JP2008525014A - ヒト癌抑制遺伝子、ヒト癌抑制遺伝子にコードされるタンパク質、ヒト癌抑制遺伝子を含む発現ベクター、該ベクターによって形質転換された細胞 - Google Patents
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Abstract
ヒト癌抑制遺伝子、ヒト癌抑制遺伝子にコードされるタンパク質、ヒト癌抑制遺伝子を含む発現ベクター、及び該ベクターによって形質転換された細胞が開示される。本発明の遺伝子を、ヒト癌の診断、予防及び治療に用いることができる。
Description
〔技術分野〕
本発明は、ヒト癌抑制遺伝子、ヒト癌抑制遺伝子にコードされるタンパク質、ヒト癌抑制遺伝子を含む発現ベクター、該ベクターによって形質転換された細胞に関するものである。
本発明は、ヒト癌抑制遺伝子、ヒト癌抑制遺伝子にコードされるタンパク質、ヒト癌抑制遺伝子を含む発現ベクター、該ベクターによって形質転換された細胞に関するものである。
〔背景技術〕
癌抑制遺伝子産物は、正常細胞がある種の癌細胞に形質転換することを抑制する機能を備えている。それ故、癌抑制遺伝子産物の機能が損なわれることにより、正常細胞が悪性の形質転換細胞になる(Klein, G., FASEB J., 7, 821‐825 (1993))。癌細胞が悪性腫瘍に成長するためには、細胞は、癌抑制遺伝子の正常なコピー数を制御するための機能を欠失しなくてはならない。p53癌抑制遺伝子をコードする配列の修飾が、ヒトの悪性腫瘍における一般的な遺伝子変化の一つであることが見つかっている(Bishop, J.M., Cell, 64, 235‐248 (1991); and Weinberg, R.A., Science, 254, 1138‐1146 (1991))。
癌抑制遺伝子産物は、正常細胞がある種の癌細胞に形質転換することを抑制する機能を備えている。それ故、癌抑制遺伝子産物の機能が損なわれることにより、正常細胞が悪性の形質転換細胞になる(Klein, G., FASEB J., 7, 821‐825 (1993))。癌細胞が悪性腫瘍に成長するためには、細胞は、癌抑制遺伝子の正常なコピー数を制御するための機能を欠失しなくてはならない。p53癌抑制遺伝子をコードする配列の修飾が、ヒトの悪性腫瘍における一般的な遺伝子変化の一つであることが見つかっている(Bishop, J.M., Cell, 64, 235‐248 (1991); and Weinberg, R.A., Science, 254, 1138‐1146 (1991))。
しかしながら、報告されているp53の変異は乳癌において30%の範囲であるから、いくつかの乳癌組織のみが、p53の変異を示すと見積もられている(Keen, J.C. & Davidson, N. E., Cancer, 97, 825‐833 (2003)、及び、Borresen‐Dale, A‐L., Human Mutation, 21, 292‐300 (2003))。
p53の変異は、肝癌、特に、アフラトキシンB1に曝された領域またはB型肝炎ウィルスに高頻度に感染された領域において少なくとも50%の割合を占めている。また、p53の変異は、p53癌遺伝子の249番目のコドンにおけるミスセンス変異によって主に特徴付けられている(Montesano, R. et al., J. Natl. Cancer Inst., 89, 1844‐1851 (1997); Szymanska, K. & Hainaut, P. Acta Biochimica Polonica, 50, 231‐238 (2003))。しかしながら、アメリカ及び西ヨーロッパにおいてp53の変異は乳癌の30%の範囲に過ぎず、上述した変異がより頻繁に起こるホットスポットが存在しない(Szymanska, K. & Hainaut, P. Acta Biochimica Polonica, 50, 231‐238 (2003))。
従って、本発明の発明者らは、正常乳房組織と乳癌との間において、または、正常肝臓組織と肝癌との間において、差次的に発現された遺伝子を効率的に表示するためにmRNAのディファレンシャル・ディスプレイ法(differential display (DD)法)(Liang, P. and Pardee, A. B., Science, 257, 967‐971 (1992);及び、Liang, P. et al., Cancer Res., 52, 6966‐6968 (1993))を用いて正常乳房組織から新規な癌抑制遺伝子を分離することを熱心に試みた。
〔発明の開示〕
〔技術的問題点〕
したがって、本発明は先行技術の問題点を解決するために意図されたものであり、それ故、本発明の目的は、新規ヒト癌抑制遺伝子を提供することである。
〔技術的問題点〕
したがって、本発明は先行技術の問題点を解決するために意図されたものであり、それ故、本発明の目的は、新規ヒト癌抑制遺伝子を提供することである。
また、本発明の別の目的は、新規ヒト癌抑制遺伝子によってコードされる癌抑制タンパク質を提供することである。
また、本発明の別の目的は、新規ヒト癌抑制遺伝子を含む発現ベクターを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、上記発現ベクターによって形質転換された細胞を提供することである。
〔技術的解決〕
上述した目的を達成するために、本発明は、配列番号1に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子(増殖抑制遺伝子12(growth‐inhibiting gene 12)、本明細書においては、「GIG12」とも記載する。)を提供する。
上述した目的を達成するために、本発明は、配列番号1に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子(増殖抑制遺伝子12(growth‐inhibiting gene 12)、本明細書においては、「GIG12」とも記載する。)を提供する。
その他の目的を達成するために、本発明は、GIG12遺伝子によってコードされる、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するヒト癌抑制タンパク質を提供する。
また、本発明は、配列番号5に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子(増殖抑制遺伝子17(growth‐inhibiting gene 17)、本明細書においては、「GIG17」とも記載する。)も提供する。
本発明は、GIG17遺伝子によってコードされる、配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するヒト癌抑制タンパク質を提供する。
また、本発明は、配列番号9に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子(増殖抑制遺伝子19(growth‐inhibiting gene 19)、本明細書においては、「GIG19」とも記載する。)も提供する。
本発明は、GIG19遺伝子によってコードされる、配列番号10に示されるアミノ酸配列を有するヒト癌抑制タンパク質を提供する。
また、本発明は、配列番号13に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子(増殖抑制遺伝子20(growth‐inhibiting gene 20)、本明細書においては、「GIG20」とも記載する。)も提供する。
本発明は、GIG20遺伝子によってコードされる、配列番号14に示されるアミノ酸配列を有するヒト癌抑制タンパク質を提供する。
また、本発明は、配列番号17に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子(増殖抑制遺伝子22(growth‐inhibiting gene 22)、本明細書においては、「GIG22」とも記載する。)も提供する。
本発明は、GIG22遺伝子によってコードされる、配列番号18に示されるアミノ酸配列を有するヒト癌抑制タンパク質を提供する。
また、本発明は、配列番号21に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子(増殖抑制遺伝子25(growth‐inhibiting gene 25)、本明細書においては、「GIG25」とも記載する。)も提供する。
本発明は、GIG25遺伝子によってコードされる、配列番号22に示されるアミノ酸配列を有するヒト癌抑制タンパク質を提供する。
また、本発明は、配列番号25に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子(増殖抑制遺伝子36(growth‐inhibiting gene 36)、本明細書においては、「GIG36」とも記載する。)も提供する。
本発明は、GIG36遺伝子によってコードされる、配列番号26に示されるアミノ酸配列を有するヒト癌抑制タンパク質を提供する。
また、本発明は、配列番号29に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子(増殖抑制遺伝子2(growth‐inhibiting gene 2)、本明細書においては、「GIG2」とも記載する。)も提供する。
本発明は、GIG2遺伝子によってコードされる、配列番号30に示されるアミノ酸配列を有するヒト癌抑制タンパク質を提供する。
さらにもう一つ別の目的によれば、本発明は、上述した各遺伝子を含む発現ベクターを提供する。
さらにもう一つ別の目的によれば、本発明は、各発現ベクターによって形質転換された細胞を提供する。
〔図面の簡単な説明〕
本発明の好ましい実施の形態における、これらの特徴、その他の特徴、様態、及び利点は、添付の図面についての以下の詳細な記述においてさらに十分に記載されている。
本発明の好ましい実施の形態における、これらの特徴、その他の特徴、様態、及び利点は、添付の図面についての以下の詳細な記述においてさらに十分に記載されている。
図面において、図1は、配列番号3に示される5’‐13塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP32及び配列番号4に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いたPCRの結果を示すゲルの図である。
図2は、配列番号7に示される5’‐13塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP7及び配列番号8に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いたPCRの結果を示すゲルの図である。
図3は、配列番号11に示される5’‐13塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP45及び配列番号12に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いたPCRの結果を示すゲルの図である。
図4は、配列番号15に示される5’‐13塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP40及び配列番号16に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いたPCRの結果を示すゲルの図である。
図5は、配列番号19に示される5’‐13塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP30及び配列番号20に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いたPCRの結果を示すゲルの図である。
図6は、配列番号23に示される5’‐13塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP40及び配列番号24に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いたPCRの結果を示すゲルの図である。
図7は、配列番号27に示される5’‐13塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP29及び配列番号28に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いたPCRの結果を示すゲルの図である。
図8は、配列番号31に示される5’‐13塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP32及び配列番号32に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いたPCRの結果を示すゲルの図である。
図9は、GIG12の遺伝子産物がSDS‐PAGEによって分析された結果を示す図である。
図10は、GIG17の遺伝子産物がSDS‐PAGEによって分析された結果を示す図である。
図11は、GIG19の遺伝子産物がSDS‐PAGEによって分析された結果を示す図である。
図12は、GIG20の遺伝子産物がSDS‐PAGEによって分析された結果を示す図である。
図13は、GIG22の遺伝子産物がSDS‐PAGEによって分析された結果を示す図である。
図14は、GIG25の遺伝子産物がSDS‐PAGEによって分析された結果を示す図である。
図15は、GIG36の遺伝子産物がSDS‐PAGEによって分析された結果を示す図である。
図16は、GIG2の遺伝子産物がSDS‐PAGEによって分析された結果を示す図である。
図17(a)は、GIG12遺伝子が、正常乳房組織、原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図17(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図18(a)は、GIG17遺伝子が、正常乳房組織、原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図18(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図19(a)は、GIG19遺伝子が、正常乳房組織、原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図19(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図20(a)は、GIG20遺伝子が、正常乳房組織、原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図20(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図21(a)は、GIG22遺伝子が、正常乳房組織、原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図21(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図22(a)は、GIG25遺伝子が、正常乳房組織、原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図22(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図23(a)は、GIG36遺伝子が、正常乳房組織、原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図23(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図24(a)は、GIG2遺伝子が、正常肺組織、原発性肺癌組織、転移性肺癌組織、及び肺癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図24(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図25(a)は、GIG12遺伝子が、各種正常組織において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図25(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図26(a)は、GIG17遺伝子が、各種正常組織において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図26(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図27(a)は、GIG19遺伝子が、各種正常組織において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図27(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図28(a)は、GIG20遺伝子が、各種正常組織において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図28(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図29(a)は、GIG22遺伝子が、各種正常組織において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図29(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図30(a)は、GIG25遺伝子が、各種正常組織において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図30(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図31(a)は、GIG36遺伝子が、各種正常組織において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図31(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図32(a)は、GIG2遺伝子が、各種正常組織において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図32(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図33(a)は、GIG12遺伝子が、各種癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図33(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図34(a)は、GIG17遺伝子が、各種癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図34(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図35(a)は、GIG19遺伝子が、各種癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図35(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図36(a)は、GIG20遺伝子が、各種癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図36(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図37(a)は、GIG22遺伝子が、各種癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図37(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図38(a)は、GIG25遺伝子が、各種癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図38(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図39(a)は、GIG36遺伝子が、各種癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図39(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図40(a)は、GIG2遺伝子が、各種癌細胞株において差次的に発現されるノーザンブロッティングの結果を示す図であり、図40(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。
図41は、野生型MCF‐7細胞、GIG12遺伝子によってトランスフェクトされたMCF‐7乳癌細胞、及び、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたMCF‐7細胞の増殖曲線を示すグラフである。
図42は、野生型HepG2肝癌細胞株、GIG17遺伝子によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、及び、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたHepG2細胞の増殖曲線を示すグラフである。
図43は、野生型HepG2肝癌細胞株、GIG19遺伝子によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、及び、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたHepG2細胞の増殖曲線を示すグラフである。
図44は、野生型HepG2肝癌細胞株、GIG20遺伝子によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、及び、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたHepG2細胞の増殖曲線を示すグラフである。
図45は、野生型HepG2肝癌細胞株、GIG22遺伝子によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、及び、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたHepG2細胞の増殖曲線を示すグラフである。
図46は、野生型HepG2肝癌細胞株、GIG25遺伝子によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、及び、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたHepG2細胞の増殖曲線を示すグラフである。
図47は、野生型HepG2肝癌細胞株、GIG36遺伝子によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、及び、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたHepG2細胞の増殖曲線を示すグラフである。
図48は、野生型A549肺癌細胞株、GIG2遺伝子によってトランスフェクトされたA549肺癌細胞、及び、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたA549細胞の増殖曲線を示すグラフである。
〔最良の形態〕
以下では、本発明の好ましい実施の形態が、添付の図面を参照しながら詳細に記載されている。
以下では、本発明の好ましい実施の形態が、添付の図面を参照しながら詳細に記載されている。
<1.GIG12>
