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JP2006143707A - 神経疾患治療剤 - Google Patents

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JP2006143707A
JP2006143707A JP2005302396A JP2005302396A JP2006143707A JP 2006143707 A JP2006143707 A JP 2006143707A JP 2005302396 A JP2005302396 A JP 2005302396A JP 2005302396 A JP2005302396 A JP 2005302396A JP 2006143707 A JP2006143707 A JP 2006143707A
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alkyl
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JP2005302396A
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Hiroyuki Aono
浩之 青野
Fumio Tsuji
文雄 辻
Masaaki Murai
正明 村井
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Santen Pharmaceutical Co Ltd
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Santen Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】一般式[1]で表される構造を有するウレア化合物の新たな薬理作用を見出すこと。
【解決手段】一般式[1]で表される構造を有するウレア化合物またはその塩類は、優れた神経疾患治療作用を有する。式中、Aは−(NR4 )−、−(CR56 )−または−O−を、Bはアルキレンまたはアルケニレン基を、R1 、R2 、R4 、R5 およびR6 は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アダマンチルアルキル基などを、R3 はアリ−ル基または不飽和の複素環を、Xは酸素原子または硫黄原子をそれぞれ示す。
【化1】
Figure 2006143707

【選択図】 なし

Description

本発明は、ウレア誘導体、酸アミド等(以下、これらをまとめて「ウレア誘導体」と呼ぶ)を有効成分として含む神経疾患の治療剤に関する。
ヒトを含む哺乳動物の神経系は脳や脊髄などの中枢神経系と、中枢神経以外の神経からなる末梢神経系とから構成される。末梢神経系には、運動神経、感覚神経、自律神経が含まれる。運動神経と感覚神経は体性神経と総称されるが、体性神経の意味で末梢神経という用語が使用されることもある。
髄鞘(ミエリン鞘)は多数の神経線維(軸索)を覆う細胞である。髄鞘は中枢神経系において、オリゴデンドログリアにより形成され、また、末梢神経系においてはシュワン細胞により形成される。これらはいずれも軸索における神経インパルスの伝導を促進する機能を持つ。この髄鞘が何らかの原因で脱落、変性、形成不全等を生ずることを脱髄という。
神経疾患は、種々の原因に起因して、中枢神経あるいは末梢神経に炎症、麻痺あるいは変性等の異常が生じる疾患である。
一方、脱髄性疾患とは、神経疾患の中でも特に、中枢神経または末梢神経に脱髄等の変性を生じる神経疾患をいい、この疾患は知覚障害、感覚障害、不随意運動の出現、運動障害、自律神経失調、情緒障害等の様々な神経症状を呈する。また、この疾患の一部は致命的であることから、この疾患の有効な治療方法の開発が望まれている。脱髄性疾患の内、中枢神経の脱髄を伴う疾患として多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、デビック(Devic)病、同心円硬化症、シルダー(Schilder)病、白質ジストロフィー、進行性多巣性白質脳症、散在性壊死性白質脳症、副腎白質ジストロフィー、異染性白質ジストロフィー、中心性橋白質融解症、ビンスワンゲル(Binswanger)病、クラッベ(Krabbe)病、ペリツェウス−メルツバッフェル(Pelizaeus-Merzbacher)病、カナヴァン(Canavan)病、アレキサンダー(Alexander)病、亜急性硬化性全脳炎、急性出血性白質脳炎、亜急性出血性白質脳炎、急性播種性脳脊髄炎、ヒトTリンパ球向性ウイルス脊髄症(HAM)、放射線被曝による脱髄、微生物の感染に伴う脱髄、アミノ酸尿症に伴う脱髄、化学物質の中毒による脱髄等が知られている。また、末梢神経の脱髄を伴う疾患として、糖尿病性神経障害、ギラン・バレー症候群(急性炎症性脱髄性多発神経炎)、ミラー・フィッシャー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、シャルコー-マリー-ツース病、肥厚性間質性ニューロパシー、微生物の感染に伴う脱髄、化学物質の中毒による脱髄等が知られている。
脱髄性疾患の代表的疾患として多発性硬化症が挙げられる。多発性硬化症は、オリゴデンドログリアの破壊と血管周囲炎症を伴う斑状の脱髄が脳および脊髄に播種性に発生する神経疾患であり、多発性でさまざまな神経症状を発現する疾患である。主要な症状として、四肢や顔面の麻痺、視覚障害、多幸感や抑うつ等の情緒障害、有痛性強直性痙攣等を呈する。寛解と再燃を繰り返しながら徐々に進行し、最終的には高次精神機能の障害に至ることもある疾患である。
一方、糖尿病性神経障害は、糖尿病に伴う末梢神経の脱髄性疾患であり、非特許文献1には、糖尿病性神経障害が脱髄等の神経の変性を生じることが記載されている。糖尿病性神経障害の主徴は感覚障害・自律神経障害であるが、運動神経に障害を生じることもある。感覚障害は初期には疼痛、しびれなどの症状が認められ、晩期には感覚鈍磨が認められる。自律神経障害は高度の起立性低血圧や重症の下痢症などを呈し、患者の生活の質 (QOL) を制限するのみでなく、突然死など患者の生命予後に密接にかかわる。
通常、脱髄性疾患の治療には副腎皮質ホルモン、抗痙縮薬等が使用されている。例えば、多発性硬化症の治療に副腎皮質ホルモンが使用されるが、この副腎皮質ホルモンは、症状出現期には症状を緩和することが可能であるが、寛解期の症状出現抑制効果は期待できないことが知られている。また、この副腎皮質ホルモンの使用は投薬中止時の症状の再燃の恐れがあり、長期間に渡る投薬が困難であるという面も有する。
また、糖尿病性神経障害は、脱髄性疾患というだけでなく糖尿病の合併症としても位置づけられており、その治療には糖尿病の治療が行われることが多い。しかし、糖尿病治療の最終的な目的は、糖尿病性神経障害に代表される糖尿病合併症の発症または進展を阻止することにあるとされている。
しかしながら、血糖のコントロールが良好であっても、糖尿病罹病期間が長くなるにつれて糖尿病合併症が発症し進展することはよく知られており、血糖のコントロールだけでは糖尿病神経症の治療ができない症例も存在する。このような症例に対してはエパルレスタットのようなアルドース還元酵素阻害作用を有する薬物が使用される場合があるが、副作用が発現する場合もあり、さらなる治療薬の開発が望まれている。
一方、本発明における有効成分であるウレア誘導体は、腫瘍壊死因子α(TNF−α)産生阻害作用を有し、関節リウマチ(RA)等の自己免疫疾患治療薬として特許文献1が記載されている。また、特許文献2には、このウレア誘導体が血管新生抑制薬として有用であることが記載されている。
特開2002−53555号公報 特開2003−226686号公報 後藤由夫他 糖尿病性神経障害、1〜10ページ、文光堂発行、1979年
脱髄に伴う神経疾患、特に多発性硬化症または糖尿病性神経障害の治療薬として好適な化合物を探索すること、および、公知のウレア誘導体の新たな医薬用途を見出すことは興味深い課題である。
そこで、医薬として有用な下記一般式[1]で示される公知のウレア誘導体(特開2002−53555)に着目し、脱髄に伴う神経疾患の治療薬の探索研究を行った。
その結果、これらのウレア誘導体が、脱髄性疾患のモデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)モデルにおいて神経症状の抑制作用を有すること、および、ストレプトゾシン(STZ)誘発糖尿病モデル動物における神経伝導速度遅延の抑制作用を有することから、脱髄性疾患、特に多発性硬化症および糖尿病性神経障害の治療剤として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
特許請求の範囲および明細書において、「神経症状」とは、神経の障害によって生じる種々の症状をいう。
本発明は、下記一般式[1]で示される化合物またはその塩類(以下特記なき限り「本化合物」とする)を有効成分として含む神経疾患治療剤に関するものである。
