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JP2010153782A - 基板の研磨方法 - Google Patents

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JP2010153782A
JP2010153782A JP2009198770A JP2009198770A JP2010153782A JP 2010153782 A JP2010153782 A JP 2010153782A JP 2009198770 A JP2009198770 A JP 2009198770A JP 2009198770 A JP2009198770 A JP 2009198770A JP 2010153782 A JP2010153782 A JP 2010153782A
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Daisuke Ryuzaki
大介 龍崎
Yosuke Hoshi
陽介 星
Naoyuki Koyama
直之 小山
Shigeru Nobe
茂 野部
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】表面に凹凸を有する被研磨膜が形成された基板を、高速に研磨することができ、更に被研磨膜に与える研磨傷を低減することができる基板の研磨方法を提供する。
【解決手段】表面に凹凸を有する被研磨膜を有する基板を研磨する方法であって、
該方法は、研磨剤を前記被研磨膜と研磨パッドとの間に供給しながら、前記研磨パッドによって前記被研磨膜を研磨する工程を備えてなり、
前記被研磨膜表面の凹凸の段差が、100nm以上であり、
前記研磨剤が、少なくとも砥粒及び水を含み、
前記砥粒は、4価の酸化セリウム粒子及び4価の水酸化セリウム粒子の少なくとも1成分を含有してなり、
前記砥粒の1次粒径が、1nm以上、100nm以下であり、
前記砥粒の2次粒径が、1nm以上、200nm以下であり、
前記研磨パッドのショアD硬度が、41以上、59以下である基板の研磨方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、被研磨膜が形成された基板の研磨方法に関し、特に半導体デバイスの製造工程で被研磨膜が形成された基板を、化学機械研磨する方法に関する。
大規模集積回路(LSI)に代表される半導体デバイスは、世代ごとに回路寸法を縮小することで高性能化を実現している。このため、半導体デバイスの製造工程では、様々な高精度の加工技術が要求されている。中でも化学機械研磨(CMP)による平坦化技術は、現在の半導体デバイスの製造工程には不可欠であり、シャロー・トレンチ・アイソレーションの形成、プリメタル絶縁膜や層間絶縁膜の平坦化、コンタクトプラグや銅ダマシン配線の形成等に広く使われている。
一般にCMP工程では、被研磨膜が形成された基板を研磨パッドに押し当てて加圧し、被研磨膜と研磨パッドとの間に研磨剤を供給しながら、基板と研磨パッドとを相対的に動かすことで研磨を進行させる。ここで研磨剤や研磨パッドは、被研磨膜の研磨速度、平坦性、研磨選択性、研磨傷数、基板面内の均一性等の研磨特性を決定する重要な因子である。特に、研磨剤に含まれる砥粒の種類や濃度、研磨パッドの材質や硬度等を変更することで、これらの研磨特性は、大きく変化する。
CMP用の研磨剤として最も多用されているのは、ヒュームドシリカやコロイダルシリカ等のシリカ砥粒を含む研磨剤である。シリカ系研磨剤は、汎用性が高いことが特徴であり、砥粒濃度、pH、添加剤等を適切に選択することで、絶縁膜や導電膜等の膜種を問わず、幅広い種類の膜を研磨することができる。
一方で、主に酸化シリコン膜等の絶縁膜を対象とした、セリウム化合物砥粒を含む研磨剤の需要も拡大している。例えば、酸化セリウム(セリア)粒子を砥粒として含む酸化セリウム系研磨剤は、シリカ系研磨剤よりも低い砥粒濃度でも、高速で酸化シリコン膜を研磨できるのが特徴である。また、酸化セリウム系研磨剤は、適当な添加剤を加えることで、平坦性や研磨選択性を改善できることが知られている。
例えば、シャロー・トレンチ・アイソレーション(STI)を形成する工程では、シリコン基板に形成された溝に、被研磨膜である酸化シリコンを埋め込む。このような工程では、一般的に、前記シリコン基板の溝の段差を反映した凹凸が酸化シリコン膜の表面に生じる。ここで、酸化シリコン膜を研磨する際に、研磨剤に添加する添加剤を適当に選択することで、凸部の凹部に対する研磨速度の比を高めることができる。その結果、酸化シリコン膜の凸部が凹部に比べて優先的に研磨され、研磨後の平坦性を向上させることができる。
また、シャロー・トレンチ・アイソレーションを形成する工程では、酸化シリコン膜の下層に、研磨停止層としてのポリシリコン膜や、窒化シリコン膜を備えるのが一般的である。ここで、酸化シリコン膜を研磨する際に、研磨剤に添加する添加剤を適当に選択することで、酸化シリコン膜の、ポリシリコン膜や窒化シリコン膜に対する研磨速度の比(研磨選択性)を、高めることができる。その結果、ポリシリコン膜や窒化シリコン膜が露出した時に、研磨を停止することが容易になり、研磨が過剰に進行するのを防止することができる。CMP工程に用いる酸化セリウム系研磨剤については、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
CMP用の研磨パッドとして最も多用されているのは、ショアD硬度が、50〜65の発泡ポリウレタン研磨パッドである。中でも代表的な研磨パッドとして、ニッタ・ハース株式会社の発泡ポリウレタン研磨パッド(商品名:IC1000、ショアD硬度:59、密度:0.8g/cm)が広く知られており、シャロー・トレンチ・アイソレーションの形成、プリメタル絶縁膜や層間絶縁膜の平坦化、コンタクトプラグや銅ダマシン配線の形成等に用いられるCMP工程で一般的に使われている。
ところで、近年、半導体デバイスの回路寸法が微細化されるのに伴い、CMP工程で発生する研磨傷が深刻な問題となりつつある。CMP工程で被研磨膜に研磨傷が生じると、微細なトランジスタや配線の断線不良や短絡不良等が発生するからである。
そこで、研磨傷数を低減する方法として、被研磨膜に与えられる機械的作用を、できるだけ小さくする方法が提案されている。例えば、特許文献3には、1次粒径が、50nm以下、2次粒径が、300nm以下であるような、微細なセリウム化合物粒子又は4価の金属水酸化物粒子を砥粒として含む研磨剤を用いることが記載されている。そして、この研磨剤を用いて、酸化シリコン膜が形成されたブランケット基板を研磨した際に、光学顕微鏡による観察で、酸化シリコン膜に研磨傷が無いことが示されている。
特開平8−22970号公報 特開平10−106994号公報 国際公開第02/067309号
上述のように、研磨傷数を低減する方法として、研磨剤に含まれる砥粒の粒径を小さくする等の方法が知られているが、このような方法では、研磨傷数は低減できるものの、一方で、他の研磨特性が悪化するという問題が、新たに発生することがわかった。
即ち、砥粒の1次粒径を小さくしていくと、砥粒が被研磨膜に与える機械的作用が小さくなるため、研磨傷は低減する傾向がある。その結果、平坦な被研磨膜の研磨速度は、大幅には変化しないものの、一方で、表面に凹凸を有する被研磨膜の研磨速度が、著しく低下することがわかった。また、平坦性や研磨選択性を高めるための添加剤が、研磨剤に含まれる場合は、一般的に、表面に凹凸を有する被研磨膜の研磨速度の低下が、特に顕著になることがわかった。
上記問題に対して、従来は明確な解決方法がなかった。例えば、前記特許文献3には、小粒径の砥粒を含む研磨剤で、平坦な被研磨膜を良好に研磨できることが記載されているが、表面に凹凸を有する被研磨膜に対する研磨速度については、一切触れられていない。また、前記特許文献3では、研磨に用いる研磨パッドのショアD硬度が、50以上であることが好ましいとされているものの、このようなパッドが、平坦な被研磨膜だけでなく、表面に凹凸を有する被研磨膜を研磨する場合にも有効であるかは不明であった。
本発明の目的は、表面に凹凸を有する被研磨膜が形成された基板を、高速に研磨することができ、更に被研磨膜に与える研磨傷を低減することができる基板の研磨方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討をした結果、所定の砥粒を、所定の硬度を有する研磨パッドと組み合わせて使用することによって、前記課題を解決できることを見出した。より具体的には、砥粒として、4価の酸化セリウム粒子及び4価の水酸化セリウム粒子の少なくとも1成分を用い、前記砥粒の1次粒径を、1nm以上、100nm以下にし、前記砥粒の2次粒径を、1nm以上、200nm以下にした研磨剤と、ショアD硬度41以上、59以下の研磨パッドを用いて研磨することで、前記課題を解決できることを見出した。
従来の常識では、前記のように小粒径の砥粒を用いた研磨剤で研磨をする場合、高い研磨速度を得るためには、できるだけ高硬度の研磨パッドを用いることが望ましいとされてきた。これに対して本発明者らは、被研磨膜の表面に凹凸がある場合は、むしろ、反対にショアD硬度が、41以上、59以下の低硬度の研磨パッドを用いた方が、研磨傷を抑制しつつ、被研磨膜の研磨速度が高速化することを見出した。
表面に凹凸を有する被研磨膜を、小粒径の砥粒を用いた研磨剤で研磨すると、大粒径の砥粒を用いた場合に比べて、被研磨膜の凹部に砥粒が捕捉され易くなると考えられる。このため、凸部への砥粒の供給量が減少してしまい、平坦な被研磨膜を研磨する場合に比べて、被研磨膜の研磨速度が低下すると考えられる。
これに対して、本発明のようにショアD硬度が49以上、59以下の低硬度の研磨パッドを用いれば、研磨パッドの被研磨膜の凹凸に対する追従性が高まり、砥粒が被研磨膜の凹部へ捕捉されるのを抑制できるようになると考えられる。その結果、被研磨膜の凸部への砥粒の供給量が増加し、凸部の研磨速度が高速化すると考えられる。
本発明は、以下の(1)〜(17)に関する。
(1) 表面に凹凸を有する被研磨膜を有する基板を研磨する方法であって、
該方法は、研磨剤を前記被研磨膜と研磨パッドとの間に供給しながら、前記研磨パッドによって前記被研磨膜を研磨する工程を備えてなり、
前記被研磨膜表面の凹凸の段差が、100nm以上であり、
前記研磨剤が、少なくとも砥粒及び水を含み、
前記砥粒は、4価の酸化セリウム粒子及び4価の水酸化セリウム粒子の少なくとも1成分を含有してなり、
前記砥粒の1次粒径が、1nm以上、100nm以下であり、
前記砥粒の2次粒径が、1nm以上、200nm以下であり、
前記研磨パッドのショアD硬度が、41以上、59以下である基板の研磨方法。
(2) 被研磨膜表面の凹凸の段差が、200nm以上である前記(1)記載の基板の研磨方法。
