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JP2005204547A - 自動培養装置の検体管理方法および自動培養装置 - Google Patents

自動培養装置の検体管理方法および自動培養装置 Download PDF

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JP2005204547A JP2004013639A JP2004013639A JP2005204547A JP 2005204547 A JP2005204547 A JP 2005204547A JP 2004013639 A JP2004013639 A JP 2004013639A JP 2004013639 A JP2004013639 A JP 2004013639A JP 2005204547 A JP2005204547 A JP 2005204547A
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Hiroshi Fukuda
宏 福田
Tomoyuki Kinoshita
智之 木下
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Abstract

【課題】 培養細胞とその細胞の提供者との関連づけを正確に且つ簡易に管理でき、培養細胞と患者との照合を迅速に行う。
【解決手段】 識別符号を付した複数の培養容器を収容し、各培養容器内に検体を投入して培養する自動培養装置の検体管理方法であって、自動培養装置内に導入された検体の固有情報と、前記培養容器の識別符号とを、検体を培養容器に投入した後に関連づける自動培養装置の検体管理方法を提供する。
【選択図】 図5

Description

この発明は、自動培養装置の検体管理方法および自動培養装置に関するものである。
従来、骨腫瘍摘出や外傷等によって生じる骨の欠損部に、骨補填材を補填して骨を修復することが行われている。しかしながら、骨粗鬆症のように、骨が次第にもろくなっていく場合や、欠損部が非常に広域である場合等には、上記方法では問題を解決することが難しい。
そこで、近年、患者から骨髄を採取し、この採取した骨髄に含まれる間葉系幹細胞から人為的に骨芽細胞を十分に増殖させた後に、再び患者の体内に戻すという新たな試みが要請されている。この場合、患者自身から採取した骨髄から骨芽細胞を増殖させ、該患者の体内に戻すため、免疫反応を生じることなく骨の形成を活性化させることができる(例えば、非特許文献1参照。)。
吉川,「骨髄間葉系細胞による培養真皮、培養骨−骨髄間葉系細胞による再生医療−」,バイオインダストリー,株式会社シーエムシー出版,2001年,第18巻,第7号,p.46−53
ところで、上述した試みを実現しようとする場合、骨芽細胞が十分に増殖されるまでには、数々の培養工程、数々の検査を経る必要がある。また、一貫して同一の容器を使用するわけではなく、工程毎に専用の容器が使用される。したがって、次の工程へ移る場合には、次の工程に適した容器へ培養細胞を移し替えなければならない。
一方、培養した骨芽細胞は、その骨芽細胞を形成する元となった骨髄の提供者である患者へ戻す必要がある。したがって、工程の移行に伴って培養細胞が異なる容器へ移し替えられたとしても、常に各培養細胞がどの患者のものであるかを厳格に管理することが必要となる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、培養される検体と、当該検体を培養した培養容器とをより確実に関連づけて管理でき、検体の培養履歴をより正確に保持することが可能な自動培養装置の検体管理方法および自動培養装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、識別符号を付した複数の培養容器を収容し、各培養容器内に検体を投入して培養する自動培養装置の検体管理方法であって、自動培養装置内に導入された検体の固有情報と、前記培養容器の識別符号とを、検体を培養容器に投入した後に関連づける自動培養装置の検体管理方法を提供する。
この発明によれば、投入される細胞の固有の情報と、当該細胞を投入する培養容器の識別符号とを予め関連づけて自動培養装置内に導入するのではなく、培養容器に細胞を投入した後に関連づけるので、途中で容器が入れ替わることによる取り違えをより確実に防止することが可能となる。
また、上記発明において、検体の固有情報に予め関連づけられた識別符号を付した導入容器に検体を収容して自動培養装置内に導入し、該導入容器の識別符号と前記培養容器の識別符号とを関連づけることにより、検体固有の情報と培養容器の識別符号とを関連づける自動培養装置の検体管理方法を提供する。
この発明によれば、細胞の固有の情報と培養容器の識別符号とを、細胞の導入容器の識別符号と培養容器の識別符号との関連づけにより、簡易に行うことができる。したがって、自動培養装置における識別符号の関連づけを自動化できる。
また、この発明は、識別符号を付した複数の培養容器を収容するストッカと、ストッカから取り出した培養容器に、検体を播種するとともに培養容器内の検体に対し所定の処理を施す処理装置と、培養容器内に播種された検体を培養する培養装置と、前記ストッカ、処理装置および培養装置において培養容器を搬送する搬送機構と、搬送機構による搬送経路の途中位置に設けられ、検体が投入された培養容器の識別符号を読み取る読取装置と、該読取装置により読み取られた識別符号と予め記録されていた検体固有の情報とを関連づける管理装置とを備える自動培養装置を提供する。
