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JP2007516729A - 酵素消化による核酸の迅速な調製 - Google Patents

酵素消化による核酸の迅速な調製 Download PDF

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Abstract

本発明は、生物学的サンプルの細胞培養培地または細胞液を除去することなく、生物学的サンプルから直接少なくとも1つの核酸を単離および精製するため、または、後で少なくとも1つの核酸を単離および精製するための生物学的サンプルを調製するための、方法、組成物およびキットを提供する。

Description

発明の詳細な説明
発明の背景
核酸の応用における進展、例えば、自動配列決定および薬物スクリーニングにより、核酸、例えば、あらゆる形態のDNAまたはRNA (直鎖状および環状、プラスミドまたはベクターを含む)を単離および精製する迅速、効率的、かつ対費用効率の高い方法の必要性が高まっている。目的のDNAの十分なコピーを得るために、例えば、研究者は目的のDNAをベクターまたはプラスミドに入れている。研究者は次いで、構築したプラスミドを細胞、例えば、細菌細胞 (例えば、大腸菌)に形質転換する。細菌細胞を次いで選択用固体培地、例えば、寒天上で培養すると、細胞分裂を介して、構築したプラスミドを含む同一の細菌細胞のコロニーが発達する。研究者はこのコロニーを液体培地、例えば、LB培地に接種し、コロニーを一晩増殖させる。
現在行われているプラスミドの調製方法には、(1)プラスミドを含む細胞をペレットにするために、通常遠心分離によって行われる培養液からの細胞の回収、そして遠心分離の後に、(2)培地の除去、が必要である。回収した後、ボルテックス、振盪またはピペッティングにより再懸濁バッファーに細胞を再構成する、さらなる工程が行われる。これら常套の工程は、自動化するにはさらなる費用、時間および操作が必要であるため十分には自動化されていない。これら工程を自動化することを試みるシステムは非常に高価である。細胞を回収し、培地を除去し、細胞を再懸濁した後でやっと、細胞は最終的に溶解される。
当該技術分野では、培地が単離プラスミドのさらなる操作の障害となっていることが開示されている。例えば、Sambrook、J.、et al.、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、2nd ed.、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989のp. 1.31には「研究者がミニプレップを初めて行う場合、プラスミドDNAは制限酵素による切断に対して耐性であることがよくある。ほぼつねに、この問題は細菌のペレットから上澄み液をすべて除くために十分な注意が払われないために起こる」と記載されている。
溶解は通常、塩基、界面活性剤、酵素および/または熱の利用によって達成される。アルカリ法を細胞の溶解に用いた場合には、中和およびその後の可溶化液清浄化工程が要求される。これらの方法は労力と時間がかかる工程を必要とするため、核酸調製の迅速な方法の開発の障害となっている。
DNA源、例えば、血液、唾液、細菌培養液などからDNAを単離する代替方法は、タンパク分解酵素および界面活性剤の組合せによりDNA 源を溶解すること、次いで、DNAが水相に入り、加水分解産物が有機相に入るよう、有機溶媒、例えば、フェノールおよびクロロホルムにて混合物を抽出することを含む。水相中のDNAは次いでアルコールの添加により沈降する。しかし、この有機抽出方法は労力と時間がかかり、フェノールまたはその他の毒性の有機溶媒の使用を必要とし、それゆえ、安全上の問題がある。
別のアプローチにおいて、DNAは、DNA源をDNA結合性固相の存在下でカオトロピック物質、例えば グアニジン塩、尿素およびヨウ化ナトリウムにより溶解することによって単離される。遊離したDNAは一段階反応において固相に結合し、ここで固相を洗浄して、残余の汚染物質を除去する。これらの方法はあまり時間がかからず、毒性も低いことが判明しているが、これらの方法もまた、培地の除去のために細胞のペレット化および再懸濁を必要とする。さらに、核酸源をカオトロピック物質で溶解することは、核酸単離および精製のもっとも一般的な方法のいくつか、例えば、陰イオン交換クロマトグラフィーおよび固相可逆的固定化と適合しない。
DNAが細胞から放出されたら、その精製のためには多数の方法が存在する。純度は高感度の後続操作、例えば、自動配列決定にとって非常に重要である。
1つの精製アプローチではCsCl勾配遠心分離を用いる。CsCl勾配遠心分離は、核酸の分離のために、挿入剤、例えば、臭化エチジウムの存在下における、サイズが異なる核酸分子(RNA、プラスミドDNA、ゲノムDNA)のCsCl濃度勾配中の沈降挙動の相違を利用する。このタイプの分離は大量の核酸にしか使用できず、超遠心分離器の使用を必要とする。超遠心分離器が非常に高価であることに加えて、かなりの時間の消費(少なくとも48時間)が、二重CsCl勾配精製、臭化エチジウムの除去のための有機抽出およびCsClの除去のための透析のために要求される。
精製方法、または溶解/精製の組合せ方法のなかには、プラスミド調製のために細菌培養物を溶解するために有害な有機溶媒(例えば、フェノールおよびクロロホルム)を用いるものがある。しかし、フェノール-クロロホルム法は面倒で時間のかかる相分離工程を必要とする。さらに、毒性の有機溶媒を用いる操作は望ましくない。
DNAおよびRNAは中性のpHでは陰イオンであり、それゆえ陰イオン交換クロマトグラフィーによって単離することができる。細菌細胞は典型的にはアルカリ法によって溶解される。細胞性タンパク質およびゲノムDNAは、界面活性剤およびその後の遠心分離によって分離される。プラスミドDNAを含む上清は「清浄化可溶化液」と称される。かかる清浄化可溶化液は、所望のRNAまたはDNAがカラムに結合し、不純物は通過する陰イオン交換カラムにアプライされる。
良好な結果を得るために、単離核酸の特定の操作では、核酸が十分に純粋であることが要求される。かかる操作の1つは自動配列決定である。典型的には、自動配列決定機は放射性ヌクレオチドではなく蛍光色素をタグ付加されたヌクレオチドを用いる。4種類の色素が用いられ、レーザーによって励起されると、それらは相異なる波長の光を放射する。色素はプライマーまたは4つのジデオキシ鎖ターミネーターのそれぞれを標識するのに用いられ得る。各ジデオキシ反応混合物は異なる標識によって同定されるので、放射性標識に必要である4つの別々のレーンは必要ではなく、混合物をプールして、単一のレーンで泳動することができる。蛍光でタグ付加されたジデオキシ断片はゲルを下向きに移動し、レーザービームを通過し、ここで、蛍光色素がレーザーによって励起され、光を放射し、その光は光電子倍増管またはCCDカメラによって検出される。配列決定は核酸調製における不純物に対して感受性であるので、プラスミドは自動配列決定を行うには十分に純粋である必要がある。また、多数の相異なるプラスミドが通常調製され、配列決定に用いられるが、それによって迅速かつ簡便な調製の必要性が生じている。
