【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、標準水蒸気発生器、燃料電池用加湿装置、及び燃料電池のガス・水管理システムに関する。さらに詳しくは、高精度に水蒸気濃度を調整できる標準水蒸気発生器に関するとともに、車載動力源あるいは定置型の小型発電器等に用いられる燃料電池に供給される加湿反応ガスの水蒸気量を高精度に加湿するための加湿装置、及び燃料電池における高精度のガス・水管理システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
気体の濃度を正確に測定したい時、例えば、窒素や酸素等の場合の校正には、正確な濃度比がわかっている標準ガスボンベを使用するが、水蒸気は室温で当然液化するため標準のボンベなどというものはない。そこで、気体の湿度を正確に測定したい時、水蒸気量測定器の校正のために測定器に正確な量の水蒸気を供給する装置が求められる。
【０００３】
従来は、水蒸気量の校正にバブラーを用いていた。バブラー法では原則的に、配管や、バブラーの内面の温度やガス温度、水温が常に均一に同じ温度でなければ理論濃度の水蒸気量を含んだガスは得られない。
【０００４】
一方、燃料電池は、燃料の供給と反応生成物の排出とを連続的に行い、燃料の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する電池であり、発電効率が高いこと、大気汚染物質の放出量が少ないこと、騒音が少ないこと、規模を自由に選べること、等の特徴を有している。燃料電池は、使用する電解質の種類により、固体高分子型、リン酸型、アルカリ型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型等に分類される。
【０００５】
これらの燃料電池の中で、固体高分子型燃料電池、リン酸型燃料電池、及びアルカリ型燃料電池は、プロトンが燃料極から空気極に、又は水酸化物イオンが空気極から燃料極に移動することにより起電力を発生するものであり、電解質を正常に機能させるためには、電解質の含水状態の管理が必須である点で共通する。
【０００６】
例えば、固体高分子型燃料電池は、電解質としてプロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜が用いられる。具体的には、ナフィオン（登録商標、デュポン社製）の商品名で知られるパーフルオロスルホン酸膜に代表されるフッ素系の電解質膜が一般に用いられる。
【０００７】
フッ素系の電解質膜は、耐酸化性に優れ、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示すが、含水率が低下すると電気抵抗が高くなり、電解質として機能しなくなるという性質を有している。そのため、フッ素系の電解質膜は、通常、飽和含水状態で使用されている。
【０００８】
しかし、固体高分子型燃料電池の作動温度は、８０℃前後であるので、燃料電池が作動中に電解質膜から水分が蒸発し、電解質膜の含水率が徐々に低下する。また、プロトンが燃料極側から空気極側に移動する際、水分子も同時に移動するため、燃料極側は、特に乾燥しやすくなっている。これを放置すると電解質膜の電気抵抗が増大して発熱し、電池出力が低下したり、故障の原因となる。
【０００９】
そのため、固体高分子型燃料電池においては、電解質膜の含水状態を適切に管理し、電解質を正常に機能させるために、ガス拡散電極に供給される反応ガスを加湿することが一般に行われている。
【００１０】
また、リン酸型燃料電池は、ＳｉＣマトリックス中に濃厚なリン酸水溶液を含水させたものを電解質として用いる燃料電池であり、動作温度は、２００℃前後である。さらに、アルカリ型燃料電池は、マトリックス型と自由電解液型があり、マトリックス型は、アスベストに濃度３０〜４５％の水酸化カリウム水溶液を含浸させたものを電解質として用いる燃料電池であり、動作温度は、１００℃前後である。
【００１１】
リン酸型燃料電池及びアルカリ型燃料電池においても同様に、電解質を正常に機能させるためには、電解質の含水状態を適切に管理する必要があり、出力電圧が低下したり、燃料電池の温度上昇が生じた場合には、反応ガスを加湿することが行われている。
【００１２】
このように、特に固体高分子型燃料電池など、反応に水が関与してくるものでは、反応ガスのウォーターマネジメントが極めて重要であることは周知である。燃料電池の電解質膜にスルホン酸系のポリマーを用いたものは一般に、膜中に十分な量の水を補給することが必要であり、多くの実用燃料電池では両極に供給する反応ガスを加湿することにより膜に水を供給する手法を用いている。
【００１３】
ガスの加湿方法は、最もメジャーなものがバブラーを用いたもの（バブラー法とする）で、温水タンクの中にガスをバブリングさせ、ガスを飽和水蒸気状態とするものである。また、水をスプレー状に噴霧したり（下記特許文献１）、超音波振動子やインジェクタといった機械的振動を与えることによる水の霧化（下記特許文献２、下記特許文献３）といった方式（微粒化（ミスト）法とする）にてセルスタックに水を供給するものもある。
【００１４】
バブラー法では、温水中をガスがくぐる必要があるため、相当量の温水を常に沸かして保温しつつ貯めておかなければならず、非効率である。また、加湿水蒸気量を急に変動させたい要求があっても、温水の温度を急に変えることはできず、燃料電池の負荷変動に対して本質的に追従しにくいシステムとなっている。
【００１５】
また、微粒化法は、必要量の水を必要なだけ霧化することができるが、燃料電池車に搭載されるような大きな負荷変動があるような系（０〜数１００Ｌ／ＭＩＮの範囲で変動供給される反応ガスを０〜１００％ＲＨ範囲で湿度制御する系）では、追従性に難がある。具体的には、下記特許文献３では水を霧化する能力は霧化器１台では能力が限られており複数台数設置することによりこれを補う旨の記述がある。また、下記特許文献１では、水のノズル径が固定されており、大量の水をエアスプレーによって微粒化する際と、少量の場合とでは微粒化の促進度合いが異なるのは明らかで、均一な混合ガスが形成されるとは考えにくい。さらに先の微粒化法では、湿度管理・精度が不十分で、加湿ガスの結露や不均一を起こすことがある。具体的には、霧化器とセルスタックを接続するカス配管の結露防止について何ら対策されておらず、均一な加湿ガスが安定供給されるとは言い難い。
【００１６】
このように、水蒸気により反応ガスを加湿する加湿装置は、▲１▼特に高湿度を付与する場合、供給途中で結露等が発生し、高精度で所望の湿度を付与することが不可能であった。即ち、加湿を行うに際し、供給対象物（燃料電池の場合はスタック）温度、配管に関係なく水蒸気を供給する必要があった。
【００１７】
また、▲２▼水蒸気を発生させるための消費エネルギーが大きく、燃料電池の発電効率を低下させる原因となっている。しかも、燃料電池の作動中は、水源を高温に維持し、常に水蒸気を発生させておく必要があるので、未消費の水分量に対しても加熱が必要となり、エネルギーロスがさらに大きくなるという問題がある。
【００１８】
また、▲３▼常に水蒸気を発生させるために、容量の大きな加湿タンクが必要となるが、大容量の加湿タンクは、熱容量が大きくなるので、温度変更に対する時定数が大きくなる。そのため、加湿タンクの温度を所定の温度まで昇温させるのに長時間を要し、始動性に問題がある。
【００１９】
さらに、▲４▼温度変更に対する時定数が大きいために、応答性が悪く、過渡制御が困難である。すなわち、負荷が急激に変動して大量の反応ガスが必要になり、これに伴い大量の水蒸気が必要となった場合には、加湿量を急激に増加させることができないので、電解質中の水分量が不足し、出力が低下する。また逆に、電極に過剰の水蒸気が送られた場合には、ガス流路が液体水で閉塞する、いわゆるフラッディングが生じて出力が低下し、燃料電池の作動状態が不安定になるという問題がある。特に、空気極側は、電極反応により水が生成するので、フラッディングが生じやすくなっている。
【００２０】
これに対し、微粒化法により反応ガスを加湿する加湿装置によれば、噴霧ノズルあるいは超音波振動子で消費される電力は僅かであり、効率的である。また、水の微粒化は、水温の上昇を待つ必要がないので、始動性に問題はない。さらに、加湿量の増減は、水温によらず制御可能であるので、高応答性である。
【００２１】
しかしながら、▲１▼噴霧ノズルあるいは超音波振動子を用いたミスト加湿器の場合であっても、燃料電池を安定して作動させるためには、反応ガスへのミスト添加量を負荷変動に対応して連続的に変化させる必要があるが、負荷変動に応じてミスト添加量を連続的に変化させることが困難である。
【００２２】
また、▲２▼噴霧ノズルあるいは超音波振動子は、ミストを供給する能力の制御範囲が小さく、ミスト添加量を大幅に変更することはできない。例えば、噴霧ノズルを用いてミスト化する方法の場合、反応ガスへのミスト添加量は、一次空気流量により制御することができる。しかし、一次空気流量には最小流量が存在し、一次空気流量が低すぎると、ミストの粒子径が大きくなりすぎて電極を濡らしたり、あるいはノズル先端から水が流れ落ち、ミスト化が困難になる。
【００２３】
