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JP2005524389A - 宿主組織内への核酸分子の電気的遺伝子導入の増強 - Google Patents

宿主組織内への核酸分子の電気的遺伝子導入の増強 Download PDF

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JP2005524389A JP2003546939A JP2003546939A JP2005524389A JP 2005524389 A JP2005524389 A JP 2005524389A JP 2003546939 A JP2003546939 A JP 2003546939A JP 2003546939 A JP2003546939 A JP 2003546939A JP 2005524389 A JP2005524389 A JP 2005524389A
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Abstract

電気刺激と生物学的に活性な量のヒアルロニダーゼの投与との相乗的工程を組合せることを含む、脊椎動物宿主への医薬物質(例えば核酸分子)の運搬方法を開示する。ヒアルロニダーゼと医薬物質(例えば核酸分子)とを含む製剤も開示する。ヒアルロニダーゼ調製物は、好ましくは、該医薬物質の前またはそれと同時に、および適用される電気刺激と共に適用されて、電気刺激のみの場合と比較して標的組織内への医薬物質集団の導入の増強をもたらす。ヒアルロニダーゼの投与と電気刺激との組合せは、標的脊椎動物宿主組織への医薬物質(例えば核酸分子)の導入における実質的な増強をもたらす。

Description

本発明は、脊椎動物宿主(例えば、ヒトまたは動物宿主)内への医薬物質(例えば、核酸分子)の電気的導入の効率の増強(促進)に関する。本発明の方法は更に、それぞれの医薬物質の投与および電気刺激の前またはそれらと同時に生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼを投与して、電気的刺激のみの場合と比較して標的組織内への医薬物質集団の導入の増強をもたらすことに関する。そのような方法は、それぞれの宿主の標的組織における核酸分子の導入および発現の効率を改善するものである。また、本発明は、タンパク質およびペプチドのような他の化合物と共に使用することが可能である。
ヒアルロニダーゼと医薬物質とを含む製剤も開示する。そのような製剤は、適当な電気刺激と組合される、これらの2つの成分の単一の投与を可能にする。
電気エネルギーの十分な適用は膜の透過性を増加させて、膜または組織に溶液がより容易に拡散するのを可能にして所望の効果を達成させる点で、適用された電気エネルギーは生体膜に影響を及ぼしうることが、種々の研究から示されている。一般に、電気的または電磁的刺激の効果はイオントホレシス、電気泳動またはエレクトロポレーション(これらは「電気的刺激」または「電気刺激」、あるいは核酸分子の導入の場合には「電気的遺伝子導入」または「EGT」と総称され、異なる形態の電気刺激であるか、または電磁場の効果を解釈するための異なる方法である)の1以上に基づいて説明されている。イオントホレシスは、一般には、直流電流の適用による、皮膚のような無傷膜を介したイオン化物質の導入に関連したものである。おそらく、電流がイオンを運び、および/または組織内のイオンの移動度を増加させるのであろう。電気泳動は、電場の影響下での流体またはゲル内のイオンの移動に関連したものである。エレクトロポレーションにおいては、電場(しばしば、パルス化されたもの)およびそれに伴う誘導電流が、膜(典型的には細胞膜)内の微小孔の形成を誘発する。これらの孔は一般には「電気穿孔」と称され、それを形成させる方法がエレクトロポレーション(電気穿孔法)である。エレクトロポレーションの潜在的応用においては、医薬物質、分子、イオンおよび/水のような溶液が、電気的に形成された孔を介して、膜の一方の側から他方の側へ、より容易に通過することが可能である。該孔は、好ましくは、電場の適用中に一時的に維持される。電場の適用後、短時間のうちに該孔は閉じるか又は元に戻るべきである。しかし、元に戻るまでの時間は電気刺激の振幅および持続時間に左右され、適用する瞬時出力レベルが高すぎたり及び/又は刺激持続時間が長すぎると組織を永久的に損傷する可能性がある。その損傷は、過度に大きな若しくは多数の孔の形成または組織の抵抗熱発生またはそれらの両方によるものであろう。
電気的に誘発された孔はインビトロでは或る程度は観察され研究されており、この場合、溶液中の細胞はお互いから実質的に独立しており、見えるように露出している。インビボでは、そのような状況は容易には観察されない。最も妥当と考えられる顕微鏡規模で特定の部位において観察を行うことができても、組織内の電場および電流密度のばらつきの影響のため、あるいは観察を行うのに使用した装置による誘発のため、それは例外的なものであろう。
遺伝子治療および免疫療法は組織のエレクトロポレーションの候補適用対象である。組織の電気刺激においては、接触装置および非接触装置の使用が可能である。接触装置においては、標的部位の反対側に付着した導電性電極を使用して、標的組織部位に物理的に接触させることにより、信号を与える。非接触装置においては、同様に該部位の反対側に配置された電極またはコイルを使用して、電場または磁場を発生させることが可能である。接触装置の例では、組織はリアクタンス性成分(キャパシタンスまたはインダクタンス)を有していることがあり、組織の導電率は、エネルギーの適用の影響のため(例えば、加熱のため)、時間と共に変化しうるが、一般には、組織の電気的応答はオームの法則に従う。
直接的なプラスミドDNA遺伝子導入には、ウイルス遺伝子および脂質粒子に伴う潜在的な問題がないため、該遺伝子導入は、現在、多数の新興的治療方法の基礎となっている(例えば、Van Deutekomら,1998;Mol.Med.Today 4:214−220;TrecoおよびSelden,1995,Mol.Med.Today 1:314−321を参照されたい)。骨格筋媒介性プラスミドは、免疫適格宿主において、何ヶ月または何年にもわたり効率的に発現されており(例えば、Wolffら,1992,Hum.Mol.Genet.1:363−369;Davisら,1993;Manthorpeら,1993,Hum.Gene Ther.4:419−431を参照されたい)、トランスジーンの発現および生理的または治療的応答、例えばワクチンおよび抗炎症性応答またはヘマトクリット(Hct)の増加をもたらしている(例えば、Davisら,1996;Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7213−7218;Kesslerら,1996;Proc Natl Acad Sci USA.93:14082−14087;Kreissら,1999,J.of Gene Med.1:245−250;Levyら,1996,Gene Therapy 3:201−211;Millerら,1995,Gene Therapy 2:736−742;Songら,1998;J.Clin.Invest.101:2615−2621;Trypathyら,1996,PNAS 93:10876−10880を参照されたい)。しかし、外来遺伝子発現の個体間のばらつきが大きいこと、および治療用タンパク質の発現レベルが低いこと(特に、大動物において)(Jiaoら,1992,Hum.Gene Therapy 3:21−33を参照されたい)は、裸DNAの注入を臨床用途に用いることに対する限定要因である。それにもかかわらず、プラスミドDNAの効率的な導入方法の開発は種々の疾患における適用において理想的であろう。
2000年8月29日付けでMathiesenらに発行された米国特許第6,110,161号(WO 98/43702およびMathiesen,1999,Gene Therapy 6:508−514も参照されたい)は、約25V/cm〜約250V/cmの範囲の算出電場強度での骨格筋のインビボ電気刺激を開示している。
WO 99/01158、WO 99/01157およびWO 99/01175は、裸DNAのインビボ電気刺激を促進するための長い持続時間にわたる低電圧の使用を開示している。標的組織に応じて、約1V/cm〜約600V/cmの電場強度または電圧傾度が開示されている。これは、最小効果から潜在的損傷レベルまでの比較的広い範囲を含んでいる。しかし、より一層高い電圧傾度が提示されている。
米国特許第5,810,762号、米国特許第5,704,908号、米国特許第5,702,359号、米国特許第5,676,646号、米国特許第5,545,130号、米国特許第5,507,724号、米国特許第5,501,662号、米国特許第5,439,440号および米国特許第5,273,525号は、エレクトロポレーション/電気刺激法および関連装置を開示しており、これらにおいては、それぞれの組織における有用な電場強度範囲が約200V/cm〜約20KV/cmであると示唆されている。米国特許第5,968,006号および第5,869,326号は更に、あるインビボ電気刺激法には僅か100V/cmの電場強度が有用であると示唆している。
Jaroszeskiら(1999,Advanced Drug Delivery Reviews 35:131−137)は、電気的に媒介されるインビボ遺伝子運搬技術の現在の状況を概説している。その著者は、腫瘍細胞への化学療法剤の運搬でのこれまでの成功を強調しており、この分野における初期の結果のいくつかを考察している。
