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JP2004500008A - ストレプトマイセス属のサブチリシンの変異体と融合したプロテアーゼ - Google Patents

ストレプトマイセス属のサブチリシンの変異体と融合したプロテアーゼ Download PDF

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JP2004500008A
JP2004500008A JP2000558221A JP2000558221A JP2004500008A JP 2004500008 A JP2004500008 A JP 2004500008A JP 2000558221 A JP2000558221 A JP 2000558221A JP 2000558221 A JP2000558221 A JP 2000558221A JP 2004500008 A JP2004500008 A JP 2004500008A
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amino acid
fusion protein
inhibitor
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JP2000558221A
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ソーンダーズ,チャールズ ウィンストン
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Procter and Gamble Co
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Procter and Gamble Co
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Publication date
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Abstract

本発明は、プロテアーゼ部分と変異体部分とを含む融合タンパク質であって、変異体部分が親アミノ酸配列の改変アミノ酸配列を有し、改変アミノ酸配列はSSIに相当する位置63でアミノ酸置換を有する融合タンパク質に関する。また、親アミノ酸配列はSSI、SSI様インヒビター、SSIの変異体及びSSI様インヒビターの変異体からなる群より選択される。このような融合タンパク質は、クリーニング組成物及びパーソナルケア組成物中で有用である。本発明はまた、本融合タンパク質と、当該融合タンパク質をコードするDNAを含むクリーニング組成物及びパーソナルケア組成物にも関する。

Description

【0001】
[関連出願の引用]
本出願は、米国仮特許出願第60/091,904号(1998年7月7日提出)の利益を主張する。
【0002】
[技術分野]
本発明は、(1)プロテアーゼと(2)ストレプトマイセス属サブチリシンインヒビター(SSI)の変異体及びSSIとの相同性を有するそのインヒビター(SSI様インヒビター)との融合タンパク質に関する。このような融合タンパク質は、クリーニング組成物及びパーソナルケア組成物中で有用である。本発明はまた、本発明の融合タンパク質を含むクリーニング組成物及びパーソナルケア組成物、ならびに融合タンパク質をコードする遺伝子にも関する。
【0003】
[発明の背景]
酵素は、最大種類の天然タンパク質を構成する。酵素の一種類として、他のタンパク質の加水分解を触媒するプロテアーゼが挙げられる。タンパク質を加水分解するこの能力は、天然及びタンパク質工学処理プロテアーゼをクリーニング組成物、特に洗濯用途に関連した組成物中に混入することにより、開発されてきた。さらに、あまり研究されてはいないが、他のものはパーソナルケア組成物中にこのようなプロテアーゼを混入している。しかしながら、組成物の貯蔵中、又はプロテアーゼの発現中でさえ、プロテアーゼは、しばしばそれ自体で分解してしまうか、又は組成物中に存在する他の酵素を分解してしまう場合がある。この分解のために、クリーニング及びパーソナルケア組成物は、意図された増強性能を達成する能力を制限される。
【0004】
したがって、プロテアーゼ自己分解及び他のものの分解を制限するために、組成物中にプロテアーゼ活性のインヒビターを混入することは有益である。クリーニング中の組成物の稀釈時に、又はクリーニング環境中で、プロテアーゼがもはや阻害されず、しかしむしろタンパク様汚れを加水分解するために利用可能であるようにするために、プロテアーゼの可逆的インヒビターを提供することは有利である。さらに、このようなインヒビターは、それらの阻害機能を適切に実行するのに十分に安定でなければならない。
【0005】
当業者は、クリーニング組成物中の酵素を安定化するために、タンパク様プロテアーゼインヒビターを用いて、実験してきた。自然は、プロテアーゼをin vivoで調節するために、タンパク様プロテアーゼインヒビターを提供する。しかしながら、これらの天然タンパク様プロテアーゼインヒビターは不安定な傾向があるため、プロテアーゼならびにクリーニング及びパーソナルケア担体の存在下でのそれらの商業的使用は多少制限される場合がある。
【0006】
タンパク様プロテアーゼインヒビターは、典型的には、プロテアーゼの活性部位に結合し、その活性を阻害する長いペプチドである。これらのインヒビターは、典型的には、一次アミノ酸配列相同性を基礎にして、いくつかの族(I〜IX族)に分類されている(Laskowski 等、「Protein Inhibitors of Proteinases」, Annual Review of Biochemistry, Vol. 49, pp. 593−626(1980)参照)。これらのインヒビターに含まれるのは、一般にVI族インヒビター(例えばエグリン(eglin)及びオオムギキモトリプシンインヒビターを含む)、ならびにIII族インヒビター(例えばストレプトマイセス属サブチリシンインヒビター(SSI)及びプラスミノストレプチン)と呼ばれるものである。
【0007】
このようなインヒビターは、ある種のプロテアーゼに、他のものにより良好に結合する傾向がある。したがって、特定のプロテアーゼを念頭に置いてインヒビターを考えると便利である。この理由のために、当業界はしばしば、「プロテアーゼ/ペプチドインヒビター組」を考察する。既知のプロテアーゼ/ペプチドインヒビター組の一例は、サブチリシンBPN’/SSIである(例えば、Mitsui 等、「Crystal Structure of a Bacterial Protein Proteinase Inhibitor(Streptomyces Subtilisin Inhibitor)at 2.6 Å Resolution」, Journal of Molecular Biology, Vol. 131, pp. 697−724(1979)及びHirono 等、「Crystal Structure at 1.6 Å Resolution of the Complex of Subtilisin BPN’ with Streptomyces Subtilisin Inhibitor」, Journal of Molecular Biology, Vol. 178, pp. 389−413(1984)参照)。
【0008】
SSIは、インヒビターが全プロテアーゼ活性を阻害するのに十分な量で存在する限りは、サブチリシンBPN’の存在下で安定である。しかしながら、プロテアーゼに対して高親和性を有するインヒビターは、洗濯環境中での稀釈時に解離しない、ということが示唆されている(WO92/03529、 Mikkelson等、Novo Nordisk A/Sに譲渡。1992年3月5日公開、参照)。
【0009】
しかしながら、インヒビターの結合定数(K)が、酵素/インヒビター組を含有するクリーニング組成物中で何らかのプロテアーゼ活性を提供する場合には、組成物中のインヒビターならびに酵素は加水分解され得る。したがって、プロテアーゼ、ならびにクリーニング及びパーソナルケア組成物の存在下で、適切に安定であるSSI又はその他のインヒビターの変異体を見出すことが有利である。さらに、これらのインヒビターは、好ましくは、阻害される特定のプロテアーゼに対して、好ましいKを有する。このようなKは、最終組成物中及びその貯蔵中のプロテアーゼの阻害を可能にする必要がある。しかしながら、クリーニング又はパーソナルケア組成物の稀釈時、あるいはクリーニング工程中、プロテアーゼ及びインヒビターは解離し、非阻害プロテアーゼの活性を可能にする必要がある。
【0010】
しかしながら、このようなプロテアーゼインヒビターの安定性は疑問であった。WO98/13387(Correa等、The Procter & Gamble Co.に譲渡。1998年4月2日公開)(米国特許出願第60/026,944号に対応する)は、安定性増大を提供するものとして開示される変異体を開示する。
【0011】
更に、プロテアーゼは、クリーニング及びパーソナルケア組成物において有用なものを含み、その作製は、それ自身の独特な問題を抱えている。例えば、プロテアーゼ生成は、発酵又は精製工程の間での自己分解によって制限され得る。残念なことに、発酵ブロス又は精製混合物へのプロテアーゼインヒビターの付加は、過剰なインヒビターの購入及び付加を必要とする。この段階でのインヒビターの付加はまた、プロテアーゼの加水分解がインヒビターの実行可能な付加の前に生じるかもしれないので、時期はずれかもしれない。更にインヒビターの付加はプロテアーゼの収量を実際に減らすかもしれない。
【0012】
発酵段階での付加の例として、Nagase & Co.へ譲渡、1971年12月30日公開のドイツ国特許明細書2,131,451号は、アルカリプロテアーゼの生成プロセスを開示している。このプロセスは、インヒビターとして水溶性ボレートの付加を必要とすると言われている。これらのボレートは濾過活性を増強し、したがってプロテアーゼ収量を増強すると言われている。しかしながら、所定のレベルにおいてボレートは酵素の生成を実際に遅らせることができると理解されている。
【0013】
1993年7月8日公開のNovo Nordisk A/S へ譲渡されたJoergensenら、WO 93/13125は、生成段階の間での不活性化に対してタンパク質を「連続的に及び可逆的に保護」し、タンパク質を脱保護し、タンパク質生成物を回収することによる流体生成媒体中における「不活性化感受性タンパク質」の生成プロセスを開示している。このようなプロセスは、タンパク質を可逆的に不活性化することによってタンパク質の収量増加を得ることに有用であると開示されている。しかしながら、このようなプロセスは、高価で、非効率的であり、更なる付加的な処理を要求し、制御の難しいプロセスになるかもしれない外因性物質の付加を要求するかもしれない。
【0014】
