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JP2006500930A - 免疫抑制療法に際してのコレステロール上昇予知方法 - Google Patents

免疫抑制療法に際してのコレステロール上昇予知方法 Download PDF

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Abstract

本発明は免疫抑制剤投薬による処置中の患者における血清コレステロールの上昇度を予知する方法を提供する。また本発明はこれらの予知にもとづく処置方策およびこれらの方法を実施するためのキットを提供する。

Description

発明の分野
本発明は薬理学および医薬の分野に属し、免疫抑制剤による処置に際し、どの患者が血清コレステロールレベルの上昇を起こし得るかを判定する方法を提供する。特に、本発明は免疫抑制剤療法に際してコレステロールレベルが上昇する危険性のある患者を同定するために、ゲノム解析を用いること、およびそれらの患者に最適な処置方策を決定する方法に関する。
関連分野の記載
免疫抑制剤は現代医学において多くの重要な適応を有する。これらの薬物は心臓、肺および腎臓などの移植臓器の拒絶反応を抑制し、移植臓器の有用な寿命を引き延ばすために使用される。さらに、免疫抑制剤は自己免疫疾患、心筋炎およびリウマチ様関節炎などの広範な他の疾患の処置に使用される。しかし、免疫抑制剤は癌およびリンパ腫の原因となり、腎臓などの内臓に様々な毒性作用を生じるなどの多くの、時には深刻な副作用を有する。
免疫抑制剤の毒性作用のために、毒性の少ない代替品を開発するために、また相乗作用の組合せ剤を用いて全体として副作用を低減させ得るような他の免疫抑制剤とは作用メカニズムの異なる薬物を見出すために、多くの努力がなされてきた。
最近、ラパマイシン(rapamycin)(シロリムス(sirolimus)およびラマパミューン(RAPAMUNE(TM))としても知られる)と呼称される抗真菌、抗腫瘍および免疫抑制抗生物質が異種移植拒絶反応を阻害する効果のあることが判明した。ラパマイシンはユニーク、かつ他の免疫抑制剤とは明らかに異なる作用メカニズムを有する。ラパマイシンおよびその誘導体、たとえば、エベロリムス(everolimus)(セルチキャン(CERTICAN(TM)))(RAD)は、Ca2+に依存しない様式で、活性化T細胞のG1−S期の進行に関与する生化学経路を阻害することにより作用する。参照文献:Schuler et al., Transplantation, Vol. 64, pp. 36-42 (1997)。この様式で、エベロリムスなどのラパマイシン誘導体は、シクロスポリンなどの他の免疫抑制剤の場合のようなサイトカインの産生を遮断するよりもむしろサイトカインのシグナル伝達を遮断する。
ラパマイシンとその誘導体およびミコフェノール酸は有効な免疫抑制剤ではあるが、一部の患者においてこれらの薬物投与は血清コレステロールおよびトリグリセリドの上昇を引き起こすこと、すなわち、高コレステロール血症および高脂血症の原因となることが分かっている。これらの症状は共にとりわけ糖尿病患者において、冠動脈疾患(CAD)および一般的なアテローム性動脈硬化症の危険因子である。
高コレステロール血症それ自体は共通の症状であり、数種の主要分類の薬物で処置することができる。これらはHMG−CoA還元酵素インヒビターまたはいわゆるスタチン類、胆汁酸結合樹脂およびニコチン酸などである。
ラパマイシンまたはその誘導体などの免疫抑制剤、たとえば、限定されるものではないが、エベロリムス、(セルチキャンTM)(RAD)などでの処置、またはミコフェノール酸による処置に際し、血清コレステロールレベルの上昇することは、深刻かつ不利な副作用である。このことは臓器移植患者にとっては長期の(一般的には生涯)処置を必要とするため、特に重要である。血清中コレステロールレベルの上昇は患者ごとに大きく異なるが、本発明以前には、どの患者がこのような上昇に発展していくかを予知することは不可能であった。したがって、ラパマイシンおよびその誘導体またはミコフェノール酸などの免疫抑制剤を患者に投与したとき、とりわけ長期間の使用の場合、どの患者が血清コレステロールの上昇を経験するかを予知する方法が必要となる。
発明の要約
本発明は免疫抑制剤投薬による処置中の患者において生じる血清コレステロールの上昇度を判定する方法を提供することによりこの問題を克服する;当該方法は、患者に存在するIL−1β遺伝子の2つのコピーについて、IL−1β遺伝子の多形部位−511C→T(配列X04500の1423位置)でのヌクレオチド対の同一性を判定すること;および両方の対がATである場合、その患者は高コレステロール上昇群とし、一対がATで一対がGCである場合、その患者は中間のコレステロール上昇群とし、また両方の対がGCである場合、その患者は低コレステロール上昇群とすること;からなる。
さらなる態様において、本発明は免疫抑制剤投薬法により患者を処置するもう一つの方法を提供する;当該方法は患者に存在するIL−1β遺伝子の2つのコピーについて、IL−1β遺伝子の多形部位−511C→T(配列X04500の1423位置)でのヌクレオチド対の同一性を判定すること;および両方の対がGCである場合、その患者は免疫抑制剤投薬法により処置し、また一対がATで一対がGCである場合、または両方の対がATである場合、その患者には別途の処置を用いること;からなる。免疫抑制剤投薬法は表2のリストから選択することが可能であり、エベロリムスであり得る。さらに本発明は、別途の処置として表1に掲載した方法から選択されるコレステロール低下投薬法を追加することからなる。
さらなる態様において、本発明は免疫抑制剤投薬による処置中の患者において生じる血清コレステロールの上昇度を判定する方法を提供する;当該方法は、患者に存在するIL−1β遺伝子の2つのコピーについて、IL−1β遺伝子の多形部位−31T→C(配列X04500の1903位置)でのヌクレオチド対の同一性を判定すること;および両方の対がCGである場合、その患者は高コレステロール上昇群とし、一対がATで一対がGCである場合、その患者は中間のコレステロール上昇群とし、また両方の対がATである場合、その患者は低コレステロール上昇群とすること;からなる。
なおさらなる態様において、本発明は免疫抑制剤投薬法により患者を処置する方法を提供する;当該方法は、患者に存在するIL−1β遺伝子の2つのコピーについて、IL−1β遺伝子の多形部位−31T→C(配列X04500の1903位置)でのヌクレオチド対の同一性を判定すること;および両方の対がATである場合、その患者は免疫抑制剤投薬法により処置し、また一対がATで一対がGCである場合、または両方の対がCGである場合、その患者には別途の処置を用いること;からなる。免疫抑制剤投薬法は表2のリストから選択することが可能であり、エベロリムスであり得る。さらに別途の処置として表1に掲載した方法から選択されるコレステロール低下投薬法を追加することからなる。
なおさらなる態様において、本発明は患者におけるIL−1β遺伝子の多形部位−511でのヌクレオチド対を判定するキットであって、IL−1β遺伝子の多形部位−511でのヌクレオチド対の性質を検出する特異的な少なくとも1種の試薬を含む容器;および当該ヌクレオチド対の性質にもとづき推奨される処置を選択するための説明書;を含んでなるキットを提供する。
なおさらなる態様において、本発明は患者におけるIL−1β遺伝子の多形部位−31でのヌクレオチド対を判定するキットであって、IL−1β遺伝子の多形部位−31でのヌクレオチド対の性質を検出する特異的な少なくとも1種の試薬を含む容器;および当該ヌクレオチド対の性質にもとづき推奨される処置を選択するための説明書;を含んでなるキットを提供する。
さらなる態様において、本発明は免疫抑制剤投薬による処置中の患者において生じる血清コレステロールの上昇度を判定する方法であって、患者に存在するIL−1β遺伝子を含む2つのコピーについて、IL−1β遺伝子に関するハプロタイプを判定することを特徴とする方法を提供する。用語“IL−1β遺伝子に関するハプロタイプ”とは、IL−1β遺伝子の−511および−31位置の多形の組合せからなるハプロタイプをいうものとする。両方の染色体が“高コレステロール”ハプロタイプを含む場合、すなわち、IL−1β遺伝子の−511でCの代わりにTを含む場合、患者は高コレステロール上昇群とし、染色体の一方が“高コレステロール”ハプロタイプを含み、一方が“低コレステロール”ハプロタイプを含む場合、患者は中間のコレステロール上昇群とし、また両方の染色体が“低コレステロール”ハプロタイプを含む場合、すなわち、部位−511にCを、部位−31にTを含む場合、患者は低コレステロール上昇群とする。
なおさらなる態様において、本発明は免疫抑制剤投薬法により患者を処置する方法であって、患者に存在するIL−1β遺伝子を含む2つの染色体について、IL−1β遺伝子に関するハプロタイプを判定すること;および当該染色体の両方が“低コレステロール”ハプロタイプを含むか、または染色体の一方が“低コレステロール”ハプロタイプを含み、もう一方が“高コレステロール”ハプロタイプを含む場合には、その患者を免疫抑制剤投薬法により処置し、また染色体の両方が“高コレステロール”ハプロタイプを含む場合には、その患者には別途の処置を用いること;を特徴とする方法を提供する。免疫抑制剤投薬法は表2のリストから選択することが可能であり、エベロリムスであり得る。別途の処置とは、表1に掲載した方法から選択されるコレステロール低下投薬法を追加することからなる。
