[go: up one dir, main page]

JP2004147721A - 血液ポンプ駆動装置 - Google Patents

血液ポンプ駆動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004147721A
JP2004147721A JP2002313689A JP2002313689A JP2004147721A JP 2004147721 A JP2004147721 A JP 2004147721A JP 2002313689 A JP2002313689 A JP 2002313689A JP 2002313689 A JP2002313689 A JP 2002313689A JP 2004147721 A JP2004147721 A JP 2004147721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
blood
blood pump
diaphragm
pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002313689A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Wakui
秀樹 和久井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2002313689A priority Critical patent/JP2004147721A/ja
Publication of JP2004147721A publication Critical patent/JP2004147721A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Reciprocating Pumps (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)

Abstract

【課題】患者の動きが制限されることになく、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を一定に制御することができる血液ポンプ駆動装置を提供すること。
【解決手段】血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量(ストローク・ボリューム)を、分離室50の気体室52及び血液ポンプ10の流体駆動室13で構成される第2密封空気室の容積の変動量により算出する一方、各吸引期間においてオイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときに、血液ポンプ10の血液室12の血液を満タン状態にし、血液ポンプ10のダイアフラム11を分離室50側の血液ポンプ10の壁面に接触した状態にある場所に位置させて、血液ポンプ10のダイアフラム11の絶対的な位置を把握する。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を一定に制御することができる血液ポンプ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、人工心臓に利用する血液ポンプを空気圧で駆動する血液ポンプ駆動装置では、液圧媒体用のポンプを駆動源とすることにより、陽圧と陰圧の空気圧を血液ポンプに交互に供給している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このとき、血液ポンプ駆動装置では、拍動数(回/min)や、%−systole(拍出期間と吸引期間の和に対する拍出期間の割合)、陽圧(mmHg)、陰圧(mmHg)といった条件を手動で設定し、その条件下で駆動が行われれる。もっとも、このように、駆動条件が設定されていても、血液ポンプのダイアフラムの動きは、患者の血圧変化に影響されることになる。そこで、血液ポンプのダイアフラムの動作を自動的に把握し、患者の血圧変化に影響されることなく、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を一定に制御することが求めらている。
【0004】
そのためには、血液ポンプの流入ポートと流出ポートに電極を設け、両電極間の電気抵抗に変化によって、血液ポンプのダイアフラムの位置を検出する方法の利用が考えられる(例えば、特許文献2参照)。この方法を利用すれば、両電極間の電気抵抗に基づいて、拍出期間と吸引期間を切り換えることによって、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を一定に制御することが可能となる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−143297号公報(第6−7頁、第3図)
【特許文献2】
特開平4−266740号公報(第2−3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法を利用した場合には、計測装置に配線された電極を患者に近接させることになるため、安全確保の観点から、患者の動きが制限されてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、患者の動きが制限されることになく、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を一定に制御することができる血液ポンプ駆動装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、蓄圧室と、前記蓄圧室に連通する空気室及び液体室がダイアフラムで区画されたオイルリザーバと、前記オイルリザーバの液体室に連通するポンプ室が設けられたオイルポンプと、前記オイルポンプのポンプ室に連通する液体室及び気体室がダイアフラムで区画された分離室と、前記分離室の気体室に連通する流体駆動室及び血液室がダイアフラムで区画された血液ポンプと、を有し、前記オイルポンプの正回転により前記血液ポンプの血液室から血液が吐き出される拍出期間と、前記オイルポンプの逆回転により前記血液ポンプの血液室に血液が吸い込まれる吸引期間とを交互に繰り返す血液ポンプ駆動装置において、前記分離室の空気室及び前記血液ポンプの流体駆動室に充満する気体の容積を使用することにより、前記血液ポンプのダイアフラムの総移動量を算出しつつ、各吸引期間の所定のタイミングで前記血液ポンプの血液室の血液を満タン状態にすることにより、前記血液ポンプのダイアフラムの総移動量を一定に制御すること、を特徴としている。
【0009】
このような特徴を有する本発明の血液ポンプ駆動装置では、オイルポンプが逆回転する吸引期間になると、分離室の液体室からポンプ室に流体が吸入されるので、分離室のダイアフラムがポンプ室側に移動して、分離室の液体室の容積が縮小するとともに分離室の空気室の容積が拡大する。そのため、分離室の空気室と連通する血液ポンプの流体駆動室は、減圧してその容積を縮小しようとし、血液ポンプのダイアフラムの曲率が分離室側から見て凹の状態から凸の状態に反転する。この曲率の反転によって拍動が生じ、血液ポンプの血液室に血液が吸い込まれる。
【0010】
一方、オイルポンプが正回転する拍出期間になると、ポンプ室から分離室の液体室に流体が吐出されるので、分離室のダイアフラムが血液ポンプ側に移動して、分離室の液体室の容積が拡大するとともに分離室の空気室の容積が縮小する。そのため、分離室の空気室と連通する血液ポンプの流体駆動室は、増圧してその容積を拡大しようとし、血液ポンプのダイアフラムの曲率が分離室側から見て凸の状態から凹の状態に反転する。この曲率の反転によって拍動が生じ、血液ポンプの血液室から血液が吐き出される。
【0011】
従って、本発明の血液ポンプ駆動装置では、逆回転と正回転をオイルポンプが交互に繰り返すことにより、血液ポンプによる血液の拍動を繰り返すことができる。
【0012】
このとき、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)は、分離室の空気室及び血液ポンプの流体駆動室に充満する気体の容積の変化により算出することになるが、これだけでは、血液ポンプのダイアフラムの絶対的な位置を把握することができないので、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を制御することができない。
【0013】
この点、血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にある場合には、いずれの吸引期間であっても、血液ポンプのダイアフラムは常に所定の場所に位置するものと考えられることから、各吸引期間の所定のタイミングで血液ポンプの血液室の血液を満タン状態にし、各吸引期間の所定のタイミングに血液ポンプのダイアフラムを所定の場所に位置させて、血液ポンプのダイアフラムの絶対的な位置を把握することにより、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を一定に制御する。
【0014】
すなわち、本発明の血液ポンプ駆動装置では、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を、分離室の空気室及び血液ポンプの流体駆動室に充満する気体の容積の変化により算出する一方で、各吸引期間の所定のタイミングで血液ポンプの血液室の血液を満タン状態にし、各吸引期間の所定のタイミングに血液ポンプのダイアフラムを所定の場所に位置させて、血液ポンプのダイアフラムの絶対的な位置を把握することにより、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を一定に制御しており、配線を必要とする計測センサーなどを患者に近接させることは不要なため、患者の動きが制限されることになく、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を一定に制御することができる。
【0015】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する血液ポンプ駆動装置であって、前記オイルポンプの逆回転時の出力が低下し始めたときから微小時間が経過するまでに、前記分離室の気体室の圧力が所定範囲内で上昇した場合に、当該吸引期間の所定のタイミングで前記血液ポンプの血液室の血液が満タンの状態にあると判断すること、を特徴としている。
【0016】
このような特徴を有する本発明の血液ポンプ駆動装置では、各吸引期間の所定のタイミングとして、オイルポンプの逆回転時の出力が低下し始めたときとしている。このとき、血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にない場合には、血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にある場合と比べて、血液ポンプのダイアフラムに生じる張力が小さく、血液ポンプのダイアフラムの動きが遅いので、オイルポンプの逆回転時の出力が低下し始めた後も、しばらくの間は、血液ポンプの流体駆動室の体積が維持され、よって、オイルポンプの逆回転時の出力が低下し始めた瞬間から、血液ポンプの流体駆動室に連通する分離室の気体室の圧力が上昇し始めると考えられる。
【0017】
一方、血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にある場合には、血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にない場合と比べて、血液ポンプのダイアフラムに生じる張力が大きく、血液ポンプのダイアフラムの動きが速いので、オイルポンプの逆回転時の出力が低下し始めた瞬間から、血液ポンプの流体駆動室の体積が増加し、オイルポンプの逆回転時の出力が低下し始めた後も、しばらくの間は、血液ポンプの流体駆動室に連通する分離室の気体室の圧力が維持されると考えられる。
【0018】
そこで、オイルポンプの逆回転時の出力が低下し始めたときから微小時間が経過するまでに、分離室の気体室の圧力が所定範囲を越えて上昇した場合には、当該吸引期間の所定のタイミングで血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にないと判断し、分離室の気体室の圧力が所定範囲内を越えずに上昇した場合には、当該吸引期間の所定のタイミングで血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にあると判断することが可能となる。
【0019】
