JP2009284896A - 核酸増幅方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】オリゴヌクレオチドプライマーと鎖置換能を有するDNAポリメラーゼとを用いて実質的に等温で実施可能な核酸の増幅方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸、少なくとも1種の鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ、2価の陽イオン、少なくとも0.01%以上の界面活性剤、少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマー、及び鋳型となる核酸断片を含む反応溶液を実質的に等温でインキュベートすることによって前記プライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応を行い該核酸断片を増幅することを含む、核酸の増幅方法。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸、少なくとも1種の鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ、2価の陽イオン、少なくとも0.01%以上の界面活性剤、少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマー、及び鋳型となる核酸断片を含む反応溶液を実質的に等温でインキュベートすることによって前記プライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応を行い該核酸断片を増幅することを含む、核酸の増幅方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、核酸の増幅方法に関する。より詳細には、本発明は、鎖置換能を有するDNAポリメラーゼを用いて反応溶液を実質的に等温でインキュベートすることによってポリメラーゼ反応を行うことを特徴とする核酸の増幅方法に関する。
分子生物学の研究においては、核酸の増幅は、一般的には、DNAポリメラーゼを利用した酵素的方法で行われている。核酸の増幅方法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が広く知られている。PCR法では、目的とする標的核酸配列を増幅させるために、鋳型である二本鎖DNAを一本鎖DNAに変性する工程(変性工程)、一本鎖DNAにプライマーをアニーリングさせる工程(アニーリング工程)、及びプライマーを起点として相補鎖を伸長する工程(伸長工程)の3つの工程から構成される。通常のPCR法においては、サーマルサイクラーを使用して、変性工程、アニーリング工程、伸長工程はそれぞれ異なる温度で行われている。しかし、3種類の異なる温度で核酸増幅反応を行うことは、温度制御が煩雑であり、またサイクル数に比例して時間のロスも増大していくという問題があった。
そこで、等温状態で実施することが可能な核酸増幅方法が開発されている。例えば、SDA(Strand Displacement Amplification:特開平5-130870号)、RCA(Rolling Circle Amplification:Proc.Natl.Acad.Sci,vol.92,4641-4645(1995))、 ICAN(Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids)、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification of DNA;Bio Industry,第18巻、2号(2001))、NASBA(Nucleic acid Sequence-based Amplification method;Nature,350,91〜(1991))、TMA(Transcription mediated amplification method;J.Clin Microbiol.第31巻、3270〜(1993))等が挙げられる。
SDA法(特開平5−130870号)は、エクソヌクレアーゼを用いたサイクリングアッセイ法であり、ポリメラーゼ伸長反応を利用したターゲット核酸断片の目的部位の増幅法の一つである。この方法はターゲット核酸断片の目的部位に特異的にハイブリダイゼーションしたプライマーを起点とした、ポリメラーゼ伸長反応とともに、5’→3’エクソヌクレアーゼを作用させて、プライマーを逆方向から分解する方法である。分解したプライマーの代わりに新たなプライマーがハイブリダイゼーションし、再度DNAポリメラーゼによる伸長反応が進行する。このポリメラーゼによる伸長反応と、この先に伸長した鎖を外すエクソヌクレア−ゼによる分解反応が順次、周期的に繰り返される。ここで、ポリメラーゼによる伸長反応とエクソヌクレア−ゼによる分解反応は等温条件で実施することが可能である。しかしながら、ポリメラーゼと共にエクソヌクレアーゼを用いる必要があり、コストがかかると共に、プライマーの設計を工夫する必要があった。
LAMP法は、近年開発されたターゲット核酸断片の目的部位の増幅法である。この方法は、ターゲット核酸断片の少なくとも6箇所の特定部位を相補的に認識する少なくとも4種のプライマーと、5’→3’方向へのヌクレアーゼ活性がなく、かつ鋳型上の2本鎖DNAを1本鎖DNAとして遊離させながら伸長反応を触媒する鎖置換型のBst DNAポリメラーゼを使用することで、等温条件でターゲット核酸断片の目的部位を、プライマーの5’末端が3’末端より伸長した部分と相補的である特別な構造として増幅する方法である。しかしながら、6箇所の特定部位を認識する少なくとも4種のプライマーを用いる必要があり、プライマー設計が非常に困難であった。
ICAN法も、近年開発されたターゲット核酸断片の目的部位の増幅法である。RNA-DNAキメラプライマー、鎖置換活性と鋳型交換活性を有するDNAポリメラーゼ、RNaseHを用いる等温の遺伝子増幅方法である。キメラプライマーが鋳型と結合した後、DNAポリメラーゼにより相補鎖が合成される。その後,RNaseHがキメラプライマー由来のRNA部分を切断し、切断部分から鎖置換反応と鋳型交換反応を伴った伸長反応が起きるこの反応が繰り返し起こることにより遺伝子が増幅される。しかしながら、この方法もキメラプライマーという特殊なプライマーを用いる必要がありプライマー設計が非常に困難である。
特表平11−509406号公報には、鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ存在下、少なくとも1組のオリゴヌクレオチドプライマーにより目的とする領域のDNAを等温における反応によって増幅する方法が記載されている。しかしながら、特表平11−509406号公報に記載の方法では比較的長い反応時間が必要であるなどの問題がある。つまり、PCR法のように簡単なプライマー設計で等温にて簡便に実施が可能な核酸増幅方法の開発が望まれていた。
Proc.Natl.Acad.Sci,vol.92,4641-4645(1995)
Bio Industry,第18巻、2号(2001)
Nature,350,91〜(1991)
J.Clin Microbiol.第31巻、3270〜(1993)
特開平5−130870号公報
特表平11−509406号公報
本発明は、オリゴヌクレオチドプライマーと鎖置換能を有するDNAポリメラーゼとを用いて実質的に等温で実施可能な核酸の増幅方法を提供することを解決すべき課題とした。本発明はさらに、短時間で標的核酸配列を増幅することができ、かつ標的核酸配列を特異的に増幅することができる核酸の増幅方法を提供することを解決すべき課題とした。さらには、本発明は、より簡単なプライマー設計で核酸の増幅方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、デオキシヌクレオチド3リン酸、鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ、2価の陽イオン、界面活性剤、オリゴヌクレオチドプライマー、及び鋳型となる核酸断片を含む反応溶液を実質的に等温でインキュベートすることによって前記プライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応を行い該核酸断片を効率的に短時間で増幅できることを見出し、本発明を完成するに至った。しかも、本発明で用いられているオリゴヌクレオチドプライマーは、従来の等温増幅法で用いられていたような複雑な構造をしていないことを大きな特徴としている。例えば、ICAN法で用いられるようなキメラ構造やLAMP法で用いられるようなループ構造をとらせるような構造を有する必要がない。
即ち、本発明によれば、少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸、少なくとも1種の鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ、2価の陽イオン、少なくとも0.01%以上の界面活性剤、少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマー、及び鋳型となる核酸断片を含む反応溶液を実質的に等温でインキュベートすることによって前記プライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応を行い該核酸断片を増幅することを含む、核酸の増幅方法が提供される。
好ましくは、反応溶液が少なくとも0.05%以上の界面活性剤を含む。
好ましくは、界面活性剤は非イオン性界面活性剤である。
好ましくは、非イオン性界面活性剤のHLB価は12以上である。
好ましくは、非イオン性界面活性剤のHLB価は14以上である。
好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系から選ばれる。
好ましくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステルである。
好ましくは、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステルは以下の化学式で表される。
(式中、x + y + z + w = 20 であり、R:炭素数が12〜18のアルキル基であることを示す。)
好ましくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレートの少なくとも1つから選ばれる。
好ましくは、界面活性剤は非イオン性界面活性剤である。
好ましくは、非イオン性界面活性剤のHLB価は12以上である。
好ましくは、非イオン性界面活性剤のHLB価は14以上である。
好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系から選ばれる。
好ましくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステルである。
好ましくは、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステルは以下の化学式で表される。
好ましくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレートの少なくとも1つから選ばれる。
好ましくは、反応溶液は、融解温度調整剤をさらに含む。
好ましくは、融解温度調整剤は、ジメチルスルホキシド、ベタイン、ホルムアミドもしくはグリセロール、またはこれらの2種以上の混合物である。
好ましくは、反応溶液に含まれる少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸の濃度は、各々0.1mM以上3.0mM以下である。
好ましくは、反応溶液は、1μM以上50μM以下のオリゴヌクレオチドプライマーを含む。
好ましくは、融解温度調整剤は、ジメチルスルホキシド、ベタイン、ホルムアミドもしくはグリセロール、またはこれらの2種以上の混合物である。
好ましくは、反応溶液に含まれる少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸の濃度は、各々0.1mM以上3.0mM以下である。
好ましくは、反応溶液は、1μM以上50μM以下のオリゴヌクレオチドプライマーを含む。
好ましくは、オリゴヌクレオチドプライマーが前記鋳型核酸断片の一部と実質的に相補的である。
好ましくは、オリゴヌクレオチドプライマーの3'末端領域のみが前記鋳型核酸断片と実質的に相補的である。
好ましくは、オリゴヌクレオチドプライマーが、前記鋳型核酸断片と連続した1箇所でのみ実質的に相補的である。
好ましくは、少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマーがそれぞれアニーリングする鋳型上の領域が鋳型上の1000bp以内の領域内に位置している。
好ましくは、少なくとも1種の鎖置換能を有するポリメラーゼは、バチルス ステアロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Bst.DNAポリメラーゼ、及びバチルスカルドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Bca DNAポリメラーゼ 、サーモコッカス リトラリス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Vent.DNAポリメラーゼからなる群より選択されるポリメラーゼである。
好ましくは、オリゴヌクレオチドプライマーの3'末端領域のみが前記鋳型核酸断片と実質的に相補的である。
好ましくは、オリゴヌクレオチドプライマーが、前記鋳型核酸断片と連続した1箇所でのみ実質的に相補的である。
好ましくは、少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマーがそれぞれアニーリングする鋳型上の領域が鋳型上の1000bp以内の領域内に位置している。
好ましくは、少なくとも1種の鎖置換能を有するポリメラーゼは、バチルス ステアロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Bst.DNAポリメラーゼ、及びバチルスカルドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Bca DNAポリメラーゼ 、サーモコッカス リトラリス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Vent.DNAポリメラーゼからなる群より選択されるポリメラーゼである。
好ましくは、反応溶液を50℃以上100℃以下の実質的に等温でインキュベートする。
好ましくは、反応溶液を実質的に等温でインキュベートする時間は60分以内である。
好ましくは、前記少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマーに加えて、さらに1種類以上の追加のオリゴヌクレオチドプライマーを反応溶液に加えて反応を行う。
好ましくは、前記少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマー及び1種類以上の追加のオリゴヌクレオチドプライマーがそれぞれアニーリングする鋳型上の領域はそれぞれ、鋳型上の1000bp以内の領域内に位置している。
好ましくは、反応溶液を実質的に等温でインキュベートする時間は60分以内である。
好ましくは、前記少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマーに加えて、さらに1種類以上の追加のオリゴヌクレオチドプライマーを反応溶液に加えて反応を行う。
