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JP2004508838A - 組合せ蛍光エネルギー移動タグ及びそれらの使用 - Google Patents

組合せ蛍光エネルギー移動タグ及びそれらの使用 Download PDF

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JP2004508838A
JP2004508838A JP2002527323A JP2002527323A JP2004508838A JP 2004508838 A JP2004508838 A JP 2004508838A JP 2002527323 A JP2002527323 A JP 2002527323A JP 2002527323 A JP2002527323 A JP 2002527323A JP 2004508838 A JP2004508838 A JP 2004508838A
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fluorophore
nucleic acid
terminal
oligonucleotide
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JP2002527323A
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ジュ、ジンユエ
リー、ゼンミン
トン、アンソニー
ルッソ、ジェームス・ジェイ
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Columbia University in the City of New York
Original Assignee
Columbia University in the City of New York
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Abstract

本発明は、複数の蛍光分子を含む組合せ蛍光エネルギー移動タグを提供する。該組合せ蛍光エネルギー移動タグは、一以上のエネルギー移動ドナーおよび一以上のエネルギー移動アクセプターを有し、その蛍光分子が固有の蛍光発光信号を生成するために骨格に沿って隔てられる分子骨格を介して結合される。本発明はさらに、複合生物学的分析を含む多成分分析における前記タグの使用を提供する。

Description

【0001】
本出願は、2001年7月31日に出願の仮出願番号60/309,156の優先権を主張し、また2000年9月11日に出願の米国出願番号09/658,077の一部継続出願であり、その両者の内容を本明細書の一部として援用する。
【0002】
本出願を通して、種々の刊行物を著者名および発行年により括弧中に引用する。これらの参照文献の完全な書誌的引用は、図面の簡単な説明の前に列記する。これらの刊行物の開示は、本発明が属する技術分野の状態をより完全に記述するために本明細書に援用する。
【0003】
【従来技術】
多くの生物学的な標的を研究する必要性は、それと同時に複合型蛍光タグの開発を促した。しかしながら、スペクトル領域が限られるため、そしてそれ故に利用可能で適切な検出器が限られるため、識別可能な発光スペクトルを有する利用可能な蛍光染料の数は、約10種に限られている。この制限を克服するために、インサイチューハイブリダイゼーション(M−FISH)における多色蛍光のための組合せ蛍光標識アプローチが開発され、現在、細胞遺伝学の分野で広く使われている(Speicher他,1996 、Schrock他,1996)。このアプローチは、それぞれ固有の発光を有する蛍光染料を2〜7種混合し、その蛍光発光パターンを使って異なる標的を識別するものである。異なる染料を数学的に組み合わせることによって、固有の蛍光発光パターンが得られる。この開発により、染色体分析を進展させることが可能になった。しかしながら、この方法は、「固有の」プローブ標識を開発するために、個々の染料の物理的な混合を定量的に行う必要がある。この要件は、染料の潜在的な相互作用と共に、蛍光発光パターンを複雑にする。従って、その技術の主要な応用はハイブリダイゼーションを含んだ方法に限定される。また、その画像化のためには複数のレーザーおよび検出器が必要とされる。広範囲の生体分子を共有結合的に標識化するために使用できる試薬キットを、このアプローチを用いて構成するのは困難である。このように、バイオメディカル分野または他の分野における多成分分析のために使用可能な、多数の蛍光タグを含むセットが緊急に必要とされている。以前には、蛍光エネルギー移動(ET)の原理は、ヒトゲノムプロジェクト(Ju他,1995,1996)において広く使われているデオキシリボ核酸(DNA)配列決定に使用される四つのETタグを首尾よく現像するように、蛍光発光を増強するために用いられた。エネルギー移動に関係するフルオロフォアを含んだタグは、米国特許6,028,190に開示されている。
【0004】
【発明の概要】
本発明は、それぞれが別々の所定の位置で分子骨格に結合する複数のフルオロフォアを含む物質の組成物であって、そのような別々の所定の位置は、一つのフルオロフォアともう一つのフルオロフォアの間での蛍光エネルギー移動が可能であるように選択され、一つのこのようなフルオロフォアおよびもう一つのこのようなフルオロフォアは、その一方のフルオロフォアの最大発光波長が他方のフルオロフォアの最小励起波長より大きいことを特徴とする組成物を提供する。
【0005】
本発明はさらに、前記組成物であって、それぞれが別々の所定の位置で分子骨格に結合する二つのフルオロフォアを含み、前記別々の位置は、前記フルオロフォアの間で蛍光エネルギー移動が可能であるように選択され、前記フルオロフォアの一方の最大発光波長は、他方のフルオロフォアの最小励起波長より大きいことを特徴とする組成物を提供する。
【0006】
本発明はさらに、前記組成物であって、それぞれが別々の所定の位置で分子骨格に結合する三つのフルオロフォアを含み、前記別々の所定の位置は、前記フルオロフォアの間で蛍光エネルギー移動が可能であるように選択され、第1のフルオロフォアの最大発光波長は第2のフルオロフォアの最小励起波長より大きく、第2のフルオロフォアの最大発光波長は第3のフルオロフォアの最小励起波長より大きいことを特徴とする組成物を提供する。
【0007】
本発明はさらに、前記組成物であって、それぞれのフルオロフォアは前記分子骨格と共有結合する組成物を提供する。
【0008】
本発明はさらに、前記組成物であって、前記蛍光エネルギー移動の効率は20%より小さい組成物を提供する。
【0009】
本発明はさらに、前記組成物であって、前記分子骨格は強固である組成物を提供する。
【0010】
本発明はさらに、前記組成物であって、前記分子骨格は重合体である組成物を提供する。
【0011】
本発明はさらに、前記組成物であって、前記分子骨格は核酸を含む組成物を提供する。
【0012】
本発明はさらに、前記組成物であって、前記分子骨格はペプチドを含む組成物を提供する。
【0013】
本発明はさらに、前記組成物であって、前記分子骨格はポリリン酸塩を含む組成物を提供する。
【0014】
本発明はさらに、前記組成物であって、少なくとも一つのフルオロフォアは蛍光染料である組成物を提供する。
【0015】
本発明はさらに、前記組成物であって、前記蛍光染料は6−カルボキシフルオレセインである組成物を提供する。
【0016】
本発明はさらに、前記組成物であって、前記蛍光染料はN,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミンである組成物を提供する。
【0017】
本発明はさらに、前記組成物であって、前記蛍光染料はシアニン−5単官能性染料である組成物を提供する。
【0018】
本発明はさらに、前記組成物であって、少なくとも一つのフルオロフォアはルミネッセンス分子である組成物を提供する。
【0019】
本発明はさらに、前記組成物であって、少なくとも一つのフルオロフォアは量子ドットである組成物を提供する。
【0020】
本発明はまた、下記の構造を有する物質の組成物を提供する。
【0021】
【化6】
Figure 2004508838
ここで、Sは1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩部を表し、mは1より大きく100より小さい整数であり、それぞれのTはチミジン誘導体を表し、FAMは6−カルボキシフルオレセイン誘導体を表し、TAMはN,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミン誘導体を表し、各実線は共有結合を表し、Rは−OH末端またはリン酸末端のいずれかを表し、Qは−OH末端またはリン酸末端のいずれかのうちRと異なるものを表す。
【0022】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは4である組成物を提供する。
【0023】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは6である組成物を提供する。
【0024】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは9である組成物を提供する。
【0025】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは13である組成物を提供する。
【0026】
本発明はまた、下記の構造を有する物質の組成物を提供する。
【0027】
【化7】
Figure 2004508838
ここで、Sは1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩部を表し、mは1より大きく100より小さい整数であり、Tはチミジン誘導体を表し、FAMは6−カルボキシフルオレセイン誘導体を表し、Cy5はシアニン−5単官能性染料誘導体を表し、各実線は共有結合を表し、Rは−OH末端またはリン酸末端のいずれかを表し、Qは−OH末端またはリン酸末端のいずれかのうちRと異なるものを表す。
【0028】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは4である組成物を提供する。
【0029】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは5である組成物を提供する。
【0030】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは7である組成物を提供する。
【0031】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは10である組成物を提供する。
【0032】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは13である組成物を提供する。
【0033】
本発明はまた、下記の構造を有する物質の組成物を提供する。
【0034】
【化8】
Figure 2004508838
ここで、Sは1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩部を表し、mは1より大きく100より小さい整数であり、nは1より大きく100より小さい整数であり、Tはチミジン誘導体を表し、FAMは6−カルボキシフルオレセイン誘導体を表し、Cy5はシアニン−5単官能性染料誘導体を表し、TAMはN,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミン誘導体を表し、各実線は共有結合を表し、Rは−OH末端またはリン酸末端のいずれかを表し、Qは−OH末端またはリン酸末端のいずれかのうちRと異なるものを表す。
【0035】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは3であり、nは7である組成物を提供する。
【0036】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは4であり、nは6である組成物を提供する。
【0037】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは5であり、nは5である組成物を提供する。
