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JP2016095189A - シンチレータパネル及び放射線検出器 - Google Patents

シンチレータパネル及び放射線検出器 Download PDF

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JP2016095189A
JP2016095189A JP2014230516A JP2014230516A JP2016095189A JP 2016095189 A JP2016095189 A JP 2016095189A JP 2014230516 A JP2014230516 A JP 2014230516A JP 2014230516 A JP2014230516 A JP 2014230516A JP 2016095189 A JP2016095189 A JP 2016095189A
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敬子 板屋
Keiko Itaya
敬子 板屋
前田 景子
Keiko Maeda
景子 前田
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Abstract

【課題】本発明は、シンチレータ層を構成する蛍光体として、潮解性を有する蛍光体を採用した場合であっても、そのような蛍光体に金属反射層を腐食することなく接触させ、発生した光を散乱させることなく光電変換素子側に伝搬させることで、高輝度化と高解像度化の両立を図ることができるシンチレータパネル及び放射線検出器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るシンチレータパネルは、光学的に透明な基板と、該基板上に設けられた、柱状結晶構造を持つ蛍光体からなるシンチレータ層と、金属反射層と、防湿層であるバリア層とを含み、該蛍光体は潮解性を有するものであり、該金属反射層は該蛍光体の柱状結晶先端に沿った形状で蛍光体に接しており、放射線入射側から見たときに、該バリア層、該金属反射層、該蛍光体層、該基板がこの順に配される。本発明に係る放射線検出器は、このシンチレータパネルと光電変換素子を含む光検出パネルとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鮮鋭性が高く耐湿性、耐衝撃性が改善された放射線画像が得られるシンチレータパネル及びそれを用いた放射線検出器に関する。
近年、放射線源から被写体の撮影部位を透過した放射線を電荷に変換し、デジタル放射線画像を生成する放射線検出器が、医療現場において病状の診断に用いられている。これらの放射線検出器は、Gd22SやCsI等の蛍光体層によって放射線を可視光に変換後、この可視光を光電変換素子(PD)により電荷へ変換するシンチレータ方式のものと、Seを代表とするX線検出素子によりX線を直接電荷へ変換する方式のものとに大別され、これらのうち、前者のシンチレータ方式の放射線検出器が広く用いられている。このようなシンチレータ方式の放射線検出器として、例えば、特許文献1は、シンチレータパネルと、薄膜トランジスタ(TFT)及び電荷結合素子(CCD)による光電変換素子との組み合わせである放射線検出器を開示している。
ここで、シンチレータ方式の放射線検出器においては、シンチレータ方式に用いられる放射線を可視光に変換する蛍光体層は低線量の撮影においてのSN比を向上するために、発光効率の高い蛍光体を使用することが必要になってくる。一般に蛍光体層の発光効率は、蛍光体層の厚さ、蛍光体のX線吸収係数、及び可視光への変換率によって決まる。そのような蛍光体の中でもヨウ化セシウム(CsI)に代表されるアルカリハライドを母材とする蛍光体は放射線から可視光に対する変換率が比較的高く、また、気相堆積法を用いることによって柱状結晶構造に形成することが容易なため、光ガイド効果による結晶内での光散乱が抑制され、蛍光体層の厚さを厚くすることが可能であった。
また、蛍光体層以外の構成部材の面から見ると、シンチレータ方式の放射線検出器においては、蛍光体層から発生した光の利用効率向上のために、多くの場合、特許文献2に示されるようにシンチレータパネルのPD側とは反対方向に金属反射層が設けられる。しかし、アルカリハライドには多くの場合潮解性があることから、蛍光体層を構成する蛍光体としてアルカリハライド結晶が採用されているシンチレータパネルにおいては、蛍光体層を構成するアルカリハライド結晶と金属反射層が接していると、アルカリハライドが僅かにもつ水分および/または環境中の酸素によって金属反射層が腐食し、反射機能が減退することがある。このような金属反射層の腐食および反射機能の減退を防止または抑制するため、このようなシンチレータパネルには、通常の場合有機膜で形成されたバリア層が設けられるが、有機膜のみでは、市場で使用に耐え得る腐食防止は困難というのがシンチレータパネル分野における技術常識であり、このような腐食防止を企図した試みが種々なされてきている。これらの試みの中で、例えば特許文献3では金属反射層とシンチレータ層の接触を防ぐ保護膜を設ける技術を開示している。また、特許文献4では金属反射層ではなくバインダに分散した光散乱性粒子によって反射機能を得る技術を用い、長期使用に耐えるシンチレータパネルを開示している。しかし、これらの技術を適用したシンチレータパネルには、保護膜や光散乱粒子を分散するバインダの中に光が散乱するため、画像の解像度が低下するという問題点があった。
特開2005−114456号公報 WO99/66345 WO2002/061459 特開2010−145351号公報
上述のような放射線検出器は、低被爆や、病気の早期発見等の市場要求を満たすために、更なる性能向上が望まれている。そこで、本発明は、シンチレータ方式の放射線検出器におけるこのような事情に鑑みてなされたものであり、シンチレータ層を構成する蛍光体として、潮解性を有する蛍光体を採用した場合であっても、そのような蛍光体に金属反射層を腐食することなく接触させ、発生した光を散乱させることなく光電変換素子側に伝搬させることで、高輝度化と高解像度化の両立を図ることができるシンチレータパネル及び放射線検出器を提供することを目的とする。
上述した目的のうち少なくとも1つを実現するために、本発明の第1の態様として、以下のシンチレータパネルが挙げられる:
光学的に透明な基板と、
該基板上に設けられた、柱状結晶構造を持つ蛍光体からなるシンチレータ層と、
金属反射層と
防湿層であるバリア層と
を含み、
該蛍光体は潮解性を有するものであり、
該金属反射層は該蛍光体の柱状結晶先端に沿った形状で蛍光体に接しており、
放射線入射側から見たときに、該バリア層、該金属反射層、該シンチレータ層、該基板がこの順に配されるシンチレータパネル。
また、本発明の第2の態様として、放射線検出器が挙げられる。
ここで、本発明の第1の放射線検出器として、
上記シンチレータパネルと、
光電変換素子を含む光検出パネルと
を有する放射線検出器が挙げられる。
また、本発明の第2の放射線検出器として、
光電変換素子を含む光検出パネルと、
該光検出パネル上に設けられた、柱状結晶構造を持つ蛍光体からなるシンチレータ層と、
金属反射層と
防湿層であるバリア層と
を含み、
該蛍光体は潮解性を有するものであり、
該金属反射層は該蛍光体の柱状結晶先端に沿った形状で蛍光体に接しており、
放射線入射側から見たときに、該バリア層、該金属反射層、該シンチレータ層、該光検出パネルがこの順に配される放射線検出器が挙げられる。
本発明により、腐食による反射性能低下を防止しながら、X線照射によって発光した光成分の散乱をなくし高効率で光電変換素子に伝搬させ、高輝度、高解像度であるシンチレータパネルおよび放射線検出器を提供することができる。
本発明に係るシンチレータパネルの基本構成を表す模式図である。 本発明の好適な態様におけるシンチレータパネルの例示的な構成を表す模式図である。 本発明に係る放射線検出器の基本構成の一例を説明する図である。ここで、黒太矢印は、放射線の入射方向を示す。 本発明の好適な態様における放射線検出器の例示的な構成を表す模式図である。ここで、黒太矢印は、放射線の入射方向を示す。 本発明に係る放射線検出器の基本構成の別の例を説明する図である。ここで、黒太矢印は、放射線の入射方向を示す。 本発明で用いられる例示的な蒸着装置の一つの構成を示す概略図である。
以下に、本発明について具体的に説明する。
ここで、本明細書において、「光」なる語は、電磁波のうち、可視光線を中心に紫外領域から赤外領域にわたる波長領域の電磁波、より具体的には、300nmから800nmにかけての波長を有する電磁波を指す。また、「蛍光体」または「シンチレータ」なる語は、X線等の入射された放射線のエネルギーを吸収して、上記「光」を発光する蛍光体を指す。
また、「透明」なる語は、他の記載がない限り、上記「光」を、顕著な反射および散乱を生じさせることなく透過させることができる性質を指す。
以下、本発明に係るシンチレータパネル及び放射線検出器とこれらの構成要素、並びに、本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。
〔シンチレータパネル〕
本発明に係るシンチレータパネルは、
光学的に透明な基板と、
該基板上に設けられた、柱状結晶構造を持つ蛍光体からなるシンチレータ層と、
金属反射層と
防湿層であるバリア層と
を含み、
該蛍光体は潮解性を有するものであり、
該金属反射層は該蛍光体の柱状結晶先端に沿った形状で蛍光体に接しており、
放射線入射側から見たときに、該バリア層、該金属反射層、該シンチレータ層、該基板がこの順に配されることを特徴とする。
本発明のシンチレータパネルの基本構成を図1に示す。図1に示すように、シンチレータパネル10は、基板11と、シンチレータ層12と、金属反射層13と、バリア層14をこの順番で含んでいる。ここで、本発明における典型的な態様では、シンチレータパネル10への放射線入射は、バリア層14側から基板11側に向かって行われることから、放射線入射側から見たときに、バリア層14、金属反射層13、シンチレータ層12、および基板11がこの順に配されることになる。
ここで、本発明のシンチレータパネル10を構成する基板11は、光学的に透明な基板である。
また、シンチレータ層12は、柱状結晶構造を有する蛍光体120から構成されており、本発明では、そのような蛍光体120として、潮解性を有する蛍光体が採用される。そして、金属反射層13が、この蛍光体120の柱状結晶先端に沿った形状で蛍光体120に接している。さらに、バリア層14は、無機素材を含む層を有している。
以下、本発明のシンチレータパネル10を構成する各種構成要素について、詳細に説明する。
<基板>
本発明のシンチレータパネル10を構成する基板11は、光学的に透明な基板である。
本発明において基板とは、シンチレータパネルの構成要素において蛍光体を保持する役割を果たす部材であり、X線等の照射によって蛍光体が発した光成分を光検出パネルに伝搬する役割を果たす部材でもある。このため、本発明のシンチレータパネル10を構成する基板11は、光学的に透明である必要がある。また、基板11は、気相堆積法によってその上に蛍光体120を形成する場合には熱変形を防止する役割もある。