Titomirovら(1991,Biochem Biophys Acta 1088:131−134)は、2つのプラスミドDNA構築物を皮下に運搬し、ついで、400V/cm〜600V/cmの電場強度を与える皮膚ヒダの電気刺激を行った。
Hellerら(1996,FEBS Letters 389:225−228)は、環状配置の電極間で次々と循環する高電圧パルス(11.5KV/cm)を発生させることにより、2つのレポーター遺伝子を発現するプラスミドDNAをラット肝臓組織に運搬した。
Nishiら(1996,Cancer Res.56:1050−1055)は、レポーター遺伝子を発現するプラスミドDNAをラット脳組織へ運搬した。その著者は約600V/cmの電場強度を用いた。
Zhangら(1996,Biochem.Biophys.Res.Comm.220:633−636)は、120Vのパルスを皮膚ヒダにかけて、プラスミドDNAをマウス皮膚に経皮的に運搬した。この場合、電極間の距離は僅か約1mmであった。
Muramatsuら(1997,Biochem.Biophys.Res.Comm.223:45−49)は、10mSのパルス持続時間での100Vのパルスによる、マウス精巣細胞へのプラスミドDNAのトランスフェクションを報告している。
Rolsら(1998,Nature Biotechnology 16(2):168−171)は、4.2mm間隔の電極間に約300〜400Vの電圧をかけることによる、マウス腫瘍細胞へのプラスミドDNAのトランスフェクションを報告している。
AiharaおよびMiyazaki(1998,Nature Biotechnology 16:867−870)は、電極間距離3〜5mmで一定電圧(60V)の方形波形パルス(50mSの持続時間)を送ることによる、マウス筋組織内でのβ−galのインビボ発現を報告している。
Vicatら(2000,Human Gene Therapy 11:909−916)は、高電圧(900V)で短いパルス(100 S)の電気刺激法が標的細胞(この場合はマウス筋細胞)内での発現の延長を引き起こすことを示している。
Wideraら(2000,J.Immunology 164:4635−4640)は、5mm間隔の導電性電極で100ボルトをかけて、B型肝炎表面抗原、HIV gagおよびenvをコードするDNAワクチンをインビボでマウスおよびモルモットに運搬している。
Suzuzkiら(1998,FEBS Lett.425:436−440)は、25、50および100Vの電圧をラットの肝葉にかけている。その著者は、50Vでの8パルス(それぞれ50ms)がGFPの発現に最適であることを見出した。
Gotoら(2000,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.97:354−359)は、環状配置の6個の針状電極による電圧パルス(約66V/cmの電場強度)によるマウスの腫瘍へのジフテリア毒素の「A」断片およびHSV TK遺伝子の運搬がマウスにおける腫瘍増殖を減少させることを示している。
Oshimaら(1998,Gene Therapy 5:1347−1354)は角膜上皮へのEGTを示している。
Favre(2000,Gene Therapy 7:1417−1420)は、HYAseが、注入組織内でのウイルス拡散を増加させることによりラット骨格筋内へのアデノ随伴ウイルス媒介性遺伝子導入を増強することを示している。
Fromesら(2000,Gene Therapy 6:683−688)は、HYAseとコラゲナーゼとの混合物がラット心筋内でのアデノウイルス拡散を増加させることを示している。
Batraら(1997,J.Biol.Chem.272:11736−11743)は、悪性胸水の細胞外成分による、癌細胞へのレトロウイルスの遺伝子導入の抑制、およびHYAseおよびコンドロイチナーゼでの胸水の処理によるこの抑制の中和を示している。
Dubenskyら(1984,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.81:7529−7533)は、ポリオーマプラスミド組換えDNAをHYAseおよびコラゲナーゼと共に注入すると、マウス肝臓および脾臓への、より均質なトランスフェクションが達成されることを示している。
有意な組織改変を伴うことなく、増強された且つ長期にわたり持続する遺伝子発現をもたらす、宿主組織内への医薬物質の電気的導入の改良方法を特定することができれば好都合であろう。本発明は、宿主組織内への遺伝子の導入および発現を増強するための、電気刺激と組合せた生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼの投与を含む方法を開示することにより、これらの要求について検討しそれを満足させるものである。
本発明は、脊椎動物宿主の組織内に医薬物質を運搬する方法であって、生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼを該脊椎動物宿主の組織に投与し、HYAse投与の運搬箇所付近に該医薬物質を投与し、ヒアルロニダーゼおよび該医薬物質の投与部位付近に電気刺激を適用する工程を含んでなる方法に関する。この目的において、本発明の方法は、脊椎動物宿主の組織内への核酸分子(本明細書中にはDNAプラスミド分子として例示されている)の集団のような医薬物質の運搬であって、a)生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼを該脊椎動物宿主の組織に投与し、b)工程a)におけるヒアルロニダーゼ投与の運搬部位付近に該医薬物質を投与し、c)工程a)および工程b)の運搬箇所付近に電気刺激を適用することを含んでなる運搬に関する。この方法は、電気的運搬技術の運搬における実質的な増強およびそれによるインビボ効力の実質的な増強をもたらす。
本発明の1つの態様は、前段落に記載の生理的に許容される電気的遺伝子導入(EGT)法と組合せてヒアルロニダーゼ(HYAse)を投与することを含んでなる、宿主脊椎動物組織内への核酸分子の電気的遺伝子導入を増強する方法に関する。特定のEGT法とHYAseの注入(注射)との組合せは、それぞれのEGT法のみの適用と比較した場合の核酸分子の導入の増強をもたらす。
本発明はまた、有効量のヒアルロニダーゼとそれぞれの医薬物質とを含んでなる医薬製剤に関する。好ましい医薬物質は有効濃度の核酸分子、最も好ましくは、生物学的に有効な濃度のDNAプラスミド分子である。
この目的において、本発明は、電気的遺伝子導入(EGT)処理と組合せて生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼ(HYAse)を投与することを含んでなる、脊椎動物組織内への核酸の電気的遺伝子導入を増強する方法に関する。
この目的において、本発明は、EGT処理と組合せて生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼ(HYAse)を投与することを含んでなる、哺乳動物組織内への核酸のEGTを増強する方法に関する。
本発明は更に、EGT処理と組合せてそれぞれの医薬物質と共に生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼ(HYAse)を投与することを含んでなる、哺乳動物筋組織内への核酸のEGTを増強する方法に関する。
したがって、好ましい脊椎動物標的宿主は哺乳動物であり、特に好ましい標的宿主には、ヒトおよび非ヒト霊長類が含まれ、商業的または家畜獣医学的に重要な任意の非ヒト哺乳動物が含まれうるが、これらに限定されるものではない。
また、該脊椎動物宿主由来の1以上の組織型が本発明の相乗的EGT/HYAse法の標的となりうるが、好ましい組織型は筋組織であり、これは、遺伝子治療および/または遺伝子ワクチン接種適用を含む種々の電気刺激法の、生存可能な標的組織であることが示されている。該遺伝子構築物およびHYAseの好ましい投与方法は直接的な針による注入である。
本発明の特定の実施形態は、それぞれのEGT処理の適用と比較したHYAse投与の時機に関する。図2に示すとおり、10分〜4時間のいずれの時点におけるHYAseの投与も、遺伝子導入の効率の増加をもたらす。したがって、HYAseの投与はEGT処理の適用の前またはそれと同時であることが好ましい。HYAseの前注入(preinjection)がそれぞれの遺伝子導入法の効率を増加させるはずだということが分かれば、特定の標的宿主に対するHYAse投与の特定の時点における特定のEGT処理を最適化することは当業者の認識範囲内であろう。EGTの直前または更にはEGTと共にHYAseを投与しうることは、HYAseとそれぞれの医薬物質(例えば、核酸分子)との両方を含む製剤に有用である。この目的において、本発明は、HYAseとそれぞれの医薬物質(例えば、核酸分子、またはより好ましくは、インビボ投与後に、関心のあるトランスジーン/抗原を発現する生物学的に有効な量のDNAプラスミド構築物)との両方を含んでなる製剤に関する。
したがって、本発明の特定の実施形態は、筋EGTの遺伝子導入効率を有意に増加させる、ヒアルロニダーゼ(HYAse)を前注入することによる骨格筋内へのプラスミドDNAの電気的遺伝子導入(EGT)の効率の増加に関する。マウスエリスロポエチンをコードする(pCMV/mEPO)および分泌アルカリホスファターゼをコードする(pCMV/SeAP)2つの構築物を、HYAse前処理を伴って及び伴わずに、Balb/Cマウスおよびウサギの筋肉内に電気注入した。EGTの1または4時間前の前注入はマウスにおいてEPO遺伝子発現を約5倍増強し、プラスミドEGT単独の場合より高い遺伝子発現を維持した。ウサギ脛骨筋におけるHYAseおよびpCMV/mEPOの電気注入による前処理の後に、遺伝子発現における同様の増強が観察された。プラスミドpCMV/SeAPの注入後には、ウサギにおける遺伝子発現の増強は17倍に達した。
