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JP2006291905A - 発電システムにおける異常検出装置 - Google Patents

発電システムにおける異常検出装置 Download PDF

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JP2006291905A JP2005115964A JP2005115964A JP2006291905A JP 2006291905 A JP2006291905 A JP 2006291905A JP 2005115964 A JP2005115964 A JP 2005115964A JP 2005115964 A JP2005115964 A JP 2005115964A JP 2006291905 A JP2006291905 A JP 2006291905A
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Abstract

【課題】簡単な装置の構成により、定置式エンジンに発生した異常を高い検出精度で迅速に検出することができる異常検出装置を提供すること。
【解決手段】発電システムにおける異常検出装置は、取込ステップにおいては、圧力データP(i)及び発電出力データW(i)を取り込む。次いで、想定値算出ステップにおいては、過去時点における圧力データP(i−1)に対する判定時点(現時点)における圧力データP(i)の圧力変化割合と、過去時点における発電出力想定値Ws(i−1)との関係から、判定時点における発電出力想定値Ws(i)を算出する。次いで、異常判定ステップにおいては、判定時点における発電出力データW(i)と判定時点における発電出力想定値Ws(i)との比率もしくは差分に基づいて算出した判定データX(i)が、所定の基準範囲A内を外れたとき、定置式エンジンに異常が発生したことを検出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、発電システムに使用する定置式エンジンにおける異常の発生を検出する異常検出装置に関する。
従来より、発電システムとして、ガスエンジン又はディーゼルエンジン等の据え置きタイプの定置式エンジンを運転させ、この運転による駆動力を利用して発電を行う技術が知られている。
そして、上記定置式エンジンのいずれかの気筒において、例えば、ピストン又はコンロッド等に焼付等の異常が発生すると、定置式エンジンが故障(破損)するおそれがあるため、このときには、定置式エンジンを故障発生前に停止させることが必要になる。
そのため、例えば、特許文献1の内燃機関の焼付予知装置においては、内燃機関のシリンダブロックに振動センサを取り付け、この振動センサの出力データを各気筒の爆発行程毎に取り出している。そして、比較器において、各気筒の振動データの低下量が基準値を超えるか否かを比較し、ピストンの焼付寸前の状態にある気筒を判定している。これにより、実際の焼付の発生よりもかなり前にその前兆を検出し、重大故障である焼付を未然に防止している。
また、例えば、特許文献2の往復動エンジン用ピストンリングの固着監視装置においては、ピストンを往復動可能に収容するシリンダライナの周方向複数個所に、このシリンダライナの壁面温度を検出するための温度計測端をそれぞれ取り付けている。そして、演算器において、複数の温度計測端における温度分布から、ピストンにおけるピストンリングの周方向変位を検出している。これにより、ピストンリングの固着を監視し、ピストンリングのシリンダライナへの焼付を未然に防止している。
しかしながら、上記従来の異常検出を行う装置においては、エンジンにおいて上記振動センサ又は温度計測端を別途取り付ける必要があり、装置が複雑になる。また、簡単な構成の装置により、高い検出精度で迅速に異常を検出するためには十分ではなかった。
さらに、エンジンを用いて発電システムを構成した場合に有効な異常検出装置についての技術は何ら開示されていない。
特開平6−137163号公報 特開平6−346789号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な装置の構成により、定置式エンジンに発生した異常を高い検出精度で迅速に検出することができる異常検出装置を提供しようとするものである。
第1の発明は、定置式エンジンの出力により、発電機を作動させる発電システムに用い、上記定置式エンジンにおける異常を検出する異常検出装置であって、
該異常検出装置は、上記定置式エンジンへ供給する燃料混合気の圧力及び上記発電機の発電出力を逐次測定し、該測定を行った圧力及び発電出力を、圧力データ及び発電出力データとして逐次保存するよう構成してあり、
上記測定を行った時点を判定時点とすると共に該判定時点の1つ前に測定を行った時点を過去時点とし、該過去時点における上記圧力データに対する上記判定時点における上記圧力データの圧力変化割合と、上記過去時点における発電出力想定値との関係から、上記判定時点における発電出力想定値を算出する想定値算出ステップと、
上記判定時点における上記発電出力データと上記判定時点における発電出力想定値との比率もしくは差分に基づいて算出した判定データが、所定の基準範囲内を外れたとき、上記定置式エンジンに異常が発生したことを検出する異常判定ステップとを、上記測定を行う毎に繰り返し行うよう構成してあることを特徴とする発電システムにおける異常検出装置にある(請求項1)。