好ましくは、前記少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマー及び1種類以上の追加のオリゴヌクレオチドプライマーがそれぞれアニーリングする鋳型上の領域はそれぞれ、鋳型上の1000bp以内の領域内に位置している。
本発明によればさらに、上記した本発明の核酸の増幅方法を行うことを含む、標的核酸配列における変異の有無を検出する方法が提供される。
上記の標的核酸配列における変異の有無を検出する方法は、好ましくは、以下の工程を含む。
(1)少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸、少なくとも1種の鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ、2価の陽イオン、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、変異部位を含む少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマー、及び鋳型となる標的核酸配列を含む核酸断片を含む反応溶液を実質的に等温でインキュベートする工程;及び
(2)前記プライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応による核酸増幅反応が起きたか否かにより変異の有無を判定する工程:
好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系から選ばれる。
好ましくは、非イオン界面活性剤のHLB価は12以上である。
好ましくは、非イオン界面活性剤のHLB価は14以上である。
好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系から選ばれる。
上記の標的核酸配列における変異の有無を検出する方法は、好ましくは、以下の工程を含む。
(1)少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸、少なくとも1種の鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ、2価の陽イオン、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、変異部位を含む少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマー、及び鋳型となる標的核酸配列を含む核酸断片を含む反応溶液を実質的に等温でインキュベートする工程;及び
(2)前記プライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応による核酸増幅反応が起きたか否かにより変異の有無を判定する工程:
好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系から選ばれる。
好ましくは、非イオン界面活性剤のHLB価は12以上である。
好ましくは、非イオン界面活性剤のHLB価は14以上である。
好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系から選ばれる。
本発明によれば、実質的に等温で標的核酸配列を増幅することができる。さらに本発明によれば、短時間で特異的に標的核酸配列を増幅することができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明による核酸の増幅方法においては、少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸、少なくとも1種の鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ、2価の陽イオン、少なくとも1種の0.01%以上の界面活性剤、少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマー、及び鋳型となる核酸断片を含む反応溶液を実質的に等温でインキュベートすることによって前記プライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応を行い該核酸断片を増幅する。
本発明による核酸の増幅方法においては、少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸、少なくとも1種の鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ、2価の陽イオン、少なくとも1種の0.01%以上の界面活性剤、少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマー、及び鋳型となる核酸断片を含む反応溶液を実質的に等温でインキュベートすることによって前記プライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応を行い該核酸断片を増幅する。
本発明の第一の態様によれば、(a)鋳型となる核酸の鎖を、少なくとも2種類存在するうちの1種のプライマーをアニーリングさせ、その3’末端より前記鎖置換型DNAポリメラーゼにより合成反応を開始させ伸長生成物を合成し;(b)上記工程で得られる2本鎖核酸に(a)で使用されたプライマーとは異なる種類のオリゴヌクレオチドプライマーを前記2本鎖を工程(a)よりも高い温度をかけることによる変性操作をさせることなく2本鎖に侵入させ、その3’末端より前記鎖置換型DNAポリメラーゼの作用により合成反応を開始させ伸長生成物を合成し;(c)上記(b)の工程で遊離した核酸に、再び、工程(a)で用いられたプライマーと同じプライマーがアニーリングして、その3’末端より少なくとも1種の鎖置換型DNAポリメラーゼの作用により合成反応を開始させ、伸長生成物を合成し;(d)上記工程(b)で得られた2本鎖核酸が再び(b)の工程に利用される。
本発明の第二の態様によれば、(a)鋳型となる核酸の鎖を、少なくとも2種類存在するうちの1種のプライマーをアニーリングさせ、その3’末端より前記鎖置換型DNAポリメラーゼにより合成反応を開始させ伸長生成物を合成し;(b)上記工程で得られる2本鎖核酸に工程(a)で使用されたプライマーと同じオリゴヌクレオチドプライマーを前記2本鎖を工程(a)よりも高い温度をかけることによる変性操作をさせることなく2本鎖に侵入させ、その3’末端より前記鎖置換型DNAポリメラーゼの作用により合成反応を開始させ伸長生成物を合成し;(c)上記工程(b)で遊離した核酸に、工程(a)で用いられたプライマーと異なるプライマーがアニーリングして、その3’末端より少なくとも1種の鎖置換型DNAポリメラーゼの作用により合成反応を開始させ、伸長生成物を合成し;(d)上記工程(b)で得られた2本鎖核酸が再び(b)の工程に利用される。
本発明における増幅反応の特徴は、PCR法で用いられるような簡単なプライマー構造で反応が行えることにある。本増幅法においては、プライマーの鋳型へのアニーリング操作は、前記(b)にあるように等温でおこなわれる。これは、2本鎖と1本鎖の平衡状態を利用しており、適度に2本鎖状態を不安定な条件で反応を行わせることが重要である。その反応温度は、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは55℃以上であり、例えば、60℃程度でインキュベートすることができる。好ましい温度範囲は、例えば、約50℃から約100℃であり、好ましくは、約50℃から約70℃であり、さらに好ましくは約55℃から約65℃である。また、効率よくプライマーを不安定な2本鎖に侵入させることも重要な要件である。この効率は、プライマーの長さと濃度を調節することにより達成される。つまり、オリゴヌクレオチドプライマーの長さは、特に限定されないが、一般的には、10〜100ヌクレオチド程度の長さであり、好ましくは15〜50ヌクレオチド程度の長さであり、さらに好ましくは15〜40ヌクレオチド程度の長さである。例えば、25ヌクレオチド程度で使用することが出来る。オリゴヌクレオチドプライマーの使用量は、反応溶液中において0.1μM以上100μM以下が好ましく、1μM以上50μM以下がさらに好ましく、1.5μM以上10μM以下が特に好ましい。通常、高濃度のプライマーの添加は、プライマーダイマー等の非特異増幅産物の形成を促進するが、本発明においては、界面活性剤を添加することにより効果的に抑えることが可能になる。増幅に供せられるプライマーの侵入を補助するような物質の添加によっても侵入速度を増強することが可能である。例えば、別のオリゴヌクレオチドプライマーを近傍に設計することや、一本鎖結合タンパク質やRecA等のDNA結合性タンパク質を用いることが可能である。
また、別の本発明の特徴は、PCR法のようなプライマーを用いるにもかかわらず、増幅産物はPCRのようにプライマー対に挟まれた領域のみが合成されるわけではなく他の等温増幅法と同じく、長鎖の産物が出来ることにある。これは、下記のようなメカニズムで核酸の合成が進むためと考えている。
本発明による核酸の増幅方法の概要を図35に示す。鋳型となる核酸断片に対して、少なくとも2種類存在するうちの1種のプライマーがアニーリングして、当該オリゴヌクレオチドプライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応が進行する。その際、鋳型となった核酸配列のオリゴがアニールする部位の5’末端側及び3’末端側の適当な位置に数塩基以上実質的に一致する配列X及びX’を含むとすると、このオリゴヌクレオチドプライマーを起点とする増幅産物は、当該配列X’に相補的な配列X’cを3’末端に含む(これを核酸断片Aとする)。なお、配列X及びX’は完全に一致する配列でもよいし、完全には一致しない配列であっても実質的に一致することにより互いにアニールすることができる配列であればよい。通常、鋳型となった核酸配列のオリゴがアニールする部位の5’末端側及び3’末端側の適当な領域中には、数塩基以上実質的に一致する配列X及びX’は含まれている可能性が高い。
同様に、前記で使用されたオリゴヌクレオチドプライマーと異なるプライマーを起点とする増幅産物は、配列Xを3’末端に含む(これを核酸断片Bとする)。次に、上記で得られた増幅核酸断片Aと増幅核酸断片Bとが配列XとX’cを介してハイブリッドを形成し、伸長が開始する。これにより、高分子の増幅核酸断片が合成されることになる。または、上記で得られた増幅核酸断片Aと鋳型となる核酸断片とが配列X(配列Xc’)を介してハイブリッド形成し伸長が開始することによっても、高分子の増幅核酸断片が合成されうる。または、上記で得られた増幅核酸断片Bと鋳型となる核酸断片とが配列X’(配列Xc)を介してハイブリッド形成し伸長が開始することによっても、高分子の増幅核酸断片が合成されうる。
5’末端及び3’末端に存在する配列Xと配列X’は、できるかぎり連続して一致することが好ましいが、場合によっては完全に一致していなくてもハイブリッド形成のきっかけになりうる。すなわち、上記のプライマーがアニールする近傍付近に存在する配列の中からできる限り一致している領域が選択される。しかしながら、好ましくは4塩基以上一致することであり、より好ましくは7塩基以上一致することである。一致する塩基の数の上限は特に限定されないが、一般的には15塩基以下、さらに一般的には10塩基以下である。配列Xと配列Xc‘のマッチ率は、好ましくは、50%以上であり、より好ましくは70%以上である。さらに好ましくは、90%以上である。
以下、本発明で用いる成分について説明する。
(1)デオキシヌクレオチド3リン酸
伸長反応の基質として、デオキシヌクレオチド3リン酸を用いる。具体的には、dATP、dCTP、dGTP、dTTPの混合物を使用することが好ましい。デオキシヌクレオチド3リン酸としては、dNTPのアナログ(例えば、7−デアザ−dGTP等)が含まれていてもよい。
(1)デオキシヌクレオチド3リン酸
伸長反応の基質として、デオキシヌクレオチド3リン酸を用いる。具体的には、dATP、dCTP、dGTP、dTTPの混合物を使用することが好ましい。デオキシヌクレオチド3リン酸としては、dNTPのアナログ(例えば、7−デアザ−dGTP等)が含まれていてもよい。
また、デオキシヌクレオチド3リン酸(dATP、dCTP、dGTP、dTTP混合物)は、最終濃度で、それぞれ0.1mM〜3.0mM、好ましくは0.75mM〜3.0mM、さらに好ましくは1.0mMから2.0mM、特に好ましくは1.0mMから1.5mMの範囲である。
(2)鎖置換能を有するポリメラーゼ
本発明においては、鎖置換能を有するポリメラーゼを用いる。本明細書において「鎖置換能」とは、鋳型となる核酸配列に従ってDNA複製を行う際、DNA鎖を置き換えながら進行し、鋳型鎖にアニーリングしている相補鎖を遊離させる、即ち鎖置換(strand displacement)することができる活性のことをいう。鎖置換能を有するポリメラーゼの具体例としては、バチルス ステアロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Bst.DNAポリメラーゼ、及びバチルスカルドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Bca DNAポリメラーゼ 、サーモコッカス リトラリス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Vent.DNAポリメラーゼなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。鎖置換能を有するポリメラーゼは、天然由来のものでもよいし、遺伝子工学的に製造した組み換え蛋白質でもよい。
本発明においては、鎖置換能を有するポリメラーゼを用いる。本明細書において「鎖置換能」とは、鋳型となる核酸配列に従ってDNA複製を行う際、DNA鎖を置き換えながら進行し、鋳型鎖にアニーリングしている相補鎖を遊離させる、即ち鎖置換(strand displacement)することができる活性のことをいう。鎖置換能を有するポリメラーゼの具体例としては、バチルス ステアロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Bst.DNAポリメラーゼ、及びバチルスカルドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Bca DNAポリメラーゼ 、サーモコッカス リトラリス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Vent.DNAポリメラーゼなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。鎖置換能を有するポリメラーゼは、天然由来のものでもよいし、遺伝子工学的に製造した組み換え蛋白質でもよい。
(3)2価の陽イオン
本発明では、使用する酵素の金属要求性等に2価の陽イオンを用いる。2価の陽イオンとしては、マグネシウム塩やその他の金属塩を使用することができ、例えば、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウムなどを使用できる。2価の陽イオンの濃度は最終濃度で、好ましくは1mM〜20mMであり、さらに好ましくは2mM〜10mMの範囲である。
本発明では、使用する酵素の金属要求性等に2価の陽イオンを用いる。2価の陽イオンとしては、マグネシウム塩やその他の金属塩を使用することができ、例えば、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウムなどを使用できる。2価の陽イオンの濃度は最終濃度で、好ましくは1mM〜20mMであり、さらに好ましくは2mM〜10mMの範囲である。
(4)界面活性剤
