以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明によるサービス提供システム(サービス提供装置)を含む通信システムの構成を、携帯電話機1、パーソナルコンピュータ(PC)2および固定電話機31,32とともに示すシステム構成図である。
図1に示す通信システムには、通信網として、携帯電話網200、PSTN(Public Switched Telephone Network )300およびIP(Internet Protocol )網400がある。携帯電話機1は、携帯電話網200を経由して通信を行う。固定電話機31は、PSTN300を経由して通信を行う。固定電話機32は、IP網400を経由して通信を行う。
なお、図1には、1つの携帯電話機1、1つのPC2、PSTN300に収容される1つの固定電話機31、およびIP網400を経由して通信を行う1つの固定電話機32が示されているが、通信網には、多数の携帯電話機、PC、および固定電話機が通信可能に接続されうる。また、この実施形態では、携帯電話機1およびPC2から固定電話機31,32に対する伝言や商品等の注文が発生する。
携帯電話網200とPSTN300との間には、ゲートウェイ210が設けられている。携帯電話網200とIP網400との間には、ゲートウェイ220が設けられている。PSTN300とIP網400との間には、ゲートウェイ310が設けられている。また、固定電話機32とIP網400との間に、VoIP(Voice over IP )ゲートウェイ320が設置されている。
通信網には、サービス提供装置100が存在する。サービス提供装置100において、Webサーバ120は、専用サイトを提供し、制御装置110によって制御され、携帯電話機1およびPC2から受付けた伝言または注文の文字情報をメディアサーバ140に送る機能を有する。メディアサーバ140は、Webサーバ120から送られた文字情報を音声に変換し、制御装置110からの命令に応じて、音声をSIPサーバ等の呼制御サーバ(以下、「IP電話機能」ということがある。)150に出力する。メールサーバ130は、電子メールを宛先に送信する制御を行う。課金サーバ160は、携帯電話機1のユーザおよびPC2のユーザが、サービス提供装置100が提供するサービスの利用に関する料金を管理する。
図2は、図1に示された通信システムにおける携帯電話機1から固定電話機32への情報の流れの一例を示す説明図である。ユーザ(発信側加入者)は、携帯電話機1を用いて、サービス(伝言/注文サービス)に関する専用サイトを提供するWebサーバ120にアクセスし、ID/パスワードを入力した後、伝言または注文のメニューの選択を行う。次いで、あらかじめ決められているフォーマットに従って、伝言の場合には、例えば、着信側固定電話番号および用件を入力する。商品やサービスに関する注文を行う場合には、着信側固定電話番号および注文内容(例えば、注文する商品等の名称と数量)を選択する。そして、入力または選択された伝言または注文に関する文字メッセージを送信する(図2における(1)参照)。
携帯電話機1から送信された文字メッセージは、サービス提供装置100におけるメディアサーバ140によって音声に変換される。サービス提供装置100における呼制御サーバ150は、固定電話機32に対して発呼を行う。発呼に関わる呼出信号は、VoIPゲートウェイ320を介して固定電話機32に伝達される(図2における(2)参照)。
固定電話機32のユーザ(着信側加入者)がオフフックし、パスワードを入力すると、文字メッセージから音声に変換されたメッセージが固定電話機32に伝言される(図2における(3)参照)。着信側加入者が、オフフックして音声における情報部分(文字メッセージから音声に変換されたメッセージの部分)を聞き終わった後、音声に従ってキー操作すると、その内容に応じた電子メールがメールサーバ130から携帯電話機1に送信される(図2における(4)参照)。発信側加入者は、電子メールによって、伝言送信状況(送信/未送信)または注文受付状況(受付/未受付)を確認することができる(図2における(5)参照)。
