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JP2006202671A - 極端紫外光光源装置及び極端紫外光光源装置で発生するデブリの除去方法 - Google Patents

極端紫外光光源装置及び極端紫外光光源装置で発生するデブリの除去方法 Download PDF

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JP2006202671A
JP2006202671A JP2005015182A JP2005015182A JP2006202671A JP 2006202671 A JP2006202671 A JP 2006202671A JP 2005015182 A JP2005015182 A JP 2005015182A JP 2005015182 A JP2005015182 A JP 2005015182A JP 2006202671 A JP2006202671 A JP 2006202671A
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正樹 井上
Yasunobu Yabuta
泰伸 藪田
Taku Sumitomo
卓 住友
Tadahira Seki
匡平 関
Masaki Yoshioka
正樹 吉岡
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Ushio Inc
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
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Abstract

【課題】 Sn等の放射種に起因するデブリがEUV光源装置内部に付着して装置性能が劣化することを抑制するとともに、堆積したSnおよび/またはSn化合物を効率よく除去すること。
【解決手段】 高密度高温プラズマが発生するチャンバ10内に極端紫外光放射種であるSnおよび/またはSn化合物を含む原料を供給し、チャンバ10内で上記供給された原料を加熱・励起し高密度高温プラズマを発生させ、高密度高温プラズマから放射される極端紫外光を取り出す。また、水素ラジカル発生部31,32を設け、水素ラジカルをチャンバ10内で発生させ、集光鏡5などの装置低温部にSnおよび/またはSn化合物が堆積するのを抑制し、また、堆積したSnおよび/またはSn化合物を除去する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、極端紫外光を放出する極端紫外光光源装置および極端紫外光光源装置で発生するデブリの除去方法に関し、さらに詳細には、水素ラジカルを導入して極端紫外光光源装置の長寿命化を図るようにした極端紫外光光源装置およびデブリの除去方法に関するものである。
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、その製造用の投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。その要請に応えるため、露光用光源の短波長化が進められ、エキシマレーザ装置に続く次世代の半導体露光用光源として、波長13〜14nm、特に波長13.5nmの極端紫外光(以下、EUV(Extreme Ultra Violet)光とも言う)を放出する極端紫外光光源装置(EUV光源装置)が開発されている。
EUV光源装置において、EUV光を発生させる方法はいくつか知られているが、そのうちの一つにEUV放射種の加熱・励起により高密度高温プラズマを発生させ、このプラズマから放射されるEUV光を取り出す方法がある。
このような方法を採用するEUV光源装置は、高密度高温プラズマの生成方式により、LPP(Laser Produced Plasma :レーザ生成プラズマ)方式のEUV光源装置とDPP(Discharge Produced Plasma :放電生成プラズマ)方式のEUV光源装置とに大きく分けられる(例えば非特許文献1参照)。
LPP方式のEUV光源装置は、固体、液体、気体等のターゲットをパルスレーザで照射して発生する高密度高温プラズマからのEUV放射光を利用するものである。
一方、DPP方式EUV光源装置は、電流駆動によって生成した高密度高温プラズマからのEUV放射光を利用するものである。DPP方式のEUV光源における放電方式には、上記非特許文献1に記載されているように、Zピンチ方式、キャピラリー放電方式、プラズマフォーカス方式、ホローカソードトリガーZピンチ方式等がある。
DPP方式のEUV光源は、LPP方式のEUV光源と比較して、光源装置の小型化、光源システムの消費電力が小さいといった利点あり、実用化への期待も大きい。
上記した両方式のEUV光源装置において、波長13.5nmのEUV光を放出する放射種、すなわち、高密度高温プラズマ用原料として、現在10価前後のXe(キセノン)イオンとSn(錫)イオンが有望と考えられている。
ここで、Snは、高密度高温プラズマを発生させるための入力エネルギーに対する波長13.5nmのEUV光放射強度の比である変換効率がXeより数倍大きい。このため、EUV放射種としてSnが注目されている。
Snは、融点は230°C程度であるが、その蒸気圧は低く、2000°Cを超えないと十分に蒸発しない性質を有する。このため、従来のSnのプラズマ生成領域への供給は、Snへのレーザ照射による蒸発、放電によるSn供給源の自己加熱などで行っていた。しかしながら、上記したように蒸気圧の低いSnは室温では固体であり、加熱・励起して高密度高温プラズマを発生させる際、Snに起因する大量のデブリが発生するという不具合がある。また、蒸気圧が低いSnは、プラズマ状態から通常の気体状態に戻ったときに装置内の低温部に堆積し、装置性能が劣化してしまう。
EUV光源装置は、一般的に、高密度高温プラズマから放出されるEUV放射光をプラズマに近い位置に配置された集光鏡で一旦集光した後に外部に放出する。この集光鏡は、上記した装置内の低温部に相当する例であり、この集光鏡にSnおよび/またはSn化合物が堆積してしまった場合、集光鏡の波長13.5nmのEUV光に対する反射率が低下し、結果として外部に放出されるEUV光の強度が低下する。
特開2004−279246号公報 特表2002−504746号公報 米国特許出願公開第2003・0190012A1号明細書 国際公開第WO2004/092693A2号パンフレット 特表平10−512092号公報 特開2003−218025号公報 「リソグラフィ用EUV(極端紫外)光源研究の現状と将来展望」J.Plasma Fusion Res.2003年3月,Vol.79.No.3, P219-260 「スパタリング現象」金原粲著,東京大学出版会,1984 年,p.115
上記した通り、Snは変換効率がXeより数倍大きく、EUV放射種として有望である。しかしながら、常温でガス状態であって自身がデブリとならないXeと異なり、蒸気圧が低く常温で固体状態であるSnは、加熱・励起して高密度高温プラズマを発生させる際、Snに起因する大量のデブリが発生する。
一般に、EUV光源装置においては、高密度高温プラズマと集光鏡との間にデブリを捕捉してEUV光のみを通過させるためのデブリトラップが設置される。デブリトラップは、例えば特許文献2に記載されているように、高密度高温プラズマ発生領域の径方向に設置される複数のプレートからなる。このデブリトラップは、高密度高温プラズマと接する金属(例えば、LPP方式のEUV光源装置の場合、EUV放射種をプラズマ生成領域に供給するためのノズル、DPP方式のEUV光源装置の場合、タングステン等で構成される放電電極)が上記プラズマによってスパッタされて生成する金属粉等のデブリや、上記したSn等の放射種に起因するデブリ等を捕捉する。
しかしながら、デブリトラップを通過してしまうデブリも皆無ではなく、特に、Sn等の放射種に起因するデブリのほとんどは、金属粉(例えばタングステン)等のデブリより重量が軽く(SnH4 =122.73,W=183.86)、直進性が弱いためデブリトラップを通過しやすい。すなわち、光源近傍より発射された金属粉等のデブリは、発生後等速度運動で一定方向に進行する。よって、それに対応して構成されるデブリトラップは金属粉等のデブリの捕獲に有効に働く。
一方、Sn等の放射種に起因するデブリは、原子ガス状態のSnであり、その行程は複雑であるため、デブリトラップを通過してしまうことが多い。デブリトラップを通過したSn等の放射種に起因するデブリは、例えば、EUV集光鏡に堆積し、集光鏡のEUV光反射率の低下という事態を引き起こす。
このような不具合の改善するため、特許文献1に記載されているように、プラズマ生成領域にSnH4 を供給する方法が提案されている。
本方法の利点としては、(1)室温で固体のSnを蒸発させる方法と異なり高温に加熱する必要がないこと、(2)気体であるSnH4 はプラズマ生成領域である加熱・励起空間(高密度高温プラズマ生成空間)まで容易に搬送し易いこと、(3)希ガスと混合して、Snの濃度の制御が容易であること、(4)固体のSnと異なり通常気体であるので、高密度高温プラズマ生成空間にてプラズマ形成後、原子ガス状態で排出され易く、装置内の低温部に凝集し堆積しにくいこと等が挙げられる。
しかしながら、発明者らが鋭意研究・実験を行った結果、放射種供給材料としてSnH4 をEUV光源装置内の高密度高温プラズマ発生部に供給したとしても、Snおよび/またはSn化合物(例えば、炭化物、酸化物など)は、EUV光放射装置内の低温部に全く堆積しないわけではないことが判明した。
すなわち、SnH4 のうちプラズマ形成に寄与しなかったものおよび/またはプラズマにより生じたSnやSnH、SnH2 、SnH3 (以下SnHx )といったフラグメントが再結合したSnH4 や、高蒸気圧のフラグメントSnHx は、EUV光源装置のプラズマ生成領域と空間的に接続されている排気手段により、そのまま気体として排出される。 しかし、プラズマ形成の結果、分解生成する原子状ガスのSn、Snx といった金属クラスタ(原子や分子の集合体)、フラグメントSnHx 等の一部は、装置の低温部と接触して、Snおよび/またはSn化合物が堆積してしまうことが判明した。例えば、SnH4 は150°C程度の金属表面で分解し、スズ鏡を作る。なお、本発明でいうところのSn化合物とは、例えば、Snの炭化物、酸化物などである。
また、EUV放射種であるSnの供給方法としてプラズマ生成領域にSnH4 を導入する場合のみならず、Sn2 6 など他の高蒸気圧Sn水素化物を用いた場合も同様の不具合が起こることは言うまでもない。
ここで、特許文献1には、上記排気手段の排気動作により生成される高密度高温プラズマ生成空間から排出されるSn等の放射種に起因するデブリを含む排気流と交錯する方向に水素(H2 )ガスを導入することが記載されている。このようにして、水素(H2 )ガスと蒸気状Snとを反応させ、高蒸気圧のSn水素化物を生成して、装置内に付着させることなく排気させようというものである。
このような手法を採用することにより、Sn等の放射種に起因するデブリの影響は更に低減するが、上記のように、一旦、装置の低温部に堆積したSn層は、単に水素(H2 )ガスを導入しても除去することはできない。そのため、集光鏡にSnおよび/またはSn化合物が堆積してしまった場合、集光鏡の波長13.5nmのEUV光に対する反射率が低下し、装置性能が劣化するという問題は依然として残る。
本発明はこのような事情を鑑みなされたものであって、その目的は、Sn等の放射種に起因するデブリがEUV光源装置内部に付着して装置性能が劣化することを抑制するとともに、上記デブリがSnおよび/またはSn化合物としてEUV光源装置内部に堆積したとしても、堆積したSnおよび/またはSn化合物を効率よく除去することが可能な極端紫外光光源装置および上記デブリを除去する方法を提供することである。
本発明者らは、Sn等の放射種に起因するデブリの影響を低減するために、以下の示す2つの方策について鋭意研究し、その結果、Sn等の放射種に起因するデブリと水素ラジカルとを反応させ、高蒸気圧のSn水素化物を生成して、生成したSn水素化物を排気することにより、効果的に上記デブリの影響を劇的に低減することが可能であることを見出した。
高密度高温プラズマ生成してEUV放射を発生させる際、放射種であるSnをレーザ照射による蒸発、放電による加熱によって高密度高温プラズマ生成領域に供給する場合、上記したように、プラズマ生成後、原子状ガスのSnやSnx といった金属クラスタが形成される。また、放射種供給材料としてSnH4 を供給する場合、上記生成物質に加え、SnHx といったフラグメント(Sn水素化物)が形成される。
さらに、これらの原子状SnやSnx あるいは、SnHx と装置内部に残留する微量の水(H2 O)、炭化水素などとが気相反応することで、Sn化合物が形成される。
これらがデブリとして集光鏡等の装置低温部に付着すると、Snおよび/またはSn化合物(例えば、炭化物、酸化物など)が堆積する。
よって、このようなデブリの影響を低減する方策として、以下のような方策を取ることを検討した。
なお、ここで言うところのクラスターとは、原子が数個〜数千個集まったものであり、かつ、物質としての一般性質を顕わしていないものを指す。例えば、SnのクラスタはSn原子が数個〜数千個集まったものであるが、Snとしての一般的物性は示さない。一方、ここで言うフラグメントとは、安定な分子が分解して生成された不安定な分子や原子のことであり、例えばSnH4 が分解してできたSnHやSnH2 等がこれに相当する。
〔方策1〕
プラズマ生成後に生成される気相状態のSnやSnx といった金属クラスタ、SnHx フラグメント(Sn水素化物)と水素とを気相状態で反応させて、高蒸気圧でガス状のSn水素化物、特により安定な(堆積しにくい)SnH4 を形成し、EUV光源装置に備えられる排気手段により排気する。
〔方策2〕
デブリとして集光鏡等の装置低温部に付着して上記装置低温部に堆積したSnおよび/またはSn化合物と水素を反応させ、高蒸気圧でガス状のSn水素化物、特により安定な(堆積しにくい)SnH4 を形成し、例えば、EUV光源装置に備えられる排気手段により排気するなどして、上記デブリを除去する。
すなわち、Sn等の放射種に起因するデブリが気相状態で空間に存在する間に水素と反応させる、あるいは、デブリが装置低温部に接触してSnおよび/またはSn化合物として堆積してしまった場合においても上記堆積と水素と反応させることにより、高蒸気圧でガス状のSn水素化物を形成し、上記デブリを除去する。
このようにすることにより、効果的にEUV放射後に発生するSn等の放射種に起因するデブリをEUV光源装置内に滞留、あるいは、付着させることなく排出させたり、集光鏡等に堆積したデブリを除去することが可能となる。
発明者らは、上記した2つの方策において、反応させる水素の状態が水素ラジカルである場合、最も効率的に高蒸気圧でガス状のSn水素化物を形成することが可能であることを見出した。
その結果、EUV光源装置におけるSn等の放射種に起因するデブリの影響を劇的に低減することが可能であることが分った。以下、上記方策1、2において、反応させる水素の状態が水素ラジカルである場合、最も効率的に高蒸気圧でガス状のSn水素化物を形成することが可能であることについて、詳細に説明する。
(1)方策1について
高密度高温プラズマ生成空間においてプラズマ生成後に生成される気相状態のデブリの抑制方法としては、高密度高温プラズマ生成空間から排出されるSn等の放射種に起因するデブリを含む排気流と交錯する方向にヘリウム(He)、クリプトン(Kr)、アルゴン(Ar)等の不活性ガスを導入して不活性ガスカーテンを構成し、デブリが集光鏡等に到達しないようにすることが提案されている(特許文献3参照)。
しかしこのようなガスカーテンでも完全にデブリの集光鏡等への到達を阻止できるものではない。また、デブリの進行方向が集光鏡へ向かう方向から変化したとしても、EUV装置内部の壁部に到達して付着し不純物として堆積してしまう。
これに対し、特許文献1には、高密度高温プラズマ生成空間から排出されるSn等の放射種に起因するデブリを含む排気流と交錯する方向に水素ガスを導入することが記載されている。
この方法は、気相状態のSnやSnx といった金属クラスタ、SnHx フラグメントと水素ガスとを化学反応させ、より化学的に安定な(すなわち堆積しにくい)高蒸気圧のSn水素化物を生成して、装置内に付着させることなく排気させようというものである。
この方法によれば、デブリを含む排気流と交錯する方向に水素ガス流によって生じる化学反応により高蒸気圧のSn水素化物を生成するので、デブリの進行方向が集光鏡へ向かう方向から変化して、例えば、EUV装置内部の壁部へと進行しても、壁部に到達して付着し不純物として堆積する量が大幅に減少することになる。
特許文献1に記載されている技術は有効な方法と言えるが、上記したように、発明者らの実験の結果、EUV光放射装置内の低温部に全く堆積しないわけではないことが判明した。
発明者らが鋭意研究した結果、デブリを含む排気流と交錯する方向に水素ガスを導入する代わりに水素ラジカルを導入すると、水素ガスを導入する場合と比較して、EUV光放射装置内の低温部に堆積する不純物の量が劇的に減少することが判明した。
図1は、水素ガス並びに水素ラジカルを導入したときのEUV光放射装置内の低温部に堆積するSnおよび/またはSn化合物の量を調査したときの実験構成を示す概略図である。
