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JP2012021031A - 放射線誘発性腸炎の予防、処置、および回復 - Google Patents

放射線誘発性腸炎の予防、処置、および回復 Download PDF

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JP2012021031A
JP2012021031A JP2011233631A JP2011233631A JP2012021031A JP 2012021031 A JP2012021031 A JP 2012021031A JP 2011233631 A JP2011233631 A JP 2011233631A JP 2011233631 A JP2011233631 A JP 2011233631A JP 2012021031 A JP2012021031 A JP 2012021031A
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radiation
cancer
radiation therapy
treatment
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JP2011233631A
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Inventor
Doug Bettenhausen
ベッテンハウゼン ダグ
Christopher Jahraus
ジャハラス クリストファー
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Salix Pharmaceuticals Inc
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Salix Pharmaceuticals Inc
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Abstract

【課題】放射線療法単独かまたはそれと他の治療との組み合わせによって誘発された腸炎を回復させるかおよび/または処置する新たな方法を提供すること

【解決手段】この方法は、例えば、結腸直腸癌、虫垂癌、肛門癌、または小腸癌を含む胃腸悪性腫瘍;前立腺癌、膀胱癌、精巣癌、または陰茎癌を含む泌尿生殖器悪性腫瘍;子宮頸癌、子宮内膜癌、卵巣癌、膣癌、または外陰部の癌を含む婦人科悪性腫瘍;あるいは、骨盤構造が関与する骨原性悪性腫瘍および他の肉腫性悪性腫瘍の処置のための方法であり、治療有効量のバルサラジドを放射性誘発性腸炎の処置が必要な患者に投与する工程を包含する。
【選択図】なし

Description

(関連出願)
本出願は、2004年5月28日に出願された、米国特許出願第10/856,348号からの優先権を主張する。この米国特許出願は、2004年10月26日に米国仮特許出願第60/608,951号に転換された。これら出願の両方は、その全体が本明細書中で参考として援用される。
(発明の分野)
本出願は、腸炎を処置するか、予防するか、または回復させるためのバルサラジドの使用に関する。より具体的には、本発明は、放射線療法単独か、またはそれと他の治療との組み合わせによって引き起こされた放射線誘発性腸炎を処置するためのバルサラジドの使用に関する。
(発明の背景)
放射線療法、化学療法、および外科手術を含む種々の骨盤治療(時折、「骨盤治療」と呼ばれる)は、骨盤障害(例えば、腫瘍)を有する被験体のためのアジュバンド処置または主な処置のいずれかとして、多岐にわたる臨床的状況において使用される。この治療は、腸の毒性および他の副作用(例えば、急性放射線腸炎)を生じ得る。例えば、骨盤の放射線治療を受けた患者の約80%が、急性放射線腸炎を経験する。
これらの種々の骨盤治療の副作用は、不快感を生じ、そして治療において不定期な中断が必要であるために、処置の治療的利益を低減させ得る。従って、骨盤治療の副作用を予防するか、回復させるか、そうでなければ処置する処置を有することは有益である。
(発明の要旨)