Figure 2006143707
[式中、Aは、−(NR4 )−、−(CR56 )−または−O−を示し;Bは鎖中に、−O−、−S−、−(NR )−、−CO−、−N=若しくは
Figure 2006143707
を含有してもよいアルキレン基またはアルケニレン基を示し、該アルキレン基およびアルケニレン基はヒドロキシ基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、シロキシ基または飽和若しくは不飽和の複素環で置換されていてもよく、Aと結合して飽和の複素環を形成してもよく;R1 、R2 、R4 、R5 およびR6 は同一または異なって水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヒドロキシ基、アシル基またはアミノ基を示し、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基またはシクロアルケニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シクロアルキル基、アダマンチル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、シアノ基または飽和若しくは不飽和の複素環で置換されていてもよく;R1 とR2 、R2 とR4 、R2とR5 およびR2とR6 は飽和若しくは不飽和の複素環を形成していてもよく;R3 はアリール基または不飽和の複素環を示し;R は水素原子またはアルキル基を示し;Xは=Oまたは=Sを示し;nは1〜5の整数を示し;上記された各アミノ基、ヒドロキシ基およびアミノカルボニル基の水素原子はアルキル基、シクロアルキル基、アダマンチル基、アダマンチルアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールアルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ハロゲノアルキルオキシカルボニル基、イミダゾリルカルボニル基、ピリジルカルボニル基、飽和若しくは不飽和の複素環、または飽和若しくは不飽和の複素環で置換されたアルキル基で置換されていてもよい。以下同じ。]
本化合物は、優れた神経症状の抑制作用を示し、神経疾患、特に多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎または糖尿病性神経障害の治療薬として有用である。
一般式[1]で規定された各基について詳しく説明する。
アルキレン基とはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基、メチルメチレン基、エチルエチレン基、ジメチルエチレン基、プロピルエチレン基、イソプロピルエチレン基、メチルトリメチレン基等の1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキレン基を示す。
アルケニレン基とは、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、オクテニレン基、ブタンジイリデン基、メチルプロペニレン基等の1個以上の二重結合を有し、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルケニレン基を示す。
アルキル基とはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、イソヘキシル基、イソオクチル基、t-ブチル基、3,3−ジメチルブチル基等の1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル基を示す。
アルコキシ基とはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、イソプロポキシ基、t-ブトキシ基等の1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルコキシ基を示す。
アルケニル基とはビニル基、アリル基、3−ブテニル基、5−ヘキセニル基、イソプロペニル基等の2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルケニル基を示す。
アルキニル基とは、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等の2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキニル基を示す。
シクロアルキル基とはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基を示す。
シクロアルケニル基とはシクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基等の5〜20個の炭素原子を有するシクロアルケニル基を示す。
アリール基とはフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素環を示し、それらは1個以上の置換基を有してもよく、置換基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキルオキシ基などが挙げられる。
シロキシ基とは、トリアルキルシリルオキシ基、ジアルキル(アリール)シリルオキシ基、アルキル(ジアリール)オキシ基、トリアリールシリルオキシ基などの珪素含有有機基を示す。
ハロゲン原子とはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を示す。
複素環とは、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を1〜4個を含む5〜20員環の飽和若しくは不飽和の単環式複素環または2環式複素環を示し、これらの複素環は、1個以上の置換基を有してもよく、その置換基としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリール基、アリールアルキル基、飽和若しくは不飽和の複素環などが挙げられる。また上記の複素環が環内に窒素原子または硫黄原子を有するとき、それらの原子が酸化され、N−オキシド、S−オキシドなどの形になっていてもよい。
飽和の複素環の具体例としては、窒素原子を環内に有するピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、ピペラジン、窒素原子と酸素原子を環内に有するモルホリン、窒素原子と硫黄原子を環内に有するチオモルホリンなどの単環式複素環が挙げられ、それらはベンゼン環等と縮合してテトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリンなどの2環式複素環を形成してもよい。
不飽和の複素環の具体例としては、窒素原子を環内に有するピロール、ピリジン、ピラゾール、イミダゾール、ピラジン、ピリダジン、ピリミジンなどの単環式複素環またはインドール、キノリン、イソキノリン、ベンズイミダゾール、ナフチリジン、ピロロピリジン、イミダゾピリジンなどの2環式複素環、酸素原子を環内に有するフランなどの単環式複素環またはベンゾフランなどの2環式複素環、硫黄原子を環内に有するチオフェンなどの単環式複素環またはベンゾチオフェンなどの2環式複素環、窒素原子と酸素原子若しくは硫黄原子を環内に有するオキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾールなどの単環式複素環またはベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、チエノピリジン、オキサゾロピリジン、チアゾロピリジン、フロピリジンなどの2環式複素環などが挙げられる。さらに、上記の不飽和複素環は部分的に飽和結合を含む形であってもよい。
本発明における塩類とは医薬として許容される塩であれば特に制限はなく、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、酢酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸等の有機酸との塩、また、ナトリウム、カリウム、カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属との塩などが挙げられる。また、本化合物の第四級アンモニウム塩も本発明における塩類に包含される。さらに、本化合物に幾何異性体または光学異性体が存在する場合には、それらの異性体も本発明の範囲に含まれる。なお、本化合物は水和物および溶媒和物の形態をとっていてもよい。
本化合物の好ましい例としては、下記(1)〜(3)のものが挙げられる。
(1)一般式[1]で規定された各基が以下の基から選択され、またはそれらの組み合わせからなる化合物またはその塩類