したがって、効率的かつ迅速であり、現在の方法よりも必要な操作が少ない核酸の単離および精製方法が求められている。かかる方法は、溶解に先だって核酸を含む細胞を回収する必要がなく、自動化可能なものであるべきである。さらに、さらなる分子操作、特に、核酸調製における不純物に対して感受性の操作、例えば、自動配列決定、PCR、制限消化およびサブクローニングに用いうる十分に精製された核酸の産生が望まれている。
図面の簡単な説明
図1は、50 mM Tris-HCl、pH 8.0、200 mM EDTA、5% Triton X-100および10 mg/ml RNase Aを含む酵素溶液1(トラック3および5)、および、50 mM Tris-HCL、pH 8.0、200 mM EDTA、5% Triton X-l00、10 mg/ml RNase Aおよび20 mg/ml リゾチームを含む酵素溶液2(トラック4および6)を、様々なインキュベーション時間にて用いて回収したプラスミドDNAの量を比較する。理解されるように、トラック4および6では、単離および精製されたプラスミドDNAの量がもっとも多く、本発明の抽出酵素溶液の使用により、プラスミドDNAが迅速に単離および精製されたことを示す。
図2は、様々な抽出酵素溶液調製物の使用により回収されたプラスミドDNAの量を比較する。非イオン性界面活性剤、リゾチーム、リボヌクレアーゼおよび金属キレート剤の様々な組合せの比較により、4つのすべての成分をともに用いた場合だけでなく、程度は低いが、リゾチーム、非イオン性界面活性剤および金属キレート剤を用いた場合も、単離および精製されるプラスミドDNAの量に対して相乗効果が発揮されることが示される。
図3は、一段階プラスミド単離および精製のために本発明の抽出酵素溶液と結合溶液とを組み合わせることができることを示す電気泳動ゲルである。図3はさらに、回収されたプラスミドDNAの量がPEG濃度に依存することを示す。
図4は、本発明の態様にしたがって調製され、EcoR IおよびXho Iの両方で消化されたプラスミド pCMV-SPORT-βgalまたはプラスミド pCR II-TOPOの制限消化を示す。図4は、本発明の抽出酵素溶液を用いて単離および精製されたプラスミドDNAは、制限酵素により容易に消化可能であり、ハイスループット・クローン・スクリーニングおよびサブクローニングに利用可能であったことを示す。
図5は、本発明の抽出酵素溶液による処理後のpCMV-SPORT-βgal (一部) (配列番号1)についての典型的なクロマトグラムである。図5は、本発明の抽出酵素溶液により単離および精製されたプラスミドDNAは、自動化蛍光配列決定に用いることが出来たことを示す。
図6は、pCR II-TOPO (一部) (配列番号2)についての典型的なクロマトグラムである。図6は、本発明の抽出酵素溶液により単離および精製されたプラスミドDNAは、自動化蛍光配列決定に用いることが出来たことを示す。
発明の概要
本発明において請求されるのは、生物学的サンプルの培地または細胞液 (即ち、細胞または細胞材料を含む液体)をあらかじめ除去することなく、少なくとも1つの核酸を生物学的サンプルから直接、迅速に単離および精製するため、または少なくとも1つの核酸を後で単離および精製するための生物学的サンプルの調製のための、方法、組成物およびキットである。より詳細には、本発明において請求されるのは、少なくとも1つの核酸を生物学的サンプルから直接単離および精製するため、または少なくとも1つの核酸を後で単離および精製するための生物学的サンプルの調製のための、方法、組成物およびキットであり、ここで、該キットおよび組成物は、リゾチーム、リボヌクレアーゼ、金属キレート剤および非イオン性界面活性剤を含む抽出酵素溶液を含む(以後、これら4成分の組合せを「抽出酵素溶液」と称する)。さらに本発明において請求される方法のなかには、抽出酵素溶液を使用するものが含まれる。その他の方法は、少なくとも1つの核酸を培養液から直接単離および精製するために、または少なくとも1つの核酸を後で単離および精製するための生物学的サンプルの調製のために、リゾチームを使用する。
本発明において請求される組成物およびキットは、結合溶液をさらに含んでいてもよい。本発明の方法は、結合溶液を含む組成物およびキットを使用するものであってよい。さらに、抽出酵素溶液により、核酸を単離および精製する方法を自動化することが出来る。
リゾチーム、リボヌクレアーゼ、金属キレート剤および非イオン性界面活性剤を含む抽出酵素溶液による生物学的サンプルの処理により、核酸を単離および精製する迅速、効率的かつ対費用効率の高い方法が可能となる。抽出酵素溶液によれば、細胞を遠心分離により生物学的サンプルから回収する必要はなく、細胞培地または細胞液を除去する必要はない。これにより、また、ペレットから細胞を再懸濁する必要も排除される。理論に拘束される意図はないが、本発明者は、抽出酵素溶液が細胞培養物または細胞液における迅速な酵素消化を可能とし、それによって培地成分からの干渉無しに、あるいはそれを最小限に抑えて、溶解後のDNA/RNAの操作を可能とすると考えている。さらに、抽出酵素溶液を使用すると、リボヌクレアーゼによるRNA分解が、カオトロピック塩の存在下とは異なり、細胞溶解の際に制限されないと考えられる。
抽出酵素溶液における4つのすべての成分の組合せは一緒になって、効果的な細胞溶解、RNA分解および核酸の良好な回収を示す。さらに、抽出酵素溶液により細胞の回収および再構成といった面倒な工程が排除され、それによって、核酸の単離および精製方法が簡便化および合理化される。本明細書に記載の本発明は、いずれの成分も単独でまたはその他の1または2の成分との組合せで使用した場合、4つのすべての成分をともに使用した場合ほど効果的ではないが、該4つの成分の組合せに限定されない。また、リゾチームを非イオン性界面活性剤および/または金属キレート剤とともに使用(そしてリボヌクレアーゼを使用しない)した場合も、4つのすべての成分をともに使用した場合より程度は低いが効果的であることが判明した。リボヌクレアーゼを使用しない場合、酵素溶液はRNAおよびDNA抽出にも利用できる。