(3) 被研磨膜表面の凹凸の段差が、300nm以上である前記(1)記載の基板の研磨方法。
(4) 砥粒の1次粒径が、1nm以上、75nm以下である前記(1)乃至(3)のいずれか記載の基板の研磨方法。
(5) 砥粒の1次粒径が、1nm以上、50nm以下である前記(1)乃至(3)のいずれか記載の基板の研磨方法。
(6) 砥粒の1次粒径が、1nm以上、25nm以下である前記(1)乃至(3)のいずれか記載の基板の研磨方法。
(7) 砥粒の2次粒径が、1nm以上、150nm以下である前記(1)乃至(6)のいずれか記載の基板の研磨方法。
(8) 研磨パッドのショアD硬度が、42以上、58以下の樹脂である前記(1)乃至(7)のいずれか記載の基板の研磨方法。
(9) 研磨パッドのショアD硬度が、43以上、57以下の樹脂である前記(1)乃至(7)のいずれか記載の基板の研磨方法。
(10) 研磨パッドの密度が、0.85g/cm以上である前記(1)乃至(9)のいずれか記載の基板の研磨方法。
(11) 研磨パッドの密度が、1g/cm以上である前記(1)乃至(9)のいずれか記載の基板の研磨方法。
(12) 研磨パッドが、非発泡ポリウレタンである前記(1)乃至(11)のいずれか記載の基板の研磨方法。
(13) 研磨剤が、水溶性重合体を含む前記(1)乃至(12)のいずれか記載の基板の研磨方法。
(14) 被研磨膜の少なくとも一部を酸化シリコン系絶縁膜とする前記(1)乃至(13)のいずれか記載の基板の研磨方法。
(15) 100メッシュの砥粒よりもサイズが小さいダイヤモンド砥粒を有するコンディショナーを用いて、基板の研磨前、研磨中、又は研磨後に、研磨パッドの表面を荒らす処理を行う工程を含む前記(1)乃至(14)のいずれか記載の基板の研磨方法。
(16) ダイヤモンド砥粒を有するコンディショナーを用いて、基板を5枚以上研磨する毎に一回の割合で、研磨パッドの表面を荒らす処理を行う工程を含む前記(1)乃至(15)のいずれか記載の基板の研磨方法。
(17) 表面に凹凸を有する被研磨膜が形成された基板を研磨する基板の研磨方法であって、
該方法は、前記被研磨膜と研磨パッドとの間に研磨剤を供給しながら、前記研磨パッドによって被研磨膜を研磨する工程を備えてなり、
前記被研磨膜表面の凹凸の段差が、100nm以上であり、
前記研磨剤が、少なくとも砥粒及び水を含み、
前記砥粒は、4価の酸化セリウム粒子及び4価の水酸化セリウム粒子の少なくとも1成分を含有してなり、
前記砥粒の1次粒径が、1nm以上、100nm以下であり、
前記砥粒の2次粒径が、1nm以上、150nm以下であり、
前記研磨する工程が、少なくとも2段階の研磨工程に分かれ、
1段階目の研磨工程にショアD硬度が、41以上、59以下の研磨パッドを用い、
2段階目以降の少なくとも1つの研磨工程にショアD硬度が、70以上の研磨パッドを用いる基板の研磨方法。
本発明によれば、表面に凹凸を有する被研磨膜が形成された基板を高速に研磨することができ、更に被研磨膜に与える研磨傷を低減することができる基板の研磨方法が提供できる。特に、半導体デバイスの製造に用いるCMP工程では、スループットを向上することができ、また、被研磨膜の研磨傷に起因した半導体デバイスの不良を、低減することができる。
本発明における基板の研磨方法は、表面に凹凸を有する被研磨膜を有する基板を研磨する方法である。そしてその方法は、前記被研磨膜と研磨パッドとの間に研磨剤を供給しながら、前記研磨パッドによって被研磨膜を研磨する工程を備えてなる。前記被研磨膜表面の凹凸の段差が、100nm以上であり、前記研磨剤は少なくとも砥粒及び水を含み、前記砥粒が、4価の酸化セリウム粒子及び4価の水酸化セリウム粒子の少なくとも1成分を含有し、前記砥粒の1次粒径が、1nm以上、100nm以下であり、前記砥粒の2次粒径が、1nm以上、200nm以下であり、前記研磨パッドのショアD硬度が、41以上、59以下である。
以下に、本発明における基板の研磨方法の各構成要素について詳述する。
<研磨剤>
本発明に用いられる研磨剤は、少なくとも砥粒及び水を含み、前記砥粒が、4価の酸化セリウム粒子及び4価の水酸化セリウム粒子の少なくともいずれかを含有し、前記砥粒の1次粒径が、1nm以上、100nm以下であり、前記砥粒の2次粒径が、1nm以上、200nm以下である。
[砥粒]
(1.砥粒の成分)
本発明において、研磨剤中の砥粒の少なくとも1成分は、4価の酸化セリウム粒子又は4価の水酸化セリウム粒子である。これにより、特にシリコン系化合物を含む被研磨膜の研磨速度を、向上させることができる。4価の酸化セリウム粒子及び4価の水酸化セリウム粒子を併用してもよい。
また、4価の水酸化セリウム粒子は、同程度の1次粒径を持つ4価の酸化セリウム粒子に比べて化学的活性が高く、被研磨膜の研磨速度を更に向上させることができる。このような観点から、研磨剤中の砥粒は、4価の水酸化セリウム粒子であることが、更に好ましい。
(2.酸化セリウム粒子)
一般に、4価の酸化セリウム粒子(以下、単に「酸化セリウム粒子」と言う。)は、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、しゅう酸塩等のセリウム化合物を酸化することによって得られる。酸化の方法としては、焼成又は過酸化水素等による酸化法を使用することができる。焼成の場合、焼成温度は、350〜900℃が好ましい。
また、酸化セリウム粒子を作製する方法として、水熱合成法を用いることもできる。例えば、水酸化セリウム等の前駆体を、水中で100℃以上に加熱する方法が挙げられる。
酸化セリウム粒子として、市販の酸化セリウム粒子を用いることもできる。例えば、ナノフェーズ・テクノロジーズ株式会社、フェロ株式会社、アドバンスド・ナノ・プロダクツ株式会社、ローディア・エレクトロニクス・アンド・カタリシシス株式会社、シーアイ化成株式会社等により販売されている、酸化セリウム粒子を挙げることができる。
尚、酸化セリウム粒子を含む研磨剤を、半導体デバイスの製造に係る研磨に使用する場合は、アルカリ金属及びハロゲン類の含有率が、酸化セリウム粒子中10ppm以下であることが好ましい。
(3.水酸化セリウム粒子)
一般に、4価の水酸化セリウム粒子(以下、単に「水酸化セリウム粒子」と言う。)は、セリウム塩とアルカリ液とを混合して、水酸化セリウム粒子を析出する方法で得られる。この方法は、例えば「希土類の科学」(足立吟也編、株式会社化学同人、1999年)304〜305頁に説明されている。
セリウム塩としては、例えば、Ce(SO、Ce(NH(NO、Ce(NH(SO等が好ましい。
また、アルカリ液としては、アンモニア水、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等を用いることが出来る。尚、研磨剤を半導体デバイス製造に用いる場合は、アルカリ金属を含まないアンモニア水が好ましい。前記析出により得られる水酸化セリウム粒子は、洗浄によって金属不純物を除去することができる。洗浄方法としては、遠心分離等で固液分離を数回繰り返す方法などを用いることができる。
水酸化セリウム粒子を含む研磨剤を、半導体デバイスの製造に係る研磨に使用する場合は、アルカリ金属及びハロゲン類の含有率が、水酸化セリウム粒子中10ppm以下であることが好ましい。
(4.その他の粒子)
本発明において、酸化セリウム粒子又は水酸化セリウム粒子以外の成分の粒子を含むこともできる。具体的には例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子、ダイヤモンド粒子、炭素粒子等の無機粒子類、ウレタン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、メタクリル系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、エポキシ系樹脂粒子等の有機樹脂粒子類などが挙げられる。このような他の成分の粒子を必要に応じて含ませることで、被研磨膜の研磨速度をさらに改善することができる。
(砥粒の混合、粉砕、分散方法)
本発明において、砥粒として複数成分の粒子を混合して用いる場合は、その混合方法に特に制限は無い。全ての粒子を乾燥粉の状態で混合する方法、任意の粒子を媒体に分散させた分散液に他の粒子の乾燥粉を混合する方法、それぞれの粒子を独立に媒体に分散させた分散液を混合する方法等を、挙げることができる。
また、研磨剤中での複数成分の砥粒粒子は、粒子同士が結合していても、結合していなくても良い。結合している場合、結合形態には特に制限が無く、共有結合、ファンデルワールス力、静電引力、双極子―双極子相互作用、疎水結合、水素結合等が挙げられる。
また、複数成分の粒子の1つが、水酸化セリウム粒子である場合、任意の粒子の分散液に対して、セリウム塩及びアルカリ液を混合し、前記任意の粒子の分散下で水酸化セリウム粒子を析出させても良い。更に、前記水酸化セリウム粒子を前記分散液中で加熱し、水酸化セリウム粒子の一部又は全てを、酸化セリウム粒子に変換しても良い。
本発明において、砥粒の研磨剤中での分散性を向上させるために、砥粒を機械的に粉砕しても良い。粉砕方法としては、ジェットミル等による乾式粉砕や、遊星ビーズミル等による湿式粉砕が好ましい。
また、砥粒を媒体に分散させる際、その分散方法に特に制限は無い。具体的には、通常の攪拌機による分散処理の他に、ホモジナイザ、超音波分散機、湿式ボールミル等を用いることができる。分散方法、粒径制御方法については、例えば、分散技術大全集(株式会社情報機構、2005年7月)に記述されている方法を用いることができる。
(砥粒の粒径)
本発明において、前記砥粒の1次粒径及び2次粒径は、小さすぎると実用的な研磨速度が得られない傾向がある。反対に、粒径が大きすぎると、研磨傷の発生が顕著になる傾向がある。高研磨速度と低研磨傷数とを両立する観点及び後述する研磨パッドと併用する効果を十分に得る点から、本発明における砥粒の1次粒径は、1〜100nmにする必要があり、1〜75nmが好ましく、1〜50nmがより好ましく、1〜25nmが更に好ましい。同様に砥粒の2次粒径は、1〜200nmにする必要があり、1〜150nmが好ましい。
本発明において、砥粒の1次粒子とは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)等により、砥粒が粉体の状態で観察した際に認められる、結晶子に相当する最小単位の粒子をいう。例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)写真を撮り、1次粒子を2本の平行線で挟んだとき、その間隔が最小の部分の値を短径、最大の部分の値を長径とし、その短径と長径との平均を、結晶子の粒径とする。そして、ランダムに選択した100個の結晶子の粒径を測定し、その算術平均を、本発明では1次粒径とする。