The Procter & Gamble Co.へ譲渡された1998年4月2日公開のSaundersらのWO 98/13483号は、融合タンパク質を提供することによってin vivoでプロテアーゼを阻害する必要性を申し入れている。1997年5月1日に公開のArris Pharmaceutical Corp.へ譲渡されたHartmanらのWO 97/15670号は、融合タンパク質の使用に言及している。このような融合タンパク質は、インヒビター/プロテアーゼ組を有意なコスト削減と収量の増加でもたらすことによって有用であるかもしれない。プロテアーゼと同時にインヒビターの化学量論的な量を与えることによって、プロテアーゼ生成期における早い時期の自己分解が減らされ、又は排除されるかもしれない。しかしながら、プロテアーゼインヒビター自身は、この目的を達成するために十分に安定であるべきである。
【0015】
SSIインヒビター、SSI様インヒビター及びそれらの変異体が、SSIに対応する位置63と64との間で容易に加水分解されるということが意外にも発見された。したがって、本発明者等は、インヒビターが、アミノ酸残基の置換により、とりわけ位置63で改変されるSSIインヒビター及びSSI様インヒビターの変異体であるインヒビター/プロテアーゼ融合タンパク質を提供する。このような置換は、プロテアーゼインヒビターに増大した安定性を付与する。本発明者はここで、このようなインヒビターを融合タンパク質に組み込み、それによりin vivoでのプロテアーゼ分解の前述の問題を解決した。したがって、本発明は、親インヒビターよりも、大きなタンパク質分解安定性と、プロテアーゼに対する低い親和性を有し、プロテアーゼの自己分解の減少を促進するインヒビターを含む融合タンパク質を提供する。
【0016】
[発明の概要]
本発明は、以下を含む融合タンパク質を提供する:
(a)プロテアーゼ部分;
(b)変異体部分であって、当該変異体部分が親アミノ酸配列の改変アミノ酸配列を有し、改変アミノ酸配列がSSIに対応する位置63にアミノ酸置換を包含し、そして親アミノ酸配列がSSI、SSI様インヒビター、SSIの変異体及びSSI様インヒビターの変異体からなる群から選択される当該変異体部分;並びに、場合によって、
(c)連結部分であって、当該連結部分が存在する場合には、プロテアーゼ部分及び変異体部分は連結部分を介して共有結合している当該連結部分。
プロテアーゼ部分には、好ましくは、SSIが阻害剤であるものが含まれる。このようなプロテアーゼとしては、例えば、Bacillus alcalophilus、デンプン液化バチルス(Bacillus amyloliquefaciens)、Bacillus amylosaccharicus、Bacillus licheniformis、Bacillus lentus及び枯草菌(Bacillus subtilis)微生物により生成されるものが挙げられる。本発明はまた、このような融合タンパク質をコードする遺伝子、ならびにこのような融合タンパク質を包含するクリーニング及びパーソナルケア組成物にも関する。
【0017】
[本発明の詳細な説明]
本発明の必須成分は、ここで以下に記述される。本発明の実施形態において有用な種々の任意及び好適成分の非限定記述もまた含まれる。
【0018】
本発明は、ここで記述される必須又は任意成分及び/又は限定物のいずれもを含み、これらから成り、これらから本質的になることができる。
全てのパーセンテージ及び率は他に示されない限り重量換算である。全てのパーセンテージは他に示されない限り全組成物に基づいて換算される。
ここでは、プロテアーゼ及び任意成分を含むがこれらに限定されない物質について商品名が参照される。本発明者らは、ここで所定の商品名に物質を制限することを意図していない。商品名によって参照されるものと等価な物質(例えば、異なる名前又はカタログ(参照)番号で、異なる供給元から得られたもの)は、ここでの組成物において置換されてもよく、用いられてもよい。
【0019】
全ての成分及び組成物レベルは、成分又は組成物の活性レベルを基準としており、また不純物、たとえば残余溶媒又は副生物は除かれるが、これらは市販供給源には存在し得る。
ここで参照される全ての文献には、全ての特許、特許出願及び印刷刊行物が含まれるが、これらはその全文を援用して本文の一部とする。
ここで用いられる場合、アミノ酸を記述するために略称が用いられる。表1は、ここで用いられる略称のリストである。
【0020】
【表1】
Figure 2004500008
【0021】
定義
本明細書で用いる場合、「融合タンパク質」という用語は、業界で認識されている意味を有し、即ち、2つのタンパク質が、通常1つの制御エレメントの制御下で1つのアミノ酸鎖として発現されている。例えば、融合タンパク質はここ数年にわたり多くの用途に用いられてきている(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Press (1989)を参照のこと)。近年、融合技術を用いて対象となるタンパク質を生成するために発現ベクターが市販されている。SSI変異体及びプロテアーゼを含む融合タンパク質の議論はまた、Sandersら、米国特許出願第60/026,947号にも見出されるかもしれない。これは、The Procter & Gamble Co.,へ譲渡された1998年4月2日公開のSandersらのWO98/13483号に対応している。
【0022】
本明細書中で用いる場合、「突然変異」という用語は、遺伝子配列及びそれらの遺伝子配列により生成されるアミノ酸配列における変化を指す。突然変異は、野生型又は親配列に対するアミノ酸残基の欠失、置換又は付加であり得る。
【0023】
「親」という用語は、本明細書中で用いる場合、SSIに対応する位置63でのアミノ酸置換を有さないプロテアーゼ、プロテアーゼインヒビター、タンパク質又はペプチド、野生型又は変異体を指す(即ち、位置63でのアミノ酸置換は天然に生じる)。これらの親の一例は、ストレプトマイセス属サブチリシンインヒビター(SSI)として既知のインヒビターである(配列番号1で表される)。SSIはさらに、Ikenaka等(「Amino Acid Sequence of an Alkaline Proteinase Inhibitor(Streptomyces Subtilisin Inhibitor)from Streptomyces albogriseoulus S−3253」, Journal of Biochemistry, Vol. 76, pp. 1191−1209(1974))により記載されている。本明細書中で用いる場合、SSIのアミノ酸番号は、Ikenaka等のものである。本発明者等は、枯草菌(B.subtilis)DNAと同様に、アデニン及びチミンが多くなるよう設計された合成SSI遺伝子も用いる。この合成遺伝子は、発現プラスミド構築法により、ペプチドのアミノ末端の4つの余分のアミノ酸残基をコードする。この改変アミノ酸配列は、これら4つの付加的アミノ酸を含めて、配列番号2で表される。
【0024】
本明細書中で用いる場合、「野生型」という用語は、非突然変異化生物体により生成されるタンパク質又はペプチド、本明細書中では特に、プロテアーゼ又はプロテアーゼインヒビターを指す。
【0025】
本明細書中で用いる場合、「変異体」という用語は、それぞれ親プロテアーゼインヒビター又はプロテアーゼのものとは異なるアミノ酸配列を有するタンパク質又はペプチド、本明細書中では特に、プロテアーゼインヒビター又はプロテアーゼを意味する。
【0026】
本発明の融合タンパク質
本発明者らは、(a)プロテアーゼ部分(また簡単に、プロテアーゼとここで呼ぶ);(b)変異体部分(また簡単に変異体とここで呼ぶ);並びに、場合によって、(c)連結部分であって、連結部分が存在する場合にはプロテアーゼ部分及び変異体部分は連結部分を介して共有結合している当該連結部分、を含む融合タンパク質を見出した。変異体は親アミノ酸配列の改変アミノ酸配列を有し、ここで改変アミノ酸配列はSSIに対応する位置63でのアミノ酸置換を含み、親アミノ酸配列はSSI、SSI様インヒビター、SSIの変異体及びSSI様インヒビターの変異体からなる群から選択される。本融合タンパク質は、変異体の安定性のため、とりわけ有益である。
【0027】
理論に制限されるつもりはないが、本融合タンパク質は、他よりも高率で発現している1のタンパク質の潜在的な落とし穴を最少にし、又は回避する。本融合タンパク質は、特に選択されたモル量のプロテアーゼ及びインヒビター(変異体)を同時的に合成可能にする。例えば、融合タンパク質は、プロテアーゼに対して等量のインヒビター(変異体)又は2倍のモル量のインヒビター(変異体)をもたらすように構築され得る。従って、可能な最も早い時期、即ちin vivoでの翻訳直後でプロテアーゼの自己分解を予防することが可能である。融合タンパク質は、融合タンパク質が少なくとも1つのプロテアーゼ部分と1つの変異体部分とを含む限り、同一又は異なる1つ以上のプロテアーゼ部分を含み得、同一及び異なる1つ以上の変異体部分を含み得る。最も好ましくは、融合タンパク質は、1つプロテアーゼ部分、1つの変異体部分を、場合によってであるが好ましくは連結部分と共に、有する。
【0028】
他のプロテアーゼ及び/又はインヒビターは、融合タンパク質に加えて、融合タンパク質遺伝子と同一のプラスミドであっても、細胞中に同時に存在する異なるプラスミドであっても、プラスミドにあるが融合タンパク質遺伝子は染色体であっても、細胞の染色体の一部としてであっても、同一の細胞により作製される。更に、プロテアーゼを異なるプロテアーゼに特異的なインヒビターと共に生成してもよく、又はプロテアーゼを融合タンパク質中のプロテアーゼに特異的なインヒビターと共に生成してもよい。また更に、融合タンパク質は、1以上の付加的インヒビターと同時発現されてもよく、このインヒビターは融合タンパク質を構成する変異体部分と同一であってもよい。
【0029】
プロテアーゼ部分
言及したように、本発明はプロテアーゼ部分(プロテアーゼ)を含む融合タンパク質に関する。したがって、融合タンパク質の必須成分は、本変異体部分(変異体)を阻害するプロテアーゼである。プロテアーゼは、動物、植物、又は好ましくは微生物起源のものであり得る。好適なプロテアーゼには、SSIが阻害剤であるものが含まれる。このようなプロテアーゼとしては、例えば、Bacillus alcalophilus、デンプン液化バチルス(Bacillus amyloliquefaciens)、Bacillus amylosaccharicus、Bacillus licheniformis、Bacillus lentus及び枯草菌(Bacillus subtilis)微生物により産生されるものが挙げられる。このようなプロテアーゼの中で、好ましいものとしては、例えば、サブチリシンBPN、サブチリシンBPN’、サブチリシンカールスバーグ、サブチリシンDY、サブチリシン309、プロテイナーゼK及びサーミターゼ、例えばA/Sアルカラーゼ(商品名)(Novo Industries, Copenhagen, Denmark)、エスペラーゼ(商品名)(NovoIndustries)、サビナーゼ(商品名)(Novo Industries)、マキサターゼ(商品名)(Gist−Brocades, Delft, Netherlands)、マキサカル(商品名)(Gist−Brocades)、マキサペム15(商品名)(Gist−Brocades)及び前記の変異体が挙げられる。本明細書中で用いるのに特に好ましいプロテアーゼとしては、デンプン液化バチルス(Bacillus amyloliquefaciens)から得られるもの及びその変異体が挙げられる。最も好ましい野生型プロテアーゼは、サブチリシンBPN’である。
