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JP2015201294A - 金属空気二次電池 - Google Patents

金属空気二次電池 Download PDF

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JP2015201294A
JP2015201294A JP2014078523A JP2014078523A JP2015201294A JP 2015201294 A JP2015201294 A JP 2015201294A JP 2014078523 A JP2014078523 A JP 2014078523A JP 2014078523 A JP2014078523 A JP 2014078523A JP 2015201294 A JP2015201294 A JP 2015201294A
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Keisuke Shimizu
圭輔 清水
有理 中山
Arimichi Nakayama
有理 中山
広範 飯田
Hironori Iida
広範 飯田
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Sony Corp
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Abstract

【課題】空気中の水分が電池内部へ浸入することを確実に抑制し得る構成、構造の金属空気二次電池を提供する。
【解決手段】非水系の金属空気二次電池は、空気極22の空気取り込み側に、吸湿性及びプロトン伝導性を有するガス透過膜21を有しており、ガス透過膜21に電圧を印加することによってガス透過膜21に吸着した水分が電気分解されることで、ガス透過膜21は吸湿した水分を放出する。
【選択図】 図1

Description

本開示は、金属空気二次電池、例えば、リチウム空気二次電池に関する。
金属空気二次電池はエネルギー密度に優れる金属を負極活物質に用い、正極活物質として空気中の酸素を用いることから、電極活物質量が半分で済み、理論的に大きなエネルギー密度を得ることが可能な電池である。金属空気二次電池は負極に用いる金属の種類に依存して、起電力及び容量が大きく異なる。その中でも、最も原子番号が小さいリチウム空気二次電池は非常に大きな容量を示すと共に、理論起電力も3ボルト程度と大きく、実用化に向けて盛んに研究が行われている。
金属空気二次電池は、例えば、ガス透過膜、空気極(正極)、電解質層及び負極から構成されており、これらは、外部から酸素を取り込む開口部が設けられた筐体に格納されている。空気極は、酸素の反応場であり、例えば、炭素材料や、炭素材料に金属触媒を加えた材料から作製されている。負極を構成する負極活物質は、例えば、リチウム(Li)やアルミニウム(Al)等から成る。空気極における集電体として、金属メッシュや導電性を有するガス拡散層が用いられ、負極における集電体として、例えば、金属箔や金属メッシュ等が用いられる。電解質層に用いられる電解液は、主に有機電解液を用いたものと、主に水溶性電解液を用いたものとに大別され、どちらもメリット、デメリットを有するが、有機電解液は理論容量が大きいというメリットを有する。電解質層は、例えば、空気極と負極との短絡を防止するためのセパレータ、及び、セパレータに含浸された電解液から構成される。固体電解質やポリマー電解質を用いれば、揮発することが無く、また、セパレータは不要である。
ところで、リチウム空気二次電池においては、放電時に空気極上で大気中の酸素とリチウムイオンとが反応することでLi22等のリチウム酸化物が生成するが、その際、大気中から水分が浸入すると、LiOHといった副生成物が生成し、これによって、リチウム空気二次電池の保存状態での性能保持特性やサイクル特性が劣化してしまう。そのため、空気極の空気取り込み側に備えられたガス透過膜によって、水分を空気極に到達させないようにする必要がある。尚、Li以外の材料においても、大気中からの水分と反応して水酸化物が生成し、この反応は不可逆なため、電池性能が劣化する。
特開平5−205786 特開平5−261851 特開2011−014478 特開2010−018840
特開平5−205786には、多孔性高分子膜に、溶媒可溶性フッ素樹脂とフッ化黒鉛との混合物を塗布した酸素透過性複合膜が開示されているが、それでも少なからず水分を透過してしまう。特開平5−261851には、撥水性を有する吸湿膜を用い、電池内部に浸入しようとする水分を吸着することで電池内部への水分浸入を抑制する技術が開示されているが、吸湿材料が吸湿できる水分量には限界があるため、上限値に達した以降は吸湿しなくなるという問題がある。特開2011−014478には、電解質にイオン液体を用いることによって電池への水分浸入を抑制する技術が開示されているが、完全に水分の浸入を防ぐことは困難である。特開2010−018840には、水の電気分解に必要とされる電圧以上の電圧を電解質に対して印加することによって、電池の電解質中に混入した水分を除去する技術が開示されているが、吸湿性の材料を有していないため、通常使用時に空気極に容易に水分が到達してしまう。
従って、本開示の目的は、空気中の水分が電池内部へ浸入することを確実に抑制することができ、しかも、長期に亙る使用を可能とする構成、構造の金属空気二次電池を提供することにある。
上記の目的を達成するための本開示の非水系の金属空気二次電池は、空気極の空気取り込み側に、吸湿性及びプロトン伝導性を有するガス透過膜を有しており、
ガス透過膜に電圧を印加することによってガス透過膜に吸着した水分が電気分解されることで、ガス透過膜は吸湿した水分を放出する。
本開示の非水系の金属空気二次電池は、空気極(正極)の空気取り込み側に吸湿性を有するガス透過膜を有しているので、空気中の水分が電池内部へ浸入することを確実に抑制することができる。しかも、ガス透過膜はプロトン伝導性を有しているので、ガス透過膜に電圧を印加することによってガス透過膜に吸着した水分を電気分解することができる結果、ガス透過膜は吸湿した水分を放出するので、ガス透過膜が吸湿できる水分量に実質的に上限が無く、ガス透過膜が水分を吸湿できなくなるといった問題の発生を確実に回避することができ、長期に亙る使用が可能である。尚、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また、付加的な効果があってもよい。
図1A並びに図1Bは、それぞれ、実施例1の非水系の金属空気二次電池の模式的な断面図、並びに、模式的な平面図であり、図1Cは、実施例1の非水系の金属空気二次電池の変形例の模式的な断面図である。 図2A並びに図2Bは、それぞれ、実施例2の非水系の金属空気二次電池の模式的な断面図、並びに、模式的な平面図であり、図2Cは、実施例2の非水系の金属空気二次電池の変形例の模式的な断面図である。 図3A及び図3Bは、それぞれ、実施例3及び実施例4の非水系の金属空気二次電池の模式的な断面図である。 図4Aは、実施例5の非水系の金属空気二次電池の模式的な断面図であり、図4B並びに図4Cは、それぞれ、実施例6の非水系の金属空気二次電池の模式的な断面図、並びに、ヒータ及びガス透過膜の配置を示す模式図である。 図5A及び図5Bは、それぞれ、実施例6の非水系の金属空気二次電池及びその変形例の模式的な平面図である。 図6A及び図6Bは、それぞれ、実施例7の非水系の金属空気二次電池及びその変形例の模式的な断面図である。 図7は、実施例8の非水系の金属空気二次電池の模式的な断面図である。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の非水系の金属空気二次電池、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の非水系の金属空気二次電池)
3.実施例2(実施例1の変形)