図3は、図1に示された通信システムにおけるPC2から固定電話機32への情報の流れの一例を示す説明図である。ユーザ(PC2の操作者である発信側加入者)は、PC2を用いて、サービスに関する専用サイトを提供するWebサーバ120にアクセスし、ID/パスワードを入力した後、伝言または注文のメニューの選択を行う。そして、あらかじめ決められているフォーマットに従って、伝言の場合には、例えば、着信側固定電話番号および用件を入力し、注文の場合には、着信側固定電話番号および注文内容(例えば、品物と数量)を選択し、入力または選択された伝言または注文に関する文字メッセージを送信する(図3における(1)参照)。
PC2から送信された文字メッセージは、サービス提供装置100におけるメディアサーバ140によって音声に変換される。サービス提供装置100における呼制御サーバ150は、固定電話機32に対して発呼を行う。発呼に関わる呼出信号は、VoIPゲートウェイ320を介して固定電話機32に伝達される(図3における(2)参照)。
固定電話機32のユーザ(着信側加入者)がオフフックし、パスワードを入力すると、文字メッセージから音声に変換されたメッセージが固定電話機32に伝言される(図3における(3)参照)。着信側加入者が、オフフックして音声における情報部分(文字メッセージから音声に変換されたメッセージの部分)を聞き終わった後、音声に従ってキー操作すると、その内容に応じた電子メールがメールサーバ130からPC2に送信される(図3における(4)参照)。発信側加入者は、電子メールによって、伝言送信状況(送信/未送信)または注文受付状況(受付/未受付)を確認することができる(図3における(5)参照)。
図4は、図1に示された通信システムにおける携帯電話機1から固定電話機31への情報の流れの一例を示す説明図である。ユーザ(発信側加入者)は、携帯電話機1を用いて、サービスに関する専用サイトを提供するWebサーバ120にアクセスし、ID/パスワードを入力した後、伝言または注文のメニューの選択を行う。そして、あらかじめ決められているフォーマットに従って、伝言の場合には、例えば、着信側固定電話番号および用件を入力し、注文の場合には、着信側固定電話番号および注文内容(例えば、品物と数量)を選択し、入力または選択された伝言または注文に関する文字メッセージを送信する(図4における(1)参照)。
携帯電話機1から送信された文字メッセージは、サービス提供装置100におけるメディアサーバ140によって音声に変換される。サービス提供装置100における呼制御サーバ150は、固定電話機31に対して発呼を行う。発呼に関わる呼出信号は、IP網400、ゲートウェイ310およびPSTN300を介して固定電話機31に伝達される(図4における(2)参照)。
固定電話機31のユーザ(着信側加入者)がオフフックし、パスワードを入力すると、文字メッセージから音声に変換されたメッセージが固定電話機31に伝言される(図4における(3)参照)。着信側加入者が、オフフックして音声における情報部分(文字メッセージから音声に変換されたメッセージの部分)を聞き終わった後、音声に従ってキー操作すると、その内容に応じた電子メールがメールサーバ130から携帯電話機1に送信される(図4における(4)参照)。発信側加入者は、電子メールによって、伝言送信状況(送信/未送信)または注文受付状況(受付/未受付)を確認することができる(図4における(5)参照)。
図5は、携帯電話機1またはPC2から固定電話機31または固定電話機32に対する伝言または注文を仲介するサービスの流れの一例を示すフローチャートである。
図5に示すように、発信側加入者は、携帯電話機1またはPC2を用いて、サービスを提供する専用サイトにアクセスする(ステップS1)。なお、携帯電話機1またはPC2のユーザは、事前に、住所、名前、ID/パスワード等の情報をWebサーバ120に登録する。専用サイトがアクセスされると、携帯電話機1またはPC2に、ID/パスワードの入力ページが送信される。ユーザがID/パスワードを入力すると(ステップS2)、ユーザは伝言/注文サイトに入ることができる。すなわち、Webサーバ120は、携帯電話機1またはPC2に、メニュー選択ページを送信する。携帯電話機1またはPC2において、メニュー選択画面が表示されるので、ユーザは、メニュー選択画面において伝言または注文を選択し(ステップS3)、あらかじめ決められているフォーマットに従って伝言または注文の内容を入力する(ステップS4)。
