[go: up one dir, main page]

JP2006095661A - ロボット装置並びにロボット用車輪装置 - Google Patents

ロボット装置並びにロボット用車輪装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006095661A
JP2006095661A JP2004287455A JP2004287455A JP2006095661A JP 2006095661 A JP2006095661 A JP 2006095661A JP 2004287455 A JP2004287455 A JP 2004287455A JP 2004287455 A JP2004287455 A JP 2004287455A JP 2006095661 A JP2006095661 A JP 2006095661A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
robot
wheels
robot apparatus
friction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004287455A
Other languages
English (en)
Inventor
Keisuke Kato
恵輔 加藤
Satoru Shimizu
悟 清水
Taro Takahashi
太郎 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2004287455A priority Critical patent/JP2006095661A/ja
Publication of JP2006095661A publication Critical patent/JP2006095661A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manipulator (AREA)

Abstract

【課題】 2足歩行ロボットの各可動脚に車輪機構を装備し、移動形態のエンタテインメント性を向上させる。
【解決手段】 可動脚の足先には、単数又は複数の車輪からなる車輪機構が装着される。車輪機構はすべて受動支持された車輪で構成され、各回転軸は摩擦特性が調整されている。車輪構成に基づいて、足部におけるX、Y、ヨー軸回りの摩擦特性を調整する。また、車輪の断面形状と物性を調整するとともに、車輪の本体に対する姿勢を調整することで、摩擦特性以外に接地面に対する幾何的接地状態を調整し、推進性能、旋回性能などロボット装置の運動性能を改善する。
【選択図】 図20

Description

本発明は、複数の可動部を備えたロボット装置並びにロボット用車輪装置に係り、特に、移動手段を備えたロボット装置並びにロボット用車輪装置に関する。
さらに詳しくは、本発明は、脚式の移動と車輪型の移動という双方の特質を兼ね備えた脚及び車輪ハイブリッド型のロボット装置並びにロボット用車輪装置に係り、特に、2足歩行ロボットの各可動脚の足部に車輪を装着することで脚による対地適応性に加え走行性能を向上させるロボット装置並びにロボット用車輪装置に関する。
電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行なう機械装置のことを「ロボット」という。ロボットの語源は、スラブ語の“ROBOTA(奴隷機械)”に由来すると言われている。わが国では、ロボットが普及し始めたのは1960年代末からであるが、その多くは、工場における生産作業の自動化・無人化などを目的としたマニピュレータや搬送ロボットなどの産業用ロボット(industrial robot)であった。
ロボットがさまざまな人的作業を代行し、さらに人間の住空間に深く浸透していくためには、ロボットの移動可能範囲が人間のそれとほぼ同じであることが好ましい。人間の作業空間や居住空間のほとんどは、2足直立歩行という人間が持つ身体メカニズムや行動様式に合わせて形成されおり、車輪その他の駆動装置を移動手段とした現状の機械システムが移動するには多くの障壁が存在する。
そこで、最近では、ヒトなどの2足直立歩行を行なう動物の身体メカニズムや動作を模した脚式移動ロボットに関する研究開発が進展し、実用化への期待も高まってきている(例えば、特許文献1を参照のこと)。
2足直立による脚式移動は、クローラ式や、4足又は6足式などに比し不安定で姿勢制御や歩行制御が難しくなるが、以下のような脚式動作により、複雑な移動面を移動することができる。
(1)移動面上に形成された凹凸に対する足先位置の高い選択性
(2)不連続接地による選択的接地や移動
(3)踏み変え動作による接地状態の自在な変更
すなわち、脚式移動ロボットは、不整地や障害物など作業経路上に凹凸のある歩行面や、階段や梯子の昇降など不連続な歩行面に対応することができるなど、対地適応性に優れ、柔軟な移動作業を実現することができる。これが、脚式移動ロボットの実用化が大いに期待されている所以でもある。
多くの場合、脚式移動ロボットの姿勢安定制御には、ZMP(Zero Moment Point)が歩行の安定度判別の規範として用いられている。ここで言う「ZMP」とは、歩行中の床反力によるモーメントがゼロとなる床面上の点のことである。ZMPによる安定度判別規範は、歩行系から路面には重力と慣性力、並びにこれらのモーメントが路面から歩行系への反作用としての床反力並びに床反力モーメントとバランスするという「ダランベールの原理」に基づく。力学的推論の帰結として、足底接地点と路面の形成する支持多角形の内側にピッチ軸及びロール軸モーメントがゼロとなる点、すなわちZMPが存在する(例えば、非特許文献1を参照のこと)。また、支持多角形が広くなる姿勢において、ロボットの姿勢はより安定化する。
目標ZMP制御は、すべての瞬間において、動的釣り合いを取るように運動を計画することにより、実機上で成功を収めている。ZMP規範に基づく2足歩行パターン生成は、足底着地点をあらかじめ設定することができ、路面形状に応じた足先の運動学的拘束条件を考慮し易いなどの利点がある。また、ZMPを安定度判別規範とすることは、力ではなく軌道を運動制御上の目標値として扱うことを意味するので、技術的に実現可能性が高まる。
ところが、脚式移動ロボットは高い対地適応性が得られる反面、移動速度や効率の面で、車輪型移動ロボットよりも劣るという問題がある。何故ならば、歩行動作には各脚の往復運動を伴い、エネルギ変換効率があまり高くなく、アクチュエータなどによる強力な駆動系の割に十分な速度が得られないからである。脚式移動ロボットに関し、比較的平坦路を移動する際に移動速度については、以前から議論がなされてきた。このような理由から、脚式の移動と車輪型の移動の双方の特質を兼ね備えた、いわば脚車輪ハイブリッド型の移動体に関する研究が行なわれている。