4.実施例3(実施例1の別の変形)
5.実施例4(実施例1の更に別の変形)
6.実施例5(実施例1の更に別の変形)
7.実施例6(実施例1〜実施例5の変形)
8.実施例7(実施例6の変形)
9.実施例8(実施例6の別の変形)、その他
[本開示の非水系の金属空気二次電池、全般に関する説明]
本開示の非水系の金属空気二次電池(以下、単に、『本開示の金属空気二次電池』と呼ぶ場合がある)において、吸湿性を付与する材料(以下、『吸湿材料』と呼ぶ場合がある)は、ゼオライト、活性炭、アルミナ及び有機金属構造体材料(Metal-Organic Framework)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料である形態とすることができる。尚、ゼオライトや有機金属構造体材料は、水分だけでなく空気中の二酸化炭素ガスを吸着する特性を有し、一層好ましい材料である。あるいは又、吸湿材料として、シリカゲル、メソポーラスシリカ、活性アルミナ、無水硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、無水塩化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、塩化亜鉛から成る群から選択された少なくとも1種類の材料である形態とすることができるし、あるいは又、高吸水性高分子を挙げることもできる。ここで、高吸水性高分子として、具体的には、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体といった澱粉−アクリルアミドグラフト共重合体等の澱粉系材料;セルロース−アクリロニトリルグラフト共重合体、カルボキシメチルセルロース架橋体といったセルロース系材料;ポリビニルアルコール架橋体等といったポリビニルアルコール系材料;アクリル酸とナトリウム・ビニルアルコール共重合体やポリアクリル酸ナトリウム架橋体といったポリアクリル酸ナトリウム系材料;N−置換アクリルアミド架橋体といったアクリルアミド系材料を挙げることができ、これらの材料から、適宜、選択して用いればよい。吸湿材料が電子伝導性を有していない場合、あるいは、吸湿材料が電子伝導性を僅かしか有していない場合、吸湿材料にカーボン等の導電助剤を含ませてもよい。
上記の好ましい形態を含む本開示の金属空気二次電池において、プロトン伝導性を付与する材料(以下、『プロトン伝導材料』と呼ぶ場合がある)は、プロトン性イオン液体、プロトン伝導性ポリマー及び酸化物材料から成る群から選択された少なくとも1種類の材料であることが好ましい。プロトン性イオン液体は、ブレンステッド塩基とブレンステッド酸との混合物から構成される。ブレンステッド塩基として、例えば、4,4’−トリメチレンジアミン、ピペリジン、ベンゾイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、ピペラジン、モルフォリン、ブチルアミン、ジプロピルアミン、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、及び、ジエチルメチルアミンを挙げることができる。ブレンステッド酸として、例えば、H3PO4、HBF4、H2SO4、CF3SO3H、トリフルオロメチルスルホニルアミド、トリフルオロメタンスルホネート、フルオロハイドロジェネート等を挙げることができる。プロトン伝導性ポリマーとして、具体的には、パーフルオロ系高分子、ベンズイミダゾール系高分子、ポリイミド系高分子、ポリエーテルイミド系高分子、ポリフェニレンスルフィド系高分子、ポリスルホン系高分子,ポリエーテルスルホン系高分子、ポリエーテルケトン系高分子、ポリエーテル・エーテルケトン系高分子、ポリフェニルキノキサリン系高分子を挙げることができる。酸化物材料として、具体的には、ABO3で表されるペロブスカイト型の酸化物であるSrCeO3、SrZrO3のような、Bサイトを3価の希土類等で置換したものを挙げることができる。
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の金属空気二次電池において、ガス透過膜は、プロトン伝導性を付与する材料から成る第1層と、吸湿性を付与する材料から成る第2層との積層構造を有する構成とすることができ、これによって、ガス透過膜における短絡発生を確実に防止することができる。あるいは又、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の金属空気二次電池において、ガス透過膜は、吸湿性を付与する材料とプロトン伝導性を付与する材料とが混合された混合層から成る構成とすることができる。そして、この場合、ガス透過膜は分離層を有しており、ガス透過膜は、分離層によって上層と下層に分離されている構成とすることができ、これによって、ガス透過膜における短絡発生を確実に防止することができる。吸湿材料及びプロトン伝導材料は、上記のとおりである。また、分離層を構成する材料として、後述するセパレータを構成する材料を挙げることができる。尚、場合によっては、プロトン伝導性を付与する材料から成る第1層と吸湿性を付与する材料から成る第2層との間に、分離膜を配置してもよい。即ち、以上を纏めると、ガス透過膜の構成として、
(A)プロトン伝導性を付与する材料から成る第1層/吸湿性を付与する材料から成る第2層
(B)プロトン伝導性を付与する材料から成る第1層/分離膜/吸湿性を付与する材料から成る第2層
(C)吸湿性を付与する材料とプロトン伝導性を付与する材料とが混合された混合層
(D)吸湿性を付与する材料とプロトン伝導性を付与する材料とが混合された混合層/プロトン伝導性を付与する材料から成る層
(E)吸湿性を付与する材料とプロトン伝導性を付与する材料とが混合された混合層/分離膜/プロトン伝導性を付与する材料から成る層
(F)吸湿性を付与する材料とプロトン伝導性を付与する材料とが混合された混合層/分離膜/吸湿性を付与する材料とプロトン伝導性を付与する材料とが混合された混合層
を挙げることができる。
あるいは又、本開示の金属空気二次電池において、ガス透過膜は、吸湿性及びプロトン伝導性を付与する材料から成る形態とすることができる。ここで、吸湿性及びプロトン伝導性を付与する材料として、ナフィオン(登録商標。シグマアルドリッチジャパン合同会社の製品であり、炭素−フッ素から成る疎水性テフロン骨格とスルホン酸基を持つパーフルオロ側鎖から構成されるパーフルオロカーボン材料であり、tetrafluoroethylene と perfluoro[2-(fluorosulfonylethoxy)propylvinyl ether] の共重合体)を挙げることができる。そして、この場合、ガス透過膜は分離層を有しており、ガス透過膜は、分離層によって上層と下層に分離されている構成とすることができ、これによって、ガス透過膜における短絡発生を確実に防止することができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の金属空気二次電池においては、バインダー(結着材)を用いてガス透過膜を賦形する形態とすることができる。ここで、バインダーとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を挙げることができる。尚、ガス透過膜には撥水性を有する材料が含まれていてもよいし、ガス透過膜の表面に撥水処理が施されていてもよい。ガス透過膜の膜厚や組成比は、特に限定されるものではないが、金属空気二次電池の放電に足り得る酸素ガス透過速度や酸素ガス透過量が十分に担保されること、ガス透過膜が水分を通過させないこと、形状が安定に保持されること等によって決定される。