【0038】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは6であり、nは6である組成物を提供する。
【0039】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは7であり、nは7である組成物を提供する。
【0040】
本発明はまた、下記の構造を有する物質の組成物を提供する。
【0041】
【化9】
Figure 2004508838
ここで、Sは1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩部を表し、mは1より大きく100より小さい整数であり、Tはチミジン誘導体を表し、TAMはN,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミン誘導体を表し、各実線は共有結合を表し、Rは−OH末端またはリン酸末端のいずれかを表し、Qは−OH末端またはリン酸末端のいずれかのうちRと異なるものを表す。
【0042】
本発明はさらに、前記組成物であって、mは4である組成物を提供する。
【0043】
本発明はまた、前記組成物のいずれかで標識化された核酸を提供する。
【0044】
本発明はさらに、前記組成物の何れかであって、前記核酸はDNAである組成物を提供する。
【0045】
本発明はさらに、前記組成物の何れかであって、前記核酸はRNAである組成物を提供する。
【0046】
本発明はさらに、前記組成物の何れかであって、前記核酸はDNA/RNAである組成物を提供する。
【0047】
本発明はまた、予め選択したヌクレオチド残基が、核酸内の所定の位置に存在しているかどうかを決定する方法であって、
(a)前記核酸を、ハイブリダイゼーションおよびDNAライゲーションが可能な条件下で下記の成分(i)〜(iii)と接触させることと;
(i)DNAリガーゼ、
(ii)請求項1の組成物を付加され、且つ前記所定の位置の一方の側の直近に隣接するヌクレオチドとハイブリダイズする、第1のオリゴヌクレオチド、及び
(iii)前記所定の位置の他方の側の直近に隣接するヌクレオチドとハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド、
ここで、前記所定の位置の3´末端に位置するヌクレオチドとハイブリダイズする前記オリゴヌクレオチドの−OH末端残基は、前記予め選択されたヌクレオチド残基に相補的である;
(b)前記第1及び第2のオリゴヌクレオチドを含むライゲーション産物の存在を検出し、そのようなライゲーション産物の存在によって、前記所定の位置に前記予め選択されたヌクレオチド残基が存在することが示されることとを含む方法を提供する。
【0048】
本発明はさらに、核酸内の種々の所定の位置において、予め選択されたヌクレオチド残基がそのような位置に存在しているかどうかを決定する方法であって、前記予め選択されたヌクレオチド残基は、別々の所定の位置において異なることができ、それぞれ予め選択されたヌクレオチドがそれぞれの所定の位置に存在しているかどうかを、前記方法に従って決定することを含む方法を提供する。
【0049】
本発明はさらに、前記方法であって、複数の任意のヌクレオチド残基の存在を同時に決定する方法を提供する。
【0050】
本発明はさらに、前記方法であって、前記DNAリガーゼはTaq DNAリガーゼである方法を提供する。
【0051】
本発明はさらに、前記方法であって、前記第2のヌクレオチドは単離を可能にする部分を付加されており、また前記方法はさらに、前記工程(a)から得られる前記部分を含有する分子を単離することと、連結された第1及び第2のオリゴヌクレオチドがその中に存在することを決定することとを含む方法を提供する。
【0052】
本発明はさらに、前記方法であって、前記第1のオリゴヌクレオチドに付加した前記組成物は所定の発光スペクトルを有し、この発光スペクトルを観察することによって、前記工程(b)において連結された第1及び第2のオリゴヌクレオチドの存在を決定する方法を提供する。
【0053】
本発明はまた、予め選択したヌクレオチド残基が、核酸内の所定の位置に存在しているかどうかを決定する方法であって、
(a)前記核酸を、ハイブリダイゼーションおよびDNAポリメリゼーションが可能な条件下で下記の成分(i)〜(iii)と接触させることと、
(i)DNAポリメラーゼ、
(ii)(1)請求項1の組成物を付加され、(2)3´−OH末端を有し、且つ前記核酸分子の所定の位置に隣接する3´領域とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、及び、
(iii)単離を可能にする部分で標識化され、且つ任意のヌクレオチド残基と相補的であるジデオキシヌクレオチド、
但し、DNAポリメラーゼおよび予め選択されたヌクレオチド残基の存在下で、前記オリゴヌクレオチドと前記核酸とがハイブリダイゼーションするときに、前記オリゴヌクレオチドおよび前記ジデオキシヌクレオチドは並列し、DNAポリメラーゼがそれらを共有的に連結することを可能にする;
(b)前記オリゴヌクレオチドおよび前記ジデオキシヌクレオチドの両方を含むポリメリゼーション産物の存在を検出し、そのようなポリメリゼーション産物の存在により、予め選択されたヌクレオチド残基が所定の位置に存在することが示されることとを含む方法を提供する。
【0054】
本発明はさらに、核酸内の種々の所定の位置において、予め選択されたヌクレオチド残基がそのような位置に存在しているかどうかを決定する方法であって、前記予め選択されたヌクレオチド残基は、別々の所定の位置において異なることができ、該方法は、それぞれ予め選択されたヌクレオチドがそれぞれの所定の位置に存在しているかどうかを、前記方法に従って決定することを含む方法を提供する。
【0055】
本発明はさらに、前記方法であって、前記DNAポリメラーゼはサーモシーケナーゼ(thermo sequenase)である方法を提供する。
【0056】
本発明はさらに、前記方法であって、前記ジデオキシヌクレオチドは、ジデオキシアデノシン三リン酸、ジデオキシシチジン三リン酸、ジデオキシグアノシン三リン酸、ジデオキシチミジン三リン酸、およびジデオキシウリジン三リン酸からなる群から選択される方法を提供する。
【0057】
本発明はさらに、前記方法であって、前記オリゴヌクレオチドに付加された組成物は、所定の発光スペクトルを有し、この発光スペクトルを観察することによって、前記(b)におけるポリメリゼーション産物の存在を決定する方法を提供する。
【0058】
本発明はさらに、前記方法であって、前記所定の発光スペクトルの観察は、波長が200〜1000nmの放射線を用いて行われる方法を提供する。
【0059】
本発明はさらに、前記方法であって、前記放射線の波長は488nmである方法を提供する。
【0060】
本発明はさらに、前記方法であって、前記所定の発光スペクトルの観察は、帯域幅が1〜50nmの放射線を用いて行われる方法を提供する。
【0061】
本発明はさらに、前記方法であって、前記放射線の帯域幅は1nmである方法を提供する。
【0062】
本発明はさらに、前記方法であって、前記単離を可能にする部分は、ビオチン、ストレプトアビジン、フェニルボロン酸、サリチルヒドロキサム酸、抗体、または抗原を含む方法を提供する。
【0063】
本発明はさらに、前記方法であって、前記単離を可能にする部分は、リンカー分子を介して前記オリゴヌクレオチドに付加している方法を提供する。
【0064】
本発明はさらに、前記方法であって、前記単離を可能にする部分は、リンカー分子を介して前記ジデオキシヌクレオチドに付加している方法を提供する。
【0065】
本発明はさらに、前記方法であって、前記リンカー分子は化学的に切断可能である方法を提供する。
【0066】
本発明はさらに、前記方法であって、前記リンカー分子は、光学的に切断可能である方法を提供する。
【0067】
本発明はさらに、前記方法であって、前記リンカー分子は、
【化10】
Figure 2004508838
で示される構造を有する方法を提供する。
【0068】
【発明の詳細な記述】
<定義>
本発明を理解する一助として次の定義を提供する。
【0069】
CAE     − キャピラリーアレイ電気泳動法
CFET    − 組合せ蛍光エネルギー移動
Cy5     − シアニン5単官能性染料
ddNTP   − ジデオキシヌクレオチド三リン酸
FAM     − 6−カルボキシフルオレセイン
nm      − ナノメーター
RB1     − 網膜芽細胞腫遺伝子
SNP     − 一塩基多型
TAM     − N,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミン
ここで使用するとき、他に断らない限り、次の用語はそれぞれ下記のように定義する。
【0070】
「化学的に切断可能」は、任意の化学的手法によって切断可能なことを意味する。化学的手法は例えばpH及び温度を含むが、これに限定されない。
【0071】
「DNA/RNA」は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドの両方を含む核酸分子を意味する。
【0072】
「発光スペクトル」は、組成物への励起放射の結果として、組成物から放射されるエネルギーの振幅および周波数を意味する。
【0073】
「フレキシブル」は、分子骨格について述べた場合、骨格に共有的に結合した任意のフルオロフォア対の中心間の距離が50%以上変化することを意味する。
【0074】
「蛍光エネルギー移動」は、双極子−双極子相互作用を介して二つのフルオロフォア間に起こるエネルギーの移動を意味する。
【0075】
「蛍光染料」は、より短い波長のエネルギーによって励起されたとき、波長200nm〜1000nmの蛍光エネルギーを放射することができる有機染料分子を意味する。このとき放射されるエネルギーは、一重項から一重項への移動の結果起こる。蛍光染料の例は、6−カルボキシフルオレセイン、N,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミン、及びシアニン−5単官能性染料である。
【0076】
「フルオロフォア」は、蛍光染料、量子ドット、またはルミネッセント分子のような、対応する発光波長より短い波長のエネルギーによって励起されたときに、波長400nm〜1000nmのエネルギーを放射することができる分子を意味する。フルオロフォアの例は、6−カルボキシフルオレセイン、N,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミン、シアニン−5単官能性染料、硫化亜鉛キャップのセレン化カドミウム量子ドット、およびランタニドキレートを含む。
【0077】
「ハイブリダイズ」は、一つの一本鎖核酸分子ともう一つの一本鎖核酸分子との、配列の相補性に基づくアニ−リングを意味する。核酸同士のハイブリダイゼーションの特性は、その環境の温度およびイオン強度、核酸の長さおよび相補性の度合いに依存する。これらの変数がハイブリダイゼーションに及ぼす影響は、当分野において周知である(Sambrook,1989参照)。
【0078】
「単離を可能にする部分」は、お互いに結合するビオチンとストレプトアビジン、お互いに結合する抗体と抗原、お互いに結合するフェニルボロン酸とサリチルヒドロキサム酸を含むが、これに限定されない。
【0079】
「ライゲーション可能な条件」は、一つのオリゴヌクレオチドがリン酸ジエステル結合を介してもう一つのオリゴヌクレオチドに酵素的に結合することができる、温度、イオン強度、イオン組成、分子組成、配向性及び粘性の条件を含むが、これに限定されない。
【0080】
「ライゲーション」は、核酸が、もう一つの核酸または一塩基のいずれかと酵素的に共有結合することを意味する。
【0081】
「リンカー分子」は、他の二つの分子を共有的に連結するために用いられる化学物質群を意味する。リンカー分子の例は、
【化11】
Figure 2004508838
で与えられる構造である。
【0082】
「ルミネッセント分子」は、対応する発光波長より短い波長のエネルギーによって励起されたときに、波長200nm〜1000nmのエネルギーを放射することができる分子を意味する。ここで発光されるエネルギーは、一重項から一重項への移動の結果起こるものではない。ルミネッセント分子の例は、ユーロピウムポリカルボキシレートキレートおよびテルビウムキレートを含む。
【0083】