ユーザが入力を完了して、送信操作を行うと、携帯電話機1またはPC2からサービス提供装置100に伝言または注文に関する文字メッセージが送信され、メディアサーバ140において文字メッセージが音声に変換され、呼制御サーバ150によって固定電話機31または固定電話機32に自動的にダイヤルされる(ステップS5)。着信側加入者がオフフックし、パスワードを入力すると(ステップS6)、固定電話機31または固定電話機32から、伝言または注文内容が音声出力される(ステップS7)。さらに、着信側加入者が音声に従って、キー操作を行うと、伝言送信状況(送信/未送信)または注文受付状況(受付/未受付)が記載された電子メールが携帯電話機1またはPC2に送信される(ステップS8)。
なお、注文の一例として、固定電話の加入者であるそば店、ピザ店、寿司店等への出前の注文やタクシー会社への配車の依頼がある。
図6は、サービス提供装置100における制御装置110および各サーバの機能を説明するためのブロック図である。
制御装置110は制御部111を有し、制御部111は、各サーバの制御を行う。Webサーバおよびメールサーバ機能部170は、伝言または注文を送りたい携帯電話機1やPC2のユーザからの情報を入力したりユーザに情報を提供する文字送受信インタフェース121を含んでいる。また、メディアサーバおよびIP電話機能部190は、携帯電話機1やPC2から送信された文字メッセージを音声に変換する文字−音声変換部141、および固定電話機31,32に発呼し、文字メッセージから音声に変換されたメッセージを固定電話機31,32に送信する機能を実現する回線インタフェース142を含んでいる。
また、Webサーバおよびメールサーバ機能部170とメディアサーバおよびIP電話機能部190とは、送受信文字情報、音声変換されたメッセージ、および管理情報を格納するデータ蓄積部180を介してデータのやりとりを行う。
制御装置110の制御部111、文字送受信インタフェース121、データ蓄積部180、文字−音声変換部141、および回線インタフェース142は、バスを介して接続されている。
なお、文字送受信インタフェース121は、Webサーバ120およびメールサーバ130において、携帯電話機1およびPC2と文字メッセージ等の文字情報を送受信する部分に相当する。文字−音声変換部141は、メディアサーバ140における機能を実現する部分に相当する。回線インタフェース142は、呼制御サーバ150における機能を実現する部分に相当する。
また、文字送受信インタフェース121は、伝言を送りたい発信者から、インターネット等を利用可能な通信網を利用してアクセスされたときに、発信者からの受付情報、例えば、ID/パスワード、相手先電話番号、伝言内容等を入力する。発信者からの受付情報は、データ蓄積部180に格納される。また、固定電話機31または固定電話機32の加入者への伝言が完了したことを、発信者にメールで通知したりする機能を有する。
文字−音声変換部141は、発信者から送られデータ蓄積部180に格納された文字メッセージを音声に変換する音声合成機能を有する。回線インタフェース142は、発信者が送信した相手先電話番号を文字送受信インタフェース121から入力して相手先にダイヤルし、文字メッセージから音声に変換されたメッセージを文字−音声変換部141から入力して相手先に送信する。また、固定電話加入者が伝言内容を確認したときに、パスワードの照会や伝言内容再生等を行う。
次に、サービス提供装置の動作を説明する。図7は、サービス提供装置の動作を示すフローチャートである。
図7に示すように、発信者であるユーザは、携帯電話機1またはPC2を用いて、サービスが提供される専用サイトにアクセスする(ステップS11)。アクセスされた専用サイトは、携帯電話機1またはPC2に、ID/パスワードの入力ページを送信する。ID/パスワードの入力ページは、携帯電話機1またはPC2の画面に表示される。ユーザが、ID/パスワードの入力ページにおいてID/パスワードを入力すると(ステップS12a)、ユーザは伝言/注文サイトに入ることができる。すなわち、Webサーバ120は、携帯電話機1またはPC2に、メニュー選択ページを送信する。携帯電話機1またはPC2の画面に、メニュー選択画面が表示される。
図8は、メニュー選択画面の一例を示す説明図である。図8に示す例では、注文に関する複数のラジオボタンと伝言に関する複数のラジオボタンとがメニュー選択画面に表示されている。図8に示す例では、ユーザは、伝言に関して、「直接メッセージ入力」または「定型文選択」を選択することができる。