本発明において請求される方法、キットおよび組成物の抽出酵素溶液は、血液、唾液、組織、細胞培養物、細胞液、細胞材料などを含むがそれらに限定されない生物学的サンプルについて使用されることが意図される。本発明において請求される方法、キットおよび組成物を血液および唾液に対して用いる場合、さらなる酵素成分を添加する必要があり得、例えばプロテアーゼが挙げられるがこれに限定されない。細胞培養物の非限定的な例としては、細菌、植物、酵母および哺乳類細胞培養物が含まれる。本発明において請求される方法、キットおよび組成物を植物、酵母および哺乳類細胞培養物に対して使用する場合、さらなる酵素成分を添加する必要があり得、例えば、植物についてはセルラーゼおよびペクチナーゼ、酵母細胞についてはリチカーゼ、および哺乳類細胞についてはプロテアーゼが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明において請求される酵素溶液は、細胞培養物を溶解し、DNAを迅速に放出させる;十分な核酸が、細胞培養物の酵素溶液による処理のたった約10秒以内に回収され得る。しかし、一般には酵素溶液を少なくとも約1、2または5分間使用することが望まれるであろう。望ましい結果が約15分未満、または少なくとも約30分未満で達成されるはずである。
抽出酵素溶液を含む方法、組成物およびキットにより単離および精製された核酸は、後続の用途、例えば、これらに限定されないが、PCR、DNA配列決定、制限消化およびサブクローニングに利用することが出来る。
発明の詳細な説明
本発明の一つの態様は、少なくとも1つの核酸を後で単離および精製するための生物学的サンプルの調製方法を含み、ここで該方法は以下の工程を含む:
1)生物学的サンプルの培地または細胞液をあらかじめ除去することなく、生物学的サンプルと抽出酵素溶液を混合して可溶化液混合物を形成させる工程、ここで、抽出酵素溶液は、リゾチーム、リボヌクレアーゼ、金属キレート剤、および非イオン性界面活性剤を含む;
2)該可溶化液混合物をインキュベートする工程;および、
3)該混合物を結合溶液と混合する工程。
次いで、その後の精製および単離工程を行ってもよく、それには、
4)核酸を固体支持体に結合させる工程;および、
5)核酸を固体支持体から溶出する工程、
が含まれる。
抽出酵素溶液は細胞溶解とRNA分解を引き起こし、それによって、生物学的サンプルの培地または細胞液からの干渉なしに、あるいは干渉を最小限に抑えて、培養物から直接に核酸を単離および精製することを可能とする。
抽出酵素溶液は血液、唾液、組織、細胞培養物、細胞液、細胞材料などの生物学的サンプルに対して用いることが出来るが、これらに限定されない。細胞培養物の非限定的な例には、細菌、植物、酵母および哺乳類細胞培養物が含まれる。植物、酵母または哺乳類細胞を含む生物学的サンプルを調製する場合にはさらなる酵素成分の添加が必要となり得、例えば、これらに限定されないが、植物細胞にはセルラーゼおよびペクチナーゼ、酵母細胞にはリチカーゼおよび哺乳類細胞にはプロテアーゼが必要となり得る。本発明において請求される方法は、環状または直鎖状のいずれであってもよいDNAを含む核酸の単離および精製に利用できる。
本発明において請求される方法において、使用者は、生物学的サンプルを短時間抽出酵素溶液で処理する。生物学的サンプルは、約10秒程度短時間処理すればよく、一般には約1分未満〜約2分未満にて処理されるが、当業者であればそれより長いかまたは短い時間であっても効果的に利用できることを認識しているであろう(例えば、5分未満、15分未満または30分未満)。
抽出酵素溶液は、リゾチーム、リボヌクレアーゼ、金属キレート剤、および非イオン性界面活性剤を含むが、さらなる成分を酵素溶液の長期保存のための安定化に用いてもよく、かかる成分としては、バッファー、例えば、トリス(tris)、および安定剤、例えば、グリセロールが挙げられる。酵素溶液はまた、複数のタイプのリゾチーム、リボヌクレアーゼ、金属キレート剤または非イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。
本発明者は、あらゆるリゾチームが抽出酵素溶液に有用であると考える。リゾチーム濃度は0.5 mg/mlと低いものであってもよく、40 mg/mlと高いものであってもよいが、濃度 10〜30 mg/mlが効果的であることが判明した。同様に、あらゆるリボヌクレアーゼがRNAの迅速な分解のために酵素溶液において有用であると考えられる。リボヌクレアーゼ濃度は0.1 mg/mlと低いものであってもよく、20 mg/mlと高いものであってもよいが、濃度5 mg/ml〜10 mg/mlが効果的であった。
本発明の実施に有用な金属キレート剤には、これらに限定されないが、EDTA、EGTA、CDTAおよびそれらの組合せが挙げられる。金属キレート剤の濃度は10 mMと低いものであってもよく、300 mMと高いものであってもよいが、濃度100〜200 mMが効果的であった。
本発明の実施に有用な非イオン性界面活性剤には、これらに限定されないが、ポリオキシエチレン、アルキルグルコシド、アルキルチオグルコシドおよびそれらの組合せが挙げられる。ポリオキシエチレンには、これらに限定されないが、Triton X-100 (Sigma-Aldrichから入手可能であり、ポリエチレングリコールtertオクチルフェニルエーテルとしても知られる)、Tween (Sigma-Aldrichから入手可能であり、ポリエチレングリコールソルビタンモノラウレートとしても知られる)およびIgepal CA-630 (Sigma-Aldrichから入手可能であり、(オクチルフェノキシ)ポリエチレングリコールとしても知られる)が挙げられる。アルキルチオグルコシドには、これらに限定されないが、オクチルチオグルコシド、例えば、オクチル-β-D-チオグルコピラノシド (Sigma-Aldrichから入手可能)が挙げられる。非イオン性界面活性剤濃度は0.5%と低いものであってよく、10%と高いものであってもよいが、濃度1%および5%も効果的である。
上記方法は、結合溶液とともに利用することが出来る。結合溶液は抽出酵素溶液の後に、または抽出酵素溶液と同時に、後続のDNAのマトリックスへの捕捉のために用いることができる。
様々な試薬が抽出酵素溶液と同時に結合溶液において利用することが出来る。結合溶液には、限定されないが以下が含まれ得る:(1)無塩または塩含有アルコールまたはポリエチレングリコール、(2)アルコール、カオトロープおよび塩の組合せ、および、(3)ポリエチレングリコール、アルコールおよび塩の組合せ。
結合溶液において有用なアルコールの非限定的な例には、イソプロパノール、エタノール、その組合せなどが挙げられる。結合溶液において有用な塩の非限定的な例には、これらに限定されないが、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、それらの組合せなどが挙げられる。
結合溶液において有用なカオトロープの非限定的な例には、チオシアン酸グアニジン、塩酸グアニジン、過塩素酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、それらの組合せなどが挙げられる。
短時間の遠心分離または減圧濾過を用いてDNA捕捉を補助することが出来る。DNA捕捉は、カオトロープ駆動結合モードまたは沈降駆動結合モードによって達成され得る。シリカに基づくマトリックスはカオトロープ駆動結合に非常に重要であるが、沈降駆動結合には重要ではない。
