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JP2013162783A - Pon1遺伝子多型(q192r)を検出する方法 - Google Patents

Pon1遺伝子多型(q192r)を検出する方法 Download PDF

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JP2013162783A
JP2013162783A JP2013001229A JP2013001229A JP2013162783A JP 2013162783 A JP2013162783 A JP 2013162783A JP 2013001229 A JP2013001229 A JP 2013001229A JP 2013001229 A JP2013001229 A JP 2013001229A JP 2013162783 A JP2013162783 A JP 2013162783A
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Kaoru Kurose
かおる 黒瀬
Mariko Komori
真理子 小森
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Arkray Inc
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Arkray Inc
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Abstract

【課題】PON1遺伝子多型(Q192R)を検出するのに有効なプローブを特定し、PON1遺伝子多型(Q192R)を検出する方法を提供する。
【解決手段】PON1遺伝子の多型を検出するためのプローブであって、シトシンが蛍光色素で標識されている蛍光標識オリゴヌクレオチドからなることを特徴とする多型検出用プローブ。前記蛍光標識オリゴヌクレオチドは、標的配列にハイブリダイズしないときに蛍光を発し、且つ標的配列にハイブリダイズしたときに蛍光強度が減少するかまたは増加するプローブ。
【選択図】なし

Description

本発明は、PON1遺伝子多型(Q192R)を検出する方法、ならびにそのための核酸プローブ
およびキットに関する。
PON(パラオキソナーゼ)遺伝子クラスターは、第7染色体上のq21.3-q22.1領域に存在し
、それぞれ類似した構造をもつPON1、PON2、およびPON3の3つのparaoxanaseアイソフォームがコードされている(非特許文献1)。3つの酵素に共通しているのは膜脂質の過酸化
を防御する機能であるが、それぞれに特異的な機能もあり、PON1は有機リン酸類を解毒し、PON2は小胞体ストレスから細胞を防御する。ただし、PON3については生理的機能がまだ十分に解明されていない(非特許文献1)。
PON1タンパク質は、血中でHDL(高比重リポタンパク:high density lipoprotein)のア
ポA-1と結合して存在し、LDL(低比重リポタンパク:low density lipoprotein)の酸化を
阻害し、動脈硬化の進展を抑制すると考えられている(非特許文献2)。また、PON1(Q192R)と心筋梗塞、冠動脈スパズムとの関連が示唆されている(非特許文献2)。
また、PON1は抗血小板薬Plavix(一般名:クロピドクレル(Clopidogrel))活性化にお
いて最も重要な酵素として同定され、さらにその遺伝子多型Q192Rが活性化型への変換効
率の決定因子であることが明らかにされている(非特許文献3)。ステント療法時に用いられている抗血栓薬であるためクロピドクレルを用いることが一般的に行われている。非特許文献3においては、更にステント留置とクロピドグレル投与を受けている冠動脈疾患患者で、PON1 Q192R遺伝子多型の臨床的意義を調べた結果、PON1 QQ192ホモの患者は、RR192ホモの患者よりもステント血栓形成のリスクが高く、血清中のPON1活性とクロピドク
レル活性代謝産物が低く、血小板活性の阻害も不十分であることが示されている。このように、PON1 QQ192ホモの患者において、クロピドクレルの薬効が得られにくいことが報告されている。
非特許文献3ではPON1(Q192R)の変異の有無を、シークエンス解析を用いて検出してい
る。クロピドクレルの薬効を調査する為に全血からゲノム抽出を行うのは実際の臨床現場ではとても手間とコストが掛かる。
特許文献1には、蛍光色素で標識された核酸プローブを用いて標的核酸にハイブリダイゼーションさせ、蛍光色素の発光の減少量を測定する方法が記載されている。しかしながら、蛍光色素で標識された核酸プローブを用いて標的核酸にハイブリダイゼーションさせ、蛍光色素の発光の減少量測定を実施する上で何れの任意配列で実施できるわけではなく、変異毎に適正な配列を見つける必要がある。
非特許文献4には、CYP2C19*2変異がホモで存在すると、スプライシング異常が生じて
タンパク質の構造が異常になり、様々な薬剤の代謝効率が減少して副作用等のリスクが上昇することが報告されている。非特許文献5には、CYP2C19*3変異がホモで存在すると、
翻訳の際終止コドンに変異してタンパク質の構造が異常になり、様々な薬剤の代謝効率が減少して副作用等のリスクが上昇することが報告されている。このように、クロピドクレルの薬効には、PON1(Q192R)に加えて、CYP2C19*2およびCYP2C19*3も関与することから、PON1(Q192R)ならびにCYP2C19*2およびCYP2C19*3の変異有無を同時に測定する技術は、臨床分野で必要とされてくる可能性が高いと考えられる。
非特許文献4ではCYP2C19*2変異の有無をPCR-RFLPを用いて検出している。非特許文献
5ではCYP2C19*3変異の有無をPCR-RFLPを用いて検出している。特許文献2,3には、CYP
2C19*2の変異の検出法およびそのための核酸プローブが記載されている。特許文献4には、CYP2C19*3の変異の検出法およびそのための核酸プローブが記載されている。
しかしながら、上記先行技術文献のいずれにおいても、クロピドクレルの薬効に関与するPON1(Q192R)の変異の有無を簡便に測定する方法やその際に用いられるプローブ、なら
びにクロピドクレルの薬効に関与するPON1(Q192R)ならびにCYP2C19*2およびCYP2C19*3の
変異の有無を同時に測定する方法は開示されていない。
特開2002−119291号公報 特開2005−58114号公報 国際公開第2008/066162号 特開2005−110502号公報
第21回ALS/MND国際シンポジウム,"ALSにおけるParaoxonase遺伝子変異",2010年,ALS疾患啓発委員会、インターネット<URL:http://www.als.gr.jp/staff/sympo/21st_sympo/sympo21_11.html> J Clin Invest 96(6): 3005-8, 1995 Nature Medicine 17, 110-116 (2011) Pharmacogenetics 4 1994 p.285,Abstract Molecular Pharmacology 46 1994 p.p. 594-598
本発明は、PON1遺伝子多型(Q192R)を検出するのに有効なプローブを特定し、PON1遺伝
子多型(Q192R)を検出する方法、PON1(Q192R)ならびにCYP2C19*2およびCYP2C19*3の3変異を同時に検出する方法、ならびにそのためのキットを提供することを課題とする。
本発明者は、PON1遺伝子多型(Q192R)を含む特定の領域に基づいてプローブを設計し、