本発明の異常検出装置は、発電システムに用いるものであり、定置式エンジンへ供給する燃料混合気の圧力及び発電機の発電出力を利用して、定置式エンジンにおける異常を検出するものである。
ところで、発電機の発電出力は、定置式エンジンにおける燃料混合気の圧力と密接に関連しており、燃料混合気の圧力が増加すれば、発電機の発電出力も増加する傾向にあり、燃料混合気の圧力が減少すれば、発電機の発電出力も減少する傾向にある。
なお、本発明において、燃料混合気とは、燃料と空気との混合気のことをいう。
そして、本発明においては、上記燃料混合気の圧力と発電機の発電出力との相関関係を利用し、燃料混合気の圧力としての圧力データと、実際に発電機において発電が行われた発電出力としての発電出力データとを監視することにより、定置式エンジンにおける異常の発生を検出する。
具体的には、異常検出装置は、定置式エンジンにおける異常の有無を監視する際には、燃料混合気の圧力及び発電出力を逐次測定し、この測定を行った圧力及び発電出力を、圧力データ及び発電出力データとして逐次保存する。
そして、異常検出装置は、上記想定値算出ステップと上記異常判定ステップとを、上記測定を行う毎に繰り返し行う。
すなわち、異常検出装置は、想定値算出ステップにおいて、過去時点における圧力データに対する判定時点における圧力データの圧力変化割合を算出し、この圧力変化割合と、過去時点における発電出力想定値との関係から、判定時点における発電出力想定値を算出する。
また、想定値算出ステップにおいて、1回目の判定時点の際には、上記過去時点における圧力データは、異常診断開始時における圧力データとし、上記過去時点における発電出力想定値は、異常診断開始時における発電出力データとする。また、2回目以降の判定時点の際には、過去時点は、判定時点の1つ前に測定を行った時点とするよう逐次更新し、上記過去時点における圧力データは、当該2回目以降の各判定時点の1つ前に測定した圧力データとし、上記過去時点における発電出力想定値は、当該2回目以降の各判定時点の1つ前に算出した発電出力想定値とする。
次いで、異常検出装置は、異常判定ステップにおいて、判定時点における発電出力データと判定時点における発電出力想定値とに基づく上記判定データが、所定の基準範囲内にあるか否かを判定する。そして、異常検出装置は、上記判定データが所定の基準範囲内を外れたとき、定置式エンジンに異常が発生したことを検出する。
ここで、定置式エンジンにおいて正常に運転が行われているときには、燃料混合気の圧力が増加する方向に変化したときには、発電出力も増加する方向に変化し、又は燃料混合気の圧力が減少する方向に変化したときには、発電出力も減少する方向に変化すると推測される。そして、このときには、上記異常判定ステップにおける上記判定データは、上記所定の基準範囲内に維持される。
一方、定置式エンジンにおいて焼付等の異常が発生しているときには、定置式エンジンにおける損失が増加することにより、発電機の発電出力が低下するあるいはあまり上昇しなくなる。そして、このときには、発電機の発電出力が所定の目標発電出力に到達しないために、燃料混合気の圧力が大幅に増加される。そのため、このときには、上記異常判定ステップにおける上記判定データが上記所定の基準範囲内を外れ、異常検出装置が定置式エンジンに異常が発生したことを検出することができる。
このように、本発明においては、燃料混合気の圧力と発電出力との相関関係を利用し、燃料混合気の圧力の変化及び発電出力の変化として、各状態量の相対的な変化を監視することによって、定置式エンジンに異常が発生していないかを検出することができる。
そのため、例えば、エンジン特性の経時変化等により、燃料混合気の圧力の値に対する発電出力の値としての絶対値に違いが生じた場合でも、精度よく迅速に異常の検出を行うことができる。
また、上記燃料混合気の圧力の測定及び上記発電機の発電出力の測定は、発電システムの制御又は監視に使用される圧力測定手段及び発電出力測定手段を用いて行うことができる。そのため、上記異常検出を行うために、特別なハードウェアとしてのセンサ(測定手段)等を別途配設する必要がなく、異常検出装置の構成を簡単にすることができる。
それ故、本発明の異常検出装置によれば、簡単な装置の構成により、定置式エンジンに発生した異常を高い検出精度で迅速に検出することができる。
第2の発明は、定置式エンジンの出力により、発電機を作動させる発電システムに用い、上記定置式エンジンにおける異常を検出する異常検出装置であって、
該異常検出装置は、上記定置式エンジンへ供給する燃料の流量及び上記発電機の発電出力を逐次測定し、該測定を行った流量及び発電出力を、流量データ及び発電出力データとして逐次保存するよう構成してあり、
上記測定を行った時点を判定時点とすると共に該判定時点の1つ前に測定を行った時点を過去時点とし、該過去時点における上記流量データに対する上記判定時点における上記流量データの流量変化割合と、上記過去時点における発電出力想定値との関係から、上記判定時点における発電出力想定値を算出する想定値算出ステップと、
上記判定時点における上記発電出力データと上記判定時点における上記発電出力想定値との比率もしくは差分に基づいて算出した判定データが、所定の基準範囲内を外れたとき、上記定置式エンジンに異常が発生したことを検出する異常判定ステップとを、上記測定を行う毎に繰り返し行うよう構成してあることを特徴とする発電システムにおける異常検出装置にある(請求項3)。
本発明の異常検出装置は、上記第1の発明において上記燃料混合気の圧力を測定する代わりに、上記燃料の流量(流速)を測定し、上記圧力データに代えて上記流量データを用いて上記定置式エンジンにおける異常の検出を行うものである。
