JP2005205225A - ループバスケットを有する医用回収装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 実質的に突出している遠位バスケット末端またはバスケット尖端を有しない医用回収バスケットを提供する。
【解決手段】バスケット１０は、近位末端および遠位末端を有するシース１２を備え、シース１２の近位末端にハンドル８が位置している。バスケット１０は、身体から物質を取り出すことができ、それは、バスケット１０がシース１２内に包囲されている圧潰位置およびバスケット１０がシース１２の遠位末端から伸長する拡張位置を有する。このバスケット１０は、４つまたはそれ以上のレッグ１１ａ、１１ｂ、１１ｃ、１１ｄ（例えば、６つ、８つのレッグ）を有し得る。
【選択図】図１Ａ

Description

（関連出願の相互参照）
本願は、米国暫定特許出願第６０／０８２，８１０号（これは、１９９８年４月２３日に出願された）、および米国暫定特許出願第６０／１０５，４４８号（これは、１９９８年１０月２３日に出願された）に基づいて、優先権を主張している。

（技術分野）
本発明は、一般に、身体内から物質を回収するための医用装置に関する。さらに特定すると、本発明は、医用回収バスケットに関し、これは、使用中での組織に対する損傷の危険を最小にすると共に「ポケット」また身体内にてアクセスするのが困難な他の領域で配置または滞留している物質（例えば、結石）を捕捉するバスケットの性能を向上させるような輪郭にした（ｃｏｎｔｏｕｒｅｄ）または尖端なし（ｔｉｐｌｅｓｓ）の非外傷性遠位末端を有する。

（背景情報）
公知の結石回収装置は、典型的には、「かご」を形成するように、そのバスケットの基部またはバスケットの遠位端あるいは先端にて複数のレッグを共に接合することにより構築したバスケットを有する。その遠位先端では、個々のレッグは、突出している先端が生じるように、ハンダ付け、接着剤などにより接合される。このバスケットの遠位末端での突出部または外部突起は、組織を突き出して組織外傷を起こす。一般に、公知のバスケットの先端または末端は、外部に突出し、それゆえ、組織を突き出すかまたは穿孔することにより、損傷を起こし得る。また、公知のバスケットの突出先端は、一般に、身体内の一定領域（例えば、「ポケット」）とアクセスまたは密接な接触ができず、それゆえ、このような領域に存在する結石は、公知のバスケットで回収するのが困難または不可能である。

（発明の要旨）
本発明の目的は、実質的に突出している遠位バスケット末端またはバスケット尖端を有しない医用回収バスケットを提供することにある。すなわち、本発明によるバスケットは、非外傷性であり、組織を突くか、組織を穿孔するか、またはそうでなければ、組織に外傷を引き起こし得るいずれの著しい突出部または外部突起も有しない。

本発明の他の目的は、回収すべき物質（例えば、結石）が存在または滞留しているか、詰め込まれているか、または包埋されているであろう「ポケット」のような体内の一定領域とのアクセスおよび／または密接な接触を許容する医用回収バスケットを提供することにある。尖端なしのまたは一定の輪郭にした先端のバスケット配置は、これらの領域とアクセスでき、その領域から物質を回収できるのに対して、外傷性先端を備えた従来のバスケットは、このバスケットの遠位末端と身体組織との間の密接な接触を妨げる外傷性突出先端があるために、そうすることができない。

本発明のさらに他の目的は、体内から物質を回収するためにこのようなバスケットを使用する方法を提供することである。この物質は、生体物質または異物であり得る。この物質は、例えば、尿路結石または身体内で見出される種々の他の種類の物質であり得る。

本発明によるバスケットは、複数のワイヤにより形成され、各ワイヤがループを形成する。従って、本発明によるバスケットは、先端が無くそして非外傷性であり、そして突出遠位先端を欠く。

本発明は、一般に、シース、ハンドル、および非外傷性バスケットを包含する医用回収装置に関する。このシースは、近位末端および遠位末端を有する。このハンドルは、このシースの近位末端に位置している。このバスケットは、身体から物質を取り出すことができ、それは、バスケットがシース内に包囲されている圧潰位置およびバスケットがシースの遠位末端から伸長する拡張位置を有する。このバスケットは、４つまたはそれ以上のレッグ（例えば、６つ、８つのレッグ）を有し得る。このバスケットの少なくとも遠位端部は、実質的に尖端がなく、複数のワイヤにより形成され、各ワイヤはループを形成する。各ループの頂点は、バスケットの遠位端に配置される。各ループの端部はバスケットベースにおいて互いにまたは細長部材に装着される。このループはバスケットの遠位端において付着されず自由に可動である。