この発明によれば、処理装置の作動により、ストッカに収容された培養容器に検体が播種され、播種された検体に対し所定の処理、例えば、培地交換や薬剤の供給が行われる。搬送機構の作動により、処理が行われた培養容器が培養装置内へ搬送され、培養装置の作動により培養容器内に播種された検体が培養される。搬送機構による搬送経路の途中位置には読取装置が設けられているので、検体が播種された培養容器の識別符号が搬送途中において、読取装置により読み取られる。管理装置には、予め投入された検体固有の情報が記録されており、管理装置の作動により、読取装置が読み取った培養容器の識別符号と検体固有の情報とが関連づけられることになる。したがって、検体固有の情報に予め関連づけられた培養容器が自動培養装置内に投入されるのではなく、培養容器内に検体が投入された後に当該検体固有の情報と培養容器の識別符号とが関連づけられるので、途中で容器が入れ替わることによる取り違えを確実に防止することができる。
本発明によれば、投入される細胞の固有の情報と、当該細胞を投入する培養容器の識別符号とを、培養容器に細胞を投入した後に関連づけるので、途中で容器が入れ替わることによる取り違えを確実に防止することができるという効果を奏する。
この発明の一実施形態に係る自動培養装置の検体管理方法および自動培養装置について、図1〜図9を参照して説明する。
本実施形態に係る自動培養装置1は、図1に示されるように、外部から観察可能な透明な壁材により密閉され、シャッタ2を介して相互に連絡する第1空間S1と第2空間S2とを備えている。
第1空間S1の両側空間S11,S13には、培養容器3を収容する培養室4が2個ずつ計4個配置され、中央空間S12には、培養容器3を移動するための搬送ロボット(搬送機構)5が備えられている。中央空間S12の上部には、中央空間S12内の空気を浄化するために清浄な下降空気流を送る空気清浄部6が設けられている。
4個の培養室4は、それぞれ中央空間S12に向けて扉4aを配置することにより、横に並んだ2個ずつが相互に扉4aを対向させて、間隔をあけて配置されている。
前記各培養室4は、図2および図3に示されるように、一側面に開口部4bを有し、該開口部4bを開閉可能な扉4aを備えている。開口部4bに向かって左右の側壁には、対応する高さ位置に複数のレール状のトレイ保持部材4cが設けられており、左右対となる各トレイ保持部材4cに掛け渡すようにして、トレイ7を上下方向に複数段収容できるようになっている。なお、トレイ保持部材4cはレール状に限定されず、トレイ7を出し入れ可能に支持することができれば任意の形態でよい。
培養室4の各段には、当該収容箇所を識別するための識別コード(図示略)が貼り付けられている。
また、各培養室4内は、所定の培養条件、例えば、温度37±0.5℃、湿度100%およびCO濃度5%等に維持されている。
各トレイ7には、複数個、例えば、10個の培養容器3を並べて載置できるようになっている。各培養容器3は、図4に示されるように、容器本体3aと、該容器本体3aの上面に設けられた蓋体3bとからなり、容器本体3aの左右の側面には、後述する第2空間内のハンドにより引っかけられる突起3cが設けられている。
培養容器3には、固有の識別符号を示す識別コード50が貼り付けられている。
各培養室4の下方には、図1および図2に示されるように、未使用の培養容器3をトレイ7に搭載した状態で上下方向に複数段収容するストッカ8が配置されている。ストッカ8内には、図示しないリフト機構が設けられており、最上段のトレイ7が取り出された後に、下段のトレイ7を順次持ち上げて、最上段の供給位置に次に取り出すトレイ7を配置しておくことができるようになっている。
各トレイ7にも、固有の識別符号を示す識別コード(図示略)が貼り付けられている。培養容器3の識別符号とトレイ7の識別符号とは、ストッカ8への収容時には相互に関連づけられておらず、任意の識別符号を有するトレイ7上に任意の識別符号50を有する培養容器3が搭載されている。
ストッカ8は、図2に示されるように、前記培養室4の扉とは反対側の第1空間S1の外部に向かう側面に開閉可能なドア51を有している。該ドア51は、ストッカ8の一側面全体を開放する大きさに形成されている。このドア51を介してトレイ7に搭載した培養容器3を外部からストッカ8内に挿入することができるようになっている。また、ストッカ8には、ストッカ8内の最上段のトレイ7に対応する位置に培養室4の扉側に開口する搬入口52が設けられている。搬送ロボット5は、この搬入口52からストッカ8内に収容されている未使用の培養容器3をトレイ7ごと取り出して後述する培養処理装置30へ移動させるようになっている。
前記搬送ロボット5は、4個の培養室4の間隔位置のほぼ中央に配置されている。該搬送ロボット5は、水平回転可能な第1アーム5aと、該第1アーム5aの先端に鉛直軸回りに回転可能に連結された第2アーム5bと、該第2アーム5bの先端に鉛直軸回りに回転可能に取り付けられ、それ自身は駆動部、伝導機構などの培養室内の環境を劣化させる機構を持たないハンド5cと、これら第1アーム5a、第2アーム5bおよびハンド5cを昇降可能な昇降機構5dとを備えている。これにより、搬送ロボット5は、4個の培養室4内の全てのトレイ7にアクセスするとともに、前記シャッタ2を跨いで第1空間S1と第2空間S2との間に配置されたコンベア9上にトレイ7を引き渡すことができる水平方向の動作範囲を有している。
また、搬送ロボット5は、前記ストッカ8に設けられた搬入口52まで到達する上下方向の動作範囲を有しており、搬入口52からトレイ7に搭載した未使用の培養容器3を取り出して、培養処理装置30へ移動させることができるようになっている。
さらに、搬送ロボット5には、前記トレイ7の識別コードおよび培養室4の各段に付された識別コード(図示略)を読み取る識別コードリーダ53が備えられている。
前記ハンド5cは、トレイ7を載置可能に水平方向に延びる平坦な形状に形成されており、培養室4に収容されているトレイ7間の隙間に挿入可能な厚さ寸法に形成されている。そして、ハンド5cは、トレイ7間の隙間に挿入された状態から上昇させられることにより、2本の腕によってトレイ7を下方から押し上げてトレイ保持部材4cから取り上げるとともに、トレイ7を安定して保持できるようになっている。