1) R3 :ピリジン環。
2)R1 、R2 、R4 、R5 およびR6 のうちの少なくとも1つ:アダマンチルアルキル基、アダマンチルオキシアルキル基、アダマンチルアミノアルキル基またはアダマンチルアミノカルボニルアルキル基。
3)R1 およびR2 のうちの少なくとも1つ:アダマンチルアルキル基、アダマンチルオキシアルキル基、アダマンチルアミノアルキル基またはアダマンチルアミノカルボニルアルキル基。
4)R1 およびR2 のうちの少なくとも1つ:アダマンチルアルキル基。
(2)一般式[1]で規定された各基が以下の基からなる化合物またはその塩類

A:−(NR4 )−、−(CR56 )−または−O−;
B:鎖中に、−O−、−S−、−(NR )−、−CO−、−N=若しくは
Figure 2006143707
を含有してもよいアルキレン基またはアルケニレン基であって、該アルキレン基はヒドロキシ基、アルコキシ基、アリール基、シロキシ基または飽和若しくは不飽和の複素環で置換されていてもよく、Aと結合して飽和の複素環を形成してもよい、
1 :水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヒドロキシ基またはアミノ基であって、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基またはシクロアルケニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シクロアルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アダマンチル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基または飽和若しくは不飽和の複素環で置換されていてもよく、R1 中の各アミノ基、ヒドロキシ基およびアミノカルボニル基の水素原子はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールアルコキシカルボニル基、ハロゲノアルキルオキシカルボニル基、イミダゾリルカルボニル基、不飽和の複素環または不飽和の複素環で置換されたアルキル基で置換されていてもよい、
2 :アダマンチルアルキル基、アダマンチルオキシアルキル基、アダマンチルアミノアルキル基またはアダマンチルアミノカルボニルアルキル基、
3 :不飽和の複素環、
4 :水素原子、アルキル基、アダマンチルアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アシルアミノ基またはアルコキシカルボニルアミノ基、
5 およびR6 :同一または異なって水素原子、アルキル基、アミノ基またはアルコキシカルボニルアミノ基、
:水素原子またはアルキル基、
X:=Oまたは=S、
n:1〜5の整数。
これらのうち、R2 がアダマンチルアルキル基であって、R3 がピリジン環であるものがより好ましい。
さらに、一般式[1]で規定された各基が以下の基からなる化合物またはその塩類が特に好ましい。
A:−(NR4 )−、−(CR56 )−または−O−;
B:鎖中に−S−若しくは
Figure 2006143707
を含有してもよいアルキレン基またはアルケニレン基、
1 :アルキル基またはアルケニル基であって、該アルキル基はハロゲン原子またはアミノ基で置換されていてもよく、さらに該アミノ基はアルキル基、アシル基、アリールアルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基またはアルコキシカルボニル基で置換されていてもよい、
2 :アダマンチルアルキル基、
3 :ピリジン環、
4 :水素原子、
5 および R6 :水素原子、
X:=O、
n:1〜5の整数。
(3)一般式[1]で規定された各基が以下の基からなる化合物またはその塩類
A:−(NR 4)−、−(CR56 )−または−O−;
B:鎖中に、−O−、−S−、−(NR )−、−N=若しくは
Figure 2006143707
を含有してもよいアルキレン基またはアルケニレン基であって、該アルキレン基はヒドロキシ基、アルコキシ基、アリール基または飽和若しくは不飽和の複素環で置換されていてもよく、Aと結合して飽和の複素環を形成してもよい、
1 :水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヒドロキシ基またはアミノ基であって、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基またはシクロアルケニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シクロアルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、シアノ基または飽和若しくは不飽和の複素環で置換されていてもよく、R1 の各アミノ基、ヒドロキシ基およびアミノカルボニル基の水素原子はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールアルコキシカルボニル基、不飽和の複素環または不飽和の複素環で置換されたアルキル基で置換されていてもよい、
2 :アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基またはアリールアルキル基、
3 :ピリジン環、
4 :水素原子、アルキル基、アダマンチルアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アシルアミノ基またはアルコキシカルボニルアミノ基、
5 およびR6 :同一または異なって水素原子またはアルキル基、
:水素原子またはアルキル基、
X:=Oまたは=S、
n:1〜5の整数。
これらのうち、一般式[1]で規定された各基が以下の基からなる化合物またはその塩
類がより好ましい。
A:−(NR4 )−または−(CR56 )−、
B:アルキレン基またはアルケニレン基、
1 :アルキル基、アルケニル基であって、該アルキル基はハロゲン原子、アミノ基、シクロアルキル基、アリール基、イミダゾール基またはピリジン環で置換されていてもよく、さらに該アミノ基はアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基またはアリールアルコキシカルボニル基で置換されていてもよい、
2 :アルキル基、アルケニル基またはアリールアルキル基、
3 :ピリジン環、