該プローブを用いて、標的核酸とのハイブリッド形成・解離に基づくシグナルを検出することにより当該変異を検出できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)PON1遺伝子の多型を検出するためのプローブであって、下記P1、P1'、P2およびP2'から選択される少なくとも一種の蛍光標識オリゴヌクレオチドからなることを特徴とする多型検出用プローブ。
(P1)配列番号1に示す塩基配列において塩基番号299〜304を含む6〜53塩基長の塩基配列又はそれに相同な配列を有し、塩基番号304に対応する塩基がシトシンであり、該シトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド。
(P1')配列番号1に示す塩基配列において塩基番号299〜304を含む6〜53塩基
長の塩基配列の相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を有し、塩基番号304に対応する塩基がシトシンであり、該シトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド。
(P2)配列番号1に示す塩基配列において塩基番号290〜301を含む12〜54塩基長の塩基配列又はそれに相同な配列を有し、塩基番号290に対応する塩基がシトシンであり、該シトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド。
(P2')配列番号1に示す塩基配列において塩基番号290〜301を含む12〜54塩
基長の塩基配列の相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を
有し、塩基番号290に対応する塩基がシトシンであり、該シトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド。
(2)前記P1およびP1'のオリゴヌクレオチドが、蛍光色素で標識された塩基番号304
に対応する塩基を3’末端から数えて1〜3番目の位置に有し、
前記P2およびP2'のオリゴヌクレオチドが、蛍光色素で標識された塩基番号290に対応
する塩基を5’末端から数えて1〜3番目の位置に有する、(1)記載の多型検出用プローブ。
(3)前記P1およびP1'のオリゴヌクレオチドが、蛍光色素で標識された塩基番号304
に対応する塩基を3’末端に有し、
前記P2およびP2'のオリゴヌクレオチドが、蛍光色素で標識された塩基番号290に対応
する塩基を5’末端に有する、(1)又は(2)に記載の多型検出用プローブ。
(4)前記蛍光標識オリゴヌクレオチドは、標的配列にハイブリダイズしないときに蛍光を発し、且つ標的配列にハイブリダイズしたときに蛍光強度が減少するかまたは増加する、(1)〜(3)のいずれかに記載のプローブ。
(5)前記蛍光標識オリゴヌクレオチドが、標的配列にハイブリダイズしないときに蛍光を発し、標的配列にハイブリダイズしたときに蛍光強度が減少する、(4)記載のプローブ。
(6)前記P1およびP1’のオリゴヌクレオチドの塩基長が6〜28であり、
前記P2およびP2’のオリゴヌクレオチドの塩基長が12〜28である、(1)〜(5)のいずれかに記載の多型検出用プローブ。
(7)前記P1およびP1’のオリゴヌクレオチドの塩基長が6〜18であり、
前記P2およびP2’のオリゴヌクレオチドの塩基長が12〜18である、(1)〜(5)のいずれかに記載の多型検出用プローブ。
(8)前記プローブが、融解曲線分析用のプローブである、(1)〜(7)のいずれかに記載の多型検出用プローブ。
(9)(1)〜(8)のいずれかに記載の多型検出用プローブを用いることによりPON1遺伝子の多型を検出する多型検出方法。前記方法は、前記多型を含み得る核酸を含む試料について行われ、前記プローブと前記試料を接触させること及び前記多型の有無を検出することを含む。本発明はまた、前記多型を検出するためのプローブの使用を含む。
(10)PON1遺伝子における多型の検出方法であって、下記工程(I)〜(IV)を含む
ことを特徴とする方法。
(I)DNAを含有する試料に、(1)〜(8)のいずれかに記載のプローブを添加して前記DNAに前記プローブをハイブリダイズさせる工程、
(II)温度を変化させて前記DNAと前記プローブとのハイブリッド形成体を解離させ、ハイブリッド形成体の解離に基づくシグナルの変動を測定する工程、
(III)前記シグナルの変動を解析してTm値を決定する工程、および
(IV)前記Tm値から目的の多型の存在を決定する工程。
(11)さらに、前記(I)の前又は前記(I)と同時に、核酸を増幅することを含む、(10)に記載の方法。
(12)さらに、配列番号21に示す塩基配列における200番目の塩基に対応する多型、
及び配列番号25に示す塩基配列における302番目の塩基に対応する多型の少なくとも一方の多型を同一の系(すなわち、同一の反応または同一の反応チューブ)で検出することを含む(9)〜(11)のいずれかに記載の多型検出方法。
(13)さらに、配列番号1に示す塩基配列における301番目の塩基に対応する多型と、配列番号21に示す塩基配列における200番目の塩基に対応する多型と、配列番号25に示す塩基配列における302番目の塩基に対応する多型とを同一の系で検出することを含む、(9)〜(12)のいずれかに記載の多型検出方法。
(14)(9)〜(13)のいずれかに記載の多型検出方法により、PON1遺伝子における多型を検出すること、及び検出された多型の有無に基づいて薬剤に対する耐性又は薬剤の薬効を判定(または予測)することを含む薬剤の薬効の判定(または予測)方法。前記方
法は、前記判定/予測が行われる被験者(例えば、ヒト)由来の試料で実施され得る。本
明細書中で使用される場合、「試料」とは、前記多型を含み得る核酸(例えば、DNA)を
含む。
(15)(1)〜(8)のいずれかに記載のプローブを含むPON1遺伝子における多型を検出する多型検出用試薬キット。
(16)前記プローブがハイブリダイズする領域を含む塩基配列を増幅するためのプライマーをさらに含む(15)に記載のキット。
(17)配列番号21に示す塩基配列における200番目の塩基に対応する多型を検出するための多型検出用プローブと、
配列番号25に示す塩基配列における302番目の塩基に対応する多型を検出するための多型検出用プローブとをさらに含む、(15)又は(16)に記載の多型検出用試薬キット。本発明はまた、前記多型を検出するためのキットの使用を含む。
本発明のプローブをPCRなどの遺伝子増幅系中に添加しておくことで、遺伝子増幅反応
終了後、Tm解析を行うだけで、PON1遺伝子多型(Q192R)のタイピングが可能となる。本
発明のプローブは特異性が高く、全血や口腔粘膜懸濁液などを直接検査する場合においても、用いる事ができる。これにより、投薬前検査などに臨床検査における手間やコストを低減することができる。
本発明の方法を用いることにより、PCRを行う場合であっても、増幅産物を取り出す必
要がないため、コンタミネーションの危険性がほぼ無い。また、本発明の方法は、手順が簡単なので自動化が容易である。
本発明の方法により、PON1(Q192R)ならびにCYP2C19*2およびCYP2C19*3の3変異を同時
に検出することもできる。ステント療法時にクロピドクレルを用いる場合には、臨床的に、3変異を同時に検出できる意義は大きい。
(A)核酸混合物の融解曲線、及び(B)微分融解曲線の一例を示す図である。 本発明の実施例1にかかる多型検出用プローブを用いて得られた融解曲線である。縦軸は、単位時間当たりの蛍光強度の変化量(d蛍光強度増加量/t)、横軸は、温度(℃)である。四角は野生型、ひし形は変異型、三角はヘテロ型を示す(以下同様)。 本発明の実施例2にかかる多型検出用プローブを用いて得られた融解曲線である。 比較例1にかかる多型検出用プローブを用いて得られた融解曲線である。 本発明の実施例3の精製ヒトゲノムにかかる多型検出用プローブを用いて得られた融解曲線である。左図はPON1遺伝子多型(Q192R)検出の融解曲線、中央図はCYP2C19*2遺伝子多型検出の融解曲線、右図はCYP2C19*3遺伝子多型検出の融解曲線である(以下同様)。 本発明の実施例3の全血にかかる多型検出用プローブを用いて得られた融解曲線である。