また、▲３▼超音波振動子を用いてミスト化する方法の場合、ミスト放出のための最小電圧がフル電圧の８０％に近いため、超音波振動子への入力電圧を制御するだけでは、連続的に変化する負荷に対応して、ミスト供給量を大幅に変化させるには限界がある。
【００２４】
さらに、▲４▼燃料ガスとしてメタノール改質ガスを用いる場合には、通常は、電極触媒の触媒毒となる一酸化炭素を低減するために、Ｓ／Ｃ比（投入水蒸気モル数／投入燃料中の炭素モル数）の高い条件下で改質反応が行われており、その結果として、改質ガス中には多量の水蒸気が含まれている。しかしながら、出力を増加させるために燃料供給量を急激に増加したい時などには、意図的にＳ／Ｃ比を下げる場合があり、その場合には、改質ガス中に含まれる水蒸気量は減少する。そのため、出力電力に比例して燃料極側への加湿量を決定するだけでは、燃料極側の加湿量が不足したり、あるいは過剰となり、電解質の水管理が十分に行えない場合がある。
【００２５】
【特許文献１】
特開平８−２２２２５４号公報
【特許文献２】
特開平７−２６３０１０号公報
【特許文献３】
特開２０００−８２４８０号公報
【００２６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、気体の湿度を正確に測定したい時、水蒸気量測定器の校正のために測定器に正確な量の水蒸気を供給する加湿装置を提供することにある。
【００２７】
又、本発明が解決しようとする他の課題は、電解質の含水状態の高精度な管理が必要な燃料電池に用いられ、エネルギー効率、応答性及び始動性の低下を伴うことなく、負荷変動に対応して反応ガスを過不足なく加湿することができ、これにより燃料電池の作動安定性を飛躍的に向上させることが可能な燃料電池用加湿装置を提供することにある。
【００２８】
更に、本発明が解決しようとする他の課題は、過不足なく燃料ガスへの加湿を行うことができ、これにより燃料電池の作動安定性を飛躍的に向上させることが可能な燃料電池システムのガス・水管理システムを提供することにある。
【００２９】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、特定の送液機構と送ガス機構と気化器を採用することによって、バブラーやミスト加湿器を用いずに上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。
【００３０】
即ち、第１に、本発明は、水を入れた容器と、所望量の水を気化器に送液するマイクロ送液ポンプからなる送液系と、搬送ガス圧力を調整する第１の調圧器と、送ガス量を調整し所望量の搬送ガスを気化器に送ガスするマスフローコントローラからなる送ガス系を有する標準水蒸気発生装置である。
【００３１】
ここで、水を入れた容器は、ガラス製などの瓶や、ステンレス製などの金属容器が好ましく用いられ、容器には純水などの高純度の水が入れられる。マイクロ送液ポンプとは、正確な容量の水、好ましくは純水を送液出来る小型液体ポンプである。マイクロ送液ポンプ自体は公知であり、市販のものを用いることが出来る。マスフローコントローラとは、正確な容量の搬送ガスを送ガス出来る小型ガスポンプである。マスフローコントローラ自体は公知であり、市販のものを用いることが出来る。
【００３２】
本発明の標準水蒸気発生装置の気化器は、加熱蒸発部、混合部、及び調温部とから構成されることが好ましい。加熱蒸発部において、送液系から送液されて来た正確な容量の水が気化されて水蒸気となる。気化された水蒸気と、送ガス系から送ガスされて来た正確な容量の搬送ガスは、混合部において均一に混合され、計算通りの湿度を有する混合ガスとなる。該混合ガスは、調温部で正確に温度調節・温度保持され、標準湿度の水蒸気として、各種用途に導かれる。この際、温度を維持するため、ヒートホースなどを用いると良い。また、加熱蒸発部、混合部、及び調温部とから構成される気化器の全体は、恒温槽などの温度保持手段で外包されることが効果的である。
【００３３】
用いられる搬送ガスとしては制限されず、目的とする湿度のガスによって、ガスの種類も選択される。この中で、標準水蒸気発生装置としては、ヘリウム、アルゴン、窒素ガスなどの不活性ガスが好ましく、安価ということで特に窒素が好ましい。また、本発明の標準水蒸気発生装置を燃料電池の加湿器の各種条件を検討するのに用いるのであれば、水素ガス、酸素ガス、又は空気を用いることが出来る。
【００３４】
本発明では、送液系は、純水中に溶存する不純ガスを十分に脱気することが好ましい。このため、送液系は、バブリングのための搬送ガス圧力を調整する第２の調圧器を有するとともに、容器がパージ弁を有することが好ましい。
【００３５】
本発明の標準水蒸気発生装置は、十分に脱気した純水を、脈流が極めて少ないマイクロ送液ポンプで正確な量の水を気化器に送り込み、全量を気化させ、搬送ガスと水蒸気を混合器で均一なガスとして加熱配管を通して分析器に送り込むもの。水蒸気量を液体の状態で正確に定量し、それを気化器に送り込むため、水蒸気の量が正確に計算できる。搬送ガスの流量と送り込む水の量からガスの水分濃度を算出することが出来る。
【００３６】
第２に、本発明は、加湿水タンクと、第１の加湿水マイクロ送液ポンプと、水素ガスを送ガスする水素ガスマスフローコントローラと、該加湿水で該水素ガスを所望量に加湿するアノード気化器からなるアノード加湿系と、該加湿水タンクと、第２の加湿水マイクロ送液ポンプと、空気を送ガスする空気マスフローコントローラと、該加湿水で該空気を所望量に加湿するカソード気化器からなるカソード加湿系を有する燃料電池用加湿装置である。
【００３７】
ここで、加湿水タンクは、水、好ましくは純水を溜めた一定容量のタンクであり、第１の加湿水マイクロ送液ポンプと第２の加湿水マイクロ送液ポンプにより、正確な容量の水をアノード気化器及びカソード気化器に送液する。燃料電池では、アノード排気及びカソード排気より水蒸気が回収されるので、燃料電池より回収された水蒸気を該加湿水タンクに導いて、消費量を補っても良い。加湿水中には、例えば凍結防止用の不凍液成分などの加湿以外の目的で添加される成分を含ませることも可能である。加湿水タンクの材料は特に制限されないが、高純度の水を保つものであることから、ガラス、セラミック、ステンレスなどが好ましい。
【００３８】
第１及び第２の加湿水マイクロ送液ポンプとは、正確な容量の水、好ましくは純水を送液出来る小型液体ポンプである。マイクロ送液ポンプ自体は公知であり、市販のものを用いることが出来る。マスフローコントローラとは、正確な容量の搬送ガスを送ガス出来る小型ガスポンプである。水素ガスマスフローコントローラ、空気マスフローコントローラとは、正確な容量の水素ガス、空気を送ガス出来る小型ガスポンプである。マスフローコントローラ自体は公知であり、市販のものを用いることが出来る。
【００３９】
アノード加湿系では、第１の加湿水マイクロ送液ポンプから送液された正確な容量の水と、水素ガスマスフローコントローラから送ガスされた正確な容量の水素ガスとを、アノード気化器で、気化、混合、調温して、所望量に加湿された水素ガスを燃料電池のセルスタックに供給する。
【００４０】
同様に、カソード加湿系では、第２の加湿水マイクロ送液ポンプから送液された正確な容量の水と、空気マスフローコントローラから送ガスされた正確な容量の空気とを、カソード気化器で、気化、混合、調温して、所望量に加湿された空気を燃料電池のセルスタックに供給する。
【００４１】
本発明の燃料電池用加湿装置のアノード気化器は、加熱蒸発部、混合部、及び調温部とから構成されることが好ましい。加熱蒸発部において、第１の加湿水マイクロ送液ポンプから送液されて来た正確な容量の水が気化されて水蒸気となる。気化された水蒸気と、水素ガスマスフローコントローラから送ガスされて来た正確な容量の水素ガスは、混合部において均一に混合され、計算通りの湿度を有する加湿水素ガスとなる。該加湿水素ガスは、調温部で正確に温度調節・温度保持され、セルスタックのアノードに導かれる。この際、温度を維持するため、アノード気化器はセルスタックと直結するか、これらの間をヒートホースなどを用いて保温すると良い。
【００４２】
同様に、本発明の燃料電池用加湿装置のカソード気化器は、加熱蒸発部、混合部、及び調温部とから構成されることが好ましい。加熱蒸発部において、第２の加湿水マイクロ送液ポンプから送液されて来た正確な容量の水が気化されて水蒸気となる。気化された水蒸気と、空気マスフローコントローラから送ガスされて来た正確な容量の空気又は酸素ガスは、混合部において均一に混合され、計算通りの湿度を有する加湿空気又は酸素ガスとなる。該加湿空気又は酸素ガスは、調温部で正確に温度調節・温度保持され、セルスタックのカソードに導かれる。この際、温度を維持するため、カソード気化器はセルスタックと直結するか、これらの間をヒートホースなどを用いて保温すると良い。
【００４３】
アノード気化器やカソード気化器の形状は限定されないが、加熱器を有する管状体であることが、構造の単純さ、性能、操作性などの点で好ましい。
【００４４】
また、アノード気化器及び／又はカソード気化器の混合部が、内部にフィン又はスクリューを備えた管状体であると、混合性能が更に向上して好ましい。
【００４５】
第３に、本発明は、セルスタックと、上記のアノード加湿系と、カソード加湿系とからなる加湿器からなる燃料電池である。ここで、燃料電池としては、水分の補給を必要とするものであり、固体高分子型燃料電池、リン酸型燃料電池、又はアルカリ型燃料電池が例示される。
