JP2004511615A - ガラス繊維強化材料を製造する方法 - Google Patents
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Abstract
重合性接着剤組成物および無機繊維を有する被覆性組成物を提供する工程と、繊維入りバルクポリマーを生成させるために被覆性組成物を重合させる工程と、分配可能な繊維入り接着剤層を生成させるために第1の基板上に繊維入りバルクポリマーをホットメルト被覆する工程とを含む繊維入り組成物を製造する方法。接着剤層中の繊維は、約10ミル(0.25mm)〜約60ミル(1.50mm)の平均繊維長さおよび約1ミル(0.025mm)〜約100ミル(2.50mm)の繊維長さの範囲を有することが好ましい。
Description
【0001】
発明の分野
本発明はガラス繊維強化材料を製造する方法に関し、より詳しくは、無機繊維で強化された分配可能な接着剤を製造する方法に関する。
【0002】
技術の背景
感圧接着剤転写テープは、印刷産業および製紙産業においてフライングスプライスを製造するために広く用いられている。これらの高性能テープは強い粘着性であるとともに高い凝集強度を有するべきである。さらに、転写テープは、ブレードレス接着剤転写ガンからきれいに分配可能であるべきであり、過度の接着剤を残すように転写済みテープ帯の破断端またはガンオリフィスで跳ね返ってはならない。
【0003】
Vernonらによる米国特許第4,557,960号には、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、アセテートおよびレーヨンなどの有機モノフィラメント繊維が装填された接着剤層を有する接着剤転写テープが記載されている。‘960号特許中の転写テープは、最初に部分的に光重合された被覆性無溶媒モノマーシロップに平均直径5〜40μmのモノフィラメントを0.1〜5体積%の濃度で添加することにより製造される。その後、この混合物は、0.03〜2mmの好ましい厚さで計量オリフィスを通して剥離可能な裏地上に被覆され、その後最終的に、厚さ約0.125mmの感圧接着剤層を生成させるために光重合される。
【0004】
しかし、類似サイズの無機ガラスモノフィラメントを類似濃度で被覆性無溶媒シロップに添加する場合、‘960号特許では、長くて比較的堅いガラス繊維が被覆装置の計量オリフィスを目詰まりさせがちなので被覆作業を行うことができないことが教示されている。
【0005】
この処理問題を避けるために、無機繊維を含有する従来の接着剤は無機繊維を溶媒系接着剤組成物に添加することにより製造される。その後、繊維入り接着剤組成物は切欠き棒被覆装置を用いて基板上に被覆される。接着剤は熱架橋され、溶媒は乾燥炉内で除去される。
【0006】
Moonによる米国特許第5,932,298号には、ホットメルト接着剤組成物を製造する方法であって、ホットメルト性接着剤組成物を生成させるために重合性プレ接着剤組成物をシート上に配し重合させる方法が記載されている。その後、シートは除去され、ホットメルト性接着剤組成物は、加熱押出機、バルクタンク溶融機、メルトオンデマンド装置または手持ち式ホットメルト接着剤ガン内で溶融される。
【0007】
発明の概要
溶媒系接着剤組成物を用いて無機繊維が装填された接着剤層を製造する方法には幾つかの欠点がある。溶媒コーターのライン速度は乾燥工程中の被覆層を通した溶媒の拡散速度に限定される。乾燥および熱架橋工程中に放出される溶媒は環境に不適合でもある。さらに、乾燥および架橋工程中に、繊維は均一に分散せず、それは、粗い表面と一定しない引張強度特性を有する接着剤製品につながる。
【0008】
Moonによる‘298号特許では、繊維を重合性プレ接着剤組成物に配合してもよく、または接着剤の特性を変えるためにホットメルト被覆の時に添加してもよいことが教示されている。しかし、長さ約3mm未満の繊維で強化された接着剤層を有する転写テープが接着剤転写ガンからきれいに分配できない場合があるという‘960号特許の教示を考慮すると、‘298号特許に記載されたプロセスは、無機繊維が装填された接着剤層の製造のために不適合であることが考えられた。無機繊維が比較的脆い傾向があるので、‘298号特許で教示されたような加熱押出機によるホットメルト被覆は、短い長さに繊維を破断することが予想された。‘960号特許の教示を考慮すると、種々の長さのこれらの破断された短繊維を有する接着剤は、分配性の特性が劣った転写テープを生成させることが予想されるであろう。
【0009】
それに反して、本発明者らは、分配性の特性が優れた転写テープを製造するために使用できる無機繊維強化接着剤層を製造するために、‘298号特許に記載されたプロセスを使用できることを発見した。
【0010】
一態様において、本発明は、重合性接着剤組成物および無機繊維を有する被覆性組成物を提供する工程と、繊維入りバルクポリマーを生成させるために被覆性組成物を重合させる工程と、接着剤層を生成させるために基板上に繊維入りバルクポリマーをホットメルト被覆する工程とを含む繊維入り組成物を製造する方法である。接着剤層中の繊維は、好ましくは約10ミル(0.25mm)〜約60ミル(1.50mm)の平均繊維長さおよび約1ミル(0.025mm)〜約100ミル(2.50mm)の繊維長さの範囲を有する。
【0011】
他の態様において、本発明は、本発明方法によって製造された無機繊維強化転写テープである。この転写テープは優れた分配性の特性を有する。
【0012】
従来の溶媒系接着剤プロセスと比べて、本発明方法は被覆ライン速度を高め、さらに生産性を高め、最終被覆製品のコストを下げる。さらに、本発明方法は、溶媒放出を減らし、接着剤層中の強化繊維のより均一な分散を与え、それは、溶媒系接着剤プロセスと比べて最終被覆製品上により平滑な表面を生成させる。
【0013】
本発明の一つ以上の実施形態の詳細を以下の説明において記載する。本発明の他の特徴、目的および利点は説明および特許請求の範囲から明らかであろう。
【0014】
詳細な説明
本発明は、重合性接着剤組成物および無機繊維を含む重合性接着剤組成物を提供する工程と、繊維入りバルクポリマーを生成させるために重合性組成物を重合させる工程と、繊維入り接着剤層を生成させるために基板上に繊維入りバルクポリマーをホットメルト被覆する工程とを含む繊維入り組成物を製造する方法である。
【0015】
重合性接着剤組成物中で用いられる成分は、接着剤層のために意図された用途に応じて広く異なってもよく、最終重合の前に繊維を分散させることが可能であるいかなるモノマー成分またはモノマー成分の混合物も使用してよい。重合性接着剤組成物は、好ましくは約40℃以下、より好ましくは約25℃以下の融点を有する。好ましい実施形態において、重合性接着剤組成物の融点は約0℃以下である。重合性接着剤組成物は25℃で、好ましくは約50,000センチポイズ(cps)未満、より好ましくは約5000cps未満の粘度を有する。重合性接着剤組成物は、モノマー混合物またはプレポリマー混合物であってもよい。プレポリマー混合物は、モノマー材料の部分重合によって生成するシロップ様粘性を有する。重合性接着剤組成物は、好ましくは約500,000〜約1,500,000、より好ましくは約800,000〜約1,200,000、最も好ましくは約800,000〜約1,000,000の重量平均分子量を有する。
【0016】
例えば、架橋剤などの他の添加剤を溶解させるために、少量の揮発性非重合性溶媒を重合性接着剤組成物中に含めてもよい。環境適合性を強化するために、重合性接着剤組成物は、約10重量%未満の溶媒、好ましくは約5重量%未満の溶媒、より好ましくは約1重量%未満の溶媒を含有する。
【0017】
ホットメルト性感圧接着剤バルクポリマーを製造するために重合性接着剤組成物中で用いてもよい好ましい重合性材料には、アクリレートポリマーおよびコポリマーならびにメタクリレートポリマーおよびコポリマーが挙げられる。これらの感圧接着剤バルクポリマーは、アルキル基が1〜20個の炭素原子、好ましくは3〜18個の炭素原子を有する非第三アルキルアルコールの一種以上のモノマーアクリル酸エステルまたはモノマーメタクリル酸エステルの少なくとも50重量部且つ100重量部以下を含む重合性組成物を重合させることにより生成させることが可能である。重合性接着剤組成物中で用いるために適するアクリレートモノマーには、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、オクタデシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソボルニルアクリレートおよびドデシルアクリレートが挙げられる。例えばベンジルアクリレートなどの芳香族アクリレートも有用である。
【0018】
任意に、重合性接着剤組成物は、アクリレートモノマーと重合しうる一種以上のモノエチレン系不飽和コモノマーの約0〜約50重量部を含んでもよい。コモノマーの一つのクラスは、アクリレートホモポリマーのガラス転移温度より高いホモポリマーガラス転移温度を有する。適するコモノマーの例には、アクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどの置換アクリルアミド、イタコン酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、イソボルニルアクリレート、シアノエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、無水マレイン酸、ヒドロキシアルキルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアクリルアミド、ベータ−カルボキシエチルアクリレート、CT州ダンベリーのUnion Carbide Corp.から商品名Vynatesで入手できるものなどのネオデカン酸、ネオノナン酸、ネオペンタン酸、2−エチルヘキサン酸またはプロピオン酸のビニルエステル、塩化ビニリデン、スチレン、ビニルトルエンおよびアルキルビニルエーテルが挙げられる。
【0019】
任意に、重合性接着剤組成物は、アクリレートホモポリマーのガラス転移温度より低いホモポリマーガラス転移温度を有するもう一つのクラスのコモノマー約0〜約50重量部を含んでもよい。このクラスに入る適するコモノマーの非限定的な例には、Shin Nakamura Chemical Co.,Ltd.から商品名NK Ester AM−90Gで入手できるエトキシエトキシエチルアクリレートおよびメトキシポリエチレングリコール400アクリレートが挙げられる。
【0020】
重合性接着剤組成物を部分的にまたは完全に重合させるために用いられる重合方法に応じて、重合性接着剤組成物は開始剤を含んでもよい。例えば、紫外線(UV)を用いて重合性接着剤組成物を部分的にまたは完全に重合させるために、例えば、ベンジルジメチルケタールおよび1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの置換アセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換アルファケトール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル、アニソインメチルエーテルなどの置換ベンゾインエーテル、芳香族塩化スルホニルおよび光活性オキシムなどの光開始剤を含めてもよい。光開始剤は、重合性接着剤組成物中の全モノマー100部当たり約0.001〜約5.0重量部、好ましくは全モノマー100部当たり約0.01〜約5.0重量部、より好ましくは全モノマー100部当たり約0.1〜約0.5重量部の量で用いてもよい。
【0021】
好ましくは、重合性接着剤組成物は、ポリマーの分子量を制御するために連鎖移動剤も含む。連鎖移動剤はラジカル重合を調節し、連鎖移動剤には、例えば、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素、ラウリルメルカプタン、ブチルメルカプタン、エタンチオール、イソオクチルチオグリコラート(IOTG)、2−エチルヘキシルチオグリコラート、2−エチルヘキシルメルカプトプロピオネート、2−メルカプトイミダゾールおよび2−メルカプトエチルエーテルなどの硫黄化合物、エタノール、イソプロパノールおよび酢酸エチルなどの溶媒を挙げることができる。重合性接着剤組成物中で用いられる連鎖移動剤の量は、重合性接着剤組成物の所望の分子量および用いられる連鎖移動剤の種類に応じて決まる。溶媒は連鎖移動剤として有用であるが、一般に、例えば硫黄化合物ほどには活性でない。連鎖移動剤は、重合性接着剤組成物中の全モノマー100部当たり典型的には約0.001〜約10重量部、好ましくは約0.01〜約0.5重量部、最も好ましくは約0.01〜約0.20重量部の量で用いられる。
