97%、88%に替えたほかは実施例10と同様にして精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例16と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0051】
実施例19〜実施例21
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化錫を有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々88%、94%、97%である精製剤を調製した。これらの精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表3に示す。
【0052】
実施例22〜実施例24
実施例19のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの二酸化炭素を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例19〜実施例21と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表3に示す。
【0053】
実施例25〜実施例27
実施例19のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの水を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例19〜実施例21と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表3に示す。
【0054】
実施例28〜実施例30
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化ジルコニウムを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々88%、94%、97%である精製剤を調製した。これらの精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表4に示す。
【0055】
実施例31〜実施例33
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化ビスマスを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々88%、94%、97%である精製剤を調製した。これらの精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表5に示す。
【0056】
実施例34〜実施例36
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化ニオブを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々88%、94%、97%である精製剤を調製した。これらの精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表6に示す。
【0057】
実施例37〜実施例39
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化タンタルを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々88%、94%、97%である精製剤を調製した。これらの精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表7に示す。
【0058】
実施例40〜実施例42
実施例1に準じて、酸化マンガン、酸化バナジウム、及び酸化クロムを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々88%、94%、97%である精製剤を調製した。ただし、バナジウム原子数、クロム原子数は同数にした。これらの精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表8に示す。
【0059】
(アンモニアの精製)
実施例43
内径45.2mm、長さ400mmのステンレス製の処理筒に実施例10に用いたものと同じ精製剤を充填長150mmとなるように充填し、さらに市販の4Å相当の合成ゼオライト(モレキュラーシーブス4A、ユニオンカーバイト社製)を、精製剤の下流側に150mmとなるように充填した。次に、精製剤の温度を250℃に昇温し、合成ゼオライト側から水素と窒素の混合ガス(水素5vol%、窒素95vol%)を常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で5時間流通して精製剤の還元処理を行ない精製剤を常温に冷却した。また、合成ゼオライトの温度を350℃に昇温し、精製剤側から窒素ガスを常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で4時間流通して合成ゼオライトの活性化処理を行ない吸着筒を常温に冷却した。
【0060】
引き続き、処理筒に不純物として50ppmの酸素を含有する粗アンモニアを、常温(20℃)において9622ml/min(LV:10cm/sec)の流量で流してアンモニアの精製を行なった。その間約20分間隔で熱伝導度検出器(GC−TCD)(検出下限濃度0.2ppm)を用いて出口ガス中の酸素の分析を行ない、酸素が検出されるまでの時間を測定して、精製剤及び合成ゼオライト1g当たりに対する平均の酸素除去量(ml)を求めた。その結果を表8に示す。
【0061】
酸素が検出された後、粗アンモニアの供給を中止し、精製剤の温度を250℃に昇温して、合成ゼオライト側から窒素を常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で1時間流通し、さらに水素と窒素の混合ガス(水素5vol%、窒素95vol%)を常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で5時間流通して精製剤の再生を行なった。その後、精製剤を常温に冷却した。また、合成ゼオライトの温度を350℃に昇温し、精製剤側から窒素ガスを常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で4時間流通して合成ゼオライトの再生を行なった。その後、合成ゼオライトを常温に冷却し、アンモニアの精製を再開した。以上のような操作を繰返して行ない、精製剤及び合成ゼオライト1g当たりに対する平均の酸素除去量(ml)を求めた結果を表9示す。
【0062】
実施例44、実施例45
実施例10の精製剤の調製において、精製剤中の精製剤中の有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合を、各々97%、88%に替えたほかは実施例10と同様にして精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例43と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。結果を表9に示す。
【0063】
実施例46〜実施例48
実施例43〜実施例45のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの二酸化炭素を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例43〜実施例45と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表9に示す。
【0064】
実施例49〜実施例51