本発明では、反応溶液中に界面活性剤を添加する。界面活性剤を使用することにより、非特異的な核酸の増幅を防止するという本発明の有利な効果が達成される。本発明で使用できる界面活性剤の種類は、特には限定されないが、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸エステル塩(SDS)、スルホコハク酸オクチルエステル塩、ステアリン酸石けんなどの陰イオン(アニオン)性界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル(Tween等)、POEアルキルエーテル(Brij等)、POEアルキルフェニルエーテル(Triton等)、ノニルフェノール、ラウリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、POEアルキルアミン、POE脂肪酸ビスフェニルエーテルなどの非イオン(ノニオン)性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドのような陽イオン(カチオン)性界面活性剤、そして、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタインのような双性(両性)界面活性剤などを使用できる。界面活性剤の使用量は本発明の効果が達成できる限り特に限定されないが、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上である。界面活性剤の使用量の上限は特に限定されないが、通常は10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下である。
本発明では、反応溶液中に界面活性剤を添加する。界面活性剤を使用することにより、非特異的な核酸の増幅を防止するという本発明の有利な効果が達成される。本発明で使用できる界面活性剤の種類は、特には限定されないが、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸エステル塩(SDS)、スルホコハク酸オクチルエステル塩、ステアリン酸石けんなどの陰イオン(アニオン)性界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル(Tween等)、POEアルキルエーテル(Brij等)、POEアルキルフェニルエーテル(Triton等)、ノニルフェノール、ラウリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、POEアルキルアミン、POE脂肪酸ビスフェニルエーテルなどの非イオン(ノニオン)性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドのような陽イオン(カチオン)性界面活性剤、そして、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタインのような双性(両性)界面活性剤などを使用できる。界面活性剤の使用量は本発明の効果が達成できる限り特に限定されないが、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上である。界面活性剤の使用量の上限は特に限定されないが、通常は10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下である。
界面活性剤の中でも、非イオン性界面活性剤を使用することが特に好ましい。非イオン性界面活性剤の中でも、親水性がより強い界面活性剤が好ましく、HLB価で示すと12以上が好ましい。より好ましくは14以上であり、上限は20まで好ましく用いることができる。さらに好ましくは17以下であり、より好ましくは14以上17以下である。構造的には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系から選ばれることが好ましい。さらに、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの中でも、脂肪酸エステルが一つだけのものが好ましい。例えば、以下の構造式で表すことができる。
アルキル基の位置は特に限定されず、以下のような構造でも好ましく用いることができる。
このような界面活性剤として、物質名でポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート等が挙げられる。(商品名:Tween20、Tween40、Tween60、Tween80等)の界面活性剤が挙げられる。また、使用量も特に限定されないが、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上である。
(5)オリゴヌクレオチドプライマー
(a)少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマーセット
本発明で使用する少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマーは、鋳型DNAに実質的に相補的な塩基配列を有し、その3'末端よりDNA鎖の伸長が可能なものである。オリゴヌクレオチドプライマーは、鋳型DNAに実質的に相補的な塩基配列を有することにより、鋳型となるDNAにアニーリングすることができる。本発明で使用されるオリゴヌクレオチドプライマーとしては、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドで構成されたものを使用することができ、さらに、修飾リボヌクレオチドあるいは修飾デオキシリボヌクレオチドを含有するものでもよい。
(a)少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマーセット
本発明で使用する少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマーは、鋳型DNAに実質的に相補的な塩基配列を有し、その3'末端よりDNA鎖の伸長が可能なものである。オリゴヌクレオチドプライマーは、鋳型DNAに実質的に相補的な塩基配列を有することにより、鋳型となるDNAにアニーリングすることができる。本発明で使用されるオリゴヌクレオチドプライマーとしては、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドで構成されたものを使用することができ、さらに、修飾リボヌクレオチドあるいは修飾デオキシリボヌクレオチドを含有するものでもよい。
さらに、前記、オリゴヌクレオチドプライマーは、従来の等温増幅反応で用いられるような複雑な設計を必要としない。通常のPCR反応で用いられる少なくとも一組以上のプライマーを用いて等温増幅反応を行うことを可能にしたことが、本発明の大きな特徴である。詳細には、これらのプライマーは、LAMP法等で用いられるような5’末端が3’末端より伸長した部分と相補的になるループ構造を形成するような構造を持っていない。つまり、プライマーの3'末端の連続した領域が鋳型核酸と相補的である。さらに、SDA法やICAN法で用いられるように、反応途上でプライマーが切断され、切断された3‘末端が新たな合成起点になるようなるような複雑な仕組みを持たない。
オリゴヌクレオチドプライマーの長さは、特に限定されないが、一般的には、10〜100ヌクレオチド程度の長さであり、好ましくは15〜50ヌクレオチド程度の長さであり、さらに好ましくは15〜40ヌクレオチド程度の長さである。
オリゴヌクレオチドプライマーは、市販のDNA合成機(例えば、アプライド バイオシステムズ社(Applied Biosystem Inc.)のDNAシンセサイザー394型など)を用いて、ホスホアミダイト法により合成できる。
オリゴヌクレオチドプライマーの使用量は、反応溶液中において0.1μM以上100μM以下が好ましく、1μM以上50μM以下がさらに好ましく、1.5μM以上10μM以下が特に好ましい。
上記した少なくとも2種類のプライマーセットは、少なくとも1つがForwardPrimerであり、少なくとも1つはReversePrimerであることが好ましい。
(b)追加のオリゴヌクレオチドプライマー
本発明では、上記したような少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマーに加えて、さらに1種類以上の追加のオリゴヌクレオチドプライマー(本明細書において、ブーストプライマーとも称する)を反応溶液に加えて反応を行うことができる。このような追加のオリゴヌクレオチドプライマーを用いると、プライマーの追加するに伴い増幅速度が上がるため、3種類以上用いることがより好ましい。このとき、追加するプライマーは、ForwardでもReverseでもかまわない。
本発明では、上記したような少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマーに加えて、さらに1種類以上の追加のオリゴヌクレオチドプライマー(本明細書において、ブーストプライマーとも称する)を反応溶液に加えて反応を行うことができる。このような追加のオリゴヌクレオチドプライマーを用いると、プライマーの追加するに伴い増幅速度が上がるため、3種類以上用いることがより好ましい。このとき、追加するプライマーは、ForwardでもReverseでもかまわない。
好ましくは、この1種類以上の追加のオリゴヌクレオチドプライマーは、上記少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマーセット及び1種類以上の追加のオリゴヌクレオチドプライマーがそれぞれアニーリングする鋳型上の領域がそれぞれ、鋳型上の1000bp以内の領域内に位置するように選択することができる。
本発明で用いる追加のオリゴヌクレオチドプライマーの長さは、特に限定されないが、一般的には、10〜100ヌクレオチド程度の長さであり、好ましくは15〜50ヌクレオチド程度の長さであり、さらに好ましくは15〜40ヌクレオチド程度の長さである。
本発明で用いる追加のオリゴヌクレオチドプライマーは、市販のDNA合成機(例えば、アプライド バイオシステムズ社(Applied Biosystem Inc.)のDNAシンセサイザー394型など)を用いて、ホスホアミダイト法により合成できる。
本発明で用いる追加のオリゴヌクレオチドプライマーの使用量は、反応溶液中において0.1μM以上100μM以下が好ましく、1μM以上50μM以下がさらに好ましく、1.5μM以上10μM以下が特に好ましい。
(6)鋳型となる核酸断片
本発明において鋳型となる核酸(DNAまたはRNA)は、ゲノムDNA、cDNA、合成DNA、mRNA、全RNAのいずれでもよい。鋳型となる核酸を含む可能性のある試料から調製した核酸を使用してもよいし、鋳型となる核酸を含む可能性のある試料をそのまま直接使用してもよい。鋳型となる核酸を含む試料の種類は特に限定されず、例えば、体液(例えば、全血、血清、尿、脳脊髄液、精液、唾液など)、組織(例えば、癌組織など)、細胞培養物のような生体由来試料、ウイルス、細菌、カビ、酵母、植物及び動物のような核酸含有試料、微生物が混入している可能性のある試料(例えば、食品など)、あるいは土壌、排水のような環境中の試料が挙げられる。上記したような試料から核酸を調製する場合、その調製方法は特に限定されず、例えば、界面活性剤による処理、超音波処理、ガラスビーズを用いた精製など当業者に公知の方法を用いることができる。核酸の試料からの精製は、フェノール抽出、クロマトグラフィー、ゲル電気泳動または密度勾配遠心分離などにより行うことができる。
本発明において鋳型となる核酸(DNAまたはRNA)は、ゲノムDNA、cDNA、合成DNA、mRNA、全RNAのいずれでもよい。鋳型となる核酸を含む可能性のある試料から調製した核酸を使用してもよいし、鋳型となる核酸を含む可能性のある試料をそのまま直接使用してもよい。鋳型となる核酸を含む試料の種類は特に限定されず、例えば、体液(例えば、全血、血清、尿、脳脊髄液、精液、唾液など)、組織(例えば、癌組織など)、細胞培養物のような生体由来試料、ウイルス、細菌、カビ、酵母、植物及び動物のような核酸含有試料、微生物が混入している可能性のある試料(例えば、食品など)、あるいは土壌、排水のような環境中の試料が挙げられる。上記したような試料から核酸を調製する場合、その調製方法は特に限定されず、例えば、界面活性剤による処理、超音波処理、ガラスビーズを用いた精製など当業者に公知の方法を用いることができる。核酸の試料からの精製は、フェノール抽出、クロマトグラフィー、ゲル電気泳動または密度勾配遠心分離などにより行うことができる。
RNA由来の配列を有する核酸を増幅したい場合には、当該RNAを鋳型とした逆転写反応によって合成されたcDNAを鋳型として本発明の方法を実施することができる。逆転写反応に使用されるプライマーは、特定の鋳型RNAに相補的な塩基配列を有するプライマーでもよいし、オリゴdTプライマーやランダムな配列を有するプライマーでもよい。逆転写用プライマーの長さは好ましくは6から100ヌクレオチド程度であり、更に好ましくは9から50ヌクレオチド程度である。逆転写反応に使用される酵素としては、RNAを鋳型としたcDNA合成活性を有するものであれば特に限定はなく、例えばトリ骨髄芽球症ウイルス由来逆転写酵素(AMV RTase)、モロニーネズミ白血病ウイルス由来逆転写酵素(MMLV RTase)、ラウス関連ウイルス2逆転写酵素(RAV−2 RTase)などを使用することができる。また、逆転写活性を併せ持つ鎖置換型DNAポリメラーゼを使用することもできる。
本発明においては、ゲノムDNAや核酸増幅断片のような二本鎖DNA、およびRNAから逆転写反応で調製されたcDNAのような一本鎖DNAを、鋳型DNAとして使用できる。上記二本鎖DNAは、一本鎖DNAに変性してから本発明の方法に使用してもよいし、このような変性を行うことなく本発明の方法に使用することもできる。
(7)融解温度調整剤
本発明における反応溶液には、融解温度調整剤を添加することができる。融解温度調整剤の具体例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ベタイン、ホルムアミドもしくはグリセロール、テトラアルキルアンモニウム塩、またはこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。融解温度調整の使用量は特に限定されないが、DMSOやホルムアミド、グリセロールの場合、通常は反応溶液中に10%以下の量で含めることができる。
ベタインやテトラアルキルアンモニウム塩は、0.2〜3.0M、好ましくは0.5〜1.5M程度添加することができる。
本発明における反応溶液には、融解温度調整剤を添加することができる。融解温度調整剤の具体例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ベタイン、ホルムアミドもしくはグリセロール、テトラアルキルアンモニウム塩、またはこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。融解温度調整の使用量は特に限定されないが、DMSOやホルムアミド、グリセロールの場合、通常は反応溶液中に10%以下の量で含めることができる。
ベタインやテトラアルキルアンモニウム塩は、0.2〜3.0M、好ましくは0.5〜1.5M程度添加することができる。
(8)緩衝成分
本発明における反応溶液には、緩衝成分を含めることができる。緩衝成分としては、特に限定はないが、例えば、ビシン、トリシン、ヘペス、トリス、リン酸塩(リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等)などを使用することができる。緩衝成分の最終濃度は5mM〜100mMの範囲、特に好ましくは10mM〜50mMの範囲であり、またpHは、増幅反応に用いられる酵素の至適pHにもよるが、一般的には6.0〜9.0、特に好ましくはpH7.0〜9.0のものを使用できる。