4 :水素原子、
5およびR6:水素原子、
X:=O。
さらに、これらのうち、R1 が炭素数3以上のアルキル基であって、R2 がアルキル基
またはアリールアルキル基である化合物またはその塩類が特に好ましい。
また、一般式[1]で規定された各基が以下の基からなる化合物またはその塩類がより
好ましい。
A::−(NR4 )−または−(CR56 )−、
B:アルキレン基またはアルケニレン基、
1 :アルキル基、アルケニル基またはシクロアルキル基であって、該アルキル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シクロアルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ピリジン環またはチオフェン環で置換されていてもよく、さらにR1 中の各アミノ基、ヒドロキシ基およびアミノカルボニル基の水素原子はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールアルコキシカルボニル基で置換されていてもよい、
2 :シクロアルキル基、フェニルアルキル基またはシクロアルキルアルキル基、
3 :ピリジン環、
4 :水素原子、
5 およびR6 :水素原子、
X:=O。
本化合物の最も好ましい具体例として、下記化合物およびその塩類が挙げられる。
1−[2−(1−アダマンチル)エチル]−1−ペンチル−3−[3−(4−ピリジル)プロピル]ウレア(化合物1)
Figure 2006143707
本化合物は、例えば特開2002−53555記載の方法によって製造できる。
本化合物の有用性を調べるべく、神経疾患に関する薬理試験を実施した。
神経疾患は、種々の原因に起因して、中枢神経あるいは末梢神経に炎症、麻痺あるいは変性等の異常が生じる疾患である。神経の異常に伴って神経伝導速度の遅延が生じるなど、神経インパルスが正常に伝達されなくなり、その結果種々の神経症状を生じる。神経伝達の異常は軸索のみならず、神経節、あるいは神経末端で生じることもある。
一方、脱髄性疾患とは、神経疾患の中でも特に、軸索の外側を包む髄鞘が萎縮・脱落あるいは形成不全を生じる疾患である。脱髄を生じる原因には様々な原因があり、原発性にも二次的にも生じることがある。脱髄によって軸索における神経伝導速度の遅延が生じ、あるいは脱髄に伴う軸索の変性が生じ、神経伝達が正常に行われなくなる。この結果、種々の神経症状を発症する。脱髄性疾患は中枢神経においても、末梢神経においても生じうる。中枢神経の脱髄を伴う神経疾患の例としては、例えば多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、デビック(Devic)病、同心円硬化症、シルダー(Schilder)病、白質ジストロフィー、進行性多巣性白質脳症、散在性壊死性白質脳症、副腎白質ジストロフィー、異染性白質ジストロフィー、中心性橋白質融解症、ビンスワンゲル(Binswanger)病、クラッベ(Krabbe)病、ペリツェウス−メルツバッフェル(Pelizaeus-Merzbacher)病、カナヴァン(Canavan)病、アレキサンダー(Alexander)病、亜急性硬化性全脳炎、急性出血性白質脳炎、亜急性出血性白質脳炎、急性播種性脳脊髄炎、ヒトTリンパ球向性ウイルス脊髄症(HAM)、放射線被曝による脱髄、微生物の感染に伴う脱髄、アミノ酸尿症に伴う脱髄、化学物質の中毒による脱髄等がある。末梢神経の脱髄を伴う神経疾患の例としては、例えば糖尿病性神経障害、ギラン・バレー症候群(急性炎症性脱髄性多発神経炎)、ミラー・フィッシャー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、シャルコー-マリー-ツース病、肥厚性間質性ニューロパシー、微生物の感染に伴う脱髄、化学物質の中毒による脱髄等がある。中毒により脱髄を生じる化学物質には、例えばヘキサクロロフェン、n-ヘキサン等の有機化合物、トリエチルスズ等の有機金属等がある。感染に伴い中枢神経に脱髄を生じる微生物の例としては、麻疹ウィルス、ポリオウィルス等があり、感染に伴い末梢疾患に脱髄を生じる微生物の例としては、ジフテリア菌等がある。感染に伴う脱髄は、感染が治癒した後に生じることもある。
一方、EAEは、中枢神経の脱髄性疾患モデルであり、病理所見として軸索変性を伴う脱髄を認めること、症状として再発寛解型または急性型の四肢の麻痺を生ずること等、ヒトの脱髄性疾患、特に多発性硬化症または急性散在性脳脊髄炎との多くの共通点を有する。また、EAEを惹起することができる抗原ペプチドはいくつか知られているが、後述する薬理試験で使用したプロテオリピッド蛋白(PLP)部分ペプチドに関しては、多数の多発性硬化症患者のT細胞がPLPと反応することなど、PLPは脱髄性疾患に関与する蛋白であることが知られている。これらの点から、PLPによって惹起したEAEはヒトの脱髄性疾患、特に多発性硬化症または急性散在性脳脊髄炎の病態をよく反映したモデルとして、これらの疾患の治療薬の評価に汎用されている。
STZ誘発糖尿病モデルは実験的糖尿病モデルとして、糖尿病性神経障害をはじめとする糖尿病合併症の病態解析や治療薬の評価に汎用されるモデルである。
糖尿病の治療は糖尿病合併症である糖尿病性神経障害の進行をくいとめるという点で重要であるが、臨床において厳格な血糖のコントロールのみでは神経障害の発症や進展を完全に阻止することは不可能である。同様に実験動物を用いた糖尿病モデルにおいても血糖のコントロールのみでは十分な神経伝導速度の改善が得られず、神経障害を改善しないことが報告されている。一方、血糖値には無影響であるものの糖尿病性神経障害の治療に用いられるアルドース還元酵素阻害剤のような薬物も存在し、糖尿病性神経障害の治療は血糖低下とは別の機序によって行いうる。
糖尿病性神経障害において末梢神経や自律神経に脱髄等の変性が認められるが、その原因には諸説があり明らかではない。糖尿病性神経障害における神経の変性は脱髄のみならず軸索変性を伴う場合もある。一方、脱髄等の神経の変性により糖尿病性神経障害において神経伝導速度の低下が生じることが、後藤らによって報告されている。(後藤由夫他、最新医学 1984年、39巻、437ページ)
詳細については後述の薬理試験の項で示すが、本化合物の作用をマウスEAEモデルを用いて検討したところ、累積EAEスコアを抑制すること、即ち、神経症状を緩和することを見出した。また、本化合物の作用をSTZ誘発糖尿病モデルにおいて検討したところ、神経伝導速度の改善作用を示すことを見出した。このことから、本化合物は脱髄性疾患、特に、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎または糖尿病性神経障害の治療剤として好適であることがわかる。