【００４６】
第４に、本発明は、セルスタックと、上記のアノード加湿系と、カソード加湿系とからなる燃料電池と、これらを制御する制御ユニットからなる燃料電池のガス・水管理システムである。
【００４７】
ここで、制御ユニットは、セルスタックの負荷状況と温度に応じ、必要な水素ガス、空気又は酸素ガス、及び水の量を算出し、該アノード加湿系と、カソード加湿系を制御するものであることが出来る。制御ユニットにより一連の制御がなされ、セル温度・負荷状況に応じて必要なガス量、加湿水蒸気量、各加熱配管の温度の最適化がはかられる。
【００４８】
本発明の燃料電池のガス・水管理システムでは、まず制御ユニットにて、セルスタックの負荷状況（電流−電圧値）、セル抵抗、排気ガス湿度、排水量などから、加湿量、と反応ガス流量、各加熱配管の温度を決定する。その加湿量とガス流量からアノード気化器の加熱蒸発部及びカソード気化器の加熱蒸発部における加熱度合いを算出する（水を水蒸気にするに必要十分な加熱度合い算出）。制御ユニットから、加熱蒸発部等の各ヒーター、第１及び第２の加湿水マイクロ送液ポンプ、水素ガスマスフローコントローラ、空気マスフローコントローラ等に信号が送られる。算出値通りの水蒸気と反応ガスが加熱蒸発部から混合部へ送り込まれ、十分に混合された後、調温部でガス温度が調整されてセルスタックヘと送り込まれる。
【００４９】
ここで、ヒーターは、セルスタック部と加熱配管部にて独立温調し、加熱配管内部でも３部で独立温調されている。
【００５０】
加熱蒸発部では、熱容量の大きな金属が構造材に使用され、温度センサーとヒーターが仕込まれている。投入された加湿水（液体）はここで加熱により全量水蒸気化される。混合部は、金属配管内がスクリュー状に切られており、混合ガスが配管内を通過する際に十分ミキシングされる構造となっている。調温部では加湿ガスの温度をセル温度近くまで調整する部分であり、概ねセルスタック温度プラス０〜１０℃程度に加湿ガス温度を調整する。反応ガス供給はマスフローコントローラにより、精密な流量制御を行う。加湿水ポンプは、精密な液体マスフローあるいはプランジャー／ダイアフラムポンプにより、精密な送液を行う。
【００５１】
本発明の燃料電池のガス・水管理システムにより、負荷変動等により、燃料電池の作動状況が変化した場合であっても、反応ガスを過不足なく加湿することができ、燃料電池の作動安定性を飛躍的に向上させることができる。
【００５２】
また、反応ガスへの加湿は、正確に加湿されたアノード気化器やカソード気化器を用いて行われるので、エネルギーロスが少なく、始動性、応答性が向上する。さらに、アノード気化器やカソード気化器の低消費動力化も図られる。
【００５３】
本発明の燃料電池のガス・水管理システムは、以上のような構成により、その時必要な量の加湿水を加熱蒸発部にて全量水蒸気とし、混合部及び調温部における、結露の発生や混合気体の不均一といった不具合は解消され、計算値どおりの加湿ガスがセルスタックへ送り込まれ。また、水から水蒸気へのエネルギー消費は、最小限である。さらに、高精度送液ポンプにより、精密な水量の水蒸気を発生させることができ、結露など湿度変動要因はなく、ガス湿度を高精度に制御可能である。さらに、大きな負荷変動へ対応でき、加湿水の送液ポンプ流量と加熱蒸発部ヒーター出力の制御をするのみで、至ってシンプルな系となる。しかも、加湿ゼロから大流量フル加湿まで瞬時に追従できる。全体的にも、システム的に簡便で精度にも優れるものである。
【００５４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【００５５】
図１に、第１の本発明である標準水蒸気発生装置の一例を示す。図１に示されるように、標準水蒸気発生装置は、大きく、第２の調圧器１、圧力計２、パージ弁３を備えた水容器４、マイクロ送液ポンプ５から構成される送液系と、第１の調圧器６、圧力計７、マスフローコントローラ８から構成される送ガス系と、気化器９とからなる。
【００５６】
送液系は、基本的には、純水を入れた水容器４と、水容器４から、所望量の水を気化器９に送液するマイクロ送液ポンプ５からなるが、図１では、水容器４中の純水中に溶存する各種不純ガスを除去するために、搬送ガス、この場合は、不活性ガスであるヘリウムを用いてパージする。導入されるヘリウムガスの圧力を第２の調圧器１で圧力調整し、その圧力を圧力計２で計測し、水容器４に注入して、パージ弁３より外気へ放出する。こうして、水容器４中の純水中に溶存する各種不純ガスを除去した後、水容器４中の純水をマイクロ送液ポンプ５を用いて、正確な容量の純水を気化器９へ送液する。
【００５７】
送ガス系は、搬送ガスであるヘリウムガスの圧力を調整する第１の調圧器６と、送ガス量を調整し所望量の搬送ガスを気化器９に送ガスするマスフローコントローラ８からなる。
【００５８】
気化器９は、加熱蒸発部１０、混合部１１、及び調温部１２とから構成されている。加熱蒸発部１０において、送液系から送液されて来た正確な容量の水が気化されて水蒸気となる。気化された水蒸気と、送ガス系から送ガスされて来た正確な容量の搬送ガスは、混合部１１において均一に混合され、計算通りの湿度を有する混合ガスとなる。該混合ガスは、調温部１２で正確に温度調節・温度保持され、標準湿度の水蒸気となる。また、加熱蒸発部１０、混合部１１、及び調温部１２とから構成される気化器の全体は、恒温槽１３などの温度保持手段で外包されることが効果的である。さらに、生成された標準水蒸気の温度を維持するため、図示されないヒートホースなどを用い標準水蒸気発生装置外へ導くのが好ましい。
【００５９】
本実施の形態では、搬送ガスとしてヘリウムガスを用いたが、これに制限されるものではなく、目的に応じて他の搬送ガスも用いられる。
【００６０】
表１に、送液される純水量と送ガスされるヘリウムガス量、及び水分濃度（絶対湿度）をまとめた。
【表１】
【００６１】
以下、本発明の標準水蒸気発生装置の構成において重要な要素を列記する。
▲１▼キャリアとなる搬送ガスは、マスフローコントローラにて正確に流量を計測すること。
▲２▼水のタンク（容器）は、例えば、耐圧ガラス製とし、水の残量が目視で確認できる構成とすると作業性が向上する。
▲３▼運転前に、不活性ガスにてバブリングし、空気など溶存するガス種を十分に追い出す。この作業では、図１のパージ弁を開にして不活性ガスをフローさせる。バブリングは、水に対する溶解性が最も低いＨｅガスにて行うのが望ましい。水のパージを行わないと、溶存したガスが気化した際に誤差の原因になる他、溶存したガスの微小な気泡が、少しずつ貯まり気泡が成長し、これらがある時送液ポンプに吸い込まれ、一時的に水の送液が滞ることがあり、精度上の問題となる。
▲４▼純水が入れられている容器は、パージ直後、不活性ガス（Ｈｅが望ましい）にて１．１〜３気圧程度の正圧を保ってパージ弁を閉じること。運転開始後に容器から純水が吸い上げられていくと、減った容積の分だけ圧力が下がっていく。容器内が負圧になると、送液に支障をきたすことがある。
▲５▼気化器は、概略、加熱した配管状であり、温度は２００℃程度が好ましい。送り込まれた純水を完全に水蒸気にできるよう十分な熱容量を持ったもので、錆などが発生しない特殊鋼であることが望ましい。また、発生した水蒸気が全量確実に混合器へ流れるように、配管温度と同じ温度に加熱された搬送ガスの流れの中で水蒸気が発生するような構成とすることが好ましい。
▲６▼混合部では、搬送ガスと水蒸気が十分に均一に混合されるよう配慮しなければならない。一般的には、配管内をスクリュー状に溝を切ったりフィンを入れたりすることで、ガスは攪拌され均一に混ざる。搬送ガスの流量や種類も重要で、流量が少なすぎては精度に問題が出てくる。流量は５００ｍＬ／分以上で、水蒸気量以下であることが望ましい。ガス種は、水に対する溶存が少ないという意味ではＨｅが望ましいが、キャリアガスでは必ずしもＨｅである必要はなく、Ｈｅ以外にＡｒ、Ｎｅ、Ｎ２等も使える。ガスの混合という意味では、水の分子量（１８）と近いほど混ざりやすいので、厳密な試験をする場合は特にそういったガスを使用することもできる。また、例えば燃料電池ガスの湿度評価などで厳密に条件を揃えたい場合は、キャリアガスとして水素や酸素を用いるといったことも可能である。
▲７▼送液ポンプは脈流が少なく、連続送液できるマイクロポンプを使用する。特にダブルプランジャータイプのものが推奨される。必要な水蒸気濃度に併せて送液ポンプを選択すれば良いが、流量正確さの問題もあるので、現在の技術では１μＬ／分以上の設定をすることが推奨される。
【００６２】
図２に、第２および第３の本発明である燃料電池用加湿装置及び燃料電池のガス・水管理システムの一例を示す。
【００６３】
