JP2008222603A - 神経変性疾患の予防・治療剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、神経変性疾患の予防・治療剤に関する。
神経変性疾患の1つとして、原因遺伝子のCAG塩基配列の繰り返しが異常に伸長することにより、異常に伸長したグルタミン鎖を含む原因遺伝子産物が神経細胞に異常蓄積し、神経細胞死や機能異常を引き起こす疾患であるポリグルタミン病が知られている。
ポリグルタミン病としては、ハンチントン病、球脊髄筋萎縮症、脊髄小脳変性症1型、脊髄小脳変性症2型、脊髄小脳変性症3型(Machado−Joseph病)、脊髄小脳変性症6型、脊髄小脳変性症7型、脊髄小脳変性症17型、歯状核赤核淡蒼球ルイ体委縮症などが公知である(非特許文献1)。
ポリグルタミン病としては、ハンチントン病、球脊髄筋萎縮症、脊髄小脳変性症1型、脊髄小脳変性症2型、脊髄小脳変性症3型(Machado−Joseph病)、脊髄小脳変性症6型、脊髄小脳変性症7型、脊髄小脳変性症17型、歯状核赤核淡蒼球ルイ体委縮症などが公知である(非特許文献1)。
これらの疾患のうち、ハンチントン病は、常染色体における優性遺伝性の進行性致死性神経変性疾患であり、その罹患率は全世界でおよそ10万人に5人(0.005%)であり、発症年齢の中央値は39歳であるとされている。
ハンチントン病は、運動症状(舞踏運動、ジストニア、協調運動障害、姿勢不安定)、認知症状(短期記憶、スキル習熟、企画及び組織化の欠損)、情動症状(抑うつ)を特徴とする。
ハンチントン病の臨床所見は、ハンチントン病遺伝子のエクソン1におけるCAG伸長が35を超えたときに見られる。成人におけるハンチントン病の発症は、一般には、40〜60リピートのポリグルタミン(polyQ)長と関連しており、若年におけるハンチントン病の発症は、一般的には、70リピートを超えるpolyQ長と関連している。
異常に伸長したポリグルタミンが発現されると、神経細胞において異常な凝集体が形成される。シャペロン系がその凝集を抑制しようとしているにもかかわらず、凝集抑制がうまくいかないと、細胞のタンパク質分解系プロテアソームが阻害されて、結果的に神経細胞死が引き起こされる(非特許文献2〜4)。
ハンチントン病は、運動症状(舞踏運動、ジストニア、協調運動障害、姿勢不安定)、認知症状(短期記憶、スキル習熟、企画及び組織化の欠損)、情動症状(抑うつ)を特徴とする。
ハンチントン病の臨床所見は、ハンチントン病遺伝子のエクソン1におけるCAG伸長が35を超えたときに見られる。成人におけるハンチントン病の発症は、一般には、40〜60リピートのポリグルタミン(polyQ)長と関連しており、若年におけるハンチントン病の発症は、一般的には、70リピートを超えるpolyQ長と関連している。
異常に伸長したポリグルタミンが発現されると、神経細胞において異常な凝集体が形成される。シャペロン系がその凝集を抑制しようとしているにもかかわらず、凝集抑制がうまくいかないと、細胞のタンパク質分解系プロテアソームが阻害されて、結果的に神経細胞死が引き起こされる(非特許文献2〜4)。
アミロライドは、ナトリウムチャネルを阻害することによって作用を発現するカリウム保持性の遠位利尿薬として使用される周知の化合物である。
アミロライドのアナログであるベンザミル及びフェナミルも、ナトリウムチャネルインヒビターとして知られており、これらの化合物は、肺疾患の治療に使用できることが知られている(特許文献1)。
米国特許第5656256号明細書
Ross C.A., Neuron 35, 819−822 (2002).
Wang,G.H., Mitsui,K., Kotliarova,S., Yamashita,A., Nagao,Y., Tokuhiro,S., Iwatsubo,T., Kanazawa,I., and Nukina,N., Neuroreport 10, 2435−2438 (1999).
Jana,N.R., Tanaka,M., Wang,G., and Nukina,N., Hum Mol Genet 9, 2009−2018 (2000).
Jana,N.R., Zemskov,E.A., Wang,G., and Nukina, N., Hum Mol Genet 10, 1049−1059 (2001).
アミロライドのアナログであるベンザミル及びフェナミルも、ナトリウムチャネルインヒビターとして知られており、これらの化合物は、肺疾患の治療に使用できることが知られている(特許文献1)。
神経変性疾患の予防・治療剤は様々な点から開発が進められているが、致死性の疾患もあることから、新規で有用な予防・治療剤が依然として求められている。
本発明者らは、腎疾患や肺疾患の治療剤として使用されているアミロライド及びそのアナログが、予想外にも、神経変性疾患、特に、CAGリピートの異常伸長などに代表される異常タンパク質の分解機構の異常によって引き起こされる神経変性疾患に有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕 以下の式(I)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、神経変性疾患の予防・治療剤。
本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕 以下の式(I)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、神経変性疾患の予防・治療剤。
(式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して、置換されていてもよいアミノ基を示し、R4はハロゲンを示す。)
〔2〕 R1が、置換されていてもよい低級アルキル基又は置換されていてもよいアリール基、で置換されたアミノ基を示す、上記〔1〕に記載の予防・治療剤。
〔3〕 R1が、アリール基で置換された低級アルキル基又は非置換のアリール基、で置換されたアミノ基を示し、R2及びR3が非置換のアミノ基を示す、上記〔2〕に記載の予防・治療剤。
〔4〕 R4が塩素である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の予防・治療剤。
〔5〕 式(I)で表される化合物が、アミロライド、ベンザミル又はフェナミルである、上記〔1〕に記載の予防・治療剤。
〔6〕 神経変性疾患が、ポリグルタミン病、アルツハイマー病、パーキンソン病及び筋萎縮性側索硬化症からなる群から選ばれる、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の予防・治療剤。
〔7〕 神経変性疾患がハンチントン病である、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の予防・治療剤。
〔8〕 上記〔1〕に記載の式(I)の化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、プロテアソーム活性増強剤。
〔2〕 R1が、置換されていてもよい低級アルキル基又は置換されていてもよいアリール基、で置換されたアミノ基を示す、上記〔1〕に記載の予防・治療剤。
〔3〕 R1が、アリール基で置換された低級アルキル基又は非置換のアリール基、で置換されたアミノ基を示し、R2及びR3が非置換のアミノ基を示す、上記〔2〕に記載の予防・治療剤。
〔4〕 R4が塩素である、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の予防・治療剤。
〔5〕 式(I)で表される化合物が、アミロライド、ベンザミル又はフェナミルである、上記〔1〕に記載の予防・治療剤。
〔6〕 神経変性疾患が、ポリグルタミン病、アルツハイマー病、パーキンソン病及び筋萎縮性側索硬化症からなる群から選ばれる、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の予防・治療剤。
〔7〕 神経変性疾患がハンチントン病である、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の予防・治療剤。
〔8〕 上記〔1〕に記載の式(I)の化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、プロテアソーム活性増強剤。
本発明によれば、新規な神経変性疾患の予防・治療剤を提供することができる。
本発明で提供される神経変性疾患の予防・治療剤(以下、本発明の予防・治療剤ともいう)は、以下の式(I)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する。
(式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して、置換されていてもよいアミノ基を示し、R4はハロゲンを示す。)
R1、R2、R3で示されるアミノ基が有していてもよい置換基としては、式(I)で表される化合物が有する神経変性疾患の予防・治療効果に悪影響を与えないかぎり、いかなる置換基であってもよく、例えば、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基などが挙げられるが、置換されていてもよい低級アルキル基及び置換されていてもよいアリール基が好ましい。
上記低級アルキル基の置換基としては、ハロゲン、置換又は非置換のアリール基などが挙げられるが、非置換のアリール基が好ましい。
本明細書において低級アルキル基とは、炭素数が1〜6の直鎖又は分枝鎖のアルキル基であり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられるが、なかでも、炭素数が1〜6の直鎖のアルキル基が好ましく、特に、メチルが好ましい。
本明細書におけるアリール基は、ハロゲン、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基などの置換基を置換可能な位置に有していてもよいが、フェニル、ナフチルなどの非置換のアリール基が好ましく、フェニルが特に好ましい。
本明細書におけるハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素などが挙げられる。
R4で示されるハロゲンとしては、フッ素又は塩素が好ましく、塩素が特に好ましい。
式(I)で表される化合物としては、アミロライド、ベンザミル又はフェナミルが特に好ましい。
本発明の予防・治療剤が対象とする神経変性疾患としては、プロテアソーム活性を増強することによって予防・治療可能な疾患、例えば、ポリグルタミン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などが挙げられるが、ポリグルタミン病が特に好ましい。
ポリグルタミン病としては、CAGリピートの異常伸長により特徴付けられるものであれば特に限定されないが、例えば、ハンチントン病、球脊髄筋萎縮症、脊髄小脳変性症1型、脊髄小脳変性症2型、脊髄小脳変性症3型(Machado−Joseph病)、脊髄小脳変性症6型、脊髄小脳変性症7型、脊髄小脳変性症17型、歯状核赤核淡蒼球ルイ体委縮症などが挙げられる。
ここで、CAGリピートの異常伸長とは、病因遺伝子に、36リピート以上、好ましくは40リピート以上のCAGリピートを含むことを意味する。
上記低級アルキル基の置換基としては、ハロゲン、置換又は非置換のアリール基などが挙げられるが、非置換のアリール基が好ましい。
本明細書において低級アルキル基とは、炭素数が1〜6の直鎖又は分枝鎖のアルキル基であり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられるが、なかでも、炭素数が1〜6の直鎖のアルキル基が好ましく、特に、メチルが好ましい。