【0022】
重合性接着剤組成物は有効量の架橋剤をさらに含んでもよい。架橋剤は、繊維入りバルクポリマーが基板上に被覆された後に活性であってもよい。架橋剤は、重合性接着剤組成物中の全モノマーの典型的には約0.01〜約5.0重量部で存在する。架橋剤は、最終重合の前に重合性接着剤組成物に配合できるか、または被覆工程中に溶融バルクポリマーに添加してもよい。重合性接着剤組成物に添加する時、架橋剤は、別個の物質として完全な状態のままであることが可能であるか、または組成物中のモノマーと共重合することが可能である。架橋は、好ましくはホットメルト被覆後に開始され、架橋は、好ましくは紫外(UV)線、ガンマ線などの電離線または電子ビーム(電離線の場合、別個の架橋剤の使用は任意である)によって開始される。
【0023】
重合性接着剤組成物の最終重合後およびバルクポリマーのホットメルト被覆前に添加できる好ましい架橋剤には、米国特許第4,329,384号(Vesleyら)および第4,330,590号(Vesley)に記載されたように、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートおよびトリメチロールプロパントリアクリレートなどの多官能性アクリレート、および2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−s−トリアジンおよび2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−ジメトキシフェニル)−s−トリアジンなどの置換トリアジンが挙げられる。好ましい架橋剤のもう一つのクラスは、米国特許第4,737,559号(Kellenら)に記載されたものなどのオルト−芳香族ヒドロキシル基のない共重合性モノエチレン系不飽和芳香族ケトンコモノマーである。特定の例には、パラ−アクリルオキシベンゾフェノン、パラ−アクリルオキシエトキシベンゾフェノン、パラ−N−(メチルアクリルオキシエチル)−カルバモイルエトキシベンゾフェノン、パラ−アクリルオキシアセトフェノン、オルト−アクリルアミドアセトフェノンおよびアクリル化アントラキノンなどが挙げられる。なおもう一つの適する架橋剤は1,5−ビス(4−ベンゾイルベンゾキシ)ペンタンである。米国特許第4,181,752号(Martensら)で開示されたようなアントラキノン、ベンゾフェノンおよびそれらの誘導体などの水素引抜カルボニルも適する。
【0024】
重合性接着剤組成物中のモノマーは、例えば、中圧水銀アークランプからの紫外(UV)線を照射することにより架橋することが可能である。紫外線によって活性化される架橋剤が重合性接着剤組成物の重合のために用いられる波長とはエネルギーの異なる波長によって主として活性化されることが好ましい。例えば、低強度バックライトを重合のために用いてもよく、水銀アークランプを後続の架橋のために用いてもよい。
【0025】
重合性接着剤組成物は、バルクポリマーの粘着性を高めるために粘着性付与樹脂をさらに含むことが可能である。粘着性付与樹脂は、バルクポリマーが基板上にホットメルト被覆される時にも添加することが可能である。適する粘着性付与樹脂には、ロジンエステル、テルペン、フェノール、および脂肪族合成炭化水素純モノマー樹脂と芳香族合成炭化水素純モノマー樹脂またはそれらの混合物が挙げられる。市販されている有用な粘着性付与樹脂の例には、Hercules,Inc.によって商品名REGALREZで販売されているFORAL85炭化水素樹脂、Exxon Chemicals製のECR−180およびSchenectady International,Inc.から入手できるSP553テルペンフェノール樹脂が挙げられる。粘着性付与樹脂を用いるならば、粘着性付与樹脂の量は、重合性接着剤組成物中の全モノマー100部当たり約1〜約50重量部の範囲であることが可能である。
【0026】
ポリマーは、バルクポリマーの接着剤特性を改良するために、または繊維の導入のために適する粘度を有するシロップまたはプレポリマー混合物を製造するために、重合前に重合性接着剤組成物に溶解させてもよい。こうしたポリマー改質剤の例には、シリコーン感圧接着剤、アクリルポリマーおよびコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、アクリロニトリルコポリマーおよび米国特許第4,554,324号(Husmanら)に記載されたものなどの共重合性マクロマーが挙げられる。本明細書に引用して援用する米国特許第5,602,221号(Bennettら)に記載された感圧アクリレート接着剤組成物も、本発明の方法において使用してよい。一般に、これらの接着剤は、そのホモポリマーが0℃未満のTgを有する一価アルコールのアクリル酸エステル25〜97重量部と、そのホモポリマーが10.50以下の溶解度パラメータおよび15℃より高いTgを有する非極性エチレン系不飽和モノマー3〜75重量部と、そのホモポリマーが10.50より高い溶解度パラメータおよび15℃より高いTgを有する極性エチレン系不飽和モノマー0〜5重量部との重合生成物である。本明細書に引用して援用する米国特許第5,756,584号(Bennettら)に記載され粘着性が付与された感圧アクリレート接着剤組成物も本発明の方法において有用である。一般に、これらの接着剤は、そのホモポリマーが0℃未満のTgを有する一価アルコールのアクリル酸エステル25〜98重量部と、そのホモポリマーが10.50以下の溶解度パラメータおよび15℃より高いTgを有する非極性エチレン系不飽和モノマー2〜75重量部と、そのホモポリマーが10.50より高い溶解度パラメータおよび15℃より高いTgを有する極性エチレン系不飽和モノマー0〜5重量部との重合生成物およびこの重合生成物に室温で混和性である少なくとも一種の粘着性付与剤を含む。
【0027】
他の添加剤は、最終繊維入り製品の特性を変えるために、重合性組成物中に含めることが可能であるか、またはバルクポリマーのホットメルト被覆の時点で添加することが可能である。適する添加剤および充填剤には、可塑剤、顔料、補強剤、疎水性シリカまたは親水性シリカ、炭酸カルシウム、強化剤、難燃剤、酸化防止剤、ポリエステル、ナイロンおよびポリプロピレンなどの微粉砕高分子粒子ならびに安定剤が挙げられる。添加剤は、所望の最終特性を得るのに十分な量で添加される。
【0028】
重合性組成物は、好ましくは、繊維束の迅速な分散を見込むように、プロペラ混合などの既知の剪断混合技術を用いて組成物中への繊維の迅速且つ均一な分散を可能にするのに十分な粘度を有する。しかし、重合性組成物は、最終重合の前に繊維の迅速な沈降を防ぐのに十分に粘性であるべきである。適する粘度を与えるために、重合性組成物は、繊維の導入前に既知のいずれかの技術によって部分重合させてもよい。例えば、重合性組成物は、米国特許第4,181,752号(Martensら)に記載されたように紫外(UV)線を照射することにより部分重合させてもよい。典型的には、重合性モノマーと光開始剤は、シロップ様粘性を有する予備重合された被覆性組成物を達成するために、溶媒の存在しない状態で互いに混合され、25℃でBrookfield粘度計によって測定して約500cps〜約50,000cps、好ましくは25℃で約1000cps〜約2500cpsの粘度に部分重合される。あるいは、モノマーは、被覆のための所望の粘度を達成するためにヒュームド親水性シリカなどのチキソトロープ剤と混合してもよい。その後、連鎖移動剤、繊維、架橋剤および粘着性付与剤と酸化防止剤などの他のいかなる原料も予備重合されたシロップに添加される。あるいは、架橋剤を除き、これらの原料を重合性接着剤組成物中のモノマーに直接添加してもよい。
【0029】
上述したように、被覆性組成物を生成させるために繊維は重合性組成物に導入される。適する繊維には有機材料および無機材料が挙げられる。但し、無機材料は本発明の方法において特に有用であることが見出された。有機材料には、例えば、ポリエステル、ナイロンおよびポリプロピレンなどの高分子繊維が挙げられる。適するポリエステル繊維の例は、Hoechst−Celanese製のTreviraタイプ103である。適する無機材料には、ガラス、金属およびセラミックが挙げられる。繊維の長さおよび直径は、最終の繊維入り接着剤組成物の所期の用途に応じて広い範囲にわたって変えることが可能である。
【0030】
好ましい無機繊維はガラス繊維であり、それはOwens−Corningから「731A−16W−0.25”」として入手できる。最終重合工程の前に繊維が重合性組成物に懸濁/分散したままであるより高い傾向があるように繊維の比重が重合性組成物の比重と似るように繊維を選択することが可能である。
【0031】
好ましいガラス繊維は、重合性接着剤組成物に導入する時点で測定して、約50ミル(1.3mm)〜約500ミル(13mm)の長さを有する。繊維の直径は、約1マイクロメートル(0.025mm)〜約50マイクロメートル(1.3mm)、より好ましくは約5マイクロメートル(0.13mm)〜約20マイクロメートル(0.52mm)、最も好ましくは約7マイクロメートル(0.18mm)〜約16マイクロメートル(0.41mm)である。
【0032】
被覆性組成物中で用いられる繊維の量は、組成物の全重量を基準にして100部当たり典型的には約0.25〜約5重量部である。被覆性組成物中で用いられる繊維の量が約5重量部より多い時、予備重合されたシロップに配合したり、および/または被覆性組成物を薄く被覆したりすることがより困難である。被覆性組成物中で用いられる繊維の量が約0.25重量部より少ない時、得られた繊維入り接着剤層を有するテープは、多くの用途のために適切に分配できない可能性がある。
【0033】
繊維は、例えば、プロペラ混合などの既知のいずれかの技術によって最終重合の前に重合性組成物に導入し分散させてもよい。繊維が有機繊維である時、低温運転は、繊維を溶融させうるか、伸ばしうるか、または別の方法で変形させうる高温に被覆性組成物が達しないようにする。好ましくは、繊維は被覆性組成物中に分配され、それは、転写テープ中で用いられる時、より信頼でき予期できる分配性の特性を有する最終接着剤層を生成させる。最終重合前の繊維の均一分散は、最終製品の表面から多数の繊維が突き出ることも防ぎ、それは、溶媒系プロセスを用いて達成できるよりも平滑で均一な表面を有する最終製品をもたらす。
【0034】
繊維は、任意に、繊維束をまとめておいて重合性接着剤組成物中での分散を強化するために結合剤中に導入してもよい。繊維結合剤を用いる時、結合剤は、好ましくは重合性接着剤組成物中で用いられるモノマーに可溶性であるのがよい。
【0035】
被覆性組成物を生成させるために繊維を重合性組成物に実質的に均一に分散させた後、被覆性組成物を基板上に被覆してもよく、そして繊維入りバルクポリマーを生成させるために最終的に重合させてもよい。好ましくは、繊維入りバルクポリマーを生成させるために、被覆性組成物は、少なくとも約95%重合され、より好ましくは少なくとも約98%重合される。重合は、既知のいずれかの重合プロセスを用いて達成してもよく、紫外(UV)線を照射することは適することが見出された。UV重合プロセスを容易にするため、被覆性組成物を上に被覆する基板は紫外線の波長に対して実質的に透明である。被覆性組成物の最終重合も、好ましくは不活性雰囲気(すなわち無酸素)、例えば窒素雰囲気内で行われる。被覆性組成物の最終重合のために適する基板の例には、剥離ライナー(例えば、シリコーン剥離ライナー)およびテープ裏地などが挙げられる。十分に不活性な雰囲気は、紫外線に対して実質的に透明であるプラスチックフィルムで被覆性組成物の被覆層を覆い、紫外線ランプを用いて前述したMartensらの特許に記載されたように空気中でカバーフィルムを通して照射することにより達成することも可能である。好ましい実施形態において、被覆性組成物の最終重合は、約0.1〜約25mW/cm2の間の強度で280〜400ナノメートル(nm)の間のUVバックライトの60%を超える、好ましくは75%を超える発光スペクトルを有するUVバックライトを用いて行われる。
