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JP2005515058A - 流体の経路割当および制限のための無壁チャネル - Google Patents

流体の経路割当および制限のための無壁チャネル Download PDF

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JP2005515058A JP2003560551A JP2003560551A JP2005515058A JP 2005515058 A JP2005515058 A JP 2005515058A JP 2003560551 A JP2003560551 A JP 2003560551A JP 2003560551 A JP2003560551 A JP 2003560551A JP 2005515058 A JP2005515058 A JP 2005515058A
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ピーター アール.シー. ガスコイニー
ジョディ ヴィコウカル
フレデリック エフ. ベッカー
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    • B03CMAGNETIC OR ELECTROSTATIC SEPARATION OF SOLID MATERIALS FROM SOLID MATERIALS OR FLUIDS; SEPARATION BY HIGH-VOLTAGE ELECTRIC FIELDS
    • B03C5/00Separating dispersed particles from liquids by electrostatic effect
    • B03C5/02Separators
    • B03C5/022Non-uniform field separators
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Abstract

無壁の仮想チャネル(図1)を提供する方法および装置。無壁チャネルは、極性の表面被覆によって決定されるストライプや他のパターンなどの領域の場合がある。無壁チャネルは極性溶媒とともに使用可能であり、別の領域は非極性の分配溶媒で満たされた狭い間隔で隔てられた、チャンバーの上部壁および下部壁の極性の表面パターンの形成により決定される場合がある。本発明は、マイクロ環境とマクロ環境の間に単純かつ作製が容易な界面を提供する。この界面で、微小流体の処理は、非混和性流体の狭いベールを挟んでマクロ環境の流体の流れから隔てられる(液滴の交換は、ベールを越えて電気的に制御可能である)。

Description

発明の背景
本願は、2002年1月4日に出願された米国特許出願第60/345,490号(「Wall-less Channels for Fluidic Routing and Connfinement」の優先権を主張し、参照として本明細書に組み入れる。
I.発明の分野
本発明は、一般に流体処理に関する。より具体的には本発明は、壁を必要としない、流体の経路割当および制限用の装置および方法を提供する。
II.関連技術
流体は従来、チューブや他の通路、および固体壁に囲まれたリザーバーに流体を制限することで処理装置で扱われてきた。例えばチューブの場合、固体壁は、液体の流れを制限する金属、プラスチック、ゴム、または他のいくつかの固体材料の場合がある。しかしこれは、系の特に入口および出口を汚す恐れがあるために、微小流体系では問題となる場合がある。固体壁を使用する上での別の制限は、配線で接続されたチューブ配置で決定される反応の範囲が制限される点、および、あらかじめ決定されている点である。
1つの大きな進歩は、液滴が交差可能で、配線で接続されたチャネルや1次元の追跡スキームでは存在しない能力である、任意にプログラム可能な経路割当を可能とする2次元表面を用いる「プログラム可能な流体プロセッサー」(PFP)である。参照として本明細書に組み入れられる米国特許第6,294,063号では、試薬を液滴またはパケットの状態で導入したり操作したりすることが可能な2次元反応空間の概念が開示されている。このスキームには、液滴を操作する適切な機構を用いることで、試薬を、あらかじめ決められた経路にしたがって反応表面上の任意の位置に運び、他の液滴と融合させて反応を開始させることができるという利点がある。結果的に、このような反応表面の採用により、プログラムが可能となる。というのは多種多様な反応を順序立てて、または反応表面が十分に広い場合であれば同時にプログラム可能に実施できるからである。これは、配線で接続されたチューブ配置によって決定される極めて限られた範囲の反応の制約を受けるチューブを用いた従来の系と比べて有意に有用であると言える。液滴ベースの方法で反応を実施可能な装置を現実化するためには、液滴を導入する機構を提供すること、また一般的には、反応表面から液滴を除去して反応産物を回収する方法を提供することが有用である。参照として本明細書に組み入れられる、2001年6月14日に出願された米国特許出願第09/883,109号(「Apparatus and method for fluid injection」)では、電気的制御下で液滴を形成する誘電的に活性化されるインジェクターについて記載されている。このようなインジェクターを使用することで、加圧されていない流体を含むインジェクターチップに位置する液滴を、液滴に内在する圧力などの要素を用いることでインジェクターチップから引き出すことができる。
液滴および/または誘電泳動に関連する他の手法は、すべてが参照として本明細書に組み入れられるFuhr(Schnelleら、2000;Fiedlerら、1998)、Pethig(米国特許第5,653,859号;米国特許第5,993,631号;米国特許第5,795,457号、および米国特許第5,814,200号)、ならびに他の発明者(Washizuら、1993;Greenら、1997)によって最近報告されている。2次元の電極アレイの使用は、Nanogen社(それぞれ参照として本明細書に組み入れられる、米国特許第6,071,394号;米国特許第6,099,803号、およびこれに類するもの)によって報告されている。この場合、2次元のアレイは(a)DNAを捕捉して移動させるために、および(b)2次元における細胞の誘電泳動による捕捉に使用されている。参照として本明細書に組み入れられる、Handiqueによる米国特許第6,130,098号では、エッチング処理された輸送チャネルを通して液体を動かして疎水性領域で停止させる、微小な液滴を動かす方法について記載されている。Bachelder(参照として本明細書に組み入れられる、米国特許第4,390,403号)は、誘電泳動および水性液滴に関する局面について説明している。