本化合物の投与は非経口でも経口でも行うことができる。投与剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤、貼付剤、軟膏剤、懸濁剤等が挙げられる。本化合物の製剤例は特開2002−53555、特開2003−226686に記載されているが、これらの特許文献記載の方法に限らず、汎用されている技術を用いて製剤化することができる。例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の経口剤は、乳糖、結晶セルロース、デンプン、植物油等の増量剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の崩壊剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、シリコン樹脂等のコーティング剤、ゼラチン皮膜等の皮膜剤などを必要に応じて加えて、調製することができる。また、必要に応じ汎用されている技術を用いて徐放化することもできる。
本化合物の投与量は症状、年令、剤型等によって適宜選択できるが、経口剤であれば通常1日当り0.1〜5000mg、好ましくは1〜1000mgを1回または数回に分けて投与すればよい。
以下に本化合物を用いた薬理試験の結果を例示するが、これらの例は本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
薬理試験
1.マウスEAEモデルに対する本化合物の作用
EAEモデルは多発性硬化症等の脱髄性疾患のモデルとして汎用されている(Luca ME 他: Journal of Neuroimmunology、第100巻、190-196ページ、1999年、Grabinski AR他、 Methods in Enzymology、第288巻、182-190ページ、1997年、Academic Press社刊)。ルカ(Luca)およびグラビンスキー(Grabinski)の方法に準じて、マウスEAEモデルにおける本化合物の作用を検討した。
(被験化合物含有液の調製)
上述した化合物1と媒体である1%メチルセルロース水溶液を乳鉢を用い混和して被験化合物含有液を調製した。得られた被験化合物含有液を4℃にて使用するまで保存した。
(使用動物)
SJL/J 系マウス (雌性、8週齢)を、13日間の馴化の後、各群12匹で実験に供した。
(実験方法)
リン酸緩衝生理食塩液に溶解したPLP139-151をH37 Ra アジュバントと混合して乳化した。マウス1匹あたり75μgのPLPを含む量のアジュバントを、4箇所以上に分割して皮下投与してマウスを免疫した。免疫を行った日をゼロ日目として、1日目および3日目に、109個の百日咳菌(Bordetella pertussis)を腹腔内投与した。被験化合物含有液はゼロ日目から24日目までの毎日経口投与した。なお、陰性対照群には、媒体である1% メチルセルロース水溶液を同様に投与した。1日目から24日目まで、マウスの症状を観察し、表1に従ってスコア付けを行った。
Figure 2006143707
(結果評価)
個体ごとに観察期間のスコアを累計し、累積EAEスコアとした。
このように求めた累積EAEスコアを表2に示す。結果は全て平均±標準誤差で示した。
Figure 2006143707
表2から明らかなように、化合物1は累積EAEスコアを用量依存的に抑制した。
2.ラットSTZ誘発糖尿病モデルにおける神経伝導速度に対する本化合物の作用
ストレプトゾシン(STZ)投与によって高血糖を生じるSTZ誘発糖尿病モデルは、実験的糖尿病モデルとして、糖尿病性神経障害などの糖尿病合併症の病態解析や治療薬の評価に汎用されている。ヨシダ (Yoshida)らはアルドース還元酵素阻害作用を有し糖尿病性神経障害の治療薬として用いられるエパルレスタットがラットSTZ誘発糖尿病モデルにおける神経伝導速度低下を抑制することを報告している(Diabetes, 1987年、第36巻、6〜13ページ)。ヨシダらの方法に準じ、STZ誘発糖尿病モデルにおける本化合物の作用を、エパルレスタットを対照薬として検討した。
(被験化合物含有液の調製)
上述した化合物1と媒体である1%メチルセルロース水溶液を乳鉢を用い混和して被験化合物含有液を用時調製した。
比較対照薬含有液の調製
エパルレスタットと媒体である1%メチルセルロース水溶液を乳鉢を用い混和して被験化合物含有液を用時調製した。
(使用動物)
Wistar系ラット (雄性、10週齢)を、7日間の検疫馴化の後、各群10〜12匹で実験に供した。
(実験方法)
実験開始前に後述の方法により各個体の神経伝導速度を測定した。STZをpH 4.5のクエン酸緩衝液に溶解し、この溶液を直ちに40 mg/2 mL/kgの用量で腹腔内投与した。STZ投与3日後より30日後までの毎日被験化合物含有液を10 mg/5 mL/kgの投与量となるように経口投与した。但し、比較対照群には被験化合物含有液の代わりに比較対照薬含有液を50mg/5 mL/kgの投与量となるように経口投与し、病態対照群および正常対照群には被験化合物含有液の代わりに媒体である1%メチルセルロース水溶液を5 mL/kgの投与量で経口投与した。また、正常対照群にはSTZ投与の代わりに媒体であるクエン酸緩衝液を腹腔内投与した。STZ投与31日後に各個体の実験終了時神経伝導速度の測定を行った。
(神経伝導速度の測定)
神経伝導速度の測定は麻酔下で行った。坐骨神経付近に遠位刺激用の針電極を、右側のアキレス腱付近に近位刺激用の針電極を、同側の足底筋に導出用の針電極をそれぞれ刺入した。電気刺激装置を用い、遠位と近位の刺激電極にそれぞれ矩形波刺激(0.5Hz, 0.1 msec, submax voltage)を与えた。誘発される電位を測定用電極より導出し、生体電気アンプ(AB-621G, 日本光電工業)を介して誘発筋電図加算プログラム(MTS50061C、メディカルトライシステム)に入力し、10回加算平均して、遠位と近位の各伝導時間及び電極間の距離から神経伝導速度を算出した。この測定を3回行い、3回の平均値を各個体の神経伝導速度として採用した。
(結果評価)
各個体の神経伝導速度差(△NCV)は以下の式によって算出した。
△NCV=(各個体の実験終了時神経伝導速度)−(各個体の実験開始前神経伝導速度)

