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JP2012029684A - 細胞の製造方法 - Google Patents

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JP2012029684A JP2011134848A JP2011134848A JP2012029684A JP 2012029684 A JP2012029684 A JP 2012029684A JP 2011134848 A JP2011134848 A JP 2011134848A JP 2011134848 A JP2011134848 A JP 2011134848A JP 2012029684 A JP2012029684 A JP 2012029684A
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Hiromichi Nishina
博道 仁科
Norio Kumagai
憲夫 熊谷
Hiroko Yanaga
博子 矢永
Naoki Urushibata
直樹 漆畑
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CELL AID KENKYUSHO KK
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Abstract

【課題】安全性が高くヒト皮膚から製造される中枢神経疾患を治療するための細胞の提供。
【解決手段】ヒト皮膚から細胞を含む組織を採取する組織採取工程:前記工程で得られた組織を、タンパク質分解酵素を含む酵素溶液中に浸漬する酵素溶液浸漬工程:前記酵素溶液浸漬工程で得られた組織を、タンパク質分解酵素阻害剤を含む阻害剤溶液に浸漬する阻害剤溶液浸漬工程及び:以上の工程で得られた細胞を培養する培養工程:により得られる神経系疾患を治療するための細胞の製造方法であって、前記阻害剤溶液としては、前記タンパク質分解酵素を阻害するのに必要とされるよりも過剰のタンパク質分解酵素阻害剤を含むものを用い、前記培養工程では、無血清培地を用い、また、栄養支持細胞を用いることなく、更に培養中に、培養に用いられている培地に新しい培地を添加してからその一部を除去して行う方法で培地交換を行うこと、を特徴とする方法を提供する。
【選択図】図5

Description

この発明は、ヒト皮膚組織から得られる細胞を培養して得られる、神経系疾患を治療するための細胞の製造方法に関し、また、前記方法により得られる細胞を含有する神経系疾患を治療するための薬剤に関する。
多発性硬化症、脳梗塞、頭部外傷、アルツハイマー病を含む認知症、パーキンソン病等の中枢神経疾患、Glioblastoma(グリオブラストーマ、膠芽腫)などの脳腫瘍、あるいは脊髄損傷といった、神経の異常あるいは損傷が原因となる疾患(以降、神経系疾患という)の治療は、これまでは経口あるいは注射による投薬、もしくは外科的治療によって行われてきた。しかしながら、それらはいずれも対処療法であり、根本的な治療には中枢神経の再生が不可欠である。このため、神経系疾患等の治療の方法として、神経細胞を用いた再生療法が期待される。神経細胞はそれ自身、増殖能を持たないため、再生のための神経細胞を得るには、神経細胞に分化することができ、増殖能を有する神経幹細胞が必要である。なお、神経幹細胞の定義については諸説があるが、本明細書中では、神経細胞に分化する能力を有し、増殖能力を有する細胞を神経幹細胞と定義する。
これまで、動物では中枢神経又は神経節から神経幹細胞を採取して培養で増やした例がある。しかし、採取の際、神経傷害が大きく、ヒトから神経幹細胞を採取することはできない。
一方、胚性幹細胞(ES細胞)やiPS細胞から神経幹細胞を誘導することができる。しかし、これらの細胞は移植後、癌化する可能性が高いことが知られ、危険性が高い。特に神経系においては免疫応答が低いため、細胞を移植することによって癌化する可能性は高い。したがって、これらの細胞から誘導した神経幹細胞は治療には適さない。
また、最近、骨髄から得た体性幹細胞を神経幹細胞に誘導して神経疾患の治療に用いる方法の開発が試みられている。しかし、それらの細胞は間葉系細胞であるため、上皮系細胞である神経幹細胞への転換率が低く、治療に必要な細胞数を確保することが困難である。
さらに、鼻の臭粘膜からは神経幹細胞が得られて中枢神経疾患の治療に用いられているが、臭粘膜は組織が狭小なため治療に必要とする充分な細胞数が得られ難い(非特許文献14)。
現在、成体の各臓器に存在する幹細胞は、その各々の臓器を修復するばかりでなく、他の臓器に傷害が大きい時には、その傷害臓器に移行して(非特許文献11、非特許文献21)その臓器の細胞に変換して修復を行うと考えられている。したがって、成体幹細胞は種々の細胞に分化できる多分化能を有している。一方、神経堤由来幹細胞は発生期に神経堤から遊離して種々の臓器に移行して、その臓器の幹細胞となる(非特許文献16)。特に皮膚では、真皮、毛根バルジ部位、毛乳頭、毛乳頭周囲血管の4ヶ所に分散して神経堤由来幹細胞が存在している(非特許文献12、非特許文献16)。これらの中には神経幹細胞のマーカーであるNestinが陽性である細胞群があり、神経幹細胞が含まれると考えられる。したがって、皮膚組織由来の幹細胞には神経幹細胞が含まれ、これらを集めて培養で安全に増やすことができれば、中枢神経疾患、脊髄損傷あるいは脳腫瘍を治療するための治療用培養細胞を得ることができると考えられる(非特許文献15)。
実際これまでに、ヒトの皮膚(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献19)、毛根(非特許文献1)、包皮(非特許文献2、非特許文献6)や頭皮(非特許文献3)から細胞を採取し神経幹細胞を培養する方法が報告されている。しかし、いずれも培養の際に、ウシなどの血清を含むconditioned mediumが使用されていたり、外来の細胞をフィーダー細胞として用いられており、それら由来の成分やウィルスが混入する危険性があり望ましいものではない。また、包皮は若年者由来のものしか報告はなく、患者が高齢の場合、あるいは女性の場合には適応できない。