さらなる態様において、本発明はIL−1β遺伝子の−511多形または−31多形と連鎖不平衡にある当該染色体のどこかに存在するSNPを見出すことにより、患者のIL−1β遺伝子の部位−511および−31でのヌクレオチド対の同一性または患者のIL−1β遺伝子のハプロタイプを判定し、当該1個またはそれ以上のSNPの関係を用いて、対象のヌクレオチド対またはハプロタイプの性質を判定し、この情報を用いてIM療法に際してのコレステロール上昇を推定して処置を判断することからなる方法を提供する。
本発明のさらなる態様は、IL−1β遺伝子のハプロタイプの性質を判定するキットであって、IL−1β遺伝子の多形部位−511でのヌクレオチド対の性質を検出する特異的な少なくとも1種の試薬を含む容器;およびIL−1β遺伝子の多形部位−31でのヌクレオチド対の性質を検出する特異的な少なくとも1種の試薬を含む容器;および指摘されたハプロタイプの性質にもとづき推奨される処置を選択するための上記および説明書の結果から、ハプロタイプを判定するための説明書;を含んでなるキットである。
図面の簡単な説明
図1:RAD B251臨床試験内でまとめたすべての処置群における(−511)IL−1βCC、CTまたはTT遺伝子型と比較したLS平均総コレステロールレベル。
図2:RAD B251臨床試験内でまとめたすべての処置群における(−31)IL−1βCC、CTまたはTT遺伝子型と比較したLS平均総コレステロールレベル。
図3:RAD B251臨床試験内でまとめたすべての処置群における(−511)IL−1βCC、CTまたはTT遺伝子型と比較したLS平均HDLコレステロールレベル。
図4:RAD B251臨床試験内でまとめたすべての処置群における(−31)IL−1βCC、CTまたはTT遺伝子型と比較したLS平均HDLコレステロールレベル。
図5:RAD B251臨床試験内でまとめたすべての処置群における(−511)IL−1βCC、CTまたはTT遺伝子型と比較したLS平均LDLコレステロールレベル。
図6:RAD B251臨床試験内でまとめたすべての処置群における(−31)IL−1βCC、CTまたはTT遺伝子型と比較したLS平均LDLコレステロールレベル。
発明の詳細な説明
本発明はラパマイシンまたはその誘導体などの免疫抑制剤投薬(IM)による処置中の患者において生じる血清コレステロールの上昇度を判定する方法を提供する。
一態様において、IM処置の有力な候補である患者は多形の存在、すなわち、ヌクレオチドの−511位置(アミノ酸変化のないプロモーター領域)でのシトシン(C)→チミン(T)を判定するために採血する;これは患者に存在するインターロイキン−1−ベータ(IL−1β)遺伝子の2つのコピーにおいて、配列X04500のヌクレオチド位置1423でのC→T変化である。位置−511での該ヌクレオチド対が該遺伝子の両方のコピーにおいてATである場合、その患者はIM処理の間に血清コレステロールレベルの高い上昇を経験することとなる。
位置−511でのヌクレオチド対が一方のコピーでATであり、他のコピーがCGである場合、免疫抑制剤投薬で処置中の患者のコレステロールレベルは中程度の上昇となる。
位置−511でのヌクレオチド対が両方のコピーでGCである場合、IMで処置中の患者のコレステロールレベルは低上昇となる。
もう一つの態様において、IMでの処置を必要とする患者の処置にどの投薬法を使用するかの判定は、患者に存在するIL−1β遺伝子の位置−511におけるヌクレオチド対の性質の判定結果にもとづくものである。
ヌクレオチド対の両方がGCである場合、患者はIMで処置することとなる。この免疫抑制剤投薬は表2に示したもののいずれかであり、ラパマイシンまたはその誘導体の一つ、たとえば、制限されるものではないが、エベロリムス(everolimus)(セルチキャン(CERTICAN(TM)))(RAD)などである。
両方のヌクレオチド対がATであるか、または一方がATで、一方がGCである場合、患者はコレステロールレベルを上昇させない別途の投薬法で処置するか、あるいは患者はIMに加えてコレステロール低下剤で処置し、処置の間、患者のコレステロールレベルをモニターする。IMと組み合わせて使用するこのコレステロール低下剤は、下記表1のリストから選択する1種以上の投薬法であり得る。
さらなる態様において、IM処置の有力な候補である患者は、ヌクレオチドの−31位置(アミノ酸変化のないプロモーター領域)での多形T→Cの存在を判定するために採血する;これは患者に存在するIL−1β遺伝子の2つのコピーにおいて、配列X04500のヌクレオチド位置1903でのT→C変化である。位置−31での該ヌクレオチド対が該遺伝子の両方のコピーにおいてCGである場合、その患者はIM処理の間に血清コレステロールレベルの高い上昇を経験することとなる。位置−31でのヌクレオチド対が一方のコピーでATであり、他のコピーがCGである場合、IMで処置中の患者のコレステロールレベルは中程度の上昇となる。位置−31でのヌクレオチド対が両方のコピーでATである場合、IMで処置中の患者のコレステロールレベルは低上昇となる。
もう一つの態様において、IMでの処置を必要とする患者の処置にどの投薬法を使用するかの判定は、患者に存在するIL−1β遺伝子の位置−31におけるヌクレオチド対の性質の判定結果にもとづくものである。ヌクレオチド対の両方がATである場合、患者はIMで処置することとなる。
この免疫抑制剤投薬は表2に示したもののいずれかであり、ラパマイシンまたはその誘導体の一つ、たとえば、制限されるものではないが、エベロリムス(セルチキャンTM))(RAD)などである。
両方のヌクレオチド対がGCであるか、または一方がATで、一方がCGである場合、患者はコレステロールレベルを上昇させない別途の投薬法で処置するか、あるいは患者はIMに加えてコレステロール低下剤で処置し、処置の間、患者のコレステロールレベルをモニターする。IMと組み合わせて使用するこのコレステロール低下剤は、下記表1のリストから選択する1種以上の投薬法であり得る。
本発明にて使用する適切なラパマイシンは、たとえば、米国特許第3,929,992および5,258,389号公報、および国際特許出願WO94/09010およびWO01/60345公報に記載されているとおりである;これらの公報はすべてその全文を目的の如何を問わず参照により本明細書の一部とする。
Figure 2006500930

Figure 2006500930
以下の実施例はさらなる説明のみを目的とするものであり、開示した発明を限定しようとするものではない。
[RAD B251の研究]
全般の研究設計
RAD B251の研究は、無作為多施設での二重盲検並行群での研究であり、シクロスポリン(CsA)(ネオーラル(NEORAL)登録商標)およびプレドニゾンとの組合せで使用したエベロリムス(セルチキャンTM))(RAD)対ミコフェノール酸モフェチル(MMF)の有効性と安全性についてのものであった。該研究は3期間で構成した:スクリーニング期間;ベースライン期間;および二重盲検処置期間。ベースライン評価に続いて、包含/除外基準に合致する患者であって、同種異系移植が機能しており、かつ経口投薬が寛容化した(移植後48時間以内)ことを確認した患者につき、3群の処置群(1:1:1)の中の1群を無作為に選択した。同種異系移植の機能の判定は研究者の判断とし、適切な尿排出とクレアチニンレベルの低下の証拠にもとづいた。無作為選抜と研究投薬の最初の用量を投与した日を研究の第1日として記録した。3群の処置群を以下に記載する:
● 用量レベル1:0.75mgRAD(1日2回)+ネオーラル(登録商標)+
プレドニゾン
● 用量レベル2:1.5mgRAD(1日2回)+ネオーラル(登録商標)+
プレドニゾン
● 比較対照:1g MMF(1日2回)+ネオーラル(登録商標)+プレドニゾン
[随伴療法]
ネオーラル(登録商標)の開始と維持
経口CsA(ネオーラル(登録商標))の投与を6〜12mg/kg/日(経口)で開始し、標準の標的アッセイ範囲を反映する12時間最低濃度を維持するように調整した。CsAの静脈内投与(i.v.)は、臨床状況が要求しない限り、回避した。全血レベルはできるだけ迅速に下記にリストした治療範囲とした。これを達成した後、CsAの用量は最低血液濃度を標的範囲内に維持するためにのみ調整した。
● 1〜4週:200〜350ng/mL
● 2〜36ヶ月:100〜300ng/mL
CsAまたはRAD測定のために採血した当日に、患者はネオーラル(登録商標)の事前投与を受け、採血の12±1時間前に研究投薬を受けた。患者には適切なタイミングとなるように、採血の前日に投薬スケジュールを調整するように指示し、夕刻時用量投与の正確な時間を記録した。採血当日のため、患者は研究投薬とネオーラル(登録商標)を服用しなかったが、診療所に持って来て、採血終了後に服用した。
プレドニゾン
移植直前に、患者は1gまでのメチルプレドニゾロン(i.v.)、次いで、12時間後に500mgまでのメチルプレドニゾロン(i.v.)の投与を受けた。移植手術後、できるだけ早期に、プレドニゾンの経口投与を0.35〜2.0mg/kg/日で開始し、30日目までに用量が20mg/日または0.25mg/kg/日となるように次第に減量したが、最初の6ヶ月間は5mg/日以下とならないような用量とした。