本明細書におけるアリール基は、ハロゲン、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基などの置換基を置換可能な位置に有していてもよいが、フェニル、ナフチルなどの非置換のアリール基が好ましく、フェニルが特に好ましい。
本明細書におけるハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素などが挙げられる。
R4で示されるハロゲンとしては、フッ素又は塩素が好ましく、塩素が特に好ましい。
式(I)で表される化合物としては、アミロライド、ベンザミル又はフェナミルが特に好ましい。
本発明の予防・治療剤が対象とする神経変性疾患としては、プロテアソーム活性を増強することによって予防・治療可能な疾患、例えば、ポリグルタミン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などが挙げられるが、ポリグルタミン病が特に好ましい。
ポリグルタミン病としては、CAGリピートの異常伸長により特徴付けられるものであれば特に限定されないが、例えば、ハンチントン病、球脊髄筋萎縮症、脊髄小脳変性症1型、脊髄小脳変性症2型、脊髄小脳変性症3型(Machado−Joseph病)、脊髄小脳変性症6型、脊髄小脳変性症7型、脊髄小脳変性症17型、歯状核赤核淡蒼球ルイ体委縮症などが挙げられる。
ここで、CAGリピートの異常伸長とは、病因遺伝子に、36リピート以上、好ましくは40リピート以上のCAGリピートを含むことを意味する。
本発明はまた、式(I)で示される化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、プロテアソーム活性増強剤(以下、本発明の増強剤ともいう)を提供する。式(I)で示される化合物又はその薬理学的に許容される塩は、チャネル分子に作用し、プロテアソーム活性を増強するため、プロテアソームによるタンパク質分解を促進し、タンパク質の異常な折り畳みによって生じるタンパク質凝集を抑制することができる。また、異常な折り畳みやタンパク質凝集によって生じる神経細胞死を抑制することができる。
式(I)で示される化合物は必要に応じ、薬理学的に許容される塩、水和物、溶媒和物としてもよい。薬理学的に許容される塩としては、例えば、無機酸との塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩など)、有機酸との塩(酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩など)などが挙げられる。
本発明の予防・治療剤及び増強剤は、そのまま又は薬理学的に許容される担体などと混合し、例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などの固形製剤、シロップ剤、乳剤、注射剤(皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、点滴剤を含む)などの液剤、舌下錠、バッカル剤、トローチ剤、マイクロカプセル化や徐放性コーティングを施した製剤、坐剤などの剤形で、経口又は非経口的に投与することができる。
薬理学的に許容される担体としては、製剤材料として慣用の各種有機又は無機の担体物質を用いることができ、固形製剤の場合には、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが、液状製剤の場合には、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などが、適宜用いられる。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、香料などの各種添加物を加えてもよい。
上記剤形の製剤は、当該分野で公知の製剤方法に準じ、製造することができる。
また、本発明の予防・治療剤及び増強剤の投与対象としては、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒトなどの哺乳動物が挙げられる。
薬理学的に許容される担体としては、製剤材料として慣用の各種有機又は無機の担体物質を用いることができ、固形製剤の場合には、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが、液状製剤の場合には、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などが、適宜用いられる。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、香料などの各種添加物を加えてもよい。
上記剤形の製剤は、当該分野で公知の製剤方法に準じ、製造することができる。
また、本発明の予防・治療剤及び増強剤の投与対象としては、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒトなどの哺乳動物が挙げられる。
以下、実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
試薬及び抗体
アミロライド・HCl及びベンザミル・HClはAlexisから、ラクタシスチンはペプチド研究所から、MG−132(Z−Leu−Leu−Leu−アルデヒド)は和光純薬から、抗huntingtin抗体及び抗β−tubulin抗体はChemiconから、抗RFP抗体はMBLから、抗V5抗体はInvitrogenから、入手した。特記していない場合、他の薬品はすべて、Sigmaから入手した。
アミロライド・HCl及びベンザミル・HClはAlexisから、ラクタシスチンはペプチド研究所から、MG−132(Z−Leu−Leu−Leu−アルデヒド)は和光純薬から、抗huntingtin抗体及び抗β−tubulin抗体はChemiconから、抗RFP抗体はMBLから、抗V5抗体はInvitrogenから、入手した。特記していない場合、他の薬品はすべて、Sigmaから入手した。
細胞培養及び処理
37℃の5%CO2のインキュベーター中、神経芽細胞腫2a(Neuro2a)細胞及びマウス胚性線維芽細胞(MEF)を、10%非働化FBS(Sigma)、2mM L−グルタミン、0.4mg/ml Zeocin、0.4mg/ml G418(InvivoGen)及び100U/mlペニシリン/100μg/mlストレプトマイシン(GIBCOTM Invitrogen)を補充したDMEM中に維持した。Neuro2a細胞を誘導して、1μM ponasterone AによりtNhtt−polyQを発現させ、5mM dbcAMPにより神経表現型へと分化させた。アミロライド又はベンザミルを、分化・誘導時にある誘導性のNeuro2a細胞とともにインキュベートした。tNhtt−polyQの一過性発現については、トランスフェクション効率に干渉するのを避けるために、トランスフェクションの5時間後に試験薬物を加えた。
37℃の5%CO2のインキュベーター中、神経芽細胞腫2a(Neuro2a)細胞及びマウス胚性線維芽細胞(MEF)を、10%非働化FBS(Sigma)、2mM L−グルタミン、0.4mg/ml Zeocin、0.4mg/ml G418(InvivoGen)及び100U/mlペニシリン/100μg/mlストレプトマイシン(GIBCOTM Invitrogen)を補充したDMEM中に維持した。Neuro2a細胞を誘導して、1μM ponasterone AによりtNhtt−polyQを発現させ、5mM dbcAMPにより神経表現型へと分化させた。アミロライド又はベンザミルを、分化・誘導時にある誘導性のNeuro2a細胞とともにインキュベートした。tNhtt−polyQの一過性発現については、トランスフェクション効率に干渉するのを避けるために、トランスフェクションの5時間後に試験薬物を加えた。
発現構築物
チャネルタンパク質のmRNA配列を、取扱説明書に従い、pcDNATM3.1/V5−His TOPO(登録商標)TA発現ベクター(Invitrogen)にクローニングした。各遺伝子の完全長mRNA配列をnested PCRで増幅した。各mRNAのアクセッション番号を以下に示す:NHE−1,U51112;NHE−5,AF111173;NCX−1,NM_011406;NCX−2,NM_148946;NCX−3,NM_080440;BNaC1,BC038551;BNaC2,NM_009597。全てのプラスミドはsequence−verifiedであり、その発現及び予想分子量は抗V5抗体(Invitrogen)を用いてウエスタンブロットでチェックした。17、62又は150のグルタミンリピートをもつヒトhuntingtinのトランケート型N末端をコードし、これを高感度GFPに融合して発現するため、pEGFP−N1を用いてWang, G.H. et al. Neuroreport 10, 2435−8 (1999)に記載されるように、コンストラクトを作成した。単量体赤色蛍光タンパク質(mRFP)のcDNAは、pRSETB中のmRFP1に由来し、Machida, Y. et al. Biochem Biophys Res Commun 343, 190−7 (2006)に記載されているようにして、pcDNA3中にライゲーションした。ユビキチン化(ubi)Discosoma赤色蛍光タンパク質(dsRed)2/N1プラスミドは、Khan, L.A. et al. J Neurochem 98, 576−87 (2006)に記載されているようにして作製し、使用した。
チャネルタンパク質のmRNA配列を、取扱説明書に従い、pcDNATM3.1/V5−His TOPO(登録商標)TA発現ベクター(Invitrogen)にクローニングした。各遺伝子の完全長mRNA配列をnested PCRで増幅した。各mRNAのアクセッション番号を以下に示す:NHE−1,U51112;NHE−5,AF111173;NCX−1,NM_011406;NCX−2,NM_148946;NCX−3,NM_080440;BNaC1,BC038551;BNaC2,NM_009597。全てのプラスミドはsequence−verifiedであり、その発現及び予想分子量は抗V5抗体(Invitrogen)を用いてウエスタンブロットでチェックした。17、62又は150のグルタミンリピートをもつヒトhuntingtinのトランケート型N末端をコードし、これを高感度GFPに融合して発現するため、pEGFP−N1を用いてWang, G.H. et al. Neuroreport 10, 2435−8 (1999)に記載されるように、コンストラクトを作成した。単量体赤色蛍光タンパク質(mRFP)のcDNAは、pRSETB中のmRFP1に由来し、Machida, Y. et al. Biochem Biophys Res Commun 343, 190−7 (2006)に記載されているようにして、pcDNA3中にライゲーションした。ユビキチン化(ubi)Discosoma赤色蛍光タンパク質(dsRed)2/N1プラスミドは、Khan, L.A. et al. J Neurochem 98, 576−87 (2006)に記載されているようにして作製し、使用した。
DNAトランスフェクション
Lipofectamine 2000(Invitrogen)を用いて、取扱説明書に従い、DNAをNeuro2a細胞中に一過性トランスフェクトした。一般的には、tNhtt−polyQ及びubi−dsRED(又はRFP)の一過性発現のために、200ng又は70ngのDNAをそれぞれトランスフェクトした。細胞を5時間トランスフェクトし、培地を次の処理のために交換した。
Lipofectamine 2000(Invitrogen)を用いて、取扱説明書に従い、DNAをNeuro2a細胞中に一過性トランスフェクトした。一般的には、tNhtt−polyQ及びubi−dsRED(又はRFP)の一過性発現のために、200ng又は70ngのDNAをそれぞれトランスフェクトした。細胞を5時間トランスフェクトし、培地を次の処理のために交換した。
ArrayScan(登録商標)定量