無血清培地で行っている報告はあるものの(非特許文献9、非特許文献20)、非特許文献9は59歳までのヒトの皮膚から細胞を採取しており、高齢者に由来する皮膚からの細胞での成功例はない。脳梗塞は70歳代で発症ピークを迎え、その他の中枢神経疾患の患者も高齢者が多いことから、この報告では不十分である。また、非特許文献20は組織酵素処理が簡便である上、組織から表皮、毛根を除いている為、最初の採取時に細胞を充分に採っていない。したがって、得られる細胞数は少なく、最終的に数回に及ぶ移植治療に適さない。
また、これまで、皮膚組織由来の細胞から培養により得られる細胞を用いて、神経損傷モデルなどに移植して、治療有用性を確認した例はない。
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ヒト皮膚から、安全性の高い方法で、神経系疾患を治療するための細胞を製造する方法が求められていた。
本発明の方法では、ヒトの組織の中でもとりわけ採取しやすい皮膚から神経系疾患の治療用細胞を得ることができる。本発明の方法では、高齢者の皮膚からであっても治療用細胞を得ることができる。本発明の方法によれば、多数の神経系疾患の治療用細胞を得ることができる。本発明の方法では、培養の際に、血清・脳下垂体抽出物・栄養細胞やアレルゲンを用いることなく、安全性の高い治療用細胞を得ることができる。また、本発明の治療用細胞は、凍結あるいは凍結乾燥することにより、保存することが可能であり、保存、運搬などが非常に簡便に行うことが出来る。さらに、本発明の方法で得られた細胞は、実際にラットの脊髄損傷モデルを治癒することが確認された。
培養法の概要図(実験例1) 保存法検討の結果(実験例2) Nestin陽性細胞(実験例3) in vitroでの神経系細胞への分化(実験例4) 脊髄損傷モデルでの移植治療効果(実験例5) 各群の結節の形成率(実施例6) HeLa S3群で形成された結節の体積(実施例6) 各群のHE染色標本および抗HLA免疫染色標本の観察結果(実施例6)
本発明は、ヒト皮膚から細胞を含む組織を採取する組織採取工程:
前記工程で得られた組織を、タンパク質分解酵素を含む酵素溶液中に浸漬する酵素溶液浸漬工程:
前記酵素溶液浸漬工程で得られた組織を、タンパク質分解酵素阻害剤を含む阻害剤溶液に浸漬する阻害剤溶液浸漬工程及び:
以上の工程で得られた細胞を培養して治療用培養細胞を得る培養工程:
により得られる神経系疾患を治療するための細胞の製造方法であって、
前記阻害剤溶液浸漬工程では、酵素溶液浸漬工程における酵素溶液中のタンパク質分解酵素を阻害するのに必要とされるよりも過剰のタンパク質分解酵素阻害剤を含む阻害剤溶液を用い、
前記培養工程では、動物由来血清、脳由来物質、牛由来タンパク質、及び動植物由来アレルゲン物質を実質的に含まず、無血清培地を用い、また、栄養支持細胞を用いることなく、更に培養中に培地交換を行い、その培地交換は、培養に用いられている培地に新しい培地を添加してからその一部を除去して行うこと、
を特徴とする神経系疾患を治療するための細胞の製造方法を提供する。
また、本発明は前記の方法により得られる細胞を有効成分として含有する神経系疾患を治療するための薬剤を提供する。また、さらに本発明は、前記の方法により得られる細胞を用いて神経疾患の治療に有用な薬剤のスクリーニング系を提供する。
以下、本発明の各工程について、その詳細を説明する。
(組織採取工程)
本工程で採取されるヒト皮膚は、皮膚組織全層が対象であるが、特に首から上の顔面頭頸部、特にヒトの頭頸部・顔面の部位の皮膚組織が好ましい。なぜなら、首から上の皮膚組織には、幹細胞が多く含まれると推測されるためである。なお、幹細胞とは細胞分裂を経ても同じ分化能を維持する細胞を指す。本工程においては、採取した組織から脂肪組織を除き、除菌後に酵素が浸透する幅まで細切してから次の酵素溶液浸漬工程に供することができる。また、本工程で採取されるヒト皮膚の、ヒトの年齢は問わず、従来は対象となりえなかった、60歳以上であって構わない。
(酵素溶液浸漬工程)
本発明の、酵素溶液浸漬工程で用いるタンパク質分解酵素としては、トリプシン(Trypsin)、遺伝子組換え型トリプシン、TrypLE 、デスパーゼ(Dispase)、 コラゲナーゼ(Collagenase)、Liberase、 Accutase等、を挙げられ、これらは混合して使用してもよい。さらに市販されている酵素溶液の例として、0.125%Trypsin/0.01%EDTA溶液(Sigma社製)、TrypZean(Sigma社製)、TrypLE Select Stable Trypsin Replacement Enzyme(GIBCO、Invitrogen)、 TrypLE Express Stable Trypsin Replacement Enzyme(GIBCO、Invitrogen)、Dispase(三光純薬)、Collagenase type−I、II、 III、IV、V、X(和光純薬)等、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。なお、トリプシンについては採取動物からの汚染を考慮するとTrypZean bovine、 TrypZean Solution、 1×(Sigma社製)、TrypLE Select Stable Trypsin Replacement Enzyme(GIBCO、Invitrogen)、 TrypLE Express Stable Trypsin Replacement Enzyme(GIBCO、Invitrogen)の使用が望ましい。
また、酵素溶液浸漬工程においては、2種類以上の酵素溶液に順に皮膚組織を浸漬してもよい。この場合、最も好ましいのは、最初にデスパーゼ溶液に浸漬し、次にトリプシン溶液に浸漬することである。一方、1種類のみを用いる場合であれば、トリプシンを用いることが最も好ましい。
酵素溶液中のタンパク質分解酵素濃度は、使用するタンパク質分解酵素の種類によって異なるが、通常0.001%以上0.5%以下であり、例えば、タンパク質分解酵素がトリプシンである場合には、0.001%以上0.25%以下、好ましくは0.001%以上0.13%以下であり、酵素溶液浸漬工程は0〜37℃の温度範囲で実施される。
(阻害剤溶液浸漬工程)