サイトメガロウイルス(CMV)予防
CMVの予防措置は、CMVに対してドナーのテストが陽性であって、受容者テストが陰性であるすべての事例で必須であった。ガンシクロビル、CMV過免疫グロブリンまたはアシクロビルでの処置が可能であり、局所方式で投与した。CMV陽性ドナーからCMV陰性受容者へ以外の事例については、すべて局所方式にしたがって処置した。CMV予防措置は急性拒絶反応エピソードの抗体処置後にも推奨された。
PCP予防
患者はすべてトリメトプリム−スルファメトキサゾールでも開始し、1日あたり1個の単強度錠剤として、経口投薬が寛容となった時点で開始し、移植手術後最初の6ヶ月間継続した。投与量は研究者の判断で、1個の単強度錠剤を1週間3回に減量し、さらに6ヶ月間とした。1年後の処置は局所方式に従った。トリメトプリム−スルファメトキサゾールに寛容となれない患者には噴霧化したペンタミジンまたはダプソンを投与した。
その他の随伴療法
研究の全処置期間、すなわち、スクリーニングの初日から最終の研究評価がすべて終了するまでの期間、研究薬物、研究予防薬および通常の患者の投薬以外の投薬は実施しなかった。この規則に対する例外は不利益な事象(AD)を処置するために必要な投薬にのみ適用した。他の投薬(薬局での投薬およびビタミン類を含む)の管理については事前および随伴投薬事例報告様式(Prior and Concomitant Medications Case Report Form (CRF))に詳細に記載されている。AEについて必要な場合には、随伴投薬法がAEs CRFに詳細に記載され、関連文献も引用されている。
プロトコールにより特定した薬物以外の免疫抑制剤はすべて否定された。許容し得る抗拒絶反応療法としては、“急性拒絶反応エピソードの処置”(Treatment of Acute Rejection Episodes)のガイドラインによるメチルプレドニゾロンおよび抗リンパ球抗体療法である。レスキュー療法のためにタクロリムスまたはMMFを必要とする患者は研究薬物を中断した。テルフェナジン、アステミゾールおよびシサプリドは患者が研究投薬にある間禁止した。フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン、またはケトコナゾールの使用は痛く落胆させるものであった。
移植手術後、処置期間は3年とした。二重盲検処置期間、患者は7、14および28日目に、また月として2、3、6、9、12、18、24、30および36ヶ月目に診察した。腎組織検査がベースライン(手術中であり得る)で、また拒絶反応の疑わしい時点で必要であった。盲検研究の薬物投与は3年で中止した。
一次死体生存非関連または非HLA一致関連ドナー腎臓の移植手術を受ける予定の年齢16〜65歳の男女患者を本研究に加えた。研究未完のまま中断した患者は取り替えることをしなかった。本研究に参加適格であるために、各患者は包含/除外基準のすべてに合致せねばならなかった。
研究の図式
Figure 2006500930
RAD B251研究はあらたな腎移植受容者におけるMMFと比較して、RADの2通りの経口用量の安全性と有効性を評価するために設計したものであり、組織検査により証明した急性同種異系移植拒絶反応エピソード、移植片喪失または死亡の発生率により測定したものである。MMFは腎移植において広く使用されているという理由で、比較対照薬として選択した。
[薬理遺伝学的解析]
エベロリムス(RAD)で処置した患者で観察されるコレステロールおよび脂質レベルの上昇と関連する遺伝因子を同定する努力において、RAD B251臨床試験に参加した患者のゲノムポリデオキシリボヌクレオチド(DNA)内の24個の遺伝子からの47個の一塩基多形(SNP)について試験した。試験した47個のSNPの中、21個は実験的に多形ではないと判定した。多形であるとした26個の中、位置(−511)と(−31)のIL−1β遺伝子プロモーター中の2つのSNPは、RAD B251臨床試験に参加した患者のコレステロールレベルにおける変化に関連して、統計的に有意であることを示した。
IL−1β(−511)C→T塩基遷移(T−T)またはIL−1β(−31)T→C塩基遷移(C−C)についてホモ接合であった患者は、研究期間に受けた処置にもかかわらず、彼らの最終訪問時、総コレステロールの最小平均レベルが最高であった(それぞれp=0.0018およびp=0.0013)。(この数値は最終訪問時の絶対血清コレステロールレベルをいうが、統計的解析では、この数値が依存性変数と定義され、またベースラインでのコレステロールレベルは、自動的にベースラインレベルを考慮して、独立変数と定義された)。
総コレステロールレベルの上昇は、HDLおよびLDL両レベルの上昇によるものであった;(−511)位置でのT対立遺伝子または(−31)位置でのC対立遺伝子についてホモ接合である患者は、最終訪問時に、最高の最小二乗平均レベルのHDL(それぞれ、p=0.0214およびp=0.0514)およびLDL(それぞれ、p=0.0159およびp=0.0091)を示した。しかし、重要なことは、遺伝子型に関係なく、HDLとLDLの比は同じままであったことである。
したがって、我々の知見が示唆することは、IL−1β遺伝子プロモーターの位置(−511)でのT対立遺伝子についてホモ接合であり、かつ位置(−31)でのC対立遺伝子についてホモ接合である個体は、RAD/ネオーラル(登録商標)またはMMF/ネオーラル(登録商標)処方で処置したことにより、総血中コレステロールレベルがさらに上昇し易くなるということである。
[方法]
サンプル
RAD B251臨床試験からの合計82のユニークサンプルについて、薬理遺伝学的評価に参加するとの同意にもとづき、その遺伝子型を検討した。この数字はRAD B251臨床試験に参加した総母集団の約15%にあたる。各患者の血液サンプルは個々の試験施設で集め、コバンス(Covance)(ジュネーブ、スイス)に搬送した。各患者のゲノムDNAはピュアージーン(PUREGENETM)DNA分離キット(D−50K)(ジェントラ(Gentra)、ミネアポリス、ミネソタ)を用いて、コバンスで血液から抽出した。
遺伝子型決定
24遺伝子に相当する合計47のユニーク多形について、各臨床試験のために解析した。薬物代謝、高コレステロール血症、高脂肪血症、免疫抑制および炎症に関わる候補遺伝子を本研究用に選択した。SNPアッセイは、OMIM、SNP協会、遺伝子座リンクおよびdbSNP、およびサード・ウエーブ・テクノロジーズ・インク(TWT、マジソン、ウィスコンシン)ウエブサイト(http://64.73.25.65:8080/coe/index.jsp)などの公共データベースからの情報を用いて設計した。遺伝子型決定アッセイ用の得られたプローブセットはTWTが作製した。遺伝子型決定はTWT(9−10)が開発したインベーダー(INVADER)(登録商標)を用い、製造業者の指示に従い、ゲノムDNA60ngにより実施した。参照文献:Lyamichev et al., Nat. Biotechnol., Vol. 17, pp. 292-296 (1999); and Ryan, Mol. Diagn., Vol. 4, pp. 135-144 (1999)。
(−511)IL−1βSNPについてのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、10〜70ngのゲノムDNA、160μM−dNTP、10mMトリスHCl(pH8.3)、50mM−KCl、1.5mM−MgCl、0.6μM−IL−1β(−511)前進プライマー、0.6μM−IL−1β(−511)逆進プライマーおよび0.03U−TaqDNAポリメラーゼ(アップライド・バイオシステムズ、フォスターシティ、カリフォルニア)を含む20μLの反応液中で実施した。以下の条件で36回の増幅を実施した:94℃、30秒;55℃、30秒;72℃、30秒。次いで、9種のサンプルを2%アガロースゲル上で分画(5μL)し、臭化エチジウム染色により可視化し、増幅を確認した。PCR産物の1:7希釈は増幅DNA用384穴バイプレックスプレートにより、TWTSNP#128069に対し実施した。
プライマー配列は以下のとおりである:
IL-1(登録商標)(-511)-前進 5’-GCAGAGCTCATCTGGCATTG-3’ (配列番号1)
IL-1(登録商標)(-511)-逆進 5’-TATGTGGGACAAAG TGGAAG-3’ (配列番号2)
(−31)IL−1βSNPのPCRは、1ngのゲノムDNA、40μM−dNTP、10mMトリスHCl(pH8.3)、50mM−KCl、1.5mM−MgCl、0.75μM−IL−1β(−31)前進プライマー、0.75μM−IL−1β(−31)逆進プライマーおよび0.15UゴールドTaqDNAポリメラーゼ(アップライド・バイオシステムズ、フォスターシティ、カリフォルニア)を含む25μLの反応液中で実施した。以下の条件で38回の増幅を実施した:94℃、30秒;58℃、30秒;72℃、30秒。次いで、すべてのサンプルを2%アガロースゲル上で分画(5μL)し、臭化エチジウム染色により可視化し、増幅を確認した。
プライマー配列は以下のとおりである:
IL-1β(-31)-前進 5’-GCACAACGATTGTCAGGAAAAC3’ (配列番号3);
IL-1β(-31)-逆進 (5’-ATGCATACA CACAAAGAGGCAG-3’ (配列番号4).
