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JP2004520005A - オステオレビン遺伝子多型性 - Google Patents

オステオレビン遺伝子多型性 Download PDF

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Abstract

本発明は一般にファン・ブッヘム−骨硬化症疾病領域における遺伝子多型性に関する。特に、本発明はヒトにおいて正味の過剰な骨形成または不十分な骨形成のいずれかに至る疾病に関連する、ファン・ブッヘム骨硬化症疾病領域における遺伝子多型性に関する。さらに、ヒトオステオレビンをコードする単離された核酸分子が提供される。オステオレビンポリペプチド、ならびにベクター、宿主細胞およびそれらを生産するための組換え方法も提供される。

Description

【0001】
本発明は一般にファン・ブッヘム−骨硬化症疾病領域における遺伝子多型性に関する。特に、本発明はヒトにおいて正味の過剰な骨形成または不十分な骨形成のいずれかに至る疾病に関連する、ファン・ブッヘム骨硬化症疾病領域における遺伝子多型性に関する。
【0002】
2000を超えるヒトの病的症候群が、挿入、欠失、重複、およびヌクレオチド置換を含むDNA多型性から生じることが知られている。個体の遺伝子多型性を探り、家族におけるその変異を追跡することにより、臨床的診断を確認し、保因者ならびに前臨床および無症状の罹患した個体における素因と病態の両方を診断する手段が提供される。正確な診断に基づくカウンセリングによって、患者は罹患個体における育児の可能性、進行中の妊娠、および早期介入について情報に基づいた決定ができる。
【0003】
病的症候群に伴う多型性は、非常に変化に富んでおり、したがって同定が困難となりうる。遺伝子中に複数のアレルがあることが一般的なので、中立的な(疾病に関連しない)多型性から、疾病に関連するアレルを識別する必要がある。大部分のアレルは、識別不能な通常は活性な遺伝子産物を生産したり、目の色のように通常変動する特徴を発現する中立的な多型性である。反対に、鎌形赤血球貧血のような臨床的疾病に伴う多型性アレルも存在する。さらに、疾病に関連する多型性の構造は非常に変化に富んでおり、鎌形赤血球貧血のように単一の点変異から生じたり、脆弱X症候群やハンチントン舞踏病のように広範囲のヌクレオチドの反復から生じたりする。さらに、多型性アレルは、薬物治療に対する特定の応答として発現する表現型を伴う場合もある。
【0004】
関心のある多型性または領域が同定されたら、疾病または疾病素因を診断するために様々な技術が使用できる。従来、そのような症候群の診断は、酵素活性試験、統計解析、または侵襲的診断手技によっていた。最近、制限酵素断片長多型(RFLP)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、およびモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体に基づく測定法を含むDNAおよび関連技術の進歩によって、迅速かつ非常に正確に、遺伝病に伴う多型性の存在をスクリーニングする方法が提供されるようになった。
【0005】
遺伝子の変異は、ファン・ブッヘム病のような骨形成疾患を伴う疾病を含め、いくつもの遺伝障害に関与している可能性がある。ファン・ブッヘム病(汎発性皮質過骨症;OMIM 239100)および骨硬化症(OMIM 269500)は、骨内膜の過骨症の群に属する2つの常染色体劣性疾患であり、共に頭蓋(頭蓋冠および頭蓋底)および下顎骨に最も顕著な全身性過骨症という特徴を持つ。さらに肋骨、鎖骨、および長骨の骨幹も硬化している。臨床的合併症には、顔面神経麻痺、感覚神経性聴力損失、および時には視覚障害が含まれる。ファン・ブッヘム病と骨硬化症の鑑別診断は、主に骨硬化症における合指症および巨人症の存在に基づく。また、骨硬化症ではほとんどの場合、重症の表現型を持つ。オランダの家族におけるファン・ブッヘム病遺伝子、およびブラジルおよびアメリカの家族における骨硬化症遺伝子の遺伝的位置推定によって、いずれの遺伝子も染色体17q12〜q21の同じ領域に割り付けられた。同一の連鎖区間に両方の疾病が局在しているということは、ファン・ブッヘム病と骨硬化症が同一遺伝子の変異によって起きるという仮説を支持する。
【0006】
骨粗鬆症および/または硬化症のような正味の過剰または不十分な骨形成にいたる遺伝的疾病に関連する特定の多型性を同定および解析することは、情報を与える診断方法のデザインに必要である。ヒトゲノム中で疾病に関連する多型性を含む特定の領域を同定することによって、症候群の有病率および浸透度の統計解析が可能になる。さらに、常染色体劣性、常染色体優性、およびX連鎖遺伝病の評価に異なる統計式が使用されるので、多型性の染色体上の位置の同定は家系図に関連するリスク解析の評価に重要な要素となる。そのような情報があると、1) 各遺伝子座における異なるアレルの数、2) 母集団における各アレルの相対頻度(最も情報を与えるものは複数の共通アレルを持つ)、および 3) 母集団中でアレルが無作為に分布しているかどうか、を考慮した正確なリスク評価が可能になる。特定の多型性または多型性領域の有無を評価する技術が開発されるにつれ、診断方法の主な限界は異なる疾病に伴う多型性情報の欠如ということになる。
【0007】
当技術分野で必要なのは、ヒトゲノム中で疾病に伴う多型性を含む領域の同定である。そのような領域の同定ができれば、そのような症候群の発生に伴う感受性因子の診断試験や有用な測定法のデザインが可能になる。疾病に伴う多型性を検出する有用な測定法を用いると、罹患患者の正確な診断が可能になり、それらの患者および医療従事者が、情報に基づいた意思決定をするために必要な知識を提供できる。
【0008】
本発明は異常な骨形成に関連する領域であるヒト17番染色体のファン・ブッヘム−骨硬化症領域中の、オステオレビン遺伝子(SOST遺伝子とも呼ばれる)における多型性の同定に関する。この領域の多型性は、異なる民族起源の多様な集団の多数のDNAサンプルの配列決定によって同定された。本発明は、本明細書で開示される多型性領域を骨粗鬆症または骨硬化症の診断および評価に使用することにも関する。このような疾病が、より早期に(明らかな症状の発現前に)、より確実に検出できるので、疾病関連多型性を持つと同定された個体には、より良い治療オプションが利用できる。
【0009】
一つの態様において、本発明はオステオレビン領域の多型性をコードする単離核酸分子を提供する。単離核酸分子には、上記の同定された配列を持つか、またはこれらの核酸配列に相補的で、選択的にそれらにハイブリダイズし、少なくとも中等度の条件下、および選択的には高ストリンジェンシー条件下で安定的に結合を保持する配列を持つ、オステオレビン領域多型性が含まれる。
【0010】
別の態様において、本発明は多型性のオステオレビン領域配列がベクターに挿入されて組換えプラスミドとなったコンストラクトを提供する。宿主細胞に挿入されたそのようなプラスミドを含む組換え細胞も提供される。
【0011】
別の態様では、本発明は組換えオステオレビンポリペプチド、およびオステオレビン領域の多型性による変異体、ならびにオステオレビンポリペプチドおよびその変異体をコードする単離核酸分子を提供する。
【0012】
さらに別の態様では、本発明はオステオレビン遺伝子および領域多型性によってコードされるポリペプチド上の多型性エピトープに特異的に結合できる抗体を提供する。選択的に、抗体はモノクローナル抗体である。別の態様では、本発明はオステオレビン領域トランスジーンを持つ動物を提供する。
【0013】
他の態様では、本発明はオステオレビン領域多型性のスクリーニング方法を提供する。一つの態様では、本発明は被験者の異常な骨形成に伴う多型性のスクリーニング方法を提供する。被験者のDNAでオステオレビン多型性の有無を解析する。挿入、欠失、重複、または塩基置換である多型性は、異常な骨形成と関連する。この方法の特定の態様では、多型性は本明細書に開示される一つまたはいくつかのオステオレビン多型性である可能性がある。本発明のさらに特定の態様では、オステオレビン核酸配列中の多型性の存在は、制限酵素断片長多型性解析、質量分光分析を用いたPCR産物の直接の質量解析、侵襲的開裂(invasive cleavage)の直接の解析、ARMS(登録商標)(増幅抵抗性変異システム)、ALEX(登録商標)(増幅抵抗性変異システムリニア伸長)、およびCOPS(競合オリゴヌクレオチドプライミングシステム)のような伸長に基づく技術、OLA (オリゴヌクレオチド連結アッセイ法)、Invaderアッセイ法、直接の配列解析、またはポリメラーゼ連鎖反応解析のような鑑別核酸解析技術によって決定される。
【0014】
別の態様では、本発明は患者のオステオレビン多型性パターンを決定し、これを野生型オステオレビンパターンと比較し、異常な骨形成に関連する疾病に対する感受性を示すような差異を探すことによって、異常な骨形成に関連する疾病への患者の感受性を同定する方法を提供する。関連する態様では、本発明は異常な骨形成を持つ被験者から単離されたオステオレビン遺伝子配列を、既知のオステオレビン遺伝子配列と比較して、反復性の多型性を同定することにより、異常な骨形成に関連する多型性を同定する方法を提供する。これらの方法の特定の態様では、オステオレビン核酸配列中の多型性の存在は、制限酵素断片長多型性解析、質量分光分析を用いたPCR産物の直接の質量解析、侵襲的開裂(invasive cleavage)産物の直接の解析、直接の配列解析、ARMS(登録商標)(増幅抵抗性変異システム)、ALEX(登録商標)(増幅抵抗性変異システムリニア伸長)、およびCOPS(競合オリゴヌクレオチドプライミングシステム)ような伸長に基づく技術、OLA (オリゴヌクレオチド連結アッセイ法)、Invaderアッセイ法、DNAチップ解析、またはポリメラーゼ連鎖反応解析のような鑑別核酸解析技術によって決定される。
【0015】
本発明の他の態様には、本明細書で開示される方法で使用する、およびファン・ブッヘム−骨硬化症領域から得られる遺伝子活性に対する候補物質の効果を評価するためのキットおよび製品が含まれる。
【0016】
本明細書で使用される場合、「異常な骨形成」という用語は骨形成の正味の上昇または低下として広く定義される。
【0017】
「多型性」という用語は、挿入、欠失、置換、および重複を含む反復配列を含む、核酸およびアミノ酸配列に起きることが知られている全ての変異を含むと広く定義される。
【0018】
「オステオレビン領域」という用語は、図3(配列番号:3)に示される核酸配列を含む17番染色体の領域として定義される。
【0019】
本明細書で使用される場合、「野生型配列」という用語は、多型性を含まないオステオレビン領域中の配列を指す。
【0020】
「変異体」とは、特定の集団で少なくとも1%の頻度で発生するオステオレビンヌクレオチド多型性を含め、図4(配列番号:2)で示される推定オステオレビンポリペプチドと少なくとも約80%のアミノ酸配列の同一性を持つ、以下に定義される変異体を意味する。そのような変異体には、NまたはC末端を含む配列内のいずれかの場所で一つまたは複数のアミノ酸残基が付加、欠失、または変化したポリペプチドが含まれる。通常は、オステオレビン変異体は、図4(配列番号:2)の対応するオステオレビン配列と少なくとも約80%または85%のアミノ酸配列の同一性、より好ましくは少なくとも約90%のアミノ酸配列の同一性を持つ。最も好ましくは、オステオレビン変異体は、図4(配列番号:2)の対応するオステオレビン配列と少なくとも約95%のアミノ酸配列の同一性を持つ。
【0021】