【0036】
典型的な被覆厚さは、約25ミル〜約200ミル、好ましくは25ミル〜125ミル、最も好ましくは75〜125ミルである。
【0037】
重合の程度を決定するために、被覆性組成物の屈折率を監視してもよい。屈折率は重合の程度の感度のよい指標である。例えば、アクリルモノマーを含む被覆性組成物の屈折率は、重合性組成物段階での約1.4300から被覆性組成物が繊維入りバルク接着剤に100%重合された時の約1.4700まで変化する。屈折率の変化は、アクリレート不飽和の転化とともに直線的に起きる。この方法は、GladyshevおよびGibovによる「Polymerization at Advanced Degrees of Conversion」,Keter Press,Jerusalem.1970で論じられたように重合動力学の研究において一般に応用される。
【0038】
最終重合後、重合されたバルクポリマーは容器に導入され、溶融される。溶融工程は、例えば、加熱単軸スクリュー押出機または加熱二軸スクリュー押出機、バルクタンク溶融装置、メルトオンデマンド装置または手持ち式ホットメルト接着剤ガン内などの既知のいかなる方法で行ってよい。単軸スクリュー押出機または二軸スクリュー押出機が好ましい。好ましい実施形態において、溶融したバルクポリマーはホットメルト性感圧接着剤であり、溶融した接着剤は、溶融した接着剤の層をシート材料またはもう一つの適する基板上に被覆することにより感圧接着剤シートを生成させるために用いてもよい。シート材料は、好ましくはテープ裏地または剥離ライナーから選択される。好ましくは、バルクポリマーは、ポリマーを溶融させるのに十分な温度で且つ基板上に被覆される被覆性バルクポリマー混合物を生成させるのに十分に混合するコーター内にポリマーを入れることにより溶融被覆される。架橋剤を添加する時、被覆された接着剤には、架橋を行うのに十分なUV線または電離線を照射することも可能である。架橋は、好ましくは基板材料上にバルクポリマーを被覆後に開始される。
【0039】
溶融および被覆工程中、無機繊維は、好ましくは粉砕され破断され、バルクポリマーに分散する。この処理は、繊維長さ分布が広い繊維で強化される最終製品中の接着剤層をもたらす。被覆された接着剤層中の繊維は、好ましくは、約10ミル(0.25mm)〜約60ミル(1.50mm)の平均繊維長さおよび約1ミル(0.025mm)〜約100ミル(2.50mm)の繊維長さの範囲を有する。いかなる理論によっても束縛されることを望まないが、接着剤層中の繊維のこの分散および繊維長さの広い分布は、破断を促進する多数の核形成サイトを有する接着剤層を生成させることが考えられる。たとえ接着剤層中の接着剤が非常に粘着性であり、高い凝集強度を有するとしても、接着剤層は核形成サイトで容易に破断可能であり、それは分配性を強化し、より均一な分配性をテープ用途において与える。好ましい分配性テープ構造は、MN州セントポールの3M Companyから入手できるSCOTCH ATG700テープディスペンサー内で鋭角で殆ど跳ね返りなく、好ましくは実質的に全く跳ね返りなく、きれいに破断しうる。
【0040】
本発明方法の工程はインラインで行ってもよい。すなわち、重合性組成物は、被覆性組成物を生成させるために任意の連鎖移動剤、任意の架橋剤および繊維と組み合わせて製造してもよく、繊維入りバルクポリマーを生成させるために重合させてよく、最終製品の層を生成させるためにホットメルト被覆してもよく、任意に架橋してもよく、あるいは工程は、別の時間および場所で個別に行ってもよい。
【0041】
本発明の好ましい実施形態において、最終被覆ポリマー製品は高性能感圧接着剤層である。この接着剤層は、適するいかなる基板上にも被覆してもよく、そして基板が剥離ライナーである場合、得られた構成は分配性が優れた高性能転写テープである。転写テープは、最終ユーザーによって用いられる時にライナーから除去される。典型的な厚さは、0.5ミル〜10ミル、より好ましくは2〜5ミルである。
【0042】
本発明のもう一つの実施形態において、この高性能感圧接着剤層は、片面または両面被覆テープ構成を生成させるためにテープ裏地の片側または両側に被覆してもよい。典型的なテープ裏地には、紙、クレープペーパーなどのセルロース材料、布地(織布と不織布の両方)、二軸配向ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、二軸配向ポリプロピレン、一軸配向ポリプロピレン、ナイロンなどのフィルム、ポリエチレン発泡体およびアクリル発泡体などの発泡体材料、およびアルミニウム箔などの金属箔が挙げられる。裏地は、通常、シリコーンなどの剥離被膜で裏側(被覆層とは逆側)が処理され、そして接着剤層の裏地への接着性を強化するためにホットメルト被覆の前に処理してよい。接着剤の裏地への接着性を強化するために有用な処理には、化学的下塗およびコロナ処理が挙げられる。
【0043】
なおもう一つの実施形態において、基板は、ある部品の表面であって、もう一個の部品に接着剤層で接着させるべき部品の表面であってもよい。本発明のもう一つの実施形態において、振動を止めるため、またはシーラントとして、接着剤層または接着剤層から製造されるテープを用いてもよい。
【0044】
上述した用途に加えて、容器入り接着剤は他の分野で有用である。例えば、上述した方法は、プレ接着剤組成物を基板シートと剥離可能ライナーとの間に配し、組成物を重合させ、その後ライナーを除去することにより、有用な張るだけでくっつく物品、例えば、ラベル、ステッカー、ボディサイドモールディング、装飾モールディング、電気テープ、薬物送達パッチ、メカニカルファスナー(例えば、MN州セントポールの3M Co.から入手できるSCOTCHMATEブランドフックとループファスナーおよびDUAL LOCKブランド再閉可能ファスナー)、研磨剤物品(例えば研磨円板)、フォームインプレースガスケット、医療テープ、キャンバスマーキングフィルム、および装飾シートを調製するために用いることが可能である。
【0045】
再帰反射シート(例えば、微小球系再帰反射シートおよびキューブコーナー型シート)およびグラフィックシートなどのシート製品上でも接着剤を用いることが可能である。本発明の接着剤を上で使用できる再帰反射シートの説明例には、露出レンズ再帰反射シート、埋込みレンズシートおよび封入レンズシートが挙げられる。用いるために適する市販の再帰反射シートの説明例には、MN州セントポールの3Mが販売するSCOTCHLITE Brand Engineer Grade、High Intensity GradeおよびDiamond Grade Retroreflective Sheetingsが挙げられる。接着剤の適する実施形態を選択すると、これらのシートは、ライセンスプレートブランク、車体、看板面、ガードレール、舗装面、車体、セーフティコーン、障壁、衣類およびマーカーなどの様々な所望の基板に被着させることが可能である。用いるために適する市販のグラフィックシートの説明例には、MN州セントポールの3M製のSCOTCHCAL Brand Vinyl FilmsおよびPolyester Filmsが挙げられる。
【0046】
以下の実施例を用いて本発明をさらに説明する。すべての部または百分率は特に明記がないかぎり重量による。
【0047】
試験手順
接着剤を評価するために実施例で用いた試験手順は以下の手順を含む。
【0048】
1.90°引き剥がし粘着力
二個のライナーが存在する時、5インチ×0.5インチの寸法の感圧接着剤転写テープの帯からライナーの一方を除去し、厚さ2ミルのアルミニウム箔を積層する。その後、他方のライナーを除去し、アセトンで一回およびヘプタンで二回きれいに拭き取られた2インチ×5インチのステンレススチールパネル、2インチ×5インチのアクリロニトリルブタジエンスチレンパネルおよび/または2インチ×5インチのポリプロピレンパネルにテープを接着させる。4.5lbの1回のパスで硬質ゴムローラーをテープにかけてならす。パネルを室温(約72°F)で約15分間にわたり状態調節し、その後、剥離試験機上に取り付け、テープを12インチ/分の速度で90°の角度で引き剥がす。結果を表においてオンス/インチ(oz/in)で報告し、そして数値は二回の試験の平均である。
【0049】
静的剪断
実施例1〜23では1/2インチ×5インチの感圧接着剤転写テープを厚さ2ミルのアルミニウム箔片に積層することにより、実施例24〜36では1インチ×5インチの寸法に切断することにより静的剪断を決定する。上述したように前もって清浄化されたステンレススチールパネルに1インチ重ねてサンプルの一端を接着させ、おもりをサンプルの他端に取り付ける。その後、パネルを垂直から約2°傾けて垂らして、剪断方式の破壊を確実にする。サンプルをパネルから引き剥がす時間を分(min)で測定する。10,000分後に試験を止める。室温剪断(RT)のために500gのおもりを用いる。報告した数値は、一組当たり二回の試験の平均値を表す。
【0050】
3.分配性
8 1/2インチ×11インチの便箋上にMN州セントポールの3M Companyから市販されているSCOTCH ATG700テープディスペンサーから長さ約6インチ×幅0.5インチの繊維含有テープ帯を一回の作動で分配することにより分配性を決定した。テープ長さ6インチを分配後に、ディスペンサーを紙から30°の角度で素早く引き上げて被着したテープから離れさせて、テープを切断させる。分配性を目視で決定し、次の通り採点した。
優:鋭角、跳ね返りのないテープのきれいな破断
良:跳ね返りが多少あるテープのきれいな破断
劣(不可):テープ破断困難、きれいではない破断、過度の跳ね返り
【0051】
実施例1〜11
テープの特性に及ぼす異なる繊維含有率およびテープ厚さの影響を実証するために、11種の接着剤組成物を調製し評価した。
【0052】
実施例を次の通り調製した。
以下の表1に示したモノマー比のイソオクチルアクリレート(IOA)およびアクリル酸(AA)100重量部を75/25重量部IOA/ABP溶液として添加された0.10重量%のアクリルオキシベンゾフェノン(ABP)架橋剤、0.05重量%の連鎖移動剤(四臭化炭素(CBr4))および1.0重量%の酸化防止剤(NY州アーズリーのCiba−Geigyから商品名IRGANOX1076で市販されているオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとブレンドした。
【0053】
得られた低下分子量高転化率シロップは、約700,000〜1,000,000のポリマー分子量をもっていた。最終シロップ転化率は約20%であり、粘度は約3500cpsであった。
【0054】
ガラス繊維(直径16マイクロメートル×長さ0.25インチ(0.64cm)、SC州Owens−Corningから商品名「731A−16W−0.25”」で入手できる)を上述したシロップに表1に記載した量で添加し、繊維束が均一に分散するまで混合した。
【0055】
厚さ2ミルのポリエステルフィルム上に厚さ125ミルで繊維含有シロップを被覆し、紫外線に対して実質的に透明である第2の厚さ2ミルのポリエステルフィルムで重合性被膜の層を覆い、低強度蛍光紫外線ランプを用いて前述したMartensらの特許に記載されたように空気中で当該フィルムを通して照射することにより、繊維含有ホットメルトアクリルバルク接着剤を製造する最終重合を行った。全紫外線(UV)エネルギーは1600mJ/cm2(NIST)であり、UVエネルギーの最初の25%の分光強度は0.9ミリワット(MW)であり、残りの75%は2.5MWであった。これは、ガスクロマトグラフィによって決定された残留IOAモノマーの約0.5重量%未満のバルクポリマーを生成させた。
【0056】
その後、実施例1〜4では2ミル(0.05mm)、実施例5〜8では5ミル(0.12mm)および実施例9〜11では10ミル(0.25mm)の厚さで、回転ロッドダイが装備された押出機からバルクポリマーを350°Fで押出した。その後、水銀アークランプを用いて400mJ/cm2(NIST)の高強度UVエネルギーで、押出した組成物を架橋させた。
【0057】
上述した試験方法を用いてテープサンプルの剪断粘着力、ステンレススチール上での90°引き剥がし粘着力および分配性を試験した。結果を表1に示している。
【0058】
【表1】