実施例43〜実施例45のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの水を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例43〜実施例45と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表9に示す。
【0065】
比較例1〜比較例12
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化バナジウムを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々20%、50%、75%、99.5%である精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例1、実施例4、実施例7と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表10に示す。
【0066】
比較例13〜比較例24
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化クロムを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々20%、50%、75%、99.5%である精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例10、実施例13、実施例16と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表11に示す。
【0067】
比較例25〜比較例36
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化錫を有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々20%、50%、75%、99.5%である精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例19、実施例22、実施例25と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表12に示す。
【0068】
比較例37〜比較例40
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化ジルコニウムを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々20%、50%、75%、99.5%である精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例28と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表13に示す。
【0069】
比較例41〜比較例44
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化ビスマスを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々20%、50%、75%、99.5%である精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例31と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表14に示す。
【0070】
比較例45〜比較例48
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化ニオブを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々20%、50%、75%、99.5%である精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例34と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表15に示す。
【0071】
比較例49〜比較例52
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化タンタルを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々20%、50%、75%、99.5%である精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例37と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表16に示す。
【0072】
比較例53〜比較例64
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化鉄を有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々88%、94%、97%、100%である精製剤を調製した。これらの精製剤を用いたほかは実施例1、実施例4、実施例7と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表17に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】
【表9】
【0082】
【表10】
【0083】
【表11】
【0084】
【表12】
【0085】
【表13】
【0086】
【表14】
【0087】
【表15】
【0088】
【表16】
【0089】
【表17】
【0090】
【発明の効果】
本発明のアンモニアの精製方法により、粗アンモニアに含まれている酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水等の不純物を、精製剤の単位量当たりの不純物除去量換算で、従来の精製方法よりも極めて多く除去することが可能となった。また、粗アンモニアに含まれている微量の不純物を極めて低濃度になるまで除去できるとともに、繰返して精製剤の再生を行なっても不純物の除去能力が低下することなく、精製剤の寿命を従来の精製方法よりも著しく長く延ばすことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンモニアの精製方法を実施するための精製ラインの一例を示す構成図
【図2】本発明のアンモニアの精製方法を実施するための精製ラインの図1以外の例を示す構成図
【図3】本発明のアンモニアの精製方法を実施するための精製装置の一例を示す構成図
【符号の説明】
1 精製剤
2 合成ゼオライト
3 精製筒
4 吸着筒
5 処理筒
6 ヒーター
7 粗アンモニア供給ライン
8 精製アンモニア抜出しライン
9 再生ガス供給ライン
10 再生排ガス排出ライン
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンモニアの精製方法に関する。さらに詳細には、粗アンモニア中に不純物として含まれる酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水等を除去する能力が高く、これらの不純物を極めて低濃度まで除去し得るアンモニアの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、窒化ガリウム系化合物半導体が、発光ダイオードやレーザーダイオード等の素子として多用されている。この窒化ガリウム系化合物半導体プロセスは、通常はMOCVD法によってサファイア等の基板に窒化ガリウム系化合物を気相成長させることにより行なわれており、これに用いられる原料ガスとしては、例えばIII族のトリメチルガリウム、トリメチルインジウム、トリメチルアルミニウムのほか、V族のアンモニアが使用されている。これらの原料ガスは、成膜技術の進歩とともに極めて高純度であることが強く要求されており、特にアンモニアは多量に使用されることから、高純度アンモニアを連続して供給することが可能なアンモニアの精製方法が要求されている。