本発明の遺伝子は、配列番号1に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子36(GIG36)である。GIG36は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY493417として寄託されている(発行日:2005年3月1日)。そして、寄託された遺伝子のDNA配列のいくつかは、データベースに受託番号NM_002343として寄託されたラクトトランスフェリンのDNA配列と同一である。ラクトトランスフェリンは主に母乳及び血清において豊富に分布している。また、その機能は、第2鉄イオン(ferric ion)のキャリアーとしてのみ知られている(Kanyshkova, G.T., et al., Biochemistry (Moscow), 66, 1‐7 (2001))。それと同時に、ラクトトランスフェリンは、強い抗菌活性のみを有していることが見つかっていた(Oppenheimer, J.S. J. Nutr., 131, 6165‐6335 (2001); Shugars, C.D., et al., Gerontology, 47, 246‐253 (2001))。
本発明の遺伝子は、配列番号1に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子36(GIG36)である。GIG36は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY493417として寄託されている(発行日:2005年3月1日)。そして、寄託された遺伝子のDNA配列のいくつかは、データベースに受託番号NM_002343として寄託されたラクトトランスフェリンのDNA配列と同一である。ラクトトランスフェリンは主に母乳及び血清において豊富に分布している。また、その機能は、第2鉄イオン(ferric ion)のキャリアーとしてのみ知られている(Kanyshkova, G.T., et al., Biochemistry (Moscow), 66, 1‐7 (2001))。それと同時に、ラクトトランスフェリンは、強い抗菌活性のみを有していることが見つかっていた(Oppenheimer, J.S. J. Nutr., 131, 6165‐6335 (2001); Shugars, C.D., et al., Gerontology, 47, 246‐253 (2001))。
しかしながら、予め報告されていた機能に反して、本研究の結果からラクトトランスフェリンが様々な発癌現象に密接に関連していることが発見された。様々な正常組織においてGIG12癌抑制遺伝子の発現が増加している一方、GIG12癌抑制遺伝子は、乳癌を含む様々なヒト腫瘍においてまったく発現していないことも発見された。
配列番号1に示されるDNA配列は、DNA配列の111から2246までの塩基の位置に対応する一つのオープン・リーディング・フレーム(ORF)を含んでいる(2244から2246までの塩基の位置は終止コドンを表す。)。しかしながら、コドンには縮重が存在するという理由から、または、生物にとって遺伝子を発現するためにコドンが優先されることを考慮すれば、本発明の遺伝子は、コード領域から発現されるタンパク質のアミノ酸配列を変化することなくコード領域において様々な修飾を受けてもよい。また、本発明の遺伝子は、遺伝子の発現に影響を及ぼさない範囲内のコード領域を除いた領域において様々な修飾を受けてもよいし、または、様々に変更されてもよい。そのような修飾された遺伝子も本発明の範囲内に含まれる。したがって、本発明は、遺伝子として、及び遺伝子の断片として実質的に同じDNA配列を有するポリヌクレオチドも含んでいる。用語「実質的に同じポリヌクレオチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のあるDNA配列を有するポリヌクレオチドを意味する。
本発明の遺伝子から発現したタンパク質は、711アミノ酸残基からなり、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有している。また、該タンパク質の分子量は、およそ78kDaである。しかしながら、タンパク質の機能に影響を及ぼさない範囲内であればタンパク質のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換されてもよいし、付加されてもよいし、欠失されてもよい。また、タンパク質のいくつかの部分のみが、その使用に応じて用いられてもよい。そのような修飾されたアミノ酸配列も本発明の範囲に含まれる。従って、本発明は、タンパク質として及びタンパク質断片として実質的に同じアミノ酸配列を有するポリペプチドも含む。用語「実質的に同じポリペプチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のある配列を有しているポリペプチドを意味する。
本発明の遺伝子及びタンパク質は、ヒトの組織から分離されてもよいし、またはDNAもしくはペプチドを合成するための公知の方法にしたがって合成されてもよい。例えば、本発明の遺伝子は、配列番号1に示されるDNA配列情報に基づいて従来の方法に従ってスクリーニングされてクローニングされてもよい。もう一つ別の例として、癌組織または癌細胞株において発現していないが、正常組織においてのみ差次的に発現している680bpのcDNA断片は、配列番号3に示されるランダム・プライマー H‐AP32(5’‐AAGCTTCCTGCAA‐3’)及び配列番号4に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマー(5’‐AAGCTTTTTTTTTTTC‐3’)を用いて、正常組織及び癌組織または癌細胞株から抽出された全RNAに対して逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT‐PCR)を実行することによって取得されてもよい。そして、得られた断片は、プローブとして用いられて、全長cDNAクローンを得るためにcDNAライブラリーに対してプラークハイブリダイズされてもよい。
このようにして調製された遺伝子を公知の微生物または動物細胞において発現させるためのベクターに挿入することにより、発現ベクターが得られる。そして、当該発現ベクターを、例えばエシェリキア・コリ(Escherichia coli)もしくはMCF‐7細胞株などの適切な宿主細胞に導入することによって、遺伝子のcDNAが大量に複製されてもよいし、または、その遺伝子のタンパク質が工業用に量産されてもよい。発現ベクターをコンストラクトするときには、プロモーター及びターミネーター、自己複製配列、分泌シグナルなどのようなDNA調節配列が、遺伝子またはタンパク質を生産するように設計された宿主細胞の種類に依存して適切に選択されてもよいし、連結されてもよい。
本発明の発明者らは、全長のGIG12cDNAを発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン、アメリカ)に挿入して、得られた発現ベクターを用いてエシェリキア・コリDH5αを形質転換して、形質転換体を得た。また、この形質転換体をE.coli DH5α/GIG12/pcDNA3.1と名づけ、受託番号KCTC 10642BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズ(Korean Collection for Type Cultures)に2004年5月24日に寄託した。
本発明の遺伝子は、正常組織、好ましくは乳房、肺、胸腺、肝臓、骨格筋、腎臓、脾臓、心臓、胎盤、及び、抹消血に過剰発現しており、発癌を抑制していると考えられる。本発明の遺伝子は、およそ2.4kbのサイズのmRNA転写産物としてこれらの組織に主に過剰発現している。特に、本発明の遺伝子は、正常組織においてのみ差次的に発現している。例えば、本発明の遺伝子は、乳癌組織や乳癌細胞株のMCF‐7などの癌組織及び癌細胞には発現しておらず、正常組織においてのみ差次的に発現している。
本発明の遺伝子が導入された癌細胞株は高死亡率を示すので、本発明の遺伝子は癌に対する治療及び予防に効果的に用いられてもよい。
<2.GIG17>
本発明の遺伝子は、配列番号5に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子17(GIG17)である。GIG17は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY544122として寄託されている(発行日:2005年12月31日)。そして寄託された遺伝子は、当該遺伝子の3塩基対が、GenBankデータベースに受託番号M19922として寄託されているヒト・フルクトース1,6ビスフォスファターゼのDNA配列と異なっているという遺伝子多型を有している。
本発明の遺伝子は、配列番号5に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子17(GIG17)である。GIG17は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY544122として寄託されている(発行日:2005年12月31日)。そして寄託された遺伝子は、当該遺伝子の3塩基対が、GenBankデータベースに受託番号M19922として寄託されているヒト・フルクトース1,6ビスフォスファターゼのDNA配列と異なっているという遺伝子多型を有している。
グルコース代謝において最も重要な反応の一つは、フルクトース1,6‐2リン酸をフルクトース‐6‐リン酸に加水分解することである(Marcus, F. et al., Arch. Biol. Med. Exp., 20, 371‐378 (1987); Okar, D,A. & Lange, A.J. Biofactors, 10, 1‐14 (1999))。その代謝を触媒する酵素が、ヒト・フルクトース1,6ビスフォスファターゼである。ヒト・フルクトース1,6ビスフォスファターゼは、全ての生物に存在している。
しかしながら、以前から報告されていたグルコース代謝に反して、本研究結果からGIG17癌抑制遺伝子は、様々な正常組織において顕著に増加している一方で、肝癌を含む様々なヒト腫瘍においてまったく発現していないことが明らかになった。
配列番号5に示されるDNA配列は、DNA配列の88から1104までの塩基の位置に対応する一つのオープン・リーディング・フレーム(ORF)を含んでいる(1102から1104までの塩基の位置は終止コドンを表す。)。しかしながら、コドンには縮重が存在するという理由から、または、生物にとって遺伝子を発現するためにコドンが優先されることを考慮すれば、本発明の遺伝子は、コード領域から発現されるタンパク質のアミノ酸配列を変化することなくコード領域において様々な修飾を受けてもよい。また、本発明の遺伝子は、遺伝子の発現に影響を及ぼさない範囲内のコード領域を除いた領域において様々な修飾を受けてもよいし、または、様々に変更されてもよい。そのような修飾された遺伝子も本発明の範囲内に含まれる。したがって、本発明は、遺伝子として、及び遺伝子の断片として実質的に同じDNA配列を有するポリヌクレオチドも含んでいる。用語「実質的に同じポリヌクレオチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のあるDNA配列を有するポリヌクレオチドを意味する。
本発明の遺伝子から発現したタンパク質は、338アミノ酸残基からなり、配列番号6に示されるアミノ酸配列を有している。また、該タンパク質の分子量は、およそ37kDaである。しかしながら、タンパク質の機能に影響を及ぼさない範囲内であればタンパク質のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換されてもよいし、付加されてもよいし、欠失されてもよい。また、タンパク質のいくつかの部分のみが、その使用に応じて用いられてもよい。そのような修飾されたアミノ酸配列も本発明の範囲に含まれる。従って、本発明は、タンパク質として及びタンパク質断片として実質的に同じアミノ酸配列を有するポリペプチドも含む。用語「実質的に同じポリペプチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のある配列を有しているポリペプチドを意味する。
本発明の遺伝子及びタンパク質は、ヒトの組織から分離されてもよいし、またはDNAもしくはペプチドを合成するための公知の方法にしたがって合成されてもよい。例えば、本発明の遺伝子は、配列番号5に示されるDNA配列情報に基づいて従来の方法に従ってスクリーニングされてクローニングされてもよい。もう一つ別の例として、癌組織または癌細胞株において発現していないが、正常組織においてのみ差次的に発現している250bpのcDNA断片は、配列番号7に示されるランダム・プライマー H‐AP7(5’‐AAGCTTAACGAGG‐3’)及び配列番号8に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマー(5’‐AAGCTTTTTTTTTTTC‐3’)を用いて、正常組織及び癌組織または癌細胞株から抽出された全RNAに対して逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT‐PCR)を実行することによって取得されてもよい。そして、得られた断片は、プローブとして用いられて、全長cDNAクローンを得るためにcDNAライブラリーに対してプラークハイブリダイズされてもよい。
このようにして調製された遺伝子を公知の微生物または動物細胞において発現させるためのベクターに挿入することにより、発現ベクターが得られる。そして、当該発現ベクターを、例えばエシェリキア・コリもしくはHepG2細胞株などの適切な宿主細胞に導入することによって、遺伝子のcDNAが大量に複製されてもよいし、または、その遺伝子のタンパク質が工業用に量産されてもよい。発現ベクターをコンストラクトするときには、プロモーター及びターミネーター、自己複製配列、分泌シグナルなどのようなDNA調節配列が、遺伝子またはタンパク質を生産するように設計された宿主細胞の種類に依存して適切に選択されてもよいし、連結されてもよい。
本発明の発明者らは、全長のGIG17cDNAを発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン、アメリカ)に挿入して、得られた発現ベクターを用いてエシェリキア・コリDH5αを形質転換して、形質転換体を得た。また、この形質転換体をE.coli DH5α/GIG17/pcDNA3.1と名づけ、受託番号KCTC 10655BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズ(Korean Collection for Type Cultures)に2004年6月14日に寄託した。
本発明の遺伝子は、正常組織、好ましくは肝臓、腎臓、脾臓、及び、肺に過剰発現しており、発癌を抑制していると考えられる。本発明の遺伝子は、発癌を誘導するためにたとえ白血病、子宮癌、悪性リンパ腫、大腸癌、及び皮膚癌においてでさえも抑制されると考えられる。本発明の遺伝子は、およそ1.3kbのサイズのmRNA転写産物としてこれらの組織に主に過剰発現している。特に、本発明の遺伝子は、正常組織においてのみ差次的に発現している。例えば、本発明の遺伝子は、肝癌組織や肝癌細胞株のHepG2などの癌組織及び癌細胞には発現しておらず、正常肝臓組織においてのみ差次的に発現している。
本発明の遺伝子が導入された癌細胞株は高死亡率を示すので、本発明の遺伝子は癌に対する治療及び予防に効果的に用いられてもよい。
<3.GIG19>
本発明の遺伝子は、配列番号9に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子19(GIG19)である。GIG19は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY544123として寄託されている(発行日:2005年12月31日)。そして寄託された遺伝子のDNA配列は、ヒト・アルファ‐1‐ミクログロブリン/ビクニン前駆体(Homo sapiens alpha‐1‐microglobulin/bikunin precursor)のDNA配列及びヒト・タンパク質HCのmRNA(human mRNA for protein HC)(アルファ‐1‐ミクログロブリン)のDNA配列と同一である。ヒト・アルファ‐1‐ミクログロブリン/ビクニン前駆体及びヒト・タンパク質HCのmRNAは、既存のデータベースに受託番号BC041593及びX04225としてそれぞれ寄託されている。HCタンパク質としても参照されるアルファ‐1‐ミクログロブリンは免疫抑制効果を有するリポタンパク質である(Akerstrom, B. et al., Biochimica Biophysica Acta, 1482, 172‐184 (2002); Xu, S. & Venge, P., Biochimica Biophysica Acta, 1482, 298‐307 (2002))。しかしながら、以前から報告されている癌抑制遺伝子の機能に反して、本研究結果からGIG19癌抑制遺伝子は、その発現が様々な正常肝臓組織において顕著に増加している一方で、肝癌においてまったく発現していないことが明らかになった。
本発明の遺伝子は、配列番号9に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子19(GIG19)である。GIG19は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY544123として寄託されている(発行日:2005年12月31日)。そして寄託された遺伝子のDNA配列は、ヒト・アルファ‐1‐ミクログロブリン/ビクニン前駆体(Homo sapiens alpha‐1‐microglobulin/bikunin precursor)のDNA配列及びヒト・タンパク質HCのmRNA(human mRNA for protein HC)(アルファ‐1‐ミクログロブリン)のDNA配列と同一である。ヒト・アルファ‐1‐ミクログロブリン/ビクニン前駆体及びヒト・タンパク質HCのmRNAは、既存のデータベースに受託番号BC041593及びX04225としてそれぞれ寄託されている。HCタンパク質としても参照されるアルファ‐1‐ミクログロブリンは免疫抑制効果を有するリポタンパク質である(Akerstrom, B. et al., Biochimica Biophysica Acta, 1482, 172‐184 (2002); Xu, S. & Venge, P., Biochimica Biophysica Acta, 1482, 298‐307 (2002))。しかしながら、以前から報告されている癌抑制遺伝子の機能に反して、本研究結果からGIG19癌抑制遺伝子は、その発現が様々な正常肝臓組織において顕著に増加している一方で、肝癌においてまったく発現していないことが明らかになった。
配列番号9に示されるDNA配列は、DNA配列の61から1119までの塩基の位置に対応する一つのオープン・リーディング・フレーム(ORF)を含んでいる(59から61までの塩基の位置は終止コドンを表す。)。しかしながら、コドンには縮重が存在するという理由から、または、生物にとって遺伝子を発現するためにコドンが優先されることを考慮すれば、本発明の遺伝子は、コード領域から発現されるタンパク質のアミノ酸配列を変化することなくコード領域において様々な修飾を受けてもよい。また、本発明の遺伝子は、遺伝子の発現に影響を及ぼさない範囲内のコード領域を除いた領域において様々な修飾を受けてもよいし、または、様々に変更されてもよい。そのような修飾された遺伝子も本発明の範囲内に含まれる。したがって、本発明は、遺伝子として、及び遺伝子の断片として実質的に同じDNA配列を有するポリヌクレオチドも含んでいる。用語「実質的に同じポリヌクレオチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のあるDNA配列を有するポリヌクレオチドを意味する。
本発明の遺伝子から発現したタンパク質は、352アミノ酸残基からなり、配列番号10に示されるアミノ酸配列を有している。また、該タンパク質の分子量は、およそ39kDaである。しかしながら、タンパク質の機能に影響を及ぼさない範囲内であればタンパク質のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換されてもよいし、付加されてもよいし、欠失されてもよい。また、タンパク質のいくつかの部分のみが、その使用に応じて用いられてもよい。そのような修飾されたアミノ酸配列も本発明の範囲に含まれる。従って、本発明は、タンパク質として及びタンパク質断片として実質的に同じアミノ酸配列を有するポリペプチドも含む。用語「実質的に同じポリペプチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のある配列を有しているポリペプチドを意味する。
本発明の遺伝子及びタンパク質は、ヒトの組織から分離されてもよいし、またはDNAもしくはペプチドを合成するための公知の方法にしたがって合成されてもよい。例えば、本発明の遺伝子は、配列番号9に示されるDNA配列情報に基づいて従来の方法に従ってスクリーニングされてクローニングされてもよい。もう一つ別の例として、癌組織または癌細胞株において発現していないが、正常組織においてのみ差次的に発現している281bpのcDNA断片は、配列番号11に示されるランダム・プライマー H‐AP40(5’‐AAGCTTGTCAGCC‐3’)及び配列番号12に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマー(5’‐AAGCTTTTTTTTTTTC‐3’)を用いて、正常組織及び癌組織または癌細胞株から抽出された全RNAに対して逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT‐PCR)を実行することによって取得されてもよい。そして、得られた断片は、プローブとして用いられて、全長cDNAクローンを得るためにcDNAライブラリーに対してプラークハイブリダイズされてもよい。
このようにして調製された遺伝子を公知の微生物または動物細胞において発現させるためのベクターに挿入することにより、発現ベクターが得られる。そして、当該発現ベクターを、例えばエシェリキア・コリもしくはHepG2細胞株などの適切な宿主細胞に導入することによって、遺伝子のcDNAが大量に複製されてもよいし、または、その遺伝子のタンパク質が工業用に量産されてもよい。発現ベクターをコンストラクトするときには、プロモーター及びターミネーター、自己複製配列、分泌シグナルなどのようなDNA調節配列が、遺伝子またはタンパク質を生産するように設計された宿主細胞の種類に依存して適切に選択されてもよいし、連結されてもよい。
本発明の発明者らは、全長のGIG19cDNAを発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン、アメリカ)に挿入して、得られた発現ベクターを用いてエシェリキア・コリDH5αを形質転換して、形質転換体を得た。また、この形質転換体をE.coli DH5α/GIG19/pcDNA3.1と名づけ、受託番号KCTC 10656BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズ(Korean Collection for Type Cultures)に2004年6月14日に寄託した。
本発明の遺伝子は、正常組織、好ましくは肝臓組織において過剰発現しており、発癌を抑制していると考えられる。本発明の遺伝子は、およそ1.2kbのサイズのmRNA転写産物としてこれらの組織に主に過剰発現している。特に、本発明の遺伝子は、正常組織においてのみ差次的に発現している。例えば、本発明の遺伝子は、肝癌組織や肝癌細胞株のHepG2などの癌組織及び癌細胞には発現しておらず、正常肝臓組織においてのみ差次的に発現している。
本発明の遺伝子が導入された肝癌細胞株は高死亡率を示すので、本発明の遺伝子は癌に対する治療及び予防に効果的に用いられてもよい。
<4.GIG20>
本発明の遺伝子は、配列番号13に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子20(GIG20)である。GIG20は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY544124として寄託されている(発行日:2005年12月31日)。そして寄託された遺伝子のDNA配列は、ヒト・アルブミンのDNA配列と同一である。ヒト・アルブミンは、既存のデータベースに受託番号BC041789として寄託されている。アルブミンは、栄養素を供給する役割のあるタンパク質であることが知られている(Grant, J.P., Ann. Surg., 220, 610‐616 (1994))。しかしながら、以前から報告されている癌抑制遺伝子の機能に反して、本研究結果からGIG20癌抑制遺伝子は、その発現が様々な正常肝臓組織において顕著に増加している一方で、肝癌においてまったく発現していないことが明らかになった。核内のアルブミン遺伝子が肝細胞に存在するので、本発明の遺伝子が癌抑制遺伝子であるという事実は、「アルブミン」タンパク質が正常肝細胞において生産されるということに基づいている。このことが、正常肝細胞はアルブミン遺伝子が正常に作用している細胞であるという理由である。仮にアルブミンのレベルが肝細胞における正常レベルよりも低い場合には、アルブミン遺伝子は、肝細胞において正常に作用しないか、または正常なアルブミン遺伝子の数が減少している。なお、このようなことは肝癌の症状に現れる。