ユーザは、メニュー選択画面においてラジオボタンを選択することによって、伝言または注文を選択する(ステップS12b)。また、ユーザ(発信加入者)は、携帯電話機1またはPC2に、発信に必要な情報、すなわち、固定電話機(固定電話機31または固定電話機32)の電話番号(着信側固定電話番号)および要件を入力する(ステップS12c)。そして、あらかじめ決められているフォーマットに従って伝言または注文の内容を入力する(ステップS12d)。なお、ステップS12cの処理で、ユーザは、着信側固定電話番号を携帯電話機1またはPC2の操作部から入力してもよいし、携帯電話機1またはPC2がWebサーバ120から提供される相手先選択画面(あらかじめ登録されている名称および電話番号の一覧)を表示し、相手先選択画面から着信側固定電話番号を選択するようにしてもよい。
「直接メッセージ入力」が選択された場合には、専用サイトは、メッセージ入力のためのページを携帯電話機1またはPC2に送信し、「定型文選択」が選択された場合には、専用サイトは、選択可能な定型文の一覧のページを携帯電話機1またはPC2に送信する。
図9は、注文における「A店 出前」が選択された場合に専用サイトが提供する詳細注文ページにもとづいて携帯電話機1またはPC2に表示される詳細注文画面の一例を示す説明図である。図9に示す例では、ユーザは、詳細注文画面において、注文内容を入力可能であり、希望配達時間帯および支払方法をを選択可能である。なお、図9に示すフォームが、あらかじめ決められているフォーマットに相当する。また、「直接メッセージ入力」が選択された場合における選択可能な定型文の一覧は、伝言におけるあらかじめ決められているフォーマットの一例に相当する。
図10は、ユーザの確定入力に応じて専用サイトが送信する確認ページにもとづいて携帯電話機1またはPC2に表示される確認画面の一例を示す説明図である。ユーザが、確認画面において「OK」を選択すると、Webサーバ120は、例えば、入力完了ページを携帯電話機1またはPC2に送信する。携帯電話機1またはPC2において、入力完了ページが受信されると、図11に示すような入力完了画面が表示される。
発信加入者が入力を完了して、送信操作を行うと、携帯電話機1またはPC2からサービス提供装置100に、伝言または注文に関する文字メッセージと発信に必要な情報とがWebサーバ120に送信される。Webサーバ120は、携帯電話機1またはPC2から送信された着信側固定電話番号があらかじめ登録されている電話番号のいずれかと一致した場合に、携帯電話機1またはPC2からの文字メッセージを受け付ける(ステップS13)。
そして、Webサーバ120は、文字メッセージをメディアサーバ140に転送する。メディアサーバ140は、文字メッセージを音声に変換する(ステップS14)。変換が完了すると、メディアサーバ140は、文字メッセージを記憶部(図6に示すデータ蓄積部180)に保存し、変換が完了したことを制御装置110に通知する。通知に応じて、制御装置110は、呼制御サーバ150に発呼の指示を行う。呼制御サーバ150は、指示に応じて、固定電話機にダイヤルする(ステップS15)。なお、呼制御サーバ150は、着信側固定電話番号を、直接Webサーバ120から、または制御装置110における制御部111を介して入力する。
着信側加入者がオフフックすると、呼制御サーバ150は、メディアサーバ140から入力される音声ガイダンスを送信する。音声ガイダンスは、例えば、”文字音声変換通話サービスです。メッセージを預かりしています。パスワードを入力してください。”といった内容である。なお、音声ガイダンスは、あらかじめ記憶部(図6に示すデータ蓄積部180)に保存されている。
固定電話機の加入者がパスワードを入力すると、制御部111は、入力されたパスワードと登録されているパスワードとを照合する(ステップS17)。なお、固定電話機において第三者にパスワードが漏れることを防止するために、メディアサーバ140は、例えば”パスワード3桁目に5を足して入力してください。”のように毎回乱数の要素を加えてパスワードを入力することを促す音声ガイダンスを送信することが好ましい。
所定時間内に固定電話機の加入者が応答しない場合には、制御部111は、呼制御サーバ150に対して回線切断の指示を行う。呼制御サーバ150は、指示に応じて、呼を切断する(ステップS18)。所定時間内にパスワードが入力されたが、入力されたパスワード(PW)が登録されているパスワードと一致しない場合には、制御部111は、メディアサーバ140に対して、パスワードの入力を促す音声ガイダンスを出力するように指示する。呼制御サーバ150は、メディアサーバ140から入力される音声ガイダンスを送信する。