【0003】
一般的に工業用として市販されているアンモニアには、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水等が含まれている。また、比較的高純度のアンモニアとしては、これをさらに蒸留あるいは精留することにより得られた形態、またはこれを高純度の不活性ガスで希釈した形態で市販されている。しかし、前記のような半導体プロセス等に使用される原料としては極めて高い純度のアンモニアが要求されるため、従来より工業用のアンモニアを蒸留あるいは精留して得られた比較的高純度のアンモニアをさらに精製する方法が開発されている。
【0004】
従来のアンモニアの精製方法としては、例えば、▲1▼粗アンモニアを、固型アルカリの潮解性によって固型アルカリが溶解しない温度以上でかつ固型アルカリの溶解温度以下の温度に保持した固型アルカリ層を通過させることにより、粗アンモニア中の炭酸ガスを吸着除去するアンモニアの精製方法(特開平6−24737号公報)、▲2▼粗アンモニアを、実質的に室温条件下に、BaO単体またはBaOを主とする混合物と接触させて、粗アンモニア中の水分を除去するアンモニアの精製方法(特開平9−142833号公報)がある。
【0005】
また、本願の出願人においても、▲3▼粗アンモニアを、ニッケルを主成分とする精製剤と接触させて、粗アンモニアに含有される酸素を除去するアンモニアの精製方法(特開平5−124813号公報)、▲4▼粗アンモニアを、ニッケルを主成分とする精製剤と接触させて、粗アンモニアに含有される一酸化炭素および二酸化炭素を除去するアンモニアの精製方法(特開平6−107412号公報)、▲5▼粗アンモニアを、酸化マンガンを有効成分とする精製剤と接触させて、粗アンモニアに不純物として含まれる酸素及び/または二酸化炭素を除去するアンモニアの精製方法(特開2002−37623号公報)等を開発している。
【0006】
さらに、その他のアンモニアの精製方法として、▲6▼アンモニア等の水素化物ガス流を、減少した金属活性部を有し表面積が100m2/g以上のバリウム、カルシウム、鉄、リチウム、マンガン、モリブデン、カリウム、レニウム、ナトリウム、ストロンチウム、チタン、タングステン等の金属酸化物基材と接触させて、水素化物ガス流から汚染物を除去する方法(特開2002−526369号公報)が開発されている。
【0007】
また、前記の精製剤は、アンモニアを精製した後、再生して再利用することが、資源の有効利用となるばかりでなく、精製剤の詰替えや前処理の手間を大幅に節減でき高純度アンモニアを連続して容易に供給できる点からも好ましい。本願の出願人においては、▲7▼アンモニアを加熱下でアンモニア分解触媒と接触させて水素を含有する分解ガスを発生させ、前記分解ガスを精製後のニッケルを主成分とする精製剤と接触させて前記精製剤を再生する方法(特開2000−44228号公報)、▲8▼アンモニアを加熱下で精製後のニッケルを主成分とする精製剤と接触させて前記精製剤を再生する方法(特開2000−169138号公報)等を開発している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の▲1▼の精製方法は炭酸ガスのみを、▲2▼の精製方法は水分のみを除去することができるので、半導体プロセスに使用するためには他の精製方法と組合せて精製しなれけばならない場合が多いという不都合があった。また、▲3▼、▲4▼の精製方法は、アンモニアと精製剤の接触温度が高くなるとアンモニアが分解し水素を発生する虞があるため、接触温度を常温付近に維持しながら精製する必要があった。また、▲5▼の精製方法は、不純物として含まれている微量の酸素、二酸化炭素、水等の不純物を極めて低濃度になるまで除去できるが、粗アンモニア中の不純物の除去能力が低く、繰返して精製剤の再生を行なうと精製剤が劣化し、粗アンモニア中の不純物の除去能力(精製剤の単位量当たりの不純物除去量)がさらに低下するという不都合があった。また、▲6▼の精製方法は、高い表面積の金属酸化物、例えば好ましいものとして15〜20wt%の鉄酸化物と80〜85wt%のマンガン酸化物を挙げているが、▲5▼の精製方法と同様に、元々粗アンモニア中の不純物の除去能力が低く、さらに繰返して精製剤の再生を行なうと精製剤が劣化し、除去能力がさらに低下するという不都合があった。
【0009】
従って、本発明が解決しようとする課題は、粗アンモニア中の不純物の除去能力が高く、粗アンモニアに含まれている微量の不純物を極めて低濃度になるまで除去できるとともに、繰返して精製剤の再生を行なっても不純物の除去能力が低下することなく、高純度アンモニアを連続して容易に供給できるアンモニアの精製方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、アンモニアの精製剤の構成を、(1)酸化マンガンと、(2)酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合(Mn/(Mn+V+Cr+Sn+Zr+Bi+Nb+Ta))が80〜99%となるようにすることにより、粗アンモニア中の不純物の除去能力(精製剤の単位量当たりの不純物除去量)が極めて向上するとともに、繰返して精製剤の再生を行なっても精製剤の劣化がなく、精製剤の寿命が著しく延びることを見い出し、本発明のアンモニアの精製方法に到達した。
【0011】
さらに、前記構成の精製剤は、粗アンモニア中に不純物として含まれる酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水等を極めて低濃度まで除去できること、前記構成の精製剤と合成ゼオライトを組合せることにより、1回のアンモニア精製時間が大幅に延び、精製ラインを2ライン配置した場合にアンモニアの精製と剤の再生の切替えを時間的に余裕を持って容易に実施できることを見い出し、本発明のアンモニアの精製方法を完成した。
【0012】
すなわち本発明は、粗アンモニアを、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、該有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80〜99%である精製剤と接触させて、該粗アンモニアに含まれる不純物を除去することを特徴とするアンモニアの精製方法である。
【0013】
また、本発明は、粗アンモニアを、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、該有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80〜99%である精製剤、及び合成ゼオライトと接触させて、該粗アンモニアに含まれる不純物を除去することを特徴とするアンモニアの精製方法でもある。
【0014】
また、本発明は、粗アンモニアを、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、該有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80〜99%である精製剤と接触させて、該粗アンモニアに含まれる不純物を除去し、次に再生ガスを該精製剤と接触させて該精製剤を再生することを特徴とするアンモニアの精製方法でもある。
【0015】