図２に示されるように、アノード加湿系は、加湿水タンク１４から導かれる第１の加湿水マイクロ送液ポンプ１５と、水素ガスを送ガスする水素ガスマスフローコントローラ１６と、該加湿水で該水素ガスを所望量に加湿するアノード気化器１７からなる。また、アノード気化器１７は、加熱蒸発部１８、混合部１９及び調熱部２０からなる。アノード気化器１７は、加熱蒸発部１８において、第１の加湿水マイクロ送液ポンプ１５から送液されて来た正確な容量の水が気化されて水蒸気となる。なお、加湿水タンク１４中の水は高純度のものが好ましく、純水であればなお好ましい。また、加湿水タンク１４中の水に不純物ガスが溶存していると、送液中に気化して、送液される水の体積を変動させるので、予め、不活性気体でパージしておくことが好ましい。これにより、第１の加湿水マイクロ送液ポンプ１５の機能が十分達成される。気化された水蒸気と、水素ガスマスフローコントローラ１６から送ガスされて来た正確な容量の水素ガスは、混合部１９において均一に混合され、計算通りの湿度を有する加湿水素ガスとなる。該加湿水素ガスは、調温部２０で正確に温度調節・温度保持され、セルスタック２７のアノードに導かれる。
【００６４】
カソード加湿系は、加湿水タンク１４から導かれる第２の加湿水マイクロ送液ポンプ２１と、空気又は酸素ガスを送ガスする空気マスフローコントローラ２２と、該加湿水で該空気を所望量に加湿するカソード気化器２３からなる。また、カソード気化器２３は、加熱蒸発部２４、混合部２５及び調熱部２６からなる。カソード気化器２３は、加熱蒸発部２４において、第２の加湿水マイクロ送液ポンプ２１から送液されて来た正確な容量の水が気化されて水蒸気となる。気化された水蒸気と、空気マスフローコントローラ２２から送ガスされて来た正確な容量の空気は、混合部２５において均一に混合され、計算通りの湿度を有する加湿空気となる。該加湿空気は、調温部２６で正確に温度調節・温度保持され、セルスタック２７のカソードに導かれる。
【００６５】
本発明の燃料電池のガス・水管理システムを具体的に説明する。アノード（燃料極）側とカソード（空気極）側では、加湿の目的が異なることから、アノード側の加湿量とカソード側の加湿量とは、個別に制御される。
【００６６】
初めに、アノード側の加湿制御方法について説明する。燃料電池が作動中は、プロトンがアノード側からカソード側に移動する際、水分子も同時にカソード側に移動するので、アノード側は、特に水分量が不足する傾向にある。アノード側への加湿は、このプロトン移動により不足する水分量の供給を目的とするものである。水分子の移動量は、プロトン移動量、すなわち電流量に比例するので、加湿量を一定にしたまま燃料電池を高電流密度領域で作動させると、アノード側への供給水分量が相対的に不足する。アノード側への供給水分量が不足すると、電解質膜中の水分量不足を招き、電解質膜の抵抗増加及び電圧低下を引き起こす。さらに、水分量が不足した場合には、電池故障の原因となる。
【００６７】
従って、アノード側は、燃料電池の作動状態、特に電流量に応じて加湿量を加減し、水蒸気を過不足なく供給することが重要である。
【００６８】
次に、カソード側の加湿制御方法について説明する。カソード側への加湿は、始動時、乾燥状態にある電解質膜を速やかに加湿し、プロトンのスムーズな移動を補助することを目的とする。これは、燃料電池が停止している場合には、通常、電解質膜は乾燥状態にあるが、電解質膜が乾燥していると、燃料電池は、安定して始動しないためである。
【００６９】
また、安定作動時は、カソード側では電極反応により水が生成するため、加湿は不要である。むしろ、高電流密度状態や供給ガス不足状態において、カソード側を加湿すると、生成水と供給加湿水及びガスの排出能力とのバランスによりフラッディングが発生する場合がある。フラッディングは、流路に発生した液体水によりガス閉塞を起こす現象であるが、ガス閉塞は、積層スタックの一部に発生するため、局所的に電池出力を低下させる原因となる。一方、高電流密度状態や供給ガス不足状態では、内部発熱（発電ロス）によりカソード側が乾燥傾向を示すことがある。この場合に適切な処置を行わないと、抵抗増加や電圧低下を引き起こし、さらに進むと電池故障の原因となる。
【００７０】
従って、カソード側は、始動時には大量の加湿水分を供給し、電解質膜の湿潤を短時間で確保することが重要である。また、フラッディングを抑制するためには、安定作動時にはカソード側の加湿を行わず、カソード側に存在する水の気化除去を促進することが重要である。さらに、電極乾燥時には、カソード側に適切な加湿補給を行うことが重要となる。
【００７１】
カソード側の加湿量を決定するパラメータとしては、電解質膜中の含水率を用いるとよい。含水率は、電池セル抵抗、作動温度、電流条件等を用いて算出する。
【００７２】
以上のように、アノード側の加湿量とカソード側の加湿量を分離制御すれば、燃料電池の始動性、作動安定性の向上を図ることができる。
【００７３】
なお、本発明は、電解質の含水状態の管理が必要なあらゆる燃料電池が対象となる。また、用途は、車載動力源、定置型の小型発電器等が具体例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。以下に、車載動力源用の固体高分子型燃料電池に本発明を適用した例について説明する。
【００７４】
【実施例】
これら加湿水タンク、アノード加湿系、カソード加湿系、セルスタック燃料電池セルから構成される燃料電池システムを組み、加湿した水素ガスをセルに供給した。供給したガスが理論値通りの水蒸気量かどうかを評価するため、加熱配管出口直後へ露点計センサーを入れ、温度・湿度を測定した。測定は水素側とし、加熱配管部の温度は加熱蒸発部１８，２４が２００℃、混合部１９，２５が１００℃、調温部２０，２６が８０℃とした。水素マスフロー及び加湿水ポンプ（精密プランジャーポンプ）にて水素ガス・水を流した。流量は１Ｌ／ｍｉｎ、２０Ｌ／ｍｉｎの２条件とした。測定の結果、両条件ともに出ガスの温度は８０℃で結露はみられなかった。また、図３及び図４に示した通り、投入した水量に対して良い直線性があり、さらに投入した水は全て水蒸気となって狙い通りの湿度のガスが得られた。
【００７５】
【発明の効果】
本発明の標準水蒸気発生装置により、正確な容量の水が気化された水蒸気と、正確な容量の搬送ガスが、均一に混合され、計算通りの湿度を有する混合ガスとなる。該混合ガスは、標準湿度の水蒸気として、各種用途に導かれる。
【００７６】
また、本発明の燃料電池用加湿装置は、バブラーを用いることなく、燃料電池に備えられる電解質に供給される反応ガスに正確に水蒸気を加えることが出来、エネルギーロスが少なく、応答性に優れ、始動性も向上するという効果がある。また、燃料電池の作動状況に応じて水蒸気を加えるので、大幅な負荷変動が生じた場合であっても、反応ガスを過不足なく加湿することができるという効果がある。
【００７７】
さらに、本発明の燃料電池システム用ガス・水管理システムは、燃料電池の作動状態に応じて、添加される水蒸気の量が制御されるので、エネルギー効率、始動性、応答性を損なうことなく、燃料電池システムの作動安定性を飛躍的に向上させることが可能となるので、これを例えば車載動力源用の燃料電池システムに応用すれば、自動車の操作性や燃費の向上等に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の標準水蒸気発生装置の一例を示す構成図。
【図２】本発明の燃料電池用加湿器と燃料電池用ガス・水管理システムの一例を示す構成図。
【図３】実施例において、燃料電池への水投入量と加湿ガスの相対湿度の関係を示すグラフ。
【図４】実施例において、燃料電池への水投入量と加湿ガスの相対湿度の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
１：第２の調圧器、２：圧力計、３：パージ弁３、４：水容器、５：マイクロ送液ポンプ、６：第１の調圧器、７：圧力計、８：マスフローコントローラー、９：気化器、１０：加熱蒸発部、１１：混合部、１２：調温部、１３：恒温槽、１４：加湿水タンク、１５：第１の加湿水マイクロ送液ポンプ、１６：水素ガスマスフローコントローラ、１７：アノード気化器、１８：加熱蒸発部、１９：混合部、２０：調熱部、２１：第２の加湿水マイクロ送液ポンプ、２２：空気マスフローコントローラ、２３：カソード気化器、２４：加熱蒸発部、２５：混合部、２６：調熱部、２７：セルスタック、２８：負荷。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a standard steam generator, a humidifier for a fuel cell, and a gas / water management system for a fuel cell. More specifically, it relates to a standard steam generator capable of adjusting the steam concentration with high accuracy, and humidifies the steam amount of the humidification reaction gas supplied to a fuel cell used for an in-vehicle power source or a stationary small generator with high accuracy. The present invention relates to a humidifying device for performing gas and water and a high-precision gas / water management system in a fuel cell.
