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JP2005255833A - 一液性水系樹脂組成物及びこれを用いた水系被覆剤組成物 - Google Patents

一液性水系樹脂組成物及びこれを用いた水系被覆剤組成物 Download PDF

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JP2005255833A
JP2005255833A JP2004068880A JP2004068880A JP2005255833A JP 2005255833 A JP2005255833 A JP 2005255833A JP 2004068880 A JP2004068880 A JP 2004068880A JP 2004068880 A JP2004068880 A JP 2004068880A JP 2005255833 A JP2005255833 A JP 2005255833A
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Takashi Miyamura
岳志 宮村
Shuichi Wada
秀一 和田
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DKS Co Ltd
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

【課題】水系樹脂でありながら、耐水性及び耐溶剤性に優れ、しかもプラスティック表面と良好な接着性を有する常温硬化性の一液性水系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】有機ポリイソシアネート(a)と、NCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するポリオール化合物(b)と、ケトン性カルボニル基を含有し且つNCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するカルボニル基含有活性水素化合物(c)とにより得られる、一分子中に2個以上のケトン性カルボニル基を有する水系ポリウレタン(A)に、ケトン性カルボニル基を有する重合性不飽和単量体(x)を更に重合し又はケトン性カルボニル基含有ビニル性モノマー共重合体水分散液(X)を添加し、更に一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物(e)を添加する。
【選択図】なし

Description

この発明は、一液性水系樹脂組成物及びこれを用いたを用いた水系被覆剤組成物に関し、更に詳細には、常温硬化型水性樹脂を用いた、建築内外装用塗料、フィルムのコーティング剤、インキのバインダー等に好適に使用され得る一液性水系樹脂組成物及びこれを用いたを用いた水系被覆剤組成物に関するものである。
従来より、水系コーティング剤は種々の分野・用途で使用されており、強靭性と耐光性に優れていることが要求される。アクリル樹脂の水系コーティング剤は、耐光性、光沢、耐アルカリ性に優れた皮膜を形成するが、耐屈曲性、耐衝撃性、耐磨耗性などの点で問題点が指摘されている。一方、ポリウレタン樹脂の水系コーティング剤は、強靭な皮膜を形成し、耐摩耗性に優れているものの、高価格である上に耐光性の点で問題点が指摘されている。さらに近年、塗膜に対する品質への高度化が要求され、塗布基材の多様化、新規用途への展開に伴い、コーティング剤に対する要求は多様化かつ高機能化の方向へ推移している。即ち、耐光性に加え、多種の基材に密着し、かつ皮膜の強靭性、耐摩耗性が要求される用途への応用が検討されてきている。
このような要求に対応するには、従来の単一の素材によるアプローチでは達成は困難である。このため、最近では異なる特性を有する複数の素材を混合又は複合化することに関して種々の提案がなされている。例えば、ケトン性カルボニル基含有アクリル系共重合体水分散体にヒドラジノ基を有するウレタン共重合体水分散液を混合させる技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。またケトン性カルボニル基を有するアクリル系共重合物に対してケトン性カルボニル基を含有した水性ポリウレタン樹脂を添加し、さらに架橋剤としてヒドラジノ基を有する化合物を添加する樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4)。
しかし、このような従来の樹脂組成物では、乾燥性、耐水性、塗膜弾性などを達成することができるとされているものの、十分に高い架橋度を有する膜を形成することができず、これらの諸物性、特に耐水性や耐溶剤について十分な結果を得ることができていない。即ち、ウレタン樹脂骨格には分子末端にしかケトン性カルボニル基を導入できないため、ケトン性カルボニル基ウレタン樹脂単独では、十分な皮膜弾性や強靭性は得られるものの、架橋密度が低いために耐水性や耐溶剤を高めることができなかった。
特開平1−301761 特開平1−301762 特開平7−11193 特開平7−113061
そこで、本発明では、水系樹脂でありながら、耐水性及び耐溶剤性に優れ、しかもプラスティック表面と良好な接着性を有する接着剤、塗料、印刷インキなどの各種コーティング剤のバインダーとして優れた性能を発現する常温硬化性の一液性水系樹脂組成物及びこれを用いたを用いた水系被覆剤組成物を提供することを目的とする。