さらに、本発明は、粗アンモニアを、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、該有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80〜99%である精製剤、及び合成ゼオライトと接触させて、該粗アンモニアに含まれる不純物を除去し、次に再生ガスを該精製剤及び該合成ゼオライトと接触させて該精製剤及び該合成ゼオライトを再生することを特徴とするアンモニアの精製方法でもある。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のアンモニアの精製方法は、アンモニア単独、または、水素(水素ガスベース)および窒素、アルゴンなどの不活性ガス(不活性ガスベース)で希釈されたアンモニア(以下総称して粗アンモニアと記す)に含まれる酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水等の不純物の除去に適用される。また、本発明のアンモニアの精製方法は、特にアンモニアの精製に用いられる精製剤の寿命を著しく延長できる点で効果を発揮する。
【0017】
本発明のアンモニアの精製方法は、粗アンモニアを、(1)酸化マンガンと、(2)酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合(Mn/(Mn+V+Cr+Sn+Zr+Bi+Nb+Ta))が80〜99%である精製剤と接触させ、好ましくはさらに合成ゼオライトと接触させて、粗アンモニアに含まれる不純物を除去する精製方法である。
【0018】
また、本発明のアンモニアの精製方法は、粗アンモニアを、(1)酸化マンガンと、(2)酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合(Mn/(Mn+V+Cr+Sn+Zr+Bi+Nb+Ta))が80〜99%である精製剤と接触させ、好ましくはさらに合成ゼオライトと接触させて、粗アンモニアに含まれる不純物を除去し、次に再生ガスを精製剤(及び合成ゼオライト)と接触させて精製剤(及び合成ゼオライト)を再生する精製方法でもある。
【0019】
本発明のアンモニアの精製方法において、精製剤の1有効成分として使用される酸化マンガンは、MnO、Mn3O4、Mn2O3、MnO2等である。本発明においては、製造方法等により酸化マンガンが制限されることはないが、BET比表面積が10〜500m2/gであるものが好ましい。BET比表面積が10m2/g未満の酸化マンガンを使用した場合は、精製剤の単位量当たりの不純物除去量が少なくなる虞がある。また、BET比表面積が500m2/gを越える酸化マンガンを使用する場合は不純物を効率よく除去できるが、このような高いBET比表面積の酸化マンガンは工業的に製造することが困難である。
【0020】
これらの酸化マンガンは、市販品をそのまま用いてもよく、また公知の方法で製造したものを用いてもよい。酸化マンガンを製造する方法としては、例えばMnOは、MnCO3、Mn(OH)2を無酸素下で約500℃で加熱するか、あるいは高級マンガン酸化物をH2またはCO気流中で還元する方法がある。Mn3O4は、マンガンを含む化合物(酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩等)を空気中あるいは酸素気流中で約1000℃に強熱することにより容易に得られる。また、Mn2O3は、例えばマンガン塩(硫酸塩を除く)を空気中で600〜800℃で加熱することにより得られる。さらにMnO2は、希薄な過マンガン酸カリウム水溶液と希薄な硫酸マンガン水溶液と濃硫酸を加熱しながら攪拌、混合し、得られた沈殿を洗浄後、乾燥することにより調製することができる。
【0021】
また、本発明のアンモニアの精製方法において、酸化マンガン以外の精製剤の有効成分として使用される酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、酸化タンタルは、各々VO、V2O3、VO2、V2O5、CrO、Cr2O3、CrO2、Cr2O5、CrO3、SnO、SnO2、ZrO2、BiO、Bi2O3、Bi2O4、Bi2O5、NbO、Nb2O3、NbO2、Nb2O5、TaO、Ta2O3、TaO2、Ta2O5等である。これらの金属酸化物の中では、粗アンモニア中の不純物の除去能力が高い点で、特に酸化バナジウム、酸化クロム、または酸化錫を用いることが好ましい。本発明においては、酸化マンガンと同様にこれらの金属酸化物が製造方法等により制限されることはないが、BET比表面積が10〜500m2/gであるものが好ましい。また、これらの金属酸化物は市販品をそのまま用いてもよく、また公知の方法で調製したものを用いてもよい。
【0022】
本発明のアンモニアの精製方法における精製剤は、前記有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合(Mn/(Mn+V+Cr+Sn+Zr+Bi+Nb+Ta))が、通常は80〜99%、好ましくは86〜99%、より好ましく90〜98%となるように調製される。有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80%未満の場合、及び99%を超える場合は、粗アンモニア中の不純物の除去能力が低くなるだけでなく、繰返して精製剤の再生を行なうたびに精製剤が劣化して粗アンモニア中の不純物の除去能力が低下する。尚、前記有効成分の重量組成については、有効成分全量に対する酸化マンガンの含有率が86〜99wt%であることが好ましい。
本発明における精製剤は、通常はMnを含む水溶液と、V、Cr、Sn、Zr、Bi、Nb、及びTaから選ばれる1種以上を含む硫酸水溶液を予め混合しておき、酸化マンガンと他の前記金属の酸化物を共沈させ、得られた沈殿物をろ過、乾燥して調製されるが、各有効成分を混合し造粒することにより調製することもできる。
【0023】
尚、精製剤を製造する場合は、精製剤の成型性や成型強度を高めるために精製剤の調製の際にはバインダーを添加してもよい。このようなバインダーとしては、アルミナゾル、シリカゾル等を例示することができる。バインダーを加える場合は、通常は精製剤の全重量に対して10wt%以下であり、好ましくは5wt%以下である。また、有効成分以外の不純物成分として前記以外の金属、及び金属酸化物等が少量含まれているものであってもよいが、精製剤全体に対する有効成分の含有率は、通常は70wt%以上、好ましくは90wt%以上である。
【0024】
精製剤の形状及び大きさは特に限定されないが、例えば形状としては、球状、円柱状、円筒状及び粒状などが挙げられ、その大きさとしては、球状であれば直径0.5〜10mm程度のもの、ペレットやタブレット等の円柱状であれば直径0.5〜10mm、高さ2〜20mm程度のもの、粒状等不定形のものであれば、ふるいの目の開きで0.84〜5.66mm程度のものが好ましい。精製剤を浄化筒に充填したときの充填密度は、精製剤の形状及び調製方法により異なるが、通常は0.4〜2.0g/ml程度である。
【0025】
本発明のアンモニアの精製方法において、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含む精製剤は、通常は使用する前にこれを活性化するために水素還元またはアンモニア還元が行なわれる。還元の際は、例えば350℃以下程度で水素と窒素の混合ガス、あるいはアンモニアと窒素の混合ガスを空筒線速度(LV)5cm/sec程度で通すことによって行なうことができる。
【0026】
本発明のアンモニアの精製方法において使用される合成ゼオライトとは、化学的には合成結晶アルミノシリケート含水ナトリウム塩のナトリウムの一部をカリウムで置換した合成ゼオライトである。この合成ゼオライト結晶は内部に多数の細孔を有し、その細孔径がほぼ揃っていることが特徴である。これらの合成ゼオライトは効率よく使用できるように、通常は4〜20meshの球状物、直径1.5〜4mm、高さ5〜20mmの柱状物などに成形されて用いられる。本発明のアンモニアの精製方法においては、3〜10Å相当の細孔径を有する合成ゼオライトを使用することが好ましく、これに適合する市販の合成ゼオライトとしては、モレキュラーシーブス3A、4A、5A、13X(米、ユニオンカーバイト社またはユニオン昭和(株))等が挙げられる。これらの合成ゼオライトは、通常は使用する前に160〜350℃程度の温度で不活性ガスを通気しながら活性化される。