<1>本発明プローブおよび本発明検出方法
本発明の(P1)プローブは、PON1遺伝子多型(Q192R)(すなわちrs662)を検出するためのプローブであって、配列番号1に示す塩基配列において、299〜304番目の塩基を含む塩基長6〜53の塩基配列又はそれに相同な配列を有し、304番目の塩基に対応する塩基がシトシンであり蛍光色素で標識されている、オリゴヌクレオチドからなることを特徴とする。この文脈において参照する場合、「相同な配列」とは、配列番号1または配列番号1の前記記載部分に相同な配列である。従って、前記オリゴヌクレオチドは、配
列番号1の299〜304番目に対応する塩基を含み、前記相同な配列に由来する、6〜53の塩基長を有する。塩基長6〜53の塩基配列は、その全てが、配列番号1または「相同な配列」に連続して含まれる。
本発明の(P1’)プローブは、PON1遺伝子多型(Q192R)(すなわちrs662)を検出するためのプローブであって、配列番号1に示す塩基配列において、299〜304番目の塩基を含む塩基長6〜53の相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を有し、304番目の塩基に対応する塩基がシトシンであり蛍光色素で標識されている、オリゴヌクレオチドからなることを特徴とする。この文脈で参照する場合、「ハイブリダイズする配列」とは、配列番号1または配列番号1の前記記載部分の相補鎖とハイブリダイズする配列である。従って、前記オリゴヌクレオチドは、配列番号1の299〜304番目に対応する塩基を含み、前記ハイブリダイズする配列に由来する、6〜53の塩基長を有する。塩基長6〜53の塩基配列は、その全てが、配列番号1または「ハイブリダイズする配列」に連続して含まれる。
また、本発明の(P1)または(P1’)プローブは、オリゴヌクレオチドのデオキシリボース主鎖の代わりに、N−(2−アミノエチル)グリシンがアミド結合で結合したものを主鎖とするペプチド核酸(PNA)であってもよく、または、核酸の糖の2'部位の酸素原子と4'部位の炭素原子が架橋した2つの環状構造を持つ核酸(LNA;Locked Nucleic Acid)でもよい。
ここで、PON1遺伝子多型のrs662は、配列番号1の301番目の塩基である。このrs番
号は、National Center for Biotechnology InformationのdbSNPデータベース(//www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/SNP/)の登録番号を示す。なお、配列番号1の301番目をrで示しているが、野生型の塩基がAであり、変異型の塩基がGである。本発明の(P1)プローブにおいては、例えば、配列番号1の301番目の塩基は変異型の塩基Gである。
本発明の(P1)または(P1’)プローブは、配列番号1に示す塩基配列において上記特定された配列を有する他は、特許文献1に記載されたプローブと同様にして作製できる。表1に記載の通り、(P1)または(P1’)プローブの長さとしては、例えば、6〜53塩基長、10〜30塩基長、または13〜25塩基長である。本発明において、(P1)のオリゴヌクレオチドが相補的な塩基配列を有するDNAとハイブリダイズした場合のTm値と、配列番号1における301番目の塩基のみが非相補的なDNAとハイブリダイズした場合のTm値の差が2.0℃以上であることで、例えば、配列番号1における301番目の塩基の変異をより高感度に検出することができる。
また、表2に記載の通り、6塩基以上のプローブであれは人工核酸、例えばLNAを使用す
ることで配列番号1における301番目の塩基の変異を検出可能なTm値を得ることができる。
Figure 2013162783
Tm値は、Meltcalc 99 free(http://www.meltcalc.com/)を用い、設定条件: Oligoconc[μM]0.2,Na eq.[mM]50の条件でTm値を算出した。
Figure 2013162783
表2はLNAを使用した場合のTm値を記載した。LNAを使用することで6塩基でもTm値を検
出することができる。Tm値はLNATM Oligo Tools and Design Guidelines (http://www.exiqon.com/oligo-tools)を使用して算出した。
本発明に使用される(P1)プローブの塩基配列の例としては、5'-tgacccctacttacGatc-3'(配列番号2)が挙げられ、大文字の塩基Gが301番目の塩基に対応する。
本発明の(P2)プローブは、PON1遺伝子多型(Q192R)(すなわちrs662)を検出するためのプローブであって、配列番号1に示す塩基配列において、290〜301番目の塩基を含む塩基長12〜54の塩基配列又はそれに相同な配列を有し、290番目の塩基に対応する塩基がシトシンであり蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチドオリゴヌクレオチドからなることを特徴とする。この文脈において参照する場合、「相同な配列」とは、配列番号1または配列番号1の前記記載部分に相同な配列である。従って、前記オリゴヌクレオチドは、配列番号1の290〜301番目に対応する塩基を含み、前記相同な配列に由来する、12〜54の塩基長を有する。塩基長12〜54の塩基配列は、その全てが、配列番号1または「相同な配列」に連続して含まれる。
本発明の(P2’)プローブは、PON1遺伝子多型(Q192R)(すなわちrs662)を検出するためのプローブであって、配列番号1に示す塩基配列において、290〜301番目の塩基を含む塩基長12〜54の相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を有し、290番目の塩基に対応する塩基がシトシンであり蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチドオリゴヌクレオチドからなることを特徴とする。この文脈で参照する場合、「ハイブリダイズする配列」とは、配列番号1または配列番号1の前記記載部分の相補鎖とハイブリダイズする配列である。従って、前記オリゴヌクレオチドは、配列番号1の290〜301番目に対応する塩基を含み、前記ハイブリダイズする配列に由来する、12〜54の塩基長を有する。塩基長12〜54の塩基配列は、その全てが、配列番号1または「ハイブリダイズする配列」に連続して含まれる。
また、本発明の(P2)または(P2’)プローブは、オリゴヌクレオチドのデオキシリボース主鎖の代わりに、N−(2−アミノエチル)グリシンがアミド結合で結合したものを主鎖とするペプチド核酸(PNA)であってもよく、または、核酸の糖の2'部位の酸素原子と4'部位の炭素原子が架橋した2つの環状構造を持つ核酸(LNA;Locked Nucleic Acid)でもよい。
本発明の(P2)または(P2’)プローブにおいては、例えば、配列番号1の301番目の塩基は野生型の塩基Aである。
本発明の(P2)または(P2’)プローブは、配列番号1に示す塩基配列において上記特定された配列を有する他は、特許文献1に記載された消光プローブと同様にして作製できる。表3に記載のとおり、本発明のプローブの長さとしては、例えば、12〜54塩基長、12〜30塩基長、または13〜25塩基長である。
Figure 2013162783
Tm値は、Meltcalc 99 free(http://www.meltcalc.com/)を用い、設定条件: Oligoconc[μM]0.2,Na eq.[mM]50の条件でTm値を算出した。