「分子骨格」は、二以上のフルオロフォアが別々の位置で共有結合できる、および/または共有結合している、分子構造を意味する。望ましい分子骨格は、フルオロフォアが結合できるモノマーユニットを含むポリマーである。そのようなポリマー骨格を形成するモノマーユニットは、必ずしも必要ではないが、同一のものであることができる。そのようなモノマーユニットの例は、1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩およびチミジンを含む。
【0084】
「核酸分子」は、DNA、RNAおよびそれらのハイブリッドを含む何れかの核酸分子を意味するが、これに限定されない。核酸分子を形成する核酸塩基は、塩基A,C,G,TおよびUに加えてそれらの誘導体であることができる。これらの塩基の誘導体は当分野において周知であり、PCRシステムの試薬および消耗品がその良い例である。(Perkin Elmer Cataligue 1996−1997, Roche Molecular Systems, Inc., Branchburg, New Jersey, USA)
「オリゴヌクレオチド」は、二以上のヌクレオチドを含む核酸を意味する。
【0085】
「光学的切断可能」は、波長200〜1000nmの電磁気エネルギーによって切断可能であることを意味する。
【0086】
「ポリマー」は、二より多いモノマーユニットから構成される分子を示す。
【0087】
「量子ドット」は、半導体または金属を含む、ナノメーターサイズの物質の組成物を意味する。そのような組成物はルミネッセンス能を有する。量子ドットの例は、硫化亜鉛キャップのカドミウムセレニド量子ドットを含む。
【0088】
「リジッド」は、分子骨格について述べる場合、骨格に共有結合した何れかのフルオロフォア対の中心間の距離が50%以上変化しないことを意味する。
【0089】
【発明の実施例】
本発明は、それぞれが別々の所定の位置で分子骨格に結合する複数のフルオロフォアを含む物質の組成物であって、そのような別々の所定の位置は、一つのフルオロフォアともう一つのフルオロフォアの間での蛍光エネルギー移動が可能であるように選択され、一つのこのようなフルオロフォアおよびもう一つのこのようなフルオロフォアは、その一方のフルオロフォアの最大発光波長が他方のフルオロフォアの最小励起波長より大きいことを特徴とする組成物を提供する。
【0090】
本発明はさらに、前記組成物であって、それぞれが別々の所定の位置で分子骨格に結合する二つのフルオロフォアを含み、前記別々の位置は、前記フルオロフォアの間で蛍光エネルギー移動が可能であるように選択され、前記フルオロフォアの一方の最大発光波長は、他方のフルオロフォアの最小励起波長より大きいことを特徴とする組成物を提供する。
【0091】
本発明はさらに、前記組成物であって、それぞれが別々の所定の位置で分子骨格に結合する三つのフルオロフォアを含み、前記別々の所定の位置は、前記フルオロフォアの間で蛍光エネルギー移動が可能であるように選択され、第1のフルオロフォアの最大発光波長は第2のフルオロフォアの最小励起波長より大きく、第2のフルオロフォアの最大発光波長は第3のフルオロフォアの最小励起波長より大きいことを特徴とする組成物を提供する。
【0092】
一つの実施例において、それぞれのフルオロフォアは前記分子骨格と共有結合する。
【0093】
一つの実施例において、前記蛍光エネルギー移動の効率は20%より小さい。
【0094】
一つの実施例において、前記分子骨格は強固である。
【0095】
一つの実施例において、前記分子骨格は重合体である。
【0096】
一つの実施例において、前記分子骨格は核酸を含む。
【0097】
一つの実施例において、前記分子骨格はペプチドを含む。
【0098】
一つの実施例において、前記分子骨格はポリリン酸塩を含む。
【0099】
一つの実施例において、少なくとも一つのフルオロフォアは蛍光染料である。
【0100】
一つの実施例において、前記蛍光染料は6−カルボキシフルオレセインである。
【0101】
一つの実施例において、前記蛍光染料はN,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミンである。
【0102】
一つの実施例において、前記蛍光染料はシアニン−5単官能性染料である。
【0103】
一つの実施例において、少なくとも一つのフルオロフォアはルミネッセンス分子である。
【0104】
一つの実施例において、少なくとも一つのフルオロフォアは量子ドットである。
【0105】
本発明はまた、下記の構造を有する物質の組成物を提供する。
【0106】
【化12】
Figure 2004508838
ここで、Sは1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩部を表し、mは1より大きく100より小さい整数であり、それぞれのTはチミジン誘導体を表し、FAMは6−カルボキシフルオレセイン誘導体を表し、TAMはN,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミン誘導体を表し、各実線は共有結合を表し、Rは−OH末端またはリン酸末端のいずれかを表し、Qは−OH末端またはリン酸末端のいずれかのうちRと異なるものを表す。
【0107】
一つの実施例において、mは4である。一つの実施例において、mは6である。一つの実施例において、mは9である。一つの実施例において、mは13である。
【0108】
本発明はまた、下記の構造を有する物質の組成物を提供する。
【0109】
【化13】
Figure 2004508838
ここで、Sは1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩部を表し、mは1より大きく100より小さい整数であり、Tはチミジン誘導体を表し、FAMは6−カルボキシフルオレセイン誘導体を表し、Cy5はシアニン−5単官能性染料誘導体を表し、各実線は共有結合を表し、Rは−OH末端またはリン酸末端のいずれかを表し、Qは−OH末端またはリン酸末端のいずれかのうちRと異なるものを表す。
【0110】
一つの実施例において、mは4である。一つの実施例において、mは5である。一つの実施例において、mは7である。一つの実施例において、mは10である。一つの実施例において、mは13である。
【0111】
本発明はまた、下記の構造を有する物質の組成物を提供する。
【0112】
【化14】
Figure 2004508838
ここで、Sは1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩部を表し、mは1より大きく100より小さい整数であり、nは1より大きく100より小さい整数であり、Tはチミジン誘導体を表し、FAMは6−カルボキシフルオレセイン誘導体を表し、Cy5はシアニン−5単官能性染料誘導体を表し、TAMはN,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミン誘導体を表し、各実線は共有結合を表し、Rは−OH末端またはリン酸末端のいずれかを表し、Qは−OH末端またはリン酸末端のいずれかのうちRと異なるものを表す。
【0113】
一つの実施例において、mは3であり、nは7である。一つの実施例において、mは4であり、nは6である。一つの実施例において、mは5であり、nは5である。一つの実施例において、mは6であり、nは6である。一つの実施例において、mは7であり、nは7である。
【0114】
本発明はまた、下記の構造を有する物質の組成物を提供する。
【0115】
【化15】
Figure 2004508838
ここで、Sは1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩部を表し、mは1より大きく100より小さい整数であり、Tはチミジン誘導体を表し、TAMはN,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミン誘導体を表し、各実線は共有結合を表し、Rは−OH末端またはリン酸末端のいずれかを表し、Qは−OH末端またはリン酸末端のいずれかのうちRと異なるものを表す。
【0116】
一つの実施例において、mは4である。
【0117】
本発明はまた、前記組成物のいずれかで標識化された核酸を提供する。
【0118】
一つの実施例において、前記核酸はDNAである。
【0119】
一つの実施例において、前記核酸はRNAである。
【0120】
一つの実施例において、前記核酸はDNA/RNAである。
【0121】
本発明はまた、予め選択したヌクレオチド残基が、核酸内の所定の位置に存在しているかどうかを決定する方法であって、
(a)前記核酸を、ハイブリダイゼーションおよびDNAライゲーションが可能な条件下で下記の成分と接触させることと;
(i)DNAリガーゼ、
(ii)請求項1の組成物を付加され、且つ前記所定の位置の一方の側の直近に隣接するヌクレオチドとハイブリダイズする、第1のオリゴヌクレオチド、及び
(iii)前記所定の位置の他方の側の直近に隣接するヌクレオチドとハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド、
ここで、前記所定の位置の3´末端に位置するヌクレオチドとハイブリダイズする前記オリゴヌクレオチドの−OH末端残基は、前記予め選択されたヌクレオチド残基に相補的である;
(b)前記第1及び第2のオリゴヌクレオチドを含むライゲーション産物の存在を検出し、そのようなライゲーション産物の存在によって、前記所定の位置に前記予め選択されたヌクレオチド残基が存在することが示されることとを含む方法を提供する。
【0122】
本発明はさらに、核酸内の種々の所定の位置において、予め選択されたヌクレオチド残基がそのような位置に存在しているかどうかを決定する方法であって、前記予め選択されたヌクレオチド残基は、別々の所定の位置において異なることができ、それぞれ予め選択されたヌクレオチドがそれぞれの所定の位置に存在しているかどうかを、前記方法に従って決定することを含む方法を提供する。
【0123】
一つの実施例において、複数の任意のヌクレオチド残基の存在は同時に決定される。
【0124】
一つの実施例において、前記DNAリガーゼはTaq DNAリガーゼである。
【0125】
本発明はさらに、前記方法であって、前記第2のヌクレオチドは単離を可能にする部分を付加されており、また前記方法はさらに、前記工程(a)から得られる前記部分を含有する分子を単離することと、連結された第1及び第2のオリゴヌクレオチドがその中に存在することを決定することとを含む方法を提供する。
【0126】
本発明はさらに、前記方法であって、前記第1のオリゴヌクレオチドに付加した前記組成物は所定の発光スペクトルを有し、この発光スペクトルを観察することによって、前記工程(b)において連結された第1及び第2のオリゴヌクレオチドの存在を決定する方法を提供する。
【0127】
本発明はまた、予め選択したヌクレオチド残基が、核酸内の所定の位置に存在しているかどうかを決定する方法であって、
(a)前記核酸を、ハイブリダイゼーションおよびDNAポリメリゼーションが可能な条件下で下記の成分と接触させることと、(i)DNAポリメラーゼ、(ii)(1)請求項1の組成物を付加され、(2)3´−OH末端を有し、且つ前記核酸分子の所定の位置に隣接する3´領域とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、及び、(iii)単離を可能にする部分で標識化され、且つ任意のヌクレオチド残基と相補的であるジデオキシヌクレオチド、但し、DNAポリメラーゼおよび予め選択されたヌクレオチド残基の存在下で、前記オリゴヌクレオチドと前記核酸とがハイブリダイゼーションするときに、前記オリゴヌクレオチドおよび前記ジデオキシヌクレオチドは並列し、DNAポリメラーゼがそれらを共有的に連結することを可能にする;
(b)前記オリゴヌクレオチドおよび前記ジデオキシヌクレオチドの両方を含むポリメリゼーション産物の存在を検出し、そのようなポリメリゼーション産物の存在により、予め選択されたヌクレオチド残基が所定の位置に存在することが示されることとを含む方法を提供する。
【0128】
本発明はさらに、核酸内の種々の所定の位置において、予め選択されたヌクレオチド残基がそのような位置に存在しているかどうかを決定する方法であって、前記予め選択されたヌクレオチド残基は、別々の所定の位置において異なることができ、該方法は、それぞれ予め選択されたヌクレオチドがそれぞれの所定の位置に存在しているかどうかを、前記方法に従って決定することを含む方法を提供する。