本工程で用いるタンパク質分解酵素阻害剤は、酵素溶液浸漬工程に用いられたタンパク質分解酵素の阻害剤が用いられ、例えば、酵素溶液浸漬工程で用いるタンパク質分解酵素がトリプシンであれば、トリプシン阻害剤が挙げられ、その例としてトリプシン阻害剤(大豆由来)、トリプシン阻害剤(lima bean由来)、アプロチニン(Aprotinin)などを挙げることができる。入手可能な市販品の例としては、Trypsin Inhibitor (Soy bean)(Wako社製)、Trypsin Inhibitor (lima bean)(Sigma社製)、recombinant Aprotinin (Tabacco)(Sigma社製)等を挙げることができる。また、タンパク質分解酵素がコラゲナーゼであれば、阻害剤の例としてコラゲナーゼ阻害剤が挙げられ、さらに具体的にはエコチンが挙げられる。エコチンの市販品としては例えば、Ecotin(Sigma社製)がある。なお、必ずしも、酵素溶液浸漬工程で用いられた酵素すべてに対するタンパク質分解酵素阻害剤を用いる必要はなく、例えば、デスパーゼのような酵素に対しては、特にそれを阻害するためのタンパク質分解阻害酵素を用いなくとも支障をきたさない。
一方、本発明においては阻害剤溶液浸漬工程において血清を用いないため、特にトリプシンのように活性の高いタンパク質分解酵素は、可及的に、好ましくは完全に失活させることが必要である。このため、タンパク質分解酵素阻害剤は、少なくとも酵素溶液浸漬工程で用いた酵素溶液中のタンパク質分解酵素に対して、過剰量のタンパク質分解酵素阻害剤を含む阻害剤溶液を用いる必要がある。一方、過剰すぎるタンパク質分解酵素を含むと、その後の細胞増殖が阻害され好ましくない。
このような観点から、本発明において、阻害剤溶液浸漬工程でのタンパク質分解酵素阻害剤の使用量は、酵素溶液浸漬工程で用いたタンパク質分解酵素を失活させるのに必要な理論量の通常2倍以上10倍以下、好ましくは2倍以上5倍以下、より好ましくは2倍以上3倍以下であるのがよい。タンパク質分解酵素阻害剤の使用量は理論量の2倍より少ないと、酵素溶液浸漬工程で用いたタンパク質分解酵素を必要十分な程度にまで失活させることが難しい場合があり、反対に、10倍量を超えて使用すると、細胞増殖阻害が起こり望ましくない。
また、本工程において、阻害剤溶液に浸漬する際の温度は0℃以上37℃以下、好ましくは4℃以上25℃以下であり、浸漬時間は30分以上6時間以下、好ましくは30分以上2時間以下の条件がよい。また、浸漬中はスターラー等にて撹拌することが好ましい。撹拌に伴い組織から細胞が遊離するので、これを回収して培養工程に供することができる。なお、遊離した細胞は阻害剤溶液浸漬後の混合物を、遊離した細胞(遊離細胞)が通過し、かつ、未消化残渣組織が通過しないポアサイズ、例えば40〜100μm程度のメッシュを用いて濾過し、次いで、得られた濾液溶液から遠心分離等の手段で阻害剤溶液を分離除去することによって回収できる。回収された細胞には体性幹細胞が含まれ、これが次の培養工程で増殖すると考えられる。
(残渣酵素浸漬工程)
阻害剤溶液浸漬工程後、さらに、未消化の残渣組織のみを回収し、タンパク質分解酵素を含む酵素溶液中に浸漬する、残渣酵素溶液浸漬工程を設けることができる。残渣酵素浸漬工程に用いられるタンパク質分解酵素については、上述と同様の酵素を用いることができるが、好ましくは前記酵素溶液浸漬工程で用いたタンパク質分解酵素と異なるものが用いられる。例えば酵素溶液浸漬工程で用いたタンパク質分解酵素がデスパーゼとトリプシンであれば、残渣酵素浸漬工程で用いる酵素としてコラゲナーゼを例示できる。酵素処理の好ましい温度範囲は0〜37℃で、より好ましくは4℃以上30℃以下である。また浸漬時間は好ましくは0.1時間以上24時間以下であり、より好ましくは16時間以上24時間以下である。残渣は酵素溶液浸漬後、必要に応じ、さらなる未消化残渣がもしあれば、これを除去し、遠心分離等の手段で酵素溶液を分離除去し、細胞を回収し、回収された細胞は、阻害剤溶液浸漬工程で得られる細胞と共に、培養工程に供される。もし未消化残渣が生じれば、残渣酵素浸漬工程を繰り返し行ってもよい。その場合は同じ反応条件であっても異なる反応条件であってもよい。
なお、コラゲナーゼ後の残渣酵素浸漬工程の後、酵素活性阻害処理は行っても行わなくてもよい。行う場合は、用いたタンパク質分解酵素に適した酵素活性阻害剤を用いられ、例えばコラゲナーゼを用いていた場合にはエコチンを酵素活性阻害剤として例示できる。なお、酵素活性阻害処理を行うかどうかは、例えば皮膚組織を採取した患者の年齢などを基準に判断することが可能である。
(培養工程)
本発明の培養工程では、危険因子である動物&ヒト由来血清、脳由来物質、牛由来タンパク質、及び動植物由来アレルゲン物質を実質的に含まない培地を用い、また、栄養支持細胞は用いない。
ここで危険因子について説明する。動物由来血清とはヒト血清、サル血清、ウシ胎児血清、ウシ血清、ブタ血清、ウマ血清、ロバ血清、ニワトリ血清、ウズラ血清、羊血清、ヤギ血清、イヌ血清、ネコ血清、ウサギ血清、ラット血清、モルモット血清及びマウス血清であり、脳由来物質とは脳下垂体抽出物、脳抽出物、及び脳由来抽出脂質であり、牛由来タンパク質とはウシの体を構成する全てのタンパク質、特にアルブミン、ゼラチンであり、また、動植物由来アレルゲン物質とはピーナッツ、そば、甲殻類、小麦、牛乳及び鶏卵等に由来する物質で、アナフィラキシー等のアレルギーを惹起するおそれのあるものである。ただし、牛由来タンパク質とはウシの体を構成する全てのタンパク質、特にアルブミン、ゼラチン及び酵素である。ただし、pyrogenを含まないような組換え体はこの限りでない。
また一般的な細胞培養には、多くの場合マウス胎児由来繊維芽細胞、3T3細胞、皮膚線維芽細胞(skin fibroblast)、CHO細胞、COS−7細胞、Vero細胞、MDBK細胞、STO細胞、BRL細胞、SL−10細胞等といった細胞を栄養支持細胞として用いるが、本発明においては、このような外来の栄養支持細胞を用いない。その結果、得られる細胞の安全性が高く保たれる。
また、培地は、基本的には危険因子を実質的に含まない細胞培養用の培地であれば何でもよいが、好ましくは、MCDB151培地、MCDB153培地、 MCDB156培地(Sigma社製、Stemline(登録商標)、Keratinocyte Basal Medium、Invitrogen社製、Dedined Keratinocyte−SFM)、DMEM/F−12(Invitrogen社製)等の基本培地に、タンパク質分解阻害剤、細胞増殖促進剤、細胞毒となる活性酸素より発生するラジカルを除くラジカルスカベンジャー等の細胞培養上好適な培地添加剤添加するのがよい。