本明細書で同定されるアミノ酸配列に関する「アミノ酸配列の同一性パーセント(%)」とは、最大パーセントの配列の同一性を得るために、同一のリーディングフレームに配列を整列させ、必要ならばギャップを挿入した後、オステオレビン配列中のアミノ酸残基と同一である、候補配列中のアミノ酸残基の割合として定義される。保存的置換は、同一とは見なされない。アミノ酸配列の同一性パーセントを決定するためのアラインメントは、例えば、BLASTソフトウェア(Altschulら、J. Mol. Biol., 5; 215(3): 403−410 (1990)参照)のような公開されているコンピュータソフトウェアを用いるなど、当技術分野の技術範囲内である種々の方法で行われる。当業者は、比較する配列の全長にわたって最大のアラインメントを得るために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメント測定のための適当なパラメーターを決定することができる。本明細書で同定されるオステオレビン配列に関する「核酸配列の同一性パーセント(%)」とは、最大パーセントの配列同一性を得るために、配列を整列させ、必要ならばギャップを挿入した後、オステオレビン配列中のヌクレオチドと同一である、候補配列中のヌクレオチドの割合として定義される。核酸配列の同一性パーセントを決定するためのアラインメントは、例えば、BLASTソフトウェア(Altschulら、J. Mol. Biol., 5; 215(3): 403−410 (1990)参照)のような公開されているコンピュータソフトウェアを用いるなど、当技術分野の技術範囲内である種々の方法で行われる。当業者は、比較する配列の全長にわたって最大のアラインメントを得るために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメント測定のための適当なパラメーターを決定することができる。
【0022】
本明細書で開示される種々のポリペプチドを記述するときに使用する「単離された」とは、ポリペプチドが同定され、天然の環境の成分から分離および/または回収されたこと意味する。天然の環境の不純物成分は、ポリペプチドの診断または治療での使用に通常は干渉する物質であり、酵素、ホルモン、および他の蛋白質性または非蛋白質性溶質を含む可能性がある。好ましい態様では、ポリペプチドは、スピニングカップ・シークエネーターを使ってN末端または内部のアミノ酸配列を得るために十分な程度、またはクーマシーブルーもしくは銀染色を用いて非還元もしくは還元条件下のSDS−PAGEで均一と評価される程度まで、精製される。単離されたポリペプチドには、オステオレビンの天然の環境の少なくとも一つの成分が存在しないので、組換え細胞中にインサイチューでポリペプチドが含まれる。しかし通常は、単離ポリペプチドは、少なくとも一つの精製段階によって調製される(本明細書では「単離および精製されたポリペプチド」と称する)。
【0023】
「単離された」オステオレビン核酸分子は、オステオレビン核酸の天然の供給源で通常伴っているような少なくとも一つの不純物核酸分子から同定および分離された核酸分子である。単離されたオステオレビン核酸分子は、天然に見られるような形または環境以外にある。したがって、単離されたオステオレビン核酸分子は、天然の細胞中に存在しているオステオレビン核酸分子とは区別される。しかし、単離されたオステオレビン核酸分子には、例えば、天然の細胞とは異なる染色体位置に核酸分子がある、通常オステオレビンを発現する細胞に含まれるオステオレビン核酸分子が含まれる。
【0024】
核酸は、別の核酸配列と機能的な関係に位置する場合に「機能的に連結」している。例えば、プレ配列または分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に関与するプレ蛋白質として発現されるならば、そのポリペプチドのDNAに機能的に連結している;プロモーターまたはエンハンサーは、配列の転写に影響を与えるならば、そのコード配列に機能的に連結されている;または、リボソーム結合部位は、翻訳を促進するような位置にあるならば、そのコード配列に機能的に連結している。一般に、「機能的に連結」とは、連結されるDNA配列が隣接していること、および分泌リーダーの場合には隣接しておりリーディングフェーズにあることを意味する。しかし、エンハンサーは隣接している必要はない。連結は、都合の良い制限部位でのライゲーションにより達成される。そのような部位が存在しないならば、通常の方法にしたがって、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが使用できる。
【0025】
「ポリヌクレオチド」および「核酸」とは、一本鎖または二本鎖の分子を表し、塩基A、T、CおよびGを含むDNAであるか、塩基A、U(Tの代替)、CおよびGを含むRNAでありうる。ポリヌクレオチドはコード鎖またはその相補鎖でありうる。ポリヌクレオチド分子は、天然に存在する配列と同一の配列をもつか、天然に存在する配列に見られるものと同一のアミノ酸をコードする別のコドンを含む可能性がある(Lewin「遺伝子V (Genes V)」Oxford University Press、第7章、pp171−174 (1994)参照)。さらに、ポリヌクレオチド分子には、記述されたようなアミノ酸の保存的置換を表すコドンを含む可能性がある。ポリヌクレオチドは、ゲノムDNAまたはcDNAを表す可能性がある。
【0026】
「ポリペプチド」とは、ポリヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸に対応するアミノ酸を含む分子を意味する。ポリペプチドは、天然に存在するアミノ酸が、同様な性質を持つもので置換されたが、ポリペプチドの機能が変化しないような、保存的置換を含みうる(Lewin「遺伝子V (Genes V)」Oxford University Press、第1章、pp9−13 (1994)参照)。
【0027】
「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、特に単一の抗オステオレビンモノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、および中和抗体を含む)および複数のエピトープ特異性を持つ抗オステオレビン抗体組成物を含む。本明細書で用いられる「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体集団から得られた一つの抗体を指す。すなわち、少量存在する可能性のある自然に発生する変異を除いては、その集団を構成する個々の抗体は同一である。
【0028】
本発明は、被験者においてオステオレビンの多型性をスクリーニングする方法であって、被験者から得られたオステオレビン核酸配列における多型性の存在を決定することを含む方法に関する。
【0029】
オステオレビン遺伝子の多型性は、a) 骨硬化症患者の配列決定を行い、その配列を対照と比較すること(実施例2b参照)、および b) 5つの異なる民族の47の無関係の個体のDNA(ニュージャージー州ハムデンのCoriell Instituteから入手)において、400〜600塩基対の重複する断片(EMBLアクセッション番号AC003098、リリース62.0のヌクレオチド4,000〜11,000位として定義されるオステオレビンのゲノム領域全体をカバーする)をPCR増幅することによって同定された。これらの47サンプルで、フォワードおよびリバースプライマーを用いて断片の配列決定を行い、PolyPhredソフトウェア(ワシントン大学よりライセンス供与)を用いて多型性が検出され、変異体のアレル頻度が確立された。
【0030】
骨硬化症患者のみに検出され150人以上の対照個体では検出されない、異なる独立した変異が3つ存在した:
A) EMBLアクセッション番号AC003098で定義される6136位におけるGからAへの変異で、Arg(CGA)から停止コドン(TGA)への変化をもたらす。この変異は、あるアメリカ人家族の2人の骨硬化症患者においてホモ接合で見られた。患者は、Balemansら(Am. J. Hum. Genet. 64:1661−1669; 1999)により以前に記述されていた。以前にハプロタイプ解析から保因者と同定されていたこの家族の1人は、この変異をヘテロ接合で持つことが分かった。
B) EMBLアクセッション番号AC003098で定義される6140位におけるCからTへの変異で、Trp(TGG)から停止コドン(TGA)への変化をもたらす。この変異は、あるブラジル人家族の2人の骨硬化症患者においてホモ接合で見られた。患者は、Balemansら(Am. J. Hum. Genet. 64:1661−1669; 1999)により以前に記述されていた。以前にハプロタイプ解析から保因者と同定されていたこの家族のうちの6人は、この変異をヘテロ接合で持つことが分かった。
C) EMBLアクセッション番号AC003098で定義される9047位におけるTからAへの変異で、イントロン1の最初でスプライス変異をもたらす。この変異は、以前にTacconiら(Clinical Genetics, 53:497−501; 1998)によって記述された1人のイタリア人骨硬化症患者において、ホモ接合で見られた。
【0031】
さらに、標準的母集団パネルで、オステオレビン領域における遺伝的変異体がいくつか同定された。5’隣接領域およびプロモーター領域において、11の塩基対置換および一つの挿入が検出された:
Figure 2004520005
* EMBLアクセッション番号AC003098における位置として定義される
【0032】
エクソン1にアミノ酸を変化させる多型が一つ見られた:
Figure 2004520005
* EMBLアクセッション番号AC003098における位置として定義される
【0033】
イントロン1には5つの多型性が見られた:
Figure 2004520005
* EMBLアクセッション番号AC003098における位置として定義される
【0034】
3’隣接領域には4つの多型が検出された:
Figure 2004520005
* EMBLアクセッション番号AC003098における位置として定義される
【0035】
EMBLアクセッション番号AC003098の配列は、大きなインサートに由来し、5’から3’オステオレビンDNA配列には逆方向に相補的である。したがって、オステオレビンcDNAの遺伝子多型性は、上述の変異体に逆方向に相補的である。
【0036】
ファン・ブッヘム−骨硬化症の疾病区間は、以前に、ヒト17番染色体の0.7 cMの区間にマッピングされた(Balemansら、Am. J. Hum Genet. 64:1661−1669; 1999)。この区間内でオステオレビンをコードする遺伝子は、GenScanを用いたゲノム配列解析によって、コンピュータで同定された(BurgeおよびKarlin, J. Mol. Biol. 268: 78−94; 1997)。GenScanのデフォルトのパラメーター設定を用いて、4つのエクソンを持つ遺伝子構造が予測され、そのうち、2つの内部のエクソンは、それ以外よりも低い質のスコアが割り当てられた。オステオレビンと遠い関係にあるヒト蛋白質配列を用いた相同性研究により、2つの内部のエクソンはGenScanによって間違って予測されたことが分かった。その後、ドットプロット解析(「dotter」プログラム:SonnhammerおよびDurbin, Gene 167: GC1−10; 1995)により11番染色体上のマウスシンテニック領域と比較すると、マウスホモログが同定され、2つのエクソンの遺伝子構造が明確に確立した。
【0037】
オステオレビン遺伝子のゲノム構造は、図1Bに示されている。この遺伝子には、サイズが220 bpおよび421 bpで、図3に示す配列のbp 9269で始まりbp 5870で終わる2つのエクソンが含まれる。いずれのエクソンも、GT−AGスプライシングルールに従う。フレームで最初のATGはエクソン1 (bp 9269)にあり、TAG停止コドンはエクソン2 (bp 5870)にあり、213アミノ酸の蛋白質が推定される。
【0038】
本発明は、ファン・ブッヘム−骨硬化症疾病領域における多型性が異常な骨形成に関与する可能性があるという知見に関する、物質の組成物ならびに診断および予後診断方法を提供する。本発明の方法に従い、野生型オステオレビン配列の変化が検出される。「野生型配列の変化」には、コード領域および非コード領域における欠失、挿入、および点変異を含む、全ての形の多型性が含まれる。多型性は、コード領域および非コード領域を含む17番染色体のこの領域の任意の場所に起きる可能性がある。
【0039】
本発明の鍵となる構成要素は、オステオレビン遺伝子における上述の2つのナンセンス変異および一つのスプライス部位の変異が、すべて主要な特徴として骨密度の大きな上昇を伴う状態である骨硬化症になるという事実によって、明らかに示されているとおり、異常な骨形成に関連する多型性を持つ特定の染色体領域の解明である。
【0040】
したがって、本発明は異常な骨形成を持つことが既知である患者から得られたオステオレビン領域において一つまたは複数の配列を決定し、これらの配列を既知のオステオレビン野生型配列と比較することによって、異常な骨形成の素因と相関する、新規のオステオレビン多型性を同定する方法を提供する。
【0041】