パスワードの入力を促す音声ガイダンスは、登録されているパスワードと一致するパスワードが入力されるまで、またはあらかじめ決められている回数(P回とする。)だけ送信されるが(ステップS19b)、パスワードの入力を促す音声ガイダンスに応じて入力されたパスワードが登録されているパスワードと一致した場合には、ステップS21aに移行する(ステップS19a)。パスワードの入力を促す音声ガイダンスをP回送信しても登録されているパスワードと一致するパスワードが入力されない場合には、制御部111は、呼制御サーバ150に対して回線切断の指示を行う。呼制御サーバ150は、指示に応じて、呼を切断する(ステップS20)。
制御部111は、固定電話機の加入者が入力したパスワードが登録されているパスワードと一致することを確認した場合には、メディアサーバ140に対して、音声に変換したメッセージ(音声メッセージ)を出力するように指示する。メディアサーバ140は、指示に応じて、記憶部(図6に示すデータ蓄積部180)に格納されている音声メッセージを出力する。呼制御サーバ150は、メディアサーバ140から入力される音声メッセージを送信する。よって、固定電話機に音声メッセージが送信され、固定電話機から、伝言または注文内容が音声出力される(ステップS21a)。
なお、メディアサーバ140から、音声メッセージに続いて、もう一度メッセージを聞くかどうかを確認するためのカイダンスが出力される。そのガイダンスに応じて、固定電話機の加入者が音声メッセージを再度聞くために所定のキー操作を行うと(ステップS21b)、制御部111は、メディアサーバ140に対して、音声メッセージを再度出力するように指示する。なお、固定電話機は、例えば、キー操作に応じて、操作されたキーに対応するDTMF信号を送信する。
固定電話機の加入者が音声メッセージを再度聞くために所定のキー操作を行ったときに、制御部111は、発信加入者に、文字メッセージの再入力を促すようにしてもよい。例えば、制御部111は、”メッセージに不備があります。再入力をお願いします。”といったメッセージを含む電子メールをメールサーバ130に送信させる。その場合に、発信加入者が携帯電話機1またはPC2に文字メッセージを再入力しWebサーバ120に送信したときには、再入力された文字メッセージから変換された音声メッセージが固定電話機に送信される。そのような制御は、例えば、発信加入者が最初の文字メッセージの入力を誤ったことに起因して固定電話機の加入者が音声メッセージを再度聞くことを望んだ場合等に有効である。
固定電話機の加入者が音声メッセージを再度聞くことを望まない場合には、制御部111は、呼制御サーバ150に対して回線切断の指示を行う。呼制御サーバ150は、指示に応じて、呼を切断する(ステップS22)。なお、制御部111は、固定電話機の加入者が音声メッセージを再度聞くことを望まないことを、例えば、固定電話機の加入者が音声メッセージを聞くことを望まないことに対応する所定のキー操作を行ったことを認識したり、もう一度メッセージを聞くかどうかを確認するためのカイダンスが出力されてから所定時間が経過したことを確認したりすることによって把握する。
固定電話機との回線を切断した後、制御部111は、発信側加入者に電子メールでメッセージを送信したか否かの通知を行う制御を行う。具体的には、制御部111は、固定電話機の加入者からのパスワードが登録されているパスワードと一致し音声メッセージが送信された場合には、”○△□×年○△月□×日 ○△時□×分に○△−□×○△−□×○△にメッセージを送信しました。”といったメッセージを発信側加入者に送信することをメールサーバ130に指示する。指示に応じて、メールサーバ130は、メッセージを含む電子メールを発信側加入者に送信する(ステップS23)。
制御部111は、固定電話機の加入者が応答しなかったり固定電話機の加入者からのパスワードが登録されているパスワードと一致せず音声メッセージを固定電話機の加入者に伝達できなかった場合には、例えば”○△□×年○△月□×日○△時□×分に○△−□×○△−□×○△にメッセージを送信できませんでした。”といったメッセージを発信側加入者に送信することをメールサーバ130に指示する。指示に応じて、メールサーバ130は、メッセージを含む電子メールを発信側加入者に送信する(ステップS24)。
