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JP2004313966A - 細胞破砕装置 - Google Patents

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JP2004313966A
JP2004313966A JP2003112635A JP2003112635A JP2004313966A JP 2004313966 A JP2004313966 A JP 2004313966A JP 2003112635 A JP2003112635 A JP 2003112635A JP 2003112635 A JP2003112635 A JP 2003112635A JP 2004313966 A JP2004313966 A JP 2004313966A
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annular
rotation
cell
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JP2003112635A
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Shuji Yasui
修二 安井
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YASUI KIKAI KK
Original Assignee
YASUI KIKAI KK
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Abstract

【課題】洗浄を容易にすると共に洗浄により障害を発生させない構造を設けた細胞破砕装置を提供する。
【解決手段】回転駆動される回転軸8に固定された傾斜軸体11に相対回転自在に外嵌する環状体15に取り付けられた環状保持体20に被破砕物と破砕媒体32とを収容した多数の破砕容器30を保持させ、環状体15の回転をゴム筒17により拘束する。回転軸8を回転させると環状保持体20は8の字状に往復振動して破砕容器30内の被破砕物は破砕媒体32により破砕される。前記ゴム筒17により軸受10等の可動部分は被覆されるので、ケーシング29内の洗浄を行っても可動部分に洗浄水の侵入がなく、確実な洗浄が可能となる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の組織や種子類、動物の組織、鉱物材料などの被破砕物を化学的に分析・分画分離するために、被破砕物と破砕媒体とを収容した破砕容器を多数保持した容器ホルダを破砕装置に装填し、破砕装置により振動を加えて被破砕物を破砕する細胞破砕装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような被破砕物を化学的に分析・分画するためには、被破砕物を均一に破砕する必要がある。被破砕物を破砕するために破砕装置が用いられ、被破砕物と破砕媒体とを収容した破砕容器に振動を加えることにより、被破砕物に破砕媒体が衝突することによる圧縮と回転による磨砕とによって被破砕物を破砕する。
【0003】
このような破砕装置として、被破砕物と破砕媒体とを収容した破砕容器に8の字状の振動を加えて効率的且つ安定した被破砕物の破砕を行うことができる破砕装置を本願出願人は先に提案している(特許文献1参照)。また、破砕効率及び安定化を図るために、細長い破砕容器の軸心に沿った姿勢を維持して軸心方向に相対移動する形状、寸法の単一の破砕媒体を用いた破砕装置(特許文献2参照)や、被破砕物を冷却する手段を設けた破砕装置(特許文献3参照)などを本願出願人は提案している。
【0004】
図16は、上記破砕装置の構成を示すもので、回転軸8にその軸芯に対して軸芯が傾斜した傾斜軸体11を設け、傾斜軸体11に相対回転自在に環状体15を外嵌させると共に、この環状体15に取り付けられた磁石16と、これに対極する固定磁石18とにより環状体15の回転を弾性的に拘束し、環状体15に取り付けられた環状保持体20の外周部に破砕媒体32と被破砕物とを収容した細長い破砕容器30を環状保持体20の軸芯と平行な姿勢で保持できるように構成したものである。前記回転軸8を図外のモータにより回転駆動すると、破砕容器30にはその軸芯方向の比較的長い行程の主往復移動とそれに直交する方向の比較的短い行程の副往復移動とが組み合わされた8の字状の往復振動が加わり、破砕媒体32が相対回転しながら破砕容器30の底部に衝突することにより、破砕容器30が乳鉢、破砕媒体32が乳棒にように作用して、被破砕物が植物組織や動物組織、あるいはプラスチック材料や鉱物材料であっても効率的に破砕することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−023660号公報(第3〜5頁、図1)