【0030】
サブチリシンBPN’の変異体(以後、集合的に「A群プロテアーゼ」と呼ぶ)は、本明細書中のプロテアーゼとして有用であり、米国特許第5,030,378号(Venegas、1991年7月9日)に開示され、以下の突然変異を有するサブチリシンBPN’アミノ酸配列(その配列は配列番号3で表される)を特徴とする:
(a)位置166のGlyが、Asn、Ser、Lys、Arg、His、Gln、Ala又はGluで置換され;位置169のGlyがSerで置換される;位置222のMetがGln、Phe、His、Asn、Glu、Ala又はThrで置換され;あるいは、
(b)位置160のGlyがAlaで置換され、そして位置222のMetがAlaで置換される。
【0031】
サブチリシンBPN’の別の変異体(以後、集合的に「B群プロテアーゼ」と呼ぶ)は、本明細書中のプロテアーゼとして有用であり、欧州特許第EP−B−251,446号(Genencor International, Inc.に譲渡。1988年1月7日公開、1994年12月28日特許付与)に開示され、以下の位置の1つ又はそれ以上で突然変異を有する野生型BPN’アミノ酸配列:Tyr21、Thr22、Ser24、Asp36、Ala45、Ala48、Ser49、Met50、His67、Ser87、Lys94、Val95、Gly97、Ser101、Gly102、Gly103、Ile107、Gly110、Met124、Gly127、Gly128、Pro129、Leu135、Lys170、Tyr171、Pro172、Asp197、Met199、Ser204、Lys213、Tyr214、Gly215及びSer221;あるいは上記列挙の位置の2又はそれ以上とAsp32、Ser33、Tyr104、Ala152、Asn155、Glu156、Gly166、Gly169、Phe189、Tyr217及びMet222との組合せを特徴とする。
【0032】
本明細書中のプロテアーゼとして有用な別の好ましいサブチリシンBPN’変異体は、以後、集合的に「C群プロテアーゼ」と呼び、WO95/10615(Genencor International, Inc.に譲渡。1995年4月20日公開)に記載され、位置Asn76に対する突然変異を、以下からなる群から選択される1つ又はそれ以上の他の位置の突然変異との組合せを有する野生型サブチリシンBPN’アミノ酸配列を特徴とする:Asp99、Ser101、Gln103、Tyr104、Ser105、Ile107、Asn109、Asn123、Leu126、Gly127、Gly128、Leu135、Glu156、Gly166、Glu195、Asp197、Ser204、Gln206、Pro210、Ala216、Tyr217、Asn218、Met222、Ser260、Lys265及びAla274。
【0033】
本明細書中のプロテアーゼとして有用なその他の好ましいサブチリシンBPN’変異体(以後、集合的に「D群プロテアーゼ」と呼ぶ)は、米国特許第4,760,025号(Estell等、1988年7月26日)に記載され、Asp32、Ser33、His64、Tyr104、Asn155、Glu156、Gly166、Gly169、Phe189、Tyr217及びMet222からなる群から選択される1つ又はそれ以上のアミノ酸位置に対する突然変異を有する野生型サブチリシンBPN’アミノ酸配列を特徴とする。
【0034】
本明細書中で用いられる場合に、さらに好ましいプロテアーゼは、アルカラーゼ(商品名)、サブチリシンBPN’、A群プロテアーゼ、B群プロテアーゼ、C群プロテアーゼ及びD群プロテアーゼからなる群から選択される。最も好ましいプロテアーゼは、D群プロテアーゼから選択される。
【0035】
変異体部分
プロテアーゼ部分に加えて、本融合タンパク質は変異体部分(変異体)を更に含む。本発明の変異体は、親アミノ酸配列の改変アミノ酸配列を有するプロテアーゼインヒビターであり、この場合、改変アミノ酸配列がストレプトマイセス属サブチリシンインヒビター(本明細書中ではSSIと呼ぶ)に対応する位置63でのアミノ酸置換を包含し、親アミノ酸配列がSSI、SSI様インヒビター、SSIの変異体及びSSI様インヒビターの変異体から選択される。このような変異体は、in vivoでプロテアーゼに融合することができる。好ましくは、変異体は、対応するプロテアーゼ部分による加水分解に抵抗性である。
【0036】
SSIに対応する位置63での置換は、親アミノ酸配列と比較して高められた安定性を付与する如何なるアミノ酸残基によるものでもあり得る。最も好ましくは、SSIに対応する位置63での置換は、イソロイシンによるものである。このような変異体は、「L63I」として表され得る。この変異体を説明する場合、最初に親アミノ酸配列中に生じる元のアミノ酸が、2番目に位置番号が、3番目に置換アミノ酸が示される。したがって、L63Iは、元のインヒビターSSI中の63番目のアミノ酸位置(位置63)として出現したロイシン(L)がイソロイシン(I)と代替することを意味する。位置番号はIkenaka等(上記)に対応しており(配列番号1)、合成SSI(配列番号2)のアミノ末端に存在する4つの付加的アミノ酸残基は無視する。本明細書中に列挙した他の置換に関するこのような表現は、一定の様式で示されている。
【0037】
変異体は、本明細書中では、位置63で置換されるSSIに限定されない。むしろ、位置63での置換は、親アミノ酸配列(もちろん、そのアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む)においてもなされ得、この場合、親は、それ自体、SSI、SSI様インヒビター又はSSI様インヒビターの変異体である。より好ましい親アミノ酸配列としては、SSI及びSSIの変異体が挙げられる。最も好ましい親アミノ酸配列は、SSIの変異体である。SSIの変異体は、例えば、Kojima 等、「Inhibition of Subtilisin BPN’ by Reaction Site P1 Mutants of Streptomyces Subtilisin Inhibitor」, Journal of Biochemistry, Vol. 109, pp.377−382(1991); Tamura 等、「Mechanisms of Temporary Inhibition in Streptomyces Subtilisin Inhibitor Induced by an Amino Acid Substitution, Tryptophan 86 Replaced by Histidine」, Biochemistry, Vol. 30, pp.5275−5286(1991); JO3099−099−A(Tsumura & Co.に譲渡。1989年9月12日公開);米国特許第5,674,833号(Mikkelsen等、Novo Nordisk A/Sに譲渡。1997年10月7日発行);及びWO93/17086(Nielsen等、 Novo Nordisk A/Sに譲渡。1993年9月2日公開)に開示されている。SSIのその他の変異体は、米国特許出願第60/026,944号(Correa等。WO98/13387に対応。The Procter & Gamble Co.に譲渡。1998年4月2日公開)に開示されていて、このような変異体は、本明細書中では、「A群インヒビター」として集合的に記載される。SSIの好ましい変異体(本明細書中で親アミノ酸配列として用いるために)は、A群インヒビターである。本明細書中で親アミノ酸配列として有用であるさらに好ましい変異体を、以下の表2〜6に列挙する。ここでも、位置番号全ては、Ikenaka等が説明したのと同様に、SSIに対応する。
【0038】
【表2】
Figure 2004500008
【0039】
【表3】
Figure 2004500008
【0040】
【表4】
Figure 2004500008
【0041】
【表5】
Figure 2004500008
【0042】
【表6】
Figure 2004500008
【0043】
したがって、本発明の変異体の例は、変異体1、変異体2等として記載され得るが、これらに限定されない。この場合、例えば、変異体1はL63+D83Cとして表され、「」はSSIにおける63に対応する位置に本来生じるもの以外の任意のアミノ酸を表し、そして、変異体1−IはL63I+D83Cとして表され得る。したがって、本発明の好ましい変異体を、以下の表7に列挙する。表7に列挙した変異体の中のより好ましいものは、位置63で置換するイソロイシンを有するものである。
【0044】
【表7】
Figure 2004500008
【0045】
【表8】
Figure 2004500008
【0046】
その他の好ましい親アミノ酸配列には、本明細書中では、SSIに対応する位置62に置換を包含するものが含まれる。位置62での置換は、親において天然に生じているもの以外のアミノ酸残基のいずれでもあり得る(SSIの場合、天然アミノ酸残基はアラニンである)。好ましくは、位置62での置換アミノ酸は、Lys、Arg、Glu、Asp、Thr、Ser、Gln、Asn及びTrp、さらに好ましくはLys、Arg、Glu、Asp、Thr、Ser、Gln及びAsn、さらに好ましくはLys、Arg、Glu及びAsp、さらに好ましくはLys及びArgから選択され、最も好ましくは、Lysである。好ましい親アミノ酸配列は、本明細書中では、表2〜6に列挙した置換に加えて、位置62での置換を有する。このような親の例は、親X−A62として設計され、この場合、「X」は、表2〜6に例示した親に対応する。したがって、親6−A62は、A62+M73P+D83C+S98Aに対応する。同様に、親6−A62Kは、A62K+M73P+D83C+S98Aに対応する。同様に、本発明の例示的な変異体は、変異体6−I−A62であり、これはA62+L63I+M73P+D83C+S98Aに対応する。したがって、変異体6−I−A62Kは、A62K+L63I+M73P+D83C+S98Aに対応する。この方式で、表8は、本発明のその他の好ましい変異体を列挙する。
【0047】
【表9】
Figure 2004500008
【0048】
【表10】
Figure 2004500008
【0049】
【表11】
Figure 2004500008
【0050】
【表12】
Figure 2004500008
【0051】
本発明に有用なその他の好ましい親アミノ酸配列(SSIの変異体である)には、SSIに対応する位置98で単一置換を有するもの、ならびに位置62で1つと位置98で1つの2つの置換を有するものが含まれる。表9は、この種類の好ましい親アミノ酸配列を列挙する。
【0052】
【表13】
Figure 2004500008