本発明の異常検出装置においても、その他の構成は、第1の発明と同様であり、簡単な装置の構成により、定置式エンジンに発生した異常を高い検出精度で迅速に検出することができる。
上述した第1、第2の発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記第1の発明において、上記定置式エンジンは、都市ガス、天然ガス等のガス燃料を用いて運転を行うガスエンジンとすることができる。また、第1の発明は、ガスエンジンにおいて、ガス燃料と空気との混合比(空気比)をほとんど変化させずに運転を行う場合に適用することが好ましい。
上記第2の発明において、上記定置式エンジンは、ガスエンジン、又は上記燃料としての軽油を用いて運転を行うディーゼルエンジンとすることができる。この場合には、燃料と空気との混合比(空気比)が変化するときでも、上記燃料の流量を測定し、この測定を行った流量を上記流量データとして用いることにより、上記異常の検出を精度よく行うことができる。
また、上記第1、第2の発明において、上記発電システムは、上記定置式エンジンの出力を利用して上記発電機における発電のみを行う発電専用システムとすることができる。また、発電システムは、定置式エンジンの出力を利用して発電機における発電を行うと共に、定置式エンジンの運転による冷却水及び排気ガスの排熱を冷暖房機又は給湯器等に利用するコージェネレーションシステムとすることもできる。
また、上記発電機は、一定の回転数で発電を行うものとすることが好ましい。特に、この発電機は、商用電源系統と連系して発電を行うものとすることが好ましい。
また、上記定置式エンジンとは、工場、建物又は家屋等に設置して用いるエンジンのことをいう。
また、上記所定の基準範囲は、上記定置式エンジンにおいて正常に運転が行われている際における上記判定データの変動範囲として設定することができる。
また、上記圧力変化割合は、過去時点における圧力データに対する判定時点における圧力データの比率もしくは差分等に基づいて算出することができる。
また、上記異常検出装置によって検出を行うことができる定置式エンジンにおける異常としては、例えば、ピストンリングの焼付又は磨耗による異常、コンロッドの焼付又は磨耗による異常等の機械的異常がある。また、例えば、定置式エンジンの気筒(シリンダー)における失火異常、気筒における燃焼ガスの吹き抜け異常(気筒における排気弁が閉まらなくなったときに発生する異常)等の検出も可能と考える。
また、上記第1の発明において、上記異常検出装置は、上記燃料混合気の温度も逐次測定し、該測定を行った温度を、温度データとして逐次保存するよう構成してあり、上記想定値算出ステップにおいては、上記圧力変化割合を、上記過去時点における上記温度データに対する上記判定時点における上記温度データの温度変化割合により補正するよう構成することが好ましい(請求項2)。
ところで、燃料混合気の圧力は、燃料混合気の温度が変化することによっても変化する。そのため、上記温度変化割合により燃料混合気の圧力変化割合を補正することにより、定置式エンジンにおける異常発生の検出精度を一層向上させることができる。
また、上記温度変化割合は、過去時点における温度データに対する判定時点における温度データの比率もしくは差分等に基づいて算出することができる。
また、上記第1、第2の発明において、上記異常検出装置は、上記異常判定ステップにおいて、所定回数継続して上記判定データが上記所定の基準範囲内を外れたとき、上記定置式エンジンに異常が発生したことを検出するよう構成することが好ましい(請求項4)。
ところで、上記定置式エンジンにおける異常の発生を敏感に検出するためには、上記所定の基準範囲をできるだけ狭い範囲に絞ることが考えられる。一方、この所定の基準範囲を狭い範囲に絞ると、異常が発生していないのに誤って異常を検出してしまうおそれが生ずる。そのため、異常検出装置が上記想定値算出ステップ及び異常判定ステップを繰り返し行う際に、所定回数継続して上記判定データが所定の基準範囲内を外れたとき、はじめて上記異常を検出することにより、異常検出装置の検出精度を一層高めると共に異常の発生を一層迅速に検出することができる。
なお、上記所定回数は、例えば、2〜10回とすることができる。
また、上記異常検出装置は、上記想定値算出ステップ及び上記異常判定ステップを所定回数繰り返し行った際に、該所定回数の間において、上記判定データが上記所定の基準範囲内を所定の基準回数外れなかったときには、当該所定回数目に当たる判定時点における上記発電出力データを当該判定時点における上記発電出力想定値とする置換を行い、一方、上記所定回数の間において、上記判定データが上記所定の基準範囲内を上記基準回数以上外れたときには、上記置換を行わないよう構成することが好ましい(請求項5)。
この場合の構成は、上記異常判定ステップにおいて所定回数継続して上記判定データが上記所定の基準範囲内を外れたときに、上記異常の発生を検出する構成を有する異常検出装置において、有効な構成である。
すなわち、上記異常検出装置を用いて定置式エンジンにおける異常の有無を監視する際に、上記各ステップを所定回数行った間に、上記異常判定ステップにおいて、上記判定データが上記所定の基準範囲内を所定の基準回数外れなかったときには、定置式エンジンに異常が発生する可能性が低いものと推測される。そのため、このときには、当該所定回数目に当たる判定時点における発電出力データを当該判定時点における発電出力想定値とする置換を行う(発電出力データを発電出力想定値に代入する)。