【0129】
一つの実施例において、前記DNAポリメラーゼはサーモシーケナーゼである。
【0130】
本発明はさらに、前記方法であって、前記ジデオキシヌクレオチドは、ジデオキシアデノシン三リン酸、ジデオキシシチジン三リン酸、ジデオキシグアノシン三リン酸、ジデオキシチミジン三リン酸、およびジデオキシウリジン三リン酸からなる群から選択される方法を提供する。
【0131】
本発明はさらに、前記方法であって、前記オリゴヌクレオチドに付加された組成物は、所定の発光スペクトルを有し、この発光スペクトルを観察することによって、前記(b)におけるポリメリゼーション産物の存在を決定する方法を提供する。
【0132】
本発明はさらに、前記方法であって、前記所定の発光スペクトルの観察は、波長が200〜1000nmの放射線を用いて行われる方法を提供する。
【0133】
一つの実施例において、前記放射線の波長は488nmである。
【0134】
本発明はさらに、前記方法であって、前記所定の発光スペクトルの観察は、帯域幅が1〜50nmの放射線を用いて行われる方法を提供する。
【0135】
一つの実施例において、前記放射線の帯域幅は1nmである。
【0136】
本発明はさらに、前記方法であって、前記単離を可能にする部分は、ビオチン、ストレプトアビジン、フェニルボロン酸、サリチルヒドロキサム酸、抗体、または抗原を含む方法を提供する。
【0137】
本発明はさらに、前記方法であって、前記単離を可能にする部分は、リンカー分子を介して前記オリゴヌクレオチドに付加している方法を提供する。
【0138】
本発明はさらに、前記方法であって、前記単離を可能にする部分は、リンカー分子を介して前記ジデオキシヌクレオチドに付加している方法を提供する。
【0139】
本発明はさらに、前記方法であって、前記リンカー分子は化学的に切断可能である方法を提供する。
【0140】
本発明はさらに、前記方法であって、前記リンカー分子は、光学的に切断可能である方法を提供する。
【0141】
本発明はさらに、前記方法であって、前記リンカー分子は、
【化16】
Figure 2004508838
で示される構造を有する方法を提供する。
【0142】
本発明は、次に記載する実験の詳細からより深く理解されるであろう。しかしながら、ここで述べられた特定の方法と結果は、請求項により完全に記述された本発明の単なる実例であることが当業者には容易に理解されるであろう。
【0143】
【実験の詳細】
I.組合せ蛍光エネルギー移動タグの設計
<背景>
二つの発色団の間の光学的な相互作用は、それらが80オングストロームまで離れたときでも持続する。エネルギーの吸収量が高い発色団はドナーと定義され、エネルギーの吸収量が低い発色団はアクセプターと定義される。蛍光エネルギー移動は、発色団の間の双極子−双極子共役によって媒介され、励起されたドナー分子からアクセプターに励起エネルギーが共鳴移動する(Forster,1965)。Forsterは、エネルギー移動の効率は、二つの発色団の間の距離の6乗に反比例することを証明した。蛍光共鳴エネルギー移動は、生物学的構造の分光学的な物差しとして広く使用されており(Stryer,1978)、エネルギー移動をカップリングした直列フィコビリンタンパク質接合体は、固有の蛍光標識として広く応用されている(GlazerおよびStryer,1983)。エネルギー移動を利用し、且つ二重鎖DNAに高い親和性を有する一組のポリカチオンへテロ二量体フルオロフォアも開発され、複合蛍光標識処理において、モノマーフルオロフォアに勝る利点を提供している(Benson他,1993 ; Rye他,1993)。蛍光エネルギー移動原理を利用して、共通のドナーと四つの異なるアクセプターを使用した、四組のETプライマーおよびジデオキシヌクレオチドが作製され、これらはDNA配列決定において、および、複合ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づくマッピングおよびサイジング(sizing)方法において、単独の染料より著しく優れていた(Ju他, 1995, 1996)。
【0144】
本願は、多数の組合せ蛍光エネルギー移動(CFET)タグを開発するために、エネルギー移動および組合せの概念を用いて蛍光タグの蛍光発光信号をどのように調節するかを開示している。図1aにタグの模式的な構成を示す。表1にCFETタグの構成の代表的な例およびそれらの予測される蛍光信号を示す。CFETタグを構成する例として、3つの個別の蛍光染料、6−カルボキシフルオレセイン(FAMまたはF)、N,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMまたはT)、およびシアニン染料(Cy5またはC)を選択する。FAM、TAM、およびCy5の最大の蛍光発光はそれぞれ、525nm,580nm,および670nmである。スペーサーとして使われている化学的部分は、生体分子および他の関心のある標的を都合よく標識することを目標として、種々のCFETタグを構成するために選択され、モノマーを使用するのが便利である。他のスペーサー部分は、ヌクレオチド、ペプチド、および1´2´−ジデオキシリボースリン酸塩を含む。表1に示したように、タグ1はFAMのみから成り、その特徴的な蛍光信号を示している(λmax=525nm)。特有の蛍光信号を有するフルオロフォアならば、何れもFAMの代わりに使用できる。FAMをドナーとし、TAMをアクセプターとして、そのFAMおよびTAM発色団の間の距離Rを変化させることによって、CFETタグ2,3,4,および5を構成することができる。その原理は、ドナーとアクセプターの間の距離の変化は、エネルギー移動効率を変化させ、それ故、ドナー(FAM)とアクセプター(TAM)の蛍光発光強度の割合を変化させる、ということである。同様に、FAMをドナーとし、Cy5をアクセプターとして、CFETタグ6,7および8を作成することが出来る。3つの染料を用いて、即ち、FAMをドナーとし、TAMをFAMのアクセプターおよびCy5のドナーとし、Cy5を最終的なアクセプターとして、CFETタグ9および10を、距離「R1」および「R2」を操作することによって構成することができる。全てのCFETタグは一つのレーザー光源で励起することができ、それぞれのタグの発光信号を捕捉できる単純な検出器でもって分析できる。他の実施例において、4種以上の染料を使うことが出来る。あるいは、固有の蛍光信号を有するものならばただ一つの発色団を使うことも出来る。
【0145】
【表1】
Figure 2004508838
ドナーおよびアクセプター蛍光分子は、CFETタグの蛍光信号を調節するためのスペーサーとして都合の良い化学的部分を使用して隔てられる。そのようなスペーサー部分の例は、ヌクレオチド、ジデオキシリボースリン酸塩、およびアミノ酸を含む。3以上の異なる染料を含んだCFETタグを構成することは、個々の染料分子を、主鎖上の間隔をあけた特定の位置に導入するための合成方法を設計する必要があるため、より難解である。一例に、スペーサーとしてオリゴヌクレオチドを用いて、3つの染料を含んだCFETタグを構成することができる。配列
【化17】
Figure 2004508838
(SEQ ID NO:1)を有するオリゴヌクレオチドを、FAM、TAM、およびCy5を共有的に結合する骨格として選択した。FAMは6−FAM−dTホスホラミダイトを使って導入し、TAMはTAM−dT(Glen Research, Sterling, VA)を使って導入する。そして、C−5の位置にアミノリンカーを有する修飾されたT(Glen Research)がオリゴヌクレオチドに組み込まれ、次いでこれはCy5−N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルに連結される。最終産物はサイズ排除クロマトグラフィーおよびゲル電気泳動によって精製する。図1に、FAM、TAM、およびCy5を含むCFETタグ F−4−T−6−C(数字は、間隔をとるヌクレオチドの数を表す)を構成する代表的な反応を示す。FAMとTAM、およびTAMとCy5の間隔を変化させることによって、タグ9および10に対応する蛍光信号を有する二つのCFETタグ、F−4−T−6−CおよびF−7−T−3−Cを、図2に示すように構成した。F−4−T−6−Cの紫外/可視吸収スペクトル(図2B)は、F−4−T−6−CおよびF−7−T−3−Cの蛍光発光スペクトル(図2Cおよび2D)と同様に、488nm(1xトリス−ボレート−エチレンジアミンテトラ酢酸(TBE)溶液)で励起を示している。UV/可視スペクトルにおいて、FAMは495nmで、TAMは555nmで、そしてCy5は649nmで特徴的な吸収を示す(図2B)。F−4−T−6−Cの蛍光発光スペクトルは、Cy5が最高で、次がTAM、そしてFAMが最低の蛍光信号を示す。一方F−7−T−3−CはFAMが最高で、次がTAM、そしてCy5が最低の蛍光信号を示す。この二つの蛍光信号は明らかに異なっており、分光法によって容易に識別可能である。ここから、3つの異なる染料を含んだCFETアプローチの可能性が明らかに実証される。
【0146】
CFETタグの広範なファミリーが合成可能なことは明白である。CFETタグを構成する合成アプローチの二つの例、即ち、(1)DNA合成機で構築可能なオリゴヌクレオチドプライマーを、標識するために使用する染料を隔てるためのスペーサーとして1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩モノマーを使用するアプローチ、(2)他の何れの分子標的でも標識化するCFETカセットを構築するために、強固なペプチドリンカーを使用するアプローチが示される。
【0147】
この第1の例を図3Aに示す。所望のプライマー配列の5´末端において、1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩(S)によって形成されたポリマーリンカー(SSS…SSSS)は、ETが結合したフルオロフォアが結合できるユニバーサルスペーサーを形成し、これにより、ETカセットを提供する。1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩は、5´−ジメトキシトリチル−1´,2´−ジデオキシリボース−3´−[(2−シアノエチル)−(N,N−ジイソプロピル)]−フォスフォルアミダイト(dSpacer CE phosphoramidite,Glen Research, Sterling, VA)を用いて導入することができる。dSpacer CEフォスフォルアミダイトは従来、DNA配列解析プライマーを構成するために使用されてきた(Ju他、1996)。このCFETタグの構成においては、FAMを共通のドナーとして用いる。二つの異なる蛍光染料から成るCFETタグにおいて、TAMもCy5もアクセプターとして使用することができ、CFETタグが3つの異なる蛍光染料から成る場合も、TAMはCy5のドナーとして使用することができる。各ドナー/アクセプター対の間の間隔の長さは、表1に示したような予測される蛍光信号を達成するために、組織的に変化することができる。FAMおよびTAMは、フォスフォルアミダイトFAM−dTおよびTAM−dTを用いて導入することができ、Cy5は上述したようにアミノリンカーを保有する修飾されたTに導入することができる。そのようなスペーサーを使用することは、次のいくつかの面において有利である。(i)スペーサーはDNAテンプレート内の何れの配列ともハイブリダイズせず、それ故誤ったプライミングが避けられる。(ii)スペーサーのリンクは天然の核酸リン酸塩官能基を維持し、電気泳動の移動度に起こりうる異常を避けることができる。および(iii)スペーサー中のデオキシリボース環の芳香族塩基群を排除することにより、蛍光が消光する可能性を減少できる。
【0148】