本発明の前述の目的および他の目的、局面、特徴、および長所は、以下の記述から、および特許請求の範囲から、明らかとなる。

（説明）
図１Ａに示されるバスケット１０は、身体の中に導入するための、シース１２内に圧潰され得るタイプである。本発明のバスケット１０を含む医用装置すなわち引き出し器６はまた、シース１２および近位ハンドル８を含む。ハンドル８、シース１２およびバスケット１０は図１Ａおよび１Ｂに例示され、その正確なサイズまたは互いの比率は示されない。シース１２は、少なくとも１つの管腔１４をその中に有し、そしてハンドル８から遠位シース端１６へ延びる。ケーブル、コイル、シャフト、ガイドワイヤ、または心軸ワイヤ１８などの細長部材が管腔１４内にて装置ハンドル８における作動機構４から、バスケット１０のベース２０へ延びる。ここでケーブル１８はバスケットベース２０に装着される。操作者による作動機構４の操作は、図１Ｂに示されるようなシース１２内の圧潰位置と、シース１２の外側の伸張位置への間で、バスケット１０をシース１２に対して動かす。この伸張位置において、バスケット１０は開き／拡張し、図１Ａに示されるようなシース１６の遠位端を越えて伸張する。あるいは、この機構４はシース１２の動きを生じさせ、シース１２を静止バスケット１０およびケーブル１８結合を越えて前進させ、それにより、バスケット１０をシース１２内で圧潰させ、そして機構４は可動シース１２を戻してスライドさせ、静止バスケット１０を露出させ、そして開放／拡張することを可能にする。一般に、両方のタイプのバスケット／シース動作形態および関連するハンドル機構が公知であり、そして既存製品設計において見られ得、例えば、Ｂｏｓｔｏｎ Ｓｃｉｅｎｔｉｆｉｃ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（Ｎａｔｉｃｋ，ＭＡ）から入手可能である。バスケットが、図１Ｂに示されるようにシース１２内にて引き込まれそして圧潰されると、シース１２が操作者により、身体内に、回収されるべき物質が配置される（例えば尿管における結石）身体内の部位へ挿入され得る。バスケット１０は次いでシース１２に対して動かされ、そして図１Ａに例示されるように、伸張位置において配置され、バスケット１０が身体管を膨張させ、そして操作者により操作され、バスケット１０内に物質を捕獲または捕捉するようにする。バスケット１０は、次いでシース１２に対して動かされ得、バスケット１０のレッグ１１ａ、１１ｂ、１１ｃ、１１ｄを物質の周りに接近させそして捕捉する。捕捉された物質は次いで、シースおよび物質を保持しているバスケットと共に身体から引き出される。

図２Ａおよび２Ｂを参照して、非外傷性バスケット１０の尖端なし端部２２が単一のワイヤを使用してレッグ１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄを有するループ２４ａ，２４ｂを形成する。このレッグ１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄは、ループ２４ａおよび２４の頂点２６ａ、２６ｂからそれぞれ伸び、頂点２６ａ、２６ｂはバスケット遠位端２２において配置される。複数の事前形成されたワイヤループが３次元非外傷性バスケットに含まれる。非外傷性ワイヤバスケットのこの実施形態において、例えば、２つのワイヤループ２４ａ、２４ｂが使用され得て図２Ａに示されるように４つのレッグ１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄを備えるバスケットを形成し、そして図２Ｂに示されるように、３つのワイヤループ２４ａ，２４ｂ，２４ｃが使用され得て６つのレッグ１１ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄ，１１ｅ，１１ｆを有するバスケットが形成される。追加のワイヤループが使用され得て、４つを越えるまたは示される６つのレッグを有するバスケットが形成される。各ワイヤループ２４の頂点２６は、バスケット遠位端２２においてバスケット１０のほかのワイヤループ２４の頂点２６と交差する。バスケット遠位端におけるワイヤループ２４は、互いに自由にスライドし、すなわち、それらは互いに固定、融着、はんだ付け、溶接、接着、接合、安定または付着されない。バスケット遠位端２２のこの形状の利点は、バスケット端２２が非外傷性であり、可撓性を提供し、それにより結石が捕捉される容易性を増大する。各ワイヤループの２つの端部セクション１、１’は、バスケットベース２０において一緒にされ、そして溶接、はんだ付け、連結、接着、圧着または他の公知技術の手段により、適所に保持される。１つの実施形態においては、ワイヤループの端部セクション１、１’はケーブル、コイル、シャフト、心軸ワイヤ、または図１Ａおよび図１Ｂに示されるようにシース１２の長手に走るガイドワイヤ１８に固定される（図示されず）。