そして、当該判定時点の次に上記各ステップを行う際には、当該判定時点における発電出力データを、次の判定時点においては、過去時点における発電出力想定値として用いる。これにより、異常検出装置が上記各ステップを繰り返す毎に生ずる累積誤差等により、理論的な値である上記発電出力想定値と、実際に測定を行って得た上記発電出力データとの間に大きな差が生じてしまうことを防止することができる。
一方、上記各ステップを所定回数行った間に、上記異常判定ステップにおいて、上記判定データが上記所定の基準範囲内を所定の基準回数以上外れたときには、定置式エンジンに異常が発生する可能性が高いものと推測される。そのため、このときには、上記置換を行わず、当該判定時点の次に上記各ステップを行う際には、当該判定時点以前と同様に、当該判定時点における発電出力想定値を、次の判定時点においては、過去時点における発電出力想定値として用いる。
そして、上記異常が発生する可能性が高いと推測されるときには、上記発電出力想定値と上記発電出力データとの間に生じた差を維持して、異常判定ステップにおいて再び上記判定データが上記所定の基準範囲内を外れやすい状態にする。これにより、上記異常が発生する可能性が高いと推測されるときには、異常を検出する感度を向上させることができる。
よって、上記置換を利用した構成により、異常検出装置の検出精度を一層高めることができる。なお、上記所定の基準回数は、例えば、1〜3回とすることができる。
以下に、本発明の発電システムにおける異常検出装置にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
本例の異常検出装置7は、図1に示すごとく、定置式エンジン2の出力により、発電機3を作動させる発電システム1に用いるものであり、上記定置式エンジン2における異常を検出するためのものである。
この異常検出装置7は、定置式エンジン2へ供給する燃料混合気G3の圧力及び発電機3の発電出力を逐次測定し、この測定を行った圧力及び発電出力を、圧力データP(i)及び発電出力データW(i)として逐次保存するよう構成してある。
そして、異常検出装置7は、以下の取込ステップ、想定値算出ステップ及び異常判定ステップを繰り返し行うよう構成してある。
すなわち、図3に示すごとく、異常検出装置7は、上記取込ステップにおいては、圧力データP(i)及び発電出力データW(i)を取り込む。
次いで、異常検出装置7は、上記想定値算出ステップにおいては、上記測定を行った現時点を判定時点とすると共にこの判定時点の1つ前に測定を行った時点を過去時点とする。そして、異常検出装置7は、過去時点における圧力データP(i−1)に対する判定時点における圧力データP(i)の圧力変化割合P(i)/P(i−1)と、過去時点における発電出力想定値Ws(i−1)との関係から、判定時点における発電出力想定値Ws(i)を算出する。
次いで、異常検出装置7は、上記異常判定ステップにおいては、判定時点における発電出力データW(i)と判定時点における発電出力想定値Ws(i)との比率もしくは差分に基づいて算出した判定データX(i)が、所定の基準範囲A内を外れたか否かを判定する。
そして、異常検出装置7は、上記各ステップを繰り返し行い、異常判定ステップにおいて上記判定データX(i)が所定の基準範囲A内を外れたときには、定置式エンジン2に異常が発生したことを検出する。
以下に、本例の発電システム1における異常検出装置7につき詳説する。
図1に示すごとく、本例の定置式エンジン2は、都市ガス(13A)等のガス燃料G1を用いて運転を行うガスエンジンであり、このガスエンジンにおいては、ガス燃料G1と空気G2との混合比(空気比)をほとんど変化させずに運転を行う。
また、定置式エンジン2は、複数の気筒21を有しており、この複数の気筒21における吸気口は、燃料混合気G3を各気筒21に供給するための吸気マニホールド4に接続されている。この吸気マニホールド4には、この吸気マニホールド4内の圧力を測定する圧力測定手段(圧力計)51と、この吸気マニホールド4内の温度を測定する温度測定手段(温度計)52とが配設されている。
また、上記発電機3には、この発電機3によって発電した発電出力を測定する発電出力測定手段53(電力計)が配設されている。
また、本例の異常検出装置7は、上記燃料混合気G3の温度も逐次測定し、この測定を行った温度を、温度データT(i)として逐次保存するよう構成してある。そして、異常検出装置7は、上記取込ステップにおいては、温度データT(i)も取り込み、上記想定値算出ステップにおいては、上記圧力変化割合P(i)/P(i−1)を、過去時点における温度データT(i−1)に対する判定時点における温度データT(i)の温度変化割合T(i−1)/T(i)により補正するよう構成してある。
また、上記圧力データP(i)は、上記圧力測定手段51によって測定した吸気マニホールド4内の圧力を表し、上記温度データT(i)は、上記温度測定手段52によって測定した吸気マニホールド4内における燃料混合気G3の温度を表す。
また、上記発電出力データW(i)は、上記発電出力測定手段53によって測定した発電機3の発電出力を表す。
また、図1に示すごとく、吸気系40において、上記圧力測定手段51及び温度測定手段52の配設位置よりも燃料混合気G3の流れの上流側には、ガス燃料G1と空気G2との混合を行うための混合器41が配設されている。また、吸気系40において、圧力測定手段51及び温度測定手段52の配設位置と混合器41の配設位置との間には、各気筒21への燃料混合気G3の流量を調整するためのガバナー43が配設されている。
また、吸気系40においては、各気筒21から排気される排ガスG4のエネルギーを利用して動作する過給機42と、この過給機42を通過して高温になった燃料混合気G3を冷却するための吸気冷却器44が配設されている。