上記の式によって算出した各個体の△NCVを用い、各群の△NCVの平均±標準誤差を求めた。さらに、以下の式で各群の神経伝導速度の抑制率を求めた。
各群の抑制率(%)=100−(各群の△NCVの平均−正常対照群の△NCVの平均)÷(病態対照群の△NCVの平均―正常対照群の△NCVの平均)×100

このように求めた各群の△NCVの平均±標準誤差および変化率を表3に示す。
Figure 2006143707
表3から明らかなように、化合物1はラットSTZ誘発糖尿病モデルにおける神経伝導速度の低下を抑制した。その作用は比較対照薬であるエパルレスタットと比較してより低い用量でより強いものであった。
製剤例
本化合物の経口剤および注射剤としての一般的な製剤例を以下に示す。
1)錠剤
処方1(100mg中)
本化合物 1 mg
乳糖 66.4mg
トウモロコシデンプン 20 mg
カルボキシメチルセルロース カルシウム 6 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 4 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg

上記処方の錠剤に、コーティング剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、シリコン樹脂等通常のコーティング剤)2mgを用いてコーティングを施し、目的とするコーティング錠を得る(以下の処方の錠剤も同じ)。また、本化合物および添加物の量を適宜変更することにより、所望の錠剤を得ることができる。

2)カプセル剤
処方1(150mg中)
本化合物 5 mg
乳糖 145 mg

本化合物および乳糖の混合比を適宜変更することにより、所望のカプセル剤を得ることができる。
3)注射剤
処方1(10ml中)
本化合物 10〜100 mg
塩化ナトリウム 90 mg
水酸化ナトリウム 適量
塩酸 適量
滅菌精製水 適量

本化合物および添加物の混合比を適宜変更することにより、所望の注射剤を得ることができる。
上記の薬理試験の結果から、本化合物は優れた脱髄性疾患の治療作用を有し、神経疾患治療薬として有用であることが認められる。

Claims (21)