相対する表面を、流体を含む親水性領域および疎水性領域で修飾することは、ある特定の応用で知られている。それぞれ参照として本明細書に組み入れられる、米国特許第6,071,394号;第5,904,824号、独国特許第29908348号、およびGauら、1999では、チャネル用流体に特異的に使用される疎水性および親水性のパターンについて記載されている。しかし、これらの方法および装置では、バイオチップまたは他の装置のさまざまな領域内外への流体の経路割当ができない。むしろこれらは、流体をカラムの一端から別の端へ動かすように設計されている。他のグループは、物理的チャネルにおける親水性領域および疎水性領域と流体の相互作用を用いている。例えば、それぞれ参照として本明細書に組み入れられる、Zhaoら(2001)、および米国特許第6,130,098号では、このような手法の局面について記載されている。いずれの場合も、液滴は、設定されたトラックに沿って動かされ、空間的に1次元に制限される。
以上の点を考慮すると、表面エネルギーが異なる表面を用いて、流体の経路割当用および制限用の無壁チャネルを作ることが可能な手法を提供することが利益となると思われる。こうすることで流体は、無壁チャネルの内外の任意に選択された位置に、いずれかの壁またはインジェクターチップを必要とすることなく動かすことができると考えられる。
上記の問題または短所は網羅的であることは意図されず、むしろ既知の手法の有効性を損なう傾向のあるものの一部である。他にも注目すべき問題は存在すると考えられる。しかし上述の事項は、当技術分野に含まれる装置および方法が全体的に満足のゆくものではなかったこと、および本明細書に記載された手法が求められていることを示すのに十分であると言える。
発明の概要
1つの態様では、本発明は、上部表面、下部表面、およびプログラム可能な操作力を含む、流体パケットの経路割当用の装置に関する。上部表面は、極性経路および非極性領域を含む。下部表面は、極性経路および非極性領域を含む。上部表面の極性経路は、下部表面の極性経路の上部に位置して極性チャネルを形成する。プログラム可能な操作力は、極性チャネルと流体の接触点の内外にパケットを動かすように構成される。
別の態様では本発明は、流体経路の選択法を含む。極性流体は極性チャネルを流れる。パケットは、極性チャネルの非極性領域で操作され、かつパケットには操作力が加えられる。パケットは、極性チャネル内で極性流体と融合する。
別の態様では本発明は、非極性領域に囲まれた極性経路を含む上部表面、および非極性領域に囲まれた極性経路を含む下部表面を含む極性チャネルに極性流体を流す段階(上部表面の極性経路は、下部表面の極性経路のすぐ上に位置して極性チャネルを形成する)、ならびに極性チャネルの一部に操作力を加える段階(極性流体の一部は、極性チャネルから、極性流体のパケットを決定する非極性領域内へ動く)を含む、流体経路の選択法を含む。
定義
本明細書で用いる「担体流体」という表現は、他の物質を懸濁して、反応表面上でパケットを形成するように適合可能な物質を意味する。担体流体は、流体とパケット間の疎水性の差を用いて作用する場合がある。例えば炭化水素分子は、水溶液のパケットに対する担体流体の役割を果たすことができる。なぜなら、懸濁状の炭化水素流体中に導入された水溶液の分子は、相互に結合した状態を維持する傾向が強いからである。この現象は疎水性効果と呼ばれ、パケットの区画化および容易な輸送を可能とする。担体流体は、試料溶液と非混和性の誘電性担体流体とすることもできる。他の適切な担体流体には、空気、水溶液、有機溶媒、油、および炭化水素が含まれるがこれらに限定されない。
本明細書で用いる「分配流体」という表現は、他の物質を懸濁および区画化して、反応表面上で、または2つの流体間のベールでパケットを形成するように適合可能な任意の物質を意味する。分配流体溶媒は、流体とパケット間の疎水性の差を用いて作用する場合がある。例えば炭化水素分子は、水溶液のパケットに対する分配溶媒の役割を果たすことができる。なぜなら、懸濁状の炭化水素流体中に導入された水溶液の分子は、相互に結合した状態を維持する傾向が強いからである。この現象は疎水性効果と呼ばれ、パケットの、表面上または表面を越える区画化および容易な輸送を可能とする。分配流体は、試料溶液と非混和性の誘電性の担体液体の場合もある。他の適切な分配流体には、空気、水溶液、有機溶媒、油、および炭化水素が含まれるがこれらに限定されない。
本明細書で用いる「非混和性流体」という表現は、周囲の流体と混合せず、分配流体として使用可能な任意の物質を意味する。例えば非混和性流体は、炭化水素の分配溶媒に囲まれた水溶液の場合がある。
本明細書で用いる「プログラム可能な流体プロセッサー(PFP)」という表現は、電極アレイを含む場合がある装置を意味する(電極アレイの個々の素子は、異なる電気シグナルでアドレスを指定することができる)。電気シグナルによる電極素子のアドレス指定では、さまざまな場の分布の開始、誘電泳動力または他の操作力(電極面上、または電極面を越えて、パケットを捕捉し、拒絶し、輸送し、または他の操作を行う操作力)の発生が可能である。アレイ内の電極素子のアドレスを電気シグナルでプログラム可能に指定することで、電場の分布およびパケットに作用する操作力を、任意に選択された経路、またはあらかじめ定められた経路に沿ってパケットが操作されるようにプログラム可能となる。
1つの態様では、PFPの電極アレイは、DC、パルス、または低周波のACの電気シグナル(通常は約10 kHz未満)の電気シグナルでアドレス指定可能な個々の素子を含む場合がある。電気シグナルによる電極素子のアドレス指定では、さまざまな場の分布の開始、電極面、または電極面を越えて、荷電性パケットを捕捉し、拒絶し、輸送し、または他の操作を行う電気泳動的な操作力が生じる。アレイ内の電極素子のアドレスを電気シグナルでプログラム可能に指定することで、電場の分布および荷電性パケットに作用する電気泳動的な操作力を、任意に選択された経路、またはあらかじめ定められた経路に沿ってパケットが操作されるようにプログラム可能となる。電気泳動力は、誘電泳動で発生する力などの他の操作力の代わりに、またはこれに加えて使用することができる。
1つの態様では、プログラム可能な流体プロセッサー(PFP)は、あらゆる試薬の分配および経路割当を制御するプログラム可能なマニホールドとして作用するように構成することができる。本明細書で用いる「プログラムマニホールド」は、バイオチップ全体における流体およびパケットの動きの制御に使用される、コンピュータで制御される力と系の組み合わせを意味する。コンピュータ制御される力には、例えば誘電力や磁力がある。流体およびパケットの動きは以下に使用することができる:バイオチップ内で流体もしくはパケットを動かすこと;流体もしくはパケットをバイオチップ内外で操作すること;反応を開始させたり増幅させたりすること;異なる成分もしくは他の機能を分離することなど。PFPは、粒子位置の追跡に使用可能なインピーダンスセンサーと結合させることもできる。