本明細書中に開示されるものは、放射線誘発性腸炎を予防、回復および/または処置する方法である。さらに開示されるものは、放射線治療と化学療法および/または外科手術との組み合わせによって引き起こされた放射線誘発性腸炎を処置する方法である。一般に、バルサラジドを用いる処置からの利益を享受し得る被験体としては、特に骨盤領域に、放射線治療を開始することが予定される被験体か、または放射線治療を受けている最中である被験体が挙げられる。この処置からの利益を特に享受し得る被験体としては、腸炎であるかまたはそれに罹患しやすい可能性のある被験体が挙げられる。例えば、被験体は、放射線治療を受ける間近であってもよく、放射線治療を受けていてもよく、または放射線治療を受けたあとでもよい。被験体はまた、骨盤治療の組み合わせを受けていてもよい。被験体は、例えば、結腸直腸癌、虫垂癌、肛門癌、または小腸癌を含む胃腸悪性腫瘍;前立腺癌、膀胱癌、精巣癌、または陰茎癌を含む泌尿生殖器悪性腫瘍;子宮頸癌、子宮内膜癌、卵巣癌、膣癌、または外陰部の癌を含む婦人科悪性腫瘍;あるいは、骨盤構造が関与する骨原性悪性腫瘍および他の肉腫性悪性腫瘍に罹患していてもよい。
本発明は、放射線誘発性腸炎のための新たな処置を提供する。
本発明の一局面に従って、放射線誘発性腸炎を処置する方法は、治療有効量のバルサラジドを、放射線誘発性腸炎の処置を必要とする被験体に投与する工程を包含する。
特定の実施形態において、バルサラジドは、被験体の放射線治療の初回投与の少なくとも1日前に投与される。関連する実施形態において、バルサラジドは、被験体の放射線治療の初回投与の少なくとも5日前に投与される。
特定の他の実施形態において、バルサラジドは、放射線治療の初回投与の少なくとも1日前から、放射線治療の休止の少なくとも1日後まで投与される。
ある好ましい実施形態に従って、バルサラジドは、被験体に毎日2回、投与される。
別の実施形態において、約3000mg〜約5000mgの間のバルサラジドが、被験体に毎日投与される。
特定の実施形態において、バルサラジドは、被験体の放射線治療、化学療法の初回投与の少なくとも1日前、または外科手術を受ける少なくとも1日前に投与される。
特定の他の実施形態は、被験体の放射線治療、化学療法の初回投与の少なくとも5日前、および/または外科手術を受ける少なくとも5日前に投与されるバルサラジドを含む。
他の実施形態は、放射線治療、化学療法、または上記外科手術中に投与されるバルサラジドを含む。
ある好ましい実施形態において、バルサラジドは、骨盤治療の投与の少なくとも1日前から、骨盤治療の少なくとも1日後まで投与される。例えば、放射線治療、化学療法の初回投与の前、および/または外科手術を受ける前である。
別の局面に従って、放射線誘発性腸炎から防御する方法は、治療有効量のバルサラジドを、放射線誘発性腸炎からの防御を必要とする被験体に投与する工程を包含する。
別の局面において、結腸の粘膜を放射線誘発性傷害から防御する方法は、治療有効量のバルサラジドを、結腸の粘膜の放射線誘発性傷害からの防御を必要とする被験体に投与する工程を包含する。
なお別の局面において、放射線誘発性結腸直腸炎症から防御する方法は、治療有効量のバルサラジドを、放射線誘発性結腸直腸炎症からの防御を必要とする被験体に投与する工程を包含する。
本発明の他の実施形態は、以下に開示される。
例えば、本発明は以下を提供する:
(項目1)
治療有効量のバルサラジドを、放射線誘発性腸炎の処置を必要とする被験体に投与する工程を包含する、放射線誘発性腸炎を処置する方法。
(項目2)
前記バルサラジドが、前記被験体の放射線治療の初回投与の少なくとも1日前に投与される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記バルサラジドが、前記被験体の放射線治療の初回投与の少なくとも5日前に投与される、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記バルサラジドが、放射線治療の間に投与される、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記バルサラジドが、放射線治療の休止後少なくとも1日間、投与される、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記バルサラジドが、放射線治療の休止後14日間、投与される、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記バルサラジドが、放射線治療の初回投与の少なくとも1日前から、放射線治療の休止の少なくとも1日後まで投与される、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記被験体が、結腸直腸癌、虫垂癌、肛門癌、または小腸癌を含む胃腸悪性腫瘍;前立腺癌、膀胱癌、精巣癌、または陰茎癌を含む泌尿生殖器悪性腫瘍;子宮頸癌、子宮内膜癌、卵巣癌、膣癌、または外陰部の癌を含む婦人科悪性腫瘍;あるいは、骨盤構造が関与する骨原性悪性腫瘍および他の肉腫性悪性腫瘍のための処置の結果として放射線治療を受けた、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記バルサラジドが、前記被験体に毎日2回、投与される、項目1に記載の方法。