異常な骨形成に関連する同定されたオステオレビン多型性の存在は、患者から得た生体試料を検査することによって確認できる。生体試料は、核酸配列を含む細胞を含む物質のサンプルである。生体試料は、血液、組織、および細胞株を含む、様々な供給源から入手することができる。最も簡単には、採血をして、血液細胞からDNAを抽出する。また、胎児細胞、胎盤細胞、または羊膜細胞を検査することによって、出生前診断も可能である。例えば、置換、挿入、または欠失による野生型オステオレビン配列の変化は、本明細書で例示したプロトコールを含め、当技術分野で周知の任意の様々な方法によって検出できる。さらに、多型性が同定されれば、当技術分野で周知の種々の統計および系図解析によって疾病との関連が評価できる。「ヒト遺伝子連鎖のハンドブック(Handbook of Human Genetic Linkage)」 (Joseph D. TerwilligerおよびJurg Ott編、第1版、1994);「生物統計学の基礎(Fundamentals of Biostatistics)」(Bernard Rosner編、第1版、1982)参照)。例えば、オステオレビン領域における多型性が異常な骨形成と関連しているという証拠は、罹患する親族から抽出されたDNAにおいて、異常なオステオレビン遺伝子産物をコードする配列または遺伝子産物の異常なレベルを生じる配列を見つけることによって得られる。そのような異常な骨形成感受性アレルは、大きな家系では疾病と共に分離されると考えられる。また一般の母集団における個体よりも、異常な骨形成を持つ非血縁者において、はるかに高頻度で存在すると考えられる。さらに、同様な目的のために、血縁関係のない個体の患者および対照の関連解析も行うことができる。
【0042】
本発明は図4(配列番号:2)に示されるアミノ酸配列を持つオステオレビンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む単離核酸分子を提供する。オステオレビンcDNAの配列決定をして決定された核酸配列(図1B;配列番号:1)には、13〜15位(イタリック体、下線)に開始コドン(ATG)を含み、約19アミノ酸残基のリーダー配列を持ち、推定分子量が約24 kDaの213アミノ酸残基のポリペプチド(太字)をコードするオープンリーディングフレームが含まれる。停止コドン(TAG)は、イタリック体で下線が付けられている。成熟したオステオレビンポリペプチドのアミノ酸配列は、図4、アミノ酸残基1〜213(配列番号:2)に示されている。
【0043】
したがって一つの態様では、本発明は、a) 配列番号:1に記載の核酸分子またはその相補体、b) 配列番号:2に記載のポリペプチドをコードする核酸分子またはその相補体、c) 上述のa)もしくはb)の核酸分子にハイブリダイズでき、少なくとも中等度の条件、および選択的には高ストリンジェンシー条件下で安定に結合を保持する核酸分子、からなる群より選択される、オステオレビンをコードする単離核酸分子を提供する。
【0044】
本発明の別の態様には、配列番号:1に記載の核酸分子と少なくとも60%同一、好ましくは少なくとも80%、85%、90%、または95%同一なヌクレオチド配列を持つポリヌクレオチドを含む、単離核酸分子が含まれる。
【0045】
別の態様では、本発明は、a) 上述の核酸分子のいずれか一つにコードされるアミノ酸配列、b) 配列番号:2に記載のアミノ酸配列と少なくとも80%同一、好ましくは少なくとも90%同一、さらに好ましくは少なくとも95%同一なアミノ酸配列、c) 配列番号:2に記載のアミノ酸配列、からなる群より選択されるアミノ酸配列を持つ組換えオステオレビンポリペプチドを提供する。
【0046】
本発明のポリペプチドは、配列番号:2に記載のアミノ酸配列に少なくとも90%の類似性、好ましくは少なくとも95%の類似性を持つアミノ酸配列を持つポリペプチド、ならびに、配列番号:2に記載のアミノ酸配列と少なくとも60%同一、好ましくは少なくとも80%、85%、90%、または95%、より好ましくは少なくとも96%、97%、98%、または99%同一なアミノ酸配列を持つポリペプチドも含む。
【0047】
さらに、本発明は異常な骨形成に関連する可能性のある多型性を持つオステオレビン領域から単離されたヌクレオチド配列を提供する。本発明はさらに、部位特異的PCR突然変異誘発法のような当技術分野で周知の方法を用いた、これらの配列およびそのコードする分子の変異体および修飾物を提供する。部位特異的突然変異誘発法(Carterら、Nucl. Acids Res., 13:4331 (1986); Zollerら、Nucl. Acids Res., 10:6487 (1987))、カセット変異導入(Wellsら、Gene, 34−315 (1985))、制限選択変異導入(Wellsら、Philos. Trans. R. Soc. London SerA, 317:415 (1986))、または他の既知の技術をクローニングされたDNAに用いて、変異DNAを作製できる。本明細書で開示された配列の共有結合修飾は本発明の範囲内に含まれる。例えば、
Figure 2004520005
【0048】
以下の説明は主に、オステオレビン領域の多型性配列を含むベクターで形質転換またはトランスフェクトした細胞を培養することによる、本発明の配列の生産に関する。当技術分野で周知の他の方法を用いてこれらの分子を調製することができると考えられる。例えば、多型性配列またはその一部は、固相技術(例、Stewartら、「固相ペプチド合成(Solid−Phase Peptide Synthesis)」、 W.H. Freeman Co.、カリフォルニア州サンフランシスコ(1969);Merrifield, J. Am.. Chem. Soc., 85:2149−2154 (1963)参照)を用いた、直接のオリゴマーまたはペプチド合成によって生産できる。インビトロタンパク合成は、手作業または自動化技術で行える。自動合成は、例えば、Applied Biosystems Peptide Synthesizer(カリフォルニア州フォスターシティ)を用いて、製造元の指示にしたがって実行できる。オステオレビン配列の種々の部分を別々に化学合成し、化学的または酵素的方法によって結合することもできる。
【0049】
本発明の多型性配列を持つDNAは、これらの配列を持つ個体から得られた組織から調製されたゲノミックライブラリーもしくはcDNAライブラリーから、または上述のようなオリゴヌクレオチド合成によって得られる。ライブラリーは、関心のある配列またはそれによってコードされる蛋白質を同定するように設計されたプローブ(少なくとも約20〜80塩基のオリゴヌクレオチドのような)を用いてスクリーニングできる。ライブラリーの例には、λTriplExヒト腎臓cDNAライブラリー(Clontech Laboratories, Inc.)およびλTriplExヒト脾臓cDNAライブラリー(Clontech Laboratories, Inc.)が含まれる。選択されたプローブによるcDNAライブラリーまたはゲノミックライブラリーのスクリーニングは、Sambrookら、「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」(ニューヨーク:Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記述されたような標準的な手順で行える。オステオレビン領域にコードされる遺伝子を単離する別の方法は、PCR法を使用することである[Sambrookら、前記;Dieffenbachら、「PCRプライマー:実験室マニュアル(PCR Primer: A Laboratory Manual)」(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995)。
【0050】
後述の実施例では、DNAライブラリーのスクリーニング技術を説明する。プローブとして選択されるオリゴヌクレオチド配列は、偽陽性を最低限に押さえるため、十分な長さを持ち、十分に明白である必要がある。好ましくはオリゴヌクレオチドは標識され、スクリーニングされるライブラリー中のDNAにハイブリダイズした時に検出できる。標識方法は当技術分野で周知であり、32P標識ATPのような放射性標識、ビオチン化、または酵素標識の使用を含む。中等度のストリンジェンシーおよび高ストリンジェンシー条件を含むハイブリダイゼーション条件は、Sambrookら前記に記述されている。
【0051】
そのようなライブラリースクリーニング法で同定された配列は、GenBankのような公的データベースまたは他の民間の配列データベースに登録され利用可能な他の既知の配列と比較および整列することができる。分子の一定の領域内または配列の全長にわたる配列の同一性(アミノ酸またはヌクレオチドレベルのいずれか)は、種々のアルゴリズムを用いて相同性を測定するコンピュータソフトウェアプログラムを用いて、配列のアラインメントを行って決定できる。
【0052】
蛋白質コード配列を持つ核酸は、本明細書で初めて開示される推定アミノ酸配列を用いて、選択されたcDNAライブラリーまたはゲノムライブラリーをスクリーニングすることによって得られる。必要ならば、Sambrookら前記に記述される通常のプライマー伸長手順を用いて、cDNAに逆転写されなかったmRNAの前駆体またはプロセッシング中間体を検出できる。
【0053】
当技術分野で周知の任意の様々な技術を用いて、適当な宿主細胞中で複製によって本発明のポリヌクレオチドを大量に生産できる。所望の断片をコードする天然または合成ポリヌクレオチド断片を、原核細胞または真核細胞中に導入し複製することのできる、通常はDNAコンストラクトである組換えポリヌクレオチドコンストラクトに組み入れる。通常、ポリヌクレオチドコンストラクトは、酵母または細菌のような単細胞宿主中での複製に適しているが、培養された哺乳類または植物または他の真核細胞株への導入(ゲノムへの組み込みありまたはなし)も意図できる。本発明の方法によって生産された核酸の精製は、例えばSambrookら、1989、またはAusubelら、1992に記述されている。
【0054】
原核または真核宿主への導入のために調製されたポリヌクレオチドコンストラクトは、所望のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド断片を含め、宿主に認識される複製システムを含むことがあり、好ましくはポリペプチドをコードする部分に機能的に連結された転写および翻訳開始調節配列も含む。発現ベクターは、例えば、複製開始点または自律複製配列(ARS)および発現制御配列、プロモーター、エンハンサーおよびリボソーム結合部位のような必要なプロセッシング情報部位、RNAスプライシング部位、ポリアデニル化部位、転写終結配列、およびmRNA安定化配列を含みうる。そのようなベクターは、当技術分野で周知で、例えば、Sambrookら、1989またはAusubelら、1992に記述されるような標準的な組換え技術を用いて調製できる。宿主中で機能するように、適当なプロモーターおよび他の必要なベクター配列が選択され、これには、適切ならば、オステオレビン領域に天然で会合しているものも含まれることがある。実施できる細胞株と発現ベクターの組み合せは、Sambrookら、1989またはAusubelら、1992に記述されている。当技術分野では多くの有用なベクターが周知で、Stratagene、New England Biolabs、Promega Biotech、Invitrogen、Pharmingenおよび他の販売元から入手できる。trp、lacおよびファージプロモーター、tRNAプロモーターおよび糖分解酵素プロモーターのようなプロモーターは、原核生物宿主で使用できる。有用な酵母プロモーターには、メタロチオネイン、3−ホスフォグリセリン酸キナーゼ、またはエノラーゼまたはグリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素のような他の糖分解酵素、マルトースおよびガラクトース利用に関与する酵素、その他のプロモーター領域が含まれる。酵母での発現に適したベクターおよびプロモーターは、Hitzemanら、EP 73,675Aにさらに記述されている。適当な非天然哺乳類プロモーターには、SV40の初期および後期プロモーター、またはマウスモロニー白血病ウイルス、マウス腫瘍ウイルス、トリ肉腫ウイルス、アデノウイルスII、ウシパピローマウイルス、またはポリオーマ由来のプロモーターが含まれる可能性がある。また、コンストラクトを増幅可能な遺伝子(例、DHFR)に結合して、その遺伝子が複数コピー作製されるようにできる。適当なエンハンサーおよび他の発現制御配列については、「エンハンサーおよび真核生物遺伝子発現(Enhancers and Eukaryotic Gene Expression)」Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1983)も参照。強い分泌シグナルペプチドをコードする配列も、オステオレビンシグナルペプチド配列を除去した成熟したオステオレビン蛋白質の配列に機能的に連結することができる。例えば、gp67のシグナル配列をバキュロウイルスベクターに含め、昆虫細胞由来のポリペプチドの分泌を促進することができる。そのようなベクターは、Pharmingenなどから市販されている。そのような発現ベクターは自律的に複製する可能性があるが、当技術分野で周知の方法によって、宿主細胞のゲノム中に挿入しても複製する可能性がある。