あるいは又、バインダーとして、ポリトリメチルシリルプロピン([C(CH3)=C(Si(CH33)]n)、シリコーン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、クロロプレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、シリコーンポリカーボネート共重合体、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステル、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)を挙げることができるし、撥水性を有するフッ素系樹脂(具体的には、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体)を挙げることもできる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の金属空気二次電池において、空気極と対向するガス透過膜の第1面には第1電極が設けられ、第1面と対向するガス透過膜の第2面には第2電極が設けられている形態とすることができる。そして、この場合、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することで、ガス透過膜が吸湿した水分が電気分解され、酸素ガス及び水素ガスが系外に放出される形態とすることができ、更には、第1電極と第2電極との間に印加する電圧は、水を電気分解するのに必要とされる電圧以上の電圧である形態とすることができる。また、これらの形態にあっては、第1電極と空気極を構成する集電体とは共通である構成とすることができる。第1電極、第2電極は、例えば、後述する空気極を構成する集電体と同様の構成、構造とすることができる。本開示の金属空気二次電池の好ましい形態、構成においては、第1電極が第1層と接し、第2電極が第2層と接していてもよいし、第2電極が第1層と接し、第1電極が第2層と接していてもよい。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の金属空気二次電池において、ガス透過膜の空気取り込み側には撥水フィルタ層が配されている形態とすることができ、このような形態とすることで、ガス透過膜への水分の到達を少しでも少なくすることができる。ここで、撥水フィルタ層を構成する材料として、フッ素系樹脂を挙げることができる。具体的には、フッ素系樹脂として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体を挙げることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の金属空気二次電池において、ガス透過膜と空気極の間には撥液材料層が配されている形態とすることができる。撥液材料層を構成する材料として、例えば、上記の撥水フィルタ層を構成する材料を挙げることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の金属空気二次電池において、ガス透過膜と空気極との間には空隙が設けられている形態とすることができる。このように、ガス透過膜と空気極との間に空隙を設けることで、空隙において酸素ガスを蓄えることが可能となり、ガス透過膜を透過した酸素の空気極への供給がより円滑になる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む本開示の金属空気二次電池においては、外部からのエネルギー供給によってガス透過膜が加熱されることで、ガス透過膜は、更に、吸湿した水分を放出する形態とすることができる。このような形態の金属空気二次電池を、便宜上、『加熱機構付きの金属空気二次電池』と呼ぶ。
そして、加熱機構付きの金属空気二次電池にあっては、
ヒータが更に備えられており、
外部から供給されるエネルギーは電力であり、
ヒータへの電力の供給によってヒータが発熱することで、ガス透過膜は吸湿した水分を放出する構成とすることができる。そして、この場合、ヒータは、ニッケル−クロム系発熱体、鉄−クロム−アルミニウム系発熱体、モリブデン、タングステン、白金、二ケイ化モリブデン、炭化ケイ素、黒鉛、ジルコニア、及び、ランタンクロマイトから成る群から選択された少なくとも1種類の材料から成る構成とすることができる。更には、これらの構成において、ヒータはガス透過膜と接して配されている構成とすることができるし、あるいは又、ヒータはガス透過膜内部に配されている構成とすることができる。ヒータの形状は本質的に任意であり、例えば、ヒータを構成する材料を細線化し、メッシュ状に編むことでヒータを得ることができる。細線の太さや長さ、ヒータに給電するための配線の構造、配線の膜厚方向の位置等は、ガス透過膜の膜厚、発熱性等に基づき決定すればよい。場合によっては、ヒータは、第1電極を兼ねていてもよいし、第2電極を兼ねていてもよい。
尚、外部から供給されるエネルギーは、電力に限定するものでなく、例えば、電磁波を挙げることができるし、熱とすることもできる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む加熱機構付きの金属空気二次電池において、ガス透過膜と空気極との間には断熱材料層が配されている形態とすることができる。そして、この場合、更に、ガス透過膜の空気取り込み側には第2の断熱材料層が配されている形態とすることができる。ここで、断熱材料層、第2の断熱材料層を構成する材料として、グラスウール、ロックウール、アルミナ、シリカ、ケイ酸カルシウム、セラミックファイバ、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム等を挙げることができる。このような形態とすることで、ガス透過膜の加熱時、熱が金属空気二次電池の内部や外部に伝わることを抑制することができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態、構成を含む加熱機構付きの金属空気二次電池において、ガス透過膜と空気極との間には熱膨張材料層が配されている形態とすることができる。そして、この場合、熱膨張材料層には開口部が設けられており、熱膨張材料層の熱膨張によって開口部が閉鎖される形態とすることができる。即ち、ガス透過膜の加熱時、熱膨張材料層が膨張する結果、開口部が閉塞されることによって、ガス透過膜から蒸発した水分が金属空気二次電池の内部に浸入することを確実に防ぐことができる。この場合、熱膨張材料層を、断熱性が高い熱膨張材料、あるいは、断熱性が高い熱膨張材料を含む材料から構成することが好ましい。熱膨張材料層を構成する熱膨張材料として、具体的には、ポリジメチルシロキサンを挙げることができる。
金属空気二次電池を構成する空気極は、導電性材料、触媒材料、結着材等から構成される。
空気極を構成する導電性材料は、導電性を有し、金属空気二次電池の使用環境に耐え得るものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ケッチェンブラックやアセチレンブラックといったカーボンブラックや、活性炭、グラファイト、カーボンファイバー等の炭素材料;芳香環を含む合成樹脂、石油ピッチ等を焼成して得られたメソポーラスカーボン;ポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料;多孔質性の酸化物材料や金属材料(例えば、金属繊維等の導電性繊維、銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の金属粉末)等を挙げることができる。空気極の表面上に放電生成物が生成されるため、導電性材料の比表面積は大きいことが望ましく、また、空気極中の導電性材料の含有量を出来るだけ高くすることが、容量の観点からも望ましい。
空気極を構成する触媒材料として、Mn、Fe、Co、Ni、V、W等の少なくとも1つを含む酸化物を挙げることができ、具体的には、MnO2、Mn34、MnO、FeO2、Fe34、FeO、CoO、Co34、NiO、NiO2、V25、WO3、CuOといった酸化物や、La0.6Sr0.4MnO3、La0.6Sr0.4FeO3、La0.6Sr0.4CoO3、La0.6Ca0.4CoO3、Pr0.6Ca0.4MnO3、LaNiO3、La0.6Sr0.4Mn0.2Fe0.83といったペロブスカイト型構造を有する複合酸化物を挙げることができる。また、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)等の金属材料、コバルトフタロシアニン等の有機金属錯体等を挙げることもできる。触媒量は特に限定されるものではなく、必要な触媒機能を発現する程度の含有量を満たしていれば、出来る限り少ないことが望ましい。但し、触媒を用いることは必須ではない。