(項目10)
約3000mg〜約5000mgの間のバルサラジドが、前記被験体に毎日投与される、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記バルサラジドが、約8週間〜約12週間の間で、前記被験体に投与される、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記被験体が、急性放射線腸炎を有する、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記放射線誘発性腸炎が、化学療法または外科手術と組み合わせた放射線治療によって引き起こされる、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記バルサラジドが、被験体の放射線治療、化学療法の初回投与の少なくとも1日前、または外科手術を受ける少なくとも1日前に投与される、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記バラサラジドが、放射線治療、化学療法の初回投与の少なくとも5日前、または外科手術を受ける少なくとも5日前に投与される、項目13に記載の方法。
(項目16)
前記バラサラジドが、放射線治療、化学療法、または前記外科手術中に投与される、項目13に記載の方法。
(項目17)
前記バラサラジドが、放射線治療、化学療法の休止後の少なくとも1日間、または外科手術後の少なくとも1日間投与される、項目13に記載の方法。
(項目18)
前記バラサラジドが、放射線治療、化学療法の休止の後の少なくとも14日間、または外科手術の後の少なくとも14日間投与される、項目13に記載の方法。
(項目19)
前記バラサラジドが、放射線治療、化学療法の初回投与の少なくとも1日前または外科手術を受ける少なくとも1日前から、放射線治療、化学療法の休止の少なくとも1日後または外科手術の少なくとも1日後まで、投与される、項目13に記載の方法。
(項目20)
前記被験体が、結腸直腸癌、虫垂癌、肛門癌、または小腸癌を含む胃腸悪性腫瘍;前立腺癌、膀胱癌、精巣癌、または陰茎癌を含む泌尿生殖器悪性腫瘍;子宮頸癌、子宮内膜癌、卵巣癌、膣癌、または外陰部の癌を含む婦人科悪性腫瘍;あるいは、骨盤構造が関与する骨原性悪性腫瘍および他の肉腫性悪性腫瘍のための処置の結果として放射線治療、化学療法、または外科手術を受けた、項目13に記載の方法。
(項目21)
前記バルサラジドが、前記被験体に毎日2回、投与される、項目13に記載の方法。
(項目22)
約3000mg〜約5000mgの間のバルサラジドが、毎日、前記被験体に投与される、項目13に記載の方法。
(項目23)
前記バルサラジドが、約8週間〜約12週間の間で、前記被験体に投与される、項目13に記載の方法。
(項目24)
治療有効量のバルサラジドを、放射線治療を受ける前、放射線治療を受ける間、および/または放射線治療を受ける後に被験体に投与する工程を包含する、放射線誘発性腸炎から防御する方法。
(項目25)
治療有効量のバルサラジドを、放射線治療を受ける前、放射線治療を受ける間、および/または放射線治療を受ける後に被験体に投与する工程を包含する、結腸の粘膜を放射線誘発性傷害から防御する方法。
(項目26)
治療有効量のバルサラジドを、放射線治療を受ける前、放射線治療を受ける間、および/または放射線治療を受ける後に被験体に投与する工程を包含する、放射線誘発性結腸直腸炎症から防御する方法。
図1は、本発明の一実施形態に従って、バルサラジド処置患者およびプラシーボ処置患者についての症状指数を示す。
(発明の詳細な説明)
放射線誘発性腸炎を処置するための方法が、本明細書において開示される。
放射線療法(Radiation therapy)および放射線治療(radiotherapy)は、本明細書において交換可能に使用され、外部照射および内部照射(近接照射療法、腔内近接照射療法、または間質放射線治療とも称される)を包含する。企図される放射線の供給源としては、純γ線、純β線、および照射の組み合わせが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「化学療法」および「化学療法剤」は、交換可能に使用され、これらは、抗癌効果を示す化学療法剤または化学療法薬を指し、そして悪性腫瘍の処置において使用される。
本発明者らは、驚くべきことに、放射線誘発性腸炎を経験する患者へのバルサラジドの投与が、状態の症状を低減させることを見出した。放射線腸炎の処置におけるバルサラジドの成功は、臨床試験における他の関連5−ASA薬(例えば、オサラジン(osalazine)およびメサラミン)の失敗からは、驚くべきことである。