すなわち、本発明の血液ポンプ駆動装置では、各吸引期間の所定のタイミングとして、オイルポンプの逆回転時の出力が低下し始めたときとし、このときは、血液ポンプのダイアフラムに生じる張力の影響から、血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にあるか否かで、分離室の気体室の圧力の上昇の割合が異なることから、当該吸引期間の所定のタイミングで血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にあるか否かを判断することが可能となる。
【0020】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載する血液ポンプ駆動装置であって、前記血液ポンプのダイアフラムが前記分離室の気体室側に最も移動した後に、前記分離室のダイアフラムが前記オイルポンプ側に最も移動した場合に、当該吸引期間の所定のタイミングで前記血液ポンプの血液室の血液が満タンの状態にあると判断すること、を特徴としている。
【0021】
このような特徴を有する本発明の血液ポンプ駆動装置では、分離室のダイアフラムが血液ポンプ側に移動することにより、血液ポンプの流体駆動室と連通する分離室の気体室の圧力が上昇すると、血液ポンプのダイアフラムの曲率が分離室側から見て凸の状態から凹の状態に反転し、この曲率の反転によって拍動が生じ、血液ポンプの血液室から血液が吐き出される。一方、分離室のダイアフラムがオイルポンプ側に移動することにより、血液ポンプの流体駆動室と連通する分離室の気体室の圧力が低下すると、血液ポンプのダイアフラムの曲率が分離室側から見て凹の状態から凸の状態に反転し、この曲率の反転によって拍動が生じ、血液ポンプの血液室に血液が吸い込まれる。つまり、血液ポンプの流体駆動室と分離室の気体室が連通していることから、血液ポンプのダイアフラムと分離室のダイアフラムは関連して動作する。この点、分離室のダイアフラムが先ず動作し、その動作により生じる分離室の気体室の圧力の変化により、血液ポンプのダイアフラムが動作するため、血液ポンプのダイアフラムの動作は、分離室のダイアフラムの動作よりも僅かに遅れることになる。
【0022】
従って、分離室のダイアフラムがオイルポンプ側に最も移動した後に、血液ポンプのダイアフラムが分離室の気体室側に最も移動した場合は、血液ポンプのダイアフラムが分離室の気体室側に移動する余裕が存在する可能性があると考えられるので、血液ポンプのダイアフラムが分離室の気体室側に最も移動したときは、血液ポンプの血液室の血液が満タンの状態にないと判断することが可能である。一方、血液ポンプのダイアフラムが分離室の気体室側に最も移動した後に、分離室のダイアフラムがオイルポンプ側に最も移動した場合は、血液ポンプのダイアフラムが分離室の気体室側に完全に移動しきっていると考えられるので、血液ポンプのダイアフラムが分離室の気体室側に最も移動したときは、血液ポンプの血液室の血液が満タンの状態にあると判断することが可能である。
【0023】
尚、血液ポンプのダイアフラムが分離室の気体室側に最も移動したことは、血液ポンプのダイアフラムの移動量の極大値又は極小値により特定することができる。また、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)の極大値又は極小値により特定することもできる。また、分離室のダイアフラムがオイルポンプ側に最も移動したことは、オイルリザーバの空気室の圧力の極大値により特定することができる。
【0024】
すなわち、本発明の血液ポンプ駆動装置では、各吸引期間の所定のタイミングとして、血液ポンプのダイアフラムが分離室の気体室側に最も移動したときとし、このときは、血液ポンプのダイアフラムの動作が分離室のダイアフラムの動作よりも僅かに遅れることから、血液ポンプのダイアフラムが分離室の気体室側に最も移動したときと分離室のダイアフラムがオイルポンプ側に最も移動したときの前後関係により、血液ポンプの血液室の血液が満タンの状態にあるか否かを判断することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。そこで、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置の概要を図10に基づいて説明する。
【0026】
図10の血液ポンプ駆動装置1は、蓄圧室34と、オイルリザーバ30、オイルポンプ20、分離室50、血液ポンプ10、制御装置40などから構成される。
この点、蓄圧室34には、蓄圧室34の内部の空気圧を測定するための圧力センサ35と、蓄圧室34の内部を大気に開放又は大気から遮断させるための開閉弁36が設けられており、圧力センサ35及び開閉弁36は、いずれも、制御装置40に接続されている。
【0027】
また、オイルリザーバ30は、ダイアフラム31により、空気室33と液体室32に分離されている。尚、空気室33は、チューブを介して、蓄圧室34の内部と連通している。
【0028】
また、オイルポンプ20は、図示しないロータ及びハウジングを有するポンプ室21と、当該ロータを回転させるためのモータ22で構成されており、モータ22は、制御装置40に接続されている。さらに、ポンプ室21には、第2ポート212及び第1ポート211が設けられている。そして、モータ22が正方向・逆方向に交互に回転にすると、ポンプ室21の内部では、第2ポート212より吸入した流体を第1ポート211から吐出する正方向ポンピングと、第1ポート211より吸入した流体を第2ポート212から吐出する逆方向ポンピングとが交互に行われる。尚、ポンプ室21の第2ポート212は、チューブを介して、オイルリザーバ30の液体室32と連通している。また、ポンプ室21の内部に充満する流体は、例えば、非圧縮性の液体のシリコンオイルなどである。また、モータ22の出力は、モータ22が正方向・逆方向に交互に変更される付近を除いて、一定に制御される(図3,図5参照)。
【0029】
また、分離室50は、ダイアフラム51により、空気室52と液体室53に分離されている。さらに、空気室52には、空気室52の内部の空気圧を測定するための圧力センサ55が設けられ、液体室53には、液体室53の内部の圧力を測定するための圧力センサ54が設けられており、圧力センサ55及び圧力センサ54は、いずれも、制御装置40に接続されている。尚、液体室53は、チューブを介して、オイルポンプ20のポンプ室21の第1ポート211と連通している。
【0030】
また、血液ポンプ10は、ダイアフラム11により、血液室12と流体駆動室13に分離されている。さらに、血液室12には、吸入方向への一方向弁14を介して血液吸入ポート15が設けられるとともに、吐出方向への一方向弁16を介して血液吐出ポート17が設けられている。尚、血液室12の血液吸入ポート15は、図示しないチューブにより、生体(患者)の心房に接続されるとともに、血液室12の血液吐出ポート17は、図示しないチューブにより、生体(患者)の大動脈に接続されている。
【0031】
また、血液ポンプ10の流体駆動室13は、チューブにより、分離室50の空気室52と連通している。さらに、当該チューブには、血液ポンプ10の流体駆動室13と分離室50の空気室52を大気に開放又は大気から遮断させるための開閉弁56が設けられており、開閉弁56は、制御装置40に接続されている。
【0032】
また、制御装置40は、上述したように、圧力センサ35と、開閉弁36、モータ22、圧力センサ54、圧力センサ55、開閉弁56などが接続されたものであり、圧力センサ35と、圧力センサ54、圧力センサ55などからの電気信号に基づいて、開閉弁36と、モータ22、開閉弁56などを制御するものである。これにより、開閉弁36や開閉弁56を開閉したり、オイルポンプ20を正方向ポンピング又は逆方向ポンピングすることができる。
【0033】
そして、図10の血液ポンプ駆動装置1では、オイルポンプ20が逆方向ポンピングする吸引期間になると、ポンプ室21の第1ポート211より吸入した流体が第2ポート212から吐出するので、分離室50のダイアフラム51がポンプ室21側に移動して、分離室50の液体室53の容積が縮小するとともに分離室50の空気室52の容積が拡大する。そのため、分離室50の空気室52と連通する血液ポンプ10の流体駆動室13は、減圧してその容積を縮小しようとし、血液ポンプ10のダイアフラム11の曲率が分離室50側から見て凹の状態から凸の状態に反転する。この曲率の反転によって拍動が生じ、血液ポンプ10の血液室12に、血液吸入ポート15を介して血液が吸い込まれる。
【0034】
一方、図10の血液ポンプ駆動装置1では、オイルポンプ20が正方向ポンピングする拍出期間になると、ポンプ室21の第2ポート212より吸入した流体が第1ポート211から吐出するので、分離室50のダイアフラム51が血液ポンプ10側に移動して、分離室50の液体室53の容積が拡大するとともに分離室50の空気室52の容積が縮小する。そのため、分離室50の空気室52と連通する血液ポンプ10の流体駆動室13は、増圧してその容積を拡大しようとし、血液ポンプ10のダイアフラム11の曲率が分離室50側から見て凸の状態から凹の状態に反転する。この曲率の反転によって拍動が生じ、血液ポンプ10の血液室12から、血液吐出ポート17から血液が吐き出される。
【0035】
従って、図10の血液ポンプ駆動装置1では、逆方向ポンピングと正方向ポンピングをオイルポンプ20が相互に繰り返すことにより、血液ポンプ10による血液の拍動を繰り返すことができる。
【0036】
また、図10の血液ポンプ駆動装置1では、通常、開閉弁36及び開閉弁56は閉じられている。この点、血液ポンプ10を分離室50に接続する前の準備操作においては、蓄圧室34の開閉弁36を開けた後に、オイルポンプ20のモータ22を正方向に回転させて、分離室50のダイアフラム51がストローク終端まで移動した状態を維持させつつ、蓄圧室34の開閉弁36を閉じる。このとき、オイルリザーバ30の空気室33及び蓄圧室34で構成される第1密封空気室の空気圧は、最小圧P35minでかつ大気圧と等しくなり、また、当該第1密封空気室の容積は最大容積V33maxとなる。次に、蓄圧室34の圧力センサ35を介して、予め設定されたPsetに当該第1密封空気室の空気圧が移行・維持されるように、オイルポンプ20のモータ22を逆方向に回転させる。このとき、当該第1密封空気室の容積Vsetは、ポリトロープ変化の式から、次式により表すことができる。
Vset=V33max×(P35min/Pset)^(1/n)
この点、このようにして求められるVsetを適正に設定していれば、分離室50の気体室52の容積も適正にすることができる。そこで、当該第1密封空気室が容積Vsetで空気圧Psetに維持された状態で、血液ポンプ10と分離室50を接続すれば、血液ポンプ10の流体駆動室13及び分離室50の気体室52で構成される第2密封空気室の空気量を適正な状態にした下で、図10の血液ポンプ駆動装置1の駆動を開始することができる。
【0037】
また、図10の血液ポンプ駆動装置1の駆動中は、分離室50の液体室53の圧力センサ54の圧力波形及び分離室50の空気室52の圧力センサ55の圧力波形を制御装置40が比較しており、圧力センサ54の圧力値が圧力センサ55の圧力値を超えているときは、駆動の条件や生体(患者)の状態の変化により、血液ポンプ10の流体駆動室13及び分離室50の気体室52で構成される第2密封空気室の空気量が不足しているので、分離室50の空気室52の圧力センサ55の圧力値が負圧になっているタイミングに合わせて、開閉弁56を開けることにより、当該第2密封空気室に大気を吸い込ませる。一方、圧力センサ55の圧力値が圧力センサ54の圧力値を超えているときは、駆動の条件や生体(患者)の状態の変化により、血液ポンプ10の流体駆動室13及び分離室50の気体室52で構成される第2密封空気室の空気量が過剰になっているので、分離室50の空気室52の圧力センサ55の圧力値が正圧になっているタイミングに合わせて、開閉弁56を開けることにより、当該第2密封空気室から大気を吐き出させる。これにより、駆動の条件や生体(患者)の状態の変化に応じて、当該第2密封空気室の空気量を適正なものにすることができる。
【0038】
そして、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1が駆動中は、蓄圧室34の圧力センサ35の圧力波形及び分離室50の空気室52の圧力センサ55の圧力波形は、例えば、図11に示すように測定される。図11において、点線は、分離室50の空気室52の圧力センサ55の圧力波形を示しており、オイルポンプ20により流体が分離室50の液体室53に流されると、分離室50の空気室52の空気が圧縮されて空気圧が上昇して正圧となり、オイルポンプ20により流体がオイルリザーバ30の液体室32に流されると、分離室50の空気室52の空気が膨張されて空気圧が下降して負圧となる。尚、実線は、分離室50の空気室52の圧力センサ55の圧力波形の微分波形を示すものである。一方、一点鎖線は、蓄圧室34の圧力センサ35の圧力波形を示しており、オイルポンプ20により流体が分離室50の液体室53に流されると、オイルリザーバ30の空気室33の空気が膨張されて空気圧が下降して負圧となり、オイルポンプ20により流体がオイルリザーバ30の液体室32に流されると、オイルリザーバ30の空気室33の空気が圧縮されて空気圧が上昇して正圧となる。