空気極を構成する結着材として、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹、具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等、一般に金属空気二次電池に用いられる材料を挙げることができる。含有量は、特に限定されるものではなく、電極の形状が安定に保持されている限り、出来る限り少ないことが望ましい。
空気極における集電体として、金属メッシュ(グリッド)やガス拡散層(カーボン等から成る)といったガス透過性及び導電性が高いものを用いることが望ましいが、金属空気二次電池の使用環境に耐え得るものであれば、材料は特に限定されるものではない。あるいは又、空気極における集電体は、例えば、スポンジ状の(発泡)金属材料、パンチド・メタル、エクスパンデッド・メタル等の多孔体材料から作製すればよく、金属材料として、例えば、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、銅、あるいは、これらの合金、ステンレス鋼等を挙げることができる。
空気極は、所定の比率で、電極材料をN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトン、イソプロピルアルコール等の有機溶媒と混合し、混合物を集電体上に塗布し、乾燥することで作製することができるし、混合物を集電体上に圧着することで作製することもできる。乾燥後に、プレス等を用いて整形してもよい。
金属空気二次電池を構成する負極に含有される金属(負極活物質)として、リチウム(Li)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)等を挙げることができるが、金属空気二次電池の高容量化を実現するためにはリチウムを用いることが望ましい。
負極活物質としてリチウムを用いる場合、金属空気二次電池を構成する負極を、リチウムイオンを吸蔵放出する材料から構成することが好ましい。リチウムイオンを吸蔵放出する材料として、例えば、金属リチウム、リチウム合金、Si合金、Sn合金、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、リチウム複合酸化物、黒鉛やコークス等の炭素材料を挙げることができる。
ここで、金属酸化物として、リチウムチタン系酸化物、リチウムスズ系酸化物、リチウムケイ素系酸化物、リチウムニオブ系酸化物、リチウムタングステン系酸化物、スズ酸化物、ケイ素酸化物、ニオブ酸化物、タングステン酸化物等を挙げることができる。酸化物として、例えば、酸化鉄(FeO2等)、酸化タングステン(WO2)、酸化マンガン(MnO2)、LiWO2、LiMoO2、In23、ZnO、SnO2、NiO、TiO2、V25、Nb25等を挙げることができる。
また、金属硫化物として、ニッケル硫化物、モリブデン硫化物、リチウムスズ硫化物、リチウムチタン硫化物等を挙げることができ、具体的には、例えば、NiS、MoS、LiTiS2を挙げることができる。
金属窒化物として、リチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げることができ、具体的には、例えば、窒化物としてLiN3、BC2Nを挙げることができる。
また、リチウム合金として、例えば、Al、Zn、Pb、Si、Sn、Mg、In、Ca、Sb等とLiとの合金、ウッド合金とリチウムの合金(ウッド合金:Bi、Pb、Sn、Cdの四元共晶合金)等を挙げることができる。
更には、Sn合金として、例えば、Si、Ni、Cu、Fe、Co、Mn、Zn、In、Ag、Ti、Ge、Bi、Sb、Crの何れかを含む合金を挙げることができる。
また、Si合金として、例えば、Sn、Ni、Cu、Fe、Co、Mn、Zn、In、Ag、Ti、Ge、Bi、Sb、Crの何れかを含む合金を挙げることができる。
リチウムを吸蔵していない負極材料へのリチウムの吸蔵は、例えば、次のようにして行うことができる。即ち、例えば、Sn、Si、Al、Sb等を金属リチウムと共にメカニカルアロイング処理することによって、リチウム合金化とすることができる。あるいは又、炭素材料と金属リチウムとをメカニカルアロイング処理することによって、リチウム吸蔵炭素材料とすることができる。あるいは又、リチウムを吸蔵していない負極材料を電極として、これを電解液中に入れ、金属リチウムを対極にした電池セルを構成し、両電極を短絡して、負極材料に電気化学的にリチウムドープさせることもできる。
負極の形態・形状として、金属箔や金属シート、金属板、バルク状、メッシュ状、多孔質状を挙げることができる。あるいは又、導電性材料や結着材料等と金属等とを混合して負極を作製してもよく、この場合、導電性材料や結着材料の含有量は、特に限定されるものではなく、負極の導電性が十分に保たれ、負極の形状が保持されている限り、出来るだけ少なくすることが望ましい。
負極における集電体として、金属箔や金属メッシュ材料を挙げることができるが、電子伝導性が高く、金属空気二次電池の使用環境に耐え得るものであれば、材料は特に限定されるものではなく、例えば、銅、ステンレス鋼、ニッケル等を挙げることができる。集電体の形態・形状として、例えば、箔状、板状、メッシュ(グリッド)状を挙げることができる。
負極も、構成、構造に依るが、例えば、空気極と同様の方法で作製することができる。
金属空気二次電池を構成する電解質層は、空気極と負極との間のイオン伝導を担う電解液、及び、電解液によって満たされたセパレータから成る。
電解質層を構成する非水系の電解液は、金属イオン導電性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、例えばリチウム空気二次電池における電解液を構成するリチウム塩として、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiC(CF3SO23を挙げることができるし、LiCoN等のリチウム窒化物を挙げることもできる。また、非水系の電解質として、ポリエチレンオキシド等に電解質を加えたポリマー電解質や、ポリフッ化ビニリデン等によって電解液を保持したゲル電解質を用いることもできる。あるいは又、非水系の電解質として、鎖状構造の4級アンモニウムカチオン又は環状構造の4級アンモニウムカチオンを含むイオン液体、あるいは、これらの混合物に、LiTFSI、LiPF6、LiClO4のようなリチウム含有金属塩を溶解させた溶液を用いることもできる。更には、非水系の電解質として、酸化物や硫化物材料から成る固体電解質(例えば、PVdF、HFP、PVDF−HFP、PAN、PEO等の高分子、又は、これらの共重合体を用いて構成されたもの)を用いることもできる。
電解液において使用される有機溶媒として、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、シロキサンや、イオン液体、これらの混合物等を挙げることができる。電解液中の塩濃度として、特に限定するものではないが、一般的には、0.1モル/リットル乃至2モル/リットル程度を例示することができる。
セパレータは、金属イオンを透過させる機能を有し、空気極(正極)と負極とを分離し、電解液を空気極(正極)と負極との間に保持する機能を有する。内部短絡を防止する機能を有していてもよい。電解質層を構成するセパレータの材料として、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)等)から成る多孔質フィルム;合成樹脂(ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド等)製の不織布;ガラス繊維製の不織布等を挙げることができる。電解質が固体等である場合、セパレータは必ずしも必要ではない。
