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JP2012107176A - 無機微粒子分散ペースト - Google Patents

無機微粒子分散ペースト Download PDF

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JP2012107176A
JP2012107176A JP2011059382A JP2011059382A JP2012107176A JP 2012107176 A JP2012107176 A JP 2012107176A JP 2011059382 A JP2011059382 A JP 2011059382A JP 2011059382 A JP2011059382 A JP 2011059382A JP 2012107176 A JP2012107176 A JP 2012107176A
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Kenji Yamauchi
健司 山内
Hideyuki Takahashi
英之 高橋
Hiroko Miyazaki
寛子 宮崎
Takahiro Aso
隆浩 麻生
Taihei Sugita
大平 杉田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】焼結性が高く、表面平滑性に優れた焼結層を形成することのできる無機微粒子分散ペーストを提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル樹脂と、無機微粒子と、有機溶剤とを含有する無機微粒子分散ペーストであって、前記有機溶剤は、芳香環と水酸基とを有し、沸点が200℃以上、300℃未満であり、粘度が30mPa・s以上、かつ、表面張力が30mN/m以上、50mN/m未満である無機微粒子分散ペースト。
【選択図】なし

Description

本発明は、焼結性が高く、表面平滑性に優れた焼結層を形成することのできる無機微粒子分散ペーストに関する。
近年、導電性粉末、セラミック粉末等の無機微粒子をバインダー樹脂に分散させた無機微粒子分散ペーストが、様々な形状の焼結体を得るために用いられている。特に、無機微粒子として蛍光体をバインダー樹脂に分散させた蛍光体ペーストや、低融点ガラスを分散させたガラスペーストは、プラズマディスプレイパネル等に用いられ、近年需要が高まりつつある。
また、無機微粒子としてチタン酸バリウムやアルミナをバインダー樹脂に分散させたセラミックペーストは、グリーンシートに成形され、積層型の電子部品、例えば、積層セラミックコンデンサに用いられている。
更に、太陽電池パネルの裏面電極は、通常、アルミニウム粉を分散させたペーストをスクリーン印刷等によって塗布し、乾燥した後、焼成することにより形成されている。
それらのペーストのうち、多くのものはスクリーン印刷を用いて印刷され、その後、焼成脱脂されることで、印刷した形状の無機像が形成される。このようなスクリーン印刷用バインダー樹脂としては、エチルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂が従来用いられてきた。例えば、特許文献1には、比表面積が0.20〜0.60m/gである銀粒子、ガラスフリット、樹脂バインダー及びシンナーを含む太陽電池受光面電極用ペーストが開示されており、樹脂バインダーとしてエチルセルロースが用いられている。
しかしながら、セルロース系樹脂を用いた導電性ペーストは、焼成工程でのセルロース系樹脂の熱分解性が不充分であることから、得られる配線に炭素成分が残留し、導電性粉末の基板への接着強度が低下して、配線に剥離が生じやすいことが問題である。
この問題を解決するために、バインダー樹脂として、比較的熱分解性の良いアクリル系樹脂が用いられている。例えば、特許文献2には、所定のアクリル系樹脂を含有する外部電極用導電性ペーストを用いて、セラミック電子部品を製造する方法が開示されている。
この方法では、使用されるアクリル系樹脂の溶媒溶解性が低いため、ポリアルキレンエーテルをグラフト化したモノマーを共重合させることで樹脂のガラス転移温度(Tg)を下げ、溶媒への溶解性を高めている。
しかしながら、このような共重合体を用いた場合、ペースト組成物の粘度が低くなり、比重の大きい無機粉末を含有するペースト組成物では、無機粉末の沈降が起きやすくなるという問題点があった。また、無機粉末の沈降を回避するために、多量の樹脂をペースト組成中に添加した場合は、焼結残渣が多くなるという問題があった。
焼結後の残渣を少なくするためには、ペースト中に含まれる樹脂量を少なくすることが最も効果的である。これに対して、ペースト中の樹脂量を少なくするために、ガラス転位温度が高く、分子量の大きい(メタ)アクリル樹脂を用いることが行われている。特許文献3には、プラズマディスプレイの蛍光体ペーストとして、分子量30万〜500万の(メタ)アクリルバインダーが用いられており、樹脂の溶解性を確保するため、有機溶剤としてベンジルアルコールが用いられている。
しかしながら、ベンジルアルコールは溶媒自体の粘度が低く、蒸気圧が高いため、乾燥しやすいという特性があることから、ベンジルアルコールを含有する無機粉分散ペーストを用いてスクリーン印刷を行った場合、スクリーン版の上でペーストが乾いてしまい、好適に使用することができないという問題があった。
また、分子量の大きい(メタ)アクリル樹脂を用いた場合は、樹脂間の絡み合いにより、ペーストの粘度を高めることができる。しかしながら、このような(メタ)アクリル樹脂を用いたペーストで印刷を行った場合、オーブン等で乾燥を行った後に、印刷像の極表層が乾くことで、樹脂膜層を形成され、印刷像の内部の乾燥が阻害される現象(所謂、皮張り現象)が生じていた。