  1. 下記一般式[1]で表される化合物またはその塩類を有効成分として含む神経疾患治療剤。
    Figure 2006143707
    [式中、Aは、−(NR )−、−(CR )−または−O−を示し;Bは鎖中に、−O−、−S−、−(NR )−、−CO−、−N=若しくは
    Figure 2006143707
    を含有してもよいアルキレン基またはアルケニレン基を示し、該アルキレン基およびアルケニレン基はヒドロキシ基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、シロキシ基または飽和若しくは不飽和の複素環で置換されていてもよく、Aと結合して飽和の複素環を形成してもよく;R 、R 、R 、R およびR は同一または異なって水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヒドロキシ基、アシル基またはアミノ基を示し、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基またはシクロアルケニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シクロアルキル基、アダマンチル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、シアノ基または飽和若しくは不飽和の複素環で置換されていてもよく;R とR 、R とR 、RとR およびRとR は飽和若しくは不飽和の複素環を形成していてもよく;R はアリール基または不飽和の複素環を示し;R は水素原子またはアルキル基を示し;Xは=Oまたは=Sを示し;nは1〜5の整数を示し;上記された各アミノ基、ヒドロキシ基およびアミノカルボニル基の水素原子はアルキル基、シクロアルキル基、アダマンチル基、アダマンチルアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールアルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ハロゲノアルキルオキシカルボニル基、イミダゾリルカルボニル基、ピリジルカルボニル基、飽和若しくは不飽和の複素環、または飽和若しくは不飽和の複素環で置換されたアルキル基で置換されていてもよい。]
  2. がピリジン環である請求項1記載の神経疾患治療剤。
  3. 、R 、R 、R およびRの少なくとも1つが、アダマンチルアルキル基、アダマンチルオキシアルキル基、アダマンチルアミノアルキル基またはアダマンチルアミノカルボニルアルキル基である請求項1記載の神経疾患治療剤。
  4. およびRの少なくとも1つが、アダマンチルアルキル基、アダマンチルオキシアルキル基、アダマンチルアミノアルキル基またはアダマンチルアミノカルボニルアルキル基である請求項1記載の神経疾患治療剤。
  5. およびR の少なくとも1つが、アダマンチルアルキル基である請求項1記載の神経疾患治療剤。
  6. Aが−(NR )−、−(CR )−または−O−を示し;Bが鎖中に、−O−、−S−、−(NR )−、−CO−、−N=若しくは
    Figure 2006143707
    を含有してもよいアルキレン基またはアルケニレン基を示し、該アルキレン基はヒドロキシ基、アルコキシ基、アリール基、シロキシ基または飽和若しくは不飽和の複素環で置換されていてもよく、Aと結合して飽和の複素環を形成してもよく;R が水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヒドロキシ基またはアミノ基を示し、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基またはシクロアルケニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シクロアルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アダマンチル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基または飽和若しくは不飽和の複素環で置換されていてもよく、上記された各アミノ基、ヒドロキシ基およびアミノカルボニル基の水素原子はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールアルコキシカルボニル基、ハロゲノアルキルオキシカルボニル基、イミダゾリルカルボニル基、不飽和の複素環または不飽和の複素環で置換されたアルキル基で置換されていてもよく;Rがアダマンチルアルキル基、アダマンチルオキシアルキル基、アダマンチルアミノアルキル基またはアダマンチルアミノカルボニルアルキル基を示し;Rが不飽和の複素環を示し;Rが水素原子、アルキル基、アダマンチルアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アシルアミノ基またはアルコキシカルボニルアミノ基を示し;RおよびRが同一または異なって水素原子、アルキル基、アミノ基またはアルコキシカルボニルアミノ基を示し;Rが水素原子またはアルキル基を示し;Xが=Oまたは=Sを示し;nが1〜5の整数を示す請求項1記載の神経疾患治療剤。
  7. がアダマンチルアルキル基を示し、R がピリジン環を示す請求項6記載の神経疾患治療剤。
  8. Aが−(NR )−、−(CR )−または−O−を示し;Bが鎖中に−S−若しくは
    Figure 2006143707
    を含有してもよいアルキレン基またはアルケニレン基を示し;Rがアルキル基またはアルケニル基を示し、該アルキル基はハロゲン原子またはアミノ基で置換されていてもよく、さらに該アミノ基はアルキル基、アシル基、アリールアルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基またはアルコキシカルボニル基で置換されていてもよく;R がアダマンチルアルキル基を示し;Rがピリジン環を示し;Rが水素原子を示し;R およびRが水素原子を示し;Xが=Oを示し;nが1〜5の整数を示す請求項6記載の神経疾患治療剤。
  9. Aが、−(NR)−、−(CR )−または−O−を示し;Bが鎖中に、−O−、−S−、−(NR )−、−N=若しくは