凝集体の割合、RFP又はubi−dsRED細胞の数あるいはubi−dsRED強度を定量するために、細胞のサイズ、形、強度及び培養形式におけるその他特性の変化を捕捉する数値データへと画像を自動変換する画像分析モジュール(BioApplications)を取り付けた自動蛍光顕微鏡イメージングシステム(ArrayScan(登録商標)VTI HCS Reader)を使用した。プロトコールは、取扱説明書に具体的に従い、各目的について記載し、設計した。スキャニング前に、細胞をまずPBS中3%パラホルムアルデヒドを用いて4℃で1時間固定し、5μg/ml Hoechst 33342(Molecular Probes)で30分間染色した。次いで、これをPBSで2回洗浄し、ハイスループットアナリシスのために上記顕微鏡イメージングシステムに供した。細胞中の凝集体の割合を定量するために、第1のプロトコールでは、各フィールドにおけるEGFPポジティブのスポット数をカウントし、第2のプロトコールでは、同フィールドにおけるHoechstポジティブ核の数をカウントした。一方、RFP/ubi−dsRED細胞の定量は、単一のスキャニングプロトコールで達成できた。スキャニングは、24ウェルプレートを用い、それぞれの実験条件下、通常、二連又は三連で行った。一般的には、30,000〜50,000個の細胞を各ウェル(約200スキャニングフィールド)でスキャンし、ArrayScan(登録商標)によって作成されたデータを、各実験の構成における少なくとも200,000個の細胞の定量から得た。
凝集体の割合、RFP又はubi−dsRED細胞の数あるいはubi−dsRED強度を定量するために、細胞のサイズ、形、強度及び培養形式におけるその他特性の変化を捕捉する数値データへと画像を自動変換する画像分析モジュール(BioApplications)を取り付けた自動蛍光顕微鏡イメージングシステム(ArrayScan(登録商標)VTI HCS Reader)を使用した。プロトコールは、取扱説明書に具体的に従い、各目的について記載し、設計した。スキャニング前に、細胞をまずPBS中3%パラホルムアルデヒドを用いて4℃で1時間固定し、5μg/ml Hoechst 33342(Molecular Probes)で30分間染色した。次いで、これをPBSで2回洗浄し、ハイスループットアナリシスのために上記顕微鏡イメージングシステムに供した。細胞中の凝集体の割合を定量するために、第1のプロトコールでは、各フィールドにおけるEGFPポジティブのスポット数をカウントし、第2のプロトコールでは、同フィールドにおけるHoechstポジティブ核の数をカウントした。一方、RFP/ubi−dsRED細胞の定量は、単一のスキャニングプロトコールで達成できた。スキャニングは、24ウェルプレートを用い、それぞれの実験条件下、通常、二連又は三連で行った。一般的には、30,000〜50,000個の細胞を各ウェル(約200スキャニングフィールド)でスキャンし、ArrayScan(登録商標)によって作成されたデータを、各実験の構成における少なくとも200,000個の細胞の定量から得た。
R6/2マウスを用いたベンザミルのインビボ研究
145CAGリピートを含むHDマウスモデルR6/2系は、オリジナルをThe Jackson Laboratoryから購入した。120〜130のCAGリピート(PCRで確認)を持つマウスを、ベンザミルを使用したインビボ試験用に選択した。水に溶解したベンザミルを5mg/kg(Ben−5)又は1mg/kg(Ben−1)で、4週齢から1日1回、1週間に6回(1週間に1日は投与しない日を設けた)死亡するまで経口投与した。体重を1週間に1回測定した。clasping試験については、マウスを30秒間しっぽで吊り下げ、claspingのパターンを以下の指標に基づき、以下のレベルにグレード分けした。0:claspingなし、1:前肢のみのclasping、2:前肢と後肢の両方の1回又は2回のclasping、3:前肢と後肢の両方の5秒を超えて3回以上のclasping。rota−rod試験については、マウスをまず4rpmで動く回転ロッド上に配置し、その速度を300秒間で40rpmまで直線的に増加させ、60秒超の間40rpmに維持した。5〜12週齢のマウスを同じ動作速度のrota−rod試験にすべて供した。生存分布については、各マウスが生存した日数を記録し、すべての処置について集めたデータ(13週以上生存したマウス;水,n=8;tg−Ben1,n=10及びtg−Ben5,n=9)を、Kaplan−Meier分析、次いでlog−rank testingに付した。マウスに関連したすべての実験は、理研脳科学研究所の動物実験委員会の承認を得た。
145CAGリピートを含むHDマウスモデルR6/2系は、オリジナルをThe Jackson Laboratoryから購入した。120〜130のCAGリピート(PCRで確認)を持つマウスを、ベンザミルを使用したインビボ試験用に選択した。水に溶解したベンザミルを5mg/kg(Ben−5)又は1mg/kg(Ben−1)で、4週齢から1日1回、1週間に6回(1週間に1日は投与しない日を設けた)死亡するまで経口投与した。体重を1週間に1回測定した。clasping試験については、マウスを30秒間しっぽで吊り下げ、claspingのパターンを以下の指標に基づき、以下のレベルにグレード分けした。0:claspingなし、1:前肢のみのclasping、2:前肢と後肢の両方の1回又は2回のclasping、3:前肢と後肢の両方の5秒を超えて3回以上のclasping。rota−rod試験については、マウスをまず4rpmで動く回転ロッド上に配置し、その速度を300秒間で40rpmまで直線的に増加させ、60秒超の間40rpmに維持した。5〜12週齢のマウスを同じ動作速度のrota−rod試験にすべて供した。生存分布については、各マウスが生存した日数を記録し、すべての処置について集めたデータ(13週以上生存したマウス;水,n=8;tg−Ben1,n=10及びtg−Ben5,n=9)を、Kaplan−Meier分析、次いでlog−rank testingに付した。マウスに関連したすべての実験は、理研脳科学研究所の動物実験委員会の承認を得た。
半定量PCR
RNeasy(登録商標)Mini Kit(QIAGEN)を使用し、取扱説明書に従って、Neuro2a細胞から全RNAを抽出した。DNA混入の完全除去を保障するように、RNaseフリーDNase I(QIAGEN)を使用してゲノムDNAを設計した。全RNA量は、260nmでの吸収により定量した(GeneQuant,Amersham)。SUPERSCRIPTTMIII RNase H− Reverse Transcriptase(Invitrogen)を使用して各サンプル由来の1μgのRNAをcDNAに転写した。PCRをサーマルサイクラー(BIO−RAD)中で行った。各プライマーについてmid−log phaseの増幅が得られるサイクル数をまず決定し、目的の遺伝子を引き続いて増幅した。2.5%アガロースゲルを用いて、PCR産物を電気泳動して分離した。DNA像をUVトランスイルミネーター(東洋紡)によりキャプチャし、バンド強度をImageJソフトウェア(NCBI)により定量した。グリセルアルデヒド3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)遺伝子を、遺伝子発現レベルの変化のinternal loading controlとして働くように、各PCR実験において増幅させた。この研究に使用したPCRプライマーは以下のとおりである(Sigma又はOperonにより合成;すべて5’から3’;F−フォワード;R−リバース): NHE1−F TACGGGGTCATCGCGGCTTT(配列番号1), −R ATGACGGTGATGATGGCGGT(配列番号2); NHE5−F CCACAGAAGAACCCACCCAG(配列番号3), −R AAAGACGGCCAACACGGCCA(配列番号4); NCX1−F TGACCGGAGCTGGCAACATC(配列番号5), −R TCTCGCTCACGTGAGTCACG(配列番号6); NCX2−F AGGCTGCCAAGGTTCCTACC(配列番号7), −R CCCACACCTGGACTACACCT(配列番号8); NCX3−F CTTCGTCACGGCTGCTTGGA(配列番号9), −R CTCAATGCCCTTAGGGTGGT(配列番号10); BNaC1−F CCGTCCCTGAGTCGCACTAA(配列番号11), −R CATGAAGGCAGCGCTGATGC(配列番号12); BNaC2−F TGCACGGTCTTGCCCACATC(配列番号13), −R GTCATGCCCTGCTCTGTCGT(配列番号14); egfp−F ATGGTGAGCAAGGGCGAGGA(配列番号15), −R CATGCCGAGAGTGATCCCGG(配列番号16); Gapdh−F ATTGTCAGCAATGCATCCTG(配列番号17), −R TTCAGCTCTGGGATGACCTTGCC(配列番号18)。すべてのプライマー配列をBLAST(NCBI)にかけたところ、これらは高度に特異的であった。
RNeasy(登録商標)Mini Kit(QIAGEN)を使用し、取扱説明書に従って、Neuro2a細胞から全RNAを抽出した。DNA混入の完全除去を保障するように、RNaseフリーDNase I(QIAGEN)を使用してゲノムDNAを設計した。全RNA量は、260nmでの吸収により定量した(GeneQuant,Amersham)。SUPERSCRIPTTMIII RNase H− Reverse Transcriptase(Invitrogen)を使用して各サンプル由来の1μgのRNAをcDNAに転写した。PCRをサーマルサイクラー(BIO−RAD)中で行った。各プライマーについてmid−log phaseの増幅が得られるサイクル数をまず決定し、目的の遺伝子を引き続いて増幅した。2.5%アガロースゲルを用いて、PCR産物を電気泳動して分離した。DNA像をUVトランスイルミネーター(東洋紡)によりキャプチャし、バンド強度をImageJソフトウェア(NCBI)により定量した。グリセルアルデヒド3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)遺伝子を、遺伝子発現レベルの変化のinternal loading controlとして働くように、各PCR実験において増幅させた。この研究に使用したPCRプライマーは以下のとおりである(Sigma又はOperonにより合成;すべて5’から3’;F−フォワード;R−リバース): NHE1−F TACGGGGTCATCGCGGCTTT(配列番号1), −R ATGACGGTGATGATGGCGGT(配列番号2); NHE5−F CCACAGAAGAACCCACCCAG(配列番号3), −R AAAGACGGCCAACACGGCCA(配列番号4); NCX1−F TGACCGGAGCTGGCAACATC(配列番号5), −R TCTCGCTCACGTGAGTCACG(配列番号6); NCX2−F AGGCTGCCAAGGTTCCTACC(配列番号7), −R CCCACACCTGGACTACACCT(配列番号8); NCX3−F CTTCGTCACGGCTGCTTGGA(配列番号9), −R CTCAATGCCCTTAGGGTGGT(配列番号10); BNaC1−F CCGTCCCTGAGTCGCACTAA(配列番号11), −R CATGAAGGCAGCGCTGATGC(配列番号12); BNaC2−F TGCACGGTCTTGCCCACATC(配列番号13), −R GTCATGCCCTGCTCTGTCGT(配列番号14); egfp−F ATGGTGAGCAAGGGCGAGGA(配列番号15), −R CATGCCGAGAGTGATCCCGG(配列番号16); Gapdh−F ATTGTCAGCAATGCATCCTG(配列番号17), −R TTCAGCTCTGGGATGACCTTGCC(配列番号18)。すべてのプライマー配列をBLAST(NCBI)にかけたところ、これらは高度に特異的であった。