皮張り現象が生じた場合は、溶媒の乾燥が不均一化し、印刷像の表面平滑性が著しく悪化するという問題があった。また、ベンジルアルコールのように乾燥し易い溶媒を用いた場合は、表面樹脂層が一層形成しやすくなり、表面平滑性が更に悪化するという問題があった。
特開2007−235082号公報 特許第4096661号公報 特許第4540799号公報
本発明は、焼結性が高く、表面平滑性に優れた焼結層を形成することのできる無機微粒子分散ペーストを提供することを目的とする。
本発明は、(メタ)アクリル樹脂と、無機微粒子と、有機溶剤とを含有する無機微粒子分散ペーストであって、前記有機溶剤は、沸点が200℃以上300℃未満であり、芳香環と水酸基とを有し、粘度が30mPa・s以上、かつ、表面張力が30mN/m以上、50mN/m未満である無機微粒子分散ペーストである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、(メタ)アクリル樹脂と、無機微粒子と、有機溶剤とを含有する無機微粒子分散ペーストにおいて、芳香環と水酸基とを有し、かつ、沸点、粘度及び表面張力が所定の範囲内の有機溶剤を用いることにより、スクリーン印刷等に用いる際に、糸曳きを抑制できるとともに、該無機微粒子分散ペーストを用いて形成された焼結層は表面平滑性に優れることを見出した。また、該無機微粒子分散ペーストを用いて形成された焼結層は、焼結後の残渣が少なくなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の無機微粒子分散ペーストは、(メタ)アクリル樹脂を含有する。
上記(メタ)アクリル樹脂は、350〜400℃程度の低温で分解するものであれば特に限定されないが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びポリオキシアルキレン構造を有する(メタ)アクリルモノマーからなる群より選択される少なくとも1種からなる重合体が好ましい。ここで、例えば(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
なかでも、少ない樹脂の量で高い粘度が得られることから、ガラス転移温度(Tg)の高いポリメチルメタクリレート(メタクリレートの重合体、Tg105℃)が好ましい。
また、上記(メタ)アクリル樹脂は、極性基を有するモノマーからなるセグメントを有してもよい。
上記極性基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、メタクリル酸、グリシジルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート等が挙げられる。
上記極性基を有するモノマーに由来するセグメントを有する場合、上記極性基を有するモノマーに由来するセグメントの含有量は20重量%以下であることが好ましい。
上記極性基を有するモノマーに由来するセグメントの含有量が20重量%を超えると、低温での熱分解性が損なわれたり、無機微粒子に付着する煤が多くなり、焼結体の残留炭素が多くなったりすることがある。より好ましくは10重量%以下である。
上記(メタ)アクリル樹脂は、分子末端に親水性官能基を有することが好ましい。上記親水性官能基は特に限定されないが、カルボニル基、アミノ基、アミド基類であることが好ましい。
一般に、(メタ)アクリル系モノマーのエステル置換基にカルボニル基、アミノ基、アミド基等の相互作用性の高い官能基を導入した(メタ)アクリル樹脂を用いた場合には、無機微粒子分散ペーストの焼成工程において、該(メタ)アクリル樹脂の解重合が阻害されて熱分解終了温度が高くなり、熱分解性が極めて悪化する。
これに対し、分子末端にカルボニル基、アミノ基、アミド基等を有する(メタ)アクリル樹脂を用いた場合には、該(メタ)アクリル樹脂の解重合が阻害されず、熱分解終了温度にはほとんど影響しない。また、ガラス粉末等の無機微粒子はカルボニル基、アミノ基、アミド基等との相互作用性が高いことから、分子末端にカルボニル基、アミノ基、アミド基等を有する(メタ)アクリル樹脂を用いた場合には、該(メタ)アクリル樹脂の一方の分子末端が無機微粒子表面に吸着し、他方は有機溶剤側へ伸びた形態となり、無機微粒子の再凝集を防ぎ、分散安定性を向上させることができる。
上記(メタ)アクリル樹脂のポリスチレン換算による重量平均分子量の好ましい下限は8万、好ましい上限は100万である。上記重量平均分子量が8万未満であると、無機微粒子分散ペーストは、充分な粘度が得られず、無機微粒子が沈降することがあり、上記重量平均分子量が100万を超えると、延糸が発生し、スクリーン印刷性が悪くなることがある。上記重量平均分子量の好ましい上限は70万であり、より好ましい上限は50万である。特に、上記(メタ)アクリル樹脂のポリスチレン換算による重量平均分子量が80000〜500000であると、後述する有機溶剤を用いることで少量の樹脂で充分な粘度が確保でき、かつ、糸曳きが少ない無機微粒子分散ペーストが得られるため好ましい。
なお、ポリスチレン換算による重量平均分子量は、カラムとして例えばカラムLF−804(昭和電工社製)を用いてGPC測定を行うことで得ることができる。