車輪を利用した移動ロボットとして、例えば、災害現場への進入を行う極限作業用の6脚走行車(例えば、非特許文献2を参照のこと)や移動体(例えば、非特許文献3を参照のこと)、またクローラも連続的な無限軌道を用いるという観点から広義の車輪と捉えれば、地雷撤去を目的として開発されたCOMET−III(例えば、非特許文献4を参照のこと)などが挙げられる。
これらの移動体は車輪として駆動力を持つ能動車輪を用いている。これに対し、脚式による歩行機械は一般に歩行を行なうための多くの自由度を有し、機体質量は増大しがちである。その上、車輪駆動のためのアクチュエータを搭載するとなると、いたずらに質量増加を招き、その結果、歩行機械としての運動性能を逆に制約する。
そこで、簡素な機構で質量増加も少ない受動車輪を用いた歩行機械のハイブリッド化手法が提案されている。
例えば、ローラースケート靴を履くことにより、通常の歩行動作時よりもダイナミックで高速な移動作業を実現することができる脚式移動ロボットについて提案がなされている(例えば、特許文献2を参照のこと)。この場合のロボット装置は、2本の可動脚と上体で構成される2足歩行型の移動ロボットで、下肢と上体を用いた全身運動を動作制御することにより各種の動作パターンを実現することができる。この種のローラースケート靴を履いたロボット装置の場合、以下の事柄が前提となる。すなわち、
(1)受動車輪は脚関節ピッチ軸と常に平行である。
(2)滑走方法は歩行のように交互に脚を遊脚化する。
脚式移動ロボットの各可動脚の足底には、所定の滑走方向を持つ滑走ユニットが着脱自在に取り付けられる。滑走ユニットの受動車輪が脚関節ピッチ軸と平行に保持されている場合、両足支持期には進行方向を変更することができないため、推進方向の変更は支持脚切り替え時にのみ行なうことができ、連続ではない。したがって、滑走ユニットを滑走方向に一致させながら移動速度を維持するとともに、滑走ユニットを滑走方向と異ならせることにより制動することができる。例えば、両脚接地期においてスキーのボーゲンのように車輪をハの字に傾けることにより制動することができる。
ここで、足先に取り付けられた受動車輪に推進力を与える手法として、ローラースケートと同様の原理を利用した「ローラーウォーカー」を挙げることができる(例えば、非特許文献5を参照のこと)。
受動車輪による推進は、車輪の転がり方向は摩擦係数が少なく、軸方向は摩擦が大きい。このような抗力の異方性を利用することにより、受動車輪による推進を実現する。例えば、左右の各脚の付け根におけるヨー軸回りの回転を利用することにより、左右の車輪がそれぞれX方向に対して傾きを持ちながら、左右の車輪間における軸方向の距離が伸縮する。このとき、軸方向の摩擦が大きいことから、車輪の軸方向に発生する摩擦力が車輪の転がりによって解放されて、X方向への推進力に変換される。
ここで、車輪の軸方向の摩擦力を車輪の回転に変換するには、車輪の転がり方向をヨー軸回りに回転させる機構を持ち、車輪に印加される摩擦力に対し転がり方向が非直交である必要がある。また、車輪の転がり方向と推進方向(若しくはロボットの主たる進行方向)のなす角θG(グライド角と呼ぶことにする)は言わばギアの減速比に相当する。したがって、グライド角θGにより大きな角度をつければ低速となることから装置の推進方向に大きな推進力を発生することができる。逆に、グライド角θGにより小さな角度を与えることにより、小さな推進力であるが、ロボットを高速に推進することができる(例えば、非特許文献6及び非特許文献7を参照のこと)。
このように、ローラーウォーカーによれば、足先が出す最大速度以上の高速な推進や、脚軌道を変更することによる減速比調整などを実現することができる。
しかしながら、ローラーウォーカーの手法は、基本的には4脚歩行ロボットを前提としており、この手法を2足歩行ロボットに適用することができない。また、常に両脚による支持を前提とし、支持脚の切り替えを含まないことから、移動路面は比較的平坦路に限定され、脚式ロボットであるにも拘らず、対地適応性を十分発揮できなくなる。
特開2001−129775号公報 特開2001−138272号公報 ヴコブラトビッチ(Miomir Vukobratovic)著「脚式移動ロボット(LEGGED LOCOMOTION ROBOTS)」(加藤一郎外著『歩行ロボットと人工の足』(日刊工業新聞社)) N.Kimura, T.Kamigaki, N.Suzuki, A.Nishikawa and N.Yamamoto: "Locomotion Mechanism and Control Architecture for Disaster Preventing Robot" '91 ISART pp.375-380(1991) H.Adachi, N.Koyachi, T.Arai, A.SHimizu and Y.Nogami: "Mechanism and Control of a Leg-Wheel Hybrid Mobile Robot", International Conference on Intelligent Robots and Systems Proc., pp.1792-1797(1999) http://mec2.tm.chiba-u.jp/~nonami/ G.Endo, S.Hirose: "Study on Roller-Walker(Multi-mode Steering Control and Self-contained Locomotion", IEEE International Conference on Robotics and Automation, pp.2808-2814(2000) 遠藤玄:"索状能動体と脚車輪ハイブリッド移動体におけるグライド推進の研究",東京工業大学大学院理工学研究科機械物理工学専攻学位論文,pp.8-10(2000) 遠藤玄:"索状能動体と脚車輪ハイブリッド移動体におけるグライド推進の研究",東京工業大学大学院理工学研究科機械物理工学専攻学位論文,pp.80-87(2000)
本発明の目的は、脚式の移動と車輪型の移動という双方の特質を兼ね備えた、脚及び車輪ハイブリッド型の優れたロボット装置並びにロボット用車輪装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、2足歩行ロボットの各可動脚の足部に車輪を装着することで脚による対地適応性に加え走行性能を向上させることができる、優れたロボット装置並びにロボット用車輪装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、1以上の可動脚を備えたロボット装置であって、
前記可動脚の足先に取り付けられた車輪機構と、
少なくとも可動脚の動作を制御する動作制御手段とを備え、
前記車輪機構は、前記可動脚の足部に取り付けられ、XY平面を構成するブラケットと、前記ブラケット上に回転可能に支持され、足部におけるX軸方向、Y軸方向、及びヨー軸回りの摩擦特性が調整された1以上の車輪を備える、