前記コンベア9は、搬送ロボット5のハンド5cの幅寸法より大きな間隔をあけて左右に配置された2本の無端ベルト9aを備え、これら無端ベルト9aに掛け渡してトレイ7を載置できるようになっている。なお、ベルト9aは無端ベルトに限られない。
前記第2空間S2には、図1に示されるように、培養処理装置30が構成されている。この培養処理装置30は、例えば、医療機関等で患者から採取された骨髄液54を導入される骨髄液導入部55を備えている。
図5に示されるように、骨髄液54は、容器56(例えば、そのまま遠心分離できるような遠沈管:導入容器)内に収容され、蓋体57により閉栓された状態で骨髄液導入部55に導入されるようになっている。容器56の外面には、識別コード58が貼り付けられている。識別コード58には、骨髄液54の固有の情報、例えば、当該骨髄液54を採取した患者の氏名等を識別可能な識別符号が割り当てられている。
骨髄液導入部55には、容器56の蓋体57を把持するとともに、鉛直軸線回りに回転させる把持部59が設けられている。また、骨髄液導入部55には、容器56の外面に近接させられて、識別コード58を読み取る識別コードリーダ60が設けられている。把持部59に把持された容器56は、識別コードリーダ60の近接位置において、その鉛直軸線回りに回転させられながら、その識別コード58を識別コードリーダ60によって読み取らせるようになっている。
また、骨髄液導入部55には、容器56の側面を把持するハンドリングロボット61と、容器56内に、PBS(リン酸緩衝化食塩水)等を供給する供給部62とが設けられている。識別コード58を読み取られた容器56の側面をハンドリングロボット61で把持して、前記把持部59の作動によって蓋体57を鉛直方向に移動させながら鉛直軸先回りに回転させることにより、容器56が開栓されるようになっている。
そして、開栓された容器56は、供給部62からPBSを供給され、ピペッティング等の方法で攪拌された後に、ハンドリングロボット61によって遠心分離機11に投入される。遠心分離機11は、骨髄液導入部55から受け取った骨髄液54入り容器56を受け取って低速回転させることによりPBSと骨髄液との混合液内に浮遊していた比重の重い骨髄細胞をPBSおよびその他の体液から分離して沈下させるようになっている。
培養処理装置30は、さらに、図1に示されるように、シャッタ2が開かれた状態で第1空間S1からコンベア9によって搬送されてきたトレイ7上の未使用の培養容器3に対し、上記遠心分離機11において抽出された骨髄細胞を供給し、あるいは、培地を供給、回収する給排ロボット10を備えている。また、培養処理装置30には、骨髄細胞が供給された後に培養容器3の識別コード50を読み取る識別コードリーダ(図示略)が備えられている。これら識別コードリーダにより読み取られた骨髄液54の識別コード58と培養容器3の識別コードとは、図示しない制御装置(管理装置)に送られ、相互に関連づけられて記憶されるようになっている。また、培養容器3の識別コードとトレイ7の識別コードも培養処理装置30への導入後に制御装置により相互に関連づけられて記憶されるようになっている。
さらに、培養処理装置30は、血清や試薬等の種々の液体を分注するための電動ピペット12を備えた水平回転および昇降移動可能な4台の分注ロボット13と、これら給排ロボット10および分注ロボット13の電動ピペット12先端に取り付ける使い捨て可能なチップ14を複数収容していて給排ロボット10および分注ロボット13の動作範囲内に提供可能な3台のチップ供給装置15と、使用済みのチップ14を廃棄回収するチップ回収部31と、血清や試薬等の種々の液体を複数の容器に貯留する試薬等供給装置16と、培養容器3内における細胞の様子を観察可能な顕微鏡17と、各試薬および培地交換等により廃棄される廃液をそれぞれ貯留する複数の貯留タンク18と、前記コンベア9と各ロボット10,13との間で培養容器3を受け渡し可能とするように培養容器3を移動させる水平移動機構19と、該水平移動機構19のスライダ20に取り付けられ、受け取った培養容器3を載置する載置台21とを備えている。
なお、第2空間S2にも、該第2空間S2内の空気を浄化するために清浄な下降気流を形成する空気清浄機32が設けられている。
前記第2空間S2に構成された培養処理装置30は、その高さ方向の中間位置に配され第2空間S2内を上部空間S21と下部空間S22とに上下に区画する第1の区画壁33と、該第1の区画壁33により形成された下部空間S22内をさらに上下に区画する第2の区隔壁34とにより、上下方向に並ぶ3つの空間S21,S221,S222に区画されている。第1の区画壁33は、前記コンベア9の高さに配置され、その上方の上部空間S21内に、載置台21、給排ロボット10、分注ロボット13のアーム13a、顕微鏡17のXYテーブル17a以上の機構部等を配置している。これらの装置は、培養容器3の移動に必要な装置、および培養容器3の上部開口からアクセスすることが必要な装置だからである。なお、試薬等供給装置16の上面も第1の区画壁33の上面に露出しているが、これはチップ14の挿入口16cを上部空間S21に開口させるためである。
また、第1の区画壁33には、載置台21を上部空間S21において移動させるために、載置台21を下部空間S21内の水平移動機構19に連結するための長孔35、第1の区画壁33の下方の空間S221に配置されたチップ供給装置15からチップ14を取り出すための貫通孔36、使用済みのチップ14を廃棄するための廃棄口37が貫通形成されている。さらに、第1の区画壁33には、その側壁30a,30bに沿って、上下に貫通する通気口38が設けられている(斜線部)。