当業者に公知の手段による(例えば、固体支持体上への)捕捉の後、核酸(例えば、DNA)を洗浄溶液で洗浄して残余の塩およびその他の不純物を除く。結合したプラスミドDNAを次いで選択的にいずれかの公知手段によって溶出すればよく、かかる手段としては、これらに限定されないが、低塩バッファーまたは滅菌蒸留水の添加が挙げられる。塩およびその他の不純物の結合した核酸からの除去に有用な洗浄溶液の非限定的な例には、60-80% エタノールおよび50-70% イソプロパノールが挙げられる。核酸の溶出に有用な溶液の非限定的な例には、10 mM トリス(tris)、pH 8.5および滅菌蒸留水が挙げられる。
抽出酵素溶液の添加の後、DNAは、陰イオン交換体またはその他の表面によって捕捉することができる。特定の条件下で核酸に結合する多数の表面が周知である。これらには、限定するものではないが、二酸化ケイ素、アルミナ酸化物、珪藻土、微小粒子 (例えば、 カルボキシル化磁性ポリスチレンビーズおよび磁性シリカビーズ)、およびポリマー(例えば、ポリエチレンイミン)が挙げられる。抽出酵素溶液とDNA結合性の微小粒子またはポリマーを組み合わせると、細胞溶解とDNA捕捉を同時に行うことが出来る。
本発明のさらなる態様は、生物学的サンプルの細胞培地または細胞液をあらかじめ除去することなく、生物学的サンプルと抽出酵素溶液および結合溶液を混合し、可溶化液混合物を形成させる工程、ここで該抽出酵素溶液は、1)リゾチーム、2)リボヌクレアーゼ、3)金属キレート剤、および4)非イオン性界面活性剤を含み、ここで該結合溶液は、1) ポリエチレングリコールおよび2) 塩を含む、そして、該可溶化液混合物を約10秒〜約30分インキュベートする工程を含む、生物学的サンプルから少なくとも1つの核酸を単離および精製する方法を含む。次いでその後の核酸単離および精製工程を行ってもよく、それには固体支持体 (例えば、適切な官能基を有する、ビーズ、多孔性マトリックスまたはその他の固体表面)に核酸を結合させる工程、および核酸を固体支持体から溶出する工程が含まれる。結合溶液は酵素溶液の後に、または酵素溶液と同時に用いることが出来る。この態様または本発明において請求されるすべての態様に有用な抽出酵素溶液および結合溶液は、上記と同じである。
本発明のさらなる態様は、少なくとも1つの核酸の単離および精製のために細菌細胞を調製する方法を含み、ここで該方法は、生物学的サンプルの培地または細胞液を前もって除去することなく、生物学的サンプルに抽出酵素溶液を添加することを含む。
本発明のさらに別の態様は、少なくとも1つの核酸を後で単離および精製するための生物学的サンプルの調製のための抽出酵素溶液を含む。抽出酵素溶液は、上記のように、リゾチーム、リボヌクレアーゼ、金属キレート剤、および非イオン性界面活性剤を含む。
抽出酵素溶液は、約0.5〜約40 mg/mlのリゾチーム、約0.1〜約20 mg/mlのリボヌクレアーゼ、約10〜約300 mMの金属キレート剤および約0.5% 〜約10%の非イオン性界面活性剤を含むものであり得る。抽出酵素溶液はさらにグリセロールおよびバッファーを含み得る。抽出酵素溶液のさらなる態様は、約10〜約30 mg/mlのリゾチーム、約5〜約10 mg/mlのリボヌクレアーゼ A、約100〜約200 mMのEDTA、約1〜約5%のTriton X-l00を含む。抽出酵素溶液のさらなる態様は約20 mg/mlのリゾチーム、約10 mg/mlのリボヌクレアーゼ A、約200 mMのEDTAおよび約5%のTriton X-100を含む。
本発明のさらなる態様は、目的の核酸を単離および精製するための自動化方法を含む。自動化方法は以下を含む:
1) 細胞を培養する手段、ここで該細胞は目的の核酸を含む、
2) 細胞培地をあらかじめ除去することなく、抽出酵素溶液を培養細胞に添加して可溶化液混合物を形成させる手段、ここで、該抽出酵素溶液は、a)リゾチーム; b)リボヌクレアーゼ; c)金属キレート剤;およびd)非イオン性界面活性剤を含む;
3)該可溶化液混合物をインキュベートする手段;
4)該可溶化液混合物と結合溶液とを混合する手段、
5)核酸をマトリックスに結合させる手段、および、
6)結合した核酸をマトリックスから溶出する手段。
細胞を培養する手段としては、これらに限定されないが、細胞(例えば、細菌細胞)を選択固体培地、例えば、寒天で培養し、次いで、細胞を液体培地、例えば、LB培地に接種し、細胞を一晩増殖させることが挙げられる。細胞培養物は、ハイスループット容器、例えば、マルチウェルプレートおよびストリップチューブにて培養してもよいし、あるいは、細菌細胞コロニーを選択固体培地から掻き取ってプラスミド調製に直接用いてもよい。
抽出酵素溶液を培養細胞に添加する手段としては、これらに限定されないが、ピペット、多チャンネルピペット、または凍結乾燥形態の抽出酵素溶液の粉末の添加が挙げられる。
可溶化液混合物と結合溶液とを混合する手段としては、これらに限定されないが、ピペッティングおよび混合が挙げられる。
核酸をマトリックスに結合させる手段としては、これらに限定されないが、以下からなる群から選択されるマトリックスの使用が挙げられる:二酸化ケイ素、アルミナ酸化物、珪藻土、微小粒子(例えば、カルボキシル化磁性ポリスチレンビーズおよび磁性シリカビーズ)、およびポリマー(例えば、ポリエチレンイミン)。マトリックスは上記材料の組合せも含み得る。結合した核酸をマトリックスから溶出させる手段としては、これらに限定されないが、低塩バッファーまたは滅菌蒸留水の添加が挙げられる。
細胞をペレットにするための遠心分離および培地の除去を必要とせず利用できるため、自動化方法がさらに有用である。
本発明のさらなる態様は、生物学的サンプルの細胞培地または細胞液をあらかじめ除去することなく、生物学的サンプルから少なくとも1つの核酸を単離および精製するため、または、少なくとも1つの核酸を後で単離および精製するための生物学的サンプルを調製するための、キットである。該キットは以下を含む抽出酵素溶液を含む: 1)リゾチーム、2)リボヌクレアーゼ、3)金属キレート剤、および4)非イオン性界面活性剤。該キットはまた結合溶液を含んでいてもよく、結合溶液は抽出酵素溶液とともに使用してもよいし、抽出酵素溶液を用いた後に使用してもよい。有用な結合溶液の非限定的な例としては、これらに限定されないが以下が挙げられる:1) アルコールまたはポリエチレングリコール、2) アルコールと塩との組合せ、または3)アルコール、塩、および/またはカオトロープの組合せ。
キットのある態様は、約0.5〜約40 mg/mlのリゾチーム、約0.1〜約20 mg/mlのリボヌクレアーゼ、約10〜約300 mMの金属キレート剤および約0.5 % 〜約10%の非イオン性界面活性剤を含む抽出酵素溶液を含む。キットの抽出酵素溶液はさらに、グリセロールおよびバッファーを含んでいてもよい。キットの抽出酵素溶液のさらなる態様は、約20 mg/mlのリゾチーム、約10 mg/mlのリボヌクレアーゼ A、約200 mMのEDTA、および約5%のTriton X-100を含む。