PCR産物の1:10希釈は増幅DNA用384穴バイプレックスプレートにより、RAD B521用のTWT SNP#274339に対し実施した。RFLP解析はAlu−I制限酵素(ニューイングランド・バイオラブス、ビバリー、マサチューセッツ)を用いて遺伝子型を決定するために使用した。RFLP消化物は、50mM−NaCl、10mMトリスHCl、10mM−MgCl、1mM−DTT(pH7.9)、8ng増幅ゲノムDNAおよび0.5mM−Alu−I酵素を含む20μLの反応液中で処理した。サンプルはすべて37℃で17時間インキュベートし、3%アガロースゲル上で分画(19μL)し、臭化エチジウム染色により可視化し、バンドサイズを確認した。
Figure 2006500930
対立遺伝子1(配列番号5):
CTGCAATTGACAGAGAGCTCC[C]GAGGCAGAGAACAGCACCCAAGGTAGAGACCCA
対立遺伝子2(配列番号6):
CTGCAATTGACAGAGAGCTCC[T]GAGGCAGAGAACAGCACCCAAGGTAGAGACCCA
Figure 2006500930
対立遺伝子1(配列番号7):
TCCTACTTCTGCTTTTGAAAGC[C]ATAAAAACAGCGAGGGAGAAACTGGCAGATACCAAACCTC
対立遺伝子2(配列番号8):
TCCTACTTCTGCTTTTGAAAGC[T]ATAAAAACAGCGAGGGAGAAACTGGCAGATACCAAACCTC
[統計的解析]
24ヶ月のlab_b.sd2RADB251臨床データセットを用い、コレステロールレベルに対する遺伝子型と処置の影響を解析するために、共分散モデルの解析を使用した。該モデルの条件は、最終コレステロールレベル、共変量としての初期コレステロールレベル、および主エフェクターとしての遺伝子型と処置である。適用し得る場合、オッズ比、96%信頼限界、およびカイ二乗解析を計算した。統計解析はすべてSAS8.02ソフトウエアにより実施した。多重テストの補正のために、ボンフェロニ補正を行った。
[結果]
RAD B251研究において、RADB251臨床試験に参加する薬理遺伝学解析に同意している各患者について、24遺伝子に相当する47のユニークSNPを遺伝子型決定した。各それぞれの臨床試験について患者全体の分布に対する薬理遺伝学解析に同意した患者の比較を表3に示す。
Figure 2006500930
唯一の統計的有意差は、RAD B251臨床試験における全患者全体集団に比較して薬理遺伝学研究に使用した患者集団との間に見られた:薬理遺伝学患者集団の中の平均TGC値とRAD B251患者母集団における平均値との差は、統計的に有意(p<0.001)であることが判明した。したがって、この比較は薬理遺伝学研究に使用した患者母集団が、各治験で試験した全患者集団の典型であることを示唆する。本研究で試験した47のSNPの内、21は実験的に多形ではないと判定した。それ故、26のSNPは下記の解析に使用した。
RAD B251臨床データセットによる遺伝子型の統計的解析では、コレステロールレベルと有意な関連性をもつ(−511)位置でのIL−1β遺伝子プロモーター内に多形が確認された。表4と図1に示すように、両処置群からの患者のIL−1β(−511)(T−T)遺伝子型は共に、患者の最終訪問時に測定した総コレステロールレベルの最高上昇と相関した(p=0.0018)。
Figure 2006500930
同様の関連性はIL−1β(−31)(C−C)遺伝子型(p=0.0013)について観察された(表5および図2)。
Figure 2006500930
この相関をさらに解析するために、IL−1β(−511)遺伝子型とHDLおよびLDLのレベル間に関連性があるかどうかを試験した。図3と表6に示すように、両処置群からの患者のIL−1β(−511)(T−T)遺伝子型は共に、患者の最終訪問時に測定したHDLの最高レベルと相関した(p=0.0214)。
Figure 2006500930
すでに報告されていることであるが、IL−1β(−511)多形は、位置(−31)でのIL−1βプロモーターにおけるもう一つの多形に強い連鎖不平衡がある。参照:El-Omar et al., Nature, Vol. 404, pp. 398-402 (2000)。本研究において、254の対立遺伝子はRAD B251臨床試験において薬理遺伝学的解析に同意している患者にて試験した。IL−1β(−511)および(−31)多形には99.2%の連鎖不平衡がある。それ故、同様の関連性がIL−1β(−511)多形で起こり、コレステロールレベルはIL−1β(−31)多形によるものと検出され得る。IL−1β(−31)多形に対するRAD B251臨床データセットの統計的解析では、コレステロールレベルとの有意な関連性が証明された。表5と図2に示すように、両処置群からの患者のIL−1β(−31)(C−C)遺伝子型は共に、患者の最終訪問時に測定した総コレステロールレベルの最高上昇と相関した(p=0.0013)。この相関をさらに解析するために、IL−1β(−31)遺伝子型とHDLおよびLDLのレベル間に関連性が存在するかどうかを試験した。図4と表7に示すように、両処置群からの患者のIL−1β(−31)(C−C)遺伝子型は共に、患者の最終訪問時に測定したHDLの最高レベルと弱いながら相関した(p=0.0514)。
Figure 2006500930
同様の相関はLDLレベルでも同様に確認された(p=0.0159)(図5および表8)。
Figure 2006500930
より強力な相関性がLDLレベルと−31IL−1β多形に証明された(p=0.0091;図6および表9)。
Figure 2006500930
重要なことは、HDLとLDLの比が、遺伝子型群間で未変化のままであったことである。本研究にて示される知見は、RAD/ネオーラル(登録商標)処方での処置によるコレステロールレベルの持続的な上昇を経験するある種対立遺伝子をもつ個体の可能性が、該対立遺伝子をもたない個体よりも高くなることを予測している。同様の傾向がMMF/ネオーラル(登録商標)処方で処置した個体で示されたが、その結果は統計上の有意性p=0.05に適合しなかった。
総血中コレステロールレベル≧240mg/dLは上昇しすぎであると一般には考えられるので、総血中コレステロールレベルを上昇させ、最終濃度≧240mg/dLとするために、RAD/ネオーラル(登録商標)またはMMF/ネオーラル(登録商標)処方で処置した後に、IL−1β(−511)またはIL−1β(−31)多形をもつ患者のオッズ比を決定することとした。参照:Cecil Textbook of Medicine, Goldman and Bennett, editors, Saunders, 6th Edition (2000)。
下記表10に示すように、オッズ比が示すには、患者がIL−1β遺伝子プロモーターの位置(−511)にTを含むならば、RAD/ネオーラル(登録商標)処方で処理した場合、総血中コレステロールレベルが最終濃度≧240mg/dLに上昇する可能性は5.67倍(95%信頼限界:1.20〜9.01)となり、あるいは患者がIL−1β遺伝子プロモーターの位置(−31)にCを含むならば、RAD/ネオーラル(登録商標)処方で処理した場合、総血中コレステロールレベルが最終濃度≧240mg/dLに上昇する可能性は7.23倍(95%信頼限界:1.20〜9.01)となる。これらの知見は統計的に有意であり(それぞれ、p=0.0207およびp=0.0096)、高コレステロール血症を容易に処置し得るため、RAD/ネオーラル(登録商標)処方により移植手術患者を処置する際に、予防策として使用することができる。
Figure 2006500930
多重試験のボンフェロニの補正
補正因子は本研究で解析したSNP数のために必要である。そうするために、ボンフェロニ補正法を実施し、0.0019のp値を規定した。
Figure 2006500930
η=テストRAD数(RAD_number_of_tests)
それ故、IL−1β(−511)とIL−1β(−31)多形および総コレステロールレベル間の知見はなお有意であると考える。
(−511)と(−31)IL−1βSNPの連鎖不平衡
IL−1β(−511)C→T多形が位置(−31)に位置するIL−1βプロモーター内のもう一つの多形と強力な連鎖不平衡(99.5%)にあり、結果としてT→C塩基遷移を生じることは報告されている。参照:El-Omar et al., Nature, Vol. 404, pp. 398-402 (2000)。それ故、IL−1βプロモーターの位置(−511)にTをもつ患者は、位置(−31)にCをもつであることが予知される。この知見はこれら2つの治験において試験した患者で確認される。野生型IL−1β遺伝子において、Tは−31の位置に見出される。このTはIL−1βの転写開始に決定的な役割を果たすTATAボックス配列(ATAAAA)の一部であるため、IL−1βの発現のために非常に重要である。一般に、TATAボックス配列は、転写が正しい位置で始まることを確かなものとするために、遺伝子内の正しい位置に転写機構を供給し、位置を定めることに関わっている。位置(−31)でのT→C多形はこの重要なTATAボックス配列(ATAAAAからATAAAAへ)を分裂させて不活性化し、IL−1β遺伝子の効率的な開始を禁止する。この変化したIL−1βTATAボックス配列への転写機構の結合欠如はすでに示されている。上記参照:El-Omar。