ことを特徴とするロボット装置である。
脚式移動ロボットは、優れた対地適応性を有し、特に不整地においては、他の移動気候形態では実現不可能な移動能力を発揮することができる。ところが、平坦な移動面において、速度に対するエネルギ効率の低さに問題がある。
これに対し、本発明に係るロボット装置は、足部に受動車輪機構を着脱自在に取り付けることにより、脚式の移動と車輪型の移動という双方の特質を兼ね備えたハイブリッド型の移動を実現することができる。また、車輪は足部の動作により受動的に推進力を得ることができ、車輪駆動用のアクチュエータを搭載しないことから、総重量を増大させずに済む。
ロボット装置は複数の可動脚を備えているが、これらの可動脚の足先には、単数又は複数の車輪からなる車輪機構が装着される。車輪機構はすべて受動支持された車輪で構成され、各回転軸は摩擦特性が調整されているとする。車輪構成に基づいて、足部におけるX、Y、ヨー軸回りの摩擦特性を調整することができる。また、車輪の断面形状と物性を調整するとともに、車輪の本体に対する姿勢を調整することで、摩擦特性以外に接地面に対する幾何的接地状態を調整し、推進性能、旋回性能などロボット装置の運動性能を改善することができる。
さらに、車輪機構に対し補助的なセンサ・システムを搭載することができる。設置スペースやコスト、その他実装上の制約から、すべての車輪にセンサを取り付けることができない場合には、内足(人間で言うところの土踏まず側)を優先し、且つ、蹴り出し状態を把握できる前縁側を優先して接地する。また、足底に接地状態を計測するセンサが搭載されている場合には、その計測方法と設置位置を考慮して、車輪の設置状態を決定する。
また、人間用のローラースケートのように、補助的に蹴り出し動作や減速動作に役立てるために、ゴムブロックを取り付けてもよい。この場合、車輪機構本体に剛性のある取り付けはせず、ある程度の自由度を許容するようにゴムブロックを取り付ける。ゴムが移動面に対して相対速度を有しているときに接地しても、引っ掛かりにくくするための支持機構を構成し、ゴムの支持は線形又は非線形とする。具体的には、接地時には前記支持機構は、前記ゴムブロックと移動面とをトレーリング(引き摺り方向)の関係に設定して、必要以上に摩擦が出ないようにする。また、蹴り出しのときには前記支持機構は、前記ゴムブロックと移動面とをリーディング(引っ掛かり方向)の関係に設定して、摩擦力が増大するような幾何的配置にする。
本発明によれば、脚式の移動と車輪型の移動という双方の特質を兼ね備えた、脚及び車輪ハイブリッド型の優れたロボット装置並びにロボット用車輪装置を提供することができる。
また、本発明によれば、2足歩行ロボットの各可動脚の足部に車輪を装着することで、脚による対地適応性に加え、移動速度や移動エネルギ効率などの走行性能を向上させることができる、優れたロボット装置並びにロボット用車輪装置を提供することができる。本発明によれば、脚式移動ロボットの移動形態のエンタテインメント性を向上させることができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
A.ロボット装置の構成
本発明では、胴体部に繋がった複数の関節を持ち、ロボット装置内部の制御周期毎に静的なモーション及びリアルタイムな動作生成による目標指令値(角度やトルク、アクチュエータ・ゲインなど)を各関節アクチュエータ(若しくは関節駆動に対応するデバイス)に与えることができるロボット装置を想定としている。
図1及び図2には本発明の実施に供される「人間形」又は「人間型」のロボット装置100が直立している様子を前方及び後方の各々から眺望した様子を示している。図示の通り、ロボット装置100は、胴体部と、腰部と、頭部と、左右の上肢部と、脚式移動を行なう左右2足の下肢部とで構成され、例えば胴体に内蔵されている制御部(図示しない)によりロボット装置の動作を統括的にコントロールするようになっている。
左右各々の下肢は、大腿部と、膝関節と、脛部と、足首と、足平とで構成され、股関節によって体幹部の略最下端にて連結されている。また、左右各々の上肢は、上腕と、肘関節と、前腕とで構成され、肩関節によって体幹部の上方の左右各側縁にて連結されている。また、頭部は、首関節によって体幹部の略最上端中央に連結されている。
このように構成されたロボット装置100は、制御部(図1及び図2には図示しない)による全身協調的な動作制御により、2足歩行を実現することができる。かかる2足歩行は、一般に、以下に示す各動作期間に分割される歩行周期を繰り返すことによって行なわれる。すなわち、
(1)右脚を持ち上げた、左脚による単脚支持期
(2)右足が接地した両脚支持期
(3)左脚を持ち上げた、右脚による単脚支持期
(4)左足が接地した両脚支持期
制御部は、このロボット装置100を構成する各関節アクチュエータの駆動制御や各センサ(後述)などからの外部入力を処理するコントローラ(主制御部)や、電源回路その他の周辺機器類を搭載した筐体である。制御部は、その他、遠隔操作用の通信インターフェースや通信装置を含んでいてもよい。
脚式移動ロボット100における歩行制御は、例えばZMPを安定度判別規範として、あらかじめ下肢の目標軌道を計画し、上記の各期間において計画軌道の修正を行なうことによっても実現される。この場合、両脚支持期では、下肢軌道の修正を停止して、計画軌道に対する総修正量を用いて腰の高さを一定値で修正する。また、単脚支持期では、修正を受けた脚の足首と腰との相対位置関係を計画軌道に復帰させるように修正軌道を生成する。
あるいは、脚式移動ロボット100の左右の脚部など、全身の可動部のうち少なくとも一部を物理振動子として捉え、センサ出力などに基づいて得られる内部状態と外部環境に応じて物理振動子の位相を数学的に操作により発生させて、機体の大局的な安定性を実現するとともに、未知の外乱に適応的に対応することができる。
図3には、このロボット装置100が具備する関節自由度構成を模式的に示している。同図に示すように、ロボット装置100は、2本の腕部と頭部1を含む上肢と、移動動作を実現する2本の脚部からなる下肢と、上肢と下肢とを連結する体幹部と、腰部で構成された、複数の肢を備えた構造体である。
頭部を支持する首関節(Neck)は、首関節ヨー軸101と、首関節ピッチ軸102A、頭ピッチ軸102B、首関節ロール軸3という4自由度を有している。
また、各腕部は、その自由度として、肩(Shoulder)における肩関節ピッチ軸104と、肩関節ロール軸105と、上腕ヨー軸6、肘(Elbow)における肘関節ピッチ軸107と、手首(Wrist)における手首関節ヨー軸108と、手部とで構成される。手部は、実際には、複数本の指を含む多関節・多自由度構造体である。
また、体幹部(Trunk)は、体幹ピッチ軸109と、体幹ロール軸110という2自由度を有する。