【0059】
データから、溶媒系対照と比べた時、種々のレベルのガラス繊維、アクリル酸濃度および塗布量が優れた剪断値および粘着力値を示したことが分かる。2ミルの被膜および5ミルの被膜での分配性は優れていた。より厚い10ミルのサンプルはフィルム強度が高すぎた。
【0060】
実施例12〜14
テープ特性に及ぼす異なるアクリル酸含有率の影響を実証するために、3種の接着剤組成物を調製し評価した。
【0061】
表2の成分を用いて、実施例1〜11の場合のように実施例を調製した。回転ロッドダイが装備された押出機から2ミルの厚さでバルクポリマーを350°Fで押出した。
【0062】
用いた成分および量を以下の表2に示している。上述した試験方法を用いてテープサンプルの剪断粘着力、ステンレススチール(SS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)およびポリプロピレン(PP)上での90°引き剥がし粘着力および分配性を試験した。結果を表2に示している。
【0063】
【表2】
【0064】
データから、増加したアクリル酸濃度によって、且つその広い範囲で優れた分配性を達成できることが分かる。
【0065】
実施例15〜17
架橋テープおよび非架橋テープについてテープ特性に及ぼすDE州ウィルミントンのHerculesから商品名FORAL85で入手できる粘着性付与剤の影響を実証するために、3種の接着剤組成物を調製し評価した。
【0066】
表3の成分を用いて実施例1〜11の場合のように実施例を調製した。但し、実施例15および16は押出後に照射せず、実施例17は水銀アークランプによって供給される900mJ/cm2(NIST)の高強度UVエネルギーの全紫外線(UV)エネルギーで押出後に照射した。粘着性付与剤をバルクポリマーに加えて溶融押出機に添加し、回転ロッドダイが装備された押出機から5ミルの厚さで混合物を350°Fで押出した。
【0067】
用いた成分および量を以下の表3に示している。上述した試験方法を用いてテープサンプルの剪断粘着力、ステンレススチール(SS)上での90°引き剥がし粘着力および分配性を試験した。結果を表3に示している。
【0068】
【表3】
【0069】
データから、粘着力値が粘着性付与樹脂の使用と共に増加したことが分かる。軽く架橋させてForal−85のレベルを増加させると、溶媒系製品と似た粘着力値を得られた。非架橋実施例は、ホットメルト被覆性のために必要な低い分子量のゆえに低下した剪断値を示した。
【0070】
実施例18〜23
テープ特性に及ぼす異なる平均繊維長さおよび被覆プロセスの影響を実証するために、3種の接着剤組成物を調製し評価した。
【0071】
95/5重量部のIOA/AA、0.05重量%のCBr4および0.1重量%のABPを用いて実施例1〜11の手順により実施例を調製した。実施例1〜11のガラス繊維を表4に示した量で用いた。押出被覆後に組成物を架橋するために水銀アークランプを用いて400mJ/cm2(NIST)の高強度UVエネルギーの全紫外線(UV)エネルギーを加えた。
【0072】
実施例18および19については、接着剤ポンプを通してバルクポリマーを回転ロッドダイに送った。実施例20および21については、接着剤ポンプを通して、その後、単軸スクリュー押出機をそれぞれ45RPMと96RPMで運転してバルクポリマーを回転ロッドダイに送った。実施例22および23については、接着剤ポンプを通して、その後、二軸スクリュー押出機をそれぞれ100RPMと300RPMで運転してバルクポリマーを回転ロッドダイに送った。すべての実施例を350°Fで加工し、2ミルの厚さでダイから押出した。
【0073】
用いた被覆プロセス、用いたガラス繊維の量、平均繊維長さおよび標準偏差値を以下の表4に示している。上述した試験方法を用いてテープサンプルの分配性を試験した。結果を表4に示している。
【0074】
【表4】
【0075】
上の表は、溶媒系対照と比べて異なる種類の加工条件の結果としての繊維長さの影響を示している。対照は繊維破断を示さないが、単軸スクリュー押出機または二軸スクリュー押出機などの他の種類の加工は非常に広範な繊維破断を示している。この繊維破断はすべての実施例で分配性の優れた接着剤層を提供する。
【0076】
実施例24〜28
本発明の方法により製造された無酸の非極性接着剤の性能を決定するために、5種の接着剤組成物を調製し評価した。
【0077】
実施例を次の通り調製した。
以下の表5に示したモノマー比のエチルヘキシルアクリレート(EHA)およびイソボルニルアクリレート(IBOA)100重量部を75/25重量部IOA/ABP溶液として添加された0.10重量%のアクリルオキシベンゾフェノン(ABP)架橋剤、0.05重量%の連鎖移動剤(四臭化炭素(CBr4))および1.0重量%のIRGANOX1076とブレンドした。
【0078】
得られた低下分子量高転化率シロップは、約700,000〜1,000,000のポリマー分子量をもっていた。最終シロップ転化率は約20%であり、粘度は約3500cpsであった。
【0079】
1.5重量%のガラス繊維(直径16マイクロメートル×長さ0.25インチ、OH州トレドのOwens−Corningから商品名「731A−16W−0.25”」で入手できる)を上述したシロップに繊維束が均一に分散するまで添加した。
【0080】
厚さ2ミルのポリエステルフィルム上に厚さ125ミルで繊維含有シロップを被覆し、紫外線に対して実質的に透明である第2の厚さ2ミルのポリエステルフィルムで重合性被膜の層を覆い、紫外線ランプを用いて前述したMartensらの特許に記載されたように空気中で当該フィルムを通して照射することにより、繊維含有ホットメルトアクリルバルク接着剤を製造する最終重合を行った。全紫外線(UV)エネルギーは1600mJ/cm2(NIST)であり、UVエネルギーの最初の25%の分光強度は0.9ミリワット(MW)であり、残りの75%は2.5MWであった。これは、ガスクロマトグラフィによって決定された残留IOAモノマー約0.5重量%未満のバルクポリマーを生成させた。
【0081】
その後、回転ロッドダイが装備された押出機から厚さ2ミルでバルクポリマーを350°Fで押出し、水銀アークランプを用いて加えられた250mJ/cm2(NIST)の高強度UVエネルギーで架橋させた。
【0082】
用いた成分および量を以下の表5に示している。上述した試験方法を用いてテープサンプルの、1インチ重なり領域を用いる剪断粘着力、種々の基板上での90°引き剥がし粘着力および分配性を試験した。結果を表5に示している。
【0083】
【表5】
【0084】
実施例29〜30
本発明の方法により製造された粘着性が付与された無酸非極性接着剤の性能を決定するために、2種の接着剤組成物を調製し評価した。
【0085】
0.04重量%のCBr4を0.05重量%の代わりに用い、2.0重量%のガラス繊維を1.5重量%の代わりに用いたことを除き、実施例24〜28の場合のように実施例を調製し、DE州ウィルミントンのHercules,Inc.から商品名REGALREZ6108で入手できる20重量%の粘着性付与剤をバルクポリマーに加えて押出機に添加した。Ciba Geigyから商品名TINUVIN770で入手できる1.5重量%の安定剤も添加した。
【0086】
実施例29では全紫外線(UV)エネルギーは300mJ/cm2(NIST)であり、実施例30では全紫外線エネルギーは、ホットメルト押出機から押出後に水銀アークランプからの500mJ/cm2の高強度エネルギーであった。
【0087】
回転ロッドダイが装備された押出機から2ミルの厚さでバルクポリマーを350°Fで押出した。
【0088】
用いた成分および量を以下の表6に示している。上述した試験方法を用いてテープサンプルの、1インチ重なり領域を用いる剪断粘着力、種々の基板上での90°引き剥がし粘着力および分配性を試験した。結果を表6に示している。
【0089】
【表6】
【0090】
実施例31〜36
テープ特性に及ぼす繊維の異なる種類および含有率の影響を実証するために、6種の接着剤組成物を調製し評価した。
【0091】
実施例を次の通り調製した。
それぞれモノマー重量比94/6のイソオクチルアクリレート(IOA)およびアクリル酸(AA)100重量部を75/25重量部IOA/ABP溶液として添加された0.10重量%のアクリルオキシベンゾフェノン(ABP)架橋剤、0.05重量%の連鎖移動剤(四臭化炭素(CBr4))および1.0重量%のIRGANOX1076とブレンドした。
【0092】
得られた低下分子量高転化率シロップは、約700,000〜1,000,000のポリマー分子量をもっていた。最終シロップ転化率は約20%であり、粘度は約3500cpsであった。
【0093】
表7に記載した量で種々の種類の繊維を上述したシロップに繊維束が均一に分散するまで添加した。
【0094】
厚さ2ミルのポリエステルフィルム上に厚さ125ミルの繊維含有シロップを被覆し、紫外線に対して実質的に透明である第2の厚さ2ミルのポリエステルフィルムで重合性被膜の層を覆い、紫外線ランプを用いて空気中で当該フィルムを通して照射することにより、繊維含有ホットメルトアクリルバルク接着剤を製造する最終重合を行った。全紫外線(UV)エネルギーは1600mJ/cm2(NIST)であり、UVエネルギーの最初の25%の分光強度は0.9ミリワット(MW)であり、残りの75%は低強度蛍光ランプを用いて2.5MWであった。これは、ガスクロマトグラフィによって決定された残留IOAモノマー約0.5重量%未満のバルクポリマーを生成させた。
【0095】
その後、回転ロッドダイが装備された押出機から厚さ2ミルでバルクポリマーを350°Fで押出し、水銀アークランプを用いて加えられた400mJ/cm2(NIST)の高強度UVエネルギーで架橋させた。
【0096】
用いた成分および量を以下の表7に示している。上述した試験方法を用いてテープサンプルの、1インチ重なり領域を用いる剪断粘着力、ステンレススチール上での90°引き剥がし粘着力および分配性を試験した。結果を表7に示している。
【0097】
【表7】
【0098】
テープサンプルは、広範囲の繊維種で良好な分配性を示した。
【0099】
本発明の多くの実施形態を説明してきた。しかしながら、本発明の精神および範囲から逸脱せずに種々の修正をなしうることは理解されよう。従って、他の実施形態は特許請求の範囲内である。
発明の分野
本発明はガラス繊維強化材料を製造する方法に関し、より詳しくは、無機繊維で強化された分配可能な接着剤を製造する方法に関する。
【0002】
技術の背景
感圧接着剤転写テープは、印刷産業および製紙産業においてフライングスプライスを製造するために広く用いられている。これらの高性能テープは強い粘着性であるとともに高い凝集強度を有するべきである。さらに、転写テープは、ブレードレス接着剤転写ガンからきれいに分配可能であるべきであり、過度の接着剤を残すように転写済みテープ帯の破断端またはガンオリフィスで跳ね返ってはならない。
【0003】
Vernonらによる米国特許第4,557,960号には、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、アセテートおよびレーヨンなどの有機モノフィラメント繊維が装填された接着剤層を有する接着剤転写テープが記載されている。‘960号特許中の転写テープは、最初に部分的に光重合された被覆性無溶媒モノマーシロップに平均直径5〜40μmのモノフィラメントを0.1〜5体積%の濃度で添加することにより製造される。その後、この混合物は、0.03〜2mmの好ましい厚さで計量オリフィスを通して剥離可能な裏地上に被覆され、その後最終的に、厚さ約0.125mmの感圧接着剤層を生成させるために光重合される。
【0004】
しかし、類似サイズの無機ガラスモノフィラメントを類似濃度で被覆性無溶媒シロップに添加する場合、‘960号特許では、長くて比較的堅いガラス繊維が被覆装置の計量オリフィスを目詰まりさせがちなので被覆作業を行うことができないことが教示されている。
【0005】
この処理問題を避けるために、無機繊維を含有する従来の接着剤は無機繊維を溶媒系接着剤組成物に添加することにより製造される。その後、繊維入り接着剤組成物は切欠き棒被覆装置を用いて基板上に被覆される。接着剤は熱架橋され、溶媒は乾燥炉内で除去される。
【0006】