本明細書で用いる「バイオチップ」は、核酸バイオチップ、タンパク質バイオチップ、ラボチップ、またはこれらのチップの組み合わせと表現できる、生物学的なマイクロチップを意味する。核酸バイオチップおよびタンパク質のバイオチップは、装置表面(通常、ガラス、プラスチック、またはシリコン)に結合した状態のDNA、RNA、または他のタンパク質などの生物学的材料を有する。これらのバイオチップは通常、細胞内のどの遺伝子が、任意の時点で活性か、かつ変化に対してどのように反応するかということを同定するために使用されている。ラボチップは、微小流体工学を用いて臨床試験および手順をマイクロスケールで行う。PFPを用いる汎用の生物解析装置であるバイオチップは「バイオフリップ(BioFlip)」と呼ばれる。
本明細書で用いる、オリゴヌクレオチド合成エンジン(OSE)は、以下の特性を含む、微小流体スケールで優勢となる広範囲の効果を利用する微小流体装置である:毛管のホールドオフ特性;微小な液滴に固有の高圧性;混和性溶媒と融合したり迅速に混合したりする液滴の傾向;微小流体空間内における流体の表面エネルギーの誘引性および反発性;ならびに不均一なAC電場が有する、液滴注入、ならびに誘電性粒子の捕捉、拒絶、および輸送を作動させる能力。これらの効果を用いて、テフロン(Teflon)で被覆されたアドレス指定可能な電極アレイからなる反応表面を覆う非混和性担体流体内における誘電泳動(DEP)による液滴の注入および操作に基づくプログラム可能な流体プロセッサー(PFP)を実現することができる。
本明細書で用いる「パケット」および「粒子」はいずれも、任意の区画化された物質を意味する。これらの表現は、流体のパケットもしくは粒子、被覆状態のパケットもしくは粒子、および/または固体のパケットもしくは粒子を意味する場合がある。流体のパケットまたは粒子は、液体または気体の1つまたは複数のパケットまたは粒子を意味する。流体のパケットまたは粒子は、液体または気体の液滴または気泡を意味する場合がある。流体のパケットまたは粒子は、水の液滴、試薬の液滴、溶媒の液滴、溶液の液滴、試料、粒子もしくは細胞懸濁物の液滴、中間産物の液滴、最終反応産物の液滴、または任意の材料の液滴を意味する場合がある。流体のパケットまたは粒子の例は、油に懸濁した水溶液の液滴である。パケットまたは粒子は、被覆状態であるか固体の場合がある。固体のパケットまたは粒子の例は、水溶液、細胞、胞子、デンプン粒、塵、沈殿物などの中に懸濁した表面に試薬が結合したラテックス微小球である。本明細書に記載されたようなパケットまたは粒子を作製したり入手したりする方法は当技術分野で周知である。パケットまたは粒子は、当技術分野で周知のように、大きさおよび形状が大きく変動する場合がある。本明細書に記載された例示的な態様では、パケットまたは粒子の直径は、約100 nm〜約1 cmの場合がある。
本明細書で用いる「アレイ」は、任意の組分けまたは配置を意味する。アレイは、素子の直線状の配列の場合がある。アレイは、行と列を有する2次元の組分けの場合もある。行と列は、均一に空間が設けられていたり、直交していたりする必要はない。アレイは、任意の3次元の配置の場合もある。
本明細書で用いる「1つの(aまたはan)」は、1つまたは複数を意味する場合がある。請求項で用いられるように、「〜を含む(comprising)」という表現とともに使用される場合は、「1つの(aまたはan)」という表現は、1つまたは複数を意味する場合がある。本明細書で用いる「別の(another)」という表現は、少なくとも2つまたはこれ以上を意味する場合がある。
例示的態様の説明
本開示に記載された手法は、壁またはインジェクターチップのいずれも必要とすることなく流体経路の選択用および制限用の装置や方法などを提供することによって、当技術分野における欠点を克服する。
I.誘電泳動流体系
本開示の無壁チャネルは、例えば、参照として本明細書に組み入れられている、係属中の米国特許第6,294,063号(「Method And Apparatus for Programmable Fluidic Processing」)に記載された装置とともに使用することができる。この特許は、反応表面、注入ポート、プログラム可能な操作力の発生手段、位置センサー、および制御装置を用いた材料のパケットの操作に関する手法を開示している。本開示の1つの態様では、注入ポートのある反応表面上に材料を導入する。材料は、区画化されてパケットを形成し、かつパケットの位置は位置センサーで感知されて追跡される。プログラム可能な操作力(1つの態様では、誘電泳動力を含む)が、制御装置により、パケットの位置にしたがって調節可能な、プログラム可能な操作力をパケットの特定の位置に発生する手段で加えられる。パケットは次に、プログラム可能な操作力で、任意に選択された経路に沿ってプログラム可能に動かすことができる。材料の1つまたは複数のパケットは、材料注入ポートを用いる代わりに、本開示の方法で反応表面上に導入することができる。同様に、ひとたびパケットが反応表面に入ったら、試薬および他の反応溶媒を、反応もしくは解析の手順のためにパケットに接触させることができる。プログラム可能な流体プロセッサー(PFP)は、オリゴヌクレオチド、小分子、および他の物質の注入、バルブ作用、測定、およびプログラム可能な経路割当に使用することができる。PFP法もインジェクター法も、例えばオリゴヌクレオチドの合成やビーズの輸送に適した極性溶媒に適合させることが可能であり、かつ本開示の無壁チャネルとともに使用することができる。
本発明の手法とともに使用可能な他の特許および出願には、それぞれが参照として本明細書に組み入れられる、1996年10月18日に出願され1999年1月12日に発行された米国特許第5,858,192号(「Method and apparatus for manipulation using spiral electrodes」);1996年2月23日に出願され1999年3月30日に発行された米国特許第5,888,370号(「Method and apparatus for fractionation using generalized dielectrophoresis and field flow fractionation」);1996年1月31日に出願され1999年11月30日に発行された米国特許第5,993,630号(「Method and apparatus for fractionation using conventional dielectrophoresis and field flow fractionation」);1999年2月1日に出願され1999年11月30日に発行された米国特許第5,993,632号(「Method and apparatus for fractionation using generalized