    Figure 2006143707
    を含有してもよいアルキレン基またはアルケニレン基を示し、該アルキレン基はヒドロキシ基、アルコキシ基、アリール基または飽和若しくは不飽和の複素環で置換されていてもよく、Aと結合して飽和の複素環を形成してもよく;Rが水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヒドロキシ基またはアミノ基を示し、該アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基またはシクロアルケニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シクロアルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、シアノ基または飽和若しくは不飽和の複素環で置換されていてもよく、上記された各アミノ基、ヒドロキシ基およびアミノカルボニル基の水素原子はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールアルコキシカルボニル基、不飽和の複素環または不飽和の複素環で置換されたアルキル基で置換されていてもよく;Rがアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基またはアリールアルキル基を示し;Rがピリジン環を示し;R が水素原子、アルキル基、アダマンチルアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アシルアミノ基またはアルコキシカルボニルアミノ基を示し;R およびRが同一または異なって水素原子またはアルキル基を示し;Rが水素原子またはアルキル基を示し;Xが=Oまたは=Sを示し;nが1〜5の整数を示す請求項1記載の神経疾患治療剤。
  10. Aが、−(NR )−または−(CR )−を示し;Bがアルキレン基またはアルケニレン基を示し;Rがアルキル基、アルケニル基を示し、該アルキル基はハロゲン原子、アミノ基、シクロアルキル基、アリール基、イミダゾール基またはピリジン環で置換されていてもよく、さらに該アミノ基はアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基またはアリールアルコキシカルボニル基で置換されていてもよく;Rがアルキル基、アルケニル基またはアリールアルキル基を示し;Rがピリジン環を示し;R が水素原子を示し;RおよびRが水素原子を示し;Xが=Oを示す請求項9記載の神経疾患治療剤。
  11. がアルキル基を示し、Rがアルキル基またはアリールアルキル基を示す請求項10記載の神経疾患治療剤。
  12. Aが、−(NR)−または−(CR )−を示し;Bがアルキレン基またはアルケニレン基を示し;R がアルキル基、アルケニル基またはシクロアルキル基を示し、該アルキル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、シクロアルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、ピリジン環またはチオフェン環で置換されていてもよく、さらに上記された各アミノ基、ヒドロキシ基およびアミノカルボニル基の水素原子はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールアルコキシカルボニル基で置換されていてもよく;Rがシクロアルキル基またはシクロアルキルアルキル基を示し;Rがピリジン環を示し;Rが水素原子を示し;R およびRが水素原子を示し;Xが=Oを示す請求項9記載の神経疾患治療剤。
  13. 1−[2−(1−アダマンチル)エチル]−1−ペンチル−3−[3−(4−ピリジル)プロピル]ウレアまたはその塩類を有効成分として含む神経疾患治療剤。
  14. 神経疾患が脱髄性疾患である請求項1〜13のいずれかに記載の神経疾患治療剤。
  15. 脱髄性疾患が中枢神経の脱髄を伴う神経疾患である請求項14に記載の神経疾患治療剤。
  16. 中枢神経の脱髄を伴う神経疾患が多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、デビック(Devic)病、同心円硬化症、シルダー(Schilder)病、白質ジストロフィー、進行性多巣性白質脳症、散在性壊死性白質脳症、副腎白質ジストロフィー、異染性白質ジストロフィー、中心性橋白質融解症、ビンスワンゲル(Binswanger)病、クラッベ(Krabbe)病、ペリツェウス−メルツバッフェル(Pelizaeus-Merzbacher)病、カナヴァン(Canavan)病、アレキサンダー(Alexander)病、亜急性硬化性全脳炎、急性出血性白質脳炎、亜急性出血性白質脳炎、急性播種性脳脊髄炎、ヒトTリンパ球向性ウイルス脊髄症(HAM)、放射線による脱髄、微生物の感染に伴う脱髄、アミノ酸尿症に伴う脱髄、または化学物質の中毒による脱髄である請求項15に記載の神経疾患治療剤。
  17. 中枢神経の脱髄を伴う神経疾患が多発性硬化症または急性散在性脳脊髄炎である請求項15に記載の神経疾患治療剤。
  18. 脱髄性疾患が末梢神経の脱髄を伴う神経疾患である請求項14に記載の神経疾患治療剤。
  19. 末梢神経の脱髄を伴う神経疾患が糖尿病性神経障害、ギラン・バレー症候群(急性炎症性脱髄性多発神経炎)、ミラー・フィッシャー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、シャルコー-マリー-ツース病、肥厚性間質性ニューロパシー、微生物の感染に伴う脱髄、または化学物質の中毒による脱髄である請求項18に記載の神経疾患治療剤。
  20. 末梢神経の脱髄を伴う神経疾患が糖尿病性神経障害である請求項18に記載の神経疾患治療剤。
  21. 剤型が錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤、貼付剤、軟膏剤、ローション剤、または懸濁剤である請求項1〜20のいずれかに記載の神経疾患治療剤。

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