本発明の基板11を構成する材質としては、ガラスや樹脂フィルムまたはその複合材料といったものがあげられ、樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、セルロースアセテート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、エポキシ、ポリアミドイミド、ビスマレイミド、フッ素樹脂、アクリル、ポリウレタン、アラミド、ナイロン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等があげられる。また、耐熱性及び光透過性を有する蒸着基板に適用する材料としては、透明ポリイミドフィルム、フレキシブルディスプレイ用透明プラスチック基板、アラミドフィルム、薄膜ガラス、低融点ガラスなどの材料を単一、もしくは複合材料として用いることができる。
また、本発明における好適な態様の1つにおいては、基板11として、ファイバオプティクスプレート(FOP)を好適に用いることができる。FOPは数μmの光ファイバを束にした光学デバイスであり、入射された光を高効率、低歪みで光電変換素子に伝搬する事が可能である。また、FOPは放射線遮蔽効果が高く、放射線画像変換器に使用される後述する光検出器を構成する各種素子への放射線ダメージを防ぐために、前面にFOPを設置することも多い。FOPはその放射線遮蔽率、可視光透過率などから市販のものを選択する事が可能である。このFOPの形状や大きさは、シンチレータパネル10の用途などによって適宜設定することができ、従来公知の手法により、面取等、形状の変更を行うことができる。ここで、FOPの面取等は、シンチレータ層12の形成を行う前に行ってもよいし、あるいは、シンチレータ層12、金属反射層13およびバリア層14の形成を行った後で行ってもよい。
<シンチレータ層>
本発明のシンチレータパネル10を構成するシンチレータ層12は、柱状結晶構造を有する蛍光体120から構成されている。ここで、本発明では、後述する特定の形状を有する金属反射層13および後述するバリア層14によって、蛍光体120の潮解による反射性能の低下を防ぎつつ、高輝度及び高解像度を得ることができる。このような効果は、特に、潮解性を有する蛍光体をシンチレータ層に採用したシンチレータパネルで顕著となる。それゆえ、本発明のシンチレータパネル10では、シンチレータ層12を構成する蛍光体120は、潮解性を有する蛍光体である。
本発明において蛍光体とはα線、γ線、X線等の電離放射線が照射されたときに原子が励起されることにより発光する蛍光体をいう。すなわち、放射線を紫外・可視光に変換して放出する蛍光体を指す。
本発明で用いられる蛍光体120には、従来公知の種々の蛍光体母材化合物、および、これらの蛍光体母材化合物に従来公知の適当な賦活剤をドープしてなる種々の化合物を用いることができる。ただ、本発明では、シンチレータ層12を構成する蛍光体120として潮解性を有するものが用いられる。ここで、「潮解」は、一般的には、対象とする固体が大気中の水を吸収して、その中に当該固体の一部が溶解する現象をいうが、本発明の場合は、このような溶解が顕著に視認できる場合に限らず、該固体が金属反射層の腐食反応を生じさせるに充分な量の水を抱え込むに到った状態も「潮解」として取り扱うことにする。
このような潮解性を有する蛍光体120として、例えば、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、及び、希土類元素のハロゲン化物を蛍光体母材化合物として含むものが挙げられる。ここで、アルカリ土類金属のハロゲン化物のうち、フッ化物は概して水に不溶のものが多い一方で、それ以外のハロゲン化物では水溶性が高いものが多く潮解性の問題が生じやすい傾向にある。したがって、アルカリ土類金属のハロゲン化物については、フッ化物以外のハロゲン化物を挙げることができる。
これらのハロゲン化物を構成するハロゲンとしては、柱状結晶を形成可能で蛍光体として機能しうる潮解性のハロゲン化物を与えるものである限り特に限定はないものの、通常、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられ、アルカリ金属のハロゲン化物およびランタノイドのハロゲン化物の場合には、フッ素も構成ハロゲンとなり得る。ただ、多くの場合、これらのハロゲン化物を構成するハロゲンは、臭素およびヨウ素が好ましく、ヨウ素が特に好ましい傾向にある。
アルカリ金属の例として、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、これらのうちの好適な例として、ナトリウム及びセシウムが挙げられ、セシウムが特に好ましい。
アルカリ土類金属の例として、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられ、これらのうちの好適な例として、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムが挙げられる。
また、希土類元素の例として、スカンジウム、イットリウムおよび各種ランタノイド元素が挙げられ、これらのうちの好適な例として、ランタンおよびセリウムが挙げられる。
なお、好適な蛍光体120の一例として、立方晶系の結晶構造を有する、アルカリ金属のハロゲン化物を蛍光体母材化合物として含むものが挙げられる。
これらの化合物は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
なお、本発明において『Xを母材とする蛍光体』という表現が用いられることがあるが、これは、賦活剤がドープされているか否かにかかわらず、蛍光体母材化合物としてXを含んでなる蛍光体を意味し、そのような蛍光体は、Xのみからなるものであってもよく、あるいは、Xに対して賦活剤がドープされてなるもの(すなわち、Xと賦活剤を含むもの)であってもよい。
ここで、本発明において、蛍光体120を構成するこのような蛍光体母材化合物の好適な例として、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化セシウム(CsI)、臭化セシウム(CsBr)、臭化ランタン(LaBr3)、ヨウ化ストロンチウム(SrI)、のような蛍光体が挙げられる。なかでも、ヨウ化セシウム(CsI)は、X線から可視光に対する変更率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成できるため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、蛍光体層の厚さを厚くすることが可能である。したがって、ヨウ化セシウム(CsI)を蛍光体母材化合物とすることが特に好適である。
また、蛍光体120を構成しうるその他の好適な蛍光体母材化合物として、カルシウムハライド、ストロンチウムハライド、ヨウ化セシウムバリウム(CsBa25)などアルカリ土類金属のハロゲン化物や、臭化セリウム、臭化ランタンなどランタノイドのハロゲン化物も挙げられる。ここで、ストロンチウムハライドの例として、ヨウ化ストロンチウムや臭化ストロンチウムが挙げられ、カルシウムハライドの例として、ヨウ化カルシウムや臭化カルシウムが挙げられる。
ここで、本発明において、シンチレータ層12を構成する蛍光体120として、CsIなど上記した蛍光体母材化合物をそのまま用いることを妨げるものではない。ただ、発光効率を充分に確保する観点からは、蛍光体母材化合物に対して、各種の賦活剤をドープしてなる蛍光体を蛍光体120として用いることが好ましい。そのような賦活剤として、例えばタリウム(Tl)、ユウロピウム(Eu)、インジウム(In)、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ナトリウム(Na)などの賦活物質が好適に挙げられ、これらを少なくとも1種類以上含有することが好ましい。なお、本発明においては、タリウム化合物を含む添加剤とヨウ化セシウムとを原材料として得られる蛍光体、すなわち、ヨウ化セシウムにタリウムをドープしてなる蛍光体であるタリウム賦活ヨウ化セシウムが好ましい。タリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)は400nmから750nmまでの広い発光波長をもち、汎用の光検出パネルにて検出可能である。
ここで、本発明では、シンチレータ層12のうち、蛍光の発光に寄与する蛍光体層として機能する部分における賦活剤の相対含有量は0.1〜3モル%が好ましい。
本発明において、シンチレータ層12は、通常、蛍光体母体化合物と賦活剤とから気相堆積法により形成された蛍光体柱状結晶で構成され、かつ、好ましくは当該蛍光体柱状結晶の一定の面指数を有する面のX線回折スペクトルに基づく配向度が、当該蛍光体柱状結晶の基板に近い根元から当該シンチレータ層の層厚方向の位置に係わらず、80〜100%の範囲内である。
本発明においては、当該配向度が、95〜100%の範囲内であることがより好ましい。また、前記一定の面指数は、(100)、(110)、(111)、(200)、(211)、(220)、(311)等のうちのいずれかであり得るが、(200)であることが好ましい(当該面指数については、X線解析入門(東京化学同人)42〜46頁参照。)。 これにより、柱状結晶の基板側においても独立した柱状が得られ、蛍光体内で発生した光成分の散乱が抑制され、効率よく光電変換素子に向けて出射される。ここで、基板としてFOPを用いた場合、FOPのシングルファイバに光損失なく伝搬されるため、より効果的である。なお、本発明における「一定の面指数の面のX線回折スペクトルに基づく配向度」とは、ある面指数の強度Ixが他の面指数の面を含めた全体の総強度Iに占める割合のことを指す。例えば、X線回折スペクトルにおける(200)面の強度I200の配向度は、「配向度=I200/I」である。配向度決定のための面指数その測定方法としては、例えばX線回折(XRD)が挙げられる。X線回折は、特定波長の固有X線を結晶性物質に照射し、Braggの式を満足する回折が起こることを利用して、物質の同定、結晶相の構造などに関する知見を得ることのできる汎用性の高い分析手法である。照射系のターゲットはCu、Fe、Coなどが用いられ、装置能力によるが、一般的に照射時の出力は0〜50mA、0〜50kV程度である。
また、本発明では、シンチレータ層12を構成する蛍光体120は、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられる柱状結晶の形状を有する。柱状結晶を形成する方法としては、気相堆積法が挙げられる。気相堆積法としては、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法その他を用いることができるが、本発明では特に蒸着法が好ましい。
本発明において、シンチレータ層12は、1層からなっていてもよいし、2層以上からなっていてもよい。すなわち、シンチレータ層12は、蛍光体層のみからなるものであってもよく、あるいは、下地層と蛍光体層とからなり、支持体11上に、下地層と蛍光体層とがこの順で積層されている構造を有するものであってもよい。シンチレータ層12が下地層と蛍光体層との2層を含む場合、これらの層は、蛍光体母材化合物が同じである限り、同じ材質からなるものであってもよく、あるいは異なる材質からなるものであってもよい。すなわち、シンチレータ層12は、
全体が蛍光体母材のみからなる1層であってもよく、
全体が蛍光体母材化合物と賦活剤とを含む1層であってもよく、
蛍光体母材化合物のみからなる下地層と、蛍光体母材化合物と賦活剤とを含む蛍光体層とからなるものであってもよく、