dielectrophoresis and field flow fractionation」);1999年9月14日に出願された米国特許出願第09/395,890号(「Method and apparatus for fractionation using generalized dielectrophoresis and field flow fractionation」);2001年6月14日に出願された米国特許出願第09/883,109号(「Apparatus and method for fluid injection」);2001年6月14日に出願された米国特許出願第09/882,805号(「Method and apparatus for combined magnetophoretic and dielectrophoretic manipulation of analyte mixtures」);2001年6月14日に出願された米国特許出願第09/883,112号(「Dielectrically-engineered microparticles」);2001年6月14日に出願された米国特許出願第09/883,110号(「Systems and methods for cell subpopulation analysis」);2001年12月3日に出願されたGascoyneらによる米国特許出願第10/005,373号(「Particle Impedance Sensor」);2001年12月20日に出願されたGascoyneらによる米国特許出願第10/028,945号(「Dielectric Gate and Methods for Fluid Injection and Control」);2001年12月20日に出願されたGascoyneらによる米国特許出願第10/027,782号(「Forming and Modifying Dielectrically-Engineered Microparticles」);2003年1月3日に出願されたGascoyneらによる米国特許出願第__号(「Droplet-Based Microfluodic Oligonucleotide Synthesis Engine」);ならびに2003年1月3日に出願されたGascoyneらによる米国特許出願第____号(「Proofreading, Error Deletion, and Ligation Method for Synthesis of High-Fidelity Polynucleotide Sequences」)が含まれる。
本発明の説明とともに使用可能なさらに別の出願には、参照として本明細書に組み入れられる「Micromachined impedance spectroscopy flow cytometer of cell analysis and particle sizing」、Lab on a Chip、第1巻、pp.76-82(2001)に記載された事項などがある。
II.無壁チャネル
本開示の1つの態様である無壁チャネルは、極性の表面被覆によって決定される、ストライプや他のパターンなどの領域の場合がある。無壁チャネルは極性溶媒とともに使用可能であり、別の領域は非極性の分配溶媒で満たされた狭い間隔で隔てられた、チャンバーの上面壁および下面壁の極性の表面パターンの形成によって決定される。このため、マイクロ環境とマクロ環境間の、単純かつ作製が容易な界面が提供される(微小流体過程は、マクロ環境の流体の流れから、非混和性流体の狭いベールによって隔てられており、ベールを越えて液滴の交換が電気的に制御可能である)。
連続的な流体カラムの、従来型に近いスキームと、マイクロチャネル内で混合されたPFPの液滴などの、液滴ベースのスキームを用いる場合は、微量測定された試薬の液滴と、連続的な流体層をどのように干渉させ、また続けて必要な場合には、これらをどのように輸送させるかといった問題がハイブリッドのスキームから生じる場合がある。発明者らは、液滴が、適合性のある流体と、連続相チャネル構造に連結された毛管開口部で自発的に融合することを示したが、この液滴収集機構には、デッドスペース、混合、および試薬を必要な反応部位へ動かす方法といった、従来型のあらゆる短所がある。これは、装置の作製に別のレベルの複雑性も招き、かつビーズによって、および注入ポートから装置内に注入された試料もしくはデブリによって妨害されやすくなる恐れがある。
これらの問題、および類似の問題の発生を防ぐために、無壁の「仮想」チャネルを、連続的な流体相を制限するために用いることができる。表面エネルギー効果は、極性被覆されたチャネル領域に極性流体を制限し、非極性の分配溶媒を、非極性被覆された領域に排除する。仮想チャネル内の極性流体は、分配溶媒と、2種類の被覆が干渉する場合にのみ接触する。このスキームでは、極性流体が無壁仮想チャネル内に保持され、かつ分配流体がPFP内に保持されるが、試薬液滴の、極性相中への、同じ側の任意の位置における導入を可能とする。
無壁チャネルの態様を用いた装置の略図を図1に示す。この図でPFPは、オリゴヌクレオチド合成エンジン(Oligonucleotide Synthesis Engine;OSE)として作動するように構成されている。
流入ポートからの試料液滴の誘電泳動による(DEP)注入は、マクロ環境と微小流体環境の継ぎ目のない干渉を可能とする。試料用のインジェクターは、バイオチップに流れるチューブで構成することができる(無壁チャネルが次に、バイオチップの全体における試料の流れを可能とし、誘電泳動で発生される力などの操作力を用いることで、チャネルから任意の点で試料を抽出することができる)。試料の流れを連続的にすることを可能とすることで、新鮮な試料の周期的な微量試料採取を、試料を加圧したり汲み出したりする必要なく、かつインジェクターに至るチャネル内に古い非使用の試料が蓄積するという問題を生じることなく実施することができる。
無壁チャネルの上部と下部表面間の狭い幅は、PFP中のOリング状のマルチピラー様構造などのスペーサー要素によって、またはPFPの外部構造によって形成することができる。1つの態様では、適切な狭い幅は厚みが20 μm〜1000 μm、またはより好ましくは50 μm〜200 μmの場合がある。しかし当業者であれば、他の適切な分離距離の無壁チャネルを形成可能なことを理解できると思われる。
いくつかの応用では、非極性チャネルを周囲の極性領域とともに使用することができる。これは、非極性のパケットおよび流体を反応または他の手順に用いる場合に有用である。
a.蓄積領域
デッドスペースを除き、試薬および洗浄液の添加に関して大きなプログラム可能性および柔軟性を提供するためには、無壁蓄積領域を含めることができる。無壁チャネルに加えて、チャンバーの上部表面および下部表面の領域に、極性材料および非極性材料でパターンを刻むことで、反応表面、リザーバー、または解析領域となりうる蓄積領域を設けることができる。このような極性領域は相互に、およびPFPを走る任意のチャネルから非極性領域を分離することができる。流体は、1つの領域またはチャネルから、別の領域またはチャネルへ、例えば誘電的な操作で動かすことができる。多種多様なパターンを、PFP装置の意図した用途に基づいて刻むことができる。