【0027】
アンモニアの精製は、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含む精製剤のみを使用する場合は、通常は図1に示すような精製筒に前記の精製剤を充填し、還元処理した後、精製筒に粗アンモニアを通すことによって行われる。また、精製剤及び合成ゼオライトを使用する場合は、通常は図2(A)に示すように精製筒に精製剤を充填し、吸着筒に合成ゼオライトを充填して、これらを還元処理した後、粗アンモニアを通すか、または図2(B)に示すような処理筒に精製剤及び合成ゼオライトを積層して充填し、これらを還元処理した後、粗アンモニアを通すことによって行われる。
本発明のアンモニアの精製方法においては、精製剤により主に酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水が除去され、合成ゼオライトにより主に二酸化炭素、水が除去される。本発明に適用される粗アンモニアに含まれるこれらの不純物の濃度は、通常は各々100ppm以下である。
【0028】
精製剤筒に充填される精製剤の充填長、吸着筒に充填される合成ゼオライトの充填長、または処理筒に積層して充填される精製剤と合成ゼオライトの充填長は、実用上通常は50〜1500mmとされる。充填長が50mmよりも短くなると不純物の除去率が低下する虞があり、また、1500mmよりも長くなると圧力損失が大きくなり過ぎる虞が生ずる。精製時の粗アンモニアの空筒線速度(LV)は供給されるアンモニア中の不純物の濃度および操作条件などによって異なり一概に特定できないが、通常は100cm/sec以下、好ましくは30cm/sec以下である。
【0029】
アンモニアと精製剤の接触温度は、精製剤筒の入口に供給されるガスの温度で150℃以下であり、通常は常温でよく、特に加熱や冷却を必要としない。また、アンモニアと合成ゼオライトの接触温度も通常は常温である。また、アンモニアと精製剤または合成ゼオライトの接触時の圧力にも特に制限はなく常圧、1KPaのような減圧あるいは0.5MPa(絶対圧力)のような加圧下のいずれでも処理が可能であるが通常は常圧ないし0.3MPa(絶対圧力)の加圧下で行なわれる。
【0030】
本発明のアンモニアの精製方法において、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含む精製剤の再生は、通常は水素還元またはアンモニア還元により行なわれる。還元の際は、160〜400℃の温度で水素と窒素等の不活性ガスの混合ガス、あるいはアンモニアと窒素等の不活性ガスの混合ガスを通すことによって行なうことができるが、精製剤の寿命をさらに延長できる点で、精製剤に不活性ガスを供給した後、前記の条件で水素またはアンモニアを供給することにより行なうことが好ましい。
また、合成ゼオライトの再生は、通常は160〜350℃程度の温度で不活性ガスを通すことによって行なうことができる。
【0031】
本発明のアンモニアの精製方法においては、高純度アンモニアを連続して容易に供給するために、図3に示すような精製剤及び合成ゼオライトが備えられた精製ライン、あるいは前記精製ラインの代わりに精製剤のみが備えられた精製ラインを少なくとも2ライン配置してアンモニアの精製を行なうことが好ましい。このような精製装置により、精製ラインを順次切替えながら、粗アンモニアを供給して精製すると同時に、再生ガスを精製後の精製ラインに供給して、精製剤、合成ゼオライトを再生することが可能となり、高純度アンモニアを連続して容易に供給することが可能となる。
【0032】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【0033】
実施例1
(精製剤の調製)
395gの過マンガン酸カリウム、及び22.0gのメタバナジン酸カリウムを水12.5kgに溶解した液に、3wt%の硫酸マンガン水溶液8.45kgと濃硫酸144gとの混合液を温度70℃にて速やかに注加し反応させた。生成した沈殿物を90℃で3時間攪拌した後、濾過し、イオン交換水25kgで3回洗浄した後、再度濾過し、1250gのケーキ状の酸化マンガン(MnO2)及び酸化バナジウム(V2O5)を得た。このケーキ状混合物を90℃で12時間乾燥し、粉末状混合物380gを得た。この粉末状混合物のBET比表面積をガス吸着量測定装置(ユアサアイオニクス(株)製、オートソーブ3B)で測定したところ225m2/gであった。
【0034】
得られた粉末状混合物100g当たりに対して、アルミナゾル2g、水40gを加えて混練し、得られたケーキを押し出し成型機で押し出して直径1.6mmの成型物を得た。これを長さ10mm程度に切断してペレットとし、120℃で12時間乾燥させることによって精製剤を得た。この精製剤中の有効成分(酸化マンガン及び酸化バナジウム)全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合は94%であり、精製剤中の水分は、0.8wt%であった。
【0035】
(アンモニアの精製試験)
内径45.2mm、長さ200mmのステンレス製の精製筒に前記の精製剤を充填長150mmとなるように充填した。次に精製剤の温度を250℃に昇温し、水素と窒素の混合ガス(水素5vol%、窒素95vol%)を常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で5時間流通して精製剤の還元処理を行ない精製剤を常温に冷却した。
【0036】
引き続き、精製筒に不純物として50ppmの酸素を含有する粗アンモニアを、常温(20℃)において9622ml/min(LV:10cm/sec)の流量で流してアンモニアの精製を行なった。その間約20分間隔で熱伝導度検出器(GC−TCD)(検出下限濃度0.2ppm)を用いて出口ガス中の酸素の分析を行ない、酸素が検出されるまでの時間を測定して、精製剤1g当たりに対する酸素除去量(ml)を求めた。その結果を表1に示す。
【0037】
酸素が検出された後、粗アンモニアの供給を中止し、精製剤の温度を250℃に昇温して、窒素を常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で1時間流通し、さらに水素と窒素の混合ガス(水素5vol%、窒素95vol%)を常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で5時間流通して精製剤の再生を行なった。その後、精製剤を常温に冷却し、アンモニアの精製を再開した。以上のような操作を繰返して行ない、精製剤1g当たりに対する酸素除去量(ml)を求めた結果を表1に示す。
【0038】
実施例2、実施例3
実施例1の精製剤の調製において、精製剤中の有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合を、各々97%、88%に替えたほかは実施例1と同様にして精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。結果を表1に示す。
【0039】
実施例4
実施例1のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの二酸化炭素を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表1に示す。但し、二酸化炭素の分析は、水素炎イオン化検出器(メタナイザー付)(GC−FID)(検出下限濃度0.5ppm)を用いた。以後の実施例あるいは比較例における二酸化炭素の分析についても同様である。
【0040】
実施例5、実施例6