尚、セリウム化合物を焼成して得られる酸化セリウム粒子は、その焼成条件によって、結晶粒界に囲まれた複数の結晶子からなる多結晶体を形成することがある。多結晶体は、複数の1次粒子が、単に弱く凝集した凝集体とは異なる。この場合、1次粒子とは、多結晶体1つではなく、結晶粒界に囲まれた結晶子1つを指す。
本発明において、砥粒の研磨剤中での2次粒径(研磨剤中での凝集体の粒径)とは、動的光散乱法を用い、キュムラント解析で得られるZ−average Sizeとして得られる平均粒径をいう。2次粒径の測定には、例えば、マルバーン・インスツルメンツ社製の商品名:Zetasizer Nano Sを使用でき、動的光散乱測定において多重散乱が起こらない程度に、研磨剤を純水で希釈して測定することができる。具体的には、例えば、研磨剤を砥粒濃度が0.2質量%となるように純水で希釈し、分散媒の屈折率を1.33、粘度を0.887とし、25℃において測定を行い、Z−average Sizeとして表示される値を読み取る。
本発明において、砥粒の研磨剤中での2次粒径は、小さすぎると研磨剤中で砥粒が凝集しやすくなる傾向がある。反対に、2次粒径が大きすぎると、研磨剤中で砥粒が沈降しやすくなる傾向や、被研磨膜との接触面積が小さくなり、研磨速度が低下する傾向がある。研磨剤の安定性を確保する観点から、本発明における当該2次粒径は、1nm以上150nm以下が好ましい。
砥粒の1次粒子の比表面積は50m/g以上であるのが好ましい。また、500m/g以下が好ましい。より好ましくは80〜500m/g、更に好ましくは100〜350m/gであり、特に好ましくは150〜250m/gである。比表面積は、窒素吸着によるBET法(例えばカンタクローム社製の、製品名オートソーブや製品名オートスクラブ−1)で測定できる。ここで、測定試料は150℃で前処理を行う。砥粒は被研磨膜と化学的作用を及ぼす必要があるため、比表面積が50m/g以上であれば被研磨膜との接触面積が充分であり、高い研磨速度が得られる傾向がある。
砥粒の密度は、3g/cm以上6g/cm以下であることが好ましく、4g/cm以上5g/cm以下であることがより好ましい。密度が3g/cm以上であれば、砥粒の被研磨膜への作用が低下しないので十分な研磨速度を得られる。密度が6g/cm以下であれば、研磨傷の発生を抑えられる。
(砥粒のゼータ電位)
本発明において、砥粒の研磨剤中でのゼータ電位は特に限定されず、正電位であっても、負電位であっても、ゼロ電位であっても良い。砥粒の研磨剤中での分散性を高めるためには、ゼータ電位の絶対値が大きいことが好ましい。また、負電位を帯びた被研磨膜の研磨速度を、高速に研磨したい場合は、砥粒のゼータ電位を、正電位にすることが特に好ましい。これにより、正電荷を帯びた砥粒と、負電荷を帯びた被研磨膜との間に、静電引力が働き、小粒径の砥粒でも高い研磨速度が実現できる。
ゼータ電位の測定には、例えば、マルバーン・インスツルメンツ社の商品名:Zetasizer 3000 HSを使用でき、研磨剤をこの測定機器にて推奨される散乱光量となるように純水で希釈して測定することができる。
(砥粒の濃度)
本発明において、砥粒の研磨剤に対する濃度は特に限定されないが、低すぎると実用的な研磨速度が得られない傾向がある。また、砥粒の濃度が高すぎても、砥粒の凝集が促進されて、研磨に有効な粒子数が減少するので、研磨速度が低下する傾向がある。そこで砥粒の研磨剤に対する濃度は、0.001〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.1〜2質量%が更に好ましい。
[媒体]
本発明において、研磨剤は、媒体として少なくとも水を含むが、必要に応じて水以外の媒体を含むことができる。このような媒体としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類の他、エーテル類、ケトン類、エステル類などが挙げられる。このような水以外の媒体を必要に応じて含ませることで、被研磨膜の研磨速度を調整することができる。
[添加剤]
本発明において、研磨剤は、添加剤を含んでいても良い。ここで添加剤とは、砥粒及び水以外に含まれる物質を指す。添加剤を加えることで、被研磨膜の研磨速度、研磨選択性、平坦性を調整することができたり、砥粒の分散性を高めたり、研磨剤の保存安定性を高めたりすること等ができる。尚、研磨剤のpHを調整するための、酸成分やアルカリ成分も、添加剤と見なすことができる。
添加剤は、水溶性であることが好ましい。また、添加剤は単量体であっても重合体であっても良く、単独で使用しても、複数を組み合わせて使用しても良い。被研磨膜の研磨後の平坦性を改善するためには、添加剤の1成分として、水溶性重合体が含まれることが特に好ましい。
(水溶性重合体の分子量)
添加剤として、水溶性重合体を用いる場合は、水溶性重合体の分子量が低すぎると、被研磨膜の研磨後の平坦性を改善する効果が低下する傾向がある。また、水溶性重合体の分子量が高すぎると、被研磨膜の研磨速度が低下する傾向がある。そこで水溶性重合体の分子量は、500〜1,000,000が好ましく、1,000〜500,000がより好ましく、5,000〜100,000が更に好ましい。
水溶性重合体の分子量は、静的光散乱法によって測定することができ、例えば、マルバーン・インスツルメンツ社の商品名:Zetasizer nanoを使用して、濃度の異なる試料の散乱光量を測定し、Debyeプロットを作製して求めることができる。Debyeプロットに用いる屈折率の濃度増分(dn/dC)は、例えば、大塚電子株式会社の示差屈折計(商品名:DRM−3000)を用いて測定することができる。何れの測定においても、純水を溶媒として25℃で測定することができる。
(水溶性重合体の濃度)
添加剤として水溶性重合体を用いる場合は、水溶性重合体の研磨剤に対する濃度が低すぎると、被研磨膜の研磨後の平坦性を改善する効果が、低下する傾向がある。また、水溶性重合体の濃度が高すぎると、被研磨膜の研磨速度が低下する傾向がある。そこで水溶性重合体の研磨剤に対する濃度は、0.001〜20質量%が好ましく、0.005〜10質量%がより好ましく、0.01〜5質量%が更に好ましい。
(水溶性重合体の成分)
添加剤として、水溶性重合体を用いる場合は、水溶性重合体がアニオン性重合体、ノニオン性重合体、カチオン性重合体の何れでも良い。砥粒の研磨剤中でのゼータ電位が、正電位である場合は、砥粒の分散性を妨げないために、ノニオン性重合体又はカチオン性重合体であることが好ましい。また、砥粒の研磨剤中でのゼータ電位が、負電位である場合は、砥粒の分散性を妨げないために、ノニオン性重合体又はアニオン性重合体であることが好ましい。
具体的には、水溶性重合体が、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン−ヨウ素錯体、ポリビニル(5−メチル−2−ピロリジノン)、ポリビニル(2−ピペリジノン)、ポリビニル(3,3,5−トリメチル−2−ピロリジノン)、ポリビニルフェニルケトン、ポリビニルアセトフェノン、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(4−β−ヒドロキシエチルピリジン)、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(2−β−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(4−ヒドロキシエチルピリジン)、ポリ(α−メチルスチレン−co−4−ビニルピリジン)、ポリ(1−(3−スルホニル)−2−ビニルピリジニウムベタインco−p−スチレンスルホン酸カリウム)、ポリ(N−ビニルイミダゾール)、ポリ(4−ビニルイミダゾール)、ポリ(5−ビニルイミダゾール)、ポリ(1−ビニル−4−メチルオキサゾリジノン)、ポリビニルアセトアミド、ポリビニルメチルアセトアミド、ポリビニルエチルアセトアミド、ポリビニルフェニルアセトアミド、ポリビニルメチルプロピオンアミド、ポリビニルエチルプロピオンアミド、ポリビニルメチルイソブチルアミド、ポリビニルメチルベンジルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ポリアクロレイン、ポリ酢酸ビニル、ポリ(酢酸ビニル−co−メタクリル酸メチル)、ポリ(酢酸ビニル−co−アクリル酸ビニル)、ポリ(酢酸ビニル−co−ピロリジン)、ポリ(酢酸ビニル−co−アセトニトリル)、ポリ(酢酸ビニル−co−N,N−ジアリルシアニド)、ポリ(酢酸ビニル−co−N,N−ジアリルアミン)、ポリ(酢酸ビニル−co−エチレン)、ポリエチレングリコール及びその誘導体、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、エチレンジアミンのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、キトサン、ポリエチレンイミン、ポリジメチルアクリルアミド、ポリ(N−ヒドロキシエチルアクリルアミド)、ポリ(アクロイルモルホリン)、ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)の群から選ばれる1つ又は2つ以上であることが、更に好ましい。
(水溶性単量体)
添加剤として用いることができる水溶性単量体としては、例えば、カルボン酸、アミノ酸、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
カルボン酸としては、水への溶解性を有していれば特に限定されないが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、クエン酸、安息香酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、アルギニン、リシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、プロリン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、グリシン、アラニン、β−アラニン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン等が挙げられる。
両性界面活性剤は、分散性を向上させ、研磨速度を向上させる効果があり、例えば、ベタイン、β−アラニンベタイン、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤は、研磨特性の平坦性や面内均一性を調整する効果があり、例えば、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、特殊ポリカルボン酸型分散剤等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤は、研磨特性の平坦性や面内均一性を調整する他、発泡を制御して取扱い性や洗浄性を向上させる効果があり、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤は、研磨特性の平坦性や面内均一性を調整する効果があり、例えば、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。
