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JP2014093345A - 複数の基板上へシリコン膜を一括して形成する方法 - Google Patents

複数の基板上へシリコン膜を一括して形成する方法 Download PDF

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Tatsuya Shimoda
達也 下田
Keisuke Ohira
圭介 大平
Takashi Masuda
貴史 増田
Hideyuki Takagishi
秀行 高岸
Nakae Shin
仲▲榮▼ 申
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Abstract

【課題】一度の処理によって複数の基板上にシリコン膜を形成するための方法であって、プロセスコストが安く、作業効率が高い、前記方法を提供することを提供すること。
【解決手段】本発明は、複数の基板を積み重ねて加熱した状態で、常圧下で、シラン化合物を含有するCVD原料を加熱して発生した気化物と接触させることを特徴とする、複数の基板上へシリコン膜を一括して形成する方法に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、複数の基板上へシリコン膜を一括して形成する方法に関する。詳しくは、一度の処理によって複数の基板上へ高品質のシリコン膜を同時に形成する方法に関する。
集積回路、太陽電池などの用途に適用されるシリコン薄膜の形成には、従来からCVD(Chemical Vapor Deposition)法、PECVD(Plasma−Enhanced CVD)、スパッタ法などの気相プロセスが利用されている。これらの方法によると、高品質のシリコン膜を形成できる利点はあるものの、高真空を要するために装置が大掛かりとなるからプロセスコスト上の問題があるほか、原料の使用効率が悪いとの問題がある。
さらに、これらの気相プロセスでは、気相中の原料ガスまたはターゲットから発生した原料原子が基板表面に飛来・到達することによって成膜が行われるから、膜が形成されるべき基板面が気相に対してオープンな状態でなければならない。つまり、基板面が原料ガスまたは原料原子の飛来方向に対して遮蔽されていると、該遮蔽された基板面に成膜を行うことができない。従って、真空プロセスによって1つのチャンバー内で多数の基板上にシリコン膜を形成しようとする場合、少数枚ずつの成膜工程を繰り返して行うか、多数の基板を1つの面上に並べて配置して成膜するか、あるいは基板間の間隙を十分に大きくとりつつ積み重ねて配置して成膜することが必要であり、作業効率と、コンパクトなチャンバーサイズ(プロセスコストが安価である)とを両立することはできない。
なお、真空状態を要せずにシリコン膜を形成する技術として、塗布法が提案されている(特許文献1〜3)。塗布法は、基板上に水素化ケイ素化合物を塗布し、次いで熱処理または光処理によって前記ケイ素化合物を脱水素してシリコンに変換することにより、容易にアモルファスシリコン薄膜を形成することができる優れた技術である。しかし、塗布法によって製膜したシリコン膜は、厚膜化が困難であるほか、膜密度が低く、シリコン膜として期待される電気的・機械的特性が十分には得られ難い難点があり、さらなる改良が必要である。
特開2005−22964号公報 特開2006−93256号公報 特開2006−270042号公報
本発明は、上記のような現状を打開しようとするものである。
本発明の目的は、一度の処理によって複数の基板上にシリコン膜を形成するための方法であって、プロセスコストが安く、作業効率が高い、前記方法を提供することにある。
本発明によると、本発明の上記目的および利点は、
複数の基板を積み重ねて加熱した状態で、常圧下で、シラン化合物を含有するCVD原料を加熱して発生した気化物と接触させることを特徴とする、複数の基板上にシリコン膜を一括して形成する方法によって達成される。基板を加熱した状態で、常圧下でCVD原料を加熱して発生した気化物と接触させることを、本明細書において、以下「常圧CVD」という。