RNA干渉
19ヌクレオチドの配列を、各遺伝子のmRNA(アクセッション番号:NHE−1,U51112;NCX−1,NM_011406;NCX−2,NM_148946;NCX−3,NM_080440;BNaC1,BC038551;BNaC2,NM_009597)から選択した。実験時点で完全なマウスNHE−5配列はなかったので、RNAi実験を行い、ヒトNHE−5配列AF111173をマウスESTデータベース(TGI)に提出し、22の短いEST配列にクラスタ化することによって、91%のホモロジーの予測マウスNHE−5配列を見出した。マウスNHE5についてのshRNAを、これ(MGI report)に基づいて、オンライン(http://i.cs.hku.hk/〜sirna/software/sirna.php)で入手可能なsiRNA Design Software(SDS)により設計した。このソフトウェアは、12のsiRNA設計ソフトウェアを主要なバイオテクノロジーの会社から採用し、効果的なsiRNA配列を選択する機会を最大化するために、個々の配列の注目度をランク付けしていた。各サーチからの上位5番目までの配列をBLAST(NCBI)にかけ、順序付けの前にそのspecificityを確認した。ヘアピン骨格を持つ各センス及びアンチセンステンプレートをそれぞれ合成し(Operon)、アニールし、使用説明書(Ambion)に従って、U6プロモーターによって駆動するpSilencer 1.0ベクター中に連結した。すべてのshRNA産生のためのシークエンスを含むプラスミドの配列を確認した。本研究に使用したshRNA産生シークエンスを以下に示す(効果があることを試験したもの;すべて5’から3’): NHE1−1: GGACAAGCTCAACCGTTTT(配列番号19); NHE1−2: GGAGGAAGAGATCCGCAAA(配列番号20); NHE5−1: GAGGAGTGATTACCACAAA(配列番号21); NHE5−2: AGGGCGTCGCCTCCCTGTT(配列番号22); NCX1−1: CTGGGTCTGATTATGAATT(配列番号23); NCX1−2: AGAGTTGGCATCATTGATG(配列番号24); NCX2−1: CTTCAGGTCAAGATAGTGG(配列番号25); NCX2−2: GAATGGAGACAAGAAGATA(配列番号26); NCX3−1: TAATTGATGATAAGGCGTA(配列番号27); NCX3−2: ACAATTCGGGTATGGAATG(配列番号28); BNaC1/ASIC2−1: ACAGCAATGAACACCAAAG(配列番号29); BNaC1/ASIC2−2: CCCAAGGACAGCAATGAAC(配列番号30); BNaC2/ASIC1−1: TCAATGAGTTTCGCTTTAG(配列番号31); BNaC2/ASIC1−2: GAGCGTGTGCAGTACTACT(配列番号32); BNaC2/ASIC1−3: AGTTCAACAAATCTGAACA(配列番号33)。 LacZ: TCTATCGTGCGGTGGTTGA(配列番号34)(トランスフェクション及びサイレンシングのネガティブコントロールとして)。shRNA挿入物を含むプラスミドをNeuro2a細胞中にLipofectamine 2000を使用してトランスフェクトした。サイレンシングを2日間生じさせ、全RNAを集めて、半定量PCRを上記したようにして行った(転写レベルの本発明者らのshRNAのサイレンシング効果は、図1aに示した)。サイレンシング効果がまた翻訳後レベルで起こることを示すために、各チャネルタンパク質の発現ベクター及びその対応するshRNAサイレンシングベクターをコトランスフェクトした。LacZ shRNAをネガティブコントロールとして使用した。図1bは、抗V5抗体によって明らかにされた有意なダウンレギュレーションを示している。
19ヌクレオチドの配列を、各遺伝子のmRNA(アクセッション番号:NHE−1,U51112;NCX−1,NM_011406;NCX−2,NM_148946;NCX−3,NM_080440;BNaC1,BC038551;BNaC2,NM_009597)から選択した。実験時点で完全なマウスNHE−5配列はなかったので、RNAi実験を行い、ヒトNHE−5配列AF111173をマウスESTデータベース(TGI)に提出し、22の短いEST配列にクラスタ化することによって、91%のホモロジーの予測マウスNHE−5配列を見出した。マウスNHE5についてのshRNAを、これ(MGI report)に基づいて、オンライン(http://i.cs.hku.hk/〜sirna/software/sirna.php)で入手可能なsiRNA Design Software(SDS)により設計した。このソフトウェアは、12のsiRNA設計ソフトウェアを主要なバイオテクノロジーの会社から採用し、効果的なsiRNA配列を選択する機会を最大化するために、個々の配列の注目度をランク付けしていた。各サーチからの上位5番目までの配列をBLAST(NCBI)にかけ、順序付けの前にそのspecificityを確認した。ヘアピン骨格を持つ各センス及びアンチセンステンプレートをそれぞれ合成し(Operon)、アニールし、使用説明書(Ambion)に従って、U6プロモーターによって駆動するpSilencer 1.0ベクター中に連結した。すべてのshRNA産生のためのシークエンスを含むプラスミドの配列を確認した。本研究に使用したshRNA産生シークエンスを以下に示す(効果があることを試験したもの;すべて5’から3’): NHE1−1: GGACAAGCTCAACCGTTTT(配列番号19); NHE1−2: GGAGGAAGAGATCCGCAAA(配列番号20); NHE5−1: GAGGAGTGATTACCACAAA(配列番号21); NHE5−2: AGGGCGTCGCCTCCCTGTT(配列番号22); NCX1−1: CTGGGTCTGATTATGAATT(配列番号23); NCX1−2: AGAGTTGGCATCATTGATG(配列番号24); NCX2−1: CTTCAGGTCAAGATAGTGG(配列番号25); NCX2−2: GAATGGAGACAAGAAGATA(配列番号26); NCX3−1: TAATTGATGATAAGGCGTA(配列番号27); NCX3−2: ACAATTCGGGTATGGAATG(配列番号28); BNaC1/ASIC2−1: ACAGCAATGAACACCAAAG(配列番号29); BNaC1/ASIC2−2: CCCAAGGACAGCAATGAAC(配列番号30); BNaC2/ASIC1−1: TCAATGAGTTTCGCTTTAG(配列番号31); BNaC2/ASIC1−2: GAGCGTGTGCAGTACTACT(配列番号32); BNaC2/ASIC1−3: AGTTCAACAAATCTGAACA(配列番号33)。 LacZ: TCTATCGTGCGGTGGTTGA(配列番号34)(トランスフェクション及びサイレンシングのネガティブコントロールとして)。shRNA挿入物を含むプラスミドをNeuro2a細胞中にLipofectamine 2000を使用してトランスフェクトした。サイレンシングを2日間生じさせ、全RNAを集めて、半定量PCRを上記したようにして行った(転写レベルの本発明者らのshRNAのサイレンシング効果は、図1aに示した)。サイレンシング効果がまた翻訳後レベルで起こることを示すために、各チャネルタンパク質の発現ベクター及びその対応するshRNAサイレンシングベクターをコトランスフェクトした。LacZ shRNAをネガティブコントロールとして使用した。図1bは、抗V5抗体によって明らかにされた有意なダウンレギュレーションを示している。
ウエスタンブロット
被験体となる細胞を冷PBSでリンスし、適当量の溶解緩衝液(8.6%スクロース、1mM EDTA、1mMオルトバナジン酸ナトリウム(Na3VO4)、10mMフッ化ナトリウム(NaF)、50mM Tris、0.038% EGTA、1% Triton X−100及びCompleteTM)中に溶解した。次いで、タンパク質溶解物を短時間超音波処理した。タンパク質濃度を、Bicinchoninic Acid (BCA) Protein Assay Kit (Pierce)を使用し、使用説明書に従って測定した。次いで、適当量のタンパク質溶解物を4X SDS gel−loading buffer(200mM Tris−HCl、pH 6.8、400mM DTT、8% SDS、40%グリセロール及び適当量のブロモフェノールブルー)と混合し、100℃で5分間沸騰させ、5〜20%のグラジエントのポリアクリルアミドゲル(ATTO)で分離した。引き続いて、タンパク質をPVDF膜(0.22μm、Schleicher & Schuell)に移し、その膜を、TBS−T(10mM Tris、pH 7.5、50mM NaCl及び0.1% Tween−20、Sigma)中5%の無脂肪乳で1時間ブロックした。次いで、ブロットを、適当に希釈した一次及びHRP結合二次抗体とともにインキュベートした(それぞれ室温で1時間。それぞれのインキュベーションの間及び後にはTBS−Tで十分に洗浄)。最終的に、ブロットを、ECL溶液を使用して現像して、HyperfilmTM MP(Amersham Biosciences)に感光させた。
被験体となる細胞を冷PBSでリンスし、適当量の溶解緩衝液(8.6%スクロース、1mM EDTA、1mMオルトバナジン酸ナトリウム(Na3VO4)、10mMフッ化ナトリウム(NaF)、50mM Tris、0.038% EGTA、1% Triton X−100及びCompleteTM)中に溶解した。次いで、タンパク質溶解物を短時間超音波処理した。タンパク質濃度を、Bicinchoninic Acid (BCA) Protein Assay Kit (Pierce)を使用し、使用説明書に従って測定した。次いで、適当量のタンパク質溶解物を4X SDS gel−loading buffer(200mM Tris−HCl、pH 6.8、400mM DTT、8% SDS、40%グリセロール及び適当量のブロモフェノールブルー)と混合し、100℃で5分間沸騰させ、5〜20%のグラジエントのポリアクリルアミドゲル(ATTO)で分離した。引き続いて、タンパク質をPVDF膜(0.22μm、Schleicher & Schuell)に移し、その膜を、TBS−T(10mM Tris、pH 7.5、50mM NaCl及び0.1% Tween−20、Sigma)中5%の無脂肪乳で1時間ブロックした。次いで、ブロットを、適当に希釈した一次及びHRP結合二次抗体とともにインキュベートした(それぞれ室温で1時間。それぞれのインキュベーションの間及び後にはTBS−Tで十分に洗浄)。最終的に、ブロットを、ECL溶液を使用して現像して、HyperfilmTM MP(Amersham Biosciences)に感光させた。
チェイス実験
可溶性tNhtt−polyQがベンザミルの存在下でより早く分解するかどうかを決めるために、チェイス実験を行った。tNhtt−60Qを発現する誘導性Neuro2a細胞を選択した。tNhtt−60Qの大部分は溶解性のままであり、いくらかの凝集体のみがインキュベーション1日後に観察されうる。手短に記載すると、Neuro2a細胞がまず分化されて、24時間tNhtt−60Qを発現するように誘導される。Ponasterone Aをその後除去し(dbcAMPは分化状態を保ったまま)、細胞を水(コントロール)又は50μMのベンザミル(Day 0)とともに、4日間(Day 4)インキュベートした。同濃度のベンザミルを含む新鮮な培地に2日ごとに交換し、細胞をDay 4まで1日1回収集した。細胞を引き続いて溶解し、可溶性tNhtt−60Qの発現を、抗huntingtin抗体(抗em48)を用いたウエスタンブロットにより分析した。