【0053】
本発明の変異体の対応例を、以下の表10に列挙する。
【0054】
【表14】
Figure 2004500008
【0055】
SSIは、二量体形態で存在し得る。したがって、理論に縛られずに考えると、二量体SSIの安定化は過剰プロテアーゼに対するプロテアーゼ耐性の増大をもたらす。好ましくは、この安定化二量体SSI変異体は、一緒に共有結合した2つのSSI変異体モノマーからなる。これは、エステル、アミド、ジスルフィド又はその他の結合により、一般にアミノ酸及びそれらの側鎖に生じる場合がある。したがって、「共有二量体化」及び「共有安定化」とは、二量体を形成するこのような共有結合モノマーを指す。好ましくは、この二量体化は、ジスルフィド結合を介して起こる。本発明の変異体は、分子内力であろうと又は分子間力によろうと、二量体形態で存在するものを含むよう意図される。
【0056】
ここで有用な他の親アミノ酸配列には、SSI様インヒビター(しばしばSSI様(SIL)タンパク質と呼ばれる)及びSSI様インヒビターの変異体が含まれる。SSI様インヒビターに関連する背景情報はLaskowski ら、“Protein Inhibitors of Proteases”, Annual Review of Biochemistry, Vol. 49, pp. 593 − 626 (1980)に見出されるであろう。好適なSSI様インヒビターは約50%を越える、好ましくは65%を越える、より好ましくは70%を越えるSSIとのアミノ酸配列同一性を有し、好ましくはインヒビターはIII族インヒビターとして分類され得る。Laskowskiら、前掲を参照のこと。このようなSSI様インヒビターの例には、SIL10(この配列は配列番号4として挙げられている)、SIL13(配列番号5)及びSIL14(配列番号6)(これらの各々はTerabe et al., “Three Novel Subtilisin−Trypsin Inhibitors from Streptomyces: Primary Structures and Inhibitory Properties”, Journal of Biochemistry, Vol. 116, pp. 1156 − 1163 (1994)に更に記述されている)、並びにSIL2(この配列は配列番号9として挙げられている)、SIL3(配列番号10)及びSIL4(配列番号11)(これらの各々はTaguchi et al., “Comparative Studies on the Primary Structures and Inhibitory Properties of Subtilisin−trypsin Inhibitors from Streptomyces”, European Journal of Biochemistry, Vol. 220, pp. 911 − 918 (1994)に更に記述されている)が含まれる。このようなSSI様インヒビターの他の2つの例には、STI1(この配列は配列番号7として挙げられている)及びSTI2(配列番号8)が含まれ、これはStrickler et al., “Two Novel Streptomyces Protein Protease Inhibitors”, The Journal of Biological Chemistry, Vol. 267, No. 5, pp. 3236 − 3241 (1992)に更に記述されている。他のSSI様インヒビターはプラスミノストレプチン(この配列は配列番号12として挙げられている)として既知であり、Suginoら、“Plasminostreptin, a Protein Proteinase Inhibitor Produced by Streptomyces antifibrinolyticus”, The Journal of Biological Chemistry, Vol. 253, No.5,pp.1546−1555 (1978)に更に記述されている。更に他のSSI様インヒビターはSLPI(この配列は配列番号13として挙げられている)であり、Uedaら.,“A Protease Inhibitor Produced by Streptomyces lividans 66 Exhibits Inhibitory Activities Toward Both Subtilisin BPN’ and Trypsin”, Journal of Biochemistry, Vol.112,pp.204−211 (1993)に更に記述されている。更に他のSSI様インヒビターはSAC I(この配列は配列番号14として挙げられている)であり、Tanabeら、“Primary Structure and Reactive Site of Streptoverticillium Anticoagulant (SAC), a Novel Protein Inhibitor of Blood Coagulation Produced by Streptoverticillium cinnamoneum subsp. cinnamoneum”, Journal of Biochemistry, Vol.115,pp.752−761 (1994)に更に記述されている。更に他のSSI様インヒビターはSIL1(この配列は配列番号15として挙げられている)であり、Kojimaら、“Primary Structure and Inhibitory Properties of a Proteinase Inhibitor Produced by Streptomyces cacaoi”, Biochimica et Biophysica Acta, Vol.1207,pp.120−125 (1994)に更に記述されている。他のSSI様インヒビターはTaguchら、“High Frequency of SSI−Like Protease Inhibitors Among Streptomyces”, Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, Vol.57,pp.522−524 (1993)、Taguchiら、“Streptomyces Subtilisin Inhibitor−Like Proteins Are Distributed Widely in Streptomycetes”, Applied and Environmental Microbiology, pp.4338−4341 (Dec. 1993)、及びSuzukiら、“Partial Amino Acid Sequence of an Alkaline Protease Inhibitor”, Agricultural Biological Chemistry, Vol.45,pp.629−634 (1981)において議論されている。当業者が理解しているように、更に他のSSI様インヒビターが当業界で記述されている。
【0057】
SSI様インヒビターの変異体は、本明細書中では親アミノ酸配列としても利用され得る。このような変異体には、本明細書中で上述したように、選定SSI様インヒビターのアミノ酸配列中に1つ又はそれ以上の突然変異を有するものが含まれる。特に、本明細書中に示した変異体で例示した置換はすべて、SSI様インヒビターの対応する位置でなされて、親アミノ酸配列を提供し得る。親アミノ酸配列として利用され得るSSI様インヒビターの変異体の他の例は、WO93/17086(Nielsen等、Novo Nordisk A/Sに譲渡。1993年9月2日公開)に開示されているが、これらに限定されない。
【0058】
当業者が理解するように、その元々の番号付けを用いて、SSI様インヒビター、その変異体、又はSSIの変異体の位置63(例えば)は、SSIの位置63に対応しなくても良い。したがって、当業界では容易に理解されるように、配列番号は、SSIの位置63(例えば)に対応する位置を突き止めるために調整を要してもよい。配列アラインメントは、本明細書中に引用した参考文献、ならびに当業界のその他の参考文献中に容易に見出される。
【0059】
好ましくは、本発明の変異体は、変異体が、クリーニング又はパーソナルケア組成物中のほとんどすべてのプロテアーゼ(好ましくは、約60%より多く、さらに好ましくは約99%)を阻害可能にするが、しかし稀釈時及び/又はクリーニング工程中にプロテアーゼから解離することを可能にするKを示す。変異体は、好ましくは約10−12M〜約10−4M、さらに好ましくは約10−10M〜約10−6M、最も好ましくは約10−8M〜約10−7MのKを示す。もちろん、洗濯機の寸法又は製品の濃度が変われば、Kはそれにしたがって調整される。有用なK範囲の予測は、使用時の組成物の稀釈、用いられるクリーニング方法の温度に関連した結合定数の温度依存性、プロテアーゼのインヒビターの化学量論値等のようなパラメーターを考慮することにより、不相応な実験をせずに、熟練当業者により容易に確定される。
【0060】
連結部分
プロテアーゼ部分及び変異体部分に加えて、融合タンパク質は場合によって連結部分を含む。好ましくは、融合タンパク質は、連結部分を含む。連結部分は、プロテアーゼ部分を変異体部分から分離する加水分解可能な連結アミノ酸鎖であり、ここでプロテアーゼ部分及び変異体部分は連結部分を介して共有的に結合される。
【0061】
当業者は、いくつかの異なるゴールを達成するように連結部分を構築することができる。例えば、連結部分のアミノ酸残基は、加水分解の良好な基質となるようにデザインされることができる。更に、アミノ酸の配列は、プロテアーゼ部分及び変異体部分の翻訳後分離を促進するように、又はプロテアーゼ部分の結合若しくは活性部位に関して変異体部分の位置を最適化するように、デザインされることができる。
【0062】
任意の連結部分は約20アミノ酸残基又はそれよりも少ない長さであることが好ましい。好ましくは連結部分は、プロテアーゼ部分によって容易に開裂される。
融合タンパク質が連結部分を含まない場合、プロテアーゼ部分及び変異体部分は直接、共有結合される。
【0063】
融合タンパク質の他の特徴
融合タンパク質は、最終的にはin vivoでDNAによりコードされるため、DNAは、融合タンパク質の配列を決定するため用いられることができる。融合タンパク質をコードするDNAは、任意の数のプラスミド及び/又は発現系中で用いられることが可能であり、それらの例としては、in vitro発現系及びin vivo系、例えば、植物(好ましくはバイオテクノロジーに用いられるもの、例えば、タバコ、脂肪種子植物、例えば、ナタネ、ダイズ等、穀類、例えば、トウモロコシ、オオムギ、カラスムギ、その他の野菜、例えば、トマト、ジャガイモ等)並びに微生物、例えば真菌、例えば、酵母菌、ならびに細菌、例えば、バチルス属、大腸菌等が挙げられる。好ましくは、発現系は、微生物、さらに好ましくは自然の細菌、最も好ましくは大腸菌又はバチルス属、さらに好ましくはバチルス属細菌である。
【0064】
融合タンパク質をコードするDNAは、プラスミド又はファージ中に組み入れられ、細胞中で活性であるか、又は本発明の融合タンパク質のクローニング又は発現に用いられる生物のゲノム中に直接組み入れられてもよい。
