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JP2005514026A - 免疫反応の変化を生じるプロテアーゼ、ならびにその製造および利用方法 - Google Patents

免疫反応の変化を生じるプロテアーゼ、ならびにその製造および利用方法 Download PDF

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JP2005514026A
JP2005514026A JP2003557603A JP2003557603A JP2005514026A JP 2005514026 A JP2005514026 A JP 2005514026A JP 2003557603 A JP2003557603 A JP 2003557603A JP 2003557603 A JP2003557603 A JP 2003557603A JP 2005514026 A JP2005514026 A JP 2005514026A
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protein
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JP2003557603A
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エステル、デイビッド・エイ
ハーディング、フィオーナ・エイ
ポーローズ、エールーカラン・ジェイ
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ジェネンコー・インターナショナル・インク
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Abstract

本発明は、親の蛋白質と比較して免疫原性反応の低下を示す新規な蛋白質変異体を提供する。さらに、本発明は、新規変異体をコードするDNA分子、新規変異体をコードするDNAを含む宿主細胞、および蛋白質のアレルゲン性を低減させる方法を提供する。さらに、本発明は、野生型蛋白質より免疫原性の低いこれらの蛋白質を含む種々の組成物を提供する。

Description

本発明は、親の蛋白質と比較して免疫原性反応の低下を示す新規な蛋白質変異体を提供する。さらに、本発明は、新規変異体をコードするDNA分子、新規変異体をコードするDNAを含む宿主細胞、および蛋白質のアレルゲン性を低減させる方法を提供する。さらに、本発明は、野生型蛋白質より免疫原性の低いこれらの蛋白質を含む種々の組成物を提供する。
工業用、医薬用および商業用に用いられる蛋白質は、ますます普及し、重要なものになっている。しかしながら、その結果、多くの人々がこうした蛋白質に対して感作したため、これら蛋白質に対するアレルギー反応が広範に認められるようになった。例えば、一部のプロテアーゼは、特定の人々の過敏症と関連している。その結果、産業上(例えば、洗濯洗剤、化粧品、織物加工等において)プロテアーゼが有用であり、また、改良(例えば、通常の洗濯条件下で汚れをより効果的に除去できる)プロテアーゼを提供する分野で広範な研究が行われてきたにもかかわらず、産業界のプロテアーゼ利用は問題をはらんでいる。
こうした問題を改善するために、これまで多くの努力が払われてきた。プロテアーゼの使用が免疫原性となる可能性を低減させるために探求された方法としては、空中浮遊プロテアーゼを運ぶ塵埃粒子および/またはエアロゾルの作業場濃度を制御してできるだけ低くすることにより接触の可能性を減らすような製造工程の改良、実際には生成物のプロテアーゼ顆粒から生じる塵埃またはエアロゾルの量を減らすような顆粒化工程の改良、ならびに最終生成物中の、アレルゲン性となる可能性のある混入物質のレベルを低下させるような回収工程の改良が挙げられる。しかしながら、プロテアーゼ自体のアレルゲン性を低下させようとする努力は、かなり不成功に終わっている。一方において、過敏症の個体で免疫グロブリン(IgE)により認識されるプロテアーゼのエピトープをマスクしたり(PCT公開第WO92/10755号参照)、問題のプロテアーゼにポリマーもしくはペプチド/蛋白質を結合させて抗原決定基の性質を拡大または変化させようとする努力もなされてきた。
適応免疫反応が過度もしくは不適切な形で起こる場合、その反応に遭遇した個体は過敏性であると言われている。過敏性反応は、通常は有益である免疫反応が不適切に作用する結果であり、時には炎症反応および組織傷害を生じることがある。過敏性はさまざまな抗原によって誘発され、こうした抗原に対する個体間の反応も大きく異なる。過敏性反応は、普通は、個体が抗原に初めて接触したときには起こらない。むしろ、この反応はその後の抗原への接触時に起こる。あるタイプの過敏症は、例えば、IgE反応が自然環境の無害な(即ち、非病原性)抗原(例えば、花粉、チリダニ、動物のふけ)を標的とする場合に生じる。その結果、IgEにより感作されたマスト細胞によって薬理学的メディエータが遊離されると、喘息、鼻炎、枯草熱などの症状を伴う急性炎症反応が生じる。
残念ながら、IgE部位の修飾を目的とした方法は、概して、初期感作反応の原因を未然に防ぐことに成功していない。従って、このような方法では、その後の過敏性反応の重篤性が無力化もしくは低減される場合もあるとはいえ、現実に感作される人数は減少していない。例えば、ある人が特定の抗原に対し過敏性であることが分かった場合、そのような事態に対処する一般的な方法は、この過敏症の人に対し、以後その抗原に接触しないようにさせることである。実際のところ、他の方策をとれば、この過敏症の人の健康および/または生命にとって危険であるかも知れない。従って、過敏性の個体に対して特異的な蛋白質の危険性を少なくすることも重要であるが、産業上の目的としては、まず第一に蛋白質の過敏性反応誘発能を低減させるか、なくすことの方がずっと有益である。
一部の研究により、ある蛋白質のアレルゲン性を低減させる方法、および一部の個体でアレルギー反応を引き起こすエピトープを同定する方法が提供されているが、このエピトープを同定するのに用いられるアッセイ法は、一般に、以前にその抗原に接触したことのある個体の血清中IgEおよびIgGを測定するものである。しかしながら、一旦Ig反応が開始されると、すでに感作が起こってしまっている。従って、免疫反応の低下を生じる蛋白質を作製する必要があるばかりでなく、免疫反応の増強を生じる蛋白質を同定する必要がある。
本発明は、親の蛋白質と比較して免疫原性反応の低下を示す新規蛋白質変異体を提供する。さらに、本発明は、新規変異体をコードするDNA分子、新規の変異体をコードするDNAを含む宿主細胞、および蛋白質のアレルゲン性を低減させる方法を提供する。さらに、本発明は、野生型蛋白質より免疫原性の低いこれらの蛋白質を含む種々の組成物を提供する。
本発明は、一般的なプロテアーゼの用途(例えば、洗剤、固形もしくは液状石鹸用途における縮充防止用の布地処理組成物、食器洗い用組成物、コンタクトレンズ清浄液および/またはその他の光学用製品、ペプチド加水分解、廃棄物処理、化粧用組成物、スキンケア)において有用な機能を有するプロテアーゼ変異体を提供する。さらに、本発明は、蛋白質産生用の融合-開裂酵素として用いられるプロテアーゼ変異体を提供する。特に好ましい実施態様として、このプロテアーゼ変異体は、アレルゲン性となる可能性が少ないため、天然のプロテアーゼよりも安全に使用できる。
さらに、本発明は、プロテアーゼにおけるB細胞エピトープを同定する方法を提供する。従って、本発明は、エピトープを同定するアッセイを提供する。好ましい実施態様では、当該アッセイの工程は、以下のように行われる。抗原提示細胞を、未改変(naive)のヒトT細胞及び対象ペプチドと組合せる。従って、好ましい実施態様では、(a)対象プロテアーゼに感作するヒトのドナーから血清サンプルを得る工程;(b)対象プロテアーゼのアミノ酸配列を包含するペプチド(例えば、長さが15アミノ酸)であって、アミノ末端に4つのアミノ酸スペーサー配列を有し、N末端でビオチンに結合している当該ペプチドを得る工程;(c)当該ヒト血清を固定化ペプチドと混合する工程;及び、(d)ペプチドエピトープの特異的抗体反応性を検出する工程を含む、B細胞エピトープを認識する方法を提供する。1の側面において、ペプチドエピトープの特異的抗体反応性は、比色吸光度を測定することにより検出される。
本発明は、さらに、免疫反応の変化をもたらすプロテアーゼを提供する。対象となるプロテアーゼ又は変異体は、任意の適切な方法によって決定されたエピトープを含む。例えば、好ましい実施態様では、その方法は、(a)対象プロテアーゼに感作するヒトのドナーから血清サンプルを得る工程;(b)対象プロテアーゼのアミノ酸配列を包含するペプチドであって、長さが約15アミノ酸であり、アミノ末端に4つのアミノ酸スペーサー配列を有し、N末端でビオチンに結合している当該ペプチドを得る工程;(c)当該ヒト血清を固定化ペプチドと混合する工程;及び、(d)ペプチドエピトープの特異的抗体反応性を検出する工程を含む。
さらに、本発明は、B細胞エピトープに対するB細胞の認識能を低下、好ましくは中和(除去)するように、B細胞エピトープを修飾したプロテアーゼを提供する。従って、血清を含有する特異抗体に対する反応性が低いプロテアーゼであって、B細胞エピトープ内に位置することが分かっているアミノ酸残基の置換もしくは削除を含む修飾を有するプロテアーゼを提供する。好ましい実施態様では、エピトープは、特異抗体に対する反応性の変化をもたらすバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシン(Bacillus amyloliquefaciens)プロテアーゼにおいて決定される。従って、当該B細胞エピトープは、本発明のアッセイによって当該修飾エピトープを含むペプチドを解析した場合に、当該エピトープを含むプロテアーゼに対する反応性が、未修飾のエピトープを含むプロテアーゼよりも低くなるように修飾される。より好ましくは、当該修飾されるエピトープが修飾されると、試料中の特異抗体に対する反応性の低下がもたらされる。
好ましい実施態様として、このエピトープの修飾は以下の方法の1つによって行われる:(a)この対象とするプロテアーゼに対するヒトのホモログ(例えば、ヒト・ズブチリシン、またはフリンもしくはケキシン類などの別のヒト・プロテアーゼ由来ズブチリシン様分子;例えば、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Meth. Enzymol.)、244:p175(1994年);ロブロークほか(Roebroek et al.)エンボ・ジャーナル(EMBO J.)、5:p2197−2202(1986年);トムキンソンほか(Tomkinson et al.)、バイオケミストリー(Biochem.)、30:p168−174(1991年);カイファーほか(Keifer et al.)DNAセルラール・バイオロジー(DNA Cell. Biol.)、10:p757−769(1991年))からの類似配列により、エピトープのアミノ酸配列を置換する;(b)この対象プロテアーゼに対する非ヒトのホモログからの類似配列であって、対象プロテアーゼよりもB細胞の認識により生じるアレルゲン性反応が少ない類似配列により、エピトープのアミノ酸配列を置換する;(c)このエピトープの主要三次構造の特性とかなり似てはいるが対象プロテアーゼよりもB細胞の認識により生じるアレルゲン性反応が少ない配列により、エピトープのアミノ酸配列を置換する;(d)対象プロテアーゼよりもB細胞の認識により生じるアレルゲン性反応が少ない任意の配列により、置換する;または(e)対象プロテアーゼよりもB細胞の認識により生じるアレルゲン性反応が少ない各エピトープに類似の配列を元々有する相同性の蛋白質により、対象プロテアーゼを置換する。
本発明は、また、修飾バシラス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)BPN’に対応する、46−60のアミノ位置(第1エピトープ領域)、61−75の位置(第2エピトープ領域)、86−100の位置(第3エピトープ領域)、86−100の位置(第3エピトープ領域)、126−140の位置(第4エピトープ領域)、166−180の位置(第5エピトープ領域)、206−220の位置(第6エピトープ領域)、210−225の位置(第7エピトープ領域)、及び246−260の位置(第8エピトープ領域)のB細胞エピトープ領域の残基に対応する位置において少なくとも1のアミノ酸置換を含むプロテアーゼ変異体を提供する。