本開示の金属空気二次電池におけるガス透過膜の作製方法として、以下の方法を例示することができるが、これに限定するものではない。即ち、所定の比率で、プロトン伝導材料及びバインダー(結着材)を有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトン、イソプロピルアルコール等)と混合し、第1混合物を得る。また、所定の比率で、吸湿材料及びバインダーを上記の有機溶媒と混合し、第2混合物を得る。あるいは又、所定の比率で、吸湿材料とプロトン伝導材料(あるいは、吸湿性及びプロトン伝導性を付与する材料)及びバインダーを上記の有機溶媒と混合し、第3混合物を得る。
そして、第1電極の上に第1混合物を塗布し、第1混合物の上に第2混合物を塗布し、第2混合物の上に第2電極を配置し、第1混合物及び第2混合物を乾燥する。あるいは又、第1電極の上に第1混合物を塗布する一方、第2電極の上に第2混合物を塗布する。そして、第1混合物と第2混合物とを積層し、第1混合物及び第2混合物を乾燥する。こうして、プロトン伝導材料から成る第1層と、吸湿材料から成る第2層との積層構造を有するガス透過膜を製造することができる。乾燥後に、プレス等を用いて整形してもよい。
あるいは又、第1電極の上に第3混合物を塗布し、第3混合物の上に分離層を配した後、分離層の上に第3混合物を更に塗布し、更に、第3混合物の上に第2電極を配置する。そして、第3混合物を乾燥する。こうして、吸湿材料とプロトン伝導材料とが混合された混合層(分離層が配されている)から成るガス透過膜、あるいは、吸湿性及びプロトン伝導性を付与する材料から成るガス透過膜(分離層が配されている)を製造することができる。乾燥後に、プレス等を用いて整形してもよい。
あるいは又、第1電極の上に第1混合物を塗布し、第1混合物の上に第2混合物を塗布し、第2混合物の上にヒータを配し、ヒータの上に更に第2混合物を塗布し、第2混合物の上に更に第2電極を配置する。そして、第1混合物及び第2混合物を乾燥する。あるいは又、第1電極の上に第1混合物を塗布する。一方、第2電極の上に第2混合物を塗布し、第2混合物の上にヒータを配置し、ヒータの上に更に第2混合物を塗布する。そして、第1混合物と第2混合物を積層し、第1混合物及び第2混合物を乾燥する。こうして、プロトン伝導材料から成る第1層と、吸湿材料から成る第2層(ヒータが配されている)との積層構造を有するガス透過膜を製造することができる。乾燥後に、プレス等を用いて整形してもよい。
あるいは又、第1電極の上に第3混合物を塗布し、分離層を配した後、分離層の上に第3混合物を更に塗布し、第3混合物の上にヒータを配し、ヒータの上に更に第3混合物を塗布し、更に、第3混合物の上に第2電極を配置する。そして、第3混合物を乾燥する。こうして、吸湿材料とプロトン伝導材料とが混合された混合層(ヒータ及び分離層が配されている)から成るガス透過膜、あるいは、吸湿性及びプロトン伝導性を付与する材料から成るガス透過膜(ヒータ及び分離層が配されている)を製造することができる。乾燥後に、プレス等を用いて整形してもよい。
筐体(電池ケース、容器)の形状は、必要に応じて、適宜、選択される。空気極、負極、セパレータ、電解液等を収納する筐体の形状として、コイン型、ボタン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。筐体は、少なくとも空気極が十分に大気と接触可能な構造を有する大気開放型であってもよいし、空気極と対向する部分に酸素を含有する気体(空気)が空気極に到達し得るような開口部が筐体に設けられていてもよいし、気体(空気)の導入管及び排気管が設けられた密閉型であってもよい。開口部のサイズや数は特に限定されるものではない。筐体内には、金属空気二次電池を、1つ、配置してもよいし、複数、配置してもよい。後者の場合、複数の金属空気二次電池において、開口部、ガス透過膜を共通化することもできる。
本開示の金属空気二次電池から、電池パックを構成することができるし、電子機器や電子デバイス(例えば、携帯電話、モバイル機器、ロボット、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、カメラ一体型VTR(ビデオテープレコーダ)、車載機器、各種家庭電気製品、工業製品等)の電源として電子機器や電子デバイスに組み込むことができるし、電動車両(電気自動車、電動バイク、電動自転車、鉄道車両、ハイブリッド自動車)の動力源として電動車両に組み込むことができる。また、例えば、スマートグリッド、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)、車両等の電力システムに組み込むこともできる。
実施例1は、本開示の非水系の金属空気二次電池に関する。実施例1の金属空気二次電池10Aの模式的な断面図を図1Aに示し、実施例1の金属空気二次電池10Aの模式的な平面図を図1Bに示す。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例8の金属空気二次電池は、ガス透過膜21、空気極22、電解質層23及び負極24が、この順に、積層されて成り、これらは、筐体(電池ケース、容器)11に格納されている。筐体11の形状は平板型であり、筐体11は蓋部12によって閉鎖されており、蓋部12には複数の空気導入孔13が設けられている。ここで、具体的には、空気極22は、ケッチェンブラックから成る導電性材料、二酸化マンガンから成る触媒材料、及び、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成る結着材から構成されている。電解質層23は、テトラエチレングリコールジメチルエーテルとLiTFSIから成る非水系の電解液、及び、ポリエチレンから成るセパレータから構成されている。負極24はリチウム(Li)箔から成る。筐体(電池ケース、容器)11及び蓋部12はアルミニウム・ラミネートフィルムから作製されている。空気極22(具体的には、空気極22を構成する図示しない集電体)は接続端子14Aに接続されており、負極24(具体的には、負極24を構成する図示しない集電体)は接続端子14Bに接続されている。
空気極22における集電体(図示せず)は、ステンレス鋼から成る金属メッシュ(グリッド)から構成されている。そして、空気極22は、所定の比率で、電極材料を有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)と混合し、混合物を集電体上に塗布し、乾燥することで作製することができるし、混合物を集電体上に圧着することで作製することができる。乾燥後に、プレス等を用いて整形してもよい。負極24における集電体は、板状のステンレス鋼から成り、負極24と接して、電解質層23とは反対側に配されている。
そして、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例8の金属空気二次電池は、空気極22の空気取り込み側に、吸湿性及びプロトン伝導性を有するガス透過膜21を有しており、ガス透過膜21に電圧を印加することによってガス透過膜21に吸着した水分が電気分解されることで、ガス透過膜21は吸湿した水分を放出する。ガス透過膜21は、具体的には、ゼオライトから成る吸湿材料、パーフルオロ系高分子(具体的には、パーフルオロスルホン酸ポリマー)から成るプロトン伝導材料、及び、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)から成るバインダー(結着材)から構成されている。ここで、ガス透過膜21は、より具体的には、プロトン伝導性を付与する材料から成る第1層21Aと、吸湿性を付与する材料から成る第2層21Bの積層構造を有する。