ここで、培地添加剤として添加されるタンパク質分解酵素阻害剤については、上記の阻害剤溶液浸漬工程で用いられるSoy bean由来タンパク質分解酵素阻害剤を始めとして、lima bean由来タンパク質分解酵素阻害剤、遺伝子組換えアプロチニン(Aprotinin)、遺伝子組換えEcotin等を例示することができ、その使用量は、通常0.0125重量%以上2.5重量%以下の範囲であるのがよい。0.0125重量%より少ないと培地添加剤として添加する添加効果に乏しく、反対に、2.5重量%を超えて添加してもあまり添加効果の向上が見られない。Ecotinに関しては10μM以上200μM未満が好ましい。
また、培地添加剤として添加される細胞増殖促進剤としては、例えば、KGF(Keratinocyte Growth Factor:FGF7)、インシュリン(Insulin)、トランスフェリン(Transferrin)、セレニウム(Selenium)、エタノールアミン(Ethanolamine)、脂質、ビタミンC及びビタミンC誘導体等を挙げることができ、これらはその1種のみを添加してもよく、また、2種以上を添加してもよい。これらのうちKGF以外の物質は好ましくはそれぞれが1〜20000nMol/Lの範囲で添加され、KGFは好ましくは0.1〜100ng/Lの範囲で添加される。なお、上記の脂質としては、例えば、アラキドン酸、コレステロール、DL−a−Tocopherol−acetate、リノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミトレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、Tween:80、Pluronic F68(Sigma社、Invitrogen社等より入手できる)等から選ばれた1種又は2種以上の混合物を例示することができる。
更に、倍地添加剤として添加されるラジカルスカベンジャーとしては、例えば、還元グルタチオン(Reduced glutathione)、ビタミンE、ビタミンE誘導体、カタラーゼ(Catalase)、SOD(Superoxide Dismutase)等を挙げることができ、これらはその1種のみを添加してもよく、また、2種以上を添加してもよい。これらは好ましくは1〜1000nMol/Lの範囲で添加される。
本発明において、基本培地に添加される培地添加剤としては、上記のもの以外に、TGF−α(Transforming Growth Factor−alpha)、EGF(Epidermal Growth Factor)、FGF−2(Fibroblast Growth Factor−2)、活性型ビタミンD、塩化リチウム、アクチビン(Activin)、CCL−27(Chemokine(C−C motif)ligand 27)、2−メルカプトエタノール、 ROCK(Rho−associated kinase)阻害剤のFasudilやY−27632等を挙げることができ、これらはその1種のみを添加してもよく、また、2種以上を添加してもよい。これらは通常の範囲の添加量が用いられ、好ましい添加量の範囲は1nMol/L〜0.1mMol/Lである。
細胞は培養開始時においては1×104〜6/cm又は1×102〜6/mlとなるように細胞培養容器に播種し、37℃にてCOインキュベータ内で培養する。本発明の培養工程では、培養開始からはじめの培地交換まで3から10日間培養することが好ましい。さらには、本発明の培養工程では、馴化培養を行うことが好ましい。一般的に、細胞培養の際は数日ごとに培地の全交換を行うが、馴化培養とは培地交換時に細胞の造った細胞自身を養う成分を保持させる培養法をいう。具体的には、馴化培養においては、培養に用いられている培地をすべて除いて新しい培地に取り替えるのではなく、あらかじめ新しい培地を添加してから、培地を全く除去しないか、培地全体の一部を除去して行うことにより培地を交換する。この際、新しい培地を添加した後に、しばらく培養を行ってから、一部除去を行ってもよいし、新しい培地の添加や培地の除去は複数回に分けて行ってもよい。また、このような培地交換は、培養開始後の始めての培養交換の際に行ってもよいし、また、2回目以後の培地交換の際に行ってもよいし、その両方で行ってもよい。
細胞培養の際の細胞培養容器としては、ディッシュ、フラスコ、マイクロプレートなどが挙げられる。これらの容器は細胞との接着性を向上させるために、コラーゲン、ゼラチン、ポリ−L−リジン、ポリ−D−リジン、ラミニン、フィブロネクチン、ポリLオルニチンなどの細胞支持用基質でコーティングされてもよい。逆に、細胞を非接着で培養させる場合、培養底面にpolyHEMA(Sigma P3932)でコーテングするか、HydroCell(セルシード社)のような接着しない細胞培養容器を用いてもよい。
培養された細胞は、全てを回収して治療用細胞として用いてもよいが、培養後、酵素処理を施すことなく、浮遊する細胞のみを採取することにより、より神経幹細胞の割合の高い細胞群を得ることができる。
培養直後に細胞を用いられない場合は、乾燥、凍結、あるいは凍結乾燥することにより保存することができる。この際、培養された細胞の保存の生存率を挙げる保存成分は検討することができる。すなわち、種々の保存液に培養細胞を浸漬し、そのまま乾燥させ、3日間室温にて保存後4日目に水を加えて細胞を元の状態に戻し、その生死をMTT法で観察・測定して判定し、効果のある保存液成分を決定することができる。なお、本願発明者らは、特に、上記で得られた細胞を、3−O−metyl−D−glucose並びにROCK(Rho−associated kinase)阻害剤のFasudilやY−27632等を乾燥又は凍結乾燥又は凍結保存することにより、有効に保存できることを見出している。
また、培養された細胞が神経幹細胞かどうかは特有マーカーによる免疫染色により観察することができる。また、本発明の培養工程で培養された細胞を神経系の細胞に分化させる条件で培養して神経細胞、Astrocyteへ分化転換させ、Nestin、betaIII tublin、 GFAPに対する抗体による免疫染色で観察できる。この分化転換がなされれば神経幹細胞が存在していることが証明される。
(神経系疾患)