図1に示すEUV発生方式はキャピラリー放電方式であり、後で詳細に説明するように、リング状の第1の主放電電極1a(カソード)と第2の主放電電極1bが、絶縁材2を挟んで配置される。絶縁材2により形成されている高密度高温プラズマ発生部であるキャピラリー放電部3の内径はφ3mmであり、チャンバ10には、ガス供給・排気ユニット20から放射種を高効率に形成するための原料ガスが供給される。ここでは、ガス供給・排気ユニット20より原料ガスとして希ガスとSnH4 との混合ガスを導入した。
その後、絶縁材2を挟む電極1a、電極1b間に高電圧パルス発生部50により高電圧パルスを印加して、キャピラリー放電部3にパルス状の放電を発生させ、高密度高温プラズマを生成した。ここで、パルスの繰り返し周波数は5kHzとした。
希ガスとSnH4 との混合ガスのうちプラズマ形成に寄与しなかったもの、および/またはプラズマにより生じたフラグメントSnHx が再結合したSnH4 や、高蒸気圧のフラグメントSnHx は、電極1bを有するチャンバ10に接続されているガス供給・排気ユニット20の排気手段により排出される。
チャンバ10内において、キャピラリー放電部3に対向し、キャピラリー放電部3の中心から垂直方向に300mm離れた位置にモリブデン(Mo)基板100を配置した。Mo基板100は冷却ステージ101上に載せられていて、冷却ステージ101により温度調節される。Mo基板100は、Mo基板100上に堆積したSnの自然蒸発が無視できる状態まで冷却され、例えば、Mo基板温度がほぼ80°C以下になるように冷却される。
また、チャンバ内において、キャピラリー放電部3を見込むように水素噴出システム102を設置した。詳細には、この水素噴出システム102に設けられている水素噴出口102fがキャピラリー放電部3の中心から垂直方向に100mm離れた位置であって、キャピラリー放電部3の中心軸と直交する方向に100mm離れた位置に位置するよう、水素噴出システム102を設置した。
この水素噴出システム102は、タングステンからなる熱フィラメント102aが内装されたバルブ102bを具え、バルブ102bは、例えば、石英ガラスよりなる。
熱フィラメント102aは、交流電源102cとスイッチ102dを介して接続されている。スイッチ102dがon状態となって熱フィラメント102aに交流電源102cから電力が給電されると、熱フィラメント102aは約1800°Cにまで加熱される。 熱フィラメント102aが設置される発光空間の両端部近傍には、各々、水素導入口102e、水素噴出口102fが設けられている。そして、水素(H2 )供給ユニット103から水素ガスが水素導入口102eを介してフィラメント102aが設置されたバルブ102b内の発光空間に導入される。
上記のような構成において、水素供給ユニット103から水素ガス(H2 )を流量1×10-43 /minでフローさせた。そして、熱フィラメント102aへ給電しない場合のMo基板100上に堆積されるSn量と、熱フィラメント102aへ給電する場合のMo基板100上に堆積されるSn量とを比較した。
すなわち水素噴出口102fから水素分子のみが放出される場合と、水素分子のみならず熱フィラメント102aによる加熱により生成される多量の水素ラジカルも噴出される場合とを比較した。
繰り返し周波数5kHzで1時間のパルス放電および水素噴出を行った結果、以下のような差異が見られた。スイッチ102dがoff状態で熱フィラメント102aへの給電を行わず、水素分子のみそのまま水素噴出口102fより噴射した場合には、Mo基板100上に堆積したSn膜の厚みは約800nmであった。
一方、スイッチ102dをon状態として熱フィラメント102aへの給電を行い、多量の水素ラジカルを噴射した場合には、Mo基板100上に堆積したSn膜の厚みは約70nmと劇的に減少した。
水素ラジカルを導入すると、水素ガスを導入する場合と比較してEUV光放射装置内の低温部に堆積する量が劇的に減少する理由は明確ではないが、以下のように考えられる。 キャピラリー放電部3に導入される希ガスとSnH4 との混合ガスのうち、SnH4 はキャピラリー放電部3で発生するパルス状の放電により分解され、上記したように、Sn微粒子や金属クラスタ状態のSnx をはじめ、フラグメントSnHx となって、Mo基板100に向かって飛来する。
このうち、フラグメントSnHx は気相状態のまま排気され、Mo基板100上に堆積するものはほとんどなく、主にSn微粒子やSnx 金属クラスタがMo基板100上に堆積していくと考えられる。
このときSn微粒子や金属クラスタ状態のSnx と水素分子との反応を考える。これらが衝突を行っても、どちらのエネルギー状態も低いため、Sn微粒子や金属クラスタ状態のSnx と水素ラジカルとの反応と比較すると、結合反応が発生する割合が小さい。また水素分子は非常に軽いため、Sn微粒子や金属クラスタ状態のSnx の運動方向を変えるほどにも至らず、Mo基板上に多量のSnが堆積したと考えられる。
一方、Sn微粒子や金属クラスタ状態のSnx と水素ラジカルとの反応を考える。水素ラジカルは水素分子に比して活性、すなわち、高エネルギー状態(2H=H2 +436kJ)であり、反応が進展する。すなわちSnはフラグメントSnHx 、さらにはより安定なSnH4 と変化する。これらはすべて高蒸気圧であり、気相状態となってチャンバ10に接続されているガス供給・排気ユニット20の排気手段により排気されてしまう。その結果、Mo基板100上へのSn堆積量が劇的に減少したと考えられる。
すなわち、化学的に非常に活性な水素ラジカルを使用した場合、水素(H2 )ガスを使用する場合より原子状ガスのSnや金属クラスタ状態のSnx との気相反応が促進されるものと考えられる。
原子状ガスのSnの場合、以下のような気相平衡反応が予想される。
Sn + H ⇔ SnH
SnH + H ⇔ SnH2
SnH2 + H ⇔ SnH3
SnH3 + H ⇔ SnH4
SnH3 +SnH3 ⇔ Sn2 6
水素ラジカルの存在下ではこのような気相平衡反応が促進され、SnH4 、Sn2 6 あるいはSnHx といったフラグメントが生成される。これらのフラグメントは、ガス状原子のSnや金属クラスタ状態のSnx などのように、装置内表面に接しても凝集されにくいと予想される。すなわち、これらのフラグメントは、比較的容易にEUV光源装置の容器(チャンバ10)外に排気される。
Snx のような金属原子のクラスタの場合、以下のような気相平衡反応が予想される。Snx + H ⇔ Snx
Snx + H ⇔ Snx-1 +SnH
Snx + H ⇔ Snx-2 +Sn2
Sn2 H+ H ⇔ 2SnH
Sn2 H+ H ⇔ Sn2 2
Sn2 2 + H ⇔ Sn2 3
Sn2 3 + H ⇔ Sn2 4
Sn2 4 + H ⇔ Sn2 5
Sn2 5 + H ⇔ Sn2 6
また、水素ラジカルが金属クラスタのSnx から複数(m個)の金属原子と化合するような場合には、以下の気相平衡反応が予想される。
Snx +H ⇔ Snx-m +Snm
Snm H ⇔ SnH +Snm-1
Snm H+H ⇔ SnH +Snm-1
Snm H+H ⇔ SnH2 +Snm-1
Snm H+H ⇔ 2SnH+Snm-2
Snm H+H ⇔ Sn2 2 +Snm-2
このように、水素ラジカルとの気相平衡反応により、原子状ガスのSnやSnx のような金属原子のクラスタは、水素化するか、気相平衡反応などによりフラグメントを生成する。
一方、水素(H2 )ガスを使用する場合、水素ガス自体は安定な分子であるので、上記したような多岐にわたる気相平衡反応が促進されることは少ないと考えられる。すなわち、水素ラジカルを利用することで初めて多岐にわたる気相平衡反応が促進され、Mo基板100上へのSnおよび/またはSn化合物の堆積量が劇的に減少したと考えられる。
(2)方策2について
発明者らは、デブリとして集光鏡等の装置低温部に付着して上記装置低温部に堆積したSnおよび/またはSn化合物を除去するには、これらの堆積物と水素ラジカルとを反応させると、高効率に高蒸気圧でガス状のSn水素化物を形成することを見出した。このような方法により、EUV光源装置の性能劣化に繋がる装置低温部への上記堆積物を装置内に付着させることなく装置外へ排気することが可能となった。
ここで、特許文献4には、EUV放射種であるリチウム(Li)に起因するデブリが集光鏡に付着した際、ヘリウム(He)イオンスパッタによりスパッタすることが記載されている。その際、スパッタ条件としては、集光鏡の多層膜を形成するモリブデン(Mo)層のスパッタレートが低く、付着したLiのスパッタレートが高くなるような条件でスパッタ処理を行うことが提案されている。
特許文献4は、更に具体的構成は明らかにしていないが、上記技術の転用例として、集光鏡に存在する錫の除去を水素イオン(プラズマ)スパッタを用いて行うことが示唆されている。
そこで、装置低温部に堆積したSnおよび/またはSn化合物を除去するに際し、水素ラジカルによる化学反応と、水素イオンスパッタとの比較を行った。
図2は、水素ラジカルによる化学反応を発生させたとき、並びに、水素イオンスパッタ処理を行うときのEUV光放射装置内の低温部に堆積するSnおよび/またはSn化合物の量を調査したときの実験構成を示す概略図である。
図1に示す例と同様、EUV発生方式はキャピラリー放電方式である。リング状の第1の主放電電極1a(カソード)と第2の主放電電極1bが、絶縁材2を挟んで配置される。絶縁材2により形成されている高密度高温プラズマ発生部であるキャピラリー放電部3の内径はφ3mmであり、前記したようにガス供給・排気ユニット20より原料ガスとして希ガスとSnH4 との混合ガスを導入した。
その後、絶縁材2を挟む電極1a、電極1b間に高電圧パルス発生部50により高電圧パルスを印加して、キャピラリー放電部3にパルス状の放電を発生させ、高密度高温プラズマを生成した。ここで、パルスの繰り返し周波数は5kHzとした。
希ガスとSnH4 との混合ガスのうちプラズマ形成に寄与しなかったもの、および/またはプラズマにより生じたフラグメントSnHx が再結合したSnH4 や、高蒸気圧のフラグメントSnHx は、電極1bを有するチャンバ10に接続されているガス供給・排気ユニット20の排気手段により排出される。
チャンバ10内において、キャピラリー放電部3を見込み、キャピラリー放電部3の中心から垂直方向に300mm離れた位置にモリブデン(Mo)基板100を配置した。
この状態で、キャピラリー放電部3において繰り返し周波数5kHzのパルス放電を15分間発生させると、Mo基板上には約200nmのSn膜が堆積した。
放電終了後、水素イオン・ラジカル源110からMo基板100に向かって水素イオンを照射した場合におけるMo基板100上のSn膜厚の変化と、水素イオン・ラジカル源からMo基板に向かって水素ラジカルを照射した場合におけるMo基板上のSn膜厚の変化とを比較した。
ここで、水素イオン・ラジカル源110としては、200Wのマイクロ波プラズマ方式のものを採用した。すなわち、マイクロ波プラズマ方式のイオン・ラジカル源に水素(H2 )供給ユニット103から水素ガスを供給し、所定の動作条件にて、水素イオン、もしくは、水素ラジカルを発生させた。
Mo基板上のSn膜厚の変化を比較した結果、Mo基板に向かって水素イオンを照射した場合と水素ラジカルを照射した場合とでは、Sn膜厚の減少量はほぼ同等であった。いずれの場合においても、8時間程度の照射でMo基板上のSn膜は完全に除去された。
水素イオンのエネルギーは13eV以上であり、10eV程度のエネルギーの水素ラジカルよりも高い。また、非特許文献2によれば、グラファイト等のスパッタリングにおいては、水素イオンによる除去効率は、水素ラジカルによる除去効率と比較して、2桁以上大きいと言われている。
従って、Snの除去効率に関しても、水素イオンによる除去の方が水素ラジカルによる除去より大きいものと予測される。
しかしながら、上記したように、発明者らの実験結果によれば、水素イオン、水素ラジカルによるSnの除去効率はほぼ同等となった。これは、水素イオン・ラジカル源において生成される水素イオン量が水素ラジカル量に比して非常に少なく、結果として除去効率が同等程度になったためと思われる。
すなわち、装置低温部に堆積したSnおよび/またはSn化合物を除去するにあたり、理論上は水素イオンによる除去の方が水素ラジカルによる除去より効率がよいと予測される。しかし、実際は水素イオンの生成効率が水素ラジカルの生成効率と比較して小さく同等の除去効果しか得られない。
また、水素イオン照射の場合、照射イオンエネルギーを精緻に制御しないと、Mo基板100表面もイオンスパッタされ荒れてしまうことが判明した。すなわち、水素イオン源として、照射イオンエネルギーの精緻な設定が可能であって、かつ照射イオンエネルギーの安定度を高精度に実現できるものを使用しないと、水素イオン照射によるSnおよび/またはSn化合物の除去は、実用的ではない。
例えば、EUV集光ミラーなどの光学部品(Mo(モリブデン)/Si(シリコン)多層膜やルテニウム(Rh)被覆したもの)上に堆積したSn膜の除去に水素イオン照射を適用する場合、Sn膜の除去を実現することはできるが、Mo/Si多層膜等へのダメージを回避することは非常に困難であることが分った。
本比較実験は、EUV発生のための放電の停止期間中における処理であった。しかし、放電動作中に水素イオンを用いてMo基板上のSn膜を除去しようとすると、以下のような理由でSn膜の除去は困難となる。
すなわち、EUV光源装置内ではガス圧が高々数百mPa程度と低く、Mo基板100にイオン引き出し用の負バイアスを高くかけることはできない。EUV光源装置内で望まない放電が生成されないようにするには負バイアスとしては−100V程度が限界である。そのため、照射イオンエネルギーを自由に制御することが不可能となる。よって、Mo基板100にダメージ与えることなくSn膜を除去することは非常に困難となる。
一方、水素ラジカルを用いる場合、水素イオン・ラジカル源における水素ラジカルの生成効率は水素イオンと比較して大きい。また、水素イオンの場合と異なり、Mo基板100の表面にダメージを与えることがないので、水素ラジカル源の高精度な制御が不要となり、大掛かりにならない。
以上のように、水素イオンスパッタによるSnおよび/またはSn化合物の除去は、実用的ではなく、水素ラジカルによる化学反応によってのみSnおよび/またはSn化合物を実用的、かつ、効果的に除去することが可能であることが判明した。
Snおよび/またはSn化合物と水素ラジカルとの化学反応が、装置低温部に堆積したSnおよび/またはSn化合物を除去するのに効果的である理由は必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。
Mo基板上に堆積したSn膜表面は,Snおよび/またはSnの水素や酸素などの化合物となっていると考えられる。そこに水素分子や、さらに高エネルギー状態の水素ラジカルが飛来すると、SnはフラグメントSnHx 、さらにはより安定なSnH4 と変化する。
このとき、水素ラジカルの持つエネルギーによりSn膜表面が局所的に加熱されることとなり、このことによっても反応および気化が促進されると思われる。
フラグメントSnHx はすべて高蒸気圧であり、気相状態となって排気されてしまう。その結果、Mo基板上へのSn堆積膜が除去されると考えられる。
すなわち、EUV光源装置においては、EUV光源装置内表面や集光鏡の表面に付着したSnおよび/またはSn化合物は凝集して固体となる。水素ラジカル源から発生した水素ラジカルによる上記固体の除去において、メカニズムの詳細は不明であるが、例えば、以下のような反応が発生しているものと考えられる。
固体のSnを、Sn(s)、ここでsはsolidの意、またフラグメントSnH(g)のgはgas(気相)の意とし、”・・・ ”は固体表面の各々のSn原子と化学結合していることを表し、Sn(Hn )(s)はsolid(固体)のSn中にn個のH原子が取り込まれていることを表すとすると、以下の(1)式のような固体表面の脱着の平衡反応、あるいは、水素ラジカルが固体のSn中に取り込まれたり放出されたりするような以下の(2)式のような平衡反応、あるいは、以下の(3)(4)式のような、水素によるSn原子の引き抜き反応によりSnHといったフラグメントが気相中に離脱する平衡反応が関連しているものと考えられる。
Sn(s)+nH ⇔ Sn(s)・・・ nH (1)
Sn(s)+nH ⇔ Sn(Hn )(s) (2)
Sn(s)・・・ nH ⇔ Sn(s)・・・ (n−1)H+SnH(g) (3)
Sn(Hn )(s)⇔Sn(Hn-1 )(s)+SnH(g) (4)
また、Sn(s)と表面結合したHが、以下のような反応でSnH2 やSn2 2 として離脱する平衡反応が関連しているものと考えられる。
Sn(s)・・・ nH+H ⇔ SnH2 +Sn(s)・・・ (n−1)H
Sn(s)・・・ nH +H ⇔ Sn2 2 +Sn(s)・・・ (n−1)H
Sn(s)・・・ nH+H ⇔ Sn2 2 +Sn(s)・・・ (n−1)H
Sn(Hn )(s)+ H ⇔ Sn(Hn-1 )(s)+SnH2 (g)
Sn(Hn )(s)+ H ⇔ Sn(Hn-1 )(s)+Sn2 2 (g)
あるいは、Snの固体表面に付着した水素原子とSn原子で、SnHx あるいはSn2 2 、を生成して、離脱する以下の平衡反応が関連しているものと考えられる。