したがって、IL−1βプロモーター(T→C塩基遷移を起こす位置(−31)に位置する)内の多形またはIL−1βプロモーターの−511(C→T)に位置する多形のいずれかと連鎖不平衡にある他の多形の存在は、IM処置中の患者に予測されるコレステロール上昇度に対して予知可能な影響をもつことになる。(−31)多形と連鎖不平衡にある他の多形の判定手段は当業者周知である。現在既知の、または将来発見されるいずれの多形も本発明に使用可能であり、IMで処置した患者のコレステロール上昇可能性の程度を予測すること、またはかかる患者にとっての処置選択判定の一助とすることができる。
該知見の生物学的意義
IL−1β(−31)(C−C)遺伝子型は臨床上の関連性を有する。IL−1βはコレステロールの生合成を25%阻害することが示されている。上記参照:El-Omar。それ故、この多形の結果が意味することは、IL−1β(−511)(T−T)遺伝子型に相当するIL−1β(−31)(C−C)遺伝子型をもつ患者はIL−1βレベルが低下しており、そのためにIL−1βによるコレステロール生合成の阻害力を失い、その結果、血中コレステロールレベルが上昇したことである。この型の知見はRAD B251の治験で観察された。表4と5および図1〜2に示すように、IL−1β(−511)(T−T)遺伝子型およびIL−1β(−31)(C−C)遺伝子型をもつ患者は、処置に関係なく総コレステロールの最高最小二乗平均レベルを示した。
IL−1βは細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)の活性化によりLDLレセプター遺伝子発現を増大させるということも報告されている。参照:Kumar et al., J. Biol. Chem., Vol. 273, pp. 15742-15748 (1998)。
LDLレセプター発現の上昇は、細胞内に取込まれるコレステロール量の増加につながり、その結果、血中の総コレステロールレベルが低下する。これはこの薬物が後期G1を経てSに入る細胞の発展に必要な性化学的経路を阻害することが示されているため、RAD(エベロリムス)に関連性をもつ。重要なことは、この過程にはERKの関与が示されていることである。それ故、ERK活性はエベロリムスにより低下させることが可能である。エベロリムスはERK活性を阻害するため、LDLレセプターの発現がIL−1βの発現から独立してすべての患者で低下し、その結果、LDLのレベルを低下させ、したがって、エベロリムスを服用した患者の総コレステロールを低下させる。エベロリムスがERKの活性化を完全に阻害することはありそうにない。それ故、IL−1β(−511)(T−T)およびIL−1β(−31)(C−C)遺伝子型をもつ患者は、LDLレセプターの一部発現を誘導することができる。しかし、これらの患者はIL−1βのレベルが非常に低い、そのため、LDLレセプターの発現が低く、その結果、細胞内に取込まれるコレステロール量が低下し、血中コレステロールレベルが上昇する。したがって、この説明はIL−1β(−31)(C−C)遺伝子型をもつ患者に観察される最高レベルのコレステロールの説明となる。有意義なことは、IL−1β(−31)(C−C)遺伝子型に相当するIL−1β(−511)(T−T)遺伝子型をもつ患者は、他のIL−1β遺伝子型をもつ患者に比較して、有意に高いLDL(p=0.0159)を有することであった(図3および表4)。
SNPの同定と特性化
SNPの同定と特性化には多くの異なる技法が使用し得るが、たとえば、一本鎖コンホメーション多形解析、変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC)によるヘテロ二本鎖解析、直接DNA配列決定および計算法などである。参照:Clin. Chem., Vol. 47, pp. 164-172 (2001)。公共データベースの豊富な配列情報のお陰で、計算手段を使用し、所定の遺伝子についてそれぞれに提出された配列(cDNAまたはゲノム配列のいずれか)を整列させることにより、コンピュータ内でSNPを同定することができる。実験的に得られたSNPとコンピュータで得たSNPとを比較すると、SNPファインダー(http://Ipgws.nci.nih.gov:82/perl/snp/snp_cgi.pl)で見つかった候補SNPの55%が実験的にも発見されたことを示した。参照:Cox et al., Hum. Mutal., Vol. 17, pp. 141-150 (2001)。しかし、これらのコンピュータによる方法では真のSNPの27%を見出しただけであった。
最も一般的なSNP型決定方法は、現在、ハイブリッド形成、プライマー伸張および開裂法である。これら方法のそれぞれは適切な検出システムに接続しなければならない。検出技法としては、蛍光偏光(参照:Chan et al., Genome Res., Vol. 9, pp. 492-499 (1999))、ピロリン酸放出の発光度検出(ピロ配列決定)(参照:Ahmadiian et al., Anal. Biochem., Vol. 280, pp. 103-110 (2000))、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)にもとづく開裂アッセイ、DHPLC、および質量分析法(参照:Shi, Clin. Chem., Vol. 47, pp. 164-172 (2001)および米国特許第6,300,076B1号公報)などである。その他のSNPの検出および特性化法は米国特許第6,297,018B1号および6,300,063B1号公報に開示された方法である。上記文献の開示はその全文を参照により本明細書の一部とする。
特に好適な態様において、多形の検出は、いわゆるインベーダー(INVADERTM)技法(サード・ウエーブ・テクノロジーズ・インク(TWT、マジソン、ウィスコンシン)から入手可能)により実施し得る。本アッセイ法において、特異的上流“インベーダー”オリゴヌクレオチドおよび部分的に重なり合う下流のプローブが共に相補性DNA鋳型に結合したとき、特異的構造を形成する。この構造をクリバーゼ(Cleavase)酵素が特定の部位で認識し、切断する;その結果、プローブオリゴヌクレオチドの5’フラップを放出する。次いで、このフラグメントが反応混合物に含まれる合成二次標的と二次蛍光標識シグナルプローブに関し、“インベーダー”オリゴヌクレオチドとして作用する。これがクリバーゼ酵素による二次シグナルプローブの開裂を生じる。蛍光共鳴エネルギー移動し得る色素分子で標識したこの二次プローブが開裂するとき、蛍光シグナルを発生する。クリバーゼ酵素は重なり合うDNA配列またはフラップにより形成される構造に相関した緊縮要件を有し、それ故、下流DNA鎖上、開裂部位の直ぐ上流の単一塩基対ミスマッチを特異的に検出するために使用し得る。参照:Ryan et al., Molecular Diagnosis, Vol. 4, No 2, pp. 135-144 (1999); and Lyamichev et al., Nat. Biotechnol., Vol. 17, pp. 292-296 (1999); 参照関連米国特許第5,846,717号および6,001,567号公報(これらの開示はその全文を参照により本明細書の一部とする)。
一部の態様において、組成物は2つ以上の多形部位でのヌクレオチドの同一性を同時にプローブするための2つ以上の異なる標識の遺伝子型決定オリゴヌクレオチドを含む。さらに予測されることは、プライマー組成物が、対立遺伝子特異的プライマー対の2つ以上のセットを含み、多形部位を含む2ヶ所以上の領域の同時標的化と増幅を可能とすることである。
本発明のIL−1β遺伝子型決定オリゴヌクレオチドは、マイクロチップ、ビーズまたはガラススライドなどの固体表面上に固定するか、またはその上で合成し得る(参照例:国際特許WO98/20020およびWO98/20019)。かかる固相化遺伝子型決定オリゴヌクレオチドは様々な多形検出アッセイ法、たとえば、限定されるものではないが、プローブハイブリッド形成およびポリメラーゼ伸張アッセイなどにおいて使用し得る。固相化した本発明のIL−1β遺伝子型決定オリゴヌクレオチドは、多重遺伝子の多形についてDNAサンプルを同時に迅速に選抜するために設計したオリゴヌクレオチドの定序アレイを含み得る。
本発明の対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマーは、3’末端ヌクレオチドまたは好ましくは3’末端前ヌクレオチドを有し、それが特定のSNPの唯一のヌクレオチドに相補性であり、それによって、そのヌクレオチドを含む対立遺伝子が存在する場合にのみ、ポリメラーゼ仲介伸張のためにプライマーとして作用する。コーディングまたは非コーディング鎖にハイブリッド形成する対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマーが本発明の期待するものである。IL−1β遺伝子多形を検出するためのASOプライマーは、当業者既知の技法により開発し得た。