本発明の遺伝子は、配列番号13に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子20(GIG20)である。GIG20は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY544124として寄託されている(発行日:2005年12月31日)。そして寄託された遺伝子のDNA配列は、ヒト・アルブミンのDNA配列と同一である。ヒト・アルブミンは、既存のデータベースに受託番号BC041789として寄託されている。アルブミンは、栄養素を供給する役割のあるタンパク質であることが知られている(Grant, J.P., Ann. Surg., 220, 610‐616 (1994))。しかしながら、以前から報告されている癌抑制遺伝子の機能に反して、本研究結果からGIG20癌抑制遺伝子は、その発現が様々な正常肝臓組織において顕著に増加している一方で、肝癌においてまったく発現していないことが明らかになった。核内のアルブミン遺伝子が肝細胞に存在するので、本発明の遺伝子が癌抑制遺伝子であるという事実は、「アルブミン」タンパク質が正常肝細胞において生産されるということに基づいている。このことが、正常肝細胞はアルブミン遺伝子が正常に作用している細胞であるという理由である。仮にアルブミンのレベルが肝細胞における正常レベルよりも低い場合には、アルブミン遺伝子は、肝細胞において正常に作用しないか、または正常なアルブミン遺伝子の数が減少している。なお、このようなことは肝癌の症状に現れる。
配列番号13に示されるDNA配列は、DNA配列の8から1261までの塩基の位置に対応する一つのオープン・リーディング・フレーム(ORF)を含んでいる(1259から1261までの塩基の位置は終止コドンを表す。)。しかしながら、コドンには縮重が存在するという理由から、または、生物にとって遺伝子を発現するためにコドンが優先されることを考慮すれば、本発明の遺伝子は、コード領域から発現されるタンパク質のアミノ酸配列を変化することなくコード領域において様々な修飾を受けてもよい。また、本発明の遺伝子は、遺伝子の発現に影響を及ぼさない範囲内のコード領域を除いた領域において様々な修飾を受けてもよいし、または、様々に変更されてもよい。そのような修飾された遺伝子も本発明の範囲内に含まれる。したがって、本発明は、遺伝子として、及び遺伝子の断片として実質的に同じDNA配列を有するポリヌクレオチドも含んでいる。用語「実質的に同じポリヌクレオチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のあるDNA配列を有するポリヌクレオチドを意味する。
本発明の遺伝子から発現したタンパク質は、417アミノ酸残基からなり、配列番号14に示されるアミノ酸配列を有している。また、該タンパク質の分子量は、およそ47kDaである。しかしながら、タンパク質の機能に影響を及ぼさない範囲内であればタンパク質のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換されてもよいし、付加されてもよいし、欠失されてもよい。また、タンパク質のいくつかの部分のみが、その使用に応じて用いられてもよい。そのような修飾されたアミノ酸配列も本発明の範囲に含まれる。従って、本発明は、タンパク質として及びタンパク質断片として実質的に同じアミノ酸配列を有するポリペプチドも含む。用語「実質的に同じポリペプチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のある配列を有しているポリペプチドを意味する。
本発明の遺伝子及びタンパク質は、ヒトの組織から分離されてもよいし、またはDNAもしくはペプチドを合成するための公知の方法にしたがって合成されてもよい。例えば、本発明の遺伝子は、配列番号13に示されるDNA配列情報に基づいて従来の方法に従ってスクリーニングされてクローニングされてもよい。もう一つ別の例として、癌組織または癌細胞株において発現していないが、正常組織においてのみ差次的に発現している256bpのcDNA断片は、配列番号15に示されるランダム・プライマー H‐AP40(5’‐AAGCTTGTCAGCC‐3’)及び配列番号16に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマー(5’‐AAGCTTTTTTTTTTTC‐3’)を用いて、正常組織及び癌組織または癌細胞株から抽出された全RNAに対して逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT‐PCR)を実行することによって取得されてもよい。そして、得られた断片は、プローブとして用いられて、全長cDNAクローンを得るためにcDNAライブラリーに対してプラークハイブリダイズされてもよい。
このようにして調製された遺伝子を公知の微生物または動物細胞において発現させるためのベクターに挿入することにより、発現ベクターが得られる。そして、当該発現ベクターを、例えばエシェリキア・コリもしくはHepG2細胞株などの適切な宿主細胞に導入することによって、遺伝子のcDNAが大量に複製されてもよいし、または、その遺伝子のタンパク質が工業用に量産されてもよい。発現ベクターをコンストラクトするときには、プロモーター及びターミネーター、自己複製配列、分泌シグナルなどのようなDNA調節配列が、遺伝子またはタンパク質を生産するように設計された宿主細胞の種類に依存して適切に選択されてもよいし、連結されてもよい。
本発明の発明者らは、全長のGIG20cDNAを発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン、アメリカ)に挿入して、得られた発現ベクターを用いてエシェリキア・コリDH5αを形質転換して、形質転換体を得た。また、この形質転換体をE.coli DH5α/GIG20/pcDNA3.1と名づけ、受託番号KCTC 10657BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズに2004年6月14日に寄託した。
本発明の遺伝子は、正常組織、好ましくは肝臓組織において過剰発現しており、発癌を抑制していると考えられる。本発明の遺伝子は、およそ2.4kbのサイズのmRNA転写産物としてこれらの組織に主に過剰発現している。特に、本発明の遺伝子は、正常組織においてのみ差次的に発現している。例えば、本発明の遺伝子は、肝癌組織や肝癌細胞株のHepG2などの癌組織及び癌細胞には発現しておらず、正常肝臓組織においてのみ差次的に発現している。
本発明の遺伝子が導入された肝癌細胞株は高死亡率を示すので、本発明の遺伝子は癌に対する治療及び予防に効果的に用いられてもよい。
<5.GIG22>
本発明の遺伝子は、配列番号17に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子22(GIG22)である。GIG22は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY512565として寄託されている(発行日:2005年5月31日)。そして寄託された遺伝子のDNA配列のいくつかは、ヒト・DNAJドメイン含有タンパク質MCJ遺伝子(DNAJ domain‐containing protein MCJ gene)DNA配列と異なっている。ヒト・DNAJドメイン含有タンパク質MCJ遺伝子は、GenBankデータベースに受託番号AF126743として寄託されている。GIG22遺伝子から発現したアミノ酸の配列も、ヒト・DNAJドメイン含有タンパク質MCJのアミノ酸配列と異なっている。卵巣癌について言えば、MCJ遺伝子の発現が減少することが報告されている(Shridhar, V. et al., Cancer Res., 61, 4258‐4265 (2001))。しかし、本研究結果からGIG22癌抑制遺伝子は、その発現が様々な正常組織において顕著に増加している一方で、肝癌を含む様々なヒトの腫瘍においてまったく発現していないことが明らかになった。
本発明の遺伝子は、配列番号17に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子22(GIG22)である。GIG22は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY512565として寄託されている(発行日:2005年5月31日)。そして寄託された遺伝子のDNA配列のいくつかは、ヒト・DNAJドメイン含有タンパク質MCJ遺伝子(DNAJ domain‐containing protein MCJ gene)DNA配列と異なっている。ヒト・DNAJドメイン含有タンパク質MCJ遺伝子は、GenBankデータベースに受託番号AF126743として寄託されている。GIG22遺伝子から発現したアミノ酸の配列も、ヒト・DNAJドメイン含有タンパク質MCJのアミノ酸配列と異なっている。卵巣癌について言えば、MCJ遺伝子の発現が減少することが報告されている(Shridhar, V. et al., Cancer Res., 61, 4258‐4265 (2001))。しかし、本研究結果からGIG22癌抑制遺伝子は、その発現が様々な正常組織において顕著に増加している一方で、肝癌を含む様々なヒトの腫瘍においてまったく発現していないことが明らかになった。
配列番号17に示されるDNA配列は、DNA配列の95から547までの塩基の位置に対応する一つのオープン・リーディング・フレーム(ORF)を含んでいる(545から547までの塩基の位置は終止コドンを表す。)しかしながら、コドンには縮重が存在するという理由から、または、生物にとって遺伝子を発現するためにコドンが優先されることを考慮すれば、本発明の遺伝子は、コード領域から発現されるタンパク質のアミノ酸配列を変化することなくコード領域において様々な修飾を受けてもよい。また、本発明の遺伝子は、遺伝子の発現に影響を及ぼさない範囲内のコード領域を除いた領域において様々な修飾を受けてもよいし、または、様々に変更されてもよい。そのような修飾された遺伝子も本発明の範囲内に含まれる。したがって、本発明は、遺伝子として、及び遺伝子の断片として実質的に同じDNA配列を有するポリヌクレオチドも含んでいる。用語「実質的に同じポリヌクレオチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のあるDNA配列を有するポリヌクレオチドを意味する。
本発明の遺伝子から発現したタンパク質は、150アミノ酸残基からなり、配列番号18に示されるアミノ酸配列を有している。また、該タンパク質の分子量は、およそ16kDaである。しかしながら、タンパク質の機能に影響を及ぼさない範囲内であればタンパク質のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換されてもよいし、付加されてもよいし、欠失されてもよい。また、タンパク質のいくつかの部分のみが、その使用に応じて用いられてもよい。そのような修飾されたアミノ酸配列も本発明の範囲に含まれる。従って、本発明は、タンパク質として及びタンパク質断片として実質的に同じアミノ酸配列を有するポリペプチドも含む。用語「実質的に同じポリペプチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のある配列を有しているポリペプチドを意味する。
本発明の遺伝子及びタンパク質は、ヒトの組織から分離されてもよいし、またはDNAもしくはペプチドを合成するための公知の方法にしたがって合成されてもよい。例えば、本発明の遺伝子は、配列番号17に示されるDNA配列情報に基づいて従来の方法に従ってスクリーニングされてクローニングされてもよい。もう一つ別の例として、癌組織または癌細胞株において発現していないが、正常組織においてのみ差次的に発現している281bpのcDNA断片は、配列番号19に示されるランダム・プライマー H‐AP30(5’‐AAGCTTCGTACGT‐3’)及び配列番号20に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマー(5’‐AAGCTTTTTTTTTTTC‐3’)を用いて、正常組織及び癌組織または癌細胞株から抽出された全RNAに対して逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT‐PCR)を実行することによって取得されてもよい。そして、得られた断片は、プローブとして用いられて、全長cDNAクローンを得るためにcDNAライブラリーに対してプラークハイブリダイズされてもよい。
このようにして調製された遺伝子を公知の微生物または動物細胞において発現させるためのベクターに挿入することにより、発現ベクターが得られる。そして、当該発現ベクターを、例えばエシェリキア・コリもしくはHepG2細胞株などの適切な宿主細胞に導入することによって、遺伝子のcDNAが大量に複製されてもよいし、または、その遺伝子のタンパク質が工業用に量産されてもよい。発現ベクターをコンストラクトするときには、プロモーター及びターミネーター、自己複製配列、分泌シグナルなどのようなDNA調節配列が、遺伝子またはタンパク質を生産するように設計された宿主細胞の種類に依存して適切に選択されてもよいし、連結されてもよい。
本発明の発明者らは、全長のGIG22cDNAを発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン、アメリカ)に挿入して、得られた発現ベクターを用いてエシェリキア・コリDH5αを形質転換して、形質転換体を得た。また、この形質転換体をE.coli DH5α/GIG22/pcDNA3.1と名づけ、受託番号KCTC 10658BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズ(Korean Collection for Type Cultures)に2004年6月14日に寄託した。
本発明の遺伝子は、正常組織、好ましくは心臓、筋肉、肝臓、腎臓、胎盤、脾臓、肺、小腸、大腸、胸腺、白血球において過剰発現しており、発癌を抑制していると考えられる。本発明の遺伝子は、発癌を誘導するために白血病、子宮癌、悪性リンパ腫、大腸癌、肺癌、及び、皮膚癌において抑制されると考えられる。本発明の遺伝子は、およそ0.6kbのサイズのmRNA転写産物としてこれらの組織に主に過剰発現している。特に、本発明の遺伝子は、正常組織においてのみ差次的に発現している。例えば、本発明の遺伝子は、肝癌組織や肝癌細胞株のHepG2などの癌組織及び癌細胞には発現しておらず、正常肝臓組織においてのみ差次的に発現している。
本発明の遺伝子が導入された癌細胞株は高死亡率を示すので、本発明の遺伝子は癌に対する治療及び予防に効果的に用いられてもよい。
<6.GIG25>
本発明の遺伝子は、配列番号21に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子25(GIG25)である。GIG25は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY513276として寄託されている(発行日:2005年12月31日)。そして寄託された遺伝子のDNA配列のいくつかは、ヒト・セリン(またはシステイン)プロテアーゼインヒビター・クレードA(アルファ‐1・アンチプロテアーゼ、アンチトリプシン)メンバー3遺伝子のDNA配列と異なっている。ヒト・セリン(またはシステイン)プロテアーゼインヒビター・クレードA(アルファ‐1・アンチプロテアーゼ、アンチトリプシン)メンバー3遺伝子は、既存のデータベースに受託番号BC0110530として寄託されている。アルファ‐1・アンチトリプシンはセリン(またはシステイン)プロテアーゼインヒビターの典型的なメンバーである。また、アルファ‐1・アンチトリプシンは、急性期タンパク質であり、その発現レベルが、炎症反応によって3〜4倍に増加することが知られている(Morgan, K., & Kalsherker, N.A., Int. J. Biochem. Cell Biol., 29, 1501‐1511 (1997))。しかしながら、以前から報告されている癌抑制遺伝子の機能に反して、本研究結果からGIG25癌抑制遺伝子は、その発現が様々な正常肝臓組織において顕著に増加している一方で、肝癌においてまったく発現していないことが明らかになった。
本発明の遺伝子は、配列番号21に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子25(GIG25)である。GIG25は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY513276として寄託されている(発行日:2005年12月31日)。そして寄託された遺伝子のDNA配列のいくつかは、ヒト・セリン(またはシステイン)プロテアーゼインヒビター・クレードA(アルファ‐1・アンチプロテアーゼ、アンチトリプシン)メンバー3遺伝子のDNA配列と異なっている。ヒト・セリン(またはシステイン)プロテアーゼインヒビター・クレードA(アルファ‐1・アンチプロテアーゼ、アンチトリプシン)メンバー3遺伝子は、既存のデータベースに受託番号BC0110530として寄託されている。アルファ‐1・アンチトリプシンはセリン(またはシステイン)プロテアーゼインヒビターの典型的なメンバーである。また、アルファ‐1・アンチトリプシンは、急性期タンパク質であり、その発現レベルが、炎症反応によって3〜4倍に増加することが知られている(Morgan, K., & Kalsherker, N.A., Int. J. Biochem. Cell Biol., 29, 1501‐1511 (1997))。しかしながら、以前から報告されている癌抑制遺伝子の機能に反して、本研究結果からGIG25癌抑制遺伝子は、その発現が様々な正常肝臓組織において顕著に増加している一方で、肝癌においてまったく発現していないことが明らかになった。
配列番号21に示されるDNA配列は、DNA配列の436から1299までの塩基の位置に対応する一つのオープン・リーディング・フレーム(ORF)を含んでいる(434から436までの塩基の位置は終止コドンを表す。)。しかしながら、コドンには縮重が存在するという理由から、または、生物にとって遺伝子を発現するためにコドンが優先されることを考慮すれば、本発明の遺伝子は、コード領域から発現されるタンパク質のアミノ酸配列を変化することなくコード領域において様々な修飾を受けてもよい。また、本発明の遺伝子は、遺伝子の発現に影響を及ぼさない範囲内のコード領域を除いた領域において様々な修飾を受けてもよいし、または、様々に変更されてもよい。そのような修飾された遺伝子も本発明の範囲内に含まれる。したがって、本発明は、遺伝子として、及び遺伝子の断片として実質的に同じDNA配列を有するポリヌクレオチドも含んでいる。用語「実質的に同じポリヌクレオチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のあるDNA配列を有するポリヌクレオチドを意味する。
本発明の遺伝子から発現したタンパク質は、287アミノ酸残基からなり、配列番号22に示されるアミノ酸配列を有している。また、該タンパク質の分子量は、およそ33kDaである。しかしながら、タンパク質の機能に影響を及ぼさない範囲内であればタンパク質のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換されてもよいし、付加されてもよいし、欠失されてもよい。また、タンパク質のいくつかの部分のみが、その使用に応じて用いられてもよい。そのような修飾されたアミノ酸配列も本発明の範囲に含まれる。従って、本発明は、タンパク質として及びタンパク質断片として実質的に同じアミノ酸配列を有するポリペプチドも含む。用語「実質的に同じポリペプチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のある配列を有しているポリペプチドを意味する。
本発明の遺伝子及びタンパク質は、ヒトの組織から分離されてもよいし、またはDNAもしくはペプチドを合成するための公知の方法にしたがって合成されてもよい。例えば、本発明の遺伝子は、配列番号21に示されるDNA配列情報に基づいて従来の方法に従ってスクリーニングされてクローニングされてもよい。もう一つ別の例として、癌組織または癌細胞株において発現していないが、正常組織においてのみ差次的に発現している250bpのcDNA断片は、配列番号23に示されるランダム・プライマー H‐AP40(5’‐AAGCTTGTCAGCC‐3’)及び配列番号24に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマー(5’‐AAGCTTTTTTTTTTTC‐3’)を用いて、正常組織及び癌組織または癌細胞株から抽出された全RNAに対して逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT‐PCR)を実行することによって取得されてもよい。そして、得られた断片は、プローブとして用いられて、全長cDNAクローンを得るためにcDNAライブラリーに対してプラークハイブリダイズされてもよい。
このようにして調製された遺伝子を公知の微生物または動物細胞において発現させるためのベクターに挿入することにより、発現ベクターが得られる。そして、当該発現ベクターを、例えばエシェリキア・コリもしくはHepG2細胞株などの適切な宿主細胞に導入することによって、遺伝子のcDNAが大量に複製されてもよいし、または、その遺伝子のタンパク質が工業用に量産されてもよい。発現ベクターをコンストラクトするときには、プロモーター及びターミネーター、自己複製配列、分泌シグナルなどのようなDNA調節配列が、遺伝子またはタンパク質を生産するように設計された宿主細胞の種類に依存して適切に選択されてもよいし、連結されてもよい。
本発明の発明者らは、全長のGIG25cDNAを発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン、アメリカ)に挿入して、得られた発現ベクターを用いてエシェリキア・コリDH5αを形質転換して、形質転換体を得た。また、この形質転換体をE.coli DH5α/GIG25/pcDNA3.1と名づけ、受託番号KCTC 10659BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズに2004年6月14日に寄託した。
本発明の遺伝子は、正常組織、好ましくは肝臓組織において過剰発現しており、発癌を抑制していると考えられる。本発明の遺伝子は、およそ1.5kbのサイズのmRNA転写産物としてこれらの組織に主に過剰発現している。特に、本発明の遺伝子は、正常組織においてのみ差次的に発現している。例えば、本発明の遺伝子は、肝癌組織や肝癌細胞株のHepG2などの癌組織及び癌細胞には発現しておらず、正常肝臓組織においてのみ差次的に発現している。
本発明の遺伝子が導入された肝癌細胞株は高死亡率を示すので、本発明の遺伝子は癌に対する治療及び予防に効果的に用いられてもよい。
<7.GIG36>