実施例1の精製剤の調製において、精製剤中の有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合を、各々97%、88%に替えたほかは実施例1と同様にして精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例4と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表1に示す。
【0041】
実施例7
実施例1のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの水を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表1に示す。但し、水の分析は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)(検出下限濃度0.05ppm)を用いた。以後の実施例あるいは比較例における水の分析についても同様である。
【0042】
実施例8、実施例9
実施例1の精製剤の調製において、精製剤中の有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合を、各々97%、88%に替えたほかは実施例1と同様にして精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例7と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表1に示す。
【0043】
実施例10
(精製剤の調製)
395gの過マンガン酸カリウム、及び31.0gのクロム酸カリウムを水12.5kgに溶解した液に、3wt%の硫酸マンガン水溶液8.45kgと濃硫酸144gとの混合液を温度70℃にて速やかに注加し反応させた。生成した沈殿物を90℃で3時間攪拌した後、濾過し、イオン交換水25kgで3回洗浄した後、再度濾過し、1240gのケーキ状の酸化マンガン(MnO2)及び酸化クロム(CrO3)を得た。このケーキ状混合物を90℃で12時間乾燥し、粉末状混合物370gを得た。この粉末状混合物のBET比表面積をガス吸着量測定装置(ユアサアイオニクス(株)製、オートソーブ3B)で測定したところ220m2/gであった。
【0044】
得られた粉末状混合物100g当たりに対して、アルミナゾル2g、水40gを加えて混練し、得られたケーキを押し出し成型機で押し出して直径1.6mmの成型物を得た。これを長さ10mm程度に切断してペレットとし、120℃で12時間乾燥させることによって精製剤を得た。この精製剤中の有効成分(酸化マンガン及び酸化クロム)全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合は94%であり、精製剤中の水分は、0.7wt%であった。
【0045】
(アンモニアの精製試験)
前記の酸化マンガン及び酸化クロムを有効成分として含む精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0046】
実施例11、実施例12
実施例10の精製剤の調製において、精製剤中の有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合を、各々97%、88%に替えたほかは実施例10と同様にして精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例10と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。結果を表2に示す。
【0047】
実施例13
実施例10のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの二酸化炭素を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例10と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0048】
実施例14、実施例15
実施例10の精製剤の調製において、精製剤中の有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合を、各々97%、88%に替えたほかは実施例10と同様にして精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例13と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0049】
実施例16
実施例10のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの水を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例10と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0050】
実施例17、実施例18
実施例10の精製剤の調製において、精製剤中の有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合を、各々97%、88%に替えたほかは実施例10と同様にして精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例16と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0051】
実施例19〜実施例21
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化錫を有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々88%、94%、97%である精製剤を調製した。これらの精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表3に示す。
【0052】
実施例22〜実施例24
実施例19のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの二酸化炭素を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例19〜実施例21と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表3に示す。
【0053】
実施例25〜実施例27
実施例19のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの水を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例19〜実施例21と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表3に示す。
【0054】
実施例28〜実施例30
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化ジルコニウムを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々88%、94%、97%である精製剤を調製した。これらの精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表4に示す。
【0055】
実施例31〜実施例33
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化ビスマスを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々88%、94%、97%である精製剤を調製した。これらの精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表5に示す。
【0056】
実施例34〜実施例36