第2の合成アプローチには、CFETタグを作成するための高度に複雑な選択的合成化学方法が必要である。例として、図3Bに、ポリプロリン(P)ペプチドをスペーサーとして使用したCFETデオキシウリジン三リン酸(dUTP)の構成の一般的な模式図を示す。それぞれのドナー/アクセプター対の間隔は、表1に示したような予測される蛍光信号を達成するために、組織的に変化させることができる。図4に、Fam,Tam,およびCy5から成るCFET−dUTPの合成の模式図を示す。tert−ブチルカルボニル(t−Boc)化学を使ったペプチド合成方法は、所望の分子の骨格を構成するためのペプチド合成において使用される。C−末端としてのグリシン樹脂で開始し、FAM(Fam−プロリン)でタグをつけられた修飾プロリンをグリシンに結合し、それからプロリンモノマーを付加し、続いて、後でTamを取り込むために保護された一級アミノリンカー(TFA−NH−プロリン)を有するもう一つの修飾プロリンと反応させる。次に、プロリンスペーサーを再び付加し、続いて、後でCy5を取り込むためのアジド−プロリンと反応させる。樹脂から切断しトリフルオロアセチル基を取り除いた後、図4の化合物1が得られる。化合物1は、TAM−NHSエステルと反応して化合物2を形成し、そして化合物2はCy5−フォスフィン(3)と反応して、3つの染料すべてを取り込んだ化合物4を生成する。Cy5−フォスフィン(3)は、Bertozziによって開発された、修正シュタウディンガー反応(SaxonおよびBertozzi, 2000)によって合成することが出来る。化合物4をNHSエステルへ転換し、化合物5を生成する。そして化合物5は、アミノアリル(AA)−dUTP(シグマ)と結合して最終産物CFET−dUTPを生成する。FamとTam、およびTamとCy5の間のプロリンスペーサーの数を変化させることによって、固有の蛍光信号を有するCFET−dUTPのライブラリを開発することができる。中間体2,4,5および最終産物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、サイズ排除クロマトグラフィーおよびゲル電気泳動で精製することができる。図5に、AA−dUTP、Fam−プロリン、および、TAMおよびCy5のNHSエステルの構造を示す。図6に、トリフルオロアセチック(TFA)−NH−プロリン、Fam−プロリン、アジド−プロリン、およびCy5−フォスフィンの簡単な合成図式を示す。図7に、合成された8つのCFETタグに固有の蛍光信号を示す。
【0149】
II.組合せエネルギー移動タグのバイオメディカルへの応用
DNAの配列を正確に且つ迅速に決定する能力は、生物学および医学に大変革を起こしている。広範なヒトゲノムプロジェクトが統合することにより、高処理量遺伝子解析技術は指数関数的に発展している。生物学、化学、コンピューター科学、および工学を含む科学技術のこの急速な発展により、一つずつの遺伝子を研究することから、ゲノム全体を分析し比較できるアプローチに移行することが可能になる。
【0150】
高度に複雑な技術は、大規模なゲノムの解剖を可能にする。例えば、大規模伸長(100万塩基に至る)のDNAを保持および複製できるクローニングベクターの開発によって、ヒトの、フィジカルマップと呼ばれるものを含む、高度に研究された多くの生物体の殆どの染色体の全長に及ぶクローンライブラリーが作成された。個人個人のヒトゲノムで異なる配列マーカーを認識することは、遺伝子病を有する家族においてそれらを追跡することを可能にした。マーカーがその病気の表現型と同時分離する場合、そのマーカーはその病気の原因である遺伝子の近傍にあることが確実である。自動的に配列解析する方法は、ゲノムの全化学組成をかつてない速さで得ることを可能にした。そして、計算的なアプローチからこれらの配列の解釈がされ始め、染色体に含まれる遺伝子や他の要素の同定を可能にした。遺伝子の発現は、ノーザンブロット解析技術によって一度に少数の遺伝子を解析する段階から、ガラススライド上で、またはシリコンチップ上で、これらの遺伝子の広範なマイクロアレイを作成する段階に移行した(Schena 他,1995、 Chee他, 1996)。一塩基多型(SNPs)(ChenおよびKwok,1997)、DNAと蛋白質、および蛋白質と蛋白質の相互作用(Uetz他、2000)、および、代謝メンバー、信号伝達および他の経路を同定する方法も開発されている。これら全ての進展は、診断、予測、または治療の選択肢を確立する医学的なおよび臨床的な調査を大変革する可能性を有している。
【0151】
言及された多くのゲノム技術が、新規の分子タグ、特に蛍光染料分子を使用することで利益を得ることは注目に値する。DNA配列解析は、この技術の影響を評価するための良い例として貢献する。MaxamとGilbert(1977)による化学的切断アプローチの開発、および、Sanger他(1977)によるジデオキシヌクレオチドターミネーターアプローチの開発によって、1970年代後半にDNA配列を得ることが可能になったが、自動化および蛍光標識方法を受け入れたのは殆ど後者であった。過去15年における急速な進展において、一つの配列解析レーンに4つの染料を使う能力(DNA中の4つの塩基のそれぞれについて一つ)(Smith他,1986)、熱安定性酵素を用いたサイクルシークエンシングを使用する能力(Tabor他,1995)、より高い信号を生成するエネルギー移動染料の開発(Ju他,1995、Lee他,1997)、およびより最近では、ポリアクリルアミドスラブゲル上の近接するレーンの代わりに分離キャピラリーチューブで長い配列を解読する能力が、配列解析をますます強固なものにしてきた。小型化および固相アプローチを含めた配列解析技術におけるさらなる改良は、エネルギー移動(ET)および他の新規の蛍光タグを利用して続けられるであろう(Ju他,1997)。研究者達は、マイクロアレイ上での遺伝子発現の研究のためにET染料を利用している(Hacia他,1998)。これら全てのアプローチは、各反応に対してドナーおよびアクセプター染料が一対ずつに制限されていると考えられている。ここに記述したCFETアプローチは、一つ、二つまたはそれ以上の染料をお互いに様々な分子距離で配列し、多くの新しい別々の信号を生成することで、これらのゲノムアプローチの多くが10倍高い処理量を得る可能性を提供する。遺伝子変異および染色体の分析は、これらのCFETタグをバイオメディカルに応用した二つの例である。CFETタグを、単独の蛍光タグと、および/またはFETが起こらない複合染料タグと組合せて使用することで、可能な固有の蛍光信号の数(それ故、例えば同時に検出可能なSNPsの数)は非常に増大する。
【0152】
遺伝子の変異は、多くのヒトの病気の発症に重要な役割を果たす。ミスセンス突然変異(一塩基の置換は通常、アミノ酸を変化させるか、または切断された蛋白質を導くストップコドンを導入する)、微小欠失および微小挿入(どちらもリーディングフレームを変化させ、通常は蛋白質の切断を導く)は、その病気の原因となる遺伝子の長さに従って多くの場所で起こりうることが、だんだん明らかに成ってきた。多くの研究者が、多くの癌およびその他の病気の原因となる突然変異および素因となる遺伝子多型を同定しようとしてきた。これらには、慢性的リンパ性白血病および他の血液癌(Kalachikov他,1997;Qu他,1998)、長QT(long QT)症候群(心電図で見ることができる心臓のイオン障害であり、突発性心臓死の重要な危険要因である)、乳癌(Fischer他,1996)、稀なICF(rare ICF)症候群(免疫欠損/動原体性の不安定性/顔面の変態)(Xu他,1999)、およびさらに最近は、喘息および糖尿病のような複合障害のようなものが含まれる。
【0153】
上述した小さい変異のタイプ、および、平均1000ヌクレオチド毎に起こる一塩基多型を例外にすると、ヒトゲノム二倍体を構成する60億のヌクレオチド対は、個人個人で殆ど同一である。それにも関わらず、大幅な欠損と増幅と再編が起こり、そのような染色体異常はしばしば、重大で命に関わる病気と関連している。最もよく知られた例は恐らく、ダウン症候群の人々の染色体21の3番目のコピーであるが、他の多くの染色体の転座および微小欠損は、癌および他の病気症候群と関わりがある。もし識別可能な「カラーコード」プローブで染色体に沿ってその位置を標識できたら、そのような大規模な染色体地図の変化を容易に検出できるであろう。実際、染色体のペインティング(多色蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(M−FISH))分野は、ちょうどそのような分析に使用されている(Speicher他,1996)。さらに容易に分離可能な、より大きな組のCFETタグ信号は、この計画における大きな助けになるだろう。この確立された染色体ペインティング技術は、標識化に先立って異なる染料の適切な混合が必要であり、従って、殆ど全染色体を標識化するためにのみ使用される。
【0154】
III.リガーゼ連鎖反応を用いた複合遺伝子変異検出のためのCFETタグ
リガーゼ連鎖反応(LCR)は、リガーゼおよびオリゴヌクレオチド対を用いた遺伝子変異分析のための方法である(Eggerding, 1995; WuおよびWallace,1989;Landegren他,1988)。手短に言えば、その方法は、二つの隣接するオリゴヌクレオチドは、隣接する塩基がテンプレート鎖と相補的である場合にのみ結合できるという事実に基づいている。結合サイトの二つの塩基のうち一塩基に違いがあれば、ライゲーションは起こらない。オリゴヌクレオチドの対は、野生型または変異型の塩基を有するテンプレートDNAのライゲーションサイトにまたがって設計されている。通常の方法では、オリゴヌクレオチドはその5´末端のリン酸塩基を放射標識される。変性、プライマーとのアニーリング、およびライゲーションの多段階を含むリガーゼ連鎖反応に続いて、ポリアクリルアミドゲルで生産物を媒体から分離できる。この手順は、CFETタグを使用した試験のために、図8に示す一本鎖DNAテンプレートを使って変更することができる。プライマー対は変異の可能性のある塩基を囲んで形成される。例えば、そのテンプレートは関連する位置にT(野生型、wt)またはC(変異型、mut)を含んでいる。wtプライマーはwtテンプレートと全ての位置で相補的である。図8Aの右側のプライマーはCFETタグ1で標識されており、特定の蛍光信号を発する。変異を特定するプライマーは、野生型の類似物より二塩基分長く、変異型テンプレートの全ての位置に相補的である。このプライマーは、もう一つの固有の蛍光信号を表すCFETタグ2で標識されている。共通の20塩基対プライマーが、もう一方のライゲーションサイトに使用される。ライゲーションが起こらないのは、野生型用のオリゴヌクレオチドが変異型のテンプレート配列と共に使用されているか、または変異型用のオリゴヌクレオチドが野生型のテンプレート配列と共に使用されているためで、アクリルアミドゲル上で唯一の蛍光バンドが、タグを付けられたプライマーのサイズに出現する。反対に、ライゲーション結合点のミスマッチがない場合、二つの蛍光バンドが、一つはプライマーのサイズに、一つは接合したプライマーが形成するサイズに出現する。リガーゼ連鎖反応に続いて、左および右のプライマーは、それらが完全にテンプレートに相補的である場合にのみ連結される。従って、図8に示すように、wtテンプレートからは40塩基産物のみが、またmutテンプレートからは42塩基産物のみが生成する。CFETタグに固有の蛍光発光信号によって、いくつかの変異位置を同時に、それぞれ異なるCFETタグで標識された産物を示すことが可能である。連結された産物は一つのゲルレーンで分離し分析することができる。これを達成するため、潜在的に変異位置を含むオリゴヌクレオチドの複合セットを、それぞれ特定のCFETタグとともに5´末端標識に使うことができる。例えば、8つの異なるCFETタグを用いて4つの異なる変異サイトを試験することができる。
【0155】
表2に示すように、8つの固有のCFETタグ(表1の1,2,3,4,5,6,9および10)で標識された8つのプライマーを、1´,2´−ジデオキシ糖リン酸塩(S)をスペーサーとして使用して、図3Aの一般的な標識化図式のように構成することができる。このCFETタグセットの構成では、FAMを共通のドナーとして、TAMおよび/またはCy5をアクセプターとして使用する。それぞれのドナー/アクセプター対の間隔の長さ、(S)および(s)は、表1に描写したような予測した蛍光信号を達成するために、組織的に変化させることができる。FAMおよびTAMはFAM−dTおよびTAM−dTフォスフォルアミダイトを使って導入することができ、Cy5は上述したアミノリンカーを保有する修飾されたTに導入することができる。
【0156】