本発明は、さらに、バシラス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、及び260番目残基に対応する位置において少なくとも1のアミノ酸置換を含む、プロテアーゼ変異体を提供する。
本発明の別の実施態様として、アレルゲン性の少ない本発明のプロテアーゼの作製方法を提供する。好ましくは、前駆体プロテアーゼをコードするDNAを修飾して突然変異体プロテアーゼを作製し、この修飾DNAが本発明の当該突然変異体プロテアーゼをコードするようにする。
本発明のさらに他の実施態様として、この突然変異体プロテアーゼをコードするDNA配列、およびこのようなDNA配列を含有する発現ベクター、ならびにこのようなベクターを用いて形質転換した宿主細胞を提供する。この宿主細胞は、このDNAを発現して本発明の突然変異体プロテアーゼを細胞内あるいは細胞外で産生することができる。
また、本発明の突然変異プロテアーゼは、上記前駆体蛋白質の有用性が広く知られている任意の配合または製法においても有用である。例えば、免疫反応が低下した当該プロテアーゼは、洗浄剤(例えば、洗濯洗剤および硬質表面用クレンザー)の成分として、皮革製品作製の補助剤として、羊毛および/または絹等の布地の縮充低減処理において、パーソナルケア製品、化粧品および/またはフェイシャルクリームの成分として、ならびに動物又はペット用飼料の栄養価を改善する成分として使用することができる。
本発明における利点は、個体の特異抗体の対して著しく低い反応性を提供するプロテアーゼを調製することである。従って、例えば、本発明のプロテアーゼは、化粧品(例えば、フェイシャルクリームなど)、洗剤(例えば、洗濯用洗剤)、硬質表面清浄用組成物、および予備洗い用組成物、あるいはその他ヒトの接触が不可避の副産物であるプロテアーゼの用途において、より安全に使用できる。
実際、当該プロテアーゼは、多数の清浄用組成物、医薬品組成物、パーソナルケア製品、化粧品、及びその他の製品における用途が存在する。
本発明は、さらに、前駆体プロテアーゼを得る工程;当該前駆体プロテアーゼのの少なくとも1の変異体を得る工程を含む、プロテアーゼの免疫反応を減少させる方法を提供する。ここで、当該変異体は前駆体プロテアーゼの少なくとも1のB細胞エピトープを有し、免疫反応の変化(すなわち、前駆体プロテアーゼの免疫反応とは異なる応答)を示す。
本発明は、B細胞エピトープを含む対象プロテアーゼの変異体であって、当該変異体は、改変B細胞エピトープを有する点で対象プロテアーゼとは異なり、それによって、当該変異体は、ヒトにおいて当該プロテアーゼに基づく免疫反応の変化を示し、対象プロテアーゼの当該B細胞エピトープが、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、及び260番目残基に対応する残基において少なくとも1のアミノ酸置換を含む、変異体を提供する。1の実施態様では、当該変異体により生じる免疫反応は、対象プロテアーゼによる免疫反応よりも弱いが、別の実施態様では、当該変異体により生じる免疫反応は、対象プロテアーゼによる免疫反応よりも強い。1の好ましい実施態様では、当該変異体により生じる免疫反応は、生体内(in vivo)においてアレルゲン性が少ないことを特徴とする。別の好ましい実施態様では、当該変異体により生じる免疫反応は、生体外(in vitro)においてアレルゲン性が少ないことを特徴とする。
さらに、本発明は、これらの変異体プロテアーゼをコードする核酸、当該核酸を含む発現ベクター、及び、当該発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞を提供する。
また、本発明は、清浄用組成物、パーソナルケア製品、及び医薬品よりなる群から選ばれる組成物であって、少なくとも1の変異体プロテアーゼを含む当該組成物を提供する。1の実施態様では、当該医薬品は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む。
また、本発明は、B細胞エピトープを含む対象プロテアーゼの少なくとも1の変異体を含有するスキンケア用組成物であって、当該変異体は、改変B細胞エピトープを有する点で対象プロテアーゼとは異なり、それによって、当該変異体は、ヒト又はその他の動物において当該プロテアーゼに基づく免疫反応の変化を示し、対象プロテアーゼの当該B細胞エピトープが、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、及び260番目残基に対応する残基において1つ以上のアミノ酸置換を含む、スキンケア用組成物を提供する。一部の実施態様として、上記スキンケア用組成物は、さらに、化粧品用として許容可能な担体を含有する。好ましい実施態様として、当該担体は、水、プロピレングリコール、エタノール、プロパノール、グリセロール、ブチレングリコール、分子量約200から約600のポリエチレングリコール、分子量約425から約2025のポリプロピレングリコール、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる親水性希釈剤を含む。更なる実施態様として、当該スキンケア用組成物は、さらに、スキンケア・アクティブ(active)を含有する。一部の好ましい実施態様として、当該スキンケア・アクティブは、ビタミンB3成分、パンテノール、ビタミンE、酢酸ビタミンE、レチノール、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、レチノイン酸、ビタミンC、テオブロミン、アルファ−ヒドロキシ酸、ファルネソール、フィトラントリオール、サリチル酸、パルミチルペンタペプチド−3、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる。更なる実施態様として、当該ビタミンB3成分はナイアシンアミドである。一部の別の実施態様として、当該スキンケア用組成物は、さらに、グリセリンを含有する。
さらに、本発明は、B細胞エピトープを含む対象プロテアーゼの変異体であって、当該変異体は、改変B細胞エピトープを有する点で対象プロテアーゼとは異なり、それによって、当該変異体は、ヒトにおいて当該プロテアーゼに基づく免疫反応の変化を示し、対象プロテアーゼの当該B細胞エピトープが、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、及び260番目残基に対応する残基において少なくとも1のアミノ酸置換を含む当該変異体を約0.00001重量%乃至約1重量%、保湿剤を約0.01重量%乃至約20重量%、スキンケア・アクティブを約0.1重量%乃至約20重量%、界面活性剤を約0.05重量%乃至約15重量%、およびシリコーンを約0.1重量%乃至約20重量%を含有するスキンケア用組成物を提供する。
本発明は、親の蛋白質と比較して免疫原性反応の低下を示す新規蛋白質変異体を提供する。さらに、本発明は、新規変異体をコードするDNA分子、新規の変異体をコードするDNAを含む宿主細胞、および蛋白質のアレルゲン性を低減させる方法を提供する。さらに、本発明は、野生型蛋白質より免疫原性の低いこれらの蛋白質を含む種々の組成物を提供する。
免疫反応およびアレルゲン性
獲得免疫反応を含む二つの主な系統がある。第一の系統は、B細胞および形質細胞による抗体産生を伴う(即ち、体液性または抗体媒介性免疫)が、第二の系統は、T細胞の反応、および種々のサイトカインその他の免疫メディエータの賦活化を伴う(即ち、細胞性免疫)。これら二つの系統は、相互に関係し、生得的免疫系と共同して機能する。
蛋白質に対して抗体が形成されるには、その蛋白質由来のペプチドセグメントが専門的(活性化された)抗原提示細胞(APC)の表面に提示されることで始まる一連の事象が必要とされる。このペプチドは、APC表面の特異的蛋白質、即ち、主要組織適合性複合体(MHC)(ヒトではこのMHCは「ヒトリンパ球抗原」(HLA)系と呼ばれる)中の蛋白質と結合する。この結合したペプチドは、T細胞と相互作用することができる。具体的には、このT細胞は、その表面に発現されるCD4蛋白質によって識別されるサブタイプである(即ち、それはCD4T細胞である)。上記相互作用が順調に行われると、この特異的CD4T細胞は成長、分裂(即ち、増殖)して、B細胞と相互作用できるようになる。この相互作用が順調に行われると、B細胞は増殖して形質細胞に成長し、これが元の抗原を特異的に標的とする抗体を産生する拠点となる。従って、抗体の最終的な産生は、単一のペプチド配列(即ち、エピトープ)に対して特異的なCD4T細胞の最初の賦活化に依存している。本明細書に開示した組成物および方法を用いれば、標的蛋白質内のどのペプチドが特異的CD4T細胞の賦活化を開始させることができるかを予測することが可能になる。
T細胞とB細胞は共に、所与の蛋白質またはペプチドに存在する免疫原性エピトープにより賦活化されるが、これらの細胞によって実際に認識されるエピトープは、通常同一ではない。事実、T細胞を賦活化するエピトープは、同じ蛋白質またはペプチドを認識するB細胞が後に認識するエピトープと同じでないことが多い(即ち、蛋白質およびペプチドは一般に複数のエピトープを有している)。従って、過敏性に関して、T細胞と抗原の間の特異的抗原性相互作用は免疫反応開始の重要な要素であるが、この相互作用の細目(即ち、認識されるエピトープ)は、IgE抗体が媒介するその後の完璧なアレルギー反応の発症には関係しないことが多い。
蛋白質のアレルゲン性を低下させる手段としては種々のものが報告されている。例えば、PCT公開第WO96/40791号では、ポリアルキレンオキシドを出発原料とする、アレルゲン性の少ないポリアルキレンオキシド−プロテアーゼ複合体の製造方法が開示されている。また、PCT公開第WO97/30148号では、高分子担体1分子に2分子以上のポリペプチドを共有結合させたものを含む低アレルゲン性のポリペプチド複合体が開示されている。さらに、PCT公開第WO96/17929号では、1乃至30個の高分子(polymolecule)を親のポリペプチドに結合させる工程を含む低アレルゲン性ポリペプチドの製造方法が開示されている。
PCT公開第WO92/10755号では、動物において免疫反応の低下を示す蛋白質変異体の製造方法が開示されている。この公報では、対象とする蛋白質の一連のプロテアーゼおよびこれらの変異体を用いてラットの免疫化が行われた。次いで、このラットの血清を用いて、対象蛋白質およびその変異体に対する血清中ポリクロナール抗体の反応性が測定された。これらの結果から、試料中の抗体が当該蛋白質およびその変異体に対し比較的ある程度反応性を有するかどうかを明らかにすることが可能であり、それによって蛋白質内のどの変化がIgの結合能を無力化もしくは低下させると想定できるのかを解析することができた。ラットを用いたこのテストの結果から、ズブチリシンの309個の残基のうち、127、128、129、130、131、151、136、151、152、153、154、161、162、163、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、186、193、194、195、196、197、247、251、261番目に対応する残基のどれを変更してもこの酵素の潜在的な免疫原性に変化をもたらすとの結論に達したのである。
PCT公開第WO94/10191号では、親の単量体蛋白質のオリゴマー形を含む低アレルゲン性蛋白質であって、このオリゴマーが実質的にその活性を保持した低アレメゲン性蛋白質が開示されている。PCT公開第WO99/49056号および第WO01/07578号では、限定されたエピトープ領域内にアミノ酸置換を有する複数のズブチリシン変異体が開示されている。しかしながら、開示された変異体が多数にのぼるため、当業者にとっては、パーソナルケアおよび/またはその他の用途に用いるのに適した低免疫原性の最適なプロテアーゼ・プロダクトを特定することに関し、問題となるものである。
定義
本発明についての理解を容易にするために、以下の定義を設ける。
本明細書で用いている「抗原提示細胞」(「APC」)とは、抗原を細胞表面に提示して、この抗原がT細胞表面の受容体により認識されるようにしている免疫系の細胞を意味する。抗原提示細胞としては、樹状細胞、嵌合細胞、賦活化B細胞およびマクロファージが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いている「Tリンパ球」および「T細胞」という用語は、T前駆細胞(T細胞受容体遺伝子を再構成しなかったThy1陽性細胞を含む)から成熟T細胞(即ち、CD4またはCD8のシングルポジティブで表面TCR陽性細胞)までのTリンパ球系統内のあらゆる細胞を包含する。
「Bリンパ球」および「B細胞」という用語は、プレB細胞(Ig重鎖遺伝子を再構成し始めたB220細胞)などのB前駆細胞から成熟B細胞および形質細胞までのB細胞系統内のあらゆる細胞を包含する。
本明細書では、「CD4T細胞」および「CD4T細胞」とは、ヘルパーT細胞を意味し、「CD8T細胞」および「CD8T細胞」とは、細胞傷害性T細胞を意味する。
本明細書で用いている「B細胞増殖」とは、抗原の存在または非存在下にB細胞を抗原提示細胞と共にインキュベートしている間に産生されるB細胞の数を意味する。
本明細書で用いている「ベースラインT細胞増殖」とは、ペプチドもしくは蛋白質抗原の非存在下に抗原提示細胞の作用を受けて反応した個体で通常みられる程度のB細胞増殖を意味する。本明細書では、ベースラインB細胞増殖レベルは、抗原の非存在下に抗原提示細胞に反応したB細胞の増殖として各個体の1サンプル毎の形で求める。
本明細書で用いている「B細胞エピトープ」とは、ペプチドもしくは蛋白質に対してその抗原(即ち、免疫原)を含むペプチド部分に対する免疫原性反応が開始されるに際し、B細胞受容体により認識されるこのペプチドもしくは蛋白質の特徴を意味する。
本明細書で用いている「改変(altered)B細胞エピトープ」とは、対象とする前駆体ペプチドもしくはペプチドと異なるエピトープアミノ酸配列であって、この対象の変異体ペプチドがヒトまたは他の動物で異なる(すなわち、改変された)免疫原性反応を生じるようなエピトープアミノ酸配列を意味する。免疫原性反応の変化には、免疫原性反応全体の増強または低下などのアレルゲン性の変化が含まれると考えられる。一部の実施態様として、改変B細胞エピトープは、同定したエピトープ内の残基から選ばれるアミノ酸の置換および/または欠損を含む。別の実施態様として、改変B細胞エピトープは、エピトープ内における1個以上の残基の付加を含む。
本明細書で用いている「T細胞増殖」とは、抗原の存在または非存在下にT細胞を抗原提示細胞と共にインキュベートしている間に産生されるT細胞の数を意味する。
本明細書で用いている「ベースラインT細胞増殖」とは、ペプチドもしくは蛋白質抗原の非存在下に抗原提示細胞の作用を受けて反応した個体で通常みられる程度のT細胞増殖を意味する。本明細書では、ベースラインT細胞増殖レベルは、抗原の非存在下に抗原提示細胞に反応したT細胞の増殖として各個体の1サンプル毎の形で求める。
本明細書で用いている「T細胞エピトープ」とは、ペプチドもしくは蛋白質に対してその抗原(即ち、免疫原)を含むペプチド部分に対する免疫原性反応が開始されるに際し、T細胞受容体により認識されるこのペプチドもしくは蛋白質の特徴を意味する。本発明はいかなる特定のメカニズムにも限定されるものではないが、一般的には、T細胞によるT細胞エピトープの認識は、抗原提示細胞上に発現されるクラスIもしくはクラスIIMHC(即ち、HLA)分子に結合した抗原のペプチド断片をT細胞が認識するメカニズムを介するものであると、考えられている(例えば、メラー(Moeller)、イムノロジカル・レビュー(Immunol. Rev.)、98:p187(1987年))。
本明細書で用いている「改変(altered)T細胞エピトープ」とは、対象とする前駆体ペプチドもしくはペプチドと異なるエピトープアミノ酸配列であって、この対象の変異体ペプチドがヒトまたは他の動物で異なる免疫原性反応を生じるようなエピトープアミノ酸配列を意味する。免疫原性反応の変化には、免疫原性反応全体の増強または低下などのアレルゲン性の変化が含まれると考えられる。一部の実施態様として、改変T細胞エピトープは、同定したエピトープ内の残基から選ばれるアミノ酸の置換および/または欠損を含む。別の実施態様として、改変T細胞エピトープは、エピトープ内における1個以上の残基の付加を含む。
本明細書で用いている「免疫原性反応の変化」とは、免疫原性反応の増強または低下を意味する。蛋白質(例えば、プロテアーゼ)およびペプチドは、これらが引き起こすT細胞及び/又はB細胞反応が親の(例えば、前駆体)蛋白質もしくはペプチド(例えば、対象とするプロテアーゼ)により引き起こされる反応よりも強い場合、「免疫原性反応の増強」を示す。この反応増強の最終的な結果が、この変異体蛋白質もしくはペプチドを標的とする抗体反応の増強である。蛋白質およびペプチドは、これらが引き起こすT細胞及び/又はB細胞反応が親の(例えば、前駆体)蛋白質もしくはペプチドにより引き起こされる反応よりも弱い場合、「免疫原性反応の低下」を示す。この反応低下の最終的な結果が、この変異体蛋白質もしくはペプチドを標的とする抗体反応の低下である。一部の実施態様として、この親の蛋白質は、野性型蛋白質もしくはペプチドである。
本明細書で用いている「サンプル」という用語は、最も広い意味で用いられている。しかしながら、好ましい実施態様としては、この用語は、解析、同定および/または修飾されることになる「ペプチド蛋白質」(例えば、プロテアーゼ)を含む試料(例えば、アリコート)に関して用いる。従って、多くの場合、この用語は、対象とする蛋白質もしくはペプチドを含む材料に関して用いる。
本明細書で用いている「対象とするプロテアーゼ」とは、解析、同定および/または修飾されることになるプロテアーゼを意味する。一部の好ましい実施態様として、この用語は、アッセイにおいて、B・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)から得られるプロテアーゼ「BPN」の場合と同じ免疫原性反応を示すプロテアーゼに関して用いる。他の実施態様として、この用語は、免疫原性反応を変化させることが望まれるプロテアーゼに関して用いる。本明細書で用いている「アッセイにおいて、B・アミロリケファシエンスから得られるプロテアーゼ「BPN」の場合と同じ免疫原性反応」という語句は、本明細書で説明し、種々の生体内(in vivo)および/または生体外(in vitro)でテストしたように、対象とするプロテアーゼがB・アミロリケファシエンスBPN’プロテアーゼと同じエピトープ領域の1つ以上と反応することを意味する。
本明細書で用いている「プロテアーゼ」とは、天然のプロテアーゼ、および組み換えプロテアーゼを意味する。プロテアーゼは、一般に、蛋白質またはペプチドのペプチド結合を開裂させるように作用するカルボニルヒドロラーゼである。天然のプロテアーゼとしては、α−アミノアシルペプチドヒドロラーゼ、ペプチジルアミノ酸ヒドロラーゼ、アシルアミノヒドロラーゼ、セリンカルボキシペプチダーゼ、メタロカルボキシペプチダーゼ、チオールプロテイナーゼ、カルボキシプロテイナーゼ、メタロプロテイナーゼなどの例が挙げられるが、これらに限定されるものではない。セリン、メタロ、チオールおよび酸プロテアーゼ、ならびにエンドおよびエキソ−プロテアーゼも含まれる。
本明細書で用いている「ズブチリシン」とは、天然のズブチリシンまたは組み換えズブチリシンを意味する。ズブチリシンは、概して蛋白質またはペプチドのペプチド結合を開裂させるように作用する細菌性または真菌性プロテアーゼである。
「組み換え」、「組み換えズブチリシン」および「組み換えプロテアーゼ」とは、ズブチリシンまたはプロテアーゼをコードするDNA配列に対し、その天然のアミノ酸配列中に1個以上のアミノ酸の置換、欠損もしくは挿入をコードする変異(もしくは突然変異)DNA配列を生じるように修飾を加えたズブチリシンまたはプロテアーゼを意味する。このような修飾を加えるための方法で、本発明で開示した方法と組み合わせることができる好適な方法としては、米国特許第4,760,025号(米国再発行特許第34,606号)、米国特許第5,204,015号および米国特許第5,185,258号に開示されているものを挙げることができ、これらは全て引用により本明細書に組み込まれている。
「非ヒト・ズブチリシン」およびこれをコードするDNA配列は、多くの原核および真核生物から得られる。原核生物の好適な例としては、グラム陰性菌(例えば、大腸菌および緑膿菌)、ならびにグラム陽性菌(例えば、球菌および桿菌)が挙げられる。ズブチリシンおよびその遺伝子を得ることができる真核生物の例としては、酵母およびコウジカビ(Aspergillus sp.)などの真菌類(fungi)が挙げられる。
本明細書で用いている「ヒト・ズブチリシン」とは、ズブチリシン・タイプの触媒作用を有するヒト由来の蛋白質(例えば、ケキシン・ファミリーのヒト由来プロテアーゼ)を意味する。さらに、本明細書で開示した、非ヒト(例えば、マウスおよびウサギ)由来のものを含む蛋白質の誘導体またはホモログであって、ペプチド結合の加水分解能などの当該ペプチドの本質的な活性を保持し、本出願等で別途説明したような免疫原性反応の低下を示す誘導体またはホモログは、対象とするプロテアーゼに対し、少なくとも50%、少なくとも65%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、場合によっては95%、97%または99%もの相同性を有する。このホモログの本質的な活性には、ヒトにおいて異なる免疫原性反応を生じる能力が含まれる。一実施態様として、図4aに、対象とするプロテアーゼが示されている。
本明細書で用いているアミノ酸の位置番号とは、図1に示した完全なバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシン配列に付与したものを言う。但し、本発明は、この特定のズブチリシンの突然変異に限定されるものではない。従って、本発明は、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシン内の同定された特定の残基に「相当」し、バシラス・アミロリケファシエンスの同定された残基に対応するペプチドと同じ免疫原性反応を示す位置のアミノ酸残基を含む前駆体プロテアーゼを包含する。
本明細書で用いている「に対応する」とは、蛋白質またはペプチド内に列挙された位置にある各残基、あるいは蛋白質またはペプチド内に列挙された各残基と類似、相同もしくは同等の残基のことを意味する。一部の実施態様として、この用語は、B・アミロリケファシエンスのBPN’プロテアーゼ内に列挙された残基に関して用いる。
本明細書で用いている「誘導体」という用語は、前駆体蛋白質(例えば、未改変(native)プロテアーゼ)に対し、C末端とN末端のうちの一方もしくは両方に1個以上のアミノ酸を付加し、またはそのアミノ酸配列内の1つ、もしくは異なるいくつかの部位で1個以上のアミノ酸を置換し、またはこの蛋白質の一端もしくは両端またはそのアミノ酸配列内の1個所以上の部位において1個以上のアミノ酸を欠損させ、あるいはそのアミノ酸配列内の1個所以上の部位において1個以上のアミノ酸を挿入することによって得られる蛋白質(例えば、プロテアーゼ)のことを意味する。プロテアーゼ誘導体は、その未改変蛋白質をコードするDNA配列を修飾し、得られたDNA配列を適当な宿主細胞中に形質転換し、ようにその修飾されたDNA配列を発現させて誘導体プロテアーゼを形成することにより調製することが好ましい。
本明細書で用いている「類似配列」という用語は、対象とする蛋白質と同様な機能、三次構造、および/または保存残基を有する蛋白質内の配列のことを意味する。特に好ましい実施態様として、当該類似配列は、エピトープもしくはその近傍の配列を含む。例えば、アルファヘリックス構造またはベータシート構造を含むエピトープ領域では、当該類似配列内の置換アミノ酸は同じ特異的構造を維持していることが好ましい。
本明細書で用いている「ホモログ」とは、対象とする蛋白質(例えば、プロテアーゼ)と同様な触媒作用、構造、抗原性反応/または免疫原性反応を有する蛋白質(即ち、プロテアーゼ)のことを意味する。ホモログと対象蛋白質(例えば、プロテアーゼ)とは、必ずしも進化的に無関係というものではない。従って、この用語は、異なる種から得られる機能的に同じ蛋白質(例えば、プロテアーゼ)を含むと考えられる。好ましい実施態様としては、対象蛋白質(例えば、プロテアーゼ)内のエピトープをホモログからの類似のセグメントで置換すれば、この変化による混乱を少なくすることができるので、対象蛋白質(即ち、プロテアーゼ)と同様な三次および/または一次構造を有するホモログを指定することが望ましい。従って、多くの場合、相同性の高い蛋白質(例えば、プロテアーゼ)は、(例えば、他のプロテアーゼにおける)エピトープの置換の最も好ましい供給源となる。あるいは、所与の蛋白質に対するヒトの類似体に関心を向けることも有利である。例えば、細菌性ズブチリシン内のエピトープをヒト由来ズブチリシン類似体(即ち、ヒト・ズブチリシン)の配列で置換すると、この細菌性蛋白質に対するヒトの免疫原性反応は低下すると考えられる。
本明細書で(例えば、2種の核酸もしくはポリペプチドについての文脈で)用いている「実質的に同一の」とういう語句は、本明細書で説明したような免疫原性反応の変化を示し、配列の同一性に関して、標準的なパラメータを用いこの判定を行うのに適したプログラム(例えば、BLAST、ALIGN、CLUSTAL)を使用して基準配列と比較した場合、少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは95%、さらにより好ましくは97%の配列同一性を有する配列を含むポリヌクレオチドもしくはポリペプチドのことを意味する。2種のポリペプチドが実質的に同一であることの1つの指標は、第1のポリペプチドが第2のポリペプチドと免疫学的に交差反応性であることである。通常、控えめなアミノ酸置換により異なるポリペプチドは、免疫学的に交差反応性である。従って、例えば、あるポリペプチドがもう1つのポリペプチドと、控えめな置換によってのみ異なる場合、この2つのポリペプチドは、実質的に同一である。さらに、2種の核酸が実質的に同一であることの指標は、この2つの分子が厳しい条件(たとえば、中等度乃至高度の厳しさ)下で互いとハイブリッド形成することである。2種のポリペプチドが実質的に同一であることの別の指標は、この2つの分子が、明確なアッセイにおいて免疫原性反応に同じ変化を示すことである。
本明細書で用いている「ハイブリッド形成」とは、核酸の1本鎖が相補性の核酸1本鎖と塩基対を介して結合する過程のことを意味する。従って、厳密に言えば、標的配列が試験配列に対して相補性に、またはその逆の形で結合できることを意味する。「ハイブリッド形成の条件」は、通常、ハイブリッド形成を測定する条件の「厳しさ」の程度によって分類される。厳しさの程度は、例えば、核酸結合複合体もしくはプローブの融解温度(Tm)に準拠することができる。例えば、「最高の厳しさ」は、通常約Tm−5℃(即ち、当該プローブのTmより5°低い温度)で、「高度の厳しさ」は、通常Tmより約5乃至10°低い温度で、「中等度の厳しさ」は通常当該プローブのTmより約10乃至20°低い温度で、「軽度の厳しさ」は、通常Tmより約20乃至25°低い温度で行われる。あるいは、または、さらに、一部の実施態様として、ハイブリッド形成の条件は、ハイブリッド形成および/または1回以上の厳格洗浄における塩もしくはイオン強度条件に準拠している。例えば、6xSSC=極めて軽度の厳しさ;3xSSC=軽度乃至中等度の厳しさ;1xSSC=中等度の厳しさ;および0.5xSSC=高度の厳しさ。機能的には、最高の厳しさの条件は、ハイブリッド形成プローブと厳密な同一性もしくはほぼ厳密な同一性を有する核酸配列を特定するのに用いられ、高度の厳しさの条件は、当該プローブと約80%以上の配列同一性を有する核酸配列を特定するのに用いられる。高度の選択性を必要とする用途に対しては、通常、ハイブリッド形成に比較的厳しい条件が用いられる(例えば、比較的低い塩および/または高温の条件が用いられる)。
本発明は、開示した特定の菌種から得られるものと同等の、免疫原性の変化したプロテアーゼを包含する。「同等」であるとは、当該プロテアーゼが、中等度乃至高度の厳しさの条件下で、図1に示した配列のうちの任意の配列を有するポリヌクレオチドとハイブリッド形成することができるポリヌクレオチドによってコードされ、ヒトT細胞に対する免疫原性反応の変化をなお維持していることを意味している。また、「同等」であるとは、当該プロテアーゼが、エピトープ配列およびこのエピトープを有する変異体プロテアーゼ(例えば、アミノ酸配列が修飾されている)に対し、少なくとも55%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有することを意味する。
本明細書で用いている「ハイブリッドプロテアーゼ」および「融合プロテアーゼ」という用語は、少なくとも2つの異なる、または「親の」蛋白質から改変した蛋白質のことを意味する。好ましい実施態様としては、これらの親蛋白質は互いのホモログである。例えば、一部の実施態様として、好ましいハイブリッドプロテアーゼもしくは融合蛋白質は、蛋白質のN末端およびこの蛋白質のホモログのC末端を含む。一部の好ましい実施態様として、この2つの末端は、完全長の活性蛋白質に対応するように結合される。別の好ましい実施態様として、これらのホモログは、実質的な類似性を共有するが、同一のB細胞エピトープは有しない。従って、一実施態様として、本発明は、C末端に1つ以上のT細胞エピトープを有するがC末端が効力の低いB細胞エピトープを有するホモログのC末端で置換されているか、C末端にB細胞エピトープを殆どまたは全く有しない対象プロテアーゼを提供する。従って、ホモログ間でB細胞エピトープを特定することができることにより、異なる免疫原性反応を生じる種々の変異体を形成することができることは、当業者によって了承されよう。さらに、内部部分、および2つ以上のホモログを用いて本発明の変異体を作製することができることも了承されよう。
一部の一実施態様として、本発明は、確立されている蛋白工学技術を用いて構築されるプロテアーゼハイブリッドを提供する。本明細書で説明したように、一実施態様として、蛋白質の高アレルゲン性アミノ酸配列が低アレルゲン性ホモログからの対応配列で置換されるようにして、ハイブリッドを構築した。この場合、プロテアーゼの最初の122個のアミノ酸は「GG36」と呼ばれるズブチリシンから得、残るアミノ酸配列は「BPN」と呼ばれるズブチリシンから得た。