また、下肢を構成する各々の脚部は、股関節(Hip)における股関節ヨー軸111と、股関節ピッチ軸112と、股関節ロール軸113と、膝(Knee)における膝関節ピッチ軸114と、足首(Ankle)における足首関節ピッチ軸115と、足首関節ロール軸116と、足部とで構成される。
但し、ロボット装置100が上述したすべての自由度を装備しなければならない訳でも、あるいはこれに限定される訳でもない。設計・製作上の制約条件や要求仕様などに応じて、自由度すなわち関節数を適宜増減することができることは言うまでもない。
上述したようなロボット装置100が持つ各自由度は、実際には回転型アクチュエータを用いて実装され、これらの回転位置制御に基づいて運動制御を行なうようになっている。外観上で余分な膨らみを排してヒトの自然体形状に近似させること、2足歩行という不安定構造体に対して姿勢制御を行なうことなどの要請から、これら関節アクチュエータは小型且つ軽量であることが好ましい。
本実施形態では、ギア直結型で、且つサーボ制御系、電源系、並びにセンサ系の回路を搭載した制御基板をモータ・ユニットに内蔵したタイプの小型ACサーボ・アクチュエータを搭載することとした。モータ・ユニット内のセンサには、サーボ制御のための回転位置若しくは関節位置を検出する角度・位置センサ、姿勢安定制御(例えばZMP方程式のパラメータ取得)のための加速度センサやジャイロ・センサ、異常状態検出のためのトルク・センサや電流検出センサなどが含まれる。また、アクチュエータ・モータの直結ギアとして低減速ギアを採用することにより、人間との物理的インタラクションを重視するタイプのロボット100に求められている駆動系自身の受動的特性を得ている。この種のACサーボ・アクチュエータに関しては、例えば本出願人に既に譲渡されている特開2000−299970号公報や特開2004−181613号公報などに開示されている。
図4には、ロボット装置100の制御システム構成を模式的に示している。同図に示すように、ロボット装置100は、ヒトの四肢を表現した各機構ユニット130、140、141、150R/L、160R/Lと、各機構ユニット間の協調動作を実現するための適応制御を行なう制御ユニット180とで構成される(但し、R及びLの各々は、右及び左の各々を示す接尾辞である。以下同様)。
ロボット装置100全体の動作は、制御ユニット180によって統括的に制御される。制御ユニット180は、CPU(Central Processing Unit)やメモリなどの主要回路コンポーネント(図示しない)で構成される主制御部181と、電源回路やロボット100の各構成要素とのデータやコマンドの授受を行なうインターフェース(いずれも図示しない)などを含んだ周辺回路182とで構成される。
ここで言う周辺回路182は、ロボット装置に搭載される周辺機器類の他、ケーブルや無線を通して接続される外付けの周辺機器、充電ステーション(図示しない)やその他の周辺機器を接続するためのインターフェース・コネクタなどを含むものとする。
本発明を実現する上で、この制御ユニット180の設置場所は特に限定されない。図4では体幹部ユニット140に搭載されているが、頭部ユニット130に搭載してもよい。あるいは、ロボット装置100外に制御ユニット180を配設して、ロボット装置100本体とは有線若しくは無線で交信するようにしてもよい。
図3に示したロボット装置100内の各関節自由度は、それぞれに対応するアクチュエータによって実現される。すなわち、頭部ユニット30には、首関節ヨー軸101、首関節ピッチ軸102、首関節ロール軸103の各々を表現する首関節ヨー軸アクチュエータM1、首関節ピッチ軸アクチュエータM2A、頭ピッチ軸アクチュエータM2B、首関節ロール軸アクチュエータM3が配設されている。
また、体幹部ユニット140には、体幹ピッチ軸109、体幹ロール軸110の各々を表現する体幹ピッチ軸アクチュエータM9、体幹ロール軸アクチュエータM10が配設されている。
また、腕部ユニット150R/Lは、上腕ユニット151R/Lと、肘関節ユニット152R/Lと、前腕ユニット153R/Lに細分化されるが、肩関節ピッチ軸104、肩関節ロール軸105、上腕ヨー軸106、肘関節ピッチ軸107、手首関節ヨー軸108の各々を表現する肩関節ピッチ軸アクチュエータM4、肩関節ロール軸アクチュエータM5、上腕ヨー軸アクチュエータM6、肘関節ピッチ軸アクチュエータM7、手首関節ヨー軸アクチュエータM8が配設されている。
また、脚部ユニット160R/Lは、大腿部ユニット161R/Lと、膝ユニット162R/Lと、脛部ユニット163R/Lに細分化されるが、股関節ヨー軸111、股関節ピッチ軸112、股関節ロール軸113、膝関節ピッチ軸114、足首関節ピッチ軸115、足首関節ロール軸116の各々を表現する股関節ヨー軸アクチュエータM11、股関節ピッチ軸アクチュエータM12、股関節ロール軸アクチュエータM13、膝関節ピッチ軸アクチュエータM14、足首関節ピッチ軸アクチュエータM15、足首関節ロール軸アクチュエータM16が配設されている。
各関節に用いられるアクチュエータM1、M2、M3…は、より好ましくは、ギア直結型で且つサーボ制御系をワンチップ化してモータ・ユニット内に搭載したタイプの小型ACサーボ・アクチュエータ(前述)で構成することができる。
頭部ユニット130、体幹部ユニット140、腕部ユニット150、各脚部ユニット160などの機構ユニット毎に、アクチュエータ駆動制御用の副制御部135、145、155、165が配設されている。
腰部141には、加速度センサ196と姿勢センサ195が配設されている。加速度センサ196は、XYZの各軸方向に配置する。また、腰部141に加速度センサ196を配設することによって、質量操作量が大きな部位である腰部を制御対象点として設定して、その位置における姿勢や加速度を直接計測して、ZMPに基づく姿勢安定制御を行なうことができる。加速度センサ96と姿勢センサ95は、図3中ではそれぞれ加速度センサA1及びジャイロ・センサG1として構成されている。
また、左右の各脚部160R及び160Lには、接地確認センサ191及び192と、加速度センサ193及び194がそれぞれ配設されている。接地確認センサ191及び192は、例えば足底に圧力センサを装着することにより構成され、床反力の有無により足底が着床したか否かを検出することができる。また、加速度センサ193及び194は、少なくともX及びYの各軸方向に配置する。左右の足部に加速度センサ193及び194を配設することにより、ZMP位置に最も近い足部で直接ZMP方程式を組み立てることができる。図3中では、左右の足首に、足平における加速度を計測するセンサA2及びA2と、足平の姿勢を計測するジャイロ・センサG2及びG3がそれぞれ配設されている。また、左右の足底の四隅に、接地並びに床反力を計測する力センサF1〜F4、F5〜F8が配設されている。