【0039】
そして、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量を求めるにあたっては、先ず、オイルリザーバ30の液体室32及び、オイルポンプ20のポンプ室21、分離室50の液体室53に充満された流体の移動量(以下、「オイル移動量」という)VOを、蓄圧室34の内部の空気圧が大気圧のときを基準にして、以下の式(1)により求める。
VO=VR−VR×(PA/(PA+PR))^(1/C1) … 式(1)
ここで、「VR」は、オイルリザーバ30の空気室33及び蓄圧室34で構成される第1密封空気室の大気圧における容積(設計的既知事項)である。また、「PA」は、大気圧である。また、「PR」は、蓄圧室34の圧力センサ35の圧力値であって、当該第1密封空気室の空気圧である。また、「C1」は、1より大きくかつ1.4以下の正の定数である。
【0040】
次に、血液ポンプ10の流体駆動室13及び分離室50の気体室52で構成される第2密封空気室の空気量VAを求める。この点、血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量は、当該第2密封空気室の圧力上昇率が最大のときには非常に小さいと考えられることから、当該第2密封空気室の圧力上昇率が最大になるタイミングに着目し(図11参照)、その微小期間におけるオイル移動量VOの変化及び、その微小期間における分離室50の空気室52の圧力センサ55の圧力変化などから、以下の式(2)により求める。
VA=C2×(VO2−VO1)/[{(PA+PI2)/(PA+PI1)}^(1/C3)−1] … 式(2)
ここで、「PI」は、分離室50の空気室52の圧力センサ55の圧力値であって、当該第2密封空気室の空気圧である。また、「C2」は、負の定数である。また、「C3」は、1より大きくかつ1.4以下の正の定数である。また、添字の「1」はその微小期間の始点(測定開始時)を意味し、添字の「2」はその微小期間の終点(測定終了時)を意味する。
【0041】
ただし、上式で求められた当該第2密封空気室の空気量VAは、その微小期間の終点(測定終了時)に対応するものであって、当該第2密封空気室の空気圧PI2のときのものであるから、以下の式(3)により、大気圧換算された当該第2密封空気室の空気量VASを求める。
VAS=VA×{(PA+PI2)/PA}^(1/C4) … 式(3)
ここで、「C4」は、1より大きくかつ1.4以下の正の定数である。
【0042】
もっとも、大気圧換算された当該第2密封空気室の空気量VASは、分離室50の空気室52の圧力センサ55の圧力値(当該第2密封空気室の空気圧)の変化(図11の点線)に伴って変動するものであるから、その変動量DVAを以下の式(4)により求める。
DVA=VAS−VAS×{PA/(PA+PI)}^(1/C5)… 式(4)
ここで、「C5」は、1より大きくかつ1.4以下の正の定数である。
【0043】
図12の実線は、大気圧時における当該第2密封空気室の空気量VASを0ccとし、分離室50の空気室52の圧力センサ55の圧力値(当該第2密封空気室の空気圧)の変化(図11の点線)に伴って、当該第2密封空気室の空気量VASがどれだけ変動したかを大気圧換算で示したものであり、上記の変動量DVAの実測値から大気圧換算されたものである。この点、当該第2密封空気室を構成する血液ポンプ10の流体駆動室13と分離室50の気体室52は、軟質樹脂部品のチューブなどで連通されるとともに、軟質樹脂部品のダイアフラム51,11で区画されており、それらの軟質樹脂部品は圧力と共に変形することから、その変形量も含くまれている。そして、当該変形量VTは、以下の式(4の2)で求まる。
VT=C6×PI … 式(4の2)
ここで、「C6」は、定数である。
【0044】
また、図12の点線は、オイル移動量VOであり、分離室50の液体室53に最も流体が流れたときを0ccとして、そのときからオイルリザーバ30の液体室32にどれだけ流体が流れたかを示しており、オイルリザーバ30の空気室33の容積変化を示すものでもある。また、図12の一点鎖線は、オイル移動量VO(図12の点線)に対して、大気圧換算された当該第2密封空気室の空気量VASの変動量DVA(図12の実線)をたしたものであり、血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量を意味している。従って、図12の一点鎖線における最大値と最小値の差は、1回の拍動における血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量を意味している。
【0045】
よって、血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBは、以下の式(5)により求まる。
VB=VO+DVA+VT … 式(5)
そして、1回の拍動で血液ポンプ10が吐出する血液量SVは、図12の一点鎖線で示される波形により、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量として、以下の式(6)により求まる。
SV=VBmax−VBmin … 式(6)
ここで、「VBmax」は、血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBの最大値であり、「VBmin」は、血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBの最小値である。
【0046】
次に、本実施の形態において、図10の血液ポンプ駆動装置1における血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量を求めるまでの過程をフローチャートで説明する。図13は、血液ポンプ10の流体駆動室13及び分離室50の気体室52で構成される第2密封空気室の大気圧換算された空気量VASを算出するためのフローチャート図である。
【0047】
図13に示すように、先ず、S11において、規定のサンプリング間隔(例えば、2msec)をもって、圧力センサ55の圧力値PI及び、大気圧PAを測定する。ここで、大気圧PAは、制御装置40に備えられた圧力センサで測定する。次に、S12では、規定のサンプリング間隔をもって、上述した式(1)により、オイル移動量VOを算出する。次に、S13では、規定のサンプリング間隔において、圧力センサ55の圧力値PIの圧力値変化DPIを、次式(9)により算出する。
DPI=PI2−PI1 … 式(9)
【0048】
そして、算出された圧力値変化DPIは、S14において、その時点での圧力値変化の最大値DPImaxと比較される。ここで、圧力値変化DPIが最大値DPImaxよりも大きい場合には(S14:Yes)、S15に進んで、最大値DPImaxに圧力値変化DPIを代入する。その後、S16において、上述した式(2)により、血液ポンプ10の流体駆動室13及び分離室50の気体室52で構成される第2密封空気室の空気量VAを算出する。また、S17において、次式(10)により、圧力値変化DPIの算出時における分離室50の気体室52の絶対圧PVAを算出する。
PVA=PA+PI2 … 式(10)
【0049】
さらに、S18において、当該第2密封空気室の空気量VA及び、圧力値変化DPIの算出時における分離室50の気体室52の絶対圧PVAを、それぞれ最新の値に置き換えた後、S19に進む。また、上述したS14において、圧力値変化DPIが最大値DPImaxよりも以下である場合にも(S14:No)、S19に進む。
【0050】
次に、S19では、1回の拍動が終了しているか否かを判断する。ここで、1回の拍動が終了していると判断する場合には(S19:Yes)、S20に進んで、当該第2密封空気室の空気量VA及び、圧力値変化DPIの算出時における分離室50の気体室52の絶対圧PVAを、それぞれ確定する。そして、S21において、1回の拍動が行われている間に開閉弁56が作動したか否かを判断する。ここで、1回の拍動が行われている間に開閉弁56が作動していたと判断する場合には(S21:Yes)、S23に進んで、圧力値変化の最大値DPImaxをリセットし、その後に、S11に戻る。
【0051】
一方、1回の拍動が行われている間に開閉弁56が作動していないと判断する場合には(S21:No)、S22に進んで、上述した式(3)により、大気圧換算された当該第2密封空気室の空気量VASを求め、その後に、S11に戻る。尚、S22では、「PA+PI2」として、S18で求めた絶対圧PVAを使用している。また、上述したS19において、1回の拍動が終了していないと判断する場合には(S19:No)、何もすることなく、S11に戻る。
【0052】
図2は、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVを制御するためのフローチャート図である。図2に示すように、先ず、S31において、上述した規定のサンプリング間隔をもって、圧力センサ35の圧力値PR及び、圧力センサ55の圧力値PI、大気圧PAを測定する。ここで、大気圧PAは、制御装置40に備えられた圧力センサで測定する。次に、S32では、規定のサンプリング間隔をもって、上述した式(1)により、オイル移動量VOを算出する。次に、S33では、樹脂製部品の容積変化VTを、上述した式(4の2)により算出する。
【0053】
次に、S34では、大気圧換算された当該第2密封空気室の空気量VAS(図13のS22で算出したものを使用)の変動量DVAを、上述した式(4)により算出する。また、S35では、血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBを、上述した式(5)により算出する。
【0054】
そして、算出された血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBは、S35において、その時点での、血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量の最大値VBmaxと比較される。ここで、算出された血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBが最大値VBmaxより大きい場合には(S36:Yes)、S37に進んで、算出された血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBを最大値VBmaxに置き換えた後に、S38に進む。一方、算出された血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBが最大値VBmax以下の場合には(S36:No)、何もすることなく、S38に進む。
【0055】
また、算出された血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBは、S38において、その時点での、血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量の最小値VBminと比較される。ここで、算出された血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBが最小値VBminより小さい場合には(S38:Yes)、S39に進んで、算出された血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBを最小値VBminに置き換えた後に、S40に進む。一方、算出された血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBが最小値VBmin以上の場合には(S38:No)、何もすることなく、S40に進む。
【0056】
次に、S40では、1回の拍動が終了しているか否かを判断する。ここで、1回の拍動が終了していると判断する場合には(S40:Yes)、S41に進んで、血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBの最大値VBmax及び最小値VBminをそれそれ確定する。そして、S42において、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVを、上述した式(6)により算出する。その後は、S43において、血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBの最大値VBmax及び最小値VBminをそれぞれリセットし、S44に進む。一方、1回の拍動が終了していないと判断する場合には(S40:No)、何もすることなく、S31に戻る。