【0065】
本発明の説明を見れば、本発明の融合タンパク質をコードするために用いられるDNAは、本発明の他の変異体と同一プラスミド、ファージ又は染色体中に置かれ得ると、当業者は認識することが理解されるべきである。さらに、このようなプラスミド、ファージ又は染色体は、本発明の融合タンパク質のプロテアーゼにより阻害され得るか又は阻害されないこともある、融合タンパク質の一部としてインヒビター及び/又はプロテアーゼを含む融合タンパク質を含めたプロテアーゼもコードし得る。
【0066】
前記のDNAはDNAのRNA転写物も意図し、開示する、ということも当業者には十分理解される。当業者は、もちろん、実験しなくても、DNA配列の検査によりRNA配列を知ることができる。
【0067】
本発明は、本発明の融合タンパク質をコードする遺伝子及び/又はDNAにも関する。
本発明の好適実施形態では、融合タンパク質は、1以上の他のプロテアーゼインヒビター、好ましくは1つの他のプロテアーゼインヒビターと共に同一の発現系によって同時発現される。好ましくは、追加のプロテアーゼインヒビターは、SSI、SSI様インヒビター、SSIの変異体及びSSI様インヒビターからなる群より選択されたプロテアーゼインヒビターの変異体である。更に好ましくは、追加のプロテアーゼインヒビターは、独立して、好適な限定物を含んで、本明細書において議論されている「変異体部分」と同一の定義の変異体である。最も好ましくは、追加のプロテアーゼインヒビターは、融合タンパク質の変異体部分と同一の変異体である。
【0068】
従って、本発明者らはここで、融合タンパク質及び、場合によって1以上の付加的なプロテアーゼインヒビターをコードするDNAを含む発現系を提供する。発現系は、好ましくは生きた生物、最も好ましくは細菌性である。
【0069】
当業者が本発明の融合タンパク質に対する抗体を調製することを望み得ることも意図される。これらの抗体は、既知の方法を用いて調製し得る。
例えば、本発明の融合タンパク質は、適切な哺乳類被験体、例えば、マウス、ウサギ等に注入されることができる。適切なプロトコールは、血清中での抗体の産生を増強するスケジュールにしたがって、アジュバントの存在下での免疫原を反復注入することを含む。免疫血清の力価は、抗原として本発明の融合タンパク質を用いて、当業界での目下の標準であるイムノアッセイ法を用いて、容易に測定し得る。
【0070】
得られた抗血清は直接用いられるか、あるいは免疫感作動物の末梢血リンパ球又は脾臓を採取し、抗体産生細胞を不死化した後、標準イムノアッセイ技法を用いて適切な抗体産生体を同定することにより、モノクローナル抗体が得られる。
【0071】
その場合、ポリクローナル又はモノクローナル調製物は、標準検定法を用いて、本発明の発現をモニタリングするのに有用である。したがって、発現レベル等を確定するために用いるため、これらの抗体を用いて、キットが調製され得ることも意図される。
【0072】
このような抗体はまた、標準結合法を用いて、シンチグラフ用標識、例えば、テクネチウム99又はI−131あるいは蛍光標識といった標識と結合されることができる。標識化抗体はまた、競合アッセイ、例えばKを確定するために用いられる動態論的アッセイにも用いられることができる。
【0073】
本融合タンパク質はまた、例えば、セルロース結合ドメイン、リパーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼのような所望の機能を提供する「部分」を更に含んでもよい。
【0074】
当業界で認識されているように、DNA及びアミノ酸配列決定法には、時折、エラーが生じる。その結果、本明細書中の開示から本発明者等の仕事を再現する当業者は、ルーチン技能を用いてあらゆる配列決定エラーを発見し、適切な場合には変更を加え得る。
【0075】
製造及び使用方法
以下の実施例は、いかなる点でも本発明を限定するものではなく、むしろ本発明の製造及び使用方法の指針を当業者に提供するものである。実施例の指針、本明細書中のその他の開示及び当業者に容易に利用可能な情報が示されれば、当業者は本発明を製造し、使用し得る。要するに、技術の網羅的詳述及び当業界で既知の技法等は、十分に当業者の範囲内であるために、除去される。
変異体部分(変異体)は親アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を突然変異し、それにより改変アミノ酸配列を有する変異体を得ることにより製造され得る。このような方法は当業界では周知であり、そのような方法の1つを以下に説明する。
【0076】
親アミノ酸配列に相当する遺伝子を含むファージミドを、大腸菌dut−ung−株CJ236に形質転換するために使用し、一本鎖ウラシル含有DNA鋳型を、Yuckenbergらによる “Site−Directed in vitro Mutagenesis Using Uracil−Containing DNA and Phagemid Vectors”, Directed Mutagenesis−A Practical Approach、McPherson、M.J.ed.,p27−48(1991)により改変されたVCSM13ヘルパーファージ(Kunkelらの “Rapid and Efficient Site−Specific Mutagenesis Without Phenotypic Selection”, Methods in Enzymology、Vol.154、367−382頁(1987))を用いて生成する。Zoller,M.J.,及び M.Smithらの “Oligonucleotide − Directed Mutagenesis Using M13 − Derived Vectors: An Efficient and General Procedure for the Production of Point Mutations in any Fragment of DNA”, Nucleic Acids Research、Vol.10、p6487−6500(1982)に記載された方法により改変された位置指定変異プライマーが、(本質的には上記のYuckenbergらにより提供されるような)全ての変異体を生成するために使用される。
【0077】
オリゴヌクレオチドは、380B DNAシンセサイザー(Applied Biosystems Inc.)を用いて作製される。変異反応生成物を、大腸菌MM294株(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション E.coli 33625)に形質転換させる。全ての突然変異は、DNA配列決定により確認され、単離したDNAを、バチルス サブチリス発現株PG632に形質転換させる(Saunderらの “Optimization of the Signal−Sequence Cleavage Site for Secretion from Bacillus subtilis of a 34−amino acid Fragment of Human Parathyroid Hormone”, Gene、Vol.102、277−282頁(1991)、及びYangらの “Cloning of the Neutral Protease Gene of Bacillus subtilis and the Use of the Cloned Gene to Create an in vitro−Derived Deletion Mutation” Journal of Bacteriology、Vol.160、p15−21(1984))。
【0078】
変異体コード遺伝子は、プロテアーゼ遺伝子と融合可能である。各遺伝子中の適当な位置に制限位置を処理することは、標準的な方法である。制限消化を実施することができ、制限断片を、例えばT4 DNAリガーゼで連結することができる。連結(ライゲーション)混合物を用いて、プラスミドの性質に依存して、大腸菌又は B. subtilisを軽質転換することができる。例えば、大腸菌及びB. subtilis双方中で複製され、前者にはアンピシリン耐性、後者にはカナマイシン耐性を与えるプラスミド上で運ばれるサブチリシン遺伝子を使用することができる。オリゴヌクレオチド指定突然変異誘発を用いて、サブチリシンのカルボキシ末端アミノ酸残基をコードするDNAの直後(3’側)にEcoRI部位を配置することができる。またストップコドンをコードするDNAの直後(3’側)にBamHI部位を配置することができる。インヒビター遺伝子を、N末端アミノ酸残基をコードするDNA配列の5’側に隣接してEcoRI部位があるように、構築することができる。更に、BamHI部位を、ストップコドンをコードするDNAの後(3’側)に配置することができる。インヒビター及びサブチリシン遺伝子を、制限酵素EcoRI及びBamHIで処理し、T4 DNAリガーゼですぐに処理することができる。連結混合物を、大腸菌MM294細胞をアンピシリン耐性となるように形質転換するために使用することができる。融合タンパク質コードプラスミドが大腸菌から回収されると、このプラスミドを、カナマイシン耐性となるようにB. subtilisを形質転換するために使用できる。
【0079】
20g/lのトリプトン、20g/lの酵母抽出物及び5g/lの塩化ナトリウムを含有し、1.25%のマルトリンM100(Grain Processing Corporation, Muscatine, IA)、100mMのHEPES、pH7.5、80μMのMnCl及び50μMのカナマイシンを補充した培地中で、対象プラスミドを含有する枯草菌(Bacillus subtilis)を培養する。培養物を37℃で24時間インキュベートする。
【0080】
融合タンパク質は、培養培地に分泌されて、これから単離されることができる。イオン交換及びゲル濾過クロマトグラフィーを含む多くのクロマトグラフィーのいずれも使用できる。
【0081】
本発明の融合タンパク質の特徴づけ
本発明の融合タンパク質を含有する発酵上清をプロテアーゼ活性及びプロテアーゼ阻害活性についてテストする。
SSIは、とりわけサブチリシンBPN’及びサブチリシンBPN’のY217L変異体を阻害する。制御下で、SSIをプロテアーゼと混合し、室温で15分間インキュベートする。次に、DelMar等(Analytical Biochemistry, Vol. 99, pp.316−320(1979))の方法を用いて、プロテアーゼ活性を測定する。0.1Mトリス、pH8.6、10mMのCaClの溶液を加え、990μLの容量にする。10μLのN−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロアニリド(20mg/mL)を付加して反応を開始させる。プロテアーゼの阻害を示す410nmでの吸光度の増大により、反応率を測定する。
【0082】
本発明の融合タンパク質の培養上清を、同様の方法でサブチリシンBPN’のY217L誘導体を阻害するその能力について試験する。培養上清をまた、そのプロテアーゼの生成能についても試験する。
【0083】