脊椎動物宿主内へのインビボ遺伝子導入のための、EGTに基づく方法の増強を提供することが、本発明の1つの目的である。この場合、ヒアルロニダーゼ(HYAse)を、それぞれの医薬物質および有効なEGT法と組合せて投与する。したがって、特定のEGT法とHYAse注入(好ましくは、核酸運搬の領域を取り囲む組織の電気刺激の前、そして可能ならば該電気刺激と同時またはほぼ同時)との組合せは、それぞれのEGT法の単独適用と比較した場合のそれぞれの遺伝子構築物の遺伝子導入、発現および/または免疫原性の効率の増加をもたらす。
HYAseとそれぞれの医薬物質(例えば、インビボ投与後にそれぞれのトランスジーン/抗原の発現をもたらす核酸分子の集団)との両方を含んでなる製剤を提供することも、本発明の目的である。
本明細書中に用いる「p.i.」は「注入後」の略語である。
本明細書中に用いる「EGT」は「電気的遺伝子導入」の略語であり、これは「電気刺激」および「電気的刺激」なる語と互換的に用いられる。
本明細書中に用いる「HYAse」は「ヒアルロニダーゼ」の略語である。
本発明は、電気的遺伝子導入処理と組合せて生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼ(HYAse)を投与することを含んでなる、脊椎動物組織内への医薬物質(核酸に基づく製剤が含まれるが、これに限定されるものではない)の電気刺激を増強する方法に関する。すなわち、本発明は、注入部位付近の箇所に電気刺激(例えば、電気的遺伝子導入、すなわち「EGT」)を適用することによる医薬物質の運搬を増強する従来の技術を改善するものである。本発明においては、(a)該医薬物質の投与部位付近の領域および電気刺激の領域へのヒアルロニダーゼの適用、または(b)電気刺激の適用と組合せたヒアルロニダーゼおよび医薬物質の同時運搬(好ましくは、単一の製剤または組成物によるもの)が、それぞれの電気刺激法の単独適用と比較して該医薬物質(本明細書中にはDNAプラスミド構築物として例示されている)の導入の増強をもたらす。
本明細書に記載のとおり、本発明は、脊椎動物宿主の組織内に医薬物質を運搬する方法であって、生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼを脊椎動物宿主の組織に投与し、HYAse投与の運搬箇所付近に該医薬物質を投与し、ヒアルロニダーゼおよび該医薬物質の投与箇所付近に電気刺激を適用する工程を含んでなる方法に関する。この目的において、本発明の方法は、脊椎動物宿主の組織内への核酸分子(本明細書中にはDNAプラスミド分子として例示されている)の集団のような医薬物質の運搬であって、a)生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼを該脊椎動物宿主の組織に投与し、b)工程a)におけるヒアルロニダーゼ投与の運搬部位付近に該医薬物質を投与し、c)工程a)および工程b)の運搬箇所付近に電気刺激を適用することを含んでなる運搬に関する。この方法は、電気的運搬技術の運搬における実質的な増強およびそれによるインビボ効力の実質的な増強をもたらす。HYAseの投与は電気的刺激の数時間前または数分前に行うことが可能であることが本明細書中に示されている。したがって、本発明の方法は、理論的には、HYAseの投与に関して、4時間以上から数分までの時間範囲を含み、さらには、該投与は標的組織の電気刺激と共に行うことが可能である。この目的において、本発明の1つの態様は更に、標的部位における1回の注入による投与が可能となるようHYAseと該医薬物質(例えば、DNAプラスミド構築物)とが一緒に製剤化されている、本明細書に開示されている方法に関する。
この目的においては、HYAseの投与が電気刺激の数時間前または数分前に行いうるという例示が与えられているとすると、本発明の好ましい態様は、有効量のヒアルロニダーゼとそれぞれの医薬物質との両方を含んでなる医薬製剤または組成物である。好ましい医薬物質は有効濃度の核酸分子、最も好ましくは、生物学的に有効な濃度のDNAプラスミド分子である。EGTと組合された1回の注入のみで、核酸に基づくビヒクルの導入および発現に十分なものとしたい場合の、HYAseと医薬物質との二重投与に、そのような製剤は特に有用であろう。
したがって、本発明は、EGT処理、医薬物質の投与と組合せて生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼ(HYAse)を投与することを含んでなる、哺乳動物組織内への核酸のEGTを増強する製剤および方法に関する。前記のとおり、好ましい製剤は、HYAseと医薬物質(例えば、関心のあるトランスジーンを発現するDNAプラスミド分子の有効量)との両方を含む製剤でありうる。
本発明は更に、EGT処理と組合せて生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼ(HYAse)を投与することを含んでなる、哺乳動物筋組織内への核酸のEGTを増強する方法に関する。
したがって、好ましい脊椎動物標的宿主は哺乳動物であり、特に好ましい標的宿主には、ヒトおよび非ヒト霊長類が含まれ、商業的または家畜獣医学的に重要な任意の非ヒト哺乳動物が含まれうるが、これらに限定されるものではない。
また、該脊椎動物宿主由来の1以上の組織型が本発明の相乗的EGT/HYAse法の標的となりうるが、好ましい組織型は筋組織であり、これは、遺伝子治療および/または遺伝子ワクチン接種適用を含む種々の電気刺激法の、生存可能な標的組織であることが示されている。
ヒアルロニダーゼは臨床用途に使用される。したがって、HYAseの投与と筋EGTとの組合せは、標的組織内の遺伝子発現の、より高い治療および/または予防レベルを達成するための、遺伝子治療および/または遺伝子ワクチン接種用構築物の運搬および発現を増強する効率的な方法となる。DNAワクチン技術の分野における特に好ましい応用は、HIV Gag、HIV Polおよび/またはHIV Nefを含む(これらに限定されるものではない)1以上のHIV抗原をコードするDNAワクチンの運搬である。HYAseと本明細書に記載のDNAワクチンの1つとを含む製剤は、本発明の好ましい態様の1つを含む。EGT処理の適用と生物学的に有効な量のHYAseの投与とを組合せることにより、筋組織への運搬および筋組織からの発現が増強されて、宿主投与後の細胞性免疫応答の増強の改善がもたらされうる。そのようなDNAワクチンの改善された運搬、発現および/または免疫原性の効果は、未だ感染していない個体に対する、より低い伝染率(すなわち、予防的適用)、および/またはHIV−1感染の無症候期を延長させる、感染個体におけるウイルス負荷レベルの減少(すなわち、治療的適用)でありうる。したがって、本発明の本質は、遺伝子治療または遺伝子ワクチン接種用のそれぞれの構築物が脊椎動物宿主の筋組織に運搬された後の遺伝子発現および/または免疫応答のレベルの増加をもたらす方法に関する。一連の好ましい宿主には、ヒトおよび非ヒト霊長類を含む(これらに限定されるものではない)哺乳動物宿主が含まれ、商業的または家畜獣医学的に重要な任意の非ヒト哺乳動物も含まれる。該方法、およびそれに伴う、HYAseとそれぞれの医薬物質とを含む製剤は、全身的にそれ自身の生物学的効果を奏しうる分泌タンパク質の発現に左右される任意の遺伝子治療標的に適用可能である。具体例には、遺伝子治療標的、例えばEPO、因子VIII、因子IX、成長ホルモン、種々のサイトカインおよびインターフェロンが含まれるが、これらに限定されるものではない。
標的組織におけるその特定の遺伝子導入法の効率の増加を促すために、HYAseと組合せて、EGTに関連した任意の公知方法を用いることが可能であると理解されるであろう。簡潔に説明すると、適用された電気的刺激は生体組織に影響を及ぼしうることが公知である。適用された電場は、移流により組織内を拡散する速度に影響を及ぼしたり、流体が組織の或る部分に拡散する度合を変化させうる。例えば、膜を介して物質を組織に注入することが望ましい場合および拡散速度が少なくとも部分的に透過性の関数である場合には、電気的刺激は膜の透過性を増加させうる。ある電気的または電磁的刺激の効果はイオントホレシス、電気泳動およびエレクトロポレーションに基づいて説明されている。これらの用語は、異なる形態の電気的効果に関係している。それらは、与えられた電気的ポテンシャル、電流または電磁場により引き起こされる結果を解釈するための異なる方法とみなされうる。振幅、極性、周波数、空間的幾何配置および他のパラメーターに応じて、与えられた場はそのような作用の組合せをもたらしうる。
イオントホレシスおよび電気泳動は、一般には、陽極および陰極に向かう及びそれらから離れる静電引力および析力による正および負イオンの移動を駆動するための直流電流電場の適用に関連したものである。また、電場は、一般に、イオンの移動を増加させる傾向にある。イオントホレシスは、典型的には、溶液中の極性イオンを皮膚のような無傷膜を介して移動させることを含む。電気泳動は、極性電場(すなわち、少なくとも直流電流成分を伴う場)の影響下での流体またはゲル内のイオンの移動に関連したものである。