第1の区画壁33と第2の区画壁34との間の空間S221には、図6に示されるように、分注ロボット13の本体部分、チップ供給装置15、試薬等供給装置16、顕微鏡17のXYテーブル17a以下の部分、水平移動機構19および、チップ回収部31の廃棄口37と廃棄容器39とを接続するダクト40が備えられている。前記ダクト40は、図8に示されるように、例えば、その上端にフランジ部40aを備える構造とされ、第1の区画壁33の下部に設けたフック44に引っかけることで、第1の区画壁33と第2の区画壁34との間に着脱可能に設ければよい。第2の区画壁34の側壁30a,30b近傍には、該側壁30a,30bに沿って、上下に貫通する通気口43が設けられている(斜線部)。
さらに、第2の区画壁34の下方の空間S222には、図7に示されるように、遠心分離機11、貯留タンク18、廃棄容器39、および排気ファン41が配置されている。排気ファン41の出口にはHEPAフィルタのようなフィルタ42が設けられ、排気される空気を清浄にするようになっている。
前記給排ロボット10は、水平多関節型ロボットであって、例えば、図1に示す例では、2種類の電動ピペット10a,10bを備えるヘッド10cと、水平旋回可能な2つのアーム10d,10eと、アーム10eの先端に設けられヘッド10cを昇降させる昇降機構10fとを備えている。電動ピペット10aは、貯留タンク18からダクト10gを介して導かれた培地を供給し、あるいはピペッティング動作を行うようになっている。電動ピペット10bは、培養容器3内あるいは遠心容器内の不要な培地を吸引し、ダクト10gを介して他の貯留タンク18へ廃液として排出するようになっている。
電動ピペット10aによるピペッティング動作は、リン酸緩衝化食塩水を注入された骨髄液54に対して行われるとともに、遠心分離機11により分離された細胞と培地構成液との混合液に対しても行われるようになっている。ピペッティング動作は、電動ピペット10aの先端にチップ供給装置15から供給されたチップ14を装着して、容器56内に挿入され、容器56内に貯留されている骨髄液54とリン酸緩衝化食塩水との混合液、あるいは細胞と培地との混合液に対し、吸引および放出を10回〜20回繰り返す。これにより、混合液を均一に攪拌するようになっている。
また、給排ロボット10は、ピペッティング動作の後に、電動ピペット10aによって、遠心分離機11により分離された細胞と培地との混合液を吸引し、載置台21上に搭載された培養容器3内に上部開口から供給するようになっている。
一旦使用された使用済みのチップ14は、チップ回収部31において取り外され回収されるようになっている。したがって、給排ロボット10は、骨髄液導入部55、載置台21、チップ供給装置15、チップ回収部31および遠心分離機11からの細胞供給装置(図示略)等の種々の装置をその動作範囲内に配置している。
前記分注ロボット13は、それぞれ、先端にチップ14を着脱可能に取り付ける電動ピペット12を備えた水平回転可能なアーム13aと、該アーム13aを昇降させる昇降機構13bとを備えている。分注ロボット13は、水平移動機構19によって搬送されて来た培養容器3内へ、培地や種々の試薬を供給するようになっている。したがって、分注ロボット13は、水平移動機構19上の載置台21、チップ供給装置15、チップ回収部31および試薬等供給装置16等の種々の装置をその動作範囲内に配置している。
前記チップ供給装置15は、上方に開口した容器15a内に、電動ピペット10a,10b,12への取付口を上向きにして複数のチップ14を配列状態に収容しており、給排ロボット10や分注ロボット13が、新たなチップ14を必要とするときに、電動ピペット10a,10b,12を上方から挿入するだけで、電動ピペット10a,10b,12の先端にチップ14を取り付けるように構成されている。容器15aは、給排ロボット10や分注ロボット13による電動ピペット10a,10b,12の移動方向に対して交差する方向に往復移動させられるように移動機構15bに取り付けられている。また、分注ロボット13にチップ14を供給するチップ供給装置15には、移動機構15bによる移動方向とは直交する方向に容器15aを移動させる他の移動機構15cが備えられている。これにより、容器15a内の全てのチップ14に対して電動ピペット10a,10b,12がアクセスすることができるようになっている。
前記チップ回収部31は、廃棄容器39の入口に、チップ14を把持する把持装置(図示略)を備えていて、給排ロボット10や分注ロボット13において使用されたチップ14が把持装置に挿入されると、これを把持するようになっている。そして、この状態で給排ロボット10や分注ロボット13が電動ピペット10a,10b,12を移動させることにより、電動ピペット10a,10b,12先端から使用済みチップ14が取り外され、廃棄容器39内にダクト40を介して回収されるようになっている。廃棄容器39は、空間S222内に着脱可能に配置されており、必要に応じて交換可能となっている。
前記ダクト40および廃棄容器39の交換時には、培養処理装置30の側壁30a,30bに設けられた図示しないドアを開くことにより、培養処理装置30の外部からアクセスすることとすればよい。
前記試薬等供給装置16は、例えば、図6に示されるように、円筒状のケーシング内部に、水平回転可能なテーブル16aを収容し、該テーブル16a上に、扇型の底面形状を有する筒状の試薬等容器16bを周方向に複数配列して搭載している。ケーシング内部は一定の温度に保冷されている。各試薬等容器16bには、種々の試薬等が貯留されている。例えば、細胞を培養するために必要な培地を構成するMEM(Minimal Essential
Medium:最小必須培地)、DMEM(Dulbecco's Modified
Eagle Medium)、FBS(Fetal Bovine Serum:ウシ胎児血清)やヒト血清のような血清、培養容器3内の細胞を剥離させるトリプシンのような蛋白質分解酵素や、培養に際して細胞を成長させるサイトカインのような成長因子、細胞を分化させるデキサメタゾンのような分化誘導因子、ペニシリン系抗生物質のような抗生剤、エストロゲン等のホルモン剤や、ビタミン等の栄養剤が貯留されている。