本発明の一液性水系樹脂組成物は、有機ポリイソシアネート(a)と、NCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するポリオール化合物(b)と、ケトン性カルボニル基を含有し且つNCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するカルボニル基含有活性水素化合物(c)とを反応させることにより得られる、一分子中に2個以上のケトン性カルボニル基を有する水系ポリウレタン(A)に、ケトン性カルボニル基を有する重合性不飽和単量体を含有する重合性不飽和単量体(x)を重合させて得られるポリウレタン−ビニルポリマー複合体(P)と、一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物(e)とを含有していることを特徴とする。
この構成により、ポリウレタン−ビニルポリマー複合体(P)にはケトン性カルボニル基が導入され、このケトン性カルボニル基が(e)成分の一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有する化合物によって架橋されるので、得られる塗膜は、耐水性、耐溶剤性及び接着性に優れたものとなる。
また、本発明の一液性水系樹脂組成物は、有機ポリイソシアネート(a)と、NCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するポリオール化合物(b)と、ケトン性カルボニル基を含有し且つNCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するカルボニル基含有活性水素化合物(c)とを重合させることにより得られる、一分子中に2個以上のケトン性カルボニル基を有する水系ポリウレタン(A)に、ケトン性カルボニル基含有ビニル性モノマー共重合体水分散液(X)を配合して得られるポリウレタン−ビニルポリマー複合体(Q)と、一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物(e)とを含有することを特徴とする。
この構成では、ケトン性カルボニル基が導入された水系ポリウレタン(A)に加えて、ケトン性カルボニル基含有ビニル性モノマー共重合体水分散液(X)が用いられているので、これによって得られる塗膜も、耐水性、耐溶剤性及び接着性に優れたものとなる。
更に、本発明の一液性水系樹脂組成物は、有機ポリイソシアネート(a)と、NCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するポリオール化合物(b)と、ケトン性カルボニル基を含有し且つNCO基と反応性のある活性水素を2個以上含有するカルボニル基含有活性水素化合物(c)とを重合させることにより得られる、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー(B)に対して、その分子末端遊離イソシアネート基に、一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物(e)を反応させて得られる、一分子中に2個以上のケトン性カルボニル基及び2個以上のヒドラジノ基を有する水系ポリウレタン(C)と、ケトン性カルボニル基を有する重合性不飽和単量体を含有する重合性不飽和単量体(x)とを重合させて得られるポリウレタン−ビニルポリマー複合体(R)を含有していることを特徴とする。
この構成では、ポリウレタン−ビニルポリマー複合体(R)にはケトン性カルボニル基が導入され、このケトン性カルボニル基が、同様にポリウレタン−ビニルポリマー複合体(R)に導入されているヒドラジノ基と反応するので、得られる塗膜は、耐水性、耐溶剤性及び接着性に優れたものとなる。
加えて、本発明の一液性水系樹脂組成物は、有機ポリイソシアネート(a)と、NCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するポリオール化合物(b)と、ケトン性カルボニル基を含有し且つNCO基と反応性のある活性水素を2個以上含有するカルボニル基含有活性水素化合物(c)とを重合させることにより得られる、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー(B)に対して、その分子末端遊離イソシアネート基に、一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物(e)を反応させて得られる、一分子中に2個以上のケトン性カルボニル基及び2個以上のヒドラジノ基を有する水系ポリウレタン(C)と、ケトン性カルボニル基含有ビニル性モノマー共重合体水分散液(X)とを配合して得られるポリウレタン−ビニルポリマー複合体(S)を含有していることを特徴とする。
この構成では、ポリウレタン−ビニルポリマー複合体(S)に導入されているヒドラジノ基が、ケトン性カルボニル基含有ビニル性モノマー共重合体水分散液(X)に導入されているケトン性カルボニル基によって架橋されるので、得られる塗膜は、耐水性、耐溶剤性及び接着性に優れたものとなる。
ここで、前記一分子中に2個以上のケトン性カルボニル基を有する水系ポリウレタン(A)又は前記分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー(B)は、更にイオン性基を有するイオン性基含有化合物(d)が重合されたものであってもよい。イオン性基含有化合物(d)を使用することにより、得られる一液性水系樹脂組成物の分散安定性を向上させることができる。