本発明の遺伝子は、配列番号25に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子36(GIG36)である。GIG36は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY542304として寄託されている(発行日:2005年12月31日)。そして寄託された遺伝子のDNA配列は、マトリックスGlaタンパク質のDNA配列と同一である。マトリックスGlaタンパク質は、既存のデータベースに受託番号M58549として寄託されている。また、GIG36遺伝子のDNA配列の1塩基対が、受託番号BC005272として寄託されているマトリックスGlaタンパク質のDNA配列と異なっている。マトリックスGlaタンパク質は、血管平滑筋細胞(Shanahan, C.M., et al., Crit. Rev. Eukaryot Gene Express., 8, 357‐375 (1998))及び軟骨細胞(Hale, J.E., et al., J. Biol. Chem., 263, 5820‐5824 (1988))から主に分泌され、石灰化を抑制する機能を有する(Luo, G., et al., Nature, 386, 78‐81 (1997); Price, P.A., et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol., 18, 1400‐1407 (1998); Price, P.A., et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol., 20, 317‐327 (2000))ことが報告されている。マトリックスGla遺伝子の発現が、卵巣癌(Colleen, D., et al., Cancer Res., 61, 3869‐3876 (2001))及び乳癌(Chen, L., et al., Oncogene, 5, 1391‐1395 (1990))を含むいくつかの癌において増加することも報告されている。しかしながら、以前から報告されている研究に反して、本研究結果からGIG36癌抑制遺伝子は、その発現が様々な正常組織において顕著に増加している一方で、肝癌を含む様々なヒト腫瘍においてまったく発現していないことが明らかになった。
本発明の遺伝子は、配列番号25に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子36(GIG36)である。GIG36は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY542304として寄託されている(発行日:2005年12月31日)。そして寄託された遺伝子のDNA配列は、マトリックスGlaタンパク質のDNA配列と同一である。マトリックスGlaタンパク質は、既存のデータベースに受託番号M58549として寄託されている。また、GIG36遺伝子のDNA配列の1塩基対が、受託番号BC005272として寄託されているマトリックスGlaタンパク質のDNA配列と異なっている。マトリックスGlaタンパク質は、血管平滑筋細胞(Shanahan, C.M., et al., Crit. Rev. Eukaryot Gene Express., 8, 357‐375 (1998))及び軟骨細胞(Hale, J.E., et al., J. Biol. Chem., 263, 5820‐5824 (1988))から主に分泌され、石灰化を抑制する機能を有する(Luo, G., et al., Nature, 386, 78‐81 (1997); Price, P.A., et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol., 18, 1400‐1407 (1998); Price, P.A., et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol., 20, 317‐327 (2000))ことが報告されている。マトリックスGla遺伝子の発現が、卵巣癌(Colleen, D., et al., Cancer Res., 61, 3869‐3876 (2001))及び乳癌(Chen, L., et al., Oncogene, 5, 1391‐1395 (1990))を含むいくつかの癌において増加することも報告されている。しかしながら、以前から報告されている研究に反して、本研究結果からGIG36癌抑制遺伝子は、その発現が様々な正常組織において顕著に増加している一方で、肝癌を含む様々なヒト腫瘍においてまったく発現していないことが明らかになった。
配列番号25に示されるDNA配列は、DNA配列の12から323までの塩基の位置に対応する一つのオープン・リーディング・フレーム(ORF)を含んでいる(321から323までの塩基の位置は終止コドンを表す。)。しかしながら、コドンには縮重が存在するという理由から、または、生物にとって遺伝子を発現するためにコドンが優先されることを考慮すれば、本発明の遺伝子は、コード領域から発現されるタンパク質のアミノ酸配列を変化することなくコード領域において様々な修飾を受けてもよい。また、本発明の遺伝子は、遺伝子の発現に影響を及ぼさない範囲内のコード領域を除いた領域において様々な修飾を受けてもよいし、または、様々に変更されてもよい。そのような修飾された遺伝子も本発明の範囲内に含まれる。したがって、本発明は、遺伝子として、及び遺伝子の断片として実質的に同じDNA配列を有するポリヌクレオチドも含んでいる。用語「実質的に同じポリヌクレオチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のあるDNA配列を有するポリヌクレオチドを意味する。
本発明の遺伝子から発現したタンパク質は、103アミノ酸残基からなり、配列番号26に示されるアミノ酸配列を有している。また、該タンパク質の分子量は、およそ12kDaである。しかしながら、タンパク質の機能に影響を及ぼさない範囲内であればタンパク質のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換されてもよいし、付加されてもよいし、欠失されてもよい。また、タンパク質のいくつかの部分のみが、その使用に応じて用いられてもよい。そのような修飾されたアミノ酸配列も本発明の範囲に含まれる。従って、本発明は、タンパク質として及びタンパク質断片として実質的に同じアミノ酸配列を有するポリペプチドも含む。用語「実質的に同じポリペプチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のある配列を有しているポリペプチドを意味する。
本発明の遺伝子及びタンパク質は、ヒトの組織から分離されてもよいし、またはDNAもしくはペプチドを合成するための公知の方法にしたがって合成されてもよい。例えば、本発明の遺伝子は、配列番号25に示されるDNA配列情報に基づいて従来の方法に従ってスクリーニングされてクローニングされてもよい。もう一つ別の例として、癌組織または癌細胞株において発現していないが、正常組織においてのみ差次的に発現している182bpのcDNA断片は、配列番号27に示されるランダム・プライマー H‐AP29(5’‐AAGCTTAGCAGCA‐3’)及び配列番号28に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマー(5’‐AAGCTTTTTTTTTTTC‐3’)を用いて、正常組織及び癌組織または癌細胞株から抽出された全RNAに対して逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT‐PCR)を実行することによって取得されてもよい。そして、得られた断片は、プローブとして用いられて、全長cDNAクローンを得るためにcDNAライブラリーに対してプラークハイブリダイズされてもよい。
このようにして調製された遺伝子を公知の微生物または動物細胞において発現させるためのベクターに挿入することにより、発現ベクターが得られる。そして、当該発現ベクターを、例えばエシェリキア・コリもしくはMCF‐7細胞株などの適切な宿主細胞に導入することによって、遺伝子のcDNAが大量に複製されてもよいし、または、その遺伝子のタンパク質が工業用に量産されてもよい。発現ベクターをコンストラクトするときには、プロモーター及びターミネーター、自己複製配列、分泌シグナルなどのようなDNA調節配列が、遺伝子またはタンパク質を生産するように設計された宿主細胞の種類に依存して適切に選択されてもよいし、連結されてもよい。
本発明の発明者らは、全長のGIG36cDNAを発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン、アメリカ)に挿入して、得られた発現ベクターを用いてエシェリキア・コリDH5αを形質転換して、形質転換体を得た。また、この形質転換体をE.coli DH5α/GIG36/pcDNA3.1と名づけ、受託番号KCTC 10643BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズに2004年5月24日に寄託した。
本発明の遺伝子は、正常組織、好ましくは肝臓、腎臓、脾臓、及び肺において過剰発現しており、発癌を抑制していると考えられる。本発明の遺伝子は、発癌を誘導するためにたとえ白血病、子宮癌、悪性リンパ腫、大腸癌、及び、皮膚癌においてでさえも抑制される。本発明の遺伝子は、およそ1.3kbのサイズのmRNA転写産物としてこれらの組織に主に過剰発現している。特に、本発明の遺伝子は、正常組織においてのみ差次的に発現している。例えば、本発明の遺伝子は、肝癌組織や肝癌細胞株のHepG2などの癌組織及び癌細胞には発現しておらず、正常肝臓組織においてのみ差次的に発現している。
本発明の遺伝子が導入された癌細胞株は高死亡率を示すので、本発明の遺伝子は癌に対する治療及び予防に効果的に用いられてもよい。
<8.GIG2>
本発明の遺伝子は、配列番号29に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子2(GIG2)である。GIG2は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY423720として寄託されている(発行日:2004年12月31日)。そして寄託された遺伝子のDNA配列は、ヒト・走化性関連タンパク質(motility‐related protein、MRP‐1)のmRNAのDNA配列及びヒト・CD9抗原(p24)(CD9)遺伝子のDNA配列と同一である。ヒト・走化性関連タンパク質(MRP‐1)のmRNA及びヒト・CD9抗原(p24)(CD9)遺伝子は、データベースに受託番号X60111及びNM_001769としてそれぞれ寄託されている。即ち、受託番号X60111として寄託されているヒト・走化性関連タンパク質(MRP‐1)のmRNAは、細胞遊走に関連していることが報告されている(Miyake, M., et al., J. Exp. Med., 174, 1347‐1354 (1991))。また、受託番号NM_001769として寄託されているヒト・CD9抗原(p24)(CD9)遺伝子は、細胞遊走及び乳癌の浸潤能力(Sauer, G. et al., Oncol. Rep., 10, 405‐410 (2003))及び肺癌の浸潤能力(Funakoshi, T. et al., Oncogene, 22, 674‐687 (2003))に関連していることも報告されている。
本発明の遺伝子は、配列番号29に示されるDNA配列を有するヒト癌抑制遺伝子2(GIG2)である。GIG2は、米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベースに受託番号AY423720として寄託されている(発行日:2004年12月31日)。そして寄託された遺伝子のDNA配列は、ヒト・走化性関連タンパク質(motility‐related protein、MRP‐1)のmRNAのDNA配列及びヒト・CD9抗原(p24)(CD9)遺伝子のDNA配列と同一である。ヒト・走化性関連タンパク質(MRP‐1)のmRNA及びヒト・CD9抗原(p24)(CD9)遺伝子は、データベースに受託番号X60111及びNM_001769としてそれぞれ寄託されている。即ち、受託番号X60111として寄託されているヒト・走化性関連タンパク質(MRP‐1)のmRNAは、細胞遊走に関連していることが報告されている(Miyake, M., et al., J. Exp. Med., 174, 1347‐1354 (1991))。また、受託番号NM_001769として寄託されているヒト・CD9抗原(p24)(CD9)遺伝子は、細胞遊走及び乳癌の浸潤能力(Sauer, G. et al., Oncol. Rep., 10, 405‐410 (2003))及び肺癌の浸潤能力(Funakoshi, T. et al., Oncogene, 22, 674‐687 (2003))に関連していることも報告されている。
しかしながら、以前から報告されている細胞遊走及び浸潤能力に反して、本研究結果からGIG2癌抑制遺伝子は、その発現が様々な正常組織において顕著に増加している一方で、肺癌を含む様々なヒト腫瘍においてまったく発現していないこと、または非常に微かに発現していることが明らかになった。
配列番号29に示されるDNA配列は、DNA配列の18から704までの塩基の位置に対応する一つのオープン・リーディング・フレーム(ORF)を含んでいる(702から704までの塩基の位置は終止コドンを表す。)。しかしながら、コドンには縮重が存在するという理由から、または、生物にとって遺伝子を発現するためにコドンが優先されることを考慮すれば、本発明の遺伝子は、コード領域から発現されるタンパク質のアミノ酸配列を変化することなくコード領域において様々な修飾を受けてもよい。また、本発明の遺伝子は、遺伝子の発現に影響を及ぼさない範囲内のコード領域を除いた領域において様々な修飾を受けてもよいし、または、様々に変更されてもよい。そのような修飾された遺伝子も本発明の範囲内に含まれる。したがって、本発明は、遺伝子として、及び遺伝子の断片として実質的に同じDNA配列を有するポリヌクレオチドも含んでいる。用語「実質的に同じポリヌクレオチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のあるDNA配列を有するポリヌクレオチドを意味する。
本発明の遺伝子から発現したタンパク質は、228アミノ酸残基からなり、配列番号30に示されるアミノ酸配列を有している。また、該タンパク質の分子量は、およそ25kDaである。しかしながら、タンパク質の機能に影響を及ぼさない範囲内であればタンパク質のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が、置換されてもよいし、付加されてもよいし、欠失されてもよい。また、タンパク質のいくつかの部分のみが、その使用に応じて用いられてもよい。そのような修飾されたアミノ酸配列も本発明の範囲に含まれる。従って、本発明は、タンパク質として及びタンパク質断片として実質的に同じアミノ酸配列を有するポリペプチドも含む。用語「実質的に同じポリペプチド」は、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性のある配列を有しているポリペプチドを意味する。
本発明の遺伝子及びタンパク質は、ヒトの組織から分離されてもよいし、またはDNAもしくはペプチドを合成するための公知の方法にしたがって合成されてもよい。例えば、本発明の遺伝子は、配列番号29に示されるDNA配列情報に基づいて従来の方法に従ってスクリーニングされてクローニングされてもよい。もう一つ別の例として、癌組織または癌細胞株において発現していないが、正常組織においてのみ差次的に発現している240bpのcDNA断片は、配列番号31に示されるランダム・プライマー H‐AP32(5’‐AAGCTTCTTGCAA‐3’)及び配列番号32に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマー(5’‐AAGCTTTTTTTTTTTC‐3’)を用いて、正常組織及び癌組織または癌細胞株から抽出された全RNAに対して逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT‐PCR)を実行することによって取得されてもよい。そして、得られた断片は、プローブとして用いられて、全長cDNAクローンを得るためにcDNAライブラリーに対してプラークハイブリダイズされてもよい。
このようにして調製された遺伝子を公知の微生物または動物細胞において発現させるためのベクターに挿入することにより、発現ベクターが得られる。そして、当該発現ベクターを、例えばエシェリキア・コリもしくはA549細胞株などの適切な宿主細胞に導入することによって、遺伝子のcDNAが大量に複製されてもよいし、または、その遺伝子のタンパク質が工業用に量産されてもよい。発現ベクターをコンストラクトするときには、プロモーター及びターミネーター、自己複製配列、分泌シグナルなどのようなDNA調節配列が、遺伝子またはタンパク質を生産するように設計された宿主細胞の種類に依存して適切に選択されてもよいし、連結されてもよい。
本発明の発明者らは、全長のGIG2cDNAを発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン、アメリカ)に挿入して、得られた発現ベクターを用いてエシェリキア・コリDH5αを形質転換して、形質転換体を得た。また、この形質転換体をE.coli DH5α/GIG2/pcDNA3.1と名づけ、受託番号KCTC 10641BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズに2004年5月31日に寄託した。
本発明の遺伝子は、正常組織、好ましくは脳、心臓、筋肉、大腸、胸腺、脾臓、腎臓、肝臓、小腸、胎盤、肺、及び白血球において過剰発現しており、発癌を抑制していると考えられる。また、本発明の遺伝子は、急性白血病(HL‐60細胞株)及び悪性リンパ腫(ラジ(Raji)癌細胞株)において癌を誘導するためにまったく発現していないと考えられる。また、本発明の遺伝子は、子宮癌、慢性白血病、大腸癌、肺癌、及び、皮膚癌において発癌を誘導するために微かに発現していると考えられる。本発明の遺伝子は、およそ1.3kbのサイズのmRNA転写産物としてこれらの組織に主に過剰発現している。特に、本発明の遺伝子は、正常組織においてのみ差次的に発現している。例えば、本発明の遺伝子は、肺癌組織、転移性肺癌組織、肺癌細胞株(A549及びNCI‐H358)などには発現しておらず、正常肺組織においてのみ差次的に発現している。
本発明の遺伝子が導入された癌細胞株は高死亡率を示すので、本発明の遺伝子は癌に対する治療及び予防に効果的に用いられてもよい。
〔発明の形態〕
以下では、本発明が好ましい実施例を参照して詳細に記載されている。それ故、ここに提案されている記述は、説明のための単なる好ましい実施例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
以下では、本発明が好ましい実施例を参照して詳細に記載されている。それ故、ここに提案されている記述は、説明のための単なる好ましい実施例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
(参考例:全RNAの分離)
全RNA試料は、新鮮な組織または培養細胞からRNeasy全RNAキット(RNeasy total RNA kit)(キアゲン、インコーポレイティッド、ドイツ(Qiagen Inc., Germany))を用いて分離した。その後、不純物のDNAをRNA試料からメッセージクリーンキット(message clean kit)(ジェンハンター、コーポレーション、MA、アメリカ(GenHunter Corp., MA, U.S.))を用いて除去した。
全RNA試料は、新鮮な組織または培養細胞からRNeasy全RNAキット(RNeasy total RNA kit)(キアゲン、インコーポレイティッド、ドイツ(Qiagen Inc., Germany))を用いて分離した。その後、不純物のDNAをRNA試料からメッセージクリーンキット(message clean kit)(ジェンハンター、コーポレーション、MA、アメリカ(GenHunter Corp., MA, U.S.))を用いて除去した。
(実施例1:全RNAの分離及びmRNAディファレンシァル・ディスプレイ)
<1‐1.GIG12>
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常乳房組織、原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株において下記のように測定した。
<1‐1.GIG12>
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常乳房組織、原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株において下記のように測定した。
正常乳房組織試料を、乳房切除手術の間に乳癌の患者から取得した。また原発性乳癌組織試料を、外科治療をする前に放射線治療または抗癌治療を受けていない患者から根治的乳房切断手術の間に取得した。MCF‐7(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)、ATCC番号HTB‐22)をヒトの乳癌細胞株として用いた。本実験を、これらの組織及び細胞のそれぞれから全RNAを分離するために参考例と同じ方法で繰り返し行った。
RT‐PCR反応を、以下の発表「Liang, P. and Pardee, A. B., Science, 257, 967‐971 (1992);及び、Liang, P. et al., Cancer Res., 52, 6966‐6968 (1993)」に記載されている方法の修正方法に従って、組織及び細胞から分離された全RNA試料のそれぞれを用いて、以下のように行った。0.2μgの全RNAを、配列番号4に示されたアンカード・オリゴ‐dT・プライマーと一緒に、キット(RNAイメージキット、ジェンハンター(RNAimage kit, GenHunter))を用いて逆転写した。そして、PCR反応を、0.5mMの[α‐35S]で標識されたdATP(1,200 Ci/mmol)の存在下において同じアンカード・オリゴ‐dT・プライマー及び配列番号3に示される5’13‐塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP32(RNAイメージプライマー・セット1、ジェンハンター・コーポレーション、アメリカ(RNAimage primer set 1, GenHunter Corporation, U.S.))を用いて、行った。PCR反応を、下記の条件にて行った。即ち、95℃40秒間の変性工程、40℃2分間のアニーリング工程、及び72℃40秒間の伸長工程からなる増幅サイクルを全40回行った。その後、72℃5分間の伸長工程を一回行った。増幅された断片をDNAシークエンス用の6%ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動を行った後、オートラジオグラフを行った。
図1は、配列番号3に示される5’13‐塩基数(mer)ランダム・プライマー H‐AP32及び配列番号4に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いてPCRを行った結果を示す図である。図1において、レーン1、2及び3は正常乳房組織を示し、レーン4、5及び6は乳癌細胞組織を示し、レーン7は、乳癌細胞株のMCF‐7を示している。図1によれば、680bp(GIG12遺伝子配列の全長の1614から2283までの塩基の位置)のcDNA断片が乳癌組織及び乳癌細胞株において発現しておらず、正常乳房組織のみ差次的に発現していることが明らかになった。このcDNA断片をFC26と名づけた。
680bpのバンド、FC5断片を乾燥ゲルから除去し、15分間煮沸してcDNAを抽出した。そして、PCR反応を、上記条件と同じ条件下(ただし、[α‐35S]で標識されたdATP及び20μMのdNTPが用いられていないことは除く)において上記プライマーセットと同じプライマーセットを用いて行い、cDNAを再増幅した。再増幅されたcDNA断片FC26をTAクローニングシステム(プロメガ)を用いてpGEM‐T Easy発現ベクターにクローニングした。そして、シーケナーゼ・バージョン2.0、DNAシークエンスシステム(ユナイティッド・ステイツ・バイオケミカル・コーポレーション)(Sequenase Version 2.0 DNA Sequencing System (United States Biochemical Co.))を用いてシークエンスを行った。このDNAシークエンスをBLASTプログラム及びFASTAプログラムを用いて米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベース内を探索した。その結果、このDNA配列は、GenBankデータベースに受託番号M58549及びBC005272として寄託されているマトリックスGlaタンパク質のDNA配列と同一であった。