Moonによる米国特許第5,932,298号には、ホットメルト接着剤組成物を製造する方法であって、ホットメルト性接着剤組成物を生成させるために重合性プレ接着剤組成物をシート上に配し重合させる方法が記載されている。その後、シートは除去され、ホットメルト性接着剤組成物は、加熱押出機、バルクタンク溶融機、メルトオンデマンド装置または手持ち式ホットメルト接着剤ガン内で溶融される。
【0007】
発明の概要
溶媒系接着剤組成物を用いて無機繊維が装填された接着剤層を製造する方法には幾つかの欠点がある。溶媒コーターのライン速度は乾燥工程中の被覆層を通した溶媒の拡散速度に限定される。乾燥および熱架橋工程中に放出される溶媒は環境に不適合でもある。さらに、乾燥および架橋工程中に、繊維は均一に分散せず、それは、粗い表面と一定しない引張強度特性を有する接着剤製品につながる。
【0008】
Moonによる‘298号特許では、繊維を重合性プレ接着剤組成物に配合してもよく、または接着剤の特性を変えるためにホットメルト被覆の時に添加してもよいことが教示されている。しかし、長さ約3mm未満の繊維で強化された接着剤層を有する転写テープが接着剤転写ガンからきれいに分配できない場合があるという‘960号特許の教示を考慮すると、‘298号特許に記載されたプロセスは、無機繊維が装填された接着剤層の製造のために不適合であることが考えられた。無機繊維が比較的脆い傾向があるので、‘298号特許で教示されたような加熱押出機によるホットメルト被覆は、短い長さに繊維を破断することが予想された。‘960号特許の教示を考慮すると、種々の長さのこれらの破断された短繊維を有する接着剤は、分配性の特性が劣った転写テープを生成させることが予想されるであろう。
【0009】
それに反して、本発明者らは、分配性の特性が優れた転写テープを製造するために使用できる無機繊維強化接着剤層を製造するために、‘298号特許に記載されたプロセスを使用できることを発見した。
【0010】
一態様において、本発明は、重合性接着剤組成物および無機繊維を有する被覆性組成物を提供する工程と、繊維入りバルクポリマーを生成させるために被覆性組成物を重合させる工程と、接着剤層を生成させるために基板上に繊維入りバルクポリマーをホットメルト被覆する工程とを含む繊維入り組成物を製造する方法である。接着剤層中の繊維は、好ましくは約10ミル(0.25mm)〜約60ミル(1.50mm)の平均繊維長さおよび約1ミル(0.025mm)〜約100ミル(2.50mm)の繊維長さの範囲を有する。
【0011】
他の態様において、本発明は、本発明方法によって製造された無機繊維強化転写テープである。この転写テープは優れた分配性の特性を有する。
【0012】
従来の溶媒系接着剤プロセスと比べて、本発明方法は被覆ライン速度を高め、さらに生産性を高め、最終被覆製品のコストを下げる。さらに、本発明方法は、溶媒放出を減らし、接着剤層中の強化繊維のより均一な分散を与え、それは、溶媒系接着剤プロセスと比べて最終被覆製品上により平滑な表面を生成させる。
【0013】
本発明の一つ以上の実施形態の詳細を以下の説明において記載する。本発明の他の特徴、目的および利点は説明および特許請求の範囲から明らかであろう。
【0014】
詳細な説明
本発明は、重合性接着剤組成物および無機繊維を含む重合性接着剤組成物を提供する工程と、繊維入りバルクポリマーを生成させるために重合性組成物を重合させる工程と、繊維入り接着剤層を生成させるために基板上に繊維入りバルクポリマーをホットメルト被覆する工程とを含む繊維入り組成物を製造する方法である。
【0015】
重合性接着剤組成物中で用いられる成分は、接着剤層のために意図された用途に応じて広く異なってもよく、最終重合の前に繊維を分散させることが可能であるいかなるモノマー成分またはモノマー成分の混合物も使用してよい。重合性接着剤組成物は、好ましくは約40℃以下、より好ましくは約25℃以下の融点を有する。好ましい実施形態において、重合性接着剤組成物の融点は約0℃以下である。重合性接着剤組成物は25℃で、好ましくは約50,000センチポイズ(cps)未満、より好ましくは約5000cps未満の粘度を有する。重合性接着剤組成物は、モノマー混合物またはプレポリマー混合物であってもよい。プレポリマー混合物は、モノマー材料の部分重合によって生成するシロップ様粘性を有する。重合性接着剤組成物は、好ましくは約500,000〜約1,500,000、より好ましくは約800,000〜約1,200,000、最も好ましくは約800,000〜約1,000,000の重量平均分子量を有する。
【0016】
例えば、架橋剤などの他の添加剤を溶解させるために、少量の揮発性非重合性溶媒を重合性接着剤組成物中に含めてもよい。環境適合性を強化するために、重合性接着剤組成物は、約10重量%未満の溶媒、好ましくは約5重量%未満の溶媒、より好ましくは約1重量%未満の溶媒を含有する。
【0017】
ホットメルト性感圧接着剤バルクポリマーを製造するために重合性接着剤組成物中で用いてもよい好ましい重合性材料には、アクリレートポリマーおよびコポリマーならびにメタクリレートポリマーおよびコポリマーが挙げられる。これらの感圧接着剤バルクポリマーは、アルキル基が1〜20個の炭素原子、好ましくは3〜18個の炭素原子を有する非第三アルキルアルコールの一種以上のモノマーアクリル酸エステルまたはモノマーメタクリル酸エステルの少なくとも50重量部且つ100重量部以下を含む重合性組成物を重合させることにより生成させることが可能である。重合性接着剤組成物中で用いるために適するアクリレートモノマーには、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、オクタデシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソボルニルアクリレートおよびドデシルアクリレートが挙げられる。例えばベンジルアクリレートなどの芳香族アクリレートも有用である。
【0018】
任意に、重合性接着剤組成物は、アクリレートモノマーと重合しうる一種以上のモノエチレン系不飽和コモノマーの約0〜約50重量部を含んでもよい。コモノマーの一つのクラスは、アクリレートホモポリマーのガラス転移温度より高いホモポリマーガラス転移温度を有する。適するコモノマーの例には、アクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどの置換アクリルアミド、イタコン酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、イソボルニルアクリレート、シアノエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、無水マレイン酸、ヒドロキシアルキルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアクリルアミド、ベータ−カルボキシエチルアクリレート、CT州ダンベリーのUnion Carbide Corp.から商品名Vynatesで入手できるものなどのネオデカン酸、ネオノナン酸、ネオペンタン酸、2−エチルヘキサン酸またはプロピオン酸のビニルエステル、塩化ビニリデン、スチレン、ビニルトルエンおよびアルキルビニルエーテルが挙げられる。
【0019】
任意に、重合性接着剤組成物は、アクリレートホモポリマーのガラス転移温度より低いホモポリマーガラス転移温度を有するもう一つのクラスのコモノマー約0〜約50重量部を含んでもよい。このクラスに入る適するコモノマーの非限定的な例には、Shin Nakamura Chemical Co.,Ltd.から商品名NK Ester AM−90Gで入手できるエトキシエトキシエチルアクリレートおよびメトキシポリエチレングリコール400アクリレートが挙げられる。
【0020】
重合性接着剤組成物を部分的にまたは完全に重合させるために用いられる重合方法に応じて、重合性接着剤組成物は開始剤を含んでもよい。例えば、紫外線(UV)を用いて重合性接着剤組成物を部分的にまたは完全に重合させるために、例えば、ベンジルジメチルケタールおよび1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどの置換アセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換アルファケトール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル、アニソインメチルエーテルなどの置換ベンゾインエーテル、芳香族塩化スルホニルおよび光活性オキシムなどの光開始剤を含めてもよい。光開始剤は、重合性接着剤組成物中の全モノマー100部当たり約0.001〜約5.0重量部、好ましくは全モノマー100部当たり約0.01〜約5.0重量部、より好ましくは全モノマー100部当たり約0.1〜約0.5重量部の量で用いてもよい。
【0021】
好ましくは、重合性接着剤組成物は、ポリマーの分子量を制御するために連鎖移動剤も含む。連鎖移動剤はラジカル重合を調節し、連鎖移動剤には、例えば、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素、ラウリルメルカプタン、ブチルメルカプタン、エタンチオール、イソオクチルチオグリコラート(IOTG)、2−エチルヘキシルチオグリコラート、2−エチルヘキシルメルカプトプロピオネート、2−メルカプトイミダゾールおよび2−メルカプトエチルエーテルなどの硫黄化合物、エタノール、イソプロパノールおよび酢酸エチルなどの溶媒を挙げることができる。重合性接着剤組成物中で用いられる連鎖移動剤の量は、重合性接着剤組成物の所望の分子量および用いられる連鎖移動剤の種類に応じて決まる。溶媒は連鎖移動剤として有用であるが、一般に、例えば硫黄化合物ほどには活性でない。連鎖移動剤は、重合性接着剤組成物中の全モノマー100部当たり典型的には約0.001〜約10重量部、好ましくは約0.01〜約0.5重量部、最も好ましくは約0.01〜約0.20重量部の量で用いられる。
【0022】
重合性接着剤組成物は有効量の架橋剤をさらに含んでもよい。架橋剤は、繊維入りバルクポリマーが基板上に被覆された後に活性であってもよい。架橋剤は、重合性接着剤組成物中の全モノマーの典型的には約0.01〜約5.0重量部で存在する。架橋剤は、最終重合の前に重合性接着剤組成物に配合できるか、または被覆工程中に溶融バルクポリマーに添加してもよい。重合性接着剤組成物に添加する時、架橋剤は、別個の物質として完全な状態のままであることが可能であるか、または組成物中のモノマーと共重合することが可能である。架橋は、好ましくはホットメルト被覆後に開始され、架橋は、好ましくは紫外(UV)線、ガンマ線などの電離線または電子ビーム(電離線の場合、別個の架橋剤の使用は任意である)によって開始される。
【0023】
重合性接着剤組成物の最終重合後およびバルクポリマーのホットメルト被覆前に添加できる好ましい架橋剤には、米国特許第4,329,384号(Vesleyら)および第4,330,590号(Vesley)に記載されたように、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートおよびトリメチロールプロパントリアクリレートなどの多官能性アクリレート、および2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−s−トリアジンおよび2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−ジメトキシフェニル)−s−トリアジンなどの置換トリアジンが挙げられる。好ましい架橋剤のもう一つのクラスは、米国特許第4,737,559号(Kellenら)に記載されたものなどのオルト−芳香族ヒドロキシル基のない共重合性モノエチレン系不飽和芳香族ケトンコモノマーである。特定の例には、パラ−アクリルオキシベンゾフェノン、パラ−アクリルオキシエトキシベンゾフェノン、パラ−N−(メチルアクリルオキシエチル)−カルバモイルエトキシベンゾフェノン、パラ−アクリルオキシアセトフェノン、オルト−アクリルアミドアセトフェノンおよびアクリル化アントラキノンなどが挙げられる。なおもう一つの適する架橋剤は1,5−ビス(4−ベンゾイルベンゾキシ)ペンタンである。米国特許第4,181,752号(Martensら)で開示されたようなアントラキノン、ベンゾフェノンおよびそれらの誘導体などの水素引抜カルボニルも適する。