これらの水溶性単量体のうち、分散性、研磨速度に優れる点で、カルボン酸、アミノ酸、両性界面活性剤が好ましい。更に、研磨剤の安定性に優れる点で、両性界面活性剤がより好ましく、ベタイン、β−アラニンベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが更に好ましい。
[pH]
本発明において、研磨剤のpHは特に制限されないが、低すぎたり高すぎたりすると、被研磨膜の研磨速度が低下したり、粒子の凝集が促進されたりする傾向がある。そこで研磨剤のpHは、2.0〜10.0の範囲にあることが好ましく、3.5〜8.5であることがより好ましく、4.0〜7.0であることが、更に好ましい。
pHは、公知のpH調整剤によって調整することができる。pH調整剤としては、特に限定されないが、主としてpHの調整に寄与することができ、研磨特性に悪い影響を与えないものが好ましい。そのような観点から、pH調製剤としては、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、クエン酸、ピコリン酸、尿酸等の酸や、アンモニア、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、イミダゾール等のアルカリ成分を挙げることができる。また、pHを安定化させるため、緩衝液を添加してもよい。このような緩衝液としては、例えば、酢酸塩緩衝液、フタル酸塩緩衝液等を挙げることができる。
研磨剤のpHは、一般的なガラス電極を用いたpHメータによって測定できる。具体的には、例えば、横河電機株式会社の商品名:Model PH81を使用することができる。フタル酸塩pH緩衝液(pH4.01)と、中性リン酸塩pH緩衝液(pH6.86)とを、標準緩衝液として用い、pHメータを2点校正した後、pHメータの電極を研磨剤に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定することで得られる。このとき、標準緩衝液と研磨剤の液温は、例えば、共に25℃とすることができる。
[研磨剤の保存方法]
本発明において、研磨剤の保存方法に特に制限は無い。砥粒、水、及び必要に応じて添加剤を含む1液式研磨剤として保存しても良い。また例えば、少なくとも砥粒を含むスラリ(以下、単に「スラリ」と言う。)と、少なくとも添加剤を含む添加液とに分割して、2液式研磨剤として保存しても良い。また、何れの場合においても、水の含有量を減じた濃縮研磨剤、濃縮スラリ、又は濃縮添加液として保存し、研磨時に水で希釈して用いても良い。
スラリ、濃縮研磨剤、及び濃縮スラリ中での砥粒のゼータ電位は、研磨剤中での砥粒の電位と同符号であることが好ましい。これにより、前記スラリ、濃縮研磨剤、及び濃縮スラリを水で希釈したり、添加液と混合したりして研磨剤を調製する際に、研磨剤中の砥粒のゼータ電位を、所望の符号に調整するのが容易になる。
<研磨方法>
本発明における基板の研磨方法は、表面に凹凸を有する被研磨膜を有する基板を研磨する方法であって、前記被研磨膜と研磨パッドとの間に研磨剤を供給しながら、研磨パッドによって前記被研磨膜を研磨する工程を有する。具体的には前記基板を研磨パッドに押し当てて加圧し、基板と研磨パッドとを相対的に動かして被研磨膜を研磨する方法を挙げることができる。
[研磨装置]
本発明において、使用することができる研磨装置には、特に制限は無い。基板を保持可能な基板ホルダーと、研磨パッドを貼り付け可能な研磨定盤と、研磨剤の供給機構を有する一般的な研磨装置が使用できる。基板ホルダーには、基板を研磨パッドに押し当てて加圧する加圧機構が備えられている。また、基板ホルダーと研磨定盤には、それぞれに回転数を変更可能なモータ等が備えられおり、基板と研磨パッドを相対的に動かすことができる。また、研磨剤の供給機構には、研磨剤の流量を制御する機構が備えられており、適当な量の研磨剤を、基板と研磨パッドの間に供給することができる。また、研磨剤の供給方法として、一般的には、研磨剤を研磨パッドの上に滴下する方法が用いられる。具体的な研磨装置としては、例えば、株式会社荏原製作所の商品名:EPO−111、EPO−222、FREX−200、FREX−300、アプライド・マテリアルズ・ジャパン株式会社の商品名:MIRRA、Reflexion、株式会社東京精密の商品名:ChaMPシリーズ等が挙げられる。
本発明において、研磨条件の設定に特に制限は無いが、基板が基板ホルダーから外れないように、定盤の回転速度は200回転/分以下が好ましく、基板にかける圧力(研磨圧力)は、100kPa以下が好ましい。また、研磨パッド上への研磨剤供給量に特に制限は無いが、研磨中は、研磨パッドの表面が常に研磨剤で覆われていることが好ましい。
本発明において、研磨剤の供給方法に特に制限は無い。砥粒、水及び必要に応じて添加剤を含む1液式研磨剤を用いて研磨する場合、研磨剤の供給方法としては、例えば、研磨剤を直接送液して供給する方法、濃縮研磨剤と水を別々の配管で送液し、これらを合流、混合させて供給する方法、予め濃縮研磨剤、水を混合しておき、これを供給する方法等を用いることができる。
砥粒と添加液とを分けた2液式研磨剤の場合、これら2液の配合を任意に変えることにより、研磨特性を調整することができる。2液式研磨剤を用いて研磨する場合、研磨剤の供給方法としては、例えば、スラリと添加液とを別々の配管で送液し、これらの配管を合流、混合させて供給する方法を用いることができる。また、濃縮スラリ、濃縮添加液、水を別々の配管で送液し、これらを合流、混合させて供給する方法も用いることができる。また、予めスラリと添加液を混合しておいたものを供給する方法も用いることができる。更には、予め濃縮スラリ、濃縮添加液、水を混合しておいたものを供給する方法も用いることができる。
[研磨パッド]
本発明に用いる研磨パッドは、そのショアD硬度が41〜59である。
本発明において、研磨パッドのショアD硬度は、41〜59にする必要があり、41以上であれば機械的作用を維持し実用的な研磨速度が得られる傾向があり、また、59以下であれば凹凸面に対する追従性が低下せず、表面に凹凸を有する被研磨膜の研磨速度が、低下しない傾向がある。研磨パッドのショアD硬度は、42〜58がより好ましく、43〜57が更に好ましい。
本発明において、研磨パッドのショアD硬度とは、前記基板の被研磨膜と直接的に接触する部材(以下、「メインパッド」と言う。)のショアD硬度のことであり、JIS K 6253に準拠して測定した数値として定義される。ショアD硬度の測定には、例えば、高分子計器株式会社製の商品名:アスカーゴム硬度計D型を用いることができる。ショアD硬度の測定値には、一般的に±1程度の測定誤差が生じるため、同一の測定を5回行った平均値とする。また、ショアD硬度の上限は、その定義から100となる。
本発明において、研磨パッドの密度は、小さすぎるとコンディショニングや研磨による研磨パッドの磨耗が大きくなり、研磨パッドの耐用寿命が短くなる傾向がある。また、コンディショニングや研磨による研磨パッドの磨耗が大きいと、コンディショニングや研磨中に発生したパッド屑が研磨パッドに残留し、特に小粒径の砥粒を用いた研磨剤による研磨では、前記パッド屑が研磨の妨げとなる傾向がある。そこで本発明において、研磨パッドの密度は、0.85g/cm以上であることが好ましく、1g/cm以上であることが更に好ましい。
本発明において、研磨パッドの密度とは、メインパッドの密度のことである。密度の測定には一般的な密度計を用いることができ、例えば、アルファミラージュ株式会社の商品名:SD−200Lを用いて測定することができる。
本発明において、研磨パッドの研磨剤中でのゼータ電位は、その絶対値が大きすぎるとコンディショニングや、研磨によって発生するパッド屑の研磨剤中での分散性が高くなる傾向がある。その結果、研磨剤を研磨パッド上に供給した際、研磨剤中にパッド屑が分散し易くなり、特に小粒径の砥粒を用いた研磨剤による研磨では、上記パッド屑が研磨の妨げとなる傾向がある。そこで、研磨パッドのゼータ電位の絶対値は、30mV以下であることが好ましく、20mV以下であることがより好ましく、10mV以下であることが更に好ましい。
また、研磨パッドの研磨剤中でのゼータ電位は、研磨剤中での砥粒のゼータ電位と同符号であることが好ましい。研磨剤中での砥粒のゼータ電位と異符号であると、コンディショニングや研磨によって発生するパッド屑と砥粒が、研磨剤中で複合化し易くなり、結果として複合化したパッド屑と砥粒が沈降して、特に小粒径の砥粒を用いた研磨剤による研磨では、被研磨膜の研磨速度が低下する懸念がある。
本発明において、研磨パッドのメインパッドの表面形状に特に制限は無いが、研磨剤が溜まるような溝加工が施されていることが好ましい。これにより、研磨パッド上に研磨剤が均一且つ効率的に広がり、研磨速度が向上したり、研磨の基板面内均一性が向上したりする。
本発明において、使用できる研磨パッドのメインパッドの材質には、特に制限が無く、一般的な非発泡樹脂、発泡樹脂、多孔質樹脂、不織布等が使用できる。具体的材質としては、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル、アクリル−エステル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ−4−メチルペンテン、セルロース、セルロースエステル、ナイロン、及びアラミド等のポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリシロキサン共重合体、オキシラン化合物、フェノール樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂などの樹脂が使用できる。材料コストが低いという観点からは、ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。また、コンディショニングによる磨耗が少ないという観点からは、例えばニッタ・ハース株式会社の発泡ポリウレタン研磨パッド(商品名:IC1000)よりも、発泡率が低いポリウレタン樹脂を用いることがより好ましく、非発泡ポリウレタン樹脂を用いることが、更に好ましい。発泡率が大きいポリウレタン樹脂を用いた場合は、コンディショニングや研磨によって発生したパッド屑のサイズが、大きくなる傾向があり、特に小粒径の砥粒を用いた研磨剤による研磨では、上記パッド屑が研磨の妨げとなる傾向がある。