【0057】
次に、S44では、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVが設定値より小さいか否かを判断する。ここで、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVが設定値より小さいと判断した場合には(S44:Yes)、S45に進んで、拍動数(回/min)を低下させた後に、S46に進む。これにより、1分間当たりの拍動数が低下して、1回当たりの拍出期間・吸引期間を長くすることができるので、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVを設定値に近づけることができる。一方、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVが設定値より小さいと判断しない場合には(S44:No)、何もすることなく、S46に進む。
【0058】
次に、S46では、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVが設定値より大きいか否かを判断する。ここで、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVが設定値より大きいと判断した場合には(S46:Yes)、S47に進んで、拍動数(回/min)を上昇させた後に、S31に戻る。これにより、1分間当たりの拍動数が上昇して、1回当たりの拍出期間・吸引期間を短くすることができるので、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVを設定値に近づけることができる。一方、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVが設定値より大きいと判断しない場合には(S46:No)、何もすることなく、S31に戻る。
【0059】
すなわち、図2のフローチャートでは、上述した式(6)を用いて、分離室50の気体室52及び血液ポンプ10の流体駆動室13で構成される第2密封空気室の容積VASの変動量DVAを使用することにより、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVを算出している(S42)。そして、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVと設定値との大小関係により、拍動数(回/min)を上昇・低下させて、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVを設定値に近づけている(S44〜S47)。そして、1回の拍動毎に、図2のフローチャートを繰り返して行えば、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVを設定値に維持することが可能となる。
但し、これだけでは、血液ポンプ10のダイアフラム11の絶対的な位置を把握することができないので、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVを制御することができない。
【0060】
なぜなら、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量(ストローク・ボリューム)SVを大きくすることは、血液ポンプ10のダイアフラム11の移動距離を長くすることを意味するので、血液ポンプ10のダイアフラム11の絶対的な位置を把握することなく、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVを大きくすれば、そのときの血液ポンプ10のダイアフラム11の絶対的な位置によっては、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50側又は血液ポンプ10の血液室12側に完全に移動しきってしまい、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVを大きくできないケースがあるからである。
【0061】
この点、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にある場合には、いずれの吸引期間であっても、血液ポンプ10のダイアフラム11は、分離室50側の血液ポンプ10の壁面に接触した状態にあり、常にその場所に位置するものと考えられる。そこで、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、各吸引期間の所定のタイミングで血液ポンプ10の血液室12の血液を満タン状態にし、各吸引期間の所定のタイミングに血液ポンプ10のダイアフラム11をその場所に位置させて、血液ポンプ10のダイアフラム11の絶対的な位置を把握することにより、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量(ストローク・ボリューム)を一定に制御する。
【0062】
そして、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態になる各吸引期間の所定のタイミングとしては、例えば、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときがある。この点を詳しく説明すると、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にない場合には、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にある場合と比べて、血液ポンプ10のダイアフラム11に生じる張力が小さく、血液ポンプ10のダイアフラム11の動きが遅いので、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めた後も、しばらくの間は、血液ポンプ10の流体駆動室13の体積が維持され、よって、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めた瞬間から、血液ポンプ10の流体駆動室13に連通する分離室50の気体室52の圧力が上昇し始めると考えられる。
【0063】
一方、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にある場合には、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にない場合と比べて、血液ポンプ10のダイアフラム11に生じる張力が大きく、血液ポンプ10のダイアフラム11の動きが速いので、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めた瞬間から、血液ポンプ10の流体駆動室13の体積が増加し、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めた後も、しばらくの間は、血液ポンプ10の流体駆動室13に連通する分離室50の気体室52の圧力が維持されると考えられる。
【0064】
図5は、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にない場合の圧力センサ55の圧力波形に対して、オイルポンプ20のモータ22の出力波形と正逆転信号とを同期させて示したものであり、図6は、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めた付近(図5のA)の、圧力センサ55の圧力波形を拡大したものである。ここで、圧力センサ55の圧力波形は、分離室50の気体室52の圧力を意味するものである。図6に示すように、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にない場合には、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたとき(図5及び図6のA1)から微小時間dt(20msec)が経過するまでにおいて、分離室50の気体室52の圧力上昇値dpが約8.5mmHgであることがわかる。
【0065】
図3は、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にある場合の圧力センサ55の圧力波形に対して、オイルポンプ20のモータ22の出力波形と正逆転信号を同期させて示したものであり、図4は、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めた付近(図3のB)の、圧力センサ55の圧力波形を拡大したものである。ここで、圧力センサ55の圧力波形は、分離室50の気体室52の圧力を意味するものである。図4に示すように、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にある場合には、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたとき(図3及び図4のB1)から微小時間dt(20msec)が経過するまでにおいて、分離室50の気体室52の圧力上昇値dpが約2mmHgであることがわかる。
【0066】
従って、図3〜図6により、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にない場合には、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めた瞬間から、血液ポンプ10の流体駆動室13に連通する分離室50の気体室52の圧力が上昇し始める一方(図5、図6参照)、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にある場合には、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めた後も、しばらくの間は、血液ポンプ10の流体駆動室13に連通する分離室50の気体室52の圧力が維持される(図3、図4参照)、という上述した考え方は妥当であることがわかる。
【0067】
そこで、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときから微小時間dtが経過するまでの、分離室50の気体室52の圧力上昇値dpが所定範囲を越えた場合には、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときに血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にないと判断する一方、分離室50の気体室52の圧力上昇値dpが所定範囲を越えない場合には、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときに血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にあると判断することが可能となる。
【0068】
よって、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときから微小時間dtが経過するまでの分離室50の気体室52の圧力上昇値dpと所定範囲を比較することにより、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にあるか否かを判断し、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にないと判断した場合には、%−systole(拍出期間と吸引期間の和に対する拍出期間の割合)を低下させて、拍出期間に対する吸引期間の割合を上昇させることにより、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときにおいて、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態になるように調整する。これにより、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときにおいて、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50側の血液ポンプ10の壁面に可能な範囲で最大限近づいた状態にあるとみなすことができ、血液ポンプ10のダイアフラム11の絶対的な位置を把握することができる。
【0069】