空気極22と対向するガス透過膜21の第1面21aには第1電極31が設けられ、第1面21aと対向するガス透過膜21の第2面21bには第2電極32が設けられている。第1層21Aは第1電極31と接しており、第2層21Bは第2電極32と接している。尚、第1層21Aが第2電極32と接し、第2層21Bが第1電極31と接している状態としてもよい。即ち、第1層21Aと第2層21Bの積層順を逆にしてもよい。そして、第1電極31と第2電極32との間に電圧を印加することで、即ち、例えば、第1電極31に第2電極32よりも高い電圧を印加すると、以下の反応が進行し、ガス透過膜21が吸湿した水分が電気分解され、酸素ガス及び水素ガスが系外に放出される。第1電極31と第2電極32との間に印加する電圧は、水を電気分解するのに必要とされる電圧以上の電圧である。第1電極31は、具体的には、炭素から構成されており、第2電極32は、具体的には、ステンレス鋼や白金等から構成されている。
第1電極側
2H2O → O2 + 4H+ + 4e-
第2電極側
2H+ + 2e- → H2
ガス透過膜21は、例えば、以下の方法で作製することができる。即ち、所定の比率で、プロトン伝導材料及び結着材を有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)と混合して第1混合物を作製する。また、吸湿材料及び結着材を有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)と混合して第2混合物を作製する。そして、第1電極31の上に第1混合物を塗布し、第1混合物の上に第2混合物を塗布し、第2混合物の上に第2電極32を配置し、次いで、第1混合物及び第2混合物を乾燥する。乾燥後に、プレス等を用いて整形してもよい。第1電極31、第2電極32は、それぞれ、電力供給端子15A,15Bに接続されている。ガス透過膜21による電気分解によって生成した水素ガス及び酸素ガスは、空気導入孔13を介して系外に排出される。
図1Cに、実施例1の金属空気二次電池10Aの変形例の模式的な断面図を示す。この変形例において、ガス透過膜21Cは、吸湿材料とプロトン伝導材料とが混合された混合層から成る。そして、この場合、ガス透過膜21Cは分離層33を有しており、ガス透過膜21Cは、分離層33によって上層と下層に分離されている。あるいは又、ガス透過膜21Cは、吸湿性及びプロトン伝導性を付与する材料から成る。ここで、吸湿性及びプロトン伝導性を付与する材料として、具体的には、ナフィオンを挙げることができる。そして、この場合にも、ガス透過膜21は分離層33を有しており、ガス透過膜21Cは、分離層33によって上層と下層に分離されている。このように、分離層33を設けることで、ガス透過膜21における短絡発生を確実に防止することができる。
実施例1の金属空気二次電池を充電する際、通常、外部電源を用いて金属空気二次電池に電圧を印加するが、この充電時、あるいは、充電と前後して、ガス透過膜に電圧を印加する。実施例1の非水系の金属空気二次電池は、空気極(正極)の空気取り込み側に吸湿性を有するガス透過膜を有しているので、空気中の水分が電池内部へ浸入することを確実に抑制することができる。しかも、ガス透過膜はプロトン伝導性を有しているので、ガス透過膜に電圧を印加することによってガス透過膜に吸着した水分を電気分解することができる結果、ガス透過膜は吸湿した水分を放出する。それ故、ガス透過膜が吸湿できる水分量に実質的に上限が無く、ガス透過膜が水分を吸湿できなくなるといった問題の発生を確実に回避することができ、長期に亙る使用が可能である。例えば、スマートフォン等のモバイル機器を何日かに一度、充電するタイミングに合わせて、ガス透過膜の吸湿性を回復させることで、半永久的に、金属空気二次電池の内部への水分の浸入を抑制することが可能になる。
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2の金属空気二次電池10Bの模式的な断面図を図2Aに示し、模式的な平面図を図2Bに示すように、実施例2にあっては、第1電極と空気極22を構成する集電体とは、これらが共通とされた共通電極22Aによって構成されている。共通電極22Aは接続端子14Aに接続されており、第2電極32は電力供給端子15に接続されている。図2Cに模式的な断面図を示す実施例2の金属空気二次電池10Bの変形例は、図1Cに示した実施例1の金属空気二次電池10Aの変形例を実施例2に適用した例である。以上の点を除き、実施例2の金属空気二次電池10Bの構成、構造は、実施例1の金属空気二次電池10Aの構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例3も、実施例1に変形である。実施例3の金属空気二次電池10Cの模式的な断面図を図3Aに示すように、ガス透過膜21の空気取り込み側には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成る撥水フィルタ層34が配されている。即ち、撥水フィルタ層34、ガス透過膜21、空気極22、電解質層23及び負極24が、この順に、積層されて成り、これらは、筐体(電池ケース、容器)11に格納されている。そして、これによって、ガス透過膜21への水分の到達を少しでも少なくすることができる。以上の点を除き、実施例3の金属空気二次電池10Cの構成、構造は、実施例1の金属空気二次電池10Aの構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例3の金属空気二次電池10Cを実施例2の金属空気二次電池10Bと組み合わせることができる。具体的な組合せを表1に示す。
実施例4も、実施例1に変形である。実施例4の金属空気二次電池10Dの模式的な断面図を図3Bに示すように、ガス透過膜21と空気極22の間には撥液材料層35が配されている。即ち、ガス透過膜21、撥液材料層35、空気極22、電解質層23及び負極24が、この順に、積層されて成り、これらは、筐体(電池ケース、容器)11に格納されている。撥液材料層35を構成する材料として、例えば、実施例4における撥水フィルタ層34を構成する材料を挙げることができる。以上の点を除き、実施例4の金属空気二次電池10Dの構成、構造は、実施例1の金属空気二次電池10Aの構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例4の金属空気二次電池10Dを、実施例2の金属空気二次電池10Bと組み合わせることができるし、実施例3の金属空気二次電池10Cと組み合わせることができるし、実施例2及び実施例3の金属空気二次電池10B,10Cと組み合わせることができる。具体的な組合せを表1に示す。
実施例5も、実施例1に変形である。実施例5の金属空気二次電池10Eの模式的な断面図を図4Aに示すように、ガス透過膜21と空気極22との間には空隙36が設けられている。このように、ガス透過膜21と空気極22との間に空隙36を設けることで、空隙36において酸素ガスを蓄えることが可能となり、ガス透過膜21を透過した酸素の空気極22への供給がより円滑になる。以上の点を除き、実施例5の金属空気二次電池10Eの構成、構造は、実施例1の金属空気二次電池10Aの構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例5の金属空気二次電池10Eを、実施例2の金属空気二次電池10Bと組み合わせることができるし、実施例3の金属空気二次電池10Cと組み合わせることができるし、実施例4の金属空気二次電池10Dと組み合わせることができるし、実施例2及び実施例3の金属空気二次電池10B,10Cと組み合わせることができるし、実施例2及び実施例4の金属空気二次電池10B,10Dと組み合わせることができるし、実施例3及び実施例4の金属空気二次電池10C,10Dと組み合わせることができるし、実施例2、実施例3及び実施例4の金属空気二次電池10B,10C,10Dと組み合わせることができる。具体的な組合せを表1に示す。