また、吸気マニホールド4は、複数の気筒21と吸気冷却器44とを接続している。
また、発電システム1は、定置式エンジン2及び発電機3の各種制御を行う制御装置6を有している。この制御装置6は、発電機3の発電出力が目標とする目標発電出力になるよう上記ガバナー43の開度を制御するよう構成されている。また、上記異常検出装置7は、制御装置6内に構成されている。そして、異常検出装置7によって行う各ステップは、制御装置6におけるハードウェア回路に形成されたコンピュータプログラム等によって構成されている。
また、本例の発電システム1は、商用電源との連系により発電機3を作動させる系統連系タイプのものである。この発電システム1は、商用電源の周波数(50Hz又は60Hz)に合わせて、発電機3を回転させるものである。そして、発電機3は、商用電源の周波数によって決定される一定の回転数でロータを回転させて発電を行う。
また、上記異常検出装置7は、所定の時間間隔で、上記各ステップを逐次行うよう構成してある。すなわち、本例の異常検出装置7は、上記発電出力データW(i)、圧力データP(i)及び温度データT(i)の取込を行った各判定時点毎に、上記各ステップを行うよう構成してある。
また、本例の異常検出装置7が上記各ステップを実行する時間間隔は、各測定手段が測定を行うサンプリング間隔と同じ間隔である。
また、異常検出装置7は、上記各ステップを繰り返し行うに当たり、想定値算出ステップにおいては、上記過去時点を、上記判定時点の1つ前(前回)に各ステップ(異常判定)を行った判定時点とするよう逐次更新するよう構成してある。
本例の発電出力想定値Ws(i)は、燃料混合気G3の圧力と発電出力とが比例関係にあると仮定して算出する。また、燃料混合気G3の圧力に対して、燃料混合気G3の温度が与える影響を考慮するために、燃料混合気G3の圧力と温度とが反比例の関係にあるとして、発電出力想定値Ws(i)を算出する。
より具体的には、PV=GRT(理想気体の状態方程式、P:燃料混合気G3の圧力、V:吸気マニホールド4の容積、G:燃料混合気G3のモル量、R:ガス定数、T:燃料混合気G3の温度)に基づき、発電出力想定値Ws(i)を算出する。すなわち、V及びRは一定なので、V={G(i)×T(i)}/P(i)={G(i−1)×T(i−1)}/P(i−1)となり、G(i)/G(i−1)={P(i)/P(i−1)}×{T(i−1)/T(i)}の関係式が得られる。
そして、判定時点における発電出力想定値Ws(i)は、過去時点における発電出力想定値Ws(i−1)に、燃料混合気のモル量増加比率G(i)/G(i−1)、すなわち圧力変化割合P(i)/P(i−1)及び温度変化割合T(i−1)/T(i)を掛け合わせた値として、Ws(i)=Ws(i−1)×{P(i)/P(i−1)}×{T(i−1)/T(i)}の想定値算出関係式から算出する。ここで、想定値算出関係式に用いる圧力データP(i)、P(i−1)は絶対圧とし、温度データT(i)、T(i−1)は、絶対温度とする。
また、上記判定データX(i)は、X={Ws(i)−W(i)}/W(i)の判定関係式から算出する。なお、(i)は、判定時点を示し、(i−1)は、過去時点(前回の判定時点)を示す。
また、異常検出装置7は、上記各ステップを繰り返し行う際に、異常判定ステップにおいて、所定回数(本例では5回とした。)以上継続して上記判定データX(i)が所定の基準範囲A内を外れたときに、定置式エンジン2に異常が発生したことを検出するよう構成してある。
また、異常検出装置7は、上記各ステップを所定回数行う毎に、判定時点における発電出力データW(i)を当該判定時点における発電出力想定値Ws(i)とする置換を行うか否か(発電出力データW(i)を発電出力想定値Ws(i)に代入するか否か)の判定を行うよう構成してある。
すなわち、異常検出装置7は、各ステップを所定回数行った間において、判定データX(i)が所定の基準範囲A内を所定の基準回数(本例では1回とした。)外れなかったときには、当該所定回数目に当たる判定時点における発電出力データW(i)を当該判定時点における発電出力想定値Ws(i)とする置換を行うよう構成してある。また、異常検出装置7は、各ステップを所定回数行った間において、判定データX(i)が所定の基準範囲A内を上記基準回数(1回)以上外れたときには、上記置換を行わないよう構成してある。
次に、上記異常検出装置7を用いて、上記定置式エンジン2における異常の検出を行う方法につき、図2、図3と共に説明する。
上記異常の検出を行う際には、まず、定置式エンジン2を運転させ、この出力によって発電機3を作動させる。このとき、上記制御装置6は、発電機3の発電出力が所定の目標発電出力になるよう上記ガバナー43の開度を制御する。
次いで、図2に示すごとく、上記発電出力測定手段53によって、発電機3の発電出力W0を測定し(ステップS101)、この発電出力が異常診断を開始するための異常診断開始発電出力Wrになったか否かを判定する(S102)。
そして、発電出力が異常診断開始発電出力Wrになったときには、異常検出装置7による異常診断を開始し、上記圧力測定手段51によって、吸気マニホールド4における燃料混合気G3の圧力を測定すると共に、上記温度測定手段52によって、吸気マニホールド4における燃料混合気G3の温度を測定する(S103)。また、この測定を行った圧力及び温度をそれぞれ初期圧力データP0及び初期温度データT0として異常検出装置7に取り込む。
次いで、初期圧力データP0及び初期温度データT0が、異常検出装置7において予め設定した大まかな正常範囲内にあるか否かを判定する(S104)。