但し、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にあると判断した場合であっても、満タン状態が過剰になると、血液ポンプ10のダイアフラム11に過大な張力が生じて、血液ポンプ10のダイアフラム11の耐久性を低下させる一因となるため、%−systole(拍出期間と吸引期間の和に対する拍出期間の割合)を上昇させて、拍出期間に対する吸引期間の割合を低下させることにより、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときにおいて、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にないようにする。
【0070】
もっとも、1回の拍動の毎に、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にあると判断した場合と、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にないと判断した場合とを繰り返すので、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときにおいて、血液ポンプ10のダイアフラム11に過大な張力が生じない程度で、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態となることを維持させることができる。
【0071】
尚、具体的には、図1のフローチャートを制御装置40が実行することにより行われる。先ず、S51において、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたか否かを判断する。ここで、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたと判断しない場合には(S51:No)、S51に戻って、上述した判断を再び行う。一方、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたと判断する場合には(S51:Yes)、S52に進んで、分離室50の気体室52の圧力を圧力センサ55で測定して、「PIA1」として記憶する。これにより、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときの、分離室50の気体室52の圧力が取得される。
【0072】
その後は、S53において、タイマーをスタートさせ、S54において、微小時間dtが経過するまで待つ(S54:No)。微小時間dtが経過したら(S54:Yes)、S55において、分離室50の気体室52の圧力を圧力センサ55で測定して、「PIA2」として記憶する。これにより、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときから微小時間dtが経過したときの、分離室50の気体室52の圧力が取得される。そして、S56において、「PIA2」から「PIA1」を差し引くことにより、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときから微小時間dtが経過するまでの分離室50の気体室52の圧力上昇値dpを算出する。
【0073】
その後は、S57において、当該圧力上昇値dpが規定圧較差より大きいか否かを判断する。ここで、当該圧力上昇値dpが規定圧較差より大きいと判断しない場合には(S57:No)、何もすることなく、S59に進む。一方、当該圧力上昇値dpが規定圧較差より大きいと判断する場合には(S57:Yes)、S58において、%−systole(拍出期間と吸引期間の和に対する拍出期間の割合)を低下させて、拍出期間に対する吸引期間の割合を上昇させた後に、S59に進む。これにより、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときに、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態になるようにする。
【0074】
また、S59では、当該圧力上昇値dpが規定圧較差より小さいか否かを判断する。ここで、当該圧力上昇値dpが規定圧較差より小さいと判断しない場合には(S59:No)、何もすることなく、S51に戻る。一方、当該圧力上昇値dpが規定圧較差より小さいと判断する場合には(S59:Yes)、S60において、%−systole(拍出期間と吸引期間の和に対する拍出期間の割合)を上昇させて、拍出期間に対する吸引期間の割合を低下させた後に、S51に戻る。これにより、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときに、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にないようにする。
【0075】
この点、上述した図1のフローチャートは、1回の拍動が終了する度に行われる。その結果、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にあると判断した場合(S59:Yes)と、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にないと判断した場合(S57:Yes)とを、1回の拍動毎に繰り返すことになることから、各吸引期間において、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときに、血液ポンプ10のダイアフラム11に過大な張力が生じない程度で、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態となることを維持させることが可能となり、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50側の血液ポンプ10の壁面に接触した状態にあるとみなすことができるので、血液ポンプ10のダイアフラム11の絶対的な位置を把握することができる。これにより、血液ポンプ10のダイアフラム11の絶対的な位置を把握することができるので、図2のフローチャートにより、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVを制御することができる。
【0076】
すなわち、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、図2のフローチャートにより、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SV(ストローク・ボリューム)を、分離室50の気体室52及び血液ポンプ10の流体駆動室13で構成される第2密封空気室の容積VASの変動量DVAにより算出する一方、図1のフローチャートにより、各吸引期間においてオイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときに、血液ポンプ10の血液室12の血液を満タン状態にし(図1のS57〜S60)、血液ポンプ10のダイアフラム11を分離室50側の血液ポンプ10の壁面に接触した状態にある場所に位置させて、血液ポンプ10のダイアフラム11の絶対的な位置を把握している。従って、図1及び図2のフローチャートにより、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SV(ストローク・ボリューム)を一定に制御することが可能となる。これにより、配線を必要とする計測センサーなどを患者に近接させることは不要なため、患者の動きが制限されることにない。
【0077】
また、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、各吸引期間の所定のタイミングとして、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときとするが、このときは、血液ポンプ10のダイアフラム11に生じる張力の影響から、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にあるか否かで、分離室50の気体室52の圧力の上昇の割合が異なることから(図3〜図6参照)、当該吸引期間の所定のタイミングで血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にあるか否かを判断することが可能である。
【0078】
さて、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態になる各吸引期間の所定のタイミングとしては、上述した、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときがあるが、その他に、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときがある。
【0079】
この点を詳しく説明すれば、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、分離室50のダイアフラム51が血液ポンプ10側に移動することにより、血液ポンプ10の流体駆動室13と連通する分離室50の気体室52の圧力が上昇すると、血液ポンプ10のダイアフラム11の曲率が分離室50側から見て凸の状態から凹の状態に反転し、この曲率の反転によって拍動が生じ、血液ポンプ10の血液室12から血液が吐き出される。一方、分離室50のダイアフラム51がオイルポンプ20側に移動することにより、血液ポンプ10の流体駆動室13と連通する分離室50の気体室52の圧力が低下すると、血液ポンプ10のダイアフラム11の曲率が分離室50側から見て凹の状態から凸の状態に反転し、この曲率の反転によって拍動が生じ、血液ポンプ10の血液室12に血液が吸い込まれる。つまり、血液ポンプ10の流体駆動室13と分離室50の気体室52が連通していることから、血液ポンプ10のダイアフラム11と分離室50のダイアフラム51は関連して動作する。この点、分離室50のダイアフラム51が先ず動作し、その動作により生じる分離室50の気体室52の圧力の変化により、血液ポンプ10のダイアフラム11が動作するため、血液ポンプ10のダイアフラム11の動作は、分離室50のダイアフラム51の動作よりも僅かに遅れることになる。
【0080】
従って、分離室50のダイアフラム51がオイルポンプ20側に最も移動した後に、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動した場合は、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に移動する余裕が存在する可能性があると考えられるので、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときは、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タンの状態にないと判断することが可能である。一方、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動した後に、分離室50のダイアフラム51がオイルポンプ20側に最も移動した場合は、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に完全に移動しきっていると考えられるので、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときは、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タンの状態にあると判断することが可能である。
【0081】
尚、ここでは、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したことは、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SV(ストローク・ボリューム)の極大値により特定することができる。また、分離室50のダイアフラム11がオイルポンプ20側に最も移動したことは、オイルリザーバ30の空気室33の圧力の極大値により特定することができる。
【0082】
図9は、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にない場合の圧力センサ35の圧力波形に対して、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SV(ストローク・ボリューム)を同期させて示したものである。ここで、圧力センサ35の圧力波形は、オイルリザーバ30の空気室33の圧力を意味するものである。従って、図9では、オイルリザーバ30の空気室33の圧力が極大値となった時間t1の後に、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SV(ストローク・ボリューム)が極大値となった時間t2があるので、分離室50のダイアフラム51がオイルポンプ20側に最も移動した後に、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動した場合を示している。また、図9は、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にない場合であり、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に移動する余裕が存在する。