試薬等供給装置16のケーシングの上面には、分注ロボット13が電動ピペット12先端のチップ14を挿入する挿入口16cが設けられている。この挿入口16cは、前記分注ロボット13の動作範囲内に配置されている。また、各試薬等容器16bは、その上面に、前記挿入口16cに一致する位置に配置される開口部(図示略)を備えている。これにより、テーブル16aを回転させて試薬等容器16bの開口部をケーシングの挿入口16cの鉛直下方に配置することで、分注ロボット13が、電動ピペット12先端のチップ14を上方から試薬等容器16b内へ挿入して、内部に貯留されている試薬等を吸引することができるようになっている。試薬等供給装置16を2台設けているのは、検体に共通のトリプシンのような薬液と、検体に固有の血清のような液体とを分離して取り扱うようにしているためである。
前記顕微鏡17は、培養工程の途中、あるいは、培地交換の際に、培養容器3内の細胞の様子や増殖の程度を観察したり、細胞数を計数したりする場合等に使用されるようになっている。顕微鏡17のXYステージ17aや作動距離調整、倍率の変更等は全て遠隔操作により行うことができるように構成されている。第2空間S2の外方に向けて接眼レンズを配置しておくことにより、自動培養装置1の外部から培養容器3内の細胞の状態を観察できるようにしてもよい。
前記貯留タンク18は、例えば、全ての検体に共通して使用できるMEMやPBS等を貯留しておき、必要に応じて試薬等供給装置16内の試薬等容器16b内に供給するようになっている。また、貯留タンク18には、廃液タンクとして、培地交換の際に排出される廃培地等を貯留するものもある。
前記水平移動機構19は、直線移動機構により水平方向に移動可能なスライダ20を備えている。スライダ20上には前記載置台21が搭載されており、載置台21に搭載された培養容器3を、コンベア9から分注ロボット13の動作範囲まで移動させることができるようになっている。
前記載置台21は、コンベア9上のトレイ7内から移載された培養容器3を搭載して保持する保持機構(図示略)を備えている。また、該培養容器3に振動を付与する加振装置(図示略)を備えていてもよい。加振装置は、例えば、培養容器3を所定の角度範囲で往復揺動させる装置の他、超音波振動を加える装置や、水平方向の振動を加える装置を採用してもよい。
本実施形態に係る自動培養装置1の各種装置には、図示しない制御装置が接続されている。制御装置は、各工程の順序や動作タイミング等を制御するとともに、動作履歴等を記録保存するようになっている。
次に、本実施形態に係る自動培養装置1の検体管理方法について説明する。
本実施形態に係る検体管理方法は、図9に示されるように、自動培養装置1内に、識別コード50を付した未使用の培養容器3を投入するステップS1と、検体固有の情報に関連づけられた識別コード58を付した検体入りの容器56を自動培養装置1内に投入するステップS2と、識別コード58を読み取るステップS3と、容器56内の検体を培養容器3に投入するステップS4と、検体が投入された培養容器3に付されている識別コード50を読み取るステップS5と、識別コード50と識別コード58とを関連づけるステップS6とを備えている。ステップS1,S2の順序は逆でもよい。
このように構成された本実施形態に係る培養処理装置30および自動培養装置1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る自動培養装置1を用いて、間葉系幹細胞を培養するには、まず、患者から採取された骨髄液54を容器56に入れた状態で培養処理装置30内に導入し、骨髄液導入部55に供給する。この工程は作業者が行ってもよく、ハンドリングロボット61により行ってもよい。
骨髄液導入部55においては、識別コードリーダ60の作動により、容器56の外面に貼り付けられた識別コード58が読み取られ、制御装置に送られる。その後、容器56の蓋体57が開栓され、供給部62からPBSが容器56内に供給されて、給排ロボット10によるピペッティング等により攪拌された後に、ハンドリングロボット61の作動により、骨髄液54とPBSとの混合液63が収容された容器56が遠心分離機11に投入される。そして、遠心分離機11が、例えば、800〜1300Gで3〜5min間作動させられることにより、混合液63内の比重の重い間葉系幹細胞を含む細胞が沈降した状態に集められる。
この状態で、再度ハンドリングロボット61の作動により、容器56が遠心分離機11外に取り出される。そして、給排ロボット10およびチップ供給装置15の作動により、電動ピペット10b先端に未使用のチップ14が取り付けられる。
すなわち、チップ供給装置15は移動機構15bを作動させることにより、未使用のチップ14を給排ロボット10の動作範囲内に配する。すると、給排ロボット10は、昇降機構10fを作動させることにより、ヘッド10cを下降させて、第1の区画壁33下方のチップ供給装置15から未使用のチップ14を受け取り、電動ピペット10bの先端に取り付ける。
この状態で、給排ロボット10を作動させて電動ピペット10bのチップ14の先端を容器56内に挿入して吸引する。これにより、容器56内の上澄み液が除去され、間葉系幹細胞を多く含む細胞が容器56内に残される。
次に、容器56内に残った検体は、給排ロボット10により培養容器3に投入される。
投入に先立って、コンベア9の作動により、トレイ7に載せた1個の空の培養容器3が、第1空間S1から第2空間S2に差し出されている。トレイ7上の培養容器3が、図示しない移載装置の作動により、載置台21上に載置される。そして、図示しない蓋体開閉装置の作動により、載置台21上の培養容器3の蓋体3bが開けられる。