Sn(s)・・・ n H ⇔ SnH +Sn(s)・・・ (n−1)H
Sn(s)・・・ n H ⇔ SnH2 +Sn(s)・・・ (n−2)H
Sn(s)・・・ n H ⇔ SnH3 +Sn(s)・・・ (n−3)H
Sn(s)・・・ n H ⇔ SnH4 +Sn(s)・・・ (n−4)H
Sn(s)・・・ n H ⇔ Sn2 2 +Sn(s)・・・ (n−2)H
Sn(Hn )(s)+H⇔Sn(Hn-2 )(s)+SnH3 (g)
Sn(Hn )(s)+H⇔Sn(Hn-3 )(s)+SnH4 (g)
さらに、この他、多数の複雑な平衡反応が関連していると考えられる。
以上の知見に基づき、本発明は上記課題を次のように解決する。
(1)高密度高温プラズマが発生する容器と、この容器内に極端紫外光放射種であるSnおよび/またはSn化合物を含む原料を供給する原料供給手段と、上記容器内で上記供給された原料を加熱・励起し高密度高温プラズマを発生させる加熱・励起手段と、容器に接続された排気手段と、高密度高温プラズマから放射される極端紫外光を取り出す極端紫外光取り出し部とを有する極端紫外光光源装置において、上記容器内に水素ラジカルを導入する水素ラジカル導入手段を設ける。
また、装置のメンテナンスの際等に、上記容器から装置低温部を取り外して、装置低温部に堆積したSnおよび/またはSn化合物を含むデブリに対して上記水素ラジカルを導入することで、上記装置低温部に堆積した上記デブリを除去することができる。
更に、上記極端紫外光光源を以下のように構成することもできる。
(2)上記(1)の極端紫外光光源において、原料供給手段、加熱・励起手段、排気手段、および水素ラジカル導入手段の動作を制御する制御部を設ける。
(3)上記(1)(2)の極端紫外光光源装置において、ラジカル導入手段が、前記高密度高温プラズマが発生する部分と、前記極端紫外光取り出し部とにより規定される光路領域内にある加熱・励起後の前記原料から生ずる飛散物に対して、水素ラジカルを導入する。
(4)上記(1)(2)(3)の極端紫外光光源装置において、前記光路領域内に設けられた集光鏡の反射面上に存在する前記飛散物に対して水素ラジカルを導入する。
(5)上記(1)(2)(3)の極端紫外光光源装置において、前記光路領域内に設けられた集光鏡と、前記高密度高温プラズマが発生する部分との間の光路領域内の空間に存在する前記飛散物に対して水素ラジカルを導入する。
(6)上記(2)(3)(4)の極端紫外光光源装置において、前記制御部が前記加熱・励起手段による高密度高温プラズマ発生動作の休止中に上記水素ラジカル導入手段を動作させる。
(7)上記(2)(3)(4)(5)の極端紫外光光源装置において、前記制御部が前記加熱・励起手段による高密度高温プラズマ発生動作中に上記水素ラジカル導入手段を動作させる。
(8)上記(4)〜(7)の極端紫外光光源装置において、前記集光鏡の外周に水素ラジカル拡散防止壁を設ける。
(9)上記(4)〜(8)の極端紫外光光源装置において、前記集光鏡を、同一軸上に焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した複数枚の鏡からなる多重配置構造とし、該多重配置構造を維持するために支柱により支持し、該支柱内に連続した空洞を設け、該支柱表面に複数の開口を設け、該空洞に前記水素ラジカル導入手段から水素ラジカルが導入され、該開口から水素ラジカルが放出する。
(10)上記(4)〜(9)の極端紫外光光源装置において、前記加熱・励起手段による高密度高温プラズマ発生動作の休止中に、前記集光鏡または前記水素ラジカル導入手段の少なくとも一方を、前記集光鏡と前記水素ラジカル導入手段とが近接するように移動させる手段を設ける。
(11)上記(4)〜(9)の極端紫外光光源装置において、前記高密度高温プラズマが発生する容器内に前記集光鏡を複数交換可能に配置し、1つの集光鏡が極端紫外光光の集光機能を働かせている間に他の集光鏡の少なくとも1つの集光鏡に水素ラジカルを導入する。
(12)上記(1)〜(11)の極端紫外光光源装置において、前記加熱・励起手段が一対の放電電極を有し、放電によって上記供給された原料を加熱・励起し高密度高温プラズマを発生させる。
(13)上記(1)〜(11)の極端紫外光光源装置において、前記加熱・励起手段が、レーザ光照射手段を有し、上記供給された原料にレーザ光を照射することにより加熱・励起し高密度高温プラズマを発生させる。
(14)上記(1)〜(13)の極端紫外光光源装置において、前記原料を少なくとも高蒸気圧のSn水素化物を含むガスとする。
(15)上記(14)の極端紫外光光源装置において、前記Sn水素化物をSnH4 とする。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)本出願人が先の出願で提案した放射種であるSnH4 を原料とすることにより、前記したようにプラズマ形成後、原子ガス状態で排出し易く、装置低温部に堆積しにくいといった利点が得られたが、それでも、装置低温部にSnおよび/またはSn化合物が堆積する不具合が生じた。
本発明においては水素ラジカルを導入するようにしたので、極端紫外光放射種であるSnおよび/またはSn化合物を含む原料を供給しても、装置低温部にSnおよび/またはSn化合物が堆積するのを抑制することができ、また、堆積したSnおよび/またはSn化合物を除去することが可能となった。このため、装置の低温部に堆積したSnおよび/またはSn化合物に起因する装置劣化を抑制することが可能となった。
(2)装置運転中、もしくは休止中に、前記集光鏡の反射面上に堆積したSnおよび/またはSn化合物に対して、水素ラジカルを導入することにより、高蒸気圧でガス状のSn水素化物(例えば、SnH4 )を形成させ、排気手段により排気することが可能となる。このため、集光鏡のクリーニングを行うことが可能となった。
(3)前記光路領域内に設けられた集光鏡と、前記高密度高温プラズマが発生する部分との間の光路領域内の空間に存在する前記飛散物に対して水素ラジカルを導入することにより、気相状態のSn、金属クラスタSnx 、フラグメントSnHx 等と水素ラジカルとを反応させ、高蒸気圧でガス状のSn水素化物(例えば、SnH4 )を形成させ、排気手段により排気することが可能となる。このため、集光鏡等に到達するSn微粒子、Snクラスタを低減させることが可能となった。
(4)集光鏡の外周に水素ラジカル拡散防止壁を設けることにより、集光鏡周辺の水素ラジカルの密度を高めることができ、集光鏡に堆積したSnおよび/またはSn化合物を迅速に除去することができる。
(5)前記集光鏡の多重配置構造を維持するための支柱表面に設けた開口から、水素ラジカルが放出することにより、水素ラジカルの放出を集光鏡の反射面に近い位置で行うことができ、集光鏡に堆積したSnおよび/またはSn化合物を、装置運転中でも短時間で除去することが可能となる。
(6)前記集光鏡または前記水素ラジカル導入手段の少なくとも一方を、両者が近接するように移動させる手段を設けることにより、高密度高温プラズマ発生動作の休止中に、水素ラジカル導入手段を上記光路領域内に挿入して、水素ラジカルを集光鏡表面に効果的に導入することができる。このため、集光鏡などに堆積したSnおよび/またはSn化合物を短時間に効果的に除去することができる。
(7)高密度高温プラズマが発生する容器内に前記集光鏡を複数交換可能に配置し、1つの集光鏡が極端紫外光の集光機能を働かせている間に他の集光鏡の少なくとも1つの集光鏡に水素ラジカルを導入することにより、一方の集光鏡で集光しながら、他方の集光鏡に堆積したSnおよび/またはSn化合物を除去することができ、Snおよび/またはSn化合物を除去するための装置停止時間を短縮もしくは無くすことができ、設備稼動率を向上させることができる。
(8)放電種である原料を、少なくとも高蒸気圧のSn水素化物を含むガス、特にSnH4 とすることにより、高温に加熱する必要がなく、また、搬送が容易で、Snの濃度の制御が容易であり、さらに、プラズマ形成後、装置内の低温部に凝集し堆積しにくいという効果を得ることができる。
図3に本発明を適用したEUV光源装置の概略構成を示し、同図では、DPP方式のEUV光源装置の一例を示す。
図3に示すように、DPP方式のEUV光源装置は、放電容器であるチャンバ10を有する。チャンバ10内には、例えば、リング状の第1の主放電電極(カソード)1aと第2の主放電電極1b(アノード)とがリング状の絶縁材2を挟んで配置される。第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1bは、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル等の高融点金属からなる。また、絶縁材2は、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ダイヤモンド等からなる。
リング状の第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1b、絶縁材2は、それぞれの貫通穴が略同軸上に位置するように配置し、連通穴を構成している。第1の主放電電極1aおよび第2の主放電電極間1bに放電が発生したとき、この連通穴もしくは連通穴近傍にて高密度高温プラズマが生成される。
なお、第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1b、絶縁材2はDPP方式のEUV光発生部11を構成する。上記したように、DPP方式には様々な構成例があるが、それについては前記非特許文献1を参照されたい。
チャンバ10は、導電材で形成された第1の主放電電極1a側の第1の容器10aと、同じく導電材で形成された第2の主放電電極1b側の第2の容器10bとからなる。第1の容器10aと第2の容器10bとは絶縁材2によって、分離・絶縁されている。ここで、チャンバ10の上記第2の容器10bと第2の主放電電極1bは接地されている。
チャンバ10内に、原料供給ユニット21aより、第1の容器10a側のノズル状の原料導入部22から原料が導入される。原料はEUV光発生部11の高密度高温プラズマ発生部3で波長13.5nmのEUV光を放出する放射種を高効率に形成するためのものであり、導入された原料は、EUV光発生部11に供給されてプラズマ形成に利用され、原料の内、プラズマ形成に寄与しなかったもの、および/またはプラズマにより生じたフラグメント等は、チャンバ10内を流れて、第2の容器10b側に設けられた排出口12から排出ユニット21bへ排出される。
なお、放電種の供給するための原料としては、例えば前記したSnH4 等のSn水素化物を含む放電用ガスでなくてもよく、例えば、液体状でも固体状でもよい。また、EUV放射種としてSnを高密度高温プラズマ発生部に供給する際、SnH4 に限らず、Snへのレーザ照射による蒸発、放電によるSn供給源の自己加熱により、Sn蒸気として供給してもよい。また上記放電用ガスを希ガスで希釈したものであってもよい。
高密度高温プラズマ発生部3の圧力はメインコントローラ40により1〜20Paに調節され、上記第2の容器10bおよび第2の主放電電極1bと、上記第1の容器10aおよび第1の主放電電極1aとには、高電圧パルス発生部50からおよそ−5kV〜−20kVの電圧が印加される。その結果、リング状の第1、第2の各主放電電極1a,1b間の高密度高温プラズマ発生部3には、高密度高温のプラズマ放電が発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
放射されたEUV光は、第2の主放電電極1b側の第2の容器10b内に設けられたEUV集光鏡5により集光され、波長選択手段6aを備えるEUV光取出部6より図示を省略した露光機側光学系である照射部に出射される。なお、波長選択手段6aは、例えば、波長13.5nmのEUV光を選択するものである。すなわち、波長選択手段6aにより選択された、例えば、波長13.5nmのEUV光が露光機側光学系に向けて出射される。
EUV集光鏡5は、例えば、径の異なる回転楕円体、または、回転放物体形状のミラーを複数枚具える。これらのミラーは、同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置される。このミラーは、例えば、ニッケル(Ni)等からなる平滑面を有する基体材料の反射面側に、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、およびロジウム(Rh)などの金属を緻密にコーティングすることで、0°〜25°の斜入射角度のEUV光を良好に反射できるようにしたものである。
なお、高密度高温プラズマとEUV集光鏡5との間には、高密度高温プラズマと接する金属(例えば、LPP方式のEUV光源装置の場合、EUV放射種をプラズマ生成領域に供給するためのノズル、DPP方式のEUV光源装置の場合、放電電極)が上記プラズマによってスパッタされて生成する金属粉等のデブリや、Sn等の放射種に起因するデブリ等を捕捉してEUV光のみを通過させるためのデブリトラップ4が設置される。デブリトラップ4は、例えば特許文献2に記載されているように、高密度高温プラズマ発生領域の径方向に設置される複数のプレートからなる。
ここで、蒸気圧が低く常温で固体状態であるSnは、加熱・励起して高密度高温プラズマを発生させる際、高密度高温プラズマと接する金属が上記プラズマによってスパッタされて生成する金属粉等のデブリや、Sn等の放射種に起因する大量のデブリが発生する。これらのデブリはデブリトラップ4により捕捉されるが、Sn等の放射種に起因するデブリのほとんどは、金属粉等のデブリより重量が軽く直進性が弱いためデブリトラップ4を通過しやすい。
デブリトラップ4を通過したSn等の放射種に起因するデブリは、第2の容器10bに飛来し、例えば、EUV集光鏡5に付着・堆積し、EUV集光鏡5のEUV光反射率の低下という事態を引き起こす。そのため、Sn等の放射種に起因するデブリがEUV光源装置内部に付着して装置性能が劣化することを抑制するとともに、上記デブリがSnおよび/またはSn化合物としてEUV光源装置内部に堆積したとしても、堆積したSnおよび/またはSn化合物を効率よく除去することは、例えば、EUV光出力といった装置性能を維持し劣化を抑制するためには不可欠となる。
本発明は、高密度高温プラズマ生成後に生成される気相状態のSn、金属クラスタSnx 、フラグメントSnHx と水素ラジカルとを気相状態で反応させて、高蒸気圧でガス状のSn水素化物、特に、より安定で堆積し難いSnH4 を形成し、排気手段により排気することにより、Sn等の放射種に起因するデブリがEUV光源装置内部に付着して装置性能が劣化することを抑制するものである。
また、本発明は、デブリとしてEUV集光鏡5等の装置低温部に付着して上記装置低温部に堆積したSnおよび/またはSn化合物と水素ラジカルとを反応させ、高蒸気圧でガス状のSn水素化物、特に、より安定で堆積し難いSnH4 を形成し、排出ユニット21bで排気することにより、堆積したSnおよび/またはSn化合物を効率よく除去するものである。
すなわち、Sn等の放射種に起因するデブリが気相状態で空間に存在する間に水素と反応させる、あるいは、デブリが装置低温部に接触してSnおよび/またはSn化合物として堆積してしまった場合においても上記堆積物と水素と反応させることにより、高蒸気圧でガス状のSn水素化物を形成し、EUV光源装置に備えられる排出ユニット21bにより排気する。
このようにすることにより、効果的にEUV放射後に発生するSn等の放射種に起因するデブリをEUV光源装置内に滞留、あるいは、付着させることなく排出することが可能となる。
そこで、図3に示す本発明を適用したEUV光源装置においては、水素ラジカル発生手段30、モニタユニット34、膜厚測定手段35が設けられている。
水素ラジカル発生手段30は、ラジカル発生部31、ラジカル発生部32および上記ラジカル発生部31,32で水素ラジカルを発生させるための駆動制御部33からなる。
ラジカル発生部31,32は、図示を省略した移動機構に搭載され、チャンバ内において図3の上下方向、左右方向に移動可能に保持されている。
駆動制御部33は、さらにラジカル発生部31,32に水素ラジカルの原料である水素ガスを供給するための水素供給源33a、水素ガスが供給されたラジカル発生部31,32においてラジカルを発生させるためのエネルギーを供給するエネルギー供給源33b、およびラジカル発生部31,32の位置制御を行うための駆動ユニット33cを含む。水素ラジカル発生手段30は、メインコントローラ40によりその動作が制御される。
上記したように、高密度高温プラズマ生成後に生成される気相状態のSn、金属クラスタSnx 、フラグメントSnHx は、第2の容器10bに設けられた排出ユニット21bから排気される。すなわち、第2の容器10b内でデブリを含む排気流が形成される。
ラジカル発生部31は、ラジカル発生部31から放出される水素ラジカルの放出方向が、デブリを含む排気流と交差するよう配置される。
一方、ラジカル発生部32は、ラジカル発生部32から放出される水素ラジカルの放出方向が、Snおよび/またはSn化合物が堆積したチャンバ10内の低温部、例えば、EUV集光鏡5表面に対向するように設置される。
モニタユニット34は、EUV集光鏡5に堆積するSnおよび/またはSn化合物量を検知するためものであり、EUV集光鏡5に付着した堆積物の有無の確認、堆積物の処理速度等を算出するためのモニタとして使用する。モニタユニット34は、例えば、水晶振動子式の膜厚モニタであり、EUV集光鏡5の近傍であって、EUV光の光路から外れた位置に配置される。