本発明における反応溶液には、緩衝成分を含めることができる。緩衝成分としては、特に限定はないが、例えば、ビシン、トリシン、ヘペス、トリス、リン酸塩(リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等)などを使用することができる。緩衝成分の最終濃度は5mM〜100mMの範囲、特に好ましくは10mM〜50mMの範囲であり、またpHは、増幅反応に用いられる酵素の至適pHにもよるが、一般的には6.0〜9.0、特に好ましくはpH7.0〜9.0のものを使用できる。
(9)本発明による核酸の増幅方法
次に、本発明による核酸の増幅方法について説明する。本発明では、少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸、少なくとも1種の鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ、2価の陽イオン、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマー、及び鋳型となる核酸断片を含む反応溶液を実質的に等温でインキュベートする。これにより、前記プライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応を行い、該核酸断片を増幅することができる。反応溶液をインキュベートする際の温度は好ましくは50℃以上であり、より好ましくは55℃以上であり、例えば、60℃程度でインキュベートすることができる。好ましい温度範囲は、例えば、約50℃から約70℃であり、さらに好ましくは約55℃から約65℃である。この場合、プライマーの非特異的なアニーリングが抑制され、DNA増幅の特異性が向上し、また鋳型DNAの二次構造が解消されることによりDNAポリメラーゼの伸長性も向上する。本発明による核酸の増幅方法は、実質的に等温において実施すことができる。本発明において等温とは、各工程の反応温度を大きく変化することなく、各工程が実質的に一定の温度で行われることを意味する。
次に、本発明による核酸の増幅方法について説明する。本発明では、少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸、少なくとも1種の鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ、2価の陽イオン、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマー、及び鋳型となる核酸断片を含む反応溶液を実質的に等温でインキュベートする。これにより、前記プライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応を行い、該核酸断片を増幅することができる。反応溶液をインキュベートする際の温度は好ましくは50℃以上であり、より好ましくは55℃以上であり、例えば、60℃程度でインキュベートすることができる。好ましい温度範囲は、例えば、約50℃から約70℃であり、さらに好ましくは約55℃から約65℃である。この場合、プライマーの非特異的なアニーリングが抑制され、DNA増幅の特異性が向上し、また鋳型DNAの二次構造が解消されることによりDNAポリメラーゼの伸長性も向上する。本発明による核酸の増幅方法は、実質的に等温において実施すことができる。本発明において等温とは、各工程の反応温度を大きく変化することなく、各工程が実質的に一定の温度で行われることを意味する。
本発明において、反応溶液を実質的に等温でインキュベートする時間は、標的核酸断片が増幅できる限り特に限定されない。インキュベートする時間は、例えば、5分以上12時間以内とすることができる。インキュベートする時間は、好ましくは、5分以上2時間以内であり、より好ましくは5分以上60分以内であり、さらに好ましくは5分以上30分以内であり、5分以上15分以内とすることもできる。
本発明による核酸の増幅方法の特徴は、核酸の合成方法において温度を上昇させたり低下させる必要がないことである。従来のPCR法では温度を上下させる必要があり、例えばサーマルサイクラーのような反応装置が必要であったが、本発明の方法では一定温度を保持できる装置のみで実施が可能である。
(10)本発明による核酸の増幅方法の利用
本発明による核酸の増幅方法は、核酸の検出、標識、塩基配列の決定、塩基の変異の検出(一塩基多型の検出などを含む)などに使用することができる。本発明の核酸の増幅方法には温度調節が可能な反応装置を使用する必要がないため、多量の反応液を使用して増幅反応を実施することができる。
本発明による核酸の増幅方法は、核酸の検出、標識、塩基配列の決定、塩基の変異の検出(一塩基多型の検出などを含む)などに使用することができる。本発明の核酸の増幅方法には温度調節が可能な反応装置を使用する必要がないため、多量の反応液を使用して増幅反応を実施することができる。
本発明の核酸の増幅方法により得られる増幅物は、当業者に公知の方法により検出できる。例えば、ゲル電気泳動によれば、エチジウムブロマイドでゲルを染色することによって特定サイズの反応産物を検出することができる。増幅産物を検出するための検出系は、蛍光偏光、イムノアッセイ、蛍光エネルギー転移、酵素標識(例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなど)、蛍光標識(例えば、フルオレセイン、ローダミンなど)、ケミルミネッセンス、又はバイオルミネッセンスなどを用いることができる。ビオチンなどで標識した標識ヌクレオチドを使用することによって増幅物を検出することもできる。この場合、増幅産物中のビオチンは、蛍光標識アビジン又は酵素標識アビジンなどを用いて検出することができる。
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<実施例1>ヒト遺伝子中の標的核酸配列の増幅
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)7.5ngを98℃で3分間加熱し、ターゲット核酸中の特定の配列の増幅を以下の条件で行った。なお、ネガティブコントロールとして、精製水を上記と同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)7.5ngを98℃で3分間加熱し、ターゲット核酸中の特定の配列の増幅を以下の条件で行った。なお、ネガティブコントロールとして、精製水を上記と同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
<プライマー>
プライマーは、下記に挙げる4種類を設計し、オペロン社より購入した。各プライマーの配列を以下に示す。なお、プライマー(1)、(2)はβ-アクチン遺伝子中の配列、プライマー(3)、(4)はβ2AR遺伝子中の配列と相補的である。
プライマーは、下記に挙げる4種類を設計し、オペロン社より購入した。各プライマーの配列を以下に示す。なお、プライマー(1)、(2)はβ-アクチン遺伝子中の配列、プライマー(3)、(4)はβ2AR遺伝子中の配列と相補的である。
プライマー(1):
5'−GGGCATGGGTCAGAAGGATT−3'(配列番号1)
プライマー(2):
5'−CCTCGTCGCCCACATAG−3'(配列番号2)
プライマー(3):
5'−CTTGCTGGCACCCAATA−3'(配列番号3)
プライマー(4):
5'−CCGGCGCATGGCTT−3'(配列番号4)
5'−GGGCATGGGTCAGAAGGATT−3'(配列番号1)
プライマー(2):
5'−CCTCGTCGCCCACATAG−3'(配列番号2)
プライマー(3):
5'−CTTGCTGGCACCCAATA−3'(配列番号3)
プライマー(4):
5'−CCGGCGCATGGCTT−3'(配列番号4)
<界面活性剤>
界面活性剤としてTween20(和光純薬製)を用いた。Tween20はポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートであり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤である。さらに詳しくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸モノエステルである。HLBは16.7であり、[化4]に示す構造式で表される。
界面活性剤としてTween20(和光純薬製)を用いた。Tween20はポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートであり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤である。さらに詳しくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸モノエステルである。HLBは16.7であり、[化4]に示す構造式で表される。
(2)核酸増幅反応
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、NEB社のBst. Polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(Detergent Free) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) Tween20 or 精製水 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000 倍希釈) 0.5μL
50μM forward primer 1.6μL
50μM reverse primer 1.6μL
Bst. Polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸試料液 or 精製水 1.0μL
精製水 12.4μL
25.0μL
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、NEB社のBst. Polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(Detergent Free) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) Tween20 or 精製水 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000 倍希釈) 0.5μL
50μM forward primer 1.6μL
50μM reverse primer 1.6μL
Bst. Polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸試料液 or 精製水 1.0μL
精製水 12.4μL
25.0μL
水準1及び水準2においては、forward primer、reverse primerに下記の組み合わせを用いた。
水準1及び水準2
Forward primer:プライマー(1)
Reverse primer:プライマー(2)
水準1及び水準2
Forward primer:プライマー(1)
Reverse primer:プライマー(2)
水準3及び水準4においては、forward primer、reverse primerに下記の組み合わせを用いた。
水準3及び水準4
Forward primer:プライマー(3)
Reverse primer:プライマー(4)
水準3及び水準4
Forward primer:プライマー(3)
Reverse primer:プライマー(4)
水準1及び水準3では界面活性剤としてTween20を加えた。
水準2及び水準4では界面活性剤の代わりに精製水を加えた。
各水準において、核酸試料を加えたサンプルを4つずつ、また、核酸試料の代わりに精製水を加えたサンプル(ネガティブコントロール)を4つずつ調整した。
水準2及び水準4では界面活性剤の代わりに精製水を加えた。
各水準において、核酸試料を加えたサンプルを4つずつ、また、核酸試料の代わりに精製水を加えたサンプル(ネガティブコントロール)を4つずつ調整した。
(3)増幅産物の検出
前記(2)における増幅反応をリアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて行い、蛍光強度を経時的に測定することで増幅を検出した。結果を図1〜4に示す。なお、図の右に上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値,単位:分)を示した。
水準1と水準3、即ち界面活性剤を加えた水準においては、核酸試料の存在するサンプルのみから増幅が検出された。つまり、本増幅法を利用して核酸試料の検出が可能である。
水準2と水準4、即ち界面活性剤を加えない水準においては、核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)からも増幅が検出された。つまり、本増幅法を利用した核酸試料の検出ができない。
異なるプライマーで同様の結果が得られたことから、界面活性剤の効果はプライマーに依存せず、普遍的な効果であることが確認された。
前記(2)における増幅反応をリアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて行い、蛍光強度を経時的に測定することで増幅を検出した。結果を図1〜4に示す。なお、図の右に上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値,単位:分)を示した。
水準1と水準3、即ち界面活性剤を加えた水準においては、核酸試料の存在するサンプルのみから増幅が検出された。つまり、本増幅法を利用して核酸試料の検出が可能である。
水準2と水準4、即ち界面活性剤を加えない水準においては、核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)からも増幅が検出された。つまり、本増幅法を利用した核酸試料の検出ができない。
異なるプライマーで同様の結果が得られたことから、界面活性剤の効果はプライマーに依存せず、普遍的な効果であることが確認された。
図5に水準1での増幅産物について電気泳動を行った結果を示す。なお、電気泳動は2%アガロースゲルを用い、バッファーにはTAEバッファーを使用した。泳動時間は40分とした。
核酸試料を加えたサンプルでのみ増幅産物が得られていることが確認された。また、 種々の鎖長を有する高分子量の増幅産物が得られていることを確認した。4つのサンプルでほぼ同様の電気泳動パターンを示した。
核酸試料を加えたサンプルでのみ増幅産物が得られていることが確認された。また、 種々の鎖長を有する高分子量の増幅産物が得られていることを確認した。4つのサンプルでほぼ同様の電気泳動パターンを示した。
図6に水準2での増幅産物について電気泳動を行った結果を示す。なお、電気泳動は2%アガロースゲルを用い、バッファーにはTAEバッファーを使用した。泳動時間は40分とした。
核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)からも増幅産物が得られていることが確認された。また、増幅産物は特定の電気泳動パターンを示さなかった。
核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)からも増幅産物が得られていることが確認された。また、増幅産物は特定の電気泳動パターンを示さなかった。
水準1の最も鎖長の短い増幅産物をアガロースゲルから切り出し、TOPOクローニングキット(Invitrogen社)でクローニングを行なった後、シークエンスを行うことで、増幅産物の配列を調べた。
水準1では配列番号5で示す配列を有する増幅産物が得られていることがわかった。
5'− GGGCATGGGTCAGAAGGATTCCTATGTGGGCGACGAGG−3' (配列番号5)
これは、水準1で用いたプライマー(1)と相補的な領域、プライマー(2)と相補的な領域、及び両者に挟まれた領域の配列である。
以上より、増幅産物はプライマーがターゲット核酸を配列特異的に認識した結果生じたものであることが確認された。