【0083】
従って、分離室50のダイアフラム51がオイルポンプ20側に最も移動した後に、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動した場合は、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に移動する余裕が存在する可能性があると考えられるので、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときは、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タンの状態にないと判断することは妥当である。
【0084】
図8は、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にある場合の圧力センサ35の圧力波形に対して、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SV(ストローク・ボリューム)を同期させて示したものである。ここで、圧力センサ35の圧力波形は、オイルリザーバ30の空気室33の圧力を意味するものである。従って、図8では、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SV(ストローク・ボリューム)が極大値となった時間t2の後に、オイルリザーバ30の空気室33の圧力が極大値となった時間t1があるので、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動した後に、分離室50のダイアフラム51がオイルポンプ20側に最も移動した場合を示している。また、図10は、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にある場合であり、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に完全に移動しきっている。
【0085】
従って、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動した後に、分離室50のダイアフラム51がオイルポンプ20側に最も移動した場合は、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に完全に移動しきっていると考えられるので、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときは、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タンの状態にあると判断することは妥当である。
【0086】
そこで、分離室50のダイアフラム51がオイルポンプ20側に最も移動した後に、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動した場合において、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときは、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タンの状態にないと判断する一方、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動した後に、分離室50のダイアフラム51がオイルポンプ20側に最も移動した場合において、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときは、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タンの状態にあると判断することが可能となる。
【0087】
よって、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、分離室50のダイアフラム51がオイルポンプ20側に最も移動したときと、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときの前後関係により、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときに、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にあるか否かを判断し、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にないと判断した場合には、%−systole(拍出期間と吸引期間の和に対する拍出期間の割合)を低下させて、拍出期間に対する吸引期間の割合を上昇させることにより、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときにおいて、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態になるように調整する。これにより、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときにおいて、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50側の血液ポンプ10の壁面に可能な範囲で最大限近づいた状態にあるとみなすことができ、血液ポンプ10のダイアフラム11の絶対的な位置を把握することができる。
【0088】
但し、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にあると判断した場合であっても、満タン状態が過剰になると、血液ポンプ10のダイアフラム11に過大な張力が生じて、血液ポンプ10のダイアフラム11の耐久性を低下させる一因となるため、%−systole(拍出期間と吸引期間の和に対する拍出期間の割合)を上昇させて、拍出期間に対する吸引期間の割合を低下させることにより、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときにおいて、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にないようにする。
【0089】
もっとも、1回の拍動の毎に、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にあると判断した場合と、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にないと判断した場合とを繰り返すので、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときにおいて、血液ポンプ10のダイアフラム11に過大な張力が生じない程度で、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態となることを維持させることができる。
【0090】
尚、具体的には、図7のフローチャートを制御装置40が実行することにより行われる。先ず、S71において、タイマーをスタートさせる。次に、S72において、オイルリザーバ30の空気室33の圧力及び、血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBを監視する。この点、オイルリザーバ30の空気室33の圧力は、圧力センサ35の圧力PRにより取得される。また、血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBは、図2のフローチャートのS35により算出される。
【0091】
その後、S73では、上述したS72で取得された圧力センサ35の圧力PRを「PRmax」と比較する。ここで、上述したS72で取得された圧力センサ35の圧力PRが「PRmax」より大きいと判断した場合には(S73:Yes)、S74に進んで、上述したS72で取得された圧力センサ35の圧力PRを「PRmax」に代入する。そして、S75において、上述したS72で圧力センサ35の圧力PRを取得したときのタイマー時間を「t1」に代入した後、S76に進む。一方、上述したS72で取得された圧力センサ35の圧力PRが「PRmax」より大きいと判断しない場合には(S73:No)、何もすることなく、S76に進む。
【0092】
S76では、上述したS72で取得された血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBを「VBmax」と比較する。ここで、上述したS72で取得された血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBが「VBmax」より大きいと判断した場合には(S76:Yes)、S77に進んで、上述したS72で取得された血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBを「VBmax」に代入する。そして、S78において、上述したS72で血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBを取得したときのタイマー時間を「t2」に代入した後、S79に進む。一方、上述したS72で取得された血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBが「VBmax」より大きいと判断しない場合には(S76:No)、何もすることなく、S79に進む。
【0093】
次のS79では、1回の拍動が終了したか否かを判断している。ここで、1回の拍動が終了したと判断しない場合には(S79:No)、上述したS72に戻って、上述した処理を繰り返す。これにより、「PRmax」は、オイルリザーバ30の空気室33の圧力の極大値になることから、「t1」は、分離室50のダイアフラム11がオイルポンプ20側に最も移動したときを示すことになる。また、「VBmax」は、血液ポンプ10のダイアフラム11の移動量VBの極大値になることから、「t2」は、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときを示すことになる。一方、1回の拍動が終了したと判断する場合には(S79:Yes)、S80に進む。
【0094】
その後は、S80において、「t2」が「t1」よりも後であるか否かを判断する。ここで、「t2」が「t1」よりも後であると判断しない場合には(S80:No)、何もすることなく、S82に進む。一方、「t2」が「t1」よりも後であると判断する場合には(S80:Yes)、S81において、%−systole(拍出期間と吸引期間の和に対する拍出期間の割合)を低下させて、拍出期間に対する吸引期間の割合を上昇させた後に、S82に進む。これにより、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときに、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態になるようにする。
【0095】
また、S82では、「t2」が「t1」よりも前であるか否かを判断する。ここで、「t2」が「t1」よりも前であると判断しない場合には(S82:No)、何もすることなく、S84に進む。一方、「t2」が「t1」よりも前であると判断する場合には(S82:Yes)、S83において、%−systole(拍出期間と吸引期間の和に対する拍出期間の割合)を上昇させて、拍出期間に対する吸引期間の割合を低下させた後に、S84に進む。これにより、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときに、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にならないようにする。
【0096】