【0055】
発現およびクローニングベクターは、ベクターで形質転換された宿主細胞の生存または増殖に必要な蛋白質をコードする遺伝子である、選択可能なマーカーを含む可能性が高い。この遺伝子が存在するために、インサートを発現する宿主細胞のみが増殖することになる。典型的な選択遺伝子は、a) 抗生物質または他の毒性物質、例、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセート等に対する耐性を与える、b) 栄養要求性欠損を補完する、またはc) 天然培地では得られない重要な栄養素を供給する(例、バチルス(Bacilli)のD−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子)、といった蛋白質をコードする。適切な選択可能マーカーの選択は、宿主細胞に依存し、種々の宿主に対する適当なマーカーは当技術分野で周知である。
【0056】
関心のある核酸を含むベクターは、インビトロで転写し、得られたRNAを、例えば注射のような周知の方法によって宿主細胞に導入するか、当技術分野で周知の方法によってベクターを直接宿主細胞中に導入することができる。この方法は、宿主細胞によって異なり、電気穿孔;塩化カルシウム、塩化ルビジウム、リン酸カルシウム、DEAEデキストラン、または他の物質を用いたトランスフェクション;微粒子銃;リポフェクション;感染(ベクターがレトロウイルスゲノムのような感染性物質の場合);および他の方法が含まれる。一般に、Sambrookら、1989またはAusubelら、1992を参照のこと。とりわけ上述のものを含め、当技術分野で周知の任意の方法を用いた宿主細胞へのポリヌクレオチドの導入は、本明細書では「形質転換」と呼ばれる。上述の核酸が導入された細胞は、その子孫細胞も含む。
【0057】
本発明の核酸およびポリペプチドは、適合する原核または真核宿主細胞において、ベクターまたは他の発現手段でオステオレビン核酸またはその一部を発現することによっても、大量に調製できる。最も一般的に使用される原核宿主は、大腸菌(Escherichia coli)の株であるが、枯草菌(Bacillus subtilis)またはシュードモナス(Pseudomonas)のような他の原核生物も使用されることがある。哺乳類、または酵母、糸状菌、植物、昆虫、もしくは両生類もしくは鳥類のような他の真核宿主細胞も、本発明の蛋白質の生産に有用な場合がある。哺乳類細胞の培養による増殖自体は周知である。一般的に使用される哺乳類宿主細胞株は、VEROおよびHeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、およびWI38、BHK、およびCOS細胞株であるが、例えば、発現量の増加、所望のグリコシル化のパターン、または他の特徴を得るために、他の細胞株が適当である可能性があることは、当業者には理解されると思われる。
【0058】
クローンは、ベクター作製の様式によって、マーカーを用いて選択する。マーカーは同じまたは異なるDNA分子上にあり得るが、好ましくは同じDNA分子上にある。原核宿主では、形質転換体は、例えばアンピシリン、テトラサイクリンまたは他の抗生物質への耐性によって選択できる。温度感受性によって特定の産物が生産されるのも適当なマーカーとなり得る。
【0059】
本発明のポリヌクレオチドで形質転換された原核または真核細胞は、本発明の核酸およびポリペプチドの生産のみでなく、例えば、オステオレビンポリペプチドの性質の研究にも有用である。本明細書に開示される配列に基づくプローブおよびプライマーは、マウスオステオレビン遺伝子のような他の種における相同な配列および蛋白質を同定するために使用できる。さらに、他の種のゲノムまたはcDNA配列のデータベースでヒトオステオレビン配列を持つ配列を検索することによって、コンピュータで他の種の相同配列も同定することができる。そして、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて種特異的クローンを得ることができる。これらの遺伝子配列および蛋白質は、それが単離された種において、本明細書に記述される診断/予後、治療、および薬剤耐性スクリーニング法に使用できる。
【0060】
異常な骨形成に関連する多型性を持つ核酸配列は、ストリンジェントから中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄条件で、標的配列のプローブと安定なハイブリッドを形成するポリヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションによって検出できる。本発明によって、多型性領域に選択的にハイブリダイズするプローブのデザインが可能になる。特異的配列に選択的にハイブリダイズするプローブのデザインおよび使用するハイブリダイゼーション条件は、当技術分野で周知である。「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」I〜III巻、Frederick M. Ausubelら編、1995参照。例えば、プローブが標的配列に完全に相補的だと予想されるならば、ストリンジェントな条件が使用できる。ミスマッチが予測される場合には、例えば変異体が予測され、プローブが完全に相補的でないと思われる場合には、ストリンジェンシーを下げることができる。ノイズを抑えるために、非特異的/偶然の結合を排除するような条件が選択される。
【0061】
オステオレビン領域の多型性のプローブは、多型性に隣接する、またはその全体もしくは一部をカバーし、この領域に選択的なハイブリダイゼーションを可能にする、任意の適切な長さのものでよい。標的配列にプローブの配列と同一の配列が含まれているならば、ストリンジェントな条件でもハイブリッドは比較的安定なので、プローブは例えば約8〜30塩基対の範囲のような短いもので良い。プローブとのある程度のミスマッチが予測されるならば、すなわちプローブが変異領域にハイブリダイズすると考えられるならば、必要な特異性で標的配列とハイブリダイズする、より長いプローブが使用できる。
【0062】
プローブには、標識またはレポーター分子に結合した単離されたポリヌクレオチドが含まれ、標準的な方法で、関心のある配列と類似した、またはこれに隣接する他のポリヌクレオチド配列を単離するために使用できる。プローブの調製および標識方法は、例えば、Sambrookら、1989またはAusubelら、1992参照。他の類似したポリヌクレオチドは、相同ポリヌクレオチドを用いて選択できる。または、これらもしくは類似したポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、遺伝コードの重複性を用いて、合成または選択できる。発現された配列では、例えば、サイレント変異(これにより種々の制限部位が作製される)または特定の系で発現を最適化するために、種々のコドンの置換が導入できる。ポリペプチドの性質を変化させるために、おそらくポリペプチドの分解または回転率を変えるために、多型性を導入できる。本発明の合成オリゴヌクレオチドまたは他のポリヌクレオチドを含むプローブは、天然に存在するもの、または組換え一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチド、または化学合成したものでよい。プローブはニックトランスレーション、クレノウ反応、または当技術分野で周知の他の方法でも、標識できる。
【0063】
標的特異的配列に選択的に結合するために適当なサイズおよび配列を持つプローブのデザイン、ならびに使用するハイブリダイゼーション条件は、当技術分野で周知である。「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」Vol. 1, ユニット2, 4, および6、Frederick M. Ausubelら編、1995参照。多型性配列からの、少なくとも約8ヌクレオチド、通常は少なくとも約15ヌクレオチド、および約6 kb未満、通常は約1.0 kb未満のポリヌクレオチド配列の部分が、プローブとして好ましい。多型性配列の特定の部分を持つプローブも考えられる。さらに、多型性領域に隣接したプローブも、核酸サンプルの評価に使用できる。ゲノム配列の評価以外にも、プローブはオステオレビンをコードするようなmRNAが細胞または組織に存在するかどうかを決定するために使用できる。
【0064】
異常な骨形成に関連する多型性の存在を検出するために、血液のような生体サンプルを調製し、多型性配列の有無を解析する。これらの試験の結果およびその解釈は、医療従事者に戻して被験者に伝えられる。そのような診断は、診断検査室で行われるか、または診断キットを製造し、医療従事者または個体の自己診断用に販売される。
【0065】
オステオレビン領域の多型性と異常な骨形成の間の関連を同定すると、異常な骨形成を伴う疾病のリスクを持つ個体を同定するための、初期の症状発現前のスクリーニングが可能になる。そのような個体を同定するために、オステオレビン領域の多型性は、直接または対象配列のクローニング後に、スクリーニングされる。潜在的な病原性の多型性についての評価、および異常な骨形成に関連する多型性の特異的な解析の両方に使用できる、本発明のいくつかの方法がある。例えば、本発明は、個体の異常な骨形成に関連する多型性のスクリーニング方法を提供する。また本発明は、患者から単離されたオステオレビン配列を、既知の野生型オステオレビン配列と比較し、異常な骨形成に関連する何度も出現する多型性を同定することによる、異常な骨形成に関連する多型性の同定方法も提供する。
【0066】
以下に説明するように、サンプルは、当技術分野で周知の様々な核酸解析技術の任意のものを用いて、正常配列から異なる核酸配列の存在を調べることができる。核酸解析技術には、蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)、直接のDNA配列決定、一本鎖立体配座多型(SSCP)、制限酵素断片長多形(RFLP)を含むサザンブロッティング、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、多型性特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、およびPCR−SSCP解析が含まれるがこれらに限定されることはない。以下で説明するように、発現される分子およびポリペプチドをコードする配列に関しては、さらに別の技術も使用できる。核酸およびアミノ酸配列の評価および操作の技術の総説は、「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」I−III巻、Frederick M. Ausubelら編、1995を参照のこと。
【0067】
オステオレビンmRNA発現の変化は、当技術分野で周知の任意の技術によって検出できる。これには、ノーザンブロット解析、定量的PCR増幅(TaqMan)、およびRNase保護が含まれる。mRNA発現の低下は、野生型遺伝子座の変化を示す。野生型遺伝子の変化は、野生型オステオレビン蛋白質の変化をスクリーニングすることによっても検出できる。例えば、特異的なオステオレビンエピトープと免疫反応するモノクローナル抗体を用いて、組織のスクリーニングができる。認識する抗原が無いということは多型性であることを示す。変異アレルの産物に特異的な抗体は、変異遺伝子産物の検出にも使用できる。そのような免疫アッセイ法は、当技術分野で周知の任意の都合の良い形式で行える。それには、ウェスタンブロット、免疫組織化学アッセイ法、およびELISAアッセイ法が含まれる。変異した蛋白質を検出する任意の方法を用いて、野生型オステオレビンの変化の検出ができる。蛋白質結合の決定のような機能的アッセイ法も使用できる。また、オステオレビン領域における遺伝子の生化学的機能の検出をするアッセイ法も使用できる。通常は、この領域の遺伝子にコードされるポリペプチドの生化学的機能の変化、この領域の野生型遺伝子が変化していることを示す。