本発明のさらなる態様は、生物学的サンプルの細胞培地または細胞液をあらかじめ除去することなく、生物学的サンプルから少なくとも1つの核酸を単離および精製するための、または、少なくとも1つの核酸を後で単離および精製するための生物学的サンプルを調製するための、酵素溶液を含み、ここで該酵素溶液はリゾチームを含み、ここで該核酸はDNAまたはRNAである。酵素溶液のさらなる成分は、非イオン性界面活性剤、金属キレート剤、それらの組合せなどからなる群から選択され得る。この態様はキットとしても利用できる。
本発明のさらなる態様は、生物学的サンプルからDNAを単離および精製するための、または少なくとも1つの核酸を後で単離および精製するための生物学的サンプルを調製するための、方法を含み、該方法は、生物学的サンプルの細胞培地または細胞液をあらかじめ除去することなく、リゾチームを含む酵素溶液を生物学的サンプルに添加する工程を含む。酵素溶液はさらに非イオン性界面活性剤、金属キレート剤、それらの組合せなどを含んでいてもよい。リボヌクレアーゼを添加しなければ、これら態様は、DNAだけでなくRNAの単離および精製にも利用できる。上記のように結合溶液は、さらにこの方法において、酵素溶液の添加と同時に、または添加後に、用いることが出来る。
上記の本発明の有益な性質は、態様を例示するが本発明を限定するものではない、以下の実施例を参照することによって確認できる。
特に断りのない限り、すべてのガラスフィルター材料はAhlstromから入手可能であり、その他のすべての成分および材料はSigma-Aldrichから入手可能である。
実施例 1
本実施例は細菌培養液からの直接的なプラスミドDNAの一般的な調製を提供する。
工程 1: 50 mM Tris-HCl、pH 8.0、200 mM EDTA、5% Triton X-100、10 mg/ml RNase Aおよび20 mg/ml リゾチームを含む抽出酵素溶液(培養液の体積の約0.1倍)を試験管、ウェル、またはDNA精製カラム中の細菌培養液に添加し、上下にピペッティングするか、または反転またはボルテックスにより10秒以内で簡便に混合する。室温で1-2分インキュベートする。
工程 2:培養液の体積の約1倍の結合溶液 (40% イソプロパノール、1.8 M チオシアン酸グアニジンおよび1.0 塩化ナトリウム)を添加し、上下にピペッティングするかまたは反転させることによって簡便に混合する。混合物をDNA精製カラムに移し、最高速度で30秒の遠心分離または減圧濾過によりマトリックスにDNAを結合させる。これら実験に用いたDNAが結合しているカラムは、様々な大きさのガラスフィルターディスクの層を充填したプラスティックカラム (長さ1.209 インチ、上部直径0.508 インチおよび下部直径0.165 インチ)からなるものであった。
工程 3: 1分間の最高速度での遠心分離または減圧濾過により洗浄溶液 (10 mM トリス(tris)、pH 8.5、80% エタノール)でカラムを洗浄する。
工程 4:プラスミドDNAを低塩バッファー (10 mM トリス(tris)、pH 8.5)または滅菌蒸留水を用いて、30秒で最高速度での遠心分離により溶出する。
実施例 2
本実施例では、様々な酵素溶液を用いて一晩培養物から直接プラスミドDNAを単離および精製し、プラスミドDNA回収に対するリゾチーム、リボヌクレアーゼ、金属キレート剤および非イオン性界面活性剤を含む抽出酵素溶液の使用の相乗効果を示す。
プラスミド pCMV-SPORT-βgal (7.8 kb)を含む大腸菌株 DH5αをプラスミド調製に用いた。各場合において、LB培地中の一晩培養物(OD600 = 3.0)の200μlのアリコットを2層のAhlstrom ガラスフィルターペーパー Grade 121および1層のAhlstrom ガラスフィルターペーパー Grade 151 (底部)を充填したミニスピンカラムにロードした。一晩培養物に20 μlの酵素溶液を添加し、混合物を室温で2分までインキュベートした。以下の酵素溶液を用いた:
Figure 2007516729
インキュベーションの後、可溶化液を250 μlの結合溶液 (40% イソプロパノール、6 M LiCl、0.6 M チオシアン酸グアニジン)と混合し、混合物を15 秒、14,000 rpmでの遠心分離手段によってカラムに通した。カラムを次いで400 μlの洗浄溶液 (10 mM Tris-HCl、pH 8.0、10 mM NaCl、80% エタノール)で、14,000 rpm、1分間の遠心分離手段によって洗浄した。プラスミドDNAをカラムから、14,000 rpm、30秒の遠心分離手段により50 μlの溶出溶液(10 mM Tris、pH 8.5)中に溶出した。
各調製における単離および精製されたプラスミドDNAの量を、5 μlの溶出液を用いてアガロースゲル電気泳動により測定した。1 kb DNA ラダーをトラック1にロードし、GenElute Endo-Free Maxi キットを用いて精製した100 ngの対照プラスミドDNAを、トラック2に(ゲル中のDNA量の相対測定を行うために)ロードした。インキュベーション時間1分未満にて酵素溶液1で処理したサンプルを、トラック3にロードした;インキュベーション時間1分未満にて酵素溶液2で処理したサンプルを、トラック4にロードした;インキュベーション時間2分にて酵素溶液1で処理したサンプルを、トラック5にロードした;そしてインキュベーション時間2分にて酵素溶液2で処理したサンプルをトラック6にロードした。実施例2のゲルの結果を図1に示す。
実施例3
本実施例は、プラスミドDNA 回収に対するリゾチーム、リボヌクレアーゼ、金属キレート剤および非イオン性界面活性剤を含む抽出酵素溶液の使用の相乗効果を示す。
LB培地中のプラスミド pCMV-SPORT-βgalを含む大腸菌 DH5αの一晩培養物 (OD600 = 3.3)の350 μlのアリコットを実施例2と同じタイプのミニスピンカラムにロードした。培養物を35 μlの酵素溶液で2分間室温で溶解した。以下の酵素溶液を用いた:
Figure 2007516729
Figure 2007516729
Figure 2007516729
理解されるように、酵素溶液1、2、5および6は抽出酵素溶液の4つの成分すべては用いておらず、酵素溶液3および4では4つのすべての成分を用いた。
各場合において可溶化液を350 μlの結合溶液 (40% イソプロパノール、1 .8 M チオシアン酸グアニジン、1 M NaCl)と混合し、混合物を遠心分離手段によってカラムに通した。700 μlのエタノール溶液 (10mM Tris-HCl、pH 8.0、10 mM NaCl)での洗浄後、プラスミドDNAを50 μlの溶出溶液 (10 mM Tris、pH 8.5)中に溶出した。