エレクトロポレーションは、しばしば短時間適用される又はパルス化される、比較的高い電力の電場を含む。十分な振幅で及び/又は十分な持続時間にわたり適用された電場は、膜内の微小孔の形成を誘発する。これらの孔は一般には「電気穿孔」と称され、それを形成させる方法がエレクトロポレーション(電気穿孔法)である。膜に適用されたエネルギーの力および持続時間に応じて、該孔はより大きく又はより小さくなることがあり、より長く又はより短い時間にわたり維持されうる。好ましくは、該孔は、一時的に(例えば、電場の適用中のみ)維持され、迅速に閉じるか又は元に戻る。本開示においては、「電気的遺伝子導入」(EGT)、「電気的刺激」および/または「電気刺激」は本明細書中で互換的に用いられ、イオントホレシス、エレクトロポレーション、電気泳動または任意の他の電気的作用のいずれか1つ又はいずれかの特定の組合せに限定されるものではない。本明細書中に用いる用語は、そのような任意の作用を包含する意味である。与えられた電気的刺激は、2以上の種類に含まれる結果を有していたり、あるいは場合によっては、関与する振幅、極性、空間的幾何配置および/または時機により、一方または他方において、より強力でありうる。例えば、与えられた直流または低周波電場は、孔形成(エレクトロポレーション)を誘発するのに十分な振幅を有することが考えられうるが、静電的に駆動される膜を介するイオン移動(イオントホレシス)、および時間経過に伴う累積的移動(電気泳動)も引き起こしうる。しかし、典型的には、エレクトロポレーションは、その他の作用より高い電場振幅を伴い、典型的には、そのような振幅での適用は短い又は断続的であり、あるいは、許容し得ない組織損傷を妨げるのに十分な程度に低い衝撃周期でパルス化される。
組織は、電磁的な観点から見ると、均質ではなく、等方性ではなく、規則的ではないため、組織への電磁場の適用は複雑なものとなる。適用された場および誘導された電流は、微視的規模では、組織の透磁率および抵抗率を含む(これらに限定されるものではない)組織の物質特性におけるばらつきにより、そしてより微視的規模では、組織の解剖学的構造および機構によってより集中したものとなりうる。
電気的に誘発された孔はインビトロでは或る程度は観察され研究されており、この場合、溶液中の細胞はお互いから実質的に独立しており、見えるように露出している。インビボでは、特定の部位における効果を観察することは困難または不可能である。例えば、ある部位を露出させて見えるようにするための組織の切開のようなインビボでの組織へのアクセス獲得は、適用される電気エネルギーの局所的な振幅、配向または他の態様を変化させて組織を損なう傾向にある。したがって、電気的刺激のパラメーターおよび効果の有意義なインビボ観察を行うことは困難である。
遺伝子治療および免疫療法は組織の電気的刺激の候補適用対象である。電気的刺激はイオンの移動および組織内の孔の開口を伴う傾向にあるため、組織部位に医薬組成物または他の組成物を適用することが妥当であり、所望の効果が達成または増強される位置に(おそらくは組織膜内の孔を介して)該組成物のイオンまたは分子を移動させるために電気刺激を用いることが妥当である。熱効果(ブラウン運動)による拡散は、内容積内への電気穿孔組織膜を介した拡散を駆動しうるであろう。静電的または他の電磁的効果は生物構造体内のイオンの拡散を駆動し、あるいは少なくとも、影響を受けた分子(例えば、交番極性場を帯びたもの)の運動を増強して特定の反応に影響を及ぼして、治療効果を達成または誘導しうるであろう。
プラスミドDNA注入に特徴的な、制限された遺伝子導入効力は、少なくとも部分的には、注入DNAと筋繊維との適当な結合を妨げうる大量の結合組織の存在(特に大動物の場合)に原因があるとされている。この仮説は、外因性分子、細菌またはウイルスによる侵入に対する筋繊維の防御において細胞外マトリックスが重要な役割を果たしうるという見解と一致している。筋組織の電気刺激は、筋繊維の膜透過性を上昇させることによりDNA導入を増強しうるが、細胞外マトリックスの構造的特徴が、処理筋肉を越える注入DNAの遺伝子導入効率に影響を及ぼしているのかもしれない。したがって、細胞外マトリックスの、酵素による透過性促進処理は、注入DNAと筋繊維との生産的相互作用を可能にするのに十分な程度に大きな孔を形成しうるであろう。筋肉への遺伝子の導入および発現の際の酵素処理(すなわち、HYAse処理)による細胞外マトリックス破壊の筋EGTに対する効果が、本明細書に開示されている。HYAseは、細胞外マトリックスの遍在性構成成分であるヒアルロン酸を加水分解する。DNA注入および電気的刺激の前にマウスおよびウサギの骨格筋をHYAseで処理すると、有意な組織変化を伴うことなく、増強された且つ長期にわたる遺伝子発現が得られる。この目的において、本発明は、生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼ(HYAse)を投与することによる、電気刺激法の改良に関する。HYAseの投与は、HYAseの投与を伴わない場合のそれぞれの電気刺激パラメーターと比較して、遺伝子治療用および/または遺伝子ワクチン接種用構築物の導入を増強する。すなわち、HYAseは、電気刺激法と組合せて使用した場合に、遺伝子導入の相乗的増強をもたらす。前記のとおり、遺伝子導入を改善すると当業者により予想される任意のそのような電気刺激に基づく方法を、標的宿主へのHYAseの投与と組合せて用いることが可能である。本発明の実施においては、EGTパラメーターの変更を行うことが可能であり、それらには、電圧、パルスの持続時間、電場の回転、パルス数、それらの周波数、パルス間隔ならびに医薬物質の投与および電気刺激の時機の変更が含まれるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。そのような技術の具体例には、以下のものが含まれるが、それらに限定されるものではない:米国特許第6,110,161号(これは、約25V/cm〜約250V/cmの算出電場強度での骨格筋のインビボ電気的刺激を開示している)(Mathiesen,1999,Gene Therapy 6:508−514も参照されたい);PCT国際公開WO 99/01158、WO 99/01157およびWO 99/01175(これらは、裸DNAのインビボ電気的刺激を促進するための長い持続時間にわたる低電圧の使用を開示しており、約1V/cm〜約600V/cmの電場強度または電圧傾度が開示されている);米国特許第5,810,762号、米国特許第5,704,908号、米国特許第5,702,359号、米国特許第5,676,646号、米国特許第5,545,130号、米国特許第5,507,724号、米国特許第5,501,662号、米国特許第5,439,440号および米国特許第5,273,525号(これらは、エレクトロポレーション/電気刺激法および関連装置を開示しており、ここで、それぞれの組織における有用な電場強度範囲が約200V/cm〜約20KV/cmであると示唆されている)、米国特許第5,968,006号および第5,869,326号(これらは更に、あるインビボ電気刺激法には僅か100V/cmの電場強度が有用であると示唆している)。更なる研究(「背景技術」に記載されているとおり、種々のパラメーターによるもの)が、例えば、Titomirovら(1991,Biochem Biophys Acta 1088:131−134)、Hellerら(1996,FEBS Letters 389:225−228)、Nishiら(1996,Cancer Res.56:1050−1055)、Zhangら(1996,Biochem.Biophys.Res.Comm.220:633−636)、Muramatsuら(1997,Biochem.Biophys.Res.Comm.223:45−49)、Rolsら(1998,Nature Biotechnology 16(2):168−171)、AiharaおよびMiyazaki(1998,Nature Biotechnology 16:867−870)、Vicatら(2000,Human Gene Therapy 11:909−916)、Wideraら(2000,J.Immunology 164:4635−4640)、Suzuzkiら(1998,FEBS Lett.425:436−440)、Gotoら(2000,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:354−359)、Oshimaら(1998,Gene Therapy 5;1347−1354)、Rizzutoら(1999,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96:6417−6422)、Mirら(1998,C.R.Acad.Sci.Paris(Life Science)321:893−899)、Mirら(1999;Proc.Nat.Acad.Sci.USA.96:4262−4267);Maruyamaら(2000,Human Gene Therapy 11:429−437)およびDraghia−Akliら(1999,Nature Biotechnology 17:1179−1183)に記載されている。以下の特許および非特許刊行物は、それらが、それぞれの標的組織の電気刺激による遺伝子導入および発現を促進するための公知方法に関するものである限り、参照により本明細書に組み入れられるものとする。