なお、ステップS24の処理を実行したら処理を完了してもよいが、この実施形態では、制御部111は、サービス提供装置においてあらかじめ決められている回数またはユーザについてあらかじめ決められている回数(N回とする。)を限度にして、ステップS15以降の処理のリトライを試みる(ステップS25)。
以上のように、ユーザは、携帯電話機1またはPC2から固定電話機に必要なときに用件伝達を行うことができる。すなわち、ユーザが、電車の中など音声通話を行うことが好ましくない環境に存在する場合でも伝言を伝えたり注文を行うことができる。また、ユーザに対して、メッセージが確実に固定電話機の加入者に伝わったか否かを示す情報が直ちに送信されるので、ユーザは、安心して本サービス提供装置が提供するサービス(伝言/注文サービス)を受けることができる。
また、ステップS25の処理は、特にユーザが注文を行う場合に有効である。すなわち注文したい相手先に電話しても、話中で電話が繋がらないような場合でも、所定回数ステップS15以降の処理のリトライが実行されるので、発信側加入者が専用サイトにおいて一度注文情報を入力して送信さえすれば、改めて注文情報を入力しなくても注文が受け付つけられる可能性が高くなる。
なお、メディアサーバ140等において音声−文字変換機構を組み込み、音声によって、発信加入者に対するメッセージを送信するようにしてもよい。
上記の説明では、固定電話機の加入者は、呼制御サーバ150からの着呼にもとづいて音声メッセージを受信したが、さらに、固定電話機からの発呼にもとづいて音声メッセージを受信できるようにしてもよい。図12は、固定電話機からの発呼にもとづいて音声メッセージを受信する処理を示すフローチャートである。
図12に示すように、固定電話機の加入者がサービス提供装置100から音声メッセージを受信するための専用番号のダイヤルを行う(ステップ31)。専用番号への発呼にもとづいて、呼制御サーバ150は、着信があった旨を制御装置110における制御部111に通知する。制御部111は、メディアサーバ140に対して、パスワードの入力を促す音声ガイダンスを出力するように指示する。呼制御サーバ150は、メディアサーバ140から入力される音声ガイダンスを送信する。音声ガイダンスは、例えば、”パスワードを入力してください。”といった内容である。
固定電話機の加入者がパスワードを入力すると、制御部111は、入力されたパスワードと登録されているパスワードとを照合する(ステップS32)。所定時間内に固定電話機の加入者が応答しない場合には、制御部111は、呼制御サーバ150に対して回線切断の指示を行う。呼制御サーバ150は、指示に応じて、呼を切断する(ステップS33)。
所定時間内にパスワードが入力されたが、入力されたパスワード(PW)が登録されているパスワードと一致しない場合には、制御部111は、メディアサーバ140に対して、パスワードの入力を促す音声ガイダンスを出力するように指示する。呼制御サーバ150は、メディアサーバ140から入力される音声ガイダンスを送信する。
パスワードの入力を促す音声ガイダンスは、登録されているパスワードと一致するパスワードが入力されるまで繰り返し送信され(ステップS34b)、入力されたパスワードが登録されているパスワードと一致した場合には、ステップS36aに移行する(ステップS34a)。パスワードの入力を促す音声ガイダンスをP回送信しても登録されているパスワードと一致するパスワードが入力されない場合には、制御部111は、呼制御サーバ150に対して回線切断の指示を行う。呼制御サーバ150は、指示に応じて、呼を切断する(ステップS35)。
制御部111は、固定電話機の加入者が入力したパスワードが登録されているパスワードと一致することを確認した場合には、メディアサーバ140に対して、音声メッセージを出力するように指示する。メディアサーバ140は、指示に応じて、記憶部(図6に示すデータ蓄積部180)に格納されている音声メッセージを出力する。呼制御サーバ150は、メディアサーバ140から入力される音声メッセージを送信する。よって、固定電話機に音声メッセージが送信され、固定電話機から、伝言または注文内容が音声出力される(ステップS36a)。