前記ケトン性カルボニル基を含有し且つNCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するカルボニル基含有活性水素化合物(c)は、ダイアセトンアクリルアミドに対してジアルカノールアミンを付加反応させて得られる化合物であることが好ましい。この付加化合物を使用すれば、容易に水系ポリウレタン(A)又はポリウレタンプレポリマー(B)にケトン性カルボニル基を導入することができる。
また、前記一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物(e)は、アジピン酸ジヒドラジド又はアジピン酸ジヒドラジド誘導体であることが好ましい。アジピン酸ジヒドラジド又はアジピン酸ジヒドラジド誘導体を架橋剤として使用することにより、水系ポリウレタン中のケトン性カルボニル基と容易に反応して架橋を行うことができる。また、アジピン酸ジヒドラジド又はアジピン酸ジヒドラジド誘導体をポリウレタンプレポリマー(B)と反応させることにより、プレポリマーの末端にヒドラジノ基を導入した水系ポリウレタン(C)を容易に得ることができる。
また、前記一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物(e)として、分子末端遊離イソシアネート基に対して、分子中に2個以上のヒドラジノ基を有する化合物を反応させることにより、分子末端にヒドラジノ基を導入したポリウレタンプレポリマーを使用することもできる。
このような分子末端にヒドラジノ基を導入したポリウレタンプレポリマーによっても、水系ポリウレタン中のケトン性カルボニル基と容易に反応して架橋を行うことができる。
本発明の水系被覆剤組成物は、上記一液性水系樹脂組成物を用いて調製することができる。
本発明の一液性水系樹脂組成物は、ポリウレタン−ビニルポリマー複合体の分子中にケトン性カルボニル基を自在に導入し得るだけでなく、ポリウレタン−ビニルポリマー複合体の分子側鎖にもケトン性カルボニル基を導入し得るため、ジヒドラジド化合物(e)との架橋点を自在にコントロールすることが可能となる。これにより、高い架橋度を有するウレタン・アクリル複合皮膜を得ることができ、水系樹脂でありながら、常温硬化性樹脂として十分な皮膜弾性、強靭性、耐水性、耐溶剤性を得ることが可能となる。また、本発明の一液性水系樹脂組成物は単独で耐水性及び耐溶剤に優れた皮膜を得ることができ、かつ、溶剤系ウレタン樹脂と同等の皮膜弾性や強靭性を得ることが可能となる。加えて、コロナ放電処理されたOPP、PETフィルムへの密着性も良好であり、かつ、グラビア印刷におけるインキの再溶解性も良好となる。
本発明の一液性水系樹脂組成物の調製に使用される、(a)成分の有機ポリイソシアネートとしては、従来から慣用されている芳香族、脂肪族または脂環族の有機ポリイソシアネートを使用することができ、具体例として、脂肪族ジイソシアネート(例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネートなどが例示できる)、脂環族ジイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンなどが例示できる)、芳香族ジイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネートなどが例示できる)、芳香脂肪族ジイソシアネート(例えば、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが例示できる)、トリレンジイソシアネ−ト等を挙げることができる。これらの有機ポリソシアネートは単独でも用いることができ、また2種以上の混合物にして用いることもできる。
また、(b)成分のNCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するポリオール化合物は、ヒドロキシル基、アミノ基又はメルカプト基を有する化合物をであり、一般に公知のポリエーテル、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリチオエーテル、ポリアセタール、ポリブタジエン、ポリシロキサン等である。(b)成分としてより好ましいのは、分子末端に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物である。具体的には、(b)成分の2個以上の活性水素基を有するポリヒドロキシ化合物として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、水素添加ビスフェノールA、ジブロモビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシエチルテレフタレート、ハイドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール、それらのオキシアルキレン誘導体又はそれらの多価アルコール若しくはオキシアルキレン誘導体と多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、若しくは多価カルボン酸エステルとにより得られるエステル化合物、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、ヒマシ油ポリオール、フッ素ポリオール、シリコンポリオール等のポリオール化合物やその変性体が挙げられる。