本発明の方法によると、気相に対してオープンな状態の基板面のみならず、積み重ねて配置した基板間の各面および最下層の基板の裏面にも高品質且つ均一なシリコン膜を形成することができる。
従って、本発明の方法によると、コンパクトなサイズのチャンバー内で、積み重ねて配置した多数の基板に対し、シリコン膜を一括形成することができるから、基板上へのシリコン膜形成工程における作業効率と安価なプロセスコストとが両立される。
本発明の方法によって形成されたシリコン膜は、例えば太陽電池、薄膜トランジスタ、光検出器などの用途に好適に適用することができる。
本発明の方法に使用される基板としては、特に限定されないが、例えば石英;ホウ珪酸ガラス、ソーダガラスなどのガラス;プラスチック;シリコーン樹脂;カーボン;金、銀、銅、シリコン、ニッケル、チタン、アルミニウム、タングステンなどの金属;これらの金属またはその酸化物もしくは混合酸化物などを表面に有するガラスまたはプラスチックなどからなる基板を使用することができる。前記混合酸化物としては、例えばITOなどの透明導電性酸化物を挙げることができる。
基板は、任意の平面形状を有する板状であることができる。
基板の表面は、平滑であってもよく、あるいは微細な凹凸からなるテクスチャーを有するものであってもよい。後者の場合、凹凸は任意のサイズであってよい。表面が平滑な基板としては、例えば鏡面仕上げを施したシリコン基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板などを;
表面にテクスチャーを有する基板としては、例えば表面にサンドブラスト加工、フッ化水素酸水溶液によるエッチングなどの処理を施した太陽電池用の多結晶シリコン基板などを、それぞれ挙げることができる。
本発明においては、CVDのチャンバー内に、上記のような基板を積み重ねて配置する。このとき、基板表面の凹凸のサイズまたはチャンバー内のクリーン度が後述の要件を満たすことを条件に、積層された基板間にスペーサーを配置する必要がない。
基板を積み重ねる枚数の制限については後述する。
本発明の方法において使用されるCVD原料は、シラン化合物を含有する。
上記シラン化合物は、水素化ケイ素化合物およびハロゲン化ケイ素化合物よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。ハロゲン化ケイ素化合物の有するハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。本発明で使用されるシラン化合物は、Si−O結合およびSi−C結合のいずれをも実質的に有さないものであることが好ましい。シラン化合物中の酸素原子および炭素原子の含有割合は、それぞれ独立に、10ppm以下とすることが好ましく、1ppm以下とすることがより好ましい。なお、本明細書における単位「ppm」は重量基準である(以下同じ)。
本発明の方法に使用されるシラン化合物としては、分子量が概ね500以下のシラン化合物を使用することが好ましく、25℃、1気圧において液体の状態にあるものを使用することがより好ましい。
このようなシラン化合物としては、例えば下記式(1)および(2)
Si2i (1)
Si2j−2 (2)
(上記式中、Xは、それぞれ、水素原子またはハロゲン原子であり、iは3〜8の整数であり、jは4〜14の整数である。)
のそれぞれで表される化合物およびネオペンタシランを好ましく例示することができ、これら化合物のうちから選択される1種以上を好適に使用することができる。
上記式(1)で表される化合物は、分子中に環状構造を1個有する水素化ケイ素化合物またはハロゲン化ケイ素化合物であり、上記式(2)で表される化合物は、分子中に環状構造を2個有する水素化ケイ素化合物またはハロゲン化ケイ素化合物である。上記式(1)および(2)のそれぞれで表される化合物としては、Xが水素原子である水素化ケイ素化合物が好ましい。
このようなシラン化合物の具体例としては、上記式(1)で表されるものとして、例えばシクロトリシラン、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン、シリルシクロペンタシランなどを;