【0068】
細胞レベルおよび細胞内レベルでの蛋白質の局在性は、ゲストペプチドに対する抗体を使用する方法である、エピトープタギングによって決定できる。エピトープタギングは、クローニングされた遺伝子および既知のペプチド(エピトープ)を認識する抗体から始める。組換えDNA技術を用いて、エピトープをコードする核酸の配列を、クローニングされた遺伝子のコード領域内に挿入し、ハイブリッド遺伝子を形質転換のような方法によって細胞に導入する。ハイブリッド遺伝子が発現されると、その結果としてゲストペプチドとしてエピトープを含むキメラ蛋白質が得られる。エピトープが蛋白質の表面に露出しているならば、エピトープ特異的抗体によって認識されるので、免疫螢光法または他の免疫局在技術を用いて、細胞内の蛋白質を観察することができる。したがって、ペプチドタグをコードする機能的に連結された配列が、ベクター中に含まれてもよい。ペプチドタグは、通常は8〜12アミノ酸であるが、これより長くても良い。タグは特異的な抗体(例、mycエピトープ)で認識されるか、特定の金属(例、His6タグはニッケルカラムに結合する)に結合することができる。タグによって、オステオレビン蛋白質の精製が容易になる。
【0069】
DNA配列の変異を直接検出するために、いくつかの方法が使用できる。直接のDNA配列決定は、手作業でも自動化蛍光配列決定でも、配列の変化を検出できる。検査する個体のオステオレビン領域の遺伝子のアレルは、通常の方法でクローニングできる。例えば、個体から血液サンプルを入手して、サンプル中の細胞からオステオレビンゲノムDNAを単離し、適当なベクターに連結して増幅する。そしてクローンの配列を決定し、正常なオステオレビン配列と比較する。DNAクローニングおよび配列決定に関する技術は当技術分野で周知であり、「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」Vol.1、ユニット7、Frederick M. Ausubelら編、1995を参照のこと。
【0070】
DNA配列の変異を検出する別の手法は、一本鎖立体配座多型(SSCP)(Oritaら、1989)である。この方法では、特にDNA断片のサイズが200 bpを越える場合には、全ての配列の変化を検出するのではなく、DNA配列の変異の大部分を検出するように最適化できる。検出感度の低下は不利ではあるが、SSCPで処理量が増えるという魅力があり、研究目的では多型性を検出するために直接の配列決定をすることに代わる選択肢になる。SSCPゲル上での移動度が変化した断片の配列決定をして、DNA配列変化の詳しい性質を決定する。2つの相補的DNA鎖の間のミスマッチの検出に基づく別の手法には、クランプ変性ゲル電気泳動(CDGE)(Sheffieldら、Am. J. Hum. Genet., 49:699−706 (1991))、ヘテロ二本鎖解析(NA) (Miteら、Genomics 12:301−306 (1992))、および化学ミスマッチ切断(CMC)(Grompeら、P.N.A.S. 86:5855−5892 (1989))が含まれる。タンパク切断アッセイ法または非対称アッセイ法のようなこれらの多型性クラスを検出する他の方法は、特定のタイプの多型性のみを検出し、多型性のミスセンスを検出しない。DNA配列変異を検出するために利用できる方法の総説は、Grompeら、Nature Genetics 5:111−117 (1993)およびLandegrenら、Genome Research 8:769−776 (1998)を参照のこと。
【0071】
DNA配列の多型性を検出するための迅速な予備解析は、RFLPを用いて実施できるが、これはDNAを一つまたは複数の制限酵素、好ましくは多数の制限酵素で切断し、一連のサザンブロットでオステオレビン特異的プローブを用いて解析するものである。各ブロットには一連の健常個体および異常な骨形成を持つ一連の症例が含まれている。ハイブリダイズする断片(既知の多型性遺伝子座の付近またはこれを含む配列をプローブとしたときに対照DNAとは異なる長さを持つ)を示すサザンブロットは、多型性の可能性があることを示す。RFLPに関する技術は当技術分野で周知であり、「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」Vol. 1, ユニット 2、Frederick M. Ausubelら編, 1995を参照のこと。
【0072】
制限酵素断片長多型解析は、解析されていない多型性を同定することができるので、解析には好ましい。特に、オステオレビン中の様々な領域の配列をプローブとして用いるだけで、未同定のものを含め様々な多型性について、当業者は核酸サンプルを評価することができる。これらの解析に用いるプローブは、本明細書で開示される例示的な多型性(例、EMBLアクセッション番号AC003098の10877位におけるT/Cプロモーター多型性のような)を持つ配列を含むか、または、本明細書で同定されたもしくは当技術分野で周知の染色体ウォーキング技術によって単離された隣接配列を含み得る。Uegharaら、Mamm Genome 1(2):92−99 (1991)参照。
【0073】
ポリメラーゼを用いた増幅を用いた核酸解析の特に好ましい方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。ポリメラーゼ連鎖反応および他のポリメラーゼを用いた増幅アッセイ法は、ポリメラーゼを用いた増幅サイクルを利用することで、コピー数を100万倍以上増加できる。増幅したら、得られた核酸は、制限エンドヌクレアーゼ消化による解析、配列決定、またはDNAプローブの基質として使用できる。特定の多型性を含む配列が既知の場合、これらの配列を標的とする様々なPCRプライマーが作製できる。例えば、多型性に隣接する配列を用いて、これらの配列を増幅できる。配列特異的PCRの変形として、特定のオステオレビン多型性に3’端でハイブリダイズするプライマーを用いることができる。特定の多型性が存在しないならば、増幅産物は観察されない。欧州特許出願第0332435号およびNewtonら、1989に開示されるような、増幅抵抗性変異システム(ARMS)も使用できる。または、オステオレビンの5’領域またはエクソンに対するプライマー対を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行うことができる。PCRは、正常なオステオレビン領域に任意の配列に基づくプライマー対を用いて実行できる。例えば、イントロンの一つに対するプライマー対を調製し、利用することができる。最後に、mRNAを逆転写酵素でcDNAに転換して、mRNAを用いてPCRを行うことができる。通常の技術を用いた一本鎖立体配座多型(SSCP)によって増幅産物を解析し、差異を同定し、その後配列決定をして正常遺伝子配列と比較する。
【0074】
本発明のプライマー対は、PCRを用いた特定のオステオレビン配列のヌクレオチド配列の決定に有用である。例えば、遺伝子自身のDNA合成を増幅させるために、一本鎖DNAプライマーの対を17番染色体上のオステオレビン配列内またはその周辺にアニーリングさせることができる。これらのプライマーの完全なセットがあると、遺伝子のコード配列、エクソンの全てのヌクレオチドの合成が可能になる。プライマーのセットは、好ましくはイントロンとエクソンの両方の配列の合成を可能にする。また、アレル特異的プライマーも使用できる。そのようなプライマーは、特定のオステオレビン変異アレルのみにアニーリングするので、鋳型として変異アレルが存在する場合にのみ産物を増幅する。
【0075】
増幅した配列をその後クローニングするのを容易にするために、プライマーはその5’末端に制限酵素部位の配列を持つことができる。例えば、プライマーの全てのヌクレオチドは、制限酵素部位を形成するために必要ないくつかのヌクレオチドを除いて、一つまたは複数のオステオレビン多型性に隣接する配列に由来しても良い。そのような酵素および部位は当技術分野で周知である。プライマー自身は、当技術分野で周知の技術を用いて合成できる。一般に、プライマーは市販のオリゴヌクレオチド合成機を用いて作製できる。当技術分野の水準を考えると、特定のプライマーのデザインは、十分に当技術分野の技術範囲内である。「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」II巻, ユニット15、Frederick M. Ausubelら編, 1995参照。
【0076】
PCRで増幅されたオステオレビン領域のDNA配列は、アレル特異的プローブを用いてスクリーニングすることもできる。これらのプローブは、核酸オリゴマーで、各々が既知の多型性を含む遺伝子配列の領域を含む。例えば、一つのオリゴマーは、オステオレビン多型性配列の一部に対応する約20ヌクレオチドの長さである可能性がある。そのようなアレル特異的プローブ群を利用して、PCR増幅産物をスクリーニングし、遺伝子中に以前に同定された多型性の存在を同定できる。アレル特異的プローブの増幅したオステオレビン配列へのハイブリダイゼーションは、例えば、ナイロンフィルター上で行える。ストリンジェントな条件下で特定のプローブにハイブリダイズすれば、そのアレル特異的プローブと同じ多型性が組織中に存在することを示す。適当なプライマー対を用いて個体のDNAを増幅し、例えば、アレル特異的オリゴヌクレオチドプローブを用いたドットブロットハイブリダイゼーションなどによって、増幅産物を解析することにより、一般的なオステオレビン変異について、個体を迅速にスクリーニングすることができる。多型性の解析がなされたら、アレル特異的オリゴヌクレオチド(ASO)ハイブリダイゼーションのようなアレル特異的検出手法を用いて、大量のサンプルの迅速なスクリーニングが可能になる。
【0077】
多型性を検出するために好ましい別の方法には、質量分光分析の使用がある。例えば、EMBLアクセッション番号AC003098の9783位置におけるT/Cのような多型性を含むDNA配列のPCR増幅後、対象の多型性から1塩基上流で終わるプライマーを用いて、内部のプライマー伸長反応を行う。プライマー伸長反応でジデオキシヌクレオチド3リン酸(ddNTP)のみを使用すると、プライマーは多型性部位(例、9783位)に相当する1塩基のみ、伸長する。伸長したプライマーの正確な質量は、MALDI−TOF(マトリックス支援レーザ脱離イオン化−飛行時間型質量分光分析)で直接決定され、ヘテロ接合体は明確に区別される2つのピークを生成する。
【0078】
侵襲的開裂(invasive cleavage)の産物も、質量分光分析または蛍光を用いた方法によって検出できる。一塩基多型(SNPs)は、特別の構造特異的エンドヌクレアーゼ(cleavase)が特別のDNA構造(特異的ハイブリダイゼーションで生じる)を認識できることにより検出される。インベーダープローブおよび標識されたシグナルプローブは、標的DNAにハイブリダイズし、インベーダープローブがシグナルプローブとSNP部位の少なくとも1塩基重複するようにデザインされている。シグナル−プローブ標的二本鎖のインベージョンは、標識を含む一本鎖のフラップを置き換える。フラップと部分的にインベージョンされた二本鎖との結合部は、開裂部位に相補的な塩基がある場合のみに酵素で開裂され、シグナルプローブのハイブリダイズしていない領域が放出される。開裂された断片の検出は、上述のように行うか、直接のゲル解析または断片上のタグに対する酵素結合抗体によって行う。開裂後、新しいシグナルプローブがハイブリダイズし、このプロセスが繰り返され、開裂されたシグナルプローブが蓄積する。したがって、この方法でシグナルは増幅され、この増幅によってこの技術全体の感受性が増加する。
【0079】
逆に、いくつかの多型性を含むオリゴヌクレオチドをナイロンフィルター(「SNPストリップ」)上に固定し、アレル特異的ハイブリダイゼーションに関して、個体のDNAから得られた多様なPCR反応産物をハイブリダイズすることができる(Chengら、Clin. Chem. Lab. Med. (1998) 36(8):561−566, RMS, Alameda)。
【0080】
上述の診断アッセイ法の大部分は、必須の要素として核酸プローブを含んでいる。標的配列の存在を検出するためにプローブが使用されるときには、血液または血清のような解析用生体サンプルを処理して核酸を抽出する。上述のように、サンプルの核酸は、標的配列の検出を容易にするために様々な方法、例、変性、制限消化、電気泳動、またはドットブロット、で調製できる。核酸解析物の標的領域は、プローブの標的配列とハイブリッドを形成するために、通常は少なくとも部分的に一本鎖である必要がある。配列が天然で一本鎖ならば、変性は不要である。しかし、配列が二本鎖であれば、その配列はおそらく変性させる必要がある。変性は、当技術分野で周知の様々な技術によって行える。