本発明において、(P2)のオリゴヌクレオチドが相補的な塩基配列を有するDNAとハイブリダイズした場合のTm値と、配列番号1における301番目の塩基のみが非相補的なDNAとハイブリダイズした場合のTm値の差が2.0℃以上であることで、例えば、配列番号1における301番目の塩基の変異をより高感度に検出することができる。
本発明に使用される(P2)プローブの塩基配列の例としては、5'-cccctacttacAatcctg-3'(配列番号10)が挙げられ、大文字の塩基Aが301番目の塩基に相当する。
前記蛍光色素は、制限されないが、例えば、フルオレセイン、リン光体、ローダミン、ポリメチン色素誘導体等が挙げられ、市販の蛍光色素としては、例えば、BODIPY
FL(商標名、モレキュラー・プローブ社製)、FluorePrime(商品名、アマシャムファルマシア社製)、Fluoredite(商品名、ミリポア社製)、FAM(ABI社製)、Cy3およびCy5(アマシャムファルマシア社製)、TARMA(モレ
キュラープローブ社製)等が挙げられる。プローブの検出条件は、特に制限されず、使用
する蛍光色素により適宜決定できるが、例えば、Pacific Blueは、検出波長
445〜480nm、TAMRAは、検出波長585〜700nm、BODIPY FL
は、検出波長520〜555nmで検出できる。このようなプローブを使用すれば、シグナルの変動により、ハイブリダイズと解離とを容易に確認することができる。蛍光色素のオリゴヌクレオチドへの結合方法は、通常の方法、例えば特許文献1に記載の方法に従って行うことができる。
本願明細書における「相同な配列」とは、特定の塩基配列において、例えば、当該塩基配列に80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%以上の同一性を有する配列を有している塩基配列をさす。本願においては、100%の同一性を有していてもよい。
本願におけるハイブリダイゼーションは、公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、Molecular Cloning 3rd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 2001)
に記載の方法等に従って行うことができる。この文献は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。前記ハイブリダイゼーションは、例えば、ストリンジェントな条件下で行う。
ストリンジェントな条件とは、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。典型的なストリンジェントな条件とは、例えば、カリウム濃度は約25mM〜約50mM、及びマグネシウム濃度は約1.0mM〜約5.0mM
中において、ハイブリダイゼーションを行う条件があげられる。本発明の条件の1例としてTris−HCl(pH8.6)、25mMのKCl、及び1.5mMのMgCl2
においてハイブリダイゼーションを行う条件が、挙げられるが、これに限定されるものではない。その他、ストリンジェントな条件としては、Molecular Cloning 3rd(J. Sambrook et al., Cold Spring Ha
rbor Lab. Press, 2001)に記載されている。この文献は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。当業者は、ハイブリダイゼーション反応や、ハイブリダイゼーション反応液の塩濃度等を変化させることによって、このような条件を容易に選択することができる。
前記蛍光標識オリゴヌクレオチドにおける、オリゴヌクレオチドとしては、オリゴヌクレオチドの他、修飾されたオリゴヌクレオチドも含まれる。
前記オリゴヌクレオチドの構成単位としては、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、人工核酸等が挙げられる。前記人工核酸としては、DNA、RNA、RNAアナログであるLNA(Locked Nucleic Acid);ペプチド核酸であるPNA(Peptide Nucleic Acid);架橋化核酸であるBNA(Bridged Nucleic Acid)等が挙げられる。
前記オリゴヌクレオチドは、前記構成単位のうち、一種類から構成されてもよいし、複数種類から構成されてもよい。
本発明の(P1)または(P1’)のプローブは、塩基番号299〜304を含む6〜53塩基長の塩基配列に相同な配列であり、304番目の塩基がシトシンである以外は配列番号1に対して相同性を有する配列を示している。すなわち、本発明の(P1)または(P1')
のプローブは、塩基番号299〜304を含む6〜53塩基長の塩基配列に相同的であるが、完全に同一でなくてもよい。
本発明の(P2)または(P2’)のプローブは、塩基番号290〜301を含む12〜54塩基長の塩基配列であり、290番目の塩基がシトシンである以外は配列番号1に対して相同性を有する配列を示している。すなわち、本発明の(P2)または(P2')のプローブ
は、塩基番号290〜301を含む12〜54塩基長の塩基配列に相同的であるが、完全に同一でなくてもよい。
前記蛍光標識オリゴヌクレオチドは、例えば、相補配列にハイブリダイズしていないときの蛍光強度に比べて、相補配列にハイブリダイズしているときの蛍光強度が減少(消光)するかまたは増加する蛍光標識オリゴヌクレオチドである。例えば、相補配列にハイブリダイズしていないときの蛍光強度に比べて、相補配列にハイブリダイズしているときの蛍光強度が減少する蛍光標識オリゴヌクレオチドである。このような蛍光消光現象(Quenching phenomenon)を利用したプローブは、一般的に、グアニン消
光プローブと呼ばれており、いわゆるQProbe(登録商標)として知られている。例えば、オリゴヌクレオチドを3’末端もしくは5’末端がCとなるように設計し、その末端のCが、Gに近づくと発光が弱くなるように蛍光色素で標識化されたオリゴヌクレオチドである。
また、本発明プローブは、例えば、5’または3’が蛍光色素により標識化されている。
なお、本明細書において、「5’末端から数えて1〜3番目」という場合は、5’末端を1番目として数える。また、「3’末端から数えて1〜3番目」という場合は、3’末端を1番目として数える。
本発明検出方法は、PON1遺伝子多型(Q192R)ならびに/またはCYP2C19*2 および/もし
くはCYP2C19*3の遺伝子多型を有する核酸について、蛍光色素で標識された核酸プローブ
を用いて、蛍光色素の蛍光を測定することにより融解曲線分析を行い、融解曲線分析の結果に基づいて多型を検出する方法であって、核酸プローブは本発明のプローブであること
を特徴とする。
本発明の検出方法は、本発明のプローブを使用し、例えば、以下の工程を含むことを特徴とする。
(I)DNAを含有する試料に、本発明のプローブを添加して前記DNAに前記プローブをハイブリダイズさせる工程、
(II)温度を変化させて前記DNAと前記プローブとのハイブリッド形成体を解離させ、ハイブリッド形成体の解離に基づくシグナルの変動を測定する工程、
(III)前記シグナルの変動を解析してTm値を決定する工程、および
(IV)前記Tm値から目的の多型の有無を決定する工程。
なお、(III)でTm値を評価することには、ハイブリッド形成体の解離温度を評価することだけでなく、ハイブリット形成体の融解時に温度に応じて変動する蛍光シグナルの微分値の大きさを評価することを含む。
核酸増幅の方法としては、例えば、ポリメラーゼを用いる方法があり、その例としては、PCR、ICAN、LAMP等が挙げられる。ポリメラーゼを用いる方法により増幅する場合は、