上記式(2)で表されるものとして、例えばビシクロ[1.1.0]ブタシラン、ビシクロ[2.1.0]ペンタシラン、ビシクロ[2.2.0]ヘキサシラン、ビシクロ[3.2.0]ヘプタシラン、1,1’−シクロブタシリルシクロペンタシラン、1,1’−シクロブタシリルシクロヘキサシラン、1,1’−シクロブタシリルシクロヘプタシラン、1,1’−シクロペンタシリルシクロヘキサシラン、1,1’−シクロペンタシリルシクロヘプタシラン、1,1’−シクロヘキサシリルシクロヘプタシラン、スピロ[2.2]ペンタシラン、スピロ[3.3]ヘプタシラン、スピロ[4.4]ノナシラン、スピロ[4.5]デカシラン、スピロ[4.6]ウンデカシラン、スピロ[5.5]ウンデカシラン、スピロ[5.6]ドデカシラン、スピロ[6.6]トリデカシランなどを、それぞれ挙げることができる。ネオペンタシランは、化学式(SiHSiで表される化合物である。
シラン化合物としては、上記に例示した化合物の水素原子の一部または全部をSiH基またはハロゲン原子に置換した化合物を使用してもよい。
上記式(1)におけるiは、好ましくは3〜7の整数であり、上記式(2)におけるjは、好ましくは4〜7の整数である。
本発明の方法に使用されるシラン化合物としては、上記式(1)で表される化合物およびネオペンタシランが好ましく、特にシクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン、シリルシクロペンタシランおよびネオペンタシランよりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが、合成および精製ならびに取扱いが容易であるとともに、積み重ねて配置した基板の間の各面への成膜性が良好であるとの観点から特に好ましい。
本発明の方法に使用されるCVD原料は、上記のようなシラン化合物のみからなるものであってもよく、あるいは上記のようなシラン化合物のほかに他の成分をさらに含有していてもよい。この他の成分としては、例えばドーパント源を例示することができ、その具体例として、例えば白リン(P)、デカボラン(B1014)、水素化アルミニウムのアミン錯体などを挙げることができる。
本発明の方法に使用されるCVD原料は、上記のようなシラン化合物のみからなるか、あるいは該シラン化合物および場合により上記に例示した他の成分のみからなるものであることが好ましく、上記以外の成分(例えば溶媒など)を含有しないことが好ましい。
本発明の方法は、上記したような基板の複数を積み重ねて加熱した状態で、上記のCVD原料を用いて常圧CVDを行う方法である。
常圧とは、一般には概ね1気圧程度の気体圧力を示す概念であるが、本発明における常圧CVD工程の「常圧」とは、気象学的または気体分子運動論的に厳密な意味における1気圧の環境下にあることを示す概念ではなく、通常公知のCVD工程が行われる高真空よりも高い圧力下にある環境を意味する。具体的には、1×10Pa以上の圧力が好ましく、より好ましくは5×10〜1×10Paであり、さらに好ましくは7×10〜5×10Paであり、特に8×10〜2×10Paであることが好ましい。
このような圧力は、不活性雰囲気または還元性雰囲気によって形成されることが好ましい。
上記不活性雰囲気下とは、例えば窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス中をいう。これらの不活性ガスは、その酸素濃度および水分量が低減されたものであることが好ましい。不活性ガスは、その酸素濃度を、1ppm以下に制御することが好ましく、0.5ppm以下に制御することがより好ましく;
その水分量を、5ppm以下に制御することが好ましく、1ppm以下に制御することがより好ましい。
上記還元性雰囲気下とは、水素などの還元性ガス中または該還元性ガスと上記不活性ガスとの混合ガス中をいう。
塗膜形成工程は、不活性雰囲気下で行うことが特に好ましい。
常圧CVD工程に供するシラン化合物の量は、シリコン膜を形成すべき基板の表面積1mに対して、0.1〜2gとすることが好ましい。
シラン化合物の加熱温度は、60℃以上とすることが好ましく、80〜200℃とすることがより好ましく、特に100〜150℃とすることが好ましい。このような温度に加熱されたシラン化合物は気化し、該気化物の状態で加熱された基板と接触することとなる。
基板の加熱温度は、シラン化合物の分解温度以上とすることが好ましく、例えば300℃以上とすることができ、好ましくは300〜500℃であり、より好ましくは350〜450℃である。