[0002]
[Prior art]
When you want to accurately measure the concentration of gas, for example, in the case of nitrogen or oxygen, use a standard gas cylinder with an accurate concentration ratio, but use a standard gas cylinder because water vapor naturally liquefies at room temperature. There is no such thing. Therefore, when it is desired to accurately measure the humidity of a gas, a device for supplying an accurate amount of water vapor to the measuring device for calibration of the water vapor amount measuring device is required.
[0003]
Conventionally, a bubbler was used for calibration of the amount of water vapor. In principle, in the bubbler method, a gas containing a theoretical concentration of water vapor cannot be obtained unless the temperature of the piping, the inner surface of the bubbler, the gas temperature, and the water temperature are always the same.
[0004]
On the other hand, a fuel cell is a battery that continuously supplies fuel and discharges reaction products, and directly converts the chemical energy of the fuel into electrical energy. It has high power generation efficiency and emits air pollutants. Low noise, low noise, and free choice of scale. Fuel cells are classified into polymer electrolyte type, phosphoric acid type, alkaline type, molten carbonate type, solid oxide type, and the like, depending on the type of electrolyte used.
[0005]
Among these fuel cells, solid polymer fuel cells, phosphoric acid fuel cells, and alkaline fuel cells have protons moving from the fuel electrode to the air electrode or hydroxide ions moving from the air electrode to the fuel electrode. In this case, the electromotive force is generated, and in order for the electrolyte to function properly, the management of the water-containing state of the electrolyte is indispensable.
[0006]
For example, in a polymer electrolyte fuel cell, a polymer electrolyte membrane having proton conductivity is used as an electrolyte. Specifically, a fluorine-based electrolyte membrane represented by a perfluorosulfonic acid membrane known under the trade name of Nafion (registered trademark, manufactured by DuPont) is generally used.
[0007]
Fluorine-based electrolyte membranes have excellent oxidation resistance and good proton conductivity in a wet state, but have a property that when the water content is reduced, the electrical resistance is increased and the electrolyte does not function as an electrolyte. Therefore, the fluorine-based electrolyte membrane is usually used in a saturated water-containing state.
[0008]
However, since the operating temperature of the polymer electrolyte fuel cell is around 80 ° C., moisture evaporates from the electrolyte membrane during operation of the fuel cell, and the water content of the electrolyte membrane gradually decreases. When protons move from the fuel electrode side to the air electrode side, water molecules also move at the same time, so that the fuel electrode side is particularly easily dried. If left unattended, the electric resistance of the electrolyte membrane increases and heat is generated, which causes a decrease in battery output and a failure.
[0009]
Therefore, in polymer electrolyte fuel cells, it is common practice to properly manage the water content of the electrolyte membrane and to humidify the reaction gas supplied to the gas diffusion electrode in order to allow the electrolyte to function properly. .
[0010]
Further, the phosphoric acid type fuel cell is a fuel cell that uses a concentrated phosphoric acid aqueous solution in a SiC matrix as an electrolyte, and has an operating temperature of about 200 ° C. Further, alkaline fuel cells are classified into a matrix type and a free electrolyte type. The matrix type is a fuel cell using asbestos as an electrolyte obtained by impregnating a 30 to 45% aqueous solution of potassium hydroxide as an electrolyte. Is around 100 ° C.
[0011]
Similarly, in the case of a phosphoric acid fuel cell and an alkaline fuel cell, in order for the electrolyte to function properly, it is necessary to appropriately control the water content of the electrolyte, and the output voltage may decrease or the temperature of the fuel cell may increase. When this occurs, the reaction gas is humidified.
[0012]
As described above, it is well known that water management of a reaction gas is extremely important in a case where water is involved in a reaction such as a polymer electrolyte fuel cell. Fuel cell electrolyte membranes using sulfonic acid-based polymers generally require a sufficient supply of water in the membrane, and many practical fuel cells humidify the reaction gas supplied to both electrodes. Thus, a method of supplying water to the membrane is used.
[0013]
The most major method for humidifying a gas is to use a bubbler (referred to as a bubbler method), in which a gas is bubbled into a hot water tank to bring the gas into a saturated steam state. Further, a method of atomizing water by spraying water in the form of a spray (Patent Document 1 below) or applying mechanical vibration such as an ultrasonic vibrator or an injector (Patent Document 2 and Patent Document 3 below) (fine particles) Water is supplied to the cell stack by a mist method.
[0014]
In the bubbler method, since gas needs to pass through hot water, a considerable amount of hot water must be constantly stored while being kept warm by boiling. Further, even if there is a demand to rapidly change the amount of humidified steam, the temperature of the hot water cannot be changed suddenly, and the system is essentially difficult to follow the load change of the fuel cell.
[0015]
In addition, the atomization method can atomize a required amount of water as much as necessary, but a system having a large load variation such as that mounted on a fuel cell vehicle (0 to several hundred L / MIN). In a system that controls the humidity of a reaction gas that is variably supplied in a range of 0 to 100% RH, there is a difficulty in following up. Specifically, Patent Literature 3 below describes that the ability to atomize water is limited by a single atomizer, and is supplemented by installing a plurality of units. Further, in Patent Document 1 described below, the nozzle diameter of water is fixed, and it is clear that the degree of promotion of atomization differs between when a large amount of water is atomized by air spray and when it is a small amount. It is unlikely that a mixed gas is formed. Furthermore, in the above-mentioned atomization method, humidity control and accuracy are insufficient, and dew condensation and unevenness of the humidified gas may occur. Specifically, no measures have been taken to prevent dew condensation on the waste pipe connecting the atomizer and the cell stack, and it cannot be said that uniform humidification gas is stably supplied.
[0016]
As described above, the humidifier that humidifies the reaction gas with water vapor has the following disadvantages. (1) Particularly when high humidity is applied, dew condensation or the like occurs during supply, and it is impossible to apply the desired humidity with high accuracy. Was. That is, when performing humidification, it was necessary to supply steam regardless of the temperature of the supply target (stack in the case of a fuel cell) and the piping.
[0017]
In addition, (2) the energy consumption for generating water vapor is large, which causes the power generation efficiency of the fuel cell to decrease. Moreover, during operation of the fuel cell, it is necessary to maintain the water source at a high temperature and always generate steam, so that it is necessary to heat even the amount of unconsumed water, resulting in a further increase in energy loss. There is.
[0018]
(3) A humidification tank having a large capacity is required to always generate water vapor. However, since a humidification tank having a large capacity has a large heat capacity, a time constant for a temperature change is large. Therefore, it takes a long time to raise the temperature of the humidification tank to a predetermined temperature, and there is a problem in the startability.
[0019]
(4) Since the time constant for the temperature change is large, the response is poor and the transient control is difficult. That is, when the load fluctuates rapidly and a large amount of reaction gas is required, and when a large amount of water vapor is required, the humidification amount cannot be rapidly increased, so that the amount of water in the electrolyte Is insufficient, and the output decreases. Conversely, when excessive water vapor is sent to the electrode, the gas flow path is blocked by liquid water, so-called flooding occurs, the output decreases, and the operation state of the fuel cell becomes unstable. is there. In particular, on the air electrode side, water is generated by the electrode reaction, so that flooding is likely to occur.
[0020]
On the other hand, according to the humidifier that humidifies the reaction gas by the atomization method, the power consumed by the spray nozzle or the ultrasonic vibrator is small and efficient. In addition, since there is no need to wait for the water temperature to rise in the atomization of water, there is no problem in the startability. Furthermore, since the increase and decrease of the humidification amount can be controlled regardless of the water temperature, the responsiveness is high.
[0021]
However, even in the case of (1) a mist humidifier using a spray nozzle or an ultrasonic vibrator, in order to operate the fuel cell stably, the amount of mist added to the reaction gas must be adjusted according to the load fluctuation. However, it is difficult to continuously change the mist addition amount according to the load fluctuation.
[0022]
(2) In the spray nozzle or the ultrasonic vibrator, the control range of the ability to supply mist is small, and the mist addition amount cannot be changed greatly. For example, in the case of a mist method using a spray nozzle, the amount of mist added to the reaction gas can be controlled by the primary air flow rate. However, there is a minimum flow rate in the primary air flow rate. If the primary air flow rate is too low, the particle diameter of the mist becomes too large to wet the electrode, or water flows down from the nozzle tip, making it difficult to form the mist.