すなわち、EUV集光鏡5の近傍に配置した膜厚モニタに堆積した堆積物を検出することにより、EUV集光鏡5への堆積物の堆積状態を検出している。
モニタユニット34からの検出信号は、膜厚測定手段35に送出される。受信した検出信号に基づき膜厚測定手段35は、EUV集光鏡5に堆積するSnおよび/またはSn化合物量および堆積物の処理速度等を算出したり、堆積物の有無の判断を行う。この算出結果、判断結果は、膜厚測定手段35からメインコントローラ40に送出される。
図3に示す水素ラジカル発生手段30を有するEUV光源装置は、以下のように動作する。
EUV光源装置がEUV光放出動作時、水素ラジカル発生手段30は稼働しており、チャンバ10内で水素ラジカルが生成される。
デブリを含む排気流とデブリ放出方向と交差するよう配置されているラジカル発生部31において、水素ラジカルが生成され、放出される。ラジカル発生部31から放出された水素ラジカルは、気相状態のSn、金属クラスタSnx 、フラグメントSnHx 等と反応し、高蒸気圧でガス状のSn水素化物(例えば、SnH4 )を形成し、排気手段である排出ユニット21bにより排気される。すなわち、EUV集光鏡5等に到達するSn微粒子、Snクラスタを低減させる。
同様に、水素ラジカルの放出方向が、Snおよび/またはSn化合物が堆積したEUV集光鏡5の表面等のチャンバ10内低温部に対向するように設置されているラジカル発生部32において、水素ラジカルが生成され放出される。ラジカル発生部32から放出された水素ラジカルは、EUV集光鏡5等の装置低温部に堆積したSnおよび/またはSn化合物と反応し、高蒸気圧でガス状のSn水素化物(例えば、SnH4 )を形成し、排出ユニット21bにより排気される。すなわち、EUV集光鏡5等のクリーニングを行う。
モニタユニット34から送出される検出信号に基づき膜厚測定手段35から送出されるEUV集光鏡5に堆積するSnおよび/またはSn化合物量および堆積物の処理速度の算出結果、堆積物の有無の判断結果を受信したメインコントローラ40は、最適な水素ラジカル処理条件を判定する。この最適な水素ラジカル処理条件を実現するようにメインコントローラ40は、水素ラジカル発生手段30を制御し、EUV集光鏡5の装置性能に影響を及ぼすチャンバ10内低温部にSnおよび/またはSn化合物が堆積しないように水素ラジカル発生部31,32を動作させる。
なお、上記した水素ラジカルによるSn等の放射種に起因するデブリの処理は、EUV光放出動作の停止時や休止時に行ってもよい。また、ラジカル発生部31、ラジカル発生部32のいずれか1つを設けるようにしてもよい。
ここで、上記したEUV集光鏡等に堆積するSnおよび/またはSn化合物量の算定は、以下のように行ってもよい。
EUV集光鏡5のSnおよび/またはSn化合物の堆積量は、EUV発光回数、高密度高温プラズマ発生部3へのエネルギー入力量(すなわち、第1の主放電電極1aと第2の主放電電極1bとの間に供給される印加電圧等)、高密度高温プラズマ発生部3への単位時間あたりの放電種原料の導入量といった複数のパラメータに依存すると考えられる。
メインコントローラ40は、これらの複数のパラメータの量とEUV集光鏡5のSnおよび/またはSn化合物の堆積量との関係を示すテーブルを予め記憶させておき、かつ、これらのパラメータに関するデータを常に取得、蓄積させる。
このように、取得する諸パラメータデータと予め記憶しておいた上記テーブルとの比較により、EUV集光鏡5等に堆積するSnおよび/またはSn化合物量の算定を行うことができる。この場合、モニタユニット34、膜厚測定手段35は不要となる。
また、モニタユニット34、膜厚測定手段35の代わりに、EUV光源装置から放出されるEUV光の一部をサンプリングしてEUV光強度を測定する光モニタ、並びに、演算手段を設けてもよい。演算手段は、光モニタで検出した光強度と、初期EUV光強度(例えば、EUV集光鏡5にSnおよび/またはSn化合物が堆積していないときの光強度)量とを比較し、EUV光強度の減衰度合いによって、EUV集光鏡5等に堆積するSnおよび/またはSn化合物量の算定を行う。
図4は、本発明をLPP方式のEUV光源装置に適用した場合の概略構成を示す図である。なお、図4において、前記図3に示したものと同一のものには同一の符号が付されており、ここでは、同一の部分についての詳細な説明は省略する。
図4に示すように、LPP方式EUV光源装置は、放電容器であるチャンバ10を有する。チャンバ10には、チャンバ10の内部に放電種である原料を供給するためのノズル状の原料導入部22、レーザ光が導入されるレーザ光入射窓部13、排出ユニット21bが接続される排出口12、波長選択手段6aを備えるEUV光取出部6が設けられている。
原料は、原料供給ユニット21aに接続され、チャンバ10を貫通している原料導入部22より、チャンバ10内に導入される。
原料はEUV発生部11の高密度高温プラズマ発生部3で波長13.5nmのEUV光を放出する放射種を高効率に形成するためのものであり、例えば、前記したようにSnH4 である。導入された原料はチャンバ10内を流れて、チャンバ10に設けられたガス排出口12に到達する。
排出ユニット21bは、真空ポンプ等のガス排気手段から構成され、上記ガス排出口12と接続されている。すなわち、前記したように、原料はEUV光発生部11に供給されてプラズマ形成に利用され、原料の内、プラズマ形成に寄与しなかったもの、および/またはプラズマにより生じたフラグメント等は、チャンバ10内を流れて、排出口12から排出ユニット21bへ排出される。
なお、放電種の供給するための原料としては、前記したように、例えば、液体状でも固体状、あるいはSnH4 等のガスでもよく、EUV放射種としてSnを高密度高温プラズマ発生部に供給する際、Snをレーザ照射等により加熱して蒸発させ、Sn蒸気として供給してもよい。
レーザ光入射窓部13を介してEUV光発生部11に照射されるレーザ光を発生するレーザ装置14は、例えば、繰り返し周波数が数kHzであるパルスレーザ装置であり、YAGレーザ装置、炭酸ガスレーザ装置、エキシマレーザ装置等が使用される。レーザ装置から放出されるレーザ光は、凸レンズ等のレーザ光集光手段14aにより集光されながら、レーザ光入射窓部13よりチャンバ10内部に導入される。原料導入部22から供給される原料は、レーザ光入射窓部13より導入されたレーザ光に照射される。なお、原料は、レーザ光集光手段14aにより集光されるレーザ光の集光点に向けて導入される。レーザ光に照射された原料は、加熱・励起され、その結果、高密度高温のプラズマが発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
放射されたEUV光は、チャンバ10内に設けられたEUV集光鏡5に入射し、EUV集光鏡5により反射され、波長選択手段6aを備えるEUV光取出部6より図示を省略した露光機側光学系である照射部に出射される。
なお、波長選択手段6aは、前記したように例えば、波長13.5nmのEUV光を選択するものである。すなわち、波長選択手段により選択された、例えば、波長13.5nmのEUV光が露光機側光学系に向けて出射される。
EUV集光鏡5は、例えば、球面鏡であり、例えば、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)を多層に形成した反射鏡とすることで、EUV光を良好に反射できるようにしたものである。このような反射鏡の場合、反射鏡自体が波長選択性を具備するので、波長選択手段6aを必要としない場合もある。
なお、高密度高温プラズマ発生部3とEUV集光鏡5との間には、高密度高温プラズマと接する金属(例えば、原料導入部22)が上記プラズマによってスパッタされて生成する金属粉等のデブリや、Sn等の放射種に起因するデブリ等を捕捉してEUV光のみを通過させるためのデブリトラップ4が設置される。デブリトラップ4は、前記したように、例えば特許文献2に記載されているように、高密度高温プラズマ発生領域の径方向に設置される複数のプレートからなる。
また、図3に示したものと同様、図4に示すLPP方式のEUV光源装置にも、EUV放射後に発生するSn等の放射種に起因するデブリをEUV光源装置内に滞留、あるいは、付着させることなく排出するための、水素ラジカル発生手段30、モニタユニット34、膜厚測定手段35が設けられている。
水素ラジカル発生手段30は、前記したようにラジカル発生部31、ラジカル発生部32および上記ラジカル発生部31,32で水素ラジカルを発生させるための駆動制御部33からなる。ラジカル発生部31,32は、図示を省略した移動機構に搭載され、チャンバ内において図4の上下方向、左右方向に移動可能に保持されている。
駆動制御部33は、前記したようにラジカル発生部31,32に水素ラジカルの原料である水素ガスを供給するための水素供給源33a、水素ガスが供給されたラジカル発生部31,32においてラジカルを発生させるためのエネルギーを供給するエネルギー供給源33b、およびラジカル発生部31,32の位置制御を行うための駆動ユニット33cを含む。
ラジカル発生部31は、ラジカル発生部31から放出される水素ラジカルの放出方向が、デブリを含む排気流と交差するよう配置される。
一方、ラジカル発生部32は、ラジカル発生部32から放出される水素ラジカルの放出方向が、Snおよび/またはSn化合物が堆積したチャンバ10内の低温部、例えば、EUV集光鏡5表面に対向するように設置される。
モニタユニット34は、前記したようにEUV集光鏡5に堆積するSnおよび/またはSn化合物量を検知し、この検出信号は、膜厚測定手段35に送出される。受信した検出信号に基づき膜厚測定手段35は、EUV集光鏡5に堆積するSnおよび/またはSn化合物量および堆積物の処理速度等を算出したり、堆積物の有無の判断を行う。この算出結果、判断結果は、膜厚測定手段からメインコントローラ40に送出される。
図4に示す水素ラジカル発生手段を有するEUV光源装置は、以下のように動作する。 EUV光源装置がEUV光放出動作時、水素ラジカル発生手段30は稼働しており、チャンバ10内で水素ラジカルが生成される。
デブリを含む排気流とデブリ放出方向と交差するよう配置されているラジカル発生部31において、水素ラジカルが生成され、放出される。ラジカル発生部31から放出された水素ラジカルは、気相状態のSn、金属クラスタSnx 、フラグメントSnHx 等と反応し、高蒸気圧でガス状のSn水素化物(例えば、SnH4 )を形成し、排出ユニット21bにより排気される。
同様に、水素ラジカルの放出方向が、Snおよび/またはSn化合物が堆積したEUV集光鏡5の表面等のチャンバ内低温部に対向するように設置されているラジカル発生部32において、水素ラジカルが生成され、放出される。ラジカル発生部32から放出された水素ラジカルは、EUV集光鏡5等の装置低温部に堆積したSnおよび/またはSn化合物と反応し、高蒸気圧でガス状のSn水素化物(例えば、SnH4 )を形成し、排出ユニット21bにより排気される。すなわち、EUV集光鏡等のクリーニングを行う。
モニタユニット34から送出される検出信号に基づき、膜厚測定手段35から送出されるEUV集光鏡5に堆積するSnおよび/またはSn化合物量および堆積物の処理速度の算出結果、堆積物の有無の判断結果を受信したメインコントローラ40は、最適な水素ラジカル処理条件を判定する。この最適な水素ラジカル処理条件を実現するようにメインコントローラ40は、水素ラジカル発生手段30を制御し、EUV集光鏡5等の装置性能に影響を及ぼすチャンバ内低温部にSnおよび/またはSn化合物が堆積しないように水素ラジカル発生部31,32を動作させる。
以下、本発明のEUV光源装置の具体的な構成例について説明する。なお、以下では、DPP方式のEUV光源装置について説明するが、上記LPP方式のEUV光源装置にも同様に適用することができる。また、以下では、原料としてSnH4 ガスを用いる場合について説明するが、前記したように、Snを含む固体状、液体状の原料、あるいは、Sn水素化物を含むガス、Sn水素化物を含むガスを希ガスで希釈したガス等を用いることもできる。
(1)第1の実施例
図5に、水素ラジカル発生手段を搭載した本発明の第1の実施例のEUV光源の具体的な構成例を示す。なお、図5は図3に示したDPP方式のEUV光源装置と同様の光源装置を示し、図3と同一のものには同一の符号を付しており、図3に示したものと同一の部分については、詳細な説明を省略する。
図5に示すように、放電容器であるチャンバ10内には、例えば、リング状の第1の主放電電極(カソード)1aと第2の主放電電極1b(アノード)とがリング状の絶縁材2を挟んで配置される。リング状の第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1b、絶縁材2は、前記したようにそれぞれの貫通穴が略同軸上に位置するように配置され、第1の主放電電極1aおよび第2の主放電電極1b間に放電が発生したとき、この連通穴もしくは連通穴近傍にて高密度高温プラズマが生成される。
チャンバ10は、導電材で形成された第1の主放電電極側の第1の容器10aと、同じく導電材で形成された第2の主放電電極側の第2の容器10bとからなる。第1の容器10aと第2の容器10bとは絶縁材2によって、分離・絶縁され、上記第2の容器10bと第2の主放電電極1bは接地されている。
チャンバ内に、ガス供給・排気ユニット20より、第1の容器10a側のガス供給口24から放電用ガスが導入される。放電用ガスは、EUV発生部の高密度高温プラズマ発生部で波長13.5nmのEUV光を放出する放射種を高効率に形成するための原料ガスであり、ここではSnH4 である。
導入されたSnH4 はチャンバ10内を流れて、EUV光発生部11に供給されてプラズマ形成に利用され、原料の内、プラズマ形成に寄与しなかったもの、および/またはプラズマにより生じたフラグメント等は、チャンバ10内を流れて、第2の容器10b側に設けられた第2の容器側に設けられたガス排出口25に到達する。
ガス供給・排気ユニット20は、真空ポンプ等のガス排気手段(不図示)を有しており、ガス排気手段は、上記ガス排出口と接続されている。すなわちガス排出口に到達した放電用ガスは、ガス排気・供給ユニットが具えるガス排気手段により排気される。
ここで、高密度高温プラズマ発生部3の圧力は1〜20Paに調節される。この圧力調節は、例えば、以下のように行われる。まず、メインコントローラ40がチャンバ10に備えられた不図示の圧力モニタより送出される圧力データを受信する。メインコントローラ40は受信した圧力データに基づき、ガス・供給排気ユニット20を制御して、チャンバ10内へのSnH4 ガスの供給量ならびに排気量を調節することにより、高密度高温プラズマ発生部の圧力を所定の圧力に調節する。
上記したように接地されている上記第2の容器10bおよび第2の主放電電極1bと、上記第1の容器10aおよび第1の主放電電極1aとには、高電圧パルス発生部50から前記したように、およそ−5kV〜−20kVの電圧が印加される。その結果、リング状の第1、第2の各主放電電極1a,1b間の高密度高温プラズマ発生部3には、高密度高温のプラズマ放電が発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
放射されたEUV光は、前記したように第2の主放電電極1b側の第2の容器10b内に設けられたEUV集光鏡5により反射され、波長選択手段6aを備えるEUV光取出部6より図示を省略した露光機側光学系である照射部に出射される。これにより、例えば波長13.5nmのEUV光が露光機側光学系に向けて出射される。
EUV集光鏡5は、前記したように径の異なる回転楕円体、または、回転放物体形状のミラーを複数枚具える。これらのミラーは、同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置される。
図6に上記EUV集光鏡5の概略構成を示す。同図は、EUV集光鏡5の一部を切り欠いた斜視図でありEUV光出射側から見た図を示している。
同図に示すように、EUV集光鏡5は、中心軸を含む平面で切ったときの断面形状が楕円もしくは放物線となる回転楕円体形状、もしくは回転放物体形状(以下この中心軸を回転中心軸という)のミラー5aを複数枚(この例では2枚であるが、5〜7枚でも良い)具備する。これらのミラー5aは、同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸が重ねて配置されており、該回転中心軸の位置には、中央支柱5bが設けられ、該中央支柱5bには、放射状にハブ状支柱5cが取り付けられている。各ミラー5a(回転楕円体、回転放物体の内側の面がミラー面)は、このハブ状支柱5cにより支持されている。上記中央支柱5b、ハブ状支柱5cは、集光鏡5に入出射するEUV光を出来るだけ遮らないような位置に配置される。上記ミラー5aは、前記したように例えば、ニッケル(Ni)等からなる平滑面を有する基体材料の反射面側に、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、およびロジウム(Rh)などの金属を緻密にコーティングすることで、EUV光を良好に反射できるようにしたものである。
図5に戻り、前記したように、高密度高温プラズマ発生部3とEUV集光鏡5との間には、プラズマによってスパッタされて生成する金属粉等のデブリや、Sn等の放射種に起因するデブリ等を捕捉してEUV光のみを通過させるためのデブリトラップ4が設置される。