【0024】
重合性接着剤組成物中のモノマーは、例えば、中圧水銀アークランプからの紫外(UV)線を照射することにより架橋することが可能である。紫外線によって活性化される架橋剤が重合性接着剤組成物の重合のために用いられる波長とはエネルギーの異なる波長によって主として活性化されることが好ましい。例えば、低強度バックライトを重合のために用いてもよく、水銀アークランプを後続の架橋のために用いてもよい。
【0025】
重合性接着剤組成物は、バルクポリマーの粘着性を高めるために粘着性付与樹脂をさらに含むことが可能である。粘着性付与樹脂は、バルクポリマーが基板上にホットメルト被覆される時にも添加することが可能である。適する粘着性付与樹脂には、ロジンエステル、テルペン、フェノール、および脂肪族合成炭化水素純モノマー樹脂と芳香族合成炭化水素純モノマー樹脂またはそれらの混合物が挙げられる。市販されている有用な粘着性付与樹脂の例には、Hercules,Inc.によって商品名REGALREZで販売されているFORAL85炭化水素樹脂、Exxon Chemicals製のECR−180およびSchenectady International,Inc.から入手できるSP553テルペンフェノール樹脂が挙げられる。粘着性付与樹脂を用いるならば、粘着性付与樹脂の量は、重合性接着剤組成物中の全モノマー100部当たり約1〜約50重量部の範囲であることが可能である。
【0026】
ポリマーは、バルクポリマーの接着剤特性を改良するために、または繊維の導入のために適する粘度を有するシロップまたはプレポリマー混合物を製造するために、重合前に重合性接着剤組成物に溶解させてもよい。こうしたポリマー改質剤の例には、シリコーン感圧接着剤、アクリルポリマーおよびコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、アクリロニトリルコポリマーおよび米国特許第4,554,324号(Husmanら)に記載されたものなどの共重合性マクロマーが挙げられる。本明細書に引用して援用する米国特許第5,602,221号(Bennettら)に記載された感圧アクリレート接着剤組成物も、本発明の方法において使用してよい。一般に、これらの接着剤は、そのホモポリマーが0℃未満のTgを有する一価アルコールのアクリル酸エステル25〜97重量部と、そのホモポリマーが10.50以下の溶解度パラメータおよび15℃より高いTgを有する非極性エチレン系不飽和モノマー3〜75重量部と、そのホモポリマーが10.50より高い溶解度パラメータおよび15℃より高いTgを有する極性エチレン系不飽和モノマー0〜5重量部との重合生成物である。本明細書に引用して援用する米国特許第5,756,584号(Bennettら)に記載され粘着性が付与された感圧アクリレート接着剤組成物も本発明の方法において有用である。一般に、これらの接着剤は、そのホモポリマーが0℃未満のTgを有する一価アルコールのアクリル酸エステル25〜98重量部と、そのホモポリマーが10.50以下の溶解度パラメータおよび15℃より高いTgを有する非極性エチレン系不飽和モノマー2〜75重量部と、そのホモポリマーが10.50より高い溶解度パラメータおよび15℃より高いTgを有する極性エチレン系不飽和モノマー0〜5重量部との重合生成物およびこの重合生成物に室温で混和性である少なくとも一種の粘着性付与剤を含む。
【0027】
他の添加剤は、最終繊維入り製品の特性を変えるために、重合性組成物中に含めることが可能であるか、またはバルクポリマーのホットメルト被覆の時点で添加することが可能である。適する添加剤および充填剤には、可塑剤、顔料、補強剤、疎水性シリカまたは親水性シリカ、炭酸カルシウム、強化剤、難燃剤、酸化防止剤、ポリエステル、ナイロンおよびポリプロピレンなどの微粉砕高分子粒子ならびに安定剤が挙げられる。添加剤は、所望の最終特性を得るのに十分な量で添加される。
【0028】
重合性組成物は、好ましくは、繊維束の迅速な分散を見込むように、プロペラ混合などの既知の剪断混合技術を用いて組成物中への繊維の迅速且つ均一な分散を可能にするのに十分な粘度を有する。しかし、重合性組成物は、最終重合の前に繊維の迅速な沈降を防ぐのに十分に粘性であるべきである。適する粘度を与えるために、重合性組成物は、繊維の導入前に既知のいずれかの技術によって部分重合させてもよい。例えば、重合性組成物は、米国特許第4,181,752号(Martensら)に記載されたように紫外(UV)線を照射することにより部分重合させてもよい。典型的には、重合性モノマーと光開始剤は、シロップ様粘性を有する予備重合された被覆性組成物を達成するために、溶媒の存在しない状態で互いに混合され、25℃でBrookfield粘度計によって測定して約500cps〜約50,000cps、好ましくは25℃で約1000cps〜約2500cpsの粘度に部分重合される。あるいは、モノマーは、被覆のための所望の粘度を達成するためにヒュームド親水性シリカなどのチキソトロープ剤と混合してもよい。その後、連鎖移動剤、繊維、架橋剤および粘着性付与剤と酸化防止剤などの他のいかなる原料も予備重合されたシロップに添加される。あるいは、架橋剤を除き、これらの原料を重合性接着剤組成物中のモノマーに直接添加してもよい。
【0029】
上述したように、被覆性組成物を生成させるために繊維は重合性組成物に導入される。適する繊維には有機材料および無機材料が挙げられる。但し、無機材料は本発明の方法において特に有用であることが見出された。有機材料には、例えば、ポリエステル、ナイロンおよびポリプロピレンなどの高分子繊維が挙げられる。適するポリエステル繊維の例は、Hoechst−Celanese製のTreviraタイプ103である。適する無機材料には、ガラス、金属およびセラミックが挙げられる。繊維の長さおよび直径は、最終の繊維入り接着剤組成物の所期の用途に応じて広い範囲にわたって変えることが可能である。
【0030】
好ましい無機繊維はガラス繊維であり、それはOwens−Corningから「731A−16W−0.25”」として入手できる。最終重合工程の前に繊維が重合性組成物に懸濁/分散したままであるより高い傾向があるように繊維の比重が重合性組成物の比重と似るように繊維を選択することが可能である。
【0031】
好ましいガラス繊維は、重合性接着剤組成物に導入する時点で測定して、約50ミル(1.3mm)〜約500ミル(13mm)の長さを有する。繊維の直径は、約1マイクロメートル(0.025mm)〜約50マイクロメートル(1.3mm)、より好ましくは約5マイクロメートル(0.13mm)〜約20マイクロメートル(0.52mm)、最も好ましくは約7マイクロメートル(0.18mm)〜約16マイクロメートル(0.41mm)である。
【0032】
被覆性組成物中で用いられる繊維の量は、組成物の全重量を基準にして100部当たり典型的には約0.25〜約5重量部である。被覆性組成物中で用いられる繊維の量が約5重量部より多い時、予備重合されたシロップに配合したり、および/または被覆性組成物を薄く被覆したりすることがより困難である。被覆性組成物中で用いられる繊維の量が約0.25重量部より少ない時、得られた繊維入り接着剤層を有するテープは、多くの用途のために適切に分配できない可能性がある。
【0033】
繊維は、例えば、プロペラ混合などの既知のいずれかの技術によって最終重合の前に重合性組成物に導入し分散させてもよい。繊維が有機繊維である時、低温運転は、繊維を溶融させうるか、伸ばしうるか、または別の方法で変形させうる高温に被覆性組成物が達しないようにする。好ましくは、繊維は被覆性組成物中に分配され、それは、転写テープ中で用いられる時、より信頼でき予期できる分配性の特性を有する最終接着剤層を生成させる。最終重合前の繊維の均一分散は、最終製品の表面から多数の繊維が突き出ることも防ぎ、それは、溶媒系プロセスを用いて達成できるよりも平滑で均一な表面を有する最終製品をもたらす。
【0034】
繊維は、任意に、繊維束をまとめておいて重合性接着剤組成物中での分散を強化するために結合剤中に導入してもよい。繊維結合剤を用いる時、結合剤は、好ましくは重合性接着剤組成物中で用いられるモノマーに可溶性であるのがよい。
【0035】
被覆性組成物を生成させるために繊維を重合性組成物に実質的に均一に分散させた後、被覆性組成物を基板上に被覆してもよく、そして繊維入りバルクポリマーを生成させるために最終的に重合させてもよい。好ましくは、繊維入りバルクポリマーを生成させるために、被覆性組成物は、少なくとも約95%重合され、より好ましくは少なくとも約98%重合される。重合は、既知のいずれかの重合プロセスを用いて達成してもよく、紫外(UV)線を照射することは適することが見出された。UV重合プロセスを容易にするため、被覆性組成物を上に被覆する基板は紫外線の波長に対して実質的に透明である。被覆性組成物の最終重合も、好ましくは不活性雰囲気(すなわち無酸素)、例えば窒素雰囲気内で行われる。被覆性組成物の最終重合のために適する基板の例には、剥離ライナー(例えば、シリコーン剥離ライナー)およびテープ裏地などが挙げられる。十分に不活性な雰囲気は、紫外線に対して実質的に透明であるプラスチックフィルムで被覆性組成物の被覆層を覆い、紫外線ランプを用いて前述したMartensらの特許に記載されたように空気中でカバーフィルムを通して照射することにより達成することも可能である。好ましい実施形態において、被覆性組成物の最終重合は、約0.1〜約25mW/cm2の間の強度で280〜400ナノメートル(nm)の間のUVバックライトの60%を超える、好ましくは75%を超える発光スペクトルを有するUVバックライトを用いて行われる。
【0036】
典型的な被覆厚さは、約25ミル〜約200ミル、好ましくは25ミル〜125ミル、最も好ましくは75〜125ミルである。
【0037】
重合の程度を決定するために、被覆性組成物の屈折率を監視してもよい。屈折率は重合の程度の感度のよい指標である。例えば、アクリルモノマーを含む被覆性組成物の屈折率は、重合性組成物段階での約1.4300から被覆性組成物が繊維入りバルク接着剤に100%重合された時の約1.4700まで変化する。屈折率の変化は、アクリレート不飽和の転化とともに直線的に起きる。この方法は、GladyshevおよびGibovによる「Polymerization at Advanced Degrees of Conversion」,Keter Press,Jerusalem.1970で論じられたように重合動力学の研究において一般に応用される。
【0038】
最終重合後、重合されたバルクポリマーは容器に導入され、溶融される。溶融工程は、例えば、加熱単軸スクリュー押出機または加熱二軸スクリュー押出機、バルクタンク溶融装置、メルトオンデマンド装置または手持ち式ホットメルト接着剤ガン内などの既知のいかなる方法で行ってよい。単軸スクリュー押出機または二軸スクリュー押出機が好ましい。好ましい実施形態において、溶融したバルクポリマーはホットメルト性感圧接着剤であり、溶融した接着剤は、溶融した接着剤の層をシート材料またはもう一つの適する基板上に被覆することにより感圧接着剤シートを生成させるために用いてもよい。シート材料は、好ましくはテープ裏地または剥離ライナーから選択される。好ましくは、バルクポリマーは、ポリマーを溶融させるのに十分な温度で且つ基板上に被覆される被覆性バルクポリマー混合物を生成させるのに十分に混合するコーター内にポリマーを入れることにより溶融被覆される。架橋剤を添加する時、被覆された接着剤には、架橋を行うのに十分なUV線または電離線を照射することも可能である。架橋は、好ましくは基板材料上にバルクポリマーを被覆後に開始される。
【0039】
溶融および被覆工程中、無機繊維は、好ましくは粉砕され破断され、バルクポリマーに分散する。この処理は、繊維長さ分布が広い繊維で強化される最終製品中の接着剤層をもたらす。被覆された接着剤層中の繊維は、好ましくは、約10ミル(0.25mm)〜約60ミル(1.50mm)の平均繊維長さおよび約1ミル(0.025mm)〜約100ミル(2.50mm)の繊維長さの範囲を有する。いかなる理論によっても束縛されることを望まないが、接着剤層中の繊維のこの分散および繊維長さの広い分布は、破断を促進する多数の核形成サイトを有する接着剤層を生成させることが考えられる。たとえ接着剤層中の接着剤が非常に粘着性であり、高い凝集強度を有するとしても、接着剤層は核形成サイトで容易に破断可能であり、それは分配性を強化し、より均一な分配性をテープ用途において与える。好ましい分配性テープ構造は、MN州セントポールの3M Companyから入手できるSCOTCH ATG700テープディスペンサー内で鋭角で殆ど跳ね返りなく、好ましくは実質的に全く跳ね返りなく、きれいに破断しうる。