各場合におけるプラスミドDNA回収量を1μlの溶出液を用いたアガロースゲル電気泳動によって測定した。1 kb DNA ラダーをトラック1にロードし、GenElute Endo-Free Maxi キットにより精製した100 ngの対照プラスミドDNAをトラック2にロードした。酵素溶液1で処理したサンプルをトラック3にロードした; 酵素溶液2で処理したサンプルをトラック4にロードした; 酵素溶液3で処理したサンプルをトラック5にロードした; 酵素溶液4で処理したサンプルをトラック6にロードした; 酵素溶液5で処理したサンプルをトラック7にロードした;そして、酵素溶液6で処理したサンプルをトラック8にロードした。
実施例3の結果を図2に示す。
実施例2および実施例3の結果を比較すると、さらにリゾチームを用いる限り、4つの成分をすべては含まない組合せであっても、4つのすべての成分を用いた場合と比べて、程度は低いが、良好な結果をもたらすことが示された。したがって、リゾチームおよび金属キレート剤、および/または非イオン性界面活性剤の組合せも、迅速な抽出に利用できる。この態様はさらにリボヌクレアーゼを使用しなければRNAの単離および精製にも利用できる。
実施例4
本実施例は、プラスミドDNA単離のために本発明の抽出酵素溶液を結合溶液とともに用いることが出来ることを示す。
プラスミド pCMV-SPORT-βgalを含む大腸菌 DH5αのLB培地中の一晩培養物(OD600 = 3.1)の350 μlのアリコットを3層のAhlstrom ガラスフィルターペーパー Grade 121を充填したミニスピンカラムにロードした。一晩培養物に、350 μlの溶解/結合溶液を添加し、混合物を室温で3分インキュベートした。以下の溶解/結合溶液を用いた:
Figure 2007516729
理解されるように、溶解/結合溶液2は溶解/結合溶液1と、DNA結合剤PEG 8000をより高濃度含む点で異なっている。
インキュベーションの後、混合物を14,000 rpm、30秒の遠心分離手段によってカラムに通した。カラムを次いで14,000 rpm、1分間の遠心分離手段により、500 μlの洗浄溶液 (10 mM Tris-HCl、pH 8.0、10 mM NaCl)で洗浄した。プラスミドDNAを14,000 rpm、30秒の遠心分離手段によって50 μlの溶出溶液 (10 mM Tris、pH 8.5)中に溶出した。
各場合におけるプラスミドDNAの回収量を3 μlの溶出液を用いたアガロースゲル電気泳動により測定した。1 kb DNA ラダーをトラック1にロードし、GenElute Endo-Free Maxi キットによって精製した100 ng 対照 プラスミドDNAをトラック2にロードした。溶解/結合溶液1で処理したサンプルをトラック3にロードし、溶解/結合溶液2で処理したサンプルをトラック4にロードした。
実施例4の結果を図3に示し、回収されたプラスミドDNAの量はDNA 結合剤 PEG 8000のレベルに依存することが示された。
実施例5
本実施例は、抽出酵素溶液により単離および精製されたプラスミドDNAは制限酵素により容易に消化することが出来、自動化蛍光配列決定に用いることが出来ることを示す。
大腸菌株 DH5α中にプラスミド pCMV-SPORT-βgalを含むサンプルまたは大腸菌株 TOPO 10中に1.8 kb インサートを含むプラスミド pCR II-TOPOを含むサンプルを、制限消化および自動化蛍光配列決定のためのプラスミド調製に用いた。各場合において、LB培地中400 μlの一晩培養物を40 μlの酵素溶液 (50 mM Tris-HCl、pH 8.0、200 mM EDTA、5% Triton X-100、10 mg/ml RNase A、20 mg/ml リゾチーム)で2分間室温で処理した。可溶化液を400 μlの結合溶液 (40% イソプロパノール、1.8 M チオシアン酸グアニジン、1 M NaCl)と混合した。遠心分離または減圧濾過手段により、混合物を1層のAhlstrom ガラスフィルターペーパー Grade 181 (上部)および2層のAhlstrom ガラスフィルターペーパー Grade 121を充填したミニスピンカラムに通した。カラムをエタノール溶液 (10mM Tris-HCl、pH 8.5、80% エタノール)で洗浄した後、プラスミドDNAを40 μl の溶出溶液(10 mM Tris、pH 8.5)中に溶出した。
各制限消化について、プラスミド pCMV-SPORT-βgalを含む溶出液2 μlまたは1.8 kb インサートを含むプラスミド pCR II-TOPO を含む溶出液3 μlを、各3 ユニットのEcoR IおよびXho Iで1時間37℃で15μlの反応容積にて消化した。結果を図4に示す。
1 kb DNAマーカーをトラック1にロードした。切断していないpCMV-SPORT-βgalをトラック2にロードした。遠心分離手段によって単離したpCMV-SPORT-βgal サンプルの消化産物をトラック3-6にロードした。減圧濾過手段によって単離したpCMV-SPORT-βgal サンプルの消化産物をトラック7-10にロードした。GenElute プラスミドミニプレップキットによって単離したpCMV-SPORT-βgal サンプルの消化産物をトラック11にロードした。遠心分離手段によって単離したpCR II-TOPO サンプルの消化産物をトラック12-15にロードした。減圧濾過手段によって単離したpCR II-TOPO サンプルの消化産物をトラック16-19にロードした。切断していないpCR II-TOPOをトラック20にロードした。
自動化蛍光配列決定のために、本発明の方法による各単離からの6 μlの溶出液 をSeqWright (Houston、Texas)に供し、Big Dye 3.1を用いたキャピラリー配列決定を行った。pCMV-SPORT-βgalの8つの独立した調製物の平均Phred 20スコアは802 ± 20であった。pCMV-SPORT-βgalについての典型的なクロマトグラムの一部を図5に示す。pCR II-TOPOの8つの独立した調製物の平均Phred 20スコアは768 ± 50であった。pCR II-TOPOについての典型的なクロマトグラムの一部を図6に示す。
したがって、本発明によって、上記の目的と利点を完全に満足する方法、組成物およびキットが提供されたことが明白である。本発明を様々な具体的な実施例およびその態様に関して記載したが、本発明はそれらに限定されず、上記記載から、多くの代替、修飾および改変が当業者に明らかであることが理解される。したがって、すべてのかかる代替、修飾および改変が本発明の精神と広範な範囲に含まれることが意図される。