バルサラジドは、2−ヒドロキシ−5−フェニルアゾ安息香酸誘導体(この中のアミノサリチル酸部分(5−アミノサリチル酸(5−ASA)(メサラミン))が、キャリア分子(4−アミノベンゾイル−*−アラニン(4−ABA))にアゾ結合を介して結合されている)に対する一般名である。バルサラジド二ナトリウムは、高度に水溶性であり、そして結腸内で切断されて、この分子の治療的に活性な部分であるメサラミン、およびキャリア部分である4−アミノベンンゾル−−アラミンを放出する。メサラミンは、5−アミノサリチル酸であって局所的に作用するように見える。
放射線誘発性腸炎を処置するためのバルサラジドの使用は、特に有益である。なぜなら、これは、腸管微生物叢によって活性形態の5−ASAに代謝され、したがって腸管のより近位における吸収を介した損失なしに、活性薬物の腸への最適な送達を保証するからである。バルサラジドはまた、他の5−ASAプロドラッグよりも少ない副作用を示し、そしてこれは、硫黄アレルギーを有する被験体に投与され得る。バルサラジドはまた、活性成分が、直接的にフリーラジカルを除去することが実証されており、このことはその後の炎症応答を低減させ得るので、有益である。いずれの特定の理論にも拘束されることを望まないが、本発明者らは、バルサラジドが、直腸粘膜における炎症のメディエーターとフリーラジカルの放出とをブロックすることによって、放射線誘発性腸炎を防御し得ると考えている。
本明細書中で使用される場合、放射線誘発性腸炎は、骨盤領域の照射による骨盤領域に対する放射線誘発性障害を含む。照射は、多くの場合、急性放射線腸炎または結腸直腸毒性を引き起こす。症状としては、下痢、直腸炎、便失禁、軟便、一日あたりの排便回数の増加、テネスムス、粘液産生、腹骨盤痛、および直腸周囲の不快感が挙げられ得る。急性放射線腸炎は、ほとんど、S状結腸および直腸の刺激から生じる。
本発明のなお別の局面は、バルサラジド処置を必要とする被験体(例えば、哺乳動物、ヒト、ウマ、イヌ、ネコ)をバルサラジドで処置する方法に関する。このような処置を必要とする被験体の同定は、被験体または保健医療従事者の判断であり得、そして主観的(例えば、見解)または客観的(例えば、試験法もしくは診断法によって測定可能)であり得る。
バルサラジドは、種々の処置レジメンにおいて使用され得る。これらのレジメンは、被験体および処置の型に依存して変動し得る。
バルサラジドは、処置療法の前、処置療法の間、および/または処置療法の後に投与され得る。バルサラジドは、例えば、1日に2回、1日に3回、または1日に4回、投与され得る。バルサラジドは、例えば、約2000mg BID〜約2500mg TIDの間の容量で投与され得る。別の例は、約4.0g/日〜約7.25g/日の間のバルサラジドを投与することである。バルサラジドは、例えば、錠剤の形態、粉末の形態、カプセルのため液体もしくはカプセル中の液体で投与され得る。
これらを必要とする被験体としては、放射線療法を、単独で、または腸炎を誘発し得る他の骨盤療法と組み合わせて受ける被験体が挙げられる。この必要性は以下において明白であり得る:放射線療法、化学療法、骨盤の外科手術、または療法の組み合わせを受ける前;放射線療法、化学療法、骨盤の外科手術、または療法の組み合わせを受けている被験体;および放射線療法、化学療法、骨盤の外科手術、または療法の組み合わせを受けた後の被験体。例えば、被験体は、放射線治療を、化学療法または外科手順と組み合わせて受ける間近であり得るか、受けているところであり得るか、または受けたところであり得る。
腸炎であるか、またが腸炎に感受性であり得る被験体もまた包含される。被験体は、例えば、以下に罹患していてもよい:胃腸の悪性腫瘍(結腸直腸癌、虫垂癌、肛門癌、または小腸癌が挙げられる);泌尿生殖器の悪性腫瘍(前立腺癌、膀胱癌、精巣癌、または陰茎癌が挙げられる);婦人科の悪性腫瘍(子宮頸癌、子宮内膜癌、卵巣癌、膣癌または外陰部の癌が挙げられる);あるいは骨盤構造に関与する骨原性悪性腫瘍および他の肉腫性悪性腫瘍。
本明細書中で使用される場合、治療有効量とは、ヒト被験体または非ヒト被験体に投与されて、治療的利益(例えば、症状の改善)を提供する場合の有効量(例えば、急性放射線腸炎の症状を低減させる有効量)を意味する。
特定の実施形態によると、バルサラジドは、放射線治療の前に投与され得る。バルサラジドは、例えば、被験体の放射線治療の初回投与の少なくとも1日前に、被験体の放射線治療の初回投与の少なくとも5日前に、放射線療法の中止後少なくとも5日間、放射線療法の中止後少なくとも14日間、投与され得る。治療の少なくとも5日前の投与としては、毎日投与、骨盤治療前の毎日投与、治療前の過半数の日の投与、処置日における投与、または処置日においては投与しないことを含む。