高電圧パルス発生部50は、例えば、以下のように構成される。
高電圧パルス発生部50は、可飽和リアクトルからなる2個の磁気スイッチSR2、SR3、コンデンサC1、コンデンサC2とからなる2段の磁気パルス圧縮回路を有する。磁気スイッチSR1はIGBT等の半導体スイッチング素子である固体スイッチSWでのスイッチングロスの低減用のものであり、磁気アシストとも呼ばれる。
充電器CHにより主コンデンサC0に充電されたエネルギーは、トランスTr1を介して磁気パルス圧縮回路を移行するにつれ、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行われ、第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1b間に高電圧パルスが印加される。
第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1b間に高電圧パルスが印加されると、絶縁材2の表面に沿面放電(creeping discharge)が発生して第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1b間は実質、発生したプラズマにより短絡状態になり、第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1b間にパルス状の大電流が流れる。その後、プラズマの大電流による自己磁場のピンチ効果によるジュール加熱によって高密度高温プラズマ発生部3において高温プラズマが発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
このような放電動作が固体スイッチSWのスイッチング動作、高電圧電源動作によって繰り返し行なわれることにより、所定の繰り返し周波数でのEUV放射が行われる。
具体的数値例を示せば、第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1b間に−20kVの放電電圧が印加され、約10J/pulseのエネルギーが数kHzの周波数で第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1b間に与えられる。従って、第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1b間には数十kWのエネルギーが入力される。
前記したように、高密度高温プラズマ発生部3の圧力は1〜20Paに調節される。このような低い圧力下においては、電極構造によっては放電が発生し難くなり、結果としてEUV光の出力が不安定となる場合もある。
放電が発生し難い状況下で、安定した放電を生じさせるには、予備電離を行うことが望ましい。このため、予備電離ユニット60が第1の容器10aに設けられている。
予備電離ユニット60としては、例えば、本出願人が特願2004−283527号で提案しているように電子線発生装置を用いる。電子線発生装置としては、例えば、特許文献5に記載されている電子線発生装置を用いることができる。
予備電離ユニット60を構成する電子線発生装置は、図5に示すように、ガラスなどの絶縁部材で構成された絶縁容器60a内に、電子線源であるフィラメントヒータ60bとカソード60cとが設けられている。フィラメントヒータ60bとカソード60cの各々に具えられたには電力供給用の端子60dは、絶縁容器60a外部に突出している。絶縁容器60aは密閉され、内部は真空に保たれている。
また、絶縁容器60aには、電子線を透過させる電子線透過膜60eが設けられる。この電子線透過膜61eは導電性である。電子線透過膜60eは、第1の容器10aに直接取り付けられる。
フィラメントヒータ60bは、予備電離電源61においてAC電源61aに接続された絶縁トランスであるフィラメント電源トランス61bから電流が供給され加熱される。また、カソードにはAC電源61aに接続された絶縁トランス61dからコッククロフト回路等の昇圧回路61cを介してマイナス高電圧−HV2が印加される。通常、電子線透過膜60eを接地電位とすることにより、電子線が引き出され、上記電子線透過膜60eを介して、図5の点線矢印に示すように、電子線が放射される。ここで、EUV集光鏡5等が設けられる側の第2の主放電電極1bは、上記EUV集光鏡5等との間で放電が生じないようにするため、接地電位とされる。よって、高電圧パルス発生部50からは、第1の主放電電極1aおよび第1の容器10aに−数十kVのマイナス高電圧−HV1が印加される。よって、電子線透過膜60eの電位も−HV1となる。
そのため、電子線が効果的に引き出せるように、電子線発生装置のカソード60cに印加するマイナス高電圧−HV2は、|HV1|<|HV2|となるように設定される。
なお、予備電離は、電子線を用いて行うものでなくてもよく、例えば、特許文献6に記載されているように、チャンバ内で滑り放電を発生させ、滑り放電からの紫外線によって行ってもよい。
図5に示す露光用光源として用いられるDPP方式EUV光源装置は、例えば、以下のように動作する。
露光機70の制御部より、スタンバイ信号がメインコントローラ40に送出される。メインコントローラ40は、スタンバイ信号を受信すると、ガス供給・排気ユニット20を制御してチャンバ10内に放電用ガス、例えば、SnH4 ガスを第1の容器10aに設けられたガス供給路を介して、ガス供給口24よりチャンバ10内部に供給するとともに、高密度高温プラズマ発生部3におけるガス圧力を所定の圧力値に制御する。
次に、露光機70の制御部より、発光指令がメインコントローラ40に送出される。発光指令の送出間隔は、例えば、数kHzである。
メインコントローラ40は、発光指令を受け取ると、予備電離電源61を制御して予備電離ユニット60から電子線を高密度高温プラズマ発生部3に向けて照射し、予備電離を行うとともに、トリガ信号を高電圧パルス発生部50の固体スイッチSWのゲートに送出する。固体スイッチSWはon状態になり、第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1b間に高電圧パルスが印加され、高密度高温プラズマ発生部3において高温プラズマが発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
プラズマから放射されたEUV光は、第2の主放電電極1b側の第2の容器10b内に設けられたEUV集光鏡5により反射され、波長選択手段6aを有するEUV光取出部6を介して図示を省略した露光機側光学系である照射部に出射される。
また、前記したように、EUV放射後に発生するSn等の放射種に起因するデブリをEUV光源装置内に滞留、あるいは、付着させることなく排出するため、図5に示すEUV光源装置には水素ラジカルを発生する手段が設けられている。
水素ラジカルを発生する手段としては、水素ラジカルの放出方向がデブリを含む排気流と交差するよう配置された水素ラジカル発生部31a,31b、および、水素ラジカルの放出方向がSnおよび/またはSn化合物が堆積したEUV集光鏡5表面に対向するように設置されたラジカル発生部32a,32bが設けられている。ラジカル発生部31a,31b,32a,32bは、いずれも、デブリトラップ4とEUV集光鏡5との間の空間に配置されている。
図7に水素ラジカル発生部の具体的構成例を示す。
水素ラジカル発生部31a,31b,32a,32bは、内部の反応室311にフィラメント312が挿入されたバルブ310を有する。
反応室311間の両端部近傍には、各々、水素ガス導入管部313、水素ラジカル排出管部314が設けられている。水素ラジカル導入管部313は、駆動制御部33が有する水素供給源であるH2 ガス供給ユニット33dに接続される。このH2 ガス供給ユニット33dより、水素ガス導入管部313からフィラメント312が挿入された反応室311に水素ガスが供給される。
フィラメント312は、直径0.4mm程度のタングステン(W)フィラメントである。フィラメント312の両端部は、例えば、モリブデン(Mo)よりなる金属箔端部315と溶接等で接続されている。フィラメント312の端部と接続されている側と反対側の金属箔端部315には、金属棒316の一部が金属箔と溶接等で接続されている。
金属箔とこの金属箔両端部にそれそれ接続されているフィラメント312の端部、金属棒316の一部は、例えば、熱溶着によりシールされ、シール部317を形成している。各金属棒316のシール側とは反対側の端部は、駆動制御部33が有するエネルギー供給源である加熱用電源33eに接続される。すなわち、加熱用電源33eよりタングステンのフィラメント312に電力が供給される。
フィラメント312が挿入された反応室311に水素ガスが供給された状態で、タングステン・フィラメント312に加熱用電源33eから電力が供給されると、タングステン・フィラメント312は加熱される。そして通電加熱されたタングステン・フィラメント312と接触した水素分子は、解離して水素ラジカルとなる。
尚、水素ラジカル発生部31a,31b,32a,32bを構成するバルブは、必ずしも図7のようなシール部を設けなくてもよく、図8に示すように両端が開放されたバルブ320であってもよい。
バルブ320は、例えば、石英ガラスよりなる直径10mm、長さ50mm程度の管である。この場合、管形状のバルブ320の一端部が水素ガス導入管部313であり、水素ガス導入管部313はH2 ガス供給ユニット33dに接続される。すなわち、管形状のバルブ320の一端部から水素ガスが供給される。また、管形状のバルブの他端部は図7における水素ラジカル排出管部314に相当し、管形状のバルブの内側空洞が反応室311に相当する。
上記内側空洞である反応室311には、直径0.4mm程度のタングステン・フィラメント322が挿入される。タングステン・フィラメント322の両端は加熱用電源33eに接続される。なお、タングステン・フィラメント322の水素ガス導入管部側の一端と加熱用電源33eとの配線は、H2 ガス供給ユニット33dと水素ガス導入管部313とを接続する配管を貫通してなされる。
本構成においても、タングステン・フィラメント322が挿入された反応室311に水素ガスが供給された状態で、タングステン・フィラメント322に加熱用電源33eから電力が供給されると、タングステン・フィラメント322は加熱される。そして通電加熱されたタングステンフィラメント322と接触した水素分子は、解離して水素ラジカルとなり、開放された端部314から放出される。
図8に示す水素ラジカル発生部の構成はシール部を設けていないので、図7に示すものより、簡単に製作することが可能であり、製造コストも安価になる。
図5に戻り、ラジカル発生部31a,31b,32a,32bの水素ラジカル放出側端部と反対側の端部は、各々、駆動機構G1,G2,G3,G4に接続されている。駆動機構G1,G2,G3,G4は、駆動制御部33が有するドライバである駆動ユニット33cにより駆動され、ラジカル発生部31a,31b,32a,32bを、図5の左右方向、上下方向に移動させる。なお、駆動機構G1,G2,G3,G4は、チャンバ10を構成する第2の容器10bとの接続部分は気密に保たれている。
ラジカル発生部31a,31b,32a,32bの各フィラメントは、それぞれ、図7、図8に示したように、スイッチS1,S2,S3,S4を介して駆動制御部33が有する加熱用電源33eと接続されている。
各フィラメントと加熱用電源33eとの配線は、例えば、駆動機構G1,G2,G3,G4に設けられた、気密を保ちながら電源を供給することができる不図示の接続部(気密を保ちながら電源などを供給できる機構を以下ではフィードスルー部という)を介してなされる。そのため、配線によって、第2の容器10bの気密性は損なわれない。
また、ラジカル発生部31a,31b,32a,32bは、それぞれ、バルブV1,V2,V3、V4を介して駆動制御部33が有するH2 ガス供給ユニット33dに接続される。各ラジカル発生部とH2 ガス供給ユニット33dとの配管構造も、上記した電気配線と同様、例えば、駆動機構G1,G2,G3,G4に設けられた不図示のフィードスルー部を介してなされる。そのため、配管構造によって、第2の容器10bの気密性は損なわれない。なお、配管は、例えば、金属ベローズ製のフレキシブル管によりなされる。そのため、ラジカル発生部31a,31b,32a,32bが駆動機構G1,G2,G3,G4によって、図5の左右方向、上下方向に移動する場合も、配管によって移動自由度が損なわれることはない。
駆動制御部33は、メインコントローラ40により制御される。ラジカル発生部31a,31b,32a,32bへの水素ガスの供給制御は、メインコントローラ40の指令信号によるバルブV1,V2,V3、V4の開閉制御により実現される。
同様に、ラジカル発生部31a,31b,32a,32bへの電力供給は、スイッチS1,S2,S3,S4の開閉制御により実現される。
また、ラジカル発生部31a,31b,32a,32bの位置決めは、メインコントローラ40から位置決め信号に基づく駆動ユニット33cによる位置制御により実現される。
本実施例によれば、デブリトラップ4とEUV集光鏡5との間に、デブリを含む排気流と水素ラジカルの放出方向とが交差するように、水素ラジカル発生部31a,31bを設けているので、デブリトラップ4を通過した気相状態のSn、金属クラスタSnx 、フラグメントSnHx 等と水素ラジカルとを反応させ、高蒸気圧でガス状のSn水素化物(例えば、SnH4 )を形成させ、排気手段により排気することが可能となった。すなわち、EUV集光鏡等に到達するSn微粒子、Snクラスタを低減させることが可能となった。 特に、複数のラジカル発生部31a,31bを設けているので、効率的に水素ラジカルとSnに起因するデブリとを反応させることが可能となった。
また、デブリトラップ4とEUV集光鏡5との間に、水素ラジカルの放出方向がSnおよび/またはSn化合物が堆積したEUV集光鏡表面に対向するように、水素ラジカル発生部32a,32bを設けているので、EUV集光鏡5の表面に堆積したSnおよび/またはSn化合物と水素ラジカルとを反応させ、高蒸気圧でガス状のSn水素化物(例えば、SnH4 )を形成させ、排気手段により排気することが可能となった。すなわち、EUV集光鏡のクリーニングを行うことが可能となった。
特に、複数のラジカル発生部32a,32bを設けているので、効率的にEUV集光鏡表面に堆積したSnおよび/またはSn化合物と水素ラジカルとを反応させることが可能となった。
また、各ラジカル発生部31a,31b,32a,32bは、位置決め制御が可能であるので、それぞれ、デブリトラップ4とEUV集光鏡5との間の空間であって、EUV光がEUV集光鏡5に入射する入射光路外に配置させることが可能となる。よって、EUV光源装置が稼動中であっても、集光効果を損なうことなく、水素ラジカルを照射することが可能となった。
なお、前記したようにラジカル発生部31a,31b,32a,32bは、必ずしも全て設ける必要はなく、例えば、ラジカル発生部31a,31bのみ、あるいは、ラジカル発生部32a,32bのみであってもよい。これらの場合においても、従来と比較して、Sn等の放射種に起因するデブリの影響を抑制することができる。
図5に示すEUV光源装置において、水素ラジカルよる反応実験を行った。EUV放射種を供給するための原料としてSnH4 ガスを使用し、EUV発生部で約60分間放電させた。なお、放電中は、ラジカル発生部31a,31b,32a,32bからの水素ラジカル放出は行っていない。モニタユニットの検出結果より、EUV集光鏡5には約5μmのSnおよび/またはSn化合物が堆積していることが分った。
放電終了後、ラジカル発生部32a,32bからEU集光鏡5に向けて水素ラジカルを放出した。このとき、ラジカル発生部32a,32bへの水素ガス供給量は、流量約1×10-43 /min(25°C、1気圧)であり、フィラメント温度が約1800°Cとなるように通電加熱した。このときのチャンバ内圧力は、100Pa、EUV集光鏡5の温度は室温程度に保った。
約50分間の水素ラジカル照射後のEUV集光鏡表面をX線光電子分光分析装置(XPS)で分析したところ、Sn残存量は検出限界(0.1At%)以下となり、また、照射前には見られなかったEUV集光鏡5の最表層を覆うモリブデン(Mo)が検出された。このときのSn除去速度は2nm/秒以上であると推測される。
以上の結果より、水素ラジカルをSnおよび/またはSn化合物が堆積したEUV集光鏡表面に導入すると、効果的にEUV集光鏡表面に堆積したSnおよび/またはSn化合物を除去することが可能であることが実証された。また、詳細な分析により、EUV集光鏡の最表層を覆うモリブデンには何らダメージを与えていないことも分った。
なお、水素ラジカル発生方法としては、上記したような水素ガス中でフィラメントを加熱して水素ラジカルを生成する熱触媒方式に限らず、マイクロ波プラズマや高周波プラズマを用いて水素ラジカルを生成するプラズマ生成方式を採用してもよい。
しかしながら、EUV集光鏡表面に堆積したSnおよび/またはSn化合物を除去するのに両方式を適用して比較したところ、熱触媒方式を用いた方がプラズマ生成方式を用いる場合よりも短時間でEUV集光鏡表面に堆積したSnおよび/またはSn化合物を除去することができた。
この原因は必ずしも明らかではないが、熱触媒方式はプラズマ生成方式と比較して、水素ガス利用効率が高く、水素ラジカルが1桁〜2桁程度多く生成されたためであると考えられる。また、前者によれば、水素ラジカルの並進エネルギーが高いとともに、振動励起された水素分子も含まれていることも影響していると考えられる。