【0006】
【特許文献2】
特開2001−178444号公報(第3〜5頁、図2)
【0007】
【特許文献3】
特開2000−202314号公報(第3〜5頁、図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記破砕装置は、被破砕物として病原体を含む動物組織や植物組織を破砕してDNA分析の用に供する目的などに広く使用されている。被破砕物は破砕容器30内に収容されるので、誤って漏出させてしまうことがない限り飛散することはないが、破砕処理を行う前後の作業上において手や器具類に付着した被破砕物が破砕装置内に再び付着することがないとはいえない。破砕装置への異物の付着は、病原菌の拡散、微生物類の増殖やコンタミネーションの発生、あるいはバイオハザードの憂いもある。従って、破砕装置の破砕に供する部位、特に環状保持体及びそれに付属する容器ホルダは必要に応じて取り外し洗浄することが要求される。
【0009】
洗浄はアルカリ洗浄又は蒸気洗浄などにより破砕装置の要部を収容したケーシング29内を洗浄することになる、また、環状保持体は取り外してアルカリ洗浄又は蒸気洗浄することになる。しかし、軸受部10,14などに洗浄水が侵入すると、その後の機械的動作に障害が発生する恐れがあるので、洗浄水が可動部分に侵入しないようにする構造を設ける必要がある。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みて創案されたもので、洗浄を容易にすると同時に洗浄によって障害が発生することがない構造を設けた細胞破砕装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本願第1発明に係る細胞破砕装置は、回転駆動される回転軸に、その軸心に対して軸心の傾斜した傾斜軸部を設け、この傾斜軸部に相対回転自在に外嵌させた環状体に、被破砕物と破砕媒体とを収容した破砕容器を周方向に多数保持する環状保持体を取り付け、前記環状体とそれの近接位置にある固定支持体との間を被覆して弾性体を固着させてなることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、回転軸の回転に伴って傾斜軸体が回転したとき、これに相対回転自在に外嵌する環状体は傾斜軸体と共に回転しようとするが、環状体は固定支持体との間が弾性体により接続されているので、環状体の回転は拘束され、環状体は回転軸の回転に伴って8の字状に往復振動する。従って、環状体に取り付けられた環状保持体に保持された多数の破砕容器も往復振動を受け、収容した破砕媒体が被破砕物に衝突、圧縮して被破砕物が破砕される。前記弾性体は軸受等の可動部分を被覆するので、装置内を洗浄したときに可動部分に洗浄水が侵入することがなく、必要に応じて洗浄する作業が容易となる。
【0013】
また、本願第2発明に係る細胞破砕装置は、回転駆動される回転軸に、その軸心に対して軸心の傾斜した傾斜軸部を設け、この傾斜軸部に相対回転自在に環状体を外嵌させると共に、この環状体の回転を拘束する回転拘束手段を設け、環状体に被破砕物と破砕媒体とを収容した破砕容器を周方向に多数保持する環状保持体を取り付け、前記環状体とそれの近接位置にある固定支持体とに、それらの間に存在する前記回転拘束手段を含む構成要素を被覆して弾性体を固着させてなることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、回転軸の回転に伴って傾斜軸体が回転したとき、これに相対回転自在に外嵌する環状体は傾斜軸体と共に回転しようとするが、環状体の回転は回転拘束手段によって拘束される結果、環状体は回転軸の回転に伴って8の字状に往復振動する。従って、環状体に取り付けられた環状保持体に保持された多数の破砕容器も往復振動を受け、収容した破砕媒体が被破砕物に衝突、圧縮して被破砕物が破砕される。また、弾性体は回転拘束手段を含む軸受等の可動部分を被覆するので、装置内を洗浄したときに可動部分に洗浄水が侵入することがなく、必要に応じて洗浄する作業が容易となる。
【0015】
上記各構成において、弾性体は、外形が円筒状に形成された環状体と、外形が円筒状に形成された固定支持体とに両端部を固着させた円筒状ゴム質材料で形成することにより、環状体の回転を拘束する作用と、可動部分を被覆する作用とを兼ね備えたものが得られる。
【0016】