本実施形態では、路面との接触部位である足部にZMPと力を直接する反力センサ・システム(床反力センサなど)を配設するとともに、制御に用いるローカル座標とその座標を直接的に計測するための加速度センサを配設している。したがって、ZMP位置に最も近い足部で直接的にZMP釣合い方程式を組み立てることによって、より厳密な姿勢安定化制御を高速で実現することができる。
主制御部180は、各センサA1〜A3、G1〜G3、F1〜F8の出力に応答して制御目標をダイナミックに補正することができる。より具体的には、副制御部135、145、155、165の各々に対して適応的な制御を行ない、ロボット装置100の上肢、体幹、及び下肢が協調して駆動する全身運動パターンを実現する。
ロボット装置100の全身運動は、足部運動、ZMP軌道、体幹運動、上肢運動、腰部高さなどを設定するとともに、これらの設定内容に従った動作を指示するコマンドを各副制御部135、145、155、165に転送する。そして、各々の副制御部135、145…では、主制御部181からの受信コマンドを解釈して、各アクチュエータM1、M2、M3…に対して駆動制御信号を出力する。
B.受動車輪機構
脚式移動ロボットは、優れた対地適応性を有し、特に不整地においては、他の移動気候形態では実現不可能な移動能力を発揮することができる。ところが、平坦な移動面において、速度に対するエネルギ効率の低さに問題がある。
これに対し、本実施形態に係るロボット装置は、足部に受動車輪機構を着脱自在に取り付けることにより、脚式の移動と車輪型の移動の双方の特質を兼ね備えたハイブリッド型の移動を実現することができる。また、車輪は足部の動作により受動的に推進力を得ることができ、車輪駆動用のアクチュエータを搭載しないことから、総重量を増大させずに済む。
具体的には、可動脚の足先には、単数又は複数の車輪からなる車輪機構が装着される。車輪機構はすべて受動支持された車輪で構成され、各回転軸は摩擦特性が調整されているとする。車輪構成に基づいて、足部におけるX、Y、ヨー軸回りの摩擦特性を調整することができる。また、車輪の断面形状と物性を調整するとともに、車輪の本体に対する姿勢を調整することで、摩擦特性以外に接地面に対する幾何的接地状態を調整し、推進性能、旋回性能などロボット装置の運動性能を改善することができる。
さらに、車輪機構に対し補助的なセンサ・システムを搭載することができる。設置スペースやコスト、その他実装上の制約から、すべての車輪にセンサを取り付けることができない場合には、内足(人間で言うところの土踏まず側)を優先し、且つ、蹴り出し状態を把握できる前縁側を優先して設置する。また、図3に示したように、足底に接地状態を計測するセンサが搭載されている場合には、その計測方法と設置位置を考慮して、車輪の設置状態を決定する。
また、人間用のローラースケートのように、補助的に蹴り出し動作や減速動作に役立てるために、ゴムブロックを取り付けてもよい。この場合、以下のような構成を採用する。
(1)車輪機構本体に剛性のある取り付けはせず、ある程度の自由度を許容する。
(2)ゴムが移動面に対して相対速度を有しているときに接地しても、引っ掛かりにくくするための支持機構を構成する。
(3)ゴムの支持は線形又は非線形とする。
なお、移動面の状態に応じて車輪の特性を調整する必要があるため、車輪を取り付ける機構は交換可能であることが好ましい。
従来の脚式ロボット用受動車輪機構では、図5に示すように、車輪のX軸方向(車輪自体が転がる進行方向)とY軸方向の摩擦力を用いた推進原理を議論するものであった。
この場合、車輪の転がり方向は摩擦係数が少なく軸方向は摩擦が大きいという抗力の異方性を利用することにより、足先の進行方向に対し非平行な方向への運動を車輪の回転運動に変換してロボット装置の推進方向に対する推進力を得ることができる。そして、車輪の転がり方向と推進方向(若しくはロボットの主たる進行方向)のなすグライド角θGがギアの減速比に相当し、グライド角θGにより大きな角度をつければ低速となることから装置の推進方向に大きな推進力を発生することができる。逆に、グライド角θGにより小さな角度を与えることにより、小さな推進力であるが、ロボットを高速に推進することができる
これに対し、本実施形態では、その車輪構成を考慮することで、X軸方向並びにY軸方向に加え、ヨー軸回りの摩擦特性も調整する。仮に一脚当たり1輪であっても、図6に示すように摩擦特性を調整することができる。
また、1足当たり4輪で構成される場合には、図7に示すように調整された摩擦力とトルクとなる。この場合、4輪からなる車輪機構において車輪毎に異なる特性を利用して、車輪機構全体としての摩擦特性を調整する。また、車輪毎の摩擦特性分布に応じてヨー軸回りの回転中心が変わることがある。
また、足毎の車輪機構を複数の車輪機構で構成するときには、図8に示すように、足底の隅毎に車輪を配置する場合の他に、ライン上にすべての車輪を配置する場合や、ライン上の車輪数を変える場合などが挙げられる。
車輪に関しては、車輪断面形状と物性を調整すること、車輪の本体に対する姿勢を調整することで、上述した摩擦特性の他に、接地面に対する幾何的接地状態を調整し、推進性能や旋回性能などの運動性能を改善することができる。例えば、車輪形状を図9に示すように工夫することで、足底での接地部位や接地状態(形状や面積や摩擦特性)を変化させることができる。こうした車輪断面の効果として、以下を挙げることができる。
(1)地面への引っ掛かりの防止(静摩擦、同摩擦の摩擦特性の急激な変化の防止)
(2)傾斜接地させることによる旋回運動の実現
(3)接地部位の調整
図10には、図9(c)に示した車輪を利用して4輪からなる車輪機構を構成した例を示している。図示のように、車輪断面形状により各車輪の接地部位を調整することができる。この場合、各車輪の接地部位は足平の外側に近づけることにより、接地点を結ぶ多角形の面積を大きく確保して安定性を確保し、センサ特性とのマッチングから特定の部位で接地し易くすることができる。
また、図10に示すように脚毎の車輪機構を多輪ではなく1輪で構成する場合であっても、図11に示すように、車輪の材質を考慮し、接地時における変形を利用することによって、ヨー軸摩擦トルクを生成することができる。
なお、トーインやキャンバーなど車輪の姿勢を工夫することにより、足先の運動性能を調整することができる。
図7には、4輪からなる車輪機構について図解したが、各車輪の特性を変化させることで、接地状態を変化させることができる。
さて、車輪の特性を変化させることで得られる効果として、以下の事柄を挙げることができる。
(1)路面の凹凸への適応性向上
(2)路面の段差への適応性向上
(3)旋回性能の向上
図12には、車輪機構が路面の段差へ適応する様子を示している。図示のように、段差などの凸地形を乗り越える滑走能力を向上するために、前後左右の4輪からなる車輪機構のうち前輪を柔らかい(変形し易い)素材にし、段に接触したときの干渉と地形への倣い特性を向上することができる。