蛍光体母材化合物と第1の賦活剤とを含む下地層と、蛍光体母材化合物と第2の賦活剤とを含む蛍光体層とからなるものであってもよい。
ただ、本発明では、好適なシンチレータ層12として、
蛍光体母材化合物と賦活剤とからなる蛍光体層のみからなるシンチレータ層、および、
蛍光体母材化合物と賦活剤とからなる蛍光体層と、蛍光体母材化合物と賦活剤とからなる下地層とを含むシンチレータ層
が挙げられ、このうち、蛍光体母材化合物と賦活剤とからなる蛍光体層と、蛍光体母材化合物と賦活剤とからなる下地層とを含むシンチレータ層が特に好ましく挙げられる。
このように、本発明の好適な態様において、シンチレータ層12は、蛍光体母材化合物と賦活剤とからなる蛍光体を含む蛍光体層から構成されるが、基板(支持体)11と蛍光体層との間に、蛍光体母材化合物と賦活剤からなり、空隙率が蛍光体層よりも大きい値を示す下地層が設けられていることが好ましい。
下地層における賦活剤の相対含有量は0.01〜1モル%が好ましく、0.1〜0.7モル%が更に好ましい。特に、下地層の賦活剤の相対含有量が0.01モル%以上であることが、シンチレータパネル10の発光輝度向上及び保存性の点で非常に好ましい。また、下地層における賦活剤の相対含有量が蛍光体層における相対含有量よりも低いことが非常に好ましく、蛍光体層における賦活剤の相対含有量に対する下地層における賦活剤の相対含有量のモル比((下地層における賦活剤の相対含有量)/(蛍光体層における相対含有量))は、0.1〜0.7であることが好ましい。
蛍光体柱状結晶の形成方法としては、上記面指数についての要件を満たすために、基板の表面に、空隙率が蛍光体層よりも低い値を示す下地層を形成する工程、及び下地層の表面に蛍光体を気相堆積法により形成する工程を含む態様の製造方法であることが好ましい。本特許における空隙率は、蛍光体層を支持体と平行に切断した断面において、柱状結晶の断面積と空隙の面積の総和に対する、空隙の面積の比率をいう。空隙率は、シンチレータパネルの蛍光体層を支持体と平行に切除し、断面の走査型電子顕微鏡写真を、画像処理ソフトを使用して蛍光体部分と空隙部の2値化することにより、求めることができる。なお、蛍光体層(蛍光体層)の厚さは、100〜800μmであることが好ましく、120〜700μmであることが、輝度と鮮鋭性の特性をバランスよく得られる点からより好ましい。下地層の膜厚は、高輝度・鮮鋭性維持の面から、0.1μm〜50μmであることが好ましく、5μm〜40μmであることがより好ましい。
<金属反射層>
本発明のシンチレータパネル10を構成する金属反射層13は、蛍光体120の柱状結晶先端部に沿った形状で蛍光体120に接している。
ここで、蛍光体120の柱状結晶構造を蒸着によって形成した場合、蒸着が終了した時点で、当該柱状結晶先端部は尖った針形状となっている。互いに隣接する柱状結晶同士の間隙は屈折率が異なるため、柱状結晶内で発生した光は、光ガイド効果によりこの柱状結晶内を伝搬するが、針形状となった先端部では様々な角度から光があたるため、この柱状結晶の外に光が出射しやすい。この先端を金属反射層13によって覆うことにより、蛍光体120内部で発生した発光を非常に効率よく取り出すことができ、輝度が飛躍的に向上する。また、アルカリハライドの中には潮解性を有するものが多いところ、アルカリハライドが水気を含むと、ハロゲン化水素などの腐食性のハロゲン分子種を生じさせることがある。ここで、アルカリハライド系の蛍光体と接した金属反射層は腐食に対して脆弱であり、従来、蛍光体と金属反射層の間に腐食防止層として数μmの薄膜有機層を、金属反射層の腐食防止のために設けていた。しかし、本発明では、次述するバリア層14の採用によりアルカリハライドの潮解による問題を回避または抑制できることによって、シンチレータ層12を構成する蛍光体120と金属反射層13との間にこのような薄膜有機層を設ける必要がなくなる。これにより、金属反射層13を蛍光体120の柱状結晶先端形状に沿って直接設けるため、この薄膜有機層の中に光が散乱する事がなく、蛍光体120の柱状結晶内で発生した光が近隣の別の柱状結晶に伝搬するクロストークが起こらないため、鮮鋭性が大きく向上する。
金属反射層13を構成する材料としては、蛍光体120の柱状結晶内で発生した光を充分に反射可能な金属材料、具体的には、アルミニウム、銀、白金、パラジウム、金、銅、鉄、ニッケル、クロム、コバルト、ステンレス等の金属材料を含有していることが好ましい。中でも反射率の観点から銀もしくはアルミニウムを主成分としていることが特に好ましい。ここで、金属反射層13を構成する金属材料は、本発明の典型的な態様において、金属単体あるいはその合金の形態を有している。ただ、光の散乱が大きくならない限りにおいては、必ずしも金属単体やその合金の形態を有するものに限られず、対応する金属酸化物の形態であってもよい。このような金属酸化物の好適な例として、アルミナなどが挙げられる。
金属反射層13を蛍光体120の柱状結晶先端に設ける方法としては、蒸着、スパッタなど既知のプロセスを用いることが可能であるが、柱状結晶への密着性の観点からスパッタが好ましい。ここで、金属反射層13として金属酸化物からなる層を採用する場合、バインダ樹脂に金属材料が分散した状態で含まれる層とすると、反射光の一部がバインダ樹脂に散乱し、得られる像における鮮鋭性が充分に得られないことがある。このことを考慮すると、本発明では、金属反射層13にバインダ樹脂が含まれないことが好ましい。したがって、金属反射層13として金属酸化物からなる層を形成する場合、バインダ樹脂を用いない方法によることが望ましく、例えば、スパッタなどによって形成することが好ましい。
金属反射層13の厚さは、蛍光体120の柱状結晶の鋭角に尖った先端部において、平均0.15μm以上1.0μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。ここで、金属反射層13の平均厚は、成膜後、電子顕微鏡等の断面画像を面内の数カ所で撮影し、算出された膜厚の平均をとることによって求める厚さである。シンチレータ層12を構成する蛍光体120の柱状結晶は互いに密に隣接しており、蒸着やスパッタで製膜すると柱状結晶間に金属が入り込みづらく膜厚にばらつきが出る場合がある。先端部を覆い、光を光電変換素子方向に反射するためには、尖った先端部で少なくとも0.15μm以上が好ましい。一方、金属反射層13の膜厚を厚くしすぎると温度変化時の反り等が発生しクラックが発生する場合があるため、1.0μm以下が好ましく、0.5μm以下がより好ましい。
なお、後述するように、金属反射層13へのバリア層14の形成を気相堆積法などの方法により直接行う場合には、有機・無機粒子や、有機膜、もしくは有機-無機ハイブリッド膜にて予め柱状結晶相互間にある空隙を埋めておくことが好ましい。このような有機・無機粒子、有機膜、および、有機-無機ハイブリッド膜として、後述する「バリア層」の項に記載されているものと同様のものを用いうる。
<バリア層>
本発明において、バリア層14は、防湿層として機能するものであり、金属反射層13の腐食防止とシンチレータ層12を構成する蛍光体120の保護を主眼とするものである。シンチレータとして用いられる多くの蛍光体、特にヨウ化セシウム(CsI)などのアルカリハライド系蛍光体は、概して吸湿性が高い傾向にあり、ごく僅かな水分や環境中の酸素により金属反射層を腐食させ、自身も潮解することがある。そこで、本発明でバリア層14を設けるのは、これを防止することを主眼とする。そのためには、金属反射層13とバリア層14を合わせたときの水蒸気透過率及び酸素透過率が小さいことが好ましい。具体的には、水蒸気透過率は、0.1 g/m2・24h以下であることが好ましく、0.05 g/m2・24h以下であることがさらに好ましい。一方、酸素透過率は、0.1 cc/m2・24h以下であることが好ましく、0.05 cc/m2・24h以下であることがさらに好ましい。
このように、本発明において、バリア層14として水分や酸素の透過性の低い層を設けることにより、従来技術において金属反射層の腐食を防ぐために蛍光体と金属反射層の間に設けていた薄膜有機層をシンチレータパネル10では設ける必要がなくなる。これによって、本発明のシンチレータパネル10は、金属反射層13が、シンチレータ層12を構成する蛍光体120の柱状結晶先端に沿った形状で直接蛍光体120に接する構造を有することができるのである。このようなシンチレータパネル10では、薄膜有機層の存在に起因する、蛍光体120の柱状結晶内で発生した光が近隣の別の柱状結晶に伝搬するクロストークが起こらないため、鮮鋭性が大きく向上する。
本発明においては、このような性能を満たすことができる限り、バリア層14を構成する素材は特に問わない。すなわち、水蒸気透過率及び酸素透過率が充分小さい限り、バリア層14が有機素材のみからなるものであることを妨げるものではない。ただ、本発明で用いられるバリア層14の好適な例として、無機素材を含む層を有する層が挙げられる。ここで、「無機素材を含む層を有する」とは、バリア層14が、無機素材を含む層を少なくとも1層含むことを意味するものであり、その限りにおいて、バリア層14は、単層からなるものであってもよく、あるいは、2以上の層からなる積層体であってもよい。
ここで、本発明の典型的な態様においては、そのような「無機素材を含む層」として、無機素材からなる層(以下、「無機層」)が挙げられる。無機層を構成する無機素材の例としては、Al、Si、Mg、Sn、Zn、並びに、これらの酸化物および窒化物が挙げられる。このような無機素材の好適な例として、アルミニウムや二酸化ケイ素が挙げられる。これらの無機素材は、1種単独で、あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。
ここで、本発明で用いうる無機層は、水分や酸素に対するバリア性を充分確保できるよう、緻密な膜の形態を有することが好ましい。すなわち、本発明の好適な態様では、無機層は、無機素材からなる膜(本明細書において「無機膜」とも呼ぶ。)の形態を有している。ただ、本発明において、無機層は、無機素材からなる粒子(本明細書において「無機粒子」とも呼ぶ。)を含むものであってもよい。このような無機層の厚さは、水分や酸素に対するバリア性を充分確保できる限りにおいて特に限定されないものの、例えば0.05μm〜0.5μmとすることが好ましい。
無機層の形成方法は、水分や酸素に対する充分なバリア性を有する無機層を形成できる限り特に限定されず、従来公知の手法によることができる。ただ、本発明の典型的な態様においては、膜状の緻密な無機層を形成しやすいことから、気相堆積法が一般的に用いられる。気相堆積法としては、蒸着、スパッタ、イオンプレーティング、プラズマCVD等既知の方法が使用できるが、より緻密な膜形成が可能なスパッタやプラズマCVDが好ましい。本発明における好適な態様の1つにおいて、これら無機層の緻密化や厚膜化により、本発明のバリア層とすることができるが、このような緻密化および厚膜化は、気相堆積法によって好適に行うことができる。
ここで、本発明のシンチレータパネル10の好適な態様の1つにおいて、バリア層14は、無機層を少なくとも1つ含む多層からなる。その中のより好適な態様の1つにおいて、バリア層14は、2以上の無機層を含んでいる。この場合、各無機層は、同じ材質からなるものであってもよく、あるいは、層ごとに材質が異なるものであってもよい。また、各無機層の形成方法についても、全ての無機層を同一の方法で形成しても良く、層ごとに異なる方法を採用してもよい。