上記(メタ)アクリル樹脂を作製する方法は特に限定されず、例えば、カルボニル基、アミノ基、アミド基等を有する重合開始剤のもとで、上述した(メタ)アクリル系モノマーをフリーラジカル重合法、リビングラジカル重合法、イニファーター重合法、アニオン重合法、リビングアニオン重合法等の従来公知の方法で共重合する方法や、カルボニル基、アミノ基、アミド基等を有する連鎖移動剤のもとで、上述した(メタ)アクリル系モノマーをフリーラジカル重合法、リビングラジカル重合法、イニファーター重合法、アニオン重合法、リビングアニオン重合法等の従来公知の方法で共重合する方法等が挙げられる。これらの方法は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記(メタ)アクリル樹脂を作製する方法においては、ラジカル重合開始剤としてカルボニル基、アミノ基、アミド基等を有する重合開始剤を用いることにより、より多くの分子末端にカルボニル基、アミノ基、アミド基等を導入することができる。なお、上記(メタ)アクリル樹脂の分子末端のみにカルボニル基、アミノ基、アミド基等が導入されたことは、例えば、13C−NMRにより確認することができる。
本発明の無機微粒子分散ペーストにおける上記(メタ)アクリル樹脂の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は1重量%、好ましい上限は10重量%である。上記(メタ)アクリル樹脂の含有量が1重量%未満であると、得られる無機微粒子分散ペーストは、充分な粘度が得られず、ペーストの貯蔵安定性が悪くなることがあり、無機粉の沈降や溶液の分離等が発生することがある。含有量が10重量%を超えると、得られる無機微粒子分散ペーストは、粘度、粘着力が高くなりすぎて塗布量が少なくなることがある。
本発明の無機微粒子分散ペーストは、芳香環と水酸基とを有し、沸点が200℃以上300℃未満であり、粘度が30mPa・s以上、かつ、表面張力が30mN/m以上、50mN/m未満である有機溶剤(以下、単に有機溶剤ともいう)を含有する。
表面張力が上記範囲内である有機溶剤は界面活性剤のように(メタ)アクリル樹脂を取り囲んだミセル状の構造を取りやすくなる。
また、芳香環と水酸基とを有する有機溶剤を用いることで、分子量が高い(メタ)アクリル樹脂であっても、充分な溶解性を確保することができる。例えば、デカノールやトリデカノール等の脂肪族アルコールは、表面張力が高いが、分子量が高い(メタ)アクリル樹脂の溶解性が低い。
上記有機溶剤は、沸点が200℃以上300℃未満である。上記沸点が200℃未満であると、スクリーン印刷に用いた場合、連続印刷中に無機微粒子分散ペーストが版の上で乾いてしまうため好ましくない。300℃以上であると、印刷後、乾燥工程で脱溶剤に時間がかかってしまい好ましくない。好ましくは、200℃以上、290℃未満である。
上記有機溶剤は、粘度が30mPa・s以上である。上記粘度が30mPa・s未満であると、無機微粒子分散ペーストの粘度を確保するために、より多くの樹脂を添加せねばならなくなり、その結果、焼結残渣が多くなる。
好ましくは30mPa・s以上、300mPa・s未満である。
なお、上記粘度は、温度20℃においてB型(BH型)粘度計を用いて測定した値である。
上記有機溶剤は、表面張力が30mN/m以上、50mN/m未満である。
上記表面張力が30mN/m未満であると、ミセルの形成性が不充分で樹脂同士が絡み合うことで、糸曳きが発生し、粘着性が強くなり、その結果印刷性が悪くなる。上記表面張力が50mN/m以上であると、ミセル構造がより明瞭になり過ぎ、ペーストとした場合、ミセル間の摩擦に起因するチキソ性が強くなるため、ペーストのレベリング性が悪くなる。好ましくは、35mN/m以上、45mN/m以下である。
なお、上記表面張力は、温度20℃においてプレート法(Wilhelmy法)を用いて測定したものである。
上記有機溶剤としては例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル等の多価アルコールのモノアリールエーテル;4−メトキシベンジルアルコール(アニシルアルコール)、2−メトキシベンジルアルコール(グアイヤコール)、エトキシベンジルアルコール(グアエトール)等のアルコキシベンジルアルコールが挙げられる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、エチレングリコールモノフェニルエーテルとジエチレングリコールモノフェニルエーテルは(メタ)アクリル樹脂の溶解性が良く、好ましく用いることができる。
これら溶剤を用いた無機ペースト組成物は、溶媒の強い表面張力の影響で樹脂が溶剤に取り囲まれたミセル状態を形成し個別に分散するため、樹脂の絡み合いに起因する糸曳きを抑えることができる。そのため、無機微粒子分散ペーストとした場合には、無機微粒子の分散性、印刷後のペーストのレベリング性に優れる。
本発明の無機微粒子分散ペーストにおける上記有機溶剤の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は10重量%、好ましい上限は80重量%である。上記有機溶剤の含有量が10重量%未満であると、得られる無機微粒子分散ペーストの粘度、粘着力が高くなりすぎてスクリーン印刷性が悪くなることがある。上記有機溶剤の含有量が80重量%を超えると、得られる無機微粒子分散ペーストは、充分な粘度が得られず、スクリーン印刷性が悪くなることがある。
上記有機溶剤は、表面張力が上記範囲内であることから、ミセル状の構造を取りやすく、また、芳香環と水酸基とを有する構造であるため、本来、上記(メタ)アクリル樹脂とは、混ざりにくい、その他の樹脂(以下、添加樹脂ともいう)や添加剤との親和性に優れ、混ざりやすいという利点を有する。
上記添加樹脂としては、例えば、セルロース樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリα−メチルスチレン樹脂、ポリアルキレンオキサイド樹脂及びロジン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂等が挙げられる。