そして、燃料混合気G3の圧力及び温度が上記大まかな正常範囲内を外れたときには、定置式エンジン2に何らかの異常が発生していると考えられ、定置式エンジン2の運転を異常停止させる(S105)。
次いで、上記測定を行った発電出力W0が上記大まかな正常範囲内にあるときには、この発電出力W0を異常診断開始時の初期発電出力データW0として異常検出装置7に取り込む。そして、この初期発電出力データW0を過去時点における発電出力想定値Ws(i−1)とすると共に、上記初期圧力データP0及び初期温度データT0を、過去時点における圧力データP(i−1)及び温度データT(i−1)とする。また、置換用回数Cを1に初期化する(S106)。
なお、S101〜S106は、上記異常の検出を行う際のエンジン始動時(異常診断開始時)にのみ行う。
次いで、図3に示すごとく、異常検出ループにおける取込ステップとして、現時点における上記発電出力、上記燃料混合気G3の圧力及び温度を測定し、それぞれ発電出力データW(i)、圧力データP(i)及び温度データT(i)として異常検出装置7に取り込む(S107)。
次いで、想定値算出ステップとして、上記想定値算出関係式から判定時点における発電出力想定値Ws(i)を算出する(S108)。
また、異常検出ループにおける1回目の判定時点においては、上記初期発電出力データW0が、過去時点における発電出力想定値Ws(i−1)である。また、上記初期圧力データP0及び初期温度データT0が、過去時点における圧力データP(i−1)及び温度データT(i−1)である。
そして、上記各データを上記想定値算出関係式に代入して、判定時点における発電出力想定値Ws(i)を算出する。
次いで、異常判定ステップとして、上記判定関係式から判定時点における判定データX(i)を算出する(S109)。
すなわち、上記現時点における発電出力データW(i)を判定時点における発電出力データW(i)とし、この判定時点における発電出力データW(i)と上記判定時点における発電出力想定値Ws(i)を上記判定関係式に代入して、判定時点における判定データX(i)を算出する。
次いで、判定時点における判定データX(i)が、上記所定の基準範囲A内を外れたか否かを判定する(S110)。
そして、判定時点における判定データX(i)が所定の基準範囲A内を外れたときには、異常検出装置7において、異常を検出する前兆があると考え、この前兆を示す異常フラグを立てる。(S111)。その後、異常フラグが前回の判定時点から所定回数(本例では5回)継続して立ったか否かを判定する(S112)。そして、異常フラグが所定回数継続して立ったときには、定置式エンジン2に何らかの異常が発生したとして、定置式エンジン2を異常停止させる(S113)。
一方、S110において、判定時点における判定データX(i)が所定の基準範囲A内にあるとき、又は、S112において、異常フラグが所定回数継続して立っていないときには、置換用回数Cが所定回数(本例では5回)になったか否かを判定する(S114)。そして、置換用回数Cが所定回数になっていないときには、置換用回数Cをカウントする(S115)。その後、判定時点(現時点)における発電出力想定値Ws(i)を、過去時点における発電出力想定値Ws(i−1)とすると共に、現時点における圧力データP(i)及び温度データT(i)を、過去時点における圧力データP(i−1)及び温度データT(i−1)とし(S119)、次の判定時点としてS107を実行する。
一方、置換用回数Cが所定回数になったときには、この所定回数の間に1回でも異常フラグが立ったか否かを判定する(S116)。そして、所定回数の間に1回も異常フラグが立たなかったときには、上記判定時点における発電出力データW(i)を、この判定時点における発電出力想定値Ws(i)とする置換を行う(S117)。
その後、置換用回数Cを1に初期化すると共に(S118)、上記S119を行い、次の判定時点としてS107を実行する。
上記置換を行う場合は、上記各ステップを所定回数行った間に1回も異常フラグが立っておらず、定置式エンジン2に異常が発生する可能性が低いと推測される場合である。そして、置換を行った判定時点の次に各ステップを行う際には、当該判定時点における発電出力データW(i)を、次の判定時点においては、過去時点における発電出力想定値Ws(i−1)として用いる。これにより、異常検出装置7が各ステップを繰り返す毎に生ずる累積誤差等により、理論的な値である発電出力想定値Ws(i)と、実際に測定を行って得た発電出力データW(i)との間に大きな差が生じてしまうことを防止することができる。
また、所定回数の間に1回でも異常フラグが立ったときには、上記置換は行わずに、置換用回数Cを1に初期化し(S118)、上記S119を行った後、次の判定時点としてS107を実行する。
上記置換を行わない場合は、定置式エンジン2に異常が発生する可能性が高いと推測される場合である。そして、この場合には、発電出力想定値Ws(i)と発電出力データW(i)との間に生じた差を維持して、異常判定ステップにおいて再び判定データX(i)が所定の基準範囲A内を外れやすい状態にする。これにより、異常が発生する可能性が高いと推測されるときには、異常を検出する感度を向上させることができる。
そして、以降は、判定時点を逐次過去時点とすると共に、次の時点を逐次判定時点として、上記取込ステップ(S107)、想定値算出ステップ(S108)及び異常判定ステップ(S109〜S119)を繰り返し行って、定置式エンジン2における異常の発生の有無を監視することができる。