本発明において、バリア層14は、単一のあるいは2以上の無機層のみからなるものであってもよいが、有機素材からなる層(以下、「有機層」)を有してもよい。
ここで、バリア層14のうち有機層を有するものの典型的且つ好適な例として、上記無機層と有機層との積層体の形態のものが挙げられる。
例えば、シンチレータ層12を構成する蛍光体120の柱状結晶先端に起因する凹凸を平滑化するために、上記無機層を形成する前に、予め金属反射層13上に第1の有機層を設けてもよい。この目的で設けられる第1の有機層は、蛍光体120の柱状結晶先端に起因する凹凸を充分平滑化できるものである限りにおいて特に限定されないものの、例えば10μm〜200μmとすることが好ましい。
また、気相堆積法で形成した無機層は、ピンホール等の欠陥によりそのバリア性能を損ねる場合があることが知られている。この欠陥によるバリア性能劣化を防ぐために、基板11から見て無機層の外側に有機層(第2の有機層)を積層することが好ましい。この第2の有機層の厚さは、無機層に発生しうる欠陥によるバリア性能劣化を充分防止できる限りにおいて特に限定されないものの、例えば10μm〜200μmとすることが好ましい。本発明のシンチレータパネル10を構成するバリア層14は、この第1の有機層と第2の有機層の両方を有していてもよく、あるいは、これらのうちいずれか一方のみを有していてもよい。
このように、バリア層14は、1以上の無機層と1以上の有機層とを含む多層構成であってもよい。ただ、上記金属反射層13の腐食を充分防ぐことができる程度に水分や酸素に対するバリア性を充分確保できる限りにおいて、バリア層14が、無機層を有さないでいることを必ずしも妨げるものではない。
本発明で用いうる有機層を構成する有機素材としては、ポリオレフィン系、ポリアセタール系、エポキシ系、ポリイミド系、シリコーン系、フッ素系、ポリパラキシリレン系といった各種樹脂を挙げることができるが、バリア性が高く、無機層との密着性が高いといった観点から、ポリパラキシリレン系樹脂を好適に用いることができる。これらの有機素材は、1種単独で、あるいは2種以上の組み合わせで用いることができる。
ここで、本発明で用いうる有機層は、有機素材からなる膜(本明細書において「有機膜」とも呼ぶ。)の形態を有するものであってもよい。また、有機素材からなる粒子(本明細書において「有機粒子」とも呼ぶ。)を含むものであってもよい。ただ、有機層のうち、少なくとも、上記無機膜に生じうる欠陥によるバリア性能劣化を防ぐために設けられるものについては、緻密な有機膜の形態を有するものとしておくことが好ましい。
有機層の形成方法は、特に限定されず、従来公知の手法によることができる。例えば、上記無機層と同様気相堆積法によって形成しても良く、塗膜として形成しても良く、あるいは、適当なフィルムを有機膜として用いるものであってもよい。
バリア層14が2つ以上の有機層を有する場合、これらの有機層を構成する有機素材は同じであってもよく、あるいは、互いに異なるものであってもよい。また、これらの有機層の形成方法についても同様である。
また、本発明において、バリア層14を構成しうる上記「無機素材を含む層」は、水分や酸素に対するバリア性を充分確保することができる限りにおいて、上記「無機層」に限定されるものではなく、無機素材および有機素材の両方を含む層(以下、「有機-無機ハイブリッド層」)であってもよい。このような「有機-無機ハイブリッド層」として、例えば、上記有機素材からなる連続相の中に上記無機粒子が分散してなる膜状の層や、上記無機素材及び上記有機素材が渾然一体となって、全体として単一の構造を形成してなる膜状の層等が挙げられる。なお、本明細書では、これらのような、無機素材および有機素材の両方を含む膜状の層を、「有機-無機ハイブリッド膜」と呼ぶことがある。
このような「有機-無機ハイブリッド層」の厚さは、水分や酸素に対するバリア性を充分確保できる限りにおいて特に限定されない。
このような「有機-無機ハイブリッド層」の形成方法は、特に限定されず、従来公知の手法によることができる。例えば、上記無機層と同様気相堆積法によって形成しても良く、あるいは、塗膜として形成しても良い。また、バリア層14の中に、2つ以上の「有機-無機ハイブリッド層」が含まれていてもよく、この場合、各「有機-無機ハイブリッド層」は、同じ構成のものであってもよく、あるいは、互いに異なる構成を有していてもよい。また、バリア層14が「有機-無機ハイブリッド層」を含む場合、この「有機-無機ハイブリッド層」のほかに、上記無機層及び/または上記有機層が含まれていてもよい。
以上、バリア層14を構成しうる無機層、有機層および有機-無機ハイブリッド層について説明したが、本発明における好適な態様の1つにおいて、バリア層14は、有機素材と無機素材との複合素材からなる。このような複合素材からなるバリア層14は、上記無機層と上記有機層との積層構造を含むものであってもよく、あるいは、上記「有機-無機ハイブリッド層」を含むものであってもよい。ただ、本発明では、バリア層14が取りうる態様のうちの特に好適なものとして、上記無機層と上記有機層との積層構造を含むバリア層が挙げられる。上記無機層と上記有機層との積層構造を含むバリア層14を有するシンチレータパネルの一例を、図2に示す。図2に示したように、バリア層14についての特に好ましい例示的な態様の1つとして、シンチレータ層12を構成する蛍光体120の柱状結晶先端に起因する凹凸を平滑化するための第1の有機層141と、バリア層としての本来的な役割を担う無機層142と、当該無機層に生じうるピンホールをふさぐための第2の有機層143を有する3層構成のバリア層が挙げられる。ただ、本発明で採用しうるバリア層14は、このような3層構成のものに限られず、追加の有機層及び/または無機層をさらに有する4層以上の構成であってもよく、あるいは、逆に、場合によってはこの第1の有機層141及び第2の有機層143のうちのいずれか一方を欠く構成であってもよい。
以上に挙げたようなバリア層14の形成にあたっては、上記に示した気相堆積法のほか、ゾル−ゲル法に代表される,バリア性を有する材料の前駆体の塗膜にエネルギーを注入することでバリア性薄膜に改質する方法や,ナノクレイ等の平板状無機粒子を分散させた液を塗設して粒子を面内方向に配向させたナノコンポジットバリア層を形成する方法等、有機-無機ハイブリッドタイプのウェットコーティングによる方法を利用することも可能である。例えば、バリア性を有する材料の前駆体の塗膜にエネルギーを注入することでバリア性薄膜に改質する方法の例として、アルコキシシランやパーヒドロポリシラザン等の二酸化ケイ素前駆体からなる塗膜を形成し、このような塗膜に対して、大気中または水蒸気含有雰囲気中でエネルギーを注入することにより二酸化ケイ素膜に転化させる方法が挙げられる。この方法では、二酸化ケイ素からなる無機層を有するバリア層14が得られることになる。ここで、上記エネルギー注入は、シンチレータ層12を構成する蛍光体120の柱状結晶構造や金属反射層13の構造を破壊しない態様で行うことが好ましく、例えば、エキシマ光照射などの紫外線照射によって行うことが好ましい。また、二酸化ケイ素前駆体からなる塗膜を形成する際には、気相堆積法等そのほかの方法によって二酸化ケイ素からなる層を事前に形成しておいてもよい。
また、本発明において、バリア層14は、金属反射層13に直接設けられてもよく、あるいは、バリアフィルムの形で別途形成してから設けられてもよい。すなわち、バリア層14は、金属反射層13の上に、直接、当該バリア層14を構成すべき各層を逐次形成することによって形成されるものであってもよく、あるいは、当該バリア層14を構成すべき各層を有する単層フィルムまたは積層フィルムを別途用意しておき、この単層フィルムまたは積層フィルムを金属反射層13の上に被せることによって、一度に形成されるものであってもよい。
バリア層14が直接設けられる場合は、無機層を形成する前に、蛍光体120の柱状結晶相互間に存在する間隙を埋める方が好ましい。本発明に係る蛍光体柱状結晶の空間充填率は80−95 %であり、柱状結晶間には間隙がある。これらは、気相堆積法により形成させる無機層により根元まで完全に被覆することが困難なため、有機・無機粒子や、有機膜、もしくは有機-無機ハイブリッド膜にて柱状結晶相互間にある空隙を埋めることが好ましい。これらに使用される材質としては上述した無機層のピンホールを被覆するために一般的に用いられる材質、例えば、上記無機層を構成する材質および上記有機層を構成する材質と同様のものを用いることができる。
一方、バリア層14を構成すべき各層を有する単層フィルムまたは積層フィルム、例えば、バリアフィルムの形としてから別途設ける場合には、そのような単層フィルムおよび積層フィルムは、バリア層14を構成すべき層の1つとなる適当な基材に対してほかの層を形成することにより得られるものであってもよく、あるいは、他の物質に対する剥離性に優れた適当な基板に対して、バリア層14を構成すべき各層を適当な手段により逐次形成してバリア層14を構成すべき層構造を得、その後、得られた当該層構造をこの基板から剥離することによって得られるものであってもよい。
ここで、このような単層フィルムおよび積層フィルムとして、所要の層構造を有する市販のフィルムを用いてもよく、例えば、電子ペーパーや、太陽電池、有機EL等に用いられる既知のハイバリアフィルムを用いることができる。
このようなハイバリアフィルムの典型例として、プラスティックフィルムからなる基材層にガスバリア層が形成されてなる構造を有するものが挙げられる。このようなバリア層の典型的な構造として、無機層と有機層とが交互に積層されてなる構造を有するもの、ポリマーからなる連続相に無機粒子が分散されてなる構造を有するもの、および、ゾルゲル法により形成され、無機素材と有機素材とが渾然一体となった有機-無機ハイブリッド膜としての構造を有するものが挙げられる。これらは、薄膜の有機層と無機層を交互に積層してなる積層構造や、無機材料を有機膜に分散法やゾルゲル法によって組み込んだ有機-無機ハイブリッド膜を、高分子支持体(プラスティックフィルムからなる基材)上に設けることで作成される。
また、バリア層14となり得る単層フィルムおよび積層フィルムの別の例として、薄膜ガラスフィルムも挙げることができる。この薄膜ガラスフィルムは、ガラスのみからなるものであることを必ずしも妨げるものではないが、典型的には、薄膜ガラスの片面もしくは両面に樹脂からなるコート層を設けてなるフィルムや、複数の薄膜ガラスで樹脂からなる層を挟んでなるフィルムが挙げられる。ここで、薄膜ガラスフィルムを構成する薄膜ガラスの膜厚は、本発明の目的を達成できる限り特に問わないものの、充分な可撓性が得られ、かつ、シンチレータ層12を構成する蛍光体120の柱状結晶構造に過度の荷重がかからない程度に薄いことが好ましく、目安としては、例えば、膜厚300μm以下のものが挙げられる。一方、薄膜ガラスフィルムを構成する薄膜ガラスの膜厚の下限値については特に限定はない。ここで、現時点で入手可能な一般的な薄膜ガラスフィルムにおける薄膜ガラス部の厚みは通常30μm以上であるが、これよりも薄い薄膜ガラス部を有する薄膜ガラスフィルムをバリア層14として採用することは、何ら妨げられない。
<シンチレータパネルの製造方法>
本発明に係るシンチレータパネル10は、本発明の目的を損なわない限り製造方法に特に制限はなく、蛍光体120の柱状結晶先端に沿った形状の金属反射層13とバリア層14が存在できるようにすることを除いては、基本的には従来公知のシンチレータパネルの製造方法と同様の方法とすることができる。