本発明の変異体は、成熟型の蛋白質変異体、ならびにこのような蛋白質変異体のプロ型およびプレプロ型を含む。プレプロ型は、蛋白質変異体の発現、分泌および成熟化を容易にするので、好ましい構築体である。
本明細書で用いている「プロシーケンス」とは、成熟型蛋白質のN末端部分に結合したアミノ酸配列であって、これを除去するとこの蛋白質の「成熟」型を生じるアミノ酸配列のことを意味する。多くの蛋白質分解酵素は、翻訳による酵素前駆体産物として自然界に存在し、翻訳後のプロセッシングが行われないと、この形で発現される。プロテアーゼ変異体のような蛋白質変異体を産生するための好ましいプロシーケンスは、バシラス・アミロリケファシエンスのズブチリシンの推定プロシーケンスである。但し、本発明では、他のプロシーケンスも用いられる。
本明細書で用いている「シグナル配列」および「プレシーケンス」とは、蛋白質のN末端部分、即ち、蛋白質の成熟型もしくはプロ型の分泌に関与することができる蛋白質のN末端部分に結合しているアミノ酸の任意の配列のことを意味する。このシグナル配列の定義は、機能上のものであり、自然状態で蛋白質分泌の遂行に関与する、蛋白質遺伝子のN末端部分によりコードされた全てのアミノ酸配列を含むものである。本発明は、本明細書に開示した蛋白質変異体の分泌をもたらすこのような配列を利用する。一実施態様として、シグナル配列は、枯草菌ズブチリシンのシグナル配列の最初の7個のアミノ酸残基をバシラス・レンツス(ATCC21536)由来ズブチリシンのシグナル配列の残部に融合させたもの含む。
本明細書で用いている「プレプロ型」の蛋白質変異体は、この蛋白質のアミノ末端に作動可能なように結合しているプロシーケンス、およびこのプロシーケンスのアミノ末端に作動可能なように結合している「プレ」、即ち「シグナル」配列を有する成熟型の蛋白質からなる。
本明細書で用いている「発現ベクター」とは、適切な宿主でDNAの発現をもたらすことのできる適切な制御配列に動作可能なように結合しているDNA配列を含むDNA構築体のことを意味する。このような制御配列としては、転写をもたらすプロモータ、この転写を制御する任意のオペレータ配列、適切なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、および転写と翻訳の終結を制御する配列が挙げられる。ベクターは、プラスミド、ファージ粒子、あるいは単にゲノムに挿入できる断片であってもよい。ベクターは、一旦適切な宿主中に形質転換されると、宿主ゲノムとは無関係に、複製し、機能することができ、場合によっては、ゲノム自体の中に組み込まれることがある。プラスミドは現在最も広く用いられているタイプのベクターであるので、本明細書では、「プラスミド」と「ベクター」を区別なく用いることがある。しかしながら、本発明は、同等の機能を果たし、当該分野で知られていたり、知られるようになるような他のタイプの発現ベクターをも含むものである。
本明細書で用いている「宿主細胞」は、概して原核もしくは真核宿主であり、好ましくは当該分野で知られている方法(米国特許第4,760,025号(再発行特許第34,606号)参照)により操作してこれらが酵素学的に活性なエンドプロテアーゼを分泌できるようにしたものである。蛋白質発現用の好ましい宿主細胞は、酵素学的に活性な中性蛋白質およびアルカリ・プロテアーゼ(ズブチリシン)を欠損しているバシラス菌株BG2036である。菌株BG2036の構築については、米国特許第5,264,366号に詳細が開示されており、この特許は引用により本明細書に組み込まれている。蛋白質発現用のその他の宿主細胞としては、枯草菌I168(米国特許第4,760,025号(再発行特許第34,606号)および米国特許第5,264,366号にも開示されており、これらの開示内容は引用により本明細書に組み込まれている)、ならびにB・リケニホルミス菌、B・レンツス菌その他のバシラス種に属するものを含む適切なあらゆるバシラス菌株が挙げられる。
宿主細胞は、当該分野で知られている組み換えDNA技術を用いて構築したベクターで形質転換または形質移入する。形質転換された宿主細胞は、蛋白質変異体をコードするベクターを複製するか、目的とする蛋白質変異体を発現することができる。プレ型もしくはプレプロ型の蛋白質変異体をコードするベクターの場合、このような変異体は、発現されると、通常宿主細胞から宿主細胞メジウム中に分泌される。
「作動可能なように結合した」という用語は、2つのDNA領域の間の関係に関して用いた場合、単に、これらが互いに機能上関連があることを意味している。例えば、プレシーケンスは、これがシグナル配列として機能する場合、作動可能なようにペプチドに結合して、このシグナル配列の開裂をほぼ確実に伴う成熟型の蛋白質の分泌に関与する。プロモータは、これがコーディング配列の転写を制御する場合、作動可能なようにその配列に結合する。また、リボソーム結合部位は、これが翻訳を可能にする位置にある場合、作動可能なようにコーディング配列に結合する。
天然の前駆体蛋白質をコードする遺伝子は、当業者に知られている一般的な方法によって得ることができる。通常、この方法は、対象蛋白質の領域をコードしている推定配列を有する標識プローブを合成し、当該蛋白質を発現する生物からのゲノムライブラリーを作製し、上記プローブにハイブリッド形成させることによりこの対象遺伝子のライブラリーをスクリーニングすることを含む。次いで、ハイブリッド形成ポジティブなクローンの遺伝子地図を作製し、配列を決定する。
本明細書で用いている「生体内(in vivo)におけるアレルゲン性の低下」とは、生体内において(例えば、生きている動物の使用を必要とする)、少なくとも部分的に生じる、アッセイにより測定した免疫原性反応が減少することを意味する。例示的な「生体内(in vivo)」アッセイとしてはマウスモデルを用いた免疫原性反応の変化についての測定が挙げられる。
本明細書で用いている「生体外(in vitro)におけるアレルゲン性の低下」とは、生体外(即ち、生きている動物の使用を必要としない)の人工的な環境において生じる、アッセイにより測定した免疫原性反応が減少することを意味する。例示的な「生体外(in vitro)」アッセイとしては、対象ペプチドに対するヒト末梢血単核細胞の増殖反応をテストすることが挙げられる。
本明細書で用いている「パーソナルケア用品」とは、毛髪、皮膚、頭皮、歯の洗浄に用いられる製品を意味し、例えば、シャンプー、ボディローション、シャワー用ジェル、局所用モイスチャー、練り歯磨き、および/またはその他の局所用クレンザーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に好ましい一部の実施態様として、これらの製品はヒトによって利用されるが、その他の実施態様として、これらの製品はヒト以外の動物に対して(例えば、獣医学用の用途において)用いられる。
本明細書で用いている「スキンケア用組成物」とは、皮膚の清浄および/または保湿のための局所用の用途に用いられる製品を意味する。このような組成物としては、保湿性ボディソープ、シャワー用ジェル、ボディローション、保湿性フェイシャルクリーム、化粧落とし、およびローションが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いている「清浄用組成物」とは、布地、食器、コンタクトレンズその他の固体基材などの基材、毛髪(シャンプー)、皮膚(石鹸およびクリーム)、歯(洗口剤、練り歯磨き)などから不要物を除去するのに用いることができる組成物である。
本明細書で用いている「清浄用組成物原料」という用語は、目的とする特定のタイプの清浄用組成物、およびその形の製品用に選ばれるあらゆる液状、固体状もしくは気体状原料のことを意味し、これらの原料はその組成物に用いられるプロテアーゼ酵素とも混在可能なものである。清浄用組成物原料の具体的な選択は、清浄するべき表面、品目または布地、および使用時(例えば、洗濯洗剤としての使用による)の清浄条件にとっての望ましい組成物の形態を考慮することによって容易に行うことができる。
本明細書で用いている「硬質表面清浄用組成物」という用語は、床、壁、浴室タイルなどの硬質表面を清浄するための洗剤組成物のことを意味する。このような組成物は、どんな形態にも形成することができ、例えば、固形物、液状体、乳濁液などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いている「食器洗い用組成物」とは、食器洗浄用のあらゆる形態の組成物のことを意味し、例えば、顆粒状および液状の形態が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いている「布地洗浄用組成物」とは、布地洗浄用のあらゆる形態の洗剤組成物のことを意味し、例えば、顆粒状、液状および固形状の形態が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本明細書で用いている「布地」とは、あらゆる繊維材料のことを意味する。
本明細書で用いている「混在できる」という用語は、清浄用組成物が、普通の使用状態で要望通りの効果を示さない程度にまでにはプロテアーゼ酵素の蛋白質分解活性を低下させないことを意味する。具体的な清浄用組成物材料は下記に詳細を例示する。
本明細書で用いている「プロテアーゼ酵素の有効量」とは、特定の用途(例えば、パーソナルケア用品、清浄用組成物など)において必要な酵素活性を得るのに要する、前述のプロテアーゼ酵素の量のことを意味する。このような有効量は、当業者によって容易に確かめることができ、使用される特定の酵素変異体、その清浄用途、その清浄用組成物の具体的な組成、および必要な組成物は液状のものか乾燥したもの(例えば、顆粒状、棒状)かなど、多くの要因に基づくものである。
本明細書で用いている「非布地洗浄用組成物」は、硬質表面清浄用組成物、食器洗い用組成物、口腔内清浄用組成物、入れ歯洗浄用組成物、およびパーソナルクレンジング用組成物を包含する。
本明細書で用いている「口腔内清浄用組成物」とは、歯磨剤、練り歯磨き、ジェル状歯磨き、粉歯磨き、うがい薬、マウススプレー、マウスジェル、チューインガム、薬用キャンディ、香粉、錠剤、バイオジェル、予防用ペースト、歯治療用溶液などのことを意味する。
本明細書で用いている「医薬用として許容可能な」とは、この用語が表す薬物、医薬品および/または不活性成分が、妥当なベネフィット/リスク比に見合って、過度の毒性、不適合性、不安定性、刺激性、アレルギー性などもなく、ヒトその他の動物の組織と接触して用いられるのに適していることを意味する。
本明細書において、「イムノアッセイ」という語は、抗原の検出において抗体を用いる任意の方法を意味する。当該定義に包含されるイムノアッセイの形態には、直接的イムノアッセイ、間接的イムノアッセイ、及び“サンドイッチ型”イムノアッセイが含まれる(ただし、これらに限定されるものではない)。しかしながら、本発明を特定の形態に限定することを意図するものではない。ラジオイムノアッセイ(RIA)、免疫蛍光アッセイ(IFA)、及び、ELISA、RIA、及び/又はIFAの変更形を含むその他のアッセイ形態(ただし、これらに限定されるものではない)も、本発明の方法において有用である。実際、免疫拡散法(例えば、オクタロニー法、放射状免疫拡散法等)、沈殿、凝集、補体結合、ゲル電気泳動、及び、抗原及び/又は抗体を同定するための当該技術分野において公知のその他の方法を含む更なるイムノアッセイを、本発明において用いることができる。従って、本発明は、特定のイムノアッセイ方法に限定されるものではない。
本明細書において、「捕捉抗体(capture antibody)」という語は、抗原を結合するために用いられ、その後用いられる抗体によって抗原を認識し得る抗体を意味する。例えば、捕捉抗体は、マイクロタイターウェルに添加され、当該ウェルに添加される試料中に存在する対象抗原と結合し得る。その後、当該抗原−抗体錯体と結合させるために別の抗体(「第1抗体」と呼ぶ)を用いることによって、抗体−抗原−抗体からなる「サンドイッチ」を形成させる。当該錯体の検出は、いくつかの方法によって行うことができる。第1抗体は、標識(例えば、ビオチン、酵素、蛍光マーカー、又は放射性物質)を用いて調製することができ、当該標識を用いて直接検出することができる。或いは、第1抗体を認識する標識化「第2抗体」又は「リポーター抗体」を添加し、抗体−抗原−抗体−抗体よりなる錯体を形成させることができる。また、その後、適切なリポーター試薬を添加してこれらの標識化抗体を検出することができる。所望に応じて、任意の数の抗体をさらに添加することもできる。これらの抗体は、酵素、蛍光マーカー、又は放射性物質を含むマーカー(ただし、これらに限定されるものではない)によって標識化することができる。
本明細書において、「リポーター試薬」又は「リポーター分子」という語は、抗原に結合した抗体の存在を検出する能力を有する化合物を意味する。例えば、リポーターは、酵素基質と連結した比色試薬であることができる。抗体と抗原が結合すると、酵素は、その基質に作用し、発色をもたらす。
その他のリポーター試薬には、発蛍光性及び放射性の化合物又は分子が含まれる(ただし、これらに限定されるものではない)。また、当該定義には、検出系の一部としてビオチン及びアビジンに基づく化合物(例えば、ニュートラアビジン及びストレプタビジン、ただしこれらに限定されるものではない)を用いることも包含する。
本明細書において、「シグナル」という語は、反応(例えば、抗体と抗原の結合)が起こったことを示す指標を意味する。放射能、発蛍光反応、りん光、及び酵素反応の形態のシグナルを、本発明において用いることができる。当該シグナルは、定性的であると共に、定量的にも評価することができる。
本明細書において、「固体支持体」という語は、抗体、抗原、及びその他の化合物等の試薬が連結し得る任意の固体物質を意味する。例えば、ELISA法では、しばしば、マイクロタイターのウェルが固体支持体を提供する。固体支持体のその他の例は、顕微鏡用スライド、カバースリップ、ビーズ、粒子、細胞培養フラスコ等である。
発明の詳細な説明
本発明は、親の蛋白質と比較して免疫原性反応の低下を示す新規蛋白質変異体を提供する。さらに、本発明は、新規変異体をコードするDNA分子、新規の変異体をコードするDNAを含む宿主細胞、および蛋白質のアレルゲン性を低減させる方法を提供する。さらに、本発明は、野生型蛋白質より免疫原性の低いこれらの蛋白質を含む種々の組成物を提供する。
特に好ましい一部の実施態様として、本発明は、対象とする前駆体プロテアーゼもしくはプロテアーゼに比し、免疫原性反応および潜在的アレルゲン性の変化を示す変異体蛋白質を提供する。従って、本発明は、未改変(native)もしくは前駆体蛋白質よりも使用するのに安全な変異体蛋白質を提供する。特に好ましい実施態様として、この変異体蛋白質は、プロテアーゼである。本明細書で具体的に説明した突然変異体の他に、本発明は、当業者に知られている突然変異体との組合せて用いることにより、蛋白質の熱安定性を変え、基質特異性を変え、活性を改良し(例えば、親和性および/または結合活性を改良し)、機能を改良し、熱安定性を改良し、比活性を増大させ、および/またはpH(例えば、アルカリ性)安定性を変えることができる。一部の実施態様として、本発明は、1種以上のB細胞および/またはT細胞エピトープに変化を示す変異体蛋白質を提供する。
好ましい実施態様として、動物を本発明のプロテアーゼ変異体に接触させると、この動物をその前駆体プロテアーゼに接触させた場合に比し、免疫原性反応が変化する。特に好ましい一部の実施態様として、この変異体は、改変されたT細胞及び/又はB細胞エピトープを含み、その結果、この対象変異体プロテアーゼはヒトにおいて異なる免疫原性反応を生じる。免疫原性反応の変化には、免疫原性反応の増強または低減などのアレルゲン性の変化が含まれると考えられる。一部の実施態様として、T細胞エピトープの改変は、このエピトープ(即ち、改変される「対象エピトープ」)内のアミノ酸残基から選ばれるアミノ酸の少なくとも1つの置換および/または削除を含む。好ましい実施態様として、本発明の変異体プロテアーゼは、免疫原性反応の低下を生じるがその他の活性は前駆体プロテアーゼと同等である変異体、および免疫原性反応を生じない部位特異的突然変異体(site mutation variants)、ならびにハイブリッドプロテアーゼ変異体を含む。
さらに、本発明は、プロテアーゼの免疫原性反応を変化(例えば、増強もしくは低下)させる方法であって、前駆体プロテアーゼを入手し、この前駆体プロテアーゼを修飾して前駆体プロテアーゼの変異体もしくは誘導体を得る工程を含み、この変異体が当該前駆体プロテアーゼの少なくとも1種のT細胞エピトープを有する方法を提供する。さらに、一部の実施態様として、この変異体は、上記前駆体プロテアーゼにより賦活化される免疫原性反応に比し、免疫原性反応の変化を示すものとして特徴づけられる。
本明細書で述べるように、ズブチリシンプロテアーゼのB細胞エピトープには少なくとも以下のものが存在する。第1はバシラスアミロリケファシエンス・ズブチリシンの46から60番目の残基に対応するエピトープ、第2はバシラスアミロリケファシエンス・ズブチリシンの61から75番目の残基に対応するエピトープ、第3はバシラスアミロリケファシエンス・ズブチリシンの86から100番目の残基に対応するエピトープ、第4はバシラスアミロリケファシエンス・ズブチリシンの126から140番目の残基に対応するエピトープ、第5はバシラスアミロリケファシエンス・ズブチリシンの166から180番目の残基に対応するエピトープ、第6はバシラスアミロリケファシエンス・ズブチリシンの206から220番目の残基に対応するエピトープ、第7はバシラスアミロリケファシエンス・ズブチリシンの210から225番目の残基に対応するエピトープ、第8はバシラスアミロリケファシエンス・ズブチリシンの246から260番目の残基に対応するエピトープである。1の実施態様において、当該方法は、さらに、このような免疫学的反応を増強もしくは低減させる残基を決定する工程を含む。それらの残基は、本明細書で開示したペプチドスクリーニング手法を含む、任意の適切な技術によって決定することができる。
1の実施態様において、変異体プロテアーゼは、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、及び/又は260番目残基に対応する残基におけ1以上ののアミノ酸修飾(置換又は欠失を含む)を含む。ここで、当該置換は、少なくとも1つのエピトープ内に位置する。別の実施態様では、当該変異体プロテアーゼは、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの46−60、61−75、86−100、126−140、166−180、206−220、210−225、及び246−260よりなる残基の群から選択される1以上のアミノ酸置換を含む。別の実施態様では、修飾は、上記エピトープの2以上に含まれる。その結果得られる変異体は、その前駆体プロテアーゼに比し、免疫反応の変化を示す。
「プロテアーゼ」、「ポリペプチド」、及び「ペプチド」という語は、本明細書において同義語として用いられる場合がある。ペプチドがプロテアーゼの一部である場合、当業者であれば、その語が用いられている内容によって理解することができるであろう。
1の実施態様として、免疫反応の変化(免疫反応の増強もしくは免疫反応の低減)を示すプロテアーゼ又はペプチドは、対象とするプロテアーゼから誘導される。一部の実施態様では、この対象とするプロテアーゼは野性型プロテアーゼであるが、その他の実施態様では、これは突然変異体、複合変異体(conjugated variant)、または対象エピトープ(例えば、個体又は個体群において感作をもたらし得るエピトープ)内にアミノ酸置換を有するハイブリッド変異体である。好ましい実施態様として、このエピトープは、対象プロテアーゼに感作することが知られているドナー得た血清サンプルにおけるエピトープ及び非エピトープを同定するアッセイによって同定される。特に、当該エピトープは、対象となる固定化ペプチドの接触においてプロテアーゼ又はペプチドの間に生じる反応によって同定される。
より詳細には、対象とする免疫反応の低い対象プロテアーゼ又はそれからのペプチドが供給される。ここで、B細胞エピトープは、(a)対象プロテアーゼに感作するヒトのドナーから血清サンプルを得る工程;(b)対象プロテアーゼのアミノ酸配列を包含するペプチドを得る工程(例えば、当該ペプチドは、長さが15アミノ酸であって、アミノ末端に4つのアミノ酸スペーサー配列を有し、N末端でビオチンに結合している);(c)当該ヒト血清を固定化ペプチドと混合する工程;及び、(d)ペプチドエピトープの特異的抗体反応性を検出する工程を含む方法によって認識される。
本発明の1の実施態様では、対象プロテアーゼの全体もしくは一部に対応する一連のペプチドオリゴマーを作製する。例えば、当該プロテアーゼの適切な部分もしくは全体をカバーするペプチドライブラリーを作製する。一実施態様として、これらのペプチドを作製する方法は、このペプチドライブラリーに重複部分を導入することである。例えば、最終的にプロテアーゼ全体に対応する代表的なペプチド群が生じるまで、対象プロテアーゼの1から15番目のアミノ酸配列に相当する第1のペプチド、対象プロテアーゼの6から20番目のアミノ酸配列に相当する第2のペプチド、対象プロテアーゼの11から25番目のアミノ酸配列に相当する第3のペプチド、対象プロテアーゼの16から30番目のアミノ酸配列に相当する第4のペプチド等を生産することである。
本明細書に開示したアッセイ法により各ペプチドを個々に解析することによって、B細胞により認識されるエピトープの位置を正確に特定することができる。前記の例では、特定の1つのペプチドがその隣のペプチドよりも強い反応を示せば、エピトープのアンカー領域を3個のアミノ酸以内に特定することが容易になる。これらのエピトープの位置を決定した後に、ペプチドがその親プロテアーゼと異なるB細胞反応を生じるまで各エピトープ内のアミノ酸を変えることが可能である。さらに、本発明は、B細胞エピトープが所望の低い作用強度を有する蛋白質を同定し、特徴付ける手段を提供する。従って、特定の場合では、当該蛋白質は、その低いB細胞エピトープ効力により、天然型で使用することができる。しかしながら、特定の場合には、高いB細胞エピトープ効力を有する蛋白質が好ましい。本発明は、そのような蛋白質を同定し特徴付け、それにより、当該蛋白質は、野生型蛋白質又はその変異体のいずれとしても用いることができる。
エピトープの修飾には、種々の手段を用いることができる。例えば、エピトープのアミノ酸配列は、対象蛋白質のヒト・ホモログからの類似配列で置換することができる;エピトープのアミノ酸配列は、対象蛋白質の非ヒト・ホモログからの類似配列で置換することができ、この類似配列は、対象蛋白質よりも、B細胞エピトープの認識により生じる免疫原性(例えば、アレルゲン性)反応が弱い;エピトープのアミノ酸配列は、主要な三次構造の特性がエピトープとかなり類似しているが対象蛋白質よりもT細胞エピトープの認識により生じる免疫原性(例えば、アレルゲン性)反応が弱い配列で置換することができる;および/または、エピトープのアミノ酸配列は、対象蛋白質よりもB細胞エピトープの認識により生じる免疫原性(例えば、アレルゲン性)反応が弱い任意の配列で置換することができる。
エピトープの修飾が、所望する結果に応じて他の方法で実施できることについては、当業者であれば容易に理解できることは言うまでもないことであろう。例えば、自己抗原に対する自己免疫反応を変化させることを目的とする場合、炎症その他の反応の変化を低減させたり引き起こしたりするアミノ酸を用いてエピトープのアミノ酸配列を置換することが考えられる。
本発明は、免疫原性反応を調節することが所望されるあらゆる蛋白質に適用される。特に好ましい実施態様として、本発明は、プロテアーゼに対する免疫原性反応を調節する手段を提供する。さらに、本発明のプロテアーゼが、必ずしも未改変(native)の蛋白質およびペプチドであるとは限らないことは、当業者であれば容易に理解できるであろう。事実、本発明の一実施態様として、免疫原性反応の変化を示すシャッフル(shuffled)遺伝子が考えられる(ステマー(Stemmer)、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスUSA(Proc. Nat’l Acad. Sci. USA)、91:p10747(1994年);パッテンほか(Patten et al.)、カレント・オプ・バイオテクノロジー(Curr. Op. Biotechnol.)、8:p724(1997年);クックナー、アーノルド(Kuchner and Arnold)、トレンズ・イン・バイオテクノロジー(Trends Biotechnol.)、15:p523(1997年);ムーアほか(Moor et al.)、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.)、272:p336(1997年);ザオほか(Zhao et al.)、ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotechnol.)、16:p258(1998年);ギバーほか(Giver et al.)、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスUSA(Proc. Nat’l Acad. Sci. USA)、95:p12809(1998年);ハラヤマ(Harayama)、トレンズ・イン・バイオテクノロジー(Trends Biotechnol.)、16:p76(1998年);リンほか(Lin et al.)、バイオテクノロジー・プログレス(Biotechnol. Pro.)、15:p467(1999年);サン(Sun)、ジャーナル・コンピュータ・バイオロジー(J. Comput. Biol.)、6:p77(1999年)参照)。従って、本発明は、蛋白質(例えば、プロテアーゼ)を改変してこの蛋白質に対する免疫原性反応を調節する手段を提供する。
本発明によるプロテアーゼは単離または精製することが望ましい。精製もしくは単離するとは、プロテアーゼを、自然界でこれが結合している天然成分の一部または全部からこれを分離することによりその自然の状態から変質させることを意味する。このような単離もしくは精製は、当該分野で知られている適切な手段(例えば、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、疎水性分離、透析、プロテアーゼ処理、硫酸アンモニウム沈殿その他の蛋白質塩沈殿、遠心、サイズ排除クロマトグラフィー、ろ過、精密ろ過、ゲル電気泳動、または傾斜分離(separation on a gradient)を用いて遂行できる。これらの方法によって、細胞全体、細胞砕片、不純物、外来性蛋白質、または最終組成物において不要な酵素が除去される。さらに、その後、このプロテアーゼ含有組成物に、その他の利点となる成分(例えば、活性化剤、抗阻害剤、好ましいイオン、pH調節化合物、またはセルラーゼなどの他の酵素)を加えることができる。
本発明は、上述のプロテアーゼの他に、免疫原性反応の変化、例えば、免疫原性反応の増強もしくは低下を示す変異体プロテアーゼを含む。蛋白質(例えば、プロテアーゼ)は、これによるB細胞反応が親(前駆体)蛋白質によるものより強い場合、免疫原性反応の増強を示す。この反応の増強により生じる最終的な結果は、変異体蛋白質を標的とする抗体の増加である。蛋白質は、これによるB細胞反応が親蛋白質によるものより弱い場合、免疫原性反応の低下を示す。この反応の低下により生じる最終的な結果は、変異体蛋白質を標的とする抗体の欠乏である。
変異体蛋白質(例えば、プロテアーゼ)の免疫原性反応の低下を確認するのに有用な例示的アッセイ法には、当該技術分野において公知である任意の適切なイムノアッセイが含まれる。例えば、直接及び間接酵素結合イムノアッセイ、ラジオイムノアッセイ、イムノCap、蛍光によるイムノアッセイ、免疫拡散等のイムノアッセイ系が、血清含有抗体と親蛋白質及び変異体蛋白質との相対的は脳性の評価において有用である。IACore及びBiaCore測定等の方法も、また、親蛋白質及び変異体蛋白質に対する抗体反応性の検出に適切である。さらに、in vivoモデルを用いて、親蛋白質及び変異体蛋白質に対する抗体反応を評価することができる(ここで、プロテアーゼに対するエピトープ応答は、試験種であるヒトにおいてはほとんど同じである)。これには、モルモット、マウス、ラット、及びウサギにおける抗体反応の分析が含まれる(ただし、これらに限定されるものではない)。実際には、本発明は、任意の特定のin vitro又はin vivo免疫試験法に限定されるものではなく、当該技術分野における任意の適切な方法が本発明において用いることができる。
野性型プロテアーゼを修飾して、天然のアミノ酸配列を含む蛋白質により刺激される免疫原性反応を変化させることの他に、本発明は、さらに突然変異させた蛋白質(例えば、機能的活性を変化させるよう改変したプロテアーゼ)の免疫原性反応を低下させることを含む。多くの場合、所望の特性をもたらす(例えば、活性を増大させ、温度安定性を高め、アルカリ安定性および/または酸化安定性を高める)ようにプロテアーゼを突然変異させると、突然変異プロテアーゼ中に新たなB細胞エピトープが1つ以上組み込まれる。新たなB細胞エピトープの存在が明らかになり、この突然変異蛋白質の免疫原性反応を変化させる置換アミノ酸が決定されると、このような突然変異プロテアーゼは、免疫原性反応の変化を示す。