ビーズリザーバーや、オリゴヌクレオチドの合成に必要な酵素および他の基質用のリザーバーなどの蓄積領域の用途の1つは、使用前に反応物を蓄積することである。蓄積領域は、さまざまな反応物が混合される反応領域として使用することもできる。蓄積領域は、例えばビーズを蓄積領域内に保持しながら、同領域に流体を潅流させるために使用可能なコーム、または他の突起を含む場合がある。
b.パケットの融合
流れる極性流体(水など)を含む無壁チャネルの接触を操作することで、極性流体パケットはチャネルに融合する。このパケットは次に、極性流体とともにチャネル全体に輸送することができる。
誘電泳動によってパケットにかけられた力が、パケットと、流体チャネルおよびその内部の流体のカラムを結びつける有効接着力を越えると、パケットは、流体チャネルから分離し、非極性領域中の収集電極に引き寄せられる。同様に、パケットにかけられた力が、パケットと蓄積領域をつなぐ有効接着力を越えると、パケットは蓄積領域から分離され、流体チャネルまたはPFPの他の領域に引き寄せられる。
1つのパケットが流体チャネルの経路から外れた場合に、別の複数のパケットを操作して、これらを第1のパケットと融合させて、より大きなパケットを形成させることができる。流体は完全に測定可能であり、かつさまざまな大きさのパケットを作ることができる。ひとたび導入されたパケットは、インサイチューで使用することができるか、または誘電泳動、進行波誘電泳動、または機械的な力、電気的な力、および/または光学的な力を含むがこれらに限定されない他の任意の適切な力の機構で操作して所望の位置に動かすことができる。
III.表面相互作用
表面エネルギーおよび界面エネルギーは、巨視的な液滴が、表面吸着時に形状を変える過程と、これらが別の異なる界面エネルギーに対して1つの領域に制限される過程を決定する。総表面エネルギーは、表面上における液体の接触角で表すことができる。均一な固体基質の場合、接触角θはヤングの式:cos(θ)=(σvsLS)/σLVを満たす(同式で、σvs、σLSおよびσLVはそれぞれ気体-固体、液体-固体、および液体-気体の界面張力である)。
表面の親水性および疎水性のパターン形成、および結果として得られる分子の利用、ならびに水との親和性は、流体経路の選択および制限用の無壁チャネルを作るために本明細書に記載された態様に使用することができる。疎水性の表面は、イオン結合または水素結合を介して水分子に結合できないという意味から、水に対して不活性である。2つの巨視的表面間における疎水性の力は、範囲が広く、指数関数的に減衰する。特徴的な減衰長(decay length)は約1〜2 nmであり、範囲は0〜10 nmであり、さらに次第に離れてゆく。疎水性力は、ファンデルワールス引力より、はるかに強い場合があり、その規模は、表面上における水の接触角、または界面エネルギーから決定される表面の疎水性の低下(親水性の上昇)にともなって小さくなる。10 nmを超える分離幅の場合、疎水性の誘引力は、介在する電解質、または担体流体に依存し、かつ希釈溶液もしくは二価イオンを含む溶液の場合は、疎水性効果は80 nmの分離からファンデルワールス引力を越える場合がある。
流体と表面間における親水性相互作用および疎水性相互作用は、マイクロスケールで極めて強力となる場合があり、かつ分子吸着、マイクロチャネル間のバルブ作用、および微小流体応用における他の有用な効果を、本明細書に記載された仮想的無壁チャネルを用いて制御するための1つの基礎として使用することができる。
親水性/疎水性、および極性/非極性の間における有効な差は、系が水または緩衝液を極性流体として含む場合は、わずかな場合があり、かつ互換的に使用することができる。極性分子は、永久電気双極子を有することを特徴とする場合があるが、非極性分子は永久電気双極子をもたない。一方、親水性および疎水性は、水に対する親和性によってのみ決定される。
毛管力が、系に対して、この大きさのスケールで顕著となる場合もある。毛管現象は、水分を含む流体がウィッキング作用によって空の毛管または孔の空間内へ移動する傾向である。毛管現象によって、水などの液体がリザーバーから小さなチューブの内部に自然に流れる。毛管現象の駆動力は、Δp=2γ/rで表される毛血圧力によって測定される。同式でγは流体の表面張力であり、rは、毛管空間方向への液体メニスカスの曲率半径である。毛管力は、パケットを無壁チャネルまたは蓄積領域から毛管チャネル内へ、毛管チャネルの入口における位置に向けてパケットを操作することで動かすために、本開示の態様に使用することができる。
a.パターンが刻まれた表面上における相互作用
水を、1本のストライプ状の親水性/疎水性の表面で連続的に濃縮させると、水のストライプが形成され、表面の親水性領域を完全に覆う。埋められたストライプ状表面は、円筒状のキャップ状を示す場合があり、かつ水と表面間の接触は、親水性/疎水性のドメイン境界に残る場合がある。一連の極性経路を有する1つの表面を調べることで、チャネルに対する負荷が大きすぎる場合に形状が不安定化することが明らかになる。これは流体経路中に隆起として現れる場合があり、2つの異なるチャネル間のマイクロブリッジ(microbridge)を形成するのに有用な可能性がある。形状の不安定性は、流体が、親水性ストライプとの接触を最大化することが可能な角で、より容易にみられる。しかし、このような流体交換法は、一部の点(角)に、または角が存在しない場合であればランダムな現象に制限される場合があり、かつ流体チャネルに対する負荷が大きすぎる場合にのみ可能となる場合がある。形状が不安定化する確率は、上部と下部の親水性ストライプを流体チャネルとして使用すると小さくなる。しかし、この手法は、流体の体積を流体チャネル内で制御して、形状の不安定化を防ぐために有用である。
b.パケット上で誘電的に誘導される力
1つの態様では、電気的な力を用いて、無壁チャネルまたは蓄積領域内に由来するパケットの形成に影響を及ぼすことができる。別の態様では、電気的な力を用いて、パケットを、無壁チャネルと融合するように操作することができる。しかし、電気に関する方程式は幾何学的配置に依存するので、本明細書に記載された理論的な議論は、説明のみのものであって、制限するものであるという意図はないことを意味する。具体的には本明細書は、あらゆる異なる幾何学的配置に応用可能な特定の方程式を提供するのではなく、物理的な原理を説明している。当業者であれば、任意の態様で、このような方程式の正確な形が、本明細書に記載された式とはいくぶん異なるが、パケットの注入を支配する物理的な原理は、同じとは言えないにせよ似ていることを理解すると思われる。したがって、本明細書に記載された例示的な例についての利益を得ることで、任意に異なる配置に摘要可能な方程式および解は当業者に容易に明らかになると思われる。