本発明では、焼結性が悪化しない範囲でセルロース樹脂を添加することで、ペースト中の(メタ)アクリル樹脂量を低減させることができる。
また、ペーストの印刷手段としては、スクリーン印刷法が好適に用いられるが、スクリーンメッシュの透過性は樹脂の分子量に依存するため、従来は、低分子量の樹脂が用いられており、(メタ)アクリル樹脂のように、粘度を確保するために、分子量を高める必要がある樹脂を用いることは難しいのが現状であった。しかしながら、本発明では、セルロース樹脂を(メタ)アクリル樹脂と併用することで、所望の粘度が得やすくなり、(メタ)アクリル樹脂の分子量を下げることが可能になるという利点を有する。
上記セルロース樹脂としては特に限定されないが、少量の添加でも粘度を高めることが可能であることから、STD20、STD45等が好適に用いられる。なお、STD20よりも低いグレードは、増粘効果が低く、好ましくない。また、STD45よりも高粘度のグレードは、焼結性が非常に悪いため、僅かな添加量でも焼結後の残留炭素になりやすいため、好ましくない。
上記ポリα−メチルスチレンは、分解性が高いことから、添加によって無機微粒子分散ペーストの焼結性を更に高めることができる。
また、ポリビニルアセタール樹脂を添加することで、無機微粒子分散ペーストの乾燥膜の強度を飛躍的に向上させることが可能となる。
更に、ロジン樹脂を添加した場合は、無機微粒子分散ペーストの乾燥後における印刷像の密着力を向上させることができる。
上記添加樹脂の添加量は特に限定されないが、好ましい下限は0.1重量%、好ましい上限は10重量%である。
上記添加樹脂以外にも、分子中に複数の水酸基を有する低分子有機化合物は、その水素結合効果によってペーストの粘度を高めることができる。
このような分子中に複数の水酸基を有する低分子有機化合物は、通常の有機溶剤では相溶安定化させることが難しく、特に低温では分離析出と言った問題が発生しやすいが、本発明の有機溶剤を用いた場合は、低温でも安定性に優れるものとすることができる。
上記分子中に複数の水酸基を有する低分子有機化合物としては、常温で結晶状の固体のものや、粘度が高いものを用いることが好ましい。
具体的には例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール(以上いずれも常温固体)や3−メチル−1,5−ペンタンジオール(粘度173cps)、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール(粘度1650cps)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(粘度320cps)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(粘度253cps)等が挙げられる。
また、本発明では、上記有機溶剤に併せて他の有機溶剤を添加してもよい。
上記他の有機溶剤は特に限定されず、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールドデシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールドデシルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノnブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノオレエート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノnブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノオレエートアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジアセタート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノステアレート、トリエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートテトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールドデシルエーテル、テトラエチレングリコールモノオクチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、ペンタエチレングリコールドデシルエーテル、ヘプタエチレングリコールドデシルエーテル、ヘキサエチレングリコールドデシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
本発明では、上記他の有機溶剤を併用する場合、全有機溶剤量に対する上記他の有機溶剤の含有量が50重量%以下であることが好ましい。50重量%を超えると、上記有機溶剤に対して多くなりすぎ、本発明の効果が損なわれるおそれがある。
本発明の無機微粒子分散ペーストは、無機微粒子を含有する。
上記無機微粒子は特に限定されず、例えば、ガラス粉末、セラミックス粉末、蛍光体微粒子、珪素酸化物等、金属微粒子等が挙げられる。
上記ガラス粉末は特に限定されず、例えば、酸化ビスマスガラス、ケイ酸塩ガラス、鉛ガラス、亜鉛ガラス、ボロンガラス等のガラス粉末や、CaO−Al−SiO系、MgO−Al−SiO系、LiO−Al−SiO系等の各種ケイ素酸化物のガラス粉末等が挙げられる。