また、第2発明の構成における回転拘束手段は、磁気吸着又は磁気反発により環状体の回転を拘束する磁石とそれに対峙する対極磁石として構成することにより、非接触の回転拘束を行うことができる。
【0017】
また、回転拘束手段は、環状体と固定支持体との間を接続して配設されたバネ材として構成することができ、環状体の回転をバネ材により簡易に拘束することができる。
【0018】
また、破砕処理を行う構成要素は、独立したケーシング内に収容され、所要部位に防水構造が設けられてなり、ケーシング内に開口部を被覆して防水構造を設けると共に、ケーシングの底面に排水構造を設けて構成することにより、ケーシング内を蒸気洗浄などによって洗浄することが可能となり、洗浄によってケーシング内に溜まった洗浄水は排水構造により外部に排出することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施の形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、従来構成と共通する構成要素には同一の符号を付している。
【0020】
図1は、実施形態に係る細胞破砕装置1の全体構成を示すもので、外装体2内に配置されたケーシング29に防振コイル4を介して吊設されたベース板40に、モータ5aや減速機5bからなる駆動手段5が垂下状態に支持され、その出力軸が軸継手6を介してベース板40上に配設された軸受部(固定支持体)7により鉛直な軸心回りに回転自在に支持された回転軸8に連結されている。詳細は後述するが、ケーシング29内には回転軸8に接続して破砕機能部50が配設されている。また、外装体2の上方に開口するケーシング29の開口部は開閉可能に扉9によって閉じられている。また、外装体2内には制御装置44や操作部45が配設され、操作部45の外部に配置された操作パネル45aから当該細胞破砕装置1の運転を操作することができる。
【0021】
図2は、前記破砕機能部50の第1の実施形態に係る構成を断面図として示すもので、回転軸8の上部には、その軸心に対して軸心が角度θに傾斜した状態で傾斜軸体11が嵌合され、傾斜リング12を介して回転軸8の上端部に螺合したナット13にて押圧固定されている。傾斜軸体11の外周には軸受14を介して相対回転自在に環状体15が装着されている。この環状体15の外形は円形に形成され、下端側周面に形成された周溝15aに一端を嵌合させ、他端を軸受部7の周面に形成された周溝7aに嵌合させてゴム筒(弾性体)27が取り付けられている。このゴム筒27は、傾斜軸体11が回転した場合に、それに追従する環状体15の回転を弾性拘束し、傾斜軸体11の回転に伴って環状体15が振れ運動を行うように構成されている。また、ゴム筒27は、複数の襞を設けた蛇腹状に形成され、周面の位置で異なる伸縮状態に柔軟に対応できるように構成されている。
【0022】
前記環状体15には破砕容器30を保持する環状保持体20が着脱交換可能に取り付けられている。この環状保持体20の円周上に形成された容器収容穴から容器ホルダ22内に、被破砕物及び破砕媒体32を収容した多数の破砕容器30を挿入し、押圧板23を破砕容器30の蓋体31上に配し、固定ノブ25を環状保持体20に設けられた取付ボス24に螺入することにより、多数の破砕容器30は環状保持体20に固定される。
【0023】
上記破砕容器30は、図7に示すように、細長い円筒容器から成り、その開口部外周にねじ30aが形成され、開口部に蓋体31を螺合して密閉できるように構成されている。破砕容器30は、被破砕物の材質や量に応じて2ml〜50mlの容積のものが用いられ、環状保持体20もこの破砕容器30の大きさに応じた容器ホルダ22が装着できるように構成される。
【0024】
また、破砕容器30内に被破砕物とともに収容される破砕媒体32は、図8に示すように、破砕容器30の内径Dより大きい長さLの単一部材にて構成されたものが使用でき、その一端部に破砕容器30の底部形状に対応して同様の載頭円球状の突出端部32aが形成されている。また、他端部は、蓋体32の内周の環状シール部31aと干渉したり、嵌まり込むことがないように小径部32bに形成されている。また、破砕媒体32の外径dは、破砕容器30の内径Dに対して2mm以下、内径dが小さい場合には1mm以下程度小さく設定されている。例えば、破砕容器30の容量が2mlの場合で、その内径Dは8mm、破砕媒体32の外径dは7mmに設定されている。また、図8(b)(c)に示すように、破砕媒体32の突出端部32aには必要に応じて放射状又は螺旋状に1又は複数の溝34が形成されたものを用いると、植物繊維などのように破砕され難い被破砕物を切断しながら破砕することができる。
【0025】