可溶性tNhtt−polyQがベンザミルの存在下でより早く分解するかどうかを決めるために、チェイス実験を行った。tNhtt−60Qを発現する誘導性Neuro2a細胞を選択した。tNhtt−60Qの大部分は溶解性のままであり、いくらかの凝集体のみがインキュベーション1日後に観察されうる。手短に記載すると、Neuro2a細胞がまず分化されて、24時間tNhtt−60Qを発現するように誘導される。Ponasterone Aをその後除去し(dbcAMPは分化状態を保ったまま)、細胞を水(コントロール)又は50μMのベンザミル(Day 0)とともに、4日間(Day 4)インキュベートした。同濃度のベンザミルを含む新鮮な培地に2日ごとに交換し、細胞をDay 4まで1日1回収集した。細胞を引き続いて溶解し、可溶性tNhtt−60Qの発現を、抗huntingtin抗体(抗em48)を用いたウエスタンブロットにより分析した。
フィルタートラップアッセイ
フィルタートラップアッセイを、Hybri−Dot manifold(BIO−RAD)及び孔径0.2μMのセルロースアセテートメンブレンフィルター(Advantec)を使用して行った。手短に記載すると、分析の準備が整った細胞をウエスタンブロットに使用したものと同じ溶解緩衝液中に溶解し、短時間超音波処理し、上記したBCA法によりタンパク質濃度を定量した。脳のサンプルについては、まず、5cm3ガラス管中で、1mlのホモジナイゼーション緩衝液(50mM Tris−HCl、pH 7.4、150mM NaCl、1% Triton X−100、1mM PMSF及びcomplete protease inhibitor cocktail)を用いて、脳組織を1500rpmで10回ホモジナイズした。次いで、脳溶解物を短時間超音波処理し、濃度を測定した。各実験条件からの同量のタンパク質を、PBS中2%のSDSにより100μlに希釈し、メンブラン上にアプライした。ウェルを2%SDS/PBSで2回洗浄し、20分間真空吸引して、SDSに不溶な凝集体を完全にかつしっかりとトラップした。メンブランを引き続いて5%スキムミルクでブロックし、ウエスタンブロットを続けた。
フィルタートラップアッセイを、Hybri−Dot manifold(BIO−RAD)及び孔径0.2μMのセルロースアセテートメンブレンフィルター(Advantec)を使用して行った。手短に記載すると、分析の準備が整った細胞をウエスタンブロットに使用したものと同じ溶解緩衝液中に溶解し、短時間超音波処理し、上記したBCA法によりタンパク質濃度を定量した。脳のサンプルについては、まず、5cm3ガラス管中で、1mlのホモジナイゼーション緩衝液(50mM Tris−HCl、pH 7.4、150mM NaCl、1% Triton X−100、1mM PMSF及びcomplete protease inhibitor cocktail)を用いて、脳組織を1500rpmで10回ホモジナイズした。次いで、脳溶解物を短時間超音波処理し、濃度を測定した。各実験条件からの同量のタンパク質を、PBS中2%のSDSにより100μlに希釈し、メンブラン上にアプライした。ウェルを2%SDS/PBSで2回洗浄し、20分間真空吸引して、SDSに不溶な凝集体を完全にかつしっかりとトラップした。メンブランを引き続いて5%スキムミルクでブロックし、ウエスタンブロットを続けた。
統計的分析
2つのサンプル間の比較には、unpaired student’s t−testを使用した。複数のサンプルの比較には、One−way ANOVA Fisher’s test、続いて、Tukey’s HSD testを、信頼度95%で使用した。異なる母集団間の有意性の測定については、two−sample Kolmogorov−Smirnov testを使用した。生存率については、生存分布曲線をKaplan−Meier法を使用してプロットし、続いて、log−rank testingにより求めた(すべてのデータは、XLSTATソフトウェアを使用して作成した)。比較間の差は、すべての統計的分析についてp<0.05のときに有意であるとした。
2つのサンプル間の比較には、unpaired student’s t−testを使用した。複数のサンプルの比較には、One−way ANOVA Fisher’s test、続いて、Tukey’s HSD testを、信頼度95%で使用した。異なる母集団間の有意性の測定については、two−sample Kolmogorov−Smirnov testを使用した。生存率については、生存分布曲線をKaplan−Meier法を使用してプロットし、続いて、log−rank testingにより求めた(すべてのデータは、XLSTATソフトウェアを使用して作成した)。比較間の差は、すべての統計的分析についてp<0.05のときに有意であるとした。
その他
イムノブロットのバンド強度は、EPSON ES−8000スキャナーでスキャンした後にImageJ(version 1.32j、NCBI)で定量するか、FUJIFILM LAS−1000 plus systemでキャプチャし画像分析ソフトウェアを使用して分析した。1つのデータポイントから得られた値を、それ自身の内部コントロール(β−tubulin)について得られ100%に設定した値で割った。他のデータポイントから得られた比も同様にして比較し、変化の相対比として表した。
イムノブロットのバンド強度は、EPSON ES−8000スキャナーでスキャンした後にImageJ(version 1.32j、NCBI)で定量するか、FUJIFILM LAS−1000 plus systemでキャプチャし画像分析ソフトウェアを使用して分析した。1つのデータポイントから得られた値を、それ自身の内部コントロール(β−tubulin)について得られ100%に設定した値で割った。他のデータポイントから得られた比も同様にして比較し、変化の相対比として表した。
結果
アミロライド及びベンザミルは、tNhtt−polyQ凝集体を用量依存的に減少させた。
アミロライド(Ami)及びその誘導体ベンザミル(Ben)がtNhtt−polyQによって形成されるタンパク質凝集体に何らかの影響を与えるかどうかを試験するために、まず、tNhtt−polyQ−EGFP(tNhtt、N末端トランケート型Huntingtin;polyQ、60又は150のポリグルタミンリピート)の発現が1μM ponasterone Aにより誘導されかつ5mM N6,2’−O−ジブチリルアデノシン−3’,5’−環状モノリン酸ナトリウム塩(dbcAMP)[Wang, G.H. et al. Neuroreport 10, 2435−8 (1999)]での処理に応答して細胞が神経細胞様に分化されうる安定なマウス神経芽細胞腫Neuro2a細胞系を採用した。Ami及びBenが同様にして、最大50μMまで(図2b、*p=0.105及び**p=0.001;50μM以下を細胞系における研究に亘って使用する)有意な毒性なしに、tNhtt−60Q−EGFP及びtNhtt−150Q−EGFP細胞質凝集体を用量依存的に減少させることが見出された(図2a、未処置群に対する処置群についてp<0.0001;*及び**p=0.019;***及び****p<0.0001)。Ami及びBenはまた、tNhtt−150Qnls−EGFP核凝集体も同様の誘導系により有意に減少させた(図2c、*及び**p=0.03)。Ami及びBenがponasterone A誘導系と干渉することによって凝集体を減少する可能性を除去するために、62又は150のポリグルタミンリピートを含む発現プラスミドで、核局在シグナルペプチドの存在又は非存在下、ネイティブなNeuro2a細胞をトランスフェクトした(図2d)。誘導系で得られた結果と同様にして、両薬物は、細胞質及び核の凝集体を40%顕著に減少させた(*p=0.008;アミロライド、データ示さず)。フィルタートラップアッセイではまた、Ami及びBenが同量のタンパク質をロードしたセルロースアセテートメンブレン上にトラップされる凝集体の量を減少させることが示された(図2e)。これは、Ami及びBenがArrayScan(登録商標)VTI HCS ReaderによってキャプチャされうるEGFP蛍光をマスキングすることによって凝集体を減少させるのではないことを示している。半定量PCRでは、Ami及びBenがtNhtt−16/60/150Qの発現レベルに影響しないことが示されたので(図2fのイメージ及び図2gの定量)、これまで得られたデータは、これらの薬物が転写後のメカニズムを介してtNhtt−polyQ凝集体を減少することを示唆している。
アミロライド及びベンザミルは、tNhtt−polyQ凝集体を用量依存的に減少させた。
アミロライド(Ami)及びその誘導体ベンザミル(Ben)がtNhtt−polyQによって形成されるタンパク質凝集体に何らかの影響を与えるかどうかを試験するために、まず、tNhtt−polyQ−EGFP(tNhtt、N末端トランケート型Huntingtin;polyQ、60又は150のポリグルタミンリピート)の発現が1μM ponasterone Aにより誘導されかつ5mM N6,2’−O−ジブチリルアデノシン−3’,5’−環状モノリン酸ナトリウム塩(dbcAMP)[Wang, G.H. et al. Neuroreport 10, 2435−8 (1999)]での処理に応答して細胞が神経細胞様に分化されうる安定なマウス神経芽細胞腫Neuro2a細胞系を採用した。Ami及びBenが同様にして、最大50μMまで(図2b、*p=0.105及び**p=0.001;50μM以下を細胞系における研究に亘って使用する)有意な毒性なしに、tNhtt−60Q−EGFP及びtNhtt−150Q−EGFP細胞質凝集体を用量依存的に減少させることが見出された(図2a、未処置群に対する処置群についてp<0.0001;*及び**p=0.019;***及び****p<0.0001)。Ami及びBenはまた、tNhtt−150Qnls−EGFP核凝集体も同様の誘導系により有意に減少させた(図2c、*及び**p=0.03)。Ami及びBenがponasterone A誘導系と干渉することによって凝集体を減少する可能性を除去するために、62又は150のポリグルタミンリピートを含む発現プラスミドで、核局在シグナルペプチドの存在又は非存在下、ネイティブなNeuro2a細胞をトランスフェクトした(図2d)。誘導系で得られた結果と同様にして、両薬物は、細胞質及び核の凝集体を40%顕著に減少させた(*p=0.008;アミロライド、データ示さず)。フィルタートラップアッセイではまた、Ami及びBenが同量のタンパク質をロードしたセルロースアセテートメンブレン上にトラップされる凝集体の量を減少させることが示された(図2e)。これは、Ami及びBenがArrayScan(登録商標)VTI HCS ReaderによってキャプチャされうるEGFP蛍光をマスキングすることによって凝集体を減少させるのではないことを示している。半定量PCRでは、Ami及びBenがtNhtt−16/60/150Qの発現レベルに影響しないことが示されたので(図2fのイメージ及び図2gの定量)、これまで得られたデータは、これらの薬物が転写後のメカニズムを介してtNhtt−polyQ凝集体を減少することを示唆している。
ベンザミルは、R6/2マウスにおけるHDの病状を緩和する。