<1‐2.GIG17>
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において下記のように測定した。
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において下記のように測定した。
正常肝臓組織及び肝癌組織の試料を、組織生検の間に肝癌の患者から取得した。またHepG2(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ATCC番号HB‐8065)をヒトの肝癌細胞株として用いた。本実験を、これらの組織及び細胞のそれぞれから全RNAを分離するために参考例と同じ方法で繰り返し行った。
RT‐PCR反応を、以下の発表「Liang, P. and Pardee, A. B., Science, 257, 967‐971 (1992);及び、Liang, P. et al., Cancer Res., 52, 6966‐6968 (1993)」に記載されている方法の修正方法に従って、組織及び細胞から分離された全RNA試料のそれぞれを用いて、以下のように行った。0.2μgの全RNAを、配列番号8に示されたアンカード・オリゴ‐dT・プライマーと一緒に、キット(RNAイメージキット、ジェンハンター)を用いて逆転写した。そして、PCR反応を、0.5mMの[α‐35S]で標識されたdATP(1,200 Ci/mmol)の存在下において同じアンカード・オリゴ‐dT・プライマー及び配列番号7に示される5’13‐塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP7(RNAイメージプライマー・セット1、ジェンハンター・コーポレーション、アメリカ)を用いて、行った。PCR反応を、下記の条件にて行った。即ち、95℃40秒間の変性工程、40℃2分間のアニーリング工程、及び72℃40秒間の伸長工程からなる増幅サイクルを全40回行った。その後、72℃5分間の伸長工程を一回行った。増幅された断片をDNAシークエンス用の6%ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動を行った後、オートラジオグラフを行った。
図2は、配列番号7に示される5’13‐塩基数(mer)ランダム・プライマー H‐AP7及び配列番号8に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いてPCRを行った結果を示す図である。図1において、レーン1、2及び3は正常肝臓組織を示し、レーン4、5及び6は肝癌組織を示し、レーン7は、肝癌細胞株のHepG2を示している。図1によれば、250bp(GIG17遺伝子配列の全長の721から970までの塩基の位置)のcDNA断片が肝癌組織において非常に微かに発現しており、肝癌細胞株において発現しておらず、正常肝臓組織のみ差次的に発現していることが明らかになった。このcDNA断片をHP24と名づけた。
250bpのバンド、HP24断片を乾燥ゲルから除去し、15分間煮沸してcDNAを抽出した。そして、PCR反応を、上記条件と同じ条件下(ただし、[α‐35S]で標識されたdATP及び20μMのdNTPが用いられていないことは除く)において上記プライマーセットと同じプライマーセットを用いて行い、cDNAを再増幅した。再増幅されたcDNA断片FC5をTAクローニングシステム(プロメガ)を用いてpGEM‐T Easy発現ベクターにクローニングした。そして、シーケナーゼ・バージョン2.0、DNAシークエンスシステム(ユナイティッド・ステイツ・バイオケミカル・コーポレーション)を用いてシークエンスを行った。このDNAシークエンスをBLASTプログラム及びFASTAプログラムを用いて米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベース内を探索した。その結果、このDNA配列は、GenBankデータベースに受託番号M19922として寄託されているヒト・フルクトース1,6‐ビスフォスファターゼのDNA配列と同一であった。
<1‐3.GIG19>
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において下記のように測定した。
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において下記のように測定した。
正常肝臓組織及び肝癌組織の試料を、組織生検の間に肝癌の患者から取得した。またHepG2(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ATCC番号HB‐8065)をヒトの肝癌細胞株として用いた。本実験を、これらの組織及び細胞のそれぞれから全RNAを分離するために参考例と同じ方法で繰り返し行った。
RT‐PCR反応を、以下の発表「Liang, P. and Pardee, A. B., Science, 257, 967‐971 (1992);及び、Liang, P. et al., Cancer Res., 52, 6966‐6968 (1993)」に記載されている方法の修正方法に従って、組織及び細胞から分離された全RNA試料のそれぞれを用いて、以下のように行った。0.2μgの全RNAを、配列番号12に示されたアンカード・オリゴ‐dT・プライマーと一緒に、キット(RNAイメージキット、ジェンハンター)を用いて逆転写した。そして、PCR反応を、0.5mMの[α‐35S]で標識されたdATP(1,200 Ci/mmol)の存在下において同じアンカード・オリゴ‐dT・プライマー及び配列番号11に示される5’13‐塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP40(RNAイメージプライマー・セット1、ジェンハンター・コーポレーション、アメリカ)を用いて、行った。PCR反応を、下記の条件にて行った。即ち、95℃40秒間の変性工程、40℃2分間のアニーリング工程、及び72℃40秒間の伸長工程からなる増幅サイクルを全40回行った。その後、72℃5分間の伸長工程を一回行った。増幅された断片をDNAシークエンス用の6%ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動を行った後、オートラジオグラフを行った。
図3は、配列番号11に示される5’13‐塩基数(mer)ランダム・プライマー H‐AP40及び配列番号12に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いてPCRを行った結果を示す図である。図3において、レーン1、2及び3は正常肝臓組織を示し、レーン4、5及び6は肝癌組織を示し、レーン7は、肝癌細胞株のHepG2を示している。図3によれば、281bp(GIG19遺伝子配列の全長の781から1061までの塩基の位置)のcDNA断片が肝癌組織及び肝癌細胞株において発現しておらず、正常肝臓組織のみ差次的に発現していることが明らかになった。このcDNA断片をHP48と名づけた。
281bpのバンド、HP48断片を乾燥ゲルから除去し、15分間煮沸してcDNAを抽出した。そして、PCR反応を、上記条件と同じ条件下(ただし、[α‐35S]で標識されたdATP及び20μMのdNTPが用いられていないことは除く)において上記プライマーセットと同じプライマーセットを用いて行い、cDNAを再増幅した。再増幅されたcDNA断片FC5をTAクローニングシステム(プロメガ)を用いてpGEM‐T Easy発現ベクターにクローニングした。そして、シーケナーゼ・バージョン2.0、DNAシークエンスシステム(ユナイティッド・ステイツ・バイオケミカル・コーポレーション)を用いてシークエンスを行った。このDNAシークエンスをBLASTプログラム及びFASTAプログラムを用いて米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベース内を探索した。その結果、このDNA配列は、GenBankデータベースに受託番号BC041593及びX04225としてそれぞれ寄託されているヒト・アルファ‐1‐ミクログロブリン/ビクニン前駆体及びヒト・タンパク質HCのmRNA(アルファ‐1‐ミクログロブリン)のDNA配列と同一であった。
<1‐4.GIG20>
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において下記のように測定した。
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において下記のように測定した。
正常肝臓組織及び肝癌組織の試料を、組織生検の間に肝癌の患者から取得した。またHepG2(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ATCC番号HB‐8065)をヒトの肝癌細胞株として用いた。本実験を、これらの組織及び細胞のそれぞれから全RNAを分離するために参考例と同じ方法で繰り返し行った。
RT‐PCR反応を、以下の発表「Liang, P. and Pardee, A. B., Science, 257, 967‐971 (1992);及び、Liang, P. et al., Cancer Res., 52, 6966‐6968 (1993)」に記載されている方法の修正方法に従って、組織及び細胞から分離された全RNA試料のそれぞれを用いて、以下のように行った。0.2μgの全RNAを、配列番号16に示されたアンカード・オリゴ‐dT・プライマーと一緒に、キット(RNAイメージキット、ジェンハンター)を用いて逆転写した。そして、PCR反応を、0.5mMの[α‐35S]で標識されたdATP(1,200Ci/mmol)の存在下において同じアンカード・オリゴ‐dT・プライマー及び配列番号15に示される5’13‐塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP40(RNAイメージプライマー・セット1、ジェンハンター・コーポレーション、アメリカ)を用いて、行った。PCR反応を、下記の条件にて行った。即ち、95℃40秒間の変性工程、40℃2分間のアニーリング工程、及び72℃40秒間の伸長工程からなる増幅サイクルを全40回行った。その後、72℃5分間の伸長工程を一回行った。増幅された断片をDNAシークエンス用の6%ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動を行った後、オートラジオグラフを行った。
図4は、配列番号15に示される5’13‐塩基数(mer)ランダム・プライマー H‐AP40及び配列番号16に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いてPCRを行った結果を示す図である。図4において、レーン1、2及び3は正常肝臓組織を示し、レーン4、5及び6は肝癌組織を示し、レーン7は、肝癌細胞株のHepG2を示している。図4によれば、256bp(GIG19遺伝子配列の全長の776から1031までの塩基の位置)のcDNA断片が肝癌組織及び肝癌細胞株において発現しておらず、正常肝臓組織のみ差次的に発現していることが明らかになった。このcDNA断片をHP50と名づけた。
256bpのバンド、HP50断片を乾燥ゲルから除去し、15分間煮沸してcDNAを抽出した。そして、PCR反応を、上記条件と同じ条件下(ただし、[α‐35S]で標識されたdATP及び20μMのdNTPが用いられていないことは除く)において上記プライマーセットと同じプライマーセットを用いて行い、cDNAを再増幅した。再増幅されたcDNA断片FC50をTAクローニングシステム(プロメガ)を用いてpGEM‐T Easy発現ベクターにクローニングした。そして、シーケナーゼ・バージョン2.0、DNAシークエンスシステム(ユナイティッド・ステイツ・バイオケミカル・コーポレーション)を用いてシークエンスを行った。このDNAシークエンスをBLASTプログラム及びFASTAプログラムを用いて米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベース内を探索した。その結果、このDNA配列は、GenBankデータベースに受託番号BC041789として寄託されているヒト・アルブミンのDNA配列と同一であった。
<1‐5.GIG22>
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において下記のように測定した。
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において下記のように測定した。
正常肝臓組織及び肝癌組織の試料を、組織生検の間に肝癌の患者から取得した。またHepG2(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ATCC番号HB‐8065)をヒトの肝癌細胞株として用いた。本実験を、これらの組織及び細胞のそれぞれから全RNAを分離するために参考例と同じ方法で繰り返し行った。
RT‐PCR反応を、以下の発表「Liang, P. and Pardee, A. B., Science, 257, 967‐971 (1992);及び、Liang, P. et al., Cancer Res., 52, 6966‐6968 (1993)」に記載されている方法の修正方法に従って、組織及び細胞から分離された全RNA試料のそれぞれを用いて、以下のように行った。0.2μgの全RNAを、配列番号20に示されたアンカード・オリゴ‐dT・プライマーと一緒に、キット(RNAイメージキット、ジェンハンター)を用いて逆転写した。そして、PCR反応を、0.5mMの[α‐35S]で標識されたdATP(1,200Ci/mmol)の存在下において同じアンカード・オリゴ‐dT・プライマー及び配列番号19に示される5’13‐塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP30(RNAイメージプライマー・セット1、ジェンハンター・コーポレーション、アメリカ)を用いて、行った。PCR反応を、下記の条件にて行った。即ち、95℃40秒間の変性工程、40℃2分間のアニーリング工程、及び72℃40秒間の伸長工程からなる増幅サイクルを全40回行った。その後、72℃5分間の伸長工程を一回行った。増幅された断片をDNAシークエンス用の6%ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動を行った後、オートラジオグラフを行った。
図5は、配列番号19に示される5’13‐塩基数(mer)ランダム・プライマー H‐AP30及び配列番号20に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いてPCRを行った結果を示す図である。図5において、レーン1、2及び3は正常肝臓組織を示し、レーン4、5及び6は肝癌組織を示し、レーン7は、肝癌細胞株のHepG2を示している。図5によれば、281bp(GIG22遺伝子配列の全長の262から542までの塩基の位置)のcDNA断片が肝癌組織及び肝癌細胞株において発現しておらず、正常肝臓組織のみ差次的に発現していることが明らかになった。このcDNA断片をHP59と名づけた。
281bpのバンド、HP59断片を乾燥ゲルから除去し、15分間煮沸してcDNAを抽出した。そして、PCR反応を、上記条件と同じ条件下(ただし、[α‐35S]で標識されたdATP及び20μMのdNTPが用いられていないことは除く)において上記プライマーセットと同じプライマーセットを用いて行い、cDNAを再増幅した。再増幅されたcDNA断片FC59をTAクローニングシステム(プロメガ)を用いてpGEM‐T Easy発現ベクターにクローニングした。そして、シーケナーゼ・バージョン2.0、DNAシークエンスシステム(ユナイティッド・ステイツ・バイオケミカル・コーポレーション)を用いてシークエンスを行った。このDNAシークエンスをBLASTプログラム及びFASTAプログラムを用いて米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベース内を探索した。
<1‐6.GIG25>
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において下記のように測定した。
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において下記のように測定した。
正常肝臓組織及び肝癌組織の試料を、組織生検の間に肝癌の患者から取得した。またHepG2(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ATCC番号HB‐8065)をヒトの肝癌細胞株として用いた。本実験を、これらの組織及び細胞のそれぞれから全RNAを分離するために参考例と同じ方法で繰り返し行った。
RT‐PCR反応を、以下の発表「Liang, P. and Pardee, A. B., Science, 257, 967‐971 (1992);及び、Liang, P. et al., Cancer Res., 52, 6966‐6968 (1993)」に記載されている方法の修正方法に従って、組織及び細胞から分離された全RNA試料のそれぞれを用いて、以下のように行った。0.2μgの全RNAを、配列番号24に示されたアンカード・オリゴ‐dT・プライマーと一緒に、キット(RNAイメージキット、ジェンハンター)を用いて逆転写した。そして、PCR反応を、0.5mMの[α‐35S]で標識されたdATP(1,200Ci/mmol)の存在下において同じアンカード・オリゴ‐dT・プライマー及び配列番号23に示される5’13‐塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP40(RNAイメージプライマー・セット1、ジェンハンター・コーポレーション、アメリカ)を用いて、行った。PCR反応を、下記の条件にて行った。即ち、95℃40秒間の変性工程、40℃2分間のアニーリング工程、及び72℃40秒間の伸長工程からなる増幅サイクルを全40回行った。その後、72℃5分間の伸長工程を一回行った。増幅された断片をDNAシークエンス用の6%ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動を行った後、オートラジオグラフを行った。
図6は、配列番号23に示される5’13‐塩基数(mer)ランダム・プライマー H‐AP40及び配列番号24に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いてPCRを行った結果を示す図である。図1において、レーン1、2及び3は正常肝臓組織を示し、レーン4、5及び6は肝癌組織を示し、レーン7は、肝癌細胞株のHepG2を示している。図6によれば、250bp(GIG25遺伝子配列の全長の1201から1450までの塩基の位置)のcDNA断片が肝癌組織及び肝癌細胞株において発現しておらず、正常肝臓組織のみ差次的に発現していることが明らかになった。このcDNA断片をHP74と名づけた。
250bpのバンド、HP74断片を乾燥ゲルから除去し、15分間煮沸してcDNAを抽出した。そして、PCR反応を、上記条件と同じ条件下(ただし、[α‐35S]で標識されたdATP及び20μMのdNTPが用いられていないことは除く)において上記プライマーセットと同じプライマーセットを用いて行い、cDNAを再増幅した。再増幅されたcDNA断片FC74をTAクローニングシステム(プロメガ)を用いてpGEM‐T Easy発現ベクターにクローニングした。そして、シーケナーゼ・バージョン2.0、DNAシークエンスシステム(ユナイティッド・ステイツ・バイオケミカル・コーポレーション)を用いてシークエンスを行った。このDNAシークエンスをBLASTプログラム及びFASTAプログラムを用いて米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベース内を探索した。その結果、このDNA配列は、GenBankデータベースに受託番号BC0110530として寄託されているヒト・セリン(またはシステイン)プロテアーゼインヒビター・クレードA(アルファ‐1・アンチプロテアーゼ、アンチトリプシン)メンバー3(serine (or cysteine) proteinase inhibitor, clade A (alpha‐1 antiproteinase, antitrypsin), member 3)のDNA配列と異なっていた。
<1‐7.GIG36>
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常乳房組織、原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株において下記のように測定した。
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常乳房組織、原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株において下記のように測定した。
正常乳房組織試料を、乳房切除手術の間に乳癌の患者から取得した。また原発性乳癌組織試料を、外科治療をする前に放射線治療または抗癌治療を受けていない患者から根治的乳房切断手術の間に取得した。MCF‐7(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ATCC番号HTB‐22)をヒトの乳癌細胞株として用いた。本実験を、これらの組織及び細胞のそれぞれから全RNAを分離するために参考例と同じ方法で繰り返し行った。
RT‐PCR反応を、以下の発表「Liang, P. and Pardee, A. B., Science, 257, 967‐971 (1992);及び、Liang, P. et al., Cancer Res., 52, 6966‐6968 (1993)」に記載されている方法の修正方法に従って、組織及び細胞から分離された全RNA試料のそれぞれを用いて、以下のように行った。0.2μgの全RNAを、配列番号28に示されたアンカード・オリゴ‐dT・プライマーと一緒に、キット(RNAイメージキット、ジェンハンター)を用いて逆転写した。そして、PCR反応を、0.5mMの[α‐35S]で標識されたdATP(1,200Ci/mmol)の存在下において同じアンカード・オリゴ‐dT・プライマー及び配列番号27に示される5’13‐塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐AP29(RNAイメージプライマー・セット1、ジェンハンター・コーポレーション、アメリカ)を用いて、行った。PCR反応を、下記の条件にて行った。即ち、95℃40秒間の変性工程、40℃2分間のアニーリング工程、及び72℃40秒間の伸長工程からなる増幅サイクルを全40回行った。その後、72℃5分間の伸長工程を一回行った。増幅された断片をDNAシークエンス用の6%ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動を行った後、オートラジオグラフを行った。
図7は、配列番号27に示される5’13‐塩基数(mer)ランダム・プライマー H‐AP29及び配列番号28に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いてPCRを行った結果を示す図である。図1において、レーン1、2及び3は正常乳房組織を示し、レーン4、5及び6は乳癌細胞組織を示し、レーン7は、乳癌細胞株のMCF‐7を示している。図7によれば、182bp(GIG36遺伝子配列の全長の183から364までの塩基の位置)のcDNA断片が乳癌組織及び乳癌細胞株において発現しておらず、正常乳房組織のみ差次的に発現していることが明らかになった。このcDNA断片をFC5と名づけた。