環状保持体20に被破砕物と破砕媒体32とを収容した破砕容器30を装着して細胞破砕装置1を運転させ、回転軸8を例えば1200〜2800rpmで高速回転させると、回転する傾斜軸体11に相対回転自在に外嵌された環状体15は傾斜軸体11と共に回転しようとするが、ゴム筒27によって共回転が拘束されているので、回転軸8が1回転する毎に環状体15は軸心方向両側に振れ運動する。
【0026】
このとき、環状体15の任意の点は、図6(a)(b)に示すように、8の字状に移動することになる。即ち、図6(a)に実線で示すように、環状体15が紙面の上下方向に傾斜した状態を基準位置として、そのときの環状体15の外周上におけるa点位置の挙動を見てみると、実線位置から回転軸8が矢印方向に90度回転すると、環状体15は仮想線で示すように紙面の表裏方向に傾斜した状態に移行し、その間a点に対応していた位置は経路bを経てc点に移動する。回転軸8が更に90度回転すると、環状体15は図6(b)に実線で示すように、紙面の上下方向で且つ逆向きに傾斜した状態に移行し、a点に対応していた位置はc点から経路dを経て元のa点に戻る。更に回転軸8が90度回転すると、環状体15は仮想線で示すように紙面の表裏方向に逆向きに傾斜した状態に移行し、a点に対応していた位置は経路eを経てf点に移動し、更に回転軸8が元の回転位置まで90度回転すると、a点に対応していた位置はf点から経路gを経て元のa点に戻る。
【0027】
従って、環状体15に取り付けられた環状保持体20に保持された破砕容器30は、回転軸8の回転に伴って8の字状の振動形態により振動が加えられ、破砕容器30内では被破砕物に破砕媒体32が効果的に衝突し、その衝撃によって被破砕物は速やかに且つ均一に細胞破砕される。特に、図8に示した破砕容器30の底部形状に対応する先端形状を備えた破砕媒体32では、破砕容器30の軸心にほぼ沿った姿勢を保持したまま相対回転しながら破砕容器30の底部に衝突する動きを繰り返し、破砕容器30が乳鉢、破砕媒体32が乳棒のように作用するので、被破砕物が大型の植物細胞や動物組織などであっても効率的に破砕がなされる。
【0028】
上記構成になる細胞破砕装置1は、環状体15の上部開口部分は封止キャップ(防水構造)33によって閉じられ、環状体15と軸受部7との間はゴム筒17によって被覆され、更にはケーシング29の底面に回転軸8及び軸受部7を通すために形成された開口部は遮蔽ゴム(防水構造)28によって閉じられているので、ケーシング29の中に位置する軸受14などの可動部分は全て被覆される。従って、ケーシング29の内部は蒸気洗浄、薬品洗浄等によって洗浄することができる。破砕処理の繰り返しによってケーシング29の内部が塵埃等によって汚れることは勿論のこと、被破砕物を飛散させてしまうこともあり得る。特に被破砕物が有害なものであったり、病原菌などを含むものであった場合には、ケーシング29の内部を滅菌消毒して洗浄する必要がある。このときにも蒸気や薬品類が噴射されても、可動部分に侵入することはなく、完全に洗浄することができる。また、洗浄時にケーシング29の内部に溜まった液体は、図1、図2に示すように、ケーシング29の底面に設けられた排水栓(排水構造)34を開くと、液体は排水ホース(排水構造)35から外部に排出することができる。
【0029】
また、ケーシング29の内角部分や排水栓34の表面形状、各構成要素の内角部分などは全てアール形成され、ゴム筒17及び遮蔽ゴム28の取り付け部分は、周溝7a,15aに嵌入させた後、コーキング材で隙間を埋めて表面を滑らかな状態に仕上げるので、窪み部分に塵埃や洗浄残滓が残ることがなく、それらから細菌や微生物が発生増殖することが防止できる。
【0030】
次に、破砕機能部50の第2の実施形態について説明する。上記第1の実施形態の構成においては、環状体15の回転を拘束する手段としてゴム筒27を用いているが、細胞破砕装置1の運転中はゴム筒27には伸縮及び捻じれ方向に大きな力が加わる。これによるゴム筒27のストレスを軽減させると共に、環状体15の回転を拘束する拘束性を向上させるために、第2の実施形態の構成においては磁石による拘束を併用している。
【0031】
図3に示すように、環状体15の下面に磁石(回転拘束手段)37が取り付けられ、これに対向する軸受部7の上面には対極磁石(回転拘束手段)38が取り付けられている。磁石37と対極磁石38とは、異極が対向するようにして異極間吸引によって環状体15の回転を拘束している。磁石37と対極磁石38との間の対向間隔距離は、環状体15の振れ運動により変化するので、複数位置に磁石37及び対極磁石38を対向配置するのが好ましい。また、磁石37及び対極磁石38をリング状に形成して全周にわたって磁気拘束が作用するように構成することもできる。
【0032】