本発明において、使用できる研磨パッドは、実質的にメインパッドのみから構成される単層パッドであっても、メインパッドの下層にサブパッドを備えた2層パッドであっても良い。特に2層パッドである場合は、サブパッドのショアD硬度を、60以下とすることで、研磨の基板面内均一性が向上する。サブパッドの硬度をメインパッドの硬度よりも低くするのが好ましい。
[コンディショニング]
研磨パッドの表面は、基板毎の研磨特性のばらつきを抑えるために、研磨の回数を増しても、常に同一の状態であることが好ましい。このため、任意の頻度で研磨パッドの表面をコンディショナー(ドレッサーともいう)で荒らしたり、清浄化したりする、つまりコンディショニングすることができる。
コンディショニングは、各基板の研磨前、研磨中又は研磨後に実施することができる。また、製造元から提供される研磨パッドの初期の表面は、一般的に平滑であるため、新しい研磨パッドを研磨で使用する前に、所望の表面粗さが得られるまでコンディショニングをしても良い(パッド・ブレークインともいう)。
コンディショナーとしては、一般的にダイヤモンド砥粒が台座に埋めこまれた、ダイヤモンド砥粒コンディショナーが用いられる。ダイヤモンド砥粒コンディショナーのダイヤモンド砥粒のサイズは、一般的に、小さくても400メッシュ相当、大きくても40メッシュ相当である。更に一般的には、100メッシュ程度のダイヤモンド砥粒が使われている。また、ダイヤモンド砥粒の形状には、イレギュラー形状、ブロッキー形状、これらの中間形状等がある。
一般に、ダイヤモンド砥粒のサイズが大きい程又はダイヤモンド砥粒の形状がイレギュラー形状に近い程、コンディショニングによる研磨パッドの磨耗が大きくなり、研磨パッドの耐用寿命が短くなる傾向がある。また、前述したように、コンディショニングによる研磨パッドの磨耗が大きいと、コンディショニング中に発生したパッド屑が研磨パッドに残留し、特に小粒径の砥粒を用いた研磨剤による研磨では、上記パッド屑が研磨の妨げとなる傾向がある。
研磨パッドの磨耗を抑えるためには、ダイヤモンド砥粒コンディショナーのダイヤモンド砥粒のサイズを、60メッシュ砥粒より小さくすることが好ましく、100メッシュ砥粒よりも小さくすることがより好ましく、140メッシュ砥粒よりも小さくすることが更に好ましい。また、ダイヤモンド砥粒コンディショナーのダイヤモンド砥粒は、ブロッキー形状に近いことが好ましい。
研磨パッドの磨耗を抑えるために、コンディショニングの頻度を少なくしたり、時間を短くしたりすることもできる。研磨パッドの磨耗を抑えるためには、コンディショニングの頻度を、基板を5枚以上研磨する毎にすることが好ましく、25枚以上にすることがより好ましく、50枚以上にすることが更に好ましい。また、研磨パッドの表面を清浄化するために、ダイヤモンド砥粒コンディショナーに代えて、高圧水リンスを用いることで、研磨パッドの磨耗を更に抑えることができる。
また、コンディショニングは、基板の研磨前、研磨中、又は研磨後の何れでも実施することができる。コンディショニング中に発生したパッド屑が、研磨の妨げとなりにくいという観点からは、コンディショニングは、基板の研磨前又は研磨後に実施することが好ましい。
[基板の洗浄]
本発明において、研磨終了後の基板は、洗浄して基板に付着した粒子を除去することが好ましい。洗浄には純水以外に、希フッ酸やアンモニア水を併用しても良いし、洗浄効率を高めるためにブラシを併用しても良い。また、洗浄後の基板は、スピンドライヤ等を用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから、乾燥させることが好ましい。
また、前記以外の基板の洗浄方法として、本発明の基板の研磨方法で研磨をした後、低硬度のバフ研磨用パッドと適切な洗浄液を用いて洗浄する方法もある。この場合、バフ研磨用パッドのショアD硬度としては、55以下が好ましく、洗浄液としては、純水以外に希フッ酸やアンモニア水を併用しても良い。
<研磨対象>
本発明において、研磨対象となるのは、表面に凹凸を持ち、その凹凸の段差が、100nm以上である被研磨膜が形成された基板である。ここで被研磨膜とは、研磨の前又は最中に基板表面に露出し、研磨パッドと接触しうる膜として定義される。また、基板自体が表面に露出して研磨パッドと接触しうる場合は、その基板を広義の被研磨膜と見なすことができる。
[被研磨膜]
本発明において、被研磨膜表面の凹凸の段差は、基板に平行な基準面から測定した、被研磨膜の最大高さと最小高さの差として定義される。本発明において、被研磨膜表面の凹凸の段差は、例えば、光学式膜厚測定装置を用いて、被研磨膜の凸部と凹部の膜厚を測定したり、触針式段差計を用いて、被研磨膜の凸部と凹部の高低差を直接測定したりすることで求めることができる。
本発明において、被研磨膜表面の初期の凹凸の段差が充分に大きければ、本発明で規定された研磨パッド(ショアD硬度:41〜59)が、高硬度の研磨パッドを用いるよりも被研磨膜の研磨速度が高くなる傾向があり、本発明の効果が十分に生かせる。そこで本発明における被研磨膜表面の凹凸の段差は、100nm以上である必要があり、200nm以上がより好ましく、300nm以上が更に好ましい。
本発明において、被研磨膜は単一の膜であっても良く、複数の膜であっても良い。複数の膜が基板表面に露出している場合、それらを被研磨膜と見なすことができる。
本発明において、被研磨膜の材質には特に制限がなく、絶縁体、半導体、金属を研磨することができる。本発明において、研磨剤中の砥粒の少なくとも1成分は、4価の酸化セリウム粒子又は4価の水酸化セリウム粒子であるため、高い研磨速度が得られるという観点からは、被研磨膜の少なくとも一部が、シリコン系化合物であることが好ましい。
シリコン系化合物の被研磨膜としては、例えば、結晶シリコン、アモルファスシリコン膜、ポリシリコン膜、シリコンゲルマニウム膜、金属シリサイド膜、窒化シリコン膜、炭化シリコン膜、炭窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、炭酸化シリコン膜、水素基を導入した酸化シリコン膜、メチル基を導入した酸化シリコン膜、ホウ素ドープ酸化シリコン膜、リンドープ酸化シリコン膜等が挙げられる。このうち、高い研磨速度が得られるという観点からは、被研磨膜の少なくとも一部が、酸化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、炭酸化シリコン膜、水素基を導入した酸化シリコン膜、メチル基を導入した酸化シリコン膜、ホウ素ドープ酸化シリコン膜、リンドープ酸化シリコン膜等の酸化シリコン系絶縁膜であることが特に好ましい。
シリコン系化合物以外の被研磨膜としては、例えば、ハフニウム系、チタン系、タンタル系酸化物等の高誘電率膜、銅、アルミニウム、タンタル、チタン、タングステン、コバルト等の金属膜、ゲルマニウム、窒化ガリウム、リン化ガリウム、ガリウム砒素、有機半導体等の半導体膜、ゲルマニウム・アンチモン・テルル等の相変化膜、酸化インジウムスズ等の無機導電膜、ポリイミド系、ポリベンゾオキサゾール系、アクリル系、エポキシ系、フェノール系等のポリマ樹脂膜などが挙げられる。
本発明において、被研磨膜の製膜方法には特に制限が無く、熱反応やプラズマ反応による化学気相成長(CVD)法、物理気相成長(PVD)法、塗布法、熱酸化法、メッキ法等を、用いることができる。
酸化シリコン系絶縁膜の製膜方法としては、例えば、モノシランと酸素を熱反応させる熱CVD法、テトラエトキシシランとオゾンを熱反応させる準常圧CVD法、モノシランと二酸化窒素(又はテトラエトキシシランと酸素)をプラズマ反応させるプラズマCVD法、ポリシラザンやシロキサン等を含む液体原料を基板上に塗布する塗布法等が挙げられる。以上のような方法で得られた酸化シリコン系絶縁膜には、窒素、炭素、水素、ホウ素、リン等、シリコンと酸素以外の元素が含まれていても良い。これにより、膜質や、下地の凹凸に対する埋め込み性等を調整することができる。また、以上のような方法で得られた酸化シリコン系絶縁膜の膜質を安定化させるために、製膜後に、必要に応じて150〜1100℃程度の温度で熱処理をしても良い。
窒化シリコン膜の製膜方法としては、例えば、ジクロルシランとアンモニアを熱反応させる低圧CVD法、モノシラン、アンモニア及び窒素をプラズマ反応させるプラズマCVD法等が挙げられる。以上のような方法で得られた窒化シリコン膜には、膜質を調整するために、炭素、水素等、シリコンと窒素以外の元素が含まれていても良い。
ポリシリコン膜の製膜方法としては、例えば、モノシランを熱反応させる低圧CVD法、モノシランをプラズマ反応させるプラズマCVD法等が挙げられる。以上のような方法で得られた窒化シリコン膜には、膜質を調整するために、リン、ホウ素、水素等、シリコン以外の元素が含まれていても良い。
[基板]
本発明において、被研磨膜が表面に形成される基板の材質には特に制限がなく、ガラス、結晶シリコン、アモルファスシリコン、ポリシリコン、シリコンカーバイド、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウム、窒化ガリウム、リン化ガリウム、ガリウム砒素、サファイヤ、プラスチック等が挙げられる。これらの基板は、必要に応じて本発明の基板の研磨方法で研磨されても良い。
[適用工程]
本発明の基板の研磨方法は、半導体デバイスの製造に用いられることに限定されることはなく、例えば、液晶、有機EL等の画像表示装置、フォトマスク、レンズ、プリズム、光ファイバー、単結晶シンチレータ等の光学部品、光スイッチング素子、光導波路等の光学素子、固体レーザー、青色レーザーLED等の発光素子、磁気ディスク、磁気ヘッド等の磁気記憶装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、シリコンインターポーザー等のデバイスの製造にも用いることができる。中でも、本発明の基板の研磨方法は、高い研磨速度、高平坦性、研磨傷の低減が高いレベルで要求される、半導体デバイスに用いられることが特に好ましい。
前記半導体デバイスの種類としては、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のロジックLSI、DRAM、SRAM、NAND型フラッシュメモリ、NOR型フラッシュメモリ、PRAM(相変化メモリ)、FeRAM(強誘電体メモリ)、MRAM(磁気抵抗メモリ)等のメモリデバイス、無線・通信用LSI、AD変換LSI、DA変換LSI等のアナログLSI、CMOSセンサー、CCD等のイメージセンサーLSIなど、更に、これらのLSIを1つのチップ上に混載した混載LSIなどが挙げられる。