図1は、50 mM Tris-HCl、pH 8.0、200 mM EDTA、5% Triton X-100および10 mg/ml RNase Aを含む酵素溶液1(トラック3および5)、および、50 mM Tris-HCL、pH 8.0、200 mM EDTA、5% Triton X-l00、10 mg/ml RNase Aおよび20 mg/ml リゾチームを含む酵素溶液2(トラック4および6)を、様々なインキュベーション時間にて用いて回収したプラスミドDNAの量を比較する。 図2は、様々な抽出酵素溶液調製物の使用により回収されたプラスミドDNAの量を比較する。 図3は、一段階プラスミド単離および精製のために本発明の抽出酵素溶液と結合溶液とを組み合わせることができることを示す電気泳動ゲルである。 図4は、本発明の態様にしたがって調製され、EcoR IおよびXho Iの両方で消化されたプラスミド pCMV-SPORT-βgalまたはプラスミド pCR II-TOPOの制限消化を示す。 図5は、本発明の抽出酵素溶液による処理後のpCMV-SPORT-βgal (一部) (配列番号1)についての典型的なクロマトグラムである。 図6は、pCR II-TOPO (一部) (配列番号2)についての典型的なクロマトグラムである。

Claims (58)

  1. 以下の工程を含む、少なくとも1つの核酸を後で単離および精製するための生物学的サンプルを調製する方法:
    a. 生物学的サンプルの細胞培地または細胞液をあらかじめ除去することなく、生物学的サンプルおよび抽出酵素溶液を混合し、可溶化液混合物を形成させる工程、ここで該抽出酵素溶液は、
    1)リゾチーム、
    2)リボヌクレアーゼ、
    3)金属キレート剤、および、
    4)非イオン性界面活性剤
    を含む;
    b.該可溶化液混合物をインキュベートする工程;および、
    c.結合溶液を該可溶化液混合物に添加する工程、ここで該結合溶液は、
    1)アルコールまたはポリエチレングリコール、
    2)アルコールおよび塩の混合物、または、
    3)アルコール、塩、および/またはカオトロープの混合物、
    からなる群から選択される。
  2. 生物学的サンプルが細胞培養物である請求項1の方法。
  3. 細胞培養物における細胞が細菌、植物、酵母および哺乳類からなる群から選択される請求項2の方法。
  4. 可溶化液混合物を結合溶液の添加の前に少なくとも10秒間インキュベートする請求項1の方法。
  5. 可溶化液混合物を結合溶液の添加の前に30分未満インキュベートする請求項4の方法。
  6. 可溶化液混合物を結合溶液の添加の前に5分未満インキュベートする請求項5の方法。
  7. 可溶化液混合物を結合溶液の添加の前に2分未満インキュベートする請求項6の方法。
  8. 結合した核酸を洗浄溶液で洗浄する工程をさらに含む請求項1の方法。
  9. 核酸を溶出する工程をさらに含む請求項1の方法。
  10. 金属キレート剤がEDTA、EGTA、CDTA およびそれらの組合せからなる群から選択される請求項1の方法。
  11. 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン、アルキルグルコシド、アルキルチオグルコシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される請求項1の方法。
  12. 該アルキルチオグルコシドがオクチル-β-D-チオグルコピラノシドであるか、または、該ポリオキシエチレンがTriton X-100、Tween、またはIgepal CA-630である、請求項11の方法。
  13. 該アルコールがイソプロパノール、エタノールおよびそれらの組合せからなる群から選択される請求項1の方法。
  14. 塩が塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、および酢酸リチウムからなる群から選択される請求項1の方法。
  15. 該カオトロープがチオシアン酸グアニジン、塩酸グアニジン、過塩素酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウムおよびそれらの組合せからなる群から選択される請求項1の方法。
  16. 細胞培養物における細胞が酵母細胞であり、かつ、抽出酵素溶液がさらにリチカーゼを含む請求項3の方法。
  17. 細胞培養物における細胞が哺乳類であり、かつ、抽出酵素溶液がさらにプロテアーゼを含む請求項3の方法。
  18. 核酸がDNAである請求項1の方法。
  19. d)核酸を固体支持体に結合させる工程、および、
    e)結合した核酸を固体支持体から溶出する工程、
    によって核酸を単離および精製することをさらに含む請求項1の方法。
  20. 抽出酵素溶液および結合溶液を同時に添加する請求項1の方法。
  21. 以下の工程を含む、生物学的サンプルから少なくとも1つの核酸を単離および精製する方法:
    a) 生物学的サンプルの細胞培地または細胞液をあらかじめ除去することなく、生物学的サンプルを抽出酵素溶液および結合溶液と混合して可溶化液/結合溶液を形成させる工程、ここで該抽出酵素溶液は、
    1)リゾチーム、
    2)リボヌクレアーゼ、
    3)金属キレート剤、および、
    4)非イオン性界面活性剤
    を含み;
    該結合溶液は、
    1) ポリエチレングリコール、および
    2) 塩、
    を含む、および、
    b)可溶化液/結合溶液混合物を約10秒〜約30分インキュベートする工程。
  22. 生物学的サンプルが細胞培養物である請求項21の方法。
  23. 細胞培養物における細胞が細菌、植物、酵母および哺乳類細胞からなる群から選択される請求項22の方法。
  24. c)核酸を固体支持体に結合させる工程、および、
    d)該核酸を洗浄溶液で溶出する工程、
    をさらに含む請求項21の方法。
  25. 核酸を溶出する工程をさらに含む請求項21の方法。
  26. 金属キレート剤がEDTA、EGTA、CDTA、およびそれらの組合せからなる群から選択される請求項21の方法。
  27. 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン、アルキルグルコシド、アルキルチオグルコシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される請求項21の方法。
  28. 該アルキルチオグルコシドがオクチル-β-D-チオグルコピラノシドであるか、または、該ポリオキシエチレンがTriton X-100、Tween、またはIgepal CA-630である請求項27の方法。
  29. 可溶化液/結合溶液を約5分未満インキュベートする請求項21の方法。
  30. 該核酸がDNAである請求項21の方法。
  31. 工程のいずれかまたはすべてが自動化されている請求項21の方法。
  32. 細胞培養物における細胞が酵母細胞であり、かつ、抽出酵素溶液がさらにリチカーゼを含む請求項22の方法。
  33. 細胞培養物における細胞が哺乳類細胞であり、かつ、抽出酵素溶液がさらにプロテアーゼを含む請求項22の方法。