このシステムは例えば、網膜芽細胞腫感受性(RB1)遺伝子(Schubert他,1994、Lohmann,1999)のエキソン20の周知の一塩基変異を模した一本鎖DNAを合成することによって試験することができる。分析に使用できる合成テンプレート(wtおよびmut)の二組の配列を表3に示す。変異の可能性がある位置の配列は、太字で「A」、「C」、「G」および「T」を示す。表2のプライマーセット1および2は、テンプレートAの野生型と変異塩基の位置の両方の試験にそれぞれ使用され、一方プライマーセット3および4はテンプレートBの野生型および変異塩基の位置の試験にそれぞれ使用される。ポリアクリルアミドゲルで検出可能なサンプル数を最大にするために、それぞれの「変異」位置を囲むプライマーは図9に示す固有の長さで設計することができる。例えば、変異位置1を囲む、CFET標識された二つのオリゴヌクレオチド(一つは野生型遺伝子用で、一つは変異型遺伝子用)は、それぞれ20および22塩基長であり、標識されていない共通プライマーは20塩基長である。その結果のライゲーション産物は、何れも40または42塩基長である。同様に、変異位置2のための、24および26塩基長の標識されたオリゴヌクレオチドが構成され、異なる20塩基長の共通プライマーが構成され、44または46塩基のいずれかのライゲーション産物が導かれる。さらなるプライマーはもちろん、それぞれ別々の変異に対して一つの塩基のかわりに二つの塩基を追加してサイズを増大することにより、あるいは、ライゲーション産物が80から98塩基対、120から138塩基対またはその他の塩基対になるような、標識化された第2のプライマーセットを作ることにより、生成することができる。400bpまでの長さのDNA断片の一つの塩基対の分離能はポリアクリルアミドゲル電気泳動で容易に達成されるので、ライゲーション産物はそのような標準の蛍光ゲルシステムで容易に分離することができる。さらにその上、その産物をそれらの蛍光信号に基づいて明瞭に分けることができる利点は、サイズによる利点と同様に、この分析をきわめて有力にする。この複合試験システムの排除ゲル電気泳動の結果を図9の右側に示す。ここで、テンプレートコレクション1はwt配列のみを含み、反対に、テンプレートプール2は位置2に変異型の一つのテンプレートを、そして位置4にヘテロ接合体遺伝子型を含むと考えられる。
【0157】
【表2】
Figure 2004508838
【表3】
Figure 2004508838
IV.全染色体分析のためのCFETタグ標識プローブ
ランダムプライムドラベリング方法(random primed labeling method)により、染色体に特異的なDNA分子または任意の染色体の長さにあわせて処理されたコスミドに、CFET−dUTPを組み入れるためのプローブを生成することができる。新鮮な細胞に広がった分裂中期または脱パラフィン化された(deparaffinized)物質は標準的な方法論により準備されることができ、タグを付されたプローブは染色体にハイブリダイズすることができる。二つの別々の蛍光分子から成る嵩高いET染料は、長いリンカーを有する染料と同様に、DNAポリメラーゼの良い基質となることが示されているデオキシヌクレオチド(dNTPs)およびジデオキシヌクレオチド(ddNTPs)に結合している(Rosenblum他,1997、Zhu他,1994)。従って、CFET−dUTPは、ポリメラーゼ反応によって伸長中の鎖に取り込まれることができるはずである。実際のランダムプライミング反応では、デオキシチミン三リン酸(dTTP)およびCFET−dUTPの一定の割合は調節可能であるので、適当な方法によって検出されるのに十分な、CFET−dUTPの小部分だけが伸長中の鎖に取り込まれる。
【0158】
数量的なおよび構造的な染色体の再配列は、ヒトの死亡率および罹患率の主な原因である。全染色体の異数性により、初期胚の死亡率の少なくとも50%が説明され、ダウン症候群のような重症な先天性の奇形パターンも誘導する。欠損および重複による部分的な異数性もまた、多くの型の癌と関係しているほかに、奇形症候群を誘導する。
【0159】
伝統的な細胞遺伝学の分析は、標準的な結合分析に固有する分離能と解析における問題のために妨害される。ここ10年間に、静止期の核に加えて、染色体標本の蛍光標識DNAプローブの使用は、細胞学的診断の解析能と正確さを大きく改善した。バンド形成によって光学顕微鏡で見るには小さすぎる微小欠失および増幅は、今では染色体および領域に特異的な蛍光化標識プローブを用いて可視化することができる。このシステムは、異なる蛍光で標識されたプローブを組合せることで複合化することが可能である。異なる標識をされたプローブの5つまでのセットは、出生前のサンプルの異数性を決定するために静止期の核を診断する目的で使用されている(Munne他,1998)。コンピュータイメージソフトウェアを用いて目立たせるために、M−FISHおよびスペクトル核型分析はヒト染色体の全23対を「ペイント」する5つの染料の組合せアプローチを使用する(Schrock他,1996、Speicher他,1996)。しかしながら、これらの確立された技術は、調製された割合で染料の混合を慎重に行わなければならない。品質管理はしばしば問題であり、そして商業的に利用するプローブは非常に高価である。
【0160】
CFETタグは、現在利用されている染料のセットに対して実質的に有利な点を持つことを期待されている。より多数のCFETタグのセットを形成し、組合せアプローチの必要性を減少することは可能である。それぞれのプローブは一つのタグのみで標識されればよく、プローブセットは多色FISH試薬を生成するために等量で混合されることができるので、品質管理もより容易になりやすい。
【0161】
CFETタグは例えば、静止期の核の異数性の検出、および超顕微鏡的な染色体欠損および増幅の検出の両方のために使用されることができた。異数性の検出のため、例えば、8つの異なるCFETタグで標識されたプローブを用意することができ、それぞれ、最も一般的には胚芽欠損または誕生欠陥のいずれかの異数性を含む染色体(染色体13,15,16,18,21,22、XおよびY)のうちの一つに特異的である。
【0162】
取得または欠損した遺伝物質の、包括的な全染色体分析の手順を模式的に図10に示す。この例では、固有の蛍光信号を発光するCFET−dUTPでそれぞれ標識された8つのプローブが、染色体の8つの離れた位置にそってハイブリダイズする。通常の染色体Aは、各プローブの8つの固有の蛍光信号を定義された順で表示する。染色体Bの蛍光信号「2」の欠損は、プローブ2の相補的配列の欠損で表示される。他方の染色体Cでは、信号「3」が二つ存在することから、プローブ3の相補的配列が重複していることが示される。
【0163】
コスミドおよび染色体に沿って2〜3Mbおきにあるビスアクリロイルシスタミン(BAC)マーカーの標準的なセットは、国立癌研究所が支援するプロジェクト、癌染色体異常プロジェクト(CCAP:webpage www.ncbi.nlm.gov/ ncicgap/)を含めた幾つかの研究室で開発されている。特定の染色体領域に特異的な、異なるCFET標識が順に並んだプローブのセットを用意することができる。FISHを使って、欠損であるか、またはそうと思われる範囲を決定することができる。
【0164】
V.他の多成分分析におけるCFETタグの使用
本願において開示する固有の蛍光信号を有するCFETタグは、これらの開示に加えて、多成分分析を含めた他の応用にも有用である。さらなる応用は、結合分析および免疫分析を含む複合分析(multiplex assay)、微生物病原体の検出、生体分子の複雑な反応のモニタリング、薬または化合物のスクリーニング、エピトープマッピング、アレルギーのスクリーニング、および有機化合物との使用、および物質科学における使用、を含む複数の分析を含むが、これに限定されない。例えば、複雑な反応あるいは相互作用を同時に測定でき、このとき、それぞれ異なる蛍光信号を有する複数のCFETタグは、例えば、抗体、抗原、リガンド、または基質を含む異なる反応物を標識するのに使用される。その例は、抗体と抗原の、およびレセプターとリガンドの結合を含む。さらなる例において、異なる反応物は微粒子と結合できる。
【0165】
VI.複数の一塩基多型を同定するライゲーション分析に使用されるCFETタグ
生物学的分析の応用例として、腫瘍サプレッサー網膜芽細胞腫(RB1)遺伝子のエキソン20上の遺伝子変異を検出するため、固相精製と組み合せたオリゴヌクレオチドライゲーション分析(Landegren,1988)にCFETタグを適用した。図11にこの応用の模式図を示す。二つの20塩基対のオリゴヌクレオチドは、一方はその5´末端をCFETタグで標識され、他方はその3´末端をビオチンで、その5´末端を一リン酸塩(P)基で標識されており、CFETで標識されたオリゴヌクレオチドの3´末端がビオチンで標識されたオリゴヌクレオチドの5´末端の隣に位置するような標的DNAテンプレートとハイブリダイズする。Taq DNAリガーゼは、二つの並列したオリゴヌクレオチドを、リン酸エステル結合を形成して頭−尾様式で結合し、二つのオリゴヌクレオチドのライゲーション接合点におけるヌクレオチドがテンプレートと正確な塩基対を形成するようにする(Barany,1991)。Taq DNAリガーゼを使った実験条件下において、CFETで標識されたプローブの3´末端(図11のヌクレオチドAおよびC)と標的テンプレートのSNPサイト(図11のヌクレオチドTおよびG)がミスマッチである場合、ライゲーション反応は起こらない。ライゲーションの後、CFETで標識されたライゲーション産物(40塩基対)は、ストレプトアビジンで被膜されたマグネチックビーズに固定化され、一方他の化合物は洗い流される。その後、そのライゲーション産物は、ホルムアミドでビオチンとストレプトアビジンの相互作用を変性させることによってマグネチックビーズから切断し、3色蛍光CAEシステムで分析する。CFETで標識されたライゲーション産物は、図12に示すように、特徴的な移動度のため、および電気泳動図における固有の蛍光信号のために明瞭に検出される。このSNPサイトにおける異種接合体の場合、異なる蛍光信号と電気泳動の移動度を有する二つのCFETタグは、それぞれの対立遺伝子に対応するオリゴヌクレオチドを標識するために使われる。電気泳動図における固有の蛍光信号はそれ故、それぞれの対応するSNPsであると確認される。この固相方法は、結合していないCFET標識オリゴヌクレオチドを完全に排除する。結合していない20塩基対のビオチン標識オリゴヌクレオチドはマグネチックビーズに捕捉されるが、CFETタグがないために蛍光信号を発生しない。本願のCFETタグライブラリーは、標的DNAテンプレート上の複数のSNPsを同時に検出する。
【0166】
腫瘍サプレッサーRB1遺伝子のエキソン20(Schubert,1994)を、CFETタグの有用性を試験するモデルシステムとして選択した。RB1遺伝子の200塩基対の領域内に幾つかのSNPsが発見されており、それは遺伝的変異分析システムの評価に適当である。複数のSNPs(6種のヌクレオチド)が位置するRB1遺伝子のエキソン20を擬態した合成テンプレート上で、6つの異なるCFETタグを使った6つのライゲーション反応を別々に実行した。ライゲーションおよび固相精製の後、ライゲーション産物はシングルチューブに連結し、3色CAEで分析し、CFET標識ライゲーション産物の固有の蛍光信号によって、6つのヌクレオチドの差異を同時に検出する(図12参照)。固有の蛍光信号は、CFET標識ライゲーション産物の移動度が異なる結果、電気泳動図において空間的に分離した。このモデル実験では、CFET−1(FAM)およびCFET−6(F−10−Cy5)の両方がホモ接合型SNPs(T/T)と検出された。CEFT−3(F−9−T)およびCFET−4(F−13−T)は、野生型(C)および変異型(T)の両方を検出することによって、RB1遺伝子変異型R661W(コドン661の変異のためにアミノ酸がアルギニンからトリプトファンに変化する)の擬態を明瞭に識別する。CFET−7(F−4−T−6−Cy5)およびCFET−8(F−7−T−7−Cy5)は、もう一つの変異Q685P(コドン685の変異のため、アミノ酸がグルタミンからプロリンに変化する)をヘテロ接合型遺伝子型(A/C)であると識別する。CFET技術をさらに確証するために、患者のゲノムDNAのRB1遺伝子のエキソン20から増幅したPCR産物を使って、3つのSNPsを確認するための、3つのCFET標識オリゴヌクレオチドプローブ(CFET−1,3および7)と、それらに対応するビオチン標識オリゴヌクレオチドを使った。ライゲーション反応は、シングルチューブで行い、反応産物は3色CAFシステムにロードした。DNA配列解析によって検証された3つの個別のホモ接合型SNPs(T,CおよびA)は、CFETタグ(図12B):T(FAM、CFET−1)、C(F−9−T、CFET−3)、およびA(F−4−T−6−Cy5、CFET−7)からの3つの異なる蛍光信号によって明瞭に識別された。従って、ここに述べたアプローチは、固有のCFET蛍光信号と電気泳動図中の移動度のために、ヘテロ接合型およびホモ接合型の両方を検出可能である。