仮に、第1の誘電性材料の小さな球(固体、液体、もしくは気体を含む場合がある)を、電場をかける第2の異なる誘電性材料に導入すると、誘電性材料の足し合わされた系のエネルギーは、導入前のエネルギーと比較して、2つの誘電性材料の分極率の差の結果として変化すると考えられる。このエネルギー変化は、以下の式で近似できるWに比例する:
Figure 2005515058
上式で
Figure 2005515058
は電場であり、εsは第2の誘電性材料の誘電率であり、rは小球の半径であり、かつ
Figure 2005515058
は加えられる電場である。項fCMは、第1の材料の複素誘電率ε* fと、第2の材料におけるε* sの差に関する球体の分極率を表す、当技術分野で周知のいわゆるクラスシウス・モソッティ(Clausius-Mossotti)因子であり、仮に電場が空間内を通過しないのであれば次式で表される:
Figure 2005515058
本開示では、第1の誘電性材料が、反応表面に向かってチャネルを通過しようとする流体であり、第2の材料が、無壁チャネルの周囲を囲む非混和性の液体もしくは気体であると仮定する。第2の液体または気体は、「分配流体」と呼ばれる場合がある。
電場が、無壁チャネル内の流体と、無壁チャネル外にあって懸濁用溶媒中の距離dに位置する第2の点電極間に加えた電圧Vから生じると仮定すれば、パケットの圧力に及ぼす作用を説明するために、潜在的な配置を、2次元の複素平面にそれぞれ起点およびz=dに位置するベクトル場の強度がV/2で、強度の低下が-V/2の源によって作られるものに大まかに言うと類似しているので近似することができる。重ね合わせ理論により、z平面における潜在的な分布は次式で表される。
Figure 2005515058
zに関して微分することで、ベクトル場をおよび場の勾配がそれぞれ次式のように得られる:
Figure 2005515058
これらの式を、流体懸濁用溶媒の界面における圧力変化の式に代入することで、以下の方程式が得られる:
Figure 2005515058
電気的に誘導される圧力は、電圧Vの二乗によって決まる。これは、加えられた電圧の方向が重要でないことを意味するだけでなく、交流(AC)場を使用可能なことも意味する。AC場の利用は実際に有益である。なぜなら、十分高い周波数の場は、薄層の誘電性材料(テフロン(TEFLON)など、または他の任意の適切な絶縁材料)で絶縁された電極から、流体パケットの操作が行われるチャンバー内に容量結合可能なためである。また、AC場を利用することで、流体の誘電性誘電率ε* fおよび懸濁用溶媒の周波数依存性、および流体中の任意の物質の周波数依存性を必要に応じて利用することができる。このような周波数依存性は、加えられた場の多様な周波数において材料のさまざまな挙動を生じ、かつ適切な環境下では、周波数の変化に応じて誘電泳動力の方向に有用な変化を生じる可能性がある。
近似的には、電場が、無壁チャネルにおいてパケット形成に及ぼす作用は、位置z=rにおけるx軸方向の圧力特性を調べることで判断することができる。この条件を、rが他の電極に対する距離dと比較して小さい、パケット形成の初期段階における圧力方程式に代入することで、以下の近似方程式が得られる:
Figure 2005515058
この場合、流体-懸濁用溶媒の界面における圧力変化は、懸濁用溶媒の置換に由来する誘電エネルギーによって占められる。このような圧力変化は、パケット上の正味の電荷に依存しない。
1つの態様では、誘電泳動力は、反応表面の上部表面に作られた一連の個々の誘導電極(driving electrode)によって発生する場合がある。誘導電極素子は、ACまたはDCの電気シグナルによって個別にアドレス指定可能な場合がある。適切なシグナルを誘導電極に加えることで、パケットに作用する誘電泳動力を発生する電場が生じる。異なるシグナルを異なる電極に切り換えると、流体装置内における電場の分布が生じる。これは、さまざまなパケットの、装置内の無壁チャネルおよび蓄積領域の内外における操作に使用することができる。このような電場の分布を用いることで、パケットを分配溶媒中に引き込むことができる。
圧力ホールドオフ特性も、無壁チャネルへの流体の制御注入に使用することができる。圧力を用いてチャネルの弁を開閉することは、流体の流れを制御する1つの方法である。
IV.極性/非極性領域の形成
1つの態様では、チャンバーの上部表面および下部表面の領域に、さまざまな親水性材料および疎水性材料でパターンを刻むことができる。このような修飾表面は、微小面接触印刷(それぞれ参照として本明細書に組み入れられる、Lopezら、1993;Drelichら、1994;Morhardら、1997)、蒸着(それぞれ参照として本明細書に組み入れられる、Jacobsら、1997;Gauら、1999)、およびフォトリソグラフィー(それぞれ参照として本明細書に組み入れられる、Wangら、1997;Mollerら、1998)などのさまざまな手法で作製することができる。
a.シラン処理
シラン処理は、表面修飾の化学的処理であり、パターンが刻まれた表面の、例えば微小面接触印刷による作製に使用することができる。表面は、オクタデシルシランなどのアルキルシランで表面を形成することで、高度に親水性にすることができる。オクタデシルトリメトキシシランや、オクタデシルトリクロロシランなどの、1つ、2つ、および3つの官能基を有するシランを使用することができる。他のシランを使用して、疎水性および極性が異なる表面を形成することができる。例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシランを用いて、末端にアミンを有する表面を形成することができる。非極性表面を有する装置PDMSの作製に有用なシランは、表面を酸化することで極性化することができる。
表面をシラン化する場合は、洗浄で乾燥した基質を得ることが重要である。これは、当技術分野で周知のさまざまな洗浄手順を用いることで、または製造後から、汚染された大気に曝露されていない基質から始めることで達成することができる。ガラス基質に使用可能な洗浄溶液には、ピラニア溶液(硫酸+過酸化水素)などがある。他の洗浄手段には、プラズマ洗浄、およびNaOHによる洗浄などがある。
b.表面酸化
表面を酸化処理して親水性、または一層親水性にすることができる。この処理には、表面の最上層を酸化して、ヒドロキシル、カルボニル、カルボン酸、および他の酸素に富む官能基を形成させる段階が含まれる。表面酸化は、プラズマ、紫外光、または電子ビームをエネルギー源として、酸素および空気の存在下で用いて実施することができる。