水準1では配列番号5で示す配列を有する増幅産物が得られていることがわかった。
5'− GGGCATGGGTCAGAAGGATTCCTATGTGGGCGACGAGG−3' (配列番号5)
これは、水準1で用いたプライマー(1)と相補的な領域、プライマー(2)と相補的な領域、及び両者に挟まれた領域の配列である。
以上より、増幅産物はプライマーがターゲット核酸を配列特異的に認識した結果生じたものであることが確認された。
<実施例2>界面活性剤の濃度の影響
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)7.5ngを98℃で3分間加熱し、ターゲット核酸中の特定の配列の増幅を以下の条件で行った。なお、ネガティブコントロールとして、精製水を上記と同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)7.5ngを98℃で3分間加熱し、ターゲット核酸中の特定の配列の増幅を以下の条件で行った。なお、ネガティブコントロールとして、精製水を上記と同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
<プライマー>
プライマーは、実施例1で使用したプライマー(1)及びプライマー(2)を使用した。
プライマー(1):
5'−GGGCATGGGTCAGAAGGATT−3'(配列番号1)
プライマー(2):
5'−CCTCGTCGCCCACATAG−3'(配列番号2)
<界面活性剤>
界面活性剤としてTween20(化4)を用いた。
プライマーは、実施例1で使用したプライマー(1)及びプライマー(2)を使用した。
プライマー(1):
5'−GGGCATGGGTCAGAAGGATT−3'(配列番号1)
プライマー(2):
5'−CCTCGTCGCCCACATAG−3'(配列番号2)
<界面活性剤>
界面活性剤としてTween20(化4)を用いた。
(2)核酸増幅反応
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、NEB社のBst. Polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(Detergent Free) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
0%(v/v) - 10%(v/v) Tween20 1.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000 倍希釈) 0.5μL
50μM プライマー(1) 1.6μL
50μM プライマー(2) 1.6μL
Bst. Polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸試料液 or 精製水 1.0μL
精製水 11.4μL
25.0μL
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、NEB社のBst. Polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(Detergent Free) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
0%(v/v) - 10%(v/v) Tween20 1.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000 倍希釈) 0.5μL
50μM プライマー(1) 1.6μL
50μM プライマー(2) 1.6μL
Bst. Polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸試料液 or 精製水 1.0μL
精製水 11.4μL
25.0μL
Tween20の最終濃度が下記のようになるように、計4水準で実験を行った。
水準1:Tween20の最終濃度が0.01%
水準2:Tween20の最終濃度が0.05%
水準3:Tween20の最終濃度が0.1%
水準4:Tween20の最終濃度が0.5%
各水準において、核酸試料を加えたサンプルを3つずつ、また、核酸試料の代わりに精製水を加えたサンプル(ネガティブコントロール)を3つずつ調整した。
水準1:Tween20の最終濃度が0.01%
水準2:Tween20の最終濃度が0.05%
水準3:Tween20の最終濃度が0.1%
水準4:Tween20の最終濃度が0.5%
各水準において、核酸試料を加えたサンプルを3つずつ、また、核酸試料の代わりに精製水を加えたサンプル(ネガティブコントロール)を3つずつ調整した。
(3)増幅産物の検出
前記(2)における増幅反応をリアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて行い、蛍光強度を経時的に測定することで増幅を検出した。結果を図7〜図10に示す。なお、図の右に上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値,単位:分)を示した。
前記(2)における増幅反応をリアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて行い、蛍光強度を経時的に測定することで増幅を検出した。結果を図7〜図10に示す。なお、図の右に上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値,単位:分)を示した。
Tween20の最終濃度を0.01%とした場合(水準1)、ネガティブコントロールの3サンプル中の1サンプルで増幅が検出された。しかし、Ct値は核酸試料が存在する場合と大きく異なるため、本増幅法により核酸試料の存在を検出することができる。
Tween20の最終濃度を0.05%以上とした場合(水準2〜4)、核酸試料の存在するサンプルでのみ増幅が検出された。つまり、本増幅法により核酸試料の存在を検出することができる。
Tween20の最終濃度を0.05%以上とした場合(水準2〜4)、核酸試料の存在するサンプルでのみ増幅が検出された。つまり、本増幅法により核酸試料の存在を検出することができる。
<実施例3>界面活性剤の種類の影響
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)7.5ngを98℃で3分間加熱し、ターゲット核酸中の特定の配列の増幅を以下の条件で行った。なお、ネガティブコントロールとして、精製水を上記と同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
<プライマー>
プライマーは、実施例1、2で使用したプライマー(1)及びプライマー(2)を使用した。
プライマー(1):
5'−GGGCATGGGTCAGAAGGATT−3'(配列番号1)
プライマー(2):
5'−CCTCGTCGCCCACATAG−3'(配列番号2)
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)7.5ngを98℃で3分間加熱し、ターゲット核酸中の特定の配列の増幅を以下の条件で行った。なお、ネガティブコントロールとして、精製水を上記と同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
<プライマー>
プライマーは、実施例1、2で使用したプライマー(1)及びプライマー(2)を使用した。
プライマー(1):
5'−GGGCATGGGTCAGAAGGATT−3'(配列番号1)
プライマー(2):
5'−CCTCGTCGCCCACATAG−3'(配列番号2)
<界面活性剤>
界面活性剤として、以下の9種類の物質を用いて実験を行った。
水準1:Tween40
Tween40はポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテートであり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤である。さらに詳しくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸モノエステルである。HLBは15.6であり、[化5]に示す構造式で表される。なお、Tween40は和光純薬より購入した。
界面活性剤として、以下の9種類の物質を用いて実験を行った。
水準1:Tween40
Tween40はポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテートであり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤である。さらに詳しくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸モノエステルである。HLBは15.6であり、[化5]に示す構造式で表される。なお、Tween40は和光純薬より購入した。
水準2:Tween60
Tween60はポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレートであり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤である。さらに詳しくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸モノエステルである。HLBは15.0であり、[化6]に示す構造式で表される。なお、Tween60は和光純薬より購入した。
Tween60はポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレートであり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤である。さらに詳しくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸モノエステルである。HLBは15.0であり、[化6]に示す構造式で表される。なお、Tween60は和光純薬より購入した。
水準3:Tween80
Tween80はポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレートであり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤である。さらに詳しくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸モノエステルである。HLBは14.9であり、[化7]に示す構造式で表される。なお、Tween80は和光純薬より購入した。
Tween80はポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレートであり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤である。さらに詳しくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸モノエステルである。HLBは14.9であり、[化7]に示す構造式で表される。なお、Tween80は和光純薬より購入した。
水準4:Brij−35
Brij−35はポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルであり、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系の非イオン性界面活性剤である。HLBは16.9であり、[化8]に示す構造式で表される。なお、Brij−35はSigma社より購入した。
Brij−35はポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルであり、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系の非イオン性界面活性剤である。HLBは16.9であり、[化8]に示す構造式で表される。なお、Brij−35はSigma社より購入した。
水準5:Brij−56
Brij−56はポリオキシエチレン(10)セチルエーテルであり、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系の非イオン性界面活性剤である。HLBは12.9であり、[化9]に示す構造式で表される。なお、Brij−56はSigma社より購入した。
Brij−56はポリオキシエチレン(10)セチルエーテルであり、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系の非イオン性界面活性剤である。HLBは12.9であり、[化9]に示す構造式で表される。なお、Brij−56はSigma社より購入した。
水準6:Brij−700
Brij−700はポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテルであり、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系の非イオン性界面活性剤である。HLBは18.8であり、[化10]に示す構造式で表される。なお、Brij−700はSimga社より購入した。
Brij−700はポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテルであり、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系の非イオン性界面活性剤である。HLBは18.8であり、[化10]に示す構造式で表される。なお、Brij−700はSimga社より購入した。
水準7:TritonX−100
TritonX−100はポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテルであり、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系の非イオン性界面活性剤である。HLBは13.5であり、[化11]に示す構造式で表される。なお、TritonX−100は和光純薬より購入した。
TritonX−100はポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテルであり、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル系の非イオン性界面活性剤である。HLBは13.5であり、[化11]に示す構造式で表される。なお、TritonX−100は和光純薬より購入した。
水準8:Tween85
Tween85はポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレートであり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤である。さらに詳しくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸トリエステルである。HLBは11.0であり、[化12]に示す構造式で表される。なお、Tween85は和光純薬より購入した。
Tween85はポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレートであり、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤である。さらに詳しくは、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸トリエステルである。HLBは11.0であり、[化12]に示す構造式で表される。なお、Tween85は和光純薬より購入した。
水準9:Span20
