JP2015222414A - テラヘルツ波発生装置、及びこれを用いた測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 変調の幅が大きく且つ安定的に強度変調されたテラヘルツ波を得ることができるテラヘルツ波発生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置100であって、光源からの光の偏光状態を制御する偏光制御部5と、偏光制御部からの光10が入射することによりテラヘルツ波26を発生する非線形光学結晶6を有する導波路201と、を有し、偏光制御部は、非線形光学結晶に入射する前記光の非線形光学結晶のZ軸方向の電界強度を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】 テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置100であって、光源からの光の偏光状態を制御する偏光制御部5と、偏光制御部からの光10が入射することによりテラヘルツ波26を発生する非線形光学結晶6を有する導波路201と、を有し、偏光制御部は、非線形光学結晶に入射する前記光の非線形光学結晶のZ軸方向の電界強度を制御する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、非線形光学結晶を用いてテラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置、及びこれを用いた測定装置に関する。
テラヘルツ波は、30GHz以上30THz以下のうち少なくとも一部の周波数帯域を有する電磁波である。テラヘルツ波の発生方法として、非線形光学結晶に光を入射して非線形光学過程によってテラヘルツ波を発生する方法がある。非特許文献1には、発生したテラヘルツ波を電気光学的チェレンコフ放射現象によって取り出す方法が記載されており、この方法は、光伝導素子に比べて広帯域でパルス幅の狭いテラヘルツ波を得られるため、測定装置の性能の向上が期待できる。
非線形光学結晶を用いて発生したテラヘルツ波検出する検出部から出力される信号をロックインアンプにより検出する場合には、テラヘルツ波の強度が一定の変調周波数で変化するように強度変調する必要がある。ロックインアンプで強度変調の周波数成分を検出することで、テラヘルツ波の瞬間的な電界強度に相当する信号を得ることができる。
テラヘルツ波の強度変調の方法としては、ポンプ光がテラヘルツ波発生部に到達する前に、回転式の光チョッパーによってポンプ光を強度変調する方法がある。しかし、この方法は、光チョッパーの回転速度に限界があり、測定速度や測定によって取得されるデータのダイナミックレンジの上限に制限がある。別の方法として、テラヘルツ波発生部としての光伝導素子に入射する光の偏光方向を変調する方法が特許文献1に開示されている。また、光が伝搬している導波路に電界を印加することにより、光を変調する方法が、特許文献2に開示されている。
IEEE Selct.Topic.in Quantum Electron.vol.19,p.8500212,2013.
光伝導素子によるテラヘルツ波の発生は、自由キャリアに印加される電場による電流発生を利用するものである。そのため、特許文献1に開示された方法では、光により励起された半導体層の自由キャリアの励起効率を大きく変えることはできず、発生するテラヘルツ波の強度を大きく変調することはできなかった。また、特許文献2に開示された方法は、非線形光学結晶を伝搬している過程で光の偏光状態を変化させるため、例えば、導波路の入射面側で殆どのテラヘルツ波が出力してしまっている場合には変調がかかりにくいことがあった。
上記課題に鑑み、本発明は、変調の幅が大きく且つ安定的に強度変調されたテラヘルツ波を得ることができるテラヘルツ波発生装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の一側面としてのテラヘルツ波発生装置は、テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置であって、光源からの光の偏光方向を制御する偏光制御部と、前記偏光制御部で偏光方向を制御された光が入射することによりテラヘルツ波を発生する非線形光学結晶を有する導波路と、を有し、前記偏光制御部は、前記非線形光学結晶に入射する前記光の前記非線形光学結晶のZ軸方向の電界強度を制御することを特徴とする。
本発明の一側面としてのテラヘルツ波発生装置によれば、変調の幅が大きく且つ安定的に強度変調されたテラヘルツ波を得ることができる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態のテラヘルツ波発生装置100(以下、「装置100」と呼ぶ)の構成を、図1(a)を参照して説明する。図1(a)は、装置100の構成図である。装置100は、偏光制御部5(以下、「制御部5」と呼ぶ)と、導波路201及び結合部材25を有するテラヘルツ波発生素子12(以下、「素子12」と呼ぶ)と、を有する。導波路201は、制御部5からの光10が入射することによりテラヘルツ波26を発生する非線形光学結晶6(以降、「結晶6」と呼ぶ)を有する。なお、本明細書の「非線形光学結晶」は、2次の非線形性を持つものであり、2次の非線形性を持つ電気光学結晶と等価である。また、本明細書の「偏光方向」とは、光の電場の振動方向のことである。なお、素子12の構成の詳細については、後述する。
第1の実施形態のテラヘルツ波発生装置100(以下、「装置100」と呼ぶ)の構成を、図1(a)を参照して説明する。図1(a)は、装置100の構成図である。装置100は、偏光制御部5(以下、「制御部5」と呼ぶ)と、導波路201及び結合部材25を有するテラヘルツ波発生素子12(以下、「素子12」と呼ぶ)と、を有する。導波路201は、制御部5からの光10が入射することによりテラヘルツ波26を発生する非線形光学結晶6(以降、「結晶6」と呼ぶ)を有する。なお、本明細書の「非線形光学結晶」は、2次の非線形性を持つものであり、2次の非線形性を持つ電気光学結晶と等価である。また、本明細書の「偏光方向」とは、光の電場の振動方向のことである。なお、素子12の構成の詳細については、後述する。
光源1は、光9を出力するレーザ装置である。光9は、フェムト秒パルスレーザを用いることが望ましい。本明細書における「フェムト秒パルスレーザ」は、パルス幅が1fs以上100fs以下の超短パルスレーザである。本実施形態では、中心波長1.55μm、パルス幅20fs、繰り返し周波数50MHzのフェムト秒パルスレーザを出力するレーザ装置を用いているが、波長は1.06μm帯などでもよく、また、パルス幅及び繰り返し周波数は前述の値に限らない。
光源1が出力した光9の偏光状態7は、偏光消光比が20dB以上の直線偏光に近いことが望ましいが、それ以下でもよい。また、制御部5での分散の影響を抑えるために光9にチャープがかけられていてもよい。周波数が異なる2つの光を結晶6に入射して、差周波発生によるテラヘルツ波発生を行う場合は、光源1に連続波を発生する2波長光源や周波数コム光源を用いればよい。
制御部5は、光源1からの光9の偏光方向を制御する。制御部5からは、偏光方向を調整された光10が射出する。制御部5は、電極2と、電極3と、非線形光学結晶4(以下、「結晶4」と呼ぶ)とを有し、結晶4は、電極2と電極3との間に挟まれて配置されている。電極2及び電極3に所望の変調周波数を有する電圧を印加することで、光源1からの光9の偏光方向を制御して、光9に対して偏光変調を加えることができる。なお、本明細書の「偏光方向を制御する」は、直線偏光の光を楕円偏光、円偏光の光に変更すること、直線偏光の光を直線偏光のまま、その角度だけを変更すること、及び、偏光方向を一定にすることを含むと定義する。光10の偏光状態が周期的に変化するように、制御部5によって制御されることにより、素子12から発生するテラヘルツ波26の強度が周期的に変化する。これを換言すると、素子12に入射する光10の偏光方向が周期的に変化するように制御部5が光9の偏光方向を制御することにより、素子12から発生するテラヘルツ波26の強度変調を行うことができる。