具体的には、基板11に対して、従来公知の方法に従って、柱状構造の蛍光体120からなるシンチレータ層12の形成を行い、次いで、金属反射層13の形成を行い、その後、バリア層14の形成を行うことにより、シンチレータパネル10を得ることができる。ここで、金属反射層13およびバリア層14の形成は、それぞれ上記「金属反射層」および「バリア層」の項に記載した方法により行うことができる。また、本発明では、上記基板11としてFOPを採用したときには、バリア層14の形成を行った後で、上記基板11として用いたFOP部分の面取を行ってもよい。この場合、この面取に際して、図2に示すように、金属反射層13および/またはバリア層14の端面が外部に露出する場合があるが、その場合には、必要により、これらの端面に適当な封止用樹脂の塗布等を行うことにより、当該端面に保護用の被覆を行ってもよい。
本発明においては、蛍光体120が気相法によって成膜されていることが好ましく、具体的には蒸着法によって形成されることが好ましい。
本発明におけるシンチレータ層12の製造方法は、真空容器内に蒸発源及び基板回転機構を有する蒸着装置を用いて、支持体を前記支持体回転機構に設置して、当該支持体を回転しながら蛍光体材料を蒸着する工程を含む気相堆積法により、蛍光体層を形成する態様の製造方法であることが好ましい。
以下、本発明の実施形態について、図6を参照しながら説明する。なお、この図6に示す蒸着装置は、WO2010/150576に開示されているものと同様の装置である。
真空容器51の内部の底面付近には、支持体53に垂直な中心線を中心とした円の円周上の互いに向かい合う位置に蒸発源57a,57bが配置されている。この場合において、支持体4と蒸発源57a,57bとの間隔は100〜1500mmとされるのが好ましく、より好ましくは200〜1000mmである。また、支持体53に垂直な中心線と蒸発源57a,57bとの間隔は100〜1500mmとされるのが好ましく、より好ましくは200〜1000mmである。
なお、本発明に係るシンチレータパネル製造装置においては3個以上の多数(8個、16個、24個等)の蒸発源を設けることも可能であり、各々の蒸発源は等間隔に配置してもよく、間隔を変えて配置してもよい。複数の蒸発源は同心円上に配置してもよいし、同心円を2重、3重または4重に配置してもよい。また、支持体53に垂直な中心線を中心とした円の半径は任意に定めることができる。
この様に、複数の蒸発源を同心円状に2重、3重または4重に配置することで、大面積の領域で均一な蒸着膜を成膜することができ、従来1度の蒸着で1枚しか作成できなかったシンチレータパネルを、例えば2枚、4枚、9枚同時に作成することが可能となる。
前記蛍光体をWやTa等の高融点金属からなるボートにセットして抵抗加熱する構成としてもよいし、カーボンや炭化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ボロンといったセラミックス製のるつぼにセットしてクヌーセントセル(間接加熱蒸発源)で加熱する構成としても良い。ボートやるつぼには、充填された蛍光体が加熱され突沸(スプラッシュ)を起こした時に発生する粒子が開口部を通して直線的に飛散し被蒸着材料(基板)に到達するのを防ぐため、ボートまたはるつぼの開口部に仕切板を用いることが好ましい。また、ボートまたはるつぼの開口部に、内部方向に凸部を有し穿孔を備えた蓋をセットすることで、被蒸着材料(基板)のいかなるところからもボートまたはるつぼ内部の蛍光体を直接見ることのできなくすることも突沸(スプラッシュ)を防ぐのに効果的である。
また、前記蛍光体を加熱する方法は、抵抗加熱法以外に電子ビームによる加熱や、高周波誘導による加熱等の方法でも良いが、本発明では比較的簡単な構成で取り扱いが容易、安価、かつ、非常に多くの物質に適用可能である点から直接電流を流し抵抗加熱する方法や、周りのヒーターでるつぼを間接的に抵抗加熱する方法が好ましい。また、蒸発源57a,57bは分子源エピタキシャル法による分子線源でも良い。
以上のシンチレータパネル(「シンチレータパネル」)の製造装置50又は製造方法によれば、複数の蒸発源57a,57bを設けることによって蒸発源57a,57bの蒸気流が重なり合う部分が整流化され、支持体53の表面に蒸着する前記蛍光体の結晶性を均一にすることができる。このとき、多数の蒸発源を設けるほど多くの箇所で蒸気流が整流化されるため、より広範囲において前記蛍光体の結晶性を均一にすることができる。また、蒸発源57a,57bを支持体53に垂直な中心線を中心とした円の円周上に配置することによって、蒸気流の整流化によって結晶性が均一になるという作用を、支持体53の表面において等方的に得ることができる。
支持体ホルダ54は、支持体53のうち前記蛍光体層を形成する面が真空容器51の底面に対向し、かつ、真空容器51の底面と平行となるように支持体53を保持する構成となっている。また、支持体ホルダ54には、支持体53を加熱する加熱ヒータ(図示せず)を備えることが好ましい。この加熱ヒーターで支持体53を加熱することによって、支持体53の支持体ホルダ54に対する密着性の強化や、前記蛍光体層の膜質調整を行う。また、支持体53の表面の吸着物を離脱・除去し、支持体53の表面と前記蛍光体との間に不純物層が発生することを防止する。
また、加熱手段として温媒又は熱媒を循環させるための機構(図示せず)を有していてもよい。この手段は蛍光体の蒸着時における支持体53の温度を50〜150℃といった比較的低温に保持して蒸着する場合に適している。
また、加熱手段としてハロゲンランプ(図示せず)を有していてもよい。この手段は蛍光体の蒸着時における支持体53の温度を150℃以上といった比較的高温に保持して蒸着する場合に適している。
さらに、支持体ホルダ54には、支持体53を水平方向に回転させる支持体回転機構55が設けられている。支持体回転機構55は、支持体ホルダ54を支持すると共に支持体53を回転させる支持体回転軸56及び真空容器51の外部に配置されて支持体回転軸7の駆動源となるモータ(図示せず)から構成されている。
支持体の加熱は、支持体をホルダに密着させてセットしてもよいし、ホルダより距離を取って配置して加熱してもよい。前述の温媒または熱媒を用いて支持体を加熱する場合は、支持体をホルダへ密着させてセットする方が好ましい。
蒸着装置には、上記構成の他に、真空容器に真空ポンプが配されている。真空ポンプは、真空容器の内部に存在する気体の排気を行うもので、高真空領域まで排気するために、作動圧力領域の異なる真空ポンプを2種類もしくはそれ以上配置してもよい。真空ポンプとしては、ロータリーポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、ディフュージョンポンプ、メカニカルブースタ等を用いることができる。
チャンバー内の圧力を調整するために、真空容器内にガスを導入できる機構が設けられている。導入するガスは、一般的には例えばNe、Ar、Kr等の不活性ガスが用いられる。真空容器内の圧力は、真空容器内を真空ポンプで排気しながら導入するガス量で調整してもよいし、所望の圧力よりも高真空となるまで真空排気行った後に真空排気を停止して、その後所望の圧力となるまでガスを導入することにより調整してもよい。また、真空容器と真空ポンプの間に圧力制御弁を設ける等によりポンプの排気量を調整して真空容器内の圧力を制御してもよい。
また、蒸発源57a、57bと蒸着用基板53との間には、蒸発源57a、57bから蒸着用基板53に至る空間を遮断するシャッタ58が水平方向に開閉自在に設けられており、このシャッタ58によって、蒸発源57a、57bにおいて蛍光体材料の表面に付着した目的物以外の物質が蒸着の初期段階で蒸発し、蒸着用基板53に付着するのを防ぐことができるようになっている。シャッタは、例えば蒸発源の温度が200℃以下の状態で開としてもよいし、蒸発源から発生する蒸気量が安定するのを確認してから開としてもよい。また、蒸発源57a、57bの中の蛍光体材料がすべてなくなったことを確認してからシャッタを閉にしてもよいし、蒸発源の中に蛍光体材料が残っている状態でシャッタを閉としてもよい。
上記の製造装置を用いた本発明のシンチレータパネルの製造方法について説明する。
まず、支持体ホルダ54に蒸着用基板53を取り付ける。ここで、本発明のシンチレータパネル10を製造するときには、上記基板11が蒸着用基板53として用いられ、この基板11に対して蛍光体120の蒸着が行われることになる。なお、後述する第2の放射線検出器40を製造するときには、後述する光検出パネル20が蒸着用基板53として用いられ、この光検出パネル20に対して蛍光体120の蒸着が行われることになる。
また、真空容器51の底面付近において、蒸着用基板53に垂直な中心線を中心とした円の円周上に蒸発源57a、57bを配置する。次に、坩堝やボート等に、蛍光体母体化合物と、賦活剤を充填し、蒸発源にセットする。例えば、蛍光体母体化合物として賦活剤のないCsIを採用し、賦活剤としてTlIを採用する場合、蛍光体母体化合物としてのCsIを蒸発源57aとし、賦活剤としてのTlIを蒸発源57bとすることができる。ここで、蛍光体母体化合物については必要により蒸発源を2つ以上としてもよい。
充填した蛍光体母材化合物および賦活剤の中の不純物を蒸着前に除去するため、予備加熱を行ってもよい。予備加熱は使用する材料の融点以下であることが望ましい。例えばヨウ化セシウムの場合、予備加熱温度は50〜620℃が好ましく、100〜500℃がより好ましい。ヨウ化タリウムの場合、50〜440℃が好ましく、100〜400℃がより好ましい。
蒸着装置内を一旦排気し、アルゴンガスを導入して真空度を調整した後、蒸着用基板を回転させる。回転数は蒸着装置の大きさにもよるが、通常2〜15回転、好ましくは4〜10回転である。
ここで、下地層を有するシンチレータ層12を形成する場合には、次いで、蛍光体母体化合物(例えば、CsI:賦活剤なし)の坩堝を加熱して蛍光体を蒸着し、下地層を形成する。なお、発光輝度の向上および保存性の点を考慮し、下地層に少量の賦活剤を添加してもよい。この時の基板温度は通常5〜100℃、好ましくは15〜50℃である。下地層の膜厚は、結晶径や蛍光体層の膜厚にもよるが、通常0.1〜50μmである。
その次に、シンチレータ層12の蛍光体層部分の形成を行う。基板の加熱を開始し、基板温度を150〜250℃に加熱し、残りの蛍光体母体化合物(例えば、CsI:賦活剤なし)と賦活剤(例えば、TlI)の坩堝の蒸着を開始する。このとき、蛍光体母体化合物は、生産性を考慮して、下地層よりも早い蒸着速度で蒸発をすることが好ましい。下地層および蛍光体層の膜厚にもよるが、下地層の蒸着の5〜100倍の速度で蒸着することが好ましく、10〜50倍で蒸着することがより好ましい。賦活剤の蒸発方法は、賦活剤単体を蒸発させてもよいが、蛍光体母体化合物(例えば、ヨウ化セシウム)と賦活剤(例えば、ヨウ化タリウム)を混合した蒸発源を作製し、蛍光体母体化合物は蒸着せず、賦活剤のみが蒸着する温度(蛍光体母体化合物および賦活剤としてそれぞれヨウ化セシウムおよびヨウ化タリウムを用いた場合には、例えば450〜600℃)に加熱して蒸着させてもよい。また、蛍光体母体化合物の蒸発源を2つ以上用意し、下地層形成時には、蛍光体母体化合物入りの第1の蒸発源のみを用いて蒸着を行い、その後の蛍光体層形成時には、当該第1の蒸発源に加えて、蛍光体母体化合物入りの第2の蒸発源および賦活剤入りの蒸発源を追加した状態で蒸着を行ってもよい。