なお、プラズマ生成方式は、プラズマ放電電極、マイクロ波発生手段、高周波発生手段等が必要であって、大掛かりな発生装置が必要となる。よって、熱触媒方式はプラズマ生成方式と比較して、構造が簡単であり、経済性に優れるという利点も有する。
(2)第1の実施例の変形例
第1の実施例のEUV装置は、図5に示すものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、図9に示すように、EUV集光鏡5およびラジカル発生部32a,32bの水素ラジカル排出管部を包囲するような、ラジカル拡散防止壁7を設けてもよい。このラジカル拡散防止壁7は、例えば、石英ガラス、セラミックス等の絶縁物からなり、円筒形状に構成される。このようなラジカル拡散防止壁7を設けることにより、ラジカル発生部32a,32bから放出される水素ラジカルのEUV集光鏡5の表面近傍における密度を高めることができる。発明者らが調査したところ、ラジカル拡散防止壁7を設けることにより、EUV集光鏡5の表面に堆積したSnおよびSn化合物の除去速度を、ラジカル拡散防止壁7を設けない場合と比較して、1.5倍以上にすることができた。
また、第1の実施例において、ガス供給・排気ユニット20から、EUV放射種の原料(例えば、SnH4 )の代わりに水素ガスを高密度高温プラズマ生成部3に供給して、第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1b間に放電を発生させ、水素ラジカルを発生させてもよい。この場合、絶縁材2の開口近傍、および、その周辺に付着したSnおよびSn化合物のクリーニングも可能となる。
また、ラジカル発生部32a,32bからEUV集光鏡5等への水素ラジカルの導入も併用して実施すると、EUV集光鏡5における水素ラジカルの密度がさらに高まり、EUV集光鏡5に堆積するSnおよび/またはSn化合物を高速に除去することが可能となる。発明者らが調査したところ、水素放電およびラジカル発生部32a,32bにおけるラジカル発生を併用させると、ラジカル発生部32a,32bにおけるラジカル発生のみを行う場合と比較して、EUV集光鏡5の表面に堆積したSnおよびSn化合物の除去速度を、1.2倍以上にすることができた。
(3)第2の実施例
図10に、本発明の第2の実施例の水素ラジカル発生手段を搭載したEUV光源の具体的な構成例を示す。尚、EUV光源装置としては、図3、図5と同様、DPP方式EUV光源装置を示しており、図3、図5と同一のものには同一の符号が付されており、同一の部分については説明を省略する。
本実施例は、図5に示した第1の実施例の構成において、更にEUV集光鏡5のEUV光出射側に、ラジカル発生部32c,32dを設けたものである。
すなわち、ラジカル発生部32c,32dは、EUV集光鏡5のEUV光出射側であって、水素ラジカルの放出方向がSnおよび/またはSn化合物が堆積したEUV集光鏡5の表面に対向するように設置される。ラジカル発生部32a,32bと同様、ラジカル発生部32c,32dは、図8に示すような開放された端部から水素ラジカルを放出する構造となっている。
また、ラジカル発生部32c,32dの水素ラジカル放出側端部と反対側の端部は、各々、駆動機構G5,G6に接続されている。駆動機構G5,G6は、駆動制御部33が有するドライバである駆動ユニット33cにより駆動され、ラジカル発生部32c,32dを、図10の左右方向、上下方向に移動させる。なお、駆動機構G5,G6は、チャンバを構成する第2の容器10bとの接続部分は気密に保たれている。
ラジカル発生部32c,32dの各フィラメントは、それぞれ、スイッチS5,S6を介して駆動制御部33が有する加熱用電源33eと接続されている。
各フィラメントと加熱用電源33eとの配線は、例えば、駆動機構G5,G6に設けられた不図示のフィードスルー部を介してなされる。そのため、配線によって、第2の容器10bの気密性は損なわれない。
また、ラジカル発生部32c,32dは、それぞれ、バルブV5,V6を介して駆動制御部33が有するH2 ガス供給ユニット33dに接続される。
各ラジカル発生部とH2 ガス供給ユニット33dとの配管構造も、上記した電気配線と同様、例えば、駆動機構G5,G6に設けられた不図示のフィードスルー部を介してなされる。そのため、配管構造によって、第2の容器10bの気密性は損なわれない。
なお、上記配管は、例えば、金属ベローズ製のフレキシブル管によりなされる。そのため、ラジカル発生部32c,32dが駆動機構G5,G6によって、図10の左右方向、上下方向に移動する場合も、配管によって移動自由度が損なわれることはない。
ラジカル発生部32c,32dへの水素ガスの供給制御は、メインコントローラ40の指令信号によるバルブV5,V6の開閉制御により実現される。
同様に、ラジカル発生部32c,32dへの電力供給は、スイッチS5,S6の開閉制御により実現される。
また、ラジカル発生部32c,32dの位置決めは、メインコントローラ40から位置決め信号に基づく駆動ユニット33cによる位置制御により実現される。
なお、上記ラジカル発生部の構造、機能等は、第1の実施例に示すものと同様であるので、説明は省略する。
本実施例によれば、第1の実施例と同様の効果を奏することができる。さらに、EUV集光鏡5のEUV光出射側であって、水素ラジカルの放出方向がSnおよび/またはSn化合物が堆積したEUV集光鏡5の表面に対向するようにラジカル発生部32c,32dを設置したので、EUV集光鏡表面に堆積したSnおよび/またはSn化合物と水素ラジカルとを更に効率よく反応させることが可能となった。
すなわち、EUV集光鏡5の上下部に、それぞれラジカル発生部32a,32bとラジカル発生部32c,32dを設けたので、第1の実施例のものと比較して、約2倍以上の速度でEUV集光鏡のクリーニングを行うことが可能となった。
また、ラジカル発生部32c,32dは、ラジカル発生部31a,31b,32a,32bと同様、位置決め制御が可能であるので、EUV集光鏡の下部空間であって、集光領域外に配置させることが可能となる。よって、EUV光源装置が稼動中であっても、集光効果を損なうことなく、水素ラジカルを照射することが可能である。
(4)第3の実施例
図11に、本発明の第3の実施例として水素ラジカル発生手段を搭載したEUV光源の具体的な構成例を示す。尚、EUV光源装置としては、図3、図5と同様、DPP方式EUV光源装置を示しており、図3、図5と同一のものには同一の符号が付されており、同一の部分については説明を省略する。
本実施例は、前記図6に示したEUV集光鏡5のミラー5aを支持するために設けられたハブ状支柱5cを空洞とし、かつ、多数の開口部を設け、このハブ状支柱5cとラジカル発生部を結合して、水素ラジカルを上記ハブ状支柱5cの空洞に導入し、上記開口部から水素ラジカルをEUV集光鏡5の反射面に供給するようにしたものである。
前記したようにEUV集光鏡5は、径の異なる回転楕円体、または、回転放物体形状のミラーを複数枚具える。これらのミラーは、同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置される。上記複数枚のミラーは、同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した多重配置構造を維持するために前記したように中央支柱5b、ハブ状支柱5cを備える。
図12(a)は、本実施例で用いるEUV集光鏡の構成例であり、図11に示すEUV集光鏡のA−A断面図である。
図12(a)に示す例では、EUV集光鏡5は、径の異なる回転楕円体、または、回転放物体形状のミラーを2枚備え、これらのミラー5a−1(内側ミラー),5a−2(外側ミラー)は、前記したように同一軸上に焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置され、中央支柱5bに固定されたハブ状支柱5cにより内側ミラー5a−1、外側ミラー5a−2は固定・位置決めされ、上記二重配置構造が維持されている。
ハブ状支柱5cは、図12(b)に示す断面図のように内部に空洞5eを有し、複数の開口5dが設けられる。この開口5dは、ハブ状支柱5cにおいて、内側ミラー5a−1の反射面、外側ミラー5a−2の反射面を見通すことが可能な部位に設けられる。ハブ状支柱5cの端部の一部は図示を省略した開口部を有し、この開口部と、図11に示すラジカル発生部32c,32dの水素ラジカル放出管部とが接続される。なお、ラジカル発生部32c,32dと接続されないハブ状支柱5cの端部は閉塞構造となっている。
なお、EUV集光鏡5の光軸と略一致する位置に設けられた中央支柱5bの内部に、ハブ状支柱5cと同様の内部に空洞を設け、図11に示すように複数の開口を設けてもよい。中央支柱5bに設けられる空洞は、ハブ状支柱5cの空洞と接続される。また、中央支柱5bに設けられる複数の開口は、中央支柱5bの内側ミラー反射面と対向する部位に設けられる。
図11に戻り、ラジカル発生部32c,32dは、上記したようにEUV集光鏡5と接続され、第2の容器10b内に固定される。
ラジカル発生部32c,32dの各フィラメントは、それぞれ、スイッチS2,S4を介して駆動制御部33が有する加熱用電源33eと接続されている。
各フィラメントと加熱用電源33eとの配線は、第2の容器10bの壁部に設けられたフィードスルー部F1,F2,F3,F4を介してなされる。よって、配線によって、第2の容器の気密性は損なわれない。
また、ラジカル発生部32c,32dは、それぞれ、バルブV2,V4を介して駆動制御部33が有するH2 ガス供給ユニット33dに接続される。各ラジカル発生部とH2 ガス供給ユニットとの配管構造も、上記した電気配線と同様、フィードスルー部F2,F4を介してなされる。そのため、配管構造によって、第2の容器10bの気密性は損なわれない。
ラジカル発生部32c,32dへの水素ガスの供給制御は、メインコントローラ40の指令信号によるバルブV2,V4の開閉制御により実現される。同様に、ラジカル発生部32c,32dへの電力供給は、スイッチS2,S4の開閉制御により実現される。
なお、ラジカル発生部31a,31b,32c,32dの構造、機能等は、第1の実施例に示すものと同様であるので、説明は省略する。
以上のように、本実施例においては、径の異なる回転楕円体、または、回転放物体形状の複数枚のミラーを、同一軸上に、焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した多重配置構造のEUV集光鏡5を用い、このような一般的な構造のEUV集光鏡において、上記複数のミラーを位置決めして保持するハブ状支柱5c(またはハブ状支柱5cと中央支柱5b)を空洞構造とし、支柱における上記複数のミラーの反射面に対向する部位に複数の開口を設けている。そして、このような構造のハブ状支柱5cの空洞部とラジカル発生部32c,32dとを接続し、ラジカル発生部32c,32dより放出される水素ラジカルを上記空洞部に供給して、上記複数のミラーの反射面に対向する部位に設けた開口より水素ラジカルを放出している。
以上のような構成により、水素ラジカル供給をミラーの反射面に近い位置から行うことが可能となり、水素ラジカルがミラー反射面に到達するまでの拡散も抑制されるので、先に述べた実施例と比較して、EUV集光鏡表面に堆積したSnおよび/またはSn化合物と水素ラジカルとの反応を高効率に行うことが可能となり、迅速に高蒸気圧でガス状のSn水素化物(例えば、SnH4 )を形成させ、排気手段により排気することが可能となった。すなわち、EUV集光鏡のクリーニングを短時間で行うことが可能となった。
特に、EUV集光鏡の光軸と略一致するハブ状支柱の中央部に、その内部に上記ハブ状支柱の空洞と接続された空洞を有し、複数の開口が内側ミラー反射面と対向する部位に設けられた例えば円柱状の中央支柱を設けることにより、上記効果はさらに促進することが可能となった。
上記構造のハブ状支柱、中央支柱を有するEUV集光鏡を用いて、水素ラジカルを供給したところ、第1の実施例と比較して、EUV集光鏡に堆積したSnおよび/またはSn化合物の除去速度を1.5倍以上にすることができた。
(5)第4の実施例
図13に、本発明の第4の実施例として水素ラジカル発生手段を搭載したEUV光源の具体的な構成例を示す。尚、EUV光源装置としては、図3、図5と同様、DPP方式EUV光源装置を示しており、図3と同一のものには同一の符号が付されており、同一の部分に関しては、説明を省略する。
本実施例は、第1の実施例の変形例である。第1の実施例に示したEUV光源装置においては、位置決め制御可能なラジカル発生部の配置を、高密度高温プラズマから放出されるEUV光がEUV集光鏡に入射する光路を遮光しない位置に位置決めすることにより、EUV光源装置が稼動中であっても集光効果を損なうことなく、水素ラジカルを照射することが可能であった。
本実施例においては、EUV光源装置が休止中に水素ラジカルによるデブリ処理を行うことに主眼を置いている。
例えば、高密度高温プラズマから放出されEUV集光鏡に入射するEUV光の入射光路外にラジカル発生部を配置させるとき、ラジカル発生部からEUV集光鏡に導入される水素ラジカルの量が、必ずしも十分でない場合がある。
その場合、ラジカル発生部とEUV集光鏡とが近接するようにラジカル発生部を移動させる必要がある。このとき、ラジカル発生部は、EUV集光鏡に入射するEUV光を一部遮光する位置に配置される。よって、このような配置における水素ラジカルによる処理はEUV光源装置が休止中に実施することになる。
また、EUV光源装置において、装置仕様によっては、高密度高温プラズマ発生部からより多くのEUV光をEUV集光鏡で捕集するために、EUV光を放出する高密度高温プラズマ発生部とEUV集光鏡との距離をある程度短くしておく必要がある。その場合、デブリトラップとEUV集光鏡との間の空間にラジカル発生部を配置することが困難になることもある。
この場合、EUV光源装置休止中に、ラジカル発生部のみならず、EUV集光鏡も移動させて、水素ラジカルによる処理を行う必要がある。
以上のような事情に鑑み、図13に示す第4の実施例におけるEUV光源装置は、図5に示した第1の実施例のものに、EUV集光鏡を移動して位置制御するための構造を付加したものである。
図13において、EUV集光鏡5は、移動ステージ8の移動部8aに接続される。移動ステージ8は、移動用ドライバを具える移動ステージ制御部80により位置制御される。本実施例においては、メインコントローラ40から送出される位置決め信号を、移動ステージ制御部80が受信すると、移動ステージ8が駆動されEUV集光鏡5の位置制御が行われる。移動ステージ8の移動方向は、例えば、三次元方向であり、図13の上下方向、左右方向、紙面に垂直な方向に移動可能である。また、左右方向、紙面に垂直な方向を軸としてEUV集光鏡5を回転させ。傾きを変えられるようにしてもよい。
なお、ラジカル発生部31a,31b,32a,32bの構成、機能等は第1の実施例のものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
図14、図15は本実施例の水素ラジカルによるクリーニング処理の一例を示すフローチャートであり、本実施例における水素ラジカルによるクリーニング処理は、例えば、以下のように行われる。
露光機の制御部70より、メインコントローラ40にEUV放射休止信号が送出される(S101)。
EUV放射休止信号を受信したメインコントローラ40は、高電圧パルス発生部50を制御して、主放電電極1a,1b間の放電を停止してEUV放射を休止させた後、ガス供給・排気ユニット20に排気信号を送出する(S102)。
ガス供給・排気ユニット20は、受信した排気信号に基づき、チャンバ10内部の排気を開始する(S103)。ここで、単位時間あたりの排気量は、後のステップでラジカル発生部32a,32bから放出される水素ガスならびに水素ラジカルが効果的に排気される量に予め調整されている。
メインコントローラ40は、移動ステージ制御部80にEUV集光鏡移動指令を送出する(S104)。移動ステージ制御部80は、移動ステージ8を駆動して、EUV集光鏡5を、例えば、図13の下側の所定位置へ移動させて位置決めする(S105)。なお、上記所定位置とは、例えば、EUV集光鏡5の上部とデブリトラップ4との間の空間内にラジカル発生部32a,32bが進入可能となるように設定される位置である。
位置決め終了後、移動ステージ制御部80は、位置決め終了信号をメインコントローラ40に送出する(S106)。位置決め終了信号を受信したメインコントローラ40は、駆動制御部33に水素ラジカル発生開始信号を送出する(S107)。ここで、メインコントローラ40は、膜厚測定手段35よりEUV集光鏡5に堆積したSnおよび/またはSn化合物量の算出結果を取得しているものとする。
駆動制御部33は、メインコントローラ40から受信した水素ラジカル発生開始信号に基づき、ラジカル発生部32a,32bの水素ラジカル排出管部を、水素ラジカル排出管部から放出される水素ラジカルがEUV集光鏡5のSnおよび/またはSn化合物が堆積した部分に効果的に導入される所定位置に位置決めするように、駆動ユニット33cの動作を開始させる駆動開始信号を駆動ユニット33cに送出する(S108)。
駆動ユニット33cは、駆動開始信号に基づき駆動機構G2,G4を駆動して、ラジカル発生部32a,32bを上記所定位置に位置決めする(S109)。