(c)成分のケトン性カルボニル基を含有し且つNCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するカルボニル基含有活性水素化合物(c)としては、ダイアセトンアクリルアミドに対してジアルカノールアミンを付加反応させて得られるものを例示することができる。
本発明に於いて使用される(e)成分の一分子中に2個以上のヒドラジノ基(−NHNH2)を有するヒドラジド化合物としては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等のジカルボン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、カルボヒドラジド等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのうちで、汎用性の点や水への溶解性が良好である点から、アジピン酸ジヒドラジドがより好ましい。また、(e)成分のヒドラジド化合物として、分子末端遊離イソシアネート基に対して、分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物を反応させることにより、分子末端にヒドラジノ基を導入したポリウレタンプレポリマーも例示することができ、この場合に於ける一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物として、アジピン酸ジヒドラジドを用いることが好ましい。
(x)成分の重合性不飽和単量体に含有されるケトン性カルボニル基を有する重合性不飽和単量体としては、ダイアセトンアクリルアミド、アクロレイン、ビニルメチルケトンが挙げられる。
更に、本発明に於いて使用される(X)成分のケトン性カルボニル基含有ビニル性モノマー共重合体水分散液は、一般的な乳化重合法等により得ることができる。
本発明に於いては、有機ポリイソシアネート(a)と、NCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するポリオール化合物(b)と、ケトン性カルボニル基を含有し且つNCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するカルボニル基含有活性水素化合物(c)との反応により、一分子中に2個以上のケトン性カルボニル基を有する水系ポリウレタン(A)、又は分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー(B)が得られる。その際の反応条件は、通常の水系ポリウレタン又はポリウレタンプレポリマーの調製の場合と同様である。
本発明に於於ける、(C)成分の一分子中に2個以上のケトン性カルボニル基及び2個以上のヒドラジノ基を有する水系ポリウレタンは、上記の分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー(B)の分子末端遊離イソシアネート基に、一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物(e)を反応させることにより得られる。この反応は、ポリウレタンプレポリマー(B)を水に分散した後、ヒドラジド化合物の水溶液を添加することにより行われる。
また、上記水系ポリウレタン(A)又はウレタンプレポリマー(B)の調製に際して、イオン性基を有するイオン性基含有化合物(d)を共存させて重合を行ってもよい。(d)成分を共重合することにより、得られるポリウレタン−ビニルポリマー複合体の分散安定性を向上させることができる。
(d)成分のイオン性基を有するイオン性基含有化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、ジメチルイソフタレートスルホン酸ソーダ等の親水性アニオン性基、ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のカチオン性基 を挙げることができる。
本発明を実施例に基づいて以下に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中に於ける「%」及び「部」は、特に断らない限り、それぞれ「重量%」及び「重量部」を表している。
(ケトン性カルボニル基含有活性水素化合物(c−1)の合成)
(c)成分のケトン性カルボニル基含有活性水素化合物として、ダイアセトンアクリルアミドのジエタノールアミン付加物を以下のようにして合成した。
ダイアセトンアクリルアミド169部に対して、ジエタノールアミン94.5部を添加し、100℃×3時間加熱を実施し、ケトン性カルボニル基含有活性水素化合物Xを得た。このケトン性カルボニル基含有活性水素化合物Xの臭素価は6.1であった。臭素価はJIS−K−3331に準拠して測定した。
<水系ポリウレタンの合成>
(合成例1…水系ポリウレタン(A−1)の合成)