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化ニオブを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々88%、94%、97%である精製剤を調製した。これらの精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表6に示す。
【0057】
実施例37〜実施例39
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化タンタルを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々88%、94%、97%である精製剤を調製した。これらの精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表7に示す。
【0058】
実施例40〜実施例42
実施例1に準じて、酸化マンガン、酸化バナジウム、及び酸化クロムを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々88%、94%、97%である精製剤を調製した。ただし、バナジウム原子数、クロム原子数は同数にした。これらの精製剤を用いたほかは実施例1と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表8に示す。
【0059】
(アンモニアの精製)
実施例43
内径45.2mm、長さ400mmのステンレス製の処理筒に実施例10に用いたものと同じ精製剤を充填長150mmとなるように充填し、さらに市販の4Å相当の合成ゼオライト(モレキュラーシーブス4A、ユニオンカーバイト社製)を、精製剤の下流側に150mmとなるように充填した。次に、精製剤の温度を250℃に昇温し、合成ゼオライト側から水素と窒素の混合ガス(水素5vol%、窒素95vol%)を常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で5時間流通して精製剤の還元処理を行ない精製剤を常温に冷却した。また、合成ゼオライトの温度を350℃に昇温し、精製剤側から窒素ガスを常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で4時間流通して合成ゼオライトの活性化処理を行ない吸着筒を常温に冷却した。
【0060】
引き続き、処理筒に不純物として50ppmの酸素を含有する粗アンモニアを、常温(20℃)において9622ml/min(LV:10cm/sec)の流量で流してアンモニアの精製を行なった。その間約20分間隔で熱伝導度検出器(GC−TCD)(検出下限濃度0.2ppm)を用いて出口ガス中の酸素の分析を行ない、酸素が検出されるまでの時間を測定して、精製剤及び合成ゼオライト1g当たりに対する平均の酸素除去量(ml)を求めた。その結果を表8に示す。
【0061】
酸素が検出された後、粗アンモニアの供給を中止し、精製剤の温度を250℃に昇温して、合成ゼオライト側から窒素を常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で1時間流通し、さらに水素と窒素の混合ガス(水素5vol%、窒素95vol%)を常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で5時間流通して精製剤の再生を行なった。その後、精製剤を常温に冷却した。また、合成ゼオライトの温度を350℃に昇温し、精製剤側から窒素ガスを常圧、流量2887ml/min(LV:3.0cm/sec)で4時間流通して合成ゼオライトの再生を行なった。その後、合成ゼオライトを常温に冷却し、アンモニアの精製を再開した。以上のような操作を繰返して行ない、精製剤及び合成ゼオライト1g当たりに対する平均の酸素除去量(ml)を求めた結果を表9示す。
【0062】
実施例44、実施例45
実施例10の精製剤の調製において、精製剤中の精製剤中の有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合を、各々97%、88%に替えたほかは実施例10と同様にして精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例43と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。結果を表9に示す。
【0063】
実施例46〜実施例48
実施例43〜実施例45のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの二酸化炭素を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例43〜実施例45と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表9に示す。
【0064】
実施例49〜実施例51
実施例43〜実施例45のアンモニアの精製試験において、粗アンモニアとして50ppmの水を含有する粗アンモニアを用いたほかは実施例43〜実施例45と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表9に示す。
【0065】
比較例1〜比較例12
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化バナジウムを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々20%、50%、75%、99.5%である精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例1、実施例4、実施例7と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表10に示す。
【0066】
比較例13〜比較例24
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化クロムを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々20%、50%、75%、99.5%である精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例10、実施例13、実施例16と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表11に示す。
【0067】
比較例25〜比較例36
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化錫を有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々20%、50%、75%、99.5%である精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例19、実施例22、実施例25と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表12に示す。
【0068】
比較例37〜比較例40
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化ジルコニウムを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々20%、50%、75%、99.5%である精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例28と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表13に示す。
【0069】
比較例41〜比較例44