また、図13には、旋回特性に着目して車輪の変形し易さ、表面の滑り易さを調整した例を示している。旋回時には、爪先(あるいは踵)荷重を減らすことで、Y軸方向に滑らす(すなわちスキッドステアを行なう)場合、車輪表面は滑り易い特性を持たせるとよい。
このように、段差・凹凸への対応や、旋回特性に着目して車輪の変形のし易さ、表面の滑り易さを調整することができる。
本実施形態に係る車輪機構は、すべて受動支持された車輪で構成され、各回転軸は摩擦特性が調整されている。すなわち、駆動輪ではなく、摩擦特性を調整(方向性などを持たせる)するために受動車輪を取り付ける。
このような車輪機構における移動原理は、脚(足)の軌道、若しくはロボット装置本体の慣性力を生成するなどのことを行なうことにより進力を発生するというものである。
極小摩擦で車輪を支持することができる軸受けを使用することを含め、摩擦トルクを適宜調整することによって、加減速をさらに行ない易くすることができると考えられる。特に、静止時からの蹴り出し加速を行なうには、条件によって空振りになる、若しくは不用意な移動が起こり得るため、移動面状態などの条件に応じて軸の摩擦を調整することが効果的である。
移動面の状態に応じて車輪の特性を調整する必要があるため、車輪を取り付ける機構は交換可能であることが好ましい。
図20及び図21には、足平の前後及び左右の4輪で構成される場合の車輪機構の構成を示している。各図において、ブラケットは、脚式移動ロボットの足部に取り付けるための部材であり、形状は脚構造によって任意に設計することができる。以下の構造は、YZ平面に対して対称とする。
前後のホイル・ステーがブラケットに取り付けられている。そして、前後の各ホイル・ステーの左右両端には、各車輪が車軸回りに回転自在に軸支されている。前後の各ホイル・ステーではそれぞれ、左右の車軸はほぼ同軸となるように配設されている。
さらに、車輪機構に対し補助的なセンサ・システムを搭載することができる。設置スペースやコスト、その他実装上の制約から、すべての車輪にセンサを取り付けることができない場合には、内足(人間で言うところの土踏まず側)を優先し、且つ、蹴り出し状態を把握できる前縁側を優先して接地する。
図14には、車輪機構にセンサを搭載した様子を示している。それぞれの足部において足座標のX軸速度のみ分かれば十分である場合には、図示のように、内足前輪に角速度センサを設置すればよい。
また、足底に接地状態を計測するセンサが搭載されている場合には、その計測方法と設置位置を考慮して、車輪の設置状態を決定する。例えば図3に示したように足機構に4点の計測点がある場合には、図15に示すように、車輪の計測点を一致させることも分解能、計測レンジを充分に利用する上で効果的である。
また、人間用のローラースケートのように、補助的に蹴り出し動作や減速動作に役立てるために、ゴムブロックを取り付けてもよい。この場合、以下のような構成を採用する。
(1)車輪機構本体に合成のある取り付けはせず、ある程度の自由度を許容する。
(2)ゴムが移動面に対して相対速度を有しているときに接地しても、引っ掛かりにくくするための支持機構を構成する。
(3)ゴムの支持は線形又は非線形とする。
図16には、車輪機構にゴムストッパを取り付けた例を示している。図示の例では、前後左右の4隅に車輪を支持したブラケットの前端縁に、断面略くの字をなすばね要素を有したゴムストッパ支持部の一端が取り付けられ、この支持部の他端にゴムストッパが支持されている。このような支持部の構成によれば、ゴムストッパが接地してばね弾性が作用する際には、くの字の屈曲部を回転中心としてゴムストッパ支持部が変形することから、爪先位置決めの精度が十分でなくとも、地面に引っ掛からず、引き摺るように作用することができる。
図17には、図16に示したゴムストッパ付きの車輪機構が傾斜して、ゴムストッパが地面に対して作用する様子を示している。図示の例では、車輪機構の全長120に対し、車輪の直径が25である。そして、車輪機構本体が路面に対し5〜30゜だけ傾斜すると、ゴムストッパか路面について作用する。このとき、車輪の接地部とゴムストッパの接地部分との距離は10〜20程度である。
図18には、爪先接地時にゴムストッパが作用する様子を示している。この場合、地面に対する爪先相対速度により、ゴムストッパ支持部が跳ね上げられる方向に変形し、ゴムストッパの摩擦力は小さくなる。すなわち、接地時にはトレーリング(引き摺り方向)の関係となって必要以上に摩擦が出ないようになっている。
また、図19には、蹴り出し動作時にゴムストッパが作用する様子を示している。この場合、地面に対する爪先相対速度により、ゴムストッパ支持部は引き込まれる方向に変形するので摩擦力は大きくなる。すなわち、蹴り出しのときはリーディング(引っ掛かり方向)の位置となって、摩擦力が増大するような幾何的配置になる。
移動面の状態に応じて車輪の特性を調整する必要があるため、車輪を取り付ける機構は交換可能であることが好ましい。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本発明の要旨は、必ずしも「ロボット」と称される製品には限定されない。すなわち、電気的若しくは磁気的な作用を用いて人間の動作に似せた運動を行なう機械装置あるいはその他一般的な移動体装置であるならば、例えば玩具などのような他の産業分野に属する製品であっても、同様に本発明を適用することができる。
また、本明細書では、2足ロボットに本発明を適用した実施形態について説明してきたが、勿論、4足などの多足の移動ロボットに対して本発明を適用することも可能である。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、本発明の実施に供される「人間形」又は「人間型」のロボット装置100が直立している様子を前方から眺望した様子を示した図である。 図2は、本発明の実施に供される「人間形」又は「人間型」のロボット装置100が直立している様子を後方から眺望した様子を示した図である。 図3は、ロボット装置100が具備する関節自由度構成を模式的に示した図である。 図4は、ロボット装置100の制御システム構成を模式的に示した図である。 図5は、車輪のX軸方向(車輪自体が転がる進行方向)とY軸方向の摩擦力を用いた推進原理を説明するための図である。 図6は、一脚当たり1輪で構成される場合には、摩擦力とトルクを調整する仕組みを説明するための図である。 図7は、1足当たり4輪で構成される場合には、摩擦力とトルクを調整する仕組みを説明するための図である。 図8は、車輪機構の車輪の配置例を示した図である。 図9は、車輪形状の構成例を示した図である。 図10は、図9(c)に示した車輪を利用して4輪からなる車輪機構を構成した例を示した図である。 図11は、車輪機構を1輪で構成する場合に、接地時における変形を利用してヨー軸摩擦トルクを生成する作用を説明するための図である。 図12は、車輪機構が路面の段差へ適応する様子を示した図である。 図13は、旋回特性に着目して車輪の変形し易さ、表面の滑り易さを調整した例を示した図である。 図14は、車輪機構にセンサを搭載した様子を示した図である。 図15は、足機構に4点の計測点がある場合に、車輪の計測点を一致させる様子を示した図である。 図16は、車輪機構にゴムストッパを取り付けた例を示した図である。 図17は、図16に示したゴムストッパ付きの車輪機構が傾斜して、ゴムストッパが地面に対して作用する様子を示した図である。 図18は、爪先接地時にゴムストッパが作用する様子を示した図である。 図19は、蹴り出し動作時にゴムストッパが作用する様子を示した図である。 図20は、本発明の一実施形態に係る車輪機構の構成を示した図である。 図21は、本発明の一実施形態に係る車輪機構の構成を示した図である。