[0023]
Also, in the case of (3) the method of forming a mist using an ultrasonic vibrator, since the minimum voltage for mist emission is close to 80% of the full voltage, only controlling the input voltage to the ultrasonic vibrator requires: There is a limit to how much the mist supply can vary significantly in response to continuously changing loads.
[0024]
(4) When a methanol reformed gas is used as the fuel gas, usually, the S / C ratio (the number of moles of steam charged / the number of moles of fuel injected) is used in order to reduce carbon monoxide which is a catalyst poison of the electrode catalyst. ), The reforming reaction is performed under the condition of high carbon mole number. As a result, a large amount of water vapor is contained in the reformed gas. However, when it is desired to rapidly increase the fuel supply amount in order to increase the output, the S / C ratio may be intentionally lowered. In such a case, the amount of steam contained in the reformed gas decreases. I do. Therefore, simply determining the humidification amount on the fuel electrode side in proportion to the output power may result in an insufficient or excessive humidification amount on the fuel electrode side, and the water management of the electrolyte may not be sufficiently performed.
[0025]
[Patent Document 1]
JP-A-8-222254
[Patent Document 2]
JP-A-7-263010
[Patent Document 3]
JP 2000-82480 A
[0026]
[Problems to be solved by the invention]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a humidifier that supplies an accurate amount of water vapor to a gas meter for calibrating the water vapor meter when it is desired to accurately measure the humidity of gas.
[0027]
Another problem to be solved by the present invention is that it is used for a fuel cell that requires high-precision management of the water content of the electrolyte, and does not reduce the energy efficiency, responsiveness, and startability. Correspondingly, it is an object of the present invention to provide a humidifier for a fuel cell, which can humidify a reaction gas without excess and deficiency, thereby dramatically improving the operation stability of the fuel cell.
[0028]
Further, another problem to be solved by the present invention is to provide a fuel cell system capable of humidifying a fuel gas without excess or deficiency, thereby dramatically improving the operation stability of the fuel cell. To provide a gas and water management system.
[0029]
[Means for Solving the Problems]
The present inventor has found that the above-mentioned problems can be solved without using a bubbler or a mist humidifier by adopting a specific liquid sending mechanism, a gas sending mechanism, and a vaporizer, and reached the present invention.
[0030]
That is, first, the present invention provides a liquid supply system including a container containing water, a micro liquid supply pump for supplying a desired amount of water to a vaporizer, and a first pressure regulator for adjusting a carrier gas pressure. And a standard steam generator having a gas supply system comprising a mass flow controller for adjusting a gas supply amount and supplying a desired amount of carrier gas to a vaporizer.
[0031]
Here, as the container containing water, a bottle made of glass or the like or a metal container made of stainless steel or the like is preferably used, and high purity water such as pure water is put in the container. The micro liquid pump is a small liquid pump capable of supplying an accurate volume of water, preferably pure water. The micro pump is itself known, and a commercially available pump can be used. The mass flow controller is a small gas pump that can deliver a precise amount of carrier gas. The mass flow controller itself is known, and a commercially available one can be used.
[0032]
It is preferable that the vaporizer of the standard steam generator according to the present invention includes a heating / evaporation unit, a mixing unit, and a temperature control unit. In the heating and evaporating section, an accurate volume of water sent from the liquid sending system is vaporized into steam. The vaporized water vapor and the carrier gas of the correct volume sent from the gas sending system are uniformly mixed in the mixing section to become a mixed gas having the calculated humidity. The temperature of the mixed gas is accurately adjusted and maintained in the temperature control section, and is guided to various uses as steam of standard humidity. At this time, a heat hose or the like is preferably used to maintain the temperature. Further, it is effective that the entire vaporizer including the heating evaporating section, the mixing section, and the temperature adjusting section is enclosed by a temperature holding means such as a thermostat.
[0033]
The carrier gas used is not limited, and the type of gas is selected depending on the gas having the desired humidity. Among them, as the standard steam generator, an inert gas such as helium, argon, or nitrogen gas is preferable, and nitrogen is particularly preferable because it is inexpensive. If the standard steam generator of the present invention is used for examining various conditions of a humidifier of a fuel cell, hydrogen gas, oxygen gas, or air can be used.
[0034]
In the present invention, it is preferable that the liquid sending system sufficiently degass the impurity gas dissolved in the pure water. For this reason, it is preferable that the liquid sending system has a second pressure regulator for adjusting the carrier gas pressure for bubbling, and the container has a purge valve.
[0035]
The standard water vapor generator of the present invention uses a micro-liquid pump with a very small pulsating flow to feed the degassed pure water into the vaporizer with the correct amount of water, vaporizes the entire amount, and mixes the carrier gas and water vapor. What is sent to the analyzer through a heating pipe as a uniform gas in the analyzer. Since the amount of water vapor is accurately determined in a liquid state and sent to a vaporizer, the amount of water vapor can be accurately calculated. The water concentration of the gas can be calculated from the flow rate of the carrier gas and the amount of water to be sent.
[0036]
Second, the present invention provides a humidification water tank, a first humidification water micro-pump, a hydrogen gas mass flow controller for supplying hydrogen gas, and an anode for humidifying the hydrogen gas to a desired amount with the humidification water. An anode humidification system comprising a vaporizer, the humidification water tank, a second humidification water micro-pump, an air mass flow controller for supplying air, and a cathode vaporization for humidifying the air to a desired amount with the humidification water. This is a humidification device for a fuel cell having a cathode humidification system composed of a vessel.
[0037]
Here, the humidifying water tank is a tank of a fixed capacity storing water, preferably pure water, and the first humidifying water micro pump and the second humidifying water micro pump are used to accurately supply water. To the anode vaporizer and the cathode vaporizer. In the fuel cell, the water vapor is recovered from the anode exhaust and the cathode exhaust. Therefore, the water vapor recovered from the fuel cell may be guided to the humidified water tank to compensate for the consumption. The humidified water may contain components added for purposes other than humidification, such as antifreeze components for preventing freezing. The material of the humidification water tank is not particularly limited, but is preferably glass, ceramic, stainless steel, or the like because it maintains high-purity water.
[0038]
The first and second humidified water micro-liquid pumps are small liquid pumps capable of supplying an accurate volume of water, preferably pure water. The micro pump is itself known, and a commercially available pump can be used. The mass flow controller is a small gas pump that can deliver a precise amount of carrier gas. The hydrogen gas mass flow controller and the air mass flow controller are small gas pumps capable of sending accurate amounts of hydrogen gas and air. The mass flow controller itself is known, and a commercially available one can be used.
[0039]
In the anode humidification system, the correct amount of water sent from the first humidified water micro liquid sending pump and the correct amount of hydrogen gas sent from the hydrogen gas mass flow controller are vaporized by the anode vaporizer. The hydrogen gas mixed, adjusted in temperature and humidified to a desired amount is supplied to the cell stack of the fuel cell.
[0040]
Similarly, in the cathode humidification system, the correct volume of water sent from the second humidified water micro-liquid pump and the correct volume of air sent from the air mass flow controller are mixed with the cathode vaporizer, Air that has been vaporized, mixed and adjusted in temperature is supplied to the cell stack of the fuel cell with the humidified air to a desired amount.
[0041]
It is preferable that the anode vaporizer of the humidifying device for a fuel cell of the present invention includes a heating evaporator, a mixer, and a temperature controller. In the heating and evaporating section, an accurate volume of water sent from the first humidified water micro-liquid sending pump is vaporized into steam. The vaporized water vapor and the accurate volume of hydrogen gas sent from the hydrogen gas mass flow controller are uniformly mixed in the mixing section to become a humidified hydrogen gas having the calculated humidity. The humidified hydrogen gas is accurately temperature-controlled and maintained in the temperature control section, and is guided to the anode of the cell stack. At this time, in order to maintain the temperature, the anode vaporizer may be directly connected to the cell stack, or the temperature between them may be maintained using a heat hose or the like.
[0042]
Similarly, the cathode vaporizer of the humidifier for a fuel cell according to the present invention preferably includes a heating evaporator, a mixer, and a temperature controller. In the heating and evaporating section, an accurate volume of water sent from the second humidified water micro-sending pump is vaporized into steam. The vaporized water vapor and the correct volume of air or oxygen gas sent from the air mass flow controller are uniformly mixed in the mixing section to become humidified air or oxygen gas having the calculated humidity. The humidified air or oxygen gas is accurately temperature-controlled and maintained in the temperature control section, and is guided to the cathode of the cell stack. At this time, in order to maintain the temperature, it is preferable that the cathode vaporizer is directly connected to the cell stack, or the temperature between them is maintained using a heat hose or the like.
[0043]
The shapes of the anode vaporizer and the cathode vaporizer are not limited, but a tubular body having a heater is preferable in terms of simplicity of structure, performance, operability, and the like.
[0044]
Further, it is preferable that the mixing section of the anode vaporizer and / or the cathode vaporizer is a tubular body having a fin or a screw therein, because the mixing performance is further improved.