有意な阻害活性及びプロテアーゼ活性の欠如は、本発明において所望されたように、変異体部分及びプロテアーゼ部分それぞれが他方の活性を打ち消す(又は実質的に打ち消す)ように作られている融合タンパク質と一致する。この解釈は、融合タンパク質が作られていることを示すウェスタンブロットの結果によって補強され得る。
【0084】
クリーニング又はパーソナルケア組成物中に、本発明の融合タンパク質を組み入れるのが望ましいために、生成物環境での安定性も検査する。融合タンパク質のプロテアーゼ及びインヒビター活性が安定な場合には、プロテアーゼ活性のレベルは一定である。しかしながら、変異体部分が融合タンパク質のプロテアーゼ部分により加水分解された場合には、プロテアーゼ活性は上昇する。以下の処方により作られた液体洗剤組成物中と、融合タンパク質培養上清を混合する。
【0085】
【表15】
Figure 2004500008
【0086】
この組成物は、全試料容積の3分の1を構成する。15μLの試料を975μLの0.1MトリスHCl、pH8.6、0.01MのCaClと混合する。この稀釈液を室温で30分間インキュベートする。インキュベーション後、基質を付加し、プロテアーゼの量を測定する。数週間に亘るプロテアーゼ活性の増大により、変異体の分解を検出する。このような分解は、例えば融合タンパク質中のSSIの場合と直接比較し得る。
【0087】
融合タンパク質のKを、以下のようにして確定する。融合タンパク質及び600μg/mLのスクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロアニリドを990μLの50mMトリス、pH8溶液に混合する。加水分解速度を、20分間追跡する。最後の10〜15分間に、一定速度が観察される。この速度を、プロテアーゼのみを用いて観察された速度と比較して、Goldstein(「The Mechanism of Enzyme−Inhibitor−Substrate Reactions」, Journal of General Physiology, Vol. 27, pp.529−580(1944))の方程式によりKを算出するために用いる。
【0088】
本発明のクリーニング組成物
本発明の別の実施態様では、有効量の1つ又はそれ以上の本発明の融合タンパク質は、ペプチド汚れ除去を必要とする種々の表面をクリーニングするのに有用なクリーニング組成物中に含有される。このようなクリーニング組成物としては、織物リーニング組成物、硬質表面クレンジング組成物、ライトデューティークリーニング組成物、例えば、食器クレンジング組成物、及び自動食器洗浄機用洗剤組成物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
クリーニング組成物は、本明細書中では、有効量の1つ又はそれ以上の本発明の融合タンパク質と、クリーニング組成物担体とを含む。最も好ましくは、kのような融合タンパク質は、1つのプロテアーゼ部分、1つの変異体部分及び、場合によってではあるが好ましくは、連結部分を有する。本発明の好適実施形態では、ここでのクリーニング組成物は、融合タンパク質に加えて、1つ以上の付加的なプロテアーゼインヒビターを更に含む。好ましくは、付加的なプロテアーゼインヒビターは、SSI、SSI様インヒビター、SSIの変異体及びSSI様インヒビターの変異体からなるプロテアーゼインヒビターの変異体である。より好ましくは、付加的なプロテアーゼインヒビターは、独立して、好適な制限物を含めて、ここで議論された「変異体部分」と同一の定義の変異体である。最も好ましくは、付加的なプロテアーゼインヒビターは、融合タンパク質の変異体部分と同一の変異体である。
本クリーニング組成物では、変異体とプロテアーゼとの好ましいモル比(変異体対プロテアーゼ比)(ここで融合タンパク質の変異体部分と付加的なプロテアーゼインヒビターのいずれもは、纏めて変異体のモル量を示す)は、約3:1から約1:1、より好ましくは約3:1から約1.5:1、最も好ましくは約2:1である。
【0090】
本明細書中で用いる場合、「有効量の融合タンパク質」等といった表現は、特定のクリーニング組成物中に必要なタンパク質分解活性を達成するのに必要な融合タンパク質の量を指す。このような有効量は、当業者には容易に確定され、そして、多数の因子、例えば、用いられる特定の融合タンパク質、クリーニング用途、クリーニング組成物の特定の組成、ならびに望ましいのは液体か乾燥(例えば、顆粒、棒状)組成物か等に基づいている。好ましくは、クリーニング組成物は、約0.0001%〜約10%、さらに好ましくは約0.001%〜約1%、最も好ましくは約0.01%〜約0.1%の1つ又はそれ以上の本発明の融合タンパク質を包含する。融合タンパク質が用いられ得る種々のクリーニング組成物のいくつかの例を以下でさらに詳細に考察する。
【0091】
本発明の融合タンパク質に加えて、本クリーニング組成物は更に、融合タンパク質及び/又はプロテアーゼに適合する1つ以上のクリーニング組成物物質を含むクリーニング組成物担体を含む。用語「クリーニング組成物物質」とは、ここで用いられる場合、所望されるクリーニング組成物の特定のタイプ及び製品の形態(例えば、液体、顆粒、棒状、スプレー、スティック、ペースト、ジェル)に選択された如何なる物質をも意味し、これらの物質はまた本組成物に使用される融合タンパク質に適合するものでもある。クリーニング組成物物質の特定の選択は、クリーニングされる物質、使用中のクリーニング条件のための組成物の所望形態を考慮することにより容易に成される。用語「適合」とは、ここで用いられる場合、クリーニング組成物物質が、融合タンパク質の阻害活性及び/又はタンパク質分解活性を、融合タンパク質が通常使用状態の間に所望されるように有効とならない程度まで低下しないことを意味する。特別のクリーニング組成物物質は、以下に詳細に例示される。
【0092】
本発明の融合タンパク質は、高度に起泡し良好なクレンジング活性が所望される種々の洗剤組成物に使用され得る。従って、融合タンパク質は、十分に配合された硬質表面クリーナー、皿洗い組成物、織物洗濯組成物などを提供するために種々の慣用の配合剤と共に使用できる。このような組成物は、液体、顆粒、棒状などの形態であることができる。このような組成物は、約30重量%から約60重量%ほどの界面活性剤を含有する「濃縮」洗剤として配合できる。
【0093】
ここでのクリーニング組成物は任意に、また好ましくは、種々の界面活性剤(例えば、アニオン、ノニオン又は双性イオン性界面活性剤)を含有し得る。このような界面活性剤は、普通、組成物の約5%から約35%のレベルで存在する。
【0094】
ここで有用な界面活性剤の非限定例には、慣用のC11−C18アルキルベンゼンスルホネート並びに一級及びランダムアルキルスルフェート、式CH(CH(CHOSO)CH及びCH(CH(CHOSO) CHCHのC10−C18二級(2,3)アルキルスルフェートであって、式中、x及び(y+1)は少なくとも約7、好ましくは少なくとも約9の整数であり、Mは水溶性カチオン、特にナトリウムであるもの、C10−C18アルキルアルコキシスルフェート(特にEO1−5エトキシスルフェート)、C10−C18アルキルアルコキシカルボキシレート(特にEO1−5エトキシカルボキシレート)、C10−C18アルキルポリグリコシド、並びにその対応スルフェート化ポリグリコシド、C12−C18α−スルホン化脂肪酸エステル、C12−C18アルキル及びアルキルフェノールアルコキシレート(特にエトキシレート及び混合エトキシ/プロポキシ)、C12−C18ベタイン及びスルホベタイン(「スルタイン」)、C10−C18アミンオキシドなどが含まれる。アルキルアルコキシスルフェート(AES)及びアルキルアルコキシカルボキシレート(AEC)がここでは好ましい。このような界面活性剤のアミンオキシド及び/又はベタイン又はスルタイン界面活性剤との組合わせての使用も好ましく、これは配合者の希望による。他の慣用の有用な界面活性剤は、標準的なテキストに列記されている。特に有用な界面活性剤には、C10−C18のN−メチルグルカミドが含まれ、これは1993年3月16日発行のConnorらの米国特許第5,194,639号に開示されている。
【0095】
本クリーニング組成物に有用な広範な種々の他の配合剤は、例えば他の活性配合剤、担体、ヒドロトロープ、プロセシング助剤、染料又は顔料並びに、液体配合物のための溶媒を含む。起泡の更なる増進が所望される場合、起泡増進剤、例えばC10−C16アルコールアミド(alkolamides)が、普通約1%から約10%のレベルで本組成物に組み込まれることができる。C10−C14モノエタノール及びジエタノールアミドは、普通のクラスのこのような起泡増進剤を説明する。このような起泡増進剤の高度起泡補助界面活性剤、例えばアミンオキシド、ベタイン及び上記したスルタインとの使用もまた有効である。所望される場合、可溶性マグネシウム塩、例えばMgCl、MgSOなどは、更なる起泡をもたらすために、普通、約0.1%から約2%のレベルで付加されることができる。
【0096】
ここでの液体洗剤組成物は、担体として水及び他の溶媒を含んでもよい。メタノール、エタノール、プロパノール及びiso−プロパノールにより例示される低分子量の一級又は二級アルコールが適している。一価アルコールは可溶性界面活性剤に好適であるが、ポリオール、例えば約2から約6の炭素原子及び約2から約6のヒドロキシ基を有するもの(例えば、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリン及び1,2−プロパンジオール)もまた使用されることができる。本組成物は約5%から約90%、普通約10%から約50%のこのような担体を含み得る。
【0097】
ここでの洗剤組成物は好ましくは水性クリーニング操作での使用中に洗浄水が約6.8と約11との間のpHを有するように配合されることが好ましいであろう。最終製品は普通この範囲で配合される。pHを推奨使用レベルに調整する技術には、例えば緩衝剤、アルカリ、及び酸の使用が含まれる。このような技術は当業者に公知である。
本発明の硬質表面クリーニング組成物及び織物クリーニング組成物を配合するときに、配合者は種々のビルダーを約5重量%から約50重量%のレベルで用いたいと思うであろう。普通のビルダーには、1−10ミクロンのゼオライト、ポリカルボキシレート、例えばシトレート及びオキシジスクシネート、層状シリケート、ホスフェートなどが含まれる。他の慣用ビルダーは標準配合書に列記されている。
【0098】
同様に、配合者は種々の付加的な酵素、例えばセルラーゼ、リパーゼ、アミラーゼ及びプロテアーゼを、このような組成物に普通約0.001重量%から約1重量%のレベルで使おうとするかもしれない。種々の洗浄性及び織物ケア酵素は洗濯洗剤分野で公知である。
【0099】
種々の漂白化合物、例えば過炭酸塩、過ホウ酸塩等は、普通、約1重量%から約15重量%のレベルでこのような組成物に用いられることができる。所望すれば、このような組成物はまた、テトラアセチルエチレンジアミン、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート等の漂白活性剤も含有することができ、これらもまた当業界で既知である。使用レベルは普通約1重量%から約10重量%に及ぶ。