この状態で、給排ロボット10を作動させて、電動ピペット10aから容器56内に、貯留タンク18に貯留されているDMEMやPBS等の培地構成液を、所定量供給する。電動ピペット10a先端のチップ14を容器56内に挿入した状態に保持したまま、電動ピペット10aを作動させることにより、ピペッティングを行う。これにより、間葉系幹細胞を多く含む細胞と培地構成液とが均一に混合された細胞懸濁液が構成されることになる。
このようにして製造された細胞懸濁液は、電動ピペット10aを作動させることにより、チップ14内に吸引される。吸引された細胞懸濁液は、チップ14内に保持された状態で、給排ロボット10を作動させることにより、載置台21上の培養容器3内に上部開口から投入される。
細胞懸濁液を培養容器3内に投入し終わると、給排ロボット10は、第1の区画壁33に形成された廃棄口37にチップ14を挿入して取り外し、チップ回収部31に回収させる。廃棄口37において取り外されたチップ14は、ダクト40を介して、最下位の空間S222に配置されている廃棄容器内に投入される。
次に、細胞懸濁液が投入された培養容器3は、水平移動機構19を作動させることにより、載置台21ごと水平移動させられ、各分注ロボット13の動作範囲内に配置される。分注ロボット13は、チップ供給装置15から受け取った未使用のチップ14を先端に取り付けた電動ピペット12を作動させることにより、試薬等供給装置16の試薬等容器16b内からDMEMや血清、あるいは各種試薬を適量吸引した後に、培養容器3の上方まで搬送して培養容器3内に注入する。血清や各試薬の吸引は、各試薬等の吸引毎にチップ供給装置15から未使用のチップ14に交換して行われる。これにより、培養容器3内においては、適正な培地内に間葉系幹細胞が混合された状態で存在することになる。なお、培地内において間葉系幹細胞を均一に分布させるために、載置台21を作動させて、培養容器3ごと加振することにしてもよい。
そして、全ての処理を終えた培養容器3は水平移動機構19の作動により、コンベア9の近傍まで移動させられ、そこで、再度、蓋体開閉装置および移載装置の作動により、蓋体3bにより上部開口を閉じられた状態で、トレイ7に戻される。このとき、図示しない識別コードリーダの作動により、培養容器3に貼り付けられている識別コード50が読み取られ、制御装置に送られる。制御装置においては、読み取られた容器56の識別コード58と培養容器3の識別コード50とが関連づけて記憶される。
この場合において、本実施形態に係る自動培養装置1およびその検体管理方法によれば、骨髄細胞が培養容器3に投入された後に、当該細胞54の識別符号と培養容器3の識別符号とを関連づけるので、予め関連づけておいた識別番号を有する培養容器3に細胞を投入する場合と比較すると、トレイ7上に載置する培養容器3は任意の培養容器3でよく、予め定められた培養容器3を予め定められたトレイ7の予め定められた場所にセットする手間が省けるという利点がある。また、予め関連づけておいた識別番号を有する培養容器3に細胞を投入する場合には、何らかの理由により培養容器3が途中で入れ替えられてしまった場合に、培養容器3と内部に投入された骨髄細胞の識別符号との対応付けが切れてしまうという不都合があるが、本実施形態に係る自動培養装置1によれば、骨髄細胞が投入された状態で培養容器3が入れ替えられるケースは考えられず、対応付けが切れる不都合はない。
また、本実施形態に係る自動培養装置1およびその検体管理方法によれば、骨髄液54固有の情報を当該骨髄液54を貯留する容器56に付した識別コード58に予め関連づけておくことにより、細胞導入の際に人手により入力する手間を省き、容器56を自動培養装置1内に投入するだけで、自動的に、識別符号の入力および関連づけを行うことが可能となる。したがって、処理の自動化を容易に行うことができる。
この後に、コンベア9を作動させることにより、トレイ7に載せられた培養容器3が第2空間S2から第1空間S1の中央空間S12内に挿入される。
この状態で、搬送ロボット5を作動させることにより、ハンド5cによってトレイ7を持ち上げる。そして、トレイ7を収容する培養室4の前まで搬送したところで、当該培養室4の扉4aを開き、ハンド5cに取り付けた識別コードリーダ53の作動により、空いている段に付されている識別コードが読み取られて制御装置に送られ、培養容器3の識別コード50と関連づけて記憶される。その後、搬送ロボット5によって、空いているトレイ保持部材4c上にトレイ7を挿入する。そして、再度、扉4aを閉じることにより、培養室4内の培養条件を一定に保持して細胞の培養が行われることになる。なお、細胞懸濁液の投入や、DMEM、血清、各種試薬の投入や吸引の順序は適宜変更してもよいのは言うまでもない。
また、培地交換や容器交換の際にも、上記と同様にして、培養室4外に配置されている搬送ロボット5の作動により、培養室4内の培養容器3がトレイ7ごと取り出され、第1空間S1から第2空間S2へ受け渡される。
一の培養容器3による培養が十分に行われると、培養容器3の底面積を拡大することが必要となる。この場合には、培養室4からトレイ7ごと取り出された培養容器3が、搬送ロボット5の作動により第1空間S1から第2空間S2へ受け渡される。そして、第2空間S2では、培養容器3内にトリプシンが注入されて、培養容器3内の細胞が剥離させられた状態で、給排ロボット10の作動によって培養容器3内から吸引されて遠心分離機11内に投入される。そして、遠心分離機11の作動により、間葉系幹細胞等の必要なもののみが集められ、トリプシンを含む上澄み液が廃棄される。
そして、チップ14を付け替えた給排ロボット10の作動により、再度、培地構成液が容器56内に供給され、ピペッティングにより攪拌され、細胞懸濁液が構成される。この間に、細胞を吸引されて空となった培養容器3は、蓋体3bを被せられた状態でトレイ7ごと第1空間S1に戻され、搬送ロボット5の作動により図示しない容器排出口から第1空間S1外部に排出されて廃棄される。