上記構成により、磁気拘束によって環状体15の回転は拘束されるので、ゴム筒17は可動部分を被覆する用だけに使用することができる。また、ゴム筒27は必然的に環状体15の回転を拘束するので、磁気拘束に加えたゴム筒27の拘束により拘束作用はより確実になされると同時に、ゴム筒27に加わるストレスは軽減される。
【0033】
環状体15の回転を拘束する手段として、図4に示す第3の実施形態のように、バネ拘束を用いることもできる。図示するように環状体15の下面と軸受部7の上面とに、それぞれバネ掛け41を取り付け、その間に引張バネ36を掛着している。この引張バネ36とゴム筒27とによる環状体15の弾性拘束により、環状体15の回転が拘束される。
【0034】
上記環状体の回転を磁気拘束又はバネ拘束した構成においてもゴム筒27によって軸受10等の可動部分は被覆されるので、ケーシング29内に配設された破砕機能部50を簡単に洗浄することができる。また、各構成要素の角部分をアール形状に形成し、ゴム筒27などの取り付け部分にコーキング材を充填して、窪み部分が形成されないようにして、塵埃や洗浄残滓の残留による細菌や微生物の発生を防止することは、第1の実施形態の構成と同様である。
【0035】
次いで、本発明の第4の実施形態に係る構成について説明する。本実施形態は、環状体15の回転を拘束する手段として従来技術において示した磁気拘束構造を用いた構成に、ゴム筒27を配設して洗浄時の便を図ったものである。
【0036】
図5において、回転軸8にその軸芯に対して軸芯が傾斜した状態に設けられた傾斜軸体11に相対回転自在に環状体15を外嵌させ、この環状体15に取り付けられた磁石16と、これに対極する固定磁石18とにより環状体15の回転を弾性的に拘束している。前記環状体15の外周方向に形成された周溝15aにゴム筒27の一端が嵌挿され、ゴム筒27の他端が軸受7の外周方向に形成された周溝7aに嵌挿されることにより、軸受10,14等の可動部分がゴム筒27によって被覆されるように構成されている。
【0037】
上記構成により、環状体15に取り付けられた環状保持体20の外周部に、破砕媒体32と被破砕物とを収容した細長い破砕容器30を環状保持体20の軸芯と平行な姿勢で保持させて細胞破砕装置1を運転すると、環状体15が回転軸8の回転に伴って回転しようとする力は磁気拘束により拘束され、環状保持体20に保持された破砕容器30には8の字状の往復振動が加わり、破砕媒体32が破砕容器30に回転衝突することにより被破砕物が破砕される。
【0038】
また、可動部分がゴム筒27によって被覆されているので、可動部分に洗浄水を侵入させることなく洗浄が可能である。また、各構成要素の角部分をアール形状に形成し、ゴム筒27などの取り付け部分にコーキング材を充填して、窪み部分が形成されないようにして、塵埃や洗浄残滓の残留による細菌や微生物の発生を防止することは、第1の実施形態の構成と同様である。
【0039】
以上説明した各実施形態の構成において、環状保持体20は前述したように環状体15に対して着脱可能に取り付けられており、サイズや形状が異なる破砕容器30に対応できるように構成されている。例えば、図15に示す環状保持体20は、サイズが異なる2種類の破砕容器30に対して同時に破砕処理が実施できるようにしたもので、環状保持体20に大径穴56と小径穴57とが形成され、大径穴56に大きいサイズの破砕容器30を保持する容器ホルダ54a、小径穴57に小さいサイズの破砕容器30を保持する容器ホルダ55aが取り付けられている。環状保持体20は6ヶ所のネジ穴51から環状体15にネジ固定することにより環状体15に固定され、使用する破砕容器30に応じた環状保持体20に交換することができる。
【0040】
環状保持体20及び押圧板23は、開口部や容器ホルダ22のような深い凹部があり、洗浄し難い構成要素であり、作業者が最も手を触れる部位であり、異物が付着しやすい部位なので、装置本体から取り外して洗浄し、ケーシング29内を洗浄するときにも、環状保持体20、押圧板23、固定ノブ25などは環状体15から取り外し、蒸気洗浄やアルカリ洗浄などによって装置本体とは別に洗浄が実施される。
【0041】
また、以上説明した細胞破砕装置1による被破砕物の破砕に用いる破砕容器30及び破砕媒体32は、先に図7、図8に示した構成以外に以下に示すような構成のものを用いることができる。
【0042】
図9に示す破砕容器30は、破砕容器30の底部に円錐形の円錐部33が形成されており、それに伴って破砕媒体32の一端部に図10(a)に示すように円錐状の突出端部32aが形成されている。また、その突出端部32aに図10(b)、(c)に示すように、溝34を形成することもできる。
【0043】