結晶4には、LiNbO3結晶やKTP結晶などの非線形光学係数(電気光学係数)r33が大きいものを使用すると、効率良く偏光方向を変更できる。また、光屈折損傷を防止するために、酸化マグネシウム(MgO)をドープしたLiNbO3結晶も使用できる。結晶の種類の選択は、光9の強度に対する耐性、変調のために必要とする偏光方向の変化の大きさ、光9の波長領域での材料分散等の影響を考慮して選択すればよい。また、結晶4の厚さ及び光9の進行方向における長さについては、光9のビーム径、及び、変調のために必要とする偏光状態の変化の大きさ、分散による光9のパルス幅の増大等の影響を鑑みて決定すればよい。
ここで、図9を参照して結晶4、6の軸方向について説明する。図9は、装置100の構成及び結晶4、6の軸方向を説明する図である。図9では、説明のために素子12の詳細な構成は省略して、結晶6のみを記載している。非線形光学効果の指標である非線形光学係数が最大であるr33を利用するために、電極2及び電極3は、結晶4のパイロ軸(Z軸)に垂直な結晶面に設けることが望ましい。本明細書における「パイロ軸」は、非線形光学結晶の有効非線形光学定数が最も大きくなる方向の軸である。このパイロ軸と結晶6に入射する光10の偏光方向とが一致していると、素子12から発生するテラヘルツ波26の強度が最大になる。すなわち、制御部5は、光9の偏光方向を制御して、光10の偏光のパイロ軸方向の電界強度を変更することにより、テラヘルツ波26の強度を調整する。なお、本明細書では、このパイロ軸を結晶のZ軸として、このZ軸(パイロ軸)と直交する軸をそれぞれX軸、Y軸と定義する。この定義は、結晶4、結晶6、後述する結晶44、結晶62のいずれにも適用できる。
制御部5は、光9の偏光方向が、結晶4のパイロ軸に対して45度になるように配置することが望ましい。この角度がずれるとテラヘルツ波の強度変調の消光比(変調深さ)が浅くなってくるため、±5度のずれに抑えることが望ましい。このように配置すると、制御部5による偏光の調整を効率良く行うことができる。また、制御部5の光9が入射又は射出する面に反射防止膜を付加して、光9、10の減衰を防止してもよい。光9の進行方向は、結晶4のX軸と一致するように配置するのがよい。なお、本明細書のテラヘルツ波26の強度変調の消光比は、テラヘルツ波26を変調した場合のテラヘルツ波26の強度の最大値と最小値との比である。以降、単に「消光比」と呼ぶことがある。
光9の偏光変調を行うために電極2、3に印加する電圧の変調周波数の設定には、注意が必要である。具体的には、結晶4の構造的な共振周波数を避けて設定する必要がある。結晶4を有する制御部5を用いる場合、変調周波数は、一般的にDCから数100MHz程度の範囲で調整でき、光チョッパーを使用した場合の変調周波数の上限である数kHzを大幅に超えることができる。また、装置100によればは電気的な変調方式でテラヘルツ波26の強度変調が可能なるため、装置100を測定装置のテラヘルツ波発生源として用いれば、振動によるノイズの増加や光学系の位置ずれ等に起因する測定結果の経時変化等を防止できる。装置100を用いる測定装置としては、テラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS:THz−Time Domain Spectroscopy)を用いてテラヘルツ波の時間波形を取得するTHz−TDS装置がある。測定装置において、光9の偏光を制御部5を用いて外部で制御する構成は、偏光方向を変調された光を出力する光源を用いる場合よりも、光9のレーザ線幅の変動、及び、パワーの長期安定性の低下等が発生しにくい。
二次高調波の発生を抑制するために、光源1と制御部5との間にレンズ(不図示)を挿入し、光9のビーム径を広げる等の調整を行ってもよい。また、制御部5を構成する結晶4の複素屈折率が温度に依存して変動することを回避するために、制御部5は恒温槽などの温度を一定に保つための手段を有していてもよい。
制御部5を通過して偏光を調整された光10は、偏光状態8のような楕円偏光や不図示の直線偏光の状態で素子12の結晶6に入射する。結晶6に光10が入射すると、テラヘルツ波が発生する。結晶6から発生するテラヘルツ波の強度ηは、(1)式で表わされる。ここで、発生するテラヘルツ波の周波数をω、2次の有効非線形光学定数をdeff、光10の強度をI、真空の誘電率をε0とする。また、結晶6中の光10の屈折率及びテラヘルツ波の屈折率をそれぞれnNIR、nTHz、真空中の光速をc、結晶6中の発生するテラヘルツ波の吸収係数をαTHzとする。
例えば結晶6にLiNbO3を使用した場合、パイロ軸(Z軸)方向の有効非線形光学定数はd33=34.4pm/Vであり、他の軸方向の有効非線形光学定数d31=5.95pm/V、d22=3.07pm/Vと比較して大きい。そのため、発生するテラヘルツ波の強度ηは、パイロ軸と一致する方向の光10の成分でほぼ決定される。よって、光10の偏光状態を制御部5で調整して結晶6のパイロ軸と同じ方向成分を調整することにより、発生するテラヘルツ波の強度を調整できる。
テラヘルツ波の発生によく使用される光伝導素子は、非線形光学結晶と比較して、光伝導素子に入射する光の偏光方向に対する感度が低く、変調を行うためには偏光制御部と光伝導素子との間に偏光子を挿入して光の強度を調整する必要がある。そのため、偏光子での反射や吸収、分散の影響によりテラヘルツ波のパワーが減衰したり、テラヘルツ波の帯域が狭くなったりすることがある。しかし、テラヘルツ波発生部として素子12を用いた場合は、結晶6から発生するテラヘルツ波の強度が光9の偏光方向(主にパイロ軸方向成分、すなわちZ軸方向成分)に強く依存する。そのため、光9の偏光のZ軸方向成分の電界強度(Z軸方向の電界強度)の調整のみでテラヘルツ波の強度を調整できる。すなわち、偏光子を用いる必要がなく、偏光子によるテラヘルツ波の反射や吸収、分散の影響を避けることができる。
電極2と電極3との間に電圧を印加しない状態で発生するテラヘルツ波の出力を最大にするには、素子12の結晶6のパイロ軸と結晶4に入射する光9の偏光方向とが一致していることが望ましい。また、電極2及び電極3に電圧を印加して発生するテラヘルツ波の出力を最大にするには、結晶6のパイロ軸と光9の偏光方向とが直交していることが望ましい。
さらに、制御部5を通過した後の光10の偏光状態は、制御部5を通過する前の偏光状態から楕円偏光の状態8を経由して、光9の偏光方向に対して90度の直線偏光まで調整できることが望ましい。光9の偏光方向をどの程度変更するかは、結晶4の長さ、及び、電極2と電極3と間の距離、電極2と電極3との間に印加する電圧の大きさ、で調整できる。たとえば、結晶6にLiNbO3を用いた場合、偏光状態7における偏光方向から90度変化させた偏光状態にすることにより、結晶6から発生するテラヘルツ波に100:1程度の消光比を持った強度変調を行うことができる。
図1(a)では、制御部5と素子12とを空間を隔てて配置しているが、図1(b)に示すように、制御部5と素子12とが隣接するように配置してもよい。その場合、制御部5と素子12とを接着剤などで接着して直接一体化してもよいし、基板などに集積化してもよい。一体化することにより、制御部5と素子12との間に経時的な位置ずれなどが発生しにくく、所望の強度に調整されたテラヘルツ波26をより安定的に得ることができる。
本実施形態の結晶6の材料には、LiNbO3結晶を用いる。しかし、その他の非線形光学結晶であるLiTaO3、NbTaO3、KTP、DAST、ZnTe、GaSe、GaAs等を用いることができる。また、素子12は、結晶6がバルク形状のものを使用することもできるし、光導波路形状に加工したものを使用しても良い。素子12として光導波路形状の素子を使用する場合は、制御部5と素子12とを精密にアライメントして一体化しても良い。本実施形態の素子12は、導波路210を有する光導波路形状の素子である。
結晶6から発生したテラヘルツ波の進行方向は、差周波発生によるテラヘルツ波発生では光10の進行方向と同じ方向となり、光整流によるテラヘルツ波発生では位相整合条件を満たす方向となる。発生したテラヘルツ波を空間へ取り出すための結合部材として、シリコンプリズムを結晶6からテラヘルツ波が射出する面(射出面)に取り付けることで、より効率良くテラヘルツ波を取り出すことができる。射出面は、結晶6のパイロ軸以外のX軸もしくはY軸に略垂直な面が選ばれることが多い。素子12が光導波路形状の場合は、導波路201の寸法を調整して偏光子の機能を有する導波路を構成しても良い。具体的には、導波路201のサイズをTMモードの伝搬は抑制し、TEモードのみの伝搬が起こるように調整することで、導波路201に偏光子としての機能を付与することができる。その場合、前述したテラヘルツ波の強度変調の消光比を増加させることができる。