テスラック2460(日立化成ポリマー(株)製ポリエステルポリオール:水酸基価55)を300部、イソホロンジイソシアネート107.2部、メチルエチルケトン(MEK)114部、を添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は5.10(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸18.1部、上記で合成したケトン性カルボニル基含有活性水素化合物(c−1)を39.5部、トリエチルアミン7.3部、メチルエチルケトン94.5部を添加し、70〜75℃で180分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.20(%)であった。このプレポリマーを撹拌下において水で希釈した後、ジプロピレントリアミンを5.8部添加し、末端NCO基をアミン伸長後、遊離イソシアネート基(%)の消失を確認後、メチルエチルケトンを留去し、純分30%の分子側鎖にケトン性カルボニル基を有するアニオン性水系ポリウレタン(A−1)を得た。理論カルボニル当量は3490(g/mol)であった。
(合成例2…水系ポリウレタン(C−1)の合成)
ラベカーブ106(ミテックス(株)製ポリカーボネートポリオール:水酸基価55)を300部、イソホロンジイソシアネート107.2部、メチルエチルケトン139部、を添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は6.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸18.1部、ケトン性カルボニル基含有活性水素化合物(c−1)を39.5部、トリエチルアミン7.3部、メチルエチルケトン93.5部を添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.20(%)であった。このプレポリマーを撹拌下において、アジピン酸ジヒドラジド23.0部を溶解させた希釈水で希釈し、遊離イソシアネート基(%)の消失を確認後、メチルエチルケトンを留去し、純分30%の分子側鎖にケトン性カルボニル基を有し、かつ末端ヒドラジノ基を有するアニオン性水系ポリウレタン(C−1)を得た。理論カルボニル当量は3640g/molであった。
(合成例3…水系ポリウレタン(A−2)の合成)
テスラック2475(日立化成ポリマー(株)製ポリエステルポリオール:水酸基価55)を300部、ケトン性カルボニル基含有活性水素化合物(c−1)を39.5部、イソホロンジイソシアネート59.9部、メチルエチルケトン206部、を添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は0.10(%)であった。次に、系の温度を50℃まで冷却し、酢酸8.1部を添加し、十分撹拌した後、このプレポリマーを撹拌下において水で希釈し、遊離イソシアネート基(%)の消失を確認後、メチルエチルケトンを留去し、純分30%の分子側鎖にケトン性カルボニル基を有するカチオン性水系ポリウレタン(A−2)を得た。理論カルボニル当量は2980g/molであった。
(合成例4…ヒドラジド化合物(e−1)の合成)
テスラック2471(日立化成ポリマー(株)製ポリエステルポリオール:水酸基価55)を300部、イソホロンジイソシアネート83.3部、メチルエチルケトン114部、を添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は4.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸20.1部、トリエチルアミン1.5部、メチルエチルケトン85.2部を添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.60(%)であった。プレポリマーを35℃まで冷却し、アジピン酸ジヒドラジドを26.8部溶解させた希釈水を添加し、遊離イソシアネート基(%)の消失を確認後、メチルエチルケトンを留去し、純分30%の分子末端にヒドラジノ基を有するアニオン性のヒドラジド化合物(e−1)を得た。
(比較合成例1…水系ポリウレタン(α)の合成)
テスラック2460(日立化成ポリマー(株)製ポリエステルポリオール:水酸基価55)を300部、イソホロンジイソシアネート83.3部、メチルエチルケトン114部、を添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は4.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸20.1部、トリエチルアミン1.5部、メチルエチルケトン85.2部を添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.60(%)であった。プレポリマーを60℃まで冷却し、ダイアセトンアルコール19.6部を添加し、75℃×3時間反応させた。このときの遊離イソシアネート基は0.2%であった。プレポリマーを35℃まで冷却し、希釈水を添加し、遊離イソシアネート基(%)の消失を確認後、メチルエチルケトンを留去し、純分30%の分子末端のみにケトン性カルボニル基を有する水系ポリウレタン(α)を得た。
(比較合成例2…水系ポリウレタン(β)の合成)
テスラック2460(日立化成ポリマー(株)製ポリエステルポリオール:水酸基価55)を300部、イソホロンジイソシアネート83.3部、メチルエチルケトン114部、を添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は4.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸20.1部、トリエチルアミン1.5部、メチルエチルケトン85.2部を添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は1.60(%)であった。プレポリマーを35℃まで冷却し、希釈水を添加し、さらにジプロピレントリアミン6.7部を溶解した水溶液を添加し、遊離イソシアネート基(%)の消失を確認後、メチルエチルケトンを留去し、純分30%の水系ポリウレタン(β)を得た。