一方、下地層を有さないシンチレータ層12を形成する場合にも、根元部を形成する際の基板温度を150〜250℃とすることにより、根元部を形成するときの基板温度を、根元部以外の部分を形成するときの基板温度と同じかあるいは変えたとしても大きく違わない温度とすることを除いて、下地層を有するシンチレータ層12を形成するときと同様の方法によって行うことができる。
また、蒸着法においては必要に応じて酸素や水素などのガスを導入して蒸着する反応性蒸着を行ってもよい。
蒸着時に加熱を行っていた支持体は、高温のため、取り出す前に冷却を行う必要がある。蛍光体層を80℃まで冷却する工程での平均冷却速度を0.5〜10℃/分の範囲内とすることで、基板にダメージなく冷却することができる。例えば支持体に膜厚10〜500μmの高分子フィルム等の比較的薄い基板を用いた場合に特に有効である。この冷却工程は、真空度1×10-5Pa〜0.1Paの雰囲気下で行われることが特に好ましい。また、冷却工程時に、蒸着装置の真空容器内にアルゴンやヘリウム等の不活性ガスを導入する手段を講じてもよい。なお、ここでいう平均冷却速度とは、冷却開始(蒸着終了時)から80℃まで冷却する間の時間と温度を連続的に測定し、この間の1分間あたりの冷却速度を求めたものである。なお、蒸着終了後、冷却を行う前に、前記蛍光体層を加熱処理してもよい。
以上のようにしてシンチレータ層12を形成した後は、上記「金属反射層」の項に記載した方法により金属反射層13の形成を行い、その後、上記「バリア層」の項に記載した方法によりバリア層14の形成を行い、さらに、必要に応じて、上記基板11として用いたFOP部分の面取を行うことにより、シンチレータパネル10に導くことができる。
<用途>
本発明のシンチレータパネルは、種々の態様のX線画像撮影システムに応用することができる。その中でも特に好適な用途として、シンチレータパネルが挙げられ、後述するように、光検出パネルと組み合わされて放射線検出器として用いることができる。
〔放射線検出器〕
上記シンチレータパネルに関連して、本発明は、上述したシンチレータ層を有する2種類の放射線検出器をも提供する。
1つは、図3に示すように、シンチレータ層12を有する上述のシンチレータパネル10に、光検出パネル20を組み合わせてなる放射線検出器30(本明細書において、「第1の放射線検出器」とも呼ぶ。)であり、もう1つは、図5に示すように、後述するシンチレータ層12'と光検出パネル20とが一体化されてなる放射線検出器40(本明細書において、「第2の放射線検出器」とも呼ぶ。)である。
いずれの放射線検出器においても、外部からのX線が、シンチレータ層(シンチレータ層12またはシンチレータ層12')によって光に変換され、この光が、光検出パネル20によって電気信号に変換されるとともに、位置情報と関連づけられた形で外部に出力可能な状態とされる。
ここで、本発明に係る放射線検出器は、外部からのX線等の放射線が、シンチレータ層を構成する蛍光体(すなわち、蛍光体120および蛍光体120')によって光に変換され、この光が、光電変換素子を含む光検出パネル20、典型的には、光電変換素子が2次元状に配された光検出パネル20によって電気信号に変換されるとともに、位置情報と関連づけられた形で外部に出力可能な状態とされる。
<光検出パネル>
本発明で用いられる光検出パネル20は、光を、電気信号に変換して、外部に出力する役割を有するものであり、従来公知のものを用いることができる。
ここで、本発明で用いられる光検出パネル20の構成は特に制限はないものの、通常、基板と、画像信号出力層と、光電変換素子とがこの順で積層された形態を有している。
このうち、光電変換素子は、シンチレータ層(シンチレータ層12またはシンチレータ層12')で発生した光を吸収して、電荷の形に変換する機能を有している。ここで、光電変換素子は、そのような機能を有する限り、どのような具体的な構造を有していてもよい。例えば、本発明で用いられる光電変換素子は、透明電極と、入光した光により励起されて電荷を発生する電荷発生層と、対電極とからなるものとすることができる。これら透明電極、電荷発生層および対電極は、いずれも、従来公知のものを用いることができる。また、本発明で用いられる光電変換素子は、適当なフォトセンサーから構成されていても良く、例えば、複数のフォトダイオードを2次元的に配置してなるものであってもよく、あるいは、CCD(Charge Coupled Devices)、CMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)センサーなどの2次元的なフォトセンサーからなるものであっても良い。
また、画像信号出力層は、上記光電変換素子で得られた電荷を蓄積するとともに、蓄積された電荷に基づく信号の出力を行う機能を有する。ここで、画像信号出力層は、どのような具体的な構造を有していてもよく、例えば、光電変換素子で生成された電荷を画素毎に蓄積する電荷蓄積素子であるコンデンサと、蓄積された電荷を信号として出力する画像信号出力素子であるトランジスタとを用いて構成することができる。ここで、好ましいトランジスタの例として、TFT(薄膜トランジスタ)が挙げられる。
また、基板は、光検出パネル20の支持体として機能するものであり、各種のガラス、高分子材料、金属等を用いることができる。これらは1種単独で用いても積層して用いてもよい。なお、本明細書においては、上記シンチレータパネル10を構成する基板11との区別のため、光検出パネル20を構成する基板を、「光検出パネル構成基板」と呼ぶことがある。
このように、本発明で用いうる光検出パネルとして種々の構成のものを用いることができる。例えば、ガラス基板上に複数のフォトダイオードと複数のTFT素子を形成してなるものを光検出パネルとして用いることができる。
さらに、光検出パネルは、電気信号に変換されたX線の強度情報および位置情報に基づく画像信号を記憶するためのメモリ部、光検出パネルを駆動させるために必要な電力を供給する電源部、外部に画像情報を取りだすための通信用出力部など、公知のシンチレータパネルを構成する光検出パネルが有しうる各種部品をさらに備えることができる。ここで、第2の放射線検出器に用いられる光検出パネルでは、光電変換素子が設けられた側にシンチレータ層12'を形成することになるが、そのような光検出パネルは、光電変換素子が設けられた側に、シンチレータ層12'を形成するための光学的に透明な隔壁を有することになる。この隔壁は、光学的に透明である限り、光検出パネル構成基板であってもよく、あるいは、光検出パネル構成基板とは別個の板状部材であってもよい。この隔壁を構成する材質としては、上記基板11と同様のものが挙げられる。ここで、この隔壁は、上記「基板」の項で上述したFOPを含むものであってもよい。
(第1の放射線検出器)
本発明に係る第1の放射線検出器30は、上述したシンチレータパネル10と、光検出パネル20とを有する。
第1の放射線検出器の例を図3に示す。図3に示すように、第1の放射線検出器30では、上記シンチレータパネル10と光検出パネル20とを組み合わせることにより、外部から進入してきたX線を、シンチレータパネル10を構成するシンチレータ層12において光に変換することができ、この光を、光検出パネル20を構成する光電変換素子にて電気信号に変換することができる。ここで、図3において、太矢印はX線の入射方向を示す。
このような変換が効率よく行われるよう、第1の放射線検出器30は、具体的には、シンチレータパネル10を構成する基板11と、光検出パネル20を構成する光電変換素子(図示しない)とが互いに向かい合う態様で、上記シンチレータパネル10と光検出パネル20とが組み合わされた構成を有する。
ここで、参考までに、本発明の特に好適な態様に係る放射線検出器30の一例として、シンチレータパネル10として図2に例示したシンチレータパネルを採用してなる放射線検出器を図4に示す。
(第2の放射線検出器)
本発明に係る第2の放射線検出器は、
光電変換素子を含む光検出パネルと、
該光検出パネル上に設けられた、柱状結晶構造を持つ蛍光体からなるシンチレータ層と、
金属反射層と
防湿層であるバリア層と
を含み、
該蛍光体は潮解性を有するものであり、
該金属反射層は該蛍光体の柱状結晶先端に沿った形状で蛍光体に接しており、
放射線入射側から見たときに、該バリア層、該金属反射層、該シンチレータ層、該光検出パネルがこの順に配される。
本発明の第2の放射線検出器の基本構成を図5に示す。図5に示すように、第2の放射線検出器40は、光検出パネル20と、シンチレータ層12'と、金属反射層13'と、バリア層14'をこの順番で含んでいる。ここで、本発明における典型的な態様では、第2の放射線検出器40への放射線入射は、バリア層14'側から光検出パネル20側に向かって行われることから、放射線入射側から見たときに、バリア層14'、金属反射層13'、シンチレータ層12'、および光検出パネル20がこの順に配されることになる。
ここで、第2の放射線検出器40を構成するシンチレータ層12'は、上記シンチレータパネル10を構成するシンチレータ層12と同様、柱状結晶構造を有する蛍光体120'から構成されており、本発明では、そのような蛍光体120'として、潮解性を有する蛍光体が採用される。そして、金属反射層13'が、この蛍光体120'の柱状結晶先端に沿った形状で蛍光体120'に接している。さらに、バリア層14'は、無機素材を含む層を有している。言い換えると、第2の放射線検出器40は、上述したシンチレータパネル10を構成するシンチレータ層12と同様のシンチレータ層12'を有しながらも、シンチレータ層12'が、基板11ではなく光検出パネル20上に形成されている点で、上述したシンチレータパネル10と異なる。
このように、第2の放射線検出器40は、すでに光検出パネル20を一体化した形で含んでいることから、シンチレータ層12'に基づくX線から光への変換機能のほかに、光検出パネル20に基づく光から電気信号への変換機能をも併せ持つこととなり、それ自体で、電気信号の形で画像データを取りだし可能な放射線検出器として用いることができる。
以下、第2の放射線検出器40を構成する各種構成要素について、詳細に説明する。
シンチレータ層
第2の放射線検出器40は、上記光検出パネル20上にシンチレータ層12'を有している。ここで、光検出パネル20が、基板と、画像信号出力層と、光電変換素子とがこの順で積層されてなる場合、シンチレータ層12'は、当該光電変換素子上に形成することができる。典型的な態様において、シンチレータ層12'の形成は、実際には、光電変換素子上に配置された上記光学的に透明な隔壁上に行われる。
シンチレータ層12'は、上述したシンチレータパネル10を構成するシンチレータ層12と同様、外部から入射されたX線等の放射線のエネルギーを、可視光などの光に変換する役割を有している。
本発明に係る第2の放射線検出器40において、シンチレータ層12'は、柱状結晶構造を持つ、潮解性を有する蛍光体からなる層である。
本発明の第2の放射線検出器40で用いられるシンチレータ層12'を構成する蛍光体120'は、上記シンチレータパネル10で用いられる蛍光体120と同様のものとすることができ、この蛍光体120'を構成する蛍光体母材化合物および賦活剤についても、蛍光体120で用いられるものと同様のものとすることができる。また、層構成、膜厚および柱状結晶の形状についても、上記シンチレータパネル10を構成するシンチレータ層12におけるものと同様とすることができる。