細胞系におけるアミロライド及びベンザミルでのtNhtt−polyQ凝集の有意で顕著な減少により、本発明者らは、同様の凝集抑制効果がHDの動物モデルでも観察されるかどうかを調べることとした。アミロライド及びベンザミルがtNhtt−poly凝集を減少させるメカニズムは不明であったが、アミロライドと比較して標的タンパク質に対する高い親和性を有する[Cuthbert, A.W. & Edwardson, J.M. J Pharm Pharmacol 31, 382−6 (1979)]ことから、まず、マウスでの研究にはベンザミルを選択した。インビボにおけるベンザミルの有利な効果を検討するために、進行性のHD症状がよくキャラクタライズされ薬物の前臨床試験に広範に使用されているR6/2(トランスジェニック、tg)マウスモデル[Mangiarini, L., et al. Cell 87, 493−506 (1996)]を採用した。R6/2マウス(120〜130のpolyQリピートを有する)に、Ben1mg/kg(Ben1)又は5mg/kg(Ben5)を1週間に6回経口投与し、比較用のコントロールとしては水を使用した(図3)。tgマウスのlimb clasping postureは、Benを与えた8週齢のマウス(tg−Ben1及びtg−Ben5)において顕著に緩和された(図3a、*及び**p<0.0001)。すべてのコントロールマウス(水を与えたトランスジェニックマウス)がレベル3のclasping postureに達したとき、ベンザミル1mg/kgによりclasping postureの良好な緩和が得られ、12週齢においてさえもその有利な効果は示され続けた(図3a、***p=0.009)。トランスジェニックR6/2マウスにおける運動障害がベンザミルで緩和されうることを示すより客観的な評価を得るために、1mg/kgのベンザミルを与えた野生型マウス及びトランスジェニックマウスでrota−rod研究を行った(図3b)。野生型群においては実質的な差異はなかったが、tg−Ben1は、トランスジェニックマウスがrota−rod上に乗り続ける時間を大いに増大し、このことはさらに、R6/2の運動障害が顕著に減少したことを示している(図3b、*p=0.0015及び**p=0.042)。
次に、ベンザミルが脳におけるHD病状を緩和するかどうかを検討した(図3c及び3d)。野生型、tg−water、tg−Ben1及びtg−Ben5から脳全体の溶解物を作製した。図3cに示されるように、凝集体の有意な減少が、Ben1又はBen5で処置したマウスで観察された。フィルタートラップメンブラン上のスポット強度の定量により、8週齢及び12週齢の両方で、抗huntingtin(em48)抗体により検出される凝集体の30%を超える減少が明らかとなった(図3d、8週 水 vs Ben、p=0.003; 12週 水 vs Ben、p=0.04;*p=0.009;**p=0.004;***及び****p=0.007)。同じタンパク質溶解物を使用したウエスタンブロットでは、β−tubulin抗体により明らかとなったものと同じローディングが示された(データ示さず)。ベンザミルは、実験ラットの脳脊髄液(CSF)中に検出し定量することができたので、ベンザミルがpolyQ凝集の量を減少する直接効果を脳組織で発揮したと考えられた(図4)。脳の症状及び運動障害の緩和に付随して、10週齢後のtg−Ben1及びtg−Ben5において、体重の有意な増加が観察された(図3e、*p=0.034及び**p=0.044)。さらに重要なことには、Ben1は、Kaplan−Meier法、続いてlog−rank試験で分析されたR6/2マウスの生存率を有意に増大した(図3f)。tg−水の平均生存期間は114.625±2.44日であり、tg−Ben1の平均生存期間は126.1±4.001日であった(tg−水 vs tg−Ben1、p=0.024)。tg−Ben5は生存率の全般的な増大を示さなかったが、水だけで処置されたマウスよりもずっと長く生存したマウスも存在した(図3fの黒丸のライン)。要約すると、R6/2マウスから収集したデータにより、ベンザミルがHDの哺乳動物モデルにおける運動障害及び症状を緩和し、生存率を増加させるという結論が得られた。
細胞系におけるアミロライド及びベンザミルでのtNhtt−polyQ凝集の有意で顕著な減少により、本発明者らは、同様の凝集抑制効果がHDの動物モデルでも観察されるかどうかを調べることとした。アミロライド及びベンザミルがtNhtt−poly凝集を減少させるメカニズムは不明であったが、アミロライドと比較して標的タンパク質に対する高い親和性を有する[Cuthbert, A.W. & Edwardson, J.M. J Pharm Pharmacol 31, 382−6 (1979)]ことから、まず、マウスでの研究にはベンザミルを選択した。インビボにおけるベンザミルの有利な効果を検討するために、進行性のHD症状がよくキャラクタライズされ薬物の前臨床試験に広範に使用されているR6/2(トランスジェニック、tg)マウスモデル[Mangiarini, L., et al. Cell 87, 493−506 (1996)]を採用した。R6/2マウス(120〜130のpolyQリピートを有する)に、Ben1mg/kg(Ben1)又は5mg/kg(Ben5)を1週間に6回経口投与し、比較用のコントロールとしては水を使用した(図3)。tgマウスのlimb clasping postureは、Benを与えた8週齢のマウス(tg−Ben1及びtg−Ben5)において顕著に緩和された(図3a、*及び**p<0.0001)。すべてのコントロールマウス(水を与えたトランスジェニックマウス)がレベル3のclasping postureに達したとき、ベンザミル1mg/kgによりclasping postureの良好な緩和が得られ、12週齢においてさえもその有利な効果は示され続けた(図3a、***p=0.009)。トランスジェニックR6/2マウスにおける運動障害がベンザミルで緩和されうることを示すより客観的な評価を得るために、1mg/kgのベンザミルを与えた野生型マウス及びトランスジェニックマウスでrota−rod研究を行った(図3b)。野生型群においては実質的な差異はなかったが、tg−Ben1は、トランスジェニックマウスがrota−rod上に乗り続ける時間を大いに増大し、このことはさらに、R6/2の運動障害が顕著に減少したことを示している(図3b、*p=0.0015及び**p=0.042)。
次に、ベンザミルが脳におけるHD病状を緩和するかどうかを検討した(図3c及び3d)。野生型、tg−water、tg−Ben1及びtg−Ben5から脳全体の溶解物を作製した。図3cに示されるように、凝集体の有意な減少が、Ben1又はBen5で処置したマウスで観察された。フィルタートラップメンブラン上のスポット強度の定量により、8週齢及び12週齢の両方で、抗huntingtin(em48)抗体により検出される凝集体の30%を超える減少が明らかとなった(図3d、8週 水 vs Ben、p=0.003; 12週 水 vs Ben、p=0.04;*p=0.009;**p=0.004;***及び****p=0.007)。同じタンパク質溶解物を使用したウエスタンブロットでは、β−tubulin抗体により明らかとなったものと同じローディングが示された(データ示さず)。ベンザミルは、実験ラットの脳脊髄液(CSF)中に検出し定量することができたので、ベンザミルがpolyQ凝集の量を減少する直接効果を脳組織で発揮したと考えられた(図4)。脳の症状及び運動障害の緩和に付随して、10週齢後のtg−Ben1及びtg−Ben5において、体重の有意な増加が観察された(図3e、*p=0.034及び**p=0.044)。さらに重要なことには、Ben1は、Kaplan−Meier法、続いてlog−rank試験で分析されたR6/2マウスの生存率を有意に増大した(図3f)。tg−水の平均生存期間は114.625±2.44日であり、tg−Ben1の平均生存期間は126.1±4.001日であった(tg−水 vs tg−Ben1、p=0.024)。tg−Ben5は生存率の全般的な増大を示さなかったが、水だけで処置されたマウスよりもずっと長く生存したマウスも存在した(図3fの黒丸のライン)。要約すると、R6/2マウスから収集したデータにより、ベンザミルがHDの哺乳動物モデルにおける運動障害及び症状を緩和し、生存率を増加させるという結論が得られた。
ベンザミルは、プロテアソーム活性を全般的に増強する。
ベンザミルがインビトロ(図2)及びインビボ(図3)のモデルの両方でHDの症状を緩和するとの確信が得られた後で、それがtNhtt−polyQ凝集を減少するメカニズムを検討した。Ami及びBenが転写レベルのtNhtt−polyQの発現レベルに影響を与えない(図2f及び図2g)と考えると、可溶性huntingtin発現の持続性の一貫性の減少の所見により、Ami及びBenで処置した条件では分解系が増強されうると結論付けることが促された。図5aに示し、図5bで定量したように、50μMのAmi及びBen(図5b、*p=0.008、アミロライド、データ示さず)で処置したNeuro2a細胞において、可溶性huntingtinの有意な減少が一貫して観察された。さらに、ArrayScan(登録商標)VTI HCS Readerでキャプチャされたイメージにより、GFPポジティブな細胞の割合及びベンザミルで処置された誘導系及び一時系の両方におけるGFP強度の有意な減少があることが繰り返し示された(図5c、*p<0.0001)。まず、ベンザミルで処置した細胞におけるユビキチンプロテアソームシステム(UPS)を検討した。試験を可能とするために、ユビキチンで標識されたDiscosoma Red蛍光タンパク質(dsRED)(ubi−dsRED)を発現する発現構築物を使用した。ubi−dsRED細胞の数及びubi−dsRED蛍光強度はインビボプロテアソーム活性を直接反映すること及びpolyQはC.elegans及びインビトロ細胞HDモデルの両方でUPSをブロックすることが示されている[Khan, L.A. et al. J Neurochem 98, 576−87 (2006)]。ubi−dsREDを使用して、ベンザミル存在下でのインビボプロテアソーム活性の試験を行った。
ベンザミルがインビボプロテアソーム活性を増強しうるかどうかを試験するために、まず、Neuro2a細胞をごく少量のubi−dsRED構築物でトランスフェクトし、次いで、種々の濃度のプロテアソームインヒビターMG−132及びベンザミルを添加した。ベンザミルは、MG−132によって引き起こされるプロテアソーム阻害を用量依存的に緩和することができた(図5d及び図5e)。ubi−dsRED細胞数をベンザミルで処置していない状態にノーマライズすることによって、ベンザミル濃度の上昇に伴うubi−dsRED細胞の段階的な減少を観察した(図5d、MG−132 vs Ben、p<0.0001;*p=0.019)。MG−132濃度の上昇によりubi−dsRED細胞の凝集が導かれたが、ベンザミル濃度の上昇により、ウエスタンブロットで示されるようにこの凝集が緩和された(図5e)。これらのデータにより、ベンザミルにプロテアソーム活性を全般的に増大する能力があること、これが、ベンザミルがtNhtt−polyQ凝集をインビトロ及びインビボで減少させるメカニズムの1つであることが示唆される。
ベンザミルがインビトロ(図2)及びインビボ(図3)のモデルの両方でHDの症状を緩和するとの確信が得られた後で、それがtNhtt−polyQ凝集を減少するメカニズムを検討した。Ami及びBenが転写レベルのtNhtt−polyQの発現レベルに影響を与えない(図2f及び図2g)と考えると、可溶性huntingtin発現の持続性の一貫性の減少の所見により、Ami及びBenで処置した条件では分解系が増強されうると結論付けることが促された。図5aに示し、図5bで定量したように、50μMのAmi及びBen(図5b、*p=0.008、アミロライド、データ示さず)で処置したNeuro2a細胞において、可溶性huntingtinの有意な減少が一貫して観察された。さらに、ArrayScan(登録商標)VTI HCS Readerでキャプチャされたイメージにより、GFPポジティブな細胞の割合及びベンザミルで処置された誘導系及び一時系の両方におけるGFP強度の有意な減少があることが繰り返し示された(図5c、*p<0.0001)。まず、ベンザミルで処置した細胞におけるユビキチンプロテアソームシステム(UPS)を検討した。試験を可能とするために、ユビキチンで標識されたDiscosoma Red蛍光タンパク質(dsRED)(ubi−dsRED)を発現する発現構築物を使用した。ubi−dsRED細胞の数及びubi−dsRED蛍光強度はインビボプロテアソーム活性を直接反映すること及びpolyQはC.elegans及びインビトロ細胞HDモデルの両方でUPSをブロックすることが示されている[Khan, L.A. et al. J Neurochem 98, 576−87 (2006)]。ubi−dsREDを使用して、ベンザミル存在下でのインビボプロテアソーム活性の試験を行った。