<ポリウレタン−ビニルポリマー複合体の製造>
表1に示す原料を使用し、以下のようにして各実施例及び各比較例の複合体エマルジョンを調製した。
(実施例1…一液性水系樹脂組成物の調製)
上記で合成した水系ポリウレタン(A−1)を333部、イオン交換水233部及び過硫酸アンモニウム0.5部を、還流冷却器、窒素導入管、温度計、滴下ロート及びスターラーを取り付けた2リットル4つ口フラスコに仕込み、室温より30分間を要して、窒素置換しながら80℃まで昇温した。滴下ロートより、下記組成の混合物を2時間かけて滴下し、滴下終了後、80℃で3時間熟成させて、グラフト重合反応を行うことにより、ポリウレタン−ビニルポリマー複合体P−1を得た。この複合体P−1を冷却した後、10%アジピン酸ジヒドラジド水溶液を50.8部添加し、実施例1の一液性水系樹脂組成物を得た。
(滴下層の組成)
アクリル酸ブチル 20部
メタクリル酸メチル 50部
スチレン 25部
ダイアセトンアクリルアミド 5部。
<実施例2〜4並びに比較例1及び2…一液性水系樹脂組成物の調製>
実施例1の一液性水系樹脂組成物と同様に、表1の配合で、実施例2〜4並びに比較例1及び2の一液性水系樹脂組成物を調製した。
Figure 2005255833
<ビニル性モノマー共重合体水分散液の製造>
(合成例5…ビニル性モノマー共重合体水分散液(X−1))
イオン交換水233部、過硫酸アンモニウム0.5部,ハイテノールNF−13(第一工業製薬(株)アニオン性界面活性剤)1.0部を還流冷却器、窒素導入管、温度計、滴下ロート及びスターラーを付けた2リットル4つ口フラスコ内に仕込み、室温より30分間を要して、窒素置換しながら80℃まで昇温した。滴下ロートより、下記組成の混合物を2時間かけて滴下し、滴下終了後、80℃で3時間熟成させて、グラフト重合反応を実施し、ケトン性カルボニル基含有ビニル性モノマー共重合体水分散液(X−1)を得た。
(滴下層の組成)
アクリル酸ブチル 20部
メタクリル酸メチル 50部
スチレン 25部
ダイアセトンアクリルアミド 5部
ハイテノールNF−13 1部。
(合成例6…ビニル性モノマー共重合体水分散液(γ))
イオン交換水233部、過硫酸アンモニウム0.5部,ハイテノールNF−13(第一工業製薬(株)アニオン性界面活性剤)1.0部を還流冷却器、窒素導入管、温度計、滴下ロート及びスターラーを付けた2リットル4つ口フラスコ内に仕込み、室温より30分間を要して、窒素置換しながら80℃まで昇温した。滴下ロートより、下記組成の混合物を2時間かけて滴下し、滴下終了後、80℃で3時間熟成させて、グラフト重合反応を実施し、ケトン性カルボニル基を含有しないビニル性モノマー共重合体水分散液(γ)を得た。
(滴下層の組成)
アクリル酸ブチル 20部
メタクリル酸メチル 50部
スチレン 30部
ハイテノールNF−13 1部。
<一液性水系樹脂組成物の調製…実施例5及び6並びに比較例3〜7>
表2に示すように、合成例1〜合成例3並びに比較合成例1及び2で調製した水性ポリウレタンに対して、上記で作成したケトン性カルボニル基含有ビニル性モノマー共重合体水分散液を配合し、さらに10%アジピン酸ジヒドラジド水溶液を所定量添加し、実施例5及び6並びに比較例3〜7の一液性水系樹脂組成物を得た。
Figure 2005255833
<フィルムへのコーティング試験>
上記各実施例及び比較例の一液性水系樹脂組成物を、(1)コロナ放電処理2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、及び(2)コロナ放電処理2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)に、バーコータ(#6)で乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗布した。次に、温度20℃、湿度65%RHの環境下で48時間乾燥することにより、コーティング試験用の試料を作成した。この試料を用いて、セロハンテープ剥離試験、耐水性試験及び耐溶剤性試験を行い、その評価結果を表3及び表4に示した。各試験方法は以下のとおりである。
(セロハンテープ剥離試験(密着性試験))
碁盤目剥離試験を行った。セロハンテープ剥離後の塗膜の残存面積を測定した。評価基準は、以下のとおりである。
A:残存皮膜が90%以上。
B:残存皮膜が50〜90%。
C:残存皮膜が50%未満。
(耐水性試験)
学振型耐摩擦試験機を用いて、アーム部に水をしみこませた綿布を装着し、200gの荷重で100回摩擦したときの塗工面の状態から、耐水性を下記の基準で評価した。
A:塗工面に変化がみられない。
B:塗工面に筋状の傷がみられる。
C:塗工面全体にわたって皮膜の剥離がみられる。
(耐溶剤性試験)
エチルアルコールを染み込ませた綿棒で塗工面を擦り、塗工面が溶剤に溶解されるまで擦った回数(ラビング回数)から耐溶剤性を下記の基準で評価した。
A:ラビング回数が20回でも塗工面が溶解しない。
B:ラビング回数が5〜20回で塗工面が溶解する。
C:ラビング回数が5回未満で塗工面が溶解する。
Figure 2005255833
Figure 2005255833