図2を参照して、素子12の構成の一例を説明する。図2(a)は、素子12の導波路201の長手方向の断面図で、図2(b)は、素子12の斜視図である。素子12は、基板20と、導波路201と、結合部材25と、を有する。素子12は、結晶6から発生したテラヘルツ波が電気光学的チェレンコフ放射現象(以下、「チェレンコフ放射」と呼ぶ)によって放射され、結合部材25を介して外部に取り出される。チェレンコフ放射は、発生したテラヘルツ波26が衝撃波のように円錐状に放出される現象で、結晶6を伝搬する光10の伝搬群速度Vgが、結晶6を伝搬するテラヘルツ波26の伝搬位相速度VTHzより早い場合に発生する。
基板20は、YカットのLiNbO3基板であり、光10の進行方向にLiNbO3のX軸、光10の進行方向と直交し且つ基板20と平行な方向にLiNbO3のZ軸となるように配置している。そのような構成にすることによって、Z軸と平行な電界成分をもつ光10を入射させれば2次非線形現象であるチェレンコフ放射によってテラヘルツ波を効率良く取り出すことができる。
基板20上には、光10が伝搬するための導波路201が形成されている。導波路201は、結晶6と、接着層21と、下部クラッド層22と、上部クラッド層24と、を有する。結晶6は、MgOドープLiNbO3を有する導波層である。下部クラッド層22と基板20との間には、異種基板を貼り合わせる接着層21があるが、この接着層21が下部クラッド層を兼ねていてもよい。なお、接着層21は、下部クラッド層22と基板20とを貼り合わせて導波路201を作製する場合に必要であって、拡散等でドープ層を形成する場合は必ずしも必要ではない。この場合、基板20の屈折率よりMgOドープLiNbO3層の屈折率が高いため基板20が下部クラッド層として機能して導波路201を形成する。
上部クラッド層24は、結晶6としてのLiNbO3よりも屈折率が小さいSiOx、SiNx等の薄膜や樹脂等が好適に用いられる。導波路201の上には発生したテラヘルツ波を外部に取り出す結合部材25が備えられている。上部クラッド層24は、結合部材25と結晶6とを接着するための接着剤を兼ねていてもよい。
導波路201は、Ti拡散により高屈折率化して周囲の領域29と屈折率差を設ける方法やエッチング法等により結晶6の横方向の幅を狭くした後、SiOx膜や樹脂等で周囲を保護する構造とすることができる。本実施形態の導波路201は、結晶6の横方向の幅を発生するテラヘルツ波の波長より小さくしたリッジ形状の導波路とする。なお、本実施形態では、光の閉じ込めを強くするために横方向にも導波構造を形成したが、導波層6(結晶6)が横に均一に広がり、閉じ込め領域のないスラブ導波路(不図示)でもよい。また、結晶6の周囲にそれぞれ異なるクラッド層を設けるのではなく、上下及び左右のクラッド層を一体の構成としても良い。
結晶6のZ軸に平行な偏光成分を有する光10を入射させて、X軸に沿って伝搬させると、光整流により発生するテラヘルツ波の発生効率が最大になる。結晶6から発生したテラヘルツ波26は、結合部材25を介して空間に取り出される。結合部材25は、導波路201の上に配置されており、テラヘルツ波26を外部に取り出す部材である。材料としては、プリズム、回折格子、フォトニック結晶等を用いる。
上部クラッド層24の厚さは、光10が結晶6を伝搬する際のクラッド層として機能するのに十分厚く、且つ、結合部材25からテラヘルツ波26を外部に取り出す際に多重反射や損失の影響が無視できる程度に薄いことが望ましい。
具体的には、結晶6を伝搬する光10の一部が上部クラッド層24に染み出した場合、上部クラッド層24と結合部材25との界面における光強度が結晶6における光強度の1/e2以下であれば良い。また、外部に取り出したい周波数のテラヘルツ波26のうち最も周波数の高いテラヘルツ波の上部クラッド層24における等価波長の1/10程度の厚さ以下に設定することが望ましい。一般的に、構造体の厚さが電磁波の波長の1/10程度であれば、その電磁波に対して、反射、散乱、屈折等の影響が無視できるとみなされるからである。
ただし、上述した厚さの範囲外でも、テラヘルツ波26を発生させることは可能である。なお、上部クラッド層24の材料としては、PETのような樹脂やSiOx、SiNxなどの誘電体を用いることができる。また、下部クラッド層22についても、光10に対してクラッド層として機能するよう上部クラッド層24の厚みと同様の条件を満たすことが望ましい。
テラヘルツ波26の進行方向と結晶6を伝搬する光10の進行方向とが成す角θc(以降、「チェレンコフ放射角」と呼ぶ)は、(2)式で表わせる。なお、ngは光10に対する結晶6の群屈折率、nTHzはテラヘルツ波26に対する結晶6の屈折率である。
cosθc=ng/nTHz (2)
cosθc=ng/nTHz (2)
本実施形態では、結晶6としてLiNbO3を用い、結合部材25に高抵抗シリコン(Si)を用いるため、導波路201におけるチェレンコフ放射角はおよそ65度である。また、テラヘルツ波26は、導波路201から結合部材25に入射する際に屈折するため、結合部材25におけるチェレンコフ放射角θcladはおよそ49度となる。
LiNbO3結晶等を用いる結晶6は複屈折性を有しているため、テラヘルツ波26を発生させる光10の偏光方向が結晶6のZ軸方向から変化すると、光10に対する屈折率が変化する。そのため、(2)式に示されるように、チェレンコフ放射角θcも光10の偏光方向に応じて変化する。本実施形態のように、導波路201を有する構成にすることにより、チェレンコフ放射角θcの変化によりテラヘルツ波26が到達する位置を変化させることができるようになり、テラヘルツ波26を検出する検出部に入射するテラヘルツ波26の量が変化する。そのため、光10の偏波方向と結晶方位毎に異なる非線形光学定数とによる発生するテラヘルツ波26の強度変調に加えて、テラヘルツ波26のチェレンコフ放射角θcの変化による検出部での強度変調を加えることができる。特に、位置に敏感な光伝導素子の様な検出部を使用する場合には、検出されるテラヘルツ波26の強度をさらに大きく変化させることができる。
導波路201の上部クラッド層24の厚さがテラヘルツ波の波長と比較して充分薄い場合(テラヘルツ波長の1/20以下)には、チェレンコフ放射角の定義が困難になる場合がある。しかしその場合でも結合部材25の屈折率と結晶6の屈折率とから、結合部材25におけるチェレンコフ放射角θcladを算出することができる。
本実施形態の導波路201はリッジ形状なため、テラヘルツ波26は、光10の進行方向と直交する方向では発散光となっている。一方、光10の進行方向に平行な方向(平行方向)のテラヘルツ波26の成分はほとんど発散しないパターンとなっている。そこで、一方向にのみ集光機能を有するように、結合部材25は、図2(b)に示すような円錐の一部をカットしたような形状にしている。
ここでは、結晶6としてLiNbO3結晶を用いたが、前述した通りその他の非線形光学結晶を用いることもできる。このとき、LiNbO3ではテラヘルツ波26と光10に対して屈折率差があり、ノンコリニアで発生するテラヘルツ波26が取り出せるが、他の結晶では必ずしも屈折率差が大きくないため取り出しが難しい場合がある。しかし、導波路を有するテラヘルツ波発生部とプリズムとが近接していれば、非線形光学結晶より屈折率が大きいプリズム(たとえばSi)を用いることでチェレンコフ放射の条件(VTHz<Vg)を満たし、テラヘルツ波26を外部に取り出すことができる。
なお、導波路201を作製しなくても、光9の偏光方向を制御することにより、発生するテラヘルツ波の変調を行うことができる。また、光10のパルス面を傾斜させて位相整合を行いテラヘルツ波を発生する方法や、2つの周波数が異なる光を使用するパラメトリック発生方式などにも適用できる。