【0081】
標的核酸、プローブおよび解析物は、プローブ内の標的配列が、解析物中に推定される標的配列と安定なハイブリッドを形成するような条件下でインキュベートできる。解析物に結合するために使用されるプローブの領域は、ヒト17番染色体の標的領域と完全に相補的でよい。したがって、偽陽性を予防するために、高ストリンジェンシー条件が望ましい。しかし、ゲノム中でユニークな染色体領域にプローブが相補的な場合にのみ、高ストリンジェンシー条件が使用される。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、温度、イオン強度、塩基組成、プローブの長さ、およびホルムアミド濃度を含め、ハイブリダイゼーション中および洗浄手順における様々な要素によって決定される。これらの要素は、例えば、Maniatisら、「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)」Cold Springs Harbor Laboratory, 1982およびSambrookら、1989に概説されている。場合によっては、標的配列の検出手段を提供するために、3本鎖、4本鎖等のようなより高次のハイブリッドの形成が望まれる場合もある。
【0082】
当業者は容易に理解するように、核酸ハイブリダイゼーションは、塩基組成、相補鎖の長さ、およびハイブリダイズする核酸間のヌクレオチド塩基ミスマッチの数に加え、塩濃度、温度、有機溶媒のような条件に影響される。ストリンジェントな温度条件には、一般に30℃を越える温度、通常は37℃を越える温度、および好ましくは45℃を越える温度が含まれる。ストリンジェントな塩条件は、通常は1000 mM未満、典型的には500 mM未満、および好ましくは200 mM未満である。しかし、パラメータの組み合せは、任意の単一のパラメータの大きさよりも、はるかに重要である。プローブ配列は、特定の条件では二重鎖DNAに特異的にハイブリダイズし、3重鎖または他の高次DNA複合体を形成する場合もある。そのようなプローブの調製および適当なハイブリダイゼーション条件は、当技術分野で周知である。
【0083】
得られたハイブリッドの検出には、通常は標識されたプローブを用いる。または、プローブは標識されていないが、直接または間接的に標識されたリガンドへの特異的な結合によって、検出されることもある。適当な標識、ならびにプローブおよびリガンドの標識方法は、当技術分野で周知であり、例えば、既知の方法で組み込める(例、ニックトランスレーション、ランダムプライミング、またはキナーゼ)放射性標識、ビオチン、蛍光基、化学発光基(例、ジオキセタン、特にトリガ(triggered)ジオキセタン)、酵素、抗体などが含まれる。この基本的スキームの変形は当技術分野で周知であり、無関係の物質から検出するハイブリッドを容易に分離できる変法、および/または標識部分からのシグナルを増幅する変法が含まれる。そのようないくつかの変法の総説は、例えば、MatthewsおよびKricka, Anal. Biochem., 169:1, 1988; Landegrenら、Science, 242:229, 1988; Mittlin, 1989; 米国特許第4,868,105号;およびEPO公報第225,807号に記述されている。
【0084】
上述のように、いくつかの非PCRスクリーニングアッセイ法が、本発明では考えられる。一つの手順では、核酸プローブ(または通常のホスホジエステルを置換するメチルリン酸骨格のようなアナログ)を、低濃度で存在するDNA標的にハイブリダイズさせる。このプローブは、ハイブリダイゼーションの特異性に干渉しないような共有結合で、プローブに共有結合した酵素を持つ可能性がある。この酵素−プローブが結合した標的核酸複合体は、遊離のプローブ酵素結合体から単離され、酵素検出のために基質が添加される。酵素活性は、発色またはルミネセンスの変化として観察され、感受性が向上する。オリゴデオキシヌクレオチド−アルカリ性ホスファターゼ結合体の調製およびハイブリダイゼーションプローブとしての使用に関する例は、Jablonskiら、N.A.R., 14:6115−6128, 1986参照。2段階標識増幅法は、当技術分野で周知である。これらのアッセイ法は、小さなリガンド(ジゴキシゲニン、ビオチンなどのような)がオステオレビン領域の配列に特異的結合のできる核酸プローブに結合されるという原理に基づく。アレル特異的プローブもこの実施例の範囲内と考えられ、アレル特異的プローブの例には、本特許出願の素因を作る多型性を含むプローブが含まれる。
【0085】
一つの例では、核酸プローブに結合した小さなリガンドは、抗体−酵素結合体によって特異的に認識される。この例の一つの態様では、核酸プローブにジゴキシゲニンが結合される。ハイブリダイゼーションは、アルカリ性ホスファターゼに結合した抗ジゴキシゲニン抗体によって検出される。アルカリ性ホスファターゼは、化学発光基質を修飾し、検出可能となる。この態様の核酸プローブの標識方法は、Martinら、BioTechniques 9: 762−768, 1990参照。第2の例では、小さなリガンドは、第1のリガンドに特異的に複合体を形成する能力のある、第2のリガンド−酵素結合体によって認識される。この例の周知の態様は、ビオチン−アビジンタイプの相互作用である。核酸プローブの標識方法およびビオチン−アビジンアッセイ法における使用は、Nguyenら、BioTechniques 13:116−123, 1992参照。本発明の範囲内で、本発明の核酸プローブアッセイ法はオステオレビン多型性を検出する能力のある核酸プローブの組み合せを利用する。したがって、一つの例では、一つの細胞サンプルで多型性の存在を検出するために、遺伝子に相補的な複数のプローブが使用され、特に異なるプローブの数は2、3、または5の異なる核酸プローブ配列である。別の例では、患者のオステオレビン領域配列の多型性の存在を検出するために、この領域の遺伝子に相補的な複数のプローブが使用される。このカクテルには、この領域の異なる患者群で同定されたアレル特異的多型性に結合できるプローブが含まれる。この態様では、任意の数のプローブが使用でき、好ましくは異常な骨形成に関連すると同定されたファン・ブッヘム−骨硬化疾病領域中の主要な多型性に対応するプローブを含む。
【0086】
上述の技術の一つによって見つかった任意の配列の差は、、異常な骨形成を伴う可能性のあるオステオレビン領域の分子変異を持つ個体を同定することになる。これらの変異には、いくつかの形があり、コード領域および非コード領域のいずれにも発生し得る。発現された遺伝子に関連する特定の多型性は、異常な蛋白質を生じるか、蛋白質発現を大きく変え得る。他の破壊的多型性には、小さなインフレームの欠失、および、生産される蛋白質に対して著しい影響のある非保存的塩基対置換が含まれる。その例には、システイン残基へもしくはシステイン残基からの変化、塩基性アミノ酸から酸性アミノ酸への変化もしくはその逆、疎水性アミノ酸から親水性アミノ酸ヘの変化もしくはその逆、または蛋白質の2次もしくは3次構造に影響を与えるような他の多型性がある。サイレント多型性または保存的なアミノ酸置換を生じるようなものは、一般的に蛋白質の機能を破壊するとは考えられない。
【0087】
本明細書で開示される方法およびオステオレビン配列は、DNAチップテクノロジーを用いた様々なアッセイ法も提供する(参照として本明細書に組み入れられるWangら、Science 15; 280:1077−1082 (1998)および米国特許第5,858,661号および同第5,837,832号参照。)特に、本発明は固相支持体(「チップ」)上に固定されたオステオレビン特異的オリゴヌクレオチドプローブのアレイを提供する。ここでは、オリゴヌクレオチドプローブのアレイを含むDNAチップを用いて、標的核酸サンプルが、特定の参照配列と同一または異なるヌクレオチド配列を含むかどうかを決定できる。典型的なアレイには、参照配列(オステオレビン配列中でEMBLアクセッション番号AC003098によって定義される10668位におけるTCCの挿入など)に完全に相補的なプローブ、および完全に相補的なプローブから一つまたは複数の塩基が異なるプローブを含む。典型的な態様では、アレイは1セットのオリゴヌクレオチドプローブを含んでおり、特定の参照配列中の各塩基に対して、セットには参照オステオレビン配列の一部に完全に相補的なプローブ、およびこの配列中の一つまたは複数のヌクレオチドがあらかじめ決められたヌクレオチドセット(通常、多型性領域の一部を含む)で置換されている以外はこの参照配列と関連している別のプローブが含まれる。そのようなアレイに対して結合する配列の検出は、当技術分野で周知の様々な方法で行われる(例えば米国特許第5,837,832号参照)。
【0088】
本発明はさらに、オステオレビン領域中の遺伝子によってコードされる蛋白質の多型性領域に対する抗体を提供する。典型的な抗体には、当技術分野で周知のポリクローナル、単一特異的ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異性、ヘテロ結合体抗体が含まれる。特に、異常な骨形成の存在は、野生型オステオレビンポリペプチドの変化に基づいても検出できる。そのような変化は通常の技術を用いた配列解析によって決定できるが、より好ましくは、オステオレビンペプチド中の差異もしくはオステオレビンペプチドの欠損を、抗体(ポリクローナルまたはモノクローナル)を用いて検出する。抗体を作製および精製する技術は当技術分野で周知であり、本発明に請求される調製物を得るために任意のそのような技術が選択できる。本発明の好ましい態様では、抗体は溶液から多型性オステオレビン蛋白質を免疫沈降させ、またポリアクリルアミドゲルのウェスタンまたは免疫ブロット上でこれらの蛋白質と反応する。別の好ましい態様では、免疫細胞化学技術を用いて、抗体はパラフィンまたは凍結組織切片中のオステオレビン蛋白質を検出する。
【0089】
オステオレビンポリペプチドまたはその多型性を検出する方法に関連した好ましい態様には、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ法(RIA)、免疫放射定量法(IRMA)、およびモノクローナルおよび/またはポリクローナル抗体を用いたサンドイッチアッセイ法を含む免疫酵素法(IEMA)が含まれる。典型的なサンドイッチアッセイ法は、参照として本明細書に組み入れられるDavidら、米国特許第4,376,110号および同第4,486,530号に記述されている。
【0090】
オステオレビン領域の遺伝子またはその修飾型をコードする核酸は、治療に有用な試薬の開発およびスクリーニングに役立つ、トランスジェニック動物または「ノックアウト」動物の作製にも使用できる。トランスジェニック動物(例、マウスまたはラット)は、トランスジーンを含む細胞を持つ動物である。トランスジーンは出生前、例、胎児期に、動物または動物の祖先に導入される。トランスジーンはトランスジェニック動物が発生する細胞のゲノム中に組み込まれたDNA断片である。一つの態様では、確立された技術にしたがって、オステオレビンをコードするcDNAを用いてオステオレビン蛋白質(EMBLアクセッション番号AC003098によって定義される10668位における3塩基対の挿入を含むオステオレビンアレルを含む)をコードするゲノムDNAをクローニングできる。そしてゲノム断片を用いてオステオレビン(例えば、ヒト蛋白質で見られる、EMBLアクセッション番号AC003098によって定義される10668位における3塩基対の挿入を含むマウスオステオレビン)をコードするDNAを発現する細胞を含むトランスジェニック動物を作製できる。トランスジェニック動物、特にマウスやラットのような動物の作製方法は、当技術分野で通常のものになっており、例えば、米国特許第4,736,866号および同第4,870,009号に記述されている。通常は、組織特異的エンハンサーを用いて、特定の細胞がオステオレビントランスジーンの標的とされる。しかし、例えば、βアクチンプロモーターの制御下で、オステオレビントランスジーンが広く発現されるトランスジェニック動物も作製できる。胎児期に動物の生殖細胞系に種々のオステオレビン配列をコードするトランスジーンのコピーが導入されたトランスジェニック動物を用いて、オステオレビン配列をコードするDNAの発現の上昇の効果を調べることができる。そのような動物は、例えば、過剰発現に伴う病的状態からの保護を与えると考えられる試薬の試験動物として使用できる。本発明のこの局面では、試薬で処理されたトランスジェニック動物が、未処理のトランスジェニック動物と比較して病的状態の発生率が低下していれば、その試薬は、その病的状態のための潜在的な治療薬の候補となり得る。