本発明の他の遺伝子型決定オリゴヌクレオチドは、ここに同定した新規多形部位の1つの下流にある標的領域に位置する1個ないし数個のヌクレオチドにハイブリッド形成する。かかるオリゴヌクレオチドは本明細書に記載した新規多形の1つを検出するポリメラーゼ仲介プライマー伸張法に有用であり、したがって、かかる遺伝子型決定オリゴヌクレオチドは“プライマー伸張オリゴヌクレオチド”と本明細書ではいう。好適な態様において、プライマー伸張オリゴヌクレオチドの3’末端は、多形部位に隣接して位置するヌクレオチドに相補性のデオキシヌクレオチドである。
もう一つの態様において、本発明は別個の容器に詰めた少なくとも2種類の遺伝子型決定オリゴヌクレオチドを含んでなるキットを提供する。該キットは、別個の容器に詰めた他の成分、たとえば、ハイブリッド形成バッファー(該オリゴヌクレオチドをプローブとして使用すべき場合)を含み得る。あるいは、該オリゴヌクレオチドが標的領域の増幅に使用される場合、該キットは、別個の容器に詰めて、ポリメラーゼおよびPCRなどのポリメラーゼが仲介するプライマー伸張を最適化する反応バッファーを含み得る。上記のオリゴヌクレオチド組成物およびキットは個体におけるIL−1β遺伝子の遺伝子型決定および/またはハプロタイプ決定の方法に有用である。
本明細書にて使用する場合、“IL−1β遺伝子に関するハプロタイプ”とは、IL−1β遺伝子の−511および−31位置での多形の組合せからなるハプロタイプをいうものとし、これらのハプロタイプは以下の方法で命名するものとする;IL−1β遺伝子の多形部位−511でCからTへの多形(配列X04500の位置1423)およびIL−1β遺伝子の多形部位−31でTからCへの多形(配列X04500の位置1903)の両方がIL−1β遺伝子の1コピーに存在する場合、ハプロタイプは“高コレステロール”と呼ぶものとする。逆に、これら多形の両方がIL−1β遺伝子の所定のコピーに存在せず、したがって、このIL−1β遺伝子の部位―31のヌクレオチドがTであり、このIL−1β遺伝子の部位−511のヌクレオチドが、起源とした染色体中のIL−1β遺伝子においてCである場合、ハプロタイプは“低コレステロール”と呼ぶものとする。
遺伝子型決定法の一態様は、個体から個体に存在するIL−1β遺伝子の2つのコピー、またはそのフラグメントを含んでなる核酸混合物を単離し、2つのコピーにおける1ヶ所以上の多形部位でのヌクレオチド対の同一性を判定し、IL−1β遺伝子型を個体に対応させることからなる。当業者なら直ぐに理解するように、個体の遺伝子の2つのコピーは同じ対立遺伝子であり得るし、または異なる対立遺伝子であり得る。とりわけ好適な態様において、遺伝子型決定法は各多形部位でのヌクレオチド対の同一性を判定することからなる。
典型的には、核酸混合物またはタンパク質は、個体から採取した生体サンプル、たとえば、血液サンプルまたは組織サンプルなどから単離する。適当な組織サンプルとは、全血、精液、唾液、涙液、尿、糞便物質、汗、口腔内塗抹、皮膚、および特定の臓器組織、たとえば、筋肉もしくは神経組織および毛髪などのバイオプシーである。核酸混合物はゲノムDNA、メッセンジャーポリリボヌクレオチド(mRNA)、またはcDNAからなるが、後者の2種についてはIL−1β遺伝子を発現する臓器から生体サンプルを採取しなければならない。さらに、当業者の理解するところであるが、mRNAまたはcDNA調製物は、イントロン、5’および3’非転写領域またはプロモーター領域に位置する多形の検出には使用しない。IL−1β遺伝子フラグメントが単離される場合、それについて遺伝子型決定するには多形部位を含まなければならない。
ハプロタイプ決定法の一態様は、個体から個体に存在するIL−1β遺伝子の2つのコピーの一方のみ、またはそのフラグメントを含んでなる核酸分子を単離し、当該コピーにおける1ヶ所以上の多形部位でのヌクレオチドの同一性を判定し、IL−1βハプロタイプを個体に対応させることからなる。該核酸はIL−1β遺伝子の2つのコピーまたはフラグメントを分離し得る方法を用いて単離し得るが、上記のIL−1βイソ遺伝子の調製法などによるものであって、制限されるものではなく、標的インビボクローニング法が好適な方法である。
当業者であれば容易に認めるように、個体のクローンは個体に存在する2つのIL−1β遺伝子コピーについて、ハプロタイプの情報を提供するだけである。ハプロタイプの情報が個体の他のコピーについて欲しい場合には、追加のIL−1βクローンを試験する必要がある。一般的に、個体におけるIL−1β遺伝子の両コピーについてハプロタイプ決定する確率を90%以上とするためには、少なくとも5つのクローンを試験すべきである。特に好適な態様においては、各多形部位でのヌクレオチドを同定する。
好適な態様において、IL−1βハプロタイプ対は、個体に存在するIL−1β遺伝子の各コピーにおける1ヶ所以上の多形部位でのヌクレオチドの位相配列を同定することにより、個体について判定する。遺伝子の両コピーについてハプロタイプ決定する場合、同定ステップは、好ましくは別個の容器に収容した遺伝子の各コピーにより実施する。しかし、2つのコピーが異なるタグ標識で標識してあるか、またはさもなくば別々に識別し得るかもしくは同定し得る場合、ある場合には同じ容器中でこの方法を実施することが可能であるとも想定し得る。たとえば、遺伝子の第一および第二コピーをそれぞれ異なる第一および第二蛍光色素により標識し、さらに第三の異なる蛍光色素で標識した対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを使用して多形部位(1または複数部位)をアッセイする場合、第一および第三色素の組合せを検出することで第一遺伝子コピー中の多形を同定し、一方、第二および第三色素の組合せを検出することで第二遺伝子コピー中の多形を同定する。
遺伝子型決定法およびハプロタイプ決定法の両方法において、多形部位(1または複数部位)でのヌクレオチド(またはヌクレオチド対)の同一性は、多形部位(1または複数部位)を含む標的領域(1または複数箇所)をIL−1β遺伝子の1コピーもしくは両コピーまたはそのフラグメントから直接増幅することにより判定し、増幅した領域(1または複数箇所)の配列は常套法で決定する。当業者であれば容易に認めるように、同じヌクレオチドは当該部位でホモ接合である個体における多形部位で2回検出し、一方、2つの異なるヌクレオチドは該個体が当該部位に対してヘテロ接合である場合に検出される。該多形は直接同定し得るものであり、陽性型同定として知られるか、または推論して陰性型同定という。たとえば、SNPが対照母集団においてグアニンとシトシンであることが分かっている場合、一つの部位は当該部位でホモ接合である個体すべてについてグアニンまたはシトシンのいずれかであると明確に判定し得るし、個体が当該部位でヘテロ接合である場合には、グアニンおよびシトシンの両方であると判定し得る。あるいは、該部位はグアニンではない(したがって、シトシン/シトシン)か、またはシトシンではない(したがって、グアニン/グアニン)と否定的に判定し得る。
さらに、本明細書に記載した新規多形部位のいずれかに存在する対立遺伝子の同一性は、対象である該多形部位と連鎖不平衡にあるここには記載していない多形部位を遺伝子型決定することにより間接的に判定することができる。1部位に特定の変異体が存在し、第二部位のもう一つの変異体の予測可能性を高めるならば、2つの部位は連鎖非平衡であると言われる。参照:Stevens, Mol. Diag., Vol. 4, pp. 309-317 (1999)。ここに開示された多形部位と連鎖不平衡にある多形部位は、該遺伝子の領域に、またはここでは試験していない他のゲノム領域に位置し得る。ここに記載した新規多形部位と連鎖不平衡にある多形部位の遺伝子型決定は、限定されるものではないが、多形部位での対立遺伝子の同一性を検出する上記方法のいずれかにより実施し得る。
標的領域(1または複数箇所)はオリゴヌクレオチド配向増幅法、たとえば、限定されるものではないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(米国特許第4,965,188号公報)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(参照:Barany et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 88, pp. 189-193 (1991); 国際特許出願WO90/01069号公報)、およびオリゴヌクレオチド連結反応アッセイ(OLA)(参照:Landegren et al., Science, Vol. 241, pp. 1077-1080 (1988))などにより増幅し得る。かかる方法においてプライマーまたはプローブとして有用なオリゴヌクレオチドは、多形部位を含むかあるいはそこに隣接する核酸の領域に特異的にハイブリッド形成する。典型的には、該オリゴヌクレオチドはその長さが10個ないし35個のヌクレオチドであり、好ましくは15個ないし30個のヌクレオチドからなる。最も好ましくは、該オリゴヌクレオチドは20個〜25個のヌクレオチドの長さである。オリゴヌクレオチドの確かな長さは、当業者が通常考え、また実施する際の多くのファクターに左右される。