特定の好ましい実施形態は、放射線治療の初回投与の少なくとも1日前から放射線療法の中止の少なくとも1日後まで、バルサラジドを投与する工程を包含する。放射線療法前の処置は、障害の原因のある間、5−ASAがその作用部位に存在することを可能にする。
特定の実施形態において、バルサラジドは、約2週から約6週までの間、約8週から約12週までの間、または1日から約7日までの間の期間、被験体に投与される。バルサラジドは、処置の経過の間、間欠的または継続的に投与され得る。処置の長さは、放射線治療、化学療法の型および長さ、および/または外科手術の型に依存して変動し得、そして処置の適切な長さは、本開示の利益を有する当業者によって容易に決定され得る。
任意の実施形態に関して、バルサラジドは、例えば、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回、被験体に投与され得る。本発明のいくつかの特定の好ましい方法において、バルサラジドを1日2回被験体に投与する工程が包含される。なぜなら、これは例えば、副作用を最小限にして、患者のコンプライアンスを増加させ得るからである。
投薬量は、特定の好ましい実施形態に従って、毎日投与されるバルサラジドの約3000mg〜約5000mgの間の範囲に及ぶ。例えば、2250mgの用量が、1日2回被験体に投与され得る。本発明に従う方法に関する他の適切な投薬量は、保健医療の従事者によって、または被験体によって、決定され得る。毎日投与されるバルサラジドの量は、被験体の体重、年齢、性別、または医学的状態に基づいて増加または減少され得る。当業者は、本開示に基づいて、被験体にとって適切な用量を決定することができる。
複数の治療を受けている被験体に関しては、例えば、以下においてバルサラジドが投与され得る:被験体の放射線治療、化学療法の初回投与の少なくとも1日前、および/または外科手術を受ける少なくとも1日前;被験体の放射線治療、化学療法の初回投与の少なくとも5日前、および/または外科手術を受ける少なくとも5日前;放射線治療、化学療法、および/または外科手術の間;放射線治療、化学療法の中止の少なくとも1日後、または外科手術の少なくとも1日後;放射線治療、化学療法の中止後少なくとも14日間、または外科手術の後少なくとも14日間。
処置の前、処置の間、および処置の中止後に被験体にバルサラジドを投与することが、多くの場合好ましい。例えば、バルサラジドは、放射線治療、化学療法の初回投与の少なくとも1日前、および/または外科手術を受ける少なくとも1日前から、放射線治療、化学療法の中止の少なくとも1日後、または外科手術の少なくとも1日後まで投与され得る。
適用は、子宮頸癌、前立腺癌、虫垂癌、結腸癌、腸の癌、直腸癌もしくは他の胃腸の悪性腫瘍、または前立腺切除に対する処置の結果として、放射線治療、化学療法与、および/または外科手術を受ける被験体を含む。
特定の実施形態に従って、バルサラジドは、他の化合物と組み合わせて投与され得る。他の化合物としては、例えば、以下が挙げられる:化学療法剤、抗炎症剤、抗発熱剤、放射線増感剤(radiosensitizing agent)、放射線保護剤、泌尿器科の薬剤、制吐剤、および/または下痢止め剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、ドセタキセル、パクリタキセル、フルオロウラシル(flurouracil)、カペシタビン、ゲムシタビン、イリノテカン、トポテカン、エトポシド、マイトマイシン、ゲフィチニブ、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、アセトアミノフェン、ミソニダゾール、アミフォスチン(amifostine)、タムスロシン、フェナゾピリジン、オンダンセトロン、グラニセトロン、アロセトロン(alosetron)、パロノセトロン(palonosetron)、プロメタジン、プロクロルペラジン、トリメトベンズアミド、アプレピタント(aprepitant)、ジフェノキシラート(アトロピンと一緒に)、および/またはロペラミド)。
本明細書中において開示された方法はまた、放射線誘発性腸炎に対する保護を必要とする被験体に治療有効量のバルサラジドを投与することによって、放射線誘発性腸炎に対して被験体を保護するために有用である。例えば、患者が放射線を受ける前に、予防的用量が投与され得る。
本明細書中において開示された方法は、結腸粘膜に対する放射線誘発性障害および放射線誘発性結腸直腸炎症に対する保護を必要とする被験体に、治療有効量のバルサラジドを投与することによって、結腸粘膜に対する放射線誘発性障害に対して、および放射線誘発性結腸直腸炎症に対して、被験体を保護するために有用である。