ヒアルロニダーゼ(HYAse)の前注入は筋EGTの遺伝子導入効率を有意に増加させることが、本明細書に示されている。マウスエリスロポエチンをコードする(pCMV/mEPO)および分泌アルカリホスファターゼをコードする(pCMV/SeAP)2つの構築物を、HYAse前処理を伴って及び伴わずに、Balb/Cマウスおよびウサギの筋肉内に電気注入した。EGTの1または4時間前の前注入はマウスにおいてEPO遺伝子発現を約5倍増強し、プラスミドEGT単独の場合より高い遺伝子発現を維持した。ウサギ脛骨筋におけるHYAseおよびpCMV/mEPOの電気注入による前処理の後に、遺伝子発現における同様の増強が観察された。プラスミドpCMV/SeAPの注入後には、ウサギにおける遺伝子発現の増強は17倍に達した。β−ガラクトシダーゼをコードするプラスミド(pCMV/βgal/NLS)の注入およびそれに続くX−gal染色は、遺伝子発現に関与する組織面積をHYAseが増加させることを示した。処理マウス四頭筋の組織学的分析では、不可逆的な組織損傷は全く観察されなかった。
したがって、本発明は、本明細書中に例示されているとおり、HYAseの注入による、EGTの形質導入効率の増強に関する。HYAseでの前処理は長期にわたる効果を与え、遺伝子発現を3〜10倍増強することが、本明細書中に示されている。この観察は、治療用途に適した遺伝子導入法の開発に関する重要な示唆を与えている。ヒアルロニダーゼはヒアルロン酸のβ(1−4)結合の加水分解を触媒して、その脱重合を招き、結合組織の細胞外基質内の粘度の一時的な減少を引き起こす。HYAseは用量依存的に形質導入効率を増加させ(図1A〜B)、該酵素の作用様式に合致することが(図2)、本明細書中に示されている。pCMV/NLS/β−galでの組織学的実験は、遺伝子発現に関与する組織面積をHYAseが有意に増加させることを示している(図6)。これは該組織全体のDNA分布の増加によるプラスミドDNAのバイオアベイラビリティの増加によるものかもしれない。HYAse処理は、電気的刺激の際のDNAの侵入を妨げうる細胞マトリックスの成分との相互作用からのプラスミドDNAの解放に寄与しうる。筋ESを伴わないHYAse投与は、100μgのpCMV/mEPOの注入後であっても、遺伝子導入効率を増加させないようである。本明細書中に開示されているデータは、HYAseがプラスミドDNAの細胞取込みに直接的な影響を及ぼすのではなく、筋電気刺激に依存して遺伝子発現に対するその効果を奏することを示している。これらの観察は、DNA分解を抑制することにより筋肉内の遺伝子発現を増強すると最近報告されたリン酸ナトリウム(Hartikkaら,2000,Gene Therapy 7:1171−1182)、ならびに非イオン性担体、例えばポリビニルピロリドンおよびSP1017(Lemieuxら,2000,Gene Therapy 7:986−991;Mumperら,1996.Pharm.Res.13:114−121;Alakhovら,1995;Bioconj.Chem.7:209−216;Batrakovaら,1996;Br J Cancer 74:1545−1552)から、HYAseの使用を区別するものである。注入されたすべての動物で観察されるEPO発現の漸進的低下により示されるとおり(図3A〜C)、HYAse処理を伴う遺伝子発現の増強は注入DNAの全体的安定性には影響を及ぼさない。処理筋肉を越えるDNA導入の増強は遺伝子発現の延長を保証すると考えられるが、この観察は、DNA安定性およびプロモーターアテニュエーションのような要因がインビボ遺伝子導入の効力の重要な決定要因とみなされるべきであることを示唆している。ヒアルロニダーゼは、大量皮下注射、浮腫の再吸着のような用途のための臨床応用に、および局所麻酔剤の製剤化に現在使用されている。したがって、組織学的分析が注入組織の有意または永久的な変化を示さなかったこと(図4A〜C)、およびHYAseを注入された動物が不快徴候を示さなかったことは驚くべきことではない。これは、カルジオトキシンおよびブピバカインのような強力な筋再生剤の使用に伴う広範な筋損傷のリスクとは対照的である。ウサギにおいて、プラスミドpCMV/SeAPの注入後には発現における17倍の増強が観察され、一方、EPOの発現は3倍増強された(図5A〜B)。EPOとSeAPとの間の遺伝子発現の増強の相違の原因は、検出アッセイの感度および発現タンパク質の安定性にあるのかもしれない。あるいは、この相違は、骨格筋からのEPOおよびSeAPの分泌の効率の相違を反映しているのかもしれない(例えば、Kreissら,1999,J.of Gene Med.1:245−250を参照されたい)。それにもかかわらず、ウサギにおいてHYAse注入後に観察された遺伝子発現における有意な増強は、この酵素の使用が大動物における遺伝子導入効率の増加を保証しうることを示している。この結論は、治療レベルでの持続的発現と共に少ない回数の注入および最少量の注入DNAがおそらく要求される、ヒトでの療法のための筋EGTの、より広範な適用に特に良く当てはまる。
本発明のEGT/HYAse法において使用する核酸分子は、宿主への投与のための薬学的に有効な任意の製剤中に製剤化することが可能である。本開示の全体にわたり記載されているとおり、好ましい製剤は、HYAseとそれぞれの医薬物質との両方を生物学的に有効な濃度で含む製剤である。そのような任意の製剤は、例えば食塩水、例えばリン酸緩衝食塩水(PBS)中のものでありうる。DNAプラスミド構築物のような核酸分子の長期安定性をももたらす薬学的に許容される製剤を使用するのが有用である。医薬の単体としての保存中には、DNAプラスミド分子は生理化学的変化を受け、スーパーコイルプラスミドは開環および直鎖状形態に変換される。種々の保存条件(低pH、高温、低イオン強度)がこの過程を加速しうる。したがって、DNAプラスミド溶液からの又は製剤バッファーからの又はバイアルおよび容器からの微量金属イオンの除去および/またはキレート化(コハク酸もしくはリンゴ酸、または複数のホスファートリガンドを含有するキレート剤によるもの)は、保存中のこの分解経路に対してDNAプラスミドを安定化する。また、エタノールまたはグリセロールのような非還元性フリーラジカル捕捉剤の添加は、見掛け上脱金属化された溶液中でさえも尚も生じうるフリーラジカルの生成によるDNAプラスミドの損傷を妨げるのに有用である。さらに、DNA分子の安定性を最適化するために、バッファーの種類、pH、塩濃度、露光およびバイアルの製造に用いられる滅菌法の種類を該製剤において制御することが可能である。したがって、DNAプラスミドベクターのような核酸分子の最高の安定性をもたらす製剤は、7〜8の範囲内のpHを有するバッファー(リン酸または炭酸バッファー)、100〜200mMの範囲内の塩(NaCl、KClまたはLiCl)、金属イオンキレート剤(例えば、EDTA、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、マラート、イノシトールヘキサホスファート、トリポリホスファートまたはポリリン酸)、非還元性フリーラジカル捕捉剤(例えば、エタノール、グリセロール、メチオニンまたはジメチルスルホキシド)および最高の適当な濃度のDNAを、高度に精製されたヌクレアーゼ非含有DNAを光から防御するようにパッケージされた無菌ガラスバイアル内に含有する脱金属化溶液を含むものであろう。本発明のDNAベクターワクチンの長期安定性を増強する特に好ましい製剤は、約8.0〜約9.0のpHのTris−HClバッファー、約3% w/vのエタノールまたはグリセロール、約5mMまでの濃度範囲のEDTAまたはDTPA、および約50mM〜約500mMの濃度のNaClを含むであろう。そのような安定化DNAベクターワクチン、およびこの好ましい一連の製剤の種々の代替物の使用は、PCT国際出願番号PCT/US97/06655およびPCT国際公開番号WO 97/40839(それらの両方を参照により本明細書に組み入れることとする)に詳細に記載されている。
本明細書に記載の核酸分子は、遺伝子治療または遺伝子ワクチン接種ビヒクルの免疫原性を増強しうるアジュバントと共に製剤化することも可能である。多数のこれらのアジュバントが当技術分野で公知であり、DNAワクチンにおける使用(DNA被覆金ビーズを使用する粒子ボンバードメント、サイトカイン、ケモカインまたは共刺激分子を発現するプラスミドDNAとDNAワクチンととの共投与、陽イオン性脂質または実験的アジュバント、例えばサポニン、モノホスホリルリピドA、または遺伝子治療用または遺伝子ワクチン接種用の特定の構築物の効力を増強する他の化合物の存在下でのDNAの製剤化が含まれるが、これらに限定されるものではない)に利用可能である。本明細書に開示する方法と共に使用するもう1つのアジュバントとしては、1以上の形態の、リン酸アルミニウムに基づくアジュバントが挙げられ、この場合、リン酸アルミニウムに基づくアジュバントは、約0.9のPO/Alモル比を有する。無機物に基づくもう1つのアジュバントを1以上の形態のリン酸カルシウムから得ることが可能である。これらの無機物に基づくアジュバントは、DNAワクチン接種に対する細胞性および体液性応答を増強するのに特に有用である。DNAワクチンアジュバントとして使用するこれらの無機物に基づく化合物は、PCT国際出願番号PCT/US98/02414、PCT国際公開番号WO 98/35562(これを参照により本明細書に組み入れることとする)に開示されている。もう1つの好ましいアジュバントとしては、DNAワクチンでアジュバント活性を示す非イオン性ブロック共重合体が挙げられる。その基本構造はポリオキシエチレン(POE)とポリオキシプロピレン(POP)とのブロックを含む(例えば、POE−POP−POEブロック共重合体)。