例えば、本発明プローブの存在下で増幅を行うことができる。用いるプローブに応じて、増幅の反応条件等を調整することは当業者であれば容易である。これにより、核酸の増幅後にプローブのTm値を解析するだけなので、反応終了後増幅産物を取り扱う必要がない。よって、増幅産物による汚染の心配がない。また、増幅に必要な機器と同じ機器で検出することが可能なので、容器を移動する必要すらない。よって、自動化も容易である。
またPCR法に用いるDNAポリメラーゼとしては、通常用いられるDNAポリメラーゼを特に制限なく用いることができる。例えば、GeneTaq(ニッポンジーン社製)、PrimeSTAR Max DNA Polymerase(タカラバイオ社製)、Taq Polymerase等を挙げることができる。
ポリメラーゼの使用量としては、通常用いられている濃度であれば特に制限はない。例えば、Taqポリメラーゼを用いる場合、反応溶液量50μlに対して0.01U〜100Uの濃度とすることができる。これにより、充分な増幅産物量を得ることができるなどの利点を有する。
本発明において、試料中のDNAは、一本鎖DNAでもよいし二本鎖DNAであってもよい。前記DNAが二本鎖DNAの場合は、例えば、前記ハイブリダイズ工程に先立って、加熱により前記試料中の二本鎖DNAを解離させる工程を含むことができる。二本鎖DNAを一本鎖DNAに解離することによって、前記蛍光標識オリゴヌクレオチドとのハイブリダイズが可能となる。
本発明において、前記試料中のDNAに対する、本発明のプローブの添加割合(モル比)は、制限されないが、検出シグナルを十分に確保できることから、例えば、試料中のDNAに対して1倍以下または0.3倍以下である。この際、試料中のDNAとは、例えば、検出目的の多型が発生している検出対象DNAと前記多型が発生していない非検出対象DNAとの合計でもよいし、検出目的の多型が発生している検出対象配列を含む増幅産物と前記多型が発生していない非検出対象配列を含む増幅産物との合計でもよい。なお、試料中のDNAにおける前記検出対象DNAの割合は、通常、不明であるが、結果的に、前記プローブの添加割合(モル比)は、例えば、検出対象DNA(検出対象配列を含む増幅産物)に対して100倍以下、50倍以下、または30倍以下である。また、その下限は特に制限されないが、例えば、0.001倍以上、0.01倍以上、または0.2倍以上である。前記DNAに対する本発明のプローブの添加割合は、例えば、二本鎖DNAに対するモル比でもよいし、一本鎖DNAに対するモル比でもよい。
Tm値について説明する。二本鎖DNAを含む溶液を加熱していくと、260nmにおける吸光度が上昇する。これは、二本鎖DNAにおける両鎖間の水素結合が加熱によってほどけ、一本鎖DNAに解離(DNAの融解)することが原因である。そして、全ての二本鎖DNAが解離して一本鎖DNAになると、その吸光度は加熱開始時の吸光度(二本鎖DNAのみの吸光度)の約1.5倍程度を示し、これによって融解が完了したと判断できる。この現象に基づき、融解温度Tmとは、一般に、吸光度が、吸光度全上昇分の50%に達した時の温度と定義される。
本発明において、Tm値を決定するための温度変化に伴うシグナル変動の測定は、前述のような原理から260nmの吸光度測定により行うこともできるが、例えば、本発明のプローブに付加した標識のシグナルに基づくシグナルであってDNAとプローブとのハイブリッド形成の状態に応じて変動するシグナルを測定することができる。このため、本発明のプローブとして、例えば、前述の標識化プローブを使用することができる。前記標識化プローブとしては、例えば、標的配列にハイブリダイズしないときに蛍光を発し、且つ標的配列にハイブリダイズしたときに蛍光強度が減少(消光)する蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ、または標的配列にハイブリダイズしないときに蛍光を発し、且つ標的配列にハイブリダイズしたときに蛍光強度が増加する蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブが挙げられる。前者のようなプローブであれば、検出対象配列とハイブリッド(二本鎖DNA)を形成している際にはシグナルを示さないか、シグナルが弱いが、加熱によりプローブが遊離するとシグナルを示すようになるか、シグナルが増加する。また、後者のプローブであれば、検出対象配列とハイブリッド(二本鎖DNA)を形成することによってシグナルを示し、加熱によりプローブが遊離するとシグナルが減少(消失)する。したがって、この標識に基づくシグナルの変化をシグナル特有の条件(吸光度等)で検出することによって、前記260nmの吸光度測定と同様に、融解の進行ならびにTm値の決定を行うことができる。標識化プローブにおける標識化物質は、例えば、前述のとおりであるが蛍光色素標識化プローブが使用できる。
次に、本発明の多型検出方法について、蛍光色素に基づくシグナルの変化を検出する方法について具体的例を挙げて説明する。なお、本発明の多型検出方法は、前記多型検出用プローブを使用すること自体が特徴であり、その他の工程や条件については何ら制限されない。
蛍光強度の変動を測定する際の温度範囲は、特に制限されないが、例えば、開始温度が室温〜85℃または25℃〜70℃であり、終了温度は、例えば、40℃〜105℃である。また、温度の上昇速度は、特に制限されないが、例えば、0.1℃/秒〜20℃/秒または0.3℃/秒〜5℃/秒である。
次に、前記シグナルの変動を解析してTm値として決定する。具体的には、得られた蛍光強度から各温度における微分値(−d蛍光強度/dt)を算出し、最も低い値を示す温度をTm値として決定できる。また、単位時間当たりの蛍光強度増加量(蛍光強度増加量/t)が最も高い点をTm値として決定することもできる。なお、標識化プローブとして、消光プローブではなく、ハイブリッド形成によりシグナル強度が増加するプローブを使用した場合には、反対に、蛍光強度の減少量を測定すればよい。
また、本発明においては、前述のように、ハイブリッド形成体を加熱して、温度上昇に伴う蛍光シグナル変動(例えば蛍光強度の増加)を測定するが、この方法に代えて、例えば、ハイブリッド形成時におけるシグナル変動の測定を行ってもよい。すなわち、前記プローブを添加した試料の温度を降下させてハイブリッド形成体を形成する際の前記温度降下に伴う蛍光シグナル変動を測定してもよい。
具体例として、相補配列にハイブリダイズしていないときの蛍光強度に比べて、相補配列にハイブリダイズしているときの蛍光強度が減少(消光)する蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブ(例えば、QProbe)を使用した場合、前記プローブを試料に添加した際には、前記プローブは解離状態にあるため蛍光強度が大きいが、温度の降下によりハイブリッド形成体を形成すると、前記蛍光が減少(または消光)する。したがって、例えば、前記加熱した試料の温度を徐々に降下して、温度下降に伴う蛍光強度の減少を測定すればよい。
他方、ハイブリッド形成によりシグナルが増加する標識化プローブ(例えば、TaqManプローブ、ロシュ・モレキュラー・システムズ社製)を使用した場合、前記プローブを試料に添加した際には、前記プローブは解離状態にあるため蛍光強度が小さい(または消光)が、温度の降下によりハイブリッドを形成すると、蛍光強度が増加するようになる。したがって、例えば、前記試料の温度を徐々に降下して、温度下降に伴う蛍光強度の増加を測定すればよい。
核酸増幅を行う際の鋳型となる核酸としては、核酸を含んでいればよく、特に制限されないが、例えば、血液、口腔粘膜懸濁液、爪や毛髪等の体細胞、生殖細胞、乳、腹水液、パラフィン包埋組織、胃液、胃洗浄液、腹膜液、羊水、細胞培養などの任意の生物学的起源に由来する又は由来しうるものである。鋳型となる核酸は、該起源から得られたままで直接的に、あるいは該サンプルの特性を改変するために前処理した後で使用することができる。例えば、全血を試料とする場合、全血からのゲノムDNAの単離は、従来公知の方法によって行うことができる。例えば、市販のゲノムDNA単離キット(商品名GFX