以上、装置100の構成について説明した。装置100によれば、制御部5を用いて、素子12に入射する光10の偏光を変調することにより、発生するテラヘルツ波26の強度変調を行う。具体的には、制御部5によって、光9に数100MHz程度までの高速な偏光変調を加えて得られた光10を素子12に入射する。そのため、発生するテラヘルツ波26は、変調の幅が強度変調の消光比で100:1程度以上と大きく、且つ安定的に強度変調される。強度変調をより効率良く行うことができる。また、光10の偏光状態を制御すればテラヘルツ波26の出力を調整できるため、長時間にわたってテラヘルツ波26を安定的に供給できるようになる。また、導波路201を有することにより、光10の偏光方向に応じてチェレンコフ放射角が変化させることができ、検出の場合には検出部への入射位置による強度変調を行うこともでき、強度変調の幅をより大きくすることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態のテラヘルツ波発生装置300(以下、「装置300」と呼ぶ)について、図3を参照して説明する。図3は、装置300の構成及び結晶4、6の軸方向を説明する図である。なお、図3では、説明のために素子12の導波路201及び結合部材25等を省略して、結晶6のみを図示している。装置300は、制御部5の結晶4のパイロ軸と光9の進行方向とが一致するように制御部5を配置し、電極2及び電極3を結晶4のX軸に垂直な結晶面に設けたものである。その他の構成は第1の実施形態と同様なので、説明を省略する。
本実施形態のテラヘルツ波発生装置300(以下、「装置300」と呼ぶ)について、図3を参照して説明する。図3は、装置300の構成及び結晶4、6の軸方向を説明する図である。なお、図3では、説明のために素子12の導波路201及び結合部材25等を省略して、結晶6のみを図示している。装置300は、制御部5の結晶4のパイロ軸と光9の進行方向とが一致するように制御部5を配置し、電極2及び電極3を結晶4のX軸に垂直な結晶面に設けたものである。その他の構成は第1の実施形態と同様なので、説明を省略する。
装置300では、光9の進行方向と結晶4の光学軸(屈折率がその周りで回転対称な軸)であるパイロ軸とが一致している。電極2及び電極3は、結晶4のY軸に垂直な結晶面に設けてもよい。すなわち、制御部5は、光9の偏光方向がX軸もしくはY軸に対して45度±5度になるように配置する。これによって、効率良く偏光変調を行うことができる。
このとき、結晶4の有効非線形光学定数は第1の実施形態の場合よりも小さくなるため、結晶4のパイロ軸方向の長さ(結晶長)lを長くする。これによって、テラヘルツ波26の強度変調を第1の実施形態と同程度行うことができる。結晶4の与える位相シフトの大きさΔΦは、(3)式で表わせる。そのため、結晶4の有効非線形光学定数rが減少した分だけ結晶長lを増加させる必要がある。なお、電極2、3に印加する電圧をV、光9の波長をλ、電極2と電極3との距離をdとする。
装置300によれば、制御部5によって、光9に数100MHz程度までの高速な偏光変調を加えて得られた光10を素子12の結晶6に入射する。そのため発生するテラヘルツ波26は、変調の幅が強度変調の消光比で100:1程度以上と大きく、且つ安定的に強度変調される。また、光10の偏光状態を制御すれば、テラヘルツ波26の出力を調整できるため、長時間にわたってテラヘルツ波26を安定的に供給できるようになる。また、導波路201を有することにより、光10の偏光方向に応じてチェレンコフ放射角が変化させることができ、検出の場合には検出部への入射位置による強度変調を行うこともでき、強度変調の幅をより大きくできる。
さらに、上述したように、光9の進行方向と結晶4のパイロ軸とが一致するように配置することで、結晶4の複屈折によって発生する光10のパルス幅増大の影響や、温度に依存した屈折率の変化等を抑制できる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態のテラヘルツ波発生装置400(以下、「装置400」と呼ぶ)の構成について、図4を参照して説明する。図4は、装置400の構成及び結晶4、6、44の軸方向を説明する図である。なお、図4では、説明のために素子12の導波路201及び結合部材25等を省略して、結晶6のみを図示している。装置400は、第1の実施形態の装置100の構成に加えて、制御部5と同様の形状を有する偏光制御部41(以下、「制御部41」と呼ぶ)を備える。制御部41は、電極42、43と非線形光学結晶44(以下、「結晶44」と呼ぶ)とを有し、結晶44は、電極42と電極43との間に配置されている。その他の構成は、第1の実施形態と同様なため、説明を省略する。
第3の実施形態のテラヘルツ波発生装置400(以下、「装置400」と呼ぶ)の構成について、図4を参照して説明する。図4は、装置400の構成及び結晶4、6、44の軸方向を説明する図である。なお、図4では、説明のために素子12の導波路201及び結合部材25等を省略して、結晶6のみを図示している。装置400は、第1の実施形態の装置100の構成に加えて、制御部5と同様の形状を有する偏光制御部41(以下、「制御部41」と呼ぶ)を備える。制御部41は、電極42、43と非線形光学結晶44(以下、「結晶44」と呼ぶ)とを有し、結晶44は、電極42と電極43との間に配置されている。その他の構成は、第1の実施形態と同様なため、説明を省略する。
制御部41は、結晶4のパイロ軸と結晶44のパイロ軸とが90度±5度するように配置される。結晶4の光9の進行方向の長さと、結晶44の光9の進行方向の長さとは、同じ長さである。また、制御部5、41は、制御部5を通過する前の偏光状態7から偏光状態8のような楕円偏光の状態を経由し、素子12に入射する光10の偏光状態を、光9の偏光方向に対して90度の方向を持つ直線偏光に調整できる程度のものが望ましい。
装置400によれば、制御部5、41によって、光9に数100MHz程度までの高速な偏光変調を加えて得られた光10を素子12に入射する。そのため、発生するテラヘルツ波26の強度変調をより効率良く行うことができる。また、光10の偏光状態を制御すれば、テラヘルツ波26の出力を調整できるため、長時間にわたってテラヘルツ波26を安定的に供給できるようになる。すなわち、発生するテラヘルツ波26は、変調の幅が強度変調の消光比で100:1程度以上と大きく、且つ安定的に強度変調される。また、導波路201を有することにより、光10の偏光方向に応じてチェレンコフ放射角が変化させることができ、検出の場合には検出部への入射位置による強度変調を行うこともでき、強度変調の幅をより大きくできる。
結晶4のパイロ軸と結晶44のパイロ軸とが直交するように2つの制御部5、41を配置しているため、光9の偏光成分は、結晶4のパイロ軸方向及び結晶44のパイロ軸方向の屈折率領域とY軸方向の屈折率領域とを同じ光路長で移動する。そのため、温度に依存せず、さらに複屈折性がない偏光変調が可能となる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態のテラヘルツ波発生装置500(以下、「装置500」と呼ぶ)の構成について、図5を参照して説明する。図5は、装置500の構成及び結晶4、6の軸方向を説明する図である。なお、図5では、説明のために素子12の導波路201及び結合部材25等を省略して、結晶6のみを図示している。装置500は、第1の実施形態の構成に加えて、光検出部51と制御部52とを有する。第1の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
第4の実施形態のテラヘルツ波発生装置500(以下、「装置500」と呼ぶ)の構成について、図5を参照して説明する。図5は、装置500の構成及び結晶4、6の軸方向を説明する図である。なお、図5では、説明のために素子12の導波路201及び結合部材25等を省略して、結晶6のみを図示している。装置500は、第1の実施形態の構成に加えて、光検出部51と制御部52とを有する。第1の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
光検出部51は、素子12の結晶6から射出した光13の強度を検出する。光検出部51には、フォトダイオードを用いたものや、焦電型の検出器などを使うことができる。光検出部51で検出された光13の強度は、PC等の制御部52でモニターされる。制御部52は、光検出部51の検出結果に基づいて、電源53が発生する電極2、3に印加するための電圧を制御する。ここでは、光13の強度が一定になるように電源53が発生する電圧を調整する。また、光検出部51の検出結果を用いて、強度変調されたテラヘルツ波の最大強度が一定になるように調整することもできる。