Newmanら(1998,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 15(2):89−142)は、アジュバント活性を示す非イオン性ブロック共重合体のクラスを概説している。その基本構造はポリオキシエチレン(POE)とポリオキシプロピレン(POP)とのブロックを含む(例えば、POE−POP−POEブロック共重合体)。Newmanら(同誌)は、あるPOE−POP−POEブロック共重合体(すなわち、約9000ダルトン〜約20,000ダルトン以上の分子量を有する中央POPブロックと、該共重合体の全分子量の約20%までを含む隣接POEブロックとを含有する高分子量POE−POP−POEブロック共重合体)が、インフルエンザタンパク質に基づくワクチンに対するアジュバントとして有用でありうることを開示している(これらのPOE−POP−POEブロック共重合体に関する、すべてEmanueleらに発行された米国再発行特許第36,665号、米国特許第5,567,859号、米国特許第5,691,387号、米国特許第5,696,298号および米国特許第5,990,241号も参照されたい)。WO 96/04932は更に、界面活性剤特性を有しワクチンアジュバントとしての生物学的効力を示す高分子量POE/POPブロック共重合体を開示している。この段落内の前記で引用した刊行物の全体を参照により本明細書に組み入れることとする。したがって、非アジュバント化ポリヌクレオチドワクチンの投与と比較した場合に本発明のポリヌクレオチドワクチンの免疫応答を増強しうる入手可能なアジュバントを利用することは、当業者の認識範囲内である。
本発明のEGT/HYAse法は、腸内経路および非経口経路のような当技術分野で公知の任意の手段による該核酸構築物およびHYAseの投与を要するかもしれない。好ましい投与経路は筋肉内経路である。さらなる経路には、皮下投与、腹腔内注射、静脈内注射、吸入または鼻腔内運搬、経口運搬、舌下投与、経皮(transdermal)投与、経皮(transcutaneous)投与、経皮(percutaneous)投与または任意の形態の粒子ボンバードメント、例えばバイオリスチック(biolistic)装置、例えば「遺伝子銃」または入手可能な任意の無針(needle−free)注射装置によるものが含まれるが、これらに限定されるものではない。該核酸構築物およびHYAseの好ましい運搬方法は、それぞれのEGT法と組合された、針による筋肉内注射である。さらなる運搬方法には、皮下投与および無針注射が含まれるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。特定の投与方法としては、前記のとおりの一種の軟膏剤の使用が挙げられる。
宿主レシピエントに導入される発現可能なDNAの量は、該DNA構築物中で使用する転写および翻訳プロモーターの強度、ならびに疾患または障害の治療に要する発現タンパク質のレベル、あるいは発現遺伝子産物の免疫原性に左右される。一般には、約1μg〜約20mg以上の有効量、好ましくは、約1mg〜約5mgの用量を、筋組織内に直接投与する。前記のとおり、皮下注射、皮内導入、皮膚を介した圧入(impression)および他の投与様式、例えば腹腔内、静脈内、吸入および経口運搬も意図される。また、遺伝子治療または遺伝子ワクチン接種の適用の有効性が最適化されるよう、この場合も構築物および疾患に特異的な追加抗原刺激の適用を行うことが可能である。
以下の実施例は、本発明を例示するために記載されており、本発明を限定するものではない。
プラスミドの調製
構築物pCMV/mEPO、pCMV/β−gal/NLSおよびpCMV/SeAPを以下のとおりに構築した。5’非翻訳領域(ShoemakerおよびMitsock,1986,Mol.Cell Biol.6:849−858)の40bpを含む完全マウスEPO(mEPO)コード領域を、文献記載(Stemmerら,1995,Gene 164:49−53)を若干修飾した方法を用いて、合成オリゴヌクレオチドからアッセンブリした。簡潔に説明すると、ゲル精製後、60nt長の15個のオリゴを使用した。8個のオリゴはプラス鎖の配列の一部を含むものであり、一方、7個のオリゴはマイナス鎖の配列の一部を含むものであった。それらのオリゴを、アッセンブリ後にそれらが20ntの相補性領域と重なるように配置した。mEPOコード配列内に存在する2つのSacI部位および2つのPstI部位を、コード化タンパク質配列を改変させることなく除去し、同時に、コドン使用頻度を最適化した。遺伝子アッセンブリは、記載されているとおり(Stemmerら,1995,前掲)に行い、該全コード領域をジデオキシシークエンシングにより確認した。プラスミドpCMV/mEPOは、CMV前/初期領域プロモーターおよびエンハンサーおよびイントロンAおよびそれに続くBGHポリアデニル化シグナルを含有するpViJnsB(Montgomeryら,1993,DNA Cell.Biol.12:777−783)内に、該mEPOコード配列をEcoRI−BamHI 0.6Kb断片として挿入することにより構築した。pViJ/β−gal/nlsを構築するために、3.5KbのBamHI β−gal/nlsコード化断片をpGM48β−gal(Wiznerowiczら,1997)から切り出し、pViJnsB(Montgomeryら,前掲)のBglII制限部位内にクローニングした。分泌アルカリホスファターゼのコード配列をpViJnsB(Montgomeryら,前掲)のBglII制限部位内に挿入することにより、プラスミドpViJ/SEAPを構築した。
プラスミドpCMV/mEPOoptは、コドンが哺乳動物に最適化されたマウスEPO cDNAを含有する。簡潔に説明すると、高発現ヒト遺伝子において頻繁に見出されるコドンにより天然コドンを置換することにより、EPO cDNAコード配列を修飾した。マウスEPOの最適化配列は以下のとおりである。
Figure 2005524389
Figure 2005524389
プラスミドDNAを標準的な二重CsCl勾配精製により調製し、無菌食塩水に再懸濁させた。
動物および処理
6週齢の雌Balb/Cマウスおよび10週齢の雌ウサギをCharles River Breeding Laboratoryから購入し、すべての実験において使用した。動物を12時間の明暗周期の標準的な条件中で維持し、照射食品および塩素殺菌された水をそれらに適宜与えた。すべての動物実験は国内の及び国際的な法律および指針に従い行った。
電気的遺伝子導入
マウス四頭筋およびウサギ前脛骨筋を外科的に露出し、所定量のプラスミドDNAをそれらに注入した。注入容量は、マウスにおいては50μlおよびウサギにおいては200μlに一定に保った。示されている場合には、ヒアルロニダーゼを所望の濃度で50μl(マウス)または500μl(ウサギ)の食塩水に再懸濁させ、EGT前の示されている時点で注入した。HYAseは、Bordersら,1965,J.Biol.Chem.243:3750−3762に開示されているとおりに精製することができる。これらの研究のために、HYAseをSigma(St.Louis.MO)から購入した(型:ウシ精巣由来VI−S;酵素注文番号:3.2.1.35;別名:ヒアルロノグルコサミニダーゼ、ヒアルロナート 4−グリカノヒドロラーゼ;起源:ウシ精巣)。長さ約3cmおよび間隔5mmの平行状の0.2mm針金の形態の鋼鉄電極を注入部位周辺の筋肉内に挿入した。文献記載(Rizzutoら,1999,Proc.Natl.Acad.Sci.96:6417−6422)を若干修飾した方法により、パルス化形態で電場をかけた。簡潔に説明すると、マウス四頭筋を外科的に露出し、所定量のプラスミドDNAをそれに注入した。長さ約3cmおよび間隔5mmの平行状の0.2mm針金の形態の鋼鉄電極を筋繊維に対して平行配向で該筋肉に接触させた。電場をPulsar 6bp−a/s 双極刺激装置(FHC,ME,USA)によりパルス化形態でかけた。各刺激周期は、1秒おきに送出される方形双極パルスの1秒パルス列を含むものであった。各列は、長さ200μ秒および振幅45ボルトの10パルスよりなるものであった。デジタルオシロスコープを使用して、パルスをモニターした。出力段にAPEX PA−85電力作動増幅器(APEX Technologies,Tucson,AZ)を使用して、特注増幅器を組み立てた。信号を内蔵特注信号発生器により発生させ、2チャンネル8ビットオシロスコープカード(K7103 Velleman,Gavere,Belgium)を使用してモニターした。PC適合性ラップトップ(Extensa 501T,Acer America,San Jose,CA)上で実行されるジャバ(Java)プログラム言語で書かれた特注ソフトウェアパッケージにより、全設定を制御した。実験中に定期的にデジタルオシロスコープで電圧および電流を測定した。電圧は、分圧器(10,000オームの抵抗器越えの100,000オームの抵抗器)の低いほうの抵抗器の両端でモニターし、電流は、該電極に直列の精度(precision)1オームの抵抗器の両端の電位降下を測定することによりモニターした。
組織学的分析
マウス四頭筋およびラット脛骨筋を、処理後の示されている時点で取り出し、0.02% Nonidet P−40を含有するリン酸ナトリウムバッファー(pH7.4)中の0.50%グルタルアルデヒドおよび2% パラホルムアルデヒドにより氷中で固定した。氷冷PBSで3回洗浄した後、2mM 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシダーゼ(X−gal,GIBCO BRL)、2mM MgCl、4mM フェリシアン化カリウム、4mM フェロシアン化カリウム、0.02% Nonidet P−40をリン酸ナトリウムバッファー中に含有する反応混合物中、筋肉を30℃で一晩インキュベートした。インキュベーション後、四頭筋をPBSで3回洗浄し、リン酸ナトリウムバッファー(pH7.4)中の20% スクロース中に4℃で5時間包埋した。低温維持筋肉切片を光学顕微鏡検査によりβ−ガラクトシダーゼ発現に関して最終的に調べた。組織損傷および形態学の評価のために、組織をパラフィン中に包埋し、ヘマトキシリン・エオシン(H/E)で染色し、光学顕微鏡下で検査した(Ausubelら,1992に記載のとおりに行った)。