本発明の基板の研磨方法は、半導体デバイスの製造工程において、被研磨膜の平坦化が必要な工程に広く適用できる。例えば、シャロー・トレンチ・アイソレーション形成用の絶縁膜の研磨工程、プリメタル絶縁膜の研磨工程、層間絶縁膜の研磨工程、メタル間絶縁膜の研磨工程、タングステンプラグの研磨工程、ポリシリコンプラグの研磨工程、ダングステンダマシン配線の研磨工程、銅ダマシン配線の研磨工程、各種シリサイド形成用の研磨工程、High−k/ダマシンメタルゲート形成用の研磨工程、DRAMにおける埋め込みワード線形成用の研磨工程等が挙げられる。
本発明において、被研磨膜の少なくとも一部が、酸化シリコン系絶縁膜である場合、酸化シリコン系絶縁膜の下層には、研磨停止膜が備えられていても、備えられていなくても良い。研磨停止膜が備えられている場合、酸化シリコン系絶縁膜よりも研磨速度が低いポリシリコン膜又は窒化シリコン膜が、研磨停止膜であることが好ましく、これらポリシリコン膜又は窒化シリコン膜が露出した時に、研磨を停止することが更に好ましい。これにより、被研磨膜である酸化シリコン系絶縁膜が過剰に研磨されることを防止でき、被研磨膜の研磨後の平坦性を向上させることができる。
本発明の基板の研磨方法は、1つの研磨工程として単独で用いられても良く、別の研磨方法と組み合わせた、2段階以上の研磨工程の1工程として用いられても良い。ここで、別の研磨方法とは、例えば、本発明で規定されているものとは異なる砥粒又は研磨パッドを用いた研磨方法である。特に、研磨が2段階以上の研磨工程に分かれ、1段階目の研磨工程に本発明の基板の研磨方法を用いる場合は、上記研磨剤のうち、更に砥粒の2次粒径の上限が150nm以下である研磨剤に限定し、1段階目の研磨工程では上記のショアD硬度の研磨パッドを用い、かつ2段階目以降の少なくとも一つの研磨工程で、ショアD硬度70以上の研磨パッドを用いることが好ましい。これにより、1段階目の研磨工程で平坦化された被研磨膜を、2段階目以降の研磨工程で更に平坦化することができる。更に、研磨が2段階以上の研磨工程に分かれる場合、全ての研磨工程で本発明で規定される研磨剤を用いることが好ましい。これにより、被研磨膜に発生する研磨傷数を低減することができる。
<研磨特性の評価>
本発明において、被研磨膜の研磨速度、平坦性、研磨傷数等の研磨特性は、以下に示される方法によって評価される。
[評価基板]
研磨特性を評価するための基板は、ブランケット基板とパターン基板に分かれる。ブランケット基板とは、平坦な基板上に被研磨膜を形成したものであり、被研磨膜の表面は実質的に平坦である。一方で、パターン基板とは、平坦な基板上に被研磨膜を形成した後に、被研磨膜に凹凸パターンの加工を施したもの、凹凸パターンを持った基板や下地膜の上に被研磨膜を形成したもの等であり、被研磨膜の表面は凹凸を有する。
[研磨速度]
被研磨膜の研磨速度は、単位時間あたりに研磨によって減少した被研磨膜の膜厚として定義される。被研磨膜の膜厚の測定には、例えば、ナノメトリクス・ジャパン株式会社の光干渉式膜厚測定装置(商品名:Nanospec AFT−5100)を用いることができる。
[平坦性]
研磨後の被研磨膜の平坦性は、研磨後のパターン基板における凹凸の段差を測定することによって評価される。研磨後の段差が小さい程、平坦性は高く、大きい程、平坦性は低い。また、研磨後のパターン基板の平坦性は、ブランケット基板の研磨速度の圧力依存性を測定することで予測することができる。すなわち、ブランケット基板の研磨において、高圧側の研磨速度の、低圧側の研磨速度に対する比が大きいほど、研磨後のパターン基板の平坦性が高い傾向がある。
[研磨傷数]
本発明において、被研磨膜の研磨傷数の測定には、走査型電子顕微鏡式欠陥検査装置を使用することが好ましい。例えば、アプライド・マテリアルズ・ジャパン株式会社の商品名:SEMVisionを使用することができる。具体的には、例えば、研磨後の基板に形成された被研磨膜の表面を、レーザーでスキャンして欠陥の位置とサイズを検出する。次に、前記装置に検出する欠陥の最低サイズを入力して、それ以上のサイズの欠陥を走査型電子顕微鏡で撮影する。例えば最小サイズを、0.2μmとすれば、画像上、0.2μm以上の大きさの欠陥が全て撮影される。
しかし、撮影された欠陥が全て研磨傷であるとは限らず、異物や研磨剤中の砥粒が残存している場合もある。撮影された欠陥については、モニタ上で画像を見ることができるので、目視で研磨傷か異物かを確認し、研磨傷の数だけを数える。まれに、画像を目視しても研磨傷であるのか、異物であるのか判別できない欠陥が存在する場合がある。その場合は、その欠陥を異なる3方向から走査型電子顕微鏡で観察すれば、欠陥の立体情報を得ることができる。被研磨基板に対して凹状になっていれば研磨傷であり、凸状になっていれば研磨傷ではない。
本発明において、被研磨膜の研磨傷数の測定に、直接目視又は光学顕微鏡よりも、走査型電子顕微鏡を用いるのが好ましい。光学顕微鏡の平均的な倍率は、約500倍であるが、明確な研磨傷として観測される傷の大きさは、せいぜい数十μmのオーダーである。
本発明の研磨方法は、数十μmの大きさの傷が無いことはもとより、走査型電子顕微鏡を用いて観測される微小な研磨傷も低減することができ、例えば、0.2μm以上の傷の数を低減することができる。0.2μm以上の研磨傷数としては、直径200mmの円形基板1枚あたり、10個以下とすることが好ましく、5個以下とすることがより好ましく、0個にすることが更に好ましい。前記走査型電子顕微鏡の検出限界は数十nmであるが、測定精度及び特性の観点から、0.2μm以上の研磨傷を検出すれば充分であると言える。
[研磨剤の調製]
(研磨剤A1)
ビーカー中で、430gのCe(NH(NOを7300gの純水に溶解し、この溶液に240gの25質量%のアンモニア水溶液を混合・攪拌することにより、160gの水酸化セリウム粒子Aの懸濁液を得た。得られた懸濁液の固体成分を遠心分離(4000回転/分、5分間)によって分離し、余分な液体を除去し、新たに純水を加えて、再び同じ条件で遠心分離を行った。このような操作を5回繰り返して、水酸化セリウム粒子Aを洗浄した。洗浄された水酸化セリウム粒子Aに、適当な量の純水を加えて、5質量%の水酸化セリウム粒子Aが含まれる懸濁液Aを得た。
続いて、懸濁液Aに適当な量のアンモニアを加え、液を攪拌しながら超音波を照射して水酸化セリウム粒子Aを分散させた。更に、この分散液を1μmのメンブレンフィルタでろ過し、5質量%の水酸化セリウム粒子Aが含まれる濃縮研磨剤A1を得た。
最後に、濃縮研磨剤A1を純水で10倍に希釈して、0.5質量%の水酸化セリウム粒子Aが含まれる研磨剤A1を得た。研磨剤A1に含まれる砥粒は、1次粒径:3nm、2次粒径:96nm、ゼータ電位:+43mV、研磨剤A1のpH:6.5であった。研磨剤A1の物性を表1に纏める。
(研磨剤A2)
上記5質量%の水酸化セリウム粒子Aが含まれる懸濁液Aに適当な量のアンモニアを加え、更に、1.5質量%のポリビニルアルコール(市販品、分子量約88000)を加えて、液を攪拌しながら超音波を照射して水酸化セリウム粒子Aを分散させた。更に、この分散液を1μmのメンブレンフィルタでろ過し、5質量%の水酸化セリウム粒子Aと、1.5質量%のポリビニルアルコールとが含まれる濃縮研磨剤A2を得た。
最後に、濃縮研磨剤A2を純水で10倍に希釈して、0.5質量%の水酸化セリウム粒子Aと、0.15質量%のポリビニルアルコールとが含まれる研磨剤A2を得た。研磨剤A2に含まれる砥粒は、1次粒径:3nm、2次粒径:147nm、ゼータ電位:+40mV、研磨剤A2のpH:6.5であった。
(研磨剤B1)
市販の酸化セリウム粒子であるシーアイ化成株式会社の商品名:Nanotekセリアを用意し、酸化セリウム粒子Bとした。酸化セリウム粒子Bに適当な量の純水を加えて、5質量%の酸化セリウム粒子Bが含まれる懸濁液Bを得た。
続いて、懸濁液Bに適当な量のアンモニアを加え、液を攪拌しながら超音波を照射して酸化セリウム粒子Bを分散させた。更に、この分散液を1μmのメンブレンフィルタでろ過し、5質量%の酸化セリウム粒子Bが含まれる濃縮研磨剤B1を得た。
最後に、濃縮研磨剤B1を純水で10倍に希釈して、0.5質量%の酸化セリウム粒子Bが含まれる研磨剤B1を得た。研磨剤B1に含まれる砥粒は、1次粒径:14nm、2次粒径:101nm、ゼータ電位:+36mV、研磨剤B1のpH:6.5であった。
(研磨剤C1)
白金製容器に、400gの炭酸セリウム水和物を入れ、670℃で2時間、空気中で焼成することにより、酸化セリウム焼成粉200gを得た。次に、前記酸化セリウム焼成粉をジェットミルで乾式粉砕し、酸化セリウム粒子Cを得た。酸化セリウム粒子Cに適当な量の純水を加えて、5質量%の酸化セリウム粒子Cが含まれる懸濁液Cを得た。
続いて、懸濁液Cに適当な量の酢酸を加え、液を攪拌しながら超音波を照射して酸化セリウム粒子Cを分散させた。更に、この分散液を1μmのメンブレンフィルタでろ過し、5質量%の酸化セリウム粒子Cが含まれる濃縮研磨剤C1を得た。
最後に、濃縮研磨剤C1を純水で10倍に希釈して、0.5質量%の酸化セリウム粒子Cが含まれる研磨剤C1を得た。研磨剤C1に含まれる酸化セリウム粒子Cは、1次粒径:26nm、2次粒径:93nm、ゼータ電位:+34mV、研磨剤C1のpH:5.5であった。
(研磨剤D1)
炭酸セリウム水和物の焼成温度を700℃とした以外は上記研磨剤C1と同様にして、0.5質量%の酸化セリウム粒子Dが含まれる研磨剤D1を得た。研磨剤D1に含まれる酸化セリウム粒子Dは、1次粒径:51nm、2次粒径:85nm、ゼータ電位:+34mV、研磨剤D1のpH:5.5であった。
(研磨剤E1)
炭酸セリウム水和物の焼成温度を720℃とした以外は上記研磨剤C1と同様にして、0.5質量%の酸化セリウム粒子Eが含まれる研磨剤E1を得た。研磨剤E1に含まれる酸化セリウム粒子Eは、1次粒径:84nm、2次粒径:125nm、ゼータ電位:+31mV、研磨剤E1のpH:5.5であった。
(研磨剤E2)
上記5質量%の酸化セリウム粒子Eが含まれる懸濁液Eに適当な量の酢酸を加え、更に、2質量%のポリアクリル酸アンモニウム塩(市販品、分子量約10000)を加えて、液を攪拌しながら超音波を照射して酸化セリウム粒子Eを分散させた。更に、この分散液を1μmのメンブレンフィルタでろ過し、5質量%の酸化セリウム粒子Eと、2質量%のポリアクリル酸アンモニウム塩とが含まれる濃縮研磨剤E2を得た。
最後に、濃縮研磨剤E2を純水で10倍に希釈して、0.5質量%の酸化セリウム粒子Eと、0.2質量%のポリアクリル酸アンモニウム塩とが含まれる研磨剤E2を得た。研磨剤E2に含まれる酸化セリウム粒子Eは、1次粒径:84nm、2次粒径:129nm、ゼータ電位:−37mV、研磨剤E2のpH:5.8であった。
(比較用研磨剤F1)
炭酸セリウム水和物の焼成温度を730℃とした以外は上記研磨剤C1と同様にして、5質量%の酸化セリウム粒子Fが含まれる懸濁液Fを得た。更に上記研磨剤C1と同様にして、0.5質量%の酸化セリウム粒子Fが含まれる研磨剤F1を得た。研磨剤F1に含まれる酸化セリウム粒子Fは、1次粒径:92nm、2次粒径:209nm、ゼータ電位:+28mV、研磨剤F1のpH:5.5であった。