ベンザミルがインビボプロテアソーム活性を増強しうるかどうかを試験するために、まず、Neuro2a細胞をごく少量のubi−dsRED構築物でトランスフェクトし、次いで、種々の濃度のプロテアソームインヒビターMG−132及びベンザミルを添加した。ベンザミルは、MG−132によって引き起こされるプロテアソーム阻害を用量依存的に緩和することができた(図5d及び図5e)。ubi−dsRED細胞数をベンザミルで処置していない状態にノーマライズすることによって、ベンザミル濃度の上昇に伴うubi−dsRED細胞の段階的な減少を観察した(図5d、MG−132 vs Ben、p<0.0001;*p=0.019)。MG−132濃度の上昇によりubi−dsRED細胞の凝集が導かれたが、ベンザミル濃度の上昇により、ウエスタンブロットで示されるようにこの凝集が緩和された(図5e)。これらのデータにより、ベンザミルにプロテアソーム活性を全般的に増大する能力があること、これが、ベンザミルがtNhtt−polyQ凝集をインビトロ及びインビボで減少させるメカニズムの1つであることが示唆される。
ベンザミルは、polyQ保持細胞におけるプロテアソーム活性を増大し、可溶性tNhtt−polyQの分解を増強する。
ベンザミルが、polyQリピートを有する細胞においてプロテアソーム活性を増強するかどうかを検討した。まず、Neuro2a細胞において3:1の比でEGFP、17Q−EGFP又は150Q−EGFPとubi−dsREDとをコトランスフェクトし、EGFPポジティブ細胞におけるubi−dsRED蛍光強度を定量した。図6aに示されるように、polyQの長さに依存する増大をubi−dsRED蛍光強度において観察した(EGFP vs 17Q−EGFP、EGFP vs 17Q−EGFP又は17Q−EGFP vs 150Q−EGFPの分布はすべて有意に異なっている。two−sample Kolmogorov−Smirnov testにより分析されたp<0.0001)。これらのデータは、tNhtt−polyQはUPSをブロックすることが可能であること[Bennett, E.J., Bence, N.F., Jayakumar, R. & Kopito, R.R. Mol Cell 17, 351−65 (2005); Bence, N.F., Sampat, R.M. & Kopito, R.R. Science 292, 1552−5 (2001)]及びubi−dsRED構築物がpolyQ保持細胞におけるプロテアソーム活性を反映する有効なツールであること[Khan, L.A. et al. J Neurochem 98, 576−87 (2006)]をサポートしている。
単量体のRFP(mRFP)[Machida, Y. et al. Biochem Biophys Res Commun 343, 190−7 (2006)]を内部コントロールとして使用して、まず、ベンザミルの存在又は非存在下で、tNhtt−polyQ及びubi−dsREDと一過性コトランスフェクトした細胞におけるプロテアソーム活性を調べた。RFPとpolyQとのコトランスフェクションの場合には、凝集体及びpolyQの完全な同時局在が観察され、実質的にベンザミルは、この同時局在に影響を与えなかった(図6b、A及びB、並びに、図6c、RFP)。しかし、tNhtt−polyQ及びubi−dsREDが完全な同時局在を維持している一方で(図6b、C〜F)、polyQ保持細胞のかなりの集団が、ベンザミルの添加により、もはやubi−dsREDとは同時局在していなかった(図6bのG〜K及び図6cのUbi−dsRED;*p<0.0001、水 vs polyQ)。polyQとubi−dsREDとの間の同時局在の減少と一致して、polyQ保持集団におけるubi−dsRED細胞数(図6d)及びpolyQ保持細胞における平均ubi−dsRED強度(図6e)もまた有意に減少した。抗RFP抗体を用いたウエスタンブロットでも、10μMのlactacystinを添加した場合には、ubi−dsRED細胞の凝集を大いに増加させるのに対し、ubi−dsRED細胞の凝集がベンザミル処理細胞には大部分存在していないことが明らかとなった(図6f)。RFPを用いて同様の実験を行ったが、同様の結果は観察されなかった(データ示さず)。ここで示したデータは、polyQ保持細胞におけるプロテアソーム活性が顕著に増強されていることを強く示唆している。
インビボプロテアソーム活性がベンザミルの存在下で大いに増強されるならば、可溶性tNhtt−polyQの分解が増強されると予測される。可溶性tNhtt−polyQの分解速度がベンザミルで処置した場合にさらに速いかどうかを検討するために、tNhtt−60Qの発現を1日誘導し、その後、ベンザミルの添加によりそれを停止し(これをDay 0とした)、タンパク質分解物をDay 4まで収集する追跡実験を行った(図6g)。ベンザミル処置は、tNhtt−60Q発現の当初の増大(Day 1。おそらく残留量のponasterone Aによって生じる)を抑制し、その後(Day 2から4)、水コントロールと同様の分解速度であることを示していた。Day 3及びDay 4におけるベンザミル存在下での可溶性tNhtt−polyQの絶対量には有意な減少があり(それぞれ、*p=0.037及び#p=0.039)、可溶性tNhtt−60Qの半減期は、水コントロールの場合5.294±0.52日、ベンザミルの場合3.846±0.32日であると決定された。tNhtt−16Qについても同様の実験を行ったところ、水とベンザミル処置との分解速度に有意差は存在しなかった(データ示さず)。
ベンザミルが、polyQリピートを有する細胞においてプロテアソーム活性を増強するかどうかを検討した。まず、Neuro2a細胞において3:1の比でEGFP、17Q−EGFP又は150Q−EGFPとubi−dsREDとをコトランスフェクトし、EGFPポジティブ細胞におけるubi−dsRED蛍光強度を定量した。図6aに示されるように、polyQの長さに依存する増大をubi−dsRED蛍光強度において観察した(EGFP vs 17Q−EGFP、EGFP vs 17Q−EGFP又は17Q−EGFP vs 150Q−EGFPの分布はすべて有意に異なっている。two−sample Kolmogorov−Smirnov testにより分析されたp<0.0001)。これらのデータは、tNhtt−polyQはUPSをブロックすることが可能であること[Bennett, E.J., Bence, N.F., Jayakumar, R. & Kopito, R.R. Mol Cell 17, 351−65 (2005); Bence, N.F., Sampat, R.M. & Kopito, R.R. Science 292, 1552−5 (2001)]及びubi−dsRED構築物がpolyQ保持細胞におけるプロテアソーム活性を反映する有効なツールであること[Khan, L.A. et al. J Neurochem 98, 576−87 (2006)]をサポートしている。
単量体のRFP(mRFP)[Machida, Y. et al. Biochem Biophys Res Commun 343, 190−7 (2006)]を内部コントロールとして使用して、まず、ベンザミルの存在又は非存在下で、tNhtt−polyQ及びubi−dsREDと一過性コトランスフェクトした細胞におけるプロテアソーム活性を調べた。RFPとpolyQとのコトランスフェクションの場合には、凝集体及びpolyQの完全な同時局在が観察され、実質的にベンザミルは、この同時局在に影響を与えなかった(図6b、A及びB、並びに、図6c、RFP)。しかし、tNhtt−polyQ及びubi−dsREDが完全な同時局在を維持している一方で(図6b、C〜F)、polyQ保持細胞のかなりの集団が、ベンザミルの添加により、もはやubi−dsREDとは同時局在していなかった(図6bのG〜K及び図6cのUbi−dsRED;*p<0.0001、水 vs polyQ)。polyQとubi−dsREDとの間の同時局在の減少と一致して、polyQ保持集団におけるubi−dsRED細胞数(図6d)及びpolyQ保持細胞における平均ubi−dsRED強度(図6e)もまた有意に減少した。抗RFP抗体を用いたウエスタンブロットでも、10μMのlactacystinを添加した場合には、ubi−dsRED細胞の凝集を大いに増加させるのに対し、ubi−dsRED細胞の凝集がベンザミル処理細胞には大部分存在していないことが明らかとなった(図6f)。RFPを用いて同様の実験を行ったが、同様の結果は観察されなかった(データ示さず)。ここで示したデータは、polyQ保持細胞におけるプロテアソーム活性が顕著に増強されていることを強く示唆している。
インビボプロテアソーム活性がベンザミルの存在下で大いに増強されるならば、可溶性tNhtt−polyQの分解が増強されると予測される。可溶性tNhtt−polyQの分解速度がベンザミルで処置した場合にさらに速いかどうかを検討するために、tNhtt−60Qの発現を1日誘導し、その後、ベンザミルの添加によりそれを停止し(これをDay 0とした)、タンパク質分解物をDay 4まで収集する追跡実験を行った(図6g)。ベンザミル処置は、tNhtt−60Q発現の当初の増大(Day 1。おそらく残留量のponasterone Aによって生じる)を抑制し、その後(Day 2から4)、水コントロールと同様の分解速度であることを示していた。Day 3及びDay 4におけるベンザミル存在下での可溶性tNhtt−polyQの絶対量には有意な減少があり(それぞれ、*p=0.037及び#p=0.039)、可溶性tNhtt−60Qの半減期は、水コントロールの場合5.294±0.52日、ベンザミルの場合3.846±0.32日であると決定された。tNhtt−16Qについても同様の実験を行ったところ、水とベンザミル処置との分解速度に有意差は存在しなかった(データ示さず)。
自食作用(オートファジー)ではなくUPSが、ベンザミルがtNhtt−polyQクリアランスを強化する主要な経路である。