【0091】
または、オステオレビンの非ヒトホモログを用いて、オステオレビン「ノックアウト」動物を作製できる。ノックアウト動物は、オステオレビン領域配列をコードする内在遺伝子と、動物の胚細胞に導入されたオステオレビン配列をコードする変異したゲノムDNAとの間の相同組換えの結果、オステオレビン領域が欠損または変化した遺伝子を持つ。例えば、オステオレビンをコードするcDNAを用いて、確立された技術でオステオレビンをコードするゲノムDNAをクローニングできる。オステオレビンをコードするゲノムDNAの部分を削除するか、または組み込みをモニターするために使用できる選択可能マーカーをコードする遺伝子のような別の遺伝子で置換できる。通常は、ベクターには変化していない隣接DNA(5’および3’の両方)が数キロベース含まれている(相同組換えベクターの説明は、ThomasおよびCapecchi, Cell, 51:503 (1987)参照)。ベクターを胚性幹細胞株に導入し(例、電気穿孔法)、導入されたDNAが内在性DNAと相同組換えを起こした細胞を選択する(例えばLiら、Cell 69:915 (1992)参照)。その後、選択された細胞を動物(例、マウスまたはラット)の胚盤胞に注入し、集合キメラを形成する(Bradley, 「奇形癌と胚性幹細胞−実践的アプローチ手法(Teratocarcinomas and Embryonic Stem Cells ? A Practical Approach)」E. J. Robertson編(IRL, Oxford, 1987), pp 113−152参照)。そしてキメラ胚を適当な養い親の疑妊娠メスに移植し、胚が成熟して「ノックアウト」動物が生まれる可能性がある。生殖細胞系に相同組換えしたDNAを持つ子孫は、標準テクな技術で同定でき、動物の全ての細胞が相同組換えしたDNAを含む動物の生産に使用できる。ノックアウト動物は、オステオレビンポリペプチドがないことによる、病態の発現について解析できる。
【0092】
本明細書に開示される方法およびオステオレビン配列は、組換えオステオレビン配列、通常は、病態に関連した一つまたは複数の多型性を持つオステオレビン配列を用いた様々な薬剤スクリーニング法も提供する。そのような蛋白質は、蛋白質および蛋白質複合体の活性の新規のモジュレーター(阻害剤または活性化剤)の薬理学的解析に特に有用である。さらに、種々の薬剤スクリーニングアッセイ法が当技術分野では周知であり、その方法は本明細書で開示されるオステオレビン配列の評価に容易に適応される(内容が参照として本明細書に組み入れられる、Vinggaardら、Toxicol. Appl. Pharmacol. 155(2):150−160 (1999); Femandesら、Curr. Opin. Chem. Biol., 2(5):597−603 (1998); Gonzalesら、Curr. Opin. Biotechnol. 9(6):624−31 (1998)、および米国特許第5,877,007号および同第5,780,258号参照)。
【0093】
そのようなアッセイ法の例示的態様では、組換え多型性オステオレビン蛋白質を、野生型オステオレビン蛋白質に応答することが既知の細胞の培地に導入できる。応答は、例えば、Cytosensor microphysiometerシステム(Molecular Dynamics社製)を用いた培地のpHの変化の測定、または細胞内カルシウム濃度、サイクリックAMPまたはGMPレベル、シグナル伝達経路の蛋白質のリン酸化の変化の測定、またはレポータージーンアッセイ法を用いて、定量できる。そのような特定の活性または他の細胞特性の応答的変化は、ヒトまたは動物の疾病または他の状態の治療に適した物質の発見、開発または解析を含む、多くの有用な方法に利用できる。そのようなオステオレビン蛋白質および関連する細胞アッセイ法は、疾病または他の生物学的過程の研究、様々な薬剤の単独または組み合せの効果の決定、および疾病または他の状態の発生の低下または予防に役立つ可能性のある物質の同定または解析にも、有用な可能性がある。
【0094】
本発明の特定の態様は、オステオレビン活性またはオステオレビンに誘導される活性を調節する薬剤のスクリーニングのための方法および組成物を提供する。そのような薬剤は、オステオレビン多型性に伴う疾病を含む、様々なオステオレビン発現の生理的発現を調節する役に立つ可能性がある。
【0095】
様々な薬剤の薬理学的活性を試験する細胞ベースのアッセイ法は、オステオレビンに応答する細胞を、薬剤の存在がオステオレビンに対する細胞の応答に変化をもたらし得る条件で、候補薬剤に暴露することで実施できる。強く関連した態様では、(1)変異および (2)野生型オステオレビンに対する細胞の応答の比較も、解析できる。
【0096】
本明細書に記述されるアッセイ法のための組換えオステオレビンを生産する細胞も、オステオレビン領域に多型性を持つ個体から、または上述のトランスフェクション法を含む当技術分野で周知の様々なプロトコールによって作製できる。または、そのような細胞は、相同組換え、例えば多型性または修飾されたオステオレビン配列を含むトランスジーンと野生型オステオレビン配列との組換え、によって作製されたトランスジェニックまたはノックアウト動物を利用しても作製できる。同様に、アッセイ法自身のための細胞は、オステオレビン受容体の内在性発現をする細胞または受容体のトランスフェクトされた細胞で良い。また、当技術分野で周知の様々なレポーター遺伝子およびアッセイ法は、本明細書で開示される細胞ベースのスクリーニングアッセイ法に適応できる。例えば、レポーター遺伝子は宿主細胞中で、インサイチュー解析によって検出される、転写活性の定量または半定量的関数である、発色または蛍光の変化を生成する酵素をコードする可能性がある。酵素の例には、エステラーゼ、ホスファターゼ、プロテアーゼ(組織プラスミノーゲンアクチベーターまたはウロキナーゼ)、および当業者には周知である発色団または蛍光体を生成する活性によって検出可能な他の酵素が含まれる。好ましい例は、本明細書で開示される大腸菌βガラクトシダーゼである。この酵素は、βガラクトシダーゼを持つ細胞によって、インジゴを生成する基質インドリルβ−D−ガラクトシドの開裂によって色の変化を生じる(例、Goringら、Science, 235:456−458 (1987)およびPriceら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84:156−160 (1987))。この酵素が好ましいのは、哺乳類細胞中での内在性βガラクトシダーゼ活性は通常非常に低く、βガラクトシダーゼを用いた解析スクリーニング系が宿主細胞のバックグラウンドに影響されないためである。
【0097】
本明細書に記述される方法で同定される、オステオレビン活性またはオステオレビンに誘導される活性の調節因子、およびそのような調節因子および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物も本発明の対象である。
【0098】
オステオレビンポリペプチドを含む医薬品、ならびにそのような医薬品の製造過程であって、オステオレビンポリペプチドおよび必要ならば一つまたは複数の他の治療に有用な物質を生薬の投与形態にする過程も、本発明の目的である。この薬学的組成物は、例えば錠剤、コートした錠剤、糖衣錠、硬質または軟質のゼラチンカプセル、溶液、乳濁液、懸濁液のような形態で、経口投与できる。投与は、例えば座薬を使って直腸から;例えば軟膏、クリーム、ゲルまたは溶液を使って局所的または経皮的に;または例えば注射溶液を用いて非経口的に行える。
【0099】
錠剤、コートした錠剤、糖衣錠、または硬質のゼラチンカプセルの調製には、本発明の化合物を薬学的に不活性な、無機質または有機質の賦形剤と混合できる。錠剤、糖衣錠、または硬質のゼラチンカプセルに適当な賦形剤の例には、ラクトース、トウモロコシデンプンまたはその誘導体、タルクまたはステアリン酸もしくはその塩が含まれる。軟質ゼラチンカプセルに適当な賦形剤には、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体もしくは液体のポリオール等が含まれる。活性成分の性質によって、軟質ゼラチンカプセルには、全く賦形剤が不要な場合もある。溶液およびシロップの調製に使用できる賦形剤には、水、ポリオール、サッカロース、不活性な糖およびグルコースが含まれる。注射溶液に使用できる賦形剤には、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセリン、および植物油が含まれる。座薬、局所または経皮投与に使用できる賦形剤には、例えば、天然または硬化した油、ワックス、脂肪、および半固体または液体のポリオールが含まれる。薬学的組成物には、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香料、浸透圧の調製のための塩、緩衝液、コート剤、または抗酸化剤が含まれ得る。他の薬学的に価値のある薬剤が含まれることもある。
【0100】
それゆえ本発明にしたがいオステオレビンポリペプチドは、骨硬化症、ファン・ブッヘム病、ページェット病のような異常な骨形成を伴う疾病の治療のための薬剤の製造に使用できる。投与量は限度内で変化でき、当然、各症例の個体の必要量に適応される。
【0101】
本発明の別の態様では、例えば上述の診断用に使用できる、プローブ、オリゴヌクレオチド、または抗体を含む製品およびキットが提供される。製品には、ラベル付きの容器が含まれる。適当な容器には、例えば、ボトル、バイアル、試験管が含まれる。容器はガラスまたはプラスチックのような様々な材料から形成され得る。容器には、上述のような診断に有効な薬剤を含む組成物を入れる。容器上のラベルは、その組成物が特定の診断用に使用されることが表示される。本発明のキットは、通常、上述の容器、および緩衝液、希釈剤、フィルター、および使用方法を記載した添付文書を含め、商業的および使用者の観点から望ましい他の材料を含む一つまたは複数の他の容器を含む。
【0102】
本発明は以下の実施例でさらに詳細に説明されるが、これらは説明のために提供されるものであり、本発明を制限する意図は全くない。当技術分野で周知の技術または以下に特に説明する技術が利用される。本明細書に引用される全ての特許および論文は、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0103】
実施例
実施例中に言及される市販の試薬は、特に記載がないかぎり、製造元の指示にしたがって使用された。
【0104】
実施例
オステオレビンcDNAのクローニングおよび配列決定
ヒト腎臓組織に由来するcDNAライブラリー(Clontech)をハイブリダイゼーションによってスクリーニングした。使用されたプローブは、オステオレビン遺伝子の推定3’ UTRに由来するプライマーを用いて、PCRによって得られた。陽性クローンを培養し、プラスミドDNAは高純度のプラスミド単離キット(Roche)を用いて単離した。ベクタープライマーおよび遺伝子の内部プライマーを用いた自動配列決定装置(ABI377)による配列決定では、4つのクローンの存在が示された。標準的な手順による配列決定で、図1Bに示すような全長のcDNAクローンが示された。
【0105】
実施例
多型性の検出
a) 多型性を検出するために、5つの異なる民族由来の47人の非血縁個体からオステオレビン遺伝子をPCR増幅した。断片特異的プライマー対(長さ18〜27 bp)を用いて、200〜700 bp断片が増幅された。例えば、プライマー対OSTVprom−F2(図5)およびOSTVprom−R2(図5)を用いて588 PCR産物が作製された。断片は、重複しオステオレビンのゲノム領域全体を覆うようにデザインされた。PCR産物をカラム精製した後、ABI Dyeターミネーターケミストリー(蛍光ベースの配列決定)を用いてABIキャピラリーシーケンサーでDNAの配列決定を行った。DNA配列の多型性は、Polyphredソフトウェア(Nickerson, D.ら、1997:NAR 25(14): 2745−2751)を用いて決定したが、これはPhred、Phrap、およびConsed(すべて米国ワシントン大学からライセンスされたプログラム)に基づいて動作する。このプログラムは、蛍光ベースの配列決定により、ヘテロ接合の単一ヌクレオチド置換の存在を自動的に検出することができる。上述の例では、588 bpの断片に以下の5つの多型が検出された。