そして、再度、搬送ロボット5の作動により、ストッカ8に収容されていた未使用の培養容器3が新たなトレイ7ごとストッカ8から取り出されて、第2空間S2内に供給される。このとき、トレイ7上の培養容器3としては、一段サイズの大きな培養容器3を供給してもよいが、本実施形態に係る自動培養装置1においては、同じサイズの培養容器3の数を増やして供給することにしている。これにより細胞の培養に必要な底面積を増加させることができる。
この場合においても、トレイ7上には、任意の識別コード50を付した培養容器3が複数配置されている。遠心分離機11により集められた間葉系幹細胞を多く含む細胞懸濁液は、給排ロボット10の作動により、新たな複数の培養容器3に分配される。各培養容器3には、その後、分注ロボット13の作動により、試薬等が供給された後に、トレイ7上に戻されるときに識別コードリーダによって各培養容器3の識別コード50を読み取られ、制御装置によって細胞の識別コード58と関連づけて記憶されることになる。
その他の処理工程は上記と同様である。
そして、複数回の培地交換や容器交換を介した所定期間にわたる培養工程を行うことにより、間葉系幹細胞が十分な細胞数まで増殖させられることになる。十分な細胞数に達したか否かは、給排ロボット10の作動により、間葉系幹細胞が底面に付着した培養容器3を顕微鏡17まで搬送することにより、観察あるいは測定され、細胞の増殖の程度が判断される。なお、トレイ7上には、同一検体の培養容器3が載置されていてもよいし、異なる検体の培養容器3が混在していてもよい。また、載置台21上には同一検体の培養容器3が載置されてもよいし、異なる検体の培養容器3が混在していてもよい。
このようにして、本実施形態に係る自動培養装置1により、患者から採取した骨髄液54から十分な細胞数の間葉系幹細胞を自動的に培養することが可能となる。なお、十分な間葉系幹細胞が得られた後には、培養容器3内にリン酸カルシウムのような生体組織補填材およびデキサメタゾンのような分化誘導因子を投入して、再度培養工程を継続することにより、生体の欠損部に補填可能な、生体組織補填体を製造することにしてもよい。
本実施形態に係る自動培養装置1の検体管理方法および自動培養装置1によれば、自動培養装置1内に投入された培養容器3の識別コード50が、該培養容器3内に細胞が投入された後に細胞の識別コード58と関連づけられるので、細胞の投入前に培養容器3が入れ替わることによる関連づけの消滅を防止することができる。すなわち、本実施形態に係る自動培養装置1によれば、より確実に、細胞の取り違え防止を図ることができるとともに、より正確に細胞の培養履歴を維持することができる。
また、細胞固有の情報を容器56に貼り付けた識別コード58に予め関連づけておくので、細胞の培養容器3への投入後に、細胞の識別符号と培養容器3の識別符号との関連づけを簡易かつ自動的に行うことができるという効果がある。
また、本実施形態に係る自動培養装置1によれば、培養室4内に、培養容器3を取り出すための機構部が存在しない。すなわち、培養室4内には、トレイ7を載置した状態に支持するトレイ保持部材4cが設けられているのみであり、培養容器3を取り出すための機構部は全て培養室4外に配置された搬送ロボット5に集約されている。そして、搬送ロボット5は、トレイ7の出し入れ作業が行われた後には、培養室4の扉4aの外側に完全に退避することができるようになっている。
したがって、扉4aが閉じられた状態では、培養室4内に機構部が存在せず、機構部の作動によって発生するような塵埃の発生は全く存在しない。また、培養室4内は、温度37±0.5℃、湿度100%およびCO濃度5%等に維持されるが、機構部が存在しないために、このような環境下においても、腐食等の問題が生ずることがない。また、扉4aが開かれた状態においても、培養室4内に挿入されるのは搬送ロボット5のハンド5c先端のみであり、実質的に回転機構や摺動機構が培養室4内に入ることはない。その結果、培養室4内への塵埃の侵入が抑制され、培養室4内部の清浄度を高めることができる。
なお、培養室4は、COインキュベータ、マルチガスインキュベータ、インキュベータ、または保冷庫等のように、培養に利用されるものあるいはその組合せで構成されていてもよい。
さらに、本実施形態に係る培養処理装置30および自動培養装置1によれば、培養処理装置30の第2空間S2内が、第1の区画壁33により上部空間S21と下部空間S22とに区画され、上部空間S21には清浄な下降気流を発生させる空気清浄機32が設けられている。そして、第1の区画壁33には、その側壁30a,30b近傍に通気口38が設けられている。第1の区画壁33には、通気口38の他に種々の装置を貫通させるための貫通孔36,37等が形成されているが、通気口38の流通断面積を他の貫通孔36,37等の流通断面積より十分に大きく確保しておくことにより、気流を通気口38に通過させることが可能となる。
したがって、上部空間S21内を下降してきた清浄な気流は、第1の区画壁33の近くで側壁30a,30bの方向に向かい、通気口38を介して下部空間S22へと流通させられる。その結果、上部空間S21内に浮遊していた塵埃を下方に向かって押し流してきた気流が、上部空間S21の側壁30a,30b近傍の角部に滞留することがなく、スムーズに下部空間S22へ流通させられることになる。
さらに、本実施形態に係る培養処理装置30および自動培養装置1によれば、蓋体3bを開かれた状態の培養容器3が移動させられる上部空間S21には、培養容器3の移動に必要な載置台21、顕微鏡17のXYテーブル17a、培養容器3の上部開口からアクセスすることが必要な給排ロボット10、分注ロボット13の電動ピペット12、顕微鏡17の光源部分等のみが配置され、その他の機構部は下部空間S22に配置されている。したがって、上部空間S21における塵埃の発生が最小限に抑えられ、培養容器3内への塵埃の混入の可能性が低減されることになる。