この点、上述した図7のフローチャートは、S84において、タイマー及び、「PRmax」、「VBmax」をリセットし、その後に、S72に戻り、上述した処理を繰り返すことから、1回の拍動が終了する度にS84まで行われる。その結果、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にあると判断した場合(S82:Yes)と、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態にないと判断した場合(S80:Yes)とを、1回の拍動毎に繰り返すことになることから、各吸引期間において、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときに、血液ポンプ10のダイアフラム11に過大な張力が生じない程度で、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タン状態となることを維持させることが可能となり、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50側の血液ポンプ10の壁面に可能な範囲で最大限近づいた状態にあるとみなすことができるので、血液ポンプ10のダイアフラム11の絶対的な位置を把握することができる。これにより、血液ポンプ10のダイアフラム11の絶対的な位置を把握することができるので、図2のフローチャートにより、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SVを制御することができる。
【0097】
すなわち、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、図2のフローチャートにより、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SV(ストローク・ボリューム)を、分離室50の気体室52及び血液ポンプ10の流体駆動室13で構成される第2密封空気室の容積VASの変動量DVAにより算出する一方、図7のフローチャートにより、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときに、血液ポンプ10の血液室12の血液を満タン状態にし(図7のS80〜S83)、血液ポンプ10のダイアフラム11を分離室50側の血液ポンプ10の壁面に可能な範囲で最大限近づいた状態にある場所に位置させて、血液ポンプ10のダイアフラム11の絶対的な位置を把握している。従って、図1及び図7のフローチャートにより、血液ポンプ10のダイアフラム11の総移動量SV(ストローク・ボリューム)を一定に制御することが可能となる。これにより、配線を必要とする計測センサーなどを患者に近接させることは不要なため、患者の動きが制限されることにない。
【0098】
また、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、各吸引期間の所定のタイミングとして、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときとし、このときは、血液ポンプ10のダイアフラム11の動作が分離室50のダイアフラム51の動作よりも僅かに遅れることから、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときと分離室50のダイアフラム51がオイルポンプ20側に最も移動したときの前後関係により(図8、図9参照)、血液ポンプ10の血液室12の血液が満タンの状態にあるか否かを判断することが可能となる。
【0099】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1において、各吸引期間の所定のタイミングとして、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときとする場合、図3や図5とは異なって、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が急激に低下する条件では、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときを、オイルポンプ20のモータ22の正逆転信号の立ち上がり部分(正逆転信号が逆転から正転に変わる部分)に重なるものとみなすことができるので、図1のフローチャートのS51を、「オイルポンプ20のモータ22の正逆転信号が逆転から正転に変わったか?」に置き換えてもよい。
【0100】
また、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1において、各吸引期間の所定のタイミングとして、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときとする場合、図1のフローチャートでは、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときの分離室50の気体室52の圧力を取得するとともに(S52)、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときから微小時間dtが経過したときの分離室50の気体室52の圧力を取得し(S55)、それらの差から、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときから微小時間dtが経過するまでの分離室50の気体室52の圧力上昇値dpを算出していたが(S56)、この点、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときから微小時間dtが経過するまでの間で、分離室50の気体室52の圧力の最大値・最小値を取得し、それらの差から、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたときから微小時間dtが経過するまでの分離室50の気体室52の圧力上昇値dpを算出してもよい。
【0101】
また、本実施の形態の血液ポンプ駆動装置1では、各吸引期間の所定のタイミングとして、オイルポンプ20のモータ22の逆回転時の出力が低下し始めたとき又は、血液ポンプ10のダイアフラム11が分離室50の気体室52側に最も移動したときのいずれかを使用していたが、両者を同時に使用してもよい。
【0102】
尚、本明細書において、「拍動」とは、血液ポンプ10のダイアフラム11の曲率が反転する意味として使われている以外の箇所では、連続する拍出期間と吸引期間が1回行われたことを意味する(図3,図5参照)。
【0103】
【発明の効果】
本発明の血液ポンプ駆動装置では、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を、分離室の空気室及び血液ポンプの流体駆動室に充満する気体の容積の変化により算出する一方で、各吸引期間の所定のタイミングで血液ポンプの血液室の血液を満タン状態にし、各吸引期間の所定のタイミングに血液ポンプのダイアフラムを所定の場所に位置させて、血液ポンプのダイアフラムの絶対的な位置を把握することにより、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を一定に制御しており、配線を必要とする計測センサーなどを患者に近接させることは不要なため、患者の動きが制限されることになく、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を一定に制御することができる。
【0104】
また、本発明の血液ポンプ駆動装置では、各吸引期間の所定のタイミングとして、オイルポンプの逆回転時の出力が低下し始めたときとし、このときは、血液ポンプのダイアフラムに生じる張力の影響から、血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にあるか否かで、分離室の気体室の圧力の上昇の割合が異なることから、当該吸引期間の所定のタイミングで血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にあるか否かを判断することが可能となる。
【0105】
また、本発明の血液ポンプ駆動装置では、各吸引期間の所定のタイミングとして、血液ポンプのダイアフラムが分離室の気体室側に最も移動したときとし、このときは、血液ポンプのダイアフラムの動作が分離室のダイアフラムの動作よりも僅かに遅れることから、血液ポンプのダイアフラムが分離室の気体室側に最も移動したときと分離室のダイアフラムがオイルポンプ側に最も移動したときの前後関係により、血液ポンプの血液室の血液が満タンの状態にあるか否かを判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による血液ポンプ駆動装置において、各吸引期間の所定のタイミングとして、オイルポンプのモータの逆回転時の出力が低下し始めたときとした際のフローチャート図である。
【図2】本発明の一実施形態による血液ポンプ駆動装置において、1回の拍動における血液ポンプのダイアフラムの総移動量を算出する際のフローチャート図である。
【図3】本発明の一実施形態による血液ポンプ駆動装置において、血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にある場合の圧力センサの圧力波形に対して、オイルポンプのモータの出力波形と正逆転信号を同期させて示したものである。
【図4】図3において、オイルポンプのモータの逆回転時の出力が低下し始めた付近の、圧力センサの圧力波形を拡大したものである。
【図5】本発明の一実施形態による血液ポンプ駆動装置において、血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にない場合の圧力センサの圧力波形に対して、オイルポンプのモータの出力波形と正逆転信号とを同期させて示したものである。
【図6】図5において、オイルポンプのモータの逆回転時の出力が低下し始めた付近の、圧力センサの圧力波形を拡大したものである。
【図7】本発明の一実施形態による血液ポンプ駆動装置において、各吸引期間の所定のタイミングとして、血液ポンプのダイアフラムが分離室の気体室側に最も移動したときとした際のフローチャート図である。
【図8】本発明の一実施形態による血液ポンプ駆動装置において、血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にある場合の圧力センサの圧力波形に対して、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を同期させて示したものである。
【図9】本発明の一実施形態による血液ポンプ駆動装置において、血液ポンプの血液室の血液が満タン状態にない場合の圧力センサの圧力波形に対して、血液ポンプのダイアフラムの総移動量(ストローク・ボリューム)を同期させて示したものである。
【図10】本発明の一実施形態による血液ポンプ駆動装置の概要を示した図である。
【図11】本発明の一実施形態による血液ポンプ駆動装置において、蓄圧室の圧力センサの圧力波形及び分離室の空気室の圧力センサの圧力波形の一例を示した実測波形の図である。
【図12】本発明の一実施形態による血液ポンプ駆動装置において、1回の拍動における血液ポンプのダイアフラムの総移動量などの一例を示した実測波形の図である。
【図13】本発明の一実施形態による血液ポンプ駆動装置において、第2密封空気室の大気圧換算された空気量を算出するためのフローチャート図である。
【符号の説明】
1 血液ポンプ駆動装置
10 血液ポンプ
11 血液ポンプのダイアフラム
12 血液ポンプの血液室
13 血液ポンプの流体駆動室
20 オイルポンプ
21 オイルポンプのポンプ室
30 オイルリザーバ
31 オイルリザーバのダイアフラム
32 オイルリザーバの液体室
33 オイルリザーバの空気室
34 蓄圧室
35 圧力センサ
50 分離室
51 分離室のダイアフラム
52 分離室の気体室
53 分離室の液体室
55 圧力センサ
VAS 分離室の空気室及び血液ポンプの流体駆動室に充満する気体の容積
SV 血液ポンプのダイアフラムの総移動量

Claims (3)

  1. 蓄圧室と、前記蓄圧室に連通する空気室及び液体室がダイアフラムで区画されたオイルリザーバと、前記オイルリザーバの液体室に連通するポンプ室が設けられたオイルポンプと、前記オイルポンプのポンプ室に連通する液体室及び気体室がダイアフラムで区画された分離室と、前記分離室の気体室に連通する流体駆動室及び血液室がダイアフラムで区画された血液ポンプと、を有し、前記オイルポンプの正回転により前記血液ポンプの血液室から血液が吐き出される拍出期間と、前記オイルポンプの逆回転により前記血液ポンプの血液室に血液が吸い込まれる吸引期間とを交互に繰り返す血液ポンプ駆動装置において、前記分離室の空気室及び前記血液ポンプの流体駆動室に充満する気体の容積を使用することにより、前記血液ポンプのダイアフラムの総移動量を算出しつつ、各吸引期間の所定のタイミングで前記血液ポンプの血液室の血液を満タン状態にすることにより、前記血液ポンプのダイアフラムの総移動量を一定に制御すること、を特徴とする血液ポンプ駆動装置。
  2. 請求項1に記載する血液ポンプ駆動装置であって、
    前記オイルポンプの逆回転時の出力が低下し始めたときから微小時間が経過するまでに、前記分離室の気体室の圧力が所定範囲内で上昇した場合に、当該吸引期間の所定のタイミングで前記血液ポンプの血液室の血液が満タンの状態にあると判断すること、を特徴とする血液ポンプ駆動装置。