【0040】
本発明方法の工程はインラインで行ってもよい。すなわち、重合性組成物は、被覆性組成物を生成させるために任意の連鎖移動剤、任意の架橋剤および繊維と組み合わせて製造してもよく、繊維入りバルクポリマーを生成させるために重合させてよく、最終製品の層を生成させるためにホットメルト被覆してもよく、任意に架橋してもよく、あるいは工程は、別の時間および場所で個別に行ってもよい。
【0041】
本発明の好ましい実施形態において、最終被覆ポリマー製品は高性能感圧接着剤層である。この接着剤層は、適するいかなる基板上にも被覆してもよく、そして基板が剥離ライナーである場合、得られた構成は分配性が優れた高性能転写テープである。転写テープは、最終ユーザーによって用いられる時にライナーから除去される。典型的な厚さは、0.5ミル〜10ミル、より好ましくは2〜5ミルである。
【0042】
本発明のもう一つの実施形態において、この高性能感圧接着剤層は、片面または両面被覆テープ構成を生成させるためにテープ裏地の片側または両側に被覆してもよい。典型的なテープ裏地には、紙、クレープペーパーなどのセルロース材料、布地(織布と不織布の両方)、二軸配向ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、二軸配向ポリプロピレン、一軸配向ポリプロピレン、ナイロンなどのフィルム、ポリエチレン発泡体およびアクリル発泡体などの発泡体材料、およびアルミニウム箔などの金属箔が挙げられる。裏地は、通常、シリコーンなどの剥離被膜で裏側(被覆層とは逆側)が処理され、そして接着剤層の裏地への接着性を強化するためにホットメルト被覆の前に処理してよい。接着剤の裏地への接着性を強化するために有用な処理には、化学的下塗およびコロナ処理が挙げられる。
【0043】
なおもう一つの実施形態において、基板は、ある部品の表面であって、もう一個の部品に接着剤層で接着させるべき部品の表面であってもよい。本発明のもう一つの実施形態において、振動を止めるため、またはシーラントとして、接着剤層または接着剤層から製造されるテープを用いてもよい。
【0044】
上述した用途に加えて、容器入り接着剤は他の分野で有用である。例えば、上述した方法は、プレ接着剤組成物を基板シートと剥離可能ライナーとの間に配し、組成物を重合させ、その後ライナーを除去することにより、有用な張るだけでくっつく物品、例えば、ラベル、ステッカー、ボディサイドモールディング、装飾モールディング、電気テープ、薬物送達パッチ、メカニカルファスナー(例えば、MN州セントポールの3M Co.から入手できるSCOTCHMATEブランドフックとループファスナーおよびDUAL LOCKブランド再閉可能ファスナー)、研磨剤物品(例えば研磨円板)、フォームインプレースガスケット、医療テープ、キャンバスマーキングフィルム、および装飾シートを調製するために用いることが可能である。
【0045】
再帰反射シート(例えば、微小球系再帰反射シートおよびキューブコーナー型シート)およびグラフィックシートなどのシート製品上でも接着剤を用いることが可能である。本発明の接着剤を上で使用できる再帰反射シートの説明例には、露出レンズ再帰反射シート、埋込みレンズシートおよび封入レンズシートが挙げられる。用いるために適する市販の再帰反射シートの説明例には、MN州セントポールの3Mが販売するSCOTCHLITE Brand Engineer Grade、High Intensity GradeおよびDiamond Grade Retroreflective Sheetingsが挙げられる。接着剤の適する実施形態を選択すると、これらのシートは、ライセンスプレートブランク、車体、看板面、ガードレール、舗装面、車体、セーフティコーン、障壁、衣類およびマーカーなどの様々な所望の基板に被着させることが可能である。用いるために適する市販のグラフィックシートの説明例には、MN州セントポールの3M製のSCOTCHCAL Brand Vinyl FilmsおよびPolyester Filmsが挙げられる。
【0046】
以下の実施例を用いて本発明をさらに説明する。すべての部または百分率は特に明記がないかぎり重量による。
【0047】
試験手順
接着剤を評価するために実施例で用いた試験手順は以下の手順を含む。
【0048】
1.90°引き剥がし粘着力
二個のライナーが存在する時、5インチ×0.5インチの寸法の感圧接着剤転写テープの帯からライナーの一方を除去し、厚さ2ミルのアルミニウム箔を積層する。その後、他方のライナーを除去し、アセトンで一回およびヘプタンで二回きれいに拭き取られた2インチ×5インチのステンレススチールパネル、2インチ×5インチのアクリロニトリルブタジエンスチレンパネルおよび/または2インチ×5インチのポリプロピレンパネルにテープを接着させる。4.5lbの1回のパスで硬質ゴムローラーをテープにかけてならす。パネルを室温(約72°F)で約15分間にわたり状態調節し、その後、剥離試験機上に取り付け、テープを12インチ/分の速度で90°の角度で引き剥がす。結果を表においてオンス/インチ(oz/in)で報告し、そして数値は二回の試験の平均である。
【0049】
静的剪断
実施例1〜23では1/2インチ×5インチの感圧接着剤転写テープを厚さ2ミルのアルミニウム箔片に積層することにより、実施例24〜36では1インチ×5インチの寸法に切断することにより静的剪断を決定する。上述したように前もって清浄化されたステンレススチールパネルに1インチ重ねてサンプルの一端を接着させ、おもりをサンプルの他端に取り付ける。その後、パネルを垂直から約2°傾けて垂らして、剪断方式の破壊を確実にする。サンプルをパネルから引き剥がす時間を分(min)で測定する。10,000分後に試験を止める。室温剪断(RT)のために500gのおもりを用いる。報告した数値は、一組当たり二回の試験の平均値を表す。
【0050】
3.分配性
8 1/2インチ×11インチの便箋上にMN州セントポールの3M Companyから市販されているSCOTCH ATG700テープディスペンサーから長さ約6インチ×幅0.5インチの繊維含有テープ帯を一回の作動で分配することにより分配性を決定した。テープ長さ6インチを分配後に、ディスペンサーを紙から30°の角度で素早く引き上げて被着したテープから離れさせて、テープを切断させる。分配性を目視で決定し、次の通り採点した。
優:鋭角、跳ね返りのないテープのきれいな破断
良:跳ね返りが多少あるテープのきれいな破断
劣(不可):テープ破断困難、きれいではない破断、過度の跳ね返り
【0051】
実施例1〜11
テープの特性に及ぼす異なる繊維含有率およびテープ厚さの影響を実証するために、11種の接着剤組成物を調製し評価した。
【0052】
実施例を次の通り調製した。
以下の表1に示したモノマー比のイソオクチルアクリレート(IOA)およびアクリル酸(AA)100重量部を75/25重量部IOA/ABP溶液として添加された0.10重量%のアクリルオキシベンゾフェノン(ABP)架橋剤、0.05重量%の連鎖移動剤(四臭化炭素(CBr4))および1.0重量%の酸化防止剤(NY州アーズリーのCiba−Geigyから商品名IRGANOX1076で市販されているオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとブレンドした。
【0053】
得られた低下分子量高転化率シロップは、約700,000〜1,000,000のポリマー分子量をもっていた。最終シロップ転化率は約20%であり、粘度は約3500cpsであった。
【0054】
ガラス繊維(直径16マイクロメートル×長さ0.25インチ(0.64cm)、SC州Owens−Corningから商品名「731A−16W−0.25”」で入手できる)を上述したシロップに表1に記載した量で添加し、繊維束が均一に分散するまで混合した。
【0055】
厚さ2ミルのポリエステルフィルム上に厚さ125ミルで繊維含有シロップを被覆し、紫外線に対して実質的に透明である第2の厚さ2ミルのポリエステルフィルムで重合性被膜の層を覆い、低強度蛍光紫外線ランプを用いて前述したMartensらの特許に記載されたように空気中で当該フィルムを通して照射することにより、繊維含有ホットメルトアクリルバルク接着剤を製造する最終重合を行った。全紫外線(UV)エネルギーは1600mJ/cm2(NIST)であり、UVエネルギーの最初の25%の分光強度は0.9ミリワット(MW)であり、残りの75%は2.5MWであった。これは、ガスクロマトグラフィによって決定された残留IOAモノマーの約0.5重量%未満のバルクポリマーを生成させた。
【0056】
その後、実施例1〜4では2ミル(0.05mm)、実施例5〜8では5ミル(0.12mm)および実施例9〜11では10ミル(0.25mm)の厚さで、回転ロッドダイが装備された押出機からバルクポリマーを350°Fで押出した。その後、水銀アークランプを用いて400mJ/cm2(NIST)の高強度UVエネルギーで、押出した組成物を架橋させた。
【0057】
上述した試験方法を用いてテープサンプルの剪断粘着力、ステンレススチール上での90°引き剥がし粘着力および分配性を試験した。結果を表1に示している。
【0058】
【表1】
【0059】
データから、溶媒系対照と比べた時、種々のレベルのガラス繊維、アクリル酸濃度および塗布量が優れた剪断値および粘着力値を示したことが分かる。2ミルの被膜および5ミルの被膜での分配性は優れていた。より厚い10ミルのサンプルはフィルム強度が高すぎた。
【0060】
実施例12〜14
テープ特性に及ぼす異なるアクリル酸含有率の影響を実証するために、3種の接着剤組成物を調製し評価した。
【0061】
表2の成分を用いて、実施例1〜11の場合のように実施例を調製した。回転ロッドダイが装備された押出機から2ミルの厚さでバルクポリマーを350°Fで押出した。
【0062】
用いた成分および量を以下の表2に示している。上述した試験方法を用いてテープサンプルの剪断粘着力、ステンレススチール(SS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)およびポリプロピレン(PP)上での90°引き剥がし粘着力および分配性を試験した。結果を表2に示している。
【0063】
【表2】
【0064】
データから、増加したアクリル酸濃度によって、且つその広い範囲で優れた分配性を達成できることが分かる。
【0065】
実施例15〜17
架橋テープおよび非架橋テープについてテープ特性に及ぼすDE州ウィルミントンのHerculesから商品名FORAL85で入手できる粘着性付与剤の影響を実証するために、3種の接着剤組成物を調製し評価した。
【0066】
表3の成分を用いて実施例1〜11の場合のように実施例を調製した。但し、実施例15および16は押出後に照射せず、実施例17は水銀アークランプによって供給される900mJ/cm2(NIST)の高強度UVエネルギーの全紫外線(UV)エネルギーで押出後に照射した。粘着性付与剤をバルクポリマーに加えて溶融押出機に添加し、回転ロッドダイが装備された押出機から5ミルの厚さで混合物を350°Fで押出した。
【0067】
用いた成分および量を以下の表3に示している。上述した試験方法を用いてテープサンプルの剪断粘着力、ステンレススチール(SS)上での90°引き剥がし粘着力および分配性を試験した。結果を表3に示している。
【0068】
【表3】
【0069】
データから、粘着力値が粘着性付与樹脂の使用と共に増加したことが分かる。軽く架橋させてForal−85のレベルを増加させると、溶媒系製品と似た粘着力値を得られた。非架橋実施例は、ホットメルト被覆性のために必要な低い分子量のゆえに低下した剪断値を示した。
【0070】
実施例18〜23
テープ特性に及ぼす異なる平均繊維長さおよび被覆プロセスの影響を実証するために、3種の接着剤組成物を調製し評価した。
【0071】