他の既知核酸増幅手法を使用して標的領域を増幅することができるが、その手法としては転写にもとづく増幅システム(参照:米国特許第5,130,238および5,169,766号公報;欧州特許EP329,822号公報;および国際特許WO89/06700号公報)および等温法である。参照:Walker et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 89, pp. 392-396 (1992)。
標的領域における多形は、技術上既知の数種のハイブリッド形成にもとづく方法の一つにより、増幅の前または後にアッセイすることもできる。典型的には、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドをかかる方法の実施に利用する。対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは異なる標識化プローブ対として使用可能であり、その場合、対の一方は標的配列の1変異体に完全な合致を示し、他方は別の変異体に完全な合致を示す。一部態様において、1ヶ所を超える多形部位が対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド対のセットを用い、一度に検出し得る。好ましくは、セットのメンバーは、検出すべき多形部位のそれぞれにハイブリッド形成したときに、互いに5℃以内の融点、より好ましくは2℃以内の融点を有する。
対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドの標的オリゴヌクレオチドへのハイブリッド形成は、両因子を溶液として実施するか、またはかかるハイブリッド形成はオリゴヌクレオチドまたは標的ポリヌクレオチドが固体支持体に共有結合として、または非共有的に附着する場合に実施し得る。附着には、たとえば、抗体−抗原相互作用、ポリ−L−Lys、ストレプトアビジンまたはアビジン−ビオチン、塩橋、疎水性相互作用、化学的結合、UV架橋ベーキングなどが仲介する。対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは固体支持体上で直接合成するか、または合成に続いて固体支持体に附着させ得る。本発明の検出法での使用に適する固体支持体は、シリコン、ガラス、プラスチック、紙などで作られた基板であり、たとえば、ウエル(96穴プレートなどの)、スライド、シート、膜、ファイバー、チップ、皿、およびビーズなどに加工し得るものである。固体支持体は処理、被覆または誘導化して対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドまたは標的核酸の固相化を容易にすることもできる。
個体のIL−1β遺伝子の遺伝子型またはハプロタイプは、該遺伝子のコピーの一方または両方を含む核酸サンプルを、国際特許出願WO95/11995に記載されているような核酸アレイおよびサブアレイにハイブリッド形成させることによっても判定し得る。該アレイは遺伝子型またはハプロタイプに含まれているはずの多形部位のそれぞれを提示する一連の対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを含む。
多形の同一性はミスマッチ検出技法を用いても判定し得る;該方法は限定されるものではないが、リボプローブを用いるRNアーゼ保護法(参照:Winter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 82, p. 7575 (1985); and Meyers et al., Science, Vol. 230, p. 1242 (1985))および大腸菌mutSタンパク質などのヌクレオチドミスマッチを認識するタンパク質を用いる方法などである。参照:Modrich, Ann. Rev. Genet., Vol. 25, pp. 229-253 (1991)。別法として、変異体対立遺伝子は一本鎖コンホメーション多形(SSCP)解析(参照:Orita et al., Genomics, Vol. 5, pp. 874-879 (1989); and Humphries et al., Molecular Diagnosis of Genetic Diseases, Elles, Ed., pp. 321-340 (1996))または変性勾配ゲル電気泳動法(DGGE)によって同定し得る。参照:Wartell et at., Nucl. Acids Res., Vol. 18, pp. 2699-2706 (1990); and Sheffield et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 86, pp. 232-236 (1989)。
また、ポリメラーゼ仲介プライマー伸張法を用いて多形を同定することもできる。かかる方法の幾つかは特許および科学文献に記載されており、“遺伝的ビット分析”法(国際特許出願WO92/15712号公報)およびリパーゼ/ポリメラーゼ仲介ビット分析(米国特許第5,679,524号公報)を包含する。関連方法は国際特許出願WO91/02087、WO90/09455、WO95/17676、米国特許第5,302,509および5,945,283号公報に開示されている。多形を含む伸張プライマーは米国特許第5,605,798号公報に記載されているように質量分析法により検出し得る。もう一つのプライマー伸張法は対立遺伝子特異的PCRである。参照:Ruafio et al., Nucl. Acids Res., Vol. 17, p.8392 (1989); Ruafio et al., Nucl. Acids Res., Vol. 19, pp. 6877-6882 (1991); WO93/22456; and Turki et al., J. Clin. Invest., Vol. 95, pp. 1635-1641 (1995)。さらに、多重多形部位はワレイスら(Wallace et al. (WO89/10414))が記載しているように、対立遺伝子特異的プライマーのセットを用いて核酸の多重領域を同時に増幅することにより検討し得る。
好適な態様において、各民族的地理的群についてのハプロタイプ頻度データは、それがハーディ−ワインバーグ平衡と矛盾がないかを判定するために試験した。ハーディ−ワインバーグ平衡(参照:Hartl et al., Principles of Population Genomics, Sinauer Associates, 3rd Edition, Sunderland, MA (1997))は、ハプロタイプ対H/Hを見出す頻度が、もしH≠Hであれば、PH−W(H/H)=2p(H)p(H)に等しく、もしH=HであればPH−W(H/H)=p(H)p(H)に等しいと仮定する。観察されるハプロタイプ頻度と予測されるハプロタイプ頻度との間の統計的有意差は、母集団における有意な近親交配、遺伝子に対する強い選択圧、サンプル採取の偏り、および/または遺伝子型決定過程における誤差などの1つ以上のファクターによるものである。もしハーディ−ワインバーグ平衡から大きな偏差が民族的地理的群に観察されるならば、その偏差がサンプル採取の偏りによるものかどうかを見るために、その群の個体数を増加させることができる。サンプルサイズを大きくしても観察されるハプロタイプ対の頻度および予測される頻度間の差が小さくならない場合には、直接的ハプロタイプ決定法、たとえば、クラスパー・システム(CLASPER SystemTM)技法(米国特許第5,866,404号明細書)、SMSまたは対立遺伝子特異的長距離PCRなどを使用して、個体のハプロタイプ決定を考慮してもよい。参照:Michalotos-Beloin et al., Nucl. Acids Res., Vol. 24, pp. 4841-4843 (1996)。
IL−1βハプロタイプ対を予知するこの方法の一態様において、対応させるステップは以下の解析を実施することからなる。先ず、可能性のあるハプロタイプ対のそれぞれを対照母集団のハプロタイプ対と比較する。一般に、対照母集団におけるハプロタイプ対の一つのみが可能性のあるハプロタイプ対と合致し、その対をその個体に対応させる。時により、対照ハプロタイプ対に提示される唯一のハプロタイプは、個体に対し可能性のあるハプロタイプ対と矛盾せず、そのような場合には、個体にはこの既知のハプロタイプと新しいハプロタイプを含むハプロタイプ対を対応させる;新しいハプロタイプは可能性のあるハプロタイプ対から既知のハプロタイプを差し引くことにより誘導されるものである。希な事例において、対照母集団には可能性のあるハプロタイプ対と調和するハプロタイプは存在しない;あるいは多重対照ハプロタイプ対は可能性のあるハプロタイプ対と矛盾しない。かかる事例において、個体は好ましくは、直接分子ハプロタイプ決定法、たとえば、クラスパー・システム(CLASPER SystemTM)技法(米国特許第5,866,404号明細書)、SMSまたは対立遺伝子特異的長距離PCRなどを使用してハプロタイプ決定する。参照:Michalotos-Beloin et al., 上記。