  3. 請求項1に記載する血液ポンプ駆動装置であって、
    前記血液ポンプのダイアフラムが前記分離室の気体室側に最も移動した後に、前記分離室のダイアフラムが前記オイルポンプ側に最も移動した場合に、当該吸引期間の所定のタイミングで前記血液ポンプの血液室の血液が満タンの状態にあると判断すること、を特徴とする血液ポンプ駆動装置。
JP2002313689A 2002-10-29 2002-10-29 血液ポンプ駆動装置 Pending JP2004147721A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002313689A JP2004147721A (ja) 2002-10-29 2002-10-29 血液ポンプ駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002313689A JP2004147721A (ja) 2002-10-29 2002-10-29 血液ポンプ駆動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004147721A true JP2004147721A (ja) 2004-05-27

Family

ID=32458216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002313689A Pending JP2004147721A (ja) 2002-10-29 2002-10-29 血液ポンプ駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004147721A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017522929A (ja) * 2014-06-05 2017-08-17 デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ ポンピングチャンバにおける流体体積の変化を計算するシステム
US10871157B2 (en) 2006-04-14 2020-12-22 Deka Products Limited Partnership Fluid pumping systems, devices and methods
US10881778B2 (en) 2011-11-04 2021-01-05 Deka Products Limited Partnership Medical treatment system and methods using a plurality of fluid lines
US11154646B2 (en) 2007-02-27 2021-10-26 Deka Products Limited Partnership Hemodialysis systems and methods
US11253636B2 (en) 2008-01-23 2022-02-22 Deka Products Limited Partnership Disposable components for fluid line autoconnect systems and methods
US11725645B2 (en) 2006-04-14 2023-08-15 Deka Products Limited Partnership Automated control mechanisms and methods for controlling fluid flow in a hemodialysis apparatus
US11752248B2 (en) 2008-01-23 2023-09-12 Deka Products Limited Partnership Medical treatment system and methods using a plurality of fluid lines
US11779689B2 (en) 2011-05-24 2023-10-10 Deka Products Limited Partnership Blood treatment systems and methods
KR20240023795A (ko) * 2022-08-16 2024-02-23 성균관대학교산학협력단 압력 제어 장치
US12066017B2 (en) 2007-02-27 2024-08-20 Deka Products Limited Partnership Pumping cassette
US12303631B2 (en) 2011-11-04 2025-05-20 Deka Products Limited Partnership Medical treatment system and methods using a plurality of fluid lines

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10871157B2 (en) 2006-04-14 2020-12-22 Deka Products Limited Partnership Fluid pumping systems, devices and methods
US11828279B2 (en) 2006-04-14 2023-11-28 Deka Products Limited Partnership System for monitoring and controlling fluid flow in a hemodialysis apparatus
US11725645B2 (en) 2006-04-14 2023-08-15 Deka Products Limited Partnership Automated control mechanisms and methods for controlling fluid flow in a hemodialysis apparatus
US11793915B2 (en) 2007-02-27 2023-10-24 Deka Products Limited Partnership Hemodialysis systems and methods
US12064540B2 (en) 2007-02-27 2024-08-20 Deka Products Limited Partnership Hemodialysis systems and methods
US11154646B2 (en) 2007-02-27 2021-10-26 Deka Products Limited Partnership Hemodialysis systems and methods
US12066017B2 (en) 2007-02-27 2024-08-20 Deka Products Limited Partnership Pumping cassette
US11253636B2 (en) 2008-01-23 2022-02-22 Deka Products Limited Partnership Disposable components for fluid line autoconnect systems and methods
US11752248B2 (en) 2008-01-23 2023-09-12 Deka Products Limited Partnership Medical treatment system and methods using a plurality of fluid lines
US11779689B2 (en) 2011-05-24 2023-10-10 Deka Products Limited Partnership Blood treatment systems and methods
US12220507B2 (en) 2011-05-24 2025-02-11 Deka Products Limited Partnership Blood treatment systems and methods
US10881778B2 (en) 2011-11-04 2021-01-05 Deka Products Limited Partnership Medical treatment system and methods using a plurality of fluid lines
US12303631B2 (en) 2011-11-04 2025-05-20 Deka Products Limited Partnership Medical treatment system and methods using a plurality of fluid lines
US11400272B2 (en) 2014-06-05 2022-08-02 Deka Products Limited Partnership Medical treatment system and methods using a plurality of fluid lines
JP2017522929A (ja) * 2014-06-05 2017-08-17 デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ ポンピングチャンバにおける流体体積の変化を計算するシステム
KR20240023795A (ko) * 2022-08-16 2024-02-23 성균관대학교산학협력단 압력 제어 장치
KR102706464B1 (ko) * 2022-08-16 2024-09-12 성균관대학교산학협력단 압력 제어 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1369585B1 (en) Pump
JP2004147721A (ja) 血液ポンプ駆動装置
US4782817A (en) Ventricular support system
EP1322222B1 (en) Apparatus for controlling heart assist devices
US5119804A (en) Heart massage apparatus
US6098405A (en) Drive unit for medical equipment
EP0402872A1 (en) In-series ventricular assist system
GB2616240A (en) Para-aortic blood pump device
JP3452588B2 (ja) 血圧検知装置
AU2002211070A1 (en) Apparatus for controlling heart assist devices
CN103211587B (zh) 血压测定装置
US12409314B2 (en) Pump system, control unit and method for operating a pump system
JP5637051B2 (ja) 大動脈バルーンポンピング駆動装置制御プログラム及び大動脈バルーンポンピング駆動装置
US8715197B2 (en) Blood pressure information measurement device
US20020019577A1 (en) Ventricular assist device, accessory therefore and method of use
JPH064092B2 (ja) 血液ポンプ
JP2005013502A (ja) 血液ポンプ駆動装置
JP6241304B2 (ja) 電子血圧計、および、接続カフ種判定方法
WO2013180286A1 (ja) タイミング検出装置、タイミング検出プログラム、iabp駆動装置及びiabp駆動プログラム
JP2015146894A5 (ja)
EP1674119A1 (en) A pulsator device, method of operating the same, corresponding system and computer program
US20220111196A1 (en) Pump system for pumping a fluid and method for operating a pump system
US6709383B2 (en) Device for driving blood pumps
JP7103339B2 (ja) Iabp駆動装置
JP4399566B2 (ja) 人工ポンプ駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20041122

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20041122