(比較用研磨剤F2)
上記5質量%の酸化セリウム粒子Fが含まれる懸濁液Fを用いた以外は研磨剤E2と同様にして、0.5質量%の酸化セリウム粒子Fと、0.2質量%のポリアクリル酸アンモニウム塩とが含まれる研磨剤F2を得た。研磨剤F2に含まれる酸化セリウム粒子Fは、1次粒径:92nm、2次粒径:223nm、ゼータ電位:−35mV、研磨剤F2のpH:5.8であった。
(比較用研磨剤G2)
炭酸セリウム水和物の焼成温度を750℃とした以外は上記研磨剤C1と同様にして、5質量%の酸化セリウム粒子Gが含まれる懸濁液Gを得た。
前記懸濁液Gを用いた以外は研磨剤E2と同様にして、0.5質量%の酸化セリウム粒子Gと、0.2質量%のポリアクリル酸アンモニウム塩とが含まれる研磨剤G2を得た。研磨剤G2に含まれる酸化セリウム粒子Gは、1次粒径:110nm、2次粒径:284nm、ゼータ電位:−33mV、研磨剤G2のpH:5.8であった。研磨剤A2〜G2の物性を、表1に纏める。
Figure 2010153782
上記研磨剤A1〜G2に含まれる砥粒の1次粒径は、研磨剤を十分に乾燥させて得られた粉体を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することで測定された。砥粒の2次粒径は、研磨剤を砥粒濃度が、0.2質量%になるように純水で希釈した後、マルバーン・インスツルメンツ社の商品名:Zetasizer Nano Sを用いて測定された。また、ゼータ電位は、研磨剤を砥粒濃度が、0.05質量%になるように純水で希釈した後、マルバーン・インスツルメンツ社の商品名:Zetasizer 3000 HSを用いて測定された。また、研磨剤のpHは、研磨剤を希釈せずに、横河電機株式会社の商品名:Model PH81を用いて測定された。
[研磨パッド]
ショアD硬度が異なる研磨パッドA〜Eを用意した。研磨パッドA(比較用)、B、C(比較用)、D(比較用)及びEのショアD硬度は、それぞれ40、55、60、66、及び73である。研磨パッドA、B、D及びEは、2層タイプの非発泡ポリウレタン研磨パッド(日本ミクロコーティング株式会社の商品名:NCPシリーズ、密度1g/cm以上)である。また、研磨パッドCは、2層タイプの発泡ポリウレタン研磨パッド(ニッタ・ハース株式会社の商品名:IC1000、密度0.8g/cm)である。研磨パッドA〜Eには同心円状の溝が加工されている。
[基板の作製]
(ブランケット基板)
直径200mmのシリコン(Si)基板上に、プラズマCVD法で、膜厚:1000nmの酸化シリコン(SiO)膜を堆積し、SiOブランケット基板を作製した。
(パターン基板)
直径200mmのシリコン(Si)基板上に、厚さ500nmのフォトレジスト膜を塗布した。フォトマスクを用いた周知のフォトリソグラフィー工程で、幅:100μm、ピッチ:200μmのライン&スペース状パターンをフォトレジスト膜に描画し、現像した。その後、周知のドライエッチング工程で、シリコン(Si)基板を、深さ方向に500nmドライエッチングし、フォトレジスト膜を酸素プラズマによるアッシング工程で除去した。このようにして、シリコン(Si)基板に、幅:100μm、ピッチ:200μm、深さ:500nmのライン&スペース状の溝パターンを形成した。前記溝パターンの形成後、溝を埋め込むように、プラズマCVD法で厚さ600nmのSiO膜を堆積し、SiOパターン基板を作製した。ここで、SiOパターンのSi溝の深さは、500nm、SiO膜の凸部及び凹部の膜厚は共に、600nm、SiO膜表面の凹凸の段差は、500nmである。以後、この基板を「段差500nmのSiOパターン基板」と言う。
同様にして、前記SiOパターン基板とは、Si溝の深さとSiO膜の膜厚を変更したSiOパターン基板を作製した。
即ち、Si溝の深さが、300nm、SiO膜の凸部及び凹部の膜厚が共に、400nm、SiO膜表面の凹凸の段差が、300nmである「段差300nmのSiOパターン基板」、
Si溝の深さが、200nm、SiO膜の凸部及び凹部の膜厚が共に、300nm、SiO膜表面の凹凸の段差が、200nmである「段差200nmのSiOパターン基板」、
Si溝の深さが、100nm、SiO膜の凸部及び凹部の膜厚が共に、200nm、SiO膜表面の凹凸の段差が、100nmである「段差100nmのSiOパターン基板」、
及び、Si溝の深さが、50nm、SiO膜の凸部及び凹部の膜厚が共に、150nm、SiO膜表面の凹凸の段差が、50nmである、比較用の「段差50nmのSiOパターン基板」を作製した。
[基板の研磨]
以下の研磨例、実施例、比較例では、特に断らない限り、次の研磨条件で基板を研磨した。
研磨装置(株式会社荏原製作所の商品名:EPO−111)の基板ホルダーに、所望の基板を固定した。また、直径600mmの研磨定盤に、所望の研磨パッドを貼り付けた。研磨を始める前に、研磨パッドを、100メッシュでブロッキー形状のダイヤモンド砥粒を使用したダイヤモンド砥粒コンディショナー(旭ダイヤモンド工業株式会社の商品名:CMP−N 100A)で30分間コンディショニング(パッド・ブレークイン)した。次に、研磨パッドに基板が接するように基板ホルダーを押し当て、研磨圧力を30kPaに設定し、研磨パッド上に所望の研磨剤を200mL/分の速度で滴下しながら、定盤と基板ホルダーとを、それぞれ50回転/分で回転させて、所望の時間だけ基板を研磨した。研磨速度の算出に必要な膜厚の測定には、上述のナノメトリクス・ジャパン株式会社の光干渉式膜厚測定装置(商品名:Nanospec AFT−5100)を用いた。研磨の終了後、基板を0.5質量%フッ酸ブラシ洗浄及び純水ブラシ洗浄で洗浄し、更に乾燥した。尚、各基板を研磨した後は、研磨パッドのコンディショニングを、20秒間してから、次の基板を研磨するようにした。
<研磨例1〜10>
(研磨速度)
研磨剤A1〜G2及び研磨パッドA〜Eを用いて、上記SiOブランケット基板を、上記の研磨条件で60秒間研磨して研磨速度を求めた。以後、SiOブランケット膜の研磨速度をBKT−RRと略記する。BKT−RRの結果を表2に纏める。BKT−RRは、研磨パッドのショアD硬度が高くなるにつれて増大する傾向があり、研磨パッドEにおいていずれの研磨剤でも最大であった。
Figure 2010153782
<研磨例11〜20>
(研磨速度)
段差500nmのSiOパターン基板を用いた以外は研磨例1と同様の研磨条件で研磨して凸部の研磨速度を求めた。以後、SiOパターン膜の凸部の研磨速度をPTN−RRと略記する。PTN−RRの結果を表3に纏める。PTN−RRは、BKT−RRのショアD硬度に対する傾向とは異なり、比較用研磨剤F1〜G2では研磨パッドEにおいて最大であったが、研磨剤A1〜E2では研磨パッドBにおいて最大であった。
尚、研磨例11と研磨例13とでは、砥粒の粒径が小さい研磨剤A1を用いた方が、砥粒の粒径が大きい研磨剤B1を用いるよりも、PTN−RRが大きい傾向があると確認された。これにより、砥粒として水酸化セリウム粒子を用いた方が、酸化セリウム粒子を用いるよりも、表面に凹凸を有する被研磨膜の研磨速度を高速化できることが示された。
Figure 2010153782
<実施例1>
(平坦性)
研磨剤A1及び研磨パッドBを用いて、段差500nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が50nmになるまで研磨した。
研磨後の凸部のSiO膜厚と凹部のSiO膜厚を測定することにより、研磨後のSiO膜表面の凹凸の段差を求めた。以後、研磨後の凹凸の段差をΔと略記する。Δは、124nmであり、研磨前の凹凸の段差500nmよりも小さくなった。
(研磨傷数)
上記研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は、0個であった。
ここで、研磨傷数の測定には、アプライド・マテリアルズ・ジャパン株式会社の走査型電子顕微鏡式欠陥検査装置(商品名:SEMVision)を用い、SiOパターン基板1枚あたりの、0.2μm以上の大きさの研磨傷数を数えた。
以下の実施例及び比較例では、前述したものと同様の方法で研磨傷数を測定した。
(研磨の安定性)
研磨剤A1及び研磨パッドBを用いて、25枚のSiOパターン基板を、60秒間ずつ連続研磨して研磨速度を求めた。25枚の基板を連続研磨した際の、PTN−RRの基板間の変動は、±5%以内だった。
<実施例2>
(平坦性)
研磨剤A2及び研磨パッドBを用いて、段差500nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。Δは、29nmであり、研磨前の凹凸の段差500nmよりも小さくなった。また、実施例1(124nm)に比べてΔは小さく、研磨後の平坦性が向上したことが確認された。
(研磨傷数)
上記研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は0個であった。
<実施例3>
(研磨傷数)
研磨剤B1及び研磨パッドBを用いて、段差500nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。その後、研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は0個であった。
<実施例4>
(研磨傷数)
研磨剤C1及び研磨パッドBを用いて、段差500nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。その後、研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は0個であった。
<実施例5>
(研磨傷数)
研磨剤D1及び研磨パッドBを用いて、段差500nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。その後、研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は1個であった。
<実施例6>
(平坦性)
研磨剤E1及び研磨パッドBを用いて、段差500nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。Δは135nmであり、研磨前の凹凸の段差500nmよりも小さくなった。
(研磨傷数)
上記研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は2個であった。
<実施例7>
(平坦性)