[0045]
Third, the present invention is a fuel cell comprising a humidifier including a cell stack, the above-described anode humidification system, and a cathode humidification system. Here, the fuel cell requires replenishment of water, and examples thereof include a polymer electrolyte fuel cell, a phosphoric acid fuel cell, and an alkaline fuel cell.
[0046]
Fourth, the present invention is a gas / water management system for a fuel cell comprising a fuel cell comprising the cell stack, the above-mentioned anode humidification system, and the cathode humidification system, and a control unit for controlling these.
[0047]
Here, the control unit calculates the required amount of hydrogen gas, air or oxygen gas, and water according to the load condition and temperature of the cell stack, and controls the anode humidification system and the cathode humidification system. I can do it. A series of controls are performed by the control unit, and the necessary gas amount, humidified steam amount, and temperature of each heating pipe can be optimized according to the cell temperature and load condition.
[0048]
In the gas / water management system for a fuel cell according to the present invention, the control unit first determines the humidification amount, the reaction gas flow rate, the cell stack load condition (current-voltage value), the cell resistance, the exhaust gas humidity, the drainage amount, and the like. Determine the temperature of each heating pipe. From the humidification amount and the gas flow rate, the heating degree in the heating evaporation section of the anode vaporizer and the heating evaporation section of the cathode vaporizer is calculated (calculation of heating degree necessary and sufficient to convert water into water vapor). A signal is sent from the control unit to each heater such as a heating evaporator, the first and second humidified water micro pumps, a hydrogen gas mass flow controller, and an air mass flow controller. The steam and the reaction gas as calculated are sent from the heating and evaporating section to the mixing section, and after being sufficiently mixed, the gas temperature is adjusted in the temperature adjusting section and sent to the cell stack.
[0049]
Here, the temperature of the heater is independently controlled in the cell stack section and the heating pipe section, and the temperature of the heater is also independently controlled in three sections inside the heating pipe section.
[0050]
In the heating evaporator, a metal having a large heat capacity is used for a structural material, and a temperature sensor and a heater are provided. Here, the supplied humidified water (liquid) is entirely vaporized by heating. The mixing section has a structure in which the inside of the metal pipe is cut into a screw shape, and the mixed gas is sufficiently mixed when passing through the inside of the pipe. The temperature control section adjusts the temperature of the humidified gas to near the cell temperature, and adjusts the humidified gas temperature to approximately the cell stack temperature plus about 0 to 10 ° C. The supply of the reaction gas is precisely controlled by a mass flow controller. The humidification water pump performs precise liquid sending by a precise liquid mass flow or plunger / diaphragm pump.
[0051]
The gas / water management system for a fuel cell according to the present invention enables the reaction gas to be humidified without excess or deficiency even when the operation state of the fuel cell changes due to a load change or the like. Can be dramatically improved.
[0052]
Further, since the humidification of the reaction gas is performed using an accurately humidified anode vaporizer or cathode vaporizer, the energy loss is small, and the startability and responsiveness are improved. Further, the power consumption of the anode vaporizer and the cathode vaporizer can be reduced.
[0053]
According to the gas / water management system for a fuel cell of the present invention, with the above configuration, the required amount of humidified water is converted into the total amount of steam in the heating / evaporating unit, and the generation and mixing of dew condensation in the mixing unit and the temperature control unit Problems such as non-uniformity of gas were resolved, and humidified gas was sent to the cell stack as calculated. Also, the energy consumption from water to steam is minimal. In addition, a high-precision liquid sending pump can generate a precise amount of water vapor, and there are no humidity fluctuation factors such as dew condensation, and the gas humidity can be controlled with high accuracy. Furthermore, it is possible to cope with large load fluctuations, and it is a very simple system only by controlling the flow rate of the humidification water supply pump and the output of the heater in the heating / evaporation unit. In addition, it is possible to instantaneously follow from zero humidification to full flow humidification. As a whole, the system is simple and excellent in accuracy.
[0054]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0055]
FIG. 1 shows an example of the standard steam generator according to the first invention. As shown in FIG. 1, the standard steam generator is a large-sized water supply system including a second pressure regulator 1, a pressure gauge 2, a water container 4 equipped with a purge valve 3, and a micro liquid supply pump 5. , A first pressure regulator 6, a pressure gauge 7, a mass flow controller 8, and a vaporizer 9.
[0056]
The liquid sending system basically includes a water container 4 containing pure water and a micro liquid sending pump 5 for sending a desired amount of water from the water container 4 to the vaporizer 9. In order to remove various impurity gases dissolved in the pure water in the water container 4, purging is performed using a carrier gas, in this case, helium which is an inert gas. The pressure of the introduced helium gas is adjusted by the second pressure regulator 1, the pressure is measured by the pressure gauge 2, injected into the water container 4, and discharged from the purge valve 3 to the outside air. After removing various impurity gases dissolved in the pure water in the water container 4 in this manner, the pure water in the water container 4 is sent to the vaporizer 9 by using the micro-liquid sending pump 5 to supply a precise volume of pure water. Liquid.
[0057]
The gas sending system includes a first pressure regulator 6 for adjusting the pressure of helium gas as a carrier gas, and a mass flow controller 8 for adjusting a gas sending amount and sending a desired amount of the carrier gas to the vaporizer 9.
[0058]
The vaporizer 9 includes a heating / evaporating unit 10, a mixing unit 11, and a temperature adjusting unit 12. In the heating and evaporating section 10, the correct volume of water sent from the liquid sending system is vaporized to become steam. The vaporized water vapor and the correct volume of carrier gas sent from the gas sending system are uniformly mixed in the mixing unit 11 to become a mixed gas having the calculated humidity. The temperature of the mixed gas is accurately adjusted and maintained by the temperature control unit 12, and becomes a water vapor having a standard humidity. Further, it is effective that the entire vaporizer including the heating and evaporating unit 10, the mixing unit 11, and the temperature adjusting unit 12 is externally enclosed by a temperature holding unit such as a thermostat 13. Further, in order to maintain the temperature of the generated standard steam, it is preferable to guide the generated standard steam out of the standard steam generator using a heat hose (not shown) or the like.
[0059]
In the present embodiment, helium gas is used as the carrier gas, but the carrier gas is not limited to this, and another carrier gas may be used according to the purpose.
[0060]
Table 1 summarizes the amount of pure water to be sent, the amount of helium gas to be sent, and the moisture concentration (absolute humidity).
[Table 1]
[0061]
Hereinafter, important elements in the configuration of the standard steam generator of the present invention will be listed.
(1) The flow rate of the carrier gas serving as a carrier must be accurately measured by a mass flow controller.
{Circle over (2)} The workability is improved if the water tank (container) is made of, for example, pressure-resistant glass and the remaining amount of water can be visually checked.
(3) Before operation, bubbling with an inert gas is performed to sufficiently dissolve dissolved gas species such as air. In this operation, the purge valve of FIG. 1 is opened to allow the inert gas to flow. Bubbling is desirably performed with He gas having the lowest solubility in water. If water is not purged, it will cause errors when the dissolved gas evaporates, and fine bubbles of the dissolved gas will gradually accumulate and grow, and when these are present, they will be sucked into the liquid sending pump. However, the supply of water may be temporarily stopped, which causes a problem in accuracy.
(4) Immediately after the purging of the container containing pure water, the purge valve is closed while maintaining a positive pressure of about 1.1 to 3 atm with an inert gas (preferably He). As pure water is sucked up from the container after the start of operation, the pressure decreases by the reduced volume. If the pressure in the container becomes negative, it may interfere with the liquid feeding.
{Circle around (5)} The vaporizer is generally in the form of a heated pipe, and the temperature is preferably about 200 ° C. It is desirable to use special steel that has a sufficient heat capacity to completely convert the supplied pure water into steam and does not generate rust. In order to ensure that all generated steam flows to the mixer, it is preferable that steam is generated in the flow of the carrier gas heated to the same temperature as the pipe temperature.
{Circle around (6)} In the mixing section, care must be taken to ensure that the carrier gas and the water vapor are sufficiently uniformly mixed. Generally, the gas is agitated and uniformly mixed by cutting grooves or fins into the pipe in a screw shape. The flow rate and type of the carrier gas are also important, and if the flow rate is too low, there is a problem in accuracy. It is desirable that the flow rate be 500 mL / min or more and the water vapor amount or less. The gas species is preferably He in the sense that it is less soluble in water, but is not necessarily He in the case of a carrier gas, and may be Ar, Ne, N 2 Etc. can also be used. In the sense of gas mixing, the closer to the molecular weight of water (18), the easier it is to mix, so such a gas can be used especially for rigorous testing. If it is desired to strictly adjust the conditions in, for example, the humidity evaluation of the fuel cell gas, it is possible to use hydrogen or oxygen as the carrier gas.