さらに他の局面では、本発明は、身体（例えば、身体路または身体空洞）から物質を回収する方法に関する。物質（例えば、生体物質または異物）は、そのバスケットの少なくとも遠位部分が単一ユニットを包含する一定形状により規定される尖端なしバスケットを使用することにより、または非外傷性ワイヤループバスケット（各バスケットワイヤは、遠位非外傷性突出部と共に、ループを形成する）を使用することにより、身体から回収できる。この回収装置のバスケットは、尖端なしまたは非外傷性の遠位末端を有し、それゆえ、体内のポケットまたは他のアクセス困難な領域に位置している物質の捕獲が可能となる。この遠位バスケット末端は、非外傷性であるので、組織の表面（ポケット型領域の壁または管壁でさえ）との密接な接触を形成でき、従来の尖端付きバスケット（これは、組織の外傷を引き起こし得、その突出先端により、このバスケットが組織に接近できる程度に関して、制限されている）では回収できない結石または他の物質の回収が可能となる。身体から物質を回収する方法は、非外傷性バスケットを有する回収装置を身体に挿入すること、この尖端なしバスケットを伸長位置に移動させること、この物質（例えば、結石）が三次元バスケット構造内で捕捉されるまで、この回収装置の近接ハンドル（これは、身体の外側に位置している）を介して、このバスケットを操縦すること、およびこのバスケットをそのシースに対してこの物質の回りでこのバスケットレッグの近くに移動させることによって、このバスケット内で、この物質を捕獲することを包含する。このバスケットによってそのようにつかまれるかまたは保持した物質と共に、このバスケットは、この物質を身体から取り出すために、身体から引き出すことができる。本発明に従って尖端なしバスケットで捕獲できる物質には、結石すなわち石（例えば、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、胆嚢結石、または胆管樹枝（ｂｉｌｉａｒｙ ｔｒｅｅ））が含まれる。

本明細書中で記述したものの変形、改良、および他の器具は、特許請求した本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者に想起される。従って、本発明は、前述の例証的な記述によるのではなく、代わりに、上記の特許請求の範囲の精神および範囲により、規定される。

図面では、類似の参照文字は、一般に、異なる図面を通して、同じ部分を意味する。また、これらの図面は、必ずしも一定の率で縮尺したものではなく、代わりに、一般に、本発明の原理を説明することに力点が置かれている。

図１Ａは、バスケットが拡張位置にある、本発明による非外傷性医用回収装置の１つの実施形態を例示する。 図１Ｂは、バスケットが圧潰位置にある、本発明による非外傷性医用回収装置の１つの実施形態を例示する。 図２Ａは、本発明による複数のループから形成されたバスケットの実施形態を例示し、このループはバスケットの遠位端においてループが交差する場所で付着していない。 図２Ｂは、３以上のバスケットループを備える図２Ａに示す、他の実施形態の本発明による実施形態を例示する。

Claims (1)

1. 近位端と管腔と遠位端とを有するシースと、
   該シースの近位端におけるハンドルと、
   身体から物質を除去するためのバスケットと
   を備えた医用回収装置であって、
   該バスケットが該シース内に収められている圧潰位置と該バスケットが該シースの遠位端から伸張している拡張位置とを有し、該バスケットは、２以上の対のバスケットレッグを備え、バスケットレッグの各対は単一のワイヤループから形成され、該バスケットレッグの各対におけるレッグは該バスケットの近位端において互いに結合されており、該バスケットレッグの各対は互いに交差し、該バスケットの遠位端において互いに対して付着せず、自由に移動可能である、医用回収装置。

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