【0167】
ビオチン以外に、他の単離を可能にする部分を単離する際の制御可能なレベルを上昇するために、フェニルボロン酸のようなものを使ってもよい。切断可能なリンカー分子を介した部分の結合は、この制御可能性をさらにいっそう増強する。
【0168】
VII.複数の一塩基多型を識別するための一塩基プライマー伸長に使われるCFETタグ
それぞれの染料標識プライマーの一塩基伸長は、0.5〜1pmolのプライマーと1pmolのテンプレートを混合して行われ、続いて2μlのサーモシーケナーゼ10xリアクションバッファー(260mM Tris−HCl, 65mM MgCl,pH9.5、Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ)、5μのl水、1pmolのビオチン化ジデオキシヌクレオシド三リン酸(ビオチン−11−ddNTP、NEN, Boston, MA )および20mM Tris−HCl中のサーモシーケナーゼ1ユニット、pH8.5、50%グリセロール、0.1mMエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、0.5%TweenTM−20(v/v)、0.5%NonidetTM P−40(v/v)、1mM ジチオスレイトール(DTT)、100mM KClおよび0.053ユニット/μl サーモプラスマアシドフィルム無機性ピロホスファターゼ(Amersham Pharmacia Biotech)を添加する。この反応混合物は54℃で30秒インキュベートして一塩基伸長する。
【0169】
図13に、CFETタグおよびビオチン標識ジデオキシヌクレオチドを使った複合SNPs検出の模式図を示す。この例で、プライマーの3´末端とテンプレートがマッチした場合(プライマー1ではXとY、プライマー2ではX´とY´)、DNAポリメラーゼの存在下で、プライマーの伸長はddCTP−ビオチン(プライマー1のための)およびddGTP−ビオチン(プライマー2のための)によって開始される。この伸長産物は、ストレプトアビジンで被膜されたマグネチックビーズを用いて単離する。変性し、洗浄しビーズから放出させて、伸長産物を電気泳動システムにロードし、そしてその結果の電気泳動図の蛍光信号をそれぞれの固有のSNPsに識別する。従って、CFET標識オリゴヌクレオチド、DNAポリメラーゼおよびビオチン標識ジデオキシヌクレオチドは、高フィデリティーSNP検出システムを形成し、これにおいてオリゴヌクレオチドの3´末端塩基は、特異的なビオチン標識オリゴヌクレオチドを取り込むことによって伸長する。使用したCFETタグは、F、F−9−TおよびF−13−Tであった。それらの固有の蛍光信号を図14および15に示す。
【0170】
VIII.高処理量分析
CFETタグを使用することによって提供される複合分析の処理量は、図16に示す高処理量チャンバーで分析することによって上昇できる。
【0171】
IX.非−FETタグとの組合せ
何れのセットでも使用可能な、異なる固有の蛍光信号の数を増やすため、CFETタグは、FETが起こらない場合に一つのクロモフォア/フルオロフォアタグおよび複数のクロモフォア/フルオロフォアタグと組合せて使用することができる。そのような組合せを使った異なる蛍光信号の可能な数は大きく、複合分析に非常に役立つと考えられる。そのようなフルオロフォアは量子ドット、蛍光染料のルミネッセント分子でありうる。例えば、それぞれのタグは、例証のための分析に使った異なるSNPの検出に使うことができる。
【0172】
【参照文献】
Figure 2004508838
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[配列表]
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【図面の簡単な説明】
【図1A】
リンカーに結合した複数の発色団集合の模式図。一般に、1からnの発色団が、図のようにスペーサーによって隔てられた発色団に結合し、集合することが出来る。発色団は、蛍光染料、量子ドット、またはテルビウムキレートのようなルミネッセント分子であることができるが、これに限定されない。ヌクレオチド、ペプチド、1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩で形成されたポリマーリンカー、または他の化学部分のようなものを用いた様々なスペーサーを使用することができる。ここで示した集合標識は、複合生物学的分析のために、核酸、蛋白質または細胞、その他として設計されたリンカーに結合する。
【図1B】
F−4−T−6−Cの合成。F−4−T−6−Cの数字は、染料FとT、およびTとCの間の骨格中にある、間隔をあけるためのヌクレオチドの数を表す。FはFam、TはTam、Cはシアニン5単官能性染料である。
【図2】
タグF−4−T−6−CおよびF−7−T−3−Cの分光学的データ。
(A)3つの染料F,TおよびCの間の間隔を変化することで構成した、異なる蛍光信号を有する二つのタグ。
(B)染料F−4−T−6−Cの紫外/可視(UV/vis)吸収スペクトル。
(C)染料F−4−T−6−Cの蛍光発光スペクトル。
(D)染料F−7−T−3−Cの蛍光発光スペクトル。
FはFam、TはTam、CはCy5である。
【図3】
CFETプライマーおよびCFET−dUTPsを構成する標識化アプローチの模式図。染料間のスペーサーは、(A)では1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩(S)であり、(B)ではプロリン(P)である。「m」および「n」は、スペーサー中の分子の数である。dUTPはデオキシウリジン三リン酸である。
【図4】
CFET−dTUPの合成。CFETタグは、3つの異なる蛍光染料、Fam,TamおよびCy5を含む。
【図5】
アミノアリル(AA)−dUTP、Fam−プロリン、および、TAMおよびCy5のN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルの構造。
【図6】
Fam−プロリン、アジド−プロリンおよびCy5−フォスフィンを調製する合成の模式図。TMSCIはトリメチルシリルクロニドである。
【図7】
3色CAEシステムで発生した、8つのCFETタグに固有の蛍光信号。FAMチャネル(520±20nm、点線)、TAMチャネル(585±20nm、細線)、Cy5チャネル(670±20nm、太線)。3つのチャネル[点線:細線:太線]のそれぞれのCFETタグの蛍光信号の計数率は括弧中に表示する。電気泳動図の蛍光信号は、488nmの励起によって、および8つのCFET標識オリゴヌクレオチドを3色CAEシステムへ電気動態学的に注入することによって得られた。
【図8】
一塩基変異の可能性を含む位置の遺伝子型を決定するための、リガーゼ連鎖反応を用いた図式。
(A)プライマー対は変異の可能性がある塩基を囲んで形成される。野生型プライマーは一つのCFETタグ(タグ1)で標識され、変異特異性プライマーはもう一つのCFETタグ(タグ2)で標識される。
(B)続いてゲル電気泳動を行い、結合したプライマー対と取り込まれなかったプライマーを分離する。テンプレートが野生型か変異型かによって、ゲル上に異なるバンドが出現する。
【図9】
8つの固有のCFETタグおよびリガーゼ連鎖反応を用いた、Rb1遺伝子の4つの変異潜在サイトのスクリーニングから予測される結果の模式図。ライゲーション産物のみがゲル上に示される。
【図10】
大幅な欠損および増幅を検出する染色体研究の模式図。
【図11】
ハイブリダイズしたCFET標識およびビオチン標識オリゴヌクレオチドのライゲーションを介した、複合SNP検出方法の模式図。Taq DNAリガーゼは、二つのハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドの間のニックを、そのライゲーション接合点のヌクレオチドがテンプレートと正しい塩基対である場合に封鎖する(AとT;CとG)。CFET標識化、ビオチン標識化したライゲーション産物はその後、ストレプトアビジンで被膜したビーズを用いて単離する。洗浄後、マグネチックビーズから放出させ、そのライゲーション産物を3色CAEシステムに電気動態学的に注入する。固有のSNPを同定するそれぞれのCFET標識ライゲーション産物は、CAE電気泳動図において、その個々に異なる移動度と蛍光信号のために明確に検出される。
【図12】
RB1のエキソン20をSNPs同定するためのCFET標識ライゲーション産物の電気泳動図。(A)合成DNAテンプレートから検出した6つのヌクレオチドの差異。FAM(T)およびF−10−Cy5(T)のピークは、同じテンプレートの二つの異なる位置から検出された。F−9−T(C)およびF−13−T(T)のピークは、DNAテンプレートの同じ部位から変異を示したが、F−4−T−6−Cy5(A)およびF−7−T−7−Cy5(C)のピークはもう一つのDNAテンプレートの同じ位置から変異を検出した。(B)RB1のPCR産物から検出した3つのホモ接合遺伝子型(T,CおよびA)。
【図13】
染料標識化プライマーおよびビオチン標識化ジデオキシヌクレオシド三リン酸(ddNTP−ビオチン)を用いた複合SNP検出のための一塩基プライマー伸長の模式図。多型サイトを含んだDNAテンプレートは、多型サイトに隣接する位置のテンプレートにハイブリダイズする染料標識化プライマー、ddNTP−ビオチンおよびサーモシーケナーゼと共にインキュベートする。反応および精製の最後に、プライマー伸長産物の蛍光信号を分析する。
【図14】
染料で標識化した伸長産物に固有する3つの蛍光信号。FAMチャネル(明線)およびTAMチャネル(暗線)。電気泳動図の蛍光信号は、488nmの励起および染料標識化プライマーの一塩基伸長によって得られる。二つの検出チャネルのそれぞれの蛍光信号を表示する計数率は括弧中に表示する。
【図15】
RB1のエキソン20の擬態における複合SNPsを同定するための、CFET標識プライマー伸長産物の電気泳動図。FAMチャネル(明線)およびTAMチャネル(暗線)。
(A)野生型テンプレートから、2つの別々のホモ接合型遺伝子型を検出。FAM(T)およびF−9−T(C)のピークは、テンプレート上の二つの異なる位置から得られた。
(B)変異型テンプレートを使用した他は(A)と同様である。(C)3つのヌクレオチドの変異を同時に検出。FAM(T)のピークは、ホモ接合遺伝子型が見つかったテンプレートの位置から得られた。F−9−T(C)およびF−13−T(T)のピークは、DNAテンプレートの同じ位置から変異R661W(ヘテロ接合体)を示した。
【図16】
高処理量チャネルに基づいた、部位による精製システム。サンプル溶液は、二つのプレートの間を、ガラスキャピラリーおよびチップの被膜されたチャネルを通して前後に押し出される。そのチャネルは、サンプルのタグ部分に結合するのに適した化学物質で被膜されている。例えば、ビオチン標識オリゴヌクレオチドの場合はストレプトアビジンで被膜される。その部分は、切断可能なリンカー、例えば光学的に切断可能なリンカーによって結合され、全チップは、サンプルが固定化された後に切断されるよう、照射されることができる。

Claims (60)

  1. それぞれが別々の所定の位置で分子骨格に結合する複数のフルオロフォアを含む物質の組成物であって、そのような別々の所定の位置は、一つのフルオロフォアともう一つのフルオロフォアの間での蛍光エネルギー移動が可能であるように選択され、一つのこのようなフルオロフォアおよびもう一つのこのようなフルオロフォアは、その一方のフルオロフォアの最大発光波長が他方のフルオロフォアの最小励起波長より大きいことを特徴とする組成物。
  2. 請求項1に記載の組成物であって、それぞれが別々の所定の位置で分子骨格に結合する二つのフルオロフォアを含み、前記別々の位置は、前記フルオロフォアの間で蛍光エネルギー移動が可能であるように選択され、前記フルオロフォアの一方の最大発光波長は、他方のフルオロフォアの最小励起波長より大きいことを特徴とする組成物。