また、シンチレータ層12'を構成する柱状結晶120'についての空隙率についても、シンチレータ層12を構成する柱状結晶120についての空隙率と同様の方法により求めることができる。
また、第2の放射線検出器40を構成するシンチレータ層12'の形成方法として、上記シンチレータパネル10を構成するシンチレータ層12の形成方法と同様の方法を用いることができ、形成条件についても、上記シンチレータパネル10を構成するシンチレータ層12を形成するときと同様の条件とすることができる。
なお、金属反射層13'へのバリア層14'の形成を気相堆積法などの方法により直接行う場合には、有機・無機粒子や、有機膜、もしくは有機-無機ハイブリッド膜にて予め柱状結晶相互間にある空隙を埋めておくことが好ましい。このような有機・無機粒子、有機膜、および、有機-無機ハイブリッド膜として、上記シンチレータパネル10を構成するバリア層14に用いうるものと同様のものを用いうる。
金属反射層
本発明に係る第2の放射線検出器40は、上記シンチレータパネル10と同様、金属反射層13'を有する。上記シンチレータパネル10を構成する金属反射層13と同様、この放射線検出器40を構成する金属反射層13'もまた、蛍光体120'の柱状結晶先端に沿った形状で蛍光体に接している。
本発明に係る第2の放射線検出器40において、金属反射層13'として用いることができる材質は、シンチレータパネル10を構成する金属反射層13として用いることができる材質と同様のものとすることができ、その膜厚や形成方法についても、シンチレータパネル10を構成しうる金属反射層13のものと同様とすることができる。
バリア層
本発明に係る第2の放射線検出器40は、上記シンチレータパネル10と同様、バリア層14'を有する。上記シンチレータパネル10を構成するバリア層14と同様、この放射線検出器40を構成する金属反射層14'もまた、蛍光体120'の保護を主眼として設けられるものであり、金属反射層13'とバリア層14'を合わせたときの水蒸気透過率および酸素透過率が、金属反射層13とバリア層14を合わせたときの水蒸気透過率および酸素透過率とそれぞれ同様であることが好ましい。このように、本発明において、バリア層14'として水分や酸素の透過性の低い層を設けることにより、従来技術において金属反射層の腐食を防ぐために蛍光体と金属反射層の間に設けていた薄膜有機層を第2の放射線検出器40では設ける必要がなくなる。これによって、本発明の第2の放射線検出器40は、金属反射層13'が、シンチレータ層12'を構成する蛍光体120'の柱状結晶先端に沿った形状で直接蛍光体120'に接する構造を有することができるのである。このような第2の放射線検出器40では、薄膜有機層の存在に起因する、蛍光体120'の柱状結晶内で発生した光が近隣の別の柱状結晶に伝搬するクロストークが起こらないため、鮮鋭性が大きく向上する。
本発明においては、このような性能を満たすためのバリア層14'として、上記シンチレータパネル10を構成する上記バリア層14と同様の層が採用される。このようなバリア層14'の好適な例として、上記シンチレータパネル10についての上記「バリア層」の項で上述したものと同様の無機素材を含む層を有する層が挙げられる。
本発明に係る第2の放射線検出器40において、バリア層14'として用いることができる材質は、シンチレータパネル10を構成するバリア層14として用いることができる材質と同様のもの、すなわち、上記シンチレータパネル10についての「バリア層」の項に記載のものとすることができ、その膜厚および膜構成についても、シンチレータパネル10を構成しうるバリア層14におけるもの、すなわち、上記「バリア層」の項に記載されているものと同様のものとすることができる。また、バリア層14'の形成も、上記バリア層14を形成するときと同様、気相堆積法その他の上記「バリア層」の項に記載の方法によって行うことができる。つまり、第2の放射線検出器40を構成するバリア層14'についても、上記シンチレータパネル10を構成するバリア層14と同様の多層構造を有するものとすることができ、また、有機素材と無機素材との複合素材からなるものとすることができる。例えば、上記無機層と上記有機層を有する構成とすることができる。ここで、図示はしないが、第2の放射線検出器40は、例えば、図2および図4に示したような、第1の有機層141、無機層142および第2の有機層143に相当する層からなる3層構造のバリア層を、バリア層14'として有していてもよい。ただ、第2の放射線検出器40で採用しうるバリア層14'の構成はこれらに限られるものでない。バリア層14'は、水蒸気透過率及び酸素透過率が充分小さい限り、例えば、上記バリア層14に用いうるものと同様の「有機-無機ハイブリッド層」を有するものであってもよく、あるいは、上記バリア層14に用いうるものと同様の有機層のみからなるものであることさえも妨げられるものではない。
また、上記シンチレータパネル10を構成するバリア層14と同様、バリア層14'もまた、金属反射層13'に直接設けられてもよく、あるいは、バリアフィルムの形で別途形成してから設けられてもよい。
第2の放射線検出器の製造方法
本発明に係る第2の放射線検出器40は、本発明の目的を損なわない限り製造方法に特に制限はなく、蛍光体120'の柱状結晶先端に沿った形状の金属反射層13'とバリア層14'が存在できるようにすることを除いては、基本的には従来公知の放射線検出器の製造方法と同様の方法とすることができる。
具体的には、光検出パネル20を構成する光電変換素子部分に対して、上記「シンチレータパネルの製造方法」の項に記載したものと同様の方法によって、シンチレータ層12'の形成を行い、さらに、従来公知の方法に従って、金属反射層13'及びバリア層14'等の形成を行うことにより、第2の放射線検出器40を得ることができる。
ここで、第2の放射線検出器40を構成するシンチレータ層12'の形成を、図5に示した蒸着装置50を用いて行う場合、蒸着用基板53として光検出パネル20を用いることができ、光検出パネル20のうち光電変換素子が設けられた側を被蒸着面として蒸着を行うことができる。ここで、第2の放射線検出器40を得るときには、多くの場合、光検出パネル20における光電変換素子が設けられた側には、上記光学的に透明な隔壁が配置されている。したがって、光電変換素子が設けられた側への蒸着は、典型的には、この光学的に透明な隔壁に対して行うことができる。
この際、加熱による光検出パネル20のダメージを防ぐため、蛍光体層121'を形成しない側をホルダ54に固定した状態で光検出パネル20を冷却しながら蛍光体層121'を形成する側の温度を150〜320℃に保つ方法を取り入れてもよい。ここで、光検出パネル20を冷却する具体的な手段は特に限定されないものの、例えば、ホルダ54内部に施された配管(図示略)に水や冷媒を流すことにより、および/または、ペルチェ素子などを用いることにより、光検出パネル20を冷却することができる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
(支持体)
シンチレータパネルを構成する基板として、厚さ3mmのFOPを採用した。
(シンチレータ層の形成)
支持体へのシンチレータ層の形成を図6に示す蒸着装置を使用して次のように行った。なお、この図6に示す蒸着装置は、WO2010/150576に開示されているものと同様の装置である。
まず、蛍光体原料(CsI)を蒸着材料として第1の抵抗加熱ルツボに充填し、賦活剤(TlI)を第2の抵抗加熱ルツボに充填し、それぞれの内容物を、それぞれ蒸着源57a、57bとした。また、回転可能なホルダ54に蒸着用基板53として上記基板を設置し、蒸着用基板53と蒸着源57との間隔を400mmに調節した。
次いで、蒸着装置50の真空容器51内部にある空気を一旦排気し、Arガスを導入して蒸着装置50の真空容器51内における真空度を0.5Pa(絶対圧)に調整した後、10rpmの速度でホルダ54と共に蒸着用基板53を回転させた。そして、第1の抵抗加熱ルツボを加熱して蛍光体を蒸着用基板のシンチレータ形成予定面に蒸着して、下地層部分を3μm形成した。このとき、蒸着開始時の蒸着用基板53の温度は5℃とし、徐々に昇温させて下地層部分が3μm形成された際の蒸着用基板53の温度を25℃とした。
このように下地層部分を形成した後、蒸着用基板53の温度を200℃とし、第2の抵抗加熱ルツボの加熱を開始し、蛍光体および賦活剤を蒸着用基板のシンチレータ形成予定面に蒸着して、蛍光体層部分も形成した。このとき、シンチレータ層内の賦活剤濃度が0.3mol%となるように第2の抵抗加熱ルツボの加熱温度を制御することで賦活剤の蒸着速度を調整した。ここで、蒸着用基板の加熱は、ホルダ54を加熱することにより行った。
シンチレータ層の膜厚が140μmとなったところで蒸着を終了し、蒸着用基板53のシンチレータ形成予定面上に所定膜厚の蛍光体層を有する未封止シンチレータ構造体を得た。
(金属反射層及びバリア層の形成)
上記未封止シンチレータ構造体において、得られた蛍光体柱状結晶先端に、金属反射層として、膜厚が0.3μmとなるようにアルミニウムをスパッタすることによりアルミニウムからなる反射層の形成を行った。
その後、このように得られた、金属反射層を有するパネルに対して、以下のようにバリア層の形成を行った。
まず、バリア層を構成する第1の層として、ポリパラキシリレン(商品名:パリレン(登録商標)、日本パリレン合同会社から入手。以下、単に「パリレン」と呼ぶことがある。)からなる第1の有機層を膜厚20μmになるようにCVD蒸着にて形成した。次いで、バリア層を構成する第2の層として膜厚が0.2μmとなるようにアルミニウムからなる無機層をスパッタにより形成した。さらに、バリア層を構成する第3の層として、この第2の層を保護するためにポリパラキシリレンからなる第2の有機層を膜厚20μmとなるように再度CVD蒸着にて形成し、本発明のシンチレータパネルを得た。
すなわち、本実施例で得られたシンチレータパネルは、1つの無機層と2つの有機層とからなる3層構造のバリア層を有することになる。
<実施例2>
アルミニウムからなる反射層を膜厚0.1μmとなるように形成する他は実施例1と同様にして本発明のシンチレータパネルを得た。
<実施例3>
アルミニウムからなる反射層を膜厚0.15μmとなるように形成する他は実施例1と同様にして本発明のシンチレータパネルを得た。
<実施例4>
アルミニウムからなる反射層を膜厚0.2μmとなるように形成する他は実施例1と同様にして本発明のシンチレータパネルを得た。
<実施例5>
アルミニウムからなる反射層を膜厚0.5μmとなるように形成する他は実施例1と同様にして本発明のシンチレータパネルを得た。
<実施例6>
アルミニウムからなる反射層を膜厚1.0μmとなるように形成する他は実施例1と同様にして本発明のシンチレータパネルを得た。
<実施例7>
アルミニウムからなる反射層を膜厚1.1μmとなるように形成する他は実施例1と同様にして本発明のシンチレータパネルを得た。
<実施例8>
実施例1において得られた蛍光体柱状結晶先端に、金属反射層として、膜厚が0.3μmとなるようにアルミニウムをスパッタすることによりアルミニウムからなる反射層を形成した。
その後、このように得られた、金属反射層を有するパネルに対して、両面を樹脂でコートした薄膜ガラスフィルム(ガラス部分の厚さ150μm)による被覆を行い、当該薄膜ガラスフィルムの端面及びその周辺部をUV硬化性シール材で封止して本発明のシンチレータパネルを得た。
<実施例9>