素子12からのテラヘルツ波の強度は、前述したように素子12の結晶6に入射する光10の強度が大きいほど大きくなる。素子12の光利用効率はほぼ変化しないため、光13の強度は、素子12からのテラヘルツ波26の強度を反映している。すなわち、装置500によれば、光源1及び制御部5、素子12に発生する経時劣化や温度変化による特性変動等が発生していても、その影響を抑制してテラヘルツ波26を安定的に得ることができる。
電源53が発生する電圧は、素子12で発生可能なテラヘルツ波26の最大出力に対して若干小さい出力のテラヘルツ波26を出力するように調整しておき、光源1及び制御部5、素子12の変動に対応できるように調整幅を持たせてもよい。素子12と光検出部51との間に偏光子(不図示)を挿入してもよい。この場合、偏光子が光13のパイロ軸方向の光束(パイロ軸方向成分)のみを抽出し、光検出部51に結晶6のパイロ軸方向成分のみが到達する構成となる。このような構成にすることで、光源1及び制御部5、素子12に発生する経時劣化や温度変化による特性変動だけでなく、偏光状態又はパイロ軸方向成分の特性変動についてもモニターできるようになる。
なお、結晶6から発生したテラヘルツ波26の一部を検出し、制御部5がその検出結果を用いて光源1からの光9の偏光方向を制御してもよい。この場合、テラヘルツ波26からその一部を取出すため、測定等に用いることができるテラヘルツ波26の強度が低下する。また、テラヘルツ波26の伝搬経路中に光学部品を挿入してテラヘルツ波26の一部を取り出す必要があり、光学部品による分散や吸収などの影響でパルス波形が変化することがあるため、光13を検出する構成の方がより望ましい。
装置500によれば、制御部5によって、光9に数100MHz程度までの高速な偏光変調を加えて得られた光10を素子12に入射する。そのため、発生するテラヘルツ波26の強度変調をより効率良く行うことができる。また、光10の偏光状態を制御すれば、テラヘルツ波26の出力を調整できるため、長時間にわたってテラヘルツ波26を安定的に供給できるようになる。すなわち、発生するテラヘルツ波26は、変調の幅が強度変調の消光比で100:1程度以上と大きく、且つ安定的に強度変調される。また、導波路201を有することにより、光10の偏光方向に応じてチェレンコフ放射角が変化させることができ、検出の場合には検出部への入射位置による強度変調を行うこともでき、強度変調の幅をより大きくできる。
さらに、結晶6から射出した光13を検出して、その検出結果を用いて制御部5に印加する電圧を制御することにより、光の偏光をより高精度に制御できる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態のテラヘルツ波発生装置600(以下、「装置600」と呼ぶ)の構成について、図6を参照して説明する。図6は、装置600の構成及び結晶6の軸方向を説明する図である。なお、図6では、説明のために素子12の導波路201及び結合部材25等を省略して、結晶6のみを図示している。装置600は、第1の実施形態の制御部5に代わって、ファラデーセルを用いた偏光制御部61(以下、「制御部61」と呼ぶ)を用いる。第1の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
第5の実施形態のテラヘルツ波発生装置600(以下、「装置600」と呼ぶ)の構成について、図6を参照して説明する。図6は、装置600の構成及び結晶6の軸方向を説明する図である。なお、図6では、説明のために素子12の導波路201及び結合部材25等を省略して、結晶6のみを図示している。装置600は、第1の実施形態の制御部5に代わって、ファラデーセルを用いた偏光制御部61(以下、「制御部61」と呼ぶ)を用いる。第1の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
ファラデーセルは、磁界によって光の偏光状態が回転する磁気光学効果(ファラデー効果)を用いて直線偏光の偏光面を回転させる。制御部61は、磁性体62と、磁性体62に巻きつけられたコイル63とを有する。コイル63に電源64から電圧を印加して、光9の進行方向と同じ方向に磁場を与えると、ファラデー効果によって光9の偏光方向を制御できる。すなわち、制御部61は、直線偏光の光9が入射すると、直線偏光の状態のままその偏光方向を変更する。これにより、素子12に入射する光10のパイロ軸(Z軸)方向の電界強度を制御する。
ファラデー効果による光の偏光状態の回転角θは、磁場の強さをH、偏光が通過する磁性体の長さをlとすると(4)式で表わされる。
θ=VHl (4)
θ=VHl (4)
(4)式のVは、物質の種類と偏光の波長、温度に依存するベルデ定数である。磁性体62の材料には、このベルデ定数Vが大きい、すなわちファラデー効果が大きいものを用いることが多い。例えば、ビスマス鉄ガーネット(Bismuth Iron Garnet、BIG)、イットリウム鉄ガーネット(Yttrium Iron Garnet、YIG)が挙げられる。その他にも、ガドリニウムガリウムガーネット(Gadolinium Gallium Garnet、GGG)等がある。
制御部61は、素子12に入射する光10の偏光状態を、光9の偏光方向(偏光状態7)に対して90度の方向を持つ直線偏光の状態へと調整できることが望ましい。偏光の制御幅は、磁性体62の長さ及びコイル63等で印加する磁場の強さによって調整できる。結晶6にLiNbO3結晶を用いた場合には、偏光状態7の偏光方向を90度変化させることで、第1の実施形態と同様に素子12から発生するテラヘルツ波に、100:1程度の消光比を持った強度変調を加えることができる。
ファラデーセルを用いた制御部61を使った場合、変調周波数は一般的にDCから数10kHz程度の範囲で調整でき、光チョッパーを使用した変調における周波数の上限である数kHzを超えることができる。また、電気的な変調方式であるため、振動による測定データのノイズ増加や、測定系の位置ずれなどに起因するデータの経時変化等を防止できる。
本実施形態の装置600によれば、制御部61を用いて、素子12に入射する光10の偏光を変調することにより、発生するテラヘルツ波26の強度変調を行う。具体的には、制御部61によって、光9に数100MHz程度までの高速な偏光変調を加えて得られた光10を素子12の結晶6に入射する。そのため、発生するテラヘルツ波26の強度変調をより効率良く行うことができる。また、光10の偏光状態を制御すれば、テラヘルツ波26の強度を調整できるため、長時間にわたってテラヘルツ波26を安定的に供給できるようになる。すなわち、発生するテラヘルツ波26は、変調の幅が強度変調の消光比で100:1程度以上と大きく、且つ安定的に強度変調される。また、導波路201を有することにより、光10の偏光方向に応じてチェレンコフ放射角が変化させることができ、検出の場合には検出部への入射位置による強度変調を行うこともでき、強度変調の幅をより大きくできる。
さらに、光源1が出力した光9の偏光を制御することで、光源1が直接変調された光を出力する場合より、発生するレーザ線幅の変動やパワーなどの長期安定性の低下などを発生することなく偏光の変調を行うことができる。
(第6の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態の装置100を使用した測定装置700(以下、「装置700」と呼ぶ)に関するものである。装置700の構成について、図7を参照して説明する。図7は、装置700の構成図である。装置700は、THz−TDS法を用いてテラヘルツ波の時間波形を取得するテラヘルツ時間領域分光装置(THz−TDS装置)である。
本実施形態は、第1の実施形態の装置100を使用した測定装置700(以下、「装置700」と呼ぶ)に関するものである。装置700の構成について、図7を参照して説明する。図7は、装置700の構成図である。装置700は、THz−TDS法を用いてテラヘルツ波の時間波形を取得するテラヘルツ時間領域分光装置(THz−TDS装置)である。
光源701は、パルス光702(以下、「光702」と呼ぶ)を出力する。光源701としては、ファイバレーザ等を使用できる。本実施形態では、光702は、波長1.5μm帯、パルス時間幅(パワー表示での半値全幅)30fs程度の超短パルスレーザとする。光702は、ビームスプリッタ703でプローブ光720とポンプ光721とに分岐される。プローブ光720は第二次高調波発生部705へ入射し、ポンプ光721は発生部704へ入射する。