ヘマトクリット、EPOおよびSeAPの測定
示されている時点で血液サンプルを集めた。既に記載されているとおりに(Rizzutoら,1999,Proc.Natl.Acad.Sci.96:6417−6422)、ヘパリン化毛細管内での全血の遠心分離によりヘマトクリットを測定した。ホスファ・ライト(Phospha−Light)(分泌アルカリホスファターゼに関する化学発光レポーターアッセイ)トロピックス(Tropix)により、血清SeAPレベルをモニターした。分散分析(STAT−VIEW,Abacus Concept Berkeley CA)により、結果を分析した。0.05未満のP値を有意とみなした。
結果−マウス筋肉におけるEPO遺伝子発現に対するヒアルロニダーゼの効果
EPO遺伝子発現に対するHYAseの効果を評価するために、1群4匹のBalb/マウス群の四頭筋に、0.5〜90Uの範囲の種々の量のHYAseを注入(注射)した。4時間後、3μgのプラスミドpCMV/mEPOを同じ筋肉に注入し、前記のとおりに該処理組織をESに付した。処理マウスのEPOレベルおよびHct値を、注入の1週間後に測定し、HYAseが投与されておらず同じ量のpCMV/mEPOが注入された対照群のものと比較した。図1Aに示すとおり、DNA注入および筋ESマウスにおけるEPO値の増加は食塩水処理動物(121.8mU/ml)(1mU=10pg)の場合と比べて有意であった。90UのHYAseの前注入はEPO発現における5倍の増加を引き起こした(550mU/ml)。同様に、36UのHYAseの前注入も、90Uで観察されたものより若干低かったものの、EPOレベルにおける相当な増加を引き起こした(455mU/ml)。これとは対照的に、18、5.4、1.8または0.5UのHYAseの注入は、プラスミドDNAのみの注入と比べてEPOレベルにおける実質的な増加を引き起こさなかった。ESにさらされていないマウスにおけるHYAseおよび100μg以下のプラスミドpCMV/mEPOの注入後には、EPOレベルの増加は観察されなかった。
血清EPOレベルの増加は、食塩水処理対照と比べて処理動物のHctの顕著な増加を引き起こした(図1B)。しかし、この時点で、測定Hct値は、異なる処理群間では有意には相違しなかった。この時点における種々のマウス群のHct値の定量的相違の欠如は、Hctの増加の進行を抑制しうるEPOを含む一連の因子により赤血球形成が調節されるという見解を反映しているにすぎない。それにもかかわらず、これらの結果は、HYAseの前注入がDNA注入および筋ESの後のEPO遺伝子発現の増強を招くことを示している。
最高のEPO遺伝子発現に要求されるHYAse投与の前注入時を決定するために、EGTの4時間前、1時間前および10分前にBalb/cマウス群にHYAseを注入した。マウス四頭筋に注入するHYAseの量は36Uに固定した。なぜなら、それは720U/mlに相当し、臨床用途に用いられるHYAseの範囲(150〜1500U;Berger,1984,J.Am.Geriatr.Soc.32:199−203)内だからである。図2に示すとおり、注入後(p.i.)1週間におけるEPOレベルの測定は、DNA注入および筋ESの4または1時間前および10分前のHYAse注入が、DNAのみ注入されたマウスの場合と比べて血清EPOレベルにおける5倍の増加を引き起こすことを示した。したがって、これらのデータは、プラスミドの電気注入の10分前のHYAse投与が、マウスのEPO遺伝子発現における有意な増強を招くのに十分であることを示している。
EPO遺伝子発現に対するHYAse注入の長期的効果
HYAse投与後のEPO遺伝子発現の増加が時間経過と共に及びDNA投与と独立して観察されうるかどうかに関する確認を行った。この目的のために、種々の量のプラスミドpCMV/mEPOを動物群に注入し、HYAseが前注入されたマウスの血清EPOレベルを時間経過と共に測定し、DNAのみで処理されたマウスの場合と比較した(図3A〜C)。第7、56および120日p.i.に測定した血清EPOレベルは注入DNAの量と相関した。HYAseで前処理されたマウスで観察されたEPO値は、DNAのみで処理された動物の場合(0.5μgのDNAでの64mU/mlから、50μgのDNAが注入されたマウスにおける第7日の324mU/mlまでの範囲であった)より一貫して高かった。HYAseで前処理され3、10、50μgのプラスミドDNAが注入された群は、DNAのみが電気注入されたマウスで検出されたものとは有意に異なるEPOレベルを示した。すべての処理群において、循環EPOは第7日p.i.にピークレベルに達し(図3A)、56日後には群によって様々に初期値の1/2〜1/8に減少し(図3B)、その後は一定に維持された。また、高レベルのEPO発現のため、HYAseの投与後に50μgのプラスミドDNAが注入されたマウスは極めて高いHct値(>85%)を示し、第120日p.i.までに死亡した(図3C)。これらの結果は、HYAseの注入が、DNA投与量とは無関係にEPO発現の増強をもたらすこと、およびそのような効果が長期間にわたり持続することを示している。
組織損傷の分析
EPO遺伝子導入のためのHYAseの使用に伴いうる組織変化の度合を評価した。HYAseが注入された四頭筋の組織学的分析を第1、3、7および30日p.i.に行った。注入の24時間後には、組織変化は検出されなかった。処理の3日後のサンプルのみにおいて、最も顕著で一貫した病理学的所見が観察された(図4A)。これらのサンプルにおいては、全筋肉塊の約20%で病変が検出された。H/Eで染色されたパラフィン包埋切片においては、筋繊維の広範液化壊死の領域が観察され、各壊死領域においては、単核細胞浸潤物(ほとんどは、マクロファージ由来のもの)が検出された。各領域は、典型的には、反応性線維症により包囲されていた。処理の7日後のサンプルにおいても、類似かつ一貫した壊死病変が観察されたが、この場合には、それらは全筋肉塊の約1%に相当するに過ぎなかった(図4B)。7日後、線維症反応は観察されず、単核細胞浸潤物はそれほど明らかではなかった。1ヵ月後の線維症病変は散発性であり、該筋塊の1%未満が冒されていた。また、単核細胞浸潤物は、もはや検出されなかった(図4C)。したがって、これらの知見は、HYAse処理により生じる組織損傷が限局性かつ一過性であることを示唆している。
大きな筋肉における遺伝子導入に対するHYAseの効果
大きな筋肉のEPO遺伝子発現に対するHYAse投与の効果を評価するために、ウサギ前脛骨筋において一連のDNA注入実験を行った。これらの研究には、構築物pCMV/mEPOoptを使用した。このプラスミドは、コドンが哺乳動物に最適化されたマウスEPO cDNAを含有する。コドン最適化EPO構築物は、より高レベルのEPOを発現すると報告されている(Kimら,1997,Gene 199:293−301)。また、HYAseの効果がEPO遺伝子発現に限定されたものでないことを確認するために、分泌アルカリホスファターゼをコードするプラスミド(pCMV/SeAP)(Bettanら,1994,Anal.Biochem.271:187−189)をウサギに注入した。図5A〜Bに示すとおり、200μgのpCMV/mEPOoptの注入およびESの40分前に180UのHYAaseで処理すると、EPO発現における3倍の増強が生じた(図5A)。HYAseの注入量および注入時は、より大きなレベルのEPO発現をもたらすものであった。HYAseで処理されたウサギにおいて、200μgのpCMV/SEAPの注入および筋ESの後、発現における17倍の増強が検出された(図5B)。0.5および1mgのプラスミドDNAの注入後にも、SEAP発現の同じ増強量が認められた。これらの結果は、マウスで観察された遺伝子発現に対するHYAseの効果を証明するものであり、大動物におけるDNA注入および筋ESの後に遺伝子発現の効率が増加することを示している。
筋内のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子発現に対するHYAseの効果
プラスミドDNAのEGTの後の遺伝子発現の組織分布に対するHYAseの効果を分析するために、β−ガラクトシダーゼ遺伝子を使用した。核局在化シグナルに融合した大腸菌(E.coli)lacZをコードする200μgのプラスミドpCMV/β−gal/NLSを、HYAse投与の40分後に脛骨筋に注入した。該処理筋肉をEGTに付した。また、β−gal発現の度合を、EGTのみで処理されたウサギの場合と比較した。組織学的分析は、陽性X−gal染色の領域が、HYAseで前処理されたウサギにおいては、DNAのみで処理された動物の場合より有意に大きいことを示した(図6)。これらの結果は、該組織にわたるプラスミドDNAの分布をHYAseが促進することを示している。
本発明の範囲は、本明細書に記載の特定の実施形態により限定されるものではない。実際、本明細書に記載のものに加えて本発明の種々の修飾が、前記の説明から当業者に明らかとなろう。そのような修飾は添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれると意図される。