駆動ユニット33cによる位置決め終了後、駆動制御部33は、バルブV2,V4を開状態とし水素ガス(H2 )供給ユニット33dから水素ガスをラジカル発生部32a,32bに供給する。同時に駆動制御部33は、例えば、カウンタから構成される不図示の時間計測手段の動作を開始させる(S110)。
次に、駆動制御部33は、所定時間経過後に上記時間計測手段から発せられるカウント終了信号に基づき、加熱用電源33eに接続されているスイッチS2,S4をon状態にして、ラジカル発生部32a,32bの水素ガスが供給されている反応室に挿入されているフィラメントに電力を供給する(S111)。同時に、駆動制御部33は、メインコントローラ40にラジカル発生部動作開始信号を送出する(S112)。
ここで、上記所定時間とは、上記反応室内部に水素ガスが十分に行き渡る時間である。また、上記時間計測手段は、カウント終了信号送出後リセットされる。
フィラメント点灯が開始した時点で、水素ラジカルの発生が開始し、ラジカル発生部32a,32bの水素ラジカル排出管部から水素ラジカルがEUV集光鏡5のSnおよび/またはSn化合物が堆積した部位に導入される。
なお、メインコントローラ40は、また、図示を省略した例えば、カウンタから構成されるクリーニング時間計測手段を有しており、ステップS112で駆動制御部から送出されたラジカル発生部動作開始信号を受信後、上記クリーニング時間計測手段のカウントの動作を開始させる(S113)。
所定時間経過後にクリーニング時間計測手段から発せられるカウント終了信号に基づき、メインコントローラ40は、駆動制御部33に水素ラジカル発生停止信号を送出する(S114)。ここで、上記所定時間とは、EUV集光鏡5のSnおよび/またはSn化合物が堆積した部位からSnおよび/またはSn化合物が除去される時間である。
上記したように、メインコントローラ40は、膜厚測定手段35よりEUV集光鏡5に堆積したSnおよび/またはSn化合物量の算出結果を取得している。
一方、ラジカル発生部32a,32bより放出される水素ラジカルの量は一定であるとし、この一定量の水素ラジカルが単位時間あたりにSnおよび/またはSn化合物と反応する量も予めメインコントローラ40において記憶されているものとする。この単位時間あたりの反応量とEUV集光鏡5におけるSnおよび/またはSn化合物の堆積量とから、ステップS114における上記所定時間は決定される。
駆動制御部33は、ステップS114において水素ラジカル発生停止信号を受信後、スイッチS2,S4をoff状態にして、ラジカル発生部32a,32bのフィラメントへの電力供給を停止する(S115)。次に、駆動制御部33は、バルブV2,V4を閉状態としラジカル発生部32a,32bへの水素ガス供給ユニット33dからの水素ガス供給を停止する(S116)。
さらに駆動制御部33は、駆動ユニット33cによって駆動機構G2,G4を駆動して、ラジカル発生手段32a,32bを、高密度高温プラズマから放出されるEUV光がEUV集光鏡5に入射する光路を遮光しない位置に退避するように、位置決めする(S117)。
駆動ユニット33cによる位置決め終了後、駆動制御部33は、メインコントローラ40にラジカル発生部動作終了信号を送出する(S118)。
メインコントローラ40は、駆動制御部33よりラジカル発生部動作終了信号を受信後、移動ステージ制御部80にEUV集光鏡移動指令を送出する(S119)。
移動ステージ制御部80は、移動ステージ8を駆動して、EUV集光鏡5を、高密度高温プラズマから放出されるEUV光を集光する所定へ移動させて位置決めする(S120)。位置決め終了後、移動ステージ制御部80は、位置決め終了信号をメインコントローラ40に送出する(S121)
メインコントローラ40は、移動ステージ制御部80から位置決め終了信号を受信後、ガス供給・排気ユニット20に排気停止信号を送出する(S122)。
ガス供給・排気ユニット20は、受信した排気停止信号に基づき、チャンバ10内部の排気を停止する(S123)。なお、引き続き、EUV光発生を開始する場合、ガス供給ユニット20は、チャンバ10内部の排気を停止せず、高密度高温プラズマ発生部3の圧力が所定の圧力に設定されるようにチャンバ内へのSnH4 ガスの供給量ならびに排気量を調節する。
ステップS123終了後、メインコントローラ40は、露光機の制御部70にSnおよび/またはSn化合物の除去終了信号を送出する(S124)。
なお、本実施例における水素ラジカル処理において、ラジカル発生部とEUV集光鏡とが近接するようにラジカル発生部を移動させるにあたり、EUV集光鏡の位置は所定の集光位置のままでよい場合は、上記手順において、ステップS104〜S106、S119〜S121は省略される。
本実施例によれば、ラジカル発生部の位置制御が可能であるので、ラジカル発生部とEUV集光鏡とが近接するようにラジカル発生部を移動させ、ラジカル発生部からEUV集光鏡に導入される水素ラジカルの量を十分に確保することができる。
特に、EUV光源装置の休止時においては、高密度高温プラズマから放出されるEUV光がEUV集光鏡に入射する光路を遮光しない位置に位置決めするという制限も無くなるので、上記効果は増大する。
また、EUV集光鏡の位置制御機構を設けたので、EUV光源装置の休止時において、EUV集光鏡、ラジカル発生部の位置を適切に調節することにより、EUV集光鏡表面に堆積したSnおよび/またはSn化合物と水素ラジカルとを反応させ、高蒸気圧でガス状のSn水素化物(例えば、SnH4 )を形成させ、排気手段により排気することが可能となった。
よって、EUV光を集光する場合のEUV集光鏡の位置による制限で、デブリトラップとEUV集光鏡との間の空間にラジカル発生部を配置することが困難である場合も、EUV光源装置の休止時においては、EUV集光鏡のクリーニングを効果的に行うことが可能となった。
すなわち、本実施例においては、ラジカル発生部、EUV集光鏡が移動機構を持つことにより、放電時とクリーニング時とで両者の最適な位置制御が可能となった。
本実施例においては、EUV集光鏡に堆積したSnおよび/またはSn化合物と水素ラジカルとを反応させる場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、高密度高温プラズマ発生部3の直下に配置されるデブリトラップ4や、絶縁材2の開口部等にもSnに起因するデブリは堆積するので、駆動ユニット33cによって駆動機構G1,G3を駆動して、ラジカル発生部31a,31bから放出される水素ラジカルがデブリトラップ4や絶縁材2の開口部等にも十分に導入されるように、ラジカル発生部31a,31bを位置決めしてもよい。
(6)第5の実施例
図16に、第5の実施例として、水素ラジカル発生手段を搭載したEUV光源の具体的な構成例を示す。尚、EUV光源装置としては、図3、図5と同様、DPP方式EUV光源装置を示しており、図3、図5と同一のものには同一の符号を付しており、同一の部分については説明を省略する。
本実施例のEUV光源装置は、EUV集光鏡5−1,5−2が2組連結して構成されるEUV集光鏡ユニット91を備える。このEUV集光鏡ユニット91は、一次元方向に往復移動可能な直動ステージ93に搭載され、直動可能に保持される。
本実施例のEUV光源装置は、直動可能なEUV集光鏡ユニット91の一方のEUV集光鏡が高密度高温プラズマから放出されるEUV光を集光する位置に配置されたときに、他方のEUV集光鏡に堆積したSnおよびSn化合物をラジカル発生部から放出される水素ラジカルによって除去するものである。
図17は本実施例で用いる直動機能を有するEUV集光鏡ユニットの構成例を示す図であり、図16におけるB−B断面図である。
図16、図17において、EUV集光鏡ユニット91は、2つのEUV集光鏡5−1,5−2とを集光鏡保持部92により連結した構造である。この集光鏡保持部92は、更に、図16、図17の矢印方向である一次元方向に往復移動可能な直動ステージ93に搭載される。直動ステージ93の移動方向は、2本のレール94により規制される。
直動ステージ93は、移動用ドライバを具える直動機構制御部90により位置制御される。本実施例においては、メインコントローラ40から送出される位置決め信号を直動機構制御部90が受信すると、直動ステージ93が駆動されEUV集光鏡ユニット91の位置制御が行われる。
図16に戻り、上記EUV集光鏡ユニット91は、メインコントローラ40により、EUV集光鏡5−1が集光位置に配置され、EUV集光鏡5−2が位置Aに配置される状態と、EUV集光鏡5−2が集光位置に配置されEUV集光鏡5−1が位置Bに配置される状態とが交互に実現されるように位置制御される。
ラジカル発生部36a,36b,37a,37bは、例えば、図7に示したようにシール部を有している。バルブ310の中央部の1箇所に水素ガス導入管部313が設けられ、バルブ310の両端部にそれぞれ1箇所ずつ、水素ラジカル排出管部314が設けられている。ラジカル発生部36b,37bは、EUV集光鏡5−2が位置Aに位置決めされたとき、各ラジカル発生部36b,37bのそれぞれ2箇所の水素ラジカル排出管部314から放出される水素ラジカルの放出方向がEUV集光鏡5−2の反射面に対向するように、第2の容器10bに固定されている。ここで、ラジカル発生部36bは上記位置決めされたEUV集光鏡5−2の上方に固定され、ラジカル発生部37bは上記位置決めされたEUV集光鏡5−2の下方に固定される。
同様に、ラジカル発生部36a,37aは、EUV集光鏡5−1が位置Bに位置決めされたとき、各ラジカル発生部36a,37aのそれぞれ2箇所の水素ラジカル排出管部から放出される水素ラジカルの放出方向がEUV集光鏡5−1の反射面に対向するように、第2の容器10bに固定されている。ここで、ラジカル発生部36aは上記位置決めされたEUV集光鏡5−1の上方に固定され、ラジカル発生部37aは上記位置決めされたEUV集光鏡5−1の下方に固定される。
ラジカル発生部36b,37bの各フィラメントは、それぞれ、スイッチS1,S2を介して駆動制御部33が有する加熱用電源33eと接続されている。各フィラメントと加熱用電源33eとの配線は、第2の容器10bの壁部に設けられたフィードスルー部F1,F3,F4,F6を介してなされる。よって、配線によって、第2の容器10bの気密性は損なわれない。
同様に、ラジカル発生部36a,37aの各フィラメントは、それぞれ、スイッチS3,S4を介して駆動制御部33が有する加熱用電源33eと接続されている。各フィラメントと加熱用電源33eとの配線は、第2の容器の壁部に設けられたフィードスルー部F7,F9,F10,F12を介してなされる。よって、配線によって、第2の容器の気密性は損なわれない。
また、ラジカル発生部36b,37bは、それぞれ、バルブV1,V2を介して駆動制御部33が有するH2 ガス供給ユニット33dに接続される。
各ラジカル発生部36b,37bとH2 ガス供給ユニット33dとの配管構造も、上記した電気配線と同様、フィードスルー部F2,F5を介してなされる。そのため、配管構造によって、第210bの容器の気密性は損なわれない。
同様に、ラジカル発生部36a,37aは、それぞれ、バルブV3,V4を介して駆動制御部33が有するH2 ガス供給ユニット33dに接続される。各ラジカル発生部36a,37aとH2 ガス供給ユニット33dとの配管構造も、上記した電気配線と同様、フ
ィードスルー部F8,F11を介してなされる。そのため、配管構造によって、第2の容器10bの気密性は損なわれない。
ラジカル発生部36a,36b,37a,37bへの水素ガスの供給制御は、メインコントローラ40の指令信号によるバルブV1,V2,V3,V4の開閉制御により実現される。同様に、ラジカル発生部36a,36b,37a,37bへの電力供給は、スイッチS1,S2,S3,S4の開閉制御により実現される。
図18〜図20は本実施例の処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、本実施例におけるEUV光源装置の動作手順について図18により説明する。
露光機の制御部70より、メインコントローラ40にEUV発光指令信号が送出される(S201)。EUV発光指令待機状態であったメインコントローラ40は、EUV発光指令信号を受信後、高電圧パルス発生部50を駆動して第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1b間に高電圧パルスが印加させる。上記電極間の高電圧パルスの印加により、高密度高温プラズマが発生して、EUV光が放出される(S202)。
このとき、2つのEUV集光鏡5−1,5−2の表面はいずれもSnおよび/またはSn化合物が堆積していないものとする。また、EUV集光鏡ユニット91は、直動機構制御部90により、EUV集光鏡5−1が集光位置に配置され、EUV集光鏡5−2が位置Aに配置されるように位置決めされている。
EUV発光後、モニタユニット34より検出信号が膜厚測定手段35に送出される(S203)。膜厚測定手段35は、受信した検出信号に基づき、EUV集光鏡5−1に堆積するSnおよび/またはSn化合物量を算出し、算出結果をメインコントローラ40に送出する(S204)。メインコントローラ40は、Snおよび/またはSn化合物量の許容堆積量のしきい値データ(tm)を予め記憶しているものとする。ステップS204において膜厚測定手段35から算出堆積量データを受信したメインコントローラ40は、この算出堆積量データ(tc)と上記しきい値データ(tm)との大小を検定する(S205)。検定の結果、tc<tmのとき、メインコントローラ40はEUV発光指令待機状態に戻る。すなわち、ステップS201に戻る。
上記ステップS201〜205の動作を繰り返してEUV発光が行われ、EUV集光鏡5−1により集光されたEUV光がEUV光取出部6から取り出される。
ここで、検定の結果、tc≧tmになると、メインコントローラ40は露光機の制御部70に発光指令拒否信号を送出するとともに、高電圧パルス発生部の駆動を停止する(S206)。メインコントローラ40より発光指令拒否信号を受信した露光機の制御部70は、メインコントローラ40へのEUV発光指令信号の送出を停止する(S207)。メインコントローラ40は、直動機構制御部90にEUV集光鏡ユニット移動指令を送出する(S208)。
直動機構制御部90は、直動ステージ93を駆動して、EUV集光鏡ユニット91を図16の左側へ移動させ、EUV集光鏡5−2が集光位置に配置され、EUV集光鏡5−1が位置Bに配置されるようにEUV集光鏡ユニット91を位置決めする(S209)。
位置決め終了後、直動機構制御部90は、位置決め終了信号をメインコントローラ40に送出する(S210)。
EUV集光鏡5−1が上記位置Bに位置決めされると、この集光鏡5−1に対して、図19(後述する)に示すクリーニング処理が行われる。
一方、メインコントローラ40は、ステップS210において位置決め終了信号を受信後、露光機の制御部70に発光指令許容信号を送出する(S211)。露光機の制御部70より、メインコントローラ40にEUV発光指令信号が送出される(S212)。
EUV発光指令待機状態であったメインコントローラ40は、EUV発光指令信号を受信後、高電圧パルス発生部50を駆動して第1の主放電電極1a、第2の主放電電極1b間に高電圧パルスを印加させる。上記電極間の高電圧パルスの印加により、高密度高温プラズマが発生して、EUV光が放出される(S213)。
EUV発光後、モニタユニット34より検出信号が膜厚測定手段35に送出される(S214)。膜厚測定手段35は、受信した検出信号に基づき、EUV集光鏡5−2に堆積するSnおよび/またはSn化合物量を算出し、算出結果をメインコントローラ40に送出する(S215)。
メインコントローラ40は、前記したようにSnおよび/またはSn化合物量の許容堆積量のしきい値データ(tm)を予め記憶しており、ステップS215において膜厚測定手段35から算出堆積量データを受信すると、メインコントローラ40は、この算出堆積量データ(tc)と上記しきい値データ(tm)との大小を検定する(S216)。
検定の結果、tc<tmのとき、メインコントローラはEUV発光指令待機状態に戻る。すなわち、ステップS212に戻る。
上記ステップS212〜216の動作を繰り返してEUV発光が行われ、EUV集光鏡5−2により集光されたEUV光がEUV光取出部6から取り出される。
ここで、検定の結果、tc≧tmになると、メインコントローラ40は露光機の制御部70に発光指令拒否信号を送出するとともに、高電圧パルス発生部50の駆動を停止する(S217)。メインコントローラ40より発光指令拒否信号を受信した露光機の制御部70は、メインコントローラ40へのEUV発光指令信号の送出を停止する(S218)。メインコントローラ40は、直動機構制御部90にEUV集光鏡ユニット91移動指令を送出する(S219)。
直動機構制御部90は、直動ステージ93を駆動して、EUV集光鏡ユニット91を図16の右側へ移動させ、EUV集光鏡5−1が集光位置に配置され、EUV集光鏡5−2が位置Aに配置されるようにEUV集光鏡ユニットを位置決めする(S220)。なお、EUV集光鏡5−1は、図19に示す処理によりクリーニング済みであるとする。
EUV集光鏡5−2が上記位置Aに位置決めされると、この集光鏡5−2に対して、図20(後述する)に示すクリーニング処理が行われる。
位置決め終了後、直動機構制御部は、位置決め終了信号をメインコントローラに送出する(S221)