また、上記ガラス粉末として、PbO−B−SiO混合物、BaO−ZnO−B−SiO混合物、ZnO−Bi−B−SiO混合物、Bi−B−BaO−CuO混合物、Bi−ZnO−B−Al−SrO混合物、ZnO−Bi−B混合物、Bi−SiO混合物、P−NaO−CaO−BaO−Al−B混合物、P−SnO混合物、P−SnO−B混合物、P−SnO−SiO混合物、CuO−P−RO混合物、SiO−B−ZnO−NaO−LiO−NaF−V混合物、P−ZnO−SnO−RO−RO混合物、B−SiO−ZnO混合物、B−SiO−Al−ZrO混合物、SiO−B−ZnO−RO−RO混合物、SiO−B−Al−RO−RO混合物、SrO−ZnO−P混合物、SrO−ZnO−P混合物、BaO−ZnO−B−SiO混合物等のガラス粉末も用いることができる。なお、Rは、Zn、Ba、Ca、Mg、Sr、Sn、Ni、Fe及びMnからなる群より選択される元素である。
特に、PbO−B−SiO混合物のガラス粉末や、鉛を含有しないBaO−ZnO−B−SiO混合物又はZnO−Bi−B−SiO混合物等の無鉛ガラス粉末が好ましい。
上記セラミック粉末は特に限定されず、例えば、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、チタン酸バリウム、窒化アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等が挙げられる。
また、透明電極材料に用いられるナノITOや色素増感太陽電池に用いられるナノ酸化チタン等も好適に用いることができる。
上記蛍光体微粒子は特に限定されず、例えば、蛍光体物質としては、ディスプレイ用の蛍光体物質として従来知られている青色蛍光体物質、赤色蛍光体物質、緑色蛍光体物質などが用いられる。青色蛍光体物質としては、例えば、YSiO:Ce系、CaWO:Pb系、BaMgAl1423:Eu系、BaMgAl1627:Eu系、BaMgAl1423:Eu系、BaMgAl1427:Eu系、ZnS:(Ag,Cd)系のものが用いられる。赤色蛍光体物質としては、例えば、Y:Eu系、YSiO:Eu系、YAl12:Eu系、Zn(PO:Mn系、YBO:Eu系、(Y,Gd)BO:Eu系、GdBO:Eu系、ScBO:Eu系、LuBO:Eu系のものが用いられる。緑色蛍光体物質としては、例えば、ZnSiO:Mn系、BaAl1219:Mn系、SrAl1319:Mn系、CaAl1219:Mn系、YBO:Tb系、BaMgAl1423:Mn系、LuBO:Tb系、GdBO:Tb系、ScBO:Tb系、Sr6SiCl:Eu系のものが用いられる。その他、ZnO:Zn系、ZnS:(Cu,Al)系、ZnS:Ag系、YS:Eu系、ZnS:Zn系、(Y,Cd)BO:Eu系、BaMgAl1223:Eu系のものも用いることができる。
上記金属微粒子は特に限定されず、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、金、銀、アルミニウム、タングステンやこれらの合金等からなる粉末等が挙げられる。
また、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等との吸着特性が良好で酸化されやすい銅や鉄等の金属も好適に用いることができる。これらの金属粉末は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の無機微粒子分散ペーストにおける上記無機微粒子の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は20重量%、好ましい上限は90重量%である。
上記無機微粒子の含有量が20重量%未満であると、得られる無機微粒子分散ペーストは、充分な粘度が得られず、スクリーン印刷性が悪くなることがあり、上記無機微粒子の含有量が90重量%を超えると、得られる無機微粒子分散ペーストは、粘度が高くなりすぎてスクリーン印刷性が悪くなることがある。
本発明の無機微粒子分散ペーストを作製する方法は特に限定されず、従来公知の攪拌方法が挙げられ、具体的には、例えば、上記(メタ)アクリル樹脂、上記有機溶剤、上記無機微粒子及び必要に応じて添加される他の成分を3本ロール等で攪拌する方法等が挙げられる。
本発明によれば、焼結性が高く、表面平滑性に優れた焼結層を形成することのできる無機微粒子分散ペーストを提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
なお、下記において、有機溶剤の粘度は20℃条件下でBH型粘度計(TOKI産業社製)を用いて測定したものであり、有機溶剤の表面張力は20℃条件下で表面張力計DY300(協和界面化学社製)を用いて測定したものである。
(重合例1)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラプルフラスコに、メチルメタクリレート100重量部、有機溶剤として酢酸エチル20重量部を混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯槽が沸騰するまで昇温した。重合開始剤としてジアシルパーオキサイド(日油社製;パーロイル355)を酢酸エチルで分散させた溶液を加えた。また、重合中に重合開始剤を含む酢酸エチル溶液を数回添加し、合計でモノマー100重量部に対して0.2重量部の重合開始剤を添加した。
重合開始から7時間後、反応液を室温まで冷却し重合を終了させた。PMMAの酢酸エチル溶液を得た。得られた重合体について、カラムとしてカラムLF−804(昭和電工社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は90万であった。
(重合例2)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラプルフラスコに、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)10重量部、メチルメタクリレート(MMA)90重量部、有機溶剤として酢酸エチル100重量部とを混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯浴が沸騰するまで昇温した。次いで、重合開始剤としてジアシルパーオキサイド(日油社製、「パーロイル355」)を加えた。また、重合中に重合開始剤を数回添加した。重合開始剤は(メタ)アクリレートモノマー100重量部に対して全部で2.4重量部添加した。