常圧CVD工程の継続時間は、好ましくは1分以上であり、より好ましくは2〜180分であり、さらに4〜60分であることが好ましい。この時間をコントロールすることにより、形成されるシリコン膜の膜厚を制御することができる。
上記のような常圧CVD工程により、気相に対してオープンな基板面のみならず、積み重ねて配置した基板間の各面および最下層の基板の裏面にも高品質且つ均一なシリコン膜が形成される。CVD原料としてシラン化合物とともにドーパント源を併用した場合には、積み重ねて配置した基板全部の両面に、ドーパントが均一な濃度で分布したドープシリコン膜が形成される。
本発明の方法により形成されるシリコン膜の厚さは、気相に対してオープンな基板面上において、例えば5〜100nm、好ましくは8〜20nmであり;
積み重ねて配置した基板の層間の各面および最下層の基板の裏面上において、例えば0.5〜30nm、好ましくは1〜20nmである。
本発明の方法によって、気相に対してオープンな基板面のみならず、積み重ねて配置した基板間の各面および最下層の基板の裏面にもシリコン膜が形成される理由は未だ詳らかでないが、本発明者らは以下のように推察している。
上記の温度に加熱されたシラン化合物は、気化した状態で、加熱された基板上に飛来し、これと接触することとなる。しかし、加熱された基板と接触したシラン化合物の気化物は、直ちに分解してケイ素原子に変換されるのではなく、有意の時間が経過する間は元の分子の状態を維持しているものと考えられる。この状態が気体状であるか液体状であるか、あるいはこれ以外のどのような状態にあるかは不明である。そして、分解せずに元の分子状態を維持している間に、シラン化合物は基板間および最下層の基板裏面へ浸透し、しかる後に分解するのであろう。CVD原料としてシラン化合物とともにドーパント源を併用した場合には、ドーパント源もシラン化合物とともに基板間および最下層の基板裏面へ浸透した後に、原子状態へと分解されるものと思われる。これらのことは、CVDを知る当業者にとって、実に驚くべきことである。
本発明の方法によるシリコン膜の形成が上記のような機構によっているとすると、積み重ねて配置する基板の間には、シラン化合物の分子が浸透することができるだけの隙間が必要となるものと思われる。この隙間の幅としては、例えば10nm以上であると考えられ、好ましくは50nm以上であり、より好ましくは100nm以上であると考えられる。
表面が平滑な基板の場合(例えば表面を鏡面仕上げしたシリコン基板の場合)には、積み重ねて配置した基板の間に何らかのスペーサーが必要になるとも思われる。しかし、本発明者らの検討の結果、表面を鏡面仕上げしたシリコン基板の場合であっても、基板間に各別のスペーサーを配置せずとも、気相に対してオープンな基板面のほか、積み重ねて配置した基板間の各面および最下層の基板の裏面にもシリコン膜が形成された。この意外な結果は、周囲環境中に存在する微小な塵埃がスペーサーとして働いたことによると思われる。そうであるとするならば、本発明の方法を表面が平滑な基板に適用する場合、周囲環境のクリーン度を制限し、環境中に存在する塵埃を一定数確保することが必要となると思われる。基板間に10nm以上、好ましくは50nm、より好ましくは100nm以上の間隙を確保することが可能なクリーン度として、概算値ではあるが、以下の条件を提示することができる。
周囲環境1ft(立法フィート)中に含有される粒径(直径)0.5μm以上の塵埃数として、好ましくは0.1個/ft以上、より好ましくは1個/ft以上。
塵埃数の上限には特に制限はないが、膜欠陥のない良質な膜形成環境を確保するとの観点から、粒径0.5μm以上の塵埃数を、好ましくは1,000,000個/ft以下、より好ましくは100,000個/ft以下とすることが好ましい。半導体素子の製造を行うためのクリーンルームは、粒径0.5μm以上の塵埃数を、好ましくは100〜100,000個/ft、より好ましくは1,000〜10,000個/ft程度にコントロールしているから、該環境であればクリーン度の要件を考慮せずに本発明の方法を好適に実施することができる。