182bpのバンド、FC5断片を乾燥ゲルから除去し、15分間煮沸してcDNAを抽出した。そして、PCR反応を、上記条件と同じ条件下(ただし、[α‐35S]で標識されたdATP及び20μMのdNTPが用いられていないことは除く)において上記プライマーセットと同じプライマーセットを用いて行い、cDNAを再増幅した。再増幅されたcDNA断片FC5をTAクローニングシステム(プロメガ)を用いてpGEM‐T Easy発現ベクターにクローニングした。そして、シーケナーゼ・バージョン2.0、DNAシークエンスシステム(ユナイティッド・ステイツ・バイオケミカル・コーポレーション)を用いてシークエンスを行った。このDNAシークエンスをBLASTプログラム及びFASTAプログラムを用いて米国国立衛生研究所(NIH)のGenBankデータベース内を探索した。その結果、このDNA配列は、GenBankデータベースにそれぞれ受託番号M58549及びBC005272として寄託されているマトリックスGlaタンパク質のDNA配列と同一であった。
<1‐8.GIG2>
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常肺組織、原発性肺癌組織、転移性肺癌組織、及び、肺癌細胞株において下記のように測定した。正常肺組織、肺癌組織、及び、転移性肺癌組織の試料を、肺癌の患者から手術の間に取得した。またA549(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ATCC番号CCL‐185)、及び、NCI‐H358(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ATCC番号CRL‐5807)をヒトの肺癌細胞株として用いた。本実験を、これらの組織及び細胞のそれぞれから全RNAを分離するために参考例と同じ方法で繰り返し行った。
興味のある遺伝子の差次的発現パターンを、正常肺組織、原発性肺癌組織、転移性肺癌組織、及び、肺癌細胞株において下記のように測定した。正常肺組織、肺癌組織、及び、転移性肺癌組織の試料を、肺癌の患者から手術の間に取得した。またA549(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ATCC番号CCL‐185)、及び、NCI‐H358(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ATCC番号CRL‐5807)をヒトの肺癌細胞株として用いた。本実験を、これらの組織及び細胞のそれぞれから全RNAを分離するために参考例と同じ方法で繰り返し行った。
RT‐PCR反応を、以下の発表「Liang, P. and Pardee, A. B., Science, 257, 967‐971 (1992);及び、Liang, P. et al., Cancer Res., 52, 6966‐6968 (1993)」に記載されている方法の修正方法に従って、組織及び細胞から分離された全RNA試料のそれぞれを用いて、以下のように行った。0.2μgの全RNAを、配列番号32に示されたアンカード・オリゴ‐dT・プライマーと一緒に、キット(RNAイメージキット、ジェンハンター)を用いて逆転写した。そして、PCR反応を、0.5mMの[α‐35S]で標識されたdATP(1,200Ci/mmol)の存在下において同じアンカード・オリゴ‐dT・プライマー及び配列番号31に示される5’13‐塩基数(mer)のランダム・プライマー H‐A32(RNAイメージプライマー・セット1、ジェンハンター・コーポレーション、アメリカ)を用いて、行った。PCR反応を、下記の条件にて行った。即ち、95℃40秒間の変性工程、40℃2分間のアニーリング工程、及び72℃40秒間の伸長工程からなる増幅サイクルを全40回行った。その後、72℃5分間の伸長工程を一回行った。増幅された断片をDNAシークエンス用の6%ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動を行った後、オートラジオグラフを行った。
図8は、配列番号31に示される5’13‐塩基数(mer)ランダム・プライマー H‐AP32及び配列番号32に示されるアンカード・オリゴ‐dT・プライマーを用いてPCRを行った結果を示す図である。図8において、レーン1、2及び3は正常肺組織を示し、レーン4、5及び6は肺癌組織を示し、レーン7は、肺癌細胞株のNCI‐H358を示している。図8によれば、240bp(GIG2遺伝子配列の全長の371から610までの塩基の位置)のcDNA断片が肺癌組織、転移性肺癌組織、及び、肺癌細胞株において発現しておらず、正常肺組織のみ差次的に発現していることが明らかになった。このcDNA断片をL933と名づけた。
240bpのバンド、L933断片を乾燥ゲルから除去し、15分間煮沸してcDNAを抽出した。そして、PCR反応を、上記条件と同じ条件下(ただし、[α‐35S]で標識されたdATP及び20μMのdNTPが用いられていないことは除く)において上記プライマーセットと同じプライマーセットを用いて行い、cDNAを再増幅した。再増幅されたcDNA断片L933をTAクローニングシステム(プロメガ)を用いてpGEM‐T Easy発現ベクターにクローニングした。そして、シーケナーゼ・バージョン2.0、DNAシークエンスシステム(ユナイティッド・ステイツ・バイオケミカル・コーポレーション)を用いてシークエンスを行った。
(実施例2:cDNAライブラリースクリーニング)
実施例1‐1において得られたFC26、実施例1‐2において得られたHP24、実施例1‐3において得られたHP48、実施例1‐4において得られたHP50、実施例1‐5において得られたHP59、実施例1‐6において得られたHP74、実施例1‐7において得られたFC5、及び、実施例1‐8において得られたL933の各cDNA断片を以下の発表「Feinberg, A.P. and Vogelstein, B., Anal. Biochem., 132, 6‐13 (1983)」に開示されている方法にしたがって標識し、32Pで標識されたcDNAが得られた。得られた32Pで標識されたcDNAを、以下の発表「Sambrook, J. et al., Molecular Cloning: A Laboratory mannual, New York: Cold Spring Harbor Laboratory (1989)」に記載されている方法に従って、バクテリオファージλgt11のヒトの肺の胚性線維芽細胞のcDNAライブラリー(Miki, T. et al., Gene, 83, 137‐146 (1989))に対して、プラークハイブリダイズさせた。その結果、ヒト癌抑制遺伝子GIG12,GIG17,GIG19,GIG20,GIG22,GIG25,GIG36及びGIG2の全長cDNAクローンがそれぞれ得られた。
実施例1‐1において得られたFC26、実施例1‐2において得られたHP24、実施例1‐3において得られたHP48、実施例1‐4において得られたHP50、実施例1‐5において得られたHP59、実施例1‐6において得られたHP74、実施例1‐7において得られたFC5、及び、実施例1‐8において得られたL933の各cDNA断片を以下の発表「Feinberg, A.P. and Vogelstein, B., Anal. Biochem., 132, 6‐13 (1983)」に開示されている方法にしたがって標識し、32Pで標識されたcDNAが得られた。得られた32Pで標識されたcDNAを、以下の発表「Sambrook, J. et al., Molecular Cloning: A Laboratory mannual, New York: Cold Spring Harbor Laboratory (1989)」に記載されている方法に従って、バクテリオファージλgt11のヒトの肺の胚性線維芽細胞のcDNAライブラリー(Miki, T. et al., Gene, 83, 137‐146 (1989))に対して、プラークハイブリダイズさせた。その結果、ヒト癌抑制遺伝子GIG12,GIG17,GIG19,GIG20,GIG22,GIG25,GIG36及びGIG2の全長cDNAクローンがそれぞれ得られた。
全長cDNAをシークエンスし、その結果、それらのDNA配列は、配列番号1に示される塩基配列(GIG12),配列番号5に示される塩基配列(GIG17),配列番号9に示される塩基配列(GIG19),配列番号13に示される塩基配列(GIG20),配列番号17に示される塩基配列(GIG22),配列番号21に示される塩基配列(GIG25),配列番号25に示される塩基配列(GIG36)及び配列番号29に示される塩基配列(GIG2)にそれぞれ一致した。
GIG12の塩基配列は、711アミノ酸配列をコードするオープン・リーディング・フレームを有しており、このオープン・リーディング・フレームに由来するアミノ酸配列は、配列番号2に示されるアミノ酸配列と一致する。生成したタンパク質の分子量は、およそ78kDaでもある。
GIG17の塩基配列は、388アミノ酸配列をコードするオープン・リーディング・フレームを有しており、このオープン・リーディング・フレームに由来するアミノ酸配列は、配列番号6に示されるアミノ酸配列と一致する。生成したタンパク質の分子量は、およそ37kDaでもある。
GIG19の塩基配列は、352アミノ酸配列をコードするオープン・リーディング・フレームを有しており、このオープン・リーディング・フレームに由来するアミノ酸配列は、配列番号10に示されるアミノ酸配列と一致する。生成したタンパク質の分子量は、およそ39kDaでもある。
GIG20の塩基配列は、417アミノ酸配列をコードするオープン・リーディング・フレームを有しており、このオープン・リーディング・フレームに由来するアミノ酸配列は、配列番号14に示されるアミノ酸配列と一致する。生成したタンパク質の分子量は、およそ47kDaでもある。
GIG22の塩基配列は、150アミノ酸配列をコードするオープン・リーディング・フレームを有しており、このオープン・リーディング・フレームに由来するアミノ酸配列は、配列番号18に示されるアミノ酸配列と一致する。生成したタンパク質の分子量は、およそ16kDaでもある。
GIG25の塩基配列は、287アミノ酸配列をコードするオープン・リーディング・フレームを有しており、このオープン・リーディング・フレームに由来するアミノ酸配列は、配列番号22に示されるアミノ酸配列と一致する。生成したタンパク質の分子量は、およそ33kDaでもある。
GIG36の塩基配列は、103アミノ酸配列をコードするオープン・リーディング・フレームを有しており、このオープン・リーディング・フレームに由来するアミノ酸配列は、配列番号26に示されるアミノ酸配列と一致する。生成したタンパク質の分子量は、およそ12kDaでもある。
GIG2の塩基配列は、228アミノ酸配列をコードするオープン・リーディング・フレームを有しており、このオープン・リーディング・フレームに由来するアミノ酸配列は、配列番号30に示されるアミノ酸配列と一致する。生成したタンパク質の分子量は、およそ25kDaでもある。
得られたGIGの各全長cDNAクローンを真核生物発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン、アメリカ)に挿入して真核生物発現ベクターを得た。そして、得られた真核生物発現ベクターを用いてエシェリキア・コリDH5αを形質転換して、形質転換体を得た。GIG12に関する得られた形質転換体をE.coli DH5α/GIG12/pcDNA3.1と名づけて、受託番号KCTC 10642BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズに2004年5月24日に寄託した。GIG17に関する得られた形質転換体をE.coli DH5α/GIG17/pcDNA3.1と名づけて、受託番号KCTC 10655BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズに2004年6月14日に寄託した。GIG19に関する得られた形質転換体をE.coli DH5α/GIG19/pcDNA3.1と名づけて、受託番号KCTC 10656BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズに2004年6月14日に寄託した。GIG20に関する得られた形質転換体をE.coli DH5α/GIG20/pcDNA3.1と名づけて、受託番号KCTC 10657BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズに2004年6月14日に寄託した。GIG22に関する得られた形質転換体をE.coli DH5α/GIG22/pcDNA3.1と名づけて、受託番号KCTC 10658BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズに2004年6月14日に寄託した。GIG25に関する得られた形質転換体をE.coli DH5α/GIG25/pcDNA3.1と名づけて、受託番号KCTC 10659BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズに2004年6月14日に寄託した。GIG36に関する得られた形質転換体をE.coli DH5α/GIG36/pcDNA3.1と名づけて、受託番号KCTC 10643BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズに2004年5月24日に寄託した。全長のGIG2cDNAクローンを真核生物発現ベクターpcDNA3.1 (インビトロジェン、アメリカ)に挿入した。そして、得られた真核生物発現ベクターによってエシェリキア・コリDH5αを形質転換した。得られた形質転換体をE.coli DH5α/GIG2/pcDNA3.1と名づけて、受託番号KCTC 10641BPとして韓国コレクション・フォー・タイプ・カルチァーズに2004年5月31日に寄託した。
形質転換されたE.coli株をLB培養液において培養し、0.2M L‐アラビノース(シグマ、アメリカ)を培養液に添加した。そして、37℃で3時間反応させてGIG36遺伝子を発現させた。タンパク質試料を得られた培養液から取得して、得られたタンパク質試料を用いてSDS‐PAGEを、以下の発表「Sambrook, J. et al., Molecular Cloning: A Laboratory mannual, New York: Cold Spring Harbor Laboratory (1989)」に記載されている方法に従って、行った。
図9、10、11、12、13、14、15及び16は、GIG12、GIG17、GIG19、GIG20、GIG22、GIG25、GIG36及びGIG2のそれぞれの遺伝子生産物をSDS‐PAGEによって分析した結果を示す図である。図2において、レーン1は、IPTGによる誘導を行う前のタンパク質試料を示し、レーン2は、GIG遺伝子の発現がIPTGによって誘導された後のタンパク質試料を示している。図2に示されるように、発現したGIG12タンパク質の分子量はおよそ78kDaであり、この分子量はGIG12のDNA配列に由来する分子量に一致する。また、発現したGIG17タンパク質の分子量はおよそ37kDaであり、この分子量はGIG17のDNA配列に由来する分子量に一致する。また、発現したGIG19タンパク質の分子量はおよそ39kDaであり、この分子量はGIG19のDNA配列に由来する分子量に一致する。また、発現したGIG20タンパク質の分子量はおよそ47kDaであり、この分子量はGIG20のDNA配列に由来する分子量に一致する。また、発現したGIG22タンパク質の分子量はおよそ16kDaであり、この分子量はGIG22のDNA配列に由来する分子量に一致する。また、発現したGIG25タンパク質の分子量はおよそ33kDaであり、この分子量はGIG25のDNA配列に由来する分子量に一致する。また、発現したGIG36タンパク質の分子量はおよそ12kDaであり、この分子量はGIG36のDNA配列に由来する分子量に一致する。また、発現したGIG2タンパク質の分子量はおよそ25kDaであり、この分子量はGIG2のDNA配列に由来する分子量に一致する。
(実施例3:GIG遺伝子のノーザンブロッティング)
<3‐1.GIG12遺伝子のノーザンブロッティング>
GIG12遺伝の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
<3‐1.GIG12遺伝子のノーザンブロッティング>
GIG12遺伝の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
実施例1に記載されている、3つの正常乳房組織、3つの原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株MCF‐7から得られた全RNA試料を各20μgずつ変性させて、1%ホルムアルデヒドアガロースゲルの中を電気泳動させた。そして得られたアガロースゲルをナイロンメンブレン(ボエフリンガー・マンヘイン(Boehringer‐Mannheim)、ドイツ)に転写した。それから、ナイロンメンブレンを、32Pによって標識されたランダムプライムプローブと一緒に一晩42℃でハイブリダイズさせた。なお、32Pによって標識されたランダムプライムプローブは、リジプライムII・ランダムプライム標識システム(Rediprime II random prime labelling system)(アマシャム、イギリス)を用いてGIG12cDNA全長の部分配列であるFC26cDNA配列から調製された。ノーザンブロッティングの手法を2回繰り返し行った。一回目は、濃度計(デンシトメーター)を用いて定量を行った。もう一回は、全mRNAを決定するためにβ‐アクチンのプローブを用いてハイブリダイズを行った。
図17(a)は、GIG12遺伝子が、正常乳房組織、原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。図17(b)は、β‐アクチンのプローブを用いて同じブロットをハイブリダイズすることにより得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図17(a)、(b)に示されるように、GIG12遺伝子の発現レベルが、3つの正常乳房組織試料の全てにおいて高度に検出された。しかし、正常組織におけるGIG12遺伝子の発現レベルよりも3つの乳癌組織試料におけるGIG12遺伝子の発現レベルの方が、顕著に低かった。また、1つの乳癌細胞株試料においてGIG12遺伝子の発現レベルは、検出されなかった。
ノーザンブロッティングを、正常ヒト多数組織(normal human multiple tissue)(クロンテック)及びヒト癌細胞株(human cancer cell line)(クロンテック)を用いて行った。すなわち、ノーザンブロッティングを、正常組織及び癌細胞株から抽出された全RNA試料のそれぞれが、上述した方法と同じ方法によって転写されているブロットをハイブリダイズすることによって行った。なお、上記ブロットは、クロンテック(アメリカ)社から市販されている。ここで、上記正常組織は、例えば、脳、心臓、骨格筋、大腸、胸腺、脾臓、腎臓、肝臓、小腸、胎盤、肺、及び抹消血白血球からなる群より選ばれる。また、上記癌細胞株は、例えば、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞からなる群より選ばれる。
図25(a)は、GIG12遺伝子が、様々な正常組織において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図25(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図25(a)に示されるように、およそ2.4kbのサイズを有する主要なGIG12mRNA転写産物が、肺、胸腺、肝臓、骨格筋、腎臓、脾臓、心臓、胎盤、及び抹消血のような正常組織において過剰発現していた。
図33(a)は、GIG12遺伝子が様々な癌細胞株において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図33(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図33(a)に示されるように、GIG12遺伝子は、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞のような組織には発現していなかった。その結果、本発明のGIG12遺伝子に、乳房、肺、胸腺、肝臓、骨格筋、腎臓、脾臓、心臓、胎盤及び抹消血のような正常組織において癌を抑制する機能があることが明らかになった。
<3‐2.GIG17遺伝子のノーザンブロッティング>
GIG17遺伝子の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
GIG17遺伝子の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
実施例1に記載されている、3つの正常肝臓組織、3つの原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株HepG2から得られた全RNA試料を各20μgずつ変性させて、1%ホルムアルデヒドアガロースゲルの中を電気泳動させた。そして得られたアガロースゲルをナイロンメンブレン(ボエフリンガー・マンヘイン、ドイツ)に転写した。それから、ナイロンメンブレンを、32Pによって標識されたランダムプライムプローブと一緒に一晩42℃でハイブリダイズさせた。なお、32Pによって標識されたランダムプライムプローブは、リジプライムII・ランダムプライム標識システム(アマシャム、イギリス)を用いてGIG17cDNA全長から調製された。ノーザンブロッティングの手法を2回繰り返し行った。一回目は、濃度計(デンシトメーター)を用いて定量を行った。もう一回は、全mRNAを決定するためにβ‐アクチンのプローブを用いてハイブリダイズを行った。
図18(a)は、GIG17遺伝子が正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において差次的に発現しているノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図18(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図18(a)及び(b)に示されるように、GIG17遺伝子の発現レベルが、3つの正常肝臓組織試料の全てにおいて高度に検出された。しかし、正常組織におけるGIG17遺伝子の発現レベルよりも3つの肝癌組織試料におけるGIG17遺伝子の発現レベルの方が、顕著に低かった。また、1つの肝癌細胞株試料においてGIG17遺伝子の発現レベルは、検出されなかった。
ノーザンブロッティングを、正常ヒト多数組織(normal human multiple tissue)(クロンテック)及びヒト癌細胞株(human cancer cell line)(クロンテック)を用いて行った。すなわち、ノーザンブロッティングを、正常組織及び癌細胞株から抽出された全RNA試料のそれぞれが、上述した方法と同じ方法によって転写されているブロットをハイブリダイズすることによって行った。なお、上記ブロットは、クロンテック(アメリカ)社から市販されている。ここで、上記正常組織は、例えば、脳、心臓、骨格筋、大腸、胸腺、脾臓、腎臓、肝臓、小腸、胎盤、肺、及び抹消血白血球からなる群より選ばれる。また、上記癌細胞株は、例えば、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞からなる群より選ばれる。
図26(a)は、GIG17遺伝子が、様々な正常組織において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図26(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図26(a)に示されるように、およそ1.7kbのサイズを有する主要なGIG17mRNA転写産物が、肝臓、腎臓、脾臓、及び肺のような正常組織において過剰発現していた。
図34(a)は、GIG17遺伝子が様々な癌細胞株において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図34(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図34(a)に示されるように、GIG17遺伝子は、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞のような組織には発現していなかった。その結果、本発明のGIG17遺伝子に、肝臓、腎臓、脾臓、及び肺のような正常組織において癌を抑制する機能があることが明らかになった。また、GIG17遺伝子の発現が発癌を誘導するために白血病、子宮癌、悪性リンパ腫、大腸癌、皮膚癌などの組織において抑制されていることを考慮すれば、本発明のGIG17遺伝子に癌を抑制する機能があることが明らかになった。