重合開始から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。これにより、(メタ)アクリル樹脂(Poly(CHMA/MMA))の酢酸エチル溶液を得た。
得られた樹脂について、カラムとしてSHOKO社製カラムLF−804を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は80000であった
(重合例3)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラプルフラスコに、イソブチルメタクリレートとメチルメタクリレートの混合液(IBMA/MMA=5/5)100重量部、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン0.5重量部、有機溶剤としてトリデカノール(20℃の粘度:34mPa・s、表面張力:32mN/m)100重量部を混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯槽が沸騰するまで昇温した。重合開始剤として有機化酸化物重合触媒(パーロイル355、日油社製)を0.1重量部添加し、重合中に重合開始剤を数回添加し、合計でモノマー100重量部に対して合計1.5重量部の重合開始剤を添加した。
重合開始から7時間後、反応液を室温まで冷却し重合を終了させた。これにより、(メタ)アクリル樹脂(Poly(IBMA/MMA))のトリデカノール溶液を得た。得られた重合体について、カラムとしてカラムLF−804(昭和電工社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は5万であった。
(重合例4)
攪拌機、冷却器、温度計、湯浴及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラプルフラスコに、メチルメタクリレート(MMA)100重量部、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン0.5重量部、有機溶剤としてトリデカノール(20℃の粘度:34mPa・s、表面張力:32mN/m)100重量部を混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し攪拌しながら湯槽が沸騰するまで昇温した。重合開始剤として有機化酸化物重合触媒(パーロイル355、日油社製)を0.1重量部添加し、重合中に重合開始剤を数回添加し、合計でモノマー100重量部に対して合計1.5重量部の重合開始剤を添加した。
重合開始から7時間後、反応液を室温まで冷却し重合を終了させた。これにより、(メタ)アクリル樹脂(PMMA)のトリデカノール溶液を得た。
しかし、PMMAのトリデカノール溶液は、重合後、溶液温度が下がると、樹脂が分離析出し、樹脂溶液を得ることができなかった。
(重合例5)
重合例3において、イソブチルメタクリレートとメチルメタクリレートの混合液(IBMA/MMA=5/5)100重量部を、シクロへキシルメタクリレートとイソブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートとの混合液(CHMA/iBMA/HEMA=4/5/1)100重量部に変更し、連鎖移動剤としてメルカプトプロパンジオール0.3重量部、有機溶剤としてエチレングリコールモノフェニルエーテルを用いた以外は、重合例3と同様にして分子末端に水酸基を有する(メタ)アクリル樹脂(Poly(CHMA/iBMA/HEMA))のエチレングリコールモノフェニルエーテル溶液を得た。
得られた重合体について、カラムとしてカラムLF−804(昭和電工社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分析を行ったところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は5万であった。
(実施例1)
重合例1で得られた(メタ)アクリル樹脂(PMMA)の酢酸エチル溶液に、エチレングリコールモノフェニルエーテル(20℃の粘度:30.5mPa・s、表面張力36.6mN/m)を加え、減圧処理を行うことで溶媒置換を行った。樹脂固形分を乾燥重量法により評価し、表1に記載された組成比になるよう配合し、ビヒクル組成物を得た。
無機微粒子として緑色蛍光体(ZnS;Cu,Al、日亜化学工業社製)を用い、表1に記載した組成で3本ロールミルにて処理を行い、蛍光体粒子分散ペーストを調製した。
(実施例2)
重合例2で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(CHMA/MMA))樹脂溶液にジエチレングリコールモノフェニルエーテル(20℃の粘度:44mPa・s、表面張力44.9mN/m)を加え、減圧処理を行い、溶媒置換を行った。希釈溶剤としてテルピネオール、導電性粉末として銀粉(平均粒子径1.0μm)と、ファイヤースルーを可能にする低融点ガラス微粒子(平均粒子径1μm)を表1の組成で添加し、高速攪拌機と三本ロールとで混練することにより、導電性微粒子分散ペーストを得た。
(実施例3)
重合例1で得られた(メタ)アクリル樹脂(PMMA)の酢酸エチル溶液に対して、エチレングリコールモノフェニルエーテルを添加した後、減圧処理を行い、溶媒置換を行った。