【0100】
汚れ遊離剤(soil release agents)、特にアニオン性オリゴエステル型、キレート剤、特にアミノホスフェート及びエチレンジアミンジスクシネート、クレイ汚れ除去剤、特にエトキシル化テトラエチレンペンタミン、分散剤、特にポリアクリレート及びポリアスパラテート、増白剤、特にアニオン増白剤、泡抑制剤、特にシリコーン及び二級アルコール、織物柔軟剤、特にスメクタイトクレイ等は、このような組成物に約1重量%から約35重量%に及ぶレベルで全て使用されることができる。標準配合書及び公開特許は、このような慣用の物質の多数の詳細な記述を含む。
【0101】
酵素安定剤も本クリーニング組成物に使用しても良い。このような酵素安定剤には、プロピレングリコール(好ましくは約1%から約10%)、ナトリウムホルメート(好ましくは約0.1%から約1%)及びカルシウムホルメート(好ましくは約0.1%から約1%)が含まれる。
他の有用なクリーニング組成物物質には、クレイ汚れ除去剤、分散剤、増白剤、泡抑制剤及び織物柔軟剤が含まれる。
【0102】
本融合タンパク質は硬質表面クリーニング組成物に有用である。ここで用いられる場合「硬質表面クリーニング組成物」とは、硬質表面、例えば、床、壁、浴室タイル等をクリーニングするための液体及び顆粒の洗剤組成物を指す。本発明の硬質表面クリーニング組成物は、普通、界面活性剤と、水溶性金属イオン封鎖剤ビルダーとを含む。しかしながら、所定の特別製品、例えばスプレー窓クリーナーでは、ガラス表面に薄膜状及び/又はむらのある残査を生成し得るので、界面活性剤は時として使用されない。
【0103】
存在する場合、界面活性剤成分は、ここでの組成物の約0.1%程度で含まれてもよいが、普通、組成物は約0.25%から約10%、より好ましくは約1%から約5%の界面活性剤を含むであろう。
普通、本組成物は約0.5%から約50%の洗浄性ビルダー、好ましくは約1%から約10%で含まれ得る。
【0104】
好ましくはpHは約7から約12の範囲にあるべきである。慣用のpH調整剤、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム又は塩酸が、調整の必要があれば使用されることができる。
【0105】
溶媒は、本組成物に含まれてもよい。有用な溶媒には、グリコールエーテル、例えばジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、並びにジオール、例えば2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール及び2−エチル−1,3−ヘキサンジオールが含まれるが、これらに限定されない。使用する場合、このような溶媒は普通、約0.5%から約15%、より好ましくは約3%から約11%のレベルで存在する。
【0106】
付加的に、高度揮発性溶媒、例えばiso−プロパノール又はエタノールは、表面に対して本組成物の「十分な強さでの」塗布後に表面が濯がれない場合、表面から組成物の速い蒸発を促進するために、本発明において使用されることができる。使用される場合、揮発性溶媒は普通、約2%から約12%のレベルで本組成物中に存在する。
【0107】
本変異体はまた、以下に記述されているクリーニング組成物における含有物として有用である:1998年3月26日発行のRubinghらの米国仮特許出願第60/079,477号;1998年3月26日発行のRubinghらの米国仮特許出願第60/079,397号;1998年3月26日発行のWeisgerberらの米国特許出願第09/048,174号;1998年6月2日出願の Weisgerberの米国特許第出願第09/048,174号に優先権を主張した米国特許第出願第09/088912号。
【0108】
本発明の硬質表面クリーニング組成物を、以下の実施例により説明する。
実施例1−6
【0109】
【表16】
Figure 2004500008
【0110】
実施例1−6において、表7、8及び10に列記された変異体及び、とりわけここで言及された好適変異体を、上記融合タンパク質と置換すると、実質的に同様の結果となる。
【0111】
実施例7−10
【0112】
【表17】
Figure 2004500008
【0113】
実施例7−10において、表7、8及び10に列記された変異体及び、とりわけここで言及された好適変異体を、上記融合タンパク質と置換すると、実質的に同様の結果となる。
【0114】
実施例11−13
【0115】
【表18】
Figure 2004500008
【0116】
実施例11−13において、表7、8及び10に列記された変異体及び、とりわけここで言及された好適変異体を、上記融合タンパク質と置換すると、実質的に同様の結果となる。
【0117】
パーソナルケア組成物
本融合タンパク質は、パーソナルケア組成物での使用にとくに適切であり、前記パーソナルケア組成物は、例えば、リーブオン及びリンスオフヘアコンディショナー、シャンプー、リーブオン及びリンスオフにきび組成物、フェイシャルミルク及びコンディショナー、シャワ−ジェル、石鹸、泡立ち及び非泡立ちフェイシャルクレンザー、化粧品、ハンド、フェイシャル及びボディーローション、モイスチャライザー、リーブオンフェイシャルモイスチャライザー、化粧品及びクレンジングワイプ、口腔ケア組成物、及びコンタクトケア組成物である。本発明のパーソナルケア組成物は、本発明の融合タンパク質の1つ以上とパーソナルケア担体とを含む。融合タンパク質は、好適な制限物を含めて、クリーニング組成物についてここで記述されている。最も好ましくは、このような融合タンパク質は、1つのプロテアーゼ部分、1つの変異体部分、及び場合によってであるが好ましくは、連結部分を有する。本発明の好適実施形態では、ここでのパーソナルケア組成物は更に、融合タンパク質に加えて、1以上の追加のプロテアーゼインヒビターを含む。好ましくは、付加的なプロテアーゼインヒビターは、SSI、SSI様インヒビター、SSIの変異体及びSSI様インヒビターからなる群より選択されたプロテアーゼインヒビターの変異体である。より好ましくは、付加的なプロテアーゼインヒビターは、好適な制限物を含め、独立して、ここで議論された「変異体部分」と同様の定義の変異体である。最も好ましくは、付加的なプロテアーゼインヒビターは、融合タンパク質の変異体部分と同様の変異体である。
本パーソナルケア組成物では、変異体とプロテアーゼとの好適なモル比(変異体対プロテアーゼ比)(ここで融合タンパク質の変異体部分及び付加的なプロテアーゼインヒビターは、纏めて、変異体のモル量を表す)は、約3:1から約1:1、より好ましくは約3:1から約1.5:1、最も好ましくは約2:1である。
【0118】
説明するために、本発明の融合タンパク質は、下記参考文献に記載された組成物中の含有物に対して適当である:1997年6月24日発行のLinaresらの米国特許第5,641,479号(スキンクレンザー); 1997年2月4日発行のWivellらの米国特許第5,599,549号(スキンクレンザー); 1996年12月17日発行のHaらの米国特許第5,585,104号(スキンクレンザー); 1996年7月30日発行のKefauverらの米国特許第5,540,852号(スキンクレンザー); 1996年4月23日発行のDunbarらの米国特許第5,510,050号(スキンクレンザー); 1997年3月18日発行のGuang Linらの米国特許第5,612,324号(坑にきび調製物); 1996年12月24日発行のWarrenらの米国特許第5,587,176号(坑にきび調製物); 1996年8月27日発行のVenkateswaranの米国特許第5,549,888号(坑にきび調製物); 1995年11月28日発行のCorlessらの米国特許第5,470,884号(坑にきび調製物); 1997年7月22日発行のGordonらの米国特許第5,650,384号(シャワージェル); 1997年3月4日発行のMooreらの米国特許第5,607,678号(シャワージェル); 1997年4月29日発行のCoffindafferらの米国特許第5,624,666号(ヘアーコンディショナー及び/又はシャンプー); 1997年4月8日発行のBolichらの米国特許第5,618,524号(ヘアーコンディショナー及び/又はシャンプー); 1997年3月18日発行のInmanの米国特許第5,612,301号(ヘアーコンディショナー及び/又はシャンプー); 1996年11月12日発行のWellsの米国特許第5,573,709号(ヘアーコンディショナー及び/又はシャンプー); 1996年1月9日発行のPingsの米国特許第5,482,703号(ヘアーコンディショナー及び/又はシャンプー); 1994年4月12日再発行のGroteらの米国再発行特許第34,584号(ヘアーコンディショナー及び/又はシャンプー); 1997年6月24日発行のDateらの米国特許第5,641,493号(化粧品); 1997年2月25日発行のBlankらの米国特許第5,605,894号(化粧品); 1996年12月17日発行のYoshiokaらの米国特許第5,585,090号(化粧品); 1990年7月3日発行のCheneyらの米国特許第4,939,179号(ハンド、フェイス及び/又はボディーローション); 1997年3月4日発行のMcAteeらの米国特許第5,607,980号(ハンド、フェイス及び/又はボディーローション); 1977年8月30日発行のRichterらの米国特許第4,045,364号(化粧品及びクレンジングワイプ); 1994年10月12日の公開のTouchetらの欧州特許明細書 EP 0 619 074号(化粧品及びクレンジングワイプ); 1990年12月4日発行のBrown−Skrobotらの米国特許第4,975,217号(化粧品及びクレンジングワイプ); 1992年3月17日発行のSeibelの米国特許第5,096,700号(口腔洗浄組成物); 1991年7月2日発行のSampathkumarの米国特許第5,028,414号(口腔洗浄組成物); 1991年7月2日発行のBenedictらの米国特許第5,028,415号(口腔洗浄組成物); 1991年7月2日発行のBenedictらの米国特許第5,028,415号(口腔洗浄組成物); 1989年9月5日発行のDaviesらの米国特許第4,863,627号(コンタクトレンズ洗浄液); 1988年5月24日再発行のHuthらの米国再発行特許第32,672号(コンタクトレンズ洗浄液);及び1986年9月2日発行のSchaferの米国特許第4,609,493号(コンタクトレンズ洗浄液)。
【0119】
本融合タンパク質はまた、以下に記述されているパーソナルケア組成物における含有物として有用である:1998年3月26日発行のRubinghらの米国仮特許出願第60/079,477号;1998年3月26日発行のRubinghらの米国仮特許出願第60/079,397号;1998年3月26日発行のWeisgerberらの米国特許出願第09/048,174号;1998年6月2日出願の Weisgerberの米国特許第出願第09/048,174号に優先権を主張した米国特許第出願第09/088912号。