表面が平滑な基板の場合、上記のクリーン度の要件に加えて、基板を積み重ねる枚数を一定の枚数以下に制限することが、塵埃による隙間の確保を担保するとの観点から好ましい。基板の積み重ね枚数は、基板の材質および厚さによって異なるが、最下層の基板が受ける圧力が、1.5kPa以下となる枚数とすることが好ましく、0.25kPa以下となる枚数とすることが好ましい。この値は、周囲環境に存在する気体によって印可される圧力を含めない値である。この数字を具体的な基板枚数に換算すると、以下の如くである。基板として例えば厚さ0.5mmの単結晶シリコン基板またはガラス基板を使用する場合、基板の積み重ね枚数は、100枚以下とすることが好ましく、20枚以下とすることがより好ましい。
一方、基板がその表面に微細な凹凸からなるテクスチャーを有する場合、該テクスチャーパターンの表面凹凸がスペーサーとして働くから、上記基板間の隙間を確保するために基板間に各別のスペーサーを配置する必要はない。テクスチャーパターンの平面形状および断面形状は問わず、基板表面に複数の凸部が形成されておりさえすればよい。ここで「凸部」とは、基板表面に複数の凹部が形成されることにより、該凹部以外の部分が相対的に凸出することとなった場合であってもよい。テクスチャーパターンの表面凹凸のサイズは、表面凸部の平均高さとして、好ましくは10nm以上であり、より好ましくは50nm以上であり、さらに好ましくは100nm以上である。
表面にテクスチャーを有する基板の場合、積み重ねる基板の枚数にも特に制限はなく、チャンバーの容積(高さ)の許す限り、例えば1,000枚以下、好ましくは100枚以下、より好ましくは20枚以下に設定することができる。またこの場合、周囲環境のクリーン度(塵埃数)の下限値を考慮する必要はない。
例えば太陽電池用の多結晶シリコン基板の場合、表面テクスチャーの表面凹凸サイズ(表面凸部の平均高さ)が1〜3μm程度であるから、このテクスチャーがスペーサーとして働き、上記の要件を満たす。
本発明によると、以上のようにして、複数の基板上へシリコン膜またはドープシリコン膜を一括して形成することができる。
以下の合成例は、必要に応じて以下に記載のスケールで繰り返すことにより、以降の実験に必要な量を確保した。
合成例1(シクロペンタシランの合成)
温度計、冷却コンデンサー、滴下ロートおよび攪拌装置を取り付けた容量3Lの4つ口フラスコ内をアルゴンガスで置換した後、乾燥したテトラヒドロフラン1Lおよびリチウム金属18.3gを仕込み、アルゴンガスでバブリングして懸濁液を得た。0℃において攪拌しながらこの懸濁液にジフェニルジクロロシラン333gを滴下ロートより添加した。滴下終了後、リチウム金属が完全に消失するまで室温下においてさらに12時間攪拌を続けた。次いで、反応混合物を5Lの氷水に注ぎ、反応生成物を沈殿させた。この沈殿物を濾取し、水でよく洗浄した後、さらにシクロヘキサンで洗浄し、次いで真空乾燥して白色固体140gを得た。
この白色固体100gおよび乾燥したシクロヘキサン1,000mLを2Lのフラスコに仕込み、さらに塩化アルミニウム4gを加え、攪拌しながら室温下で乾燥した塩化水素ガスを8時間バブリングして反応混合物を得た。
別途に、3Lのフラスコ中に水素化リチウムアルミニウム40gおよびジエチルエーテル400mLを仕込み、アルゴン雰囲気下、0℃で攪拌しながら、上記の反応混合物を加え、同温にて1時間撹拌した後さらに室温で12時間撹拌を継続した。
反応混合物から副生物を除去した後、70℃、10mmHgにおいて減圧蒸留を行ったところ、シクロペンタシラン10gを無色の液体として得た。このものがシクロペンタシランであることは、IR、H−NMR、29Si−NMRおよびGC−MSの各スペクトルによって確認した。
実施例1
本実施例は、グローブボックス内の窒素雰囲気(酸素濃度<1ppm、露点<−75℃)下で行った。
410℃に調温したホットプレート上に、ガラス基板(20×20mm、厚さ0.5mm、重量0.466g)を4枚重ねて配置した後、5分間そのまま静置し、予熱した。次いで、CVD原料としての上記合成例1で合成したシクロペンタシラン40μLを上面と壁面との境界部内側に付着させた石英製のフタ(116×116mm、高さ2.3mm)で4枚の基板を覆い、20分間そのまま維持した。