なお、メディアサーバ140は、音声メッセージを出力するように指示されたときに、指示された音声メッセージ(発呼した固定電話機への音声メッセージ)が存在しない場合には、音声メッセージが存在しないことを示すメッセージを出力する。そのようなメッセージは、あらかじめ記憶部(図6に示すデータ蓄積部180)に格納されている。
また、メディアサーバ140から、音声メッセージに続いて、もう一度メッセージを聞くかどうかを確認するためのカイダンスが出力される。そのガイダンスに応じて、固定電話機の加入者が音声メッセージを再度聞くために所定のキー操作を行うと(ステップS36b)、制御部111は、メディアサーバ140に対して、音声メッセージを再度出力するように指示する。
固定電話機の加入者が音声メッセージを再度聞くことを望まない場合には、制御部111は、呼制御サーバ150に対して回線切断の指示を行う。呼制御サーバ150は、指示に応じて、呼を切断する(ステップS37)。
固定電話機との回線を切断した後、制御部111は、発信側加入者に電子メールでメッセージを送信したこと通知する制御を行う。具体的には、制御部111は、”○△−□×○△−□×○△にメッセージを送信しました。”といったメッセージを発信側加入者に送信することをメールサーバ130に指示する。指示に応じて、メールサーバ130は、メッセージを含む電子メールを発信側加入者に送信する(ステップS38)。
図12に示された処理によれば、固定電話機への着信に応答できない状態(不在状態等)が長時間続いた後などに、固定電話機の加入者が、メッセージが届いているか否かを確認することができる。
上記の説明では、サービス提供装置は、固定電話機に対して発呼した後、固定電話機が応答したらパスワードの入力を要求したが(図13に示す例を除く。)、パスワードを要求することなく直ちに音声メッセージを固定電話機に送信するようにしてもよい。
図13は、パスワードを要求することなく音声メッセージを固定電話機に送信する処理を示すフローチャートである。図13に示す処理は、注文の場合を例にした処理である。図13に示すように、呼制御サーバ150が、制御装置110の指示に応じて固定電話機にダイヤルし(ステップS41)、着信側加入者がオフフックすると(ステップS42)、制御部111は、メディアサーバ140に対して、音声に変換したメッセージ(音声メッセージ)を出力するように指示する。メディアサーバ140は、指示に応じて、記憶部(図6に示すデータ蓄積部180)に格納されている音声メッセージを出力する。呼制御サーバ150は、メディアサーバ140から入力される音声メッセージを送信する。よって、固定電話機に音声メッセージが送信され、固定電話機から、伝言または注文内容が音声出力される(ステップS43)。
なお、メディアサーバ140から、音声メッセージに続いて、もう一度メッセージを聞くかどうかを確認するためのカイダンスが出力される。そのガイダンスに応じて、固定電話機の加入者が音声メッセージを再度聞くために所定のキー操作を行うと(ステップS44)、制御部111は、メディアサーバ140に対して、音声メッセージを再度出力するように指示する。
固定電話機の加入者が音声メッセージを再度聞くことを望まない場合には、制御部111は、メディアサーバ140に対して、確認のための音声ガイダンスを出力するように指示する。音声ガイダンスは、例えば、”注文を受理しますか。”といった内容である。なお、音声ガイダンスは、あらかじめ記憶部(図6に示すデータ蓄積部180)に保存されている。呼制御サーバ150は、メディアサーバ140から入力される音声ガイダンスを送信する。
固定電話機の加入者が注文を受理する回答を行った場合には、制御部111は、呼制御サーバ150に対して回線切断の指示を行う。呼制御サーバ150は、指示に応じて、呼を切断する(ステップS46)。そして、ステップS23に移行する。この場合には、ステップS23の処理で、メールサーバ130は、発信側加入者に、音声メッセージを送信できたことを示すメッセージを含む電子メールを送信するのではなく、注文が受理されたことを示すメッセージを含む電子メールを送信する。
なお、発信側加入者が伝言の文字メッセージを送信した場合には、ステップS43の処理において、伝言の内容を確認したか否かを問い合わせるための音声ガイダンスが固定電話機に送信される。従って、ステップS23の処理で、メールサーバ130は発信側加入者に、伝言が理解されたことを示すメッセージを含む電子メールを送信する。