<3‐3.GIG19遺伝子のノーザンブロッティング>
GIG19遺伝子の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
GIG19遺伝子の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
実施例1に記載されている、3つの正常肝臓組織、3つの原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株HepG2から得られた全RNA試料を各20μgずつ変性させて、1%ホルムアルデヒドアガロースゲルの中を電気泳動させた。そして得られたアガロースゲルをナイロンメンブレン(ボエフリンガー・マンヘイン、ドイツ)に転写した。それから、ナイロンメンブレンを、リジプライムII・ランダムプライム標識システム(アマシャム、イギリス)を用いてHP48 cDNAから調製された32Pによって標識されたランダムプライムプローブと一緒に一晩42℃でハイブリダイズさせた。なお、32Pによって標識されたランダムプライムプローブは、リジプライムII・ランダムプライム標識システム(アマシャム、イギリス)を用いてHP48 cDNAから調製された。ノーザンブロッティングの手法を2回繰り返し行った。一回目は、濃度計(デンシトメーター)を用いて定量を行った。もう一回は、全mRNAを決定するためにβ‐アクチンのプローブを用いてハイブリダイズを行った。
図19(a)は、GIG19遺伝子が正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において差次的に発現しているノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図19(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図19(a)及び(b)に示されるように、GIG19遺伝子の発現レベルが、3つの正常肝臓組織試料の全てにおいて高度に検出された。しかし、GIG19遺伝子の発現レベルは、3つの肝癌組織試料及び1つの肝癌細胞株試料において検出されなかった。
ノーザンブロッティングを、正常ヒト多数組織(normal human multiple tissue)(クロンテック)及びヒト癌細胞株(human cancer cell line)(クロンテック)を用いて行った。すなわち、ノーザンブロッティングを、正常組織及び癌細胞株から抽出された全RNA試料のそれぞれが、上述した方法と同じ方法によって転写されているブロットをハイブリダイズすることによって行った。なお、上記ブロットは、クロンテック(アメリカ)社から市販されている。ここで、上記正常組織は、例えば、脳、心臓、骨格筋、大腸、胸腺、脾臓、腎臓、肝臓、小腸、胎盤、肺、及び抹消血白血球からなる群より選ばれる。また、上記癌細胞株は、例えば、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞からなる群より選ばれる。
図27(a)は、GIG19遺伝子が、様々な正常組織において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図27(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図27(a)に示されるように、およそ1.2kbのサイズを有する主要なGIG19mRNA転写産物が、正常肝臓組織においてのみ過剰発現していた。
図35(a)は、GIG19遺伝子が様々な癌細胞株において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図35(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図35(a)に示されるように、GIG19遺伝子は、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞のような組織には発現していなかった。その結果、本発明のGIG19遺伝子に、正常肝臓組織において癌を抑制する機能があることが明らかになった。
<3‐4.GIG20遺伝子のノーザンブロッティング>
GIG20遺伝子の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
GIG20遺伝子の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
実施例1に記載されている、3つの正常肝臓組織、3つの原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株HepG2から得られた全RNA試料を各20μgずつ変性させて、1%ホルムアルデヒドアガロースゲルの中を電気泳動させた。そして得られたアガロースゲルをナイロンメンブレン(ボエフリンガー・マンヘイン、ドイツ)に転写した。それから、ナイロンメンブレンを、32Pによって標識されたランダムプライムプローブと一緒に一晩42℃でハイブリダイズさせた。なお、32Pによって標識されたランダムプライムプローブは、リジプライムII・ランダムプライム標識システム(アマシャム、イギリス)を用いてHP50cDNAから調製された。ノーザンブロッティングの手法を2回繰り返し行った。一回目は、濃度計(デンシトメーター)を用いて定量を行った。もう一回は、全mRNAを決定するためにβ‐アクチンのプローブを用いてハイブリダイズを行った。
図20(a)は、GIG20遺伝子が正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において差次的に発現しているノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図20(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図20(a)及び(b)に示されるように、GIG20遺伝子の発現レベルが、3つの正常肝臓組織試料の全てにおいて高度に検出された。しかし、GIG20遺伝子の発現レベルは、3つの肝癌組織試料及び1つの肝癌細胞株試料において検出されなかった。
ノーザンブロッティングを、正常ヒト多数組織(normal human multiple tissue)(クロンテック)及びヒト癌細胞株(human cancer cell line)(クロンテック)を用いて行った。すなわち、ノーザンブロッティングを、正常組織及び癌細胞株から抽出された全RNA試料のそれぞれが、上述した方法と同じ方法によって転写されているブロットをハイブリダイズすることによって行った。なお、上記ブロットは、クロンテック(アメリカ)社から市販されている。ここで、上記正常組織は、例えば、脳、心臓、骨格筋、大腸、胸腺、脾臓、腎臓、肝臓、小腸、胎盤、肺、及び抹消血白血球からなる群より選ばれる。また、上記癌細胞株は、例えば、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞からなる群より選ばれる。
図28(a)は、GIG20遺伝子が、様々な正常組織において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図28(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図28(a)に示されるように、およそ2.4kbのサイズを有する主要なGIG20mRNA転写産物が、正常肝臓組織においてのみ過剰発現していた。
図36(a)は、GIG20遺伝子が様々な癌細胞株において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図36(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図36(a)に示されるように、GIG20遺伝子は、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞のような組織には発現していなかった。その結果、本発明のGIG20遺伝子に、正常肝臓組織において癌を抑制する機能があることが明らかになった。
<3‐5.GIG22遺伝子のノーザンブロッティング>
GIG22遺伝子の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
GIG22遺伝子の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
実施例1に記載されている、3つの正常肝臓組織、3つの原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株HepG2から得られた全RNA試料を各20μgずつ変性させて、1%ホルムアルデヒドアガロースゲルの中を電気泳動させた。そして得られたアガロースゲルをナイロンメンブレン(ボエフリンガー・マンヘイン、ドイツ)に転写した。それから、ナイロンメンブレンを、32Pによって標識されたランダムプライムプローブと一緒に一晩42℃でハイブリダイズさせた。なお、32Pによって標識されたランダムプライムプローブは、リジプライムII・ランダムプライム標識システム(アマシャム、イギリス)を用いてGIG22cDNA全長から調製された。ノーザンブロッティングの手法を2回繰り返し行った。一回目は、濃度計(デンシトメーター)を用いて定量を行った。もう一回は、全mRNAを決定するためにβ‐アクチンのプローブを用いてハイブリダイズを行った。
図21(a)は、GIG22遺伝子が正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において差次的に発現しているノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図21(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図21(a)及び(b)に示されるように、GIG22遺伝子の発現レベルが、3つの正常肝臓組織試料の全てにおいて高度に検出された。しかし、正常組織におけるGIG22遺伝子の発現レベルよりも3つの肝癌組織試料におけるGIG22遺伝子の発現レベルの方が、顕著に低かった。また、1つの肝癌細胞株試料においてGIG22遺伝子の発現レベルは、検出されなかった。
ノーザンブロッティングを、正常ヒト多数組織(normal human multiple tissue)(クロンテック)及びヒト癌細胞株(human cancer cell line)(クロンテック)を用いて行った。すなわち、ノーザンブロッティングを、正常組織及び癌細胞株から抽出された全RNA試料のそれぞれが、上述した方法と同じ方法によって転写されているブロットをハイブリダイズすることによって行った。なお、上記ブロットは、クロンテック(アメリカ)社から市販されている。ここで、上記正常組織は、例えば、脳、心臓、骨格筋、大腸、胸腺、脾臓、腎臓、肝臓、小腸、胎盤、肺、及び抹消血白血球からなる群より選ばれる。また、上記癌細胞株は、例えば、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞からなる群より選ばれる。
図29(a)は、GIG22遺伝子が、様々な正常組織において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図29(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図29(a)に示されるように、およそ0.6kbのサイズを有する主要なGIG22mRNA転写産物が、心臓、筋肉、肝臓、腎臓、胎盤、脾臓、肺、小腸、大腸、胸腺、及び白血球のような正常組織において過剰発現していた。
図37(a)は、GIG22遺伝子が様々な癌細胞株において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図37(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図37(a)に示されるように、GIG22遺伝子は、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞のような組織には発現していなかった。その結果、本発明のGIG22遺伝子に、心臓、筋肉、肝臓、腎臓、胎盤、脾臓、肺、小腸、大腸、胸腺、及び白血球のような正常組織において癌を抑制する機能があることが明らかになった。また、GIG22遺伝子の発現が発癌を誘導するために白血病、子宮癌、悪性リンパ腫、大腸癌、肺癌、皮膚癌などの組織において抑制されていることを考慮すれば、本発明のGIG22遺伝子に癌を抑制する機能があることが明らかになった。
<3‐6.GIG25遺伝子のノーザンブロッティング>
GIG25遺伝子の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
GIG25遺伝子の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
実施例1に記載されている、3つの正常肝臓組織、3つの原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株HepG2から得られた全RNA試料を各20μgずつ変性させて、1%ホルムアルデヒドアガロースゲルの中を電気泳動させた。そして得られたアガロースゲルをナイロンメンブレン(ボエフリンガー・マンヘイン、ドイツ)に転写した。それから、ナイロンメンブレンを、32Pによって標識されたランダムプライムプローブと一緒に一晩42℃でハイブリダイズさせた。なお、32Pによって標識されたランダムプライムプローブは、リジプライムII・ランダムプライム標識システム(アマシャム、イギリス)を用いてHP74 cDNAから調製された。ノーザンブロッティングの手法を2回繰り返し行った。一回目は、濃度計(デンシトメーター)を用いて定量を行った。もう一回は、全mRNAを決定するためにβ‐アクチンのプローブを用いてハイブリダイズを行った。
図22(a)は、GIG25遺伝子が正常肝臓組織、原発性肝癌組織、及び肝癌細胞株において差次的に発現しているノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図22(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図22(a)及び(b)に示されるように、GIG25遺伝子の発現レベルが、3つの正常肝臓組織試料の全てにおいて高度に検出された。しかし、GIG25遺伝子の発現レベルは、3つの肝癌組織試料、及び1つの肝癌細胞株試料においてGIG25遺伝子の発現レベルは、検出されなかった。
ノーザンブロッティングを、正常ヒト多数組織(normal human multiple tissue)(クロンテック)及びヒト癌細胞株(human cancer cell line)(クロンテック)を用いて行った。すなわち、ノーザンブロッティングを、正常組織及び癌細胞株から抽出された全RNA試料のそれぞれが、上述した方法と同じ方法によって転写されているブロットをハイブリダイズすることによって行った。なお、上記ブロットは、クロンテック(アメリカ)社から市販されている。ここで、上記正常組織は、例えば、脳、心臓、骨格筋、大腸、胸腺、脾臓、腎臓、肝臓、小腸、胎盤、肺、及び抹消血白血球からなる群より選ばれる。また、上記癌細胞株は、例えば、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞からなる群より選ばれる。
図30(a)は、GIG25遺伝子が、様々な正常組織において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図30(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図30(a)に示されるように、およそ1.5kbのサイズを有する主要なGIG25mRNA転写産物が、正常肝臓組織のみにおいて過剰発現していた。
図38(a)は、GIG25遺伝子が様々な癌細胞株において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図38(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図38(a)に示されるように、GIG25遺伝子は、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞のような組織には発現していなかった。その結果、本発明のGIG25遺伝子に、正常肝臓組織において癌を抑制する機能があることが明らかになった。
<3‐7.GIG36遺伝子のノーザンブロッティング>
GIG36遺伝子の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
GIG36遺伝子の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
実施例1に記載されている、3つの正常乳房組織、3つの原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株MCF‐7から得られた全RNA試料を各20μgずつ変性させて、1%ホルムアルデヒドアガロースゲルの中を電気泳動させた。そして得られたアガロースゲルをナイロンメンブレン(ボエフリンガー・マンヘイン、ドイツ)に転写した。それから、ナイロンメンブレンを、32Pによって標識されたランダムプライムプローブと一緒に一晩42℃でハイブリダイズさせた。なお、32Pによって標識されたランダムプライムプローブは、リジプライムII・ランダムプライム標識システム(アマシャム、イギリス)を用いてGIG36cDNA全長から調製された。ノーザンブロッティングの手法を2回繰り返し行った。一回目は、濃度計(デンシトメーター)を用いて定量を行った。もう一回は、全mRNAを決定するためにβ‐アクチンのプローブを用いてハイブリダイズを行った。
図23(a)は、GIG36遺伝子が正常乳房組織、原発性乳癌組織、及び乳癌細胞株において差次的に発現しているノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図23(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図23(a)及び(b)に示されるように、GIG36遺伝子の発現レベルが、3つの正常乳房組織試料の全てにおいて高度に検出された。しかし、正常組織におけるGIG36遺伝子の発現レベルよりも3つの乳癌組織試料におけるGIG36遺伝子の発現レベルの方が、顕著に低かった。また、1つの乳癌細胞株試料においてGIG36遺伝子の発現レベルは、検出されなかった。
ノーザンブロッティングを、正常ヒト多数組織(normal human multiple tissue)(クロンテック)及びヒト癌細胞株(human cancer cell line)(クロンテック)を用いて行った。すなわち、ノーザンブロッティングを、正常組織及び癌細胞株から抽出された全RNA試料のそれぞれが、上述した方法と同じ方法によって転写されているブロットをハイブリダイズすることによって行った。なお、上記ブロットは、クロンテック(アメリカ)社から市販されている。ここで、上記正常組織は、例えば、脳、心臓、骨格筋、大腸、胸腺、脾臓、腎臓、肝臓、小腸、胎盤、肺、及び抹消血白血球からなる群より選ばれる。また、上記癌細胞株は、例えば、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞からなる群より選ばれる。
図31(a)は、GIG36遺伝子が、様々な正常組織において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図31(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図31(a)に示されるように、およそ0.4kbのサイズを有する主要なGIG36mRNA転写産物が、心臓、骨格筋、腎臓、肺、小腸、大腸、肝臓、胎盤、胸腺、及び脾臓のような正常組織において過剰発現していた。
図39(a)は、GIG36遺伝子が様々な癌細胞株において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図39(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図39(a)に示されるように、GIG36遺伝子は、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞のような組織には発現していなかった。その結果、本発明のGIG25遺伝子に、乳房、心臓、骨格筋、腎臓、肺、小腸、大腸、肝臓、胎盤、胸腺、及び脾臓のような正常組織において癌を抑制する機能があることが明らかになった。
<3‐8.GIG2遺伝子のノーザンブロッティング>
GIG2遺伝子の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
GIG2遺伝子の発現レベルを評価するために、下記のようなノーザンブロッティングを行った。
実施例1‐8に記載されている、3つの正常肺組織、2つの原発性肺癌組織、2つの転移性肺癌組織、及び、肺癌細胞株(A549及びNCI‐H358)から得られた全RNA試料を各20μgずつ変性させて、1%ホルムアルデヒドアガロースゲルの中を電気泳動させた。そして得られたアガロースゲルをナイロンメンブレン(ボエフリンガー・マンヘイン、ドイツ)に転写した。それから、ナイロンメンブレンを、32Pによって標識されたランダムプライムプローブと一緒に一晩42℃でハイブリダイズさせた。なお、32Pによって標識されたランダムプライムプローブは、リジプライムII・ランダムプライム標識システム(アマシャム、イギリス)を用いてGIG2cDNA全長から調製された。ノーザンブロッティングの手法を2回繰り返し行った。一回目は、濃度計(デンシトメーター)を用いて定量を行った。もう一回は、全mRNAを決定するためにβ‐アクチンのプローブを用いてハイブリダイズを行った。
図24(a)は、GIG2遺伝子が正常肺組織、原発性肺癌組織、転移性肺癌組織、及び肺癌細胞株において差次的に発現しているノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図24(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図24(a)及び(b)に示されるように、GIG2遺伝子の発現レベルが、3つの正常肺組織試料の全てにおいて高度に検出された。しかし、2つの原発性肺癌組織、2つの転移性肺癌組織、及び2つの肺癌細胞株においてGIG2遺伝子の発現レベルは、検出されなかった。
ノーザンブロッティングを、正常ヒト多数組織(normal human multiple tissue)(クロンテック)及びヒト癌細胞株(human cancer cell line)(クロンテック)を用いて行った。すなわち、ノーザンブロッティングを、正常組織及び癌細胞株から抽出された全RNA試料のそれぞれが、上述した方法と同じ方法によって転写されているブロットをハイブリダイズすることによって行った。なお、上記ブロットは、クロンテック(アメリカ)社から市販されている。ここで、上記正常組織は、例えば、脳、心臓、骨格筋、大腸、胸腺、脾臓、腎臓、肝臓、小腸、胎盤、肺、及び抹消血白血球からなる群より選ばれる。また、上記癌細胞株は、例えば、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞からなる群より選ばれる。
図32(a)は、GIG2遺伝子が、様々な正常組織において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図32(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図32(a)に示されるように、およそ1.3kbのサイズを有する主要なGIG2mRNA転写産物が、脳、心臓、骨格筋、大腸、胸腺、脾臓、腎臓、肝臓、小腸、胎盤、肺及び抹消血白血球のような正常組織において非常に高度に過剰発現していた。