フレーム処理(flame treatment)、コロナ放電、UV照射、および化学的酸化(酸化性の酸溶液による処理)による酸化処理は一般に、表面の親水性を高める。プラズマ処理および/またはプラズマ重合を行い、適切な処理用の気体もしくは単量体を、制御された反応条件において使用することで、異なる種類の化学種を、表面に選択的に組み入れることによって表面の疎水性を変化させることもできる。このような酸化過程は、高周波プラズマチャンバー内で、酸素含量の高い大気中で実施することができる。参照として本明細書に組み入れられる国際特許出願番号SE89-00187号では、酸化によって表面の親水性を高め、表面の官能基を反応させて、安定な求核性官能基を表面に形成させる方法について記載されている。
c.フォトリソグラフィー
フォトリソグラフィーは、マスクから、フォトレジストで被覆された表面にパターンを移す処理である。この処理を行うことで、表面上の親水性領域および疎水性領域にパターンを刻むことができる。パターンは、最初にマスク上に作られる。これは、透明なガラスプレート上に不透明なパターン像を有する明視野マスク(light-field mask)か、不透明なガラスプレート上に透明な像を有する暗視野マスクのいずれかである。この表面を乾燥させ、接着促進剤(adhesion promoter)(例えばHMDS)で被覆し、かつフォトレジスト(PR)と呼ばれる光感受性フィルムでスピンコートする。この表面を再び乾燥させて溶媒を除き、表面に対する接着を強化して、マスクと貼りつかないようにする。マスク位置合わせツールを用いて、マスクと表面を重ね合わせて整列させる。紫外光源で、マスクの不透明部分で覆われていないPRを露光する。次に表面を、使用するPRの種類に依存してPRの露光領域か非露光領域のいずれかを溶解する化学溶液(展開液)に浸す。PR下の基質の化学的特性に依存して、この処理により、パターンが刻まれた表面をさまざまなエネルギーで形成することができる。
ポジ型フォトレジストを使用する場合は、UV光で露光した領域は展開液中で溶かし去られて、表面上の、マスクが不透明であった位置にのみPRが残るように化学的に変化する。これは、ポジ型フォトリソグラフィーとして知られ、比較的広く行われている。
ネガ型フォトレジストを使用する場合は、露光領域が、PR中のポリマーが架橋するように化学的に活性化される。架橋状態のポリマーは、もはや光または展開液に対する感受性を失い、このため、架橋されなかったレジストは展開過程で除かれ、後には「硬化」された架橋状態のPRが残る。架橋状態のレジストは、マスク上の不透明でなかった領域に残るので、これはネガ型フォトリソグラフィー、または像反転(image reversal)リソグラフィーとして知られる。
d.他の表面処理
当技術分野では、表面を多少親水性/極性化する周知の数多くの表面修飾法がある。このような方法には、発煙亜硝酸によるアミノ基の付加(Rubinら、1980)、ブロモアセチル化(Petermanら、1988)、および化学グラフト処理(Hoffmanら、1991)などがあるがこれらに限定されない。
V.実施例
以下の実施例は、本発明の特定の態様を示すために含まれる。発明者らによって発見された代表的な手法にしたがう実施例に記載された手法が、本発明の実施において良好に機能することで、本発明の実施の特定の様式を構成するとみなすことができることを当業者であれば理解できるはずである。しかし当業者であれば、本開示に鑑みて、開示はされていても同様もしくは類似の結果を、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく保持する、特定の態様における多くの変更がなされる場合があることを理解するはずである。
実施例I
本開示の1つの態様による無壁チャネルを有する装置の略図を図1に示す。この装置は、4 mm×7 mmの単位セルモジュールである。最も左側および最も右側の部分は、任意選択で流体バス(fluidic bus)と干渉可能なオンチップ(on-chip)の試薬リザーバーを含む。中央部は、誘電泳動(DEP)を用いて、試薬の少量(5 nL)の液滴を要求に応じてリザーバーからPFP反応空間内へ注入するプログラム可能な流体プロセッサー(PFP)を含む。この位置で、2次元の電極アレイによって供給されるDEP力によって決定される任意にプログラム可能な経路に沿って経路が決まる。反応空間は、誘電率が低い、デカンまたはブロモデカンなどの非混和性の分配流体溶媒で満たされている。DEPの注入は、完全なオリゴヌクレオチドの合成装置からのフラッシングを含む、流体の測定および合成に必要なバルブ作用をもたらす。電極アレイは、不活性な被覆剤(例えばテフロン)で不動態化して、表面の汚染や、試薬と金属電極の接触の可能性を除くことができる。装置表面との化学的相互作用をさらに除くことを目的として、オリゴヌクレオチドを、装置そのものではなく、この目的のために開発された移動性の固相支持体の表面に合成することができる。このような支持体は、DEPにより必要に応じて引き出して開放することを可能とする明確な誘電特性をもたせるように作製された10μmのビーズ(または他の大きさのビーズ)の場合がある。ビーズ支持体は、オンチップのリザーバー内に(中央のチャネルの上部右側に)、リザーバーの底面上の4相のTWD電極トラックによって提供される進行波誘電泳動(TWD)によって貯蔵され、要求に応じて測定され、分配されることができる。
この設計の1つの特徴は、連続的な流体のチャネルが無壁であることである。つまり、極性試薬は、極性被覆の、薄い反応チャンバーの上部表面および下部表面の両方におけるパターン形成に由来する表面力によって制限される。これにより、試薬と、装置の他の表面領域の非水和性(non-wettable)で非極性の被覆との間に生じる可能性のある、高い表面エネルギーの相互作用とは対照的に、極性溶媒に対する表面接触エネルギーが低い領域を極性溶媒に提供する。これとは逆に、PFP中の非極性の分配溶媒は、非極性表面被覆と選択的に結合し、極性被覆された表面を避ける。以上の理由から、極性領域は、極性流体および化学反応を制限する傾向のある低エネルギーの経路を提供する。本発明の無壁チャネル重要な特徴は、試薬の液滴を、PFPから、その側に沿った任意の位置におけるDEP操作によって非機械的に導入可能な点である。PFP法と共役した無壁チャネルスキームは、単純かつ作製が容易な界面をマイクロ環境とマクロ環境の間に提供する。
本開示は、さまざまな修飾および代替形態に適応性があるが、特定の態様を、例として本明細書に記載した。しかし、本開示は、開示された特定の様式に制限される意図がないことが理解されるべきである。むしろ本開示は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨および範囲に含まれる、あらゆる修飾、同等物、および代替形態を範囲に含む。また、開示された装置および方法の異なる局面は、さまざまな組み合わせで、および/または独立に使用することができる。したがって本発明は、本明細書に記載された組み合わせのみに制限されるのではなく、他の組み合わせも含む場合がある。