本発明の神経系疾患は、神経の異常あるいは損傷が原因となる疾患をいい、その例としては、脊髄損傷、多発性硬化症、脳梗塞、頭部外傷、アルツハイマー病を含む認知症、パーキンソン病等の中枢神経疾患、Glioblastoma(膠芽腫)などの脳腫瘍を挙げることができる。
(投与方法)
本発明の方法で得られる神経系疾患を治療するための細胞は、神経系の疾患を持つ患者の患部にMRI造影による脳内直接投与、あるいは、血管に点滴による静脈注射して、あるいは第四脳室等の実質脳組織外の脳内注入、あるいは腰椎穿刺法による脊髄内投与により投与することができる。
(スクリーニング方法)
本発明の方法で得られる神経系疾患を治療するための細胞は、神経系の疾患の治療に用いるための薬剤のスクリーニングに用いることができる。すなわち、本発明の方法で得られる細胞の培養中に、薬剤候補のライブラリーなどを投与し、細胞の増殖を促進あるいは、減退させるもの、あるいは特定の効果を示すものを、神経系の疾患の治療薬の候補とすることができる。
実施例の理解のために本実施例で採用された手順を図1に示す。
(組織の採取)
63歳女性の美容整形手術時に顔部から切除廃棄された約1cmのヒト皮膚組織の全層部分を用いて、毛根が存在する箇所を残して皮下及び真皮結合組織を可及的に滅菌した鋏とピンセットで除去し、更に鋏で1〜2×10mm程度に短冊状に細切して細切組織を得た。得られた細切組織をペニシリン1000u/ml及びストレプトマイシン1mg/mlを含むCaイオン及びMgイオン不含等張燐酸緩衝液(PBS(−))に3回浸漬して除菌した。以下の操作は全て無菌状態で行われた。
(酵素溶液浸漬工程1)
次いで予め4℃に冷却したデスパーゼ溶液(25u/ml Dispase/PBS(−))20ml中に浸漬し、4℃に維持して一晩静置し、採取組織の酵素処理を行った。
(酵素溶液浸漬工程2)
酵素処理後の組織を遠心分離してデスパーゼ溶液を除いた後、直ちにTrypZean Solution、 1×(Sigma社製)をPBS(−)にて5倍希釈し、10μM Y27632を入れた10mlの溶液中に入れ、37℃下に20分間置いた。
(阻害剤溶液浸漬工程)
酵素剤処理後、直ちに10mlの0.25% Trypsin Inhibitor soy bean /PBS(−)を加え攪拌して酵素反応を阻害した。この混合溶液をポアサイズ100μmのメッシュで濾過して未消化組織を除き、得られた濾過溶液を遠心分離(1000 rpm、 5分)して溶液を除き、ペレット状態で細胞を得、これを第一細胞とし、一部を採取し細胞数を計測した。その数は7×10であった。
(残渣酵素溶液浸漬工程)
メッシュ上に残った残渣組織を直ちに20mlの0.5% コラゲナーゼ/ 2.5mMCaCl/Mediumに入れ、磁気回転子の入ったビーカーに移す。このビーカーを反転装置付きのスターラー上に乗せ低速で反転を繰り返しながら室温下で攪拌させる。時々組織の消化状態を観察し、完全に組織が見えなくなったら終了させる。約2時間で組織は見えなくなった。この溶液をポアサイズ100μmのメッシュで濾過して未消化組織を除き、得られた濾過溶液を遠心分離(1000rpm、5分)して溶液を除き、ペレット状態で細胞を得、これを第ニ細胞とし、一部を採取し細胞数を計測した。その数は1×10であり、第一細胞の約10倍の細胞が得られた。
(培養工程)
培養皿として細胞培養用皿(100mm)とPrimaria(6ウェルプレート)(BD Falcon社製)とHydroCell(6ウェルプレート)(セルシード社製)を用い、また、培地として下記の組成の細胞培養培地を100mm培養用皿には10mlを用い6ウェルプレートには2.5ml/ウェルを用い、上記の阻害剤溶液浸漬工程で得られた細胞と残渣酵素溶液浸漬工程で得られた細胞とを混合しを約1×10/cmの密度で播種して37℃でCOインキュベータ中で培養した。
細胞培養培地は以下のとおり調製された。すなわち、基本培地のMCDB153培地(Sigma社製商品名:Stemline(登録商標) Keratinocyte Basal Medium)中に、インシュリン(10mg/L)、トランスフェリン(5.5mg/L)、セレニウム(6.7μg/L)、エタノールアミン(2mg/L)、ビタミンC(L−Ascorbic acid 2−phosphate semimagnesium salt)(50μg/L)、KGF(10ng/mL)、脂質(脂肪酸混合物、アラキドン酸:20μg/L; コレステロール:2.2mg/L; DL−a−Tocopherol−acetate:700μg/L;リノール酸:100μg/L; リノレン酸:100μg/L; ミリスチン酸:100μg/L;オレイン酸:100μg/L; パルミトレイン酸:100μg/L;パルミチン酸:100μg/L;ステアリン酸:100μg/L; Tween80:22mg/L;Pluronic F−68:1000 mg/L)、EGF(10ng/mL)、FGF2(20ng/mL)、Y−27632(10μM)、B−27(−VA)(Invitrogen社製)を添加して調製した。
培養開始に際しては、7日目までは培地交換をすることなく1/3の割合で培地を添加しつつ馴化培養を行い、その後に3日毎に培地を半交換しながら培養を行った。この培地交換では、古い培地を遠心し、その半量を捨て、残った半量の培地と遠心でペレットとなった細胞を混ぜて新しい培地の入った培養皿に戻した。70%コンフルエンスに達するまで14日間を要した。
(培養された細胞の調製)
培養された細胞をY−27632(10μM)に30分間接触後PBS(−)にて2回洗浄し、2mlのTrypZeanを加えて、室温3分間酵素処理を行い、その後直ちに2倍量のトリプシン阻害剤溶液(0.25%Trypsin Inhibitor (Soy bean)/MCDB153; Trypsinの2.4倍モル濃度)4mlを加えて酵素阻害をしてから、培養された細胞を細胞培養用皿からセルスクレーパーを用いて剥がした。
(保存法の検討)