図40(a)は、GIG2遺伝子が様々な癌細胞株において差次的に発現しているというノーザンブロッティングの結果を示す図である。また、図40(b)は、同じブロットをβ‐アクチンのプローブと一緒にハイブリダイズすることによって得られたノーザンブロッティングの結果を示す図である。図40(a)に示されるように、GIG2遺伝子は、前骨髄球性白血病のHL‐60、HeLa子宮頚癌細胞、慢性骨髄性白血病細胞株のK‐562、リンパ芽球性白血病のMOLT‐4、バーキットリンパ腫(Raji)、SW480大腸癌細胞、A549肺癌細胞、及びG361メラノーマ細胞のような組織には発現していなかった。その結果、本発明のGIG2遺伝子に、脳、心臓、骨格筋、大腸、胸腺、脾臓、腎臓、肝臓、小腸、胎盤、肺及び抹消血白血球のような正常組織において癌を抑制する機能があることが明らかになった。また、GIG2遺伝子の発現が発癌を誘導するために子宮癌、慢性白血病、大腸癌、肺癌、皮膚癌などの組織において抑制されていることを考慮すれば、本発明のGIG2遺伝子に癌を抑制する機能があることが明らかになった。
(実施例4:発現ベクターのコンストラクション及びトランスフェクション)
<4‐1.GIG12及びGIG36>
GIG12またはGIG36遺伝子のどちらか一方のコード領域を含む発現ベクターを下記のようにしてコンストラクトした。最初に、実施例2において調製されたGIG12またはGIG36cDNAクローンの全長を真核生物発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン、アメリカ)に挿入して、発現ベクターpcDNA3.1/GIG12及びpcDNA3.1/GIG36をそれぞれ取得した。各発現ベクターをMCF‐7乳癌細胞株にリポフェクタミン(ギブコ BRL)を用いてトランスフェクトした。それから、0.6mg/mlのG418(ギブコ)を含むDMEM培地において培養してトランスフェクトされた細胞を選択した。このとき、GIG12cDNAを持っていない発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたMCF‐7細胞を対照群として用いた。
<4‐1.GIG12及びGIG36>
GIG12またはGIG36遺伝子のどちらか一方のコード領域を含む発現ベクターを下記のようにしてコンストラクトした。最初に、実施例2において調製されたGIG12またはGIG36cDNAクローンの全長を真核生物発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン、アメリカ)に挿入して、発現ベクターpcDNA3.1/GIG12及びpcDNA3.1/GIG36をそれぞれ取得した。各発現ベクターをMCF‐7乳癌細胞株にリポフェクタミン(ギブコ BRL)を用いてトランスフェクトした。それから、0.6mg/mlのG418(ギブコ)を含むDMEM培地において培養してトランスフェクトされた細胞を選択した。このとき、GIG12cDNAを持っていない発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたMCF‐7細胞を対照群として用いた。
<4‐2.GIG17、GIG19、GIG20、GIG22及びGIG25遺伝子の群>
上記のGIG遺伝子群には属していないGIG12及びGIG36遺伝子を除いたGIG遺伝子のコード領域をそれぞれ含む発現ベクターを下記のようにコンストラクトした。最初に、実施例2において調製されたGIGcDNAクローン全長をそれぞれ真核生物発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン、アメリカ)に挿入して、発現ベクターpcDNA3.1/GIG17、pcDNA3.1/GIG19、pcDNA3.1/GIG20、pcDNA3.1/GIG22、及びpcDNA3.1/GIG25をそれぞれ取得した。各発現ベクターをHepG2肝癌細胞株にリポフェクタミン(ギブコ BRL)を用いてトランスフェクトした。それから、0.6mg/mlのG418(ギブコ)を含むDMEM培地において培養してトランスフェクトされた細胞を選択した。このとき、各GIGcDNAを持っていない発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたHepG2細胞を対照群として用いた。
上記のGIG遺伝子群には属していないGIG12及びGIG36遺伝子を除いたGIG遺伝子のコード領域をそれぞれ含む発現ベクターを下記のようにコンストラクトした。最初に、実施例2において調製されたGIGcDNAクローン全長をそれぞれ真核生物発現ベクターpcDNA3.1(インビトロジェン、アメリカ)に挿入して、発現ベクターpcDNA3.1/GIG17、pcDNA3.1/GIG19、pcDNA3.1/GIG20、pcDNA3.1/GIG22、及びpcDNA3.1/GIG25をそれぞれ取得した。各発現ベクターをHepG2肝癌細胞株にリポフェクタミン(ギブコ BRL)を用いてトランスフェクトした。それから、0.6mg/mlのG418(ギブコ)を含むDMEM培地において培養してトランスフェクトされた細胞を選択した。このとき、各GIGcDNAを持っていない発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたHepG2細胞を対照群として用いた。
<4‐3.GIG2>
GIG2のコード領域を含む発現ベクターを下記のようにしてコンストラクトした。最初に、実施例2において調製されたGIG2cDNAクローン全長を真核生物発現ベクターpcDNA3.1(インイトロジェン、アメリカ)に挿入して、発現ベクターpcDNA3.1/GIG2を取得した。発現ベクターをA549肺癌細胞株にリポフェクタミン(ギブコ BRL)を用いてトランスフェクトした。それから、0.6mg/mlのG418(ギブコ)を含むDMEM培地において培養してトランスフェクトされた細胞を選択した。このとき、GIG2cDNAを持っていない発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたA549細胞を対照群として用いた。
GIG2のコード領域を含む発現ベクターを下記のようにしてコンストラクトした。最初に、実施例2において調製されたGIG2cDNAクローン全長を真核生物発現ベクターpcDNA3.1(インイトロジェン、アメリカ)に挿入して、発現ベクターpcDNA3.1/GIG2を取得した。発現ベクターをA549肺癌細胞株にリポフェクタミン(ギブコ BRL)を用いてトランスフェクトした。それから、0.6mg/mlのG418(ギブコ)を含むDMEM培地において培養してトランスフェクトされた細胞を選択した。このとき、GIG2cDNAを持っていない発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたA549細胞を対照群として用いた。
(実施例5)
<5‐1.GIG12遺伝子によってトランスフェクトされた乳癌細胞の増殖曲線>
GIG12遺伝子の乳癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型MCF‐7細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG12によってトランスフェクトされたMCF‐7乳癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたMCF‐7細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
<5‐1.GIG12遺伝子によってトランスフェクトされた乳癌細胞の増殖曲線>
GIG12遺伝子の乳癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型MCF‐7細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG12によってトランスフェクトされたMCF‐7乳癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたMCF‐7細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
図41は、野生型MCF‐7細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG12によってトランスフェクトされたMCF‐7乳癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたMCF‐7細胞の増殖曲線を示す図である。図41に示されるように、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたMCF‐7細胞、及び野生型MCF‐7細胞の死亡率と比較して、ベクターpcDNA3.1/GIG12によってトランスフェクトされたMCF‐7乳癌細胞の死亡率は高かった。9日間インキュベーションした後、野生型MCF‐7細胞と比較すると、ベクターpcDNA3.1/GIG12によってトランスフェクトされたMCF‐7乳癌細胞の50%だけが、生存していた。この結果から、GIG12遺伝子は、乳癌細胞の増殖を抑制したと考えてもよい。
<5‐2.GIG17遺伝子によってトランスフェクトされた肝癌細胞の増殖曲線>
GIG17遺伝子の肝癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG17によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
GIG17遺伝子の肝癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG17によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
図42は、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG17によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞の増殖曲線を示す図である。図42に示されるように、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたHepG2細胞、及び野生型HepG2細胞の死亡率と比較して、ベクターpcDNA3.1/GIG17によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞の死亡率は高かった。9日間インキュベーションした後、野生型HepG2細胞と比較すると、ベクターpcDNA3.1/GIG17によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞の45%だけが、生存していた。この結果から、GIG17遺伝子は、肝癌細胞の増殖を抑制したと考えてもよい。
<5‐3.GIG19遺伝子によってトランスフェクトされた肝癌細胞の増殖曲線>
GIG19遺伝子の肝癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG19によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
GIG19遺伝子の肝癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG19によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
図43は、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG19によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞の増殖曲線を示す図である。図43に示されるように、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたHepG2細胞、及び野生型HepG2細胞の死亡率と比較して、ベクターpcDNA3.1/GIG19によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞の死亡率は高かった。9日間インキュベーションした後、野生型HepG2細胞と比較すると、ベクターpcDNA3.1/GIG19によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞の40%だけが、生存していた。この結果から、GIG19遺伝子は、肝癌細胞の増殖を抑制したと考えてもよい。
<5‐4.GIG20遺伝子によってトランスフェクトされた肝癌細胞の増殖曲線>
GIG20遺伝子の肝癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG20によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
GIG20遺伝子の肝癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG20によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
図44は、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG20によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞の増殖曲線を示す図である。図44に示されるように、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたHepG2細胞、及び野生型HepG2細胞の死亡率と比較して、ベクターpcDNA3.1/GIG20によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞の死亡率は高かった。9日間インキュベーションした後、野生型HepG2細胞と比較すると、ベクターpcDNA3.1/GIG20によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞の35%だけが、生存していた。この結果から、GIG20遺伝子は、肝癌細胞の増殖を抑制したと考えてもよい。
<5‐5.GIG22遺伝子によってトランスフェクトされた肝癌細胞の増殖曲線>
GIG22遺伝子の肝癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG22によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
GIG22遺伝子の肝癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG22によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
図45は、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG22によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞の増殖曲線を示す図である。図45に示されるように、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたHepG2細胞、及び野生型HepG2細胞の死亡率と比較して、ベクターpcDNA3.1/GIG22によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞の死亡率は高かった。9日間インキュベーションした後、野生型HepG2細胞と比較すると、ベクターpcDNA3.1/GIG22によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞の40%だけが、生存していた。この結果から、GIG22遺伝子は、肝癌細胞の増殖を抑制したと考えてもよい。
<5‐6.GIG25遺伝子によってトランスフェクトされた肝癌細胞の増殖曲線>
GIG25遺伝子の肝癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG25によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。
GIG25遺伝子の肝癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG25によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。
各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
図46は、野生型HepG2細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG25によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたHepG2細胞の増殖曲線を示す図である。図46に示されるように、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたHepG2細胞、及び野生型HepG2細胞の死亡率と比較して、ベクターpcDNA3.1/GIG25によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞の死亡率は高かった。9日間インキュベーションした後、野生型HepG2細胞と比較すると、ベクターpcDNA3.1/GIG25によってトランスフェクトされたHepG2肝癌細胞の35%だけが、生存していた。この結果から、GIG25遺伝子は、肝癌細胞の増殖を抑制したと考えてもよい。
<5‐7.GIG36遺伝子によってトランスフェクトされた乳癌細胞の増殖曲線>
GIG36遺伝子の乳癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型MCF‐7細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG36によってトランスフェクトされたMCF‐7乳癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたMCF‐7細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
GIG36遺伝子の乳癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型MCF‐7細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG36によってトランスフェクトされたMCF‐7乳癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたMCF‐7細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
図47は、野生型MCF‐7細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG36によってトランスフェクトされたMCF‐7乳癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたMCF‐7細胞の増殖曲線を示す図である。図47に示されるように、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたMCF‐7細胞、及び野生型MCF‐7細胞の死亡率と比較して、ベクターpcDNA3.1/GIG36によってトランスフェクトされたMCF‐7乳癌細胞の死亡率は高かった。9日間インキュベーションした後、野生型MCF‐7細胞と比較すると、ベクターpcDNA3.1/GIG36によってトランスフェクトされたMCF‐7乳癌細胞の50%だけが、生存していた。この結果から、GIG36遺伝子は、乳癌細胞の増殖を抑制したと考えてもよい。
<5‐8.GIG2遺伝子によってトランスフェクトされた肺癌細胞の増殖曲線>
GIG2遺伝子の肺癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型A549細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG2によってトランスフェクトされたA549肺癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたA549細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
GIG2遺伝子の肺癌細胞の増殖における効果を決定するために、野生型A549細胞、実施例4において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG2によってトランスフェクトされたA549肺癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたA549細胞をそれぞれ、1×105細胞/mlの細胞密度でDMEM培地において9日間培養した。各培養液中にトリプシン(シグマ)による処理を行うことによって細胞が付着しているフラスコから細胞を単離した。そして、1日目、3日目、5日目、7日目及び9日目において生存している細胞をトリパンブルー色素排除(Freshney, I.R., Culture of Animal Cells, 2nd Ed. A.R. Liss, New York (1987))に従って計測した。
図48は、野生型A549細胞、実施例4‐3において調製されたベクターpcDNA3.1/GIG2によってトランスフェクトされたA549肺癌細胞、ベクターpcDNA3.1のみによってトランスフェクトされたA549細胞の増殖曲線を示す図である。図48に示されるように、発現ベクターpcDNA3.1によってトランスフェクトされたA549細胞、及び野生型A549細胞の死亡率と比較して、ベクターpcDNA3.1/GIG2によってトランスフェクトされたA549肺癌細胞の死亡率は高かった。9日間インキュベーションした後、野生型A549細胞と比較すると、ベクターpcDNA3.1/GIG2によってトランスフェクトされたA549肺癌細胞の40%だけが、生存していた。この結果から、GIG2遺伝子は、肺癌細胞の増殖を抑制したと考えてもよい。
〔産業上の利用可能性〕
上述したように、本発明の各GIG遺伝子を、ヒトの癌の診断、予防及び治療に効果的に用いることができる。
上述したように、本発明の各GIG遺伝子を、ヒトの癌の診断、予防及び治療に効果的に用いることができる。
Claims (8)
- 配列番号2、配列番号6、配列番号10、配列番号14、配列番号18、配列番号22、配列番号26、及び配列番号30からなる群より選ばれるアミノ酸配列を有する、ヒト癌抑制タンパク質。
- 前記癌が乳房、肺、胸腺、肝臓、骨格筋、腎臓、脾臓、心臓、胎盤、及び抹消血からなる群より選ばれる正常組織の癌である、請求項1に記載のヒト癌抑制タンパク質。
- 対応するタンパク質をコードする、配列番号1、配列番号5、配列番号9、配列番号13、配列番号17、配列番号21、配列番号25、及び配列番号29からなる群より選ばれるDNA配列を有する、ヒト癌抑制遺伝子。
- 前記癌が、乳房、肺、胸腺、肝臓、骨格筋、腎臓、脾臓、心臓、胎盤、及び抹消血からなる群より選ばれる正常組織の癌である、請求項3に記載のヒト癌抑制遺伝子。
- 請求項3に記載の遺伝子をそれぞれ含む発現ベクター。
- 請求項5に記載の発現ベクターのそれぞれによって形質転換された細胞。
- 前記細胞が微生物または動物細胞である、請求項6に記載の細胞。
- 前記細胞が、エシェリキア・コリDH5α/GIG12/pcDNA3.1(受託番号KCTC 10642BP)、E.coli DH5α/GIG17/pcDNA3.1(受託番号KCTC 10655BP)、E.coli DH5α/GIG19/pcDNA3.1(受託番号KCTC 10656BP)、E.coli DH5α/GIG20/pcDNA3.1(受託番号KCTC 10657BP)、E.coli DH5α/GIG22/pcDNA3.1(受託番号KCTC 10658BP)、E.coli DH5α/GIG25/pcDNA3.1(受託番号KCTC 10659BP)、E.coli DH5α/GIG36/pcDNA3.1(受託番号KCTC 10643BP)、E.coli DH5α/GIG2/pcDNA3.1(受託番号KCTC 10641BP)からなる群より選ばれる、請求項7に記載の細胞。
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