本発明は、いかなる特定の蛋白質あるいはプロテアーゼにも限定されるものではないが、本発明をはっきり理解できるようにするために、本明細書における説明は、プロテアーゼの修飾に焦点を当てている。特に、本説明は、ズブチリシンと呼ばれるセリンプロテアーゼに焦点を当てている。一連の天然ズブチリシンは、さまざまな微生物種によって産生され、多くの場合分泌されることが知られている。この系列のメンバーのアミノ酸配列は、完全には相同的でないが、この系列のズブチリシンは、同一または同様なタイプの蛋白質分解活性を示す。このクラスのセリンプロテアーゼは、これをキモトリプシン関連クラスのセリンプロテアーゼと区別させる触媒性三連構造を規定する共通のアミノ酸配列を共有している。ズブチリシンおよびキモトリプシン関連セリンプロテアーゼは共に、アスパルテート、ヒスチジンおよびセリンを含む触媒性三連構造を有している。ズブチリシンでは、アミノ末端からカルボキシ末端まで読み取られるこれらのアミノ酸の相対順序は、アスパルテート−ヒスチジン−セリンである。しかしながら、キモトリプシン関連プロテアーゼでは、その相対順序は、ヒスチジン−アスパルテート−セリンである。従って、本明細書に用いている「ズブチリシン」というのは、ズブチリシン関連プロテアーゼの触媒性三連構造を有するセリンプロテアーゼのことを意味する。例として、図3に含まれているズブチリシンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一般に、また、本発明のために、プロテアーゼのアミノ酸に付ける番号は、図1の成熟バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシン配列に付与した番号に対応する。
前駆体プロテアーゼの残基(アミノ酸)がバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシン内の特定の残基もしくはその残基の一部と相同である(即ち、一次もしくは三次構造が位置的に正しく一致している)か、類似している(即ち、化学的に結合、反応または相互作用する機能的能力が同じか同様である)場合、この前駆体プロテアーゼの残基は、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの残基と同等である。
一次構造の相同性を立証するためには、前駆体プロテアーゼのアミノ酸配列を、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの一次構造、および特に、配列が分かっているズブチリシンにおいて不変であることが知られている一連の残基と直接比較する。この保存された残基について、配列を維持する(即ち、任意の欠失および挿入による保存残基の排除を避ける)ために必要な挿入および欠失を考慮し、位置合わせを行うと、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの一次配列の特定のアミノ酸と同等な残基が明らかになる。保存残基の配列は、好ましくは、このような残基の100%を保存していなければならない。但し、本発明は、保存残基の90%超、75%超および50%超の配列を伴う実施態様をも包含する。というのは、前駆体プロテアーゼが本明細書で説明したような免疫原性反応の低下を示すという条件で、これらも同等な残基を明らかにするのに十分であるからである。特に好ましい実施態様として、Asp32/His64/Ser221の触媒性三連構造の保存は維持する。本発明における全てのアミノ酸の略語および1文字符号は、ジーンバンク(GeneBank)およびパテントイン(PatentIn)によって用いられているような標準的な符号である。
従って、保存残基は、免疫原性反応(例えば、B細胞反応性)が同じであるか変化を示す他のズブチリシンにおいてバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの対応する同等のアミノ酸残基を明らかにするのに用いられる。これらのズブチリシンのいくつかについてそのアミノ酸配列をバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの配列に合わすことにより、保存残基の相同性が最大となる。
相同性配列は、「配列比較アルゴリズム」を用いることによっても明らかにすることができる。比較のための配列の最適な位置合わせは、例えば、スミス(Smith)とウォーターマン(Waterman)のローカル・ホモロジー・アルゴリズム(local homology algorithm)(スミス(Smith)、ウォーターマン(Waterman)、アドバンシズ・イン・アプライド・マセマティックス(Adv. Appl. Math.)、2:p482(1981年))、ニードルマン(Needleman)とブンシュ(Wunsch)のホモロジー・アラインメント・アルゴリズム(homology alignment algorithm)(ニードルマン(Needleman)、ブンシュ(Wunsch)、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.)、48:p443(1970年))、ピアソン(Pearson)とリップマン(Lipman)のサーチ・フォ・シミラリティ・メソッド(search for similarity method)(ピアソン(Pearson)、リップマン(Lipman)、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスUSA(Proc. Nat’l Acad. Sci. USA)、85:p2444(1988年))、これらアルゴリズムの実施のコンピュータ化(例えば、ウィスコンシン・ジェネティックス・ソフトウェア・パッケージ(Wisconsin Genetics Software Package)、ジェネティックス・コンピュータ・グループ(Genetics Computer Group)、マジソン(Madison)、WI)のGAP、BESTFIT、およびTFASTA)、または目視検査によって実施することができる。
配列類似性を決定するのに適したアルゴリズムの例は、BLASTアルゴリズムである(アルシュルほか(Altschul et al.)、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.)、215:p403−410(1990年)参照)。BLAST解析を遂行するためのソフトウェアは、ナショナル・センター・フォ・バイオテクノロジー・インフォメーション(National Center for Biotechnology Information)から公的に入手可能である。このアルゴリズムは、データベース中の同じ長さのワードに合わせた時、ポジティブ評価の閾値スコア「T」にマッチするか満足させるクエリー配列中の長さ「W」のショートワードを特定することにより、高得点配列対(HSPs)を先ず特定するものである。これらの最初の近傍ワードのヒットは、これらを含むより長いHSPsを見いだすための出発点として機能する。このワードヒットは、累積的位置合わせスコアが増加しうる範囲では、比較されている2つの配列のそれぞれに沿って両方向に拡張される。このワードヒットの拡張が停止するのは、累積的位置合わせスコアが最大到達値から量「X」だけ低下した場合、この累積的スコアがゼロ以下になった場合、あるいは、いずれかの配列の末端に達した場合である。BLASTアルゴリズムのパラメータ「W」、「T」および「X」は、位置合わせの感度および速度を決定する。BLASTプログラムは、デフォルトとして、ワード長(W)11、BLOSUM62得点マトリックス(ヘニコフ(Henikoff)、ヘニコフ(Henikoff)、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスUSA(Proc. Nat’l Acad. Sci. USA)、89:p10915(1989年)参照)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M’5、N’−4、および両ストランドの比較を用いる。
次いで、BLASTアルゴリズムは、2つの配列の類似性について統計解析を実行する(例えば、カーリン(Karlin)、アルトシュル(Altschul)、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスUSA(Proc. Nat’l Acad. Sci. USA)、90:p5873−5787(1993)参照)。BLASTアルゴリズムにより得られる類似性の1つの目安は、合計確率(sum probability)の最小値(P(N))であり、これが、2つのヌクレオチドもしくはアミノ酸配列間の一致が偶然起こる確率の判定の指標となる。例えば、テストアミノ酸配列とプロテアーゼのような蛋白質のアミノ酸配列との比較における合計確率の最小値が約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合、アミノ酸配列は、プロテアーゼのような蛋白質と同様と考えられる。
一部の実施態様として、「同等の残基」は、前駆体蛋白質の、X線結晶学的に決定した三次構造のレベルで相同性を測定することにより明らかにされる。同等の残基は、当該プロテアーゼおよびバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンのような前駆体蛋白質の特定のアミノ酸残基の2個以上の主鎖原子の原子座標(N対N、CA対CA、C対CおよびO対O)が位置合わせ後に0.13nm、好ましくは0.1nm以内であるものと定義される。位置合わせは、当該プロテアーゼのような蛋白質のバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンに対する非水素蛋白質原子の原子座標について最大の重複を生じるように最良のモデルが配向、配置された後に、達成される。この最良のモデルは、利用できる最高の解像度において回折実験データの最低のRファクターが得られる結晶学的なモデルである。
バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの特定の残基と機能的に同等である同等な残基とは、この前駆体プロテアーゼのアミノ酸であって、これらのアミノ酸が、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの特定の残基に限定されこれに起因する仕方で、蛋白構造、基質結合もしくは触媒作用を変化させ、修飾し、または導くような高次構造をとることができる、前駆体プロテアーゼのアミノ酸と定義される。さらに、これらは、所与の残基の主鎖原子は相同の位置を占めることに基づく同等の基準を満たさないこともあるが、この残基の少なくとも2個の側鎖原子の原子座標がバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの対応する側鎖原子の0.13nmにあるという範囲の位置を占める前駆体蛋白質、例えば、(X線結晶学的に三次構造が得られている)プロテアーゼの残基である。バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの三次元構造の座標は、EPO公開第0251446号(引用により本明細書に組み込まれている米国特許第5,182,204号に対応)に記載されており、前述のようにして、三次構造のレベルで同等の残基を決定するのに用いることができる。
また、本発明は、前駆体アミノ酸配列(例えば、「野性型」もしくは「未改変」蛋白質)と比較してアミノ酸配列の変化を有する蛋白質(例えば、プロテアーゼ)誘導体および/またはそのペプチド断片を包含する。好ましい実施態様として、この誘導体蛋白質は、その前駆体蛋白質の特徴的な性質を保持しているが、ある特定の側面でさらに特性が変化している。例えば、一部の実施態様として、プロテアーゼ誘導体は、pH最適条件が拡大し、温度および/または酸化安定性が増大するが、基質に対する特徴的な活性は保持している。同様に、本発明によるその他の誘導体は、カルシウム結合能を大きく低下または増大させるようにカルシウム結合ドメインを付加、除去あるいは修飾したものを含む。同様に、触媒的蛋白分解性ドメインを、プロテアーゼと共に作用するように、付加、除去あるいは修飾することができる。一部の実施態様として、プロテアーゼ誘導体をコードするDNA断片であって、その発現されたプロテアーゼ誘導体が機能的活性を保持しているDNA断片から誘導体を得ることも意図している。前駆体DNA配列のこのような修飾の好適な方法としては、本明細書に開示した方法、および当業者に知られている方法(例えば、ヨーロッパ特許第0328299号および国際公開第WO89/06279号参照)が挙げられる。一部の実施態様では置換、挿入もしくは削除のために特定した残基の一部は保存残基であるが、その他の実施態様では、そうではない。
好ましい実施態様として、修飾は、前駆体酵素のアミノ酸をコードしている「前駆体DNA配列」に対して行うことが好ましいが、この前駆体蛋白質を操作することによっても行うことができる。前駆体DNA配列の例としては、BPN’、BPN’−Y217L、BPN’−Y217L、N76D、I122A、BPN’−I122Aが挙げられるが、これらに限定されるものではない。保存されていない残基の場合、1種以上のアミノ酸の置換は、天然に存在する配列に相当しないアミノ酸配列を有する変異体を生じる置換に限定される。保存された残基の場合、このような置換は、天然の配列をもたらさないはずである。さらに、本発明により提供される誘導体は、プロテアーゼの特性を変化させる化学的修飾を含む。
一部の好ましい実施態様として、蛋白質遺伝子は、適切な発現プラスミド中に結合させる。次いで、このクローン化した蛋白質遺伝子を用いて宿主細胞を形質転換または形質移入し、蛋白質遺伝子を発現する。上記プラスミドは、これがプラスミド複製に必要なよく知られたエレメントを含有しているという意味で宿主内で複製することができ、あるいは宿主染色体中に組み込まれるように設計することができる。この必要なエレメントは、効率的な遺伝子発現のために備えられている(例えば、目的の遺伝子に作動可能なように結合したプロモータ)。一部の実施態様として、この必要なエレメントは、認識される(即ち、その宿主細胞により転写される)場合上記遺伝子自体の同種プロモータとして、また、外来性か蛋白質遺伝子の内在性転写ターミネータ領域からの転写ターミネータ(真核宿主細胞のポリアデニル化領域)として与えられる。一部の実施態様として、抗生物質含有メジウムで増殖させてプラスミド感染宿主細胞の連続的な培養維持を可能にする抗生物質抵抗性遺伝子のような選択遺伝子も含まれる。
一部の実施態様として、当該遺伝子はB・アミロリケファシエンスからの天然(即ち、未改変)遺伝子である。あるいは、天然または突然変異前駆体蛋白質をコードする合成遺伝子を作製することもできる。このようなアプローチでは、前駆体蛋白質のDNAおよび/またはアミノ酸配列を決定する。次いで、複数の重複する合成一本鎖DNA断片を合成し、これらをハイブリッド形成および結合させると、前駆体蛋白質をコードする合成DNAが得られる。合成遺伝子構築の例は、米国特許第5,204,015号の実施例3に記載されており、この特許の開示内容は引用により本明細書に組み込まれている。
天然または合成前駆体蛋白質遺伝子が一旦クローン化されると、この前駆体蛋白質の合成以外にこの遺伝子の利用を広げるためのいくつかの修飾が行われる。このような修飾としては、米国特許第4,760,025号(再発行特許第34,606号)およびヨーロッパ公開特許第0251446号に記載されているような組み換え蛋白質の作製、ならびに本明細書に開示した蛋白質変異体の作製が挙げられる。
蛋白質変異体の作製は、任意の好適な方法を用いて行うことを意図している。例えば、多種多様な異なる突然変異誘発技法が当業者によく知られている。また、突然変異誘発用キットは、多くの分子生物学用品市販業者から入手可能である。さらに、限定したアミノ酸における特異的置換(部位特異的)、遺伝子の局在部位における特異的もしくはランダム突然変異誘発(領域特異的)、または遺伝子全体にわたるランダム突然変異誘発(飽和突然変異誘発)を行う方法も利用可能である。PCRを用いた一本鎖もしくは二本鎖DNAの部位特異的突然変異誘発、カセット突然変異誘発、遺伝子合成、誤りがちな(error−prone)PCR、および化学的飽和突然変異誘発は全て所望の蛋白質変異体を作製するのに用いることができる技術である。変異体を作製した後、所望の性質(例えば、免疫原性反応の変化もしくは低下、温度もしくはアルカリ安定性の増大)についてこれをスクリーニングすることができる。
本発明の一態様において、その目的は、前駆体蛋白質との比較で潜在的な免疫原性反応の変化を示す変異体蛋白質を獲得することである。本発明は、蛋白質により生じる免疫原性反応を低下させるのに有用であるが、本明細書に記載した突然変異法を当該分野で知られている突然変異法と併用することにより、前駆体との比較で、温度安定性の変化および/または基質特異性の変化、活性の改変、比活性の改善あるいはアルカリ安定性の変化がもたらされる。
さらに、特定の実施態様において、本発明は、開示した特定の菌種から得られるものと同等の、抗体反応性が変化したプロテアーゼを包含する。ここにおいて、「同等」であるとは、当該プロテアーゼが、中等度乃至高度の厳しさの条件下で、図1A乃至Cに示した配列のうちの任意の配列を有するポリヌクレオチドとハイブリッド形成することができるポリヌクレオチドによってコードされ、上述の抗体反応性の変化をなお維持していることを意味している。また、「同等」であるとは、当該プロテアーゼが、本明細書に記載のエピトープ配列およびこのエピトープを有する変異体プロテアーゼ(例えば、図1に開示したアミノ酸配列を有するもの)に対し、少なくとも55%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の同一性を有することを意味する。
特定の好ましい実施態様において、本発明は、バシラス・アミロリケファシエンスにおけるBPN’に対応する、残基位置46−60番目の第1のエピトープ領域、61−75番目の第2のエピトープ領域、86−100番目の第3のエピトープ領域、126−140番目の第4のエピトープ領域、166−180番目の第5のエピトープ領域、206−220番目の第6のエピトープ領域、210−225番目の第7のエピトープ領域、246−260番目の第8のエピトープ領域を含む1以上のB細胞エピトープが抗体反応を改変する能力を変化させることを対象としている。本発明の好ましい実施態様には、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、及び260番目残基に対応する残基において1以上の修飾を行うことが含まれる。本発明の別の実施態様には、位置76及び122の1つ又は両方における修飾に加えて、上記の修飾を行うことが含まれる。さらに別の実施態様には、位置76、79、及び122において更なる修飾が含まれる。さらに、本発明は、残基位置76における突然変異(例えば、置換)を含む実施態様を提供するものであり、更なる実施態様では、当該変異は、位置3、31、40、41、50、76、107、111、122、147、218、206、及び/又は217に相当する位置からなる群から選ばれる1個所以上の置換とも組み合わされる。
本発明の更なる実施態様は、位置79−122−217、76−122−217、及び76−79−122−217に対応する置換残基の特定の更なる組合せを提供する。更なる実施態様において、これらの置換残基は、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの3、76、31、40、41、111、147、218、206、及び/又は217に対応する位置よりなる群から選択される1以上の置換と組合せて存在する。このような突然変異は、本発明の変異体プロテアーゼの潜在的アレルゲン性を変化(減少又は増大)させるため、更には、この酵素の全般的な安定性および/または蛋白質分解活性を調節するために用いられる。
より詳細には、特に好ましい実施態様における特定の置換には、N76D、I79T、I79A、I122A、及びそれらの同類置換が含まれる。本発明の別の実施態様は、位置I79A−I122A−Y217L、N76D−I122A−Y217L、及びN76D−I79A−I122A−Y217Lに対応する置換残基の特定の組合せを提供する。更なる実施態様において、これらの置換残基は、S3T;N76D;I31L;P40Q;D41A;I111V;V147P,I;N218S;Q206L;及び/又はL217Mの1以上の置換と組合せて存在する。
本発明の最も好ましい実施態様には、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの位置N76D−I122A−Y216Lに対応する置換残基の特定の組合せが含まれる。好ましくは、これらの置換は、バシラス・アミロリケファシエンス(組換え型又は未改変型)ズブチリシンにおいて行われるが、本明細書に記載の反応性変化を示す任意のバシラスプロテアーゼにおいて行うことができる。
前記変異体プロテアーゼで得られたスクリーニング結果に基づき、上記に列挙したバシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンにおける突然変異は、これら酵素の蛋白質分解作用、性能および/または安定性、ならびにこのような変異体酵素の清浄もしくは洗浄性能およびその他の用途に重要であると考えられる。
上述の点突然変異の他に、2種の相同性蛋白質を融合してもB細胞エピトープを除去することができる。以下に例示するように、B細胞エピトープが存在する部分の領域は、B細胞エピトープを持たない相同性蛋白質の同じ領域で置換することができる。一実施態様として、B・レンツスのプロテアーゼとそのB・アミロリケファシエンス相同体を用いて融合蛋白質を作製すると、得られる蛋白質は親のB・レンツス・プロテアーゼに存在するB細胞エピトープを有しない。所望の活性が維持される限り、エピトープのみから蛋白質の大部分に至るまでどんな長さの配列も親蛋白質に融合することができる。しかしながら、元のレベルの活性が維持される必要はない。得られる蛋白質のアレルゲン性が低いので、親蛋白質よりハイブリッド蛋白質を多く用いることにより同じ活性レベルを得ることが可能な場合があるからである。
変異体プロテアーゼの活性は、プロテアーゼと市販の種々の基質との相互作用を調べることによって、測定し、対象プロテアーゼとの比較を行うことができる。このような基質としては、カゼイン、ケラチン、エラスチンおよびコラーゲンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。実際には、プロテアーゼ活性は、当該分野で知られているどんな適切な方法によっても測定することができる。プロテアーゼ活性を測定するための例示的なアッセイ法としては、サクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−パラ−ニトロアニリド(SAAPFpNA)(引用)アッセイ、および2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(TNBS)アッセイが挙げられるが、これらに限定されるものではない。SAAPFpNAアッセイでは、プロテアーゼによりペプチド、パラ−ニトロアニリン間の結合が開裂され、405nmで吸収を示す目に見える黄色が生じる。TNBS呈色反応法では、このアッセイにより、基質のアミノ基含有ポリペプチドへの酵素的加水分解を測定する。このアミノ基は、TNBSと反応して黄色の複合体を形成する。従って、反応による色が濃くなればなるほど、測定される活性は高い。この黄色は、当該分野で知られている種々のアナライザーもしくはスペクトロメータにより測定することができる。
変異体蛋白質の他の特性も当業者に知られている方法によって測定することができる。例示的な特性としては、熱安定性、アルカリ安定性、および種々の基質もしくは緩衝溶液またはプロダクト組成物における特定プロテアーゼの安定性が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に開示した酵素安定性アッセイ法と組み合わせると、酵素活性を維持しながらアルカリまたは温度安定性の増加あるいは低減を示した、ランダム突然変異により得られる突然変異体を同定することができる。
アルカリ安定性は、既知の方法あるいは本明細書に記載した方法により測定することができる。アルカリ安定性の実質的な変化は、前駆体カルボニルヒドロラーゼと比較した場合の突然変異体酵素活性の半減期が、少なくとも約5%以上増大または減少(多くの実施態様では増大であることが好ましい)することによって証明される。ズブチリシンの場合、アルカリ安定性は、変化するpHにおけるズブチリシン酵素活性の関数として求めることができる。
温度安定性も、既知の方法あるいは本明細書に記載した方法により測定することができる。温度安定性の実質的な変化は、前駆体カルボニルヒドロラーゼと比較して、比較的高温および中性pHにさらした場合の突然変異体の触媒作用の半減期が、少なくとも約5%以上増大または減少(多くの実施態様では増大であることが好ましい)することによって証明される。ズブチリシンの場合、温度安定性は、温度の上昇およびpHの変化によるズブチリシンの自己蛋白分解性劣化により測定する。
本発明の蛋白質変異体の多くは、種々の界面活性剤組成物を作るのに役立つ。いくつかの既知の化合物は、本発明の蛋白質突然変異体を含む組成物に有用な好適な界面活性剤である。このようなものとして、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、陰イオンまたは両性イオン性界面活性剤が挙げられる(例えば、米国特許第4,404,128号および米国特許第4,261,868号参照)。好適な界面活性剤組成物には米国特許第5,204,015号の実施例7(引用により本明細書に組み込み済み)に開示されたものがある。清浄用組成物として用いられるこれらの種々の組成物については当業者によく知られている。通常の清浄用組成物の他に、本発明の蛋白質変異体が、未改変または野性型蛋白質が使用されるどの用途にも用いられることは、容易に理解されよう。従って、この変異体は、例えば、固形もしくは液体石鹸用途、食器洗い用組成物、表面清浄用途、コンタクトレンズ清浄溶液もしくは製品、ペプチド加水分解、廃棄物処理、繊維製品用途において、また、蛋白質産生の融合−開裂酵素などとして用いることができる。実際には、本発明の変異体は、どの特定の用途にも限定されるものではない。例えば、本発明の変異体は、アレルゲン性の低減の他に、(その前駆体と比べ)洗剤組成物の性能向上を示すこともできる。本明細書に用いられている、洗剤における性能の向上とは、標準的な洗濯サイクルの後の日常的な評価によって明らかにされるように、酵素の作用を受けやすい汚れ(例えば、草や血液)の洗浄を向上させること定義される。
本発明の蛋白質、特にプロテアーゼは、約0.01乃至約5重量%(好ましくは0.1重量%乃至0.5重量%)の濃度でpH6.5乃至12.0を有する既知の粉末状および液状洗剤中に配合することができる。一部の実施態様として、さらに、こうした洗剤清浄用組成物は、ビルダーおよび安定化剤ばかりでなく、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、エンドグルコシダーゼなどの他の酵素を含む。
従来の清浄用組成物に本発明の蛋白質、特にプロテアーゼを添加しても用途になんら特別な制約を生じない。言い換えれば、洗剤に都合のよいどんな温度およびpHも、そのpHが上記の範囲内であり、その温度がこの開示した蛋白質の改変温度より低い限りは、本発明の組成物にも都合がよい。さらに、本発明の蛋白質は、洗剤を用いない清浄用組成物において、再び単独あるいはビルダーおよび安定化剤の共に用いることができる。
一実施態様として、本発明は、本発明の変異体蛋白質を含む、繊維製品処理用の組成物を提供する。この組成物は、例えば、絹もしくは羊毛を処理するのに用いることができる(例えば、RD216,034、ヨーロッパ特許第134,267号、米国特許第4,533,359号、ヨーロッパ特許第344,259号参照)。この変異体は、当該分野でよく知られている方法により蛋白質分解活性をスクリーニングすることができる。好ましいプロテアーゼ変異体は、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの76、79および/または122番目残基に対応する位置に複数の置換を含む。
本発明の蛋白質は、前駆体DNAによりコードされた未改変蛋白質と比較して免疫原性反応(例えば、抗原性及び/又は免疫原生)が改良されている。一部の実施態様として、この蛋白質(例えば、プロテアーゼ)は、アレルゲン性の低下を示す。本発明のプロテアーゼの用途が主にこの蛋白質の免疫学的性質に基づいて決定されることは、当業者によって容易に理解されよう。例えば、免疫原性反応の低下を示すプロテアーゼは、清浄用組成物に用いることができる。蛋白質性の汚れの除去を必要としている種々の表面を清浄するのに有用な組成物に、本明細書に開示した、有効量の一種以上のプロテアーゼ変異体が用いられる。このような清浄用組成物としては、硬質表面清浄用洗剤組成物、繊維製品清浄用洗剤組成物、食器洗い用組成物、口腔内清浄用組成物および入れ歯清浄用組成物が挙げられる。
本明細書に開示した、有効量の一種以上のプロテアーゼ変異体は、爪および毛髪などのケラチン物質に塗布される組成物にも含有させることができる。このような組成物としては、ヘアスプレー組成物、ヘアシャンプーおよび/またはコンディショニング組成物、発毛調節のために塗布される組成物、脂漏症、皮膚炎および/またはふけ治療のために毛髪および頭皮に塗布される組成物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書に開示した、有効量の一種以上のプロテアーゼ変異体は、皮膚もしくは毛髪への局所塗布に適した組成物に用いられる。この組成物は、クリーム、ローション、ジェルなどの形態をとることができ、水性組成物として形成することができ、あるいは水性連続相中に1つ以上の油相を有するエマルジョンとして形成することができる。
スキンケア・アクティブ
一実施態様として、本発明により提供される組成物は、約0.1重量%乃至約20重量%、好ましくは約1重量%乃至約10重量%、より好ましくは約2重量%乃至約8重量%のレベルでスキンケア・アクティブを含む。本明細書の用途に好適なスキンケア・アクティブの限定されない例としては、ビタミンB成分、パンテノール、ビタミンE、酢酸ビタミンE、レチノール、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、レチノイン酸、ビタミンC、テオブロミン、α−ヒドロキシ酸、ファルネソール、フィタントリオール、サリチル酸、パルミチルペプタペプチド−3、およびこれらの混合物が挙げられる。
B3化合物
本発明に用いている「ビタミンB化合物」とは、式:

Figure 2005514026

を有する化合物、およびその誘導体、ならびにこれらのうちの任意の化合物の塩を意味する。但し、Rは−CONH(即ち、ナイアシンアミド)、−COOH(即ち、ニコチン酸)または−CHOH(即ち、ニコチニルアルコール)である。上記ビタミンB化合物の誘導体の例としては、ニコチン酸の非血管拡張性エステル、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N−オキシドおよびナイアシンアミドN−オキシドが挙げられる。
ニコチン酸の好適なエステルとしては、C−C22、好ましくはC−C16、より好ましくはC−Cアルコールのニコチン酸エステルが挙げられる。この場合のアルコールは、直鎖状または分枝鎖状、環式または非環式、飽和型または不飽和型(芳香族を含む)、および置換型または非置換型であることが好適である。エステルは、好ましくは非血管拡張性のものである。本明細書に用いている「非血管拡張性」とは、このエステルが、対象組成物として皮膚に塗布された後、一般には目に見える紅班反応を生じない(即ち、一般集団の大部分では、このような化合物は、肉眼では見えない血管拡張を生じる可能性はあるが、目に見える紅班反応まではまず生じない)ことを意味する。ニコチン酸の非血管拡張性エステルとしては、ニコチン酸トコフェロールおよびヘキサニコチン酸イノシトールが挙げられるが、ニコチン酸トコフェロールが好ましい。ビタミンB化合物についてのさらに完全な説明は、国際公開第WO98/22085号に記載されている。好ましいビタミンB化合物は、ナイアシンアミドおよびニコチン酸トコフェロールである。
レチノイド類
別の好適なスキンケア・アクティブはレチノイドである。本明細書に用いている「レチノイド」は、ビタミンAもしくは皮膚においてビタミンAの生物活性を有するレチノール様化合物の天然および/または合成アナログの全て、ならびにこれらの化合物の幾何異性体および立体異性体を含む。レチノイドを本明細書の組成物に含ませる場合、この組成物は、通常、レチノイドを0.005%もしくは約0.005%乃至2%もしくは約2%、より好ましくは0.01%乃至約2%含む。レチノールは、0.01%もしくは約0.01%乃至0.15%もしくは約0.15%の量で用いることが望ましく、レチノールエステルは、約0.01%乃至約2%(例えば、約1%)の量で用いることが望ましい。
このレチノイドは、好ましくは、レチノール、レチノールエステル(例えば、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニルなどのレチノールのC−C22アルキルエステル)、レチナール、および/またはレチノイン酸(オールトランスレチノイン酸および/または13−シス−レチノイン酸を含む)、より好ましくはレチノイン酸以外のレチノイドである。これらの化合物は、当該分野でよく知られており、いくつかの供給元から市販されている(例えば、シグマ・ケミカル・カンパニー(Sigma Chemical Company)(セントルイス(ST. Louis)、MO)、およびベーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)(インディアナポリス(Indianapolis)、IN))。好ましいレチノイド類としては、レチノール、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル、レチナール、レチノイン酸およびこれらの組合せが挙げられる。より好ましいチノイド類としては、レチノール、レチノイックプロピオネート、レチノイン酸およびパルミチン酸レチニルが挙げられる。このレチノイドは、実質的に純粋な物質として、もしくは天然(例えば、植物)源からの適切な物理的および/または化学的単離により得られる抽出物として、含ませることができる。
担体
さらに、本発明の組成物は、必須の物質および必要に応じて他の物質が加えられてこれらが適切な濃度で皮膚もしくは毛髪に送達されることを可能にする、皮膚および/または毛髪への局所塗布に適した、皮膚用として許容可能な有効かつ安全量の担体中に用いられる。従って、この担体を必須成分の希釈剤、分散剤、溶剤などとして機能させることにより、必須成分を適当な濃度で選ばれた標的にむらなく確実に塗布することができる。
本発明において利用される担体のタイプは、組成物に要求される製品形態のタイプによって決まる。本発明は特定形態の担体に限定されるものではないが、最も一般的にはこの担体は固形、半固形もしくは液状である。好適な担体は、クリーム、ローション、ジェル、スティック、軟膏、パスタおよびムースのような液状または半固形のものである。担体は、好ましくはローション、クリームまたはジェルの形をとり、より好ましくは、粒子が沈殿しないように十分な濃度もしくは降伏点を有するものである。担体自体は不活性であってもよく、あるいはそれ自体で皮膚科学的な利点を持っていてもよい。この担体は、皮膚および/または毛髪に直接塗布することができ、あるいは、織られた、もしくは不織のワイプまたは布を介して塗布することもできる。また、これはパッチ、マスク、またはラップの形をとることもできる。また、これは、エアロゾルあるいはスプレーにして皮膚および/または毛髪に塗布することもできる。また、この担体は、本明細書に記載した必須成分と物理的および化学的に適合したものでなければならないし、本発明の組成物に伴う安定性、有効性その他の使用上の利点を過度に損なってはならない。
担体は、皮膚用として許容可能な親水性の希釈剤を含むことが好ましい。好適な親水性希釈剤には、水、C−C一価アルコールならびに低分子量グリコールおよびポリオールなどの有機親水性希釈剤があり、この有機希釈剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、MW200乃至600のもの)、ポリプロピレングリコール(例えば、MW425乃至2025のもの)、グリセロール、ブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトールエステル、1,2,6−ヘキサメトリオール、エタノール、イソプロパノール、ソルビトールエステル、エトキシル化エーテル、プロポキシ化エーテルおよびこれらの組合せが挙げられる。希釈剤は液体であることが好ましい。水は、好ましい希釈剤である。組成物は、上記希釈剤を少なくとも20%含むことが好ましい。
また、好適な担体は、親水相、特に水相、および疎水相(例えば、脂質、油その他の油状物質)を有するエマルジョンを含むことができる。当業者にはよく知られているように、親水相を疎水相に、またはその逆に分散すると、組成物の成分に応じてそれぞれ親水性または疎水性分散および連続相が形成される。エマルジョン技法では、よく知られている「分散相」という用語は、この相が、連続相に懸濁されこれに取り囲まれている小粒子もしくは小滴として存在することを意味する。また、この分散相は、内相または不連続相とも呼ばれる。エマルジョンは、(例えば、三相その他の多相エマルジョンの形の)水中油エマルジョン、あるいはシリコーン中水エマルジョンなどの油中水エマルジョンであるか、これを含むことができる。水中油エマルジョンは、通常、分散疎水相を約1%乃至約60%(好ましくは約1%乃至約30%)、連続親水相を約1%乃至約99%(好ましくは約40%乃至約90%)含み、油中水エマルジョンは、通常、分散親水相を約1%乃至約98%(好ましくは約40%乃至約90%)、連続疎水相を約1%乃至約50%(好ましくは約1%乃至約30%)を含む。
保湿剤
一部の実施態様として、本発明の組成物は、好ましくは約0.01%乃至約20%、より好ましくは約0.1%乃至約15%、特に約0.5%乃至約10%の濃度で存在する保湿剤を含む。好適な保湿剤としては、多価アルコール、尿素、DもしくはDLパンテノール、パントテン酸カルシウム、ローヤルゼリー、パンテチン、パントテイン、パンテニルエチルエーテル、パンガム酸、ピリドキシン、パントイルラクトースビタミンB複合体、ヘキサン−1,2,6−トリオール、グアニジンもしくはその誘導体、およびこれらの混合物から選ばれる化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いる好適な多価アルコールには、ポリアルキレングリコール、およびより好ましくはアルキレンポリオールとその誘導体があり、これらのものとしては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールとこれらの誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、エリスリトール、スレイトール、ペンタエリスリトール、キシリトール、グルシトール、マンニトール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール(例えば、1,3−ブチレングリコール)、ヘキサントリオール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール)、トリメチロイルプロパン、ネオペンチルグリコール、グリセリン、エトキシル化グリセリン、プロパン−1,3−ジオール、プロポキシ化グリセリン、およびこれらの混合物が挙げられる。上記多価アルコールのうちのどのアルコキシ化誘導体も本明細書における使用に好適である。本発明の好ましい多価アルコールは、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキサントリオール、エトキシル化グリセリンおよびプロポキシ化グリセリン、およびこれらの混合物から選ばれる。
本明細書において有用な好適保湿剤は、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム(NaPCA)、グアニジン;グリコール酸およびグリコール酸塩(例えば、アンモニウムおよび四級アルキルアンモニウム);乳酸および乳酸塩(例えば、アンモニウムおよび四級アルキルアンモニウム);種々の形態のうちの任意のアロエ(例えば、アロエジエル);ヒアルロン酸とその誘導体(例えば、ヒアルロン酸ナトリウムなどの塩誘導体);モノエタノールアミンラクトアミド;モノエタノールアミンアセトアミド;尿素;パンテノールとその誘導体;およびこれらの混合物である。
保湿剤の少なくとも一部(組成物の約5重量%まで)は、粒子状疎水性架橋型アクリレートもしくはメタクリレートコポリマーとの混合物の形で加えることができる。このコポリマーは、それ自体、好ましくは約0.1%乃至約10%の量で存在し、水性または分散相に加えることができるものである。このコポリマーは、有効な加湿の利点を与えるのに役立つと共に光沢を低下させ油を制御するのに特に有用であり、本明細書に引用により組み込まれている国際公開第WO96/03964号にさらに詳細に記載されている。
皮膚軟化剤
一部の実施態様として、本発明の水中油エマルジョンの具体例は、皮膚用として許容可能な皮膚軟化剤を約1%乃至約20%、好ましくは約1.5%乃至約15%、より好ましくは約0.1%乃至約8%、さらにより好ましくは約0.5%乃至約5%含む。皮膚軟化剤は、皮膚を潤し、滑らかさと柔軟性を増し、乾燥を防止もしくは軽減し、および/または皮膚を保護する傾向がある。皮膚軟化剤は、通常、水に非混和性で油状もしくはろう状の物質であり、高分子量の皮膚軟化剤は、局所用組成物に粘着性の性質を与える。多種多様の好適な皮膚軟化剤が知られており、これらは本発明において用いることができる。例えば、サガリン(Sagarin)、コスメティック・サイエンス・アンド・テクノロジー(Cosmetics, Science and Technology)第2版、第1巻、p32−43(1972年)、には皮膚軟化剤としての使用に適した物質の多数の例が挙げられている。さらに、出願中の国際公開WO00/24372号に開示された皮膚軟化剤は全て、本発明における使用に適するものと考えられるが、好ましい例の詳細を以下の通り記載した:
i)ドデカン、スクワレン、コレステロール、水素化ポリイソブチレン、イソヘキサデカン、イソエイコサン、イソオクタヘキサコンタン、イソヘキサペンタコンタヘクタン、およびC−C40分枝状炭化水素であるC−C40イソパラフィンなどの、炭素数約7乃至40の直鎖または分枝鎖炭化水素。本発明に用いられる好適な分枝鎖炭化水素は、イソペンタコンタオクタン、ペトロラタム、およびこれらの混合物から選ばれる。パーメチル(Permethyl)(登録商標)の商標名でプレスパース社(Presperse Inc.)、サウスプレーンフィールド(South Plainfield)、N.J.、から市販されている分枝鎖脂肪族炭化水素は、本発明における使用に好適である。
ii)C−C30カルボン酸、C12乃至C15アルキル安息香酸およびC−C30ジカルボン酸のC−C30アルコールエステル、例えば、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソステアリル、オクタン酸イソデシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸トリデシル、オクタン酸ミリスチル、ペラルゴン酸オクチル、イソノナン酸オクチル、ミリスチン酸ミリスチル、ネオペンタン酸ミリスチル、オクタン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソプロピル、プロピオン酸ミリスチル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸メチル、ベヘン酸ベヘニル、マレイン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、およびジリノール酸ジイソプロピル、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
iii)糖およびその関連物質のC−C30モノ−およびポリ−エステル。これらのエステルは、糖もしくはポリオール部分および1つ以上のカルボン酸部分から誘導される。構成酸および糖に応じて、これらのエステルは、室温で液体または固体の形態をとることができる。例として、テトラオレイン酸グルコース、オレイン酸のガラクトーステトラエステル、テトラオレイン酸ソルビトール、テトラオレイン酸スクロース、ペンタオレイン酸スクロース、ヘキサオレイン酸スクロース、ヘプタオレイン酸スクロース、オクタオレイン酸スクロース、カルボン酸エステル部分が1:2のモル比でパルミトレイン酸エステルおよびアラキジン酸エステルであるソルビトールヘキサエステル、ならびにエステル化カルボン酸部分が1:3:4のモル比でラウリン酸、リノール酸およびベヘン酸であるスクロースのオクタエステルが挙げられる。その他の物質としては、スクロースの綿実油もしくは大豆油脂肪酸エステルが挙げられる。このような物質のその他の例については、引用により本明細書に組み込まれている国際公開第WO96/16636号に記載されている。特に好ましい物質は、INCI名ポリ綿実脂肪酸スクロースとして知られている。
iv)植物油および水素化植物油。植物油および水素化植物油の例としては、ベニバナ油、ココナッツ油、綿実油、メンハーデン油、パーム核油、パーム油、ピーナッツ油、大豆油、菜種油、アマニ油、糠油、松根油、ゴマ油、ひまわり油、これらの部分的および完全水素化油、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
v)可溶性もしくはコロイド状可溶性保湿剤。例としては、ヒアルロン酸、ならびにセラネーゼ・スーパーアブソーバント・マテリアルズ(Celanese Superabsorbent Materials)社、ポートスミス(Portsmith)、VAから市販されており、米国特許第4,076,663号に開示されているサンウェット(Sanwet)(登録商標)IM−1000、IM−1500およびIM−2500等の澱粉グラフトポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。
本発明に用いる好ましい皮膚軟化剤は、イソヘキサデカン、イソオクタコンタン、ペトロラタム、イソノナン酸イソノニル、オクタン酸イソデシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸トリデシル、オクタン酸ミリスチル、イソノナン酸オクチル、ミリスチン酸ミリスチル、イソステアリン酸メチル、イソステアリン酸イソプロピル、C12乃至C15アルキル安息香酸、およびこれらの混合物である。本発明に用いる特に好ましい皮膚軟化剤は、イソヘキサデカン、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸メチル、イソステアリン酸イソプロピル、ペトロラタム、またはこれらの混合物である。
乳化剤/界面活性剤
一部の実施態様として、本発明の組成物は、一般に分散を促進し、連続水性相内に分散相を浮遊させる乳化剤および/または界面活性剤を含む。また、界面活性剤は、これが皮膚清浄用である場合、有用なものとなることができる。以後便宜のため、乳化剤を「界面活性剤」という用語の中に含める。従って、「界面活性剤」とは、乳化剤として用いられようと、皮膚清浄などの他の界面活性剤目的で用いられようと、表面活性剤のことを意味する。既知もしくは従来の界面活性剤も、組成物の必須成分と化学的、物理的に適合し、所望の特性をもたらすという条件で、本発明の組成物において用いることができる。好適な界面活性剤としては、非シリコーン由来の物質とその混合物が挙げられる。出願中の国際公開第WO00/24372号に記載されている界面活性剤は全て、本発明における使用に適したものと考えられる。
一部の実施態様として、本発明の組成物は、界面活性剤の単体または混合物を約0.05%乃至約15%含む。厳密には、選ばれる界面活性剤または界面活性剤混合物は、組成物および存在する他の成分のpHによって決まるであろう。
本発明に有用な非イオン性界面活性剤の中には、長鎖アルコール(例えば、C8−30アルコール)と糖もしくは澱粉ポリマー(即ち、配糖体)との縮合生成物と広く定義できるものがある。これらの物質は、一般式RCO(X)OHを有する。但し、RはC10−30アルキル基、Xは−OCHCH−(即ち、エチレングリコールもしくはエチレンオキサイドから得られる)または−OCHCHCH−(即ち、プロビレングリコールもしくはプロピレンオキサイドから得られる)、およびnは約6乃至約200の整数である。その他の非イオン性界面活性剤は、アルキレンオキサイドと2モルの脂肪酸との縮合生成物(即ち、脂肪酸のアルキレンオキサイドエステル)である。これらの物質は、一般式RCO(X)OORを有する。但し、RはC10−30アルキル基、Xは−OCHCH−(即ち、エチレングリコールもしくはエチレンオキサイドから得られる)または−OCHCHCH−(即ち、プロビレングリコールもしくはプロピレンオキサイドから得られる)、およびnは約6乃至約100の整数である。本発明において使用される乳化剤は、最も好ましくは、ソルビタン脂肪酸エステルとスクロース脂肪酸エステルの混合物をベースとする脂肪酸エステルのブレンド、特にステアリン酸ソルビトンとヤシ脂肪酸スクロースのブレンドである。これは、アーラトン(Arlatone)2121の商標名でICIから市販されている。さらに好適な例としては、セテアリールアルコール類の混合物、セピック(Seppic)からモンタノフ(Montanov)68の商標名で市販されているものおよびヘンケル(Henkel)から市販されているエマルゲイド(Emulgade)PL68/50のようなセテアリールグリコシドが挙げられる。
あるいは、またはさらに、一部の実施態様として、本発明に有用な親水性界面活性剤は、当該分野で知られているような多種多様な陽イオン性、陰イオン性、両性イオン性および両性界面活性剤(例えば、米国特許第5,011,681号、米国特許第4,421,769号および米国特許第3,755,560号参照)の全てを含む。また、多種多様な陰イオン性界面活性剤が、本発明の組成物に用いられる(例えば、米国特許第3,929,678号参照)。陰イオン性界面活性剤の例としては、イセチオン酸アルコイル(例えば、C12−C30)、硫酸アルキルおよびアルキルエーテルとその塩、リン酸アルキルおよびアルキルエーテルとその塩、アルキルメチルタウレート(例えば、C12−C30)、および脂肪酸の石鹸(例えば、ナトリウムもしくはカリウム塩などのアルカリ金属塩)が挙げられる。
また、両性および両性イオン性界面活性剤も本発明の組成物に用いられる。本発明の組成物に用いることができる両性および両性イオン性界面活性剤の例には、脂肪族二級および三級アミンの誘導体であって、脂肪族基が直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、この脂肪族置換基の1つが約8個乃至約22個の炭素原子(好ましくはC−C18)を含み、かつ1つが陰イオン性水可溶性基(例えば、カルボキシ、スルホン酸、硫酸、リン酸、もしくはホスホン酸)を含む誘導体として大雑把に記載されているものがある。例としては、アルキルイミノアセテート、イミノジアルカノエートおよびアミノアルカノエート、イミダゾリニウムおよびアンモニウム誘導体が挙げられる。その他の好適な両性および両性イオン性界面活性剤としては、ベタイン、スルテイン、ヒドロキシスルテイン、分枝および非分枝アルカノイルサルコシネート、およびこれらの混合物が挙げられる。
一部の実施態様として、本発明のエマルジョンは、さらにシリコーン含有乳化剤もしくは界面活性剤を含む。本発明では多種多様なシリコーン乳化剤が用いられる。通常、これらのシリコーン乳化剤は、当業者にシリコーン界面活性剤としても知られている、有機的に修飾されたオルガノポリシロキサンである。有用なシリコーン乳化剤としては、ジメチコンコポリオール類が挙げられる。これらの物質は、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、これらの鎖の組合せ、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドの両者から得られる部分を含有するポリエーテル鎖のようなポリエーテル側鎖を含むよう修飾されたポリジメチルシロキサンである。その他の例としては、アルキル修飾ジメチコンコポリオール(即ち、C−C30ペンダント側鎖を含む化合物)が挙げられる。さらに別の有用なジメチコンコポリオールとしては、種々の陽イオン性、陰イオン性、両性、および両イオン性ペンダント部分を含む物質が挙げられる。
高分子増粘剤
一部の実施態様として、本発明の組成物は、少なくとも1種の高分子増粘剤を含む。本発明に有用な高分子増粘剤は、好ましくは20,000超、より好ましくは50,000超、特に100,000超の数平均分子量を有する。一部の実施態様として、本発明の組成物は、高分子増粘剤の構成物を約0.01%乃至約10%、好ましくは約0.1%乃至約8%、最も好ましくは約0.5%乃至約5%、またはこれらの組合せを含む。
本発明に用いる好ましい高分子増粘剤としては、非イオン性増粘剤および陰イオン性増粘剤、またはこれらの混合物が挙げられる。好適な非イオン性増粘剤としては、ポリアクリルアミドポリマー、架橋ポリ(N−ビニルピロリドン)、多糖、天然もしくは合成ガム、ポリビニルピロリドン、およびポリビニルアルコールが挙げられる。好適な陰イオン性増粘剤としては、アクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、およびアルキルビニルエーテルと無水マレイン酸の架橋コポリマーが挙げられる。本発明で使用する特に好ましい増粘剤は、セピック社(Seppic Corporation)からセピゲル(Sepigel)305の商標名で市販されている、ポリアクリルアミドなどの非イオン性ポリアクリルアミドポリマー、イソパラフィンおよびラウレス−7、ならびにカルボポル(CARBOPOL)(登録商標)の商標名でビー・エフ・グッドリッチ社から市販されているアクリル酸/エチルアクリレートコポリマーおよびカルボキシビニルポリマー、あるいはこれらの混合物が挙げられる。一部の実施態様として、好適なカルボポル(CARBOPOL)(登録商標)樹脂は、疎水性に修飾されている。その他の好適な樹脂類は、国際公開第WO98/22085号に記載されている。また、これらの樹脂の混合物も本発明に使用できると考えられる。
シリコーン油
一部の実施態様として、本発明の組成物は、少なくとも1つのシリコーン油相を含む。概して、シリコーン油相は、組成物の約0.1%乃至約20%、好ましくは約0.5%乃至約10%、より好ましくは約0.5%乃至約5%を構成する。シリコーン油相は、1種以上のシリコーン成分を含むことが好ましい。
一部の実施態様として、シリコーン成分は、直鎖、分枝および環式シリコーンなどの流体である。本発明に有用な好適なシリコーン流体としては、ポリアルキルシロキサン流体、ポリアリールシロキサン流体、環式および直鎖ポリアルキルシロキサン、ポリアルコキシ化シリコーン、アミノおよび四級アンモニウム修飾シリコーン、ポリアルキルアリールシロキサンあるいはポリエーテルシロキサンコポリマー、およびこれらの混合物が挙げられる。これらのシリコーン流体は揮発性または不揮発性である。概して、シリコーン流体の重量平均分子量は、約200,000未満である。好適なシリコーン流体の分子量は、約100,000以下、好ましくは約50,000以下、最も好ましくは約10.000以下である。シリコーン流体は、重量平均分子量が約100乃至約50,000、好ましくは約200乃至約40,000であるシリコーン流体から選ばれるのが望ましい。通常、シリコーン流体の粘度は、25℃で約0.65乃至約600,000mm.s−1、好ましくは約0.65乃至約10,000mm.s−1である。粘度の測定は、ダウ・コーニング・コーポレート・テスト・メソッド(Dow Corning Corporate Test Method)CTM0004の説明にあるようなガラス毛管粘度計によって測定することができる。本発明で用いられる好適なポリジメチルシロキサンとしては、ジェネラル・エレクトリック社(General Electric Company)からSFおよびビスカジル(Viscasil)(登録商標)シリーズとして、また、ダウ・コーニング社(Dow Corning)からダウ・コーニング(Dow Corning)200シリーズとして入手可能なものが挙げられる。25℃で約0.65乃至30,000mm.s−1の粘度を有する、実質的に不揮発性のポリアルキルアリールシロキサン(例えば、ポリメチルフェニルシロキサン)も有用である。このシロキサンは、例えば、ジェネラル・エレクトリック社(General Electric Company)からSF1075メチルフェニル流体として、あるいはダウ・コーニング社(Dow Corning)から556コスメィック・グレード・フルーイド(CosmeticGrade Fluid)として入手可能である。本発明における使用に好適なポリジメチルシロキサンは、約3個乃至約7個の(CHSiO部分を含む環構造を有するものである。
また、シリコーンガムも本発明に対して用いられる。本明細書の「シリコーンガム」という用語は、重量平均分子量が約200,000超、好ましくは約200,000乃至約4,000,000である高分子量シリコーンのことを意味する。本発明は、不揮発性ポリアルキルおよびポリアリールシロキサンガムを包含する。好ましい実施態様として、シリコーン油相は、シリコーンガムまたはシリコーンガムを含むシリコーンの混合物を含有する。通常、シリコーンガムの粘度は、25℃で約1,000,000mm.s−1超である。シリコーンガムとしては、当該分野で知られているジメチコン(米国特許第4,152,416号参照)、ならびにジェネラル・エレクトリック・シリコーン・ラバー・プロダクト・データ・シーツ(General Electric Silicone Rubber Product Data Sheets)SE30、SE33、SE54およびSE76に記載されているシリコーンガムが挙げられる。シリコーンガムの具体例としては、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニル)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、およびこれらの混合物が挙げられる。本発明における使用する好適なシリコーンガムは、ジメチコノール、ジメチコンコポリオール、ジメチコン、およびこれらの混合物から選ばれる、分子量約200,000乃至約4,000,000のシリコーンガムである。
本明細書のシリコーン相は、シリコーンガムを含み、このガムがシリコーンガム−流体ブレンドの一部として組成物中に取り込まれていることが望ましい。シリコーンガムがシリコーンガム−流体ブレンドの一部として取り込まれる場合、シリコーンガムは、シリコーンガム−流体ブレンドの約5重量%乃至約40重量%、特に約10重量%乃至20重量%を占めることが好ましい。本明細書の好適なシリコーンガム−流体ブレンドは:
(i)ジメチコノール、フルオロシリコーンおよびジメチコンならびにこれらの混合物から選ばれる分子量約200,000乃至約4,000,000のシリコーン;および
(ii)シリコーン流体である担体であって、粘度が約0.65mm.s−1乃至約100mm.s−1である担体
を主成分とする混合物であって、i)のii)に対する比率が約10:90乃至約20:80であり、このシリコーンをベースとする成分の最終粘度が約100mm.s−1乃至約100,000mm.s−1、好ましくは500mm.s−1乃至約10,000mm.s−1である混合物である。
本明細書のシリコーン油相に用いるのに好適な別のシリコーン成分は、架橋ポリオルガノシロキサンポリマーであり、必要に応じて流体担体中に分散させる。概して、架橋ポリオルガノシロキサンポリマーは、その担体(存在する場合)と共に、組成物の0.1%乃至約20%、好ましくは約0.5%乃至約10%、より好ましくは約0.5%乃至約5%を占める。このようなポリマーは、架橋剤により架橋されたポリオルガノシロキサンポリマーを含む。好適な架橋剤としては、国際公開第WO98/22085号に記載されているものが挙げられる。本発明において使用する好適なポリオルガノシロキサンポリマーとしては、メチルビニルジメチコン、メチルビニルジフェニルジメチコン、およびメチルビニルフェニルメチルジフェニルジメチコンが挙げられる。
本明細書のシリコーン油相に用いるのに好適な別のクラスのシリコーン成分としては、少なくとも1つのポリジオルガノシロキサン・セグメントおよび少なくとも1つのポリオキシアルキレン・セグメントを含むポリジオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレンコポリマーが挙げられる。好適なポリジオルガノシロキサン・セグメントおよびそのコポリマーとしては、国際公開第WO98/22085号に記載されているものが挙げられる。好適なポリジオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレンコポリマーは、ワッカー−ケミー社(Wacker−Chemie GmbH)、ミュンヘン(Munich)からベルジル(Belsil)(登録商標)の商標名で、また、ティーエイチ・ゴールドシュミット社(Th. Goldschmidt Ltd.)、英国からアビル(Abil)(登録商標)の商標名で、例えば、ベルジル(Belsil)(登録商標)6031およびアビル(Abil)(登録商標)B88183として市販されている。本発明において使用する特に好適なコポリマー流動体ブレンドとしては、ジメチコン/ジメチコンコポリマーのCTFA名称を有するダウ・コーニング(Dow Corning)DC3225Cが挙げられる。
日焼け止め剤
さらに別の実施態様として、本発明は、有機日焼け止め剤を含む組成物を提供する。一部の実施態様として、好適な日焼け止め剤は、UVA吸収性および/またはUVB吸収性を有する。有機日焼け止め剤有効成分の量は、厳密には、組成物についての所望の日焼け防止指数(即ち、「SPF値」)および所望のUV保護レベルによって異なる。本発明の組成物は、少なくとも10、好ましくは少なくとも15のSPF値を有することが好ましい。SPF値は、紅班を予防する日焼け止め剤の光保護指標として広く用いられている。SPF値は、同一個体において、保護されていない皮膚に最低限の紅班を生じるのに必要な紫外線エネルギーに対する保護されている皮膚に最低限の紅班を生じるのに必要な紫外線エネルギーの比率と定義される(フェデラル・レジスター(Fed. Reg.)43、166号、p38206−38269、1978年8月25日)。通常、日焼け止め剤の使用量は、約2%乃至約20%、より一般的には約4%乃至約14%である。好適な日焼け止め剤としては、ウェニンガー(Wenninger)、マキューエン(McEwen)編、CTFAインターナショナル・コスメティック・イングレディエント・ディクショナリー・アンド・ハンドブック(CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、第7版、第2巻、p1672(ザ・コスメティック・トイレタリー・アンド・フラグランス・アソシエーション社(The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Inc.)、ワシントン(Washington)DC、1997年))に記載されているものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
一部の実施態様として、本発明の組成物は、波長約320nm乃至約400nmの紫外線を吸収するUVA吸収型日焼け止め剤有効成分を含む。好適なUVA吸収型日焼け止め剤有効成分は、ジベンゾイルメタン誘導体、アントラニル酸メチルおよび1−N−アセチルアントラニル酸ホモメチルなどのアントラニル酸誘導体、ならびにこれらの混合物から選ばれる。ジベンゾイルメタン日焼け止め剤有効成分の例は、米国特許第4,387,089号、およびレーベ(Lowe)、シャース(Shaath)編、サンスクリーンズ:ディベロップメント・エバリュエーション・アンド・レギュラトリー・アスペクツ(Sunscreens:Development, Evaluation, and Regulatory Aspects)、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker, Inc)(1990年)に記載されている。UVA吸収型日焼け止め剤有効成分は、単独、または組成物中に含ませることのできる他のUV保護有効成分との組合せで、広域スペクトルのUVA保護を与える量で含ませることが好ましい。
好適な日焼け止め剤成分は、ジベンゾイルメタン日焼け止め剤有効成分およびその誘導体である。これら例として、メチルジベンゾイルメタン、4−メチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、2,5−ジメチルジベンゾイル−メタン、4,4’−ジイソプロピルジベンゾイルメタン、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベン−ゾイルメタン、2−メチル−5−イソプロピル−4’メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、2,4−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイ−メタン、2,6−ジメチル−4’−tert−4’−ブチル−メトキシジベンゾイルメタン、およびこれらの混合物から選ばれるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適なジベンゾイル日焼け止め剤有効成分としては、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、およびこれらの混合物から選ばれるものが挙げられる。好適な日焼け止め剤有効成分は、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンである。
日焼け止め剤有効成分4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンは、ブチルメトキシジベンゾイルメタンまたはアボベンゾン(Avobenzone)とも呼ばれており、ギボーダン・ローレ(インターナショナル)S.A.(Givaudan Roure(International)S.A.)(バーゼル(Basel)、スイス)からパーソル(PARSOL)(登録商標)1789の名称で、また、メルク社(Merck&Co.,Inc)(ホワイトハウス・ステーション(Whitehouse Station)、NJ)からユーソレックス(EUSOLEX)(登録商標)9020の名称で市販されている。日焼け止め剤4−イソプロピルジベンゾイルメタンは、イソプロピルジベンゾイルメタンとも呼ばれており、メルク社(Merck&Co.,Inc)からユーソレックス(EUSOLEX)(登録商標)8020の名称で市販されている。
別の実施態様として、本発明の組成物は、波長約290nm乃至約320nmの紫外線を吸収するUVB吸収型日焼け止め剤有効成分を含む。この組成物は、単独、または組成物中に含ませることのできる他のUV保護有効成分との組合せで、UVB保護を与えるのに安全かつ有効な量のUVB用日焼け止め剤有効化合物を含む。一部の実施態様として、この組成物は、UVB吸収型有機系日焼け止め剤を約0.1重量%乃至約16重量%、より好ましくは約0.1重量%乃至約12重量%、最も好ましくは約0.5重量%乃至約8重量%含む。