Span20はソルビタンモノラウレートであり、ソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤である。HLBは8.6であり、[化13]に示す構造式で表される。なお、Span20は和光純薬より購入した。
Span20はソルビタンモノラウレートであり、ソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤である。HLBは8.6であり、[化13]に示す構造式で表される。なお、Span20は和光純薬より購入した。
(2)核酸増幅反応
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、NEB社のBst. Polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(Detergent Free) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) 界面活性剤 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000 倍希釈) 0.5μL
50μM プライマー(1) 1.6μL
50μM プライマー(2) 1.6μL
Bst. Polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸試料液 or 精製水 1.0μL
精製水 12.4μL
25.0μL
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、NEB社のBst. Polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(Detergent Free) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) 界面活性剤 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000 倍希釈) 0.5μL
50μM プライマー(1) 1.6μL
50μM プライマー(2) 1.6μL
Bst. Polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸試料液 or 精製水 1.0μL
精製水 12.4μL
25.0μL
各水準において、核酸試料を加えたサンプルを3つずつ、また、核酸試料の代わりに精製水を加えたサンプル(ネガティブコントロール)を3つずつ調整した。
(3)増幅産物の検出
前記(2)における増幅反応を、リアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて行い、蛍光強度を経時的に測定することで増幅を検出した。結果を図11〜図19に示す。なお、図の右に上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値,単位:分)を示した。
水準1〜水準7では、HLBが12以上の界面活性剤を使用しており、核酸試料の存在するサンプルでのみ増幅が検出された。つまり、本増幅法により核酸試料の存在を検出することができる。
水準8及び水準9では、HLBが12未満の界面活性剤を使用しており、核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)からも増幅が検出された。ただし、Ct値を比較すると、核酸試料の存在するサンプルと核酸試料の存在しないサンプルの間で違いが認められた。
以上より、本増幅法における界面活性剤の効果が示され、界面活性剤としては種々の物質を使用することができ、特にHLBが12以上で高性能を示す。
前記(2)における増幅反応を、リアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて行い、蛍光強度を経時的に測定することで増幅を検出した。結果を図11〜図19に示す。なお、図の右に上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値,単位:分)を示した。
水準1〜水準7では、HLBが12以上の界面活性剤を使用しており、核酸試料の存在するサンプルでのみ増幅が検出された。つまり、本増幅法により核酸試料の存在を検出することができる。
水準8及び水準9では、HLBが12未満の界面活性剤を使用しており、核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)からも増幅が検出された。ただし、Ct値を比較すると、核酸試料の存在するサンプルと核酸試料の存在しないサンプルの間で違いが認められた。
以上より、本増幅法における界面活性剤の効果が示され、界面活性剤としては種々の物質を使用することができ、特にHLBが12以上で高性能を示す。
プライマー(1)及びプライマー(2)を用いて増幅反応を行った場合の、界面活性剤の効果を表1にまとめる。
なお、核酸試料の存在するサンプルで増幅を検出するのに必要な時間の平均値から20分以内に、核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)から増幅が検出されなければ、核酸試料の検出に問題がないと考えた。これを満たす場合、界面活性剤の効果を“○”と評価した。
核酸試料の存在するサンプルで増幅を検出するのに必要な時間の平均値から20分以内に核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)から増幅が検出されるが、5分以内に立ち上がることは無い場合、核酸試料の検出は辛うじて可能と考えた。これを満たす場合、界面活性剤の効果を“△”と評価した。
核酸試料の存在するサンプルで増幅を検出するのに必要な時間の平均値から5分以内に核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)から増幅が検出される場合、核酸試料の検出は困難と考えた。これを満たす場合、界面活性剤の効果を“×”と評価した。
なお、核酸試料の存在するサンプルで増幅を検出するのに必要な時間の平均値から20分以内に、核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)から増幅が検出されなければ、核酸試料の検出に問題がないと考えた。これを満たす場合、界面活性剤の効果を“○”と評価した。
核酸試料の存在するサンプルで増幅を検出するのに必要な時間の平均値から20分以内に核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)から増幅が検出されるが、5分以内に立ち上がることは無い場合、核酸試料の検出は辛うじて可能と考えた。これを満たす場合、界面活性剤の効果を“△”と評価した。
核酸試料の存在するサンプルで増幅を検出するのに必要な時間の平均値から5分以内に核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)から増幅が検出される場合、核酸試料の検出は困難と考えた。これを満たす場合、界面活性剤の効果を“×”と評価した。
<実施例4>界面活性剤の種類の影響2(プライマーの変更)
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)7.5ngを98℃で3分間加熱し、ターゲット核酸中の特定の配列の増幅を以下の条件で行った。なお、ネガティブコントロールとして、精製水を上記と同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
<プライマー>
プライマーは、実施例1で使用したプライマー(3)及びプライマー(4)を使用した。
プライマー(3):
5'−CTTGCTGGCACCCAATA−3'(配列番号3)
プライマー(4):
5'−CCGGCGCATGGCTT−3'(配列番号4)
<界面活性剤>
界面活性剤として、実施例3で用いた9種類の物質([化5]〜[化13])を用いて実験を行った。
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)7.5ngを98℃で3分間加熱し、ターゲット核酸中の特定の配列の増幅を以下の条件で行った。なお、ネガティブコントロールとして、精製水を上記と同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
<プライマー>
プライマーは、実施例1で使用したプライマー(3)及びプライマー(4)を使用した。
プライマー(3):
5'−CTTGCTGGCACCCAATA−3'(配列番号3)
プライマー(4):
5'−CCGGCGCATGGCTT−3'(配列番号4)
<界面活性剤>
界面活性剤として、実施例3で用いた9種類の物質([化5]〜[化13])を用いて実験を行った。
(2)核酸増幅反応
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、NEB社のBst. Polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(Detergent Free) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) 界面活性剤 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000 倍希釈) 0.5μL
50μM プライマー(1) 1.6μL
50μM プライマー(2) 1.6μL
Bst. Polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸試料液 or 精製水 1.0μL
精製水 12.4μL
25.0μL
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、NEB社のBst. Polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(Detergent Free) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) 界面活性剤 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000 倍希釈) 0.5μL
50μM プライマー(1) 1.6μL
50μM プライマー(2) 1.6μL
Bst. Polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸試料液 or 精製水 1.0μL
精製水 12.4μL
25.0μL
各水準において、核酸試料を加えたサンプルを3つずつ、また、核酸試料の代わりに精製水を加えたサンプル(ネガティブコントロール)を3つずつ調整した。
(3)増幅産物の検出
前記(2)における増幅反応をリアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて行い、蛍光強度を経時的に測定することで増幅を検出した。結果を図20〜図28に示す。なお、図の右に上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値,単位:分)を示した。
水準1〜水準7では、HLBが12以上の界面活性剤を使用しており、核酸試料の存在するサンプルでのみ増幅が検出されるか、核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)からの増幅が著しく遅かった。つまり、本増幅法により核酸試料の存在を検出することができる。
前記(2)における増幅反応をリアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて行い、蛍光強度を経時的に測定することで増幅を検出した。結果を図20〜図28に示す。なお、図の右に上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値,単位:分)を示した。
水準1〜水準7では、HLBが12以上の界面活性剤を使用しており、核酸試料の存在するサンプルでのみ増幅が検出されるか、核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)からの増幅が著しく遅かった。つまり、本増幅法により核酸試料の存在を検出することができる。
水準8及び水準9では、HLBが12未満の界面活性剤を使用しており、核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)からも増幅が検出された。ただし、Ct値を比較すると、核酸試料の存在するサンプルと核酸試料の存在しないサンプルの間で違いが認められた。
即ち、本増幅法には種々の界面活性剤を使用することができ、特にHLBが12以上で高性能を示す。
即ち、本増幅法には種々の界面活性剤を使用することができ、特にHLBが12以上で高性能を示す。
プライマー(3)及びプライマー(4)を用いて増幅反応を行った場合の、界面活性剤の効果を表2にまとめる。
なお、核酸試料の存在するサンプルで増幅を検出するのに必要な時間の平均値から20分以内に、核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)から増幅が検出されなければ、核酸試料の検出に問題がないと考えた。これを満たす場合、界面活性剤の効果を“○”と評価した。
核酸試料の存在するサンプルで増幅を検出するのに必要な時間の平均値から20分以内に核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)から増幅が検出されるが、5分以内に立ち上がることは無い場合、核酸試料の検出は辛うじて可能と考えた。これを満たす場合、界面活性剤の効果を“△”と評価した。
核酸試料の存在するサンプルで増幅を検出するのに必要な時間の平均値から5分以内に核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)から増幅が検出される場合、核酸試料の検出は困難と考えた。これを満たす場合、界面活性剤の効果を“×”と評価した。
なお、核酸試料の存在するサンプルで増幅を検出するのに必要な時間の平均値から20分以内に、核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)から増幅が検出されなければ、核酸試料の検出に問題がないと考えた。これを満たす場合、界面活性剤の効果を“○”と評価した。
核酸試料の存在するサンプルで増幅を検出するのに必要な時間の平均値から20分以内に核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)から増幅が検出されるが、5分以内に立ち上がることは無い場合、核酸試料の検出は辛うじて可能と考えた。これを満たす場合、界面活性剤の効果を“△”と評価した。
核酸試料の存在するサンプルで増幅を検出するのに必要な時間の平均値から5分以内に核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)から増幅が検出される場合、核酸試料の検出は困難と考えた。これを満たす場合、界面活性剤の効果を“×”と評価した。
実施例3と同様の結果が得られたことから、界面活性剤の効果はプライマーの種類に依存せず、普遍的な効果であることが確認された。
<実施例5>BcaBest Polymeraseを用いた場合の核酸増幅
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)7.5ngを98℃で3分間加熱し、ターゲット核酸中の特定の配列の増幅を以下の条件で行った。なお、ネガティブコントロールとして、精製水を上記と同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
<プライマー>
プライマーは、実施例1で使用したプライマー(1)及びプライマー(2)を使用した。
プライマー(1):