参照文献
以下に挙げる各参照文献は、特に全体が参照として本明細書に組み入れられる:
Figure 2005515058
以下の図面は、本明細書の一部をなし、本発明の特定の局面をさらに説明するように含まれる。本発明は、1つもしくは複数のこれらの図を、本明細書に記載された特定の態様の詳細な説明と組み合わせて参照することで良好に理解されると思われる。
プログラム可能な流体プロセッサー、モジュール全体に広がるチャネル、および本開示の1つの態様による他のチップベースの部分を含む単位モジュールの略図である。

Claims (48)

  1. 以下を含む、流体パケットの経路割当用の装置:
    極性経路および非極性領域を含む上部表面;
    極性経路および非極性領域を含む下部表面(上部表面の極性経路が、下部表面の極性経路の上に位置して極性チャネルを形成する);ならびに
    電場を介して、極性チャネルと流体の接触点の内外にパケットを動かすように構成されているプログラム可能な操作力を、生じるように構成されたコンダクター。
  2. 上部表面および下部表面の間隔が0.2 mm〜0.4 mmである、請求項1記載の装置。
  3. 操作力が誘電泳動力を含む、請求項1記載の装置。
  4. 操作力が、誘電泳動によって誘導される力を含む、請求項3記載の装置。
  5. 上部表面および下部表面上に極性領域をさらに含み、上部表面の極性領域が、下部表面の極性領域のすぐ上に位置する請求項1記載の装置。
  6. 極性領域が、蓄積領域、反応表面、または解析領域を含む、請求項5記載の装置。
  7. 極性経路が、上部表面および下部表面の表面酸化によって形成される、請求項1記載の装置。
  8. 非極性領域が、上部表面および下部表面のシラン処理によって形成される、請求項1記載の装置。
  9. 流体パケットと極性チャネルの流体接触が、極性チャネルに沿った任意の点で起こる、請求項1記載の装置。
  10. 極性チャネルが、実質的に装置の中心を走る、請求項1記載の装置。
  11. 極性チャネルが、実質的に装置の縁に位置する、請求項1記載の装置。
  12. 極性チャネルを、極性チャネルを介して連続的な流体の流れに適合させる、請求項1記載の装置。
  13. 流体が水または緩衝液である、請求項12記載の装置。
  14. 流体的に装置に連結した第2の装置をさらに含む、請求項1記載の装置。
  15. 上部表面または下部表面に結合させたコーム電極をさらに含む、請求項1記載の装置。
  16. 第2の極性経路をさらに含む、請求項1記載の装置。
  17. 極性チャネルが、ホールドオフ圧力を用いてバルブ作用に適合された、請求項1記載の装置。
  18. 極性流体を極性チャネルに流す段階;チャネルの非極性領域中でパケットを操作する段階;ならびに極性チャネル内で極性流体と融合するパケットに、操作力を加える段階を含む、流体経路を選択する方法。
  19. 極性チャネルが、非極性領域に囲まれた極性経路を含む上部表面、および非極性領域に囲まれた極性経路を含む下部表面を含み、上部表面の極性経路が、下部表面の極性経路のすぐ上に位置する、請求項18記載の方法。
  20. 非極性の分配溶媒をさらに含む、請求項18記載の方法。
  21. 操作力が、誘電泳動力、電気泳動力、光学的な力、機械的な力、光源、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項18記載の方法。
  22. 操作力が誘電泳動を含む、請求項21記載の方法。
  23. 極性流体が極性チャネルを連続的に流れる、請求項18記載の方法。
  24. 極性流体が水または緩衝液である、請求項18記載の方法。
  25. 非混和性流体の複数のパケットに操作力を同時にかける段階をさらに含む、請求項18記載の方法。
  26. ホールドオフ圧力を用いて極性チャネルのバルブ作用段階をさらに含む、請求項18記載の方法。
  27. 流体パケットと極性チャネルの流体接触が、極性チャネルに沿った任意の点で起こる、請求項18記載の方法。
  28. パケットが蓄積領域から得られる、請求項18記載の方法。
  29. 蓄積領域が、上部表面および下部表面上に極性領域を含み、上部表面の極性領域が、下部表面の極性領域のすぐ上に位置する、請求項28記載の方法。
  30. パケットが、極性チャネル内での極性流体との融合に先立ち、蓄積領域における化学的または生物学的な反応に関与する、請求項28記載の方法。
  31. パケットがオリゴヌクレオチドの合成に使用される、請求項18記載の方法。
  32. パケットがビーズの輸送に使用される、請求項18記載の方法。
  33. 非極性領域に囲まれた極性経路を含む上部表面、および非極性領域に囲まれた極性経路を含む下部表面を含む極性チャネルに極性流体を流す段階(上部表面の極性経路が、下部表面の極性経路のすぐ上に位置して極性チャネルを形成する);ならびに
    極性チャネルの一部に操作力を加える段階(極性流体の一部が、極性チャネルから、極性流体のパケットを定める非極性領域内へ動く)段階を含む、流体経路の選択法。
  34. パケットが極性チャネルから毛管開口部へ動く、請求項33記載の方法。
  35. 操作力が加えられる極性チャネルの一部が、極性チャネルに沿った任意の点に存在する、請求項33記載の方法。
  36. パケットを蓄積領域内へ動かす段階をさらに含む、請求項33記載の方法。
  37. パケットが、蓄積領域内における化学的または生物学的な反応に関与する、請求項36記載の方法。
  38. パケットがオリゴヌクレオチドの合成に使用される、請求項36記載の方法。
  39. パケットがビーズの輸送に使用される、請求項36記載の方法。
  40. 非極性領域に非極性の分配溶媒をさらに含む、請求項33記載の方法。
  41. 上部表面と下部表面の間隔が0.2 mm〜0.4 mmである、請求項33記載の方法。
  42. 操作力が、誘電泳動力、電気泳動力、光学的な力、機械的な力、光源、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項33記載の方法。
  43. 操作力が、誘電泳動で発生した力を含む、請求項42記載の方法。
  44. 極性流体が、極性チャネルを連続的に流れる、請求項33記載の方法。
  45. 極性流体が水または緩衝液である、請求項33記載の方法。
  46. 非混和性流体の複数のパケットに操作力を同時にかける段階をさらに含む、請求項33記載の方法。
  47. ホールドオフ圧力を用いて極性チャネルのバルブ作用段階をさらに含む、請求項33記載の方法。
  48. 流体パケットと極性チャネル間の流体接触が、極性チャネルに沿った任意の点で起こる、請求項33記載の方法。
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