  34. 以下の工程を含む、生物学的サンプルの細胞培地または細胞液をあらかじめ除去することなく、少なくとも1つの核酸を後で単離および精製するための生物学的サンプルを調製する方法:
    抽出酵素溶液を生物学的サンプルに添加して可溶化液混合物を形成させる工程、ここで該抽出酵素溶液は、
    a)リゾチーム;
    b)リボヌクレアーゼ;
    c)金属キレート剤;および、
    d)非イオン性界面活性剤、
    を含む;および、
    該可溶化液混合物を少なくとも約10秒〜約30分インキュベートする工程、ここで該抽出酵素溶液が該細胞を溶解し、それによって単離および精製のための該核酸が遊離する。
  35. 生物学的サンプルの細胞培地または細胞液をあらかじめ除去することなく、生物学的サンプルから核酸を迅速に単離および精製するための、または、少なくとも1つの核酸を後で単離および精製するための生物学的サンプルを調製するための、以下を含む抽出酵素溶液:
    a)リゾチーム;
    b)リボヌクレアーゼ;
    c)金属キレート剤;および、
    d)非イオン性界面活性剤。
  36. 生物学的サンプルが細胞培養物である請求項35の抽出酵素溶液。
  37. 細胞培養物における細胞が細菌、植物、酵母および哺乳類細胞からなる群から選択される請求項36の抽出酵素溶液。
  38. 金属キレート剤がEDTA、EGTA、CDTA、およびそれらの組合せからなる群から選択される請求項35の抽出酵素溶液。
  39. 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン、アルキルグルコシド、アルキルチオグルコシド、およびそれらの組合せからなる群から選択される請求項35の抽出酵素溶液。
  40. 該アルキルチオグルコシドがオクチル-β-D-チオグルコピラノシドであるか、または該ポリオキシエチレンがTriton X-l00、Tween、またはIgepal CA-630である請求項35の抽出酵素溶液。
  41. 該リゾチームが約0.5〜約40 mg/mlの濃度であり、該リボヌクレアーゼが約0.1〜約20 mg/mlの濃度であり、該金属キレート剤が約10〜約300 mMの濃度であり、該非イオン性界面活性剤が約0.5 % 〜約10%の濃度である、請求項35の抽出酵素溶液。
  42. さらに安定剤およびバッファーを含む請求項35の抽出酵素溶液。
  43. 約20 mg/mlのリゾチーム、約10 mg/mlのリボヌクレアーゼ A、約200 mMのEDTA、約5%のTriton X-100、約20%のグリセロールおよび約50 mMのTris-HCl、pH 8.0を含む、請求項42の抽出酵素溶液。
  44. 以下の工程を含む、目的の核酸を単離および精製するための自動化方法:
    a)細菌細胞を培養する工程、ここで該細菌細胞は目的の核酸を含む、
    b) 培地を前もって除去することなく、抽出酵素溶液を培養した細菌細胞に添加し、可溶化液混合物を形成させる工程、ここで、該抽出酵素溶液は、
    1.リゾチーム;
    2.リボヌクレアーゼ;
    3.金属キレート剤;および、
    4.非イオン性界面活性剤、
    を含む;
    c)該可溶化液混合物をインキュベートする工程;
    d)該可溶化液混合物と結合溶液とを混合する工程;
    e)核酸をマトリックスに結合させる工程;および、
    f)結合した核酸をマトリックスから溶出する工程。
  45. 生物学的サンプルの細胞培地または細胞液を除去することなく、生物学的サンプルから少なくとも1つの核酸を単離および精製するための、または、少なくとも1つの核酸を後で単離および精製するための生物学的サンプルを調製するための、以下を含む抽出酵素溶液を含むキット:
    1)リゾチーム、
    2)リボヌクレアーゼ、
    3)金属キレート剤、および、
    4)非イオン性界面活性剤。
  46. さらに結合溶液を含む請求項45のキット。
  47. 該結合溶液が、
    1)アルコールまたはポリエチレングリコール、
    2)アルコールおよび塩の組合せ、または、
    3)アルコール、塩、および/またはカオトロープの組合せ、
    からなる群から選択される請求項46のキット。
  48. 該結合溶液が抽出酵素溶液と同時に、または抽出酵素溶液の後に利用され得る請求項46のキット。
  49. 以下の工程を含む、生物学的サンプルから少なくとも1つの核酸を単離および精製するため、または、少なくとも1つの核酸を後で単離および精製するための生物学的サンプルを調製するための方法、ここで該核酸はRNAまたはDNAのいずれかである:
    (1) 生物学的サンプルの細胞培地または細胞液を前もって除去することなく、該サンプルに酵素溶液を添加して可溶化液混合物を形成させる工程、ここで該酵素溶液はリゾチームを含む、および、
    (2)該可溶化液混合物を少なくとも約10秒〜約30分インキュベートする工程。
  50. 該酵素溶液が非イオン性界面活性剤、金属キレート剤、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む請求項49の方法。
  51. さらに可溶化液混合物と結合溶液とを混合する工程、ここで該結合溶液は、
    1) アルコールまたはポリエチレングリコール、
    2)アルコールおよび塩の組合せ、または、
    3)アルコール、塩、および/またはカオトロープの組合せ;
    からなる群から選択される、および、
    核酸を固体支持体に結合させる工程、
    を含む、請求項50の方法。
  52. 生物学的サンプルの細胞培地または細胞液を除去することなく、生物学的サンプルから核酸を迅速に抽出するための、リゾチームを含む酵素溶液。
  53. 非イオン性界面活性剤、金属キレート剤およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む請求項52の酵素溶液。
  54. リボヌクレアーゼをさらに含む請求項53の酵素溶液。
  55. 生物学的サンプルの細胞培地または細胞液を除去することなく、生物学的サンプルからRNAまたはDNAを迅速に抽出するための、リゾチームを含むキット。
  56. 非イオン性界面活性剤、金属キレート剤およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む請求項55のキット。
  57. 結合溶液をさらに含む請求項56のキット。
  58. 該結合溶液が、
    1) アルコールまたはポリエチレングリコール、
    2) アルコールおよび塩の組合せ、または、
    3)アルコール、塩、および/またはカオトロープの組合せ、
    からなる群から選択される請求項57のキット。
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