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[引用文献]
本明細書に引用した文献は、それぞれ個々の出版物または特許または特許出願が具体的かつ個別的にその全文を目的の如何を問わず参照により取込むことを表明したと同様の程度に、すべてその全文を目的の如何を問わず参照により本明細書の一部とする。本明細書の文献についての考察は、これらの著者がなした主張を要約しようとしただけのものであり、いずれの文献も先行技術を構成すると認めたものではない。出願人は引用文献の正確さおよび適切さについて争う権利を保有する。
さらに、本明細書中に引用したジェンバンク受託番号、ユニジーン・クラスター番号およびタンパク質受託番号は、それぞれのかかる番号が具体的かつ個別的にその全文を目的の如何を問わず参照により取込むことを表明したと同様の程度に、すべてその全文を目的の如何を問わず参照により本明細書の一部とする。
本出願に記載した特定の態様は、本発明の個々の側面を単に説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。当業者にとって明らかなように、本発明ではその精神と範囲から逸脱することなく、多くの改良および変更をなし得る。本明細書に列挙したことに加えて、本発明の範囲内で機能的に等価な方法および装置が、これまでの記載と添付の図面から、当業者には明らかである。かかる改良および変更も添付の請求項の範囲内に包含されるものとする。本発明は添付の請求項によってのみ制限されるものであり、その請求項に等価のすべての範囲とともにかかる請求項には権利がある。
RAD B251臨床試験内でまとめたすべての処置群における(−511)IL−1βCC、CTまたはTT遺伝子型と比較したLS平均総コレステロールレベル。 RAD B251臨床試験内でまとめたすべての処置群における(−31)IL−1βCC、CTまたはTT遺伝子型と比較したLS平均総コレステロールレベル。 RAD B251臨床試験内でまとめたすべての処置群における(−511)IL−1βCC、CTまたはTT遺伝子型と比較したLS平均HDLコレステロールレベル。 RAD B251臨床試験内でまとめたすべての処置群における(−31)IL−1βCC、CTまたはTT遺伝子型と比較したLS平均HDLコレステロールレベル。 RAD B251臨床試験内でまとめたすべての処置群における(−511)IL−1βCC、CTまたはTT遺伝子型と比較したLS平均LDLコレステロールレベル。 RAD B251臨床試験内でまとめたすべての処置群における(−31)IL−1βCC、CTまたはTT遺伝子型と比較したLS平均LDLコレステロールレベル。
【配列表】
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Claims (19)

  1. 免疫抑制剤投薬による処置中の患者において生じる血清コレステロールの上昇度を判定する方法であって、
    a)患者に存在するIL−1β遺伝子の2つのコピーについて、IL−1β遺伝子の多形部位−511C→T(配列X04500の1423位置)でのヌクレオチド対の同一性を判定すること;および
    b)両方の対がATである場合、その患者は高コレステロール上昇群とし、一対がATで一対がGCである場合、その患者は中間のコレステロール上昇群とし、また両方の対がGCである場合、その患者は低コレステロール上昇群とすること;
    を特徴とする方法。
  2. 免疫抑制剤投薬法により患者を処置する方法であって、
    a)患者に存在するIL−1β遺伝子の2つのコピーについて、IL−1β遺伝子の多形部位−511C→T(配列X04500の1423位置)でのヌクレオチド対の同一性を判定すること;および
    b)両方の対がGCである場合、その患者は免疫抑制剤投薬法により処置し、また一対がATで一対がGCである場合、または両方の対がATである場合、その患者には別途の処置を用いること;
    を特徴とする方法。
  3. 免疫抑制剤投薬法が表2のリストから選択される請求項2記載の方法。
  4. 免疫抑制剤投薬法がエベロリムスによるものである請求項3記載の方法。
  5. 別途の処置が表1に掲載した方法から選択されるコレステロール低下剤投薬法を追加することからなる請求項2、3または4に記載の方法。
  6. 免疫抑制剤投薬による処置中の患者において生じる血清コレステロールの上昇度を判定する方法であって、
    a)患者に存在するIL−1β遺伝子の2つのコピーについて、IL−1β遺伝子の多形部位−31T→C(配列X04500の1903位置)でのヌクレオチド対の同一性を判定すること;および
    b)両方の対がCGである場合、その患者は高コレステロール上昇群とし、一対がATで一対がGCである場合、その患者は中間のコレステロール上昇群とし、また両方の対がATである場合、その患者は低コレステロール上昇群とすること;
    を特徴とする方法。
  7. 免疫抑制剤投薬法により患者を処置する方法であって、
    a)患者に存在するIL−1β遺伝子の2つのコピーについて、IL−1β遺伝子の多形部位−31T→C(配列X04500の1903位置)でのヌクレオチド対の同一性を判定すること;および
    b)両方の対がATである場合、その患者は免疫抑制剤投薬法により処置し、また一対がATで一対がGCである場合、または両方の対がCGである場合、その患者には別途の処置を用いること;
    を特徴とする方法。
  8. 免疫抑制剤投薬法が表2のリストから選択される請求項7記載の方法。
  9. 免疫抑制剤投薬法がエベロリムスによるものである請求項8記載の方法。
  10. 別途の処置が表1に掲載した方法から選択されるコレステロール低下剤投薬法を追加することからなる請求項7記載の方法。
  11. 免疫抑制剤投薬による処置中の患者において生じる血清コレステロールの上昇度を判定する方法であって、
    a)患者に存在するIL−1β遺伝子を含む染色体の2つのコピーについて、IL−1β遺伝子に関するハプロタイプを判定すること;および
    b)当該コピーの両方が“高コレステロール”ハプロタイプを含む場合には、その患者を高コレステロール上昇群とすること;および
    c)当該コピーの一方が“高コレステロール”ハプロタイプを含み、もう一方が“低コレステロール”ハプロタイプを含む場合、その患者は中間のコレステロール上昇群とし、また当該コピーの両方が“低コレステロール”ハプロタイプを含む場合、その患者は低コレステロール上昇群とすること;
    を特徴とする方法。
  12. 免疫抑制剤投薬法により患者を処置する方法であって、
    a)患者に存在するIL−1β遺伝子を含む2つの染色体について、IL−1β遺伝子に関するハプロタイプを判定すること;
    b)当該染色体の両方が“低コレステロール”ハプロタイプを含む場合には、その患者を免疫抑制剤投薬法により処置し、また当該染色体の一方が“低コレステロール”ハプロタイプを含み、もう一方が“高コレステロール”ハプロタイプを含むか、または当該染色体の両方が“高コレステロール”ハプロタイプを含む場合には、その患者には別途の処置を用いること;
    を特徴とする方法。
  13. 免疫抑制剤投薬法が表2のリストから選択される請求項12記載の方法。
  14. 免疫抑制剤投薬法がエベロリムスによるものである請求項13記載の方法。
  15. 別途の処置が表1に掲載した方法から選択されるコレステロール低下剤投薬法を追加することからなる請求項12、13または14に記載の方法。
  16. 該ヌクレオチド対またはハプロタイプの同一性を判定する方法が、IL−1β遺伝子の−511多形または−31多形と連鎖不平衡にある当該染色体のどこかに存在するSNPを見出し、当該1個またはそれ以上のSNPの関係を用いて、対象のヌクレオチド対またはハプロタイプの性質を判定することを特徴とする請求項1、2、6、7、11および12に記載の方法。
  17. 患者におけるIL−1β遺伝子の多形部位−511でのヌクレオチド対を判定するキットであって、
    a)IL−1β遺伝子の多形部位−511でのヌクレオチド対の性質を検出する特異的な少なくとも1種の試薬を含む容器;および
    b)当該ヌクレオチド対の性質にもとづき推奨される処置を選択するための説明書;
    を含んでなるキット。
  18. 患者におけるIL−1β遺伝子の多形部位−31でのヌクレオチド対を判定するキットであって、
    a)IL−1β遺伝子の多形部位−31でのヌクレオチド対の性質を検出する特異的な少なくとも1種の試薬を含む容器;および
    b)当該ヌクレオチド対の性質にもとづき推奨される処置を選択するための説明書;
    を含んでなるキット。
  19. 指摘されたハプロタイプの性質にもとづき推奨される処置を選択するための当該キットおよび説明書の結果から、IL−1β遺伝子のハプロタイプの性質を判定するための説明書を含む請求項17および18に記載のキットを含んでなるキット。
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