{Circle around (7)} The liquid pump uses a micropump that has a small pulsating flow and can continuously supply liquid. In particular, a double plunger type is recommended. The liquid feed pump may be selected according to the required water vapor concentration, but there is a problem with the accuracy of the flow rate. Therefore, with the current technology, it is recommended to set the flow rate to 1 μL / min or more.
[0062]
FIG. 2 shows an example of the fuel cell humidifier and the gas / water management system of the fuel cell according to the second and third embodiments of the present invention.
[0063]
As shown in FIG. 2, the anode humidification system includes a first humidification water micro-liquid pump 15 guided from a humidification water tank 14, a hydrogen gas mass flow controller 16 for supplying hydrogen gas, and the humidification water. An anode vaporizer 17 humidifies hydrogen gas to a desired amount. The anode vaporizer 17 includes a heating / evaporating unit 18, a mixing unit 19, and a heat adjusting unit 20. In the anode evaporator 17, in the heating evaporator 18, the correct volume of water sent from the first humidified water micro liquid sending pump 15 is vaporized to become steam. The water in the humidification water tank 14 is preferably of high purity, and more preferably pure water. Further, if the impurity gas is dissolved in the water in the humidifying water tank 14, the impurity gas is vaporized during the liquid sending and the volume of the water to be sent fluctuates. Is preferred. Thereby, the function of the first humidified water micro pump 15 is sufficiently achieved. The vaporized water vapor and the accurate volume of hydrogen gas sent from the hydrogen gas mass flow controller 16 are uniformly mixed in the mixing unit 19 to become a humidified hydrogen gas having the calculated humidity. The humidified hydrogen gas is accurately temperature-controlled and maintained in the temperature control section 20, and is led to the anode of the cell stack 27.
[0064]
The cathode humidification system humidifies the air to a desired amount with the humidification water, a second humidification water micro-liquid pump 21 guided from the humidification water tank 14, an air mass flow controller 22 for supplying air or oxygen gas. It comprises a cathode vaporizer 23. The cathode vaporizer 23 includes a heating / evaporating unit 24, a mixing unit 25, and a heat adjusting unit 26. In the cathode vaporizer 23, in the heating evaporating section 24, an accurate volume of water sent from the second humidified water micro pump 21 is vaporized to be steam. The vaporized water vapor and the air of the correct volume sent from the air mass flow controller 22 are uniformly mixed in the mixing section 25 to become humidified air having the calculated humidity. The temperature of the humidified air is accurately adjusted and maintained in the temperature control section 26, and is guided to the cathode of the cell stack 27.
[0065]
The gas / water management system for a fuel cell according to the present invention will be specifically described. Since the purpose of humidification is different between the anode (fuel electrode) side and the cathode (air electrode) side, the humidification amount on the anode side and the humidification amount on the cathode side are individually controlled.
[0066]
First, the humidification control method on the anode side will be described. During operation of the fuel cell, when protons move from the anode side to the cathode side, water molecules also move to the cathode side at the same time, so that the anode side tends to be particularly short of water. The purpose of the humidification on the anode side is to supply an insufficient amount of water due to the proton transfer. Since the amount of water molecules transferred is proportional to the amount of proton transfer, that is, the amount of current, when the fuel cell is operated in a high current density region with the humidification amount kept constant, the amount of water supplied to the anode side becomes relatively short. I do. If the amount of water supplied to the anode side is insufficient, the amount of water in the electrolyte membrane will be insufficient, causing an increase in resistance and a decrease in voltage of the electrolyte membrane. Furthermore, if the amount of water is insufficient, it may cause a battery failure.
[0067]
Therefore, it is important for the anode side that the amount of humidification is adjusted according to the operating state of the fuel cell, particularly the amount of current, and that the water vapor is supplied without excess or deficiency.
[0068]
Next, a method of controlling humidification on the cathode side will be described. The purpose of the humidification on the cathode side is to quickly humidify the electrolyte membrane in a dry state at the time of start-up, and to assist the smooth movement of protons. This is because the electrolyte membrane is normally in a dry state when the fuel cell is stopped, but the fuel cell does not start stably when the electrolyte membrane is dry.
[0069]
In addition, during stable operation, humidification is unnecessary because water is generated on the cathode side by an electrode reaction. Rather, when the cathode side is humidified in a high current density state or a shortage of supply gas, flooding may occur due to a balance between generated water, supply humidification water, and gas discharge capacity. Flooding is a phenomenon in which gas is clogged by liquid water generated in a flow path, but gas clogging occurs in a part of the stacked stack and thus locally reduces battery output. On the other hand, in a high current density state or a supply gas shortage state, the cathode side may show a drying tendency due to internal heat generation (power generation loss). Unless proper measures are taken in this case, an increase in resistance or a decrease in voltage is caused, and further progress may cause a battery failure.
[0070]
Therefore, it is important for the cathode side to supply a large amount of humidified water at the time of starting, and to ensure the wetting of the electrolyte membrane in a short time. Further, in order to suppress flooding, it is important that humidification on the cathode side is not performed during stable operation, and that vaporization and removal of water existing on the cathode side are promoted. Further, when the electrode is dried, it is important to perform appropriate humidification and supply on the cathode side.
[0071]
As a parameter for determining the humidification amount on the cathode side, the water content in the electrolyte membrane may be used. The water content is calculated using battery cell resistance, operating temperature, current conditions, and the like.
[0072]
As described above, if the humidification amount on the anode side and the humidification amount on the cathode side are separately controlled, the startability and operation stability of the fuel cell can be improved.
[0073]
The present invention is applicable to any fuel cell that needs to control the water content of the electrolyte. In addition, examples of the application include an in-vehicle power source and a stationary small power generator, but are not limited thereto. Hereinafter, an example in which the present invention is applied to a polymer electrolyte fuel cell for a vehicle-mounted power source will be described.
[0074]
【Example】
A fuel cell system including these humidified water tanks, an anode humidification system, a cathode humidification system, and a cell stack fuel cell was assembled, and humidified hydrogen gas was supplied to the cells. In order to evaluate whether or not the supplied gas had the water vapor amount according to the theoretical value, a dew point sensor was inserted immediately after the heating pipe outlet, and the temperature and humidity were measured. The measurement was performed on the hydrogen side, and the temperature of the heating pipe section was 200 ° C. in the heating and evaporating sections 18 and 24, 100 ° C. in the mixing sections 19 and 25, and 80 ° C. in the temperature adjusting sections 20 and 26. Hydrogen gas and water were supplied by a hydrogen mass flow and a humidification water pump (precision plunger pump). The flow rate was set to two conditions of 1 L / min and 20 L / min. As a result of the measurement, under both conditions, the outgassing temperature was 80 ° C. and no dew condensation was observed. Further, as shown in FIGS. 3 and 4, there was good linearity with respect to the amount of water supplied, and further, all of the supplied water turned into steam to obtain a gas having the intended humidity.
[0075]
【The invention's effect】
According to the standard steam generator of the present invention, steam in which the correct volume of water has been vaporized and the carrier gas having the correct volume are uniformly mixed to form a mixed gas having the calculated humidity. The mixed gas is led to various uses as standard humidity steam.
[0076]
Further, the humidifier for a fuel cell of the present invention can accurately add water vapor to a reaction gas supplied to an electrolyte provided in a fuel cell without using a bubbler, and has a small energy loss and excellent responsiveness. There is an effect that the startability is also improved. In addition, since steam is added according to the operation state of the fuel cell, there is an effect that the reaction gas can be humidified without excess or deficiency even when a large load change occurs.
[0077]
Furthermore, in the gas / water management system for a fuel cell system of the present invention, the amount of steam to be added is controlled according to the operating state of the fuel cell, so that energy efficiency, startability, and responsiveness are not impaired. Since the operation stability of the fuel cell system can be dramatically improved, if this is applied to, for example, a fuel cell system for an in-vehicle power source, it contributes to the improvement of operability and fuel efficiency of an automobile.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram showing an example of a standard steam generator of the present invention.
FIG. 2 is a configuration diagram showing an example of a humidifier for a fuel cell and a gas / water management system for a fuel cell according to the present invention.
FIG. 3 is a graph showing a relationship between a water input amount to a fuel cell and a relative humidity of a humidified gas in the example.
FIG. 4 is a graph showing the relationship between the amount of water supplied to the fuel cell and the relative humidity of the humidified gas in the example.
[Explanation of symbols]
1: second pressure regulator, 2: pressure gauge, 3: purge valve 3, 4: water container, 5: micro-liquid pump, 6: first pressure regulator, 7: pressure gauge, 8: mass flow controller, 9 : Vaporizer, 10: heating evaporator, 11: mixing unit, 12: temperature controller, 13: constant temperature bath, 14: humidification water tank, 15: first humidification water micro-pump, 16: hydrogen gas mass flow controller , 17: anode vaporizer, 18: heating evaporator, 19: mixing unit, 20: heat regulator, 21: second humidified water micro-pump, 22: air mass flow controller, 23: cathode vaporizer, 24: Heat evaporation section, 25: mixing section, 26: heat regulation section, 27: cell stack, 28: load.