実施例6は、実施例1〜実施例5の変形であり、加熱機構付きの金属空気二次電池に関する。実施例6の金属空気二次電池10Fの模式的な断面図を図4Bに示し、ヒータ及びガス透過膜の配置を示す模式図を図4Cに示し、模式的な平面図を図5Aに示す。
実施例6の金属空気二次電池10Fにおいては、外部からのエネルギー供給によってガス透過膜21が加熱されることで、ガス透過膜21は、更に、吸湿した水分を放出する。
実施例6の金属空気二次電池10Fにあっては、ニッケル−クロム系発熱体から成るヒータ37が更に備えられている。そして、外部から供給されるエネルギーは電力であり、ヒータ37への電力の供給によってヒータ37が発熱することで、ガス透過膜21は吸湿した水分を放出する。ここで、ヒータ37はガス透過膜21の内部に配されている。ヒータ37は、電力供給端子16A,16Bに接続されている。あるいは又、電力供給端子16A,16Bを省略して、ヒータ37を、電力供給端子15A,15Bに接続してもよい。ガス透過膜21から放出された水分は、空気導入孔13を介して系外に排出される。尚、ヒータ37はガス透過膜21と接して配されている構成とすることもできる。具体的には、ヒータ37はガス透過膜21の空気極側に配置されていてもよいし、ヒータ37はガス透過膜21の空気極側とは反対側に配置されていてもよい。また、場合によっては、ヒータは、第1電極31を兼ねていてもよいし、第2電極32を兼ねていてもよい。ヒータが第2電極32Aを兼ねている例を図5Bに示す。
実施例6の金属空気二次電池において、金属空気二次電池を充電する際、通常、外部電源を用いて金属空気二次電池に電圧を印加するが、この充電時、あるいは、充電と前後して、別の端子からエネルギー(具体的には、電力)をガス透過膜に供給することで、ガス透過膜を例えば100゜C程度に加熱し、ガス透過膜が吸湿した水分を放出させる。こうして、吸湿材料から成るガス透過膜の吸湿性を回復することが可能になる。即ち、実施例6の金属空気二次電池にあっては、空気極(正極)の空気取り込み側に吸湿材料から成るガス透過膜が備えられているので、空気中の水分が電池内部へ浸入することを確実に抑制することができる。しかも、ガス透過膜に吸着した水分を電気分解するだけでなく、外部からのエネルギー供給によってガス透過膜が加熱されることでガス透過膜は吸湿した水分を放出するので、ガス透過膜が吸湿できる水分量には、実質的に上限が無く、ガス透過膜が水分を吸湿できなくなるといった問題の発生を確実に回避することができ、長期に亙る使用が可能となる。
実施例6の金属空気二次電池10Fを、実施例2の金属空気二次電池10B、実施例3の金属空気二次電池10C、実施例4の金属空気二次電池10D、実施例5の金属空気二次電池10Eの少なくとも1つと組み合わせることができる。具体的な組合せを表2に示す。
実施例7も、実施例6の変形である。実施例7の非水系の金属空気二次電池10Gの模式的な断面図を図6A及び図6Bに示す。実施例7の金属空気二次電池10Gにおいて、ガス透過膜21と空気極22との間には断熱材料層38が配されている(図6A参照)。更には、ガス透過膜21の空気取り込み側には第2の断熱材料層39が配されている(図6B参照)。即ち、ガス透過膜21、断熱材料層38、空気極22、電解質層23及び負極24が、この順に、積層されて成り、これらは、筐体(電池ケース、容器)11に格納されており、あるいは又、第2の断熱材料層39、ガス透過膜21、断熱材料層38、空気極22、電解質層23及び負極24が、この順に、積層されて成り、これらは、筐体(電池ケース、容器)11に格納されている。断熱材料層38、第2の断熱材料層39を構成する材料として、具体的には、グラスウールを挙げることができる。このような形態とすることで、ガス透過膜21の加熱時、熱が金属空気二次電池10Gの内部や外部に伝わることを抑制することができる。以上の点を除き、実施例7の金属空気二次電池10Gの構成、構造は、実施例6の金属空気二次電池10Fの構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例7の金属空気二次電池10Gを、実施例3の金属空気二次電池10C、実施例4の金属空気二次電池10D、実施例5の金属空気二次電池10Eの少なくとも1つと組み合わせることができる。具体的な組合せを表3、表4に示す。また、表3、表4に示した実施例の組合せに対して、更に、実施例2の金属空気二次電池10Bを組み合わせることができる。
実施例8も、実施例6の変形である。実施例8の非水系の金属空気二次電池10Hの模式的な断面図を図7に示す。実施例8の金属空気二次電池10Hにおいて、ガス透過膜21と空気極22との間には、ポリジメチルシロキサンから成る熱膨張材料層40が配されている。即ち、ガス透過膜21、熱膨張材料層40、空気極22、電解質層23及び負極24が、この順に、積層されて成り、これらは、筐体(電池ケース、容器)11に格納されている。そして、熱膨張材料層40には開口部41が設けられており、熱膨張材料層40の熱膨張によって開口部41が閉鎖される。これによって、ガス透過膜21から蒸発した水分が金属空気二次電池10Hの内部に浸入することを防ぐことができる。以上の点を除き、実施例8の金属空気二次電池10Hの構成、構造は、実施例6の金属空気二次電池10Fの構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例8の金属空気二次電池10Hを、実施例3の金属空気二次電池10C、実施例4の金属空気二次電池10D、実施例5の金属空気二次電池10E、実施例7の金属空気二次電池10Gの少なくとも1つと組み合わせることができる。具体的な組合せを表5、表6、表7に示す。また、表5、表6、表7に示した実施例の組合せに対して、更に、実施例2の金属空気二次電池10Bを組み合わせることができる。
[表1]
Figure 2015201294
[表2]
Figure 2015201294
[表3]
Figure 2015201294
[表4]
Figure 2015201294
[表5]
Figure 2015201294
[表6]
Figure 2015201294
[表7]
Figure 2015201294
以上、本開示の金属空気二次電池を好ましい実施例に基づき説明したが、本開示の金属空気二次電池はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した金属空気二次電池の構成、構造、構成要素を構成する各種材料は、例示であり、適宜、変更することができる。筐体(電池ケース、容器)の形状は、必要に応じて選べばよく、コイン型、ボタン型、円筒型、ラミネート型等とすることができる。また、筐体は、少なくとも空気極が十分に大気と接触可能な構造を有する大気開放型とすることもできるし、空気の導入管及び排気管が設けられた密閉型であってもよい。筐体内には、金属空気二次電池を、1つ、配置してもよいし、複数、配置してもよい。後者の場合、複数の金属空気二次電池において、開口部、ガス透過膜を共通化することもできる。
尚、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[A01]《金属空気二次電池》
空気極の空気取り込み側に、吸湿性及びプロトン伝導性を有するガス透過膜を有しており、
ガス透過膜に電圧を印加することによってガス透過膜に吸着した水分が電気分解されることで、ガス透過膜は吸湿した水分を放出する非水系の金属空気二次電池。
[A02]吸湿性を付与する材料は、ゼオライト、活性炭、アルミナ及び有機金属構造体材料から成る群から選択された少なくとも1種類の材料である[A01]に記載の金属空気二次電池。
[A03]吸湿材料は、シリカゲル、メソポーラスシリカ、活性アルミナ、無水硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、無水塩化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム及び塩化亜鉛から成る群から選択された少なくとも1種類の材料である[A01]に記載の金属空気二次電池。