本発明における使用に好適なUVB用日焼け止め剤有効成分には種々のものがある。このような有機系日焼け止め剤有効成分の限定されない例としては、米国特許第5,087,372号、米国特許第5,073,371号、米国特許第5,073,372号、およびセガリンほか(Segarin et al.)、コスメティックス・サイエンス・アンド・テクノロジー(Cosmetics, Science and Technology)第VIII章、p189以降、に記載されているものが挙げられる。その他の有用な日焼け止め剤としては、米国特許第4,937,370号および米国特許第4,999,186号に記載されているものが挙げられる。好適なUVB用日焼け止め有効成分は、N,N−ジメチル−p−アミノ安息香酸2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,2−エチルヘキシル、p−アミノ安息香酸、オキシベンゾン、サリチル酸ホモメチル、サリチル酸オクチル、4,4’−メトキシ−−ブチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、3−ベンジリデンカンファー、3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレンと呼ばれる)、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸(PBSA)、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメートおよびオクチル−p−メトキシシンナメートのようなシンナメートとその誘導体、サリチル酸TEA、オクチルジメチルPABA、カンファー誘導体、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの混合物から選ばれる。好適な有機系日焼け止め剤有効成分は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレンと呼ばれる)、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸(PBSA)、オクチル−p−メトキシシンナメート、およびこれらの混合物である。酸性日焼け止め剤の塩および酸中和タイプも本発明に有用である。
本発明の一部の実施態様として、さらに、組成物は、UVA用日焼け止め剤を安定化してUV照射による光分解を防止することによりそのUVA保護効果を維持するのに有用な薬剤を含む。こうした安定化作用を有するものとして広範囲の化合物が引用されている。これらの化合物は、UVA用日焼け止め剤および組成物を全体として補完するよう選ばれると考えられる。好適な安定化剤としては、米国特許第5,972,316号、第5,968,485号、第5,935,556号、第5,827,508号および国際公開第WO00/06110号に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明に使用する安定化剤の好適な例としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(オクトクリレンと呼ばれる)、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−3,3−ビス(4−メトキシフェニル)アクリレート、およびこれらの混合物が挙げられる。最も好ましいものは2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートである。
一部の実施態様として、皮膚を改善するために、特に、水で洗い流されたりこすり落とされたりしにくくするために、本発明に有用な任意の組成物組成物へ薬剤が加えられる。このような利点を与える好適な薬剤は、エチレンとアクリル酸のコポリマーである(米国特許第4,663,157号参照)。
有機系日焼け止め剤の他に、一部の実施態様として、本発明の組成物は、さらに、無機系の物理的日焼け止め剤を含む。好適な物理的日焼け止め剤の限定されない例は、CTFAインターナショナル・コスメティック・イングレディエント・ディクショナリー・アンド・ハンドブック(CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、第6版、1995年、p1026−28、p1103、およびセイヤーほか(Sayre et al.)ジャーナル・オブ・ソサエティ・オブ・コスメティックス・アンド・ケミストリー(J. Soc. Cosmet. Chem.)、41:p103−109(1990年)に記載されている。好ましい無機系物理的日焼け止め剤としては、酸化亜鉛および二酸化チタン、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
物理的日焼け止め剤は、組成物が皮膚上で透明となる(即ち、非白化性)量、好ましくは約5%以下の量で使用される。二酸化チタンが使用される場合、これは、アナタース型、ルチル型もしくは無定形構造を有していてもよい。物理的日焼け止め剤粒子(例えば、二酸化チタンおよび酸化亜鉛)は、コーティングを施さなくてもよいし、種々の物質でコーティングしてもよい。このようなコーティング物質としては、アミノ酸、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウムなどのアルミニウム化合物、カルボン酸とその塩、卵ステアリン酸とその塩、レシチンなどのリン脂質、有機シリコーン化合物、シリカおよびケイ酸のような無機シリコーン化合物、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい二酸化チタンは、タイカ(Tayca)(日本)から市販され、トリ−ケーインダストリーズ社(Tri−K Industries)(エマーソン(Emerson)、NJ)によりMTミクロ−イオン化シリーズ(MT micro−ionized series)(例えば、MT100SAS)として流通されている。一部の実施態様として、本発明の組成物は、無機日焼け止め剤を約0.1重量%乃至約10重量%、より好ましくは約0.1重量%乃至約4重量%、最も好ましくは約0.5重量%乃至約2.5重量%含む。
抗菌および抗かび活性成分
一部の実施態様として、本発明の組成物は、抗菌および/または抗かび活性成分を含む。本発明に有用な抗菌および抗かび活性成分の限定されない例としては、β−ラクタム系薬剤、キノリン系薬剤、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、アミカシン、2,2,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロバニリド、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、ドキシサイクリン、カプレオマイシン、クロルヘキシジン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クリンダマイシン、エタンブトール、ヘキサミジン、イセチオナート、メトロニダゾール、ペンタミジン、ゲンタマイシン、カナマイシン、リネオマイシン、メタサイクリン、メテナミン、ミノサイクリン、ネオマイシン、ネチルマイシン、パロモマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、ミコナゾール、塩酸テトラサイクリン、エリスロマイシン、亜鉛エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート、ステアリン酸エリスロマイシン、硫酸アミカシン、塩酸ドキシサイクリン、硫酸カプレオマイシン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、塩酸クロルテトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸クリンダマイシン、塩酸エタンブトール、塩酸メトロニダゾール、塩酸ペンタミジン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸カナマイシン、塩酸リネオマイシン、塩酸メタサイクリン、馬尿酸メテナミン、マンデル酸メテナミン、塩酸ミノサイクリン、硫酸ネオマイシン、硫酸ネチルマイシン、硫酸パロモマイシン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸トブラマイシン、塩酸ミコナゾール、塩酸アマンファジン、硫酸アマンファジン、オクトピロックス、パラクロロメタキシレノール、ナイスタチン、トルナフテート、クロトリマゾール、セチルピリジニウムクロリド(CPC)、ピロクトンオラミン、硫化セレン、ケトコナゾール、トリクロカーボン、トリクロサン、ジンクピリチオン、イタコナゾール、アシアチン酸、ヒノキチオール、ミピロシン、塩酸クリナサイシン、過酸化ベンゾイル、過酸化ベンジル、ミノサイクリン、フェノキシイソプロパノール、およびこれらの混合物、ならびに、ヨーロッパ特許第0680745号に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
その他の任意の成分
その他の一部の実施態様として、中和剤、香料および着色剤などの種々の任意の成分が本発明の組成物に用いられる。どんな追加成分もこの製品の皮膚に柔軟さ/滑らかさを与える利点を高めることが好ましい。さらに、このような成分のどれもがこの製品の美的性質を損なわないことが好ましい。従って、通常、本発明において有用な組成物に、コラーゲンおよびエラスチンなど、高濃度の蛋白質を含ませるのは好ましくない。
一部の実施態様として、本発明の組成物は、また、パンテノール保湿剤を約0.01%乃至約10%、好ましくは約0.1%乃至約5%含む。好ましい実施態様として、このパンテノール保湿剤は、D−パンテノール([R]−2,4−ジヒドロキシ−N−[3−ヒドロキシプロピル])−3,3−ジメチルブタミド)、DL−パンテノール、パントテン酸カルシウム、ローヤルゼリー、パンテチン、パントテイン、パンテニルエチルエーテル、パンガミン酸、ピリドキシンおよびパントイルラクトースから選ばれる。
本発明において酸性基含有親水性ゲル化剤の中和に用いるのに適した中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、トリス−緩衝剤およびトリエタノールアミンが挙げられる。
その他の任意の物質としては、以下のものが挙げられる:角質溶解剤;好ましくは約0.1%乃至約5%の濃度の水溶性または可溶性保存剤、例えば、ゲルマル(Germall)115、ヒドロキシ安息香酸のメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステル、ロンザ社(Lonza)からグリダント・プラス(Glydant Plus)の商標名で入手可能なDMDMヒダントインヨードプロパニルブチルカーバネート、EDTA、ユーキシル(Euxyl)(登録商標)K400、ブロモポール(Bromopol)(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)およびフェノキシプロパノール;(好ましくは0.1%乃至約5%の濃度の)イルガサン(登録商標)およびフェノキシエタノールのような抗菌剤;可溶性もしくはコロイド可溶性保湿剤、例えば、ヒアルロン酸、およびセラネーゼ・スーパーアブソーベント・マテリアルズ社(Celanese Superabsorbent Materials)、ポートスミス、VAから入手可能であり、米国特許第4,076,663号に開示されているサンウェット(Sanwet)(登録商標)IM−1000、IM−1500およびIM−2500のような澱粉グラフトポリアクリル酸ナトリウム;ビタミン類、例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEおよびこれらの誘導体、およびこれらのビィルディングブロック、例えば、フィタントリオールおよびビタミンK、およびこれらのコンポーネント、例えば、脂肪族アルコールドデカトリオール;アルファおよびベータ・ヒドロキシ酸;アロエ;スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、コレステロール;皮膚美白剤;N−アセチルシステイン;着色剤;トリクロサンおよびトリクロロカーボンとも呼ばれるTCC/TCSのような抗菌剤;香料および香料可溶化剤が挙げられる。アルファ・ヒドロキシ酸の例としては、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸アンモニウムと併用のグリコール酸、アルファ・ヒドロキシエタン酸、アルファ・ヒドロキシオクタン酸、アルファ・ヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシカプリル酸、混性果実酸、トリ−アルファ・ヒドロキシ果実酸、トリプル果実酸、サトウキビ抽出物、アルファ・ヒドロキシおよびボタニカル、例えば、架橋脂肪酸アルファ・ニュートリウムに溶かした1−アルファ・ヒドロキシ酸およびグリコマー。アルファ・ヒドロキシ酸の好ましい例は、グリコール酸および乳酸である。アルファ・ヒドロキシ酸は、10%までの濃度で用いることが好ましい。
一部の実施態様として、本発明の組成物に安全かつ有効な量の抗炎症剤を、好ましくは組成物の約0.1%乃至約5%、より好ましくは約0.1%乃至約2%加える。抗炎症剤は、本発明の皮膚の外観に対する利点を高める(例えば、このような薬剤は、より一様で好ましい皮膚の張りまたは色をもたらす)。組成物中に用いる抗炎症剤の量は、厳密には、このような薬剤の効力には大きな幅があるので、特定の抗炎症剤によって決まるであろう。
別の実施態様として、本発明の組成物は、さらに抗酸化剤/ラジカル・スカベンジャーを含む。抗酸化剤/ラジカル・スカベンジャーは、角質層の落屑しくは組織変化を増大させることがある紫外線、および皮膚障害をもたらすことがあるその他の環境要因に対して保護するのに特に有用である。好適な量は、組成物の約0.1%乃至約10%、より好ましくは約1%乃至約5%である。抗酸化剤/ラジカル・スカベンジャーとしては、アスコルビン酸(ビタミンC)およびその塩などの化合物が挙げられる。
本発明の実施態様として、キレート剤を含ませることは、過度の落屑もしくは皮膚組織変化の一因となる得る紫外線、および皮膚障害をもたらすことがあるその他の環境要因に対して保護するのに特に有用である。好適な量は、組成物の約0.01%乃至約1%、より好ましくは約0.05%乃至約0.5%である。本発明において有用なキレート剤の例としては、米国特許第5,487,884号に開示されているものがある。本発明の組成物に有用な好ましいキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、フリルジオキシム、およびこれらの誘導体が挙げられる。
さらに別の実施態様として、本発明の組成物は、また、美白剤を含む。使用時の組成物は、美白剤を約0.1%乃至約10%、より好ましくは約0.2%乃至約5%、さらに好ましくは約0.5%乃至約2%含む。好適な美白剤としては、コウジ酸、アルブチン、アスコルビン酸、およびこれらの誘導体(例えば、リン酸アスコルビルマグネシウム)など、当該分野で知られているものが挙げられる。さらに、本発明に使用する好適な美白剤として、国際公開第WO95/34280号および第WO95/23780号に開示されているものが挙げられ、これらは引用により本明細書に組み込まれている。
その他の任意の物質としては、好ましくは約0.1%乃至約5%の濃度の水溶性または可溶性保存剤、例えば、ゲルマル(Germall)115、ヒドロキシ安息香酸のメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステル、からグリダント・プラス(Glydant Plus)(ロンザ社(Lonza))の商標名で入手可能なDMDMヒダントインヨードプロパニルブチルカーバネート、EDTA、ユーキシル(Euxyl)(登録商標)K400、ブロモポール(Bromopol)(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)およびフェノキシプロパノール、および(好ましくは0.1%乃至約5%の濃度の)イルガサン(登録商標)およびフェノキシエタノールのような抗菌剤が挙げられる。また、トリクロサンおよびトリクロロカーボンとも呼ばれるTCC/TCSのような抗菌剤も本発明の組成物に有用である。
本明細書のその他の任意の物質として、水に不溶性の場合、油相成分の全量に寄与し含まれる顔料が挙げられる。本発明の組成物に使用するのに適する顔料は、有機系および/または無機系であってもよい。つや消し仕上げ剤などの色や光沢の少ない物質、および美白剤も「顔料」という用語に含まれる。好ましくは、本発明の組成物は、屈折率が約1.3乃至約1.7の微粒子状物質であって、組成物中に分散されていて粒子径の中央値が約2乃至約30μmの微粒子状物質を含む。本発明に有用な微粒子は、比較的狭い分布を有する、つまり、微粒子の50%より多くがそれぞれの中央値の両側3μm内に入ることが好ましい。また、微粒子の50%より多く、好ましくは60%より多く、さらに好ましくは70%より多くがそれぞれの中央値の所定の径範囲に収まることが望ましい。好適な微粒子状物質としては、有機系もしくは有機ケイ素、好ましくは有機ケイ素ポリマーが挙げられる。好適な微粒子は、自由流動性の中実物質である。「中実」とは、粒微子が中空でないことを意味する。中空微粒子ではその中心にある空間が屈折率、従って、皮膚もしくは組成物に対する微粒子の視覚的効果に悪影響があり得るからである。好適な有機系微粒子物質としては、前記に参照文献を挙げたポリメチルシルセスキオキサン、ポリアミド、ポリテン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびポリ(塩化ビニリデン)でできているものが挙げられる。上記の物質のモノマーから得られるコポリマーも使用することができる。無機系の物質としては、シリカおよび窒化ホウ素が挙げられる。本発明に有用な微粒子物質の市販されている代表的な例は、粒子径の中央値が約4.5μmのトスパール(Tospearl)(登録商標)145、粒子径の中央値が約10μmのエチレン/アクリル酸コポリマーであるコボ社(Kobo)のEA−209(登録商標)、オルガソル(Orgasol)2002の商標名でエルフ・アトケム社(Elf Atochem)、フランスから入手可能なナイロン−12(Nylon−12)、およびこれらの混合物である。
さらに、顔料の好適な例として、二酸化チタン、コボ社(Kobo)の前分散二酸化チタン(例えば、コボ(Kobo)GWL75CAP)、酸化鉄、アシグルタメート酸化鉄、ウルトラマリンブルー、D&C色素、カルミン、およびこれらの混合物が挙げられる。組成物のタイプに応じ、顔料を混合して用いることが多いであろう。保湿、肌触り、皮膚の外観およびエマルジョン適合性の観点から本発明に使用するのに好適な顔料は、処理顔料である。顔料は、アミノ酸、シリコーン、レシチンおよびエステルオイルなどの化合物によって処理することができる。
本発明の組成物のpHは、約6.1乃至約10.0の範囲にあり、最終組成物のpHが必要に応じて酸性、塩基性もしくは緩衝塩の添加により調節することが好ましい。
組成物の調製
本発明の組成物は、当業者によりよく知られている標準的な方法によって調製される。一般に、水相および/または油相は、同様の相分配の物質を任意の順序で加えながら別々に調製する。最終生成物がエマルジョンである場合、次いで、この2つの相を激しく撹拌しながら混合する。高い揮発性を有する、または高温で加水分解を受けやすい、組成物の成分はどれも、工程の終わり近くに、妥当な場合には乳化の後に、静かに撹拌しながら加えることができる。
アレルゲン性の少ないプロテアーゼは、繊維製品の処理にも用いられる。「繊維製品の処理」は、布地、個々の毛糸、もしくは織ったり、フェルトにしたり、編んだりして繊維製品または衣類にすることができる繊維が、所望の特性をもたらすように処理する工程を含む。このような所望の特性についての例は、「ストーン−ウォッシング」、毛玉除去、から毛除去、サイズ除去、柔軟化、およびその他、当業者によく知られている処理である。
本発明の一実施態様として、本明細書で特定したエピトープは、免疫反応を発現させるために用いられる(例えば、このようなエピトープの一方または両方を有するプロテアーゼに対する抗体を惹起させることを目的とする場合)。このような抗体は、これらの領域、もしくはこれらに高度に相同性の領域の一方または両方を有する他のプロテアーゼをスクリーニングするのに用いられる。従って、本発明は、以下の配列の一方または両方を有するプロテアーゼを提供する:バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの(i)70番目から84番目までの残基および/または(ii)109番目から123番目までの残基。本発明を、単離した天然のエピトープ、組み換え蛋白質、もしくは特定のエピトープ領域を表す合成ペプチドを利用するイムノアッセイを用いて具体化することにより、これらの領域または高度に相同な領域を含む蛋白質に対する人の感作について評価することができる。
別の実施態様として、本明細書のエピトープ断片は、この断片を結合して表示することができるMHC分子を有する抗原提示細胞の方向に用いられる。エピトープ断片は、例えば、検出可能な標識(例えば、放射性標識)を含むことができる。次いで、標識した断片を対象細胞とインキュベートした後、標識断片を結合(または表示)している細胞を検出する。
本発明は、免疫反応を調節するために望ましい全てのプロテアーゼを包含する。それらは、例えば、B細胞ワクチンとして用いられるペプチド、或いは、発病状態(例えば、ガン、伝染病、及び自己免疫疾患等)の治療において適切な治療薬として用いられるペプチド又はプロテアーゼである。
本発明によって提供されるワクチン及び/又は治療薬は、薬学的に許容可能な担体と共に用いることができる。当該担体は、投与の形態及び所望の剤形に基づいて選択される。例えば、液体の担体には、無菌生理食塩水、水、緩衝液、有機溶媒、及びそれらの組合せが含まれる。本発明の化合物は、例えば、経口、直腸、経鼻、局所(経皮、エアロゾル、頬、舌など)、膣、非経口(皮下、筋肉内、静脈、皮内など)、膀胱内を含む(ただし、これらに限定されるものではない)、任意の適切な手段によって投与することができる。
経口投与ようの薬剤組成物は、当該技術分野において公知の薬学的に許容可能な担体を用いて、経口投与に適切な用量で処方することができる。そのような担体を用いることによって、患者による摂取のために、当該薬剤組成物を、錠剤、丸薬、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液等として製剤することができる。
経口用の薬剤は、固体の賦形剤と活性化合物を組合せて得ることができ、所望ならば、得られた混合物を砕き、(所望ならば、適切な助剤を添加した後)顆粒混合物を加工して、錠剤又は糖衣錠の中心部を得ることができる。適切な賦形剤は炭水化物又は蛋白質の充填剤であり、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトール等の糖類;コーン、小麦、米、ジャガイモ、又はその他の植物から得られる澱粉;メチルセルロール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース;アラビアゴム及びトラガカントゴム等のゴム;ゼラチン及びコラーゲン等の蛋白質である。所望ならば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、又はその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)などの崩壊剤又は可溶化剤を添加することができる。
糖衣錠の中心部は、適切なコーティング(例えば、濃縮糖液)と共に用いることができ、それは、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は、二酸化チタン、ラッカー溶液、及び適切な有機溶媒又は溶媒混合物を含有することができる。製品の特定のため、及び活性化合物の量(すなわち、用量)を特徴付けるため、染料又は含量を錠剤又は糖衣に添加することができる。
経口で用いることができる薬剤には、ゼラチン製の押込み式カプセル、ゼラチン製の軟式密閉カプセル、及びコーティング(例えば、グリセロール又はソルビトール)ガ含まれる。押込み式カプセルは、充填剤又は結合剤(例えば、ラクトース又は澱粉)、滑剤(例えば、タルク又はステアリン酸マグネシウム)、及び所望ならば安定剤、と混合した活性成分を含有することができる。軟式カプセルでは、活性化合物は、適切な液体、例えば、脂肪油、液体、液状ポリエチレングリコール中に溶解或いは懸濁させることができる(ここで、安定剤はあってもなくても良い)。
非経口投与に適切な薬剤は、水溶液中で、好ましくは、生理学的に適切な緩衝液(例えば、ハンクス溶液、リンガー溶液、又は生理学的に緩衝された食塩水)中において製剤され得る。水性の注射用懸濁液は、当該懸濁液の粘性を増大させる物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトトール、又はデキストラン等を含有することができる。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油性の注射用懸濁液として調製することもできる。適切な親油性溶媒又は賦形剤には、ゴマ油等の脂肪油、合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エステル又はトリグリセリド)、又はリポソームが含まれる。所望ならば、当該懸濁液は、化合物の溶解性を向上させ、高濃縮溶液の調製を可能にする適切な安定剤を含有することもできる。
局所投与又は経鼻投与においては、特定の障壁を透過するために適切な浸透剤を剤形中に用いることができる。そのような浸透剤は、当該技術分野において周知である。
本発明の薬剤組成物は、当該技術分野において公知の手法により(例えば、慣用されている混合、溶解、顆粒化、糖衣形成、粉末化(levigating)、乳化、カプセル化、包括化(entrapping)、又は凍結乾燥等の工程を用いて)製造することができる。
当該薬剤組成物は、塩として提供することができ、種々の酸、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等(ただし、これらに限定されるものではない)を用いて形成することができる。塩は、遊離塩基の形態よりも、水溶液又はその他のプロトン性溶媒中に溶解しやすい。別の場合では、好ましい組成物は、凍結乾燥粉末であり、これは、pH4.5乃至5.5の範囲(すなわち、使用前に緩衝液と混合される)の1−50mMのヒスチジン、0.1%−2%のスクロース、及び2−7%のマンニトール、いずれか又は全てを含むことができる。
薬剤組成物が調製された後、それらは、適切な容器内に置かれ、特定の症状の治療にためにラベルを付すことができる。例えば、当該ラベルには、量、頻度、及び投与方法が含まれる。
本発明における使用に適切な薬剤組成物には、所定の目的を達成するための有効量で活性成分を含有する組成物が含まれる。有効量を決定することは、当該技術分野における当業者が通常行い得る範囲内である。
任意の化合物について、治療における有効量は、まず、細胞培養アッセイ、又は動物モデル(通常は、マウス、ウサギ、犬、又は豚)のいずれかにおいて算出される。当該動物モデルを用いて、適切な濃度範囲及び投与経路を決定することもできる。その後、これらの情報を用いて、ヒトにおいて有用な用量及び投与経路を決定することができる。
治療における有効量とは、症状又は疾病を改善する活性成分の量を意味する。治療における有効性と毒性は、細胞培養アッセイ又は動物実験における標準的な薬学的手法、例えば、ED50(母集団の50%について、治療に効果的な量)及びLD50(母集団の50%についての致死量)により決定することができる。治療効果と毒性効果の量比は、治療指数であり、LD50/ED50の比で表すことができる。
大きな治療指数を示す薬剤組成物が好ましい。細胞培養アッセイ及び動物実験から得られたデータを用いて、ヒトへの使用における用量の範囲が定められる。好ましくは、そのような化合物の用量は、毒性がほとんどない又は全くないED50を含む循環濃度の範囲内である。用いる調剤形態、患者の過敏性、及び投与経路に応じて、用量は、当該範囲内で変更される。
正確な用量は、治療される被検者に関する因子を踏まえて、実行者によって決定される。用量と投与は、十分な活性部位を提供し、所望の効能を維持するように調節される。考慮され得る因子は、疾病の重症度、被験者の健康状態、被験者の年齢、体重、及び性別、食事、投与の回数及び頻度、複合薬、反応過敏性、薬力学、及び治療に対する耐性/応答が含まれる。持続性の薬剤組成物は、薬剤の半減期及びクリアランス率に応じて、3乃至4日に1回、1週間に1回、又は2週間に1回投与することができる。
通常の用量は、投与経路に応じて、0.1乃至100,000マイクログラムで変更することができ、その総投与量は約1gである。好ましい実施態様では、用量は、体重1キログラム(kg)当り約1ミリグラム(mg)より多く、好ましくは、10mg/kg乃至約10,000mg/kgを用いることができる。好ましくは、10mg/kg乃至約5000mg/kgが用いられる。最も好ましくは、用量は、250mg/kg乃至約5000mg/kgである。免疫反応の局所的減少に有用な用量は、250mg/kg、500mg/kg、2500mg/kg、3500mg/kg、4000mg/kg、5000mg/kg、及び6000mg/kgである。任意の範囲の用量を用いることができる。一般に、改変免疫プロテアーゼは、1日当り1回以上で毎日投与することができ、また、減少免疫プロテアーゼは、1日に1回又は分離して数回にいずれかで、1週間に1乃至4回投与することができる。静脈注射に場合において、最も好ましい用量は、一定速度の注射の間に、1分当り約1乃至約10mg/kgの範囲であることができる。一般に、ヒトに対する用量は、マウスにおけるものよりも少なく、典型的には、マウスにおける有効量の約1/12である。従って、マウスにおいて500mg/kgが有効量であった場合、ヒトに対しては、42mg/kgの用量が用いられる。60kgの男性だとすると、2520mgになるであろう。特定の用量及び輸送方法について説明は、当該技術分野における実施者が一般に入手可能な文献に記載されている。当該技術分野における当業者は、ヌクレオチドに対しては、蛋白質又はその阻害剤とは異なる剤形を用いるであろう。同様に、ポリヌクレオチド又はポリペプチドの輸送は、特定の細胞、症状、位置などに特異的であろう。
本明細書において参照した全ての文献および特許は、全文引用により本明細書に組み込まれている。以下は、例証として示すが、特許請求の範囲を限定するものと捉えられるべきではない。
実験
以下の実施例は、本発明の特定の好ましい実施態様および態様を例示する役割を果たすものであり、本発明の範囲を限定するものと捉えられるべきではない。
以下の実験に関する開示においては、次の略語が適用される:eq(当量);M(モル濃度の);μM(マイクロモル濃度の);N(正常な);mol(モル);mmol(ミリモル); μmol(マイクロモル);nmol(ナノモル);g(グラム);mg(ミリグラム);kg(キログラム); μg(マイクログラム);L(リットル);ml(ミリリットル);μl(マイクロリットル);cm(センチメートル);mm(ミリメートル); μm(マイクロメートル);nm(ナノメートル);℃(摂氏温度);h(時間);min(分);sec(秒);msec(ミリ秒);×g(重力倍数);Ci(キュリー);OD(光学濃度);ダルベッコ(Dulbecco’s)リン酸緩衝溶液(DPBS);HEPES(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N−[2−エタンスルホン酸]);HBS(HEPES緩衝生理食塩液);SDS(ドデシル硫酸ナトリウム);トリス−HCl(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン−塩酸);クレノー(Klenow)(DNAポリメラーゼ大分子(Klenow)断片);rpm(毎分回転数);EGTA(エチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)N,N,N’,N’−四酢酸);EDTA(エチレンジアミン四酢酸);ATCC(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)、ロックビル(Rockville)、MD);シーダー・レイン(Cedar Lane)(シーダー・レイン・ラボラトリーズ(Cedar Lane Laboratories)、オンタリオ(Ontario)、カナダ);ギブコ(Gibco)/BRL(ギブコ(Gibco)/BRL、グランドアイランド(Grand Island)、NY);シグマ(Sigma)(シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Co.)、セントルイス(St. Louis)、MO);ファルマシア(Pharmacia)(ファルマシア・バイオテク社(Pharmacia Biotech)、ピスカタウェイ(Piscataway)、NJ);プロクター・アンド・ギャンブル(Procter&Gamble)(プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter&Gamble)、シンシナチ(Cincinnati)、OH);ジェネンコー(genencor)(Genencor International、Palo Alto、CA);およびストラタジーン(Stratagene)(ストラタジーン社(Stratagene)、ラ・ホーヤ(LA Jolla)、CA)。
ペプチドB細胞エピトープを同定するためのアッセイ
抗体反応性試験に用いるペプチドを、200ulのDMSO(5mg/ml)に懸濁させた。各ペプチド2ulを、96ウェル平底プレートの対応ウェル中のPBS/Tween−20(25%Tween)200ul中に希釈し、ストックプレートを作成した。これは、全体で約1:20,000に希釈したことを表す。ストレプタビジンプレートにおいて用いた最終希釈液は、約1:200,000であった。当該ペプチド及びストックプレートは、必要となるときまで、−20℃(又はそれ以下)で冷凍することができる
ストレプタビジンプレートは、各ウェルに200ulを入れてRDIポリ−HRP希釈液(各ペプチドの複製に用いるためのプレートと少なくとも10の対照)でブロックし、室温で30分間静置した。当該プレートを、PBS/Tween−20(25%Tween)で3回洗浄した。吸収剤(例えば、おむつ)でプレートをスラップ(slap)し、過剰の液体を除去した。その後、100ulのPBS/Tween−20を各ウェルに添加した。当該プレートを、室温で1時間培養した。その後、当該プレートをPBS/Tween−20(25%Tween)で3回洗浄し、吸収剤でスラップして過剰の液体を除去した。試験に用いた血清は、PBS/Tween−20で1:1000に希釈した。その後、100ulの希釈血清をウェルに添加した。その後、当該プレートを、室温で1時間以上、又は4℃で一晩培養した。当該プレートを、上述のようにPBS/Tween−20(25%Tween)で再び洗浄した。その後、上述のようにプレートをスラップした。第2抗体(GP−ゴートアンチ−GPIgG−Jackson Immunology;hu−mouseアンチ−hu IgE−Southern Biotechnologies)を希釈し、RDIポリ−HRP希釈液で、GPについては1:1000、huについては1:2000の希釈液を得た。その後、100ulの希釈接合体を各ウェルに添加し、プレートを室温で1時間培養した。当該プレートを、上述のようにPBS/Tween−20で3回洗浄した。その後、当該プレートを回転させ、PBS/Tween−20でさらに3回洗浄した。その後、上述のようにプレートをスラップした。その後、当該プレートを、PBSのみを用いてさらに2回洗浄し、微量のTweenを除去した。Pharmingen社のTMB試薬(A+B)を室温で用いて、当該ウェルを、1ウェル当り100ulで15分間現像した。反応を停止するため、停止液(1モルの硫酸)を各ウェルに添加した(50ul/ウェル)。当該プレートについて、分光器で450−570nmを読み取った。1.50より大きい吸光度があれば、エピトープが同定されたものとみなした。
エピトープ内のアレルゲン性の変化した特定残基の決定
この実施例では、エピトープ内における改変アレルゲン性を有する特定の部位を決定するために行った実験について説明する。本明細書の実験では、プロテアーゼ“P1”の種々のエピトープ配列に基づくペプチド変異体を用いた。
従って、プロテアーゼ“P1”の種々のエピトープ配列、例えば、BPN’に対応するアミノ酸残基位置46−60番目の第1のエピトープ領域、61−75番目の第2のエピトープ領域、86−100番目の第3のエピトープ領域、126−140番目の第4のエピトープ領域、166−180番目の第5のエピトープ領域、206−220番目の第6のエピトープ領域、210−225番目の第7のエピトープ領域、246−260番目の第8のエピトープ領域に基づく変異体を構築した(例えば、Mimotopes、San Diego、CA等の供給源により)。その後、これらのペプチドは、実施例1に記載のアッセイシステムにおいて試験した。本実験で用いたペプチドは、以下のとおりである:

Figure 2005514026
低アレルゲ性安定プロテアーゼ変異体の構築
B細胞エピトープの位置を決定すると、当該技術分野において公知の確立された蛋白工学技術を用いてプロテアーゼ変異体が構築される。この変異体は、プロテアーゼの高度にアレルゲン性/免疫性のアミノ酸配列を低アレルゲン性/免疫性ホモログからの対応する配列で置換するようにして構築する。ここでは、種々の残基が、B・アミロリケファシエンス・突然変異体ズブチリシン(例えば、プロテアーゼP1(BPN’−Y217L)をもたらす置換に適切である。プロテアーゼP1の作製については、米国再発行特許第34,606号、ヨーロッパ特許第130,756号および米国特許第5,441,882号に開示されている。変異体P1遺伝子およびクロラムフェニコール・マーカー遺伝子は、クロラムフェニコール選択によりコピー数を増幅する配列5’からapreE座までに対応する繰り返し配列を配置する。当該P1プロテアーゼは、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、および260番目残基から選ばれるアミノ酸を、ピーブルースクリプト(pBluescript)系ベクターを用いた部位特異的突然変異によって、非野生型アミノ酸(非限定的な例は、アラニン又はグリシン)に変換することによるプロテアーゼ変異体の構築において好適である。
この結果得られる変異体プラスミドでは、配列5’からapreE座までは、クロラムフェニコール濃度を増加させることにより遺伝子コピー数を増幅するクロラムフェニコール遺伝子の後ろに繰り返される。次いで、この変異体プラスミドを、当該分野で知られている標準的な形質転換法によりバシラス産生株に形質転換する。その後、形質転換体は、当該技術分野において公知なように、5μg/mlのクロラムフェニコールを含有するLAプレートにおいて選択される。この形質転換体をLBメジウム中、クロラムフェニコールの濃度を増加させていきながら成長させ、二次培養して、染色体上の当該変異体のコピー数を増幅させる。25μg/mlのクロラムフェニコールに対して特定プロテアー変異体産生株を増幅させた後、この変異体の形質転換体を1%のスキムミルクを含むLA+25μg/mlの溶液で平板培養し、プロテアーゼ活性の指標となるハロの有無を(すなわち、プロテアーゼ活性を示すために)アッセイする。
免疫拡散によって決定されたズブチリシン交差反応
当該実施例では、種々のプロテアーゼによるB細胞エピトープの交差反応を決定するための実験について説明する。
最近、一般集団におけるスキンプリックスクリーニングによって、試験された500の個体のうちの約1が、プロテアーゼBPN’Y217L(FN1)に陽性反応を有することが明らかになっている。これらの個体群は、FN1に対する顕在的に接触していない。FN1に対する陽性の皮膚試験が存在する1つの可能性は、消費者の最終製品における交差反応ズブチリシンへの感作が考えられる。しかし、ほとんどの酵素含有製品(例えば、洗濯用洗剤)の通常の使用の間に生じ得る低レベルの酵素接触に起因するものとは考え難い。当該プロテアーゼは、バシラスナットー(Bacillus Natto)からのプロテアーゼと多くのペプチド配列を共通にすることが判明した。この有機体は、通常は、大豆タンパクを発酵させ、納豆として知られる食品を製造するために用いられる。当該有機体は、消化を促進するという利点を有すると言われているプロテアーゼを発現する。
当該実施例では、納豆からの全蛋白質抽出について、及び、当該蛋白質と種々のズブチリシンの交差反応を評価する免疫拡散試験及びELISA試験で得られた結果について説明する。納豆は、業務用アジアンフード店から冷凍状態で入手した。発酵大豆製品の約10gを解凍し、25mlの溶解緩衝液(500mMのトリス−HCl pH8.5、1%のNP−40又は1%のTween80を含む150mMのNaCl)中において4℃で一晩抽出した。24時間後、当該試料を、10,000xgで30分間浄化し、使用されるまで冷凍保存した。一般に、当該試料は、はじめ、糸をひくような粘り気があるが、一連の冷凍及び解凍の後には扱い易くなった。交差反応の試験に用いた納豆抽出物の蛋白質推定値は、7−8mg蛋白質/mlであった。納豆抽出物中のプロテアーゼは精製せず、これに対する抗体は調製しなかった。購入した納豆のTween抽出物及びNP−40抽出物は、いずれも、合成基質AAPFpNaとすぐに反応し、黄色に変色する可溶性蛋白質を放出した。当該プロテアーゼ反応を、100mMのPMSFで阻害した。
精製ズブチリシン、希釈ズブチリシン生成物、及び精製ズブチリシンハイブリッドを、酵素活性を阻害するためのフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)を2mM含有するPBS(ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水)で、0.1乃至0.3mg/mlに希釈した。サビナーゼ抗原として、市販のPurafect(商標)プロテアーゼ(Genencor)を用いた。また、市販のProtexプロテアーゼ(Genencorから入手したB.licheniformisプロテアーゼ)を用いた。BPN’とFN1は、免疫学的に同一のズブチリシンである。
イムノアッセイにおける使用のために、公知の手法でウサギ抗血清を得た。ほとんどのプロテアーゼについて、6乃至8週間に渡って、複数の部位に0.5乃至1mgの蛋白質を注入した。免疫拡散又は酵素免疫アッセイによって抗体力価を試験し、いったん高い抗体力価に達した後は、動物を放血し、血清を回収して冷凍保存した。非選択的な交差反応の可能性を除去するため、ガンマグロブリンを、33%の硫酸アンモニウムで2回断片化し、1−2Xの当初の血清濃度に再度懸濁させた。通常のウサギのガンマグロブリンも同様に処理した。
免疫拡散において、1.7%の寒天及び25ugのクロラムフェニコールを含有するLBプレートを調製し、使用するまでの間4℃で保存した。免疫拡散のゲルパターンは、#4及び#5の穿孔器でカットした抗原ウェルと抗血清ウェルを用いた。0.1乃至0.2mlの試料でウェルを充たし、室温で16時間一晩培養し、その後4℃において、合計48時間まで培養した。ゲルをPBSで洗浄してウェルから細片(debris)を除去し、間接光の下でAlpha Imager 2000デジタル画像システムを用いて撮影した。抗体は、FN1及び納豆抽出物のいずれとも反応し、FN1と部分的に同一の沈降線を示し、これは、いくつかのFN1決定基を共有していることを示唆するものである。以下に示す表は、上記免疫拡散試験において観測された交差反応を示すものである。