なお、上記S108において、2回目以降の判定時点においては、前回の判定時点に算出した発電出力想定値Ws(i)が、過去時点における発電出力想定値Ws(i−1)となり、また、前回の判定時点において測定を行った圧力データP(i)及び温度データT(i)が、過去時点における圧力データP(i−1)及び温度データT(i−1)となる。そして、上記各データを上記想定値算出関係式に代入して、2回目以降の判定時点における発電出力想定値Ws(i)を算出する。
ところで、定置式エンジン2において焼付等の機械的異常が発生しているときには、定置式エンジン2における損失が増加することにより、発電機3の発電出力が低下するあるいはあまり上昇しなくなる。このときには、発電機3の発電出力が所定の目標発電出力に到達しないために、上記制御装置5がガバナー43の開度を増加させる。これにより、吸気マニホールド4における燃料混合気G3の圧力が大幅に増加される。そのため、このときには、上記異常判定ステップにおける判定データX(i)が所定の基準範囲A内を繰り返し外れ、異常検出装置7が定置式エンジン2に異常が発生したことを検出することができる。
このように、上記異常検出装置7においては、燃料混合気G3の圧力と発電出力との相関関係を利用し、燃料混合気G3の圧力の変化及び発電出力の変化として、各状態量の相対的な変化を監視することによって、定置式エンジン2に異常が発生していないかを検出することができる。
そのため、例えば、エンジン特性の経時変化等により、燃料混合気G3の圧力の値に対する発電出力の値としての絶対値に違いが生じた場合でも、精度よく迅速に異常の検出を行うことができる。
また、上記燃料混合気G3の圧力、燃料混合気G3の温度及び上記発電機3の発電出力の測定は、発電システム1の制御又は監視に使用される圧力測定手段51、温度測定手段52及び発電出力測定手段53を用いて行うことができる。そのため、上記異常検出を行うために、特別なハードウェアとしてのセンサ(測定手段)等を別途配設する必要がなく、異常検出装置7の構成を簡単にすることができる。
また、圧力測定手段51、温度測定手段52及び発電出力測定手段53は、ほとんどの種類の発電システム1に使用されている。そのため、異常検出装置7は、ほとんどの種類の発電システム1にセンサ等のハードウェアを追加することなく実現することができ、汎用性に優れている。
それ故、本例の異常検出装置7によれば、簡単な装置の構成により、定置式エンジン2に発生した異常を高い検出精度で迅速に検出することができ、汎用性の高い異常検出の手段を提供することができる。
また、上述したように、異常検出装置7が上記想定値算出ステップ及び異常判定ステップを繰り返し行う際に、所定回数継続して上記判定データX(i)が所定の基準範囲A内を外れたとき、はじめて上記異常を検出することにより、異常検出装置7の検出精度を一層高めることができる。
(異常検出事例)
図4に、上記異常検出装置7によって定置式エンジン2における異常の検出を行った結果を示す。同図は、横軸に時間をとり、縦軸に、燃料混合気圧力(圧力データ)P(i)、燃料混合気温度(温度データ)T(i)、発電出力想定値Ws(i)、発電出力(発電出力データ)W(i)及び異常フラグの有無をとって、異常の検出の状態を示すグラフである。
本事例において、発電出力データW(i)、圧力データP(i)及び温度データT(i)の取込を行う時間間隔は1(s)とし、異常判定ステップを5回行う毎に上記置換の判定を行った。また、本事例において、上記所定の基準範囲Aは、3%以下とした。
同図において、時間の経過が75〜80(s)付近から、燃料混合気G3の圧力が上昇を開始し、発電出力想定値Ws(i)の上昇に対して実際の発電出力があまり上昇しておらず、異常が発生していることが推定できる。そして、時間の経過が100(s)付近から、異常フラグが継続して立っており、この100(s)付近において、異常検出装置7は定置式エンジン2の異常停止を行うことができた。
なお、同図においては、100(s)付近以降も異常停止を行わなかった場合の燃料混合気圧力P(i)、燃料混合気温度T(i)、発電出力想定値Ws(i)、発電出力W(i)及び異常フラグの有無の推移状態も示す。
Figure 2006291905
上記異常検出装置7が上記異常の検出を行った状況を、表1に示す。
同表において、発電出力(発電出力データ)W(i)及び発電出力想定値Ws(i)は、定格出力に対する値としてパーセントで示す。また、上記判定データX(i)はパーセントで示し、所定の基準範囲Aは3%以下とする。
同表において、時間86〜90(s)においては、1回も異常フラグが立っていないため、時間90(s)においては、このときの発電出力を発電出力想定値Ws(i)とする置換を行った。そして、時間91(s)においては、時間90(s)における発電出力データW(i−1)に、時間91(s)における圧力変化割合P(i)/P(i−1)及び温度変化割合T(i−1)/T(i)を掛けて、発電出力想定値Ws(i)を算出した。
また、時間91〜95(s)においては、1回以上異常フラグが立っているため、時間95(s)においては、上記置換は行わなかった。そして、時間96(s)においては、時間95(s)における発電出力想定値Ws(i−1)に、時間96(s)における圧力変化割合P(i)/P(i−1)及び温度変化割合T(i−1)/T(i)を掛けて、発電出力想定値Ws(i)を算出した。
そして、時間99(s)以降は、異常フラグが5回以上継続して立ったため、異常検出装置7は、定置式エンジン2の異常を検出し、定置式エンジン2の異常停止を迅速に行うことができた。なお、定置式エンジン2に発生した異常は、コンロッドの焼付であったことがわかった。このように、上記異常検出装置7によれば、定置式エンジン2における異常状態が悪化して、定置式エンジン2に2次的損傷が発生してしまう前に、定置式エンジン2を緊急停止できることがわかった。