<水性インキの調製…実施例7〜12及び比較例8〜13>
上記各実施例及び比較例の一液性水系樹脂組成物を用いて、表5の配合で、エマルジョン、顔料、及び溶剤を混合した。各混合液200部に対して、1mmφガラスビーズを200部を配合し、サンドグラインダーにて3時間分散させてインキ化し、実施例7〜12及び比較例8〜13の水系インキを得た。これらの水系インキについて、IPA(イソプロピルアルコール)再溶解性を評価し、また、これらのインキを各種フィルムに塗布した試料を作成し、皮膜の密着性、耐水性及び耐アルコール性について評価した。
(再溶解性試験)
上記各実施例及び比較例の一液性水系樹脂組成物を用いて得られた水系インキをバーコータでガラス板に塗布し、ハンドドライヤーで数秒間乾燥させた後、イソプロピルアルコール/水=8/2に数秒間浸漬させた後の塗膜の溶出状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。その評価結果を表5及び表6に示した。
A:2回以下の浸漬で塗膜が完全に溶解する。
B:2回の浸漬で半分以上塗膜が溶解する。
C:2回以上の浸漬でも塗膜が溶解しない。
(フィルムへの塗布試料の作成)
上記各実施例及び比較例の一液性水系樹脂組成物を用いて得られた水系インキを、(1)コロナ放電処理2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、(2)コロナ放電処理2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、及び(3)コロナ放電処理ナイロンフィルムに、バーコータ(#6)で乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗布した。その後、温度20℃、湿度65%RHの環境下で48時間乾燥してフィルムへの塗布試料を作成した。これらの試料を用いて、セロハンテープ剥離試験、耐溶剤性試験及び耐水性試験を行い、その評価結果を表5及び表6に示した。試験方法及び評価基準は、前述と同様である。
Figure 2005255833
Figure 2005255833
<水系塗装剤の調製…実施例13〜18及び比較例14〜20>
上記各実施例及び比較例の一液性水系樹脂組成物を用いて、下記の配合物を調製した。
(配合)
エチレングリコール 9.0部
水 35.0部
プライマル850 1.0部
(ポリカルボン酸型分散剤:ロームアンドハース社)
28%アンモニア水 1.0部
ノイゲンEA−157 1.0部
(非イオン界面活性剤:第一工業製薬(株))
アデカノールSX−568 3.0部
(消泡剤;旭電化)
タイペークR−930 100.0部
(酸化チタン;石原産業(株))
合計(塗料分散体) 150.0部
次に、上記配合物をディスパーで40分間分散した。さらに下記の配合物を添加して、水系塗装剤を得た。
(水系塗装剤の配合)
塗料分散体 150.0部
各樹脂エマルジョン 300.0部
テキサノール 15.0部
(イーストマンケミカルジャパン(株)製)
レオレート216 (粘度10,000〜100,000mPa・sとなるよう適量添加)
(エレメンティスジャパン(株)製)。
<性能評価>
上記で得られた水系塗装剤について、下記に示すように、塗料粘度、塗膜光沢、塗膜の伸度、塗膜強度及び促進耐光性を調べた。その結果を表7及び表8に示した。
(塗料粘度)
BH型の粘度計を用い、25℃、4rpmでの塗料粘度(mPa・s)を測定した。
(塗膜光沢)
ガラス板に3ミルアプリケータにて各水系塗装剤を塗布し、常温で3日間乾燥後、60°反射率(%)をJIS K 5660−1995に従って測定した。
(JIS A6910による塗膜の伸度、塗膜強度及び促進耐光性の評価)
乾燥後の塗膜厚が1mmとなるよう塗膜を作成し、その後、JIS K6251−1993の伸張試験方法に従って養生し、ダンベルで打ち抜いたものを試験片とした。この試験片を用いて伸び率を測定し、そのときの塗膜強度を求めた。促進耐光性は、伸び率を測定したものと同様の塗膜をスタンダードウェザーメーターに1000時間照射した後、20℃及び−10℃における塗膜伸度を測定した。
Figure 2005255833
Figure 2005255833
以上から、上記各実施例の一液性水系樹脂組成物及びこれを用いた水性インクは、何れも密着性、耐水性及び耐溶剤性に優れていた。これに対して、各比較例の一液性水系樹脂組成物及びこれを用いた水性インクは、密着性、耐水性又は耐溶剤性の何れかの点に於いて劣っていた。
また、上記各実施例の一液性水系樹脂組成物を用いた水系塗装剤は、何れも塗料粘度、塗膜光沢、塗膜の伸度、塗膜強度及び促進耐光性の点に於いて優れていた。これに対して、各比較例の一液性水系樹脂組成物を用いた水系塗装剤は、塗料粘度、塗膜光沢、塗膜の伸度、塗膜強度又は促進耐光性の何れかの点に於いて劣っていた。
本発明の一液性水系樹脂組成物は、高い架橋度を有するポリウレタン−ビニルポリマー複合体の皮膜を得ることができるので、接着剤・塗料・印刷インキなどの各種コーティング剤のバインダー等の分野で利用することができる。

Claims (10)

  1. 有機ポリイソシアネート(a)と、NCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するポリオール化合物(b)と、ケトン性カルボニル基を含有し且つNCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するカルボニル基含有活性水素化合物(c)とを反応させることにより得られる、一分子中に2個以上のケトン性カルボニル基を有する水系ポリウレタン(A)に、ケトン性カルボニル基を有する重合性不飽和単量体を含有する重合性不飽和単量体(x)を重合させて得られるポリウレタン−ビニルポリマー複合体(P)と、