UPS系に加えて、polyQの自食性の分解は、Rubinszteinのグループによって証明され神経変性分野において非常に注目されている[Williams, A. et al. Curr Top Dev Biol 76, 89−101 (2006)]。マクロ自食作用は、HDモデルにおいてpolyQ凝集及び毒性を減少する重要な経路の一つであることが証明されている[Ravikumar, B. et al. Nat Genet 36, 585−95 (2004)]。ここまでに得られた証拠では、自食作用が、UPSとともに又は二次的に、ベンザミルによる可溶性又は凝集したtNhtt−polyQの分解に関与していない可能性を排除することはできなかった。ベンザミルによるtNhtt−polyQの分解に他の分解経路が大きな役割を果たしているかどうかを検討するために、まず、プロテアソーム経路を特異的プロテアソームインヒビターであるlactacystin又はMG−132でブロックし、これらの実験条件でのtNhtt−polyQ凝集体数を定量した。lactacystin又はMG−132によるプロテアソームの遮断により、プロテアソームインヒビター自体の添加に比べて減弱は不完全であったが、ベンザミルにより引き起こされる凝集抑制効果は減弱された(図7a、*p=0.006;**、***、****p<0.0001)。完全な無効化は、プロテアソームと(5mM 3−メチルアデニンでの)自食性分解経路の両方が同時にブロックされた場合にのみ達成されうるようである(図7b、*p=0.09、有意ではない)。プロテアソームインヒビターで処置した細胞から調製した溶解物を抗ubiquitin抗体でプローブすることによっても、lactacystin及びMG−132がAmi又はBenの凝集抑制効果をほぼ完全に無効にすることが明らかとなり、これは、ArrayScan(登録商標)により定量したデータ(図7c)と一致していた。ベンザミルが介在するtNhtt−polyQクリアランスにおいてマクロ自食作用が重要な役割を担っている可能性をさらに排除するために、自食遺伝子5(Atg5)の発現がテトラサイクリンの添加によって簡単に操作できる安定なマウス胎仔線維芽(MEF)細胞株を採用した。Atg12−Atg5凝集体は、1ng/mlのdoxycyclineを4日間添加することにより、完全に抑制できることが示されている[Hosokawa, N., Hara, Y. & Mizushima, N. FEBS Lett 580. 2623−9 (2006)]。トランケート型Nhtt−polyQをdoxycyclineで5日間処置したMEF中にトランスフェクトし、続いて、ベンザミルを18時間添加した。Atg5の存在又は非存在が、凝集の度合いには実質的に影響を与えなかったことにより、マクロ自食作用がベンザミルにより引き起こされるtNhtt−polyQのクリアランスに必要ではないことがさらに示唆された(図7d、*p>0.05、有意ではない)。
UPS系に加えて、polyQの自食性の分解は、Rubinszteinのグループによって証明され神経変性分野において非常に注目されている[Williams, A. et al. Curr Top Dev Biol 76, 89−101 (2006)]。マクロ自食作用は、HDモデルにおいてpolyQ凝集及び毒性を減少する重要な経路の一つであることが証明されている[Ravikumar, B. et al. Nat Genet 36, 585−95 (2004)]。ここまでに得られた証拠では、自食作用が、UPSとともに又は二次的に、ベンザミルによる可溶性又は凝集したtNhtt−polyQの分解に関与していない可能性を排除することはできなかった。ベンザミルによるtNhtt−polyQの分解に他の分解経路が大きな役割を果たしているかどうかを検討するために、まず、プロテアソーム経路を特異的プロテアソームインヒビターであるlactacystin又はMG−132でブロックし、これらの実験条件でのtNhtt−polyQ凝集体数を定量した。lactacystin又はMG−132によるプロテアソームの遮断により、プロテアソームインヒビター自体の添加に比べて減弱は不完全であったが、ベンザミルにより引き起こされる凝集抑制効果は減弱された(図7a、*p=0.006;**、***、****p<0.0001)。完全な無効化は、プロテアソームと(5mM 3−メチルアデニンでの)自食性分解経路の両方が同時にブロックされた場合にのみ達成されうるようである(図7b、*p=0.09、有意ではない)。プロテアソームインヒビターで処置した細胞から調製した溶解物を抗ubiquitin抗体でプローブすることによっても、lactacystin及びMG−132がAmi又はBenの凝集抑制効果をほぼ完全に無効にすることが明らかとなり、これは、ArrayScan(登録商標)により定量したデータ(図7c)と一致していた。ベンザミルが介在するtNhtt−polyQクリアランスにおいてマクロ自食作用が重要な役割を担っている可能性をさらに排除するために、自食遺伝子5(Atg5)の発現がテトラサイクリンの添加によって簡単に操作できる安定なマウス胎仔線維芽(MEF)細胞株を採用した。Atg12−Atg5凝集体は、1ng/mlのdoxycyclineを4日間添加することにより、完全に抑制できることが示されている[Hosokawa, N., Hara, Y. & Mizushima, N. FEBS Lett 580. 2623−9 (2006)]。トランケート型Nhtt−polyQをdoxycyclineで5日間処置したMEF中にトランスフェクトし、続いて、ベンザミルを18時間添加した。Atg5の存在又は非存在が、凝集の度合いには実質的に影響を与えなかったことにより、マクロ自食作用がベンザミルにより引き起こされるtNhtt−polyQのクリアランスに必要ではないことがさらに示唆された(図7d、*p>0.05、有意ではない)。
ASIC/BNaC及びNCX RNAiは、プロテアソーム活性を増大し、tNhtt−polyQ凝集を減少させる。
インビボプロテアソーム活性を促進することによってベンザミルがtNhtt−polyQ凝集を減少させるようであることが示されたので、本発明者らはAmi及びBenがプロテアソーム活性を増大する基本メカニズムを検討した。Ami及びBenは、NHE、ASIC/BNaC及びNCXなどのいくつかの共通する標的タンパク質を有する。Ami及びBenが、これらのチャネルタンパク質を阻害することによって、プロテアソーム活性を増大させる可能性を本発明者らは考えた。
この目的のため、これらのチャネルタンパク質の発現を干渉(RNAi)により減少させることによって、NHE、ASIC/BNaC及びNCXの薬理学的遮断を擬態することを試みた。メッセンジャーRNAの様々な領域を標的とする少なくとも5つの異なるshRNAを設計し、U6プロモーターで駆動するpSilencer1.0ベクター中にクローニングした。図1は、これらすべての遺伝子の発現レベルが、転写レベル(内因性レベル、図1a)と翻訳後レベル(外因性で誘導された。図1b及び1c)の両方で、対応するshRNAにより有意にブロックされたことを示している。RNAi実験のすべての比較コントロールとしてLacZ shRNA発現構築物も作製した。
まず、これらのチャネルタンパク質のブロックが、Ami又はBenの効果と同様に、tNhtt−polyQ凝集に影響を与えるかどうかを検討した。誘導性のNeuro2a細胞(150Q)をまず、各遺伝子に対応するshRNAで2日間トランスフェクトし、tNhtt−150Qを発現するように1日間誘導した。ASIC/BNaC(図8a、*p=0.003;**p=0.006及び***p<0.0001)又はNCX(図8b、*p<0.0001)の発現を阻害することにより、凝集の割合は減少し、ASIC/BNaC及びNCXの両方をブロックすることにより、60Q細胞及び150Q細胞における凝集体の量は顕著に減少する(図8c、*p<0.0001)。興味深いことに、NHEアイソフォーム又はNHE1とNHE5の両方をブロックした場合には、凝集の有意な減少は得られなかった。このことは、NHEがtNhtt−polyQ凝集のプロセスには積極的には関与していないことを示唆している(図8d)。次いで、チャネルタンパク質の発現をubi−dsRED構築物により抑制した細胞におけるプロテアソーム活性を検討した。LacZ shRNAコントロールと比較して、ubi−dsRED細胞の数は、NCX、ASIC/BNaC又はNCXとASIC/BNaCの両方の発現をブロックした場合に有意に減少し、これは図6で得られた結果と類似していた(図8e;*p<0.0001)。これらのデータは、アミロライド又はベンザミルによるインビボプロテアソーム活性の増大が、UPS系への直接の影響の可能性は排除することはできないものの、細胞膜上に発現したASIC/BNaC及び/又はNCXの遮断によって媒介されうることを強く示唆している。
インビボプロテアソーム活性を促進することによってベンザミルがtNhtt−polyQ凝集を減少させるようであることが示されたので、本発明者らはAmi及びBenがプロテアソーム活性を増大する基本メカニズムを検討した。Ami及びBenは、NHE、ASIC/BNaC及びNCXなどのいくつかの共通する標的タンパク質を有する。Ami及びBenが、これらのチャネルタンパク質を阻害することによって、プロテアソーム活性を増大させる可能性を本発明者らは考えた。
この目的のため、これらのチャネルタンパク質の発現を干渉(RNAi)により減少させることによって、NHE、ASIC/BNaC及びNCXの薬理学的遮断を擬態することを試みた。メッセンジャーRNAの様々な領域を標的とする少なくとも5つの異なるshRNAを設計し、U6プロモーターで駆動するpSilencer1.0ベクター中にクローニングした。図1は、これらすべての遺伝子の発現レベルが、転写レベル(内因性レベル、図1a)と翻訳後レベル(外因性で誘導された。図1b及び1c)の両方で、対応するshRNAにより有意にブロックされたことを示している。RNAi実験のすべての比較コントロールとしてLacZ shRNA発現構築物も作製した。
まず、これらのチャネルタンパク質のブロックが、Ami又はBenの効果と同様に、tNhtt−polyQ凝集に影響を与えるかどうかを検討した。誘導性のNeuro2a細胞(150Q)をまず、各遺伝子に対応するshRNAで2日間トランスフェクトし、tNhtt−150Qを発現するように1日間誘導した。ASIC/BNaC(図8a、*p=0.003;**p=0.006及び***p<0.0001)又はNCX(図8b、*p<0.0001)の発現を阻害することにより、凝集の割合は減少し、ASIC/BNaC及びNCXの両方をブロックすることにより、60Q細胞及び150Q細胞における凝集体の量は顕著に減少する(図8c、*p<0.0001)。興味深いことに、NHEアイソフォーム又はNHE1とNHE5の両方をブロックした場合には、凝集の有意な減少は得られなかった。このことは、NHEがtNhtt−polyQ凝集のプロセスには積極的には関与していないことを示唆している(図8d)。次いで、チャネルタンパク質の発現をubi−dsRED構築物により抑制した細胞におけるプロテアソーム活性を検討した。LacZ shRNAコントロールと比較して、ubi−dsRED細胞の数は、NCX、ASIC/BNaC又はNCXとASIC/BNaCの両方の発現をブロックした場合に有意に減少し、これは図6で得られた結果と類似していた(図8e;*p<0.0001)。これらのデータは、アミロライド又はベンザミルによるインビボプロテアソーム活性の増大が、UPS系への直接の影響の可能性は排除することはできないものの、細胞膜上に発現したASIC/BNaC及び/又はNCXの遮断によって媒介されうることを強く示唆している。
配列番号1〜18:プライマー
配列番号19〜34:shRNA産生シークエンス
配列番号19〜34:shRNA産生シークエンス
Claims (8)
- R1が、置換されていてもよい低級アルキル基又は置換されていてもよいアリール基、で置換されたアミノ基を示す、請求項1に記載の予防・治療剤。
- R1が、アリール基で置換された低級アルキル基又は非置換のアリール基、で置換されたアミノ基を示し、R2及びR3が非置換のアミノ基を示す、請求項2に記載の予防・治療剤。
- R4が塩素である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の予防・治療剤。
- 式(I)で表される化合物が、アミロライド、ベンザミル又はフェナミルである、請求項1に記載の予防・治療剤。
- 神経変性疾患が、ポリグルタミン病、アルツハイマー病、パーキンソン病及び筋萎縮性側索硬化症からなる群から選ばれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の予防・治療剤。
- 神経変性疾患がハンチントン病である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の予防・治療剤。
- 請求項1に記載の式(I)の化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、プロテアソーム活性増強剤。
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