発生部704は、上述の各実施形態で説明したようなテラヘルツ波発生装置を使用する。ポンプ光721は、レンズで集光するなど発生部704のテラヘルツ波発生素子12に適した形状に成型されて照射される。ポンプ光721が発生部704に照射されることによりテラヘルツ波パルス706(以下、「テラヘルツ波706」と呼ぶ)が発生する。テラヘルツ波706は、素子12が有するシリコンプリズムを通して結晶6から空間へ取り出すと効率が良い。上記説明の構成とすれば、パルス時間幅(半値全幅)数100fsから数ps程度のテラヘルツ波706を放射させることができる。
空間に放射されたテラヘルツ波706は、レンズやミラー等の光学素子によって試料707へと照射される。試料707で反射したテラヘルツ波706は、光学素子を介して検出部708に入射する。
第二次高調波発生部705に入射したプローブ光720は、第二次高調波変換過程によって波長0.8μm帯のパルスレーザとなる。第二次高調波発生部705の第二次高調波発生素子としては、PPLN結晶(Periodically Poled Lithium Niobate)等を使用できる。他の非線形過程で生ずる波長や、波長変換されずに射出してくる1.5μm帯の波長の光は、ダイクロイックミラー等(不図示)によってプローブ光から取り除かれる。0.8μm帯の波長に変換されたプローブ光720は、遅延部709を通過して検出部708に入射する。
検出部708は、試料707からのテラヘルツ波706を検出する部分で、一般的に光伝導素子を使用するが、その他の既知のテラヘルツ波検出器も使用できる。検出部708は、試料707からのテラヘルツ波706とプローブ光720とが入射するとテラヘルツ波706を検出する。このとき、第二次高調波発生部705で波長0.8μm帯に変換されたプローブ光720が検出部708に入射する構成としているが、波長変換を行わない1.5um帯のままでも検出できる。光伝導素子の光伝導層で発生した光励起キャリアは、テラヘルツ波706の電界によって加速され、電極間に電流を生じさせる。この電流値は、光電流が流れている時間内のテラヘルツ波706の電界強度を反映している。電流を電流電圧変換デバイスによって電圧に変換してもよい。可動式のレトロリフレクター等を含む遅延部709によってプローブ光が検出部708に到達するまでの伝搬時間を掃引することで、テラヘルツ波706の電界強度の時間波形を再構成できる。
遅延部709は、プローブ光720の光路長を変化させることにより、ポンプ光721の光路長とプローブ光720の光路長との光路長差を変化させる。これにより、プローブ光720の光路長に対し、ポンプ光721とテラヘルツ波706とを含めた光路長が変化するため、プローブ光720及びテラヘルツ波706が検出部708に到達するタイミングが変化する。なお、プローブ光720の光路長を変化させる構成に限らず、ポンプ光721の光路長を変化させてもよい。遅延部709は、プローブ光720及びテラヘルツ波706が検出部708に到達するタイミングを変化させる構成であればよい。例えば、ポンプ光を出力する光源とプローブ光を出力する光源とを設けて、2つの光源から光が出力されるタイミングを変更する方法等が挙げられる。
処理部710は、遅延部709によるプローブ光720の伝搬時間を制御したり、試料707の情報を取得したりする。試料707の情報は、具体的には、テラヘルツ波706の時間波形、時間波形から取得できるスペクトル、試料707の光学特性、試料707の層状態や形状等を指す。なお、本明細書の光学特性は、検体の複素振幅反射率、複素屈折率、複素誘電率、反射率、屈折率、吸収係数、誘電率、電気伝導率等を含むと定義する。取得した試料707の情報は、表示部711に表示する。
試料707の表面及び試料707内部の各界面で反射された各テラヘルツ波706の時間波形の検出時間の間隔から、それらの面間隔を評価することもできる(Time of Flight法)。さらに、試料707とテラヘルツ波706との相対位置を変更して試料707に対するテラヘルツ波706の照射位置を走査すれば、トモグラフィックイメージングを行い、検体中の所定の光学特性を有する領域の形状等を求めることも可能である。なお、装置700は、試料707で反射したテラヘルツ波706を検出しているが、試料707を透過したテラヘルツ波を検出してもよい。取得した試料707の情報から、試料707の同定、イメージング等を行うことができ、これらの特徴を生かして、装置700は、医療及び美容、工業製品検査、食品等の分野で利用できる。
本実施形態の発生部704は、上述の各実施形態のテラヘルツ波発生装置を用いている。そのため、発せ部704は、制御部5によって、ポンプ光721に、数100MHz程度までの高速な偏光変調を加えて得られた光を結晶6に入射する。その結果、発生するテラヘルツ波706の強度変調をより効率良く行うことができる。このような構成とすることにより、装置700は、時間波形の取得速度の向上やダイナミックレンジの向上等によって、より精度の良い測定を行うことができる。また、長時間にわたって高出力のテラヘルツ波を安定的に供給できる測定装置を作製できる。
また、上述の各実施形態の様に素子12を導波路構造とすることで、光10の偏光状態に応じてチェレンコフ放射角θcが変化する。そのため、検出部708に対するテラヘルツ波706の照射位置を変更できるため、ポンプ光721の偏波方向を制御すれば、テラヘルツ波706の強度変調に加え、テラヘルツ波706の伝搬角度の変化による検出部708での強度変調が起こる。特に、本実施形態の様に、テラヘルツ波706の入射位置に敏感な光伝導素子を検出部708として使用する場合には、検出されるテラヘルツ波706の強度をさらに大きく変化させることができる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態のテラヘルツ波発生装置800(以下、「装置800」と呼ぶ)の構成について、図8を参照して説明する。装置800は、第1の実施形態の装置100に、素子12から発生したテラヘルツ波88、89の伝搬経路にスリット構成部80を挿入している。スリット構成部80は、紙面に垂直な方向に立てた2枚の板でスリット81を形成している。第1の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
第7の実施形態のテラヘルツ波発生装置800(以下、「装置800」と呼ぶ)の構成について、図8を参照して説明する。装置800は、第1の実施形態の装置100に、素子12から発生したテラヘルツ波88、89の伝搬経路にスリット構成部80を挿入している。スリット構成部80は、紙面に垂直な方向に立てた2枚の板でスリット81を形成している。第1の実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
前述した通り素子12を構成する結晶6が複屈折率性を持つ場合には、素子12に入射する光10の偏光方向と結晶6のパイロ軸との角度が変化すると、テラヘルツ波が放射される角度、すなわちチェレンコフ放射角が変化する。
例として、光10の波長が1.55μm帯、結晶6がLiNbO3、結合部材25が高抵抗Siの場合に、装置800が発生したテラヘルツ波88、88の伝搬について説明する。ここでは、図8のテラヘルツ波88、89を1THzのテラヘルツ波として説明する。光10のうちのZ軸方向と一致する偏光成分によって励起されたテラヘルツ波88に対する結晶6の屈折率は2.14となる。そのため、チェレンコフ放射角θcは約65度で、結合部材25を伝搬するテラヘルツ波88、89と基板20表面とがなす角θcladは約49度である。それに対し、光10のうちLiNbO3のZ軸方向と直交する偏光成分によって励起されたテラヘルツ波89は、結晶6における屈折率が2.21となるため、チェレンコフ放射角θcは約71度、角θcladは約51度である。
図2の導波路201の上部クラッド層24の厚さがテラヘルツ波88、89の波長の1/20以下と十分に薄い場合、チェレンコフ放射角θcの定義が困難になる場合がある。しかしその場合でも結合部材25の屈折率と結晶6の屈折率とから、テラヘルツ波88、89それぞれと基板表面とがなす角θcladを算出することができる。