Figure 2005514026

これらの結果は、FNAに対して調製したウサギ抗血清、サビナーゼ、及びB.lichenifornisズブチリシンが、免疫拡散試験において、異種抗原とは交差反応しないことを示している。しかしながら、FNAに対するウサギ抗血清は、納豆に存在する抗原と交差反応する。実際、当該免疫拡散試験における沈降線は、納豆とFNAの間に部分的同一性が存在することを示唆しており、これは、これらの蛋白質が、いくつかの抗原決定基(すなわち、B細胞エピトープ)を共有することを示唆するものである。
納豆が種々のズブチリシンと交差反応するかを評価することが当該実験の主目的であるから、免疫拡散以外の方法を用いて、その反応を確認した。すなわち、これらの蛋白質を用いてELISA試験を行った。
当該ELISA試験では、プールしておいたウサギガンマグロブリンを、CNBRセファロースに固定化したFNAと混合して、4℃で一晩培養した。未結合の蛋白質をPBSで洗い流した後、結合した抗体を0.2MのHClで溶離した。当該HClを、PBSで平衡化したSephadex G−25カラム中で除去した。親和性精製抗体をPBSで1/1000に希釈し、0.1mlを96ウェルのマイクロタイタープレートに添加し、4℃で24時間培養した。未結合の抗体を除去し、0.05%BSA、0.01%Triton X−100を含むPBS(PBS/BSA/TX)で複数回洗浄し、プレートをクエンチし、使用するまでの間この緩衝液中に保存した。100mMのPMSFを含有するPBS/BSA/TXで抗原を1/2000に希釈し、0.1mlを抗体を塗布したプレートに添加した。4℃で1時間後、当該ウェルを0.2mlのPBS/BSA/TXで3回洗浄し、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)と結合したアンチFNA接合体の1/300希釈液の1mlを添加し、4℃で1時間培養した。PBS/BSA/TXで3回洗浄した後、蒸留水でさらに二回洗浄した。当該プレートを乾燥させ、0.2mlのHRP基質(保存していたABTSの希釈液11ml中の30%Hを10ul)を添加した。異質FNA反応が405nmにおいて0.8O.D.(ブランク除去後)を示すまで、当該プレートを室温で30乃至45分間培養した。
ELSA試験の結果は、納豆抽出物は、B.licheniformis(Protex G)抗原やサビナーゼ抗原よりも強く結合することを示唆するものである。実際、これら2つの抗原は、アンチFNA抗体と反応しなかった。同種抗原であるFNA及びBPN’は、アンチFNAに対する接合体と非常に強く反応した。免疫拡散実験におけるこれらの結果は、FNAズブチリシンと交差反応する蛋白質が納豆中に存在することを強く示唆するものである。
従って、当該実験は、十分に特徴付けられ入手可能な抗原及び健全で十分に特徴付けられた抗体を用いることにより、関連抗原における免疫拡散実験が、抗原交差反応についての有用な情報をもたらし得る簡単な実験であることを示唆するものである。免疫拡散の手順は、多くのその他のアッセイ法(例えば、イムノアッセイ、ウエスタンブロット法など)よりも感度が低いため、陽性沈降バンドが強力な証拠になる一方で、沈降バンドの不存在については、一貫して観測されない限り、注意深く判断しなければならない。ここで述べた実験は、一貫して、納豆の抽出物は、FNAに対する抗原とのみ沈降反応することを示した。
従って、本実施例は、日常的に納豆を摂取している人々から得た試料を検査して、彼らが、その他のズブチリシンを認識する抗体を生産するかを評価する手段を提供するものである。これは、酵素のB細胞エピトープを改変し、蛋白質の免疫原性/アレルゲン性を減少させる手段を提供するものである。
低アレルゲン性プロテアーゼ安定化突然変異体(N76D、179A、I122A、N218S、Q206L、P40Q、D41A、H238Y)
当該実施例は、部位特異的突然変異により安定性を向上させる変異体の作製について説明する。各プロテアーゼ変異体は、所望に応じてそれぞれの残基(例えば、同定されたB細胞エピトープにおける残基へ任意のアミノ酸)を置換することによって、所望のプロテアーゼへ導入される。例えば、特定の実施態様では、N76をアスパラギン酸残基で、I79をアラニン残基で、I122をアラニン残基で、Q206をリジン残基で、N218をセリン残基で、P40をグルタミン残基で、D41をアラニン残基で、H238をチロシン残基で置換する。これらの置換は、任意の適切な方法で行うことができるが、本発明における1の好ましい方法は、ピーブルースクリプト(pBluescript)系ベクターを用いた部位特異的突然変異により、それぞれの安定化されたプロテアーゼ変異体を作製することである。各安定化プロテアーゼ変異体は、上述のようにして増幅させたバシラス産生株中に形質転換して、スキムミルクを含む平板上で平板培養して蛋白質分解活性検出する。
変異体ズブチリシンの突然変異体によるジメチルカゼイン(「DMC」)の加水分解
当該実施例で述べるように、本明細書に説明した方法により単離、精製した突然変異体ズブチリシンについて、市販合成基質ジ−メチルカゼイン(シグマ(Sigma)C−9801)に対する加水分解能を解析することができる。好ましい実施態様では、5mg/mlのDMC基質溶液を適当な緩衝液を用いて調製する(例えば、5mg/mlDMC、0.005%(w/w)ツイーン(Tween)80(登録商標)(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸、シグマ(Sigma)P−1754))。適当なDMC基質緩衝液を調製することができる(例えば、pH5.5に対して50mM酢酸ナトリウム;pH6.5に対して50mMN−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(「TES」);pH7.5に対して50mMピペラジン−N−N’−ビス−2−エタンスルホン酸(「PIPES」);pH8.5に対して50mMトリスを含む緩衝液)。その後、所望のpHの基質200μlを96ウェルのマイクロタイター・プレートに入れ、酵素添加前の30分間37℃でプレインキュベートする。2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸塩(「TNBS」)呈色反応法は、スペクトラ・マックス(Spectra Max)250分光光度計を用いて活性を測定するために適切である。このアッセイにより、遊離アミノ基を含むペプチドへのDMCの酵素的加水分解を測定する。これらのアミノ基は、2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸と反応して黄色の複合体を形成する。
従って、反応の色が濃くなるほど、測定される活性は高い。TNBS検出アッセイは、37℃で2時間インキュベーションした後の上清に対して行うことができる。TNBSの1mg/ml溶液は、100mlに加熱して溶かした2.4gNaOh、45.4g(Na・10HOを含む溶液で調製する。この溶液から、60μlを96穴マイクロタイター・プレートに分取する。次いで、上述のインキュベートした酵素溶液の10μlを各ウェルに添加し、室温で20分間混和する。次に、このウェルに20μlのNaHPO溶液(2000ml中70.4gのNaHPO・HOおよび1.2gのNaSO)を1分間混和して反応を止め、スペクトラ・マックス(Spectra Max)250分光光度計を用い405nmの吸収を測定する。また、ブランク(同じTNBS溶液であるがこの酵素を含んでいない)も調製してテストする。加水分解は、種々の酵素濃度(0、2.5、5、7.5、および10ppm)について、次の式によって評価する:
405吸収値(酵素溶液)−405吸収値(酵素不含)
既知の突然変異体からのプロテアーゼ(P1)に対するこれらの突然変異体のこのような基質の比較加水分解能は、このようにして測定できる。
変異体プロテアーゼによるコラーゲン、エラスチンおよびケラチンの加水分解
上記の方法により単離、精製した突然変異体ズブチリシンについて、市販の基質、例えば、ウシ・コラーゲン(シグマ(Sigma)C−9879)、ウシ・エラスチン(シグマ(Sigma)E−1625)、および/またはウシ・ケラチン(ICNバイオメディカル(ICN Biomedical)902111)に対する加水分解能を解析することができる。5mg/mlの基質溶液を(0.005%ツイーン(Tween)80(登録商標)を用いて)調製する。各基質は、当該分野で知られているように、適当なpH(例えば、pH5.5、6.5、7.5および8.5)で調製する。テストに際し、1.5mlの各基質を37℃の24穴コスター(Costar)プレートに移す。プレートは、酵素添加前の20分間37℃でプレインキュベートする。上述のように、TNBS検出アッセイは、37℃で2時間インキュベートした後の上清を用いて行う。
これらのアッセイは、既知の突然変異体からのプロテアーゼ(P1)に対するこれらの突然変異体のこのような基質の比較加水分解能を明らかにするのに用いられるものと考えられる。多くの場合、これらの突然変異酵素は、互いと、また野性型酵素と比較して、種々のpHおよび酵素濃度でコラーゲン、エラスチンおよびケラチン基質の有意な加水分解を示すのが通常と考えられる。
ピペラジン−N−N’−ビス−2−エタンスルホン酸(「PIPES」)緩衝液における蛋白質変異体の温度安定性
この実験では、PIPESにおける蛋白質(例えば、プロテアーゼ)変異体の温度安定性を測定する。通常、この測定は、型式ストラタジーン・ロボサイクラー(Stratagene Robocycler)のPCRサーモサイクラーを用いて行う。5.0ppm酵素(例えば、P1および対象とする突然変異体)の安定性について、各温度につきpH6.5において5時点(例えば、5、10、20、40、および60分)でテストする。例えば、PCRサーモサイクラー・グラディエントで42から56℃の範囲を2℃間隔、および42から56℃の範囲を1℃おきにサンプルをテストする。この実験では、50mMPIPES緩衝液を調製する(50mMPIPES、0.005%ツイーン(Tween)80(登録商標))。通常、pHは6.5に調節する。但し、酵素の温度安定性を測定する方法は当該分野で種々知られているので、本発明は、上記の特定の方法に限定されるものではない。
サンプルは、pH6.5および25℃で、標準的なサクシニル−ala−ala−pro−phe−パラ−ニトロアニリド(「SAAPFpNA」)アッセイ法(例えば、デルマー(Delmae)、アナリティカル・バイオケミストリー(Analytical Biochemistry)、94:p316−320(1979年);およびアクツテッター(Achtstetter)、アーク・バイオケミストリー・アンド・バイオフィジックス(Arch. Biochem. Biophys.)、207:p445−54(1981年)参照)を用いてアッセイする。サンプルは、約300ミリOD/分に希釈する。温度安定性は、通常、次式:
H.L.=ln2/傾斜、但し傾斜とは、各温度についての速度対時間の曲線の傾斜である。
によって求められる酵素半減期(分)として表す。
以上の方法を用いることによって、突然変異体の安定性を対照のP1および/または野性型酵素に対して容易に比較することができる。
N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(「TES」)におけるプロテアーゼ変異体の温度安定性
この実験では、TESにおける変異体の温度安定性を測定する。実施例9で説明したようにして、5.0ppm酵素(例えば、P1および対象とする突然変異体)の安定性について、各温度につきpH6.5において5時点(例えば、5、10、20、40、および60分)でテストする。例えば、PCRサーモサイクラー・グラディエントで42から56℃の範囲を2℃間隔、および42から56℃の範囲を1℃おきにサンプルをテストする。TES緩衝液は、50mMTES(シグマ(Sigma)T1375)、0.005%ツイーン(Tween)80(登録商標)を混合して調製する。通常、pHは6.5に調節する。
変異体の温度安定性は、当該分野で知られているサクシニル−ala−ala−pro−phe−パラ−ニトロアニリド(「AAPFpNA」)を用い、シグマ(Sigma)no.S−7388(分子量624.6g/モル)のような試薬(例えば、デルマー(Delmar)、アナリティカル・バイオケミストリー(Analytical Biochemistry)、94:p316−320(1979年);およびアクツテッター(Achtstetter)、アーク・バイオケミストリー・アンド・バイオフィジックス(Arch. Biochem. Biophys.)、207:p445−54(1981年)参照)を使用して測定され、pH6.5および温度25℃でテストされるような残存変異体の活性として求めることができる。反応で形成された(黄色の)p−ニトロアニリド(pNA)について、サンプルを約300mOD/分に希釈して、スペクトラマックス(SpectraMax)250分光光度計を用い、410nm:.ε=8,480M−1cm−1で分光光度法により測定する。温度安定性は、前述の通り、酵素半減期(分)として表す。以上のように、この実験は、変異体酵素試料の安定性を対照のP1および/または野性型酵素と比較する手段となる。
ボディソープ溶液その他のパーソナルケア用品におけるプロテアーゼ変異体の安定性
クローン酵素(実施例1で説明した)を用い、種々のプロテアーゼ変異体の安定性を以下のプロトコルにより測定した。
溶液安定性の測定方法
この実験では、P1および突然変異体(例えば、“LAP2”、“LAP3”、“LAP4”で表される低アレルゲン性プロテアーゼ)を少なくとも2つの試験でテストし、最初の試験では45℃で30分間、2番目の試験では50℃で30分間テストする。このテストのために、市販のボディソープ(例えば、プロクター・ギャンブル(Procter&Gamble)からゼスト(ZEST)(登録商標)の商標で販売されているボディソープ)を脱イオン水と混合して50/50(w/w)ボディソープ溶液を調製する。このバッファー混合液のpHは約6.8である。
テストする酵素は希釈して、50w/w%ボディソープ:脱イオン水溶液の最終酵素濃度が、この酵素/ボディソープ溶液の10μlをSAAPFpNAアッセイエンドポイント法によりアッセイした時、0.5乃至1.0のOD405の変化を生ずるようにする。希釈量を確認したら、希釈混合液200μlを96穴マイクロタイター・プレートのウェルに入れる。このプレートを密封し、1つの試験では40℃の、2番目の試験では50℃の湯浴に入れる。プレートは、所望の時間(例えば、30もしくは45分間)の後に湯浴から取り出し、サンプル10μlを前記エンドポイント法によりアッセイする。残存活性のパーセントは、最初の活性で除した最終の活性を100倍して計算する。
一部の実験では、前記実施例のアッセイにより決定された特定残基を含む変異体は、残存酵素活性量の増大を示し、従って、P1より広い温度安定性を有している。例えば、50℃において、一部の変異化合物では残存パーセンテージ活性が増大するが、P1、もしくは安定化残基のない野性型変異体では残存パーセンテージ活性の低下が認められる。また、一部の実験において、全ての酵素で50℃でボディソープの存在下に高い安定性が認められるが、異なる安定性を有するP1−[エピトープ変異体]変異体では安定性はさらに高い。
実際のところ、免疫原性の少ない本発明のプロテアーゼが用いられる用途は非常に多い。洗剤その他の清浄用組成物の他に、免疫原性の少ないプロテアーゼはパーソナルケア用品にも使用される。以下の諸表は、テストに使用するのに適した種々の製品の組成を示したものである。これらの表において、「マイナー」という用語は、pH調整剤、保存剤、粘度調整剤、および香料を含む。また、これらの表では、量は、特に示さない限り、(メーカーが示す)おおよその重量パーセントを表すものであり、有効な数字を示すものではない。

Figure 2005514026

Figure 2005514026

Figure 2005514026

Figure 2005514026

Figure 2005514026

本発明の特定の実施態様について説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく本発明を種々に変更、修正して実施し得ることは、当業者には明らかであろう。また、本発明の好ましい実施態様について説明したが、これらの開示された実施態様に対し種々の修正を加えることができること、およびこのような修正が本発明の範囲に含まれるものであることは、当業者には明瞭であろう。
バシラス・アミロリケファシエンス(Bacillus.amyloliquefaciens)ズブチリシン(BPN’)のDNA(配列番号1)およびアミノ酸(配列番号2)配列、およびにこの遺伝子の部分制限酵素切断地図。 バシラス・アミロリケファシエンス(Bacillus.amyloliquefaciens)ズブチリシン(BPN’)のDNA(配列番号1)およびアミノ酸(配列番号2)配列、およびにこの遺伝子の部分制限酵素切断地図。 バシラス・アミロリケファシエンス(Bacillus.amyloliquefaciens)ズブチリシン(BPN’)のDNA(配列番号1)およびアミノ酸(配列番号2)配列、およびにこの遺伝子の部分制限酵素切断地図。 バシラス・アミロリケファシエンス(Bacillus.amyloliquefaciens)ズブチリシン(BPN’)のDNA(配列番号1)およびアミノ酸(配列番号2)配列、およびにこの遺伝子の部分制限酵素切断地図。 バシラス・アミロリケファシエンス(Bacillus.amyloliquefaciens)ズブチリシン(BPN’)のDNA(配列番号1)およびアミノ酸(配列番号2)配列、およびにこの遺伝子の部分制限酵素切断地図。 前駆体プロテアーゼP1(BPN’−Y217L)(配列番号3)のアミノ酸配列。 450−570nmにおける吸光度の関数として測定した、血清に対する15マーペプチド断片のin vitro反応性を示すデータ。

Claims (18)

  1. B細胞エピトープを含む対象プロテアーゼの変異体であって、
    当該変異体は、改変B細胞エピトープを有する点で対象プロテアーゼとは異なり、それによって、当該変異体は、ヒトにおいて当該プロテアーゼに基づく免疫反応の変化を示し、
    対象プロテアーゼの当該B細胞エピトープが、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、及び260番目残基に対応する残基において少なくとも1のアミノ酸置換を含む、
    当該変異体。
  2. 変異体により生じる免疫反応が、前記対象プロテアーゼにより生じる免疫反応より弱い、請求項1に記載の変異体。
  3. 変異体により生じる免疫反応が、生体内(in vivo)におけるアレルゲン性の低下によって特徴付けられる、請求項2に記載の変異体。
  4. 変異体により生じる免疫反応が、生体外(in vitro)におけるアレルゲン性の低下によって特徴付けられる、請求項2に記載の変異体。
  5. 変異体により生じる免疫反応が、前記対象プロテアーゼにより生じる免疫反応より強い、請求項1に記載の変異体。
  6. 請求項1に記載の変異体をコードする核酸。
  7. 請求項6に記載の核酸を含む発現ベクター。
  8. 請求項7に記載の発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞。
  9. 清浄用組成物、パーソナルケア製品、及び医薬品よりなる群から選ばれる組成物であって、請求項1に記載の変異体を含む当該組成物。
  10. 薬学的に許容可能な担体をさらに含む、請求項9に記載の医薬品。
  11. B細胞エピトープを含む対象プロテアーゼの変異体を含有するスキンケア用組成物であって、
    当該変異体は、改変B細胞エピトープを有する点で対象プロテアーゼとは異なり、それによって、当該変異体は、ヒトにおいて当該プロテアーゼに基づく免疫反応の変化を示し、
    対象プロテアーゼの当該B細胞エピトープが、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、及び260番目残基に対応する残基において1つ以上のアミノ酸置換を含む、
    当該スキンケア用組成物。
  12. 化粧品用として許容可能な担体をさらに含む、請求項11に記載のスキンケア用組成物。
  13. 前記担体が、水、プロピレングリコール、エタノール、プロパノール、グリセロール、ブチレングリコール、分子量約200乃至約600のポリエチレングリコール、分子量約425乃至約2025のポリプロピレングリコール、およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる親水性希釈剤を含む、請求項12に記載のスキンケア用組成物。
  14. スキンケア・アクティブをさらに含む、請求項11に記載のスキンケア用組成物。
  15. 前記スキンケア・アクティブが、ビタミンB3成分、パンテノール、ビタミンE、酢酸ビタミンE、レチノール、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、レチノイン酸、ビタミンC、テオブロミン、アルファ−ヒドロキシ酸、ファルネソール、フィトラントリオール、サリチル酸、パルミチルペンタペプチド−3およびこれらの混合物よりなる群から選ばれる、請求項14に記載のスキンケア用組成物。
  16. 前記ビタミンB3成分がナイアシンアミドである、請求項15に記載のスキンケア用組成物。
  17. グリセリンをさらに含む、請求項11に記載のスキンケア用組成物。
  18. a)B細胞エピトープを含む対象プロテアーゼの変異体であって、
    当該変異体は、改変B細胞エピトープを有する点で対象プロテアーゼとは異なり、それによって、当該変異体は、ヒトにおいて当該プロテアーゼに基づく免疫反応の変化を示し、
    対象プロテアーゼの当該B細胞エピトープが、バシラス・アミロリケファシエンス・ズブチリシンの46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、及び260番目残基に対応する残基において少なくとも1のアミノ酸置換を含む、
    当該変異体を約0.00001重量%乃至約1重量%、
    b)保湿剤を約0.01重量%乃至約20重量%、
    c)スキンケア・アクティブを約0.1重量%乃至約20重量%、
    d)界面活性剤を約0.05重量%乃至約15重量%、および
    e)シリコーンを約0.1重量%乃至約20重量%
    含むスキンケア用組成物。

JP2003557603A 2001-12-31 2002-12-20 免疫反応の変化を生じるプロテアーゼ、ならびにその製造および利用方法 Pending JP2005514026A (ja)

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