図1A〜Bは、Balb/cマウスにおいて前注入されたHYAseの濃度に対するプラスミドpCMV/mEPOの発現の依存性を示す。A.血清EPOレベル。B.ヘマトクリットレベル。1群4匹のマウス群において、プラスミドEGTの4時間前に種々の用量のHYAseを四頭筋に注入した。血液サンプルを第10日p.i.に集め、EGT単独および食塩水対照と比較した。データはヘマトクリットおよび血清EPOの平均±SDである。 EGT単独の場合と有意に相違する。 図1A〜Bは、Balb/cマウスにおいて前注入されたHYAseの濃度に対するプラスミドpCMV/mEPOの発現の依存性を示す。A.血清EPOレベル。B.ヘマトクリットレベル。1群4匹のマウス群において、プラスミドEGTの4時間前に種々の用量のHYAseを四頭筋に注入した。血液サンプルを第10日p.i.に集め、EGT単独および食塩水対照と比較した。データはヘマトクリットおよび血清EPOの平均±SDである。 EGT単独の場合と有意に相違する。 図2は、プラスミドEGTの増強に対するHYAseの前注入の時点の効果を示す。1群4匹のBalb/cマウス群に、プラスミドEGTの前の種々の時点で36UのHYAseを前注入した。血液サンプルを第7日p.i.に集め、EGT単独および食塩水対照と比較した。データは平均±SD血清EPOである。 EGT単独の場合と有意に相違する。 図3A〜Cは、EPO発現に対するHYAse注入の長期的効果を示す。1群4匹のBalb/cマウス群に、プラスミドEGTの1時間前に36UのHYAseを注入した。種々のDNA用量を注入した動物の血清EPOレベルを、(A)第7日、(B)第56日および(C)第120日p.i.において比較した。データは平均±SD血清EPOである。 EGT単独の場合と有意に相違する。 図3A〜Cは、EPO発現に対するHYAse注入の長期的効果を示す。1群4匹のBalb/cマウス群に、プラスミドEGTの1時間前に36UのHYAseを注入した。種々のDNA用量を注入した動物の血清EPOレベルを、(A)第7日、(B)第56日および(C)第120日p.i.において比較した。データは平均±SD血清EPOである。 EGT単独の場合と有意に相違する。 図3A〜Cは、EPO発現に対するHYAse注入の長期的効果を示す。1群4匹のBalb/cマウス群に、プラスミドEGTの1時間前に36UのHYAseを注入した。種々のDNA用量を注入した動物の血清EPOレベルを、(A)第7日、(B)第56日および(C)第120日p.i.において比較した。データは平均±SD血清EPOである。 EGT単独の場合と有意に相違する。 図4A〜Cは、HYAseを注入したマウス四頭筋の組織学的分析を示す。マウス四頭筋に36UのHYAseを注入し、組織を(A)第3日、(B)第7日および(C)第30日p.i.において分析した。 図4A〜Cは、HYAseを注入したマウス四頭筋の組織学的分析を示す。マウス四頭筋に36UのHYAseを注入し、組織を(A)第3日、(B)第7日および(C)第30日p.i.において分析した。 図4A〜Cは、HYAseを注入したマウス四頭筋の組織学的分析を示す。マウス四頭筋に36UのHYAseを注入し、組織を(A)第3日、(B)第7日および(C)第30日p.i.において分析した。 図5A〜Bは、ウサギにおけるプラスミドEGTに対するHYAse注入の効果を示す。プラスミドEGTの40分前に180UのHYAseを脛骨筋に注入した。200μgのプラスミドpCMV/mEPOoptまたは200μgのプラスミドpCMV/SeAPをウサギに注入した。血液サンプルを第4日p.i.に集め、血清EPO(A)およびSeAP(B)レベルを測定し、プラスミドEGT単独で処理された動物において検出されたものと比較した。データは、4匹のウサギにおいて測定した平均±SDである。 EGT単独の場合と有意に相違する。 図5A〜Bは、ウサギにおけるプラスミドEGTに対するHYAse注入の効果を示す。プラスミドEGTの40分前に180UのHYAseを脛骨筋に注入した。200μgのプラスミドpCMV/mEPOoptまたは200μgのプラスミドpCMV/SeAPをウサギに注入した。血液サンプルを第4日p.i.に集め、血清EPO(A)およびSeAP(B)レベルを測定し、プラスミドEGT単独で処理された動物において検出されたものと比較した。データは、4匹のウサギにおいて測定した平均±SDである。 EGT単独の場合と有意に相違する。 図6は、HYAseの前注入を伴う又は伴わないプラスミドpCMV/β−gal/NLS EGTの後のβ−ガラクトシダーゼの発現を示す。360UのHYAseをプラスミドEGTの40分前にウサギ前脛骨筋に注入した。筋肉を第4日p.i.に集め、「材料および方法」の節に記載されているとおりに処理した。左側の筋肉は、HYAseで前処理されたウサギからの前脛骨筋を表し、右側の筋肉は、プラスミドDNA単独で電気注入されたウサギのものを表す。
【配列表】
Figure 2005524389

Claims (30)

  1. 脊椎動物宿主の組織内に医薬物質を運搬する方法であって、
    a)生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼを該脊椎動物宿主の組織に投与し、
    b)工程a)のヒアルロニダーゼ投与の運搬部位付近に該医薬物質を投与し、
    c)工程a)および工程b)の運搬箇所付近に電気刺激を適用することを含んでなり、
    その結果、該脊椎動物宿主の組織に運搬される生物学的に有効な医薬物質の量が、電気刺激および医薬物質のみの適用の場合より多くなることを特徴とする方法。
  2. 該脊椎動物宿主が哺乳動物宿主である、請求項1記載の方法。
  3. 該哺乳動物宿主が非ヒト霊長類である、請求項2記載の方法。
  4. 該哺乳動物宿主がヒトである、請求項2記載の方法。
  5. 該ヒトのヒト筋組織が該医薬物質の運搬の標的となる、請求項4記載の方法。
  6. 該ヒト筋組織が骨格筋組織である、請求項5記載の方法。
  7. 該医薬物質が核酸分子である、請求項1、2、3、4、5または6記載の方法。
  8. 該核酸分子がDNAプラスミド分子である、請求項7記載の方法。
  9. 脊椎動物宿主の組織内に医薬物質を運搬する方法であって、
    a)電気刺激の適用より約4時間前までに、生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼを該脊椎動物宿主の組織に投与し、
    b)工程a)のヒアルロニダーゼ投与の運搬部位付近に該医薬物質を投与し、
    c)工程a)および工程b)の運搬箇所付近に電気刺激を適用することを含んでなり、
    その結果、該脊椎動物宿主の組織に運搬される生物学的に有効な医薬物質の量が、電気刺激および医薬物質のみの適用の場合より多くなることを特徴とする方法。
  10. 該脊椎動物宿主が哺乳動物宿主である、請求項9記載の方法。
  11. 該哺乳動物宿主が非ヒト霊長類である、請求項10記載の方法。
  12. 該哺乳動物宿主がヒトである、請求項10記載の方法。
  13. 該ヒトのヒト筋組織が該医薬物質の運搬の標的となる、請求項12記載の方法。
  14. 該ヒト筋組織が骨格筋組織である、請求項13記載の方法。
  15. 該医薬物質が核酸分子である、請求項9、10、11、12、13、14または15記載の方法。
  16. 該核酸分子がDNAプラスミド分子である、請求項15記載の方法。
  17. 脊椎動物宿主の組織内に医薬物質を運搬する方法であって、
    a)電気刺激の適用より約4時間前までに、生物学的に有効な量のヒアルロニダーゼを該脊椎動物宿主の組織に投与し、
    b)工程a)のヒアルロニダーゼ投与の運搬部位付近に該医薬物質を投与し、
    c)工程a)および工程b)の運搬箇所付近に電気刺激を適用することを含んでなり、
    その結果、該脊椎動物宿主の組織に運搬される生物学的に有効な医薬物質の量が、電気刺激および医薬物質のみの適用の場合より多くなり、
    工程a)のヒアルロニダーゼおよび工程b)の医薬物質が単一の製剤を構成し、該製剤が工程c)の電気刺激の適用の前または該適用と共に投与されることを特徴とする方法。
  18. 該脊椎動物宿主が哺乳動物宿主である、請求項17記載の方法。
  19. 該哺乳動物宿主が非ヒト霊長類である、請求項18記載の方法。
  20. 該哺乳動物宿主がヒトである、請求項18記載の方法。
  21. 該ヒトのヒト筋組織が該医薬物質の運搬の標的となる、請求項20記載の方法。
  22. 該ヒト筋組織が骨格筋組織である、請求項21記載の方法。
  23. 該医薬物質が核酸分子である、請求項17、18、19、20、21または22記載の方法。
  24. 該核酸分子がDNAプラスミド分子である、請求項23記載の方法。
  25. 直接的な針注射によりヒアルロニダーゼを投与する、請求項1、9または17記載の方法。
  26. 工程c)の電気刺激の適用の約30分〜2時間前に、工程a)のヒアルロニダーゼを投与する、請求項1記載の方法。
  27. 工程c)の電気刺激の適用の約15分〜45分前に、工程a)のヒアルロニダーゼを投与する、請求項1記載の方法。
  28. ヒアルロニダーゼと医薬物質とを含んでなる製剤。
  29. 該医薬物質が核酸分子である、請求項28記載の製剤。
  30. 該核酸分子がDNAプラスミド分子である、請求項29記載の製剤。
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