Genomic Blood DNA Purification kit;GEヘルスケアバイオサイエンス社製)等が使用できる。
PCR法に適用するプライマーは、本発明の多型検出用プローブがハイブリダイゼーションできる領域が増幅できるものであれば特に制限されず、配列番号1で示される塩基配列から、当業者であれば適宜設計することができる。プライマーの長さ及びTm値は、12mer〜40mer及び40℃〜70℃、又は16mer〜30mer及び55℃〜60℃にすることができる。
また、プライマーセットの各プライマーの長さは同一でなくてもよいが、両プライマーのTm値はほぼ同一(又は、Tm値の両プライマーでの差が5℃以内)であることが好ましい。
Tm解析は、本発明プローブの蛍光色素の蛍光を測定する他は通常の方法に従って行うことができる。蛍光の測定は、蛍光色素に応じた波長の励起光を用い発光波長の光を測定することに行うことができる。Tm解析における昇温速度は、通常には、0.3〜5℃/秒である。Tm解析を行うときの反応液の組成は、プローブとその塩基配列に相補的な配列を有する核酸とのハイブリダイゼーションが可能であれば特に制限されないが、通常には、一価の陽イオン濃度が1.5〜5 mM、pHが7〜9である。PCR等のDNAポリメラーゼを用いる増幅
方法の反応液は、通常、この条件を満たすので、増幅後の反応液をそのままTm解析に用いることができる。
Tm解析の結果に基づくPON1遺伝子多型(Q192R)ならびにCYP2C19*2およびCYP2C19*3遺伝
子多型の検出は通常の方法に従って行うことができる。本発明における検出とは、多型の有無の検出を包含する。
なお、本発明のプローブおよび方法により、多型の有無の検出が可能であるため、多型の有無に基づいて、クロピドクレルの薬効およびクロピドクレルに対する耐性を判断または予測することも本発明に含まれる。具体的には、PON1遺伝子多型のrs662の塩基が野生
型のAである場合(A/A)は、クロピドクレルが効きにくく、ステント血栓形成のリス
クが高いことが示唆され、変異型のGを含む場合(G/G)は、そのリスクが低いことが示唆される。また、CYP2C19*2(G681A)またはCYP2C19*3(G636A)変異がホモである場合(すなわち、CYP2C19*2がA/Aまたは CYP2C19*3がA/A)は、クロピドクレルなどの薬剤
の代謝効率が減少し副作用のリスクが上昇することが示唆される。
従って、本発明の方法により、PON1遺伝子多型(Q192R)並びにCYP2C19*2及びCYP2C19*3
遺伝子多型を全て同時に検出することが可能である。
PON1遺伝子多型と同時に検出(すなわち、同一の系で検出)を行なうことができる、CYP2C9*2およびCYP2C9*3変異部位の多型プローブは、例えば、特許文献2−4などに記載されている。具体的には、5’末端または3’末端が蛍光色素で標識され、ハイブリダイゼーションしたときに蛍光色素の蛍光が減少する核酸プローブであって、特許文献3の配列番号64および配列番号76の塩基配列からなる核酸プローブである。なお、特許文献3の配列番号64および配列番号76の塩基配列は、それぞれ本発明の配列番号24および配列番号28の塩基配列と同一である。
<2>本発明キット
本発明キットは、本発明の検出方法に用いるためのキットである。このキットは、蛍光色素で標識され、ハイブリダイゼーションしたときに蛍光色素の蛍光が変化する核酸プローブ(例えば、消光プローブ)であって、上記オリゴヌクレオチドからなる核酸プローブを含むことを特徴とする。なお、本発明のキットは、クロピドクレルの薬効およびクロピドクレルに対する耐性を判断または予測するのにも使用できる。
本発明検出キットは、プローブの他に、本発明の検出方法における核酸増幅を行うのに必要とされる試薬類、特にDNAポリメラーゼを用いる増幅のためのプライマーをさらに含
んでいてもよい。
具体的には、本発明のプライマーは、PON1遺伝子の配列番号1に示す塩基配列におけるP1、P1’、P2またはP2’のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする配列を含む領域を増幅するためのプライマー(例えば、配列番号16,17)であり、CYP2C19*2遺
伝子の配列番号21に示す塩基配列における配列番号24に示すオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする配列を含む領域を増幅するためのプライマー(例えば、配列番号22,23)および/もしくはCYP2C19*3遺伝子の配列番号25に示す塩基配列における配列番
号28に示すオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする配列を含む領域を増幅するためのプライマー(例えば、配列番号26,27)も本発明に含まれる。
本発明検出キットにおいてプローブ、プライマーおよびその他の試薬類は、別個に収容されていてもよいし、それらの一部が混合物とされていてもよい。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、これらの実施例は例示であり、これらに限定されない。
本発明において、検出対象となる試料中の試料核酸、多型検出用プローブ又はプライマーの個々の配列に関して、これら互いの相補的な関係に基づいて記述された事項は、特に断らない限り、それぞれの配列と、各配列に対して相補的な配列とについても適用される。各配列に対して相補的な当該配列について本発明の事項を適用する際には、当該相補的な配列が認識する配列は、当業者にとっての技術常識の範囲内で、対応する本明細書に記載された配列に相補的な配列に、明細書全体を読み替えるものとする。
実施例1(PON1の鋳型オリゴヌクレオチドを検出対象とし、単一プローブを用いる場合)
PON1遺伝子多型(Q192R)のrs662の部位を含む塩基配列(配列番号1)に基づき、表4に示す、3’末端部にCを有するプローブを設計した。表4中、プローブの位置は、配列番
号1に示す塩基配列における塩基番号を示す。Pacific Blueによる標識は、常法に従って
行った。
また、検出対象として使用した鋳型オリゴヌクレオチド(野生型(配列番号18)および変異型(配列番号19))の配列を表4に示す。表4中、オリゴの位置は、配列番号1に示す塩基配列における塩基番号を示す。なお、ヘテロ型の時は配列番号18,19の鋳型オリゴヌクレオチドを1:1で混合して試料に用いた。
Figure 2013162783
下記の試薬を用いて全自動SNPs検査装置(商品名i-densy(商標)、アークレイ社製)
でTm解析を行い、蛍光標識オリゴヌクレオチド(配列番号2)の性能を確認した。
Tm解析の条件は、95℃で1秒、40℃で60秒処理し、温度の上昇速度1℃/3秒で、40℃から75℃まで温度を上昇させ、その間の経時的な蛍光強度の変化を測定した。Tm解析における励起波長および検出波長は、それぞれ365〜415nmおよび445〜480nm (Pacific Blue)で
あった。
Figure 2013162783
表4のプローブを用いてTm解析を行った結果、野生型オリゴヌクレオチド(四角)については、Pacific Blueのピークが55℃付近に見られ、変異型オリゴヌクレオチド(ひし形)については、Pacific Blueのピークが62℃付近に見られた(図2)。また、野生型および変異型が混合したヘテロ型オリゴヌクレオチド(三角)については、Pacific Blueのピークが55℃および61℃付近に見られた(図2)。
上記のように、野生型(A/A)、ヘテロ型(A/G)、変異型(G/G)のいずれについても
明確な固有のピークが見られたため、お互いに区別がつくことが分かった。