95/5重量部のIOA/AA、0.05重量%のCBr4および0.1重量%のABPを用いて実施例1〜11の手順により実施例を調製した。実施例1〜11のガラス繊維を表4に示した量で用いた。押出被覆後に組成物を架橋するために水銀アークランプを用いて400mJ/cm2(NIST)の高強度UVエネルギーの全紫外線(UV)エネルギーを加えた。
【0072】
実施例18および19については、接着剤ポンプを通してバルクポリマーを回転ロッドダイに送った。実施例20および21については、接着剤ポンプを通して、その後、単軸スクリュー押出機をそれぞれ45RPMと96RPMで運転してバルクポリマーを回転ロッドダイに送った。実施例22および23については、接着剤ポンプを通して、その後、二軸スクリュー押出機をそれぞれ100RPMと300RPMで運転してバルクポリマーを回転ロッドダイに送った。すべての実施例を350°Fで加工し、2ミルの厚さでダイから押出した。
【0073】
用いた被覆プロセス、用いたガラス繊維の量、平均繊維長さおよび標準偏差値を以下の表4に示している。上述した試験方法を用いてテープサンプルの分配性を試験した。結果を表4に示している。
【0074】
【表4】
【0075】
上の表は、溶媒系対照と比べて異なる種類の加工条件の結果としての繊維長さの影響を示している。対照は繊維破断を示さないが、単軸スクリュー押出機または二軸スクリュー押出機などの他の種類の加工は非常に広範な繊維破断を示している。この繊維破断はすべての実施例で分配性の優れた接着剤層を提供する。
【0076】
実施例24〜28
本発明の方法により製造された無酸の非極性接着剤の性能を決定するために、5種の接着剤組成物を調製し評価した。
【0077】
実施例を次の通り調製した。
以下の表5に示したモノマー比のエチルヘキシルアクリレート(EHA)およびイソボルニルアクリレート(IBOA)100重量部を75/25重量部IOA/ABP溶液として添加された0.10重量%のアクリルオキシベンゾフェノン(ABP)架橋剤、0.05重量%の連鎖移動剤(四臭化炭素(CBr4))および1.0重量%のIRGANOX1076とブレンドした。
【0078】
得られた低下分子量高転化率シロップは、約700,000〜1,000,000のポリマー分子量をもっていた。最終シロップ転化率は約20%であり、粘度は約3500cpsであった。
【0079】
1.5重量%のガラス繊維(直径16マイクロメートル×長さ0.25インチ、OH州トレドのOwens−Corningから商品名「731A−16W−0.25”」で入手できる)を上述したシロップに繊維束が均一に分散するまで添加した。
【0080】
厚さ2ミルのポリエステルフィルム上に厚さ125ミルで繊維含有シロップを被覆し、紫外線に対して実質的に透明である第2の厚さ2ミルのポリエステルフィルムで重合性被膜の層を覆い、紫外線ランプを用いて前述したMartensらの特許に記載されたように空気中で当該フィルムを通して照射することにより、繊維含有ホットメルトアクリルバルク接着剤を製造する最終重合を行った。全紫外線(UV)エネルギーは1600mJ/cm2(NIST)であり、UVエネルギーの最初の25%の分光強度は0.9ミリワット(MW)であり、残りの75%は2.5MWであった。これは、ガスクロマトグラフィによって決定された残留IOAモノマー約0.5重量%未満のバルクポリマーを生成させた。
【0081】
その後、回転ロッドダイが装備された押出機から厚さ2ミルでバルクポリマーを350°Fで押出し、水銀アークランプを用いて加えられた250mJ/cm2(NIST)の高強度UVエネルギーで架橋させた。
【0082】
用いた成分および量を以下の表5に示している。上述した試験方法を用いてテープサンプルの、1インチ重なり領域を用いる剪断粘着力、種々の基板上での90°引き剥がし粘着力および分配性を試験した。結果を表5に示している。
【0083】
【表5】
【0084】
実施例29〜30
本発明の方法により製造された粘着性が付与された無酸非極性接着剤の性能を決定するために、2種の接着剤組成物を調製し評価した。
【0085】
0.04重量%のCBr4を0.05重量%の代わりに用い、2.0重量%のガラス繊維を1.5重量%の代わりに用いたことを除き、実施例24〜28の場合のように実施例を調製し、DE州ウィルミントンのHercules,Inc.から商品名REGALREZ6108で入手できる20重量%の粘着性付与剤をバルクポリマーに加えて押出機に添加した。Ciba Geigyから商品名TINUVIN770で入手できる1.5重量%の安定剤も添加した。
【0086】
実施例29では全紫外線(UV)エネルギーは300mJ/cm2(NIST)であり、実施例30では全紫外線エネルギーは、ホットメルト押出機から押出後に水銀アークランプからの500mJ/cm2の高強度エネルギーであった。
【0087】
回転ロッドダイが装備された押出機から2ミルの厚さでバルクポリマーを350°Fで押出した。
【0088】
用いた成分および量を以下の表6に示している。上述した試験方法を用いてテープサンプルの、1インチ重なり領域を用いる剪断粘着力、種々の基板上での90°引き剥がし粘着力および分配性を試験した。結果を表6に示している。
【0089】
【表6】
【0090】
実施例31〜36
テープ特性に及ぼす繊維の異なる種類および含有率の影響を実証するために、6種の接着剤組成物を調製し評価した。
【0091】
実施例を次の通り調製した。
それぞれモノマー重量比94/6のイソオクチルアクリレート(IOA)およびアクリル酸(AA)100重量部を75/25重量部IOA/ABP溶液として添加された0.10重量%のアクリルオキシベンゾフェノン(ABP)架橋剤、0.05重量%の連鎖移動剤(四臭化炭素(CBr4))および1.0重量%のIRGANOX1076とブレンドした。
【0092】
得られた低下分子量高転化率シロップは、約700,000〜1,000,000のポリマー分子量をもっていた。最終シロップ転化率は約20%であり、粘度は約3500cpsであった。
【0093】
表7に記載した量で種々の種類の繊維を上述したシロップに繊維束が均一に分散するまで添加した。
【0094】
厚さ2ミルのポリエステルフィルム上に厚さ125ミルの繊維含有シロップを被覆し、紫外線に対して実質的に透明である第2の厚さ2ミルのポリエステルフィルムで重合性被膜の層を覆い、紫外線ランプを用いて空気中で当該フィルムを通して照射することにより、繊維含有ホットメルトアクリルバルク接着剤を製造する最終重合を行った。全紫外線(UV)エネルギーは1600mJ/cm2(NIST)であり、UVエネルギーの最初の25%の分光強度は0.9ミリワット(MW)であり、残りの75%は低強度蛍光ランプを用いて2.5MWであった。これは、ガスクロマトグラフィによって決定された残留IOAモノマー約0.5重量%未満のバルクポリマーを生成させた。
【0095】
その後、回転ロッドダイが装備された押出機から厚さ2ミルでバルクポリマーを350°Fで押出し、水銀アークランプを用いて加えられた400mJ/cm2(NIST)の高強度UVエネルギーで架橋させた。
【0096】
用いた成分および量を以下の表7に示している。上述した試験方法を用いてテープサンプルの、1インチ重なり領域を用いる剪断粘着力、ステンレススチール上での90°引き剥がし粘着力および分配性を試験した。結果を表7に示している。
【0097】
【表7】
【0098】
テープサンプルは、広範囲の繊維種で良好な分配性を示した。
【0099】
本発明の多くの実施形態を説明してきた。しかしながら、本発明の精神および範囲から逸脱せずに種々の修正をなしうることは理解されよう。従って、他の実施形態は特許請求の範囲内である。
Claims (25)
- (a)重合性接着剤組成物および無機繊維を含む被覆性組成物を提供する工程と、
(b)繊維入りバルクポリマーを生成させるために前記被覆性組成物を重合させる工程と、
(c)繊維入り接着剤層を生成させるために基板上に前記繊維入りバルクポリマーをホットメルト被覆する工程とを含む、繊維入り組成物を製造する方法。 - 前記接着剤層中の前記繊維は、約10ミル(0.25mm)〜約60ミル(1.50mm)の平均繊維長さおよび約1ミル(0.025mm)〜約100ミル(2.50mm)の繊維長さの範囲を有する、請求項1に記載の方法。
- 前記重合性接着剤組成物は約1重量%未満の溶媒を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記無機繊維は、ガラス繊維、セラミック繊維およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記無機繊維はガラス繊維である、請求項1に記載の方法。
- 前記無機繊維はガラス繊維である、請求項2に記載の方法。
- 前記工程(a)は、第2の基板上に前記被覆性組成物を被覆する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記第2の基板は剥離ライナーである、請求項7に記載の方法。
- 前記重合性組成物は、約1,500,000未満の分子量を有する、請求項1に記載の方法。
- 工程(d)は、UV線、e−ビーム、ガンマ線および熱から選択されたエネルギーに暴露することにより前記繊維入り接着剤層を架橋させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記エネルギーはUVである、請求項10に記載の方法。
- 工程(c)は、前記基板上に前記繊維入りバルクポリマーを押出す工程を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記接着剤組成物は感圧接着剤組成物である、請求項1に記載の方法。
- 前記第1の基板は剥離ライナーである、請求項1に記載の方法。
- (a)被覆性接着剤組成物を生成させるために重合性接着剤組成物にガラス繊維を導入する工程と、
(b)第1の基板上に前記被覆性接着剤組成物を被覆する工程と、
(c)前記第1の基板上に繊維入りバルクポリマーを生成させるために前記被覆性接着剤組成物を重合させる工程と、
(d)前記第1の基板から前記繊維入りバルクポリマーを除去し、前記繊維入り接着剤層をその上に生成させるために第2の基板上に前記繊維入りバルクポリマーを押出す工程とを含む、繊維入り接着剤を製造する方法。 - 前記接着剤層中の前記繊維は、約10ミル(0.25mm)〜約60ミル(1.50mm)の平均繊維長さおよび約1ミル(0.025mm)〜約100ミル(2.50mm)の繊維長さの範囲を有する、請求項15に記載の方法。
- 前記重合性接着剤組成物は約1重量%未満の溶媒を含む、請求項15に記載の方法。
- 前記工程(a)は、第2の基板上に前記被覆性組成物を被覆する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記繊維入りバルクポリマーは工程(c)でUV重合される、請求項15に記載の方法。
- 前記第1の基板上の前記繊維入りバルクポリマーは少なくとも約25ミルの厚さを有する、請求項15に記載の方法。
- 前記繊維入りバルクポリマーは、約800,000〜約1,000,000の分子量を有する、請求項15に記載の方法。
- 前記重合性接着剤組成物はアクリルモノマーを含む、請求項15に記載の方法。
- 約10ミル(0.25mm)〜約60ミル(1.50mm)の平均繊維長さおよび約1ミル(0.025mm)〜約100ミル(2.50mm)の繊維長さの範囲を有するガラス繊維入り接着剤層を含む、分配可能な繊維入り接着剤転写テープ。
- (a)被覆性接着剤組成物を生成させるために重合性アクリル接着剤組成物にガラス繊維を導入する工程と、
(b)第1の基板上に前記被覆性接着剤組成物を被覆する工程と、
(c)前記第1の基板上に繊維入りバルクポリマーを生成させるために前記被覆性接着剤組成物を重合させる工程と、
(d)前記第1の基板から前記繊維入りバルクポリマーを除去し、繊維入り接着剤層をその上に生成させるために第2の基板上に前記繊維入りバルクポリマーを押出す工程とによって製造された繊維入り接着剤層を有する繊維入り接着剤転写テープであって、前記接着剤層中の前記繊維は、約10ミル(0.25mm)〜約60ミル(1.50mm)のメジアン繊維長さおよび約1ミル(0.025mm)〜約100ミル(2.50mm)の繊維長さの範囲を有する、転写テープ。 - 前記テープが分配可能である、請求項24に記載の転写テープ。
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