5'−GGGCATGGGTCAGAAGGATT−3'(配列番号1)
プライマー(2):
5'−CCTCGTCGCCCACATAG−3'(配列番号2)
<界面活性剤>
界面活性剤としてTween20([化4])を用いた。
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)7.5ngを98℃で3分間加熱し、ターゲット核酸中の特定の配列の増幅を以下の条件で行った。なお、ネガティブコントロールとして、精製水を上記と同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
<プライマー>
プライマーは、実施例1で使用したプライマー(1)及びプライマー(2)を使用した。
プライマー(1):
5'−GGGCATGGGTCAGAAGGATT−3'(配列番号1)
プライマー(2):
5'−CCTCGTCGCCCACATAG−3'(配列番号2)
<界面活性剤>
界面活性剤としてTween20([化4])を用いた。
(2)核酸増幅反応
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、TaKaRa社のBcaBEST DNA Polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(Detergent Free) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) Tween20 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000 倍希釈) 0.5μL
50μM プライマー(1) 1.6μL
50μM プライマー(2) 1.6μL
Bca Best DNA polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸試料液 or 精製水 1.0μL
精製水 12.4μL
25.0μL
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、TaKaRa社のBcaBEST DNA Polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(Detergent Free) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) Tween20 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000 倍希釈) 0.5μL
50μM プライマー(1) 1.6μL
50μM プライマー(2) 1.6μL
Bca Best DNA polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸試料液 or 精製水 1.0μL
精製水 12.4μL
25.0μL
各水準において、核酸試料を加えたサンプルを2つずつ、また、核酸試料の代わりに精製水を加えたサンプル(ネガティブコントロール)を2つずつ調整した。
界面活性剤は以下のものを実験に使用した。
水準1:界面活性剤なし
水準2:界面活性剤あり(Tween20)
界面活性剤は以下のものを実験に使用した。
水準1:界面活性剤なし
水準2:界面活性剤あり(Tween20)
(3)増幅産物の検出
前記(2)における増幅反応をリアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて行い、蛍光強度を経時的に測定することで増幅を検出した。結果を図29、図30に示す。なお、図の右に上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値,単位:分)を示した。
水準1(界面活性剤を加えない水準)においては、核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)からも増幅が検出された。つまり、本増幅法を利用して核酸試料の検出ができない。
一方、水準2(界面活性剤を加えた水準)においては、核酸試料由来のサンプルのみから増幅が検出された。つまり、本増幅法を利用して核酸試料の検出が可能である。
今回の結果は、ポリメラーゼにBst.Polymeraseを用いた場合と同様であった。即ち、界面活性剤の効果は鎖置換型ポリメラーゼの種類に依存せず、普遍的な効果であることが確認された。
前記(2)における増幅反応をリアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて行い、蛍光強度を経時的に測定することで増幅を検出した。結果を図29、図30に示す。なお、図の右に上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値,単位:分)を示した。
水準1(界面活性剤を加えない水準)においては、核酸試料の存在しないサンプル(ネガティブコントロール)からも増幅が検出された。つまり、本増幅法を利用して核酸試料の検出ができない。
一方、水準2(界面活性剤を加えた水準)においては、核酸試料由来のサンプルのみから増幅が検出された。つまり、本増幅法を利用して核酸試料の検出が可能である。
今回の結果は、ポリメラーゼにBst.Polymeraseを用いた場合と同様であった。即ち、界面活性剤の効果は鎖置換型ポリメラーゼの種類に依存せず、普遍的な効果であることが確認された。
<実施例6>1塩基変異の検出
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
遺伝子型がβ2AR46(A)のヒトゲノム及び遺伝子型がβ2AR46(G)のヒトゲノム7.5ngを98℃で3分間加熱し、ターゲット核酸中の特定の配列の増幅を以下の条件で行った。ネガティブコントロールとして、精製水を上記と同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
遺伝子型がβ2AR46(G)のヒトゲノムは、遺伝子型がβ2AR46(A)のヒトゲノムに1塩基の変異が生じたものである。
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
遺伝子型がβ2AR46(A)のヒトゲノム及び遺伝子型がβ2AR46(G)のヒトゲノム7.5ngを98℃で3分間加熱し、ターゲット核酸中の特定の配列の増幅を以下の条件で行った。ネガティブコントロールとして、精製水を上記と同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
遺伝子型がβ2AR46(G)のヒトゲノムは、遺伝子型がβ2AR46(A)のヒトゲノムに1塩基の変異が生じたものである。
<プライマー>
プライマーは、実施例1、4で使用したプライマー(3)及びプライマー(4)を使用した。
プライマー(3):
5'−CTTGCTGGCACCCAATA−3'(配列番号3)
プライマー(4):
5'−CCGGCGCATGGCTT−3'(配列番号4)
このプライマーセットは遺伝子型がβ2AR46(A)のヒトゲノムと完全に相補的である。
プライマーは、実施例1、4で使用したプライマー(3)及びプライマー(4)を使用した。
プライマー(3):
5'−CTTGCTGGCACCCAATA−3'(配列番号3)
プライマー(4):
5'−CCGGCGCATGGCTT−3'(配列番号4)
このプライマーセットは遺伝子型がβ2AR46(A)のヒトゲノムと完全に相補的である。
(2)核酸増幅反応
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、NEB社のBst. Polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(Detergent Free) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) Tween20 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000 倍希釈) 0.5μL
50μM プライマー(3) 1.6μL
50μM プライマー(4) 1.6μL
Bst. Polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸試料液 or 精製水 1.0μL
精製水 12.4μL
25.0μL
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、NEB社のBst. Polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(Detergent Free) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) Tween20 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000 倍希釈) 0.5μL
50μM プライマー(3) 1.6μL
50μM プライマー(4) 1.6μL
Bst. Polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸試料液 or 精製水 1.0μL
精製水 12.4μL
25.0μL
各水準において、核酸試料を加えたサンプルを2つずつ、また、核酸試料の代わりに精製水を加えたサンプル(ネガティブコントロール)を2つずつ調整した。
(3)増幅産物の検出
前記(2)における増幅反応をリアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて行い、蛍光強度を経時的に測定することで増幅を検出した。結果を図31に示す。
遺伝子型がβ2AR46(A)のヒトゲノムを加えたサンプルの方が、遺伝子型がβ2AR46(G)のヒトゲノムを加えたサンプルに比べて増幅速度が速かった。よって、増幅速度の違いに注目することで、本増幅法を利用してヒトゲノムにおける1塩基の変異を同定することが可能である。なお、核酸試料を含まないサンプル(ネガティブコントロール)では増幅が検出されなかった。
Mx3000pの解析ソフトを用いて、上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値)を算出した結果を表3に示す。
前記(2)における増幅反応をリアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて行い、蛍光強度を経時的に測定することで増幅を検出した。結果を図31に示す。
遺伝子型がβ2AR46(A)のヒトゲノムを加えたサンプルの方が、遺伝子型がβ2AR46(G)のヒトゲノムを加えたサンプルに比べて増幅速度が速かった。よって、増幅速度の違いに注目することで、本増幅法を利用してヒトゲノムにおける1塩基の変異を同定することが可能である。なお、核酸試料を含まないサンプル(ネガティブコントロール)では増幅が検出されなかった。
Mx3000pの解析ソフトを用いて、上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値)を算出した結果を表3に示す。
確かに、遺伝子型がβ2AR46(A)のサンプルの方が、遺伝子型がβ2AR46(G)のサンプルよりも増幅速度が速いことがわかる。
<実施例7>検出の迅速化
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)37.5ngを98℃で3分間加熱し、ターゲット核酸中の特定の配列の増幅を以下の条件で行った。なお、ネガティブコントロールとして、精製水を上記と同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
<プライマー>
プライマーは、実施例1で使用したプライマー(1)及びプライマー(2)を使用した。
プライマー(1):
5'−GGGCATGGGTCAGAAGGATT−3'(配列番号1)
プライマー(2):
5'−CCTCGTCGCCCACATAG−3'(配列番号2)
<界面活性剤>
界面活性剤としてTween20([化4])を用いた。
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)37.5ngを98℃で3分間加熱し、ターゲット核酸中の特定の配列の増幅を以下の条件で行った。なお、ネガティブコントロールとして、精製水を上記と同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
<プライマー>
プライマーは、実施例1で使用したプライマー(1)及びプライマー(2)を使用した。
プライマー(1):
5'−GGGCATGGGTCAGAAGGATT−3'(配列番号1)
プライマー(2):
5'−CCTCGTCGCCCACATAG−3'(配列番号2)
<界面活性剤>
界面活性剤としてTween20([化4])を用いた。
(2)核酸増幅反応
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、TaKaRa社のBcaBest DNA Polymeraseを使用した。
10×Bst Buffer(Detergent Free) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) Tween20 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000 倍希釈) 0.5μL
50μM primer(1) 1.6μL
50μM primer(2) 1.6μL
Bca Best DNA polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸試料液 or 精製水 1.0μL
精製水 12.4μL
25.0μL
各水準において、核酸試料を加えたサンプルを2つずつ、また、核酸試料の代わりに精製水を加えたサンプル(ネガティブコントロール)を2つずつ調整した。
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、TaKaRa社のBcaBest DNA Polymeraseを使用した。
10×Bst Buffer(Detergent Free) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) Tween20 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000 倍希釈) 0.5μL
50μM primer(1) 1.6μL
50μM primer(2) 1.6μL
Bca Best DNA polymerase 1.0μL
(1)で得た核酸試料液 or 精製水 1.0μL
精製水 12.4μL
25.0μL
各水準において、核酸試料を加えたサンプルを2つずつ、また、核酸試料の代わりに精製水を加えたサンプル(ネガティブコントロール)を2つずつ調整した。
(3)増幅産物の検出
前記(2)における増幅反応をリアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて行い、蛍光強度を経時的に測定することで増幅を検出した。結果を図32に示す。なお、図の右に上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値,単位:分)を示した。
本実施例に示す条件で増幅反応を行うことで、10分間でターゲット遺伝子を検出することに成功した。
前記(2)における増幅反応をリアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて行い、蛍光強度を経時的に測定することで増幅を検出した。結果を図32に示す。なお、図の右に上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値,単位:分)を示した。