  3. 請求項1に記載の組成物であって、それぞれが別々の所定の位置で分子骨格に結合する三つのフルオロフォアを含み、前記別々の所定の位置は、前記フルオロフォアの間で蛍光エネルギー移動が可能であるように選択され、第1のフルオロフォアの最大発光波長は第2のフルオロフォアの最小励起波長より大きく、第2のフルオロフォアの最大発光波長は第3のフルオロフォアの最小励起波長より大きいことを特徴とする組成物。
  4. 請求項1に記載の組成物であって、それぞれのフルオロフォアは前記分子骨格と共有結合する組成物。
  5. 請求項1に記載の組成物であって、前記蛍光エネルギー移動の効率は20%より小さい組成物。
  6. 請求項1に記載の組成物であって、前記分子骨格は強固である組成物。
  7. 請求項1に記載の組成物であって、前記分子骨格は重合体である組成物。
  8. 請求項1に記載の組成物であって、前記分子骨格は核酸を含む組成物。
  9. 請求項1に記載の組成物であって、前記分子骨格はペプチドを含む組成物。
  10. 請求項1に記載の組成物であって、前記分子骨格はポリリン酸塩を含む組成物。
  11. 請求項1に記載の組成物であって、少なくとも一つのフルオロフォアは蛍光染料である組成物。
  12. 請求項11に記載の組成物であって、前記蛍光染料は6−カルボキシフルオレセインである組成物。
  13. 請求項11に記載の組成物であって、前記蛍光染料はN,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミンである組成物。
  14. 請求項11に記載の組成物であって、前記蛍光染料はシアニン−5単官能性染料である組成物。
  15. 請求項11に記載の組成物であって、少なくとも一つのフルオロフォアはルミネッセンス分子である組成物。
  16. 請求項11に記載の組成物であって、少なくとも一つのフルオロフォアは量子ドットである組成物。
  17. 下記構造を有する物質の組成物:
    Figure 2004508838
    ここで、Sは1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩部を表し、mは1より大きく100より小さい整数であり、それぞれのTはチミジン誘導体を表し、FAMは6−カルボキシフルオレセイン誘導体を表し、TAMはN,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミン誘導体を表し、各実線は共有結合を表し、Rは−OH末端またはリン酸末端のいずれかを表し、Qは−OH末端またはリン酸末端のいずれかのうちRと異なるものを表す組成物。
  18. 請求項17に記載の組成物であって、mは4である組成物。
  19. 請求項17に記載の組成物であって、mは6である組成物。
  20. 請求項17に記載の組成物であって、mは9である組成物。
  21. 請求項17に記載の組成物であって、mは13である組成物。
  22. 下記の構造を含む物質の組成物:
    Figure 2004508838
    ここで、Sは1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩部を表し、mは1より大きく100より小さい整数であり、Tはチミジン誘導体を表し、FAMは6−カルボキシフルオレセイン誘導体を表し、Cy5はシアニン−5単官能性染料誘導体を表し、各実線は共有結合を表し、Rは−OH末端またはリン酸末端のいずれかを表し、Qは−OH末端またはリン酸末端のいずれかのうちRと異なるものを表す組成物。
  23. 請求項22に記載の組成物であって、mは4である組成物。
  24. 請求項22に記載の組成物であって、mは5である組成物。
  25. 請求項22に記載の組成物であって、mは7である組成物。
  26. 請求項22に記載の組成物であって、mは10である組成物。
  27. 請求項22に記載の組成物であって、mは13である組成物。
  28. 下記の構造を含む物質の組成物:
    Figure 2004508838
    ここで、Sは1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩部を表し、mは1より大きく100より小さい整数であり、nは1より大きく100より小さい整数であり、Tはチミジン誘導体を表し、FAMは6−カルボキシフルオレセイン誘導体を表し、Cy5はシアニン−5単官能性染料誘導体を表し、TAMはN,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミン誘導体を表し、各実線は共有結合を表し、Rは−OH末端またはリン酸末端のいずれかを表し、Qは−OH末端またはリン酸末端のいずれかのうちRと異なるものを表す組成物。
  29. 請求項28に記載の組成物であって、mは3であり、nは7である組成物。
  30. 請求項28に記載の組成物であって、mは4であり、nは6である組成物。
  31. 請求項28に記載の組成物であって、mは5であり、nは5である組成物。
  32. 請求項28に記載の組成物であって、mは6であり、nは6である組成物。
  33. 請求項28に記載の組成物であって、mは7であり、nは7である組成物。
  34. 下記の構造を含む物質の組成物:
    Figure 2004508838
    ここで、Sは1´,2´−ジデオキシリボースリン酸塩部を表し、mは1より大きく100より小さい整数であり、Tはチミジン誘導体を表し、TAMはN,N,N´,N´−テトラメチル−6−カルボキシローダミン誘導体を表し、各実線は共有結合を表し、Rは−OH末端またはリン酸末端のいずれかを表し、Qは−OH末端またはリン酸末端のいずれかのうちRと異なるものを表す組成物。
  35. 請求項34に記載の組成物であって、mは4である組成物。
  36. 請求項1,17,22,28および34のいずれかに記載された組成物で標識化された核酸。
  37. 請求項36に記載の核酸であって、前記核酸はDNAである核酸。
  38. 請求項36に記載の核酸であって、前記核酸はRNAである核酸。
  39. 請求項36に記載の核酸であって、前記核酸はDNA/RNAである核酸。
  40. 予め選択したヌクレオチド残基が、核酸内の所定の位置に存在しているかどうかを決定する方法であって、
    (a)前記核酸を、ハイブリダイゼーションおよびDNAライゲーションが可能な条件下で下記の成分(i)〜(iii)と接触させることと;
    (i)DNAリガーゼ、
    (ii)請求項1の組成物を付加され、且つ前記所定の位置の一方の側の直近に隣接するヌクレオチドとハイブリダイズする、第1のオリゴヌクレオチド、及び
    (iii)前記所定の位置の他方の側の直近に隣接するヌクレオチドとハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチド、
    ここで、前記所定の位置の3´末端に位置するヌクレオチドとハイブリダイズする前記オリゴヌクレオチドの−OH末端残基は、前記予め選択されたヌクレオチド残基に相補的である;
    (b)前記第1及び第2のオリゴヌクレオチドを含むライゲーション産物の存在を検出し、そのようなライゲーション産物の存在によって、前記所定の位置に前記予め選択されたヌクレオチド残基が存在することが示されることとを含む方法。
  41. 核酸内の種々の所定の位置において、予め選択されたヌクレオチド残基がそのような位置に存在しているかどうかを決定する方法であって、前記予め選択されたヌクレオチド残基は、別々の所定の位置において異なることができ、それぞれ予め選択されたヌクレオチドがそれぞれの所定の位置に存在しているかどうかを、請求項40に記載された方法に従って決定することを含む方法。
  42. 請求項41に記載の方法であって、複数の任意のヌクレオチド残基の存在を同時に決定する方法。
  43. 請求項40に記載の方法であって、前記DNAリガーゼはTaq DNAリガーゼである方法。
  44. 請求項40に記載の方法であって、前記第2のヌクレオチドは単離を可能にする部分を付加されており、また前記方法はさらに、前記工程(a)から得られる前記部分を含有する分子を単離することと、連結された第1及び第2のオリゴヌクレオチドがその中に存在することを決定することとを含む方法。
  45. 請求項40に記載の方法であって、前記第1のオリゴヌクレオチドに付加した前記組成物は所定の発光スペクトルを有し、この発光スペクトルを観察することによって、前記工程(b)において連結された第1及び第2のオリゴヌクレオチドの存在を決定する方法。
  46. 予め選択したヌクレオチド残基が、核酸内の所定の位置に存在しているかどうかを決定する方法であって、
    (a)前記核酸を、ハイブリダイゼーションおよびDNAポリメリゼーションが可能な条件下で下記の成分(i)〜(iii)と接触させることと、
    (i)DNAポリメラーゼ、
    (ii)(1)請求項1の組成物を付加され、(2)3´−OH末端を有し、且つ前記核酸分子の所定の位置に隣接する3´領域とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド、及び、
    (iii)単離を可能にする部分で標識化され、且つ任意のヌクレオチド残基と相補的であるジデオキシヌクレオチド、
    但し、DNAポリメラーゼおよび予め選択されたヌクレオチド残基の存在下で、前記オリゴヌクレオチドと前記核酸とがハイブリダイゼーションするときに、前記オリゴヌクレオチドおよび前記ジデオキシヌクレオチドは並列し、DNAポリメラーゼがそれらを共有的に連結することを可能にする;
    (b)前記オリゴヌクレオチドおよび前記ジデオキシヌクレオチドの両方を含むポリメリゼーション産物の存在を検出し、そのようなポリメリゼーション産物の存在により、予め選択されたヌクレオチド残基が所定の位置に存在することが示されることとを含む方法。
  47. 核酸内の種々の所定の位置において、予め選択されたヌクレオチド残基がそのような位置に存在しているかどうかを決定する方法であって、前記予め選択されたヌクレオチド残基は、別々の所定の位置において異なることができ、該方法は、それぞれ予め選択されたヌクレオチドがそれぞれの所定の位置に存在しているかどうかを、請求項46に記載された方法に従って決定することを含む方法。
  48. 請求項46に記載の方法であって、前記DNAポリメラーゼはサーモシーケナーゼである方法。
  49. 請求項46に記載の方法であって、前記ジデオキシヌクレオチドは、ジデオキシアデノシン三リン酸、ジデオキシシチジン三リン酸、ジデオキシグアノシン三リン酸、ジデオキシチミジン三リン酸、およびジデオキシウリジン三リン酸からなる群から選択される方法。
  50. 請求項46に記載の方法であって、前記オリゴヌクレオチドに付加された組成物は、所定の発光スペクトルを有し、この発光スペクトルを観察することによって、前記(b)におけるポリメリゼーション産物の存在を決定する方法。
  51. 請求項45または50に記載の方法であって、前記所定の発光スペクトルの観察は、波長が200〜1000nmの放射線を用いて行われる方法。
  52. 請求項51に記載の方法であって、前記放射線の波長は488nmである方法。
  53. 請求項45または50に記載の方法であって、前記所定の発光スペクトルの観察は、帯域幅が1〜50nmの放射線を用いて行われる方法。
  54. 請求項53に記載の方法であって、前記放射線の帯域幅は1nmである方法。
  55. 請求項44または46に記載の方法であって、前記単離を可能にする部分は、ビオチン、ストレプトアビジン、フェニルボロン酸、サリチルヒドロキサム酸、抗体、または抗原を含む方法。
  56. 請求項55に記載の方法であって、前記単離を可能にする部分は、リンカー分子を介して前記オリゴヌクレオチドに付加している方法。
  57. 請求項46に記載の方法であって、前記単離を可能にする部分は、リンカー分子を介して前記ジデオキシヌクレオチドに結合している方法。
  58. 請求項56または57に記載の方法であって、前記リンカー分子は化学的に切断可能である方法。
  59. 請求項56または57に記載の方法であって、前記リンカー分子は、光学的に切断可能である方法。
  60. 請求項59に記載の方法であって、前記リンカー分子は、
    Figure 2004508838
    で示される構造を有する方法。
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