    一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物(e)と
    を含有していることを特徴とする一液性水系樹脂組成物。
  2. 有機ポリイソシアネート(a)と、NCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するポリオール化合物(b)と、ケトン性カルボニル基を含有し且つNCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するカルボニル基含有活性水素化合物(c)とを重合させることにより得られる、一分子中に2個以上のケトン性カルボニル基を有する水系ポリウレタン(A)に、ケトン性カルボニル基含有ビニル性モノマー共重合体水分散液(X)を配合して得られるポリウレタン−ビニルポリマー複合体(Q)と、
    一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物(e)と
    を含有していることを特徴とする一液性水系樹脂組成物。
  3. 有機ポリイソシアネート(a)と、NCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するポリオール化合物(b)と、ケトン性カルボニル基を含有し且つNCO基と反応性のある活性水素を2個以上含有するカルボニル基含有活性水素化合物(c)とを重合させることにより得られる、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー(B)に対して、その分子末端遊離イソシアネート基に、一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物(e)を反応させて得られる、一分子中に2個以上のケトン性カルボニル基及び2個以上のヒドラジノ基を有する水系ポリウレタン(C)と、
    ケトン性カルボニル基を有する重合性不飽和単量体を含有する重合性不飽和単量体(x)と
    を重合させて得られるポリウレタン−ビニルポリマー複合体(R)を含有していることを特徴とする一液性水系樹脂組成物。
  4. 有機ポリイソシアネート(a)と、NCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するポリオール化合物(b)と、ケトン性カルボニル基を含有し且つNCO基と反応性のある活性水素を2個以上含有するカルボニル基含有活性水素化合物(c)とを重合させることにより得られる、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー(B)に対して、その分子末端遊離イソシアネート基に、一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物(e)を反応させて得られる、一分子中に2個以上のケトン性カルボニル基及び2個以上のヒドラジノ基を有する水系ポリウレタン(C)と、
    ケトン性カルボニル基含有ビニル性モノマー共重合体水分散液(X)と
    を配合して得られるポリウレタン−ビニルポリマー複合体(S)を含有していることを特徴とする一液性水系樹脂組成物。
  5. 前記一分子中に2個以上のケトン性カルボニル基を有する水系ポリウレタン(A)は、更にイオン性基を有するイオン性基含有化合物(d)が重合されたものである請求項1又は2記載の一液性水系樹脂組成物。
  6. 前記分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマー(B)は、更にイオン性基を有するイオン性基含有化合物(d)が重合されたものである請求項3又は4記載の一液性水系樹脂組成物。
  7. 前記ケトン性カルボニル基を含有し且つNCO基との反応性を有する活性水素を2個以上含有するカルボニル基含有活性水素化合物(c)が、ダイアセトンアクリルアミドに対してジアルカノールアミンを付加反応させて得られる化合物であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の一液性水系樹脂組成物。
  8. 前記一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物(e)が、アジピン酸ジヒドラジド又はアジピン酸ジヒドラジド誘導体であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の一液性水系樹脂組成物。
  9. 前記一分子中に2個以上のヒドラジノ基を有するヒドラジド化合物(e)が、分子末端遊離イソシアネート基に対して、分子中に2個以上のヒドラジノ基を有する化合物を反応させることにより、分子末端にヒドラジノ基を導入したポリウレタンプレポリマーであることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の一液性水系樹脂組成物。
  10. 請求項1乃至9記載の一液性水系樹脂組成物を用いた水系被覆剤組成物。
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