符号の説明
100…脚式移動ロボット
101…首関節ヨー軸
102A…第1の首関節ピッチ軸
102B…第2の首関節(頭)ピッチ軸
103…首関節ロール軸
104…肩関節ピッチ軸
105…肩関節ロール軸
106…上腕ヨー軸
107…肘関節ピッチ軸
108…手首関節ヨー軸
109…体幹ピッチ軸
110…体幹ロール軸
111…股関節ヨー軸
112…股関節ピッチ軸
113…股関節ロール軸
114…膝関節ピッチ軸
115…足首関節ピッチ軸
116…足首関節ロール軸
130…頭部ユニット
140…体幹部ユニット
141…腰部ユニット
150…腕部ユニット,151…上腕ユニット
152…肘関節ユニット,153…前腕ユニット
160…脚部ユニット,161…大腿部ユニット
162…膝関節ユニット,163…脛部ユニット
180…制御ユニット,181…主制御部
182…周辺回路
191,192…接地確認センサ
193,194…加速度センサ
195…姿勢センサ
196…加速度センサ

Claims (28)

  1. 1以上の可動脚を備えたロボット装置であって、
    前記可動脚の足先に取り付けられた車輪機構と、
    少なくとも可動脚の動作を制御する動作制御手段とを備え、
    前記車輪機構は、前記可動脚の足部に取り付けられ、XY平面を構成するブラケットと、前記ブラケット上に回転可能に支持され、足部におけるX軸方向、Y軸方向、及びヨー軸回りの摩擦特性が調整された1以上の車輪を備える、
    ことを特徴とするロボット装置。
  2. 接地面に対する幾何的接地状態に基づいて前記車輪の断面形状と物性が調整されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  3. 前記車輪の動作状態を計測するセンサをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  4. 複数の車輪を備える場合には、内足及び前縁に近い車輪から優先してセンサを取り付ける、
    ことを特徴とする請求項3に記載のロボット装置。
  5. 蹴り出し動作や減速動作のときに利用するゴムブロックと、該ゴムブロックをある程度の自由度を許容しながら前記ブラケットに取り付ける支持機構と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  6. 前記支持機構は、ゴムブロックが移動面に対して相対速度を有しているときに接地しても、引っ掛かりにくくするように作用する、
    ことを特徴とする請求項5に記載のロボット装置。
  7. 接地時には前記支持機構は、前記ゴムブロックと移動面とをトレーリング(引き摺り方向)の関係に設定して、必要以上に摩擦が出ないようにする、
    ことを特徴とする請求項5に記載のロボット装置。
  8. 蹴り出しのときには前記支持機構は、前記ゴムブロックと移動面とをリーディング(引っ掛かり方向)の関係に設定して、摩擦力が増大するような幾何的配置にする、
    ことを特徴とする請求項5に記載のロボット装置。
  9. 前記車輪は前記ブラケットに対し交換可能に取り付けられる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  10. 複数の車輪からなる車輪機構において、車輪毎に異なる特性を利用して、車輪機構全体としての摩擦特性を調整する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  11. 車輪毎の摩擦特性分布に応じて前記車輪機構におけるヨー軸回りの回転中心を設定する、
    ことを特徴とする請求項10に記載のロボット装置。
  12. 各車輪の接地部位を足平の外側に近づける、
    ことを特徴とする請求項2に記載のロボット装置。
  13. 接地時における変形を利用してヨー軸摩擦トルクを生成するように、車輪の材質を決定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のロボット装置。
  14. 足底に接地状態を計測するセンサが搭載されている場合には、その計測方法と設置位置を考慮して、車輪の設置状態を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
  15. 複数の可動脚を備え脚式移動動作を行なうロボット装置の足先に適用されるロボット用車輪装置であって、
    前記可動脚の足部に取り付けられ、XY平面を構成するブラケットと、
    前記ブラケット上に回転可能に支持され、足部におけるX軸方向、Y軸方向、及びヨー軸回りの摩擦特性が調整された1以上の車輪と、
    を具備することを特徴とするロボット用車輪装置。
  16. 接地面に対する幾何的接地状態に基づいて前記車輪の断面形状と物性が調整されている、
    ことを特徴とする請求項15に記載のロボット用車輪装置。
  17. 前記車輪の動作状態を計測するセンサをさらに備える、
    ことを特徴とする請求項15に記載のロボット用車輪装置。
  18. 複数の車輪を備える場合には、内足及び前縁に近い車輪から優先してセンサを取り付ける、
    ことを特徴とする請求項17に記載のロボット用車輪装置。
  19. 蹴り出し動作や減速動作のときに利用するゴムブロックと、該ゴムブロックをある程度の自由度を許容しながら前記ブラケットに取り付ける支持機構と、
    ことを特徴とする請求項15に記載のロボット用車輪装置。
  20. 前記支持機構は、ゴムが移動面に対して相対速度を有しているときに接地しても、引っ掛かりにくくするように作用する、
    ことを特徴とする請求項19に記載のロボット用車輪装置。
  21. 接地時には前記支持機構は、前記ゴムブロックと移動面とをトレーリング(引き摺り方向)の関係に設定して、必要以上に摩擦が出ないようにする、
    ことを特徴とする請求項19に記載のロボット用車輪装置。