実施例2(PON1の鋳型オリゴヌクレオチドを検出対象とし、単一プローブを用いる場合)
PON1遺伝子多型(Q192R)のrs662の部位を含む塩基配列(配列番号1)に基づき、表6に示す、5’末端部にCを有するプローブを設計した。表6中、プローブの位置は、配列番
号1に示す塩基配列における塩基番号を示す。TAMRAによる標識は、常法に従って行った

また、表4の鋳型オリゴヌクレオチド(野生型(配列番号18)および変異型(配列番号19))の配列を検出対象として使用した。なお、ヘテロ型の時は配列番号18,19の鋳型オリゴヌクレオチドを1:1で混合して試料に用いた。
Figure 2013162783
下記の試薬を用いて全自動SNPs検査装置(商品名i-densy(商標)、アークレイ社製)
でTm解析を行い、蛍光標識オリゴヌクレオチド(配列番号10)の性能を確認した。
Tm解析の条件は、95℃で1秒、40℃で60秒処理し、温度の上昇速度1℃/3秒で、40℃から75℃まで温度を上昇させ、その間の経時的な蛍光強度の変化を測定した。Tm解析における励起波長および検出波長は、それぞれ520〜555 nmおよび585〜700 nm(TAMRA)であっ
た。
Figure 2013162783
表6のプローブを用いてTm解析を行った結果、野生型オリゴヌクレオチド(四角)については、TAMRAのピークが60℃付近に見られ、変異型オリゴヌクレオチド(ひし形)に
ついては、TAMRAのピークが52℃付近に見られた(図4)。従って、野生型と変異型と
の区別がつくことが分かった。
また、野生型および変異型が混合したヘテロ型オリゴヌクレオチド(三角)については、TAMRAのピークが51℃および60℃付近に見られた(図4)。従って、野生型と変異
型から、ヘテロ型を区別できることが分かった。
比較例1(PON1の鋳型オリゴヌクレオチドを検出対象とし、単一プローブを用いる場合)
PON1遺伝子多型(Q192R)のrs662の部位を含む塩基配列(配列番号1)に基づき、表8に示す、5’末端部にCを有するプローブを設計した。表8中、プローブの位置は、配列番
号1に示す塩基配列における塩基番号を示す。TAMRAによる標識は、常法に従って行った

また、表4の鋳型オリゴヌクレオチド(野生型(配列番号18)および変異型(配列番号19))の配列を検出対象として使用した。なお、ヘテロ型の時は配列番号18,19の鋳型オリゴヌクレオチドを1:1で混合して試料に用いた。
Figure 2013162783
下記の試薬を用いて全自動SNPs検査装置(商品名i-densy(商標)、アークレイ社製)
でTm解析を行い、蛍光標識オリゴヌクレオチド(配列番号20)の性能を確認した。
Tm解析の条件は、95℃で1秒、40℃で60秒処理し、温度の上昇速度1℃/3秒で、40℃から75℃まで温度を上昇させ、その間の経時的な蛍光強度の変化を測定した。Tm解析におけ
る励起波長および検出波長は、それぞれ520〜555 nmおよび585〜700 nm(TAMRA)であっ
た。
Figure 2013162783
表8のプローブを用いてTm解析を行った結果、野生型オリゴヌクレオチド(四角)については、TAMRAのピークが60℃付近に見られ、変異型オリゴヌクレオチド(ひし形)に
ついては、TAMRAのピークが61℃付近に見られた(図4)。従って、Tm値のΔが小さい
ことから区別が付かないことが分かった。
また、野生型および変異型が混合したヘテロ型オリゴヌクレオチド(三角)については、TAMRAのピークが60℃付近のみに見られた(図4)。従って、ヘテロ型では、検出ピ
ークが1つしか得られず、野生型および変異型と区別できないことが分かった。
よって、実施例1,2の結果を併せて考慮すると、プローブの5’末端または3’末端のCが蛍光標識されていればどんなプローブ配列でもよいというわけではなく、配列番号2,10のプローブのように、配列番号1に示す塩基配列における290番目または304番目のCが蛍光標識されることが重要であると理解される。
実施例3(精製ヒトゲノムまたは全血を検出対象とし、複数プローブを用いる場合)
以下の通り、下記のプライマーを用いてPCRにより精製ヒトゲノムまたは全血の多型領
域を増幅し、配列番号2,24,28に示すプローブを用いてTm解析を行った。
まず、PON1遺伝子多型(Q192R)のrs662の部位を含む塩基配列(配列番号1)に基づき、多型の部位を増幅できるように表10に示すプライマーを設計した。表10中、プライマーの位置は、配列番号1に示す塩基配列における塩基番号を示す。
また、CYP2C19*2遺伝子多型(G681A)の部位を含む塩基配列(配列番号21)に基づき、多型の部位を増幅できるように表11に示すプライマーを設計した。表11中、プライマーの位置は、配列番号21に示す塩基配列における塩基番号を示す。なお、配列番号21の200番目をrで示しているが、野生型の塩基がGであり、変異型の塩基がAである。
さらに、CYP2C19*3遺伝子多型(G636A)の部位を含む塩基配列(配列番号25)に基づき、多型の部位を増幅できるように表11に示すプライマーを設計した。表11中、プライマーの位置は、配列番号25に示す塩基配列における塩基番号を示す。なお、配列番号25の302番目をrで示しているが、野生型の塩基がGであり、変異型の塩基がAである。
次いで、全自動SNPs検査装置(商品名i-densy IS-5310、アークレイ社製)を用いてPCRおよびTm解析を行った。PCR反応液の組成は下記の通りである。試料は、以下の全血または精製ヒトゲノムを用いた。PCRおよびTm解析の条件は、95℃、60秒→(95
℃、1秒→66℃、30秒)×50サイクル→95℃、1秒→40℃、60秒→(40℃→75℃、1℃/3秒)であった。
Tm解析における励起波長および検出波長は、それぞれ365〜415nmおよび445〜480nm (Pacific Blue)、それぞれ420〜485 nmおよび520〜555 nm(BODIPY FL)、または、それぞれ520〜555 nmおよび585〜700 nm(TAMRA)であった。
Figure 2013162783
Figure 2013162783
Figure 2013162783
Figure 2013162783
<精製DNA>
精製DNAについては、1 testあたり100コピーとなるようにPCR反応液に加え、鋳
型として使用した。
<全血の調製>
全血10μlを希釈液(1) 70μlに加え、よく混合した後、この混合液10μlを希釈液(2)
70μlに加えた。この混合液17μlを95℃10分で加熱して4μlの前処理済全血を得た。こ
れをPCR反応液に加え、前記前処理済全血からもたらされるDNAを鋳型として使用した。
Figure 2013162783
Pacific Blueの蛍光によりPON1遺伝子の評価を行った結果、精製ヒトゲノム(図5左図)および血液(図6左図)について、野生型および変異型の両方のピークが見られ、ヘテロ型(A/G)の多型であることが分かった。
BODIPY FLの蛍光によりCYP2C19*2遺伝子の評価を行った結果、精製ヒトゲノム(図5中央図)および血液(図6中央図)について、野生型のピークのみが見られ、野生型(G/G
)であることが分かった。
TAMRAの蛍光によりCYP2C19*3遺伝子の評価を行った結果、精製ヒトゲノム(図5右図)および血液(図6右図)について、変異型のピークのみが見られ、変異型(A/A)である
ことが分かった。
図5,6の結果より、配列番号2,24,28で示すプローブを用いたとき、PON1遺伝子多型ならびにCYP2C19*2およびCYP2C19*3遺伝子多型について、Tm解析で解析の可能な蛍光強度の変化が認められた。
すなわち、PON1遺伝子多型については、ヘテロ型のA/Gである精製ヒトゲノムおよび全
血は2つのピーク(56℃付近及び62℃付近)を有するものであり、固有の蛍光強度の変化量のパターンの変化が存在する。また、CYP2C19*2遺伝子多型についても、精製ヒト