本発明が、ここに記載される本実施例に限定されると解釈されるべきでないことが、理解されるべきである。むしろ、本発明は、本明細書において提供されるありとあらゆる適用、および当業者の技術範囲内のあらゆる等価な改変物を含むと解釈されるべきである。
(放射線腸炎を処置するためのバルサラジドの臨床試験)
被験体は、FIGO病期のIB2−IVA子宮頸癌について処置される患者、または前立腺切除後の生化学的不全について処置される患者を含んだ。少なくとも40Gyまでの4場(4−field)技術において、放射線治療を被験体に送達し、そして腫瘍線量は、前立腺患者に対して少なくとも64Gy、そして頚部患者に対して75Gyであった。近接照射療法ブーストを許容した。
患者に、2250mgのBSZまたは同一の外見のプラシーボを1日2回与えた。これは、放射線治療の5日前に始めて、完了後2週間続けた。毒性を、NCI Common
Toxicity Criteriaに従って、以下の各々について毎週等級付けした:直腸炎、下痢、排尿障害、体重減少、疲労、悪心、および嘔吐。症状指数を各毒性について定式化した。これは、毒性の数値等級×それを経験した日数で構成される。これを、各等級について合計した。したがって、等級1の直腸炎を7日間、等級2の直腸炎を14日間、および等級3の直腸炎を7日間有する患者[(1*7)+(2*14)+(3*7)]は、56の直腸炎指数を有した。より高い指数は、より悪い毒性を示す。
患者を、封をした封筒による決定(sealed envelope decision)によって無作為化した(プロトコールのコーディネーターのみが無作為化の結果を知る状態)。無作為化後、研究薬または同一の外見のプラシーボを、投薬量および投与スケジュールに関する説明とともに、研究被験体に与えた。
上記のように、放射線処置の経過の間、次いで放射線治療完了後少なくとも6ヶ月間、毒性を毎週評価した。National Cancer Institute(NCI)のcommon toxicity criteriaを使用して、放射線誘発性急性腸毒性の重症度を等級付けした。
一次終点として下痢を使用し、以下を評価した:
等級0− 下痢なし、または便通頻度増加なし
等級1− 2〜3回の便通/日の増加
等級2− 4〜6回の便通/日の増加、または夜間の便通
等級3− 7〜9回の便通/日の増加、または夜間の便通
等級4− >10回の便通/日の増加、または肉眼で見える出血性の下痢
観察された基線の痔核の出血は、等級4とはみなさなかった。
二次終点は、直腸炎を含んだ。これを、NCI Common Toxicity Criteriaによって概説されるガイドラインを使用して評価した。このガイドラインは、以下を含む:
等級0− なし
等級1− 便通頻度増加、ときどき線状の出血のある便(blood−streaked
stools)、または直腸の不快感、医薬の必要なし
等級2− 便通頻度増加、出血、粘液放出、または医薬を必要とする直腸の不快感
等級3− 便通頻度増加/非経口的支持を必要とする下痢、輸液を必要とする直腸出血、またはパッドを必要とする持続性の粘液放出
等級4− 外科的介入を必要とする、穿孔、出血もしくは壊死、または他の生命を脅かす合併症。
臨床経験は、バルサラジド二ナトリウムの唯一の統計的に有意な副作用が、腹痛であったことを示した(これは、薬物を受けた患者の11%に見られるのに対し、プラシーボを受けた患者においては0%である)。バルサラジドの試験において報告された有害な事象は、プラシーボを受けた患者において見られる有害事象に匹敵した(有害事象には、頭痛、悪心、下痢、膨満、および疲労が挙げられた)。
2人のバルサラジドに関する患者および1人のプラシーボに関する患者において見られた悪心/嘔吐を除いて、全ての毒性は、バルサラジドを服用した患者においてかなり低かった。直腸炎は、最も有効に防がれ、平均指数はバルサラジド患者における35に対し、プラシーボ患者においては77であった(p=0.04)。バルサラジドに関する患者は、等級4の下痢を経験しなかった。一方プラシーボ患者は2人経験した。プラシーにおける平均体重減少は、3ポンドを超えた一方、平均でバルサラジド患者は、体重を増やした。バルサラジド患者における疲労指数は20であり、一方プラシーボ患者は平均49であった。予想外なことに、バルサラジド患者においてはまた、排尿障害がかなり低かった。図1は、バルサラジドを投与された被験体とプラシーボを与えられた被験体とを比較する症状指数を示す棒グラフである。

Claims (1)

  1. 本明細書中に記載される発明。
JP2011233631A 2004-10-26 2011-10-25 放射線誘発性腸炎の予防、処置、および回復 Withdrawn JP2012021031A (ja)

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