このように、光10の偏光方向をLiNbO3のZ軸方向と一致する角度から90度回転させることにより、テラヘルツ波88、89の伝搬経路が、角度を約2度変化することができる。その結果、テラヘルツ波88、89が1m伝搬した場合にそれぞれのテラヘルツ波88、89が到達する位置に約3.5cmのずれが生じる。そのため、素子12に入射する光10を変調することによるテラヘルツ波88、89の強度変調に加えて、装置800から発生したテラヘルツ波を検出するための検出部85に対するテラヘルツ波の入射位置に変調を加えることができる。
また、本実施形態では、スリット構成部80を用いてスリット81を設けている。光10の偏光方向が結晶6としてのLiNbO3のZ軸方向と一致するようにしたときに放射されるテラヘルツ波88が遮られることがないようにスリット構成部80を配置した。スリット81を通過したテラヘルツ波88は、放物面鏡82で集光され、検出部85等に入射することができる。しかしながら、テラヘルツ波89の伝搬方向は、前述したようにテラヘルツ波88の伝搬方向から2度程度変化している。そのため、テラヘルツ波89のほとんどはスリット構成部で遮断され、スリット81を通過しない。なお、スリット81の形状は所望の経路以外を伝搬してきたテラヘルツ波89等を遮蔽する機能があれば良く、円形の穴などの様々な形のものを代用することができる。またスリット構成部80の材質にはテラヘルツ波が透過しにくい金属などを用いるのが望ましい。
その結果、テラヘルツ波89が検出部85に入射しにくくなるため、変調幅をより大きくすることができる。スリット81は、素子12から可能な限り遠くに設けることにより、変調幅をより大きくすることができる。
(実施例)
本実施例では、第1の実施形態の装置100のより詳細な構成について図1及び図2を参照して説明する。本実施例の装置100は、素子12として図2に示したようなチェレンコフ放射を用いたテラヘルツ波発生素子を用いている。
本実施例では、第1の実施形態の装置100のより詳細な構成について図1及び図2を参照して説明する。本実施例の装置100は、素子12として図2に示したようなチェレンコフ放射を用いたテラヘルツ波発生素子を用いている。
光源1には、中心波長1.55μmでパルス幅が20fs、繰り返し周波数が50MHzの光9を出力は200mWで出力するレーザ装置を用いた。光9の偏光状態7は、偏光消光比が20dB以上ある直線偏光である。
制御部5は、電極2、3と結晶4とを有し、結晶4は電極2と電極3との間に挟まれるように配置されている。結晶4には、光屈折損傷を防止するために酸化マグネシウム(MgO)をドープしたLiNbO3を使用し、電極2、3にはアルミ電極を使用した。酸化マグネシウム(MgO)をドープしたLiNbO3を含む結晶4は、光9の強度に対して光屈折損傷が発生せず充分な耐性を持つものであった。結晶4は、厚みが2mm、光9の進行方向への長さが10mm程度のものを用いた。制御部5は、電極2と電極3との間に100Vの電圧を印加することで、光9の偏光方向を制御部5に入射する前の偏光方向から90度回転できる。光9への分散などの影響を低減する場合には、光9の進行方向の長さを短くして、電極2と電極3との間に印加する電圧を高くすればよい。
制御部5は、非線形光学効果の指標である非線形光学係数が最大であるr33を利用するために、結晶4であるLiNbO3結晶のパイロ軸(Z軸)と垂直な結晶面に電極2、3を設けた。パイロ軸に対して光9の偏光方向が45度±5度になるように制御部5を配置すれば、効率良く偏光を制御できる。また、制御部5は、光9の進行方向と結晶4のX軸とが一致するように配置した。制御部5の光9が入射する面や光10が射出する面に反射防止膜としてSiO2膜(不図示)を設けた。SiO2膜の厚さは、光9、10の中心波長である1.55umに対して光学長が1/4である263nm程度とした。SiO2膜はスパッタ法で形成したが、他にもCVD(Chemical Vaper Depositoin)法等でも形成できる。
上述の構成で、電極2、3に所望の変調周波数を有する電圧を印加することで、光9に偏光変調を加えることができる。変調周波数の設定に関しては、第1の実施形態で述べた通り注意が必要であり、結晶4の構造的な共振周波数を避けて設定する必要がある。この共振周波数は、結晶4の形状や圧電定数によって変化するが、1以上10MHz以下の範囲内に存在することが多く、検査によって割り出すことができる。
本実施例では、電極2、3に対して100kHz、100Vの交流電圧を印加したところ、制御部5が共振することなく、光9の偏光状態7における偏光方向から90度、100kHzで変調できた。これは光チョッパーを使用した変調における周波数の上限である数kHzを大幅に超えるものである。制御部5によって偏光状態を制御された光10は、素子12の結晶6に入射される。
素子12は、チェレンコフ放射を用いたテラヘルツ波発生素子で、図2の素子と同様の構成である。すなわち、素子12は、光導波路201、結合部材25、基板20を有する。導波路201は、結晶6、接着層21、下部クラッド層22、上部クラッド層24を有する。導波路201の結晶6に、結晶6のパイロ軸(Z軸)に平行な偏波すなわち水平偏波でレーザ光を入射させてX軸に沿って伝搬させると、結晶6からテラヘルツ波26が発生し、結合部材25を介してテラヘルツ波26を空間に取り出せる。
結晶6には、LiNbO3を使用した。そのため、結晶6のパイロ軸(Z軸)方向の有効非線形光学定数はd33=34.4pm/Vであり、他の軸方向の有効非線形光学定数d31=5.95pm/V、d22=3.07pm/Vと比較して大きい。よって、素子12から放射されるテラヘルツ波26の強度は、光9の結晶6のパイロ軸と偏光方向が一致する成分でほぼ決定される。そのため、制御部5を用いて素子12に入射する光10のパイロ軸成分を調整することにより、テラヘルツ波26の強度を調整できる。
今回使用した基板20は、YカットのLiNbO3基板であり、光9の進行方向に基板20のLiNbO3のX軸、光9の進行方向と直交し且つ基板20と平行な方向をZ軸としている。このような構成にすることによって、Z軸と平行な電界成分をもつ偏波の光を入射させれば、2次非線形現象であるチェレンコフ放射によるテラヘルツ波26を効率良く発生することができる。
導波路201は、MgOドープLiNbO3結晶層から成る導波層6(結晶6)によって、入射するレーザ光を全反射で伝搬させる。結晶6の結晶軸は、基板20と同様な方向とした。下部クラッド層22と基板20は、アクリル系の接着剤を含む接着層21によって貼り合わされている。上部クラッド層24は、材料としてSiO2を用いてCVD法にて形成した。光導波路201の上部には、発生したテラヘルツ波26を外部に取り出すために、結晶6としてのLiNbO3よりも大きい屈折率を持つ結合部材25が備えられている。結合部材25は、テラヘルツ波26の損失が少ない高抵抗Siプリズムを用いており、第1の実施形態と同様に、テラヘルツ波26を一方向にのみ集光する機能を有するように円錐の一部をカットしたような形状にした。
前述したように、上部クラッド層24の厚さは、結晶6を光10が伝搬する際のクラッド層として機能するのに十分厚く、かつ結合部材25でテラヘルツ波26を外部に放射する際に多重反射や損失の影響が無視できる程度に薄いことが望ましい。本実施例では、導波層(結晶)6の厚さを3.8μm、幅を4μmとし、上部クラッド層24の厚さを1μmとした。
本実施例において、前述の(2)式より光10のうちLiNbO3のZ軸方向と一致する成分が励起するテラヘルツ波のチェレンコフ放射角はおよそ65度である。結合部材25は、導波路201でテラヘルツ波が全反射せずに空気中に取り出せる材料として、例えばテラヘルツ波26の損失が少ない高抵抗Siが好適である。この場合、結合部材25を伝搬するテラヘルツ波26と基板表面とがなす角θcladはおよそ49度である。
本実施例の素子12は、結晶6のパイロ軸と光9の偏光状態7の偏向方向とが一致するように配置する。制御部5は、制御部5通過前の偏光状態7から偏光状態8のような楕円偏光の状態を通過して、光10の偏光状態を偏光状態7の偏向方向に対して90度の直線偏光まで調整できる。偏光状態7の偏向方向から90度変化させた光10を得ることで、ラヘルツ波26に、100:1程度の消光比を持った強度制御を加えることができる。