研磨剤E2及び研磨パッドBを用いて、段差500nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。Δは53nmであり、研磨前の凹凸の段差500nmよりも小さくなった。また、実施例6(135nm)に比べてΔは小さく、研磨後の平坦性が向上したことが確認された。
(研磨傷数)
上記研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は3個であった。
<研磨例21〜24>
(研磨速度)
研磨剤A2及び研磨パッドA〜Eを用いて、段差300nm、200nm、100nm及び比較用の50nmのSiOパターン基板を、60秒間研磨して凸部の研磨速度を求めた。PTN−RRの結果を、段差500nmの前記研磨例12と共に表4に纏める。PTN−RRは、BKT−RRの傾向とは異なり、50nmのSiOパターン基板以外は、研磨パッドBにおいて最大であった。
Figure 2010153782
<実施例8>
(平坦性)
研磨剤A2及び研磨パッドBを用いて、段差300nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。Δは34nmであり、研磨前の凹凸の段差300nmよりも小さくなった。
(研磨傷数)
上記研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は0個であった。
<実施例9>
(平坦性)
研磨剤A2及び研磨パッドBを用いて、段差200nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。Δは33nmであり、研磨前の凹凸の段差200nmよりも小さくなった。
(研磨傷数)
上記研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は0個であった。
<実施例10>
(平坦性)
研磨剤A2及び研磨パッドBを用いて、段差100nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。Δは38nmであり、研磨前の凹凸の段差100nmよりも小さくなった。
(研磨傷数)
上記研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は0個であった。
<実施例11>
研磨剤A1及び研磨パッドBを用い、段差500nmのSiOパターン基板を研磨した。また、上述の研磨条件のうち、コンディショナーに200メッシュでブロッキー形状のダイヤモンド砥粒を使用した、ダイヤモンド砥粒コンディショナー(旭ダイヤモンド工業株式会社の商品名:CMP−N 200A)を用いた。
(研磨速度)
上記SiOパターン基板を、60秒間研磨して凸部の研磨速度を求めた。PTN−RRは、242nm/minであり、研磨例11において研磨剤A1及び研磨パッドBを用いた場合のRTN−RR(217nm/min)よりも大きかった。
(研磨傷数)
上記SiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。その後、研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は0個であった。
(研磨の安定性)
25枚の上記SiOパターン基板を、60秒間ずつ連続研磨して研磨速度を求めた。25枚の基板を連続研磨した際の、PTN−RRの基板間の変動は、±5%以内だった。
<実施例12>
研磨剤A1及び研磨パッドBを用い、段差500nmのSiOパターン基板を研磨した。また、上述の研磨条件のうち、研磨パッドのコンディショニングの頻度のみは、研磨の前に30分間のコンディショニングをした以外は、基板を25枚研磨する毎に、1回しか20秒間のコンディショニングをしなかった。
(研磨速度)
60秒間研磨して凸部の研磨速度を求めた。PTN−RRは、267nm/minであり、研磨例11において研磨剤A1及び研磨パッドBを用いた場合のRTN−RR(217nm/min)よりも大きかった。
(研磨傷数)
実施例11と同様に研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は0個であった。
(研磨の安定性)
実施例11と同様に25枚の基板を連続研磨した際の、PTN−RRの基板間の変動は、±5%以内だった。
<実施例13>
研磨剤A2を用い、また、上述の研磨条件のうち、研磨を2段階の研磨工程に分け、1段階目の研磨工程では研磨パッドBを、2段階目の研磨工程では研磨パッドEを用いた。
(平坦性)
研磨剤A2及び研磨パッドBを用いて、段差500nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、200nmになるまで研磨した。続いて、研磨剤A2及び研磨パッドEを用いて、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。Δは4nmであり、研磨前の凹凸の段差500nmよりも小さくなった。また、実施例2(29nm)に比べてΔは小さく、研磨後の平坦性が向上したことが確認された。
(研磨傷数)
上記研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は0個であった。
<比較例1>
(研磨傷数)
研磨剤F1及び研磨パッドBを用いて、段差500nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。その後、研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は10個であり、実施例1〜7の研磨傷数よりも多かった。
<比較例2>
(研磨傷数)
研磨剤F2及び研磨パッドBを用いて、段差500nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。その後、研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は、13個であり、実施例1〜7の研磨傷数よりも多かった。
<比較例3>
(研磨傷数)
研磨剤G2及び研磨パッドBを用いて、段差500nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。その後、研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は、11個であり、実施例1〜7の研磨傷数よりも多かった。
<比較例4>
(平坦性)
研磨剤A2及び研磨パッドBを用いて、段差50nmのSiOパターン基板を、凸部のSiO膜の残り膜厚が、50nmになるまで研磨した。Δは、50nmであり、実施例8〜10とは異なり、研磨前の凹凸の段差50nmよりも小さくならなかった。
(研磨傷数)
上記研磨後のSiOパターン基板の研磨傷数を測定した。研磨傷数は0個であった。
研磨例1〜24、実施例1〜13、比較例1〜4から、本発明の基板の研磨方法を用いることで、表面に凹凸を有する被研磨膜を高速に研磨することができ、更に被研磨膜に与える研磨傷を低減することが明らかである。

Claims (17)

  1. 表面に凹凸を有する被研磨膜を有する基板を研磨する方法であって、
    該方法は、研磨剤を前記被研磨膜と研磨パッドとの間に供給しながら、前記研磨パッドによって前記被研磨膜を研磨する工程を備えてなり、
    前記被研磨膜表面の凹凸の段差が、100nm以上であり、
    前記研磨剤が、少なくとも砥粒及び水を含み、
    前記砥粒は、4価の酸化セリウム粒子及び4価の水酸化セリウム粒子の少なくとも1成分を含有してなり、
    前記砥粒の1次粒径が、1nm以上、100nm以下であり、
    前記砥粒の2次粒径が、1nm以上、200nm以下であり、
    前記研磨パッドのショアD硬度が、41以上、59以下である基板の研磨方法。
  2. 被研磨膜表面の凹凸の段差が、200nm以上である請求項1記載の基板の研磨方法。
  3. 被研磨膜表面の凹凸の段差が、300nm以上である請求項1記載の基板の研磨方法。
  4. 砥粒の1次粒径が、1nm以上、75nm以下である請求項1乃至3のいずれか記載の基板の研磨方法。
  5. 砥粒の1次粒径が、1nm以上、50nm以下である請求項1乃至3のいずれか記載の基板の研磨方法。
  6. 砥粒の1次粒径が、1nm以上、25nm以下である請求項1乃至3のいずれか記載の基板の研磨方法。
  7. 砥粒の2次粒径が、1nm以上、150nm以下である請求項1乃至6のいずれか記載の基板の研磨方法。
  8. 研磨パッドのショアD硬度が、42以上、58以下の樹脂である請求項1乃至7のいずれか記載の基板の研磨方法。
  9. 研磨パッドのショアD硬度が、43以上、57以下の樹脂である請求項1乃至7のいずれか記載の基板の研磨方法。
  10. 研磨パッドの密度が、0.85g/cm以上である請求項1乃至9のいずれか記載の基板の研磨方法。
  11. 研磨パッドの密度が、1g/cm以上である請求項1乃至9のいずれか記載の基板の研磨方法。
  12. 研磨パッドが、非発泡ポリウレタンである請求項1乃至11のいずれか記載の基板の研磨方法。
  13. 研磨剤が、水溶性重合体を含む請求項1乃至12のいずれか記載の基板の研磨方法。
  14. 被研磨膜の少なくとも一部を酸化シリコン系絶縁膜とする請求項1乃至13のいずれか記載の基板の研磨方法。
  15. 100メッシュの砥粒よりもサイズが小さいダイヤモンド砥粒を有するコンディショナーを用いて、基板の研磨前、研磨中、又は研磨後に、研磨パッドの表面を荒らす処理を行う工程を含む請求項1乃至14のいずれか記載の基板の研磨方法。
  16. ダイヤモンド砥粒を有するコンディショナーを用いて、基板を5枚以上研磨する毎に一回の割合で、研磨パッドの表面を荒らす処理を行う工程を含む請求項1乃至15のいずれか記載の基板の研磨方法。
  17. 表面に凹凸を有する被研磨膜が形成された基板を研磨する基板の研磨方法であって、
    該方法は、前記被研磨膜と研磨パッドとの間に研磨剤を供給しながら、前記研磨パッドによって被研磨膜を研磨する工程を備えてなり、
    前記被研磨膜表面の凹凸の段差が、100nm以上であり、
    前記研磨剤が、少なくとも砥粒及び水を含み、
    前記砥粒は、4価の酸化セリウム粒子及び4価の水酸化セリウム粒子の少なくとも1成分を含有してなり、
    前記砥粒の1次粒径が、1nm以上、100nm以下であり、
    前記砥粒の2次粒径が、1nm以上、150nm以下であり、
    前記研磨する工程が、少なくとも2段階の研磨工程に分かれ、
    1段階目の研磨工程にショアD硬度が、41以上、59以下の研磨パッドを用い、
    2段階目以降の少なくとも1つの研磨工程にショアD硬度が、70以上の研磨パッドを用いる基板の研磨方法。
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