実施例1で培養された細胞を保存する方法を検討するため、一部を、24well plateに継代培養した。細胞がコンフルエントに達して、接着した単層細胞の上にsphere細胞群が出現した。この時点で、ウェルプレートに培地を100μl/well加え、表1に記載する1から24の各候補保存液(1は培地のみ)を100μl/well入れた。このプレートを室温で安全キャビネット中でフタを取り、安全キャビネットを送風状態にして4日間乾燥状態を続けた。4日目に滅菌蒸留水を1番ウェルに100μl/well入れ、他のウェルには200μl/well入れた。30分後にMTT試薬を125μl/well入れ、COインキュベータ中で4時間置いた。その染色性を位相差顕微鏡で観察すると、発色した細胞はsphere細胞群のみであることが明らかとなった。ウェル中の残存する液体をピペットで慎重に除き、そこにSDS−DMF溶液を入れ一晩置き、形成された色素を溶解した。溶解液の570nmの吸光度をプレートリーダーで測定した。その結果、8と14の保存液を用いたもので、MTT反応により生存が確認された(図2)。したがって、3−O−methyl−D−Glucoseが保存に有効に用いられることが分った。
(培養された細胞の保存など)
上記のとおり調製された細胞を遠心管に集めて遠心し、ペレットを治療用細胞とした。ペレットはそのまま又は凍結若しくは凍結乾燥して治療用細胞として用いることができる。凍結保存はセル・リザーバー1(フナコシ)のような無血清保存液を用いて、その中にY−27632(10μM)と3−O−methyl−D−glucose(0.3M)を入れて凍結保存することが望ましい。
(Nestin発現細胞の同定)
上記で得られた細胞中の神経幹細胞の有無を同定するために、Nestinの発現を、抗体染色によって観察した。詳細には、次のとおり行った。すなわち、2枚の培養皿の上記固定細胞の固定液を除去後、0.3%過酸化水素水/40%メタノール液に一晩浸漬して内因性のペルオキシダーゼをブロッキングした。次に1% BSA/PBS(−)液で10分間3回、細胞を洗浄した。洗浄後、0.3% Triton X−100/1%BSA/10%FCS/PBS(−)液に室温で45分間、細胞を浸漬して細胞膜に穴を開けた。再度、1% BSA/PBS(−)液で10分間3回、細胞を洗浄した後、1次抗体として、抗Human Nestinモノクロナール・マウス抗体(R&D)を1%BSA/10%FCS/PBS(−)液で希釈したもので浸漬し、一晩4℃で保存した。もう1枚の培養皿は抗体を入れない1%BSA/10%FCS/PBS(−)液で同様に処理した。以下工程からは両培養皿の処理法は同様に行った。1次抗体処理後、1% BSA/PBS(−)液で5分間3回、細胞を洗浄した。次に抗マウスIgGビオチン化抗体の希釈液(Vector Lab: Vectastain Elite ABC kit)で室温で暗所に1時間浸漬した。次に1% BSA/PBS(−)液で5分間3回、細胞を洗浄した後、avidin−biotin複合体(Vector Lab: Vectastain Elite ABC kit)に1時間浸漬した。次に水で10倍希釈したPBS(−)液に10分浸漬した。次に直前に調製したDAB溶液(Sigma社製)を細胞に浸漬し、直ちに位相差顕微鏡下で反応の進行を観察した。約3分後充分反応が進んだので流水にて反応を停止させた。以上の結果、1次抗体を加えなかったwellの細胞は全て陰性を示したが、1次抗体を加えた培養皿上の細胞は陽性を示した。図3にAnti−Human Nestin抗体染色した結果を示す。Nestinは神経幹細胞を染色する。この結果、ほとんどの細胞がNestin陽性を示し、得られた細胞のうち、神経幹細胞の割合が非常に高いことがわかった。
(神経系細胞への誘導)
実施例3で検出された細胞が、さらなる培養で神経細胞に誘導されることの確認を行った。この実験ではHuman Neural Stem Cell Functional Kit(R&D System SC011)を用いて行った。まず、実施例1で培養された細胞をポリ−L−オルニチンとフィブロネクチンの両者でコートされた12 well plateに2.4×10/well播種した。播種から2日後に培地交換し、更に3日後に培地をMaintenance培地とDifferentiation培地に切り替えた。翌日にはDifferentiation培地のみ細胞に神経様の軸索状のものが出現した。誘導培地に切り替えて2日後にはDifferentiation培地の細胞の増殖が激しくなったので、翌日の3日後に4%paraformaldehydeで固定して培養を停止した。それぞれのwellに対して、Maintenance培地使用wellでは抗ヒトNestin抗体(図4中A4、B1)で、Differentiation培地使用wellでは抗ヒトGlial fibrillar acidic protein(GFAP)抗体(B2、C1)と抗Neuron−specific beta−III Tubulin抗体(B3、C3)で免疫染色を行った。その結果、wellの全ての細胞が陽性に染色された。特にGFAP陽性が非常に強く染色された(B2、C1)。なお、図4中、A1、A2、A3及びB4のウェルについては、抗体を加えない対照である。
この結果は、培養細胞のほぼ100%が3日間でMaintenance培地中でNestin陽性を示し、Differentiation培地中で同様の日数でNeuron−specific beta−III Tubulin陽性の神経細胞(Neuron)とGFAP陽性の星状膠細胞(Astrocyte)に分化していた。染色性からAstrocyteに最も多く分化していたと考えられる。以上の結果から、上記で得られる細胞は神経系細胞に分化できることが示された。
(ラット脊髄損傷モデルへの培養細胞移植による治療有効性の検証)
60歳と75歳のヒトより形成手術で得られた剰余皮膚を実施例1と同じ方法で培養して細胞を得た。60歳のヒトの皮膚から得られた細胞は継代2代目を75歳のヒトから得られた細胞は継代1代目を移植用に用いた。細胞を培養皿から剥離するには、酵素Accutase(GIBCO A11105)を用いた。各細胞とも100mm 培養皿1枚を合計2枚の細胞を混合して、その一部を錘で脊髄損傷を作製し免疫抑制剤を投与されたラットに損傷後1週間後に、脊髄損傷部位に1×10細胞を含む20ulの培養液を注入移植した。対照群のラットには同量の培養培地のみを移植するsham operationを行った。細胞移植群は5匹、対照群は4匹のラットを実験に用いた。精髄損傷の治療効果は動物の動きをビデオ装置で観察して点数化するBBB Score法で測定した。結果を図5に示す。図中、横軸は移植後の日数、縦軸はBBB Scoreを示す。実線は上記細胞を移植した結果、点線は対照の結果を示し、はStudent T testによる有意差検定の結果P<0.05、**はP<0.01、***はP<0.001であることを示す。投与後3日から対照群に比較して細胞移植群はBBB scoreで2点差の付く統計的に有意な効果(P<0.05)を示した。移植後35日を過ぎると、対照群に比較して細胞移植群はBBB scoreで4点差の付く統計的に有意な効果(P<0.001)を示した。非特許文献23によれば骨髄間質細胞による移植では有意差が出るまで2週間かかっており、これに比べ劇的に早く、3日での効果が見られた。しかも非特許文献23では骨髄間質細胞移植では4週間経過しても、有意差はP<0.05であるが、本発明の細胞は同時期にP<0.001とより優位であった。この結果は本発明で得られる細胞が神経系疾患の治療に非常に効果的であることを示している。