また、図11、図12(a)〜(e)に示すように、破砕容器30の底部と蓋体31の両方に載頭円錐部33を形成し、破砕媒体32の両端に同様の載頭円錐状の突出端部32aを形成し、必要に応じて突出端部32aや破砕媒体32の全長にわたって1又は複数の放射状や螺旋状の溝34を形成することもできる。
【0044】
また、図13、図14(a)〜(e)に示すように、破砕容器30の底部と蓋31の両方に半球部35を形成し、破砕媒体32の両端に同様の半球状の突出端部32aを形成し、必要に応じて突出端部32aや破砕媒体32の全長にわたって1又は複数の放射状や螺旋状の溝34を形成することもできる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明によれば、独立したケーシング内に配設された破砕機能部の可動部分は弾性体によって被覆されるので、破砕機能部に蒸気等を噴射して蒸気洗浄等を行っても可動部分に洗浄水が侵入せず、洗浄が容易になされて汚れや異物が除去され、有害物質の付着やコンタミネーションの発生、微生物類の増殖などを防止することができる。前記弾性体は回転に伴う往復振動を発生させる回転拘束手段としての作用を与えることができる。回転拘束は磁気拘束等の手段を用いることにより、弾性体により回転拘束する際に弾性体に加わるストレスを軽減させることができ、弾性体はその主目的を可動部分の被覆に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る細胞破砕装置の全体構成を示す側面図。
【図2】破砕機能部の第1の実施形態の構成を示す断面図。
【図3】破砕機能部の第2の実施形態の構成を示す断面図。
【図4】破砕機能部の第3の実施形態の構成を示す断面図。
【図5】破砕機能部の第4の実施形態の構成を示す断面図。
【図6】環状体の運動を説明する説明図。
【図7】破砕容器の構成を示す断面図。
【図8】同上破砕容器に対応する破砕媒体の構成を示す側面図。
【図9】破砕容器の構成を示す断面図。
【図10】同上破砕容器に対応する破砕媒体の構成を示す側面図。
【図11】破砕容器の構成を示す断面図。
【図12】同上破砕容器に対応する破砕媒体の構成を示す側面図。
【図13】破砕容器の構成を示す断面図。
【図14】同上破砕容器に対応する破砕媒体の構成を示す側面図。
【図15】環状保持体の変形例を示す平面図。
【図16】従来技術に係る破砕装置の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 細胞破砕装置
8 回転軸
10 軸受(固定支持体)
11 傾斜軸体
15 環状体
16、37 磁石(回転拘束手段)
18、38 対極磁石(回転拘束手段)
20 環状保持体
27 ゴム筒(弾性体)
28 遮蔽ゴム(防水構造)
29 ケーシング
30 破砕容器
31 蓋体
32 破砕媒体
33 封止キャップ(防水構造)
34 排水栓(排水構造)
35 ホース(排水構造)
36 引張バネ(回転拘束手段)
50 破砕機能部

Claims (6)

  1. 回転駆動される回転軸に、その軸心に対して軸心の傾斜した傾斜軸部を設け、この傾斜軸部に相対回転自在に外嵌させた環状体に、被破砕物と破砕媒体とを収容した破砕容器を周方向に多数保持する環状保持体を取り付け、前記環状体とそれの近接位置にある固定支持体との間を被覆して弾性体を固着させてなることを特徴とする細胞破砕装置。
  2. 回転駆動される回転軸に、その軸心に対して軸心の傾斜した傾斜軸部を設け、この傾斜軸部に相対回転自在に環状体を外嵌させると共に、この環状体の回転を拘束する回転拘束手段を設け、環状体に被破砕物と破砕媒体とを収容した破砕容器を周方向に多数保持する環状保持体を取り付け、前記環状体とそれの近接位置にある固定支持体との間を被覆して弾性体を固着させてなることを特徴とする細胞破砕装置。
  3. 弾性体は、外形が円筒状に形成された環状体と、外形が円筒状に形成された固定支持体とに両端部を固着させた円筒状ゴム質材料で形成されてなる請求項1又は2に記載の細胞破砕装置。
  4. 回転拘束手段は、磁気吸着又は磁気反発により環状体の回転を拘束する磁石とそれに対峙する対極磁石である請求項2に記載の細胞破砕装置。
  5. 回転拘束手段は、環状体と固定支持体との間を接続して配設されたバネ材である請求項2に記載の細胞破砕装置。
  6. 破砕処理を行う破砕機能部は、独立したケーシング内に収容され、所要部位に防水構造が設けられてなり、前記ケーシング内に開口部を被覆して防水構造を設けると共に、ケーシングの底面に排水構造が設けられてなる請求項1〜3いずれか一項に記載の細胞破砕装置。
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