さらに詳細には光10がLiNbO3のZ軸方向から90度回転した直線偏光となった場合には、結合部材25を伝搬するテラヘルツ波26と基板表面とがなす角θcladがおよそ51度程度となる。そのため光10の偏光角度を90度回転させることにより、テラヘルツ波26の伝搬経路の角度をおおよそ2度程度変更することができることとなる。例えば、テラヘルツ波26が1m伝搬した後の位置におおよそ3.5cmのずれを生じることとなるなど、検出部に対してテラヘルツ波26の強度に加えてテラヘルツ波26の到達位置の変調を加えることになり、大きな変調を与えられることとなる。
その結果、電極2、3に100kHz、100Vの交流電圧を印加したところ、100:1程度の消光比を持った強度変調を100kHzで加えることができる。変調スピードに関しては制御部5のサイズを最適化することで、一般的に数100MHzまで向上させることが可能である。
装置100によれば、光9に数100MHz程度までの高速な偏光変調を加えて得られた光10を素子12の結晶4に入射する。そのため、発生するテラヘルツ波26の強度変調をより効率良く行うことができる。また、光10の偏光状態を制御すれば、テラヘルツ波26の出力を調整できるため、長時間にわたってテラヘルツ波26を安定的に供給できるようになる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
例えば、第6の実施形態の装置700は、試料707で反射したテラヘルツ波26を検出しているが、試料707を透過したテラヘルツ波26を検出する形態にしてもよい。
また、上述の実施形態で、制御部5の配置について、制御部5を用いて効率的に光9の偏光状態を制御するのに望ましい例を述べた。また、上述の実施形態の制御部5は、2つの電極2、3は、結晶4のX軸、Y軸、Z軸のいずれかと垂直に配置されている。しかし、これに限らず、制御部5は、電極2と電極3とが対向して配置されていれば良い。また、制御部5は、電極2と電極3との間に形成される電界の方向と光9の偏光方向とがなす角の大きさが45度±5度となるように配置されていれば良い。
また、光導波路201は上述の構成に限らず、非線形光学結晶12を光が効率良く伝搬する構成であればよい。
1 光源
5 偏光制御部
6 非線形光学結晶
9、10 光
12 テラヘルツ波
201 導波路
5 偏光制御部
6 非線形光学結晶
9、10 光
12 テラヘルツ波
201 導波路
Claims (18)
- テラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生装置であって、
光源からの光の偏光方向を制御する偏光制御部と、
前記偏光制御部で偏光方向を制御された光が入射することによりテラヘルツ波を発生する非線形光学結晶を有する導波路と、を有し、
前記偏光制御部は、前記非線形光学結晶に入射する前記光の前記非線形光学結晶のZ軸方向の電界強度を制御する
ことを特徴とするテラヘルツ波発生装置。 - 前記非線形光学結晶から射出した光を検出する光検出部を更に有し、
前記偏光制御部は、前記光検出部の検出結果に基づいて前記非線形光学結晶に入射する前記光の偏光方向を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ波発生装置。 - 前記非線形光学結晶から射出した前記光のうち偏光方向が前記Z軸方向の光を抽出する偏光子を更に有し、
前記光検出部は、前記偏光子からの光を検出する
ことを特徴とする請求項2に記載のテラヘルツ波発生装置。 - 前記偏光制御部は、前記非線形光学結晶に入射する前記光の前記Z軸方向の電界強度を周期的に変化させる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のテラヘルツ波発生装置。 - 前記偏光制御部は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置されている非線形光学結晶と、を有する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のテラヘルツ波発生装置。 - 前記偏光制御部は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に形成される電界の方向と前記偏光制御部に入射する前記光の偏光方向とがなす角の大きさが45度±5度となるように配置されている
ことを特徴とする請求項5に記載のテラヘルツ波発生装置。 - 前記偏光制御部を第1の偏光制御部とすると、前記第1の偏光制御部と異なる第2の偏光制御部を更に有し、
前記第2の偏光制御部は、第3の電極と、第4の電極と、前記第3及び第4の電極との間に配置されている非線形光学結晶と、を有し、
前記第3の電極と前記第4の電極との間に形成される電界の方向と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に形成される電界の方向と、がなす角の大きさが90度±5度になるように配置されており、
前記第3の電極と第4の電極との間に形成される電界の方向と前記第2の偏光制御部に入射する前記光の偏光方向とがなす角の大きさが45度±5度となるように配置されている
ことを特徴とする特徴とする請求項6に記載のテラヘルツ波発生装置。 - 前記非線形光学結晶と接するように配置されており、前記導波路の前記非線形光学結晶から発生したテラヘルツ波を外部に取り出す結合部材を更に有する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のテラヘルツ波発生装置。 - 前記導波路の前記非線形光学結晶から発生したテラヘルツ波は、電気光学的チェレンコフ放射現象により放射される
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のテラヘルツ波発生装置。 - 前記導波路は、前記導波路の前記非線形光学結晶と、第1のクラッド層と、第2のクラッド層と、を有し、
前記導波路の前記非線形光学結晶は、前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層との間に配置されており、
テラヘルツ波に対する前記第1のクラッド層及び前記第2のクラッド層の屈折率は、テラヘルツ波に対する前記導波路の前記非線形光学結晶の屈折率より小さい
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のテラヘルツ波発生装置。 - 前記導波路の前記非線形光学結晶の幅は、テラヘルツ波の波長より小さい
ことを特徴とする請求項10に記載のテラヘルツ波発生装置。 - 前記導波路の前記非線形光学結晶は、LiNbO3、LiTaO3、NbTaO3、KTP、DAST、ZnTe、GaSe、GaAsのいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のテラヘルツ波発生装置。
- 前記偏光制御部の前記非線形光学結晶は、LiNbO3、LiTaO3、NbTaO3、KTP、DAST、ZnTe、GaSe、GaAsのいずれかを含む
ことを特徴とする請求項5又は6のいずれか一項に記載のテラヘルツ波発生装置。 - 前記第1の偏光制御部及び前記第2の偏光制御部それぞれの前記非線形光学結晶は、LiNbO3、LiTaO3、NbTaO3、KTP、DAST、ZnTe、GaSe、GaAsのいずれかを含む
ことを特徴とする請求項7に記載のテラヘルツ波発生装置。 - 前記偏光制御部は、前記光源からの前記光が入射する面又は前記光が射出する面に、反射防止膜が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のテラヘルツ波発生装置。 - 前記偏光制御部と前記導波路とは、接している
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のテラヘルツ波発生装置。 - テラヘルツ波を測定する測定装置であって、
請求項1乃至16のいずれか一項に記載のテラヘルツ波発生装置と、
テラヘルツ波を検出する検出部と、を有する
ことを特徴とする測定装置。 - テラヘルツ波発生方法であって、
光源からの光の偏光方向を制御する偏光制御ステップと、
前記偏光制御ステップで偏光方向が制御された光を非線形光学結晶に入射することによりテラヘルツ波を発生するテラヘルツ波発生ステップと、を有し、
前記偏光制御ステップでは、前記非線形光学結晶に入射する前記光の前記非線形光学結晶のZ軸方向の電界強度を制御する
ことを特徴とするテラヘルツ波発生装置。
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