(安全性の評価)
動物及び試験方法
実験にはNOD/Shi‐scid,IL−2Rγnull(登録商標)系統のマウス(6週齢、メス、公益財団法人 実験動物中央研究所)を用いた。1週間の馴化期間の後、汎用群分けシステム(株式会社ヴィジョンズ)を用いて、可能な限り体重の平均値が等しくなるようにして3群に群分けした。それぞれの群のマウスの右側腹部に、実施例1と同じ方法で培養した細胞(細胞Aとする)、陰性対照物質としての培養液、陽性対照細胞としてのHeLa S3(DSファーマバイオメディカル株式会社)をそれぞれシリンジ(マイジェクター(登録商標)、針仕様:27G)により移植(いずれも0.2mL/個体)した。それぞれの群を細胞A群(10個体)、培養液群(10個体)、HeLa S3群(5個体)とする。なお、細胞Aは、実施例1と同じ方法で培養した細胞を3系統用意し、α‐MEM培地にそれぞれ1×10cells/mLで懸濁し、空気を含まないように2mlのクライオチューブに分注した。分注のおよそ3時間後、α‐MEM培地を除いて培養培地液で再懸濁し、3系統を等量の細胞数ずつ混合して5×10cells/mLの懸濁液を調製し、移植まで4℃にて保存し、調整開始後2時間以内に移植を行った。なお、直前に計測した3系統を混合した検体の移植後の生存率は75%であった。
それぞれの群のマウスは、「公益財団法人実験動物中央研究所・本所における動物実験の実施基準」及び「公益財団法人実験動物中央研究所・本所における実験動物の飼育管理に関する作業基準」に準拠して移植から13週飼育し、一般状態観察、体重測定及び結節の観察・サイズ測定を週1回行った。結節を観察する際は、被験物質移植部位を指で触診し、硬い感触のある場合に結節の形成が確認されたものとし、長径(L)と短径(W)をノギスで測定した。結節体積(V)は「ヌードマウスと抗癌剤評価」(野村達次、櫻井欽夫、稲葉實 編著、蟹書房、1991年6月) の腫瘍体積簡易計算式を用い、計算式V=LW/2で算出した(単位は長径と短径はmm、体積はmm)。なお、HeLa S3群の個体は、観察期間中に結節重量(比重を1として体積より計算)が体重の1/10を超えたことが確認されたため、第5週〜第8週の時点で人道的エンドポイントとして観察を終了し安楽死処分した。培養液群及び細胞A群は第13週をもって予定観察期間を終了し安楽死処分した。
安楽死処分の際、マウスはイソフルラン麻酔下で全放血により安楽死させ、胸腔内、腹腔内諸臓器を観察した。また移植部位皮膚を皮下組織を含めて採材し、10%中性緩衝ホルマリン液で固定した。ホルマリン固定標本は常法にてパラフィン包埋後薄切しHE染色、抗HLA(Human Leucocyte Antigen)免疫染色を行い、光学顕微鏡で観察した。
結果
結節の形成率を図6に示す。HeLa S3群においては、移植後3週で100%(5/5例)の個体に結節の形成が認められたが、培養液群及び細胞A群では観察終了時まで結節の形成は認められなかった。HeLa S3群で形成された結節の体積を図7に示す。結節は全て、安楽死処分するまで連続して体積増加を示した。
体重測定の結果を表2に示す。培養液群と細胞A群の間に差はなかった。
剖検時に観察された所見を表3に示す。HeLa S3群では全例で移植部位皮下に結節の形成が認められた。培養液群及び細胞A群では、移植部位皮下に加え胸腔内及び腹腔内諸臓器に結節形成等の腫瘍化を示唆する所見は認められなかった。
各群HE染色標本及び抗HLA免疫染色標本の観察結果を、それぞれ表4、表5に示す。また、代表的な写真を図8に示す。なお、図中、濃いグラデーションで表されているのがヘマトキシリンで染色された部分、薄いグラデーションで表されているのがエオシンで染色された部分である。HeLa S3群の移植部位に形成された結節はHE染色標本において低分化型癌の組織像を示し、かつ抗HLA反応陽性であった。培養液群の移植部位皮下組織は、HE染色標本において著変は認められず、抗HLA反応は陰性であった。細胞A群の移植部位皮下組織では、6/10例にHE染色標本で線維増殖が認められた。当該例の隣接切片において、同部位に抗HLA反応を示す細胞が観察された。
考察
HeLa S3群の全例で結節が形成された。この結節は連続した体積増加を示し低分化型癌の組織像と共に抗HLA反応陽性を示したため、移植HeLa S3細胞に由来する腫瘍であると判断された。
細胞A群では病理組織検査により6/10例に抗HLA反応陽性を示す繊維増殖が確認され、移植細胞が残存したものと判断された。しかし、全観察期間を通じて全例で結節の形成は認められず、病理組織検査におけるHE染色像において過形成変化あるいは腫瘍性変化を示す所見は認められなかった。この結果は、本試験の条件下では細胞Aは造腫瘍性を示さないことを示している。

Claims (23)

  1. ヒト皮膚から細胞を含む組織を採取する組織採取工程:
    前記工程で得られた組織を、タンパク質分解酵素を含む酵素溶液中に浸漬する酵素溶液浸漬工程:
    前記酵素溶液浸漬工程で得られた組織を、タンパク質分解酵素阻害剤を含む阻害剤溶液に浸漬する阻害剤溶液浸漬工程及び:
    以上の工程で得られた細胞を培養して治療用培養細胞を得る培養工程:
    により得られる神経系疾患を治療するための細胞の製造方法であって、
    前記阻害剤溶液浸漬工程では、酵素溶液浸漬工程における酵素溶液中のタンパク質分解酵素を阻害するのに必要とされるよりも過剰のタンパク質分解酵素阻害剤を含む阻害剤溶液を用い、
    前記培養工程では、動物由来血清、脳由来物質、牛由来タンパク質、及び動植物由来アレルゲン物質を実質的に含まず、無血清培地を用い、また、栄養支持細胞を用いることなく、更に培養中に培地交換を行い、その培地交換は、培養に用いられている培地に新しい培地を添加してからその一部を除去して行うこと、