なお、上記異常検出装置7をディーゼルエンジンに適用する場合には、異常検出装置7は、上記燃料混合気G3の圧力を測定する代わりに、定置式エンジン2へ供給する燃料の流量(流速)を測定することができる。そして、異常検出装置7は、測定を行った流量を流量データとして用い、想定値算出ステップにおいては、過去時点における流量データに対する判定時点における流量データの流量変化割合と、過去時点における発電出力想定値Ws(i−1)(又は発電出力データW(i))との関係から、判定時点における発電出力想定値Ws(i)を算出することができる。
この場合においても、その他の構成は、上述した実施例と同様にすることができ、上述した実施例と同様の作用効果を得ることができる。
実施例における、発電システムの構成を示す説明図。 実施例における、異常検出装置による異常検出の初期段階の流れを示すフローチャート。 実施例における、異常検出装置による異常検出ループの流れを示すフローチャート。 実施例における、横軸に時間をとり、縦軸に圧力データ、温度データ、発電出力想定値、発電出力データ及び異常フラグの有無をとって、異常の検出の状態を示すグラフ。
符号の説明
1 発電システム
2 定置式エンジン
3 発電機
4 吸気マニホールド
51 圧力測定手段
52 温度測定手段
53 発電出力測定手段
6 制御装置
7 異常検出装置
G3 燃料混合気
P(i) 圧力データ
T(i) 温度データ
W(i) 発電出力データ
Ws(i) 発電出力想定値
X(i) 判定データ
A 基準範囲

Claims (5)

  1. 定置式エンジンの出力により、発電機を作動させる発電システムに用い、上記定置式エンジンにおける異常を検出する異常検出装置であって、
    該異常検出装置は、上記定置式エンジンへ供給する燃料混合気の圧力及び上記発電機の発電出力を逐次測定し、該測定を行った圧力及び発電出力を、圧力データ及び発電出力データとして逐次保存するよう構成してあり、
    上記測定を行った時点を判定時点とすると共に該判定時点の1つ前に測定を行った時点を過去時点とし、該過去時点における上記圧力データに対する上記判定時点における上記圧力データの圧力変化割合と、上記過去時点における発電出力想定値との関係から、上記判定時点における発電出力想定値を算出する想定値算出ステップと、
    上記判定時点における上記発電出力データと上記判定時点における上記発電出力想定値との比率もしくは差分に基づいて算出した判定データが、所定の基準範囲内を外れたとき、上記定置式エンジンに異常が発生したことを検出する異常判定ステップとを、上記測定を行う毎に繰り返し行うよう構成してあることを特徴とする発電システムにおける異常検出装置。
  2. 請求項1において、上記異常検出装置は、上記燃料混合気の温度も逐次測定し、該測定を行った温度を、温度データとして逐次保存するよう構成してあり、
    上記想定値算出ステップにおいては、上記圧力変化割合を、上記過去時点における上記温度データに対する上記判定時点における上記温度データの温度変化割合により補正するよう構成してあることを特徴とする発電システムにおける異常検出装置。
  3. 定置式エンジンの出力により、発電機を作動させる発電システムに用い、上記定置式エンジンにおける異常を検出する異常検出装置であって、
    該異常検出装置は、上記定置式エンジンへ供給する燃料の流量及び上記発電機の発電出力を逐次測定し、該測定を行った流量及び発電出力を、流量データ及び発電出力データとして逐次保存するよう構成してあり、
    上記測定を行った時点を判定時点とすると共に該判定時点の1つ前に測定を行った時点を過去時点とし、該過去時点における上記流量データに対する上記判定時点における上記流量データの流量変化割合と、上記過去時点における発電出力想定値との関係から、上記判定時点における発電出力想定値を算出する想定値算出ステップと、
    上記判定時点における上記発電出力データと上記判定時点における上記発電出力想定値との比率もしくは差分に基づいて算出した判定データが、所定の基準範囲内を外れたとき、上記定置式エンジンに異常が発生したことを検出する異常判定ステップとを、上記測定を行う毎に繰り返し行うよう構成してあることを特徴とする発電システムにおける異常検出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記異常検出装置は、上記異常判定ステップにおいて、所定回数継続して上記判定データが上記所定の基準範囲内を外れたとき、上記定置式エンジンに異常が発生したことを検出するよう構成してあることを特徴とする発電システムにおける異常検出装置。
  5. 請求項4において、上記異常検出装置は、上記想定値算出ステップ及び上記異常判定ステップを所定回数繰り返し行った際に、
    該所定回数の間において、上記判定データが上記所定の基準範囲内を所定の基準回数外れなかったときには、当該所定回数目に当たる判定時点における上記発電出力データを当該判定時点における上記発電出力想定値とする置換を行い、
    一方、上記所定回数の間において、上記判定データが上記所定の基準範囲内を上記基準回数以上外れたときには、上記置換を行わないよう構成してあることを特徴とする発電システムにおける異常検出装置。
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