ゲノムおよび全血は1つのピーク(54℃付近/野生型G/G)のみを有するものであり
、固有の蛍光強度の変化量のパターンの変化が存在する。さらに、CYP2C19*3遺伝子多型
についても、精製ヒトゲノムおよび全血は1つのピーク(62℃付近/変異型A/A)の
みを有するものであり、固有の蛍光強度の変化量のパターンの変化が存在する。
従って、配列番号2,24,28のプローブを同時に用いることにより、PON1遺伝子多型と、CYP2C19*2およびCYP2C19*3遺伝子多型とを同時に検出することができる。
また、配列番号10のプローブは、配列番号2のプローブと同様に、末端のCが蛍光標識されており、実施例2においてその効果が示されているので、配列番号10のプローブと配列番号24,28のプローブを同時に用いることによっても、PON1遺伝子多型と、CYP2C19*2およびCYP2C19*3遺伝子多型とを同時に検出することができる。
本発明は医療、診断、研究等の分野で好適に利用できる。

Claims (17)

  1. PON1遺伝子の多型を検出するためのプローブであって、下記P1、P1'、P2およびP2'から選択される少なくとも一種の蛍光標識オリゴヌクレオチドからなることを特徴とする多型検出用プローブ。
    (P1)配列番号1に示す塩基配列において塩基番号299〜304を含む6〜53塩基長の塩基配列又はそれに相同な配列を有し、塩基番号304に対応する塩基がシトシンであり、該シトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド。
    (P1')配列番号1に示す塩基配列において塩基番号299〜304を含む6〜53塩基
    長の塩基配列の相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を有し、塩基番号304に対応する塩基がシトシンであり、該シトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド。
    (P2)配列番号1に示す塩基配列において塩基番号290〜301を含む12〜54塩基長の塩基配列又はそれに相同な配列を有し、塩基番号290に対応する塩基がシトシンであり、該シトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド。
    (P2')配列番号1に示す塩基配列において塩基番号290〜301を含む12〜54塩
    基長の塩基配列の相補鎖に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を有し、塩基番号290に対応する塩基がシトシンであり、該シトシンが蛍光色素で標識されているオリゴヌクレオチド。
  2. 前記P1およびP1'のオリゴヌクレオチドが、蛍光色素で標識された塩基番号304に対応
    する塩基を3’末端から数えて1〜3番目の位置に有し、
    前記P2およびP2'のオリゴヌクレオチドが、蛍光色素で標識された塩基番号290に対応
    する塩基を5’末端から数えて1〜3番目の位置に有する、請求項1記載の多型検出用プローブ。
  3. 前記P1およびP1'のオリゴヌクレオチドが、蛍光色素で標識された塩基番号304に対応
    する塩基を3’末端に有し、
    前記P2およびP2'のオリゴヌクレオチドが、蛍光色素で標識された塩基番号290に対応
    する塩基を5’末端に有する、請求項1又は2に記載の多型検出用プローブ。
  4. 前記蛍光標識オリゴヌクレオチドは、標的配列にハイブリダイズしないときに蛍光を発し、且つ標的配列にハイブリダイズしたときに蛍光強度が減少するかまたは増加する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプローブ。
  5. 前記蛍光標識オリゴヌクレオチドが、標的配列にハイブリダイズしないときに蛍光を発し、標的配列にハイブリダイズしたときに蛍光強度が減少する、請求項4記載のプローブ。
  6. 前記P1およびP1’のオリゴヌクレオチドの塩基長が6〜28であり、
    前記P2およびP2’のオリゴヌクレオチドの塩基長が12〜28である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多型検出用プローブ。
  7. 前記P1およびP1’のオリゴヌクレオチドの塩基長が6〜18であり、
    前記P2およびP2’のオリゴヌクレオチドの塩基長が12〜18である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多型検出用プローブ。
  8. 前記プローブが、融解曲線分析用のプローブである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の多型検出用プローブ。
  9. 多型を含み得る核酸を含む試料中のPON1遺伝子の多型を検出する多型検出方法であって、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の多型検出用プローブと前記試料を接触させること及び前記多型の有無を検出することを含む、方法。
  10. PON1遺伝子における多型の検出方法であって、下記工程(I)〜(IV)を含むことを特
    徴とする方法。
    (I)DNAを含有する試料に、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプローブを添加して前記DNAに前記プローブをハイブリダイズさせる工程、
    (II)温度を変化させて前記DNAと前記プローブとのハイブリッド形成体を解離させ、ハイブリッド形成体の解離に基づくシグナルの変動を測定する工程、
    (III)前記シグナルの変動を解析してTm値を決定する工程、および
    (IV)前記Tm値から目的の多型の存在を決定する工程。
  11. さらに、前記(I)の前又は前記(I)と同時に、核酸を増幅することを含む、請求項10に記載の方法。
  12. さらに、配列番号21に示す塩基配列における200番目の塩基に対応する多型、及び配列
    番号25に示す塩基配列における302番目の塩基に対応する多型の少なくとも一方の多型を同一の系で検出することを含む請求項9〜11のいずれか一項に記載の多型検出方法。
  13. さらに、配列番号1に示す塩基配列における301番目の塩基に対応する多型と、配列番号21に示す塩基配列における200番目の塩基に対応する多型と、配列番号25に示す塩基配列における302番目の塩基に対応する多型とを同一の系で検出することを含む、請求項9〜12のいずれか一項に記載の多型検出方法。
  14. 請求項9〜13のいずれか一項に記載の多型検出方法により、PON1遺伝子における多型を検
    出すること、及び被験者由来の試料中の多型の有無に基づいて薬剤に対する耐性又は薬剤の薬効を判定することを含む被験者における薬剤の薬効の判定方法。
  15. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のプローブを含むPON1遺伝子における多型を検出する
    多型検出用試薬キット。
  16. 前記プローブがハイブリダイズする領域を含む塩基配列を増幅するためのプライマーをさらに含む請求項15に記載のキット。
  17. 配列番号21に示す塩基配列における200番目の塩基に対応する多型を検出するための多型検出用プローブと、
    配列番号25に示す塩基配列における302番目の塩基に対応する多型を検出するための多型検出用プローブとをさらに含む、請求項15又は16に記載の多型検出用試薬キット。
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