本実施例に示す条件で増幅反応を行うことで、10分間でターゲット遺伝子を検出することに成功した。
<実施例8>3種類のプライマーを用いた核酸増幅反応
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)3.0ngを98℃で3min.加熱を行い、1本鎖にしたのち、β−アクチン遺伝子中の配列の増幅を以下の条件で行った。ネガティブコントロールとして、水を上記同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)3.0ngを98℃で3min.加熱を行い、1本鎖にしたのち、β−アクチン遺伝子中の配列の増幅を以下の条件で行った。ネガティブコントロールとして、水を上記同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
<プライマー>
プライマーは、βアクチン遺伝子を標的に設計を行った。各プライマーの配列を以下に示す。
プライマーは、βアクチン遺伝子を標的に設計を行った。各プライマーの配列を以下に示す。
プライマー(1)(Forward1):
5’−GGGCATGGGTCAGAAGGATT−3’(配列番号1)
プライマー(2)(Reverse1):
5’−CCTCGTCGCCCACATAG−3’(配列番号2)
プライマー(3)(Reverse2)
5’−GATGGGGTACTTCAGGGT−3’(配列番号6)
5’−GGGCATGGGTCAGAAGGATT−3’(配列番号1)
プライマー(2)(Reverse1):
5’−CCTCGTCGCCCACATAG−3’(配列番号2)
プライマー(3)(Reverse2)
5’−GATGGGGTACTTCAGGGT−3’(配列番号6)
(2)核酸増幅反応
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、NEB社のBst.DNA polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(DF) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) Tween20 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000倍) 0.5μL
50μM primer(1) 1.8μL
50μM primer(2) 1.8μL
50μM primer(3) 1.8μL
Bst. Polymerase 1.0μL
1)で得た核酸断片試料液(3.0ng) 1.0μL
精製水 10.2μL
25.0μL
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、NEB社のBst.DNA polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(DF) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) Tween20 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000倍) 0.5μL
50μM primer(1) 1.8μL
50μM primer(2) 1.8μL
50μM primer(3) 1.8μL
Bst. Polymerase 1.0μL
1)で得た核酸断片試料液(3.0ng) 1.0μL
精製水 10.2μL
25.0μL
ネガティブコントロールは、核酸断片試料液の代わりに水を添加した。
(3)増幅産物の検出
前記(2)における増幅反応を、リアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて蛍光検出を行った。結果を図33に示す。
核酸試料由来のサンプルからのみ増幅が起きていることがわかる。つまり、水からの非特異的な増幅は起きていない。ここで、Mx3000pの解析ソフトを用いて、上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値)を算出した。結果を表4に示す。
前記(2)における増幅反応を、リアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて蛍光検出を行った。結果を図33に示す。
核酸試料由来のサンプルからのみ増幅が起きていることがわかる。つまり、水からの非特異的な増幅は起きていない。ここで、Mx3000pの解析ソフトを用いて、上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値)を算出した。結果を表4に示す。
<実施例9> 4本のブーストプライマーを用いた核酸の増幅方法
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)3.0ngを98℃で3min.加熱を行い、1本鎖にしたのち、β−アクチン遺伝子中の配列の増幅を以下の条件で行った。ネガティブコントロールとして、水を上記同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
(1)ターゲット核酸断片を含む核酸試料液の調製
HumanGenomicDNA(Clontech社製)3.0ngを98℃で3min.加熱を行い、1本鎖にしたのち、β−アクチン遺伝子中の配列の増幅を以下の条件で行った。ネガティブコントロールとして、水を上記同様の条件で加熱したサンプルも作成した。
<プライマー>
プライマーは、βアクチン遺伝子を標的に設計を行った。各プライマーの配列を以下に示す。
プライマーは、βアクチン遺伝子を標的に設計を行った。各プライマーの配列を以下に示す。
プライマー(1)(Forward1):
5’−GGGCATGGGTCAGAAGGATT−3’(配列番号1)
プライマー(2)(Reverse1):
5’−CCTCGTCGCCCACATAG−3’(配列番号2)
プライマー(3)(Reverse2)
5’−GATGGGGTACTTCAGGGT−3’(配列番号6)
プライマー(4)(Forward2)
5’−TGTCCTTTCCTTCCCAG−3’(配列番号7)
5’−GGGCATGGGTCAGAAGGATT−3’(配列番号1)
プライマー(2)(Reverse1):
5’−CCTCGTCGCCCACATAG−3’(配列番号2)
プライマー(3)(Reverse2)
5’−GATGGGGTACTTCAGGGT−3’(配列番号6)
プライマー(4)(Forward2)
5’−TGTCCTTTCCTTCCCAG−3’(配列番号7)
(2)核酸増幅反応
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、NEB社のBst.DNA polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(DF) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) Tween20 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000倍) 0.5μL
50μM primer(1) 1.8μL
50μM primer(2) 1.8μL
50μM primer(3) 1.8μL
50μM primer(4) 1.8μL
Bst. Polymerase 1.0μL
1)で得た核酸断片試料液(3.0ng) 1.0μL
精製水 8.4μL
25.0μL
以下に示す反応液の組成で、60℃、60分反応させることで増幅反応を実施した。酵素は、NEB社のBst.DNA polymeraseを使用した。
<反応液の組成>
10×Bst Buffer(DF) 2.5μL
100mM MgSO4 1.5μL
10%(v/v) Tween20 0.25μL
100% DMSO 1.25μL
25mM dNTP each 1.4μL
SYBR GreenI(2000倍) 0.5μL
50μM primer(1) 1.8μL
50μM primer(2) 1.8μL
50μM primer(3) 1.8μL
50μM primer(4) 1.8μL
Bst. Polymerase 1.0μL
1)で得た核酸断片試料液(3.0ng) 1.0μL
精製水 8.4μL
25.0μL
ネガティブコントロールは、核酸断片試料液の代わりに水を添加した。
(3)増幅産物の検出
前記(2)における増幅反応を、リアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて蛍光検出を行った。結果を図34に示す。
核酸試料由来のサンプルからのみ増幅が起きていることがわかる。つまり、水からの非特異的な増幅は起きていない。ここで、Mx3000pの解析ソフトを用いて、上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値)を算出した。結果を表5に示す。
前記(2)における増幅反応を、リアルタイム蛍光検出装置(Mx3000p,Stratagene社製)を用いて蛍光検出を行った。結果を図34に示す。
核酸試料由来のサンプルからのみ増幅が起きていることがわかる。つまり、水からの非特異的な増幅は起きていない。ここで、Mx3000pの解析ソフトを用いて、上記のグラフにおいて蛍光量が250に到達したときの時間(Ct値)を算出した。結果を表5に示す。
実施例8及び9は、実施例1に対して、プライマーを追加した例であるが、確かに、増幅速度が上がっていることが確認された。
Claims (27)
- 少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸、少なくとも1種の鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ、2価の陽イオン、少なくとも0.01%以上の界面活性剤、少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマー、及び鋳型となる核酸断片を含む反応溶液を実質的に等温でインキュベートすることによって前記プライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応を行い該核酸断片を増幅することを含む、核酸の増幅方法。
- 反応溶液が少なくとも0.05%以上の界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
- 界面活性剤が非イオン性界面活性剤である請求項1及び2に記載の方法。
- 非イオン性界面活性剤のHLB価が12以上であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 非イオン性界面活性剤のHLB価が14以上であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系から選ばれることを特徴とする請求項5に記載の方法。
- ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- ポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステルが以下の化学式で表されることを特徴とする請求項7記載の方法。
(式中、x + y + z + w = 20 であり、R:炭素数が12〜18のアルキル基であることを示す。) - ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレートの少なくとも1つから選ばれることを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 反応溶液が融解温度調整剤をさらに含む、請求項1から9の何れかに記載の方法。
- 融解温度調整剤が、ジメチルスルホキシド、ベタイン、ホルムアミドもしくはグリセロール、またはこれらの2種以上の混合物である、請求項10に記載の方法。
- 反応溶液に含まれる少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸の濃度が、各々0.1mM以上3.0mM以下である、請求項1から11の何れかに記載の方法。
- 反応溶液が、1μM以上50μM以下のオリゴヌクレオチドプライマーを含む、請求項1から12の何れかに記載の方法。
- オリゴヌクレオチドプライマーが前記鋳型核酸断片の一部と実質的に相補的である、請求項1から13の何れかに記載の方法。
- オリゴヌクレオチドプライマーの3'末端領域のみが前記鋳型核酸断片と実質的に相補的である、請求項1から14に記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドプライマーが、前記鋳型核酸断片と連続した1箇所でのみ実質的に相補的である請求項15に記載の方法。
- 少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマーがそれぞれアニーリングする鋳型上の領域が鋳型上の1000bp以内の領域内に位置していることを特徴とする、請求項1から16に記載の核酸の増幅方法。
- 少なくとも1種の鎖置換能を有するポリメラーゼが、バチルス ステアロサーモフィラス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Bst.DNAポリメラーゼ、及びバチルスカルドテナックス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Bca DNAポリメラーゼ 、サーモコッカス リトラリス由来の5’→3’エキソヌクレアーゼ欠損Vent.DNAポリメラーゼからなる群より選択されるポリメラーゼである、請求項1から17の何れかに記載の方法。
- 反応溶液を50℃以上100℃以下の実質的に等温でインキュベートする、請求項1から18の何れかに記載の方法。
- 反応溶液を実質的に等温でインキュベートする時間が60分以内である、請求項1から19の何れかに記載の方法。
- 前記少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマーに加えて、さらに1種類以上の追加のオリゴヌクレオチドプライマーを反応溶液に加えて反応を行うことを特徴とする、請求項1〜20に記載の核酸の増幅方法。
- 前記前記少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマー及び1種類以上の追加のオリゴヌクレオチドプライマーがそれぞれアニーリングする鋳型上の領域がそれぞれ、鋳型上の1000bp以内の領域内に位置していることを特徴とする、請求項21に記載の核酸の増幅方法。
- 請求項1から22の何れかに記載の核酸の増幅方法を行うことを含む、標的核酸配列における変異の有無を検出する方法。
- 以下の工程を含む、請求項23に記載の方法。
(1)少なくとも1種のデオキシヌクレオチド3リン酸、少なくとも1種の鎖置換能を有するDNAポリメラーゼ、2価の陽イオン、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、変異部位を含む少なくとも2種類のオリゴヌクレオチドプライマー、及び鋳型となる標的核酸配列を含む核酸断片を含む反応溶液を実質的に等温でインキュベートする工程;及び
(2)前記プライマーの3’末端を起点とするポリメラーゼ反応による核酸増幅反応が起きたか否かにより変異の有無を判定する工程: - 非イオン界面活性剤のHLB価が12以上であることを特徴とする請求項24に記載の方法。
- 非イオン界面活性剤のHLB価が14以上であることを特徴とする請求項24に記載の方法。
- 非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系から選ばれることを特徴とする請求項24に記載の方法。
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