また、特に、塵埃を発生する可能性の高い装置、例えば、遠心分離機11、廃棄容器39、排気ファン41等は、下部空間S22の内、さらに第2の区画壁34によって区画された最下位の空間S222内に配置されているので、そこで発生した塵埃が上部空間S21に流入することはない。さらに、空間S222内の空気は排気ファン41によって吸引され、HEPAフィルタ42によって塵埃を除去された後に培養処理装置30の外部に放出される。したがって、上部空間S21の清浄度は、極めて高い清浄度に維持されることになる。
また、第2の区画壁34にも、側壁30a,30bに沿って通気口43が設けられているので、上部空間S21から流入した塵埃を含む気流が、空間S221内に広がることなく、スムーズに空間S222に向けて流通させられることになる。
さらに、培地や細胞が付着した使用済みのチップ14を収容した廃棄容器39は、着脱可能であり、必要によりまたは定期的に交換することで、下部空間S22の清浄度をも高い状態に回復することができる。さらに、廃棄容器39への廃棄の際に使用済みのチップ14を通過させるダクト40も、必要によりまたは定期的に取り外して、交換あるいは清掃することで、清浄度の向上に寄与することができる。
さらに、本実施形態に係る自動培養装置1は、搬送ロボット5の設置されている中央空間S12の上部に、空気清浄部6を備えているので、搬送ロボット5の存在する中央空間S12内も常に清浄度が維持されている。したがって、培養室4の扉4aが開かれたときにも、培養室4内に塵埃が流入することを最小限に抑えることが可能となる。
したがって、本実施形態に係る自動培養装置1によれば、培養中の細胞が塵埃等によって汚染される可能性を低減し、健全な細胞を培養することができるという効果がある。
なお、この発明は、上記実施形態に示した構成に限定されるものではない。すなわち、培養室4の形状や数、搬送ロボット5、給排ロボット10および分注ロボット13の形態や数、各種装置の形態や数等は、何ら限定されることなく、適用条件に合わせて任意に設定することができる。
また、導入された骨髄液にPBSを供給して攪拌することにより細胞懸濁液を製造したが、これに代えて、溶血剤を投入して溶血処理することにより、赤血球を取り除くこととしてもよい。
また、成長因子としては、サイトカインの他に、例えば、濃縮血小板、BMP、EGF、FGF、TGF−β、IGF、PDGF、VEGF、HGFやこれらを複合させたもの等の成長に寄与する物質を採用することにしてもよい。また、抗生剤としては、ペニシリン系抗生物質の他、セフェム系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ホスホマイシン系、アミノグリコシド系、ニューキノロン系等任意の抗生物質を採用することができる。
なお、本発明に係る自動培養装置は、骨髄の間葉系幹細胞の培養に限定されるものではない。生体の種々の組織から採取された細胞や、樹立された細胞ラインを培養してもよい。
また、生体組織補填材としては、リン酸カルシウムに代えて、生体組織に親和性のある材料であれば任意のものでよく、生体吸収性の材料であればさらに好ましい。特に、生体適合性を有する多孔性のセラミックスや、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒアルロン酸、またはこれらの組合せを用いてもよい。また、チタンの様な金属であってもよい。また、生体組織補填材は、顆粒状でもブロック状でもよい。
この発明の一実施形態に係る自動培養装置を示す斜視図である。 図1の自動培養装置の第1空間を概略的に示す縦断面図である。 図1の自動培養装置の第1空間を概略的に示す平面図である。 図1の自動培養装置において用いられる培養容器の一例を示す斜視図である。 図1の自動培養装置の骨髄液導入部における作業を模式的に説明する正面図である。 図1の自動培養装置の培養処理装置の第1の区画壁を除去して第2の区画壁上の装置を示す斜視図である。 図1の自動培養装置の培養処理装置の第1および第2の区画壁を除去して最下位の空間内に設置された装置を示す斜視図である。 図1の自動培養装置の培養処理装置の廃棄容器に接続するダクトの取付構造例を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る自動培養装置の検体管理方法を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 自動培養装置
3 培養容器
4 培養室(培養装置)
8 ストッカ
9 コンベア(搬送機構)
19 水平移動機構(搬送機構)
30 培養処理装置(処理装置)
50,58 識別コード(識別符号)
56 容器(導入容器)

Claims (3)

  1. 識別符号を付した複数の培養容器を収容し、各培養容器内に検体を投入して培養する自動培養装置の検体管理方法であって、
    自動培養装置内に導入された検体の固有情報と、前記培養容器の識別符号とを、検体を培養容器に投入した後に関連づける自動培養装置の検体管理方法。
  2. 検体の固有情報に予め関連づけられた識別符号を付した導入容器に検体を収容して自動培養装置内に導入し、
    該導入容器の識別符号と前記培養容器の識別符号とを関連づけることにより、検体固有の情報と培養容器の識別符号とを関連づける請求項1に記載の自動培養装置の検体管理方法。
  3. 識別符号を付した複数の培養容器を収容するストッカと、
    ストッカから取り出した培養容器に、検体を播種するとともに培養容器内の検体に対し所定の処理を施す処理装置と、
    培養容器内に播種された検体を培養する培養装置と、
    前記ストッカ、処理装置および培養装置において培養容器を搬送する搬送機構と、
    搬送機構による搬送経路の途中位置に設けられ、検体が投入された培養容器の識別符号を読み取る読取装置と、
    該読取装置により読み取られた識別符号と予め記録されていた検体固有の情報とを関連づける管理装置とを備える自動培養装置。
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