20分後、石英製のフタを取り、ホットプレートの加熱を止めて室温まで放冷した。放冷後、基板の裏表を調べたところ、一番上に配置した基板の上面だけでなく、全部の基板の両面に茶褐色の均一な膜が形成された。これらの膜をラマン分光分析計(レニショー(株)製、顕微レーザーラマン分光器、光源HeNe)によって調べたところ、いずれもアモルファスシリコン膜であることが分かった。また、これらの膜について、暗伝導度測定を行ったところ、全部の基板の両面の中央部および基板端部(基板対角線の端から5mm中心によった位置)における固有抵抗値は、いずれも1010Ω・cm台であった。この値は、汎用のプラズマ増強CVD法によって形成されるデバイス級品質のノンドープシリコン膜と同等の数値である。
各基板の各面に形成されたシリコン膜の膜厚を、表1に示した。
実施例2
上記実施例1において、基板として両面を鏡面仕上げしたシリコン基板を使用し、ホットプレート上に重ねて配置する基板の数を3枚としたほかは、実施例1と同様に実施した。その結果、全部の基板の両面に均一なアモルファスシリコン膜が形成された。
各基板の各面に形成されたシリコン膜の膜厚を、表1に示した。
Figure 2014093345
実施例3
上記実施例1において、ホットプレート上に重ねて配置する基板の数を3枚とし、CVD原料として、上記合成例1で合成したシクロペンタシラン中に白リンを3重量%溶解した溶液の40μLを用いたほかは実施例1と同様に実施した。その結果、全部の基板の両面に、茶褐色の均一な膜が形成された。これらの膜を実施例1と同じラマン分光分析計によって調べたところ、いずれもアモルファスシリコン膜であることが分かった。また、これらの膜について、暗伝導度測定を行ったところ、全部の基板の両面の中央部および基板端部(基板対角線の端から5mm中心によった位置)における固有抵抗値は、いずれも10Ω・cm台であったことから、リンでドープされたアモルファスシリコン膜であることが明らかとなった。上記の測定点における固有抵抗値は、いずれも、3.4×10〜6.8×10Ω・cmの範囲内にあり、すべての測定点においてほぼ同濃度のリンが含有されていることが分かった。
各基板の各面に形成されたシリコン膜の膜厚および上記各測定点における固有抵抗値を、表2にそれぞれ示した。
実施例4
上記実施例3において、CVD原料として、上記合成例1で合成したシクロペンタシラン中にデカボランを3重量%溶解した溶液の40μLを用いたほかは実施例3と同様に実施した。その結果、全部の基板の両面に、茶褐色の均一な膜が形成された。これらの膜を実施例1と同じラマン分光分析計によって調べたところ、いずれもアモルファスシリコン膜であることが分かった。また、これらの膜について、暗伝導度測定を行ったところ、全部の基板の両面の中央部および基板端部(基板対角線の端から5mm中心によった位置)における固有抵抗値は、いずれも10Ω・cm台であったことから、ホウ素でドープされたアモルファスシリコン膜であることが明らかとなった。上記の測定点における固有抵抗値は、いずれも、1.5×10〜3.0×10Ω・cmの範囲内にあり、すべての測定点においてほぼ同濃度のホウ素が含有されていることが分かった。
各基板の各面に形成されたシリコン膜の膜厚および上記各測定点における固有抵抗値を、表2にそれぞれ示した。
Figure 2014093345

Claims (4)

  1. 複数の基板を積み重ねて加熱した状態で、常圧下で、シラン化合物を含有するCVD原料を加熱して発生した気化物と接触させることを特徴とする、複数の基板上へシリコン膜を一括して形成する方法。
  2. 上記シラン化合物が、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シリルシクロペンタシランおよびネオペンタシランよりなる群から選択される少なくとも1種の低分子化合物である、請求項1に記載の方法。
  3. 上記基板の表面が平滑であって、周囲環境における粒径0.5μm以上の塵埃数が0.1個/ft以上である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記基板の表面が凹凸からなるテクスチャーを有しており、該テクスチャーパターンが有する表面凸部の平均高さが100nm以上である、請求項1または2に記載の方法。
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