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化ビスマスを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々20%、50%、75%、99.5%である精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例31と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表14に示す。
【0070】
比較例45〜比較例48
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化ニオブを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々20%、50%、75%、99.5%である精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例34と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表15に示す。
【0071】
比較例49〜比較例52
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化タンタルを有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々20%、50%、75%、99.5%である精製剤を調製した。
これらの精製剤を用いたほかは実施例37と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表16に示す。
【0072】
比較例53〜比較例64
実施例1に準じて、酸化マンガン及び酸化鉄を有効成分として含み、有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が各々88%、94%、97%、100%である精製剤を調製した。これらの精製剤を用いたほかは実施例1、実施例4、実施例7と同様にしてアンモニアの精製試験を行なった。その結果を表17に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】
【表9】
【0082】
【表10】
【0083】
【表11】
【0084】
【表12】
【0085】
【表13】
【0086】
【表14】
【0087】
【表15】
【0088】
【表16】
【0089】
【表17】
【0090】
【発明の効果】
本発明のアンモニアの精製方法により、粗アンモニアに含まれている酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水等の不純物を、精製剤の単位量当たりの不純物除去量換算で、従来の精製方法よりも極めて多く除去することが可能となった。また、粗アンモニアに含まれている微量の不純物を極めて低濃度になるまで除去できるとともに、繰返して精製剤の再生を行なっても不純物の除去能力が低下することなく、精製剤の寿命を従来の精製方法よりも著しく長く延ばすことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンモニアの精製方法を実施するための精製ラインの一例を示す構成図
【図2】本発明のアンモニアの精製方法を実施するための精製ラインの図1以外の例を示す構成図
【図3】本発明のアンモニアの精製方法を実施するための精製装置の一例を示す構成図
【符号の説明】
1 精製剤
2 合成ゼオライト
3 精製筒
4 吸着筒
5 処理筒
6 ヒーター
7 粗アンモニア供給ライン
8 精製アンモニア抜出しライン
9 再生ガス供給ライン
10 再生排ガス排出ライン
Claims (16)
- 粗アンモニアを、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、該有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80〜99%である精製剤と接触させて、該粗アンモニアに含まれる不純物を除去することを特徴とするアンモニアの精製方法。
- 粗アンモニアを、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、該有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80〜99%である精製剤、及び合成ゼオライトと接触させて、該粗アンモニアに含まれる不純物を除去することを特徴とするアンモニアの精製方法。
- 粗アンモニアを、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、該有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80〜99%である精製剤と接触させて、該粗アンモニアに含まれる不純物を除去し、次に再生ガスを該精製剤と接触させて該精製剤を再生することを特徴とするアンモニアの精製方法。
- 粗アンモニアを、酸化マンガンと、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化ニオブ、及び酸化タンタルから選ばれる1種以上の金属酸化物を有効成分として含み、該有効成分全体の金属原子数に対するマンガン原子数の割合が80〜99%である精製剤、及び合成ゼオライトと接触させて、該粗アンモニアに含まれる不純物を除去し、次に再生ガスを該精製剤及び該合成ゼオライトと接触させて該精製剤及び該合成ゼオライトを再生することを特徴とするアンモニアの精製方法。
- 精製剤全量に対する有効成分の含有率が70wt%以上である請求項1乃至請求項4のいずれかの1項に記載のアンモニアの精製方法。
- 酸化マンガンがMnO、Mn3O4、Mn2O3、またはMnO2である請求項1乃至請求項4のいずれかの1項に記載のアンモニアの精製方法。
- 有効成分全量に対する酸化マンガンの含有率が86〜99wt%である請求項1乃至請求項4のいずれかの1項に記載のアンモニアの精製方法。
- 合成ゼオライトが、3〜10Å相当の細孔径を有する合成ゼオライトである請求項2または請求項4に記載のアンモニアの精製方法。
- 粗アンモニアに含まれる不純物が、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水から選ばれる1種以上の化合物である請求項1乃至請求項4のいずれかの1項に記載のアンモニアの精製方法。
- 精製剤の再生を、精製剤に不活性ガスを供給し、次に水素またはアンモニアを供給することにより行なう請求項3または請求項4に記載のアンモニアの精製方法。
- 粗アンモニアと精製剤の接触温度が150℃以下である請求項1乃至請求項4のいずれかの1項に記載のアンモニアの精製方法。
- 粗アンモニアと合成ゼオライトの接触温度が150℃以下である請求項2または請求項4に記載のアンモニアの精製方法。
- 精製剤の再生温度が160〜400℃である請求項3または請求項4に記載のアンモニアの精製方法。
- 合成ゼオライトの再生温度が160〜350℃である請求項4に記載のアンモニアの精製方法。
- 精製剤が備えられた精製ラインを少なくとも2ライン配置し、該精製ラインを順次切替えながら粗アンモニアを供給して精製するとともに、該精製ラインを順次切替えながら再生ガスを精製後の精製ラインに供給して該ラインの精製剤を再生する請求項3に記載のアンモニアの精製方法。
- 精製剤及び合成ゼオライトが備えられた精製ラインを少なくとも2ライン配置し、該精製ラインを順次切替えながら粗アンモニアを供給して精製するとともに、該精製ラインを順次切替えながら再生ガスを精製後の精製ラインに供給して該ラインの精製剤及び合成ゼオライトを再生する請求項4に記載のアンモニアの精製方法。
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