【0120】
本発明の口腔クリーニング組成物をさらに説明するために、本発明の1つ以上の融合タンパク質が、歯又は義歯からタンパク質性の汚れを除去するために有用な組成物中に含有される。ここで使用されるような「口腔クリーニング組成物」は、歯磨き剤、練り歯磨き、ジェル歯磨き、歯磨き粉、マウスウォッシュ、マウススプレー、マウスゲル、チューインガム、薬用ドロップ、香粉(サッシェ)、タブレット、バイオゲル、歯科掃除用ペースト、歯科治療液等をさす。
【0121】
典型的には、口腔クリーニング組成物の口腔クリーニング成分のパーソナルケア担体成分は、一般的に、組成物に対して約50重量%〜約99.99重量%、好ましくは約65重量%〜約99.99重量%、より好ましくは約65重量%〜約99重量%を構成し得る。
【0122】
本発明の口腔クリーニング組成物に含有されてもよいパーソナルケア担体成分及び任意成分は、当業者によく知られているものである。口腔クリーニング組成物に有用な広範な種類の組成物タイプ、担体成分及び任意成分は、上記引用文献に開示されている。
【0123】
本発明のその他の実施形態において、口腔外の義歯を洗浄するための義歯クリーニング組成物は、本発明の1つ以上の融合タンパク質を含む。そのような義歯クリーニング組成物は、1以上の本発明の融合タンパク質と、パーソナルケア担体とを含む。発泡性の錠剤等のような種々の義歯クレンジング組成物の形式等は、当業界でよく知られており(Youngの米国特許第5,055,305号参照)、義歯からタンパク質性の汚れを除去するために1つ以上の融合タンパク質を組み込むことが概ね適切である。
【0124】
本発明のその他の実施形態において、コンタクトレンズクリーニング組成物は、本発明の1つ以上の変異体を含む。そのようなコンタクトレンズクリーニング組成物は、有効量の1つ以上の融合タンパク質と、パーソナルケア担体とを含む。錠剤、液体等のような種々のコンタクトレンズクリーニング組成物の形式等は、当業界でよく知られており、コンタクトレンズからタンパク質性の汚れを除去するために本発明の融合タンパク質の1つ以上を組み込むことが概ね適切である。
【0125】
実施例14−17
【0126】
【表19】
Figure 2004500008
【0127】
実施例14−17において、表7、8及び10に列記された変異体及び、とりわけここで言及された好適変異体を、上記融合タンパク質と置換すると、実質的に同様の結果となる。
【0128】
実施例18−21
【0129】
【表20】
Figure 2004500008
【0130】
実施例18−21において、表7、8及び10に列記された変異体及び、とりわけここで言及された好適変異体を、上記融合タンパク質と置換すると、実質的に同様の結果となる。
【0131】
実施例22−25
【0132】
【表21】
Figure 2004500008
【0133】
実施例22−25において、表7、8及び10に列記された変異体及び、とりわけここで言及された好適変異体を、上記融合タンパク質と置換すると、実質的に同様の結果となる。
【0134】
実施例26−27
【0135】
【表22】
Figure 2004500008
【0136】
実施例26−27において、表7、8及び10に列記された変異体及び、とりわけここで言及された好適変異体を、上記融合タンパク質と置換すると、実質的に同様の結果となる。
【0137】
実施例28
【0138】
【表23】
Figure 2004500008
【0139】
上記組成物を、セルロース及び/又はポリエステルで構成された織込み吸収シートに、吸収シートの約250重量%で染み込ませる。
実施例28において、表7、8及び10に列記された変異体及び、とりわけここで言及された好適変異体を、上記融合タンパク質と置換すると、実質的に同様の結果となる。

Claims (10)

  1. 以下により特徴付けられる融合タンパク質:
    (a)プロテアーゼ部分;及び、
    (b)変異体部分であって、変異体部分が親アミノ酸配列の改変アミノ酸配列を有し、改変アミノ酸配列がSSIに対応する位置63でのアミノ酸置換を特徴とし、親アミノ酸配列がSSI、SSI様インヒビター、SSIの変異体及びSSI様インヒビターの変異体からなる群から選択される当該変異体部分。
  2. 連結部分により更に特徴付けられ、前記プロテアーゼ部分と前記変異体部分が当該連結部分を介して共有結合している請求項1に記載の融合タンパク質。
  3. SSIに対応する位置63での前記アミノ酸置換は、イソロイシンによるものである、請求項1又は請求項2記載の融合タンパク質。
  4. 前記親アミノ酸配列は、SSI及びSSIの変異体からなる群から選択される、前記請求項のいずれか1記載の融合タンパク質。
  5. 前記変異体部分は、変異体部分が:
    (a)融合タンパク質を包含する組成物中のプロテアーゼ部分を阻害し、そして
    (b)稀釈時にプロテアーゼ部分から解離する
    ようなKを示す、前記請求項のいずれか1記載の融合タンパク質。
  6. 以下からなる群より選択された前掲の請求項のいずれか1項記載の変異体:
    (a) L63I + D83C;
    (b) L63I + M73D;
    (c) L63I + M73D + D83C;
    (d) L63I + M73P + D83C;
    (e) L63I + M70Q + D83C;
    (f) L63I + M70Q + M73P + V74F + D83C;
    (g) L63I + M70Q + M73P + V74W + D83C;
    (h) L63I + M70Q + M73P + D83C + S98A;
    (i) L63I + G47D + M73P + V74F + D83C;
    (j) L63I + G47D + M73P + V74W + D83C;
    (k) L63I + G47D + M73P + D83C + S98A;
    (l) L63I + G47D + M70Q + M73P + V74F + D83C;
    (m) L63I + G47D + M70Q + M73P + V74W + D83C;
    (n) L63I + G47D + M73P + V74F + D83C + S98A;
    (o) L63I + G47D + M73P + V74W + D83C + S98A;
    (p) A62* + L63I + D83C;
    (q) A62* + L63I + M73D;
    (r) A62* + L63I + M73D + D83C;
    (s) A62* + L63I + M73P + D83C;
    (t) A62* + L63I + M70Q + D83C;
    (u) A62* + L63I + M73P + D83C + S98A;
    (v) A62* + L63I + M73P + Y75A + D83C;
    (w) A62* + L63I + M73P + D83C + S98V;
    (x) A62* + L63I + M70Q + M73P + D83C;
    (y) A62* + L63I + M73P + V74A + D83C;
    (z) A62* + L63I + M73P + V74F + D83C;
    (aa) A62* + L63I + M70Q + D83C + S98A;
    (bb) A62* + L63I + G47D + M70Q + D83C;
    (cc) A62* + L63I + G47D + D83C + S98A;
    (dd) A62* + L63I + G47D + M73P + D83C;
    (ee) A62* + L63I + G47D + M73D + D83C;
    (ff) A62* + L63I + M70Q + M73P + V74F + D83C;
    (gg) A62* + L63I + M70Q + M73P + V74W + D83C;
    (hh) A62* + L63I + M70Q + M73P + D83C + S98A;
    (ii) A62* + L63I + G47D + M73P + V74F + D83C;
    (jj) A62* + L63I + G47D + M73P + V74W + D83C;
    (kk) A62* + L63I + G47D + M73P + D83C + S98A;
    (ll) A62* + L63I + G47D + M70Q + M73P + V74F + D83C;
    (mm) A62* + L63I + G47D + M70Q + M73P + V74W + D83C;
    (nn) A62* + L63I + G47D + M73P + V74F + D83C + S98A;
    (oo) A62* + L63I + G47D + M73P + V74W + D83C + S98A;
    (pp) L63I + A62K + S98Q;
    (qq) L63I + A62K + S98D;
    (rr) L63I + A62K + S98E;
    (ss) L63I + A62R + S98Q;
    (tt) L63I + A62R + S98D;
    (uu) L63I + A62R + S98E;
    (vv) L63I + S98A;
    (ww) L63I + M73P + D83C + S98D;
    (xx) L63I + M73P + D83C + S98E;
    (yy) L63I + M73P + S98D;
    (zz) L63I + M73P + S98E;
    (aaa) L63I + M73P + S98A;
    (bbb) A62K + L63I + M73P + D83C + S98D;
    (ccc) A62R + L63I + M73P + D83C + S98D;
    (ddd) A62K + L63I + M73P + D83C + S98E;
    (eee) A62R + L63I + M73P + D83C + S98E;
    (fff) A62K + L63I + M73P + S98A;
    (ggg) A62R + L63I + M73P + S98A;
    (hhh) L63I + G47D + M73P + D83C + S98D;
    (iii) L63I + G47D + M73P + D83C + S98E; 及び、
    (jjj) L63I + M73P。
  7. 前掲の請求項のいずれか1項の融合タンパク質をコードするDNA。
  8. 前記請求項のいずれか1記載の融合タンパク質と、クリーニング組成物担体及びパーソナルケア担体からなる群から選択される担体とを包含する組成物。
  9. プロテアーゼインヒビターを更に含む請求項8に記載の組成物。
  10. 請求項7のDNAを含む発現系。
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