Figure 2004520005
* EMBLアクセッション番号AC003098の位置として定義
【0106】
b) ファン・ブッヘムおよび骨硬化症の患者から得られた適当なゲノムDNA断片をPCR増幅して、3つの疾病関連多型が検出され、断片の配列決定および健常個体のDNAとの比較が行われた。ハイスループットスクリーニングを可能にするために、2つの変異に関してPCRベースのアッセイ法が開発された。ブラジルの患者の変異については、変異アレル中にMboI制限部位を生じるような修飾プライマーがデザインされた。MboI制限消化および電気泳動後、変異アレルは正常アレルから識別できる。アメリカの患者の変異アレルには、野生型アレルにはないBstEII制限部位が含まれているため、変異アレルと正常アレルの区別が可能になる。
【0107】
実施例
組換えオステオレビンの発現
3種類の組換えオステオレビンが生産された。第1のものは、カルボキシ末端タグ、第2はアミノ末端タグを持ち、第3はタグを持たない。エピトープタグは蛋白質の精製のために組み込まれた。コンストラクトは標準的な方法で作製された(ここでManiatisまたはProtocols in Molecular Biologyを引用)。以下に詳述するように、プライマーは各配列の5’末端に制限部位を持つオステオレビン配列の適当な領域に対してデザインされた。ヒトオステオレビン配列をPCRで増幅し、その産物を適当な酵素で消化し、同様に消化されたベクターに連結した。
【0108】
カルボキシ末端にタグのついた蛋白質の発現コンストラクトは、BamHIおよびHindIII部位を用いて、pBlueBac4.5/V5−Hisベクター(Invitrogen)で作製された。ベクターに挿入するために、内在性の分泌シグナルと推定される部分を含むオステオレビンコード配列全体が増幅された。ベクターにはV5エピトープが含まれていた。これにより、融合蛋白質の発現が、抗V5エピトープ抗体(Invitrogen)を用いたウェスタン解析でモニターできるようになる。加えて、このベクターは、ニッケルカラム(多くの販売元がある)上でポリペプチドの精製を可能にするHis6タグをコードしている。
【0109】
アミノ末端にタグのついた蛋白質の発現コンストラクトは、BamHIおよびEcoRI部位を用いて、pAcSecG2Tベクター(Pharmingen)で作製された。ベクターに挿入するために、成熟オステオレビン配列と推定されるもの(シグナル配列を含まない)が、増幅された。ベクター自身は、高レベルの分泌のためにgp67蛋白質から得た分泌シグナルをコードしている。また、ベクターは抗GST抗体(Pharmingen)を用いた発現モニタリングおよびグルタチオンアガロースビーズ(Pharmingen)を用いた精製の両方を可能にするグルタチオンSトランスフェラーゼタグを含んでいる。また、GSTタグとオステオレビンの間にはトロンビン開裂部位があるので、精製後にタグから蛋白質を分離することができる。
【0110】
タグのない蛋白質の発現のためのコンストラクトは、BamHIおよびEcoRI部位を用いて、pBlueBac4.5ベクター(Invitrogen)で作製された。ベクターに挿入するために、内在性の分泌シグナルと推定される部分を含めオステオレビンコード配列全体が増幅された。
【0111】
各コンストラクトは完全に配列決定を行い、増幅またはクローニング過程で偶然ヌクレオチドの変異が導入されていないことを確認した。
【0112】
適当な宿主細胞の形質転換、形質転換細胞の増殖、およびオステオレビンの特異的発現は、製造元の指示にしたがって行った。
【図面の簡単な説明】
【図1A】オステオレビン遺伝子のゲノム構造の模式図を示す。
【図1B】オステオレビンcDNAのヌクレオチド配列を示す(配列番号:1)。
【図2】様々なヒト組織におけるオステオレビンmRNAの発現のPCR解析を示す。心臓、腎臓(最強の発現)、膵臓、胎盤、前立腺、脾臓、および末梢血リンパ球から得られたヒトcDNAにおいて観察されたシグナルで示されるように、転写物は広範に発現されている。発現はヒト骨芽細胞でも示された。
【図3】ゲノムのオステオレビン領域を示す(配列番号:3)。配列はHTSラージインサートクローンに由来する(EMBLアクセッション番号AC003098)。オステオレビン配列は相補鎖上に位置する。したがって、ゲノムのオステオレビンの逆方向相補DNA配列が以下に示されている。
【図4】オステオレビンポリペプチドのアミノ酸配列を示す(配列番号:2)。
【図5】DNA配列決定によって多型性をスクリーニングする前にオステオレビン領域を増幅するために使用したプライマーを示す(配列番号:4〜27)。

Claims (27)

  1. 被験者から得たオステオレビン核酸配列中の多型性の存在を決定する段階を含む、被験者におけるオステオレビン多型性をスクリーニングする方法。
  2. 多型性が異常な骨形成に関連している、請求項1記載の方法。
  3. 被験者から得たオステオレビン核酸配列中の異常な骨形成に関連する多型性の存在を決定する段階を含む、被験者において遺伝的に関連した形態の異常な骨形成の存在をスクリーニングする方法。
  4. 多型性が挿入、欠失、置換、または反復性ヌクレオチド配列として特徴づけられる、請求項1または3のいずれかに記載の方法。
  5. 多型性がオステオレビン蛋白質の発現または機能に影響を与える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. オステオレビン核酸配列中の多型性の存在が、制限酵素断片長多型解析、質量分光分析を用いたPCR産物の直接の質量解析、侵襲的開裂(invasive cleavage)産物の直接の解析、直接の配列解析、ARMS(登録商標)(増幅抵抗性変異システム)、ALEX(登録商標)(増幅抵抗性変異システムリニア伸長)およびCOPS(競合オリゴヌクレオチドプライミングシステム)のような伸長に基づく技術、OLA (オリゴヌクレオチド連結アッセイ法)、Invaderアッセイ法、DNAチップ解析、またはポリメラーゼ連鎖反応解析のような鑑別核酸解析技術を含むアッセイ法によって決定される、請求項1または3のいずれかに記載の方法。
  7. PCR産物が、OSTV3UT−F、OSTVint−F1、OSTVint−F3、OSTVint−F4、OSTVint−F5、OSTVex1−F、OSTV5UT−F、OSTV3gen−F1、OSTV3gen−F2、OSTV5UT−F、OSTVprom−F1、およびOSTVprom−F2からなる群より選択されるフォワードプライマー、ならびにOSTV3UT−R、OSTVint−R1、OSTVint−R3、OSTVint−R4、OSTVint−R5、OSTVex1−R、OSTV5UT−R、OSTV3gen−RI、OSTV3gen−R2、OSTV5UT−R、OSTVprom−R1、およびOSTVprom−R2からなる群より選択されるリバースプライマーを用いて増幅される、請求項4記載の方法。
  8. 患者から得られたオステオレビン核酸配列の遺伝子多型性パターンを決定する段階、および患者の遺伝子多型性パターンと野生型オステオレビン配列とを比較する段階を含む、異常な骨形成を伴う病態に対する患者の感受性を同定する方法であって、患者の遺伝子多型性パターンと野生型配列との差異が病態に対する感受性を示す方法。
  9. 被験者から単離されたオステオレビン配列を、既知の野生型オステオレビン配列と比較して、異常な骨形成に関連した被験者から単離されたオステオレビン配列に反復している多型性を同定する段階を含む、1人または複数の被験者において異常な骨形成を伴う多型性を同定する方法。
  10. 核酸分子が、
    a) 配列番号:1に示される核酸分子または該核酸分子の相補鎖、
    b) 配列番号:2に示されるポリペプチドをコードする核酸分子または該核酸分子の相補鎖、
    c) 上記a)またはb)の核酸分子にハイブリダイズすることのできる核酸分子
    からなる群より選択される、オステオレビンをコードする核酸分子。
  11. GからA 6136位
    CからT 6140位
    TからA 9047位
    CからT 10877位
    AからG 10876位
    TからC 10817位
    CからA 10687位
    TCC 10668位と10669位との間
    CからG 10424位
    CからG 10342位
    AからG 10020位
    TからC 9783位
    CからT 9723位
    CからT 9646位
    GからA 9616位
    CからT 9242位
    AからG 8375位
    CからT 7894位
    GからT 7489位
    TからG 6358位
    CからT 5308位
    GからA 5004位
    CからT 4866位
    GからC 4475位
    およびその組み合せならびにその逆方向の相補鎖
    からなる群より選択される核酸の置換または挿入を一つまたは複数含む、EMBLアクセッション番号AC003098、リリース62.0のヌクレオチド位置4,000〜11,000によって定義される核酸またはその一部を含む、オステオレビン領域多型性をコードする核酸分子。
  12. 請求項10または11に記載の核酸分子を含むベクター。
  13. 転写調節配列に機能的に連結された請求項10または11記載の核酸分子を含む発現ベクター。
  14. 請求項12または13に記載のベクターでトランスフェクトされた宿主細胞。
  15. 請求項10または11記載の核酸分子にコードされる組換えオステオレビンポリペプチド。
  16. 骨硬化症、ファン・ブッヘム病、ページェット病などの異常な骨形成を伴う疾病の治療に使用される、請求項15記載の化合物。
  17. 骨硬化症、ファン・ブッヘム病、ページェット病などの異常な骨形成を伴う疾病を治療するための医薬品の製造を目的とする、請求項15記載の化合物の使用。
  18. 薬学的に許容される担体および薬学的に有効な量の請求項15記載のポリペプチドを含む薬学的組成物。
  19. 以下の段階を含む、請求項15記載の組換えオステオレビンポリペプチドの調製方法:
    a) 請求項14記載の細胞を適当な培地中で培養してオステオレビンポリペプチドを生産する段階;および
    b) オステオレビンポリペプチドを単離する段階。
  20. 以下の段階を含む、オステオレビン活性またはオステオレビンに誘導される活性の調節因子のスクリーニング方法:
    a) 特定の種類の細胞中でオステオレビンによって調節される、レポーター遺伝子または細胞内カルシウムのような下流のシグナル伝達分子の発現レベルを決定する段階;
    b) 候補薬剤を細胞に接触させる段階;
    c) 候補薬剤に応答したレポーター遺伝子または下流のシグナル伝達分子の発現レベルを決定する段階;および
    d) レポーターまたは下流のシグナル伝達分子の最初の発現レベルを、候補化合物に応答して観察される発現レベルと比較する段階であって、変化があれば候補薬剤がオステオレビン活性を調節することを示す段階。
  21. 請求項15記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体。
  22. モノクローナル抗体である、請求項21記載の抗体。
  23. 検出可能な標識で標識された、請求項21から22のいずれか一項に記載の抗体。
  24. オステオレビン領域中の核酸配列の特徴決定に使用するための少なくとも一つの試薬、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法にしたがった手順を示す説明書、およびキットの内容物を入れる容器を含む、オステオレビン領域中の多型性を同定するためのキット。
  25. オステオレビン領域中の核酸配列の特徴決定に使用するための試薬が、オステオレビン領域に特異的にハイブリダイズすることのできるポリヌクレオチドを含む、請求項24記載のキット。
  26. 請求項20記載の方法で同定される、オステオレビン活性またはオステオレビンに誘導される活性の調節因子。
  27. 請求項26記載の調節因子および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物。
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