    を特徴とする神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  2. 酵素溶液浸漬工程は0〜37℃の温度範囲で実施される請求項1に記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  3. 阻害剤溶液浸漬工程において阻害剤溶液中のタンパク質分解酵素阻害剤の量が、酵素溶液浸漬工程で用いたタンパク質分解酵素を阻害するのに必要な理論量の2〜10倍である請求項1又は2に記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  4. 酵素溶液浸漬工程におけるタンパク質分解酵素がデスパーゼ、トリプシン又はコラゲナーゼ又はそれらの混合物であり、阻害剤浸漬工程におけるタンパク質分解酵素阻害剤がトリプシン阻害剤又はコラゲナーゼ阻害剤を含むタンパク質分解酵素阻害剤である請求項1から3のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  5. 酵素溶液浸漬工程において2種類以上の酵素溶液に順に浸漬されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  6. 阻害剤溶液浸漬工程後、さらに、未消化の残渣組織のみを回収し、前記酵素溶液浸漬工程で用いたタンパク質分解酵素と異なるタンパク質分解酵素を含む酵素溶液中に浸漬する、残渣酵素溶液浸漬工程を含み、
    残渣酵素処理溶液浸漬工程で得られる細胞を、阻害剤溶液浸漬工程で得られる細胞と共に、培養工程に供することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  7. 残渣酵素溶液浸漬工程が0〜37℃の温度範囲で実施される請求項5に記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  8. 残渣酵素溶液浸漬工程で用いられる酵素溶液中のタンパク質分解酵素が、コラゲナーゼである請求項5又は6に記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  9. 培養工程で用いる培地には、タンパク質分解酵素阻害剤が0.0125重量%以上2.5重量%の範囲で添加されている請求項1から8のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  10. 培養工程で用いる培地には、細胞増殖促進剤としてインシュリン、トランスフェリン、セレニウム、エタノールアミン、脂質、ビタミンC及びビタミンC誘導体から選ばれる1種又は2種以上が1〜20000nMol/Lの範囲で添加されている請求項1〜9のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  11. 培養工程で用いる培地には、KGFが0.1〜100ng/Lの範囲で添加されている請求項1から10のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  12. 培養工程で用いる培地には、細胞毒となる活性酸素より発生するラジカルを除くラジカルスカベンジャーとして、還元グルタチオン、ビタミンE、ビタミンE誘導体、カタラーゼ、及びSODから選ばれた1種又は2種以上が1〜1000nMol/Lの範囲で添加されている請求項1から11のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  13. 培養工程で用いる培地には、ROCK阻害剤、TGF-α、EGF、FGF-2、活性型ビタミンD、塩化リチウム、アクチビン、CCL−27、及び2−メルカプトエタノールから選ばれた1種又は2種以上が1nMol/L〜0.1mMol/Lの範囲で添加されている請求項1から12のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  14. 前記培養工程において、培養開始からはじめの培地交換まで3〜10日後培養することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  15. 前記培養工程において、培養後、酵素処理を施すことなく、浮遊する細胞のみを採取することを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  16. 前記培養工程において、コラーゲン、ゼラチン、ポリ―D,L−リジン、ラミニン、フィブロネクチン、ポリ−L−オルニチン等のコーティング剤で処理した接着培養皿、通常接着培養皿、あるいは非接着培養皿のいずれか1以上を使用することを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  17. 前記培養工程において、培養細胞をさらに、3−O−metyl−D−glucose又はROCK阻害剤を含む培地を含む無血清培地中で乾燥、凍結乾燥、又は凍結保存することを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  18. 前記培養工程において、培養した細胞をNestin染色して確認することを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  19. 前記培養工程後、さらに、神経幹細胞を含む神経系細胞に分化させる工程を含む請求項1から18のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  20. 皮膚はヒトの頭頸部・顔面の部位からのものを使用する請求項1から19のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  21. 神経系疾患が中枢神経疾患、脊髄損傷あるいは脳腫瘍である請求項1から20のいずれかに記載の神経系疾患を治療するための細胞の製造方法。
  22. 請求項1から21のいずれかの方法により得られる細胞を有効成分として含有する神経系疾患を治療するための薬剤。
  23. 請求項1から21のいずれかの方法により得られる細胞を用いて薬剤をスクリーニングする方法。
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