次いで、無機微粒子として平均粒子径2.0μmのガラス微粒子(SiOを32.5%、Bを20.5%、ZnOを18%、Alを10%、BaOを3.5%、LiOを9%、NaOを6%、SnOを0.5%含有)を用い、表1に示した組成比となるように添加した後、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルにてなめらかになるまで処理を行い、低融点ガラスペーストを作製した。
(実施例4)
重合例2で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(CHMA/MMA))の酢酸エチル溶液に対し、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルを加え、減圧処理を行い、溶媒置換を行った。希釈溶剤としてテルピネオール、アルミニウム微粒子(平均粒子径5μm)、と、ファイヤースルーを可能にする低融点ガラス微粒子(平均粒子径1μm)を表1の組成で添加し、高速撹拌装置を用いて充分混練した後、アルミニウム微粒子が扁平につぶれないように留意しながら3本ロールミルにて処理を行い、導電性微粒子分散ペーストを調製した。
(比較例1)
重合例1で得られた(メタ)アクリル樹脂(PMMA)の酢酸エチル溶液に、ブチルカルビトールアセテート(20℃の粘度:3.6mPa・s、表面張力:29.9mN/m)を加え、減圧処理を行い、溶媒置換を行った。表1の組成比になるよう配合を行い、実施例1と同様にして蛍光体粒子分散ペーストを作製した。
(比較例2)
重合例3で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(IBMA/MMA))の酢酸エチル溶液に、トリデカノール(20℃の粘度:34mPa・s、表面張力:32mN/m)を加え減圧処理を行い、溶媒置換を行った。表1の組成比になるよう配合を行い、実施例1と同様にして蛍光体粒子分散ペーストを作製した。
(比較例3)
重合例2で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(CHMA/MMA))樹脂溶液にテキサノール(20℃の粘度:16.2mPa・s、表面張力:29mN/m)を加え、減圧処理を行い、溶媒置換を行った。導電性粉末として銀粉(平均粒子径1.0μm)と、ファイヤースルーを可能にする低融点ガラス微粒子(平均粒子径1μm)を用いて、表1になるよう配合を行い、実施例1と同様にして導電性微粒子分散ペーストを作製した。
(比較例4)
重合例1で得られた(メタ)アクリル樹脂(PMMA)の酢酸エチル溶液に対しテキサノール(20℃の粘度:16.2mPa・s、表面張力:29mN/m)を加え、溶剤置換を行った。得られたビヒクル組成物に対して無機微粒子として平均粒子径2.0μmのガラス微粒子(SiOを32.5%、Bを20.5%、ZnOを18%、Alを10%、BaOを3.5%、LiOを9%、NaOを6%、SnOを0.5%含有)を用い、実施例1と同じ方法で表1に示した組成比となるように添加した後、高速撹拌装置を用いて充分混練し、3本ロールミルにてなめらかになるまで処理を行い、低融点ガラスペーストを作製した。
(比較例5)
重合例2で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(CHMA/MMA))の酢酸エチル溶液に対し、ブチルカルビトールアセテート(20℃の粘度:3.6mPa・s、表面張力:29.9mN/m)を加え減圧処理を行い、溶媒置換を行った。希釈溶剤としてテルピネオールを用い、アルミニウム微粒子(平均粒子径5μm)、と、ファイヤースルーを可能にする低融点ガラス微粒子(平均粒子径1μm)を用いて、表1の組成となるように配合を行った。高速撹拌装置を用いて充分混練した後、アルミニウム微粒子が扁平につぶれないように留意しながら3本ロールミルにて処理を行い、導電性微粒子分散ペーストを調製した。
(実施例5)
重合例5で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(CHMA/iBMA/HEMA))のエチレングリコールモノフェニルエーテル溶液に、トリメチロールプロパン(常温で固体、沸点292℃(30mmHg))を加えた。樹脂固形分を乾燥重量法により評価し、表2に記載された組成比になるよう配合し、ビヒクル組成物を得た。
無機微粒子として赤色蛍光体((Y、Gd)BO:Eu、日亜化学工業社製)を用い、表2に記載した組成で3本ロールミルにて処理を行い、蛍光体粒子分散ペーストを調製した。
(実施例6)
エチルセルロースSTD45をエチレングリコールモノフェニルエーテルに溶解させた。
この樹脂溶液に対し、重合例5で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(CHMA/iBMA/HEMA))のエチレングリコールモノフェニルエーテル溶液、及び、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(常温で固体、沸点210℃)を加えた。樹脂固形分を乾燥重量法により評価し、表2に記載された組成比になるよう配合し、ビヒクル組成物を得た。
無機微粒子として青色蛍光体(BaMgAl1017:Eu、日亜化学工業社製)を用い、表2に記載した組成で3本ロールミルにて処理を行い、蛍光体粒子分散ペーストを調製した。
(実施例7)
エチルセルロースSTD10をエチレングリコールモノフェニルエーテルに溶解させた。
この樹脂溶液に対し、重合例5で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(CHMA/iBMA/HEMA))のエチレングリコールモノフェニルエーテル溶液、及び、2−ブチル2−メチル−1,3−プロパンジオール(常温で固体、沸点262℃)を加えた。樹脂固形分を乾燥重量法により評価し、表2に記載された組成比になるよう配合し、ビヒクル組成物を得た。