  22. 蹴り出しのときには前記支持機構は、前記ゴムブロックと移動面とをリーディング(引っ掛かり方向)の関係に設定して、摩擦力が増大するような幾何的配置にする、
    ことを特徴とする請求項19に記載のロボット用車輪装置。
  23. 前記車輪は前記ブラケットに対し交換可能に取り付けられる、
    ことを特徴とする請求項15に記載のロボット用車輪装置。
  24. 複数の車輪からなる車輪機構において、車輪毎に異なる特性を利用して、車輪機構全体としての摩擦特性を調整する、
    ことを特徴とする請求項15に記載のロボット用車輪装置。
  25. 車輪毎の摩擦特性分布に応じてヨー軸回りの回転中心を設定する、
    ことを特徴とする請求項24に記載のロボット用車輪装置。
  26. 各車輪の接地部位を足平の外側に近づける、
    ことを特徴とする請求項16に記載のロボット用車輪装置。
  27. 接地時における変形を利用してヨー軸摩擦トルクを生成するように、車輪の材質を決定する、
    ことを特徴とする請求項16に記載のロボット用車輪装置。
  28. 足底に接地状態を計測するセンサが搭載されている場合には、その計測方法と設置位置を考慮して、車輪の設置状態を決定する、
    ことを特徴とする請求項15に記載のロボット用車輪装置。
JP2004287455A 2004-09-30 2004-09-30 ロボット装置並びにロボット用車輪装置 Pending JP2006095661A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004287455A JP2006095661A (ja) 2004-09-30 2004-09-30 ロボット装置並びにロボット用車輪装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004287455A JP2006095661A (ja) 2004-09-30 2004-09-30 ロボット装置並びにロボット用車輪装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006095661A true JP2006095661A (ja) 2006-04-13

Family

ID=36235960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004287455A Pending JP2006095661A (ja) 2004-09-30 2004-09-30 ロボット装置並びにロボット用車輪装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006095661A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010127921A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Kochi Univ Of Technology 移動型床反力計測装置
US20210309309A1 (en) * 2018-08-16 2021-10-07 Sony Corporation Control apparatus and control method

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010127921A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Kochi Univ Of Technology 移動型床反力計測装置
US20210309309A1 (en) * 2018-08-16 2021-10-07 Sony Corporation Control apparatus and control method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4513320B2 (ja) ロボット装置、並びにロボット装置の運動制御方法
US10126757B2 (en) Single track legged vehicle
JP3435666B2 (ja) ロボット
KR101985790B1 (ko) 보행 로봇 및 그 제어 방법
JP5607886B2 (ja) 歩行ロボット及びその制御方法
US7278501B2 (en) Legged walking robot and motion control method therefor
EP1440872B1 (en) Ambulatory robot and method for controlling the same
JP2001150370A (ja) 脚式移動ロボット及び脚式移動ロボットの動作制御方法
WO2010122705A1 (ja) ロボット制御装置、ロボット制御方法、及び脚式ロボット
ES3014079T3 (en) Method for moving an exoskeleton
WO2004033160A1 (ja) ロボット装置の動作制御装置及び動作制御方法
JP2006055972A (ja) 足部走行機構及びそれを備えた2足歩行ロボット
JP2002307339A (ja) 脚式移動ロボット及びその制御方法、並びに脚式移動ロボットのための足首構造
Yang et al. Design and control of a novel six-legged skating robot with skateboards
JP3674779B2 (ja) 脚式移動ロボットのための動作制御装置及び動作制御方法、並びにロボット装置
Chen et al. Design and fabrication of a statically stable stair‐climbing robotic wheelchair
JP5306959B2 (ja) 脚式移動ロボットの制御装置
JP2006068884A (ja) ロボット装置及びその制御方法、並びに受動車輪装置
JP2006095661A (ja) ロボット装置並びにロボット用車輪装置
Ranjan et al. TraQuad: A Modular Tracked Legged Multimodal Quadrupedal Robot
JP4770990B2 (ja) 脚式移動ロボット及びその制御方法
JP4587699B2 (ja) ロボット装置及びその制御方法
JP4352774B2 (ja) 脚式歩行ロボットの運動制御装置及び運動制御方法
Kwon et al. Adaptive dynamic locomotion of quadrupedal robots with semicircular feet on uneven terrain
JP2006095648A (ja) 脚式移動ロボット及びその制御方法