メインコントローラ40は、ステップS221において位置決め終了信号を受信後、露光機の制御部70に発光指令許容信号を送出する(S222)。以降、ステップS201〜ステップS222の動作が繰り返される。
ここで、上記工程は、EUV集光鏡にSnおよび/またはSn化合物が堆積していない状態からSnおよび/またはSn化合物の堆積量が許容堆積量を越えるまでの時間が、EUV集光鏡に堆積したSnおよび/またはSn化合物が、後に示す手順に則り、水素ラジカルにより除去されるまでの時間より長い場合に適用される。
EUV集光鏡にSnおよび/またはSn化合物が堆積していない状態からSnおよび/またはSn化合物の堆積量が許容堆積量を越えるまでの時間が、EUV集光鏡に堆積したSnおよび/またはSn化合物が水素ラジカルにより除去されるまでの時間より短い場合には、上記工程のステップS207とステップS208との間、および、ステップS218とステップS219との間に、所定の待機時間を設ける必要がある。
次に、本実施例における水素ラジカルによる集光鏡5−1,5−2に対するクリーニング処理について、図19、図20により説明する。
前記したように、EUV集光鏡5−1が上記位置Bに位置決めされると、図18のステップS210においてメインコントローラ40は位置決め終了信号を受信して、ステップS211の処理へ移行するが、それと平行して、EUV集光鏡5−1に対して、図19に示すクリーニング処理を行う。
すなわち、図18のステップS210において位置決め終了信号を受信したメインコントローラ40は、駆動制御部33に水素ラジカル発生開始信号を送出する(S301)。 水素ラジカル発生信号を受信した駆動制御部は、バルブV3,V4を開状態とし水素ガス供給ユニット33dから水素ガスをラジカル発生部36a,37aに供給する。同時に駆動制御部33は、例えば、カウンタから構成される不図示の時間計測手段の動作を開始させる(S302)。
次に、駆動制御部33は、所定時間経過後に時間計測手段から発せられるカウント終了信号に基づき、加熱用電源33eに接続されているスイッチS3,S4をon状態にして、ラジカル発生部36a,37aの水素ガスが供給されている反応室に挿入されているフィラメントに電力を供給する(S303)。同時に、駆動制御部33は、メインコントローラ40にラジカル発生部動作開始信号を送出する(S304)。
ここで、上記所定時間とは、上記反応室内部に水素ガスが十分に行き渡る時間である。また、時間計測手段は、カウント終了信号送出後リセットされる。
フィラメント点灯が開始した時点で、水素ラジカルの発生が開始し、ラジカル発生部36a,37aの水素ラジカル排出管部から水素ラジカルがEUV集光鏡5−1のSnおよび/またはSn化合物が堆積した部位に導入される。
なお、メインコントローラ40は、また、図示を省略した例えば、カウンタから構成されるクリーニング時間計測手段を有しており、ステップS304で駆動制御部33から送出されたラジカル発生部動作開始信号を受信後、クリーニング時間計測手段のカウントの動作を開始させる(S305)。
所定時間経過後に上記クリーニング時間計測手段から発せられるカウント終了信号に基づき、メインコントローラ40は、駆動制御部33に水素ラジカル発生停止信号を送出する(S306)。ここで、上記所定時間とは、EUV集光鏡5−1のSnおよび/またはSn化合物が堆積した部位からSnおよび/またはSn化合物が除去される時間である。 前記したように、メインコントローラ40は、しきい値データ(tm)を記憶しており、EUV集光鏡5−1に堆積したSnおよび/またはSn化合物量は、上記tmと略一致しているとする。一方、ラジカル発生部36a,37aより放出される水素ラジカルの量は一定であるとする。
また、この一定量の水素ラジカルが単位時間あたりにSnおよび/またはSn化合物と反応する量も予めメインコントローラ40において記憶されているものとする。
メインコントローラ40は、上記単位時間あたりの反応量とEUV集光鏡5−1におけるSnおよび/またはSn化合物の堆積量とから、ステップS306における上記所定時間は決定する。
駆動制御部33は、ステップS306において水素ラジカル発生停止信号を受信後、スイッチS3,S4をoff状態にして、ラジカル発生部36a,37aのフィラメントへの電力供給を停止する(S307)。次に、駆動制御部33は、バルブV3,V4を閉状態としラジカル発生部36a,37aへの水素ガス供給ユニット33dからの水素ガス供給を停止する(S308)。
ラジカル発生部36b,37bによる集光鏡5−2のクリーニング処理も上記ステップS301〜S308と同様に行われる。
すなわち、前記したように、EUV集光鏡5−2が位置Aに位置決めされると、図18のステップS221においてメインコントローラ40は位置決め終了信号を受信して、ステップS222の処理へ移行するが、それと平行して、EUV集光鏡5−2に対して、図21に示すクリーニング処理を行う。
以下簡潔に集光鏡5−2のクリーニング処理手順(S401〜S408)について説明する。
図18のステップS222において位置決め終了信号を受信したメインコントローラ40より、駆動制御部33に水素ラジカル発生開始信号を送出(S401)。
駆動制御部33は、バルブV1,V2を開状態とし水素ガスをラジカル発生部36b,37bに供給する。同時に、不図示の時間計測手段の動作を開始する(S402)。
駆動制御部33は、時間計測手段から発せられるカウント終了信号に基づき、加熱用電源33eに接続されているスイッチS1,S2をon状態にして、ラジカル発生部36b,37bのフィラメントに電力を供給する(S303)。
同時に、駆動制御部33は、メインコントローラ40に水素ラジカル発生開始信号を送出する(S404)。
フィラメント点灯が開始した時点で、水素ラジカルの発生が開始し、ラジカル発生部36b,37bの水素ラジカル排出管部から水素ラジカルがEUV集光鏡5−2のSnおよび/またはSn化合物が堆積した部位に導入される。
メインコントローラ40は、ステップS404で水素ラジカル発生開始信号を受信後、クリーニング時間計測手段のカウントの動作を開始する(S405)。
クリーニング時間計測手段から発せられるカウント終了信号に基づき、メインコントローラ40は、駆動制御部33に水素ラジカル発生停止信号を送出する(S406)。
駆動制御部33は、ステップ406において水素ラジカル発生停止信号を受信後、スイッチS1,S2をoff状態にして、ラジカル発生部36b,37bのフィラメントへの電力供給を停止する(S407)。
次に、駆動制御部33は、バルブV1,V2を閉状態としラジカル発生部36b,37bへの水素ガス供給ユニット33dからの水素ガス供給を停止する(S408)。
本実施例のEUV光源装置は、上述したように、EUV集光鏡が2組連結して構成され、一次元方向に往復移動可能なEUV集光鏡ユニットを備え、一方のEUV集光鏡が高密度高温プラズマから放出されるEUV光を集光する位置に配置されたときに、他方のEUV集光鏡に堆積したSnおよびSn化合物をラジカル発生部から放出される水素プラズマによって除去することが可能なように構成されている。
すなわち、一方のEUV集光鏡を用いてEUV光を集光すると同時に、他方のEUV集光鏡に堆積したSnおよびSn化合物を水素ラジカルと反応させることで除去することが可能となっている。
よって、モニタユニット、膜厚測定手段でモニタしているデブリのEUV集光鏡への堆積量が許容範囲を超えた際にはクリーニング済みのEUV集光鏡と入れ替えることが可能であり、クリーニングによる放電休止時間、すなわち装置停止時間を短縮し、設備稼働率を上げることができる。
なお、上記したEUV集光鏡入れ替え機構は、図16、図17に示したような一次元方向の直線移動機構を採用しても良いが、回転移動機構(図示せず)採用してもよい。この場合、例えば、図16において、EUV集光鏡5−1の中心軸と、EUV集光鏡5−2の中心軸と等距離の位置に、EUV集光鏡ユニット91の回転軸を配置し、この回転軸を回転させて、EUV集光鏡5−1とEUV集光鏡5−2を、集光位置もしくはクリーニング位置(図16の位置A)移動させるようにすれば、ラジカル発生部36a,37aは不要となり、装置が小型化し、構成が簡単になるという利点を有する。
また、本実施例において、第1の実施例と同様、デブリトラップとEUV集光鏡との間に、デブリを含む排気流とデブリ放出方向とが交差するように、水素ラジカル発生部31a,31bを設けてもよい。この場合、水素ラジカル発生部31a,31bにより、放電種Snに起因するデブリの一部がEUV集光鏡へ到達する前に除去されるので、上記EUV集光鏡ユニットの駆動頻度を低減することができる。
本発明のEUV光源装置は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記様々な実施例において、ラジカル発生部から放出される水素ラジカルの放出方向を、例えば、デブリトラップ4や絶縁材2の開口に向けてもよい。すなわち、高密度高温プラズマ発生部3の直下に配置されるデブリトラップ4や、絶縁材2の開口部等にもSnに起因するデブリは堆積するので、そういったデブリを効果的に除去することができる。
また、上記第1〜第5の実施例では、DPP方式EUV光源装置について示したが、前記図4に示したLPP方式のEUV光源装置に適用可能であることは言うまでも無い。
水素ガス、水素ラジカルを導入し、Snおよび/またはSn化合物の量を調査した際の実験構成を示す図である。 水素ラジカルによる化学反応、水素イオンスパッタ処理を行い、Snおよび/またはSn化合物の量を調査した際の実験構成を示す図である。 本発明を適用したDPP方式のEUV光源装置に適用した場合の概略構成を示す図である。 本発明をLPP方式のEUV光源装置に適用した場合の概略構成を示す図である。 本発明の第1の実施例のEUV光源の具体的な構成例を示す図である。 EUV集光鏡の構成例を示す図である。 水素ラジカル発生部の具体的構成例を示す図である。 水素ラジカル発生部の他の具体的構成例を示す図である。 第1の実施例においてラジカル拡散防止壁を設けた場合の構成例を示す図である。、 本発明の第2の実施例のEUV光源の具体的な構成例を示す図である。 本発明の第3の実施例のEUV光源の具体的な構成例を示す図である。 図11の実施例のEUV集光鏡の構成例を示す図である。 本発明の第4の実施例のEUV光源の具体的な構成例を示す図である。 第4の実施例における水素ラジカルによるクリーニング処理の一例を示すフローチャート(1)である。 第4の実施例における水素ラジカルによるクリーニング処理の一例を示すフローチャート(2)である。 本発明の第5の実施例のEUV光源の具体的な構成例を示す図である。 第5の実施例で用いる直動機能を有するEUV集光鏡ユニットの構成例を示す図である。 第5の実施例におけるEUV光源装置の動作手順の一例を示すフローチャートである。 水素ラジカルによる集光鏡に対するクリーニング処理の一例を示すフローチャート(1)である。 水素ラジカルによる集光鏡に対するクリーニング処理の一例を示すフローチャート(2)である。
符号の説明
1a,1b 主放電電極
2 絶縁材
3 高密度高温プラズマ発生部
4 デブリトラップ
5,5−1,5−2 EUV集光鏡
6 EUV取出部
6a 波長選択手段
7 ラジカル拡散防止壁
8 移動ステージ
10 チャンバ
10a 第1の容器
10b 第2の容器
11 EUV発生部
12 排出口
13 レーザ光入射窓部
14 レーザ装置
20 ガス供給・排気ユニット
21a 原料供給ユニット
21b 排出ユニット
22 原料導入部
23 排出口
24 ガス供給口
25 ガス排出口
30 水素ラジカル発生手段
31 ラジカル発生部
31a,31b ラジカル発生部
32 ラジカル発生部
32a,32b ラジカル発生部
33 駆動制御部
34 モニタユニット
35 膜厚測定手段
36a,36b ラジカル発生部
37a,37b ラジカル発生部
40 メインコントローラ
50 高圧パルス発生部
60 予備電離ユニット
70 露光機(制御部)
80 移動ステージ制御部
90 直動機構制御部
91 集光鏡ユニット
92 集光鏡保持部
93 直動ステージ




Claims (16)

  1. 高密度高温プラズマが発生する容器と、
    この容器内に極端紫外光放射種であるSnおよび/またはSn化合物を含む原料を供給する原料供給手段と、
    上記容器内で上記供給された原料を加熱・励起し高密度高温プラズマを発生させる加熱・励起手段と、
    容器に接続された排気手段と、高密度高温プラズマから放射される極端紫外光を取り出す極端紫外光取り出し部とを有する極端紫外光光源装置において、
    上記容器内に水素ラジカルを導入する水素ラジカル導入手段を設けた
    ことを特徴とする極端紫外光光源装置。
  2. 前記原料供給手段、加熱・励起手段、排気手段、および水素ラジカル導入手段の動作を制御する制御部を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の極端紫外光光源装置。
  3. 前記ラジカル導入手段は前記高密度高温プラズマが発生する部分と、前記極端紫外光取り出し部とにより規定される光路領域内にある加熱・励起後の前記原料から生ずる飛散物に対して、水素ラジカルを導入する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の極端紫外光光源装置。
  4. 前記光路領域内に集光鏡が設けられ、この集光鏡の反射面上に存在する前記飛散物に対して水素ラジカルを導入する
    ことを特徴とする請求項1,2または請求項3に記載の極端紫外光光源装置。
  5. 前記光路領域内に集光鏡が設けられ、前記高密度高温プラズマが発生する部分と、該集光鏡との間の光路領域内の空間に存在する前記飛散物に対して水素ラジカルを導入する
    ことを特徴とする請求項1,2または請求項3に記載の極端紫外光光源装置。
  6. 前記制御部は、前記加熱・励起手段による高密度高温プラズマ発生動作の休止中に上記水素ラジカル導入手段を動作させる
    ことを特徴とする請求項2,3または請求項4に記載の極端紫外光光源装置。
  7. 前記制御部は、前記加熱・励起手段による高密度高温プラズマ発生動作中に上記水素ラジカル導入手段を動作させる
    ことを特徴とする請求項2,3,4または請求項5に記載の極端紫外光光源装置。
  8. 前記集光鏡の外周に水素ラジカル拡散防止壁を備えた
    ことを特徴とする請求項4,5,6または請求項7に記載の極端紫外光光源装置。
  9. 前記集光鏡は、同一軸上に焦点位置が略一致するように回転中心軸を重ねて配置した複数枚の鏡からなる多重配置構造であり、該多重配置構造を維持するために支柱により支持されてなり、
    該支柱内に連続した空洞を設け、該支柱表面に複数の開口を設け、該空洞には前記水素ラジカル導入手段から水素ラジカルが導入され、該開口から水素ラジカルが放出される
    ことを特徴とする請求項4,5,6,7または請求項8に記載の極端紫外光光源装置。
  10. 前記加熱・励起手段による高密度高温プラズマ発生動作の休止中に、前記集光鏡または前記水素ラジカル導入手段の少なくとも一方を、前記集光鏡と前記水素ラジカル導入手段とが近接するように移動させる手段を備えた
    ことを特徴とする請求項4,5,6,7,8または請求項9に記載の極端紫外光光源装置。
  11. 前記高密度高温プラズマが発生する容器内に前記集光鏡が複数交換可能に配置されてなり、1つの集光鏡が極端紫外光光の集光機能を働かせている間に他の集光鏡の少なくとも1つの集光鏡に水素ラジカルが導入される
    ことを特徴とする請求項4,5,6,7,8または請求項9に記載の極端紫外光光源装置。
  12. 前記加熱・励起手段は、一対の放電電極を有し、放電によって上記供給された原料を加熱・励起し高密度高温プラズマを発生させる
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10または請求項11に記載の極端紫外光光源装置。
  13. 前記加熱・励起手段は、レーザ光照射手段を有し、上記供給された原料にレーザ光を照射することにより加熱・励起し高密度高温プラズマを発生させる
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10または請求項11に記載の極端紫外光光源装置。
  14. 前記原料が少なくとも高蒸気圧のSn水素化物を含むガスである
    ことを特徴とする1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12または請求項13に記載の極端紫外光光源装置。
  15. 前記Sn水素化物がSnH4 である
    ことを特徴とする請求項14に記載の極端紫外光光源装置。
  16. 高密度高温プラズマが発生する容器内に極端紫外光放射種であるSnおよび/またはSn化合物を含む原料を供給し、上記容器内で上記供給された原料を加熱・励起し高密度高温プラズマを発生させ、高密度高温プラズマから放射される極端紫外光光を取り出す極端紫外光光源装置内で生ずるSnおよび/またはSn化合物を含むデブリを除去する方法であって、
    上記Snおよび/またはSn化合物を含むデブリに対して、水素ラジカルを導入する
    ことを特徴とする極端紫外光光源装置で発生するデブリの除去方法。




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