無機微粒子として赤色蛍光体((Y、Gd)BO:Eu、日亜化学工業社製)を用い、表2に記載した組成で3本ロールミルにて処理を行い、蛍光体粒子分散ペーストを調製した。
(実施例8)
エチルセルロースSTD20をエチレングリコールモノフェニルエーテルに溶解させた。
この樹脂溶液に対し、重合例5で得られた(メタ)アクリル樹脂(Poly(CHMA/iBMA/HEMA))のエチレングリコールモノフェニルエーテル溶液、及び、トリメチロールプロパン(常温で固体、沸点292℃(30mmHg))を加えた。樹脂固形分を乾燥重量法により評価し、表2に記載された組成比になるよう配合し、ビヒクル組成物を得た。
無機微粒子として緑色蛍光体(ZnSIO;Mn、日亜化学工業社製)を用い、表2に記載した組成で3本ロールミルにて処理を行い、蛍光体粒子分散ペーストを調製した。
Figure 2012107176
Figure 2012107176
<評価>
実施例及び比較例で得られた無機微粒子分散ペーストについて以下の評価を行った。結果を表3に示した。
(1)粘度評価
得られた無機微粒子分散ペースト組成物をB型粘度計(DVII+Pro、BROOK FILED社製)を用いて、温度25℃、回転数10rpmの条件下における、無機微粒子分散ペーストの粘度η(cps)を測定した。
(2)ペースト貯蔵安定性
得られた無機微粒子ペーストを1週間室温で養生し、ペーストの状態を確認し、以下の基準で評価した。
変化の見られなかった場合を○、溶液の浸み出しや無機微粒子の沈降が見られた場合を×とした。
(3)スクリーン印刷性(レベリング性、連続印刷性)
得られた無機微粒子分散ペーストを、スクリーン印刷機(マイクロテック社製「MT−320TV」)、スクリーン製版(東京プロセスサービス社製「SX320」乳剤20μ、印刷像80mm×80mmベタ、スクリーン枠:320mm×320mm、印刷ガラス基板(ソーダーガラス:150mm×150mm、厚み:1.5mm))を用いて、温度23℃、湿度50%の環境下にて印刷を行った。
印刷後、ガラス板を120℃×10分の条件下で送風オーブンにて溶媒を乾燥した。印刷像を顕微鏡観察行い、マスクの編み目パターンに沿って印刷されない部分がレベリングせずにボイドとして残っているかを観察行い、レベリング性を下記の基準で評価した。
ボイドが見られなかった場合を○、見られた場合を×とした。
また、30枚連続印刷し、像のカスレ状態を確認し、連続印刷性を下記の基準で評価した。
30枚の連続印刷によって変化が見られなかった場合を○、連続印刷によって目詰まりが生じ、カスレが生じた場合を×とした。
(4)印刷取り扱い性
「(3)スクリーン印刷性」の評価を行う際に、ペースト取り扱い時における延糸の発生具合を観察し、下記の基準で評価した。
延糸が発生せず、取り扱いやすかった場合を○、延糸が発生し、取り扱いにくかった場合を×とした。
Figure 2012107176
表3に示すように、実施例1〜8で得られたペーストは、分散状態が良好で、無機微粒子が充分に分散していた。また、高分子量の樹脂をバインダーとして用いた場合でも、延糸が無く、取り扱い性も良好であった。
一方、有機溶剤として、印刷用途において一般的に用いられるブチルカルビトールアセテートやテキサノールを用いた比較例1、3〜5では、高分子量の樹脂の絡まり合いに起因する延糸の発生が激しくなり、スクリーン印刷を行った場合でも、目詰まりやレベリング不良が見られた。
また、比較例2では、バインダー樹脂は溶解可能であるものの、無機微粒子の分散性が悪くなり、印刷時にひどくカスレが生じた。
なお、芳香環を有さず、表面張力の大きな有機溶剤を用いた場合は、PMMAを溶解することができず、樹脂溶液を得ることができなかった(重合例4)。
本発明によれば、焼結性が高く、表面平滑性に優れた焼結層を形成することのできる無機微粒子分散ペーストを提供できる。

Claims (4)

  1. (メタ)アクリル樹脂と、無機微粒子と、有機溶剤とを含有する無機微粒子分散ペーストであって、
    前記有機溶剤は、芳香環と水酸基とを有し、沸点が200℃以上、300℃未満であり、粘度が30mPa・s以上、かつ、表面張力が30mN/m以上、50mN/m未満である
    ことを特徴とする無機微粒子分散ペースト。
  2. 有機溶剤は、エチレングリコールモノフェニルエーテル又はジエチレングリコールモノフェニルエーテルを含有することを特徴とする請求項1記載の無機微粒子分散ペースト。
  3. 更に、セルロース樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリα−メチルスチレン樹脂、ポリアルキレンオキサイド樹脂及びロジン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の無機微粒子分散ペースト。
  4. (メタ)アクリル樹脂は、ポリメチルメタクリレートを90重量%以上含有し、かつ、重量平均分子量が8万〜100万であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の無機微粒子分散ペースト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020066719A (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 大日本印刷株式会社 焼成用金属酸化物ナノ粒子分散体、及び焼結膜の製造方法

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