実施例1において得られた蛍光体柱状結晶先端に、金属反射層として、膜厚が0.3μmとなるようにアルミニウムをスパッタすることによりアルミニウムからなる反射層を形成した。
一方、バリアフィルムとして用いるフィルムの形成を、以下のように行った。
125μmのPET基材上に、大気圧プラズマ成膜法で二酸化珪素からなる厚さ100nmの層を形成した。得られる構造体に対して、バーコーターでパーヒドロポリシラザンの10質量%ジブチルエーテル溶液を、ワイヤレスバーで乾燥膜厚100nmになるように塗布し、エキシマ照射を行うことによって改質処理フィルムを得た。すなわち、この改質処理フィルムは、PETからなる基材層と二酸化ケイ素からなる無機層とからなる2層構造を有している。本実施例では、このようにして得られた改質処理フィルムを、バリアフィルムとして用いた。
上記のようにして得られた、金属反射層を有するパネルに対して、上記バリアフィルムによる被覆を行った。そして、最後に、当該バリアフィルムの端面及びその周辺部をUV硬化性シール材で封止して本発明のシンチレータパネルを得た。
<実施例10>
シンチレータ層の形成にあたり、基板温度を蒸着開始時から200℃にする以外は実施例1と同様にして本発明のシンチレータパネルを得た。
すなわち、本実施例で形成されたシンチレータパネルは、シンチレータ層として蛍光体層のみを有することになる。
<比較例1>
実施例1において、金属反射層を形成する前に、パリレン5μmをCVD蒸着によって形成する以外は実施例1と同様にして、比較例1のシンチレータパネルを得た。
なお、この比較例1は、蛍光体と金属反射層の間に腐食防止層として薄膜有機層を設けていた従来技術のシンチレータパネルを示すものである。
<比較例2>
本比較例では、実施例1の金属反射層のかわりに、二酸化チタンとバインダ樹脂とからなる層を反射層として採用したことを除いては、実施例1と同様にしてシンチレータパネルを得た。ここで、本比較例における反射層の形成は、具体的には以下のように行った。
平均粒径0.2μmのルチル型二酸化チタン40質量部、バインダ樹脂としてポリエステル樹脂を10質量部(バイロン630:東洋紡社製)、並びに、溶剤としてトルエン25質量部とメチルエチルケトン(MEK)25質量部を添加した後、サンドミルにて分散して反射層用塗料を作製した。
この反射層用塗料を、蛍光体柱状結晶上に塗工した後、乾燥し、膜厚50μmの反射層を形成した。
<比較例3>
バリア層として、上記第1の有機層(膜厚20μm)の形成のみを行い、上記無機層及び上記第2の有機層の形成を行わなかったことを除き、実施例1と同様にシンチレータパネルの形成を行った。
[シンチレータパネル、放射線検出器の評価]
各実施例および比較例で得られたシンチレータパネルおよび放射線検出器につき、以下の項目で評価を行った。ここで、輝度及びMTFの評価は、実施例並びに、比較例について、各シンチレータパネルを、10cm×10cmの大きさのCMOSフラットパネル(テレダイン ラドアイコン社製のX線CMOSカメラシステム「Shad−o−Box 4KEV」)をセットして放射線検出器とした。
・配向度
作製したシンチレータパネルを樹脂包埋し、次のようにシンチレータ層の層厚方向における配向をXRD測定によって測定した。XRD測定にはPANalytical製X’Pert PRO MPD(照射系:ターゲットCu、出力40mA、45kV)を用いた。
まず、シンチレータ層の基板側のXRD測定を行った。次に、層厚を測定しながらダイヤモンドナイフで層厚方向に所定の層厚になるまで切削し、その層厚部における配向をXRDにて測定した。この測定を、シンチレータ層における、基板が存在する面を基準として、高さ0μm,10μm,50μm,100μm,140μmの位置についてそれぞれ行った。高さ0μmは裏面から測定実施した。この結果より、各測定点における(200)配向度を算出し、その中でもっとも値の小さいものを「配向度」として採用した。
・MTF
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線をFPDの放射線入射面側に照射し、画像データを検出しハードディスクに記録した。その後、ハードディスク上の記録をコンピュータで分析して当該ハードディスクに記録されたX線像の変調伝達関数MTF(空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値)を鮮鋭性の指標とした。表中、MTF値が高いほど鮮鋭性に優れていることを示す。MTFはModulation Transfer Functionの略号を示す。
・耐湿試験後MTF
試料を65℃、85%、3日保存し、保存後同様の撮影を行い、初期のMTFと比較した。保存後のMTFが初期のMTFの80%より大きければ使用可能である。なお、MTFの比の計算には1 cycle/mmの値を用いた。
MTF値はシンチレータパネル内、および、放射線検出器内の9箇所を測定し、その平均値によって評価を行った。ここで、使用可能レベルの特性である耐湿試験前を基準として、その0.8倍未満のものを「×」、0.8倍以上0.9倍未満のものを「△」、0.9倍以上1.0倍未満のものを「○」、耐湿試験前とほぼ同等のものを「◎」と評価した。
Figure 2016095189
10 ・・・本発明に係るシンチレータパネル
11 ・・・基板
12,12' ・・・蛍光体層
120,120' ・・・蛍光体
13,13' ・・・金属反射層
14,14' ・・・バリア層
141 ・・・第1の有機層
142 ・・・無機層
143 ・・・第2の有機層
20 ・・・光検出パネル
30 ・・・第1の放射線検出器
40 ・・・第2の放射線検出器
50 ・・・蒸着装置
51 ・・・真空容器
52 ・・・真空ポンプ
53 ・・・蒸着用基板
54 ・・・ホルダ
55 ・・・回転機構
56 ・・・回転軸
57,57a,57b,57c ・・・蒸着源
58 ・・・シャッター

Claims (19)

  1. 光学的に透明な基板と、
    該基板上に設けられた、柱状結晶構造を持つ蛍光体からなるシンチレータ層と、
    金属反射層と
    防湿層であるバリア層と
    を含み、
    該蛍光体は潮解性を有するものであり、
    該金属反射層は該蛍光体の柱状結晶先端に沿った形状で蛍光体に接しており、
    放射線入射側から見たときに、該バリア層、該金属反射層、該シンチレータ層、該基板がこの順に配されるシンチレータパネル。
  2. 前記金属反射層の平均膜厚が0.15μm以上1.00μm以下である請求項1に記載のシンチレータパネル。
  3. 前記バリア層が多層からなる請求項1または2に記載のシンチレータパネル。
  4. 前記バリア層が、有機素材と無機素材との複合素材からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
  5. 前記基板がファイバオプティクスプレート(FOP)である請求項1〜4のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
  6. 前記シンチレータ層を構成する蛍光体が、
    アルカリ金属のハロゲン化物、
    アルカリ土類金属のハロゲン化物(フッ化物を除く)、及び
    ランタノイドのハロゲン化物
    からなる群から選ばれる1以上を母材とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
  7. 前記シンチレータ層を構成する蛍光体が、
    ヨウ化ナトリウム、ヨウ化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化ストロンチウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化セシウムバリウム(CsBa2I5)、臭化ランタン、および、臭化セリウム
    からなる群から選ばれる1以上を母材とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
  8. 前記シンチレータ層を構成する前記柱状結晶における、一定の面指数を有する面のX線回折スペクトルに基づく配向度が、該シンチレータ層における、該柱状結晶の、前記基板に接する根元から先端部までの層厚方向の位置に係わらず、80〜100%の範囲内である請求項1〜7のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
  9. 前記一定の面指数が、(200)であることを特徴とする請求項8に記載のシンチレータパネル。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のシンチレータパネルと、
    光電変換素子を含む光検出パネルと
    を有する放射線検出器。
  11. 光電変換素子を含む光検出パネルと、
    該光検出パネル上に設けられた、柱状結晶構造を持つ蛍光体からなるシンチレータ層と、
    金属反射層と
    防湿層であるバリア層と
    を含み、
    該蛍光体は潮解性を有するものであり、
    該金属反射層は該蛍光体の柱状結晶先端に沿った形状で蛍光体に接しており、
    放射線入射側から見たときに、該バリア層、該金属反射層、該シンチレータ層、該光検出パネルがこの順に配される放射線検出器。
  12. 前記金属反射層の平均膜厚が0.15μm以上1.00μm以下である請求項11に記載の放射線検出器。
  13. 前記バリア層が多層からなる請求項11または12に記載の放射線検出器。
  14. 前記バリア層が、有機素材と無機素材との複合素材からなる請求項11〜13のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  15. 前記光検出パネルがファイバオプティクスプレート(FOP)を有する請求項11〜14のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  16. 前記シンチレータ層を構成する蛍光体が、
    アルカリ金属のハロゲン化物、
    アルカリ土類金属のハロゲン化物(フッ化物を除く)、及び
    ランタノイドのハロゲン化物
    からなる群から選ばれる1以上を母材とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  17. 前記シンチレータ層を構成する蛍光体が、
    ヨウ化ナトリウム、ヨウ化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化ストロンチウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化セシウムバリウム(CsBa2I5)、臭化ランタン、および、臭化セリウム
    からなる群から選ばれる1以上を母材とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  18. 前記シンチレータ層を構成する前記柱状結晶における、一定の面指数を有する面のX線回折スペクトルに基づく配向度が、該シンチレータ層における、該柱状結晶の、前記基板に接する根元から先端部までの層厚方向の位置に係わらず、80〜100%の範囲内である請求項11〜17のいずれか1項に記載の放射線検出器。
  19. 前記一定の面指数が、(200)であることを特徴とする請求項18に記載の放射線検出器。
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