固定電話機の加入者が注文を受理しない回答を行った場合には、制御部111は、呼制御サーバ150に対して回線切断の指示を行う。呼制御サーバ150は、指示に応じて、呼を切断する(ステップS47)。そして、ステップS24に移行する。この場合には、ステップS24の処理で、発信側加入者に、音声メッセージを送信できなかったことを示すメッセージを含む電子メールを送信するのではなく、注文が受理されなかったことを示すメッセージを含む電子メールを送信する。
発信側加入者が伝言の文字メッセージを送信した場合には、ステップS23の処理で、メールサーバ130は発信側加入者に、伝言が理解されなかったことを示すメッセージを含む電子メールを送信する。
なお、制御部111は、例えば、固定電話機の加入者が注文を受理したことまたは受理しなかったことに対応する所定のキー操作を行ったことを認識することによって、固定電話機の加入者が注文を受理したか否かを把握する。
また、メディアサーバ140等において音声−文字変換機構を組み込み、音声によって、固定電話機の加入者が注文を受理したことまたは受理しなかったこと発信加入者に送信するようにしてもよい。
また、固定電話機がファクシミリ受信機能を有していることが認識されている場合には、サービス提供装置は、あらためて、注文の内容のファクシミリデータを送信するようにしてもよい。この場合、サービス提供装置は、例えば、見なし音声方式(ファクシミリデータを音声信号と見なして、IP網を介して送信する方式)でファクシミリデータを送信する。
図13に示す処理によれば、携帯電話機1またはPC2のユーザ(発信加入者)が注文の文字メッセージを送信した後、注文が受け付けられたか否かまで、発信加入者に通知することができる。
なお、上記の実施形態では、サービス提供装置は、固定電話機に対して発呼した後、固定電話機が応答したらパスワードの入力を要求したが、まず、伝言を伝えたい相手であるか否かを確認した後に、パスワードの入力要求に進むようにしてもよい。例えば、”○○さんですか。”といった音声ガイダンスを送信し、固定電話の加入者が、音声メッセージを聞く本人であることに対応するキー操作が行われた場合に、パスワードの入力要求に進む。
そのような処理によれば、固定電話機をオフフックしうる複数人が存在する場合でも、発信加入者がメッセージを伝達したい当人に音声メッセージを聞かせることができる。
図14は、本発明によるサービス提供装置の概要を示すブロック図である。図14に示すように、サービス提供装置は、IP網400を経由して端末装置から受信した伝言または注文に関する文字メッセージを受信する文字メッセージ受信手段11と、文字メッセージ受信手段11が受信した文字メッセージを音声メッセージに変換する文字−音声変換手段12と、文字−音声変換手段12によって文字メッセージから変換された音声メッセージをIP網400を経由して固定電話機に送信する音声メッセージ送信手段13と、固定電話機の利用者が音声メッセージの内容を把握したか否かを検知する検知手段14と、検知手段14の検知結果をIP網400を経由して端末装置に送信する結果送信手段15とを備えている。
検知手段14が、音声メッセージの内容を把握したか否かを知らせることを促す音声ガイダンスを固定電話機に送信し、固定電話機の利用者が音声ガイダンスに応じて入力した情報にもとづいて、固定電話機の利用者が音声メッセージの内容を把握したか否かを検知するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、検知手段14は、固定電話機の利用者が音声メッセージの内容を把握したか否かを確実に検知することができる。
端末装置から注文に関する文字メッセージが送信された場合に、検知手段14が、注文を受理するか否かを知らせることを促す音声ガイダンスを固定電話機に送信するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、固定電話機からの応答を受けた後に発信側の端末装置に送信される検知結果によって、発信側の端末装置のユーザが、注文が受け付けられたか否かを確実に認識することができるようになる。
音声メッセージ送信手段13が、あらかじめ決められた所定回を限度にして、固定電話機の利用者が音声メッセージを受信したことを検知するまで繰り返し音声メッセージを送信するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、固定電話機の利用者が音声ガイダンスを聞かない可能性を低減することができる。