[A04]プロトン伝導性を付与する材料は、プロトン性イオン液体、プロトン伝導性ポリマー及び酸化物材料から成る群から選択された少なくとも1種類の材料である[A01]乃至[A03]のいずれか1項に記載の金属空気二次電池。
[A05]ガス透過膜は、プロトン伝導性を付与する材料から成る第1層と、吸湿性を付与する材料から成る第2層の積層構造を有する[A01]乃至[A04]のいずれか1項に記載の金属空気二次電池。
[A06]ガス透過膜は、吸湿性を付与する材料とプロトン伝導性を付与する材料とが混合された混合層から成る[A01]乃至[A04]のいずれか1項に記載の金属空気二次電池。
[A07]ガス透過膜は、吸湿性及びプロトン伝導性を付与する材料から成る[A01]に記載の金属空気二次電池。
[A08]吸湿性及びプロトン伝導性を付与する材料は、炭素−フッ素から成る疎水性テフロン骨格とスルホン酸基を持つパーフルオロ側鎖から構成されるパーフルオロカーボン材から成る[A07]に記載の金属空気二次電池。
[A09]ガス透過膜は分離層を有しており、
ガス透過膜は、分離層によって上層と下層に分離されている[A06]乃至[A08]のいずれか1項に記載の金属空気二次電池。
[A10]バインダーを用いてガス透過膜を賦形する[A01]乃至[A09]のいずれか1項に記載の金属空気二次電池。
[A11]空気極と対向するガス透過膜の第1面には第1電極が設けられ、第1面と対向するガス透過膜の第2面には第2電極が設けられている[A01]乃至[A10]のいずれか1項に記載の金属空気二次電池。
[A12]第1電極と第2電極との間に電圧を印加することで、ガス透過膜が吸湿した水分が電気分解され、酸素ガス及び水素ガスが系外に放出される[A11]に記載の金属空気二次電池。
[A13]第1電極と第2電極との間に印加する電圧は、水を電気分解するのに必要とされる電圧以上の電圧である[A12]に記載の金属空気二次電池。
[A14]第1電極と空気極を構成する集電体とは共通である[A11]乃至[A13]のいずれか1項に記載の金属空気二次電池。
[A15]ガス透過膜の空気取り込み側には撥水フィルタ層が配されている[A01]乃至[A13]のいずれか1項に記載の金属空気二次電池。
[A16]ガス透過膜と空気極の間には撥液材料層が配されている[A01]乃至[A15]のいずれか1項に記載の金属空気二次電池。
[A17]ガス透過膜と空気極との間には空隙が設けられている[A01]乃至[A16]のいずれか1項に記載の金属空気二次電池。
[B01]外部からのエネルギー供給によってガス透過膜が加熱されることで、ガス透過膜は、更に、吸湿した水分を放出する[A01]乃至[A17]のいずれか1項に記載の金属空気二次電池。
[B02]ヒータが更に備えられており、
外部から供給されるエネルギーは電力であり、
ヒータへの電力の供給によってヒータが発熱することで、ガス透過膜は吸湿した水分を放出する[B01]に記載の金属空気二次電池。
[B03]ヒータは、ニッケル−クロム系発熱体、鉄−クロム−アルミニウム系発熱体、モリブデン、タングステン、白金、二ケイ化モリブデン、炭化ケイ素、黒鉛、ジルコニア、及び、ランタンクロマイトから成る群から選択された少なくとも1種類の材料から成る[B02]に記載の金属空気二次電池。
[B04]ヒータはガス透過膜と接して配されている[B02]又は[B04]に記載の金属空気二次電池。
[B05]ヒータはガス透過膜内部に配されている[B02]又は[B04]に記載の金属空気二次電池。
[B06]ガス透過膜と空気極との間には断熱材料層が配されている[B01]乃至[B05]のいずれか1項に記載の金属空気二次電池。
[B07]ガス透過膜の空気取り込み側には第2の断熱材料層が配されている[B06]に記載の金属空気二次電池。
[B08]ガス透過膜と空気極との間には熱膨張材料層が配されている[B01]乃至[B07]のいずれか1項に記載の金属空気二次電池。
[B09]熱膨張材料層には開口部が設けられており、
熱膨張材料層の熱膨張によって開口部が閉鎖される[B08]に記載の金属空気二次電池。
10・・・金属空気二次電池、11・・・筐体、12・・・蓋部、13・・・空気導入孔、14A,14B・・・接続端子、15A,15B,16A,16B・・・電力供給端子、21,21C・・・ガス透過膜、21A・・・ガス透過膜の第1層、21B・・・ガス透過膜の第2層、22・・・空気極、22A・・・共通電極、23・・・電解質層、24・・・負極、31・・・第1電極、32・・・第2電極、33・・・分離層、34・・・撥水フィルタ層、35・・・撥液材料層、36・・・空隙、37・・・ヒータ、38・・・断熱材料層、39・・・第2の断熱材料層、40・・・熱膨張材料層、41・・・開口部

Claims (17)

  1. 空気極の空気取り込み側に、吸湿性及びプロトン伝導性を有するガス透過膜を有しており、
    ガス透過膜に電圧を印加することによってガス透過膜に吸着した水分が電気分解されることで、ガス透過膜は吸湿した水分を放出する非水系の金属空気二次電池。
  2. 吸湿性を付与する材料は、ゼオライト、活性炭、アルミナ及び有機金属構造体材料から成る群から選択された少なくとも1種類の材料である請求項1に記載の金属空気二次電池。
  3. 吸湿材料は、シリカゲル、メソポーラスシリカ、活性アルミナ、無水硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、無水塩化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム及び塩化亜鉛から成る群から選択された少なくとも1種類の材料である請求項1に記載の金属空気二次電池。
  4. プロトン伝導性を付与する材料は、プロトン性イオン液体、プロトン伝導性ポリマー及び酸化物材料から成る群から選択された少なくとも1種類の材料である請求項1に記載の金属空気二次電池。
  5. ガス透過膜は、プロトン伝導性を付与する材料から成る第1層と、吸湿性を付与する材料から成る第2層の積層構造を有する請求項1に記載の金属空気二次電池。
  6. ガス透過膜は、吸湿性を付与する材料とプロトン伝導性を付与する材料とが混合された混合層から成る請求項1に記載の金属空気二次電池。
  7. ガス透過膜は分離層を有しており、
    ガス透過膜は、分離層によって上層と下層に分離されている請求項6に記載の金属空気二次電池。
  8. バインダーを用いてガス透過膜を賦形する請求項1に記載の金属空気二次電池。
  9. 空気極と対向するガス透過膜の第1面には第1電極が設けられ、第1面と対向するガス透過膜の第2面には第2電極が設けられている請求項1に記載の金属空気二次電池。
  10. 第1電極と第2電極との間に電圧を印加することで、ガス透過膜が吸湿した水分が電気分解され、酸素ガス及び水素ガスが系外に放出される請求項9に記載の金属空気二次電池。
  11. 第1電極と第2電極との間に印加する電圧は、水を電気分解するのに必要とされる電圧以上の電圧である請求項10に記載の金属空気二次電池。
  12. 第1電極と空気極を構成する集電体とは共通である請求項9に記載の金属空気二次電池。
  13. ガス透過膜の空気取り込み側には撥水フィルタ層が配されている請求項1に記載の金属空気二次電池。
  14. ガス透過膜と空気極の間には撥液材料層が配されている請求項1に記載の金属空気二次電池。
  15. ガス透過膜と空気極との間には空隙が設けられている請求項1に記載の金属空気二次電池。
  16. 外部からのエネルギー供給によってガス透過膜が加熱されることで、ガス透過膜は、更に、吸湿した水分を放出する請求項1に記載の金属空気二次電池。
  17. ヒータが更に備えられており、
    外部から供給されるエネルギーは電力であり、
    ヒータへの電力の供給によってヒータが発熱することで、ガス透過膜は吸湿した水分を放出する請求項16に記載の金属空気二次電池。
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